JP2018109437A - 無制御磁気浮上方法及び無制御磁気浮上装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】能動的なコントロールを必要とすることなく、重量の大きな磁気を帯びた部材を備えた浮上体を浮上させる無制御磁気浮上方法及び当該無制御磁気浮上方法を活用した無制御磁気浮上装置を提供することを目的とする。
【解決手段】浮上体10を浮上させる無制御磁気浮上方法において、前記浮上体10は、浮上部材12と、反発部材14と、連結部材16と、で一体に構成され、前記浮上部材12との磁気的相互作用によって、前記浮上部材12に生じる鉛直上方向の磁気力が前記浮上体10の重量に相当する力未満の値に設定された磁気を帯びた吊上げ部材22を所定位置に配設する吊上げ手段と、前記反発部材14と反磁気的作用が働く部材を選択し、前記反発部材14に生じる反磁性磁気力が浮上のために必要となる前記鉛直上方向の磁気力の不足分に相当する値に設定された押上部材24を所定位置に配設する押上手段と、を有すること、を特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】浮上体10を浮上させる無制御磁気浮上方法において、前記浮上体10は、浮上部材12と、反発部材14と、連結部材16と、で一体に構成され、前記浮上部材12との磁気的相互作用によって、前記浮上部材12に生じる鉛直上方向の磁気力が前記浮上体10の重量に相当する力未満の値に設定された磁気を帯びた吊上げ部材22を所定位置に配設する吊上げ手段と、前記反発部材14と反磁気的作用が働く部材を選択し、前記反発部材14に生じる反磁性磁気力が浮上のために必要となる前記鉛直上方向の磁気力の不足分に相当する値に設定された押上部材24を所定位置に配設する押上手段と、を有すること、を特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、反磁性磁気力を利用して永久磁石などの磁気を帯びた部材と配置組合せることによって無制御で磁気浮上を可能とし、非接触の軸受やモータに導入する無制御磁気浮上方法及び磁気浮上装置に関する。
従来、無制御で磁気浮上を可能にしているものに磁気ゴマがあるが、安定浮上するためには回転が必要であった。回転させることによって、磁気を帯びた部材を備えた浮上体が有する磁場及び浮上体の周囲に形成した磁場との間の相互作用により生じる磁気力の合力の方向は回転する間回転軸を中心に変化し水平方向のバランスを維持することができる。
しかし、静止状態では、浮上体が有する磁場及び浮上体の周囲に形成した磁場との間の相互作用により生じたアンバランスな磁気力によって浮上体は、当該磁気力の働く方向に移動してしまうことになる。そのため、静止状態の磁気浮上を可能とするための研究が行われ先行技術が開示されている。
特許文献1(特開平10−163023)には、挟み込み磁極体の両垂直面に磁場域限定壁を付し、当磁場域限定壁間に中間磁極体を挟み込み磁極体の内側両極面に同極が向くように、当壁面間に挿入して当壁面間にて中間磁極体を反発浮上状態に置くことを特徴とした、挟み込み磁極磁場構造による反発浮上基本機構が示されている。
異極間に働く引力の周囲に設計された浮上システムは、磁気引力と吊り下げ重量との間に完璧なバランスを必要とする。揚力及び磁気力に関して集約された完璧な情報が存在しない場合には、浮上体は、磁石に向かって吊上げられるか、下落するかいずれかである。特許文献1は磁気の反発力により生成された浮上システムであるが、磁極間に働く反発力の周囲に設計された浮上システムも同様に完璧なバランスを維持することができなければ浮上システム外にはじき出されることになる。磁気力による完璧なバランスを達成するのは、容易に思えるが、実際には非常に困難である。磁気力が距離の二乗に反比例する場、すなわちポテンシャルエネルギーが距離の逆数に比例する場では、いずれの方向からも復元力が働く条件を満足することができず、三次元の軸方向のすべてに対して安定になることはないので、安定に空中に浮上することは不可能であるというアーンショーの定理からも理解できる。
別の複雑にする要素は、横方向の安定の必要性である。これらを制御にするためには、電気制御により浮上体の状態を検知し浮上体の位置と姿勢が安定するように磁場を変化させる能動的な制御によれば容易に行えることが知られている。
特許文献2(WO94/10746)、及び、特許文献3(US5396136)には、ハウジングに吊り下げたシャフト組立品から構成されるベアリングを示している。同心磁気リングで構成されているディスクの複数が、軸に沿って間隔を置いて配置されている。ディスクは、ハウジングの外殻から内側に突き出して取り付けられた反磁性材料のディスク間に挟まれて浮上する方法と浮上装置が示されている。
特許文献2及び特許文献3の浮上方法では、反発用磁石と反磁性体のみの相互作用により浮上させる機構となっており、浮上可能な磁石の重量が小さい問題があった。
