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JP2018120145A - 採光シート及び採光装置 - Google Patents

採光シート及び採光装置 Download PDF

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JP2018120145A
JP2018120145A JP2017012572A JP2017012572A JP2018120145A JP 2018120145 A JP2018120145 A JP 2018120145A JP 2017012572 A JP2017012572 A JP 2017012572A JP 2017012572 A JP2017012572 A JP 2017012572A JP 2018120145 A JP2018120145 A JP 2018120145A
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美彦 米田
Yoshihiko Yoneda
美彦 米田
河合 昌人
Masato Kawai
昌人 河合
一雄 池田
Kazuo Ikeda
一雄 池田
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Oji Holdings Corp
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Abstract

【課題】窓に入射した太陽光を通常の入射角度では直接照射されない建物内の天井に導き、且つ、間口方向に均斉化された拡散光とすることができ、建物内の天井面及び窓側から最も離れた最奥部壁面等を効率よく、色の分離を抑えて照らすことができる採光シートを提供する。【解決手段】第一基材2と、第二基材4が重ねて配される採光シートであって、第一基材2の内部には、分子束と微細孔からなり、第一方向D1に沿って縞状に延びるクレーズ領域が形成され、第二基材4には、第一方向D1に沿って凹凸が繰り返され、且つ前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、第一方向D1に交差する第二方向D2を中心に蛇行した波状の凹凸パターンが形成されている採光シート1。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽光や人工光等(以下、まとめて「光」とする場合がある。)を家屋等の建物の外部から内部に導入する際に、光の導入口となる窓等に取り付けられる採光シート及び採光装置に関する。
従来、家屋等の建物の窓に入射する光を、建物内に効率よく採光する技術として、プリズムシートを使用する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、農業用フィルムおよびシートもしくは障子等の建具の採光制御を行うことを目的とした農業用もしくは建築用フィルム及びシートが開示されている。このフィルム及びシートでは、透明性を有するフィルム状の高分子樹脂に、クレージング処理或いは延伸処理を施す。さらに、処理過程において、処理張力を高くすることによりフィルム中のクレーズの割合を増加させ、視野制御性に基づく採光制御機能と通気性を向上させる採光具が提案されている。
また、特許文献2には、窓に入射する光を室内の天井や奥の方まで導き、且つ、設置しやすく、室内から室外への視野を確保することを目的として、透光性の支持体の少なくとも一方の面に、複数の単位プリズムと平坦面とが形成された採光フィルムが提案されている。
また、特許文献3には、太陽高度の低い条件でも十分な採光を可能とすることを目的として、透明基体の片面側に、該透明基板の平面に対して二つの傾斜面をもつプリズム形状部が複数配列されたプリズム列を有し、プリズム形状部の一方の傾斜面と前記透明基体の平面に対する垂線とがなす角度を調節可能な採光用プリズムシートが提案されている。
また、特許文献4には、日光等の光を、有用な方向に方向転換することを目的として、光学基材の片面に複数の多面屈折性プリズムの順序付けて配列された光管理構成体が提案されている。
特開2003−339252号公報 特開2008−040021号公報 特開2010−067565号公報 特表2013−514549号公報
上述の特許文献1から特許文献3に開示された先行技術は、上方からの光を例えば建物内の天井方向に反射する、或いは採光する技術である。
しかしながら、上述の先行技術では、光が建物内の間口方向(即ち、水平方向)において狭い範囲に反射し、建物内全体に採光するのが難しいという問題があった。
この問題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、先行技術に開示されているような周期構造を有するシートの周期構造の延びる方向を互いに直交させるように二枚重ねて配した構成が考えられるが、そのような構成では、太陽光等の複数の波長を含む光(以下、多色光という。)を採光した際に、波長毎に異なる方向に反射され、色毎に分かれて見えてしまう(光の色分かれが視認される)という問題があったことを突き止めた。この光の色分かれは、照度や採光率といった測定値又は物性値では表れず人間の目では視認される暗さであり、この暗さは建物内で生活する人間に違和感を生じさせるものである。
上述の問題をふまえ、図1に示すような採光シート1が求められている。即ち、建物内に光を採光する際に、窓の窓材Wよりも高い位置にある太陽等の光源(図示略)から出射され且つ建物外の第三方向D3を示す軸Aより上方から窓材Wに入射した多色光を、建物内の第三方向D3より上方(即ち、天井方向)へ天井に向けて出射すると共に、第三方向D3に直交する第一方向D1(即ち、間口方向)には広角に出射し、第三方向D3及び第一方向D1に直交する第二方向D2(即ち、鉛直方向)においても、第一方向D1においても多色光の色を分けない採光シート1が求められている。
そこで、本発明は、第二方向D2において、多色光の軸Aに対して入射方向と同じ側(図1では、軸Aより紙面上側)に多色光を出射可能であると共に、第一方向D1において、より広角に多色光を出射可能な採光シート及び採光装置を提供する。
本発明は以下の構成を有する。
[1]第一基材と、第二基材が重ねて配置される採光シートであって、前記第一基材の内部には、分子束と微細孔からなり、第一方向に沿って縞状に延びるクレーズ領域が形成され、前記第二基材には、前記第一方向に沿って凹凸が繰り返され、且つ前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、前記第一方向に交差する第二方向を中心に蛇行した波状の凹凸パターンが形成されている採光シート。
[2]建物の窓材又は開口部に配置され、前記第一方向は前記建物の床面に平行な方向であり、前記第二方向は前記建物の床面に垂直な方向である前記[1]に記載の採光シート。
[3]前記クレーズ領域の最頻ピッチが1μm以上30μm以下である前記[1]又は前記[2]に記載の採光シート。
[4]前記凹凸パターンの最頻ピッチが1μm以上30μm以下である前記[1]から前記[3]の何れかに記載の採光シート。
[5]前記第二基材は、樹脂製の基材と、前記基材の片面に設けられた樹脂製の光拡散層と、を備え、前記光拡散層の表面に前記凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートである前記[1]から前記[4]の何れかに記載の採光シート。
[6]前記[1]から前記[5]の何れかに記載の採光シートを備えた採光装置。
本発明の採光シート及び採光装置によれば、第二方向D2において、窓材Wの面に垂直な軸Aに対して入射方向と同じ側に折り返し反射させて多色光を出射させると共に、第二方向D2に交差する第一方向D1において、より広角に多色光を出射させることができ、且つ色毎に分かれることなく採光することができる。
本発明に係る採光シートにおける採光を説明するための模式図である。 本発明に係る第一実施形態である採光シートの側面図である。 本発明の第一実施形態である採光シートを構成する第一基材の斜視図である。 図3に示す第一基材を第一方向D1から見た場合の側面図であり、第一基材にに入射した光が反射する様子を示す図である。 図3に示す第一基材の一例の顕微鏡写真である。 図3に示す第一基材の製造方法を説明するための模式図であって、(a)は第一基材の製造装置の第一例であり、(b)は第一基材の製造装置の第二例である。 本発明の第一実施形態である採光シートを構成する第二基材の斜視図である。 本発明の第一実施形態である採光シートを構成する第二基材を製造するための原版の第一例の斜視図である。 本発明に係る第二実施形態である採光シートの側面図である。 本発明に係る第三実施形態である採光シートの側面図である。 実施例1の採光シートに用いた第一基材の評価に関する図であって、(a)は評価を行うための光学配置の模式図であり、(b)は第一基材に対する受光器Sの移動方向を示す平面図である。 実施例1の採光シートに用いた第一基材の評価に関する図であって、(a)は入射角ごとの第一基材の配光分布を示すグラフであり、(b)は採光シートによる採光の概要を示す模式図である。 実施例1の採光シートに用いた第一基材の出射比率における多色光の入射角依存性を示すグラフである。 実施例1の採光シートに用いた第一基材のクレーズ領域で反射された全光量の配光分布を示すグラフである。 実施例1の採光シートに用いた第一基材の全出射光量に対する反射光量積算値の比率を示すグラフである。 実施例1の採光シートに用いた第二基材の第一方向における拡散角度の入射角依存性を示すグラフである。 実施例1,2及び比較例1〜6の採光シートの多色光の出射特性を測定するための光学配置を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は正面図である。 実施例1,2及び比較例1〜6の採光シートの多色光の出射特性を測定するための光学配置を示す図であって、(a)は側面図であり、(b)は上面図である。 実施例1,2及び比較例1〜6の採光シートの多色光の出射特性を測定するための光学配置における測定点を説明するための模式図である。
