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JP2018074646A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動停止期間中の暗電流を抑制しつつ、再起動時における電流制限を適切に実行するモータ制御装置を提供する。【解決手段】基板温度記憶部32、外気温記憶部34、及び上昇温度記憶部38は、駆動停止時の基板温度、外気温、及び、上昇温度推定部37が推定した上昇温度を記憶する。初回上昇温度補正部401は、駆動回路60によるモータ80の駆動停止後の再起動時の初回制御において、基板温度記憶値Ts_m、基板温度現在値Ts、外気温記憶値Tg_m及び外気温現在値Tgに基づいて算出した補正後基板温度差ΔTs_comp(補正用引数)を用いて上昇温度記憶値Ti_mを補正し、初回上昇温度補正値Ti_compを演算する。初回上昇温度補正部401は、外気温記憶値から外気温現在値への変化に対し、基板温度記憶値から基板温度現在値への低下度合いが相対的に大きいほど、初回上昇温度補正値Ti_compを小さくするように補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータの通電を制御するモータ制御装置に関する。
従来、モータ又は駆動回路に流れる電流の値より推定した上昇温度に基づいて電流を制限し、モータや駆動回路の素子を保護するモータ制御装置において、駆動停止中の温度推定に着目した技術が知られている。
例えば、特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置の制御装置は、イグニッションスイッチがオフ状態となって電源停止信号が入力されても、モータの温度推定値が所定値以下にならない間は、電源を自己保持し、モータの温度推定を継続する。
特開2002−363393号公報
特許文献1の従来技術では、駆動電源を停止した後の所定期間、温度推定のための制御電源が保持(すなわち、パワーラッチ)されるため、駆動停止中の暗電流が増加するという問題がある。
また、駆動回路の基板温度等を検出する温度センサを設けた場合、駆動停止期間中に外気温が変化すると温度センサの検出温度が影響を受け、通電により上昇した温度の低下を正しく把握することができなくなる。その結果、駆動停止後の再起動時に、推定温度に基づく電流制限の判断が実状と乖離するおそれがある。すると、電流制限が不要であるにもかかわらず過剰な電流制限によりモータ出力性能を低下させたり、電流制限すべきときに適切な制限値が設定されず、過熱保護が不十分になったりする事態を招くこととなる。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、駆動停止期間中の暗電流を抑制しつつ、再起動時における電流制限を適切に実行するモータ制御装置を提供することにある。
本発明の一態様のモータ制御装置は、モータ(80)を駆動する駆動回路(60)と、駆動回路が搭載された基板(20)と、基板温度センサ(71)と、基板温度取得部(31)と、基板温度記憶部(32)と、外気温取得部(33)と、外気温記憶部(34)と、上昇温度推定部(37)と、上昇温度記憶部(38)と、電流制限値演算部(51)と、初回上昇温度補正部(401、403)と、を備える。
基板温度センサは、基板の温度(Ts)を検出する。
基板温度取得部は、基板温度センサが検出した基板温度を取得する。
基板温度記憶部は、基板温度取得部が取得した任意の基準時の基板温度を基板温度記憶値(Ts_m)として記憶する。
外気温取得部は、外気温センサが検出した外気温(Tg)を取得する。
外気温記憶部は、外気温取得部が取得した基準時の外気温を外気温記憶値(Tg_m)として記憶する。
上昇温度推定部は、モータ又は駆動回路に流れる電流の値に基づき、モータ又は駆動回路の素子の上昇温度(Ti)を推定する。
上昇温度記憶部は、上昇温度推定部が推定した上昇温度を上昇温度記憶値(Ti_m)として記憶する。
なお、基板温度記憶部、外気温記憶部及び上昇温度記憶部は、典型的には不揮発性メモリで構成され、制御電源が停止しても記憶を保持することができる。
電流制限値演算部は、上昇温度推定部が推定した上昇温度に基づき、上昇温度が大きいほどモータに通電する電流を制限するように電流制限値を演算する。
初回上昇温度補正部は、駆動回路によるモータの駆動停止後の再起動時の初回制御において、基板温度記憶値、基板温度現在値、外気温記憶値及び外気温現在値に基づいて算出した補正用引数を用いて上昇温度記憶値を補正し、初回上昇温度補正値(Ti_comp)を演算する。
そして、初回上昇温度補正部は、外気温記憶値から外気温現在値への変化に対し、基板温度記憶値から基板温度現在値への低下度合いが相対的に大きいほど、初回上昇温度補正値を小さくするように補正する。
ここで、基板温度及び外気温が記憶される基準時は、典型的には、駆動回路の通電がオフした時、及び、当該通電オフ時における基板温度及び外気温との温度差が実質的に無視可能な時間範囲を含む「駆動停止時」である。
また、補正用引数としては、例えば補正後基板温度差(ΔTs_comp)又は補正後基板温度比(αs_comp)が用いられる。補正後基板温度差は、基板温度記憶値と基板温度現在値との差である基板温度差(ΔTs)、及び、外気温記憶値と外気温現在値との差である外気温差(ΔTg)に基づいて演算される。補正後基板温度比は、基板温度記憶値と基板温度現在値との比である基板温度比(αs)、及び、外気温記憶値と外気温現在値との比である外気温比(αg)に基づいて演算される。
本発明は、駆動停止期間中に温度推定のための制御電源を保持する必要がないため、特許文献1の従来技術に比べ、暗電流を抑制することができる。
また、初回上昇温度補正部は、駆動停止後の再起動時の初回制御において、基板温度に加え外気温の情報に基づいて上昇温度記憶値を補正し、初回上昇温度補正値を演算する。これにより、外気温の変化による影響を考慮しつつ、再起動時における電流制限を適切に実行することができる。
本発明の他の態様のモータ制御装置は、上記の態様のモータ制御装置に対し、基板温度記憶部及び外気温記憶部を備えない。初回上昇温度補正部(405)は、駆動回路によるモータの駆動停止後の再起動時の初回制御において、基板温度現在値から外気温現在値を減じた内外温度値(Tdif)に基づいて上昇温度記憶値を補正し、初回上昇温度補正値(Ti_comp)を演算する。そして、初回上昇温度補正部は、内外温度差が小さいほど、初回上昇温度補正値を小さくするように補正する。
