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JP2018123608A - トンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構 - Google Patents

トンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート版を昇降させる操作を容易にすると共に、トンネルを損傷することなく、十分な支持力を確保できるトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を提供する。【解決手段】既存のコンクリート版21の上に設置されて、コンクリート版21の連設方向Xに移動可能な支持架台30と、コンクリート版21を吊上げ吊降し可能な昇降装置31と、吊り下げられたコンクリート版21を、回転可能に支持する回転冶具32とを含んで構成される。支持架台30は、アーチ形状を備えると共に、両端部30cが既存のコンクリート版21の両端部21bに配置される、連設方向Xに間隔をおいて設けられた一対の支持本体部30aと、これらの支持本体部30aの上部に連設方向Xに延設して設けられて、これらの支持本体部30aを連結すると共に、昇降装置31が取り付けられている連結支持ビーム部30bとを含んで構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構に関し、特に、トンネルの天井版を形成する既存のコンクリート版を、順次吊り降ろして撤去してゆく際に用いるトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構に関する。
上部に円弧状の断面形状部分を含む、馬蹄形や円形の断面形状を備える既存のトンネルでは、上部を天井版で仕切って平坦な天井面を形成すると共に、天井版よりも上方の、円弧状の断面形状部分との間の弓形の断面形状を有する中空部分を、換気用の空間や、配管・配線用の空間等として利用できるようにしたものが多く見受けられるが、このような天井版を設けたトンネルでは、天井版の老朽化や換気システムの変更等に伴って、天井版を撤去する工事が行なわれることがある。
このようなトンネルの天井版は、予め工場等において製造された、天井版が設置される位置におけるトンネルの横幅と同様の長さを有する、横長の矩形状の平面形状を備えるプレキャストコンリート製のコンクリート版を、これの両端部をトンネルの側壁部から内側に張り出して設けられた支持部材に支持させて、トンネルの軸方向に沿った連設方向に多数連設して配置することによって形成されている。
また、このような既存のトンネルの天井版を形成するコンクリート版を撤去する方法として、例えば、ジャッキ付き昇降台を備える移動式の特殊車両である多軸運搬車等を用いて、下方から支えながら、トンネルの軸方向に沿って連設するコンクリート版を、連設方向の先端部に位置するものから順次撤去してゆく方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−142098号公報
しかしながら、ジャッキ付き昇降台を備える移動式の特殊車両によって下方から支えながら、連設するコンクリート版を順次撤去してゆく方法では、重量物であるコンクリート版をバランス良く支持しながら昇降させるための制御が難しく、特に特殊車両が移動するトンネルの路面には、縦断勾配や横断勾配があるため、コンクリート版をバランス良く支持しながら昇降させるための制御がさらに難しくなる。
また、移動式のクレーン等を用いて、コンクリート版を上方から吊り上げながら撤去する方法も考えられるが、天井版の上方の、トンネルの天面部との間のスペースの大きさが限られるため、クレーン等のブームをコンクリート版の上方に配置することが難しく、十分な吊り代を確保することが困難になると共に、コンクリート版を吊り上げたり吊り降ろしたりする際に、ブームやコンクリート版が既設の構造物等と接触しないようにする操作に多くの手間がかかることになる。
さらに、狭いスペースでも相当の吊り代を確保することが可能な、簡易な吊上げ用の装置として、例えばホイストクレーンを用いることも考えられるが、ホイストクレーンを用いる場合、ホイストクレーンを支持する鋼材を固定するためのアンカー部材を、トンネルの天面部に打ち込む必要を生じて、トンネルの天面部を損傷することになると共に、アンカー部材をトンネルの天面部に打ち込むことで鋼材を固定するだけでは、十分な支持力を確保することが困難になる。
本発明は、撤去されるコンクリート版を上方から吊り上げることで、コンクリート版をバランス良く支持しながら昇降させる操作を容易にすると共に、トンネルの天面部を損傷することなく、十分な支持力を確保することのできるトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を提供することを目的とする。
本発明は、トンネルの側壁部から内側に張り出して設けられた支持部材に両端部を支持させて、連設方向に多数連設して配置された、トンネルの天井版を形成する既存のコンクリート版を、連設方向の先端側のコンクリート版から順次吊り降ろして撤去してゆく際に用いるトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構であって、連設する既存のコンクリート版の上に設置されて、前記連設方向に移動可能な支持架台と、該支持架台に取り付けられ、撤去されるコンクリート版を吊上げ吊降し可能な昇降装置と、該昇降装置から吊り下げて設けられ、吊り下げられた撤去されるコンクリート版を回転可能に支持する回転冶具とを含んで構成されており、前記支持架台は、アーチ形状を備えると共に、両端部が既存のコンクリート版の両端部に配置される、前記連設方向に間隔をおいて設けられた少なくとも一対の支持本体部と、これらの支持本体部の上部に前記連設方向に延設して設けられて、これらの支持本体部を連結すると共に、前記昇降装置が取り付けられている連結支持ビーム部とを含んで構成されているトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構は、前記連結支持ビーム部が、前記連設方向の先端部に設けられた前記支持本体部から、先端側にさらに張り出して設けられており、前記昇降装置を、前記連結支持ビーム部の張り出した部分に沿って、前記連設方向に移動可能に取り付けることもできる。
