<第一実施形態>
(固体酸化物形燃料電池システム1)
図1に示すように、固体酸化物形燃料電池システム1は、発電ユニット10および貯湯槽21を備えている。また、発電ユニット10は、固体酸化物形燃料電池モジュール11、熱交換器12、電力変換装置13、水タンク14および制御装置15を備えている。
固体酸化物形燃料電池モジュール11は、後述するように固体酸化物形燃料電池スタック30を少なくとも含んで構成される。固体酸化物形燃料電池モジュール11には、改質用原料、改質水およびカソードガス(空気)が供給される。具体的には、固体酸化物形燃料電池モジュール11には、改質用原料供給管11aの一端側が接続されている。改質用原料供給管11aの他端側は、供給源Gsに接続されている。固体酸化物形燃料電池モジュール11には、改質用原料供給管11aを介して、供給源Gsから改質用原料が供給される。なお、改質用原料供給管11aには、改質用原料を送出する原料ポンプ11a1が設けられている。
また、固体酸化物形燃料電池モジュール11には、水供給管11bの一端側が接続されている。水供給管11bの他端側は、水タンク14に接続されている。固体酸化物形燃料電池モジュール11には、水供給管11bを介して、水タンク14から改質水が供給される。なお、水供給管11bには、改質水を送出する改質水ポンプ11b1が設けられている。さらに、固体酸化物形燃料電池モジュール11には、カソードエア供給管11cの一端側が接続されている。カソードエア供給管11cの他端側は、カソードエアブロワ11c1に接続されている。固体酸化物形燃料電池モジュール11には、カソードエア供給管11cを介して、カソードエアブロワ11c1が吸入したカソードガス(空気)が供給される。
熱交換器12には、固体酸化物形燃料電池モジュール11から排気される燃焼排ガスが供給されるとともに、貯湯槽21から貯湯水が供給される。熱交換器12では、燃焼排ガスと貯湯水とが熱交換する。具体的には、貯湯槽21は、貯湯水を貯湯するものであり、貯湯水が循環する貯湯水循環ライン22が接続されている。貯湯水は、図1おいて、矢印の方向に循環する。貯湯水循環ライン22上には、下端から上端に向かって順に貯湯水循環ポンプ22aおよび熱交換器12が配設されている。熱交換器12には、固体酸化物形燃料電池モジュール11から延設される排気管11dが接続(貫設)されている。また、熱交換器12には、水タンク14に接続されている凝縮水供給管12aが接続されている。
熱交換器12において、固体酸化物形燃料電池モジュール11から排出された燃焼排ガスは、排気管11dを通って熱交換器12内に導入され、貯湯水との間で熱交換が行われ冷却されるとともに燃焼排ガス中に含まれる水蒸気が凝縮される。冷却後の燃焼排ガスは、排気管11dを通って、発電ユニット10の外部に排出される。また、凝縮された凝縮水は、凝縮水供給管12aを通って水タンク14に供給される。なお、水タンク14は、凝縮水を貯水し、例えば、イオン交換樹脂などによって、凝縮水を純水化することができる。
上述した熱交換器12、貯湯槽21および貯湯水循環ライン22によって、排熱回収システム20が構成されている。排熱回収システム20は、固体酸化物形燃料電池モジュール11の排熱を貯湯水に回収して蓄える。
電力変換装置13は、固体酸化物形燃料電池スタック30から出力される直流電力を入力し所定の交流電力に変換して、交流の系統電源16aおよび外部電力負荷16c(例えば、電化製品など)に接続されている電源ライン16bに出力する。また、電力変換装置13は、系統電源16aから供給される交流電力を電源ライン16bを介して入力し、または固体酸化物形燃料電池スタック30の直流電力を入力し、所定の直流電圧に変換して、補機(各種ポンプ、ブロワなど)、制御装置15に出力する。なお、制御装置15は、補機を駆動して固体酸化物形燃料電池システム1の運転を制御する。
(固体酸化物形燃料電池モジュール11)
図2に示すように、固体酸化物形燃料電池モジュール11は、固体酸化物形燃料電池スタック30と、蒸発部40と、改質部50とを備えている。また、固体酸化物形燃料電池スタック30と蒸発部40との間、および、固体酸化物形燃料電池スタック30と改質部50との間には、燃焼部60が形成されている。
(固体酸化物形燃料電池スタック30)
固体酸化物形燃料電池スタック30は、ベース部材31と、複数の絶縁部材32と、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33と、複数の接続部材34と、カバー35と、アノードガスマニホールド36と、カソードガスマニホールド37とを備えている。また、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々には、導入側キャップ71および導出側キャップ72が装着されており、キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80が構成されている。本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80が複数の接続部材34によって電気的に直列接続されている。
ベース部材31は、金属材で方形状の板状に形成されている。金属材として、例えば、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、クロム−鉄−イットリア合金などを用いることができる。特に、金属材として、フェライト系ステンレス鋼を用いると好適である。ベース部材31の上面には、複数の絶縁部材32が所定間隔離間して設けられている。絶縁部材32の総数は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33(キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)の総数に対応している。
複数の絶縁部材32の各々は、ベース部材31と、装着される固体酸化物形燃料電池筒状セル33(キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)との間を電気的に絶縁する。複数の絶縁部材32は、絶縁性かつ断熱性を有する材料で形成することができる。絶縁性かつ断熱性を有する材料として、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化シリコン(シリカ)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化チタン(チタニア)、フォルステライトなどのセラミックスを用いることができ、これらの混合材料を原料としたセラミックスを用いることもできる。
図3に示すように、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、内側電極層33aと、電解質層33bと、外側電極層33cとを備えており、これらは、層状に積層されて形成されている。内側電極層33aは、筒状に形成されており、第一ガスが一端側(矢印Z1方向側)から他端側(矢印Z2方向側)に向けて流通する。第一ガスは、燃料および酸化剤ガスのうちの一方であり、本実施形態では、第一ガスは、燃料である。燃料は、後述する天然ガスなどの炭化水素系原料を改質した改質ガスであり、アノードガスともいう。
内側電極層33aは、例えば、NiやFeなどの触媒金属とY、Sc、Ceなどの希土類元素から選ばれる少なくとも1種をドープした安定化ジルコニアとの混合体、NiやFeなどの触媒金属とGd、Y、Smなどの希土類元素から少なくとも1種をドープしたセリアとの混合体、NiやFeなどの触媒金属とSr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも1種をドープしたランタンガレートとの混合体の少なくとも1種から形成される。
外側電極層33cは、内側電極層33aの外側に積層されており、第二ガスの雰囲気中に設けられる。第二ガスは、燃料および酸化剤ガスのうちの他方であり、本実施形態では、第二ガスは、酸化剤ガスである。酸化剤ガスは、空気であり、カソードガスともいう。また、後述するように、本実施形態では、酸化剤ガスは、一端側(矢印Z1方向側)から他端側(矢印Z2方向側)に向けて流通する。
外側電極層33cは、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも1種をドープしたランタンコバルタイト、Sr、Feから選ばれた少なくとも1種をドープしたバリウムコバルタイト、銀、銀−パラジウム合金、白金などの少なくとも1種から形成される。
