JP2018120145A - 採光シート及び採光装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上述の先行技術では、光が建物内の間口方向(即ち、水平方向)において狭い範囲に反射し、建物内全体に採光するのが難しいという問題があった。
この問題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、先行技術に開示されているような周期構造を有するシートの周期構造の延びる方向を互いに直交させるように二枚重ねて配した構成が考えられるが、そのような構成では、太陽光等の複数の波長を含む光(以下、多色光という。)を採光した際に、波長毎に異なる方向に反射され、色毎に分かれて見えてしまう(光の色分かれが視認される)という問題があったことを突き止めた。この光の色分かれは、照度や採光率といった測定値又は物性値では表れず人間の目では視認される暗さであり、この暗さは建物内で生活する人間に違和感を生じさせるものである。
そこで、本発明は、第二方向D2において、多色光の軸Aに対して入射方向と同じ側(図1では、軸Aより紙面上側)に多色光を出射可能であると共に、第一方向D1において、より広角に多色光を出射可能な採光シート及び採光装置を提供する。
[1]第一基材と、第二基材が重ねて配置される採光シートであって、前記第一基材の内部には、分子束と微細孔からなり、第一方向に沿って縞状に延びるクレーズ領域が形成され、前記第二基材には、前記第一方向に沿って凹凸が繰り返され、且つ前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、前記第一方向に交差する第二方向を中心に蛇行した波状の凹凸パターンが形成されている採光シート。
[2]建物の窓材又は開口部に配置され、前記第一方向は前記建物の床面に平行な方向であり、前記第二方向は前記建物の床面に垂直な方向である前記[1]に記載の採光シート。
[3]前記クレーズ領域の最頻ピッチが1μm以上30μm以下である前記[1]又は前記[2]に記載の採光シート。
[4]前記凹凸パターンの最頻ピッチが1μm以上30μm以下である前記[1]から前記[3]の何れかに記載の採光シート。
[5]前記第二基材は、樹脂製の基材と、前記基材の片面に設けられた樹脂製の光拡散層と、を備え、前記光拡散層の表面に前記凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートである前記[1]から前記[4]の何れかに記載の採光シート。
[6]前記[1]から前記[5]の何れかに記載の採光シートを備えた採光装置。
窓材Wの材質としては、例えば一般に窓に使用されているガラスが挙げられ、フロートガラス(即ち、単層透明板ガラス)、強化ガラス、すりガラス等が含まれる。
図2(a)に示すように、本発明の第一実施形態に係る採光シート1Aは、窓側から建物内に向かって、接着層8Aと、紫外線吸収支持体6と、接着層8Bと、第一基材2と、接着層8Cと、第二基材4と、をこの順に重ねて配置したものである。窓材Wと採光シート1Aとは、接着剤等からなる接着層8Aを介して接着されている。即ち、窓材Wにおける建物内側の面Wbと第一基材2における窓側の入射面2aとの間には、接着層8Aが介在している。
第一基材2は、内部に、分子束と微細孔からなり、第一方向に沿って縞状に延びるクレーズ領域8が形成されている基材である。ここで、本発明における第一基材2は、後述するように高分子樹脂フィルムで構成されていることが好ましいので、以後第一基材2が高分子樹脂フィルムで構成されているものとして第一基材2を説明する。
縞状に形成されたクレーズ領域8は、高分子樹脂フィルム20の分子配向の方向とほぼ平行であることが好ましい。クレーズ領域8の幅は0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましく、2μm〜30μmであることがさらに好ましく、4μm〜10μmであることが特段好ましい。クレーズ領域8とクレーズ領域8との第二方向D2における間隔(ピッチ)は、0.1μm〜1000μmであることが好ましく、1μm〜800μmであることがより好ましく、1μm〜100μmであることがさらに好ましく、1μm〜50μmであることがよりさらに好ましく、1μm〜30μmであることが特に好ましく、5μm〜30μmであることが特段好ましく、10μm〜30μmであることがより特段好ましく、20μm〜30μmであることが最も好ましい。クレーズ領域8とクレーズ領域8との第二方向D2における最頻ピッチは、上記ピッチと同様、0.1μm〜1000μmであることが好ましく、1μm〜800μmであることがより好ましく、1μm〜100μmであることがさらに好ましく、1μm〜50μmであることがよりさらに好ましく、1μm〜30μmであることが特に好ましく、5μm〜30μmであることが特段好ましく、10μm〜30μmであることがより特段好ましく、20μm〜30μmであることが最も好ましい。