この態様においても、再起動時の外気温の情報に基づいて上昇温度記憶値を補正することで、駆動停止期間中の暗電流を抑制しつつ、再起動時における電流制限を適切に実行することができる。
第1〜第4実施形態のモータ制御装置の全体構成図。 各実施形態による電流制限マップの例。 第1、第2実施形態の初回上昇温度補正部のブロック図。 第1(実線)、第2(破線)実施形態による上昇温度補正率マップの例。 各実施形態による駆動停止時記憶処理のフローチャート。 駆動停止時における温度記憶のタイミングを説明するタイムチャート。 第1実施形態による再起動時初回処理のフローチャート。 第1実施形態の動作例を示すタイムチャート(1)。 第1実施形態の動作例を示すタイムチャート(2)。 第1実施形態の動作例を示すタイムチャート(3)。 第2実施形態による再起動時初回処理のフローチャート。 第3、第4実施形態の初回上昇温度補正部のブロック図。 第3(実線)、第4(破線)実施形態による上昇温度補正率マップの例。 第3実施形態による再起動時初回処理のフローチャート。 第4実施形態による再起動時初回処理のフローチャート。 第5、第6実施形態のモータ制御装置の全体構成図。 第5、第6実施形態の初回上昇温度補正部のブロック図。 第5(実線)、第6(破線)実施形態による上昇温度補正率マップの例。 第5実施形態による再起動時初回処理のフローチャート。 第5実施形態の動作例を示すタイムチャート。 第6実施形態による再起動時初回処理のフローチャート。
以下、モータ制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において、構成図の実質的に同一の構成、又は、フローチャートの実質的に同一のステップには同一の符号又はステップ番号を付して説明を省略する。また、以下の第1〜第6実施形態を包括して「本実施形態」という。
本実施形態のモータ制御装置は、例えば車両の電動パワーステアリング装置において、操舵アシストモータの制御装置として使用される。特に本実施形態は、イグニッションスイッチを備えるエンジン車に搭載されるものとして説明する。
以下、イグニッションスイッチのON/OFFを「IG−ON/OFF」と記す。モータ制御装置の立場から、IG−ONは、外部からのパワー電源供給指令が入力されたことを意味し、IG−OFFは、パワー電源供給指令が停止されたことを意味する。パワー電源が供給されると、モータの駆動が可能となる。
なお、ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される制御装置の場合、「IG−ON/OFF」を「レディON/OFF」と読み替えればよい。
(第1実施形態)
第1実施形態のモータ制御装置について、図1〜図10を参照して説明する。
図1は、第1〜第4実施形態に共通する全体構成図である。
モータ制御装置101は、基板20、並びに、基板20に搭載された電源リレー21、制御回路30及び駆動回路60を備え、バッテリ15から入力された直流電力を変換してモータ80に出力する。
バッテリ15の電力は、パワー用のPIG電源、及び、制御用のIG電源としてモータ制御装置101に入力される。PIG電源は、電源リレー21を経由して駆動回路60に供給される。駆動回路60は、いわゆるプリドライバとインバータとを含む回路であり、モータ80を駆動する。駆動回路60は、MOSFET等のスイッチング素子や、コンパレータ、抵抗、コンデンサ等の素子で構成される。モータ80は、例えば三相ブラシレスモータである。
制御回路30は、典型的にはマイコンで構成され、操舵トルクに応じて、モータ電流Imのフィードバック制御により駆動回路60への指令信号を生成する。図1には、一般的な電流フィードバック制御及びベクトル制御を構成する電流センサや回転角センサの図示を省略する。また、モータ電流Imは、モータ80又は駆動回路60を流れる電流を意味する。図1には、モータ電流Imがモータ80から入力されるように図示されているが、駆動回路60の出力電流を検出し制御回路30にフィードバックしてもよい。
本実施形態の制御回路30は、モータ電流Imに基づいて駆動回路60の素子の上昇温度Tiを推定し、更に、基板温度Ts及び上昇温度Tiから推定した各素子の推定温度に基づいてモータ80に通電する電流を制限することにより、素子の過熱保護を図る。
また、本実施形態の制御回路30は、基板温度センサ71が検出した基板20の温度Ts、及び、外気温センサ73が検出した外気温Tgを取得する。基板温度センサ71は、例えば基板20に搭載されるサーミスタである。外気温センサ73は、どのようなものであってもよく、車両の他の用途で用いられるものを流用してもよい。
制御回路30は、基板温度取得部31、基板温度記憶部32、外気温取得部33、外気温記憶部34、上昇温度推定部37、上昇温度記憶部38、初回上昇温度補正部401、電流制限値演算部51及び電流フィードバック(図中「FB」)演算部52を含む。
基板温度取得部31は、基板温度センサ71が検出した基板温度Tsを取得する。
基板温度記憶部32は、基板温度取得部31が取得した任意の基準時の基板温度Tsを基板温度記憶値Ts_mとして記憶する。
外気温取得部33は、外気温センサ73が検出した外気温Tgを取得する。
外気温記憶部34は、外気温取得部33が取得した上記基準時の外気温Tgを外気温記憶値Tg_mとして記憶する。
すなわち、基板温度記憶部32及び外気温記憶部34は、同じ基準時の基板温度Ts及び外気温Tgを記憶する。本実施形態では、基準時として、駆動回路60の通電がオフした時、及びその前後の時間範囲を含む「駆動停止時」を想定する。
上昇温度推定部37は、通常動作時、モータ電流Imの積算値に基づき、駆動回路60の素子の上昇温度Tiを推定する。この上昇温度Tiの推定は、ジュール熱の式(1)を基本とする。ここで、Qはジュール熱[J]、Rは抵抗[Ω]、Imは電流[A]、tは時間[s]を表す。
Q=R×Im2×t ・・・(1)
通常動作時、上昇温度推定部37が推定した上昇温度Tiは、電流制限値演算部51に通知される。
上昇温度記憶部38は、上昇温度推定部37が推定した上昇温度Tiを上昇温度記憶値Ti_mとして記憶する。
