JP2018074720A - 電圧変換装置、電圧変換回路の降圧制御方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】LC共振を用いて所謂ソフトスイッチングを行う場合、共振電流にゼロクロス点が存在しない場合であってもスイッチング素子の損失を低減することが可能な電圧変換装置、電圧変換回路の降圧制御方法及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】電圧変換装置が備える制御部は、高圧側スイッチング素子をオンして第1インダクタ及びキャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させ、前記共振電流が極小となるタイミングを算出し、算出したタイミングで前記高圧側スイッチング素子をオフして低圧側スイッチング素子又はキャパシタに第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させ、該第2モードでの動作後に高圧側スイッチング素子をオンして第1モードへ移行させる。【選択図】図1
Description
本発明は、直流電圧を電圧変換する電圧変換装置、電圧変換回路の降圧制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
直流電圧を昇降圧するDC−DCコンバータ(以下、単にコンバータという)が車載機器や産業用機器の電源として広く用いられている。電源の小型化の要請に応えて容積が小さいインダクタ、キャパシタ等の受動部品を利用可能にするために、コンバータの動作周波数は引き上げられる傾向にある。一方で、動作周波数が高いほどインダクタに流れる電流をスイッチングするスイッチング素子のスイッチング損失が増大するという別の問題が顕著になる。
これに対し、特許文献1には、入力電圧をスイッチングするトランジスタ(スイッチング素子)に直列接続された共振用リアクトル(インダクタ)と共振用コンデンサ(キャパシタ)とで構成された共振回路に流れる共振電流が0以下になる時点でトランジスタをオンからオフに切り替える降圧型のコンバータが開示されている。このようなゼロ電流スイッチングを行うことにより、インダクタに流れる電流をスイッチングするトランジスタのスイッチング損失が低減される。
特許文献1に開示されたコンバータは、トランジスタのオン時点から、共振用リアクトルにゼロ以上の共振電流iが流れている時間To=Tn・(1+Zn・Io/Vi)/2が経過した時点でトランジスタをオンからオフに切り替える構成が基本になっている。また、共振電流iが所定電流以下となった時点から、共振電流iが確実にゼロ以下になる所定時間後にトランジスタをオンからオフに切り替える構成等も開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されたコンバータは、共振電流iがゼロ以下になる期間が存在してゼロクロス点が存在することを前提としており、例えば出力電流が増大して共振電流iのゼロクロス点が存在しなくなる場合に、トランジスタのスイッチング損失を低減できるものではなかった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、LC共振を用いて所謂ソフトスイッチングを行う場合、共振電流にゼロクロス点が存在しない場合であってもスイッチング素子の損失を低減することが可能な電圧変換装置、電圧変換回路の降圧制御方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る電圧変換装置は、第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフして前記電圧変換回路に降圧変換させる制御部を備える電圧変換装置であって、前記制御部は、前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させ、前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出し、算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させ、該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させる。
本発明の一態様に係る電圧変換回路の降圧制御方法は、第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフする制御部を備える電圧変換装置における前記制御部で前記電圧変換回路に降圧変換させる制御方法であって、前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させ、前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出し、算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させ、該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させる。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフする制御部を備える電圧変換装置における前記制御部で前記電圧変換回路に降圧変換させるためのコンピュータプログラムであって、前記制御部に、前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させるステップと、前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出するステップと、算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させるステップと、該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させるステップとを実行させる。