また、本発明のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構は、前記連結支持ビーム部が、前記支持本体部における同様の高さ位置に、一対設けられており、各々の前記連結支持ビーム部に、前記昇降装置が取り付けられていることが好ましい。
さらに、本発明のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構は、前記回転冶具が、前記昇降装置から吊り下げられる上部ビーム部と、撤去されるコンクリート版を吊り下げる下部ビーム部とからなり、該下部ビーム部は、前記上部ビーム部と回転可能に連結していることにより、吊り下げられた撤去されるコンクリート版を、前記上部ビーム部に対して回転させるようになっていることが好ましい。
さらにまた、本発明のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構は、前記支持本体部の両端部に、車輪部材が各々取り付けられていることが好ましい。
また、本発明のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構は、前記コンクリート版の両端部に、前記支持本体部の両端部が外側にずれるのを防止すると共に、前記支持架台の前記連設方向への移動を案内するずれ止めガイド部材が、前記連設方向に沿って延設して各々設けられていることが好ましい。
さらに、本発明のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構は、各々の前記支持本体部の両端部を互いに連結する間隔保持部材が、前記支持架台の下端部に配置されて設けられていることが好ましい。
本発明のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構によれば、撤去されるコンクリート版を上方から吊り上げることで、コンクリート版をバランス良く支持しながら昇降させる操作を容易にすると共に、トンネルの天面部を損傷することなく、十分な支持力を確保することができる。
本発明の好ましい第1実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構の構成を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。 図1(a)のA部拡大図である。 本発明の好ましい第1実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構により天井版が撤去されるトンネルの、(a)は略示横断面図、(b)は天井版の部分を上方から視た略示平面図である。 本発明の好ましい第1実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を用いてコンクリート版を撤去する工程を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。 本発明の好ましい第1実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を用いてコンクリート版を撤去する工程を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。 図5(a)のB部拡大図である。 本発明の好ましい第1実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を用いてコンクリート版を撤去する工程を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。 本発明の好ましい第1実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を用いてコンクリート版を撤去する工程を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。 本発明の好ましい第2実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構の構成を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。 本発明の好ましい第2実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を用いてコンクリート版を撤去する工程を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。 本発明の好ましい第2実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を用いてコンクリート版を撤去する工程を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。 本発明の好ましい第2実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構を用いてコンクリート版を撤去する工程を説明する、(a)はトンネルの略示横断面図、(b)はトンネル内部の略示縦断面図、(c)はトンネル内部の略示平断面図である。
本発明の好ましい第1実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10は、図1(a)〜(c)に示すように、上部に天井版20が設けられた既存の道路トンネル50として、上部に円弧状の断面形状部分を含む馬蹄形の断面形状を備える道路トンネルにおいて、例えば天井版20の老朽化や、天井版20よりも上方の空間を利用した換気システムの変更等に伴って、天井版20を撤去する必要を生じた際に、道路トンネル50の軸方向に多数連設されて天井版20を形成しているプレキャストコンリート製のコンクリート版21を、連設方向Xの先端側に配置されたものから、順次効率良く撤去してゆくことができるようにする機構として採用されたものである。本第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10は、撤去されるコンクリート版21を、バランス良く支持しながら吊り下げて、昇降させる操作を容易にすると共に、道路トンネル50の天面部を損傷することなく、コンクリート版21の昇降時に十分な支持力を確保できるようにする機能を備えている。
