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JP2018114628A - 切削工具、および切削方法 - Google Patents

切削工具、および切削方法 Download PDF

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JP2018114628A
JP2018114628A JP2017005230A JP2017005230A JP2018114628A JP 2018114628 A JP2018114628 A JP 2018114628A JP 2017005230 A JP2017005230 A JP 2017005230A JP 2017005230 A JP2017005230 A JP 2017005230A JP 2018114628 A JP2018114628 A JP 2018114628A
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秋男 大久保
Akio Okubo
秋男 大久保
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KUBO KOGYO KK
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Abstract

【課題】本発明の課題は、適量の切削液を切削工具に全体に流し込みながら切削できる切削工具を提供することである。【解決手段】本体部110に設けられたチャック部130が切削機本体200に装着され、本体部110の先端および周面に備えられた切削刃部120が切削面を切削し、本体部110の先端および周面に備えられた噴射口141および噴射口142から流路140から流れる切削液が噴射され、切削液を流しながら切削工具100が回転しながら切削面を切削する。【選択図】図1

Description

本発明は、切削工具、および切削方法に関し、特に切削面に平行、または切削面に対して遠近方向に垂直に移動する切削機本体に装着され、切削面に所定形状の溝部を連続的に切削可能な切削工具、および切削方法に関する。
従来、日本は地震大国と呼ばれるほど地震が多い国であり、地震に対する様々な備えが不可欠となっている。この地震による被害で最も危険なものは建築物の倒壊による災害である。
耐震補強されていない多くの建物は、震度6以上の地震で倒壊する可能性があるといわれており、大切な生命や財産を地震などの災害から守るために耐震に対する意識は日々高まっている。
過去の地震被害では、建築物の柱際に設置された腰壁や垂れ壁などの雑壁による影響で、柱の大きな被害が報告されている。これは雑壁が柱付近にとりつくことで柱の長さが短くなり、せん断破壊が起きやすくなってしまうのが原因であった。このせん断破壊による柱の損傷は建築物自体の倒壊につながり、被害を大きくしてしまうので大変危険であった。そこで建築物の柱と壁との間にスリットを形成し、柱と壁とを分断することで地震発生時に壁が柱に与える影響を少なくする耐震補強が知られている。
図7は、建築物の柱際に耐震スリットを形成した様子を示す図である。
そこで図7に示すように、柱1、柱2の間に形成された壁体3に窓枠などが設置される開口部4が設けられている。この開口部4が形成されることで、開口部4の下部には床面5までの腰壁3aが形成され、また開口部4の上部には、天井面6から開口部4の上面までの垂れ壁3bが形成される。
この柱1および柱2に耐震スリット7および耐震スリット8を設け、柱1または柱2と壁体3とが繋がっていない状態にし、柱1および柱2の長さが短くならないようすることで、柱1および柱2の被害を少なくすることができる。このように建築物に耐震スリット7および耐震スリット8を形成することで、建築物の倒壊を最小限に抑えることができる。
また耐震スリットは新築建物に形成するだけでなく、現在の耐震基準に満たない古い建築物に耐震スリットを形成して耐震補強を施すことで、現在の耐震基準を満たす耐震性能を備えた建築物に改修することができる(たとえば、特許文献1参照)。このようにコンクリート製の壁に耐震スリットを形成するためには、切削工具を備えた切削機で切削することで効率よくせこうが行える。
図8は、従来の切削工具を示す図である。
