JP2018083906A - 接着剤組成物 - Google Patents
接着剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018083906A JP2018083906A JP2016228389A JP2016228389A JP2018083906A JP 2018083906 A JP2018083906 A JP 2018083906A JP 2016228389 A JP2016228389 A JP 2016228389A JP 2016228389 A JP2016228389 A JP 2016228389A JP 2018083906 A JP2018083906 A JP 2018083906A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- adhesive composition
- propylene
- mol
- fraction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【解決手段】樹脂(A)、並びにエチレン及び炭素数3〜12のアルケンからなる群から選択される一つ以上を原料とするオイル(B)を含む接着剤組成物、並びに該接着剤組成物を含有するホットメルト接着剤。
【選択図】なし
Description
<1>樹脂(A)、並びにエチレン及び炭素数3〜12のアルケンからなる群から選択される一つ以上を原料とするオイル(B)を含む接着剤組成物。
<2>前記オイル(B)がイソパラフィン系炭化水素を含む、上記<1>に記載の接着剤組成物。
<3>前記イソパラフィン系炭化水素が、炭素数16〜60の留分をイソパラフィン系炭化水素全体の50質量%以上含む、上記<2>に記載の接着剤組成物。
<4>前記樹脂(A)としてポリオレフィン系樹脂又はスチレン系ブロック共重合体を含む、上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
<5>前記樹脂(A)としてポリオレフィン系樹脂を含み、該ポリオレフィン系樹脂がプロピレン系重合体である、上記<4>に記載の接着剤組成物。
<6>前記プロピレン系重合体の190℃のB型粘度が100〜100,000mPa・sである、上記<5>に記載の接着剤組成物。
<7>前記プロピレン系重合体のメソペンタッド分率[mmmm]が1〜80モル%である、上記<5>又は<6>に記載の接着剤組成物。
<8>粘着付与剤(C)を更に含む、上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
<9>前記樹脂(A)としてポリオレフィン系樹脂を含み、前記粘着付与剤(C)として水素添加された炭化水素樹脂を含む、上記<8>に記載の接着剤組成物。
<10>前記樹脂(A)としてスチレン系ブロック共重合体を含み、前記粘着付与剤(C)として芳香族分を含有する炭化水素樹脂を含む、上記<8>に記載の接着剤組成物。
<11>上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の接着剤組成物を含有するホットメルト接着剤。
本発明の接着剤組成物は、樹脂(A)、並びにエチレン及び炭素数3〜12のアルケンからなる群から選択される一つ以上を原料とするオイル(B)を含む。
樹脂(A)としては、接着剤のベースポリマーとして使用できる樹脂であれば特に限定されない。そのような樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーが挙げられる。熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂の具体例としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。エラストマーとしては、スチレン系ブロック共重合体、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらの中でも、ホットメルト接着剤に適した樹脂としてポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、及びスチレン系ブロック共重合体が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンに基づく構成単位を有する重合体であり、オレフィン単独重合体でもよく、オレフィンと共重合可能な化合物と共重合したオレフィン系共重合体でもよい。オレフィン系共重合体は、オレフィンに基づく構成単位を好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上有し、オレフィンと共重合可能な化合物に基づく構成単位を50質量%未満、好ましくは20質量%未満有する。
(i)エチレンの構成単位が0モル%を超えて、35モル%以下で含まれる。
(ii)1−ブテンの構成単位が0モル%を超えて、45モル%以下で含まれる。
(1)メソペンタッド分率[mmmm]が1モル%以上80モル%以下である。
(2)[rrrr]/(1−[mmmm])の値が0.1以下である。
(3)ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]が2.5モル%を超える。
(4)[mm]×[rr]/[mr]2の値が2.0以下である。
(5)示差走査型熱量計(DSC)を用い、試料を窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークトップとして定義される融点(Tm−D)が0℃以上120℃以下である。