そして、本第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10は、道路トンネル50の例えば側壁部51から内側に張り出して設けられた支持部材22に両端部を支持させて、連設方向Xに多数連設して配置された、道路トンネル50の天井版20を形成する既存のコンクリート版21を、連設方向Xの先端側のコンクリート版21から順次吊り降ろして撤去してゆく際に用いる撤去機構であって、図1(a)〜(c)に示すように、連設する既存のコンクリート版21の上に設置されて、連設方向Xに移動可能な支持架台30と、支持架台30に取り付けられ、撤去されるコンクリート版21を吊上げ吊降し可能な昇降装置31と、昇降装置31から吊り下げて設けられ、吊り下げられた撤去されるコンクリート版21を回転可能に支持する回転冶具32とを含んで構成されている。支持架台30は、アーチ形状を備えると共に、両端部30cが既存のコンクリート版21の両端部21bに配置される、連設方向Xに間隔をおいて設けられた少なくとも一対(本第1実施形態では、一対)の支持本体部30aと、これらの支持本体部30aの上部に連設方向Xに延設して設けられて、これらの支持本体部30aを連結すると共に、昇降装置31が取り付けられている連結支持ビーム部30bとを含んで構成されている。
また、本第1実施形態では、連結支持ビーム部30bは、支持本体部30aにおける同様の高さ位置に、一対設けられており、各々の連結支持ビーム部30bに、昇降装置31が取り付けられている。
さらに、本第1実施形態では、回転冶具32は、昇降装置31から吊り下げられる上部ビーム部33と、撤去されるコンクリート版21の本体部分21aを吊り下げる下部ビーム部34とからなり、下部ビーム部34は、上部ビーム部33と回転連結部34aを介して回転可能に連結していることにより、吊り下げられた撤去されるコンクリート版21を、上部ビーム部33に対して回転させることができるようになっている(図7(a)参照)。
本第1実施形態では、図3(a)、(b)に示すように、トンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10によって撤去される天井版20は、予め工場等において製造された、プレキャストコンリート製のコンクリート版21を、道路トンネル50の軸方向に沿った連設方向Xに、多数連設して配置することによって形成されている。コンクリート版21は、各々、例えば1500mm程度の長さの短辺と、天井版20が設置される高さ位置における道路トンネル50の横幅と同様の長さとして、例えば8000mmの長さの長辺とを備える、横長の矩形状の平面形状を有している。コンクリート版21は、道路トンネル50の側壁部51から内側に張り出して設けられた、後述する支持部材22に、長辺方向の両端部21bを支持させると共に、短辺方向を連設方向Xとして、長辺部分を互いに当接させた状態で、多数連設配置されて設置されている。また、これらの連設配置されたコンクリート版21は、例えばPC鋼線、連結鋼棒、連結ボルト等(図示せず)を用いて、公知の方法によって、複数のコンクリート版21が、連設方向Xに適宜一体化された状態で設けられている。
コンクリート版21の長辺方向の両端部を支持する支持部材22は、図2にも示すように、H形鋼等の公知の鋼材を適宜加工することによって形成された、公知の道路トンネル用のブラケット部材を用いることができる。ブラケット部材22は、道路トンネル50の側壁部51の円弧状の断面形状に沿った、湾曲する外周面形状を備える接合基部22aと、接合基部22aから内側に張り出して設けられた、受台部22bとを含んで形成されている。接合基部22aは、これの外周面を、天井版20が設置される高さ位置における道路トンネル50の側壁部51の内側面に密着させた状態で、例えば接合固定ボルト(図示せず)を、側壁部51に向けて締着させることによって、ブラケット部材22を、受台部22bを内側に張り出させた状態で、道路トンネル50の側壁部51の所定の位置に強固に接合固定できるようにする。
ブラケット部材22は、本実施形態では、図3(a)、(b)に示すように、道路トンネル50の両側の側壁部51における所定の高さ位置において、コンクリート版21の連設方向Xである道路トンネル50の軸方向に、コンクリート版21の短辺の長さと同様のピッチで、間隔をおいて複数の箇所に各々取り付けらており、これらの受台部22bに、コンクリート版21の両端部21bを載置させることで、多数のコンクリート版21を、各々下方から支持できるようになっている。
ブラケット部材22の受台部22bは、コンクリート版21の端部を載置させる平坦な載置面22cを備えており(図2参照)、載置面22cは、例えば縦横400mm程度の大きさの、矩形状(正方形状)の平面形状を備えている(図3(b)参照)。各々コンクリート版21は、各々のブラケット部材22の受台部22bに、各隣接する一対のコンクリート版21の端部角部分を、載置面22cを2分割した領域にそれぞれ載置することにより取り付けられている。これによって、各々のコンクリート版21は、4箇所の端部角部分を、4箇所のブラケット部材22の受台部22bにそれぞれ載置することで、これらの各4箇所のブラケット部材22によって下方から支持されて、安定した状態で取り付けられている。各々のコンクリート版21は、載置面22cに載置された4箇所の端部角部分において、受台部22bに向けて固定アンカー23を締着することによって、ブラケット部材22に強固に固定されている。
本第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10を構成する支持架台30は、上述のように、コンクリート版21の連設方向Xに間隔をおいて設けられた一対の支持本体部30aと、これらの支持本体部30aを連結する連結支持ビーム部30bと、連結支持ビーム部30bに取り付けられた昇降装置31とを備えている。一対の支持本体部30aは、各々、例えばH−200のH形鋼を、馬蹄形の断面形状を備える道路トンネル50の上部内側面の弧状の湾曲形状に沿った湾曲形状を有するように、アーチ形状に曲折加工されることによって形成されている。各々のアーチ形状の支持本体部30aには、下端部でもある両端部30cに、鋼製の隅角ピース部材38が、溶接等により接合されることにより、一体として取り付けられている。