図8に示すように、切削工具10は、丸棒状の本体11を備えており、その本体11の先端には例えばダイヤモンド砥粉と金属粉を混合した焼結体(以下、ダイヤモンドチップという。)からなる切削刃12が十字状に設けられ、またこの本体11の周面には切削刃13が螺旋状に設けられており、本体11の基端部には、切削工具10を切削機本体20に装着するためのチャック部14が形成されている。
また切削時に発生する熱による切削工具10の摩耗抑制や、切削したコンクリート粉じんの飛散防止などを目的とした切削液が流れる流路15が、本体11の内部を通って本体11の先端まで設けられており、その切削工具10の先端から切削液が噴射される構造となっている。
上記のような切削工具10を切削機本体20に装着し、先端から切削液を噴射しながら切削工具10を回転させ、切削工具10の先端を壁体3に向かって接近させることで、切削刃12が壁体3の厚さ方向を切削し、壁体3に凹部を形成することができる。また壁体3に凹部を形成した状態で切削工具10を形成左列耐震スリットの溝方向に移動させることで、切削刃13が壁体3を切削し壁体3に溝部を形成することができる。このようにコンクリート製の壁体3に耐震スリットを形成するには、切削工具10を装着した切削機本体20を用いて容易に耐震スリットを形成することができる。
特開2002−36232号公報
しかし、従来の切削工具10は切削工具10全体が長い棒状のため、切削液が全体に回り込まず、切削工具10に切削屑が詰まりやすくなる問題や、切削刃が高温になってしまうことで切削工具10の消耗が激しくなってしまう問題、さらには激しい切削音が生じるという問題があった。
切削液が切削工具10全体に回り込まないことで生じる切削屑の詰まりは、切削機の切削能力を低下させてしまい、施工時間を長期化させてしまっていた。また切削工具10が高温になることで高まる切削工具10の摩耗は、施工コストを高めていた。また切削時に生じる激しい切削音は、騒音の発生源となってしまっていた。このように切削液が切削工具10全体に回り込まない問題は、上記のような様々な問題の要因となっていた。
そこで、その対策として切削時に施工箇所に向かって外部から切削液を流し込む方法が考えられる。しかし切削時には切削工具10は回転しており、切削する壁体3内部までは切削液は流れ込みにくかった。また、このように外部から切削液を施工箇所に流しながら作業を行うことで、切削で発生する切削屑が切削液と一緒に周辺に流れてしまい、ノロ水とよばれる切削で生じるコンクリート粉などを含んだ汚水が大量に発生してしまう問題があった。
また切削液を切削工具10全体に回り込ませる対策として、定期的に切削工具10を施工箇所抜去し、形成された凹部や溝部に切削液を流し込み、再度切削工具10を施工箇所に挿入して切削する方法も考えられる。しかしこのような対策手法は、切削工具10を施工箇所から抜き差しする工程に時間や手間がかかってしまい、施工時間が長期化してしまうので根本的な解決方法には至らなかった。
また切削工具10自体の長さを短くすることで、切削液を切削工具10全体に行き届かせることも考えられる。耐震スリットを形成するには、壁の厚さに対して相当の深さの耐震スリットを必要とするが、切削工具10自体の長さを短くしてしまうと、壁に溝を切削する深さも短くなってしまい、所望の深さの耐震スリットを切削するには、形成した溝部に更に凹部を切削し、そこからさらに溝部を切削するという工程を繰り返さなくてはならず、結果として施工時間が長くなってしまう問題が生じてしまっていた。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、適量の切削液を切削工具に全体に流し込みながら切削できる切削工具を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、切削面に垂直に差し込んだ状態で平行に移動する切削機本体に装着され、切削面に所定形状の溝部を連続的に切削可能な切削工具において、前記切削機本体に装着される棒状の本体部の先端および周面に備えられる切削刃部と、前記本体部の先端および周面に備えられる切削液を噴射するための噴射口とを備えることを特徴とする切削工具が提供される。
これにより、切削機本体に装着される棒状の本体部の先端および周面に備えられた切削刃部が切削面を切削し、本体部の先端および周面に備えられた噴射口から切削液が噴射される。