基板温度記憶部32、外気温記憶部34及び上昇温度記憶部38は、典型的には不揮発性メモリで構成され、制御電源が停止しても記憶を保持することができる。
初回上昇温度補正部401は、駆動回路60によるモータ80の駆動停止後の再起動時の初回制御において、通常動作時の上昇温度Tiに代えて、初回上昇温度補正値Ti_compを演算する。
以下、再起動時の初回制御で検出される基板温度Ts及び外気温Tgを「現在値」という。記号Tsは、文脈に応じて、経時変化する基板温度Tsと、基板温度現在値Tsとの両方に用いる。同様に、記号Tgは、文脈に応じて、経時変化する外気温Tgと、外気温現在値Tgとの両方に用いる。
初回上昇温度補正部401は、基板温度記憶値Ts_m、基板温度現在値Ts、外気温記憶値Tg_m及び外気温現在値Tgに基づいて上昇温度記憶値Ti_mを補正し、初回上昇温度補正値Ti_compを演算する。その演算過程の詳細については後述する。
初回上昇温度補正部401が演算した初回上昇温度補正値Ti_compは、上昇温度推定部37を経由して電流制限値演算部51に通知される。
電流制限値演算部51は、通常動作時、随時、式(2.1)により基板温度Tsに上昇温度Tiを加算し、各素子の推定温度Tx_estを算出する。
Tx_est=Ts+Ti ・・・(2.1)
また、電流制限値演算部51は、駆動停止後の再起動時の初回制御のみ、式(2.2)により、基板温度現在値Tsに初回上昇温度補正値Ti_compを加算し、各素子の推定温度Tx_estを算出する。
Tx_est=Ts+Ti_comp ・・・(2.2)
そして、電流制限値演算部51は、例えば、素子推定温度Tx_estと電流制限値Ilimとの関係を規定した電流制限マップを参照して電流制限値Ilimを演算する。
図2に例示する電流制限マップによると、素子推定温度Tx_estが臨界温度Txc未満のとき、電流制限値Ilimは、駆動回路60の素子の定格等により定まる最大電流値Imaxに等しく設定される。つまり、実質的に電流制限をしない。また、素子推定温度Tx_estが臨界温度Txc以上のとき、電流制限値Ilimは、素子推定温度T_estが高いほど低く設定される。
このように電流制限値演算部51は、基板温度現在値Tsが同等の条件では、上昇温度Tiが大きいほどモータ80に通電する電流を制限するように電流制限値Ilimを演算することで、素子の過熱保護を図る。
電流フィードバック演算部52は、操舵トルクに応じて、モータ電流Imのフィードバック制御により駆動回路60への指令信号を生成する。指令信号に基づいて駆動回路60が動作することで、本来、モータ80は所望のアシストトルクを出力する。
ここで、モータ80に通電可能な電流は、電流制限値演算部51が演算した電流制限値Ilimにより制限される。要求される電流値に対して電流制限値Ilimが低く設定されると、モータ80は所望のアシストトルクを出力することができず、アシスト性能が低下することとなる。
次に図3を参照し、第1実施形態の初回上昇温度補正部401の構成を説明する。
第1実施形態、及び、次の第2実施形態では、初回上昇温度の補正演算における補正用引数として、補正後基板温度差ΔTs_compを用いる。
初回上昇温度補正部401は、減算器411、413、補正係数乗算器42、減算器43、補正率マップ481、及び補正率乗算器49を有する。
減算器411は、基板温度現在値Tsから基板温度記憶値Ts_mを減じて基板温度差ΔTsを算出する。減算器413は、外気温現在値Tgから外気温記憶値Tg_mを減じて外気温差ΔTgを算出する。補正係数乗算器42は、外気温差ΔTgに正の補正係数kを乗じる。ここで、補正係数kは、外気温Tgの変化が基板温度Tsの変化に及ぼす影響の大きさを示すものであり、基板周辺部品の伝熱特性等に応じて実験やシミュレーションにより求められ、例えば「k=0.5〜1.0」である。
さらに減算器43は、外気温差ΔTgに補正係数kを乗じた値を基板温度差ΔTsから減じて、補正用引数としての補正後基板温度差ΔTs_compを算出する。
すなわち、初回上昇温度補正部401は、式(3.1)〜(3.3)の演算を行う。
ΔTs=Ts−Ts_m ・・・(3.1)
ΔTg=Tg−Tg_m ・・・(3.2)
ΔTs_comp=ΔTs−kΔTg ・・・(3.3)
補正率マップ481は、補正後基板温度差ΔTs_compと上昇温度補正率pとの関係を規定する。図4に実線で示す第1実施形態の補正率マップ481では、補正後基板温度差Δs_compが基礎値BΔT以上の領域で補正率pは1である。また、補正後基板温度差ΔTs_compが基礎値BΔT未満の領域では、負の補正後基板温度差ΔTs_compが小さくなるほど補正率pは減少し、0に漸近する。
図4の補正率マップ481の例では、基礎値BΔTは、0より少し小さい値に設定されている。理論的には、補正後基板温度差ΔTs_compが負であれば、補正率pを1よりも小さくし、電流制限を緩和してよいと考えられる。ただし、温度検出誤差等によるマージンを考慮して、基礎値BΔTを0より小さい値に設定し、補正後基板温度差ΔTs_compが基礎値BΔT未満のとき、電流制限を緩和するようにしている。
基礎値BΔTが0未満であるため、補正後基板温度差ΔTs_compが0又は正の領域では補正率pは1で一定となる。したがって、補正後基板温度差ΔTs_compが正の場合、補正後基板温度差ΔTs_compを0として扱ってもよい。その場合、補正率マップ481において二点鎖線で示す領域が省略され、補正後基板温度差ΔTs_compの上限が0となる。
補正率乗算器49は、式(4)により、補正率マップ481から得られた上昇温度補正率pを上昇温度記憶値Ti_mに乗じて初回上昇温度補正値Ti_compを演算する。
Ti_comp=Ti_m×p ・・・(4)
こうして演算された初回上昇温度補正値Ti_compは、上述の通り、上昇温度推定部37を経由して電流制限値演算部51に通知される。
ところで、駆動停止期間中のモータ温度を推定する従来技術として、例えば特許文献1(特開2002−363393号公報)等に開示されたものがある。
特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置の制御装置は、イグニッションスイッチがオフ状態となって電源停止信号が入力されても、モータの温度推定値が所定値以下にならない間は、電源を自己保持し、モータの温度推定を継続する。