支持本体部30aの両端部30cに接合された隅角ピース部材38は、図2に示すように、支持本体部30aの両端部30cとの接合面が、水平方向に対して所定の角度を有するように形成されている。支持架台30は、支持本体部30aの両端部30cに隅角ピース部材38が接合されていることで、支持本体部30aから負荷される荷重を、両端部30cにおいて、水平方向と鉛直方向の荷重に分散させて、コンクリート版21の両端部21bに伝えることができるようになっている。
また、本第1実施形態では、これらの隅角ピース部材38の下端面に接合されて、好ましくは公知のチルタンクからなる移動用の車輪部材37が、各々の支持本体部30aの両端部30cに一体として取り付けられている。各々の支持本体部30aの両端部30cに車輪部材37が取り付けられていることにより、支持架台30を、昇降装置31や回転冶具32と共に、コンクリート版21の連設方向Xに移動させる際に、例えば作業員の力で押し出すことにみによってでも、スムーズに移動させることが可能になる。
一対の支持本体部30aを連結する連結支持ビーム部30bは、例えば300mm程度の高さを有するI形鋼からなり、これの上端フランジ部の端部を、各々の支持本体部30aの上部内周面に、溶接等により接合することで、一対の支持本体部30aに跨るように配置されて、コンクリート版21の連設方向Xに延設すると共に、これらの支持本体部30aを連結した状態で取り付けられる。本第1実施形態では、連結支持ビーム部30bは、支持本体部30aの上部における同様の高さ位置に、平行に延接して一対設けられており、これらの連結支持ビーム部30bに、昇降装置31が各々取り付けられている。これによって、撤去されるコンクリート版21の支持本体部30aを、昇降装置31を介して支持架台30から、より安定した状態で吊り下げて、吊り上げたり吊り降ろしたりすることが可能になる。
なお、一対の支持本体部30aは、これの上部に取り付けられる連結支持ビーム部30bに加えて、例えば下端部分やその他の部分に、これらの支持本体部30aを間隔を置いた状態で互いに連結する連結部材(図示せず)を取り付けることによって、より強固に連結一体化されて、支持架台30を形成することが可能になる。
支持架台30の連結支持ビーム部30bに取り付けられる昇降装置31は、例えば公知のホイストクレーンからなり、走行装置31aを介して、連結支持ビーム部30bに沿ってコンクリート版21の連設方向Xにスライド移動可能な状態で、連結支持ビーム部30bの下端フランジ部の下方に配置されて、一対の連結支持ビーム部30bに各々設けられている。一対の昇降装置31の下方には、釣りワイヤー31bを介してこれらの昇降装置31から吊り下げられて、回転冶具32が設けられている。
回転冶具32は、上述のように、釣りワイヤー31b(図1(a)参照)を介して、一対の昇降装置31から吊り下げられる上部ビーム部33と、撤去されるコンクリート版21の本体部分21aを吊り下げる下部ビーム部34とからなっている。上部ビーム部33は、例えば矩形状の中空断面形状を備える角形鋼管からなり、コンクリート版21の連設方向Xと垂直な、コンクリート版21の長辺方向に沿って延設した状態で、昇降装置31から吊り下げられている。下部ビーム部34は、上部ビーム部33と同様の例えば矩形状の中空断面形状を備える角形鋼管からなり、鉛直方向を回転軸とする回転連結部34aを介して、上部ビーム部33に回転可能に連結されている。下部ビーム部34が上部ビーム部33に回転可能に連結されることにより、回転冶具32は、吊り下げられた撤去されるコンクリート版21を、上部ビーム部33に対して回転させることができるようになっている。
本第1実施形態では、さらに、天井版20を形成する連設配置されたコンクリート版21の両端部21bに、図2に示すように、支持本体部30aの両端部30cが外側にずれるのを防止すると共に、コンクリート版21の連設方向への支持架台30の移動を案内するずれ止めガイド部材36が、連設方向Xに沿って延設して各々設けられている。
ずれ止めガイド部材36は、例えばL形鋼からなり、コンクリート版21の両端部21bにおいて、コンクリート版21の連設方向Xに延設して配置されると共に、延設方向に所定の間隔をおいて、アンカー部材36aをコンクリート版21に向けて締着させることによって、コンクリート版21の両端部21bに強固に固定される。例えばずれ止めガイド部材36を形成するL形鋼の立設辺部には、支持本体部30aの両端部30cに接合された隅角ピース部材38の外側面を当接係止させたり、車輪部材37の外側部分を鋼製やゴム製の緩衝部材37aを介在させて当接係止させたりすることができる。これによって、後述するように、支持架台30からコンクリート版21の本体部分21aを吊り下げた際に、支持本体部30aの両端部30cに取り付けられた車輪部材37が、コンクリート版21の本体部分21aの重量により間隔を広げるようにして、外側にずれることになるのを効果的に回避することが可能になると共に、車輪部材37を案内して、支持架台30を、コンクリート版21の連設方向Xに、よりスムーズに移動させることが可能になる。
また、本第1実施形態では、支持架台30からコンクリート版21の本体部分21aを吊り下げた際に、支持本体部30aの両端部30cに取り付けられた車輪部材37が、間隔を広げるようにして外側にずれることになるのを回避できるようにするための、各々の支持本体部30aの両端部30cを互いに連結する間隔保持部材39を、支持架台30の下端部に配置して設けることもできる。間隔保持部材39としては、公知の引張り補強鋼材である、タイロッドを用いることができ、これの両端部を、例えば図2に示すように、支持本体部30aの両端部30cに取り付けられた隅角ピース部材38の外側面に各々締着させることによって、車輪部材37が外側にずれることになるのを効果的に回避することが可能になる。