入射光に対する上述のような出射特性を発現するためには、第一基材2におけるクレーズ領域8の第二方向D2における最頻ピッチは1μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
樹脂成分は、一種単独で使用してもよく、また二種以上を組み合わせて混合して使用してもよい。また、樹脂成分は、互いに共重合させて得られる樹脂を使用してもよい。また、第一基材2は一層でもよく、多層(2層以上の層)でもよい。また、室温でのクレーズ領域8の形成の容易さからは、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−45℃以上、好ましくは−30℃以上、特に好ましくは−15℃以上の樹脂を使用することが望ましい。第一基材2を形成する際に樹脂組成物として単層化又は多層化に使用する場合、主な構成成分である熱可塑性樹脂のガラス転移温度は上記範囲内にあることが好ましい。
ポリアミド(PA)としては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、非晶性ナイロン等が例示できる。好ましいポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン−6,6及び非晶性ナイロンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
第二基材は、前記第一方向に沿って凹凸が繰り返され、且つ前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、前記第一方向に交差する第二方向を中心に蛇行した波状の凹凸パターンが形成されている、基材である。
第二基材4は、〔i〕透明な基材11から構成される基材、〔ii〕透明な基材11と、基材11に接し、基材11とは反対側の表面に、所定の方向に沿って凹凸が繰り返されるように凹凸パターンが形成された光拡散層12と、を有している基材、等が挙げられる。即ち、第二基材4は、透明な基材11からなる単層の基材であってもよく、また透明な基材11上に光拡散層12が積層された複数層の基材であってもよい。
前記凹凸パターンは、波状の凹凸パターンであることが好ましい。第二基材4は、図1に示す第一方向D1が前記所定の方向、即ち凹凸が繰り返されている方向となる。即ち、第二基材4は凹凸が繰り返されている方向を第一方向D1に向けて配置されている。
なお、基材11と光拡散層12とは一体化していてもよい。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等。(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。)、ポリアミド、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルイミド、アセチルセルロース、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
上述の電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。照射する電離放射線の種類は、樹脂の種類に応じて適宜選択する。電離放射線としては、一般には紫外線および電子線を意味することが多いが、本明細書においては、可視光線、X線、イオン線等も含む。
無機光拡散剤としては、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス、マイカ等が挙げられる。
有機光拡散剤としては、スチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子等が挙げられる。これらの光拡散剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