なお、本願は、このような特徴的な処理部及びステップを夫々備える電圧変換装置、及び電圧変換回路の降圧制御方法として実現したり、かかる特徴的な処理部に対応するステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができるだけでなく、電圧変換装置の一部又は全部を半導体集積回路として実現したり、電圧変換装置を含むその他のシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、LC共振を用いて所謂ソフトスイッチングを行う場合、共振電流にゼロクロス点が存在しない場合であってもスイッチング素子の損失を低減することが可能となる。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本発明の一態様に係る電圧変換装置は、第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフして前記電圧変換回路に降圧変換させる制御部を備える電圧変換装置であって、前記制御部は、前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させ、前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出し、算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させ、該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させる。
(4)本発明の一態様に係る電圧変換回路の降圧制御方法は、第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフする制御部を備える電圧変換装置における前記制御部で前記電圧変換回路に降圧変換させる制御方法であって、前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させ、前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出し、算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させ、該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させる。
(5)本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフする制御部を備える電圧変換装置における前記制御部で前記電圧変換回路に降圧変換させるためのコンピュータプログラムであって、前記制御部に、前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させるステップと、前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出するステップと、算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させるステップと、該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させるステップとを実行させる。
本態様にあっては、電圧変換回路にて、高圧側スイッチング素子と、第1インダクタと、両端にキャパシタが接続された低圧側スイッチング素子とがこの順序で接続されており、第1インダクタ及び低圧側スイッチング素子の接続点に第2インダクタの一端が接続されている。制御部が高圧側スイッチング素子をオン/オフすることにより、電圧変換回路の高圧側に入力された電圧が降圧されて低圧側に出力される。
制御部は、電圧変換回路について、低圧側スイッチング素子をオフした状態で高圧側スイッチング素子をオンして第1インダクタ及びキャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させる。第1モードでは、共振電流がキャパシタに流入してキャパシタの電圧が上昇し始め、第2インダクタにエネルギーが蓄積される。その後、共振電流が反転してキャパシタの電圧が低下し始め、高圧側スイッチング素子の電流が減少する。
制御部は、第1モードにて高圧側スイッチング素子に流れる共振電流が極小となるであろう時刻を算出し、算出した時刻で高圧側スイッチング素子をオフして低圧側スイッチング素子又はキャパシタに第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させる。その後、制御部は、第2モードにて高圧側スイッチング素子をオンして第1モードへ移行させる。高圧側スイッチング素子に流れる共振電流が極小となった時、又は高圧側スイッチング素子の電圧が0Vに近い時に高圧側スイッチング素子がオフするので、高圧側スイッチング素子がオフするときの電圧×電流で表されるスイッチング損失が低減される。
(2)前記制御部は、以下の式に基づいて前記共振電流が極小となるまでの時間を算出することが好ましい。
Tmi=(Lr1/Vi){Io−Vi(1−D)D/(2Lr2fs)}
+(3/4)Tr
但し、
Tmi:前記共振電流が極小となるまでの時間
