JP2018096167A - 便器装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易的な方法で排水管内に滞留した尿の混ざった水や汚物を下流側へ流下させ、排水管への尿石等の付着、又は排水管の詰まり等を抑制することができる便器装置を提供することを目的としている。【解決手段】接続部6aの上流側から洗浄水が供給されるので、排水管6の接続部6a付近を、導水管22を介して流入した清浄な洗浄水で、より確実に洗浄することができる。さらに、本実施形態においては、排水管6の接続部6aよりも上流から洗浄水が供給されるので、この洗浄水により、接続部6aを介して流入した洗浄水を下流側に押し込むことができ、排水管6内で洗浄水を速やかに流下させることができる。【選択図】図1
Description
本発明は排水管に接続された便器装置に関する。
近年、水洗便器を洗浄する洗浄水の節水化が強く要望されており、例えば、小便器において洗浄水量を減じるために、排水トラップ内に溜まる溜水の量を少なくした小便器が提案されている。このような、溜水量を少なくした小便器では、排水トラップ内に溜まっている尿の混ざった洗浄水を、少量の洗浄水を新たに供給するだけで置換することができるため、少量の洗浄水で小便器自体を洗浄することが可能になる。しかしながら、溜水量を少なくした小便器を少量の洗浄水で洗浄した場合、小便器自体は十分に洗浄することができるとしても、小便器から排出された排水を導く排水管内に尿石等が付着しやすくなるという別の問題が発生する。
即ち、尿の混ざった水が排水トラップ内に溜まっている状態において、新たな洗浄水が供給されると、排水トラップに溜まっていた尿の混ざった水は新たに供給された洗浄水によって押し出され、排水管に流入する。しかしながら、排水管の勾配は、一般に比較的緩やかであり、且つ継手部を介して排水管に流入する洗浄水の流量が排水管を下る流量よりも多いため排水トラップから押し出された尿の混ざった洗浄水は、排水管の下流側ばかりでなく、上流側にも流れてしまう。この排水管内で上流側に流れた尿の混ざった水は、新たな洗浄水の供給が終了した後、排水管の緩やかな勾配により、下流側へゆっくり下っていく。このため、新たな洗浄水の供給が終わった後、尿の混ざった水が排水管内を勾配に沿って流れることとなり、尿の混ざった洗浄水が表面張力等で残留してしまう。これが尿石発生の原因となる。
特開2010−121276号公報(特許文献1)に記載された小便器装置においては、排水管の小便器よりも上流側に設けられたタンクから排水管へ洗浄水を供給することにより、排水管の洗浄を行なっている。
特開2010−121276号公報(特許文献1)に記載された小便器装置においては、排水管の小便器よりも上流側に設けられたタンクから排水管へ洗浄水を供給することにより、排水管の洗浄を行なっている。
上述した特許文献1に記載の小便器装置においては、新たにタンクを設置する必要があるため、タンクの施工やメンテナンスの手間が増えてしまったり、トイレ空間内にタンクを収納するスペースを確保する必要があったりする。
従って、本発明は、簡易的な方法で排水管内に滞留した尿の混ざった水や汚物を下流側へ流下させ、排水管への尿石等の付着、又は排水管の詰まり等を抑制することができる便器装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、排水管の接続部に接続される排水口を有する便器と、前記便器へ洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、を備えた便器装置であって、前記洗浄水供給手段は、前記排水管における前記接続部よりも上流側から前記排水管へ洗浄水を供給可能である。
このように構成された本発明においては、便器へ洗浄水を供給する洗浄水供給手段から排水管における便器と排水管との接続部よりも上流側から排水管へ洗浄水を供給させることで、簡易的な方法で接続部よりも上流側に滞留した尿の混ざった水や汚物を下流側へ押し流して流下させることができ、排水管への尿石等の付着、又は排水管の詰まり等を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、前記洗浄水供給手段は、前記便器への洗浄水の供給を開始してから所定時間経過後に、前記排水管への洗浄水の供給を開始する。