また、最近では押上反磁性部材124と磁気を帯びた浮上部材114との相互作用のみで浮上させるのではなく、図12に示すように磁気を帯びた吊上げ部材122を浮上部材114の鉛直上方の離隔した位置に配設し吊上げ部材122と浮上部材114との相互作用を同時に利用して揚力を向上させる磁気浮上装置110が開発されている。すなわち、従来の磁気浮上装置110は浮上部材114が吊上げ部材122と押上反磁性部材124の両方から相互作用を受けるよう構成されている。この場合、吊上げ部材122が形成する磁場において磁気吊上げ力が小さいすそ野の部分しか浮上に利用できず、浮上可能な浮上体の重量が特許文献2及び特許文献3と比較してもさほど大きくならない問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、能動的なコントロールを必要とすることなく、水平方向の安定性を有し、重量の大きな磁気を帯びた部材を備えた浮上体を浮上させる無制御磁気浮上方法及び当該無制御磁気浮上方法を活用した無制御磁気浮上装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の無制御磁気浮上方法は、浮上体を重力に対して浮上させる無制御磁気浮上方法において、前記浮上体は、磁気を帯びた浮上部材と、磁気を帯びた部材又は反磁性体のいずれかを選択された反発部材と、前記浮上部材及び前記反発部材の中心を貫く鉛直軸に対称な連結部材と、で一体に構成され、前記浮上部材との磁気的相互作用によって、前記浮上部材に生じる鉛直上方向の磁気力が前記浮上体の重量に相当する力未満の値に設定された磁気を帯びた吊上げ部材を前記浮上部材に近接して配設する吊上げ手段と、前記反発部材と反磁気的作用が働く部材を選択し、前記反発部材に生じる反磁性磁気力が浮上のために必要となる前記鉛直上方向の磁気力の不足分に相当する値に設定された押上部材を前記反発部材下方に近接して配設する押上手段と、を有すること、を特徴とする。
本発明の無制御磁気浮上方法は、前記浮上部材が、前記浮上部材の各磁極が有する磁荷と前記吊上げ部材の各磁極が有する磁荷との間の磁気的相互作用によって前記浮上部材の各磁極に働く引力及び斤力の前記鉛直軸上方向の合力が最大となる位置の近傍に配設され、かつ、前記引力及び斤力の水平方向の合力が常に前記鉛直軸方向に向かって働く位置に配設されること、を特徴とする。
本発明の無制御磁気浮上方法は、前記吊上げ部材が、導線を螺旋状に巻回して管状に形成し電流を流して磁場を発生させる部材であること、を特徴とする。
本発明の無制御磁気浮上方法は、前記浮上部材が、両磁極を鉛直方向に沿って配置されること、前記吊上げ手段が、前記浮上部材の前記鉛直軸廻りに略対称かつ略等間隔で、前記浮上部材の上面磁極と同じ磁極を前記浮上部材側に面して非接触に前記吊上げ部材を配置させたこと、を特徴とする。
本明細書において、「軸廻りに対称」とは、軸に直交する平面上において軸まで距離が等距離にあることをいう。
本明細書において、「軸廻りに対称」とは、軸に直交する平面上において軸まで距離が等距離にあることをいう。
本発明の無制御磁気浮上方法は、前記押上手段が、水平補助部材、を備え、前記水平補助部材が、前記反発部材との反磁気的作用によって、前記反発部材に生じる水平方向の反磁性磁気力の合力が常に前記鉛直軸に向かう値に選定され前記反発部材側方に近接して配設されること、を特徴とする。
本発明の無制御磁気浮上方法は、前記反発部材と磁性が異なる押え部材を前記反発部材上方に近接して配設する押え手段、を備え、前記押え部材が、前記押上部材と前記反発部材との反磁気的作用によって前記反発部材に生じる鉛直上方向の反磁性磁気力と、前記反発部材との反磁気的作用によって前記反発部材に生じる鉛直下方向の反磁性磁気力の合力が常に設定された浮上位置に向かう値に選定されること、を特徴とする。
本発明の無制御磁気浮上装置は、本発明に係る無制御磁気浮上方法を備えたこと、を特徴とする。
本発明の無制御磁気浮上装置は、磁界と電流の相互作用によって前記浮上体が前記連結部材の鉛直軸廻りに浮上回転を行う回転手段、を有し、前記回転手段が、前記連結部材に回転子を配設し、前記回転子を中心として複数の固定子を前記連結部材の鉛直軸廻りに対称に配置させたこと、を特徴とする。
本発明の無制御磁気浮上方法によれば、吊上げ手段及び押上手段により磁気を帯びた部材同士の磁気の相互作用(以下、磁気的相互作用)及び磁気を帯びた部材と反磁性体との反磁性の相互作用のみで、磁気を帯びた浮上部材と、押上手段と反発する性質を有する反発部材とを備えた浮上体の浮上が可能であり、外部から磁気力のフィードバック制御を必要としない効果を奏する。磁気を帯びた部材は、例えば永久磁石である。
また、従来浮上位置を安定させることが困難であったが、前記吊上げ手段と前記押上手段との協調作用により水平方向及び鉛直方向の磁気力のバランスを維持することが容易になった。
本発明の無制御磁気浮上方法によれば、前記吊上げ手段が、浮上部材との磁気的相互作用によって生じる鉛直上方向の磁気力が前記浮上体の重量に相当する力未満の値に選定された吊上げ部材を、前記浮上部材の各磁極が有する磁荷と前記吊上げ部材の各磁極が有する磁荷との間に働く各々の引力又は斤力の合力が前記鉛直軸上で鉛直上方向に最大となる位置の近傍に前記浮上部材を配設するものであるため、小型軽量で大きい重量の浮上体を浮上させる装置を作成することが可能である。