Lr1:前記第1インダクタのインダクタンス
Vi:前記電圧変換回路の入力電圧
Io:前記電圧変換回路の出力電流
D:前記高圧側スイッチング素子の目標のデューティ比
Lr2:前記第2インダクタのインダクタンス(Lr2>>Lr1)
fs:前記高圧側スイッチング素子のスイッチング周波数
Tr:2π√(Lr1Cr1)
Cr1:前記キャパシタのキャパシタンス
Tmi=(Lr1/Vi){Io−Vi(1−D)D/(2Lr2fs)}
+(3/4)Tr
但し、
Tmi:前記共振電流が極小となるまでの時間
Lr1:前記第1インダクタのインダクタンス
Vi:前記電圧変換回路の入力電圧
Io:前記電圧変換回路の出力電流
D:前記高圧側スイッチング素子の目標のデューティ比
Lr2:前記第2インダクタのインダクタンス(Lr2>>Lr1)
fs:前記高圧側スイッチング素子のスイッチング周波数
Tr:2π√(Lr1Cr1)
Cr1:前記キャパシタのキャパシタンス
本態様にあっては、高圧側スイッチング素子をオンしてから上記共振電流が極小となるまでの時間が式に基づいて算出される。
(3)前記制御部は、前記低圧側スイッチング素子の電圧を検出するようにしてあり、前記第2モードで前記低圧側スイッチング素子の電圧が所定の電圧閾値より低い場合、前記低圧側スイッチング素子をオンし、該低圧側スイッチング素子をオフした後に前記高圧側スイッチング素子をオンすることが好ましい。
本態様にあっては、制御部は、第2モードにおける低圧側スイッチング素子の電圧が所定の電圧閾値より低くなった場合、低圧側スイッチング素子をオンし、第1モードに移行させるために高圧側スイッチング素子をオンする前に低圧側スイッチング素子をオフする。低圧側スイッチング素子の電圧が比較的低い場合に低圧側スイッチング素子がオンするので、低圧側スイッチング素子がオンするときの電圧×電流で表されるスイッチング損失が低減される。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る電圧変換装置、電圧変換回路の降圧制御方法及びコンピュータプログラムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
本発明の実施形態に係る電圧変換装置、電圧変換回路の降圧制御方法及びコンピュータプログラムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る電圧変換装置の構成例を示すブロック図である。電圧変換装置は、電圧変換回路1と、該電圧変換回路1による電圧の変換を制御する制御部5とを備える。電圧変換回路1は、高圧側の端子H,Gから供給された電圧を降圧して低圧側の端子L,Gから並列に出力する。端子H,G間にはキャパシタ41が接続されており、例えばリチウムイオン電池等の比較的高圧のバッテリが外部に接続される。端子L,G間にはキャパシタ42が接続されており、例えば鉛蓄電池等の比較的低圧のバッテリが外部に接続される。電圧変換装置は、端子L,Gから供給された電圧を昇圧して端子H,Gから並列に出力する昇圧動作が可能である。
図1は、実施形態に係る電圧変換装置の構成例を示すブロック図である。電圧変換装置は、電圧変換回路1と、該電圧変換回路1による電圧の変換を制御する制御部5とを備える。電圧変換回路1は、高圧側の端子H,Gから供給された電圧を降圧して低圧側の端子L,Gから並列に出力する。端子H,G間にはキャパシタ41が接続されており、例えばリチウムイオン電池等の比較的高圧のバッテリが外部に接続される。端子L,G間にはキャパシタ42が接続されており、例えば鉛蓄電池等の比較的低圧のバッテリが外部に接続される。電圧変換装置は、端子L,Gから供給された電圧を昇圧して端子H,Gから並列に出力する昇圧動作が可能である。
電圧変換回路1は、第1インダクタL1と、該第1インダクタL1を介して端子H,G間に直列に接続された高圧側スイッチング素子Q1及び低圧側スイッチング素子Q2(以下、高圧側及び低圧側スイッチング素子を単にSW素子ともいう)と、第1インダクタL1及びSW素子Q2の接続点に一端が接続された第2インダクタL2(以下、第1及び第2インダクタを単にインダクタという)と、SW素子Q2の両端に接続されたキャパシタC1とを有する。インダクタL2は、他端が端子Lに接続されている。SW素子Q2をアノードが端子Gに接続されたダイオードに置き換えてもよい。
SW素子Q1は、ドレインが端子Hに接続されており、ゲートが制御部5に接続されている。SW素子Q2は、ソースが端子Gに接続されており、ゲートが制御部5に接続されている。ここでのSW素子は、Nチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるが、これに限定されるものではなく、例えばバイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の他のスイッチング素子であってもよい。
電圧変換回路1は、更に、SW素子Q1及びインダクタL1の接続点にドレインが接続されたSW素子Q3と、出力電流を検出する電流センサA1とを有する。SW素子Q3は、ソースが端子Gに接続されており、ゲートが制御部5に接続されている。電流センサA1の検出端子は、制御部5に接続されている。本実施形態では、SW素子Q3をアノードが端子Gに接続されたダイオードに置き換えてもよい。