電解質層33bは、内側電極層33aと外側電極層33cとの間に形成されている。つまり、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、内側から内側電極層33a、電解質層33bおよび外側電極層33cの順に形成されている。電解質層33bは、例えば、Y、Sc、Ceなどの希土類元素から選ばれる少なくとも1種をドープした安定化ジルコニア、Gd、Y、Smなどの希土類元素から少なくとも1種をドープしたセリア、NiとSr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも1種をドープしたランタンガレートの少なくとも1種から形成される。
なお、電解質層33bと外側電極層33cとの間には、反応防止層を設けることができる。反応防止層は、例えば、GDC(ガドリニウムドープセリア)、YDC(イットリアドープセリア)、SDC(サマリウムドープセリア)などの希土類をドープしたセリア混合体を用いて形成することができる。また、本実施形態では、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、円筒状に形成されている。複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、筒状であれば良く、例えば、断面方形に形成することもできる。
さらに、図3に示すように、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の端部において、内側電極層33aが露出しており、軸線AZ1方向(矢印Z方向)の他端側(矢印Z2方向側)の端部において、内側電極層33aが露出している。内側電極層33aの露出部は、電解質層33bおよび外側電極層33cが形成されておらず、内側電極層33aのみが形成されている。また、内側電極層33aの露出部と、外側電極層33cが形成されている部位との間では、電解質層33bが露出している。
複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の形成方法は、限定されないが、例えば、公知の押し出し、プレス、鋳込み等の方法で内側電極層33aを形成し、逐次、電解質層33bおよび外側電極層33cを印刷、ディッピング、スラリーコート等の方法で製膜することによって形成することができる。これらの方法により、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、径方向の内側から内側電極層33a、電解質層33bおよび外側電極層33cの順に、既述の電極材料が層状に積層される。また、製膜の段階で部位に応じてマスキングを行うことで、上述した内側電極層33aの露出部や電解質層33bの露出部が形成される。なお、局所的に製膜を行うことで、任意の部位の外径を変更した固体酸化物形燃料電池筒状セル33を作製することも可能である。
また、図4Aおよび図4Bに示すように、内側電極層33aの内側には、第一ガス流路33dが形成されている。第一ガス流路33dは、第一ガス(本実施形態では、燃料)が流通する。なお、第一ガス流路33dから排出され、発電に使用されなかった第一ガス(本実施形態では、燃料)を第一オフガスという。また、発電に使用されなかった第二ガス(本実施形態では、酸化剤ガス)を第二オフガスという。
図2に示すように、本実施形態では、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、導入側キャップ71および導出側キャップ72の両方を備えている。導入側キャップ71は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の端部を覆うように設けられる。導出側キャップ72は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の他端側(矢印Z2方向側)の端部を覆うように設けられる。なお、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、導入側キャップ71および導出側キャップ72のうちの少なくとも一方を備えていれば良い。本明細書では、導入側キャップ71および導出側キャップ72のうちの少なくとも一方をセル端部キャップ70という。
図4Aに示すように、導入側キャップ71は、有底筒状に形成されている。導入側キャップ71は、導電性材料で形成することができる。導入側キャップ71は、例えば、フェライト系ステンレス、ランタンクロマイトなどの金属材で形成することができる。導入側キャップ71は、少なくとも底部71aと、セル案内部71cとを備えており、第一ガス流路33dに第一ガス(本実施形態では、燃料)を導入する。本実施形態では、導入側キャップ71は、底部71aと、筒部71bと、セル案内部71cと、凹部71dと、導電性接着剤71eと、ガスシール材71fとを備えている。
底部71aは、絶縁部材32と固体酸化物形燃料電池筒状セル33との間に配設される。具体的には、底部71aの外壁面71a1は、絶縁部材32と当接している。また、底部71aの内壁面71a2は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の先端部33a3と当接している。
筒部71bは、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1と同軸の筒状に形成されており、軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の端部は、底部71aと接続されている。本実施形態では、筒部71bは、円筒状に形成されている。また、筒部71bの内径寸法は、内側電極層33aの外径寸法より若干大きく形成されており、内側電極層33aの露出部を筒部71b内に挿入可能になっている。このように、筒部71bは、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の端部を外側から覆う部位をいう。
セル案内部71cは、底部71aから固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)の内壁面に沿って設けられる。セル案内部71cは、セル端部キャップ70である導入側キャップ71内において、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)を案内する。
本実施形態では、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の端部において、内側電極層33aが露出している。そのため、セル案内部71cは、底部71aから内側電極層33aの内壁面33a2に沿って設けられており、セル案内部71cは、内側電極層33aの内壁面33a2に沿って、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)を案内する。
また、セル案内部71cの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH11は、筒部71bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH12と同じに、または、筒部71bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH12と比べて低く設定されていると好適である。これにより、セル案内部71cが必要以上に第一ガス流路33d内に進入して内側電極層33aの内壁面33a2を覆ってしまうことを抑制することができ、固体酸化物形燃料電池筒状セル33への第一ガスの供給を確保することができる。よって、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、セル案内部71cの案内誤差(固体酸化物形燃料電池筒状セル33の導入側キャップ71内における配置誤差)の抑制と、発電効率の確保との両立を図ることができる。