上述の構成を備える本第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10によれば、例えば後述する架台設置工程(図4(a)〜(c)参照)と、コンクリート版切断工程(図5(a)〜(c)参照)と、本体部吊降し工程(図7(a)〜(c)参照)と、両端部撤去工程(図8(a)〜(c)参照)とを含む吊降し撤去方法によって、天井版20を形成する多数のコンクリート版21を、順次吊り降ろして撤去することができる。
架台設置工程では、昇降装置31を取り付けた支持架台30を、両端部30cをコンクリート版21の両端部21bに各々載置して、連設方向Xに移動可能状態で、撤去すべき既存の天井版20の上に設置する。すなわち、架台設置工程では、ウィンチ等の簡易な装置を用いて作業員の手作業により組み立て可能な大きさや重量の構成部材に分解した状態で、支持架台30や吊降し撤去機構10を、図4(a)〜(c)に示すように、運搬車両55によって道路トンネル50の施工箇所まで運搬すると共に、運搬されてきた支持架台30や吊降し撤去機構10の構成部材を、例えば小型クレーン56を用いて吊り上げて、撤去すべき既存の天井版20の上に搬送する。また、後述する切断装置としてのコンクリートカッター装置35やウィンチ等の、その他の必要な装置や機器を、同様に例えば小型クレーン56を用いて吊り上げて、撤去すべき既存の天井版20の上に搬送する。
しかる後に、既存の天井版20の上での作業によって、作業員が、搬送された装置や機器を用いて、分解された支持架台30や吊降し撤去機構10の構成部材から、上述の構成を備える当該支持架台30や吊降し撤去機構10を組み立てる。
コンクリート版切断工程では、図5(a)〜(c)及び図6(a)、(b)に示すように、連設方向Xの先端部のコンクリート版21を、支持架台30から昇降装置31を介して支持させた状態で、コンクリート版21の両端部分20cにおいて、支持架台30が載置された両端部21bよりも内側に、切断装置35により切断線40を各々形成して、コンクリート版21の本体部分21aを両端部分20cから切り離す。
すなわち、コンクリート版切断工程では、連設方向Xの先端部のコンクリート版21の、両端部21bの間の本体部分21aの所定の位置に、アンカー(図示せず)を打ち込み、打ち込んだアンカーに、回転冶具32の下部ビーム部34に取り付けられた吊りワイヤー34bの下端部を係止することによって、支持架台30の支持本体部30aから、昇降装置31及び回転冶具32を介してコンクリート版21を支持した状態とする。この状態で、切断装置として、例えばコンクリート切断用の装置として公知のコンクリートカッター装置35を用いて、先端部のコンクリート版21の両端部分20cにおける両端部21bよりも内側の部分に、連設方向Xに延設させて、コンクリート版21を横断する切断線40を、厚さ方向に貫通させて形成する。これによって、両側の切断線40により挟まれる部分の本体部分21aを、両端部分20cから切り離すことができる。
ここで、コンクリート版切断工程では、コンクリート版21の両端部分21cの切断線40による切断面40aを、下方に向けて外側に傾斜させるように各々形成することが好ましい(図4(a)参照)。これによって、後述する本体部分吊降し工程において、残置される両端部分20cから切断線40により切り離された、切断線40による切断面40aで挟まれるこれらの間の本体部分21aを、残置される両端部分20cからスムーズに離間させて、下方に容易に吊り降してゆくことが可能になる。下方に向けて外側に傾斜する切断面40aは、コンクリート版21の両端部分21cを切断する際に、例えばコンクリート版21の上に傾斜した咬ませ部材41を取り付けることで、コンクリートカッター装置35を傾斜させて設置して、カッターブレード35aを外側に向けて傾けた状態で、コンクリートカッター装置35を移動させることによって、容易に形成することができる。
本体部吊降し工程では、図7(a)〜(c)に示すように、両端部分21cから切り離したコンクリート版21の本体部分21aを、両端部分21cを残置させた状態で、昇降装置31により下方に吊り降ろす。
すなわち、本体部吊降し工程では、上述のコンクリート版切断工程によって、支持架台30の支持本体部30aから吊り下げて支持した状態で、両端部分21cから切り離されたコンクリート版21の本体部分21aを、支持架台30に取り付けられたホイストクレーン等による昇降装置31を作動させることによって、回転冶具32と共に下方に吊り降ろす。
ここで、本体部吊降し工程では、コンクリート版21の両端部分21cを残置させて、本体部分21aのみを下方に吊り降ろしてゆくので、道路トンネル50が馬蹄形の断面形状を備えていて、コンクリート版21が取り付けられていた上部のトンネル幅よりも、これよりも下方部分のトンネル幅の方が狭くなっていても、吊り降ろされる本体部分21aの両端部が、道路トンネル50の側壁部に引っ掛かることになるのを回避して、本体部分21aをスムーズに吊り降ろしてゆくことが可能になる。
また、本体部吊降し工程では、切り離した本体部分21aは、道路トンネル50における残置された両端部分21cよりも下方の空間領域において、回転冶具32の下部ビーム部34を、上部ビーム部33に対して回転させることにより(図7(a)参照)、好ましくはこれの長手方向Lが連設方向Xに沿うようにスムーズに回転移動された後に、さらに下方に吊り降ろされるようになっている。これによって、道路トンネル50の内部において、縦長の荷台部57aを道路トンネル50の軸方向であるコンクリート版21の連設方向Xに延設させて、支持架台30の直下部分に移動させたトレーラ等の搬出車両57の荷台部57aに、吊り降ろされて撤去されるコンクリート版21の本体部分21aを、スムーズに積み込ませて、搬出させることが可能になる。
吊り降ろしたコンクリート版21の本体部分21aを、搬出車両57の荷台部57aに積み込んだら、下部ビーム部34を上部ビーム部33に対して回転させて、上部ビーム部33と平行な元の位置に戻すと共に、昇降装置31により回転冶具32を上昇させて、元の位置に戻した状態で、支持架台30を連設方向Xの後方側に移動させる。これによって、次の連設方向Xの先端部のコンクリート版21の本体部分21aを撤去する作業を、引き続き行なうことが可能になる。