光拡散剤の含有量は、光透過性を損ないにくいことから、後述する第1の樹脂100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
微細気泡の形成方法としては、基材11に発泡剤を混入する方法(例えば、特開平5−212811号公報、特開平6−107842号公報に開示された方法)や、アクリル系発泡樹脂を発泡処理させて微細気泡を含有する方法(例えば、特開2004−2812号公報に開示された方法)などを適用できる。さらに微細気泡は、より均一な面照射が可能となる点では、特定の位置に不均一に発泡させる方法(例えば、特開2006−124499号公報に開示された方法)が好ましい。
なお、前記光拡散剤と前記微細発泡とを併用することもできる。
また、前述の未硬化の電離放射線硬化性樹脂含有樹脂組成物に代えて、第二基材を構成する熱可塑性樹脂又はその樹脂組成物を前記原版40の微細凹凸が埋まるように成形することで表面に前記微細凹凸が転写された成形品を作製し、この成形品を第二基材として使用してもよい。成形方法としては特に限定されず、例えば射出成形等が挙げられる。
微細凹凸が転写できる限り、その具体的方法に制限はない。
図8に示すように、原版40は、基材41と、硬質層42と、を備えている。
硬質層42は、その表面が第二基材4の表面の凹凸構造の元となる凹凸構造とされている膜状の層である。基材41の表面(硬質層42との界面)は、硬質層42の表面の凹凸構造に追従した凹凸構造とされている。
(i)基材41が、ガラス転移温度Tg1の第1の樹脂からなる一軸方向加熱収縮性フィルムが熱収縮したものであり、硬質層42が、ガラス転移温度Tg2(但し、Tg2−Tg1≧10℃)の第2の樹脂からなるもの。
(ii)基材41が、一軸方向加熱収縮性フィルムが熱収縮したものであり、硬質層42が、金属または金属化合物からなるもの。
加熱によって、一軸方向加熱収縮性フィルムを熱収縮させると、熱収縮した一軸方向加熱収縮性フィルムが基材41となる。そして、第2の樹脂は、一軸方向加熱収縮性フィルムの熱収縮に伴い、折りたたまれるように変形して硬質層42となる。
一軸方向加熱収縮性フィルムに積層する第2の樹脂の厚みは、0.05μmから5.0μmであることか好ましい。
その他、(i)のタイプの原版40を製造するための好ましい条件は、特開2008−302591号公報に記載されたものと同様である。
加熱によって、一軸方向加熱収縮性フィルムを熱収縮させると、熱収縮した一軸方向加熱収縮性フィルムが基材41となる。そして、金属または金属化合物は、一軸方向加熱収縮性フィルムの熱収縮に伴い、折りたたまれるように変形して硬質層42となる。
一軸方向加熱収縮性フィルムに積層する金属または金属化合物の厚みは、0.01μmから0.2μmであることか好ましい。
その他(ii)のタイプの原版40を製造するための好ましい条件は、特開特開2008−304701号公報に記載されたものと同様である。
従って、第一方向D1及び第三方向D3を建物の床面に平行な方向とし、第二方向D2を鉛直方向且つ窓材Wの表面に沿った方向とすることで、採光シート1Aによれば、多色光を窓材Wから建物内の軸Aの+方向(即ち、天井方向)へ天井に向けて出射すると共に、第一方向D1(即ち、間口方向)には広角に出射し、第二方向D2(即ち、鉛直方向)においても、第一方向D1においても多色光の色が分かれないようにすることができる。
これにより、窓材Wに入射した太陽光を通常の入射角度では直接照射されない建物内の天井に導き、且つ、間口方向に均斉化された拡散光とすることができ、建物内の天井面及び窓側から最も離れた最奥部壁面等を効率よく、色の分離を抑えて照らすことができる。
図9に示すように、本発明に係る第二実施形態の採光シート1Bは、採光シート1Aの接着層8Bを省略し、紫外線吸収支持体6と第一基材2とを多層押出しの方法を用いて一体とし、窓側から建物内に向かって、接着層8Aと、紫外線吸収支持体6と、第一基材2と、接着層8Cと、第二基材4と、をこの順に重ねて配置したものである。
採光シート1Bによれば、採光シート1Aと同様の作用効果が得られる。また、接着層8Bを省略できるので、採光シート1Bの厚み寸法を減じることができ、製造コストの低減を図ることができる。