本発明の無制御磁気浮上方法によれば、前記吊上げ手段に、永久磁石を選定して使用した場合では、浮上を安定させるために磁石の選定に手間が掛かるが、いわゆるソレノイドを使用することによって電流の変化のみで、磁気力を変化させることができるので浮上を安定させることが容易である効果を奏する。
本発明の無制御磁気浮上方法によれば、前記吊上げ手段が、前記浮上部材の前記鉛直軸廻りに対称かつ等間隔で、前記浮上部材の上面磁極と同じ磁極を前記浮上部材側に面して非接触に配置させたことにより、前記浮上部材周辺に均等な磁界を生じさせ易く、前記浮上部材の水平方向の位置安定性を得ることができる。
本発明の無制御磁気浮上方法によれば、水平補助部材の配設により反発部材の水平方向の位置安定性を得ることができる。
本発明の無制御磁気浮上方法によれば、押え部材が、前記反発部材の鉛直方向の搖動を防止するため、前記反発部材の鉛直方向の位置安定性を得ることができる。
本発明の無制御磁気浮上装置によれば、前記浮上体を浮上させた状態で回転させた場合であっても浮上位置を安定させることができるので、非接触の軸受の実現が可能である。
本発明の無制御磁気浮上装置によれば、通常のモータと同じ回転の仕組みで非接触のモータ軸受が可能となり、長寿命のモータの実現が可能となる。
また、可動部分を有する装置等に軸受やモータとして組み込むことにより、従来消耗により所定の時間経過後に行われていた交換作業等の必要がなくなり、装置の長寿命化を図ることができる。
本発明に係る無制御磁気浮上方法及び磁気浮上装置を実施するための形態について、図を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る無制御磁気浮上方法の原理を示した模式図である。
浮上体10は、浮上部材12と、反発部材14と、浮上部材12及び反発部材14の中心を貫く鉛直軸VAに対称な連結部材16と、で一体に構成されて、本発明に係る無制御磁気浮上方法によって重力に対して浮上する。
浮上部材12は例えば永久磁石60であり両磁極を鉛直方向に向けて配置される。図1においてはN極を鉛直上方に配置したが、これに限定されるものではなく、S極を鉛直上方に配置してもよい。
反発部材14は、磁気を帯びた部材又は反磁性体のいずれであってもよい。
また、浮上部材12及び反発部材14は連結部材16廻りに対称に配設される。浮上体10の当該構成は最小構成単位であり、これに限定されるわけではない。図1では、浮上部材12を上方に反発部材14を下方となるように配置したが、浮上部材12を下方に反発部材14を上方に配置してもよい。
浮上体10を重力に対して浮上させる無制御磁気浮上方法は、浮上部材12との磁気的相互作用によって浮上部材12に生じる鉛直上方向の磁気力で浮上体10を吊上げる吊上げ手段としての吊上げ部材22と、反発部材14との反磁気的作用によって反発部材14に生じる反磁性磁気力で浮上体10を押上げる押上手段としての押上部材24と、を備えた浮上支援部材20によって実現される。
吊上げ部材22は、浮上部材12を貫く鉛直軸VA廻りに対称に均一の磁場を発生させるよう配置する。理論的には同じ磁気力を有する吊上げ部材22を幾何学的に鉛直軸VA廻りに対称に配置するが、現実には同一の磁気力を有する吊上げ部材22を用意することができない場合も多く鉛直軸VA廻りに対称に均一の磁場を発生させるため吊り上げ部材22の位置を微調整して磁気力を調整することが必要となる場合がある。吊上げ部材22は、浮上部材12の上面磁極と同じ磁極(図1の場合にはN極)を浮上部材12側に面して吊上げ部材22を配置させた。図1では両磁極方向が水平方向となるように配設したが、浮上体10との相互作用により浮上可能な磁気吊上げ力を得られ、鉛直軸VA廻りに対称に均一の磁場を発生させることができれば水平方向から傾斜させて角度を有していてもよい。
なお、反発部材14が磁気を帯びた部材である場合には、押上部材24は反磁性体でなければならず、又、反発部材14が反磁性体である場合には、押上部材24は磁気を帯びた部材であることが必要となる。ここで、磁気を帯びた部材とは、例えば永久磁石60である。反磁性体は、熱分解グラファイトなどが挙げられるが、外部磁場のもとで反磁性が強くあらわれるビスマス62が好ましい。
図2は、本発明に係る無制御磁気浮上方法の吊上げ手段の変形例を示した図である。
図2(a)は、鉛直軸VA廻りに輪状の永久磁石60を吊上げ部材22として配設した例である。浮上部材12の上面と同じN極を中心方向に、S極を外周方向に配向させて形成したものである。
図2(b)は、鉛直軸VA廻りに対称に円柱形状の永久磁石60を吊上げ部材22として複数個配設した例である。円柱両底面に磁極を配向させて、浮上部材12の上面と同じN極を中心方向に、S極を外周方向に向けて鉛直軸VA廻りに対称かつ等距離で放射状に配設したものである。浮上部材12及び吊上げ部材22の磁力の個体差に対応し易くより好適な実施形態である。図では吊上げ部材22を鉛直軸VA廻りの所定の円周上に八個配設したが、浮上体10との相互作用により浮上可能な磁気吊上げ力を得られ、鉛直軸VA廻りに対称に均一の磁場を発生させることができれば吊上げ部材22の数の変更を行ってもよい。本実施の形態での説明は図2(b)の形態に基づいて行う。また、より具体的に浮上部材12はφ8×20の円柱型ネオジウム磁石を採用し、反発部材14は、φ10×10の円柱型ネオジウム磁石6個を逆極性が隣り合うように鉛直軸VA廻りに軸対称に並べたものとする。