また、特許第2892899号に開示されたモータ制御装置は、モータへの電源供給遮断後、モータの上昇温度に基づいて、自己保持している電源を遮断するまでの遮断時間を演算する。そして、このモータ制御装置は、演算された遮断時間経過後に電源遮断指令を出力して、自己保持している電源を遮断する。
しかし、これらの従来技術では、駆動電源を停止した後の所定期間、温度推定のための制御電源が保持(すなわち、パワーラッチ)されるため、駆動停止中の暗電流が増加するという問題がある。そこで、本実施形態のモータ制御装置101は、駆動停止後に制御電源を保持せず、暗電流を抑制することを目的とする。
図5に、各実施形態に共通する駆動停止時記憶処理のフローチャートを示す。以下のフローチャートの説明で記号Sは「ステップ」を表す。
ここで、まず「駆動停止時」及び「駆動停止期間」の用語の意味を定義する。
「駆動停止時」は、駆動回路60の通電がオフした時を基準とし、当該通電オフ時における基板温度Ts及び外気温Tgとの温度差が実質的に無視可能な時間範囲を含む比較的短い期間(例えば1秒以内の期間)を意味する。本実施形態では、駆動停止時が、基板温度記憶部32及び外気温記憶部34に基板温度Ts及び外気温Tgが記憶される基準時となる。
「駆動停止期間」は、駆動停止時tqから再起動時Trsまでの、例えば数分から数時間以上に及ぶ比較的長い期間を意味する。
S01では、IGがON状態である通常動作中に、上昇温度推定部37は、モータ電流Imの値に基づき、駆動回路60の素子の上昇温度Tiを推定する。
S02では、IG−OFF、すなわち、駆動停止されたか判断される。S02でNOの場合、S01の処理が繰り返される。S02でYESの場合、S03で、各温度が記憶部32、34、38に記憶される。
具体的に、駆動停止時に基板温度取得部31が取得した基板温度Tsが基板温度記憶値Ts_mとして基板温度記憶部32に記憶され、駆動停止時に外気温取得部33が取得した外気温Tgが外気温記憶値Tg_mとして外気温記憶部34に記憶される。また、駆動停止直前に上昇温度推定部37が推定した上昇温度Tiが上昇温度記憶値Ti_mとして上昇温度記憶部38に記憶される。
S03で各温度が記憶された後、S04で制御電源がオフされる。
駆動停止時における温度記憶の詳細なタイミングについて、図6を参照して説明する。各温度が記憶されるタイミングは、IG−OFFの瞬間と厳密に一致する必要はない。
例えば図6(a)に示すように、通電オフ時における基板温度Ts及び外気温Tgとの温度差が実質的に無視可能な時間範囲において、停止時tqから微小時間δ遅れたタイミングで基板温度Ts及び外気温Tgが記憶されてもよい。こうして記憶された記憶値は、再起動時trsに読み込まれる。
また、運転者の意図通りIG−OFFされる場合に限らず、不意にバッテリ15が外されたとき等にもモータ80の駆動は停止する。このような不意の駆動停止の場合にも記憶値を残すため、図6(b)に示すように、通常動作中に所定の周期τで各温度を記憶し、更新するようにしてもよい。そして、駆動停止前の最後に記憶、更新された各温度が再起動時trsに読み込まれる。再起動後は、再び所定の周期τで各温度の記憶、更新が繰り返される。
図7に、第1実施形態による再起動時初回処理のフローチャートを示す。
S11では、駆動停止後にIGがONされる。これをトリガーとして、再起動時の初回処理が実行される。
初回上昇温度補正部401は、S12で、基板温度Tsの現在値を基板温度取得部31から取得し、外気温Tgの現在値を外気温取得部33から取得する。また、初回上昇温度補正部401は、基板温度記憶値Ts_mを基板温度記憶部32から、外気温記憶値Tg_mを外気温記憶部34から読み込み、さらに上昇温度記憶値Ti_mを上昇温度記憶部38から読み込む。
続いて初回上昇温度補正部401は、S13で、基板温度現在値Tsから基板温度記憶値Ts_mを減じて基板温度差ΔTsを算出し、外気温現在値Tgから外気温記憶値Tg_mを減じて外気温差ΔTgを算出する。そして、初回上昇温度補正部401は、S14で、式(3.3)を用いて補正後基板温度差ΔTs_compを算出する。
次に初回上昇温度補正部401は、S15で、補正率マップ481を参照して上昇温度補正率pを演算し、S16で、上昇温度記憶値Ti_mに補正率pを乗じて初回上昇温度補正値Ti_compを演算する。初回上昇温度補正値Ti_compは、上昇温度推定部37を経由して電流制限値演算部51に通知される。
電流制限値演算部51は、S18で、基板温度現在値Tsに初回上昇温度補正値Ti_compを加算し、各素子の推定温度Tx_estを算出する。そして、電流制限値演算部51は、S19で、図2の電流制限マップを参照し、各素子の推定温度Tx_estに基づき、電流制限値Ilimを演算する。
次に図8〜図10のタイムチャートを参照し、第1実施形態の動作例を説明する。各図には、IGがON状態からOFF状態に移行したモータ駆動の停止時tqから、IGが再びONした再起動時trsまでの基板温度Ts及び外気温Tgの変化、並びに、再起動時trsの初回制御で設定される上昇温度補正率p及び電流制限値Ilimを示す。
停止時tq以前の通常動作時、駆動回路60への通電による素子の発熱により、基板温度Tsは上昇しており、随時、モータ電流Imに基づいて上昇温度Tiが演算される。このとき、上昇温度補正率pは1に相当し、電流制限値Ilimは、駆動回路60の素子の定格等により定まる最大電流値Imaxよりも低く設定される。
IGがOFFすると、停止時tqの基板温度Ts及び外気温Tgは、基板温度記憶値Ts_m及び外気温記憶値Tg_mとして記憶される。図8〜図10のいずれにおいても、基板温度記憶値Ts_mは外気温記憶値Tg_mより高い。
停止時tq以後、通電による発熱が無くなるため、基板温度Tsは基本的に低下する。一方、外気温Tgの変化には各種のパターンがあり得る。図8には外気温Tgが変化しないパターン、図9には外気温Tgが上昇するパターン、図10には外気温Tgが低下するパターンを示す。
また、第1実施形態による制御と対比する比較例として、基板温度差ΔTsを外気温差ΔTgにより補正しない制御構成を想定する。この比較例は、式(3.3)における補正係数kが0の場合と考えてもよい。比較例では、第1実施形態と同様の補正率マップ481を用いて基板温度差ΔTsのみに基づいて上昇温度補正率pを演算する。