本発明は、第一基材と、第二基材が重ねて配置される採光シートであって、前記第一基材の内部には、分子束と微細孔からなり、第一方向に沿って縞状に延びるクレーズ領域が形成され、前記第二基材には、前記第一方向に沿って凹凸が繰り返され、且つ前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、前記第一方向に交差する第二方向を中心に蛇行した波状の凹凸パターンが形成されている採光シートに関する。即ち、本発明は、少なくとも第一基材及び第二基材を有する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照し、説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、各図面では、分かりやすさのため、寸法や形状を誇張して記載することがある。以下の説明においては、図1及び図2に示すように、建物の床面及び窓材Wの表面に平行する方向を第一方向D1とし、建物の床面に平行し、第一方向D1に直交する方向を第三方向とし、第一方向D1及び第三方向D3に直交し、建物の側壁面及び鉛直方向に平行な方向を第二方向D2とする。
図1に示すように、本発明に係る採光シート1は、例えば、不図示の建物の壁部B等に形成された窓の窓材Wの内側(即ち、建物の内側)に設けられ、少なくとも第一基材2と、第二基材4と、を備えている。第一基材2と第二基材4は、重ね合されている。
窓材Wの材質としては、例えば一般に窓に使用されているガラスが挙げられ、フロートガラス(即ち、単層透明板ガラス)、強化ガラス、すりガラス等が含まれる。
以下、採光シート1の具体的な構成例について、説明する。なお、本発明は、第一、第二及び第三実施形態を包含する。また、本発明は、上記第一、第二及び第三実施形態に限定されるものではない。
[第一実施形態]
図2(a)に示すように、本発明の第一実施形態に係る採光シート1Aは、窓側から建物内に向かって、接着層8Aと、紫外線吸収支持体6と、接着層8Bと、第一基材2と、接着層8Cと、第二基材4と、をこの順に重ねて配置したものである。窓材Wと採光シート1Aとは、接着剤等からなる接着層8Aを介して接着されている。即ち、窓材Wにおける建物内側の面Wbと第一基材2における窓側の入射面2aとの間には、接着層8Aが介在している。
接着層8Aは、任意の層であり、あってもなくてもよい。接着層8Aは、窓材Wと紫外線吸収支持体6とを接着するためのものであり、接着層8Aを構成する接着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な接着剤の中から状況に応じて適宜選択して用いることができる。具体的な接着剤としては、耐候性、透明性の点から、例えばアクリル系、ウレタン系、シリコーン系接着剤等が挙げられる。なお、接着層8Aを用いる場合、その接着層8Aの材質は、窓材Wと紫外線吸収支持体6とを接着可能であって、窓材Wの材質及び紫外線吸収支持体6の材質に対する入射光(例えば、太陽光)の波長における屈折率を考慮した適切な屈折率を有するものであれば、特に限定されない。一方、接着層8Aを用いない場合、固定具等で採光シート1Aと窓材Wとを固定することが挙げられる。固定位置は、例えば採光シート1A及び窓材Wの端部が挙げられる。
紫外線吸収支持体6は、窓材Wに入射する入射光に含まれる紫外線が第一基材2や第二基材4に照射されることで第一基材2や第二基材4が劣化するのを防止するためのものであり、このような入射光に含まれる紫外線を吸収可能な材質から構成されている。但し、入射光に紫外線が含まれない場合や、第一基材2又は第二基材4の材質が紫外線に対して耐性を有する場合には、紫外線吸収支持体6を省略してもよい。
接着層8Bは、任意の層であり、あってもなくてもよい。接着層8Bは、紫外線吸収支持体6と第一基材2とを接着するためのものであり、接着剤8Bを構成する接着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な接着剤の中から状況に応じて適宜選択して用いることができる。具体的な接着剤としては、耐候性、透明性の点から、例えばアクリル系、ウレタン系、シリコーン系接着剤等が挙げられる。なお、接着層8Bを用いる場合、その接着層8Bの材質は、紫外線吸収支持体6と第一基材2とを接着可能であって、紫外線吸収支持体6の材質及び第一基材2の材質に対する入射光の波長における屈折率を考慮した適切な屈折率を有するものであれば、特に限定されない。一方、接着層8Bを用いない場合、固定具等で紫外線吸収支持体6と第一基材2とを固定することが挙げられる。固定位置は、例えば紫外線吸収支持体6及び第一基材2の端部が挙げられる。
第一基材2は、図1に示す配置において建物の窓よりも高い位置にある太陽等の光源から出射され且つ建物外の第三方向D3を示す軸Aより上方から窓材Wに入射した多色光を、建物内の第三方向D3より上方(即ち、天井方向)へ天井に向けて出射させるためのものである。第一方向D1は、建物の床面に平行している。
第一基材2についてより詳しく説明する。
第一基材2は、内部に、分子束と微細孔からなり、第一方向に沿って縞状に延びるクレーズ領域8が形成されている基材である。ここで、本発明における第一基材2は、後述するように高分子樹脂フィルムで構成されていることが好ましいので、以後第一基材2が高分子樹脂フィルムで構成されているものとして第一基材2を説明する。
クレーズ領域8とは、基材の表面に現れる表面クレーズと内部に発生する内部クレーズを含むものであって、微細なひび状の模様を有する領域を指す。第一基材に形成されたクレーズ領域8は、一般に、分子束(フィブリル)とボイドとから構成され、全体がスポンジに似た構造となっている(図5参照、顕微鏡:JSM6460LA、製造元:日本電子株式会社)。分子束は、幅方向と平行に帯状に形成された、繊維化された部分ともいえる。ボイドとは孔ともいい、クレーズ領域8の内部に不連続に連通するように無数に存在する。ボイドの大きさは限定的ではないが、例えば直径5nmから20nmである。クレーズ領域8は、採光用途の観点から、縞状に形成されていることが好ましい。ここで、縞状とは、クレーズ領域8が平行又は略平行して形成されている状態をいう。クレーズ領域8は、ランダムな間隔で形成されていてもよく、また一定の間隔で形成されていてもよい。
クレーズ領域8が形成されている第一基材2のクレーズ領域8のボイド内は、空気等の気体であってもよく、着色剤、安定剤、導電性ポリマー等が充填されていてもよいが、気体(特に空気)であることが好ましい。
第一基材2の厚みは、0.5μm〜1000μmであることが好ましく、1μm〜800μmであることがより好ましく、2μm〜500μmであることがさらに好ましく、10μm〜300μmであることが特段好ましく、50μm〜200μmであることが極めて好ましい。
縞状に形成されたクレーズ領域8は、高分子樹脂フィルム20の分子配向の方向とほぼ平行であることが好ましい。クレーズ領域8の幅は0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましく、2μm〜30μmであることがさらに好ましく、4μm〜10μmであることが特段好ましい。クレーズ領域8とクレーズ領域8との第二方向D2における間隔(ピッチ)は、0.1μm〜1000μmであることが好ましく、1μm〜800μmであることがより好ましく、1μm〜100μmであることがさらに好ましく、1μm〜50μmであることがよりさらに好ましく、1μm〜30μmであることが特に好ましく、5μm〜30μmであることが特段好ましく、10μm〜30μmであることがより特段好ましく、20μm〜30μmであることが最も好ましい。クレーズ領域8とクレーズ領域8との第二方向D2における最頻ピッチは、上記ピッチと同様、0.1μm〜1000μmであることが好ましく、1μm〜800μmであることがより好ましく、1μm〜100μmであることがさらに好ましく、1μm〜50μmであることがよりさらに好ましく、1μm〜30μmであることが特に好ましく、5μm〜30μmであることが特段好ましく、10μm〜30μmであることがより特段好ましく、20μm〜30μmであることが最も好ましい。