このように構成された本発明によれば、洗浄水供給手段から便器への洗浄水の供給を開始することで、便器と排水管との接続部よりも上流側へ尿の混ざった水や汚物が流れた後に接続部よりも上流側から洗浄水を供給することができ、接続部よりも上流側に滞留した尿の混ざった水や汚物を効率良く下流側へ押し流して流下させることができる。したがって、排水管への尿石等の付着、又は排水管の詰まり等を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、予め設定された所定の時期に前記洗浄水供給手段から前記便器へ洗浄水を供給する設備保護洗浄を実行するように構成され、前記洗浄水供給手段は、前記設備保護洗浄時において、前記排水管における前記接続部よりも上流側から前記排水管へ洗浄水を供給可能である。
このように構成された本発明によれば、設備保護洗浄時において排水管における便器と排水管との接続部よりも上流側から排水管へ洗浄水を供給させることで、接続部よりも上流側に滞留した尿の混ざった水や汚物を効率良く下流側へ押し流して流下させることができ、排水管への尿石等の付着、又は排水管の詰まり等を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、共通の排水管に接続された複数の便器を有する便器装置であって、前記排水管に接続された上流側便器と、この上流側便器よりも下流側で前記排水管に接続された下流側便器と、前記上流側便器へ洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、を備えており、前記洗浄水供給手段は、前記排水管における前記上流側便器と前記排水管との接続部よりも上流側から前記排水管へ洗浄水を供給可能である。
このように構成された本発明によれば、洗浄水供給手段から、排水管における上流側便器と排水管との接続部よりも上流側から排水管へ洗浄水を供給させることで、簡易的な方法で上流側便器と排水管との接続部よりも上流側に滞留した尿の混ざった水や汚物を下流側へ押し流して流下させることができ、排水管への尿石等の付着、又は排水管の詰まり等を抑制することができる。
特に、上流側便器と排水管との接続部よりも上流側から洗浄水を供給することにより、下流側便器と排水管との接続部よりも上流側に滞留した尿の混ざった水もしくは汚物も下流側へ押し流して流下させることができる。
特に、上流側便器と排水管との接続部よりも上流側から洗浄水を供給することにより、下流側便器と排水管との接続部よりも上流側に滞留した尿の混ざった水もしくは汚物も下流側へ押し流して流下させることができる。
本発明の便器装置によれば、簡易的な方法で排水管内に滞留した尿の混ざった水や汚物を下流側へ流下させ、排水管への尿石等の付着、又は排水管の詰まり等を抑制することができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態による便器装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による便器装置全体を示す正面図である。図2は、本発明の第1実施形態による便器装置に備えられている小便器を示す側面断面図である。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態による便器装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による便器装置全体を示す正面図である。図2は、本発明の第1実施形態による便器装置に備えられている小便器を示す側面断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態による便器装置1は、上流側便器2と、この上流側便器2よりも下流側に配置された2つの下流側便器4と、これらの上流側便器2及び下流側便器4の各トラップ出口が接続された排水管6と、上流側便器2及び下流側便器4の各々に洗浄水を供給する給水配管8と、を有する。