図8のパターンでは、再起動時trsにおいて基板温度Tsは外気温Tgと同程度にまで低下している。現実の場面では、駆動停止期間が十分に長かった場合に相当し、停止時tq以前に推定された上昇温度Tiの推定値をゼロクリアして良いと考えられる。
図8において、基板温度差ΔTsは負の値であり、外気温差ΔTgは、ほぼ0である。したがって、補正後基板温度差ΔTs_compは、基板温度差ΔTsとほぼ等しく、負の値となる。
負の基板温度差ΔTsの絶対値が比較的大きいと、補正率マップ481より、上昇温度補正率pは0となる。また、再起動時trsの基板温度Ts自体が比較的低ければ、電流制限は、ほとんど必要ないと判断される。その結果、再起動時trsの初回制御における電流制限値Ilimは、最大電流値Imaxと同程度にまで高く設定される。
これにより、例えば停止時tqの上昇温度記憶値Ti_mを再起動時trsの初回制御にそのまま用いる場合に比べ、過剰な電流制限を抑制することができる。
ただし、図8のパターンでは駆動停止中の外気温差ΔTgがほぼ0であるため、第1実施形態と比較例とで実質的な差が生じない。つまり、図8のパターンでは比較例でも電流制限を抑制することができ、第1実施形態の優位性が明らかに現われない。
続いて、図9のパターンでは、駆動停止中に外気温Tgが上昇する。基板温度Tsは、外気温Tgに一致するまで低下した後、外気温Tgの上昇に伴って上昇する。
現実の場面では、例えば砂漠や内陸部等の昼夜の寒暖差が激しい地域において、前夜、極低温環境(例えば−10℃)で走行した翌日、高温環境(例えば40℃)でIG−ONする状況を考える。この場合、外気温差ΔTgは+50℃である。一方、基板温度Tsは停止時tqに30℃、再起動時trsに40℃とすると、基板温度差ΔTsは+10℃である。つまり、駆動停止期間が十分に長く、前夜の動作時の通電による素子の発熱は完全に解消されており、上昇温度Tiの推定値をゼロクリアして良いと考えられるにもかかわらず、基板温度Ts自体は上昇するという状況が発生している。
このような場面を想定した図9において、再起動時trsにおける基板温度Tsは、基板温度記憶値Ts_mよりも高くなり、基板温度差ΔTsは正の値となる。また、外気温差ΔTgは、基板温度差ΔTsよりも絶対値の大きい正の値となり、「−kΔTg」は負の値となる。補正係数kの値によるが、「−kΔTg」の絶対値が基板温度差ΔTより大きいと仮定すると、補正後基板温度差ΔTs_compは負の値となる。すなわち、補正後基板温度差ΔTs_compは、補正前の基板温度差ΔTsに対し符号が反転する。
したがって、補正率マップ481より、上昇温度補正率pは1より小さく0に近い値となる。ただし、再起動時trsの基板温度Ts自体は比較的高めであるため、ある程度の電流制限は必要と判断される。その結果、再起動時trsの初回制御における電流制限値Ilimは、停止時tq直前の値よりは高く、最大電流値Imaxよりはやや低めの値となる。
一方、三角印で示す比較例では、補正前の正の基板温度差ΔTsに基づき、上昇温度補正率pは1となり、電流制限が維持される。そのため、外気温Tgの上昇に伴って基板温度Tsが上昇しているに過ぎないにもかかわらず、過剰な電流制限がされるため、モータ出力性能が十分に発揮されなくなる。例えば電動パワーステアリング装置では、アシスト性能の低下を招くこととなる。
図10のパターンでは、駆動停止中に外気温Tgが低下する。しかも、その低下度合いは基板温度Tsの低下度合いよりも大きい。言い換えれば、基板温度Tsは外気温Tgほどに低下しておらず、放熱性能が劣っていると考えられる。したがって、基板温度Tsが低下しているとはいえ、保護の観点から注意を要する状況である。
このとき、基板温度差ΔTsは負の値である。外気温差ΔTgは、基板温度差ΔTsよりも絶対値の大きい負の値であり、「−kΔTg」は正の値となる。補正係数kの値によるが、「−kΔTg」の絶対値が基板温度差ΔTsの絶対値よりも大きいと仮定すると、補正後基板温度差ΔTs_compは正の値となる。すなわち、補正後基板温度差ΔTs_compは、補正前の基板温度差ΔTsに対し符号が反転する。
したがって、補正率マップ481より、四角印で示すように上昇温度補正率pは1となる。その結果、再起動時trsの初回制御における電流制限値Ilimは、停止時tqの直前の値が維持される。つまり、基板温度Tsは低下しているが、外気温Tgの低下度合いとの比較から、素子の過熱保護を優先する思想で電流制限値Ilimが決められる。
一方、三角印で示す比較例では、補正前の負の基板温度差ΔTsに基づき、上昇温度補正率pは1より小さい値となり、電流制限を抑制する方向に働く。そのため、放熱性能が劣っている基板20上の素子を十分に保護できないおそれがある。
(効果)
以上のように、第1実施形態のモータ制御装置101は、駆動停止期間中に温度推定のための制御電源を保持する必要がないため、特許文献1の従来技術に比べ、暗電流を抑制することができる。
また、初回上昇温度補正部401は、駆動停止後の再起動時の初回制御において、基板温度Tsに加え外気温Tgの情報に基づいて上昇温度記憶値Ti_mを補正し、初回上昇温度補正値Ti_compを演算する。これにより、外気温Tgの変化による影響を考慮しつつ、再起動時における電流制限を適切に実行することができる。
詳しくは、外気温記憶値Tg_mから外気温現在値Tgへの変化に対し、「基板温度記憶値Ts_mから基板温度現在値Tsへの低下度合いが相対的に大きい」とき、初回上昇温度補正値Ti_compを小さくするように補正する。第1実施形態では、負の補正後基板温度差ΔTs_compがより小さいことが、「基板温度記憶値Ts_mから基板温度現在値Tsへの低下度合いが相対的に大きい」ことに相当する。
より具体的には、図9、図10のパターンのように、基板温度差ΔTsを外気温差ΔTgにより補正し補正後基板温度差ΔTs_compを算出することで、外気温Tgの変化に対する基板温度Tsの相対的な低下度合いを評価することができる。
これにより、再起動時trsの初回制御における電流制限の必要性をより適切に判断することができる。図9のパターンでは、過剰な電流制限が回避され、モータ出力性能が有効に発揮される。例えば電動パワーステアリング装置のアシストモータの駆動制御では、良好なアシスト性能を確保することができる。一方、図10のパターンでは、外気温Tgの変化に対する基板温度の低下度合いが相対的に小さいため、電流制限を実施し、素子の過熱保護を図る。よって、素子の過熱保護とモータ出力性能の確保とを好適に両立させることができる。