図2(b)は、鉛直軸VA廻りに対称に円柱形状の永久磁石60を吊上げ部材22として複数個配設した例である。円柱両底面に磁極を配向させて、浮上部材12の上面と同じN極を中心方向に、S極を外周方向に向けて鉛直軸VA廻りに対称かつ等距離で放射状に配設したものである。浮上部材12及び吊上げ部材22の磁力の個体差に対応し易くより好適な実施形態である。図では吊上げ部材22を鉛直軸VA廻りの所定の円周上に八個配設したが、浮上体10との相互作用により浮上可能な磁気吊上げ力を得られ、鉛直軸VA廻りに対称に均一の磁場を発生させることができれば吊上げ部材22の数の変更を行ってもよい。本実施の形態での説明は図2(b)の形態に基づいて行う。また、より具体的に浮上部材12はφ8×20の円柱型ネオジウム磁石を採用し、反発部材14は、φ10×10の円柱型ネオジウム磁石6個を逆極性が隣り合うように鉛直軸VA廻りに軸対称に並べたものとする。
また、図1では浮上体10の構成に合わせて、吊上げ部材22を上方の浮上部材12の近傍に、押上部材24を下方の反発部材14の下側に隣接した位置に配設したが、浮上部材12を下方に、反発部材14を上方に配置した場合には、吊上げ部材22を下方の浮上部材12の近傍に、押上部材24を上方の反発部材14の下側に隣接した位置に配設する。
反発部材14が、磁気を帯びた部材である場合には、輪状の部材を使用することも可能であるが、小型の円柱形の磁気を帯びた部材を使用して当該部材の母線に相当する部分を隣接させて平面視で数珠状に形成すると連結部材16廻りにより均一に近い磁場を得ることができるので実施が容易である。また、同一面上で隣り合う磁気を帯びた部材の極性を反転させて配置すると磁極近傍において押上部材24との相互作用による浮上のための反磁性磁気力を大きく、かつ、粗密なく安定的に得ることができ、浮上に有効に働くことはすでに知られている。
本発明に係る無制御磁気浮上方法は、浮上部材12と吊上げ部材22との磁気的相互作用によって生じる鉛直上方向の磁気力が浮上体10の重量に相当する力未満の値に設定された磁気吊上げ力と、浮上のために必要となる前記磁気力の不足分に相当する値に設定された反発部材14と押上部材24との反磁気的作用によって生じる反磁性磁気力の合力で浮上するものである。このうち、反発部材14を押上部材24で浮上させる技術は従来の浮上手段として知られている。一方、反発部材14から鉛直方向に離隔した位置に浮上部材12及び吊上げ部材22を配設し浮上力の向上と水平方向の安定性を図る手段を有したことに本発明は大きな特徴を有する。
図3は、本発明に係る無制御磁気浮上方法の浮上部材12と吊上げ部材22との磁気的相互作用により生じる磁気力の大きさを浮上体10上部の部分に対比して示した模式図である。
理解を容易にするために吊上げ部材22は円柱形状の底面を貫く軸線を水平に配設し、鉛直軸VA廻りに対称に円柱形状の永久磁石60を八個配設された吊上げ部材22のうちで、浮上部材12を挟んで等間隔に、同磁極を対向させて水平同一面上に配置された一対の吊上げ部材22のみを示し説明する。
理解を容易にするために吊上げ部材22は円柱形状の底面を貫く軸線を水平に配設し、鉛直軸VA廻りに対称に円柱形状の永久磁石60を八個配設された吊上げ部材22のうちで、浮上部材12を挟んで等間隔に、同磁極を対向させて水平同一面上に配置された一対の吊上げ部材22のみを示し説明する。
図3(a)において、連結部材16を貫く鉛直線をZ軸とする。また、上記一対の吊上げ部材22中心を結ぶ水平線をX軸とする。Z軸とX軸が交差する点を原点として位置座標及び磁気力の大きさは原点を基準に表される。
図3(b)は、図3(a)の位置関係をグラフに示したものに、浮上部材12に対して鉛直軸VA方向及び水平方向に働く磁気力の大きさを各々重ね合せた。Z軸は図上が正方向で、鉛直方向の位置座標である。X軸は図左が正方向で、水平方向の位置座標と磁気力の大きさである。黒の太い線は、浮上部材12及び吊上げ部材22の水平方向の位置座標を示している。破曲線は浮上部材12と吊上げ部材22との間の磁気的相互作用により浮上部材12の中心に働く鉛直方向の磁気力の合力の各Z座標における大きさを示している。実曲線は、浮上部材12の中心に働く水平方向の磁気力の合力の各Z座標における大きさを示している。
浮上部材12に対して鉛直方向に働く磁気力(Fsz)は、原点上下近傍の所定区間で上方向に働く。特に浮上部材12中心のZ座標が零となる位置においては正の最大値を示す。したがって、この範囲では、浮上部材12は浮上する方向に磁気力が働く。それ以外では鉛直方向の磁気力は下方向に、すなわち落下する方向に働く。