凹部71dは、底部71aから第一ガス流路33d側に凹むように、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1と同軸に形成されている。凹部71dを形成する壁面のうち、内側電極層33aの内壁面33a2と対向する壁面は、上述したセル案内部71cを構成している。また、凹部71dには、第一ガス流通孔71d1が設けられている。第一ガス流通孔71d1は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1と同軸に形成されており、第一ガス(本実施形態では、燃料)が第一ガス流路33dに流入可能になっている。
導電性接着剤71eは、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の端部(本実施形態では、内側電極層33aの露出部)と、導入側キャップ71との間の導電性を確保する。導電性接着剤71eは、これらの間の導電性を確保することができれば良く限定されない。導電性接着剤71eは、例えば、白金、銀、銅または銀−パラジウム合金などの導電性ペーストや導電性セラミックスを用いることができる。導電性セラミックスは、例えば、ABO3型のペロブスカイト型酸化物などを用いることができ、比較的電気伝導性が高いランタンコバルタイト系酸化物や酸化還元雰囲気で安定なランタンクロマイト系酸化物を用いると良い。
導電性接着剤71eは、第一導電性接着剤71e1と、第二導電性接着剤71e2と、第三導電性接着剤71e3とを備えている。第一導電性接着剤71e1は、第一外側空隙に充填される。第一外側空隙は、内側電極層33aの外壁面33a1と、筒部71bの内壁面71b2との間の空隙をいう。第二導電性接着剤71e2は、第一内側空隙に充填される。第一内側空隙は、内側電極層33aの内壁面33a2と、セル案内部71cとの間の空隙をいう。図4Aに示すように、第一内側空隙と比べて、第一外側空隙が大きく設定されていると好適である。第三導電性接着剤71e3は、第一底部側空隙に充填される。第一底部側空隙は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の先端部33a3と、底部71aの内壁面71a2との間の空隙をいう。第一内側空隙および第一底部側空隙は、第一外側空隙と比べて、極めて小さく設定されている。
第一導電性接着剤71e1が第一外側空隙に充填されることにより、第一外側空隙が消失して、内側電極層33aの外壁面33a1と、導入側キャップ71(筒部71bの内壁面71b2および底部71aの内壁面71a2)との間の導電性が確保される。第二導電性接着剤71e2が第一内側空隙に充填されることにより、第一内側空隙が消失して、内側電極層33aの内壁面33a2と、導入側キャップ71(セル案内部71cおよび底部71aの内壁面71a2)との間の導電性が確保される。第三導電性接着剤71e3が第一底部側空隙に充填されることにより、第一底部側空隙が消失して、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の先端部33a3と、導入側キャップ71(底部71aの内壁面71a2)との間の導電性が確保される。
ガスシール材71fは、第一ガス(本実施形態では、燃料)が導入側キャップ71の内部から外部に流出して、第二ガス(本実施形態では、酸化剤ガス)の雰囲気中に漏れ出すことを規制する。これにより、第一ガスの流出に伴う第一ガスと第二ガスとの燃焼を規制することができ、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の破損を抑制することができる。なお、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の直径は、数ミリから十数ミリ程度である。さらに、内側電極層33aの外壁面33a1と、筒部71bの内壁面71b2との間は、極めて狭い。そのため、第一導電性接着剤71e1およびガスシール材71fの充填作業は、容易でない。
そこで、図4Aに示すように、筒部71bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部であって底部71aと反対側の端部に、鍔部71b3が形成されていると好適である。鍔部71b3は、筒部71bより外側に開口している部位をいう。本実施形態では、鍔部71b3が形成されており、鍔部71b3が設けられていない場合と比べて、第一導電性接着剤71e1およびガスシール材71fの充填が容易である。また、鍔部71b3により、第一導電性接着剤71e1の充填量の調整も容易である。なお、第二導電性接着剤71e2および第三導電性接着剤71e3は、セル案内部71cによって、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)が案内される前に、予め塗布しておくと良い。
ガスシール材71fは、第一ガスの流出を抑制することができれば良く、限定されない。ガスシール材71fは、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化シリコン(シリカ)、酸化ホウ素などを主成分とする非晶質性のガラスシール材を用いることができる。非晶質性のガラスシール材は、最初の昇温時に軟化し、軟化した後にさらに昇温すると、固体酸化物形燃料電池スタック30の作動温度までに固相になる。非晶質性のガラスシール材は、固相後の昇温に対して、結晶性のガラスシール材と比べて、再び軟化し易い性質を備えている。そのため、非晶質性のガラスシール材は、結晶性のガラスシール材と比べて、柔軟なシール部材であり、緻密なガスシールが可能である。
図4Bに示すように、導出側キャップ72は、有底筒状に形成されている。本実施形態では、導出側キャップ72は、導入側キャップ71と同形状に形成されている。導出側キャップ72は、導入側キャップ71と同様の金属材で形成することができる。導出側キャップ72は、少なくとも底部72aと、セル案内部72cとを備えており、第一オフガスを回収して、図2に示す燃焼部60に導出する。後述するように、燃焼部60では、第一オフガスと第二オフガスとが燃焼する。本実施形態では、導出側キャップ72は、底部72aと、筒部72bと、セル案内部72cと、凹部72dと、導電性接着剤72eと、ガスシール材72fとを備えている。
底部72aは、導入側キャップ71の底部71aに対応する。筒部72bは、導入側キャップ71の筒部71bに対応する。セル案内部72cは、導入側キャップ71のセル案内部71cに対応する。凹部72dは、導入側キャップ71の凹部71dに対応する。導電性接着剤72eは、導入側キャップ71の導電性接着剤71eに対応する。ガスシール材72fは、導入側キャップ71のガスシール材71fに対応する。また、導出側キャップ72は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の他端側(矢印Z2方向側)の端部を覆うように設けられる。そのため、導出側キャップ72は、導入側キャップ71の説明において、「一端側(矢印Z1方向側)の端部」を「他端側(矢印Z2方向側)の端部」に読み替える。上述したことは、他の実施形態についても同様に言える。以下、導入側キャップ71と異なる点を中心に説明し、導入側キャップ71の説明と重複する説明を省略する。
導出側キャップ72は、図2に示す燃焼部60と、固体酸化物形燃料電池筒状セル33との間に配設される。そのため、図4Bに示すように、導出側キャップ72には、絶縁部材32が設けられていない。底部72aの外壁面72a1は、導入側キャップ71の底部71aの外壁面71a1に対応し、底部72aの内壁面72a2は、導入側キャップ71の底部71aの内壁面71a2に対応する。筒部72bの外壁面72b1は、導入側キャップ71の筒部71bの外壁面71b1に対応し、筒部72bの内壁面72b2は、導入側キャップ71の筒部71bの内壁面71b2に対応する。
セル案内部72cは、底部72aから固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(他端側(矢印Z2方向側)の端部)の内壁面に沿って設けられる。セル案内部72cは、セル端部キャップ70である導出側キャップ72内において、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(他端側(矢印Z2方向側)の端部)を案内する。本実施形態では、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、軸線AZ1方向(矢印Z方向)の他端側(矢印Z2方向側)の端部において、内側電極層33aが露出している。そのため、セル案内部72cは、底部72aから内側電極層33aの内壁面33a2に沿って設けられており、セル案内部72cは、内側電極層33aの内壁面33a2に沿って、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(他端側(矢印Z2方向側)の端部)を案内する。