本第1実施形態では、上述のコンクリート版切断工程と、本体部分吊降し工程とを、支持架台30やコンクリートカッター装置35を連設方向Xの後方側に移動させながら、所定回数繰り返して、連設方向Xの先端側から所定数のコンクリート版21を吊り降ろして撤去したら、図8(a)〜(c)に示すように、支持架台30を連設方向Xの後端側にさらに移動させた後に、両端部分撤去工程によって、残置したコンクリート版21の両端部分21cを先端側から順次撤去する作業を行なう。
両端部分撤去工程では、例えば高所作業車58の作業床部58aに乗り込んだ作業員による作業によって、残置したコンクリート版21の両端部分21cから、ずれ止めガイド部材36や固定アンカー23等を取り外すと共に、例えばクラッシャ重機59の先端アタッチメント部59aによってコンクリート版21の両端部分21cを挟み込んで持ち上げることにより、残置したコンクリート版21の両端部分21cを、容易に撤去することできる。
両端部分撤去工程で残置したコンクリート版21の両端部分21cを撤去して、予定していた全てのコンクリート版21を撤去したら、連設方向Xの後方側に移動させた支持架台30やコンクリートカッター装置35等を、高所作業車58の作業床部58aに乗り込んだ作業員による作業や、小型クレーン56を用いた作業によって、解体、撤去して、例えば老朽化や換気システムの変更等に伴って撤去する必要を生じた天井版20を撤去する工事が終了する。
そして、上述の構成を備える本第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10によれば、連設して配置されて道路トンネル50の天井版20を形成する多数のコンクリート版21を、バランス良く支持しながら昇降させる操作を容易にすると共に、トンネルの天面部を損傷することなく、十分な支持力を確保することが可能になる。
すなわち、本第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10は、連設する既存のコンクリート版21の上に設置されて、連設方向Xに移動可能な支持架台30と、支持架台30に取り付けられて、撤去されるコンクリート版21を吊上げ吊降し可能な昇降装置31と、昇降装置31から吊り下げられて、撤去されるコンクリート版21を回転可能に支持する回転冶具32とを含んで構成されており、支持架台30は、アーチ形状を備えると共に、両端部30cが既存のコンクリート版21の両端部21bに配置される一対の支持本体部30aと、支持本体部30aを連結すると共に、昇降装置31が取り付けられている連結支持ビーム部30bとを含んで構成されている。
したがって、本第1実施形態によれば、道路トンネル50の天井版20よりも上方のスペースに配置された、アーチ形状を備える支持本体部30aを有する支持架台30から吊り下げるようにして、撤去するコンクリート版21を支持させるので、既存のトンネルの天面部を損傷することなく、十分な支持力で、且つ安定した状態で、撤去するコンクリート版21を上方からバランス良く支持することが可能になると共に、回転冶具32を介することで、既設の構造物等と接触させたりしないようにしながら、連設方向Xに多数連設する多数のコンクリート版21を、順次効率良く吊り降ろして、容易に撤去してゆくことが可能になる。
図9(a)〜(c)は、本発明の好ましい第2実施形態に係るトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10’を例示するものである。本第2実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10’では、支持架台30’の構成、及び昇降装置31の配設位置が異なっている他は、上記第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10と同様の構成を備えている。本第2実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10’については、上記第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10と異なる構成部分について主として説明し、同様の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない構成部分については、上記第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10に関する説明が適宜適用される。
そして、本第2実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10’では、支持本体部30aを連結すると共に、昇降装置31が取り付けられている連結支持ビーム部30b’は、コンクリート版21の連設方向Xの先端部に設けられた支持本体部30a’から、先端側にさらに張り出して設けられており、昇降装置31は、連結支持ビーム部30b’の張り出した部分である張り出しビーム部30d’に沿って、連設方向Xに移動可能に取り付けられている。
すなわち、本第2実施形態では、支持架台30’は、図9(a)〜(c)及び図12(a)〜(c)に示すように、アーチ形状を備えると共に、両端部30c’が、天井版20を形成する既存のコンクリート版21の両端部21bに配置される、連設方向Xに間隔をおいて設けられた3体のH形鋼等からなる支持本体部30a’と、これらの支持本体部30a’の上部に連設方向Xに延設して設けられて、これらの支持本体部30a’を連結すると共に、昇降装置31が取り付けられている、I形鋼等からなる連結支持ビーム部30b’とを含んで構成されている。連結支持ビーム部30b’は、連設方向Xの先端部の支持本体部30a’よりも、さらに先端側に張り出すように延設して設けられており、張り出した部分が、昇降装置31が取り付けられる張り出しビーム部30d’となっている。
本第2実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10’では、例えば後述する架台設置工程(図10(a)〜(c)参照)と、コンクリート版吊降し工程(図11(a)〜(c)参照)と、支持部材撤去工程(図12(a)〜(c)参照)とを含む吊降し撤去方法によって、天井版20を形成する多数のコンクリート版21を、順次吊り降ろして撤去することができる。