図1に示すように、本実施形態においては、便器装置1は、壁面Wに並べて取り付けられた3つの壁掛け形の小便器を備えており、これらのうちの1つが上流側便器2であり、他の2つが下流側便器4である。また、上流側便器2及び下流側便器4の各々は、壁面Wの背面側に配置された共通の排水管6に接続されている。
排水管6は、上流側便器2から下流側便器4に向かって下るように、水平面に対して緩やかな傾斜をもって横方向に延びる直線状の横引排水管である。また、各便器の排水口は、接続部6a、6b、6cで夫々排水管6に連通されており、上流側便器2は、3つの接続部のうちで最も高い位置にある接続部6aで排水管6に接続され、各下流側便器4は、接続部6aよりも低い位置にある接続部6b、6cに夫々接続されている。従って、上流側便器2は、3つの便器のうちで排水管6の最も上流側に接続されており、2つの下流側便器4は、上流側便器2よりも排水管6の下流側に夫々接続されている。これにより、各便器から排出された洗浄水や尿は、排水管6の中を、上流側便器2から下流側便器4に向かう方向に、図1における右から左へ流れる。
また、排水管6は、上流側便器2との接続部6aよりも上流側に上方へ開口する掃除口6dが設けられている。この掃除口6dに設けられた着脱可能な蓋を外して掃除口6dへアプローチすることで、排水管6内の定期的な清掃が容易となる。
また、排水管6は、上流側便器2との接続部6aよりも上流側に上方へ開口する掃除口6dが設けられている。この掃除口6dに設けられた着脱可能な蓋を外して掃除口6dへアプローチすることで、排水管6内の定期的な清掃が容易となる。
給水配管8は、壁面Wの背面側に配置された給水用の配管であり、概ね水平方向に直線状に延びている。この給水配管8から、4本のL字型の給水枝管8a、8b、8c、8dが延びている。これらのうち、給水枝管8a、8b、8cにより、給水配管8によって導かれた洗浄水が各便器に備えられた給水装置10a、10b、10cに供給される。また、給水枝管8dにより、給水配管8によって導かれた洗浄水が給水装置10dに供給される。
次に、図1及び図2を参照して、便器装置1に備えられている上流側便器2及び下流側便器4の構成を説明する。なお、上流側便器2及び下流側便器4は同様の構成を備えているので、ここでは、上流側便器2の構成のみを説明する。
図2に示すように、上流側便器2は、小便を受けるボウル部2aと、このボウル部2aの底部に設けられた排水口2bと、この排水口2bの下流側に設けられ、洗浄水を貯留することにより排水口2bを封水する排水トラップ部2cと、ボウル部2aの上部に設けられ、供給された洗浄水をボウル面上に吐出するスプレッダ2dと、を有する。排水トラップ部2cは、その上流端が排水口2bに連通したU字型の管路であり、内部に溜水を貯留することにより、排水口2bとその下流側のトラップ出口2e以降の連結管14aとの間を封止している。さらに、排水トラップ部2c下流側のトラップ出口2eには、上流側便器2と排水管6を連結する連結管14aが接続され、この連結管14aは、排水管6の接続部6aに接続される。
さらに、上流側便器2には、給水装置10aと、この給水装置10aを制御する制御部であるコントローラ12aが備えられている。
給水装置10aには、第1の開閉弁である電磁弁16aが内蔵されていると共に、給水配管8から延びる給水枝管8aが接続されている。電磁弁16aは、コントローラ12aからの制御信号に基づいて開閉され、給水枝管8aから供給された洗浄水の吐出、停止が切り換えられる。電磁弁16aが開弁されると、給水枝管8aから供給された洗浄水がスプレッダ2dから吐出され、ボウル部2aのボウル面が洗浄される。
給水装置10aには、第1の開閉弁である電磁弁16aが内蔵されていると共に、給水配管8から延びる給水枝管8aが接続されている。電磁弁16aは、コントローラ12aからの制御信号に基づいて開閉され、給水枝管8aから供給された洗浄水の吐出、停止が切り換えられる。電磁弁16aが開弁されると、給水枝管8aから供給された洗浄水がスプレッダ2dから吐出され、ボウル部2aのボウル面が洗浄される。