本発明において、上述した構成を備える第一基材2には、市販品を使用することができる。第一基材2として、例えば、株式会社ナック製のモノトラン(登録商標)フィルムが挙げられる。
第一基材2は、図1に示す第二方向D2がクレーズ領域8の幅方向となり、同図に示す第一方向D1がクレーズ領域8の長さ方向となる。即ち、第一基材2はクレーズ領域8の幅方向を第二方向D2に向け、クレーズ領域8の長さ方向を第一方向D1に向けて配置されている。
第一基材2においては、図4に示すように、入射面2aに垂直な第三方向D3からの入射角度を0°とし、軸Aから入射面2aの上端に近づく方向を+(正)方向とすると、例えば入射光が+30°から+60°で入射面2aに入射したときの反射光積算値が入射光量の25%以上であり、入射光が+30°から+50°で入射したときの反射光積算値が入射光量の30%以上であることが好ましい。これらの条件を満たすことによって、窓材Wに入射した多色光が第二基材4に向けて高効率に出射する。
第一基材2においては、出射面2bから出射された反射光の全積分値のうち95%以上が反射光積分値のピークの角度±20°の範囲内に連続的に配光されることが好ましい。この条件を満たすことによって、第二基材4から出射される光の散乱度合(配光分布の範囲)が垂直方向に約40°幅と、平行方向に約30°幅とを、有した光束となり、高効率で出射され、効率よく室内を照らすことができる。入射光に対する上述のような出射特性を発現するためには、第一基材2におけるクレーズ領域8の第二方向D2における最頻ピッチは1μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
第一基材2においては、例えば入射光が+30°から+70°で入射面2aに入射したときの全出射光量のうち軸Aに対して+方向(即ち、天井方向)に出射した反射光の積算値の比率が40%以上であり、例えば入射光が+40°から+60°で入射面2aに入射したときの全出射光量のうち軸Aに対して+方向に出射した反射光の積算値の比率が入射光量の50%以上であることが好ましい。これらの条件を満たすことによって、窓材Wに入射した多色光が建物内の第三方向D3より上方(即ち、天井方向)、即ち軸Aに対して+方向に出射され、採光が良好に行われる。
入射光に対する上述のような出射特性を発現するためには、第一基材2におけるクレーズ領域8の第二方向D2における最頻ピッチは1μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
本発明においては、第一基材2は、好ましくは樹脂成分(好ましくは熱可塑性樹脂)を含む樹脂組成物を成形して高分子樹脂フィルムとし、次いで該高分子樹脂フィルムに対してクレージング処理をすることによってクレーズ領域8を縞状に形成することで得られる。本明細書において、クレージング処理とは、高分子樹脂フィルムを延伸する或いは押圧する等によって高分子樹脂フィルムに外力を付与し、外力付与部分で分子束を徐々にせん断し(即ち、分子束の初期破壊を発生させ)、表面クレーズ及び内部クレーズを形成する処理のことをいう。高分子樹脂フィルムの素材が透明である場合(透明性を有する場合)、クレージング処理は当該素材の透明性をほとんど低下させず、クレージング処理によって得られる高分子樹脂フィルムはその透明性が残ったものとなる。熱可塑性樹脂を用いて得られる高分子樹脂フィルムは、その製造方法において特別な制約はなく、各種の成形方法を適用することにより得ることができる。例えば、一般に広く行なわれているTダイ押出成形法やブローアップを行うインフレーション成形法を適用して得られたものが工業的には有利である。
本発明の第一基材2は、クレーズ領域8を配向方向に沿って縞状に形成させることが容易であることから、所望の方向に配向性を有する高分子樹脂フィルムから構成されていることが好ましい。配向度は、前記フィルムの(a)成形時の樹脂温度、(b)引き取り速度、(c)冷却速度、(d)樹脂の分子量、(e)樹脂の分子量分布、(f)樹脂の分子構造を、特にTダイ法であれば(g)ドロー比を、特にインフレーション法であれば(h)ブローアップ比等、などを変えることにより制御することができる。よって、前記(a)〜(g)の要件を適当に制御して目的とする好ましい範囲の配向度のフィルムを製造することができる。配向度が不十分な場合は、延伸処理して適切な配向度とすることができる。
第一基材2を構成する樹脂(高分子樹脂)成分としては、透明または半透明であって基材(例:フィルム)の成形が可能な熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であれば、特に制限されることなくいずれも採用可能であるが、クレーズ領域8の形成の容易性等からは、熱可塑性樹脂が好ましい。
上述の熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド(PI)、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン含有熱可塑性樹脂、ニトリル系樹脂、等が例示できる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、フィルムへの成形性や経済的観点から、オレフィン系樹脂、ポリエステル、スチレン系樹脂及びハロゲン含有熱可塑性樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種を使用することが好ましく、ポリオレフィン及びシクロオレフィンコポリマーからなる群から選ばれた少なくとも一種がより好ましく、ポリプロピレン及びシクロオレフィンコポリマーからなる群から選ばれた少なくとも一種がさらに好ましい。
樹脂成分は、一種単独で使用してもよく、また二種以上を組み合わせて混合して使用してもよい。また、樹脂成分は、互いに共重合させて得られる樹脂を使用してもよい。また、第一基材2は一層でもよく、多層(2層以上の層)でもよい。また、室温でのクレーズ領域8の形成の容易さからは、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−45℃以上、好ましくは−30℃以上、特に好ましくは−15℃以上の樹脂を使用することが望ましい。第一基材2を形成する際に樹脂組成物として単層化又は多層化に使用する場合、主な構成成分である熱可塑性樹脂のガラス転移温度は上記範囲内にあることが好ましい。
上述のオレフィン系樹脂としては、ポリオレフィン、シクロオレフィンコポリマー(COC)等を例示することができる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン(例えば、低密度分岐ポリエチレン、高密度線状ポリエチレン、低密度線状ポリエチレン等。PEともいう。)、ポリプロピレン(例えば、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン等。PPともいう。)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等を例示することができる。シクロオレフィンコポリマーとしては、エチレンとノルボルネンを共重合させて得られるシクロオレフィンコポリマー等を例示することができる。
上述のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリナフタレンテレフタレート等が例示できる。
ポリアミド(PA)としては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、非晶性ナイロン等が例示できる。好ましいポリアミドとしては、ナイロン−6、ナイロン−6,6及び非晶性ナイロンからなる群から選ばれた少なくとも一種である。
上述のスチレン系樹脂としては、ポリスチレン(PS)、ゴムグラフトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)等が例示できる。
上述のポリカーボネートとしては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシフェニル)、エーテル系、ビス(4−オキシフェニル)スルフォン、スルフィド又はスルフォキサイド系のビスフェノール類からなる芳香族ポリカーボネートが例示できる。
上述のハロゲン含有熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデンのホモ重合体及びテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンとの共重合体並びビニリデンクロライド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が例示できる。
また、上述のニトリル系樹脂としては、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル及びそれらの混合物が例示できる。