また、セル案内部72cの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH11は、筒部72bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH12と同じに、または、筒部72bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH12と比べて低く設定されていると好適である。これにより、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、セル案内部71cについて既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
凹部72dは、底部72aから第一ガス流路33d側に凹むように、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1と同軸に形成されている。凹部72dを形成する壁面のうち、内側電極層33aの内壁面33a2と対向する壁面は、上述したセル案内部72cを構成している。また、凹部72dには、第一ガス流通孔72d1が設けられている。第一ガス流通孔72d1は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1と同軸に形成されており、第一オフガスが燃焼部60側に流出可能になっている。
導電性接着剤72eは、第一導電性接着剤72e1と、第二導電性接着剤72e2と、第三導電性接着剤72e3とを備えている。第一導電性接着剤72e1は、導入側キャップ71の第一導電性接着剤71e1に対応し、第二導電性接着剤72e2は、導入側キャップ71の第二導電性接着剤71e2に対応し、第三導電性接着剤72e3は、導入側キャップ71の第三導電性接着剤71e3に対応する。なお、導出側キャップ72では、第一外側空隙は、内側電極層33aの外壁面33a1と、筒部72bの内壁面72b2との間の空隙をいう。第一内側空隙は、内側電極層33aの内壁面33a2と、セル案内部72cとの間の空隙をいう。第一底部側空隙は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の他端側(矢印Z2方向側)の先端部33a3と、底部72aの内壁面72a2との間の空隙をいう。
第一導電性接着剤72e1が第一外側空隙に充填されることにより、第一外側空隙が消失して、内側電極層33aの外壁面33a1と、導出側キャップ72(筒部72bの内壁面72b2および底部72aの内壁面72a2)との間の導電性が確保される。第二導電性接着剤72e2が第一内側空隙に充填されることにより、第一内側空隙が消失して、内側電極層33aの内壁面33a2と、導出側キャップ72(セル案内部72cおよび底部72aの内壁面72a2)との間の導電性が確保される。第三導電性接着剤72e3が第一底部側空隙に充填されることにより、第一底部側空隙が消失して、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の他端側(矢印Z2方向側)の先端部33a3と、導出側キャップ72(底部72aの内壁面72a2)との間の導電性が確保される。
ガスシール材72fは、第一オフガスが第一ガス流通孔72d1以外の流路を流通して、導出側キャップ72の内部から外部に流出し、第二ガス(本実施形態では、酸化剤ガス)の雰囲気中に漏れ出すことを規制する。これにより、第一オフガスの流出に伴う第一オフガスと第二オフガスとの燃焼を規制することができ、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の破損を抑制することができる。また、図4Bに示すように、筒部72bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部であって底部72aと反対側の端部に、鍔部72b3が形成されていると好適である。鍔部72b3は、導入側キャップ71の鍔部71b3に対応する。これにより、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、鍔部71b3について既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
図2に示すように、導入側キャップ71は、絶縁部材32を介してベース部材31に固定されて、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33がベース部材31に立設されている。図4Aに示すように、絶縁部材32は、導入側キャップ71と当接する当接面32aが、導入側キャップ71の外形形状に合わせて形成されていると好適である。本実施形態では、導入側キャップ71は凹部71dを備えるので、絶縁部材32は、導入側キャップ71と当接する当接面32aが、導入側キャップ71の底部71aの外壁面71a1および凹部71dの外壁面の形状に合わせて形成されていると好適である。
具体的には、絶縁部材32は、キャップ側凸部32bを備えている。キャップ側凸部32bは、筒状に形成されており、キャップ側凸部32bの外壁面が、導入側キャップ71の凹部71dの外壁面の形状に合わせて形成されている。また、絶縁部材32(当接面32aおよびキャップ側凸部32bの外壁面)と、導入側キャップ71(底部71aの外壁面71a1および凹部71dの外壁面)との間は、シール部材31bによってシールされていると好適である。シール部材31bは、例えば、ガラス系のシール部材(例えば、アルミナ、シリカ等を主成分とする結晶化ガラスなど)を用いることができる。
また、絶縁部材32は、ベース部材側凸部32cを備えていると好適である。ベース部材側凸部32cは、筒状に形成されており、ベース部材31の貫通孔31aを通って、図2に示すアノードガスマニホールド36側に突出している。ベース部材31と当接する絶縁部材32の当接面32dと、ベース部材31との間は、上述したシール部材31bによってシールされていると好適である。また、絶縁部材32のベース部材側凸部32cと、ベース部材31の貫通孔31aとの間は、上述したシール部材31bによってシールされていると好適である。
なお、絶縁部材32には、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1と同軸に第一ガス誘導流路32eが設けられている。第一ガス誘導流路32eは、導入側キャップ71の凹部71dの第一ガス流通孔71d1と同形状に形成されている。第一ガス(本実施形態では、燃料)は、絶縁部材32の第一ガス誘導流路32eおよび導入側キャップ71の凹部71dの第一ガス流通孔71d1を通って供給され、第一ガス流路33dに導出されて、内側電極層33aに供給される。このように、本実施形態では、絶縁部材32は、当接面32aと、キャップ側凸部32bと、ベース部材側凸部32cと、当接面32dと、第一ガス誘導流路32eとを備えている。
複数の接続部材34は、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)を電気的に接続する。図5Aに示すように、複数の接続部材34の各々は、二つの第一接続部34a,34aと、第二接続部34bと、連結部34cとを備えている。二つの第一接続部34a,34aの各々は、薄肉の略筒状に形成されている。本実施形態では、二つの第一接続部34a,34aの各々は、薄肉の略円筒状に形成されている。図4Aに示すように、二つの第一接続部34a,34aのうちの一方は、導入側キャップ71の筒部71bの外壁面71b1と電気的に接続可能である。また、図4Bに示すように、二つの第一接続部34a,34aのうちの他方は、導出側キャップ72の筒部72bの外壁面72b1と電気的に接続可能である。
具体的には、図5Bに示すように、二つの第一接続部34a,34aの各々は、筒部34a1に切り欠け部34a2が設けられている。これにより、筒部34a1の開口部は、同図に示す矢印方向に拡張することができる。よって、二つの第一接続部34a,34aのうちの一方は、導入側キャップ71の筒部71bを把持するように、導入側キャップ71の外壁面71b1と電気的に接続することができる。同様に、二つの第一接続部34a,34aのうちの他方は、導出側キャップ72の筒部72bを把持するように、導出側キャップ72の外壁面72b1と電気的に接続することができる。