コントローラ12aには、使用者を検知する人体検知センサ18aが接続され、この人体検知センサ18aによる検知信号等に基づいて給水装置10a等を制御するようプログラムされたマイクロプロセッサ20aが内蔵されている。
本実施形態においては、人体検知センサ18aとしてマイクロ波センサが使用されており、使用者が上流側便器2から所定の範囲内に入ると、使用者が接近したことを検知するように構成されている。即ち、人体検知センサ18aは、所定の時間間隔でマイクロ波を発信すると共に、上流側便器2に接近した使用者から反射されたマイクロ波を受信することにより、使用者の接近を検知する。なお、人体検知センサ18aとしては、マイクロ波センサの他、赤外線センサ等の任意のセンサを使用することができる。
本実施形態においては、人体検知センサ18aとしてマイクロ波センサが使用されており、使用者が上流側便器2から所定の範囲内に入ると、使用者が接近したことを検知するように構成されている。即ち、人体検知センサ18aは、所定の時間間隔でマイクロ波を発信すると共に、上流側便器2に接近した使用者から反射されたマイクロ波を受信することにより、使用者の接近を検知する。なお、人体検知センサ18aとしては、マイクロ波センサの他、赤外線センサ等の任意のセンサを使用することができる。
マイクロプロセッサ20aは、人体検知センサ18aによる検出信号に基づいて、給水装置10aに内蔵された電磁弁16aを開閉させるように構成されている。具体的には、マイクロプロセッサ20aは、使用者が上流側便器2の近傍に所定時間以上止まり、その後、使用者が上流側便器2から離れたことが、人体検知センサ18aによって検知されると、上流側便器2が使用されたと判定する。上流側便器2の使用が判定されると、マイクロプロセッサ20aは給水装置10aに制御信号を送り、電磁弁16aを所定時間開弁した後、閉弁させる。
このように、電磁弁16aを開弁させることにより、電磁弁16aの下流側に接続され、ボウル部2aの上部に取り付けられたスプレッダ2dから洗浄水が吐出される。スプレッダ2dから吐出された洗浄水は、ボウル部2aのボウル面を洗浄した後、排水口2bに流入する。排水口2bに流入した洗浄水は、排水トラップ部2cに溜まっていた洗浄水及び尿をトラップ出口2eから流出させ、排水トラップ部2c内の尿の混ざった洗浄水を新たな洗浄水に置き換える。トラップ出口2eから流出した洗浄水及び尿は、連結管14aを通って接続部6aから排水管6に流入し、勾配に沿って排水管6内を流下する。
また、マイクロプロセッサ20aは、人体検知センサ18aによって使用者の接近が検知されていない場合であっても、設備保護洗浄として、所定時間毎(例えば、数時間毎)に、電磁弁16aを所定時間開弁させ、所定量の洗浄水をボウル部2aに吐水させるようにプログラムされている。即ち、使用者が上流側便器2を使用した後、便器洗浄が行われていても、ボウル部2aに洗い残しがあったり、未使用の時間が続いて排水トラップ部2c内の溜水内の菌が滞留している間に繁殖したり、尿の混ざった水が排水管6内に残留している場合がある。このように残留している尿や菌により、ボウル面やトラップ部内及び排水管6内に尿石として付着してしまい、除去することが困難となる。このため、マイクロプロセッサ20aは、上流側便器2が使用されていない場合でも、所定時間毎に「設備保護洗浄」を実行して、清浄な水での洗浄を定期的に実施することで、尿石の固着を防止している。
さらに、上流側便器2は、給水装置10dを備えており、給水装置10dには第2の開閉弁である電磁弁16dが内蔵されている。上流側便器2に備えられたコントローラ12aは、2つの電磁弁16a及び16dを夫々制御する。