浮上部材12に対して水平方向に働く磁気力(Fsx)は、浮上部材12がX座標の零となる位置を中心としてX軸方向に移動した際に吊上げ部材22との間の磁気的相互作用によって浮上部材12に働く。図3(b)では、浮上部材12の中心がX座標の正側に移動した場合を示している。浮上部材12に対して働く磁気力は浮上部材12中心のZ座標が負の場合はX座標の負の方向(図3(b)右方向)に力が働き、浮上部材12中心のZ座標が正の場合はX座標の正の方向(図3(b)左方向)に力が働く。一方、浮上部材12の中心がX座標の負側に移動した場合、浮上部材12に対して働く磁気力はZ座標が負の場合はX座標の正の方向(図3(b)左方向)に力が働き、Z座標が正の場合はX座標の負の方向(図3(b)右方向)に力が働く。したがって、浮上部材12の中心のZ座標が負である場合に鉛直軸(Z軸)VA方向に向かって戻ろうとする復元力が働く。一方、浮上部材12の中心のZ座標が正である場合には鉛直軸(Z軸)VA方向から離れようとする力が働き、安定浮上系からはじき出されることになる。
上記、浮上部材12と吊上げ部材22との間の磁気的相互作用によって浮上部材12に生じる磁気力の合力は以下のようにして求められる。
図4は、本発明に係る無制御磁気浮上方法の浮上部材12と吊上げ部材22との間の磁気的相互作用により生じた磁気力の関係を示した図である。
図3(a)を拡大し、浮上部材12と吊上げ部材22との間の磁気的相互作用により生じる磁気力を図示した。
図3と同様に、理解を容易にするために吊上げ部材22は円柱形状の底面を貫く軸線を水平に配設し、鉛直軸VA廻りに対称に円柱形状の永久磁石60を八個配設された吊上げ部材22のうちで浮上部材12を挟んで等間隔に、同磁極を対向させて水平同一面上に配置された一対の吊上げ部材22のみを示し説明する。
図3と同様に、理解を容易にするために吊上げ部材22は円柱形状の底面を貫く軸線を水平に配設し、鉛直軸VA廻りに対称に円柱形状の永久磁石60を八個配設された吊上げ部材22のうちで浮上部材12を挟んで等間隔に、同磁極を対向させて水平同一面上に配置された一対の吊上げ部材22のみを示し説明する。
浮上部材12は、Z軸上においてN極が鉛直上方向に配向されて磁荷m1を、S極が鉛直下方向に配向されて磁荷m2を備えているとする。一方、図示された二個の吊上げ部材22は、N極を浮上部材12方向に配向させてS極をX座標が正負拡大する方向に配設される。図4左側に位置する吊上げ部材22は、N極に磁荷m3を、S極に磁荷m4を備え、図4右側に位置する吊上げ部材22は、N極に磁荷m5を、S極に磁荷m6を備える。各々の磁極に相互作用する磁気力は、図4に示すように同極では反発する方向(斤力)に、逆極では引き合う方向(引力)に働く。各々の磁極に働く磁気力は、クーロンの法則によって求められる。例えば、浮上部材12のN極と図4左側の吊上げ部材22のN極との間の磁気的相互作用によって働く磁気力Fm1は、磁荷m1と磁荷m3の相乗積に比例しその間の距離の二乗に反比例する式1によって算出される。ここで、両磁極間の距離をr13とする。また、μは透磁率である。
浮上部材12全体に働く磁気力Fは、浮上部材12の両磁極に働く磁気力Fm1m3、Fm1m4、Fm1m5、Fm1m6、Fm2m3、Fm2m4、Fm2m5及びFm2m6の合力を求める式2によって算出される。
吊上げ部材22を複数個備えた場合には、すべての吊上げ部材22及び浮上部材12の相互間に働く各々の磁気力を合計することになる。図3(b)の破曲線は、浮上部材12に働く磁気力FのZ軸方向の成分(Fsz)を表したものである。一方、実曲線は、磁気力FのX軸方向の成分(Fsx)を表したものである。
浮上部材12全体に働く磁気力Fは、浮上部材12の両磁極に働く磁気力Fm1m3、Fm1m4、Fm1m5、Fm1m6、Fm2m3、Fm2m4、Fm2m5及びFm2m6の合力を求める式2によって算出される。
吊上げ部材22を複数個備えた場合には、すべての吊上げ部材22及び浮上部材12の相互間に働く各々の磁気力を合計することになる。図3(b)の破曲線は、浮上部材12に働く磁気力FのZ軸方向の成分(Fsz)を表したものである。一方、実曲線は、磁気力FのX軸方向の成分(Fsx)を表したものである。
図5は、本発明に係る無制御磁気浮上方法の浮上体10と吊上げ部材22との磁気的相互作用により浮上体10に作用する磁気力の関係について示したグラフである。図3の浮上状態の磁気力の関係を、浮上部材12底面の鉛直方向(Z軸)の浮上位置座標の近傍についてグラフ化し、反発部材14と押上部材24との磁気的相互作用によって生じる押上力(Fpz)を浮上部材12に働く磁気力FのZ軸方向の成分(Fsz)に加算した。
グラフの横軸は、浮上部材12底面の鉛直方向(Z軸)の浮上位置の近傍の座標である。グラフの縦軸は、鉛直方向の磁気力Fz及び水平方向の磁気力Fxを重量換算値で示した。本実施の形態において、浮上体10の総重量は103.52g(Ffz)とした。浮上体10上部に配設された浮上部材12と放射状に配置された8個の吊上げ部材22との間の磁気的相互作用によって浮上部材12に生じる磁気力で浮上体10を鉛直上方向に持ち上げる。その際浮上体10を吊上げる磁気吊上げ力(Fsz)は、浮上部材12底面のZ座標が−10mmで重量換算値102.55gが最大値となるように調整されている。
そこで、浮上位置z2における浮上のための磁気力の不足分を、反発部材14と押上部材24との間に生じる反磁性磁気力を用いて押上力(Fpz)として補うことで無回転での浮上を可能にしている。本実施の形態においては、押上力(Fpz)は、重量換算値3.3gが最大値となるように調整されている。