図10に示すように、本発明に係る第三実施形態の採光シート1Cは、採光シート1Aの接着層8Bを省略し、接着層8Aと紫外線吸収支持体6に替えて、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収接着層7を採用し、窓側から建物内に向かって、紫外線吸収接着層7と、第一基材2と、接着層8Cと、第二基材4と、をこの順に重ねて配置したものである。
採光シート1Cによれば、採光シート1Aと同様の作用効果が得られる。また、接着層8A,8Bを省略できるので、採光シート1Cの厚み寸法をより減じることができ、製造コストの低減をさらに図ることができる。
実施例1は、窓材側から順に、接着層8A、紫外線吸収支持体6、接着層8B、第一基材2、接着層8C及び第二基材4が積層されている採光シートに関する。
図2に示す採光シート1Aを作製した。接着層8A,8B,8Cには、光学用両面粘着フィルム(製造元:新タック化成株式会社)を用いて、両面の剥離フィルムを除いた粘着層を接着層8A,8B,8Cとした。紫外線吸収支持体6には、ポリメタクリル酸メチル樹脂を主成分とする軟質タイプ耐候性フィルム(製造元:三菱レイヨン株式会社)を用いた。第一基材2には、モノトランフィルム(製造元:株式会社ナック社)を用いた。一般に、モノトランフィルムの厚み寸法は50μmから200μmであり、幅4μmから10μmの多孔質部が20μmから30μmの間隔で形成されている。本実施例では、多孔質部が10μmから30μmの間隔で形成されている。
図12(a)に示す入射角ごとの配光分布のグラフにより、図12(b)に示す軸Aに対する入射角が+方向に増大するのに応じて、出射光の光強度ピークも+方向に現れており、白色光が第2方向D2(即ち、天井方向)に出射していることがわかる。
また、拡散光線透過率については、ヘイズメーター(型番;HM−150、製造元:村上色彩技術研究所)を用い、国際照明委員会(CIE)規定の標準D65光源の光を第一基材2の入射面2aに入射させ、JIS K7361に規定の方法で可視光(波長:380nmから800nm)による測定を行って得た。本実施例で使用したモノトランフィルムでは、拡散光線透過率は平均20.5%、最大21.7%、最小19.8%であった。
ここで、照度曲線とは横軸を入射光角度とし、縦軸を出光照度率として、プロットした曲線をいう。具体的には、第一基材2から所定の角度にピークをもって出射する光の照度を、第一基材2のクレーズ領域8の長手方向と直交する方向(即ち、第二方向D2)に沿って出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定して照度曲線を得た。
その後、第一基材2を省略し、上述の方法と同様に測定し、元光源の照度曲線と出光角度−90°から90°までの積算照度(元光量)を得た。
次に、入射に照度曲線の−90°から90°までの1°間隔で測定した照度のうち、0°から90°までの1°間隔で測定した照度の積算値を求め、第一基材2を設けないで求めた−90°から90°まで1°間隔で測定した元光源の照度積算値に対する割合を求め、反射光出射比率とした。
その際の透過散乱光を、ゴニオメーターGENESIA(登録商標)Gonio/FFP(製造元:ジェネシア社)を用い、測定することにより照度曲線を得た。
具体的には、第一基材2からある角度にピークをもって出射する光の照度を、第一基材2のクレーズ領域8の長手方向と直交する方向に沿って出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定して照度曲線を得た。
次に、入射角度ごとに反射光出射ピーク値±20°範囲の反射光照度積算値を求め、反射光出射範囲0°から90°の照度積算値に対する割合を求め、反射光の配光範囲とした。同様に、反射光出射ピーク値±10°範囲の反射光照度積算値を求め、反射光の配光範囲とした。
その際の透過散乱光を、ゴニオメーターGENESIA(登録商標)Gonio/FFP(ジェネシア社製)を用い、測定することにより照度曲線を得た。
具体的には、第一基材2からある角度にピークをもって出射する光の照度を、第一基材2のクレーズ領域8の長手方向と直交する方向(即ち、第二方向D2)に沿って出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定して照度曲線を得た。