メソペンタッド分率[mmmm]は、プロピレン系重合体の立体規則性を表す指標であり、メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。プロピレン系重合体(A−1)のメソペンタッド分率[mmmm]は、柔軟性及び流動性の観点から、好ましくは1モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは25モル%以上、更に好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは60モル%以下、更に好ましくは55モル%以下、更に好ましくは50モル%以下である。
[rrrr]/(1−[mmmm])の値は、メソペンタッド分率[mmmm]及びラセミペンタッド分率[rrrr]から求められ、プロピレン系重合体の規則性分布の均一さを示す指標である。[rrrr]/(1−[mmmm])のこの値が大きくなると既存触媒系を用いて製造される従来のポリプロピレンのように高立体規則性ポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合物となる。[rrrr]/(1−[mmmm])の値が上記範囲内であれば、のべたつきをより抑制できる。なお、メソペンタッド分率[mmmm]及びラセミペンタッド分率[rrrr]の単位は、いずれもモル%である。
プロピレン系重合体(A−1)における[rrrr]/(1−[mmmm])の値は、べたつきの観点から、好ましくは0.1以下であり、より好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.04以下である。下限値は特に限定されないが、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.01以上である。
ラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、プロピレン系重合体の立体規則性のランダム性を表す指標であり、値が大きいほどプロピレン系重合体のランダム性が増加する。
プロピレン系重合体(A−1)のラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、好ましくは2.5モル%を超え、より好ましくは2.6モル%以上、更に好ましくは2.7モル%以上である。その上限は、通常10モル%程度であり、より好ましくは7モル%以下、更に好ましくは5モル%以下、より更に好ましくは4モル%以下である。
メソトリアッド分率[mm]、ラセミトリアッド分率[rr]及びメソラセミトリアッド分率[mr]から算出される[mm]×[rr]/[mr]2の値は、重合体のランダム性の指標を表し、1に近いほどランダム性が高くなる。なお、メソトリアッド分率[mm]、ラセミトリアッド分率[rr]及びメソラセミトリアッド分率[mr]の単位は、いずれもモル%である。
プロピレン系重合体(A−1)における上式の値は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.6以下である。下限値は特に限定されないが、好ましくは0.5以上である。
プロピレン系重合体(A−1)の融点(Tm−D)は、プロピレン系重合体(A−1)を含む接着剤の接着強度の観点から、好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下、更に好ましくは90℃以下、より更に好ましくは80℃以下である。また、当該融点は、取扱性の容易のため、好ましくは0℃以上、より好ましくは40℃以上である。
なお、本発明では、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、「DSC−7」)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップを融点(Tm−D)とする。融点は、モノマー濃度や反応圧力を適宜調整することで制御可能である。
プロピレン系重合体(A−1)は、1,3−結合分率が好ましくは0.3モル%未満であり、より好ましくは0.1モル%未満であり、更に好ましくは0モル%である。上記範囲内であると、粘着付与剤との相溶性が良好となる。
1,3−結合分率の制御は、後述の2,1−結合分率の制御と同様にして、主触媒の構造や重合条件によって行われる。
プロピレン系重合体(A−1)は、2,1−結合分率が好ましくは0.3モル%未満であり、より好ましくは0.1モル%未満であり、更に好ましくは0モル%である。上記範囲内であると、粘着付与剤との相溶性が良好となる。
2,1−結合分率の制御は、主触媒の構造や重合条件によって行われる。具体的には、主触媒の構造が大きく影響し、主触媒の中心金属周辺のモノマーの挿入場を狭くすることで2,1−結合を制御することができ、逆に挿入場を広くすることで2,1−結合を増やすことができる。例えばハーフメタロセン型と呼ばれる触媒は中心金属周辺の挿入場が広いため、2,1−結合や長鎖分岐などの構造が生成しやすく、ラセミ型のメタロセン触媒であれば、2,1−結合を抑制することが期待できるが、ラセミ型の場合は立体規則性が高くなり、本発明で示しているような非晶質ポリマーを得ることは困難である。例えば後述するようなラセミ型でも2重架橋したメタロセン触媒で3位に置換基を導入し、中心金属の挿入場を制御することで非晶かつ2,1−結合の非常に少ない重合体を得ることができる。
1,3−結合分率=(D/2)/(A+B+C+D)×100(モル%)
2,1−結合分率={(A+B)/2}/(A+B+C+D)×100(モル%)