また、本発明では、切削面に垂直に差し込んだ状態で平行に移動する切削機本体に装着された切削工具が、切削面に所定形状の溝部を連続的に切削する切削方法において、前記切削機本体に装着される棒状の本体部の先端および周面に備えられる切削刃部が回転し、前記本体部の先端および周面に備えられる切削液を噴射しながら切削面を切削することを特徴とする切削方法が提供される。
これにより、切削機本体に装着される棒状の本体部の先端および周面に備えられる切削刃部が回転し、本体部の先端および周面に備えられる切削液を噴射しながら切削面を切削する。
本発明の切削工具によれば、本体部先端および周面に備えられた切削液を噴射するための噴射口が、切削液を噴射しながら切削面を切削するのでので、切削液を切削工具全体に回り込ませることができる。
これにより、切削工具に切削屑が詰まるのを抑制し、切削刃が高温になることを抑制することで切削工具の摩耗を抑制し、切削時の切削音を抑制することができる。
本実施の形態に係る切削工具を示す側面図および正面図である。 本実施の形態に係る切削工具を示す側面図および断面図である。 切削液の流路および噴射口の位置を示す切削工具の先端側からの投影図および斜視図である。 切削刃部の先端部の詳細を示す拡大図である。 壁部に切削工具挿入するための凹部を形成する手順を示す図である。 切削工具を用いて耐震スリットを形成する手順を示す図である。 建築物の柱際に耐震スリットを形成した様子を示す図である。 従来の切削工具を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る切削工具を示す側面図および正面図である。
図1に示すように、切削工具100は、本体部110、切削刃部120、チャック部130、および流路140を備えている。
切削工具100は、図示しない切削機本体200に着脱可能に装着される。切削機本体200は、矢印Rが示す回転方向に切削工具100を回転させながら切削面に接近させることで、切削面を切削することができるようになっている。
切削工具100には、丸棒状の本体部110を備えており、本体部110の先端および周面には切削刃部120が設けられており、本体部110の基端部には切削工具100が切削機本体200に装着されるためのチャック部130が形成されている。
本体部110の先端および周面に設けられた切削刃部120は、形状の異なる複数のセグメントによって構成されている。具体的には、本体部110の先端に設けられる第一セグメント121、本体部110の側面に設けられる第二セグメント122および第三セグメント123によって切削刃部120は構成されている。
第一セグメント121は、例えばダイヤモンドチップからなる切削刃であって、本体部110の半径と同じ、または半径より短い長さの立方体の形状をしており、その第一セグメント121が本体部110の先端に十字状に設けられている。第一セグメント121の大きさ、数量、配置は適宜選択することができる。
施工時は、矢印Rが示す回転方向にこの本体部110の先端に設けられた第一セグメント121が回転することで、壁部の厚さ方向の切削面を切削することができる。またこの第一セグメント121は矢印Rが示す回転方向に湾曲した湾曲面121aを備えており、切削面との接触を緩やかにすることで、加工後の切削面をなめらかに仕上げることができる。
第二セグメント122および第三セグメント123は、本体部110の周面に沿って設けられる大きさの異なるセグメントである。第二セグメント122および第三セグメント123は、例えばダイヤモンドチップからなる切削刃であって、本体部110の径方向の断面図が平行四辺形をした立方体の形状をしている。
また第二セグメント122および第三セグメント123は、本体部110の周面に添って湾曲しており、本体部110の周面に第二セグメント122および第三セグメント123が切削工具100の回転方向に一定の間隔でずれ、かつ第二セグメント122および第三セグメント123の回転方向の間隔が一定に保たれながら、螺旋状に配置され接着剤などで固定されている。これにより切削工具100の周面には螺旋状に配列された第二セグメント122および第三セグメント123と、螺旋状に配列された各セグメントとの間には螺旋状の切削屑排出溝124が形成される。
またこの第二セグメント122および第三セグメント123は切削工具100の回転方向と逆方向に傾斜した傾斜面を備えており、切削面との接触を緩やかにすることで、加工後の切削面をなめらかに仕上げることができる。