また、図4Aに示すように、第一接続部34aの筒部34a1の内径寸法は、導入側キャップ71の筒部71bの外径寸法より若干大きく形成されている。そのため、第一接続部34aの筒部34a1の内壁面と、筒部71bの外壁面71b1との間は、導電性接着剤34dによって固定されていると好適である。同様に、図4Bに示すように、第一接続部34aの筒部34a1の内径寸法は、導出側キャップ72の筒部72bの外径寸法より若干大きく形成されている。そのため、第一接続部34aの筒部34a1の内壁面と、筒部72bの外壁面72b1との間は、導電性接着剤34dによって固定されていると好適である。導電性接着剤34dは、既述した導電性接着剤71eおよび導電性接着剤72eと同様の導電性接着剤を用いることができる。
第二接続部34bは、薄肉の略筒状に形成されている。本実施形態では、第二接続部34bは、薄肉の略円筒状に形成されている。第二接続部34bは、二つの第一接続部34a,34aが装着される固体酸化物形燃料電池筒状セル33(キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)に隣り合う固体酸化物形燃料電池筒状セル33(キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)の外側電極層33cと電気的に接続可能である。具体的には、第二接続部34bは、筒部34b1に切り欠け部34b2が設けられている。これにより、筒部34b1の開口部は、図5Bに示す矢印方向に拡張することができる。よって、第二接続部34bは、二つの第一接続部34a,34aが装着される固体酸化物形燃料電池筒状セル33(キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)に隣り合う固体酸化物形燃料電池筒状セル33(キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)の外側電極層33cを把持するように、当該外側電極層33cと電気的に接続することができる。
図3および図6では、二つの第一接続部34a,34aが装着される固体酸化物形燃料電池筒状セル33(キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)に隣り合う固体酸化物形燃料電池筒状セル33(キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)の外側電極層33cのうち、第二接続部34bが接続される部位を外側電極層被接続部33c1で示している。また、図6に示すように、第二接続部34bの筒部34b1の内径寸法は、外側電極層被接続部33c1の外径寸法より若干大きく形成されている。そのため、第二接続部34bの筒部34b1の内壁面と、外側電極層被接続部33c1との間は、導電性接着剤34dによって固定されていると好適である。
図3に示すように、外側電極層33cの長手方向(矢印Z方向)において、一端側(矢印Z1方向側)の端部から外側電極層被接続部33c1に向かう方向に流れる電流経路を第一電流経路ic1とする。また、外側電極層33cの長手方向(矢印Z方向)において、他端側(矢印Z2方向側)の端部から外側電極層被接続部33c1に向かう方向に流れる電流経路を第二電流経路ic2とする。一般に、外側電極層33cは、薄肉に形成されており、発電によって生成された電流は、外側電極層33cの表層を流れる。そのため、電流経路が長くなる程、各固体酸化物形燃料電池筒状セル33の内部抵抗が増加して、発電性能が低下する可能性がある。
本実施形態では、連結部34cは、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)に沿って棒状に形成されており、二つの第一接続部34a,34aと、第二接続部34bと、を最短に連結して電気的に接続する。また、図5Aに示すように、第二接続部34bは、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)において、二つの第一接続部34a,34aの中間点に設けられている。そのため、外側電極層33cに流れる電流経路を第一電流経路ic1と第二電流経路ic2とに分散化することができ、各固体酸化物形燃料電池筒状セル33の内部抵抗の低減を図ることができ、発電性能の向上を図ることができる。
図2に示すように、一の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(一のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)と、当該固体酸化物形燃料電池筒状セル33(当該キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)に隣り合う二つの固体酸化物形燃料電池筒状セル33,33(二つのキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80,80)のうちの一方の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(一方のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)とは、接続部材34によって電気的に接続されている。同様に、一の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(一のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)と、当該固体酸化物形燃料電池筒状セル33(当該キャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)に隣り合う二つの固体酸化物形燃料電池筒状セル33,33(二つのキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80,80)のうちの他方の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(他方のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)とは、接続部材34によって電気的に接続されている。上述した接続が繰り返されることによって、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)が複数の接続部材34によって電気的に直列接続されている。なお、直列接続された複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)の両端の接続部は、バスバー接続部材38aを介してバスバー38bにそれぞれ接続されている。
図2に示すように、カバー35は、ベース部材31の上面に取り付けられている。カバー35は、箱状に形成されており、同図の下方に開口する開口部を備えている。カバー35とベース部材31との間に形成される密閉された空間R1には、固体酸化物形燃料電池スタック30と、蒸発部40と、改質部50とが収容されている。カバー35の開口部には、外方に向けて形成されているフランジ35aが設けられている。フランジ35aは、ベース部材31の上面に当接しており、ネジ35bによってベース部材31に、ねじ止め固定されている。カバー35の天井部には、一つまたは複数(本実施形態では、2つ)の排気口35c,35cが形成されており、燃焼排ガスが排気口35c,35cを通って排気される。
アノードガスマニホールド36は、ベース部材31の下面に取り付けられている。アノードガスマニホールド36は、箱状に形成されており、同図の上方に開口する開口部を備えている。アノードガスマニホールド36とベース部材31との間に形成される密閉された空間には、絶縁部材32のベース部材側凸部32cが突出している。アノードガスマニホールド36には、アノードガス供給管36cの一端側が接続されている。アノードガス供給管36cの他端側は、改質部50に接続されており、アノードガス供給管36cを介して、アノードガスが供給可能になっている。