制御部5は、不図示のCPU(Central Processing Unit)を有し、例えば予めROM(Read Only Memory)に記憶された制御プログラムに従って各部の動作を制御すると共に、入出力、演算等の処理を行う。CPUによる各処理の手順を定めたコンピュータプログラムを、不図示の手段を用いて予めRAM(Random Access Memory)にロードし、ロードされたコンピュータプログラムをCPUで実行するようにしてもよいし、制御部5を専用のハードウェア回路で構成してもよい。
制御部5は、SW素子Q1を適時オン/オフする。制御部5は、また、キャパシタC1の電圧(即ち、SW素子Q2のドレインの電圧)を検出し、これらの検出結果に基づいて、SW素子Q2を適時オン/オフする。制御部5は、更に、電流センサA1の検出結果を取り込んで、後述する転流期間の長さの算出に用いる。
図2は、電圧変換回路1の降圧動作時における各部の波形の一例を示すタイミングチャートである。図2に示す5つのタイミングチャートは、何れも同一の時間軸(t)を横軸にしてあり、図の上段から順に、SW素子Q1、インダクタL1、キャパシタC1、SW素子Q2及びインダクタL2の電圧波形及び電流波形を示す。図中の太い実線は電圧を示し、細い実線は電流を示す。特にSW素子Q1及びQ2については、ゲートに印加される制御電圧を破線で示してある。本実施形態では、端子Hから端子Lに向かう方向を、インダクタL1、インダクタL2及びSW素子Q1の電流の向きとする。また、インダクタL2の一端から端子Gに向かう方向をキャパシタC1の電流の向きとし、その逆方向をSW素子Q2の電流の向きとする。
以下では、図2に示す状態D1からD4における電圧変換回路1の降圧動作について状態毎に説明する。状態D1からD4までが、1つのスイッチング周期に相当する。なお、図3から図6までの説明図では、SW素子Q3の図示を省略する。図3は、電圧変換回路1の降圧動作における状態D1の一例を示す説明図である。状態D1は第1モードに対応する。制御部5は、SW素子Q2をオフした状態でSW素子Q1をオンすることにより、電圧変換回路1を、インダクタL1及びキャパシタC1に正弦波状の共振電流を流す第1モードで動作させる。第1モードでは、端子HからSW素子Q1及びインダクタL1を介して電流が流入し、インダクタL2を介して端子Lから電流が流出する。
図3に示す状態D1では、正弦波状に上昇するキャパシタC1の電圧が端子H,G間の電圧より低い間、インダクタL1の電流が正弦波状に増加し続け、キャパシタC1の電圧が端子H,G間の電圧より高くなった後は、インダクタL1の電流が減少に転じる。この間、インダクタL1の電圧は正弦波状に低下し続ける。状態D1の間、キャパシタC1の電圧は時間の経過と共に上昇し続ける。
図4は、電圧変換回路1の降圧動作における状態D2の一例を示す説明図である。状態D2も第1モードに対応する。図3に示す状態D1でキャパシタC1に流れる共振電流の向きが逆転して、キャパシタC1の電圧が上昇から低下に転じた場合、電圧変換回路1が状態D2となる。状態D2では、キャパシタC1の放電電流がインダクタL2を介して端子L側に流れる。キャパシタC1の電圧が端子H,G間の電圧より高い間は、インダクタL1の電流が減少し続ける。
図5は、電圧変換回路1の降圧動作における状態D3の一例を示す説明図である。状態D3は第2モードに対応する。図4に示す状態D2において、SW素子Q1及びインダクタL1に流れる正弦波状の電流が極小になるか又は電流の向きが逆転して寄生ダイオードに電流が流れた場合、制御部5がSW素子Q1をオフすることにより、電圧変換回路1が状態D3となる。これにより、SW素子Q1の電流が極小である時に、又はSW素子Q1の電圧が0Vに近い間にSW素子Q1がオフするため、SW素子Q1のスイッチング損失が低減される。状態D3では、当初、インダクタL2の還流電流がキャパシタC1に流れる。
状態D2でインダクタL1の電流がゼロに近い電流になる前に制御部5がSW素子Q1をオフした場合、インダクタL1にサージ電圧が発生することがある。一方、本実施形態ではSW素子Q1及びインダクタL1の接続点と端子Gとの間にSW素子Q3が接続されている。このため、SW素子Q1がオフする前にインダクタL1に流れていた電流は、引き続きSW素子Q3の寄生ダイオードに流れてサージ電圧が抑制される。制御部5は、SW素子Q1をオフしたときから適宜の時点までSW素子Q3を積極的にオンしてもよい。
図6は、電圧変換回路1の降圧動作における状態D4の一例を示す説明図である。図5に示す状態D3において、キャパシタC1及びSW素子Q2の電圧が所定の電圧閾値より低くなった後に、制御部5がSW素子Q2をオンすることにより、電圧変換回路1が状態D4となる。状態D4も第2モードに対応する。これにより、インダクタL2の還流電流が、オン抵抗の低いSW素子Q2に流れる。また、SW素子Q2の電圧が比較的低い間にSW素子Q2がオンするため、SW素子Q2のスイッチング損失が低減される。
状態D4で端子H,Gからの入力電圧に対する端子L,Gへの出力電圧の降圧比に応じた適宜の時間が経過した場合、制御部5がSW素子Q2をオフした後にSW素子Q1をオンすることにより、電圧変換回路1が図3に示す状態D1となる。このようにして、状態D1からD4までの状態遷移が繰り返される。
次に、上述の状態D1及びD2と、その前後における電圧変換回路1の動作について、より詳細に説明する。図7は、電圧変換回路1が状態D4を抜けてから状態D1,D2を経て状態D3に切り替わるまでの各部の波形を模式的に示すタイミングチャートである。図7に示す5つのタイミングチャートは、何れも同一の時間軸(t)を横軸にしてあり、図の上段から順に、SW素子Q1のオン期間、SW素子Q1の実効的なオン期間、SW素子Q1の電流、SW素子Q2の電流(寄生ダイオードの電流を含む)、及びインダクタL2の電流を示す。縦軸のスケールは必ずしも同一ではない。特にSW素子Q1の電流については、出力電流Ioが比較的大きい場合及び小さい場合の夫々を実線及び一点鎖線で示す。Ioは電圧変換回路1の出力電流の平均値である。ΔIは出力電流に含まれるリップル電流の振幅である。時刻t1からt3までの時間がSW素子Q1のオン時間Tmiである。