さらに、第二セグメント122と第三セグメント123とは、切削工具100の回転軸方向の高さが異なっており、第三セグメント123の高さよりも第二セグメント122の高さが高く形成されている。また第三セグメント123の高さよりも高さのある第二セグメント122は、切削工具100の周面の先端部、かつ本体部110から先端方向に突出するように設けられる。また突出した部位は、第一セグメント121と同じ高さになるように設けられる。
また、切削工具100の先端から二列目に配列されるセグメントを切削工具100の回転方向に向かって第二セグメント122と第三セグメント123とを交互に配列することで、螺旋状に形成された各セグメントの回転方向の切削面が段違いになる。これにより切削面をなめらかにすることができる。詳しくは後述する。
流路140は、本体部110の内部に形成された筒状の管であって、流路140を流れた切削液は本体部110の先端に設けられた噴射口141および周面に設けられた複数の噴射口142により噴射される。
本体部110の先端に設けられた噴射口141は、回転軸中心付近に設けられ、第一セグメント121が切削する部位の切削刃摩耗の低減や、切削時の高温化や切削音を抑制することができる。また噴射口141から噴射された切削液は、切削屑と一緒に切削屑排出溝124に流れ込み、切削工具100が回転することで切削屑排出溝124に添ってチャック部130方向に排出される。
本体部110の周面に設けられた噴射口142は、切削屑排出溝124上に複数設けられる。またこの噴射口142は先端に近い切削屑排出溝124上に設けることが望ましい。これはチャック部130に近い方に噴射口142を設けた場合、切削液はチャック部130側から切削工具100の先端に向かって流れるので、切削工具100の先端に切削液が届く前に切削液の圧力が逃げてしまい、切削工具100の先端まで切削液が届かないためである。具体的な噴射口142の配置については後述する。
このように、切削液の噴射口を切削工具100の先端および周面に設けることで、切削面全体に切削液が流れ込み、切削液を流しながら切削面を切削することができるので、切削刃の偏摩耗や高温による切削工具100の損傷や切削音による騒音を抑制することができる。
図2は、本実施の形態に係る切削工具を示す側面図および断面図である。
図2(A)は切削工具100の先端部A‐Aの断面図を示している。
図2(A)に示すように、本体部110の先端には切削液の噴射口141が設けられ、噴射口141を中心に第一セグメント121が十字状に設けられている。また、本体部110の周面には4つの第二セグメント122が一定の間隔をあけて対角線上に設けられている。
図2(B)は切削工具100の先端部B‐Bの断面図を示している。
図2(B)に示すように、本体部110の中心には筒状の流路140が設けられており、流路140から十字状に分岐した噴射口142が本体部110の周面に設けられている。また噴射口142は切削工具100の周面に形成された切削屑排出溝124上に到達するように配置されている。
また本体部110の周面には2つの第二セグメント122と2つの第三セグメント123が対角線上に設けられ、各セグメントは図2(A)における第二セグメント122の位置よりも矢印Rが示す回転方向に移動した位置に配置されている。
図2(C)は切削工具100の先端部C‐Cの断面図を示している。
図2(C)に示すように、本体部110の中心には筒状の流路140が設けられており、流路140から一の字状に分岐した噴射口142が本体部110の周面に設けられている。また噴射口142は切削工具100の周面に形成された切削屑排出溝124上に到達するように配置されている。
また本体部110の周面には2つの第二セグメント122と2つの第三セグメント123が対角線上に設けられ、第二セグメント122は図2(B)における第二セグメント122と同一のため同じ位置、また第三セグメント123は図2(B)における第二セグメント122の位置よりも矢印Rが示す回転方向に移動した位置に配置されている。
図2(D)は切削工具100の先端部D‐Dの断面図を示している。
図2(D)に示すように、本体部110の中心には筒状の流路140が設けられており、流路140から十字状に分岐した噴射口142が本体部110の周面に設けられている。また噴射口142は切削工具100の周面に形成された切削屑排出溝124上に到達するように配置されている。