高分子樹脂フィルムに分子配向方向とほぼ平行にクレーズ領域を縞状に形成させる態様について説明する。高分子樹脂フィルムにクレーズ領域を縞状に形成するには、例えば、図6(a)に示すような装置を用いると、クレーズ領域の幅、クレーズ領域の隔たり等を調節することが容易であることから好ましい。すなわち、図6(a)に示されるクレーズ形成装置は、例えば、先端部が鋭角なエッジとなった支持体Pとガイドローラで構成されるクレージング処理機と、張力付与機構(図示略)とからなる。緊張状態に保持された高分子樹脂フィルム20をその分子配向方向とほぼ平行方向に支持体のエッジ(Pの先端部)に当接して、該高分子樹脂フィルム20を局部的に折り曲げて変形域を形成し、その折り曲げ変形域を、該高分子樹脂フィルムに対して相対的に徐々に移動させることで、移動方向とほぼ直角の方向に連続的にクレーズ領域を縞状に形成することができる。高分子樹脂フィルムに対し折り曲げ変形域を相対的に移動させるには、(A)高分子樹脂フィルム20の変形の屈曲角度を維持して支持体Pとガイドローラを一体として高分子樹脂フィルムに対し移動させる構造;または、(B)高分子樹脂フィルム20の変形の屈曲角度を維持しつつ支持体Pとガイドローラに対し高分子樹脂フィルム20を移動させる構造、により可能である。
(A)の構造によると、高分子樹脂フィルムの長さ方向にわたり、必要とする任意の距離だけクレージング処理を複数回繰り返し行うことが可能であり、高分子樹脂フィルム20に、より容易に規則的で連続したクレーズ領域8を形成することができることから好ましい。また、規則的で連続したクレーズ領域8を形成するには、高分子樹脂フィルム20に付与する張力を比較的低く設定し、クレージング処理を複数回繰り返し行うことが好ましい。このようにクレーズ領域8を分子配向方向とほぼ平行の方向に形成するのは、分子鎖の配向の方向と直角の方向に引っ張ることによって比較的容易にクレーズ領域8が形成され、分子鎖の配向の方向と直角の方向にクレーズ領域8を形成することが難しいことによるものと考えられる。
上述では、所望の方向に配向性を有する高分子樹脂フィルムにクレーズ領域8を縞状に形成させるものとしたが、無配向の高分子樹脂フィルムにクレーズ領域8を縞状に形成させる際には、図6(b)に示すような装置によってクレーズ領域8を縞状に形成することが、クレーズ領域8の幅、クレーズ領域8の隔たり等を調節することが容易であることから好ましい。即ち、図6(b)に示すクレーズ形成装置においては、緊張状態に保持された高分子樹脂フィルム20を支持体31のエッジ31aに当接して、高分子樹脂フィルム20を局部的に折り曲げて変形域を形成し、その折り曲げ変形域を、該高分子樹脂フィルムに対して相対的に徐々に移動させることで、移動方向とほぼ直角の方向に、連続的にクレーズ領域8を縞状に形成することができる。なお、特開平11−231108号公報において開示されているように、高分子樹脂フィルムを引き伸ばすようにしてクレーズ領域8を縞状に形成するようにしてもよい。
図6(b)に示すクレーズ形成装置を用いて、高分子樹脂フィルム20にクレーズ領域8を縞状に形成するために、高分子樹脂フィルム20に付与する張力は、高分子樹脂フィルム20の材質により異なるが、破断応力の90%以上100%未満が好ましい。支持体Pのエッジ角度αは、限定されないが、50度以下が好ましく、30度以下がより好ましい。また、高分子樹脂フィルム20の折り曲げ角度θは、限定されないが、140度以下であることが好ましく、120度以下であることがより好ましく、110度以下であることがさらに好ましい。また、移動速度は限定されないが、100mm/min以下であることが好ましく、特に10mm/minから4mm/minであることが望ましい。
高分子樹脂フィルム20に形成されるクレーズ領域8の幅、クレーズ領域8間の間隔、クレーズ領域8の貫通された数の割合等は、高分子樹脂フィルム20の分子配向の度合いやクレーズ領域8を形成させる時の温度、速度、高分子樹脂フィルム20の緊張度(緊張状態における張力)、支持体のエッジ角度α、フィルムの折り曲げ角度θ等によって調節することができる。例えば、クレーズ領域8を形成させる時の張力を増大させたり、折り曲げ角度θを小さくすると、縞状に形成されるクレーズ領域8の間隔は狭くなり、クレーズ領域8の貫通された数の割合が増大する。なお、クレージング処理を複数回行うと、クレーズ領域8を深さ方向へも成長させることができる。
接着剤8Cは、任意の層であり、あってもなくてもよい。接着層8Cは、第一基材2と第二基材4とを接着するためのものであり、接着剤8Cを構成する接着剤としては特に制限はなく、従来公知の様々な接着剤の中から状況に応じて適宜選択して用いることができる。具体的な接着剤としては、耐候性、透明性の点から、例えばアクリル系、ウレタン系、シリコーン系接着剤等が挙げられる。なお、接着層8Cを用いる場合、その接着層8Cの材質は、第一基材2と後述する第二基材4とを接着可能であって、第一基材2の材質及び第二基材4の材質に対する入射光の波長における屈折率を考慮した適切な屈折率を有するものであれば、特に限定されない。一方、接着層8Cを用いない場合、固定具等で第一基材2と第二基材4とを固定することが挙げられる。固定位置は、例えば第一基材2及び第二基材4の端部が挙げられる。
図7に示すように、第二基材4は、第一基材2から出射した多色光を第三方向D3に直交する第一方向D1(即ち、間口方向)に広角に出射させるためのものである。
第二基材4について、より詳しく説明する。
第二基材は、前記第一方向に沿って凹凸が繰り返され、且つ前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、前記第一方向に交差する第二方向を中心に蛇行した波状の凹凸パターンが形成されている、基材である。
第二基材4は、〔i〕透明な基材11から構成される基材、〔ii〕透明な基材11と、基材11に接し、基材11とは反対側の表面に、所定の方向に沿って凹凸が繰り返されるように凹凸パターンが形成された光拡散層12と、を有している基材、等が挙げられる。即ち、第二基材4は、透明な基材11からなる単層の基材であってもよく、また透明な基材11上に光拡散層12が積層された複数層の基材であってもよい。
前記凹凸パターンは、波状の凹凸パターンであることが好ましい。第二基材4は、図1に示す第一方向D1が前記所定の方向、即ち凹凸が繰り返されている方向となる。即ち、第二基材4は凹凸が繰り返されている方向を第一方向D1に向けて配置されている。
なお、基材11と光拡散層12とは一体化していてもよい。
第二基材4の前記凹凸パターンは、前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に変化し、前記第一方向に交差する第二方向を中心に蛇行した凹凸パターンである。また、第二基材4の前記凹凸パターンにおいて、前記凹凸の高さ寸法は不規則に変化していることが好ましい。そして、前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線の高さも各々不規則に変化し、前記凹凸の底端からなる複数の谷線12bの高さも各々不規則に変化していることが好ましい。
前記凹凸パターンは、最頻ピッチが1μm以上30μm以下であり、前記凹凸パターンの底部の平均深さが前記最頻ピッチを100%とした際の10%以上であることが好ましい。また、前記凹凸パターンのアスペクト比は、0.1以上1.0以下であることが好ましい。
第二基材4の基材11としては、特に限定されないが、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂成分を主成分とする基材が挙げられる。樹脂成分は一種又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等。(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。)、ポリアミド、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルイミド、アセチルセルロース、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、などが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
第二基材4の光拡散層12としては、微細凹凸が転写できる限り、特に限定されないが、例えば電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。
上述の電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が挙げられる。照射する電離放射線の種類は、樹脂の種類に応じて適宜選択する。電離放射線としては、一般には紫外線および電子線を意味することが多いが、本明細書においては、可視光線、X線、イオン線等も含む。