A:15〜15.5ppmの積分値
B:17〜18ppmの積分値
C:19.5〜22.5ppmの積分値
D:27.6〜27.8ppmの積分値
プロピレン系重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は、機械的強度の観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、更に好ましくは25,000以上であり、そして、好ましくは500,000以下、より好ましくは200,000以下、更に好ましくは100,000以下、更に好ましくは50,000以下である。
本発明において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
プロピレン系重合体(A−1)の分子量分布(Mw/Mn)は、機械的強度の観点から、好ましくは3.0未満であり、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.2以下であり、そして、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上である。
本発明において、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnより算出した値である。
本発明において、B型粘度は、ASTM D3236に準拠して、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて測定した値である。
プロピレン系重合体(A−1)は、例えば、WO2003/087172に記載されているようなメタロセン系触媒を使用して製造することができる。特に、配位子が架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物を用いたものが好ましく、なかでも、2個の架橋基を介して架橋構造を形成している遷移金属化合物と助触媒を組み合わせて得られるメタロセン系触媒が好ましい。
(i)一般式(I)
〔式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系列の金属元素を示し、E1及びE2はそれぞれ置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、ヘテロシクロペンタジエニル基、置換ヘテロシクロペンタジエニル基、アミド基、ホスフィド基、炭化水素基及び珪素含有基の中から選ばれた配位子であって、A1及びA2を介して架橋構造を形成しており、又それらは互いに同一でも異なっていてもよく、Xはσ結合性の配位子を示し、Xが複数ある場合、複数のXは同じでも異なっていてもよく、他のX、E1、E2又はYと架橋していてもよい。Yはルイス塩基を示し、Yが複数ある場合、複数のYは同じでも異なっていてもよく、他のY,E1、E2又はXと架橋していてもよく、A1及びA2は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−Se−、−NR1−、−PR1−、−P(O)R1−、−BR1−又は−AlR1−を示し、R1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で〔(Mの原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を示す。〕
で表される遷移金属化合物、並びに
(ii)(ii−1)該(i)成分の遷移金属化合物又はその派生物と反応してイオン性の錯体を形成しうる化合物及び(ii−2)アルミノキサンからなる群から選ばれる少なくとも一種の成分
を含有する重合用触媒が挙げられる。
本発明において、「スチレン系ブロック共重合体」とは、スチレン系化合物と共役ジエン化合物とがブロック共重合した共重合体であって、通常、スチレン系化合物ブロックと共役ジエン化合物ブロックとを有する。本発明の目的とするホットメルト接着剤を得ることができるものであれば、特に制限されるものではない。
例えば、旭化成(株)製の「アサプレンT−439」、「アサプレンT−436」、「アサプレンT−438」、「アサプレンN505」、「タフテックH1121」、「タフテックH1062」、「タフテックH1052X」及び「タフプレンT125」;JSR(株)製の「TR2003」、「TR2500」及び「TR2600」;ファイヤーストン社製の「ステレオン857」及び「ステレオン841A」;クレイトンポリマー社製の「クレイトンD1118」、「クレイトンG1654」、「クレイトンG1726」;Enichem社(株)製の「Sol T166」;日本ゼオン(株)製の「クインタック3433N」及び「クインタック3421」;(株)クラレ製の「セプトン2002」及び「セプトン2063」を例示できる(いずれも商品名)。
本発明に用いられるオイル(B)は、エチレン及び炭素数3〜12のアルケンからなる群から選択される一つ以上を原料とするオイルである。本発明は、可塑剤としてエチレン及び炭素数3〜12のアルケンからなる群から選択される一つ以上を原料とするオイルを用いることで、臭気が少なく、低温塗布性及び接着強度に優れたホットメルト接着剤を提供することができる。
これらに対して、エチレン及び炭素数3〜12のアルケンからなる群から選択される一つ以上を原料とするオイルであるイソパラフィン系オイルは、芳香族化合物を含有しないため加熱しても臭気が少ない。また、室温で結晶化せず比較的低粘度であるため、ホットメルト接着剤の低温塗布性を改善することができる。さらに、ホットメルト接着剤のベースポリマーがポリオレフィン系樹脂である場合には、構造類似性が高いので相溶性が良く、ブリードの心配がなく、ホットメルト接着剤の接着強度を向上させることもできる。