さらに、浮上体10を真上から見た場合に、浮上位置z2では浮上体10が、浮上体10の中心を貫く鉛直軸VAを中心として描かれる円の半径方向に安定である必要がある。すなわち、図3においてZ軸を中心に水平方向に安定でなければならない。前述したとおり、水平方向に働く磁気力(Fsx)は、鉛直軸(Z軸)VA方向に向かって戻ろうとする復元力が働くことが必要となるので、図3(b)の状況においては水平方向に働く磁気力(Fsx)は、負の値でなければならない。
図3(b)を用いて解説した通り、水平方向に働く磁気力(Fsx)を常に連結部材16の鉛直軸VA方向に働かせるためには、浮上状態の浮上部材12の中心のZ座標が負の場合でなければならない。したがって、浮上部材底面のZ座標に関しては−10mmより小さくしなければならないことになる。その結果、浮上部材12と吊上げ部材22との間の磁気的相互作用によって浮上部材12に生じる鉛直方向の磁気力は設定された最大値である重量換算値102.55gをさらに下回ることになる。その場合、浮上体10は想定している浮上位置z2において水平方向に安定であるが、浮上のための磁気力がさらに不足し鉛直軸VA方向に不安定となる。反発部材14と押上部材24を配置するのは、反発部材14と押上部材24との間に生じる反磁性磁気力を押上力(Fpz)として浮上位置z2における浮上のための磁気力の不足分を補うことで鉛直方向の不安定さを補償するためである。
本実施の形態においては、図1において反発部材14と押上部材24との間隙の寸法Zgが0.4mmのときに反発部材14と押上部材24との間に生じる反磁性磁気力の押上力(Fpz)が重量換算値2gに設定されている。間隙Zgを維持するためには浮上部材12と吊上げ部材22との間の磁気的相互作用によって浮上部材12に生じる磁気力と浮上体10の重量の差が重量換算値2gであればよい。本実施の形態に用いた浮上体10の場合には図5から浮上部材12の底面のZ座標が−11.4mmのときに浮上のための磁気力の不足分が重量換算値で2gとなる。
本実施の形態で示した浮上体10の重量においては、浮上部材12の底面がz2=−11.4mmの位置に有る場合に鉛直方向の浮上の条件である式3を満たし、かつ、水平方向についての浮上位置への復元力の条件である式4を満たし鉛直方向及び水平方向ともに安定して浮上する。式4の値−10は、浮上部材12の形状の変化に伴い、変更される値であり、固定値ではない。
本実施例における浮上体10の重量は一例であり、浮上体10の重量を変更させた場合には、浮上部材12と吊上げ部材22との間の磁気的相互作用によって浮上部材12に生じる磁気力及び反発部材14と押上部材24との間に生じる反磁性磁気力の押上力が上記の条件を満たすように各部材を選択する必要がある。
図6は、本発明に係る無制御磁気浮上方法を実現する水平補助部材26の構成の一例を示した図である。
浮上体10の構成は図1と同じである。浮上支援部材20の構成の変更例を示した。吊上げ部材22として放射状に配置された8個の磁気を帯びた部材を浮上部材12の近傍に配設した点は前述までの実施の形態と同様である。また、反発部材14に磁気を帯びた部材を使用し押上部材24には反磁性体を使用した。本実施例の異なる部分は、反発部材14の側方に反磁性体の水平補助部材26を配設した点である。水平補助部材26は、反発部材14中心が鉛直軸VAから離れる方向に力が働く場合に、反発部材14との反磁気的作用によって、反発部材14に生じる水平方向の反磁性磁気力の合力が常に鉛直軸VAに向かう値に選定され、反発部材14中心を鉛直軸VA上へ押し戻し浮上体10の水平方向の搖動を防止する役割を果たす。図6は一例であり、水平補助部材26と押上部材24とは別個の部材として表したが、水平補助部材26は押上部材24と一体に成形されて反発部材14の下方から側方を覆う形状であってもよい。また、反発部材14に反磁性体を使用した場合には側方の水平補助部材26には磁気を帯びた部材を使用する。その際には、水平補助部材26の両磁極方向は水平方向とし両磁極のいずれの磁極を反発部材14側に向けても構わない。水平補助部材26の配設により反発部材14の水平方向の位置安定性を得ることができる。磁気を帯びた部材は、例えば永久磁石60である。
図7は、本発明に係る無制御磁気浮上方法を実現する構成の一例を示した図である。
浮上体10の構成は図1と同じである。浮上支援部材20の構成の変更例を示した。吊上げ部材22として放射状に配置された8個の磁気を帯びた部材を浮上部材12の近傍に配設した点は前述までの実施の形態と同様である。また、反発部材14に磁気を帯びた部材を使用し押上部材24には反磁性体を使用した。本実施例の異なる部分は、反発部材14の上方に反磁性体の押え部材46を配設した点である。押え部材46は、反発部材14との反磁気的作用によって反発部材14に生じる鉛直下方向の反磁性磁気力と、押上部材24と反発部材14との反磁気的作用によって反発部材14に生じる鉛直上方向の反磁性磁気力との合力が常に設定された浮上位置に向かう値に選定され、反発部材14が鉛直上方へ移動する場合には反磁気的作用により反発部材14を下方の元の浮上位置へ押し戻す力が働き浮上体10の鉛直方向の搖動を防止する役割を果たす。押え部材46と反発部材14及び押上部材と反発部材14との間の反磁性磁気力は連結部材16鉛直軸VA廻りの対称性により鉛直軸VA方向の力成分しか有さず反発部材14には水平方向の力は働かない。ここで、磁気を帯びた部材は、例えば永久磁石60である。