架台設置工程(図10(a)〜(c)参照)では、上述の第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の撤去機構10による架台設置工程と同様に、ウィンチ等の簡易な装置を用いて作業員の手作業により組み立て可能な大きさや重量の部材に分解した状態で、支持架台30’や降し撤去機構10’の構成部材を、運搬車両55によって道路トンネル50の施工箇所まで運搬し、運搬された構成部材等を、例えば小型クレーン56を用いて吊り上げて、撤去すべき既存の天井版20の上に搬送し既存の天井版20の上での作業によって、作業員が、搬送された装置や機器を用いて、上述の構成を備える昇降装置31、回転冶具32、支持架台30’等を備える吊降し撤去機構10を組み立てる。
また、上述の第1実施形態と同様に、複数のアーチ形状の支持本体部30a’の両端部30c’に、移動用の車輪部材37として、好ましくは公知のチルタンクを取り付けておくと共に、連設配置された既存の天井版20を形成するコンクリート版21の両端部21bに、コンクリート版21の連設方向Xに沿って延設させて、例えばL形鋼からなるずれ止めガイド部材を、各々取り付けておく。
コンクリート版吊降し工程では、図11(a)〜(c)に示すように、支持架台30’を、連設方向Xの先端部のコンクリート版21よりも後端部側のコンクリート版21の上に設置して、各々の連結支持ビーム部30b’の張り出しビーム部30d’に取り付けられた昇降装置31によって先端部のコンクリート版21を一旦持ち上げた後に、昇降装置31によりブラケット部材22をかわせる位置まで先端部のコンクリート版21を移動させてから、先端部のコンクリート版21をブラケット部材22よりも下方に吊り降ろす。
また、コンクリート版吊降し工程では、例えば連設方向Xの先端部に設けられた支持架台30’の支持本体部30a’が、連設方向Xの先端部のコンクリート版21よりも後端部側に隣接するコンクリート版21の上に設置されるように、支持架台30’を移動させたら、移動させた位置で支持架台30’を固定することが好ましい。支持架台30’の固定は、連設方向Xの後端部の支持本体部30a’を、コンクリート版21の両端部21bおいて連設方向Xに延設させたずれ止めガイド部材に固定したり、連設方向Xの後端部の支持本体部30a’を、コンクリート版21に直接固定したりすることによって行うことができる。これによって、先端部のコンクリート版21を、各々の連結支持ビーム部30b’の張り出しビーム部30d’に取り付けられた昇降装置31により吊り上げた際に、支持架台30の後端部側が浮き上がって支持架台30’が不安定になるのを、効果的に回避することが可能になる。
本第2実施形態では、支持架台30’を連設方向Xの後端部側のコンクリート版21の上に設置したら、各々の連結支持ビーム部30b’の張り出しビーム部30d’に取り付けられた昇降装置31によって、撤去すべき先端部のコンクリート版21を吊り上げるようにして一旦持ち上げる。先端部のコンクリート版21を持ち上げるには、これの所定の位置にアンカー部材(図示せず)を打ち込み、打ち込んだアンカー部材に、先端部のコンクリート版21の直上部分まで張り出しビーム部30d’に沿って移動させた昇降装置31から吊り下げられた回転冶具32から、さらに下方に延設させた、吊りワイヤー34bの下端部を係止する。
しかる後に、ブラケット部材22の受台部22bにコンクリート版21を固定していた固定アンカー23を取り外すと共に、隣接するコンクリート版21同士を連結していた連結ボルト等を取り外し、さらに、先端部のコンクリート版21に取り付けられていたずれ止めガイド部材36を取り除いた後に、昇降装置31を作動させることで、先端部のコンクリート版21を、回転冶具32を介在させた状態で、昇降装置31によって容易に上方に持ち上げることが可能になる。
先端部のコンクリート版21を、昇降装置31によって一旦持ち上げたら、昇降装置31を連結支持ビーム部30b’の張り出しビーム部30d’に沿って連設方向Xの先端側に移動させることで、吊り上げた先端部のコンクリート版21を、当該先端部のコンクリート版21を下方から支持していた、残置された先端側のブラケット部材22をかわせる位置まで、回転冶具32と共に移動させる。これによって、吊り上げた先端部のコンクリート版21の下方に、吊り降ろしの障害となるブラケット部材22が存在しなくなるので、昇降装置31によって、先端部のコンクリート版21をスムーズに下方に吊り降ろしてゆくことが可能になる。
コンクリート版吊降し工程では、吊り降ろされる先端部のコンクリート版21は、残置されたブラケット部材22よりも下方の空間領域において、回転冶具32の下部ビーム部34を、上部ビーム部33に対して回転させることにより(図11(a)参照)、好ましくはこれの長手方向Lが連設方向Xに沿うようにスムーズに回転移動された後に、さらに下方に吊り降ろされるようになっている。これによって、道路トンネル50の内部において、縦長の荷台部57aを道路トンネル50の軸方向であるコンクリート版21の連設方向Xに延設させて、張り出しビーム部30d’の直下部分に移動させたトレーラ等の搬出車両57の荷台部57aに、吊り降ろされて撤去されるコンクリート版21を、スムーズに積み込ませて、搬出させることが可能になる。
吊り降ろしたコンクリート版21の本体部分21aを、搬出車両57の荷台部57aに積み込んだら、下部ビーム部34を上部ビーム部33に対して回転させて、上部ビーム部33と平行な元の位置に戻すと共に、昇降装置31により回転冶具32を上昇させて、元の位置に戻した状態で、支持架台30’を連設方向Xの後方側に移動させる。これによって、次の連設方向Xの先端部のコンクリート版21を撤去する作業を、引き続き行なうことが可能になる。
支持部材撤去工程では、図12(a)〜(c)に示すように、コンクリート版吊降し工程の後に、吊り降ろした先端部のコンクリート版21の両端部21bを支持していた4箇所のブラケット部材22のうち、残置された先端側両側の2箇所のブラケット部材22を撤去する。支持部材撤去工程では、例えば高所作業車58の作業床部58aに乗り込んだ作業員による作業によって、残置したブラケット部材22を、容易に撤去することできる。