本発明の接着剤組成物は、粘着付与剤(C)を更に含有してもよい。
粘着付与剤としては、例えば、脂肪族系炭化水素石油樹脂の水素化誘導体、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂等からなる常温で固体、半固体あるいは液状のもの等を挙げることができる。具体的には、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンのコポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体を例示することができる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて更に無機フィラーや酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤等の任意の添加剤を含有してもよい。
本発明の接着剤組成物は、上記の樹脂(A)及びオイル(B)、更に必要に応じて粘着付与剤(C)及び添加剤を、ヘンシェルミキサー等を用いてドライブレンドし、単軸又は二軸押出機、プラストミルやバンバリーミキサー等により溶融混練することで製造することができる。オイル(B)は室温で結晶化せず、また臭気が少ないので、本発明の接着剤組成物は、低温で混練して得ることができる。
本発明のホットメルト接着剤は、上記の接着剤組成物を含有する。
本発明に用いられるオイル(B)は室温で結晶化せず、また臭気が少ないので、本発明のホットメルト接着剤は、臭気が少なく、低温塗布性に優れる。また、ホットメルト接着剤のベースポリマー(樹脂(A))がポリオレフィン系樹脂である場合には、構造類似性が高いので相溶性が良く、ブリードの心配がなく、ホットメルト接着剤の接着強度を向上させることもできる。
本発明のホットメルト接着剤は、流動性に優れ、塗布方法として特にスプレー塗布に好適に用いることができる。
示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、「DSC−7」)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下−10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブから融解吸熱量(ΔH−D)として求めた。また、得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップから融点(Tm−D)を求めた。
なお、融解吸熱量(ΔH−D)は、熱量変化の無い低温側の点と熱量変化の無い高温側の点とを結んだ線をベースラインとして、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、「DSC−7」)を用いた、DSC測定により得られた融解吸熱カーブのピークを含むライン部分と当該ベースラインとで囲まれる面積を求めることで算出される。
以下に示す装置および条件で、13C−NMRスペクトルの測定を行った。なお、ピークの帰属は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案された方法に従った。
装置:日本電子(株)製、「JNM−EX400型13C−NMR装置」
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/mL
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8〜22.5ppm
Pαβ:18.0〜17.5ppm
Pαγ:17.5〜17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7〜20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7〜22.5ppm
1,3−結合分率=(D/2)/(A+B+C+D)×100(モル%)
2,1−結合分率=[(A+B)/2]/(A+B+C+D)×100(モル%)
A:15〜15.5ppmの積分値
B:17〜18ppmの積分値
C:19.5〜22.5ppmの積分値
D:27.6〜27.8ppmの積分値
ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。測定には、下記の装置および条件を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量を得た。分子量分布(Mw/Mn)は、これらの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)より算出した値である。
<GPC測定装置>
カラム :東ソー(株)製「TOSO GMHHR−H(S)HT」
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出 ウォーターズ・コーポレーション製「WATERS 150C」
<測定条件>
溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0mL/分
試料濃度 :2.2mg/mL
注入量 :160μL
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT−GPC(Ver.1.0)
ASTM D3236に準拠して、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて190℃で測定した。