図7の横軸に示す時刻t1からt3までの期間が、電圧変換回路1の状態D1及びD2に対応し、時刻t3以降の期間が状態D3及びD4に対応する。状態D1からD2,D3,D4を経て次のスイッチング周期の状態D1に至るまでの期間が、現在のスイッチング周期に相当する。時刻t1より前の時刻t0からt1までの間は、1つ前のスイッチング周期の状態D4からD1に至るまでの過渡的な状態を表す。この間は、制御部5がSW素子Q2を既にオフしていてもよいし、時刻t1の直前までオンし続けていてもよい。SW素子Q2がオフされている場合、上述の図6でSW素子Q2のソースからドレインに流れていたインダクタL2の電流、即ち還流電流は、SW素子Q2の寄生ダイオードに流れる。インダクタL2の電流は、時刻t0からt1までの間、緩やかに減少する。
上記の過渡的な状態におけるSW素子Q2の電圧の絶対値は、SW素子Q2のオン電圧又は寄生ダイオードのオン電圧である。つまり、時刻t0からt1までのSW素子Q2の電圧の絶対値は実質的に0Vとみなせるから、時刻t1で制御部5がSW素子Q1をオンすることによって電圧変換回路1が状態D1に遷移した場合、SW素子Q1及びインダクタL1には傾きがdI/dt=Vi/Lr1の電流が流れる。但し、Viは端子H,G間の入力電圧であり、Lr1はインダクタL1のインダクタンスである。
SW素子Q2に流れていたインダクタL2の還流電流が、時刻t1でSW素子Q1及びインダクタL1に流れ始めた上記傾きの電流に漸次置き換わることにより、SW素子Q2の電流は、時刻t1からt2までの間、直線的に減少して時刻t2でゼロとなる。この結果、時刻t1からt2までの間、インダクタL2の電流は、時刻t0からt1まで流れていた電流と同等の傾きで緩やかに減少する。時刻t1からt2までの間は、インダクタL2の還流電流がSW素子Q2からSW素子Q1に転流する転流期間に相当し、インダクタL2の電流が依然として減少し続けるため、この間の時間Tiは、電圧変換回路1の降圧比を決定付けるデューティ比に寄与しない。従って、SW素子Q1の実効的なオン時間は、時刻t2からt3までの時間Tonとなる。
上記の転流期間の後、時刻t2からt3までの間、SW素子Q1を介してインダクタL1及びキャパシタC1に正弦波状の共振電流が流れる。インダクタL1の電流、即ちSW素子Q1の電流は、実線で示す場合に時刻t3で極小となり、一点鎖線で示す場合に時刻t3より前の時刻taでゼロとなる。何れの場合も時刻t3でSW素子Q1がオフされる。SW素子Q1がオンである間、インダクタL2にエネルギーが注入されてインダクタL2の電流がΔIだけ増加する。その後、次のスイッチング周期の状態D1に至るまでの間に、インダクタL2の電流がΔIだけ減少する。
なお、図7では、時刻t3以降もSW素子Q1をオンし続けたと仮定した場合のSW素子Q1の電流を破線で示してある。この場合、SW素子Q1の電流が時刻t2の時と同じ電流になる時刻をt4とすると、時刻t2からt4までの時間が共振周期Trに相当し、時刻t2からt3までの時間、即ちSW素子Q1の実効的なオン時間Tonが共振周期Trの3/4に相当する。共振周期Trは、以下の式(1)で表される。
Tr=2π√(Lr1/Cr1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
但し、
Lr1:インダクタL1のインダクタンス
Cr1:キャパシタC1のキャパシタンス
但し、
Lr1:インダクタL1のインダクタンス
Cr1:キャパシタC1のキャパシタンス
一点鎖線で示されるSW素子Q1の電流がゼロ以下となるのは時刻taからtbまでの間であり、この間のどの時点でSW素子Q1をオフしてもSW素子Q1の損失は実質的にゼロとなる。よって、本実施形態では、出力電流Ioの大小に関わらず、SW素子Q1に流れる共振電流が極小となる時刻t3でSW素子Q1をオフする。
上述したように、時刻t1からt2までの間、SW素子Q1には傾きがdI/dt=Vi/Lr1の電流が流れる。そして、時刻t2におけるSW素子Q1の電流It2(一点鎖線で示される場合は「It2」より少ない「(It2)」であるが、以下では何れの場合も「It2」で表す)は、インダクタL2の電流と等しくなる。この時のインダクタL2の電流はIo−ΔI/2であるから、以下の式(2)が成立する。
It2=Io−ΔI/2
=(Vi/Lr1)Ti・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
但し、
Io:出力電流の平均値
ΔI:電圧変換回路1の出力電流のリップル電流(peak to peak)
Vi:電圧変換回路1の入力電圧
Lr1:インダクタL1のインダクタンス
Ti:時刻t1からt2までの時間
=(Vi/Lr1)Ti・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
但し、
Io:出力電流の平均値
ΔI:電圧変換回路1の出力電流のリップル電流(peak to peak)
Vi:電圧変換回路1の入力電圧
Lr1:インダクタL1のインダクタンス
Ti:時刻t1からt2までの時間
一方、インダクタL2のインダクタンスに対して、インダクタL1のインダクタンスが無視できる場合、上記の共振電流の影響を無視すれば、電圧変換回路1の入出力電圧は、以下の式(3)及び式(4)で近似される関係にある。