カソードガスマニホールド37は、空間R1内に設けられている。カソードガスマニホールド37は、複数の絶縁部材32の各々の周囲に配設されている。カソードガスマニホールド37には、カソードガス(空気)を供給するカソードガス供給管37aが接続されている。カソードガスマニホールド37の上部には、複数の流出孔(図2にて矢印位置)が形成されており、複数の流出孔から上方に向けてカソードガス(空気)が流出可能になっている。
(蒸発部40)
蒸発部40は、固体酸化物形燃料電池スタック30の燃焼ガスにより加熱され、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに供給された改質用原料を予熱する。蒸発部40は、生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して改質部50に供給する。改質用原料として、例えば、天然ガス、LPガスなどの改質用気体原料が挙げられる。また、改質用原料として、例えば、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体原料が挙げられる。本実施形態では、改質用原料は、天然ガスを用いている。
蒸発部40には、改質用原料供給管11aの一端側が接続されている。改質用原料供給管11aの他端側は、供給源Gsに接続されている。蒸発部40には、改質用原料供給管11aを介して、供給源Gsから改質用原料が供給される。供給源Gsは、例えば、都市ガスのガス供給管、LPガスのガスボンベである。また、蒸発部40には、水供給管11bの一端側が接続されている。水供給管11bの他端側は、水タンク14に接続されている。蒸発部40には、水供給管11bを介して、水タンク14から改質水が供給される。
(改質部50)
改質部50は、上述した燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給される。これにより、改質部50は、蒸発部40から供給された水蒸気と、改質用原料の混合ガスとから燃料である改質ガスを生成する。改質部50内には、触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて、水素と一酸化炭素などを含んだガスが生成される(いわゆる水蒸気改質反応)。
これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は、既述のアノードガスであり、アノードガスマニホールド36を介して、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各内側電極層33aに導出される。より詳細には、アノードガスマニホールド36に供給された改質ガスは、絶縁部材32の第一ガス誘導流路32eおよび導入側キャップ71の凹部71dの第一ガス流通孔71d1を通って供給され、第一ガス流路33dに導出されて、内側電極層33aに供給される。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)、改質に使用されなかった改質水(水蒸気)を含んでいる。このように、改質部50は、改質用原料と改質水とから改質ガス(燃料)を生成して固体酸化物形燃料電池スタック30に供給する。なお、水蒸気改質反応は、吸熱反応である。
(燃焼部60)
燃焼部60は、固体酸化物形燃料電池スタック30と蒸発部40との間、および、固体酸化物形燃料電池スタック30と改質部50との間に設けられている。燃焼部60は、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々に装着された導出側キャップ72から排出される第一オフガスと、第二オフガスとが燃焼して、蒸発部40および改質部50を加熱する。
本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30によれば、セル端部キャップ70である導入側キャップ71は、底部71aから固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)の内壁面に沿って設けられるセル案内部71cを備える。そのため、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、導入側キャップ71内において固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)を案内することができ、導入側キャップ71内の所定位置に固体酸化物形燃料電池筒状セル33を配置することが容易である。上述したことは、セル端部キャップ70である導出側キャップ72についても同様に言える。
また、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30によれば、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、セル端部キャップ70である導入側キャップ71が装着される端部において、内側電極層33aが露出している。さらに、セル案内部71cは、内側電極層33aの内壁面33a2に沿って、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)を案内する。また、セル端部キャップ70である導入側キャップ71は、第一内側空隙と比べて、第一外側空隙が大きく設定されており、第一内側空隙および第一外側空隙には導電性接着剤71eが充填されている。そのため、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、セル案内部71cの案内誤差(固体酸化物形燃料電池筒状セル33の導入側キャップ71内における配置誤差)を抑制しつつ、固体酸化物形燃料電池筒状セル33と導入側キャップ71との間の導電性を確保することができる。上述したことは、セル端部キャップ70である導出側キャップ72についても同様に言える。
さらに、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30によれば、セル案内部71cの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH11は、筒部71bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH12と比べて低く設定されている。そのため、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、セル案内部71cが必要以上に第一ガス流路33d内に進入して内側電極層33aの内壁面33a2を覆ってしまうことを抑制することができ、固体酸化物形燃料電池筒状セル33への第一ガスの供給を確保することができる。よって、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、セル案内部71cの案内誤差(固体酸化物形燃料電池筒状セル33の導入側キャップ71内における配置誤差)の抑制と、発電効率の確保との両立を図ることができる。上述したことは、セル案内部71cの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH11が、筒部71bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH12と同じに設定されている場合についても同様に言える。また、上述したことは、セル端部キャップ70である導出側キャップ72についても同様に言える。
また、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30によれば、セル端部キャップ70である導入側キャップ71は、鍔部71b3を備える。そのため、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、鍔部71b3が設けられていない場合と比べて、導電性接着剤71eなどの充填が容易である。上述したことは、セル端部キャップ70である導出側キャップ72についても同様に言える。