(プロピレン重合体(A1)の製造)
撹拌機付きの内容積20Lのステンレス製反応器に、n−ヘプタンを20L/hr、トリイソブチルアルミニウムを15mmol/hr、さらに、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)−ビス(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド及びトリイソブチルアルミニウムを質量比1:2:20でプロピレンと事前に接触させて得られた触媒成分を、ジルコニウム換算で6μmol/hrで連続供給した。
反応器内の全圧を1.0MPa・Gに保ち、かつ、水素/プロピレン比が0.35となるよう水素とプロピレンを連続供給し、重合温度を75℃とし、所望の分子量を有する重合溶液を得た。得られた重合溶液に、酸化防止剤をその含有割合が1000質量ppmになるように添加し、次いで溶媒であるn−ヘプタンを除去することにより、プロピレン重合体(A1)を得た。
(接着剤組成物の製造)
プロピレン重合体(A1)、オイル及び粘着付与剤を、プロピレン重合体(A1)/オイル/粘着付与剤=40/40/20(質量比)の配合比でサンプル瓶に入れ、180℃で30分加熱して溶融させた後、回転翼で十分に混合及び撹拌し、接着剤組成物を製造した。
オイルとして、イソパラフィン系オイル(「IPソルベント2835」、出光興産(株)製、炭素数16〜60の留分の含有量=98質量%)を用い、粘着付与剤として、脂肪族系炭化水素石油樹脂の水素化誘導体(「エスコレッツ5400」、エクソンモービル社製、軟化点100℃)を用いた。
オイルとして、パラフィン系プロセスオイル(「ダイアナプロセスオイルPW−90」、出光興産(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着剤組成物を製造した。
実施例1及び比較例1の接着剤組成物をそれぞれ150℃及び120℃に加熱し、接着剤組成物の粘度を測定した。また、スパイラル塗布性及び臭気について評価を行った。結果を表2に示す。
ASTM D3236に準拠して、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて190℃で測定した。
メック(株)社製HMAコーターシステムにノードソン(株)社製のスパイラルスプレーガン(ノズル径約0.5mmφ)をセットして、実施例1及び比較例1の接着剤組成物をそれぞれ所定の温度でスパイラル幅が1.5cm、ライン速度が150m/分になるようにホットエアー量を調節しながら、塗布量が5g/平方メートルとなるように調整して吐出した際のスパイラルパターンを観察し、以下の基準に従って評価した。
○:良好なスパイラルパターンを形成できた。
△:塗布可能だが、形状が不安定であった。
×:塗布することができなかった。
被験者10人により、実施例1及び比較例1の接着剤組成物についてそれぞれ所定の温度における臭気の官能評価を行った。
◎:全く臭わない。
○:ほとんど臭わない。
△:少し臭う。
×:臭う。
実施例1及び比較例1の接着剤組成物を用いて、各ホットメルト接着剤の接着性能を評価する目的で貼り合わせ試験片を作成し、以下に示す各条件でT形剥離接着強度を測定した。結果を表3に示す。
メック(株)社製HMAコーターシステムにノードソン(株)社製のスパイラルスプレーガンをセットして、ホットメルト接着剤が塗布された塗工基材と貼り合わせ基材とが接着された積層体を作成した。塗工基材及び貼り合わせ基材としてPP不織布(SMS3層,17g/m2,150mm巾)を使用し、ライン速度150m/分で貼り合わせた。
スパイラルスプレーガン(ノズル径約0.5mmφ)の塗工条件は、ホットメルト接着剤の溶融温度を120℃、スプレーガン温度を120℃、ホットエアー温度を150℃とした。ホットメルト接着剤の塗布量は5g/平方メートルとし、塗工されたスパイラルの巾が約15mmとなるようにホットエアー圧を調節した。塗工後にプレスローラーで圧着するための圧力は0.1MPa、オープンタイムは約0.1秒とした。
ホットメルト接着剤で貼り合わせた積層体は、基材の進行方向に対して垂直の方向(CD方向)に25mm巾で切断し、T形剥離接着強度を測定するための試験片とした。試験片は23℃,50%RHで24時間以上養生した後に、同環境下でT形剥離試験を行った。
T型剥離試験には、(株)島津製作所社製「オートグラフAGS−X」を用い、剥離速度100mm/min,剥離長さ30mmで剥離試験を行い、極大値2点の平均値を計算した。各ホットメルト接着剤について5個の試験片の測定を行い、上位3個の平均値をもって剥離接着強度とした。なお、接着強度試験結果は、表中で「NW/NW」と示した。
Claims (11)
- 樹脂(A)、並びに
エチレン及び炭素数3〜12のアルケンからなる群から選択される一つ以上を原料とするオイル(B)
を含む接着剤組成物。 - 前記オイル(B)がイソパラフィン系炭化水素を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記イソパラフィン系炭化水素が、炭素数16〜60の留分をイソパラフィン系炭化水素全体の50質量%以上含む、請求項2に記載の接着剤組成物。
- 前記樹脂(A)としてポリオレフィン系樹脂又はスチレン系ブロック共重合体を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記樹脂(A)としてポリオレフィン系樹脂を含み、該ポリオレフィン系樹脂がプロピレン系重合体である、請求項4に記載の接着剤組成物。