図8は、本発明に係る無制御磁気浮上方法を実現する構成の他の一例を示した模式図である。
浮上体10の反発部材14には反磁性体を使用した。それに伴い、反発部材14の鉛直下方に配設する押上部材24は磁気を帯びた部材で構成した。磁気を帯びた部材は一個の均一な円柱形状の永久磁石60の一方の磁極を鉛直上方に配向して配設してもよいし、複数の円柱形状の永久磁石60を母線に相当する部分を隣接させて鉛直軸VA線廻りに均一な磁場を発生させるように配設してもよい。その場合、反発部材14の鉛直上方に配設する押え部材46も磁気を帯びた部材で構成する必要がある。構成の態様は押上部材24と同様である。
本実施例では、吊上げ部材22には輪状の永久磁石60を使用した。両磁極は輪の厚み方向に配向させた均一の磁場を発生させるものを使用した。図8では、鉛直方向の上面にN極を下面にS極を配向させたものを示したが、反転していてもよい。また、輪の半径方向に両磁極を配向させてもよい。その際には、N極又はS極のいずれが中心方向を向いてもよい。
浮上部材12もN極又はS極のいずれを鉛直上面に向けてもよい。
図3から図5を参照して説明した浮上位置は浮上部材12と吊上げ部材22との磁極の組合せによって異なる。なお、浮上位置は式1、式2、式3及び式4を変形して使用して算出することができる。
図9は、本発明に係る無制御磁気浮上方法を実現する吊上げ部材22の構成の一例を示した図である。吊上げ部材として、導線を螺旋状に巻回して管状に形成し電流を流して磁場を発生させるソレノイドを使用した。
本実施例では、吊上げ部材22を複数の永久磁石60と複数のソレノイド64との組み合わせで鉛直軸VAを中心とした同一円周上に配設した構成にした。永久磁石60とソレノイド64の数や配列順序は限定されないが、鉛直軸VA線廻りに対称に配置されることが好ましい。また、ソレノイド64のみでの構成でもよい。吊上げ部材22を永久磁石60のみで構成される場合には、磁気力の大きさや吊上げ部材22同士のバランスを変更するためには永久磁石60の選別により行う必要があるが、ソレノイド64を使用することによりソレノイド64に通電する電流量を変更することで容易に磁気力の大きさやバランスを変更することが可能になる。
図10は、本発明に係る無制御磁気浮上方法を利用した無制御磁気浮上装置の一例を示した図である。図10では、磁気によって無制御で浮上体10を浮上させるための無制御磁気浮上装置の具体例を示した。
無制御磁気浮上装置a30において、浮上体10は、浮上部材12と、反発部材14と、浮上部材12及び反発部材14の中心を貫く鉛直軸VAに対称な連結部材16と、で一体に構成される。浮上部材12はφ8×20の円柱型ネオジウム磁石を採用しN極を鉛直上方向にS極を鉛直下方向に向けて連結部材16の上端に結合される。反発部材14は、連結部材16の下端近傍にφ10×10の円柱型ネオジウム磁石6個を逆極性が隣り合うように鉛直軸VA廻りに対称に並べた。連結部材16は、少しでも磁性があると反発部材14との間の磁気的相互作用により引力又は斤力が発生し浮上が不安定になるため、非磁性体でなければならない。本実施例では、チタンを採用した。
無制御磁気浮上装置a30の浮上支援部分は、基台36、支柱34、浮上支援部材20及び支持部材32で構成される。基台36に複数の支柱34を固定し支柱34の上端に支持部材32が水平に固定される。浮上支援部材20は、前述のとおり、吊上げ部材22及び押上部材で構成される。吊上げ部材22は、支持部材32の所定の位置に固定されて支柱34によって基台36の鉛直上方に連結部材16の中心を貫く鉛直軸VA廻りに対称に配設される。本実施例においては、基台36、支柱34及び支持部材32は、非磁性体である必要性から基台36及び支持部材32はアクリル樹脂を、支柱34はアルミニウムを使用した。押上部材24は、反磁性体であるビスマス62のブロックを一例として採用した。
上記構成は、本発明に係る無制御磁気浮上方法の原理をそのまま利用し、浮上支援部材20を固定するための構造を加えたものであるが、これに限定されるものではない。
図11は、本発明に係る無制御磁気浮上方法を利用した無制御磁気浮上装置の他の一例を示した図である。具体的には、本発明に係る無制御磁気浮上方法を備えた磁気浮上モータである。
無制御磁気浮上装置b40は、図10に示した無制御磁気浮上装置a30を基本構成とし、これに浮上体10を回転させるための機構を備えた。基台36の支柱34には、センサ台49を介してフォトセンサ47と、固定子44としての空芯多層ソレノイド(1個当たり巻き数200、銅線径0.6)を対向させたヘルムホルツコイル2組を配設した。また、浮上体10の連結部材16には、浮上体10の回転位置をフォトセンサ47で検出するためのドグ48と、回転子42として永久磁石60を配設した。
本実施例においては、浮上体10の回転の際の上下動を最小限にするために押え部材46として反磁性体であるビスマス62のブロックを採用した。