例えば電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータは、定常回転用のモータに比べ、大きなトルクを急激に出力するニーズがある。また、モータ制御装置101が設置される場所は、一般にスペースの制約が厳しく、放熱に不利な環境である。しかも、高い信頼性が要求されるため、素子の故障を適切に防止することと、モータ80の出力を可能な限り確保することとの両立が特に重要となる。したがって、本実施形態のモータ制御装置101により、素子の過熱保護とモータ出力性能の確保とを好適に両立させる効果が有効に発揮される。
(第2実施形態)
第2実施形態は、初回上昇温度補正部による上昇温度補正率pの演算方法が第1実施形態と異なる。第1実施形態では、補正用引数である補正後基板温度差ΔTs_compに応じて連続的に変化する補正率マップ481を参照して補正率pを演算する。これに対し第2実施形態では、補正後基板温度差ΔTs_compと、0以下の値である温度差臨界値CΔTとの比較により、二値で規定される補正率pを選択する。
なお、二値選択の演算では必ずしもマップを使用しなくてもよいが、第1実施形態との対比の都合上、二値マップとして、図4に破線で記載する。後述の第4、第6実施形態についても同様とする。
この二値マップでは、補正後基板温度差ΔTs_compが温度差臨界値CΔT未満のとき、補正率pは0であり、補正後基板温度差ΔTs_compが温度差臨界値CΔT以上のとき、補正率pは1である。
上昇温度記憶値Ti_mに補正率pが乗算されることで、補正後基板温度差ΔTs_compが温度差臨界値CΔT未満のとき、初回上昇温度補正値Ti_compは、0に設定される。また、補正後基板温度差ΔTs_compが温度差臨界値CΔT以上のとき、初回上昇温度補正値Ti_compは、上昇温度記憶値Ti_mに等しく設定される。
図11のフローチャートに示すように、第2実施形態による再起動時初回処理では、図7のS15及びS16に代えてS25−S27のステップを含む。
補正後基板温度差ΔTs_compが温度差臨界値CΔT未満のとき、S25でYESと判断され、S26で初回上昇温度補正値Ti_compが0に設定される。
補正後基板温度差ΔTs_compが温度差臨界値CΔT以上のとき、S25でNOと判断され、S27で初回上昇温度補正値Ti_compが上昇温度記憶値Ti_mに等しく設定される。
第2実施形態は、基本的に第1実施形態と同様の作用効果を奏する他、上昇温度補正率pの演算を二値選択とすることで、処理を単純化し、演算負荷を低減することができる。
(第3、第4実施形態)
第3、第4実施形態について、図12〜図15を参照して説明する。第3、第4実施形態は、第1、第2実施形態に対し、初回上昇温度の補正演算における補正用引数として、補正後基板温度比αs_compを用いる。
図12に示すように、初回上昇温度補正部403は、温度換算部44、除算器451、453、46、補正率マップ483、及び補正率乗算器49を有する。
温度換算部44は、初回上昇温度補正部403に入力された基板温度現在値Ts、基板温度記憶値Ts_m、外気温現在値Tg、外気温記憶値Tg_mから一律に基準温度Toを減じることにより温度値を換算する。基準温度Toは、基板温度Ts及び外気温Tgについて所定の処理対象温度範囲、すなわち、想定され得る最小温度から最大温度までの温度範囲の範囲外の温度が設定される。例えば処理対象温度範囲が−40℃〜80℃とすると、基準温度Toは、最小温度より低い−50℃、或いは、最高温度より高い100℃等の温度に設定可能である。
以下では、基準温度Toを処理対象温度範囲の低温側、すなわち最小温度より低い温度に設定する場合について説明する。なお、温度単位に絶対温度を用いる場合は、基準温度Toを0K(すなわち−273℃)に設定する場合に相当する。
ここで、例えば換算前の基板温度Tsに対する換算後の基板温度を[Ts]のように記す。各温度は、式(5.1)〜(5.4)で表される。
[Ts]=Ts−To ・・・(5.1)
[Ts_m]=Ts_m−To ・・・(5.2)
[Tg]=Tg−To ・・・(5.3)
[Tg_m]=Tg_m−To ・・・(5.4)
例えば寒冷期の外気温Tgは0℃以下となる場合があるが、換算後の各温度は全て正の値となる。これにより、除算におけるゼロ割りや符号反転による不連続の発生が防止される。つまり、この温度換算処理は、除算の準備としての意義を有する。
除算器451は、換算後の基板温度現在値[Ts]を基板温度記憶値[Ts_m]で除して基板温度比αsを算出する。除算器453は、換算後の外気温現在値[Tg]を外気温記憶値[Tg_m]で除して外気温比αgを算出する。さらに除算器46は、基板温度比αsを外気温比αgで除して補正後基板温度比αs_compを算出する。
すなわち、初回上昇温度補正部403は、式(6.1)〜(6.3)の演算を行う。
αs=[Ts]/[Ts_m] ・・・(6.1)
αg=[Tg]/[Tg_m] ・・・(6.2)
αs_comp=αs/αg ・・・(6.3)
補正率マップ483は、補正後基板温度比αs_compと上昇温度補正率pとの関係を規定する。図13に実線で示す第3実施形態の補正率マップ483では、補正後基板温度比αs_compが基礎値Bα以上の領域で補正率pは1である。また、補正後基板温度比αs_compが基礎値Bα未満の領域で、補正後基板温度比αs_compが小さくなるほど補正率pは減少し、0に漸近する。
図13の補正率マップ483の例では、基礎値Bαは、1より少し小さい値に設定されている。その理由は、第1実施形態の補正率マップ481における基礎値BΔTが0より小さい値に設定されている理由と同様である。基礎値Bαが1未満であるため、補正後基板温度比αs_compが1以上の領域では補正率pは1で一定となる。したがって、補正後基板温度比αs_compが1より大きい場合、補正後基板温度比αs_compを1として扱ってもよい。その場合、補正率マップ483において二点鎖線で示す領域が省略され、補正後基板温度比αs_compの上限が1となる。
図14に、第3実施形態による再起動時初回処理のフローチャートを示す。