先ず、一軸方向に熱収縮する厚さ50μmでヤング率3GPaのポリエチレンテレフタレート製加熱収縮性フィルム(型番:ヒシペットLX−60S、製造元:三菱樹脂株式会社、ガラス転移温度Tg1:70℃)の片面に、トルエンに希釈したポリメチルメタクリレート(型番:P4831−MMA、製造元:ポリマーソース株式会社、ガラス転移温度Tg2:100℃)を厚さが200nmになるようにバーコーターにより塗工し、硬質層を形成して積層シートを得る。
次に、一般の熱風式オーブンを用いて該積層シートを150℃で1分間加熱することにより、ポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルムを一軸方向において、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(変形率として60%)、硬質層を折り畳むように変形させた。これにより、波状の凹凸パターンと、その上に形成された多数の凸部とを有する微細凹凸が硬質層の表面に形成された表面微細凹凸シート(原版)を得た。
次に、得られた上述の凹凸パターン形成シートを原版として用いて、以下のようにして転写を行った。即ち、凹凸パターン形成シートが形成された面に、ニッケルめっきを施し、そのニッケルめっきを剥離することにより、厚さ寸法200μmの2次工程シートを得た。この2次工程シートの凹凸パターンが形成された面にエポキシアクリレート系プレポリマー、2−エチルヘキシルアクリレートおよびベンゾフェノン系光重合開始剤を含む未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を塗工した。
次に、未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜の面であって2次工程シートと接していない面に対して、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を重ね合わせ、押圧した。次いで、ポリエチレンテフタレートフィルムの上から紫外線を照射し未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その硬化物を2次工程シートから剥離することにより、光拡散体を得た。この光拡散体は、2層(PET層、紫外線によって硬化された樹脂層)から構成されている。
その際の透過散乱光を、ゴニオメーターGENESIA(登録商標)Gonio/FFP(製造元:ジェネシア社)を用い、測定することにより照度曲線を得た。照度曲線とは横軸を出光角度とし、縦軸を相対照度として、プロットした曲線である。
具体的には、第二基材(異方性光拡散シートともいう)から垂直に出射する光(この光の出光角度を0°とする。)の照度を1とした際の相対照度を、凹凸パターンの長手方向に直交する方向に沿って出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定して照度曲線を得た。
凹凸パターンの長手方向と直交する方向の0.5値幅(相対照度が1/2以上となる出光角度範囲)と、0.25値幅(相対照度が1/4以上となる出光角度範囲)とを求め、これらを拡散角度とした。
次に、入射角度を10°刻みで変更し、前記と同様に0.5値(相対照度が1/2以上となる出光角度範囲)と、0.25値幅(相対照度が1/4以上となる出光角度範囲)とを求め、入射角度による各拡散角度の変化とした。
実施例1の採光シート1Aの第二基材4を以下に説明するナノバックリングシート(20°/10°、製造元:王子ホールディングス株式会社)に変更すること以外は、実施例1と同様とした。本実施例のナノバックリングシートは、以下説明する製造方法によって製造されたものである。
先ず、以下の塗工液(1)をポリエチレンテレフタレート(PET)一軸方向加熱収縮性フィルム(「SC807」、厚さ:30μm、ガラス転移温度Tg1=80℃、製造元:東洋紡株式会社製)の片面に、塗工乾燥後の硬質層の厚みが2μmになるようにバーコーター(メイヤーバー♯14)により塗工した。
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg2=128℃)と、粒径が5μmであるアクリル系架橋型樹脂粒子(「SSX105」、ビカット軟化温度200℃以上、製造元:積水化成品工業株式会社)とを、固形分質量比70:30で混合し、トルエンに加え、固形分濃度7.7質量%の塗工液(1)とした。
なお、上述のアクリル樹脂Aは固形分濃度20質量%であるが、本実施例での質量比および濃度は、正味量(固形分量)で計算した値である。以下の例についても、正味量で計算している。