ここで、給水装置10aに内蔵された電磁弁16aから流出した洗浄水は、上流側便器2のボウル部2aに設けられたスプレッダ4dから吐出され、ボウル面を洗浄する。一方、給水装置10dに内蔵された電磁弁16dの下流側には、導水管22が接続されており、この導水管22は排水管6における上流側便器2と排水管6との接続部6aよりも上流側に接続されている。従って、電磁弁16dから流出した洗浄水は、上流側便器2のボウル部2aを介することなく、導水管22を通って直接、排水管6における上流側便器2と排水管6との接続部6aよりも上流側から流入する。
以上、上流側便器2の構成を説明したが、上述したように、他の2つの下流側便器4もほぼ同様の構成を有している。
即ち、図1において中央に配置されている下流側便器4では、制御部であるコントローラ12bと接続された人体検知センサ18bが使用者による便器の使用を検知すると、マイクロプロセッサ20bが給水装置10bに内蔵された電磁弁16bに信号を送って、これを開弁させ、下流側便器4のボウル部を洗浄する。同様に、図1の左端に配置されている下流側便器4では、制御部であるコントローラ12cと接続された人体検知センサ18cが使用者による便器の使用を検知すると、マイクロプロセッサ20cが給水装置10cに内蔵された電磁弁16cに信号を送って、これを開弁させ、下流側便器4のボウル部を洗浄する。なお、本実施形態においては、各コントローラ12a、12b、12cは互いに独立した「スタンドアローン」で作動するように構成され、各コントローラの間での信号の授受は行われていない。
即ち、図1において中央に配置されている下流側便器4では、制御部であるコントローラ12bと接続された人体検知センサ18bが使用者による便器の使用を検知すると、マイクロプロセッサ20bが給水装置10bに内蔵された電磁弁16bに信号を送って、これを開弁させ、下流側便器4のボウル部を洗浄する。同様に、図1の左端に配置されている下流側便器4では、制御部であるコントローラ12cと接続された人体検知センサ18cが使用者による便器の使用を検知すると、マイクロプロセッサ20cが給水装置10cに内蔵された電磁弁16cに信号を送って、これを開弁させ、下流側便器4のボウル部を洗浄する。なお、本実施形態においては、各コントローラ12a、12b、12cは互いに独立した「スタンドアローン」で作動するように構成され、各コントローラの間での信号の授受は行われていない。
次に、「設備保護洗浄」において各便器に供給される洗浄水の流れについて説明する。
本実施形態の便器装置1では、「設備保護洗浄」において、便器装置1の上流側に配置された上流側便器2に洗浄水を供給した場合、供給された洗浄水は、ボウル部に設けられたスプレッダ2dから吐出されてボウル面を洗浄した後、排水口から排水トラップ部に流入する。排水トラップ部に流入した洗浄水は、排水トラップ部内に溜まっていた溜水を、接続部6aを介して排水管6内に押し出す。ここで、排水管6の勾配は一般に緩やかであり、水平に近いため、排水トラップ部から排水管6に流入した水は、そのまま排水管6内を下流に向かって(図1における左方向)全てが流れることはなく、一旦、排水管6の中で接続部6aの両側に広がる。
本実施形態の便器装置1では、「設備保護洗浄」において、便器装置1の上流側に配置された上流側便器2に洗浄水を供給した場合、供給された洗浄水は、ボウル部に設けられたスプレッダ2dから吐出されてボウル面を洗浄した後、排水口から排水トラップ部に流入する。排水トラップ部に流入した洗浄水は、排水トラップ部内に溜まっていた溜水を、接続部6aを介して排水管6内に押し出す。ここで、排水管6の勾配は一般に緩やかであり、水平に近いため、排水トラップ部から排水管6に流入した水は、そのまま排水管6内を下流に向かって(図1における左方向)全てが流れることはなく、一旦、排水管6の中で接続部6aの両側に広がる。