初回上昇温度補正部403は、S12後のS33で、基板温度現在値Ts、基板温度記憶値Ts_m、外気温現在値Tg、外気温記憶値Tg_mを換算した後、基板温度比αs及び外気温比αgを算出し、S34で、補正後基板温度比αs_compを算出する。
そして、初回上昇温度補正部403は、S35で、補正後基板温度比αs_compに基づき、補正率マップ483を参照して上昇温度補正率pを演算する。
以後のS16、S18、S19は、図7と同様である。
第3実施形態では、補正後基板温度比αs_compが1より小さく0に近いことが、「外気温記憶値Tg_mから外気温現在値Tgへの変化に対し、基板温度記憶値Ts_mから基板温度現在値Tsへの低下度合いが相対的に大きい」ことに相当する。また、補正後基板温度比αs_compが小さいほど、初回上昇温度補正値Ti_compを小さくするように補正することにより、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
第4実施形態は、第3実施形態に対し、上昇温度補正率pの演算を二値選択としたものである。
図13に破線で示す第4実施形態の二値マップでは、補正後基板温度比αs_compが1以下の値である温度比臨界値Cα未満のとき、補正率pは0であり、補正後基板温度比αs_compが温度比臨界値Cα以上のとき、補正率pは1である。
上昇温度記憶値Ti_mに補正率pが乗算されることで、補正後基板温度比αs_compが温度比臨界値Cα未満のとき、初回上昇温度補正値Ti_compは、0に設定される。また、補正後基板温度比αs_compが温度比臨界値Cα以上のとき、初回上昇温度補正値Ti_compは、上昇温度記憶値Ti_mに等しく設定される。
図15のフローチャートに示すように、第4実施形態による再起動時初回処理では、図14のS35及びS36に代えてS45−S47のステップを含む。
補正後基板温度比αs_compが温度比臨界値Cα未満のとき、S45でYESと判断され、S46で初回上昇温度補正値Ti_compが0に設定される。
補正後基板温度比αs_compが温度比臨界値Cα以上のとき、S45でNOと判断され、S47で初回上昇温度補正値Ti_compが上昇温度記憶値Ti_mに等しく設定される。
第4実施形態は、基本的に第3実施形態と同様の作用効果を奏する他、上昇温度補正率pの演算を二値選択とすることで、処理を単純化し、演算負荷を低減することができる。
(第5、第6実施形態)
第5、第6実施形態について、図16〜図21を参照して説明する。第5、第6実施形態では、内外温度差Tdifを用いて初回上昇温度補正値Ti_compを演算する。
図16に示すように、第5実施形態のモータ制御装置105は、図1に示すモータ制御装置101に対し、基板温度記憶部32及び外気温記憶部34を備えない。初回上昇温度補正部405は、駆動回路60の動作停止後の再起動時の初回制御において、基板温度Ts及び外気温Tgの現在値のみに基づいて上昇温度記憶値Ti_mを補正し、初回上昇温度補正値Ti_compを演算する。
図17に示すように、初回上昇温度補正部405の減算器475は、基板温度現在値Tsから外気温現在値Tgを減じて内外温度差Tdif(=Ts−Tg)を算出する。補正率マップ485は、内外温度差Tdifと上昇温度補正率pとの関係を規定する。
図18に実線で示す第5実施形態の補正率マップ485では、内外温度差Tdifが0のとき補正率pは0であり、内外温度差Tdifが0から大きくなるほど補正率pは増加し、1に漸近する。
図19に、第5実施形態による再起動時初回処理のフローチャートを示す。
初回上昇温度補正部405は、S11後のS52で、基板温度Ts及び外気温Tgの現在値を取得するとともに、上昇温度記憶部38から上昇温度記憶値Ti_mを読み込む。
初回上昇温度補正部405は、S54で、内外温度差Tdif(=Ts−Tg)を算出し、S55で、補正率マップ485を参照して上昇温度補正率pを演算する。
以後のS16、S18、S19は、図7等と同様である。
次に図20のタイムチャートを参照し、第5実施形態の動作例を説明する。
駆動停止時tqには基板温度Tsは外気温Tgより高く、駆動停止中に基板温度Ts、外気温Tgとも低下する。このとき、外気温Tgの低下量に比べ基板温度Tsの低下量が大きいため、内外温度差Tdifは徐々に減少し、再起動時trsには0に近い値となっている。したがって、補正率マップ485より補正率pは0に近い値となる。その結果、電流制限はほとんど不要と判断され、再起動時の初回制御における電流制限値Ilimは、電流最大値Imaxに近い値に設定される。
一方、図20の例に対し、再起動時trsの内外温度差Tdifが比較的大きい場合には、補正率pは1に近い値となり、初回上昇温度補正値Ti_compは、上昇温度記憶値Ti_mに近い値となる。その結果、再起動時の初回制御における電流制限値Ilimは、停止時tq直前と同等の値に設定される。
第5実施形態もまた、再起動時の外気温Tgの情報に基づいて上昇温度記憶値Ti_mを補正することで、駆動停止期間中の暗電流を抑制しつつ、再起動時における電流制限を適切に実行することができる。また、上記第1〜第4実施形態に対し、基板温度記憶部32及び外気温記憶部34を不要とすることができる。
第6実施形態は、第5実施形態に対し、上昇温度補正率pの演算を二値選択としたものである。
図18に破線で示す第6実施形態の二値マップでは、内外温度差Tdifが内外温度差臨界値Cdif未満のとき、補正率pは0であり、内外温度差Tdifが内外温度差臨界値Cdif以上のとき、補正率pは1である。
上昇温度記憶値Ti_mに補正率pが乗算されることで、内外温度差Tdifが内外温度差臨界値Cdif未満のとき、初回上昇温度補正値Ti_compは、0に設定される。また、内外温度差Tdifが内外温度差臨界値Cdif以上のとき、初回上昇温度補正値Ti_compは、上昇温度記憶値Ti_mに等しく設定される。
図21のフローチャートに示すように、第6実施形態による再起動時初回処理では、図19のS55及びS16に代えてS65−S67のステップを含む。
内外温度差Tdifが内外温度差臨界値Cdif未満のとき、S65でYESと判断され、S66で初回上昇温度補正値Ti_compが0に設定される。
内外温度差Tdifが内外温度差臨界値Cdif以上のとき、S65でNOと判断され、S67で初回上昇温度補正値Ti_compが上昇温度記憶値Ti_mに等しく設定される。