実施例1の採光シート1Aの第二基材4を市販のレンチキュラーレンズシートに変更すること以外は、実施例1と同様にして、比較例1の採光シートを作製した。
実施例1の採光シート1Aの第一基材2(即ち、モノトランフィルム(製造元:株式会社ナック社))のみを用いて、比較例2の採光シートとした。
実施例1の採光シート1Aの第二基材4(即ち、ナノバックリングシート(33°/3°、製造元:王子ホールディングス株式会社))のみを用い、比較例3の採光シートとした。
実施例2の採光シート1Aの第二基材4(即ち、ナノバックリングシート(20°/10°、製造元:王子ホールディングス株式会社))のみを用い、比較例4の採光シートとした。
実施例1の採光シート1Aの第一基材2は用いず、第二基材4を市販のレンチキュラーレンズシートに変更し、比較例5の採光シートとした。
図17(a),(b)及び図18(a),(b)に示す窓材W及び採光シートを設けず、窓のみとした。
実施例1,2及び比較例1から比較例6の各々の採光シートを窓に設置し、図19に示すように「天井面(中央部)」として、窓から室内側に225mm位置の真上にあたる天井面中央部における照度(lux)と、「最奥部壁面(左端部)」「最奥部壁面(右端部)」として、最奥部壁面の高さ225mmで、間口中央部から左右にそれぞれ150mmの位置における照度(lux)と、を測定した。
図12(b)に示すように、床Fから略鉛直方向に立設された壁面Bの開口部Xの建物内側に各実施例及び各比較例の採光シートを配置した。光源Tには、スポット型LEDライト(型番:NLSM05S−AC、製造元:日機株式会社)を用いた。光源Tから1m先照度を1570lux、全光束を280lmとした白色光(多色光)を採光シートに入射角0°から+60°まで20°間隔で変化させて入射した。また、採光シートから出射した光について、受光部Sとしてデジタル照度計(型番:IM−600、製造元:株式会社トプコンテクノハウス社)を用いて測定した。
実施例1,2及び比較例1から比較例6の各々の採光シートを設置しない窓の屋外側の面に対して、光を「仰角45°/方位角180°」と、「仰角45°/方位角225°」と、「仰角0°/180°」とにそれぞれ変化させ入射したときの光の照度(この照度を基準照度とする)を照度計で計測した。計測された基準照度に対する、各々の採光シートを窓に設置したときの光の照度との割合を「採光率」として測定した。
本発明に係る採光シートを備えた実施例1、実施例2及び比較例1の採光シートを窓に設置し、窓の屋外側の面に対して、光を「仰角45°/方位角225°」で入射させたときの最奥部壁面の輝度ムラを目視評価した。
2・・・第一基材
4・・・第二基材
8・・・クレーズ領域
10・・・凹凸パターン形成シート
D1・・・第一方向
D2・・・第二方向
W・・・窓材
Claims (6)
- 第一基材と、第二基材が重ねて配置される採光シートであって、
前記第一基材の内部には、分子束と微細孔からなり、第一方向に沿って縞状に延びるクレーズ領域が形成され、
前記第二基材には、前記第一方向に沿って凹凸が繰り返され、且つ前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、前記第一方向に交差する第二方向を中心に蛇行した波状の凹凸パターンが形成されている採光シート。 - 建物の窓材又は開口部に配置され、
前記第一方向は前記建物の床面に平行な方向であり、
前記第二方向は前記建物の床面に垂直な方向である前記請求項1に記載の採光シート。 - 前記クレーズ領域の最頻ピッチが1μm以上30μm以下である請求項1又は請求項2に記載の採光シート。
- 前記凹凸パターンの最頻ピッチが1μm以上30μm以下である請求項1から請求項3の何れか一項に記載の採光シート。
- 前記第二基材は、
樹脂製の基材と、
前記基材の片面に設けられた樹脂製の光拡散層と、を備え、
前記光拡散層の表面に前記凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートである請求項1から請求項4の何れか一項に記載の採光シート。 - 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の採光シートを備えた採光装置。
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