電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニル/アクリレート、ポリエン/アクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエン、ポリスチリルメチルメタクリレート等のプレポリマー、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、水酸基含有アクリレート、アリル基含有アクリレート、グリシジル基含有アクリレート、カルボキシ基含有アクリレート、ハロゲン含有アクリレート等のモノマーに由来する構成単位を有する樹脂が挙げられる。中でも、エポキシアクリレートをモノマーとして含有するポリマー(プレポリマーを含む)を使用することが好ましい。
また、熱硬化性樹脂としては、基材11を構成する主成分としての樹脂で具体的に例示された各熱硬化性樹脂と同様の樹脂を挙げることができる。また、熱可塑性樹脂としては、基材11を構成する主成分としての樹脂で具体的に例示された各熱可塑性樹脂と同様の樹脂を挙げることができる。
また、第二基材4の光拡散性を高めるためには、基材11には、光透過率等の光学特性を大きく損なわない範囲内で、無機化合物からなる光拡散剤、有機化合物からなる有機光拡散剤を含有させることができる。
無機光拡散剤としては、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス、マイカ等が挙げられる。
有機光拡散剤としては、スチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子等が挙げられる。これらの光拡散剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
光拡散剤の含有量は、光透過性を損ないにくいことから、後述する第1の樹脂100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
また、第二基材4の光拡散性をより高めるためには、基材11には、光透過率等の光学特性を大きく損なわない範囲内で、微細気泡を含有させることができる。微細気泡は、光の吸収が少なく光透過率を低下させにくい。
微細気泡の形成方法としては、基材11に発泡剤を混入する方法(例えば、特開平5−212811号公報、特開平6−107842号公報に開示された方法)や、アクリル系発泡樹脂を発泡処理させて微細気泡を含有する方法(例えば、特開2004−2812号公報に開示された方法)などを適用できる。さらに微細気泡は、より均一な面照射が可能となる点では、特定の位置に不均一に発泡させる方法(例えば、特開2006−124499号公報に開示された方法)が好ましい。
なお、前記光拡散剤と前記微細発泡とを併用することもできる。
第二基材4の作製方法としては、図8に示す原版40を用いて、原版40の微細凹凸を他の材料に転写する転写工程を行う方法が挙げられる。この例では、原版40の硬質層42の表面に形成された微細凹凸を他の材料に転写し、原版40の微細凹凸の反転パターンを表面に有する1次転写品を得て、次いで、前記1次転写品の反転パターンを他の材料に転写し、2次転写品である第二基材4を得る。転写工程としては、例えば、日本国特許第4683011号公報等に開示の公知の方法を採用できる。
具体的には、図8に示す原版40の微細凹凸に対して、例えば離型剤を含む未硬化の電離放射線硬化性樹脂含有樹脂組成物を例えば1μm以上100μm以下(好ましくは3μm以上30μm以下)の厚さに収まるように、Tダイコーター、ロールコーター、バーコーターなどのコーターで塗布する。次いで電離放射線を照射して前記樹脂組成物を硬化させた後、次いで原版40を剥離して、1次転写品を得る。1次転写品は、原版40の微細凹凸の反転パターンを有する。一方、透明な基材11を用意し、その片面に、未硬化の電離放射線硬化性樹脂含有樹脂組成物を、微細凹凸を充分に覆う厚さで塗布する。そして、塗布された未硬化の電離放射線硬化性樹脂含有樹脂組成物の層(塗膜)に対して、先に得られた1次転写品の反転パターンを有する面を押し当てるように前記1次転写品を押し当て、次いで電離放射線を照射して前記電離放射線硬化性樹脂を硬化させた後、1次転写品を剥離する。電離放射線の照射は、1次転写品側、透明な基材11側のうち、電離放射線透過性を有するいずれか一方側から行えばよい。これにより、透明な基材11と、その片面上に形成された電離放射線硬化性樹脂硬化物を含む光拡散層12とからなり、前記光拡散層の表面に微細凹凸が形成された図7に示す第二基材4(即ち、2次転写品)が得られる。
また、前述の未硬化の電離放射線硬化性樹脂含有樹脂組成物に代えて、第二基材を構成する熱可塑性樹脂又はその樹脂組成物を前記原版40の微細凹凸が埋まるように成形することで表面に前記微細凹凸が転写された成形品を作製し、この成形品を第二基材として使用してもよい。成形方法としては特に限定されず、例えば射出成形等が挙げられる。
また、図8に示す原版40の微細凹凸に対して、ニッケル、銅、銀、金等の金属めっきを行って、例えば200μm以上500μm以下の厚さのめっき層を積層した後、原版を剥離して金属製の一次転写品を得てもいい。金属製の1次転写品も、原版の微細凹凸の反転パターンを有する。金属製の1次転写品からも上述の作製方法と同様の転写方法によって、2次転写品が得られる。
上述の工程において、未硬化の電離放射線硬化性樹脂は溶媒等で希釈することが好ましい。未硬化の電離放射線硬化性樹脂含有樹脂組成物には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を添加してもよい。また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性である場合には、未硬化の電離放射線硬化性樹脂含有樹脂組成物にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類等の光重合開始剤を添加することが好ましい。また、未硬化の電離放射線硬化性樹脂含有樹脂組成物中に、アクリル酸エステルを含有することが好ましい。アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
微細凹凸が転写できる限り、その具体的方法に制限はない。
光拡散層12の材質として熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば液状の未硬化の熱硬化性樹脂含有樹脂組成物を微細凹凸に塗布し、加熱により硬化させる方法が挙げられる。熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂のシートを用い、微細凹凸に押し当てながら加熱して軟化させた後、冷却する方法が挙げられる。
また、上述のように、2次転写品を製造する場合には、例えば日本国特許第4683011号公報などに記載されている、めっきロールを用いる方法も挙げられる。具体的には、まず、原版として長尺なシート状物を製造し、前記原版を丸めて円筒の内側に貼り付け、前記円筒の内側にロールを挿入した状態でめっきを行い、円筒からロールを取り出してめっきロール(1次転写品)を得る。ついで、前記めっきロールの微細凹凸を転写することにより、第二基材4(即ち、2次転写品)が得られる。
原版としては、枚葉タイプのものもウェブタイプのものも用いることができる。ウェブタイプの原版を用いると、ウェブタイプの1次転写品および2次転写品を得ることができる。枚葉タイプにおいては、前記枚葉タイプの原版を平板状の型として使用するスタンプ法、枚葉タイプの原版をロールに巻きつけて円筒状の型として使用するロールインプリント法等を適用できる。また、射出成形機の型の内側に枚葉タイプの原版を配置させてもよい。ただし、これら枚葉タイプの原版を用いる方法において、第二基材4を大量生産するためには、転写を多数回繰り返す必要がある。転写性(離型性)が低い場合には、転写すべき微細凹凸に目詰まりが生じ、微細凹凸の転写が不完全になる場合がある。これに対して、原版をウェブタイプとすると、大面積で連続的に微細凹凸を転写でき、転写を多数繰り返さなくても、必要な量の第二基材4を短時間に製造できる。
次に、原版40について説明する。
図8に示すように、原版40は、基材41と、硬質層42と、を備えている。
硬質層42は、その表面が第二基材4の表面の凹凸構造の元となる凹凸構造とされている膜状の層である。基材41の表面(硬質層42との界面)は、硬質層42の表面の凹凸構造に追従した凹凸構造とされている。
原版40としては、以下の(i)のタイプのもの(特開2008−302591号公報参照)と(ii)のタイプのもの(特開2008−304701号公報参照)がある。
(i)基材41が、ガラス転移温度Tg1の第1の樹脂からなる一軸方向加熱収縮性フィルムが熱収縮したものであり、硬質層42が、ガラス転移温度Tg2(但し、Tg2−Tg1≧10℃)の第2の樹脂からなるもの。
(ii)基材41が、一軸方向加熱収縮性フィルムが熱収縮したものであり、硬質層42が、金属または金属化合物からなるもの。
(i)のタイプの原版40は、前記第1の樹脂からなる一軸方向加熱収縮性フィルムに、前記第2の樹脂を積層した積層体を、Tg2とTg1の間の温度で加熱することにより得られる。
加熱によって、一軸方向加熱収縮性フィルムを熱収縮させると、熱収縮した一軸方向加熱収縮性フィルムが基材41となる。そして、第2の樹脂は、一軸方向加熱収縮性フィルムの熱収縮に伴い、折りたたまれるように変形して硬質層42となる。