また本体部110の周面には4つの第三セグメント123図2(C)における第二セグメント122および第三セグメント123の位置よりも矢印Rが示す回転方向に移動した位置に配置されている。
図2(D)からチャック部130方向の切削工具100の断面図は、図2(D)と同様に本体部110の周面に備えられた4つの第三セグメント123が矢印Rの示す回転方向に移動した位置に配置されながら螺旋状を形成して配置されているが、噴射口141は設置されず流路140のみが本体部110の内部に設けられる構造となっている。
このように、切削工具100の先端部および周面の先端部に一定数の噴射口141および噴射口142を設置することで、切削工具100全体に効率よく切削液を流し込むことができる。また周面に設けられる噴射口142を螺旋状に形成された切削屑排出溝124上に設けることで、切削工具100が回転することで切削液がチャック部130方向に流れていき、より切削工具100全体に切削液を回り込ませることができる。また切削屑排出溝124に詰まりやすい切削屑を押し流すことができる。
図3は、切削液の流路および噴射口の位置を示す切削工具の先端側からの投影図および斜視図である。
図3に示すように、本体部110の中心に設けられた流路140は分岐して、本体部110の周面に噴射口142を形成している。ただし便宜上、各セグメントおよび切削屑排出溝124は省略してある。
図3(A)は切削工具100の先端側からの投影図である。噴射口142a、噴射口142b、および噴射口142cは、螺旋状に形成された切削屑排出溝124に添って配置されている。また噴射口141の数を切削工具100の先端側から4カ所、2カ所、4カ所というように調節することで、切削液の噴射量を調節している。
図3(B)は流路140および噴射口142の位置を示す斜視図である。このように噴射口141および142を切削工具100の先端だけでなく、周面に間隔をあけて配置することで、切削工具100の周面に効率よく切削液を噴射することができる。また切削屑排出溝124上に噴射口142を配置することで切削屑を効率よく押し流すことができる。
図4は、切削刃部の先端部の詳細を示す拡大図である。
前述したように、周面に設けられる第二セグメント122および第三セグメント123は、切削工具100の回転軸方向の高さが異なっている。
図4に示すように、切削工具100の先端には第二セグメント122が周面に添って配置されている。ここで前述したように切削工具100の先端からチャック部130方向に向かって2列目に配置される一方の対角線方向のセグメントに第二セグメント122を配置し、他方の対角線方向のセグメントに第三セグメント123を配置することで、螺旋状に形成された各セグメントの回転方向の切削面が段違いになる。
具体的には、図4に示す切削屑排出溝124を挟んで上側のセグメントの段差形状と、下側の段差形状とに差Dをもたせることができる。
これにより、切削時に各セグメントの間に段差があることで生じてしまう切削跡Tを次に回転してくる第三セグメント123の切削面が切削することができる。つまり切削面をよりなめらかに切削することが可能になる。
このように切削面を滑らかにする利点は、形成した耐震スリットに挿入するスリット材の挿入を容易にするためである。通常耐震スリットを形成した後には、スリット内部に緩衝材としてスリット材を挿入し、防水処理を行う。このとき切削跡Tが切削面に残ってしまうと、スリット材の挿入が困難になってしまい施工に時間がかかってしまう。そこでこのように切削面をなめらかに切削できることで、スリット材の挿入を容易に行うことができる。また挿入するスリット材に傷がつくことも抑制することができる。
図5は、壁部に切削工具挿入するための凹部を形成する手順を示す図である。
図5に示すように、切削工具100を用いて壁部300に耐震スリットを形成する前にはあらかじめ(A)〜(D)の手順で壁部300に凹部を形成する下準備を行う。
図5(A)は切削機本体200にコアドリルビット400を装着し、壁部300を切削する一定の深さまで凹部を形成した様子を示している。このように切削工具100を使用する前に、あらかじめ切削工具100を壁部300に挿入できる凹部を形成するためにコアドリルビット400などを用いて壁部300に凹部を開ける。
図5(B)はコアドリルビット400を装着した切削機本体200で壁部300に円筒状の穴を形成した様子を示している。コアドリルビット400を装着した切削機本体200で穿孔が完了すると、壁部300からコアドリルビット400を装着した切削機本体200を抜去する。その後、壁部300には円筒状のコンクリート310が残された状態となる。