回転動作は、フォトセンサ47で浮上体10の回転位置を検出して常に浮上体10に一方向の回転トルクが発生するようなタイミングでヘルムホルツコイルに通電することによって行われる。二組のヘルムホルツコイルを界磁コイルとして用いることで浮上体10に働く横方向の力を最小にして回転トルクのみを有効に発生させることで安定した回転が可能になった。本実施例は、本発明に係る無制御磁気浮上方法を備えたモータの一実施形態であり、使用される部材又は構成はこれに限定されるものではない。
本発明に係る無制御磁気浮上方法を用いることによって、回転の際に摺動しない軸受又はモータを実現することができる。
10 浮上体
12 浮上部材
14 反発部材
16 連結部材
20 浮上支援部材
22 吊上げ部材
24 押上部材
26 水平補助部材
30 無制御磁気浮上装置a
32 支持部材
34 支柱
36 基台
40 無制御磁気浮上装置b
42 回転子
44 固定子
46 押え部材
47 フォトセンサ
48 ドグ
49 センサ台
60 永久磁石
62 ビスマス
64 ソレノイド
100 従来の磁気浮上装置
114 浮上部材
124 押上反磁性部材
122 吊上げ部材
VA 鉛直軸(Z軸)
z2 浮上位置
12 浮上部材
14 反発部材
16 連結部材
20 浮上支援部材
22 吊上げ部材
24 押上部材
26 水平補助部材
30 無制御磁気浮上装置a
32 支持部材
34 支柱
36 基台
40 無制御磁気浮上装置b
42 回転子
44 固定子
46 押え部材
47 フォトセンサ
48 ドグ
49 センサ台
60 永久磁石
62 ビスマス
64 ソレノイド
100 従来の磁気浮上装置
114 浮上部材
124 押上反磁性部材
122 吊上げ部材
VA 鉛直軸(Z軸)
z2 浮上位置
Claims (8)
- 浮上体を重力に対して浮上させる無制御磁気浮上方法において、
前記浮上体は、
磁気を帯びた浮上部材と、
磁気を帯びた部材又は反磁性体のいずれかを選択された反発部材と、
前記浮上部材及び前記反発部材の中心を貫く鉛直軸に対称な連結部材と、
で一体に構成され、
前記浮上部材との磁気的相互作用によって、前記浮上部材に生じる鉛直上方向の磁気力が前記浮上体の重量に相当する力未満の値に設定された磁気を帯びた吊上げ部材を前記浮上部材に近接して配設する吊上げ手段と、
前記反発部材と反磁気的作用が働く部材を選択し、前記反発部材に生じる反磁性磁気力が浮上のために必要となる前記鉛直上方向の磁気力の不足分に相当する値に設定された押上部材を前記反発部材下方に近接して配設する押上手段と、
を有すること、
を特徴とする無制御磁気浮上方法。 - 前記浮上部材が、
前記浮上部材の各磁極が有する磁荷と前記吊上げ部材の各磁極が有する磁荷との間の磁気的相互作用によって前記浮上部材の各磁極に働く引力及び斤力の前記鉛直軸上方向の合力が最大となる位置の近傍に配設され、
かつ、
前記引力及び斤力の水平方向の合力が常に前記鉛直軸方向に向かって働く位置に配設されること、
を特徴とする請求項1に記載する無制御磁気浮上方法。 - 前記吊上げ部材が、
導線を螺旋状に巻回して管状に形成し電流を流して磁場を発生させる部材であること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載する無制御磁気浮上方法。 - 前記浮上部材が、
両磁極を鉛直方向に沿って配置されること、
前記吊上げ手段が、
前記浮上部材の前記鉛直軸廻りに略対称かつ略等間隔で、前記浮上部材の上面磁極と同じ磁極を前記浮上部材側に面して非接触に前記吊上げ部材を配置させたこと、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載する無制御磁気浮上方法。 - 前記押上手段が、
水平補助部材、
を備え、
前記水平補助部材が、
前記反発部材との反磁気的作用によって、前記反発部材に生じる水平方向の反磁性磁気力の合力が常に前記鉛直軸に向かう値に選定され前記反発部材側方に近接して配設されること、
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載する無制御磁気浮上方法。 - 前記反発部材と磁性が異なる押え部材を前記反発部材上方に近接して配設する押え手段、
を備え、
前記押え部材が、
前記押上部材と前記反発部材との反磁気的作用によって前記反発部材に生じる鉛直上方向の反磁性磁気力と、前記反発部材との反磁気的作用によって前記反発部材に生じる鉛直下方向の反磁性磁気力の合力が常に設定された浮上位置に向かう値に選定されること、
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載する無制御磁気浮上方法。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載する無制御磁気浮上方法を備えたこと、
を特徴とする無制御磁気浮上装置。 - 磁界と電流の相互作用によって前記浮上体が前記連結部材の鉛直軸廻りに浮上回転を行う回転手段、
を有し、
前記回転手段が、
前記連結部材に回転子を配設し、
前記回転子を中心として複数の固定子を前記連結部材の鉛直軸廻りに対称に配置させたこと、
を特徴とする請求項7に記載する無制御磁気浮上装置。
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