Vi−Vo=Lr2ΔI/Ton・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
Vo/Vi=D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
但し、
Vi:電圧変換回路1の入力電圧
Vo:電圧変換回路1の出力電圧
Lr2:インダクタL2のインダクタンス
ΔI:電圧変換回路1の出力電流のリップル電流
Ton:SW素子Q1の実効的なオン時間
D:SW素子Q1のスイッチングの実効的なデューティ比
Vo/Vi=D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
但し、
Vi:電圧変換回路1の入力電圧
Vo:電圧変換回路1の出力電圧
Lr2:インダクタL2のインダクタンス
ΔI:電圧変換回路1の出力電流のリップル電流
Ton:SW素子Q1の実効的なオン時間
D:SW素子Q1のスイッチングの実効的なデューティ比
ここで、SW素子Q1のスイッチング周波数fsの逆数であるスイッチング周期にDを乗じたものがTonであり、上述のとおりTonが(3/4)Trに相当するから、fsは以下の式(5)で表される。更に、式(3)のTonは、fsを用いて以下の式(6)で表される。
fs=D/{(3/4)Tr}・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
Ton=D(1/fs)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
但し、
fs:SW素子Q1のスイッチング周波数
D:SW素子Q1のスイッチングの実効的なデューティ比
Tr:共振周期
Ton:SW素子Q1の実効的なオン時間
Ton=D(1/fs)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
但し、
fs:SW素子Q1のスイッチング周波数
D:SW素子Q1のスイッチングの実効的なデューティ比
Tr:共振周期
Ton:SW素子Q1の実効的なオン時間
式(3)に式(4)及び式(6)夫々を適用してVo及びTonを消去することにより、以下の式(7)が得られる。
ΔI=(Vi/Lr2)(1−D)D/fs・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
次に、式(7)を式(2)に代入することにより、以下の式(8)が得られる。
Ti=(Lr1/Vi){Io−Vi(1−D)D/(2Lr2fs)}・・・・(8)
一方、SW素子Q1をオンしてからSW素子Q1に流れる電流が極小となるまでの時間Tmi、即ちスイッチング素子Q1のオン時間は、TiにTonを加算した時間であり、上述のとおりTonがTrの3/4に相当するから、Tmiは式(8)の右辺と(3/4)Trとを用いて以下の式(9)で表される。このように、Tiが算出されていれば、SW素子Q1をオンすべき時間であるTmiを極めて容易に算出することが可能となる。
Tmi=(Lr1/Vi){Io−Vi(1−D)D/(2Lr2fs)}
+(3/4)Tr・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
+(3/4)Tr・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(9)
Viが一定である場合、Ioは電流センサA1で検出され、Lr2及びTrは定数であるから、実効的なデューティ比D、即ち目標のデューティ比を式(9)に代入し、式(5)で算出したfsを式(9)に代入することにより、Tmiが算出される。そして、スイッチング素子Q1のオフ時間Toffは以下の式(10)によって決定することができる。
Toff=1/fs−Ton
=1/fs−(3/4)Tr・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(10)
但し、
fs:SW素子Q1のスイッチング周波数
Tr:共振周期
=1/fs−(3/4)Tr・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(10)
但し、
fs:SW素子Q1のスイッチング周波数
Tr:共振周期
以下では、上述した制御部5の動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。以下に示す処理は、不図示のROMに予め格納されている制御プログラムに従って、不図示のCPUにより実行される。図8は、電圧変換回路1に降圧変換させるCPUの処理手順を示すフローチャートである。図8に手順を示す処理は、電圧変換装置に降圧変換を開始させる場合に起動される。図中の計時は、不図示のタイマを用いて実行される。なお、共振周期Tr及び(3/4)Trの値は、予め算出されているものとする。目標のデューティ比は、他の処理にて適時算出されている。
図8の処理が起動された場合、CPUは、低圧側スイッチング素子Q2をオフする(S11)。次いで、CPUは、式(8)によってデューティ比に寄与しないオン時間Tiを算出する(S12)。この場合、電流センサA1で検出した出力電流Ioと、目標のデューティ比(D)と、式(5)によって算出したスイッチング周波数fsと、その他の既知の定数とが用いられる。
その後、CPUは、式(9)によって、高圧側スイッチング素子Q1をオンしてから高圧側スイッチング素子Q1に流れる共振電流が極小となるまでの時間Tmi、即ちオン時間を算出する(S13)。次いで、CPUは、高圧側スイッチング素子Q1をオンして(S14)、インダクタL1,L2とキャパシタC1とで共振させる。これにより、電圧変換回路1を第1モードで動作させる。この時、CPUは、スイッチング素子Q1に係るオン時間の計時を開始する(S15)。