排水管6内で接続部6aの両側に広がった洗浄水は、排水トラップ部から排水管6内への洗浄水の流入が少なくなった頃、排水管6の勾配に沿って緩やかに下流側に流れ始める。このため、最初に排水管6内へ押し出される、排水トラップ部内に貯留されていた尿混じりの水の一部は、排水管6内を上流側に向かって押し上げられた後、排水管6の勾配によって最後に排水管6の中を流下する。このように、上流側便器2への給水は、排水トラップ部内に貯留されていた尿混じりの水の一部を、排水管6内で上流側に押し上げてしまう作用があり、この押し上げられた尿混じりの水は、最後に排水管6内を流下するため、混入した尿による汚れが排水管6内に残りやすい。従って、設備保護洗浄においても、上流側便器2に供給される洗浄水は、その供給量を多くしたとしても、多く供給した分の洗浄水の大半は下流に流れてしまい、排水管6内の洗浄に対しては、あまり効果的ではない。
一方、上流側便器2への洗浄水の供給を開始してから所定時間経過した後に、給水装置10dの電磁弁16dを開弁させて、導水管22を介して直接、排水管6における上流側便器2と排水管6との接続部6aよりも上流側から排水管6へ洗浄水を供給する。これにより、排水管6内で上流側に押し上げられた尿混じりの水は、導水管22から排水管6へ供給した洗浄水により上流側から押し流して流下させることができる。
また、下流側便器4から排水管6に流入した尿混じりの水についても、排水管6内で接続部6b、6cよりも上流側に押し上げられたものを、導水管22から排水管6へ供給した洗浄水により上流側から押し流して流下させることができる。
なお、本実施形態においては、給水装置10dの電磁弁16dを開弁させるタイミングは、上流側便器2への洗浄水の供給を開始してから所定時間経過した後、つまり給水装置10aの電磁弁16aを開弁させてから所定時間経過した後であるとしたが、本発明はこれに限らず、給水装置10aの電磁弁16aと給水装置10dの電磁弁16dとの開弁タイミングを同時としてもよい。
また、下流側便器4から排水管6に流入した尿混じりの水についても、排水管6内で接続部6b、6cよりも上流側に押し上げられたものを、導水管22から排水管6へ供給した洗浄水により上流側から押し流して流下させることができる。
なお、本実施形態においては、給水装置10dの電磁弁16dを開弁させるタイミングは、上流側便器2への洗浄水の供給を開始してから所定時間経過した後、つまり給水装置10aの電磁弁16aを開弁させてから所定時間経過した後であるとしたが、本発明はこれに限らず、給水装置10aの電磁弁16aと給水装置10dの電磁弁16dとの開弁タイミングを同時としてもよい。
本発明の実施形態の便器装置1によれば、接続部6aの上流側から洗浄水が供給されるので、排水管6の接続部6a付近を、導水管22を介して流入した清浄な洗浄水で、より確実に洗浄することができる。さらに、本実施形態においては、排水管6の接続部6aよりも上流から洗浄水が供給されるので、この洗浄水により、接続部6aを介して流入した洗浄水を下流側に押し込むことができ、排水管6内で洗浄水を速やかに流下させることができる。
また、本実施形態の便器装置1においては、上流側便器2への洗浄水の供給を開始してから所定時間経過した後に、給水装置10dの電磁弁16dを開弁させて、導水管22を介して直接、排水管6における上流側便器2と排水管6との接続部6aよりも上流側から排水管6へ洗浄水を供給する。これにより、接続部6aよりも上流側への尿混じりの水の遡りが生じた後に接続部6aよりも上流側から洗浄水を供給することができるため、効率良く排水管6内の洗浄を行なうことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、3つの小便器を備えた便器装置に本発明を適用していたが、2つ又は4つ以上の小便器を備えた便器装置に本発明を適用できることは言うまでもなく、又1つの小便器を備えた便器装置に本発明を適用できる。また、上述した実施形態においては、複数の壁掛け形小便器を備えた便器装置に本発明を適用していたが、複数の床置き形小便器を備えた便器装置に本発明を適用することもできる。この場合には、各小便器が接続される共通の排水管は、床面の下側に配置される。さらに、上述した実施形態においては、「設備保護洗浄」において、排水管6における接続部6aよりも上流側から排水管6へ洗浄水を供給することとしたが、各便器の使用後に実行される通常洗浄において、排水管6における接続部6aよりも上流側から排水管6へ洗浄水を供給するように、本発明を構成することもできる。