- 前記プロピレン系重合体の190℃のB型粘度が100〜100,000mPa・sである、請求項5に記載の接着剤組成物。
- 前記プロピレン系重合体のメソペンタッド分率[mmmm]が1〜80モル%である、請求項5又は6に記載の接着剤組成物。
- 粘着付与剤(C)を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
- 前記樹脂(A)としてポリオレフィン系樹脂を含み、前記粘着付与剤(C)として水素添加された炭化水素樹脂を含む、請求項8に記載の接着剤組成物。
- 前記樹脂(A)としてスチレン系ブロック共重合体を含み、前記粘着付与剤(C)として芳香族分を含有する炭化水素樹脂を含む、請求項8に記載の接着剤組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1つに記載の接着剤組成物を含有するホットメルト接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016228389A JP2018083906A (ja) | 2016-11-24 | 2016-11-24 | 接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016228389A JP2018083906A (ja) | 2016-11-24 | 2016-11-24 | 接着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018083906A true JP2018083906A (ja) | 2018-05-31 |
Family
ID=62237067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016228389A Pending JP2018083906A (ja) | 2016-11-24 | 2016-11-24 | 接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018083906A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021536521A (ja) * | 2018-09-03 | 2021-12-27 | サソル サウス アフリカ リミティド | ホットメルト接着剤組成物 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01258628A (ja) * | 1988-04-06 | 1989-10-16 | Showa Shell Sekiyu Kk | イソパラフィンの製法 |
JP2002542333A (ja) * | 1999-04-13 | 2002-12-10 | ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン | 低粘度ホットメルト接着剤 |
JP2008546890A (ja) * | 2005-06-24 | 2008-12-25 | エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク | 可塑化した官能性プロピレンコポリマー接着組成物 |
JP2009504891A (ja) * | 2005-08-17 | 2009-02-05 | ボスティック・インコーポレーテッド | 耐熱性の改良されたポリオレフィン基体のホットメルト接着剤 |
JP2011084688A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Aica Kogyo Co Ltd | ホットメルト組成物および太陽電池パネル |
JP2012520370A (ja) * | 2009-03-12 | 2012-09-06 | トータル・ラフィナージュ・マーケティング | 産業用流体、農業用流体、または家庭用流体の製造に使用される、水素化脱ろうされた炭化水素系流体 |
JP2013014666A (ja) * | 2011-07-01 | 2013-01-24 | Kamoi Kakoshi Kk | 粘着剤スプレー |
JP2013095758A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-20 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物 |
JP2016102162A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 出光興産株式会社 | 木工用ホットメルト接着剤 |
WO2016104539A1 (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 出光興産株式会社 | ホットメルト接着剤用ベースポリマー |
-
2016
- 2016-11-24 JP JP2016228389A patent/JP2018083906A/ja active Pending
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01258628A (ja) * | 1988-04-06 | 1989-10-16 | Showa Shell Sekiyu Kk | イソパラフィンの製法 |
JP2002542333A (ja) * | 1999-04-13 | 2002-12-10 | ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン | 低粘度ホットメルト接着剤 |