その後、CPUは、オン時間が経過したか否かを判定し(S16)、経過しない場合(S16:NO)、オン時間が経過するまで待機する。オン時間が経過した場合(S16:YES)、CPUは、高圧側スイッチング素子Q1をオフして(S17)、電圧変換回路1を第2モードで動作させる。これにより、インダクタL2の還流電流をキャパシタC1又は低圧側スイッチング素子Q2に流すようにさせる。
次いで、CPUは、式(5)によって算出したスイッチング周期fsを式(10)に代入してオフ時間Toffを算出する(S18)。そして、CPUは、算出したオフ時間Toffをカウントダウンすることにより、高圧側スイッチング素子Q1のオフ時間の計時を開始する(S19)。
その後、CPUは、上記オフ時間が経過したか否かを判定し(S20)、オフ時間が経過した場合(S20:YES)、降圧変換を終了させるか否かを判定する(S21)。降圧変換を終了させない場合(S21:NO)、CPUは、電圧変換回路1を1つ後のスイッチング周期に移行させるためにステップS11に処理を移す。一方、降圧変換を終了させる場合(S21:YES)、CPUは、低圧側スイッチング素子Q2をオフした(S22)後に図8の処理を終了する。
上記のステップ20でオフ時間が経過しない場合(S20:NO)、CPUは、低圧側スイッチング素子Q2の電圧を検出し、検出した電圧が所定の電圧閾値より低いか否かを判定する(S23)。検出した電圧が所定の電圧閾値より低くない場合(S23:NO)、CPUは、ステップS20に処理を移す。一方、検出した電圧が所定の電圧閾値より低い場合(S23:YES)、CPUは、低圧側スイッチング素子Q2をオンして(S24)ステップS20に処理を移す。ここでの電圧閾値は、正の値であってもよいし、ゼロ又はゼロ以下の負の値であってもよい。
上述したフローチャートにあっては、低圧側スイッチング素子Q2をオン/オフしたが、低圧側スイッチング素子Q2が単なるダイオードである場合は、ステップS23及びS24をスキップすればよい。また、各ステップの実行順序は厳密なものではなく、例えばステップS14とS15の実行順序を逆にしてもよく、ステップS12,S13とS14,S15の実行順序を逆にしてもよい。
以上のように本実施形態によれば、電圧変換回路1にて、SW素子Q1と、インダクタL1と、両端にキャパシタC1が接続されたSW素子Q2とがこの順序で接続されており、インダクタL1及びSW素子Q2の接続点にインダクタL2の一端が接続されている。制御部5がSW素子Q1をオン/オフすることにより、電圧変換回路1の端子H,Gに入力された電圧が降圧されて端子L,Gに出力される。
制御部5は、電圧変換回路1について、SW素子Q2をオフした状態でSW素子Q1をオンしてインダクタL1及びキャパシタC1による共振電流を流す第1モードで動作させる。第1モードでは、共振電流がキャパシタC1に流入してキャパシタC1の電圧が上昇し始め、インダクタL2にエネルギーが蓄積される。その後、共振電流が反転してキャパシタC1の電圧が低下し始め、SW素子Q1の電流が減少する。制御部5は、第1モードにてSW素子Q1に流れる共振電流が極小となるであろう時刻を算出し、算出した時刻t3でSW素子Q1をオフしてSW素子Q2又はキャパシタC1にインダクタL2の還流電流を流す第2モードで動作させる。これにより、SW素子Q1に流れる共振電流が極小となった時、又はSW素子Q1の電圧が0Vに近い時にSW素子Q1がオフするので、SW素子Q1がオフするときの電圧×電流で表されるスイッチング損失が低減される。従って、LC共振を用いて所謂ソフトスイッチングを行う場合、共振電流にゼロクロス点が存在しない場合であってもスイッチング素子の損失を低減することが可能となる。
制御部5は、また、第2モードにてSW素子Q1をオンして第1モードへ移行させる場合、SW素子Q1をオンしてからインダクタL2の還流電流がSW素子Q1及びインダクタL1の直列回路に転流するまでの時間Tiを算出して、共振周期Trの3/4倍値に加算することにより、SW素子Q1をオンすべき時間Tmiを算出する(式(8),(9)参照)。そして、SW素子Q1の実効的なオン時間Tonに基づいて、実効的なデューティ比に応じたSW素子Q1のオフ時間Toffが算出される(式(10)参照)。従って、目標のデューティ比を実効的なデューティ比に適用することにより、LC共振を用いて所謂ソフトスイッチングを行う場合に、所望の降圧比で電圧変換することが可能となる。
また、本実施形態によれば、SW素子Q1をオンしてからSW素子Q1に流れる共振電流が極小となるまでの時間Tmiを式(9)に基づいて算出することが可能となる。
更に、本実施形態によれば、制御部5は、第2モードにおけるSW素子Q2の電圧が所定の電圧閾値より低くなった場合、SW素子Q2をオンし、第1モードに移行させるためにSW素子Q1をオンする前にSW素子Q2をオフする。上記の電圧閾値は、例えば0V又は0Vに近い電圧とする。SW素子Q2の電圧が比較的低い場合にSW素子Q2がオンするので、SW素子Q2がオンするときの電圧×電流で表されるスイッチング損失を低減することが可能となる。
1 電圧変換回路
41、42 キャパシタ
5 制御部
Q1 高圧側スイッチング素子(SW素子)
Q2 低圧側スイッチング素子(SW素子)
Q3 SW素子
L1 第1インダクタ(インダクタ)
L2 第2インダクタ(インダクタ)
C1 キャパシタ
A1 電流センサ
H、L、G 端子
41、42 キャパシタ
5 制御部