また、上述した実施形態においては、本発明を複数の小便器を有する便器装置に適用していたが、共通の排水管に接続された複数の水洗大便器を有する便器装置に本発明を適用することもできる。即ち、水洗大便器においても、ボウル部を洗浄するための洗浄水量が不足していると、ボウル部から排水トラップ部を介して排水管に排出された汚物が適正に搬送されず、排水管内に残ってしまう場合がある。この問題を解決するために、複数の水洗大便器を有する便器装置に本発明を適用することができる。即ち、共通の排水管に接続された複数の水洗大便器のうちの最も上流側に接続された水洗大便器と排水管との接続部よりも上流側から排水管へ洗浄水を供給することで、最も上流側に接続された水洗大便器と排水管との接続部よりも上流側に滞留した汚物や尿混じりの水等を下流側へ押し出して流下させることができる。
さらに、上述した実施形態においては、複数の小便器に接続された共通の給水配管から導水管22を介して排水管の上流側に洗浄水を供給することとしたが、本発明はこれに限らず、例えば共通の排水管に接続された複数の小便器が、洗浄水を小便器に供給する洗浄水供給手段(給水配管など)をそれぞれ有し、上流側小便器の洗浄水供給手段から排水管の上流側に洗浄水を直接供給できるようにしてもよい。
1 便器装置
2 上流側便器
2a ボウル部
2b 排水口
2c 排水トラップ部
2d スプレッダ
2e トラップ出口
4 下流側便器
4d スプレッダ
6 排水管
6a、6b、6c 接続部
6d 掃除口
8 給水配管(洗浄水供給手段)
8a、8b、8c、8d 給水枝管(洗浄水供給手段)
10a、10b、10c、10d 給水装置(洗浄水供給手段)
12a、12b、12c コントローラ(制御部)
14a 連結管
16a、16b、16c、16d 電磁弁
18a、18b、18c 人体検知センサ
20a、20b、20c マイクロプロセッサ
22 導水管(洗浄水供給手段)
2 上流側便器
2a ボウル部
2b 排水口
2c 排水トラップ部
2d スプレッダ
2e トラップ出口
4 下流側便器
4d スプレッダ
6 排水管
6a、6b、6c 接続部
6d 掃除口
8 給水配管(洗浄水供給手段)
8a、8b、8c、8d 給水枝管(洗浄水供給手段)
10a、10b、10c、10d 給水装置(洗浄水供給手段)
12a、12b、12c コントローラ(制御部)
14a 連結管
16a、16b、16c、16d 電磁弁
18a、18b、18c 人体検知センサ
20a、20b、20c マイクロプロセッサ
22 導水管(洗浄水供給手段)
Claims (4)
- 排水管の接続部に接続される排水口を有する便器と、前記便器へ洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、を備えた便器装置であって、
前記洗浄水供給手段は、前記排水管における前記接続部よりも上流側から前記排水管へ洗浄水を供給可能である便器装置。 - 前記洗浄水供給手段は、前記便器への洗浄水の供給を開始してから所定時間経過した後に、前記排水管への洗浄水の供給を開始する請求項1に記載の便器装置。
- 予め設定された所定の時期に前記洗浄水供給手段から前記便器へ洗浄水を供給する設備保護洗浄を実行するように構成され、
前記洗浄水供給手段は、前記設備保護洗浄時において、前記排水管における前記接続部よりも上流側から前記排水管へ洗浄水を供給可能である請求項1又は2に記載の便器装置。 - 共通の排水管に接続された複数の便器を有する便器装置であって、
前記排水管に接続された上流側便器と、この上流側便器よりも下流側で前記排水管に接続された下流側便器と、
前記上流側便器へ洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、
を備えており、
前記洗浄水供給手段は、前記排水管における前記上流側便器と前記排水管との接続部よりも上流側から前記排水管へ洗浄水を供給可能である便器装置。
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