一軸方向加熱収縮性フィルムに積層する第2の樹脂の厚みは、0.05μmから5.0μmであることか好ましい。
その他、(i)のタイプの原版40を製造するための好ましい条件は、特開2008−302591号公報に記載されたものと同様である。
(ii)のタイプの原版40は、一軸方向加熱収縮性フィルムに、金属または金属化合物を積層した積層体を加熱することにより得られる。
加熱によって、一軸方向加熱収縮性フィルムを熱収縮させると、熱収縮した一軸方向加熱収縮性フィルムが基材41となる。そして、金属または金属化合物は、一軸方向加熱収縮性フィルムの熱収縮に伴い、折りたたまれるように変形して硬質層42となる。
一軸方向加熱収縮性フィルムに積層する金属または金属化合物の厚みは、0.01μmから0.2μmであることか好ましい。
その他(ii)のタイプの原版40を製造するための好ましい条件は、特開特開2008−304701号公報に記載されたものと同様である。
さらに、第二基材4に多色光の色を分けない程度の適度な光拡散性を付与するために、原版40の凹凸パターン42aは多数の凸部を有していてもよい。そのため、波状の凹凸パターン42aの異方性が前記凸部により適度に弱められる。前記凸部の見かけの最頻径は、1μm以上10μm以下が好ましく、より好ましくは3μm以上6μm以下、さらに好ましくは4μm以上5μm以下である。
第二基材4においては、図7に示すように、入射面4aに垂直な第三方向D3からの入射角度を0°とし、軸Aから入射面4aの上端に近づく方向を+(正)方向とすると、例えば入射光が0°から+70°で入射面4aに入射したとき、凹凸パターン12aの建物内側の面(即ち、出射面4b)から出射された光の照度ピーク値を1とした第一方向D1に関する相対照度分布曲線において、相対照度分布曲線の半値(拡散角度)幅が20°以上であり、相対照度分布曲線の0.25(1/4)値(拡散角度)幅が30°以上であることが好ましい。これらの条件を満たすことによって、第一基材2から出射した多色光が第三方向D3に直交する第一方向D1(即ち、間口方向)に広角に出射する。
以上説明した採光シート1Aでは、図1及び図2に示すように、窓よりも高い位置にある太陽等の光源(図示略)から出射され且つ建物外の軸Aより上方から窓材Wに入射する多色光は、窓材W及び接着層8Aを透過し、紫外線吸収支持体6に入射する。紫外線吸収支持体6では、多色光に含まれる紫外線が吸収される。紫外線吸収支持体6から出射した光は、接着層8Bを透過し、第一基材2に入射する。
第一基材2に入射した光の一部は、クレーズ領域8によって反射され、軸Aを中心に折り返し、軸Aより上方へ向かって出射する。この際、クレーズ領域8の最頻ピッチが前述のように適切に設定され、さらにクレーズ領域8のピッチにある程度の変動範囲があることで、多色光の指向性が保たれ、出射光の色の分かれが低減する。第一基材2に入射した光の残部は、部分的に別のクレーズ領域8によって反射され、軸Aより下方へ向かって出射する。
第一基材2を出射した光は、接着層8Cを透過し、第二基材4に入射する。第二基材4に入射した光は、凹凸パターン12aによって第一方向D1に拡散され、出射面4bから出射する。第二基材4によって光が拡散される際に、凹凸パターン12aの最頻ピッチが前述のように適切に設定され、凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、第二方向D2を中心に蛇行するように形成されていることで、多色光が第二方向D2において広角に拡散されると共に、出射光の色の分かれが低減する。第二基材4から出射した光は、建物内に採光される。
上述のように、採光シート1Aでは、第一基材2によって軸Aから第二方向に傾斜した入射方向に対して軸Aを中心に多色光を折り返すように反射させ、その反射光を第二基材4によって第一方向D1において(第一基材2の拡散角度よりも)広く拡散させることができる。
従って、第一方向D1及び第三方向D3を建物の床面に平行な方向とし、第二方向D2を鉛直方向且つ窓材Wの表面に沿った方向とすることで、採光シート1Aによれば、多色光を窓材Wから建物内の軸Aの+方向(即ち、天井方向)へ天井に向けて出射すると共に、第一方向D1(即ち、間口方向)には広角に出射し、第二方向D2(即ち、鉛直方向)においても、第一方向D1においても多色光の色が分かれないようにすることができる。
これにより、窓材Wに入射した太陽光を通常の入射角度では直接照射されない建物内の天井に導き、且つ、間口方向に均斉化された拡散光とすることができ、建物内の天井面及び窓側から最も離れた最奥部壁面等を効率よく、色の分離を抑えて照らすことができる。
上述のように、第一基材2の材質及び形状、そして第二基材4の材質及び形状を用いることで、窓や設置対象の形状等に柔軟に対応して密着可能であり、多色光の色が分かれないように、且つ第一方向及び第二方向に所望の配光分布・角度で採光可能な採光シート1が提供される。
なお、上述の採光シート1Aの第二基材4については、凹凸パターン12aの形成されている出射面4bを建物内に配置し、凹凸パターン12aの屈折率と空気屈折率との差を利用して光を拡散させる場合を例として説明したが、第二基材4の材質と接着層8Cとの屈折率差を所定値以上とすることができれば、凹凸パターン12aの形成されている面を第二基材4の出射面4bとし、凹凸パターン12aを接着層8Cに埋めるようにして接着層8Cと第二基材4とを貼り合わせてもよい。
[第二実施形態]
図9に示すように、本発明に係る第二実施形態の採光シート1Bは、採光シート1Aの接着層8Bを省略し、紫外線吸収支持体6と第一基材2とを多層押出しの方法を用いて一体とし、窓側から建物内に向かって、接着層8Aと、紫外線吸収支持体6と、第一基材2と、接着層8Cと、第二基材4と、をこの順に重ねて配置したものである。
採光シート1Bによれば、採光シート1Aと同様の作用効果が得られる。また、接着層8Bを省略できるので、採光シート1Bの厚み寸法を減じることができ、製造コストの低減を図ることができる。
[第三実施形態]
図10に示すように、本発明に係る第三実施形態の採光シート1Cは、採光シート1Aの接着層8Bを省略し、接着層8Aと紫外線吸収支持体6に替えて、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収接着層7を採用し、窓側から建物内に向かって、紫外線吸収接着層7と、第一基材2と、接着層8Cと、第二基材4と、をこの順に重ねて配置したものである。
採光シート1Cによれば、採光シート1Aと同様の作用効果が得られる。また、接着層8A,8Bを省略できるので、採光シート1Cの厚み寸法をより減じることができ、製造コストの低減をさらに図ることができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、各々の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。
例えば、建物の窓の窓材W以外の建材や、建物以外の適当な部材に採光シート1を設け、多色光を第二方向D2においては軸Aを中心に折返し反射させ、第一方向D1においては広角に拡散させても構わない。
以下、本発明について、実施例を例示して具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、窓材側から順に、接着層8A、紫外線吸収支持体6、接着層8B、第一基材2、接着層8C及び第二基材4が積層されている採光シートに関する。
図2に示す採光シート1Aを作製した。接着層8A,8B,8Cには、光学用両面粘着フィルム(製造元:新タック化成株式会社)を用いて、両面の剥離フィルムを除いた粘着層を接着層8A,8B,8Cとした。紫外線吸収支持体6には、ポリメタクリル酸メチル樹脂を主成分とする軟質タイプ耐候性フィルム(製造元:三菱レイヨン株式会社)を用いた。第一基材2には、モノトランフィルム(製造元:株式会社ナック社)を用いた。一般に、モノトランフィルムの厚み寸法は50μmから200μmであり、幅4μmから10μmの多孔質部が20μmから30μmの間隔で形成されている。本実施例では、多孔質部が10μmから30μmの間隔で形成されている。
使用したモノトランフィルム(即ち、第一基材2)の第二方向D2における配光分布を図11(a)に示す光学配置で測定した。
図12(a)に示す入射角ごとの配光分布のグラフにより、図12(b)に示す軸Aに対する入射角が+方向に増大するのに応じて、出射光の光強度ピークも+方向に現れており、白色光が第2方向D2(即ち、天井方向)に出射していることがわかる。
図11(a)に示す光学配置において、モノトランフィルムに対して図11(b)に示すように受光器Sを移動させて測定を行った。
以下、全光線透過率については、ヘイズメーター(型番;HM−150、製造元:村上色彩技術研究所)を用い、国際照明委員会(CIE)規定の標準D65光源の光を第一基材2の入射面2aに入射させ、JIS K7361に規定の方法で可視光(波長:380nmから800nm)による測定を行って得た。本実施例で使用したモノトランフィルムでは、全光線透過率は平均91.6%、最大91.7%、最小91.3%であった。