図5(C)は壁部300に残されたコンクリート310を取り除く作業を示す図である。壁部300に残されたコンクリート310は、コアドリルビット400などによって形成された穴の隙間にバール500などを差し込み、コンクリート310を壁部300の内部で分割して外部に取り出す。
図5(D)は壁部300に残されたコンクリート310を撤去した跡の様子を示している。図5(C)のように壁部300に残されたコンクリート310は、分割して外部に取り出すが、完全にコンクリート310を外部に取り出すことは困難であり、どうしても形成された穴の奥はコンクリート片311が残ってしまう。この残されたコンクリート片311は後に使用する切削工具100で切削することになる。
このように、切削工具100を使用して耐震スリットを形成するためには、あらかじめ切削工具100を挿入する穴を形成し、後に説明するように切削工具100を用いて溝状の耐震スリットを形成する。
図6は、切削工具を用いて耐震スリットを形成する手順を示す図である。
図6に示すように、切削工具100を用いて(A)〜(D)の手順で壁部300に耐震スリットである溝部を形成する。
図6(A)は切削機本体200に切削工具100を装着し、壁部300にあらかじめ形成された凹部に切削工具100を挿入した様子を示している。
図6(A)に示すように、壁部300にあらかじめ設けられた凹部に切削工具100を挿入している。壁部300の凹部の奥にはコンクリート片311が残されており、切削工具100を回転させながら壁の厚さ方向に切削工具100を装着した切削機本体200を移動させることでコンクリート片311を切削することができる。
図6(B)は切削工具100を装着した切削機本体200を用いて、壁部300に形成された凹部の奥に残されたコンクリート片311を切削した直後を示している。
図6(B)に示すように、切削工具100を装着した切削機本体200を壁の厚さ方向へ移動させてコンクリート片311を切削し、その切削面が平面になったところで切削を完了させている。このように切削工具100の先端に備えられた第一セグメント121が壁の厚さ方向に残されたコンクリート片311を切削することができる。
次に切削工具100を取り付けた切削機本体200を垂直下方向または水平方向に移動し、壁部300に溝部を形成する。
図6(C)は切削工具100を取り付けた切削機本体200を用いて、壁部300を切削し溝部を形成した様子を示している。
図6(C)に示すように、切削工具100を装着した切削機本体200を垂直下方向または水平方向に移動させて壁部300を切削し、壁部300に溝部を形成する。この形成された溝部が耐震スリットとなる。このように切削工具100の周面に備えられた第二セグメント122および第三セグメント123が壁部300を切削し溝部を形成することができる。
以上のように、図5、図6の工程を経て壁部300に溝部である耐震スリットを形成することができる。
上記の工程をみると、溝部を切削する場合は切削工具100が備える切削刃部120全体を使用しているが、図6(B)のように凹部に残されたコンクリート片311を切削するときのように、切削刃部120の先端部は負担が多く偏摩耗が生じやすい。
そこで切削刃部120の先端部に備える第二セグメント122の大きさを第三セグメント123よりも大きくすることで偏摩耗を抑制することができ、切削工具100全体を平均的に摩耗させることができる。これにより切削工具100の寿命を長くすることができ、コストを低減させることができる。
なお、本実施例では切削工具100を取り付けた切削機本体200を垂直下方向または水平方向に移動させて壁部300に溝部である耐震スリットを形成したが、切削工具100を取り付けた切削機本体200を鉛直上方向に移動させて壁部300に溝部である耐震スリットを形成してもよい。また垂直方向に限らず、対角線方向など任意に設定することができる。
また本実施例では切削工具100が備える切削刃部120の長さと同じ深さの溝部である耐震スリットを形成したが、この切削刃部120の長さ以上の深さの耐震スリットが必要な場合は、形成された溝部にさらに凹部を形成して図5、図6の工程を繰り返すことでさらに深い耐震スリットを形成することができる。
1、2 柱
3 壁体
3a 腰壁
3b 垂れ壁
4 開口部
5 床面
6 天井面