さらに、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30によれば、セル端部キャップ70は、導入側キャップ71を少なくとも含んでいる。また、セル端部キャップ70である導入側キャップ71は、絶縁部材32を介してベース部材31に固定されて、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33がベース部材31に立設されている。さらに、絶縁部材32は、導入側キャップ71と当接する当接面32aが、導入側キャップ71の外形形状に合わせて形成されている。そのため、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、ベース部材31と、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)との間の電気的な絶縁を確保することが容易である。また、絶縁部材32は、導入側キャップ71と当接する当接面32aが、導入側キャップ71の外形形状に合わせて形成されているので、導入側キャップ71を絶縁部材32の当接面32aに当接させることにより、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33(複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80)のベース部材31に対する位置決めが容易である。
また、本実施形態の固体酸化物形燃料電池モジュール11は、上記固体酸化物形燃料電池スタック30、蒸発部40および改質部50を備えている固体酸化物形燃料電池モジュール11において、上述した固体酸化物形燃料電池スタック30に係る作用効果を得ることができる。さらに、本実施形態の固体酸化物形燃料電池システム1は、上記固体酸化物形燃料電池モジュール11、熱交換器12、電力変換装置13、水タンク14および制御装置15を備えている発電ユニット10と、貯湯槽21とを備えている固体酸化物形燃料電池システム1において、上述した固体酸化物形燃料電池スタック30に係る作用効果を得ることができる。
<第二実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と比べて、主に、導入側キャップ71のセル案内部71cおよび導出側キャップ72のセル案内部72cが異なる。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、図面は、第一実施形態と共通する箇所には共通の符号を付して記載されており、本明細書では、重複する説明が省略されている。上述したことは、第三実施形態以降についても同様である。
図7Aに示すように、導入側キャップ71は、少なくとも底部71aと、セル案内部71cとを備えており、第一ガス流路33dに第一ガス(本実施形態では、燃料)を導入する。本実施形態においても、導入側キャップ71は、底部71aと、筒部71bと、セル案内部71cと、凹部71dと、導電性接着剤71eと、ガスシール材71fとを備えている。但し、本実施形態では、セル案内部71cは、底部71aから固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)の外壁面に沿って設けられる。セル案内部71cは、セル端部キャップ70である導入側キャップ71内において、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)を案内する。
本実施形態においても、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の端部において、内側電極層33aが露出している。但し、本実施形態では、セル案内部71cは、底部71aから内側電極層33aの外壁面33a1に沿って設けられており、内側電極層33aの外壁面33a1に沿って、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)を案内する。また、セル案内部71cは、内側電極層33aの露出部を外側から覆う筒部71bの内壁面71b2を構成している。
第一実施形態と同様に、導電性接着剤71eは、第一導電性接着剤71e1と、第二導電性接着剤71e2と、第三導電性接着剤71e3とを備えている。但し、本実施形態では、第一導電性接着剤71e1は、第二外側空隙に充填される。第二外側空隙は、内側電極層33aの外壁面33a1と、セル案内部71cとの間の空隙をいう。第二導電性接着剤71e2は、第二内側空隙に充填される。第二内側空隙は、内側電極層33aの内壁面33a2と、凹部71dを形成する壁面のうちの内側電極層33aの内壁面33a2と対向する壁面との間の空隙をいう。図7Aに示すように、第二外側空隙と比べて、第二内側空隙が大きく設定されていると好適である。第三導電性接着剤71e3は、第一実施形態と同様に、第一底部側空隙に充填される。本実施形態では、第二外側空隙および第一底部側空隙は、第二内側空隙と比べて、極めて小さく設定されている。
第一導電性接着剤71e1が第二外側空隙に充填されることにより、第二外側空隙が消失して、内側電極層33aの外壁面33a1と、導入側キャップ71(セル案内部71cおよび底部71aの内壁面71a2)との間の導電性が確保される。第二導電性接着剤71e2が第二内側空隙に充填されることにより、第二内側空隙が消失して、内側電極層33aの内壁面33a2と、導入側キャップ71(凹部71dを形成する壁面のうちの内側電極層33aの内壁面33a2と対向する壁面および底部71aの内壁面71a2)との間の導電性が確保される。第三導電性接着剤71e3が第一底部側空隙に充填されることにより、第一底部側空隙が消失して、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の先端部33a3と、導入側キャップ71(底部71aの内壁面71a2)との間の導電性が確保される。図7Bに示すように、導入側キャップ71について上述したことは、導出側キャップ72についても同様に言える。
本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30によれば、セル端部キャップ70である導入側キャップ71は、底部71aから固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)の外壁面に沿って設けられるセル案内部71cを備える。そのため、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、導入側キャップ71内において固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)を案内することができ、導入側キャップ71内の所定位置に固体酸化物形燃料電池筒状セル33を配置することが容易である。上述したことは、セル端部キャップ70である導出側キャップ72についても同様に言える。
また、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30によれば、複数の固体酸化物形燃料電池筒状セル33の各々は、セル端部キャップ70である導入側キャップ71が装着される端部において、内側電極層33aが露出している。さらに、セル案内部71cは、内側電極層33aの外壁面33a1に沿って、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の端部(一端側(矢印Z1方向側)の端部)を案内し、内側電極層33aの露出部を外側から覆う筒部71bの内壁面71b2を構成している。また、セル端部キャップ70である導入側キャップ71は、第二外側空隙と比べて、第二内側空隙が大きく設定されており、第二内側空隙および第二外側空隙には導電性接着剤71eが充填されている。そのため、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30は、セル案内部71cの案内誤差(固体酸化物形燃料電池筒状セル33の導入側キャップ71内における配置誤差)を抑制しつつ、固体酸化物形燃料電池筒状セル33と導入側キャップ71との間の導電性を確保することができる。上述したことは、セル端部キャップ70である導出側キャップ72についても同様に言える。