また、平行光線透過率については、ヘイズメーター(型番;HM−150、製造元:村上色彩技術研究所)を用い、国際照明委員会(CIE)規定の標準D65光源の光を第一基材2の入射面2aに入射させ、JIS K7361に規定の方法で可視光(波長:380nmから800nm)による測定を行って得た。本実施例で使用したモノトランフィルムでは、平行光線透過率は平均71.1%、最大71.7%、最小70.0%であった。
また、拡散光線透過率については、ヘイズメーター(型番;HM−150、製造元:村上色彩技術研究所)を用い、国際照明委員会(CIE)規定の標準D65光源の光を第一基材2の入射面2aに入射させ、JIS K7361に規定の方法で可視光(波長:380nmから800nm)による測定を行って得た。本実施例で使用したモノトランフィルムでは、拡散光線透過率は平均20.5%、最大21.7%、最小19.8%であった。
さらに、ヘイズについては、ヘイズメーター(型番;HM−150、製造元:村上色彩技術研究所)を用い、国際照明委員会(CIE)規定の標準D65光源の光を第一基材2の入射面2aに入射し、JIS K7136に規定の方法で可視光(波長:380nmから800nm)による測定を行って得た。本実施例で使用したモノトランフィルムでは、ヘイズは平均22.4%、最大23.7%、最小21.7%であった。
次に、第一基材2の片面(例えば、入射面2a)側に、照射角3.5度のLED光源(即ち、光源T)を基材から50mm離れた位置に配置し、光源からの光を、最も発光輝度が高くなる光軸が第一基材2の入射面2aに対して所定の入射角度になるように光を入射した。その際の透過散乱光を、ゴニオメーターGENESIA(登録商標)Gonio/FFP(製造元:ジェネシア社)を用い、測定することにより、図13に示す照度曲線を得た。
ここで、照度曲線とは横軸を入射光角度とし、縦軸を出光照度率として、プロットした曲線をいう。具体的には、第一基材2から所定の角度にピークをもって出射する光の照度を、第一基材2のクレーズ領域8の長手方向と直交する方向(即ち、第二方向D2)に沿って出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定して照度曲線を得た。
その後、第一基材2を省略し、上述の方法と同様に測定し、元光源の照度曲線と出光角度−90°から90°までの積算照度(元光量)を得た。
次に、入射に照度曲線の−90°から90°までの1°間隔で測定した照度のうち、0°から90°までの1°間隔で測定した照度の積算値を求め、第一基材2を設けないで求めた−90°から90°まで1°間隔で測定した元光源の照度積算値に対する割合を求め、反射光出射比率とした。
また、図13に示すグラフにより、第一基材2の軸Aの+方向への出射比率が例えば30%以上となるのは、入射角が+25°付近から+55°の間であり、軸Aの+方向への出射比率が例えば25%以上となるのは、入射角が+20°付近から+60°の間であることがわかる。
第一基材2の片面(例えば、入射面2a)側に、照射角3.5度のLED光源(即ち、光源T)を基材から50mm離れた位置に配置し、その光を、最も発光輝度が高くなる光軸が第一基材2の入射面2aに対して入射角度になるように光を入射した。
その際の透過散乱光を、ゴニオメーターGENESIA(登録商標)Gonio/FFP(製造元:ジェネシア社)を用い、測定することにより照度曲線を得た。
具体的には、第一基材2からある角度にピークをもって出射する光の照度を、第一基材2のクレーズ領域8の長手方向と直交する方向に沿って出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定して照度曲線を得た。
次に、入射角度ごとに反射光出射ピーク値±20°範囲の反射光照度積算値を求め、反射光出射範囲0°から90°の照度積算値に対する割合を求め、反射光の配光範囲とした。同様に、反射光出射ピーク値±10°範囲の反射光照度積算値を求め、反射光の配光範囲とした。
図14に示すグラフより、出射光量ピークが±10°のものについては、多色光の入射角が増大する程、第一基材2の軸Aの+方向への出射光量が低下する、一方、出射光量ピークが±20°まで拡がると、第一基材2の軸Aの+方向への出射光量が100%と極めて良好になる。
第一基材2の片面(例えば、入射面2a)側に、照射角3.5度のLED光源(即ち、光源T)を基材から50mm離れた位置に配置し、その光を、最も発光輝度が高くなる光軸が前記第一基材2の入射面2aに対して所定の入射角度になるように光を入射した。
その際の透過散乱光を、ゴニオメーターGENESIA(登録商標)Gonio/FFP(ジェネシア社製)を用い、測定することにより照度曲線を得た。
具体的には、第一基材2からある角度にピークをもって出射する光の照度を、第一基材2のクレーズ領域8の長手方向と直交する方向(即ち、第二方向D2)に沿って出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定して照度曲線を得た。
次に、第一基材2から出射される全光量のうち、出光角度0°から90°までの1°間隔で測定して得られた照度積算値を求め、全出射光照度積算値に対する反射光照度積算値の割合を求めた結果を図15に示す。
本実施例の採光シート1Aの第二基材4には、ナノバックリングシート(33°/3°、製造元:王子ホールディングス株式会社)を用いた。このナノバックリングシートは、以下説明する製造方法によって製造されたものである。
先ず、一軸方向に熱収縮する厚さ50μmでヤング率3GPaのポリエチレンテレフタレート製加熱収縮性フィルム(型番:ヒシペットLX−60S、製造元:三菱樹脂株式会社、ガラス転移温度Tg1:70℃)の片面に、トルエンに希釈したポリメチルメタクリレート(型番:P4831−MMA、製造元:ポリマーソース株式会社、ガラス転移温度Tg2:100℃)を厚さが200nmになるようにバーコーターにより塗工し、硬質層を形成して積層シートを得る。
次に、一般の熱風式オーブンを用いて該積層シートを150℃で1分間加熱することにより、ポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルムを一軸方向において、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(変形率として60%)、硬質層を折り畳むように変形させた。これにより、波状の凹凸パターンと、その上に形成された多数の凸部とを有する微細凹凸が硬質層の表面に形成された表面微細凹凸シート(原版)を得た。
次に、得られた上述の凹凸パターン形成シートを原版として用いて、以下のようにして転写を行った。即ち、凹凸パターン形成シートが形成された面に、ニッケルめっきを施し、そのニッケルめっきを剥離することにより、厚さ寸法200μmの2次工程シートを得た。この2次工程シートの凹凸パターンが形成された面にエポキシアクリレート系プレポリマー、2−エチルヘキシルアクリレートおよびベンゾフェノン系光重合開始剤を含む未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を塗工した。
次に、未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物の塗膜の面であって2次工程シートと接していない面に対して、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を重ね合わせ、押圧した。次いで、ポリエチレンテフタレートフィルムの上から紫外線を照射し未硬化の紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その硬化物を2次工程シートから剥離することにより、光拡散体を得た。この光拡散体は、2層(PET層、紫外線によって硬化された樹脂層)から構成されている。
使用したナノバックリングシートの凹凸パターン12aのアスペクト比は0.6であった。
第二基材4の凹凸パターン12aを設けていない側(即ち、入射面4a)に、照射角3.5度のLED光源(即ち、光源T)を基材から50mm離れた位置に配置し、その光を、最も発光輝度が高くなる光軸が前記基材面に対して垂直になるように入射した。
その際の透過散乱光を、ゴニオメーターGENESIA(登録商標)Gonio/FFP(製造元:ジェネシア社)を用い、測定することにより照度曲線を得た。照度曲線とは横軸を出光角度とし、縦軸を相対照度として、プロットした曲線である。
具体的には、第二基材(異方性光拡散シートともいう)から垂直に出射する光(この光の出光角度を0°とする。)の照度を1とした際の相対照度を、凹凸パターンの長手方向に直交する方向に沿って出光角度−90°から90°まで1°間隔で測定して照度曲線を得た。
凹凸パターンの長手方向と直交する方向の0.5値幅(相対照度が1/2以上となる出光角度範囲)と、0.25値幅(相対照度が1/4以上となる出光角度範囲)とを求め、これらを拡散角度とした。
次に、入射角度を10°刻みで変更し、前記と同様に0.5値(相対照度が1/2以上となる出光角度範囲)と、0.25値幅(相対照度が1/4以上となる出光角度範囲)とを求め、入射角度による各拡散角度の変化とした。