7、8 耐震スリット
10 切削工具
11 本体
12、13 切削刃
14、130 チャック部
15、140 流路
20、200 切削機本体
100 切削工具
110 本体部
120 切削刃部
121 第一セグメント
121a 湾曲面
122 第二セグメント
123 第三セグメント
124 切削屑排出溝
141、142、142a、142b、142c 噴射口
300 壁部
310 コンクリート
311 コンクリート片
400 コアドリルビット
500 バール
D 差
R 矢印
T 切削跡

Claims (16)

  1. 切削面に垂直に差し込んだ状態で平行に移動する切削機本体に装着され、切削面に所定形状の溝部を連続的に切削可能な切削工具において、
    前記切削機本体に装着される棒状の本体部の先端および周面に備えられる切削刃部と、
    前記本体部の先端および周面に備えられる切削液を噴射するための噴射口と、
    を備えることを特徴とする切削工具。
  2. 前記噴射口は、
    前記本体部の周面のうち先端部に設けられることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  3. 前記本体部周面の先端部に設けられる噴射口は、
    前記本体部の一段断面上の噴射面に設けられることを特徴とする請求項2記載の切削工具。
  4. 前記噴射面は前記本体部周面の先端から第一噴射面、第二噴射面が設けられ、
    前記第一噴射面が備える噴射口の数よりも第二噴射面が備える噴射口の数が少ないことを特徴とする請求項3記載の切削工具。
  5. 前記本体部周面の先端部には更に第三噴射面が設けられ、
    前記第二噴射面が備える噴射口の数よりも第三噴射面が備える噴射口の数が多いことを特徴とする請求項4記載の切削工具。
  6. 前記周面の先端部に設けられる噴射口は、
    前記第一噴射面に備えられる4つの噴射口と、
    前記第二噴射面に備えられる2つの噴射口と、
    前記第三噴射面に備えられる4つの噴射口と、
    から構成されることを特徴とする請求項5記載の切削工具。
  7. 前記切削刃部は、
    複数のセグメントの配列のよって構成され、
    前記セグメントは、
    前記本体部に設けられた噴射口を除く先端および周面に配列されることを特徴とする請求項1記載の切削工具。
  8. 前記切削刃部は、
    前記セグメントが螺旋状に配列された少なくとも一つの螺旋配列からなることを特徴とする請求項7記載の切削工具。
  9. 前記螺旋配列を構成するセグメントと前記本体部の回転方向に隣り合うセグメントとの間に切削屑を排出するための切削屑排出溝を備えることを特徴とする請求項8記載の切削工具。
  10. 前記噴射口は、
    前記切削屑排出溝に設けられることを特徴とする請求項9記載の切削工具。
  11. 前記セグメントは、
    前記本体部の先端に設けられる第一セグメントと、
    前記本体部の周面に設けられる第二セグメントと、
    前記本体部の周面に設けられ、かつ第二セグメントよりも前記本体部の長手方向の長さが短い第三セグメントと、
    を備えることを特徴とする請求項2記載の切削工具。
  12. 前記第一セグメントは、
    前記本体部の回転方向に湾曲した湾曲面を備えることを特徴とする請求項11記載の切削工具。
  13. 前記第二セグメントは、
    前記本体部周面の先端部に設けられることを特徴とする請求項11記載の切削工具。
  14. 前記第二セグメントおよび第三セグメントは、
    前記本体部の回転方向に対向する方向に傾斜した傾斜面を備えることを特徴とする請求項13記載の切削工具。
  15. 前記第二セグメントの傾斜面が回転する回転軌道は、
    前記本体部の回転方向に隣り合う傾斜面の回転軌道と異なる位置に配列されることを特徴とする請求項14記載の切削工具。
  16. 切削面に垂直に差し込んだ状態で平行に移動する切削機本体に装着された切削工具が、切削面に所定形状の溝部を連続的に切削する切削方法において、
    前記切削機本体に装着される棒状の本体部の先端および周面に備えられる切削刃部が回転し、前記本体部の先端および周面に備えられる切削液を噴射しながら切削面を切削することを特徴とする切削方法。
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