さらに、導入側キャップ71は、第一実施形態と同様の鍔部71b3を備え、導出側キャップ72は、第一実施形態と同様の鍔部72b3を備えている。また、固体酸化物形燃料電池スタック30は、第一実施形態と同様の絶縁部材32を備えている。さらに、第一実施形態と同様の固体酸化物形燃料電池モジュール11および固体酸化物形燃料電池システム1が構成されている。そのため、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック30、固体酸化物形燃料電池モジュール11および固体酸化物形燃料電池システム1は、第一実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、セル案内部71cは、筒部71bの内壁面71b2を構成するので、セル案内部71cの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH21は、第一実施形態で既述した筒部71bの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH12と略同じになる。そのため、セル案内部71c(筒部71bの内壁面71b2)が必要以上に内側電極層33aの外壁面33a1を覆ってしまわないように、セル案内部71cの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH21を設定すると良い。上述したことは、凹部71dの軸線AZ1方向(矢印Z方向)の高さH22についても同様に言える。また、上述したことは、導出側キャップ72についても同様に言える。
<第三実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と比べて、主に、導入側キャップ71が連通口部71gを備え、導出側キャップ72が連通口部72gを備える点で異なる。
図8Aに示すように、導入側キャップ71は、底部71aと、筒部71bと、セル案内部71cと、凹部71dと、導電性接着剤71eと、ガスシール材71fと、連通口部71gとを備えている。連通口部71gは、筒状に形成されている。本実施形態では、連通口部71gは、円筒状に形成されている。連通口部71gは、底部71aから絶縁部材32側に突出するように、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1と同軸に形成されている。
図8Bに示すように、導入側キャップ71について上述したことは、導出側キャップ72についても同様に言える。但し、導出側キャップ72の連通口部72gは、燃焼部60側に突出するように、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1と同軸に形成されている。なお、導出側キャップ72の連通口部72gは、省略することもできる。この場合、導出側キャップ72は、第一実施形態と同じになる。
本実施形態においても、絶縁部材32は、導入側キャップ71と当接する当接面32aが、導入側キャップ71の外形形状に合わせて形成されていると好適である。本実施形態では、導入側キャップ71は、凹部71dおよび連通口部71gを備えるので、絶縁部材32は、導入側キャップ71と当接する当接面32aが、導入側キャップ71の底部71aの外壁面71a1、凹部71dの外壁面および連通口部71gの外壁面の形状に合わせて形成されていると好適である。
本実施形態では、絶縁部材32は、当接面32aと、キャップ側凸部32bと、ベース部材側凸部32cと、当接面32dと、第一ガス誘導流路32eと、キャップ側凹部32fとを備えている。当接面32a、キャップ側凸部32b、ベース部材側凸部32c、当接面32dおよび第一ガス誘導流路32eは、第一実施形態と同様である。キャップ側凹部32fは、連通口部71gの形状に合わせて溝状に形成されており、連通口部71gを収容可能になっている。なお、絶縁部材32(当接面32a、キャップ側凸部32bの外壁面およびキャップ側凹部32fの外壁面)と、導入側キャップ71(底部71aの外壁面71a1、凹部71dの外壁面および連通口部71gの外壁面)との間は、シール部材31bによってシールされている。
本実施形態においても、固体酸化物形燃料電池スタック30、固体酸化物形燃料電池モジュール11および固体酸化物形燃料電池システム1は、第一実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、上述したことは、第二実施形態についても、同様に適用することができる。
<第四実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と比べて、主に、導入側キャップ71が凹部71dの代わりに連通口部71gを備え、導出側キャップ72が凹部72dの代わりに連通口部72gを備える点で異なる。
図9Aに示すように、導入側キャップ71は、底部71aと、筒部71bと、セル案内部71cと、導電性接着剤71eと、ガスシール材71fと、連通口部71gとを備えている。連通口部71gは、第三実施形態と同様である。また、図9Bに示すように、導入側キャップ71について上述したことは、導出側キャップ72についても同様に言える。なお、導出側キャップ72の連通口部72gは、省略することもできる。
本実施形態においても、絶縁部材32は、導入側キャップ71と当接する当接面32aが、導入側キャップ71の外形形状に合わせて形成されていると好適である。本実施形態では、導入側キャップ71は、凹部71dの代わりに連通口部71gを備えるので、絶縁部材32は、導入側キャップ71と当接する当接面32aが、導入側キャップ71の底部71aの外壁面71a1および連通口部71gの外壁面の形状に合わせて形成されていると好適である。
本実施形態では、絶縁部材32は、当接面32aと、ベース部材側凸部32cと、当接面32dと、第一ガス誘導流路32eと、キャップ側凹部32fとを備えている。つまり、絶縁部材32は、第一実施形態と比べて、キャップ側凸部32bを備えておらず、キャップ側凹部32fを備えている。キャップ側凹部32fは、第三実施形態と同様である。なお、絶縁部材32(当接面32aおよびキャップ側凹部32fの外壁面)と、導入側キャップ71(底部71aの外壁面71a1および連通口部71gの外壁面)との間は、シール部材31bによってシールされている。
本実施形態においても、固体酸化物形燃料電池スタック30、固体酸化物形燃料電池モジュール11および固体酸化物形燃料電池システム1は、第一実施形態で既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、上述したことは、第二実施形態についても、同様に適用することができる。
<その他>
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。例えば、第一ガスを酸化剤ガスとし、第二ガスを燃料とすることもできる。この場合、セル端部キャップ70である導入側キャップ71は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33に酸化剤ガスを供給し、セル端部キャップ70である導出側キャップ72は、発電に使用されなかった酸化剤ガスを燃焼部60に導出することができる。
また、図10に示すように、絶縁部材32は、導入側キャップ71の径方向外側から導入側キャップ71および第一接続部34aを覆うように形成することもできる。さらに、図11に示すように、複数(同図では、3つ)のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80は、電気的に並列接続することもできる。この場合、複数の接続部材34は、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の一端側(矢印Z1方向側)の第一接続部34a同士が連結部34cによって最短に電気的に接続されており、固体酸化物形燃料電池筒状セル33の軸線AZ1方向(矢印Z方向)の他端側(矢印Z2方向側)の第一接続部34a同士が連結部34cによって最短に電気的に接続されている。また、複数の接続部材34は、第二接続部34b同士が連結部34cによって最短に電気的に接続されている。さらに、複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80は、直列接続および並列接続の両方で、電気的に接続することもできる。例えば、複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80のうちの一部のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80を電気的に直列接続し、複数のキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80のうちの残りのキャップ付き固体酸化物形燃料電池筒状セル80を電気的に並列接続することもできる。