JP2008546890A (ja) * | 2005-06-24 | 2008-12-25 | エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク | 可塑化した官能性プロピレンコポリマー接着組成物 |
JP2009504891A (ja) * | 2005-08-17 | 2009-02-05 | ボスティック・インコーポレーテッド | 耐熱性の改良されたポリオレフィン基体のホットメルト接着剤 |
JP2012520370A (ja) * | 2009-03-12 | 2012-09-06 | トータル・ラフィナージュ・マーケティング | 産業用流体、農業用流体、または家庭用流体の製造に使用される、水素化脱ろうされた炭化水素系流体 |
JP2011084688A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Aica Kogyo Co Ltd | ホットメルト組成物および太陽電池パネル |
JP2013014666A (ja) * | 2011-07-01 | 2013-01-24 | Kamoi Kakoshi Kk | 粘着剤スプレー |
JP2013095758A (ja) * | 2011-10-27 | 2013-05-20 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物 |
JP2016102162A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 出光興産株式会社 | 木工用ホットメルト接着剤 |
WO2016104539A1 (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 出光興産株式会社 | ホットメルト接着剤用ベースポリマー |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「石油便覧」, JPN6021006242, 15 February 2021 (2021-02-15), JP, pages 1 - 1, ISSN: 0004452617 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021536521A (ja) * | 2018-09-03 | 2021-12-27 | サソル サウス アフリカ リミティド | ホットメルト接着剤組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6353676B2 (ja) | ホットメルト接着剤 | |
JP4938199B2 (ja) | ポリオレフィン系ホットメルト接着剤用樹脂 | |
JP6806673B2 (ja) | 改良された加工および結合性能を有するポリオレフィンベースのホットメルト接着剤 | |
US9783712B2 (en) | Hot melt adhesive based on low melting point polypropylene homopolymers and methods for making and using the adhesive | |
JP6677378B2 (ja) | ホットメルト接着剤用ベースポリマー | |
WO2018088359A1 (ja) | プロピレン系重合体、プロピレン系樹脂組成物及びそれらを含むホットメルト接着剤 | |
US9758704B2 (en) | Hot melt adhesive | |
AU2012239928B2 (en) | Polyolefin based hot melt adhesive containing a solid plasticizer | |
WO2021108160A1 (en) | Hot melt pressure-sensitive adhesives and processes for making same | |
ES2897970T3 (es) | Adhesivos piezosensibles | |
JP6548326B2 (ja) | 低アウトガス性ホットメルト接着剤 | |
WO2020085299A1 (ja) | ホットメルト接着剤 | |
CN114958249A (zh) | 在层压件中触感柔软的热熔性粘合剂组合物、其使用方法、及用其制成的制品 | |
US11851587B2 (en) | Permanently tacky adhesives with improved environmental compatibility | |
JP2018083906A (ja) | 接着剤組成物 | |
CN107001883A (zh) | 木工用热熔粘接剂 | |
JP2005206649A (ja) | 粘着剤及び粘着シート | |
JP6515382B2 (ja) | 不織布積層体及び不織布積層体の製造方法 | |
JP2020040372A (ja) | 成形体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190807 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200929 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201120 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20210302 |