図16に示すグラフによれば、軸Aに対して第一方向D1の光の入射角が0°から90°までの間で変動しても、第一方向D1における拡散角度は比較的安定していることがわかる。
(実施例2)
実施例1の採光シート1Aの第二基材4を以下に説明するナノバックリングシート(20°/10°、製造元:王子ホールディングス株式会社)に変更すること以外は、実施例1と同様とした。本実施例のナノバックリングシートは、以下説明する製造方法によって製造されたものである。
先ず、以下の塗工液(1)をポリエチレンテレフタレート(PET)一軸方向加熱収縮性フィルム(「SC807」、厚さ:30μm、ガラス転移温度Tg1=80℃、製造元:東洋紡株式会社製)の片面に、塗工乾燥後の硬質層の厚みが2μmになるようにバーコーター(メイヤーバー♯14)により塗工した。
[塗工液(1)]
アクリル樹脂A(ガラス転移温度Tg2=128℃)と、粒径が5μmであるアクリル系架橋型樹脂粒子(「SSX105」、ビカット軟化温度200℃以上、製造元:積水化成品工業株式会社)とを、固形分質量比70:30で混合し、トルエンに加え、固形分濃度7.7質量%の塗工液(1)とした。
なお、上述のアクリル樹脂Aは固形分濃度20質量%であるが、本実施例での質量比および濃度は、正味量(固形分量)で計算した値である。以下の例についても、正味量で計算している。
次に、一般の熱風式オーブンを用いて該積層シートを150℃で1分間加熱することにより、ポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルムを一軸方向において、加熱前の長さの49%に熱収縮させ(変形率として51%)、硬質層を折り畳むように変形させた。これにより、波状の凹凸パターンと、その上に形成された多数の凸部とを有する微細凹凸が硬質層の表面に形成された表面微細凹凸シート(原版)を得た。形成された凸条部は、それぞれが蛇行して、互いに非平行で、不規則に形成されていた。
次に、得られた表面微細凹凸シート(即ち、原版)の表面に、ニッケル電気鋳造法にて、ニッケルを500μmの厚さになるように堆積させた。ついで、堆積させたニッケルを表面微細凹凸シートから剥離し、表面に表面微細凹凸シートの微細凹凸が転写されたニッケル2次原版を得た。該ニッケル2次原版を射出成形機の金型に組込み、アクリル樹脂の射出成形を行うことで、表面に微細凹凸が転写された射出成形品を得た。得られた射出成形品は、300mm×10mm×2mmの直方体であり、一対の2mm×300mmの面のうちの一面に微細凹凸が転写され、他面が平滑面とされたものである。
なお、本実施例におけるナノバックリングシートの凹凸パターン12aのアスペクト比については、実施例1と同様の好適な条件を考慮したが、アクリル樹脂Aやアクリル系架橋型樹脂粒子等が用いられているため、数値化は難しい。
(比較例1)
実施例1の採光シート1Aの第二基材4を市販のレンチキュラーレンズシートに変更すること以外は、実施例1と同様にして、比較例1の採光シートを作製した。
(比較例2)
実施例1の採光シート1Aの第一基材2(即ち、モノトランフィルム(製造元:株式会社ナック社))のみを用いて、比較例2の採光シートとした。
(比較例3)
実施例1の採光シート1Aの第二基材4(即ち、ナノバックリングシート(33°/3°、製造元:王子ホールディングス株式会社))のみを用い、比較例3の採光シートとした。
(比較例4)
実施例2の採光シート1Aの第二基材4(即ち、ナノバックリングシート(20°/10°、製造元:王子ホールディングス株式会社))のみを用い、比較例4の採光シートとした。
(比較例5)
実施例1の採光シート1Aの第一基材2は用いず、第二基材4を市販のレンチキュラーレンズシートに変更し、比較例5の採光シートとした。
(比較例6)
図17(a),(b)及び図18(a),(b)に示す窓材W及び採光シートを設けず、窓のみとした。
以上説明した実施例1,2及び比較例1から比較例6の各々において、図17(a),(b)及び図18(a),(b)に示す光学配置及びモデルと上述の装置等を用いて、図19に示す位置において以下説明するように照度を測定した。
<照度の評価>
実施例1,2及び比較例1から比較例6の各々の採光シートを窓に設置し、図19に示すように「天井面(中央部)」として、窓から室内側に225mm位置の真上にあたる天井面中央部における照度(lux)と、「最奥部壁面(左端部)」「最奥部壁面(右端部)」として、最奥部壁面の高さ225mmで、間口中央部から左右にそれぞれ150mmの位置における照度(lux)と、を測定した。
図12(b)に示すように、床Fから略鉛直方向に立設された壁面Bの開口部Xの建物内側に各実施例及び各比較例の採光シートを配置した。光源Tには、スポット型LEDライト(型番:NLSM05S−AC、製造元:日機株式会社)を用いた。光源Tから1m先照度を1570lux、全光束を280lmとした白色光(多色光)を採光シートに入射角0°から+60°まで20°間隔で変化させて入射した。また、採光シートから出射した光について、受光部Sとしてデジタル照度計(型番:IM−600、製造元:株式会社トプコンテクノハウス社)を用いて測定した。
<採光率の評価>
実施例1,2及び比較例1から比較例6の各々の採光シートを設置しない窓の屋外側の面に対して、光を「仰角45°/方位角180°」と、「仰角45°/方位角225°」と、「仰角0°/180°」とにそれぞれ変化させ入射したときの光の照度(この照度を基準照度とする)を照度計で計測した。計測された基準照度に対する、各々の採光シートを窓に設置したときの光の照度との割合を「採光率」として測定した。
<輝度ムラの評価>
本発明に係る採光シートを備えた実施例1、実施例2及び比較例1の採光シートを窓に設置し、窓の屋外側の面に対して、光を「仰角45°/方位角225°」で入射させたときの最奥部壁面の輝度ムラを目視評価した。
仰角45°、方位角225°の各入射条件で出射光量及び反射光出射比率を測定した結果を表1に示す。
Figure 2018120145
表1からもわかるように、実施例1及び実施例2の採光シートの照度及び採光率は、比較例4,5の照度及び採光率よりも遥かに大きく、さらに比較例6の採光シートの照度及び採光率よりも大きくなった。これにより、採光シート1Aでは、軸Aを中心に折り返して反射され、良好に採光されるものと思料される。また、実施例1及び実施例2の採光シートでは、天井面(中央部)、最奥部壁面(左端部及び右端部)にわたって採光率が200%を超え、良好に採光が行われることを確認した。
また、輝度ムラの評価については、実施例1及び実施例2の採光シートと、レンチキュラーレンズシートを備えた比較例1の採光シートとの間には、出射光量及び反射光出射比率の大きな差は見られなかったが、比較例1の採光シートでは第一方向D1において採光した光の色分かれが視認された。このような色の分離は、レンチキュラーレンズシートの周期構造に起因し、波長毎の光が回折して互いに異なる方向(即ち、出射角度)に揃って回折したためと考えられる。
以上の実施例及び比較例により、本発明によれば、第一方向D1を建物の床面に平行な方向とし、第二方向D2を建物の床面に垂直な方向とすれば、窓や窓材Wに入射した太陽光を通常の入射角度では直接照射されない建物内の天井に導き、且つ、間口方向に均斉化された拡散光とすることができ、建物内の天井面及び窓側から最も離れた最奥部壁面等を効率よく、色の分離を抑えて照らす採光シートを実現できることを確認した。
1,1A,1B,1C・・・採光シート
2・・・第一基材
4・・・第二基材
8・・・クレーズ領域
10・・・凹凸パターン形成シート
D1・・・第一方向
D2・・・第二方向
W・・・窓材

Claims (6)

  1. 第一基材と、第二基材が重ねて配置される採光シートであって、
    前記第一基材の内部には、分子束と微細孔からなり、第一方向に沿って縞状に延びるクレーズ領域が形成され、
    前記第二基材には、前記第一方向に沿って凹凸が繰り返され、且つ前記凹凸の凸部の頂点からなる複数の稜線同士の間隔がばらつくように各々不規則に、前記第一方向に交差する第二方向を中心に蛇行した波状の凹凸パターンが形成されている採光シート。
  2. 建物の窓材又は開口部に配置され、
    前記第一方向は前記建物の床面に平行な方向であり、
    前記第二方向は前記建物の床面に垂直な方向である前記請求項1に記載の採光シート。
  3. 前記クレーズ領域の最頻ピッチが1μm以上30μm以下である請求項1又は請求項2に記載の採光シート。
  4. 前記凹凸パターンの最頻ピッチが1μm以上30μm以下である請求項1から請求項3の何れか一項に記載の採光シート。
  5. 前記第二基材は、
    樹脂製の基材と、
    前記基材の片面に設けられた樹脂製の光拡散層と、を備え、
    前記光拡散層の表面に前記凹凸パターンが形成された凹凸パターン形成シートである請求項1から請求項4の何れか一項に記載の採光シート。
  6. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の採光シートを備えた採光装置。
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