Q1 高圧側スイッチング素子(SW素子)
Q2 低圧側スイッチング素子(SW素子)
Q3 SW素子
L1 第1インダクタ(インダクタ)
L2 第2インダクタ(インダクタ)
C1 キャパシタ
A1 電流センサ
H、L、G 端子
Claims (5)
- 第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフして前記電圧変換回路に降圧変換させる制御部を備える電圧変換装置であって、
前記制御部は、
前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させ、
前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出し、
算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させ、
該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させる電圧変換装置。 - 前記制御部は、以下の式に基づいて前記共振電流が極小となるまでの時間を算出する請求項1に記載の電圧変換装置。
Tmi=(Lr1/Vi){Io−Vi(1−D)D/(2Lr2fs)}
+(3/4)Tr
但し、
Tmi:前記共振電流が極小となるまでの時間
Lr1:前記第1インダクタのインダクタンス
Vi:前記電圧変換回路の入力電圧
Io:前記電圧変換回路の出力電流
D:前記高圧側スイッチング素子の目標のデューティ比
Lr2:前記第2インダクタのインダクタンス(Lr2>>Lr1)
fs:前記高圧側スイッチング素子のスイッチング周波数
Tr:2π√(Lr1Cr1)
Cr1:前記キャパシタのキャパシタンス - 前記制御部は、
前記低圧側スイッチング素子の電圧を検出するようにしてあり、
前記第2モードで前記低圧側スイッチング素子の電圧が所定の電圧閾値より低い場合、前記低圧側スイッチング素子をオンし、
該低圧側スイッチング素子をオフした後に前記高圧側スイッチング素子をオンする
請求項1又は2に記載の電圧変換装置。 - 第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフする制御部を備える電圧変換装置における前記制御部で前記電圧変換回路に降圧変換させる制御方法であって、
前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させ、
前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出し、
算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させ、
該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させる電圧変換回路の降圧制御方法。 - 第1インダクタと、該第1インダクタを介して直列に接続された高圧側スイッチング素子及び低圧側スイッチング素子と、前記第1インダクタ及び前記低圧側スイッチング素子の接続点に一端が接続された第2インダクタと、前記低圧側スイッチング素子に並列に接続されたキャパシタとを有する電圧変換回路、及び前記高圧側スイッチング素子をオン/オフする制御部を備える電圧変換装置における前記制御部で前記電圧変換回路に降圧変換させるためのコンピュータプログラムであって、
前記制御部に、
前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1インダクタ及び前記キャパシタによる共振電流を流す第1モードで動作させるステップと、
前記高圧側スイッチング素子をオンしてから前記共振電流が極小となるまでの時間を算出するステップと、
算出した時間の経過時に前記高圧側スイッチング素子をオフして前記低圧側スイッチング素子又は前記キャパシタに前記第2インダクタの還流電流を流す第2モードで動作させるステップと、
該第2モードでの動作後に前記高圧側スイッチング素子をオンして前記第1モードへ移行させるステップと
を実行させるコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016210921A JP2018074720A (ja) | 2016-10-27 | 2016-10-27 | 電圧変換装置、電圧変換回路の降圧制御方法及びコンピュータプログラム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016210921A JP2018074720A (ja) | 2016-10-27 | 2016-10-27 | 電圧変換装置、電圧変換回路の降圧制御方法及びコンピュータプログラム |
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023188021A1 (ja) * | 2022-03-29 | 2023-10-05 | 三菱電機株式会社 | 高周波電源装置およびその制御方法 |
-
2016
- 2016-10-27 JP JP2016210921A patent/JP2018074720A/ja active Pending
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WO2023188021A1 (ja) * | 2022-03-29 | 2023-10-05 | 三菱電機株式会社 | 高周波電源装置およびその制御方法 |
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