上述の本体部分吊降し工程と支持部材撤去工程とを所定回数繰り返して、予定していた全てのコンクリート版21及びブラケット部材22を撤去したら、上述の第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の撤去機構10による吊降し撤去方法と同様に、連設方向Xの後方側に移動させた支持架台30’等を、高所作業車58の作業床部58aに乗り込んだ作業員による作業や、小型クレーン56を用いた作業によって、解体、撤去して、例えば老朽化や換気システムの変更等に伴って撤去する必要を生じた天井版20を撤去する工事が終了する。
そして、上述の構成を備える本第2実施形態のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構10’によっても、道路トンネル50の天井版20よりも上方のスペースに配置された、アーチ形状を備える支持本体部30a’を有する支持架台30’から吊り下げるようにして、撤去するコンクリート版21を支持させることにより、既存のトンネルの天面部を損傷することなく、十分な支持力で、且つ安定した状態で、撤去するコンクリート版21を上方からバランス良く支持することが可能になると共に、回転冶具32を介することで、既設の構造物等と接触させたりしないようにしながら、連設方向Xに連設する多数のコンクリート版21を、順次効率良く吊り降ろして、容易に撤去してゆくことが可能になるので、上述の第1実施形態のトンネル天井部コンクリート版の撤去機構10と同様の作用効果が奏される。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の吊降し撤去機構によって撤去される、支持部材により両端部を支持させて、連設方向に多数連設して配置されるコンクリート版は、道路トンネルのトンネル天井版を形成するものである必要は必ずしも無く、その他のトンネル天井版を形成するものであっても良い。
また、支持本体部の両端部に、車輪部材や間隔保持部材が取り付けられている必要は必ずしもなく、コンクリート版の両端部に、ずれ止めガイド部材が設けられている必要は必ずしもない。
10,10’ トンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構
20 天井版
21 コンクリート版
21a 本体部分
21b 両端部
22 ブラケット部材(支持部材)
22a 接合基部
22b 受台部
22c 載置面
23 固定アンカー
30,30’ 支持架台
30a,30a’ 支持本体部
30b,30b’ 連結支持ビーム部
30c,30c’ 両端部
30d’ 張り出しビーム部
31 昇降装置
32 回転冶具
33 上部ビーム部
34 下部ビーム部
34a 回転連結部
34b 吊りワイヤー
37 車輪部材
50 道路トンネル
55 運搬車両
56 小型クレーン
57 搬出車両
57a 荷台部
58 高所作業車
58a 作業床部
X 連設方向
L コンクリート版の本体部分の長手方向

Claims (7)

  1. トンネルの側壁部から内側に張り出して設けられた支持部材に両端部を支持させて、連設方向に多数連設して配置された、トンネルの天井版を形成する既存のコンクリート版を、連設方向の先端側のコンクリート版から順次吊り降ろして撤去してゆく際に用いるトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構であって、
    連設する既存のコンクリート版の上に設置されて、前記連設方向に移動可能な支持架台と、該支持架台に取り付けられ、撤去されるコンクリート版を吊上げ吊降し可能な昇降装置と、該昇降装置から吊り下げて設けられ、吊り下げられた撤去されるコンクリート版を回転可能に支持する回転冶具とを含んで構成されており、
    前記支持架台は、アーチ形状を備えると共に、両端部が既存のコンクリート版の両端部に配置される、前記連設方向に間隔をおいて設けられた少なくとも一対の支持本体部と、これらの支持本体部の上部に前記連設方向に延設して設けられて、これらの支持本体部を連結すると共に、前記昇降装置が取り付けられている連結支持ビーム部とを含んで構成されているトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構。
  2. 前記連結支持ビーム部は、前記連設方向の先端部に設けられた前記支持本体部から、先端側にさらに張り出して設けられており、前記昇降装置は、前記連結支持ビーム部の張り出した部分に沿って、前記連設方向に移動可能に取り付けられている請求項1記載のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構。
  3. 前記連結支持ビーム部は、前記支持本体部における同様の高さ位置に、一対設けられており、各々の前記連結支持ビーム部に、前記昇降装置が取り付けられている請求項1又は2記載のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構。
  4. 前記回転冶具は、前記昇降装置から吊り下げられる上部ビーム部と、撤去されるコンクリート版を吊り下げる下部ビーム部とからなり、該下部ビーム部は、前記上部ビーム部と回転可能に連結していることにより、吊り下げられた撤去されるコンクリート版を、前記上部ビーム部に対して回転させる請求項1〜3のいずれか1項記載のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構。
  5. 前記支持本体部の両端部に、車輪部材が各々取り付けられている請求項1〜4のいずれか1項記載のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構。
  6. 前記コンクリート版の両端部に、前記支持本体部の両端部が外側にずれるのを防止すると共に、前記支持架台の前記連設方向への移動を案内するずれ止めガイド部材が、前記連設方向に沿って延設して各々設けられている請求項5記載のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構。
  7. 各々の前記支持本体部の両端部を互いに連結する間隔保持部材が、前記支持架台の下端部に配置されて設けられている請求項1〜6のいずれか1項記載のトンネル天井部コンクリート版の吊降し撤去機構。
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