第6実施形態は、基本的に第5実施形態と同様の作用効果を奏する他、上昇温度補正率pの演算を二値選択とすることで、処理を単純化し、演算負荷を低減することができる。
(その他の実施形態)
(a)第1、第2実施形態の初回上昇温度補正部401の演算において、基板温度差ΔTs及び外気温差ΔTgの算出式を、上記の式(3.1)、(3.2)とは逆に、式(7.1)、(7.2)のように定義してもよい。
ΔTs=Ts_m−Ts ・・・(7.1)
ΔTg=Tg_m−Tg ・・・(7.2)
この場合、上昇温度補正率マップは、図4のマップに対し「ΔTs_comp=0」の位置を対称として横軸が正負反転して表される。正の補正後基板温度差ΔTs_compが大きいほど、上昇温度補正率pが1から小さくなり、0に漸近する。つまり、初回上昇温度補正部は、補正後基板温度差ΔTs_compが大きいほど初回上昇温度補正値Ti_compを小さくするように補正する。
また、補正率マップは、補正後基板温度差ΔTs_compの下限を0とし、補正率pが1で一定となる「ΔTs_comp<0」の領域を省略してもよい。
第2実施形態に対応する二値マップでは、補正後基板温度差ΔTs_compが温度差臨界値CΔTより大きいとき補正率pが0となり、補正後基板温度差ΔTs_compが温度差臨界値CΔT以下のとき補正率pが1となる。
このように、式の正負を逆に定義することで大小関係が反転するに過ぎない形態は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に含まれるものと解釈する。
(b)第3、第4実施形態の初回上昇温度補正部403の演算において、基板温度比αs及び外気温比αgの算出式を、上記の式(6.1)、(6.2)とは逆に、式(8.1)、(8.2)のように定義してもよい。
αs=[Ts_m]/[Ts] ・・・(8.1)
αg=[Tg_m]/[Tg] ・・・(8.2)
この場合、上昇温度補正率マップは、図13のマップに対し「αs_comp=1」の位置を基準として横軸が逆数の関係に表される。補正後基板温度比αs_compが1より大きいほど、上昇温度補正率pが1から小さくなり、0に漸近する。つまり、初回上昇温度補正部は、補正後基板温度比αs_compが大きいほど初回上昇温度補正値Ti_compを小さくするように補正する。
また、補正率マップは、補正後基板温度比αs_compの下限を1とし、補正率pが1で一定となる「αs_comp<1」の領域を省略してもよい。
第4実施形態に対応する二値マップでは、補正後基板温度比αs_compが温度比臨界値Cαより大きいとき補正率pが0となり、補正後基板温度比αs_compが温度比臨界値Cα以下のとき補正率pが1となる。
このように、式の分母、分子を逆に定義することで大小関係が反転するに過ぎない形態は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に含まれるものと解釈する。
なお、温度換算における基準温度Toを処理対象温度範囲の高温側に設定する場合にも演算値の大小関係が反転する。この形態も同様に、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に含まれるものと解釈する。
(c)上記実施形態の初回上昇温度補正部は、補正用引数から求めた上昇温度補正率pを上昇温度記憶値Ti_mに乗ずることにより、初回上昇温度補正値Ti_compを演算している。他の実施形態では、補正率pを用いず、上昇温度記憶値Ti_m毎に補正用引数と初回上昇温度補正値Ti_compとの関係を直接規定した複数のマップにより、上昇温度記憶値Ti_mを補正するようにしてもよい。
(d)モータ制御装置の駆動回路、及び、駆動されるモータは、上記実施形態で例示したインバータ及び三相ブラシレスモータに限らず、Hブリッジ回路及びDCモータ等であってもよい。
(e)本発明のモータ制御装置は、電動パワーステアリング装置の操舵アシストモータに限らず、どのようなモータを駆動する装置として適用されてもよい。特に駆動停止期間中の外気温の変化が比較的大きい車載用モータ等の制御装置として有効である。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
101、105・・・モータ制御装置、
20・・・基板、
31・・・基板温度取得部、 32・・・基板温度記憶部、
33・・・外気温取得部、 34・・・外気温記憶部、
37・・・上昇温度推定部、 38・・・上昇温度記憶部、
401、403、405・・・初回上昇温度補正部、
51・・・電流制限値演算部、
60・・・駆動回路、
71・・・基板温度センサ、 73・・・外気温センサ、
80・・・モータ。

Claims (12)

  1. モータ(80)を駆動する駆動回路(60)と、
    前記駆動回路が搭載された基板(20)と、
    前記基板の温度(Ts)を検出する基板温度センサ(71)と、
    前記基板温度センサが検出した基板温度を取得する基板温度取得部(31)と、
    前記基板温度取得部が取得した任意の基準時の基板温度を基板温度記憶値(Ts_m)として記憶する基板温度記憶部(32)と、
    外気温センサ(73)が検出した外気温(Tg)を取得する外気温取得部(33)と、
    前記外気温取得部が取得した前記基準時の外気温を外気温記憶値(Tg_m)として記憶する外気温記憶部(34)と、
    前記モータ又は前記駆動回路に流れる電流の値に基づき、前記駆動回路の素子の上昇温度(Ti)を推定する上昇温度推定部(37)と、
    前記上昇温度推定部が推定した上昇温度を上昇温度記憶値(Ti_m)として記憶する上昇温度記憶部(38)と、
    前記上昇温度推定部が推定した前記上昇温度に基づき、前記上昇温度が大きいほど前記モータに通電する電流を制限するように電流制限値を演算する電流制限値演算部(51)と、
    前記駆動回路による前記モータの駆動停止後の再起動時の初回制御において、前記基板温度記憶値、基板温度現在値、前記外気温記憶値及び外気温現在値に基づいて算出した補正用引数を用いて前記上昇温度記憶値を補正し、初回上昇温度補正値(Ti_comp)を演算する初回上昇温度補正部(401、403)と、
    を備え、
    前記初回上昇温度補正部は、前記外気温記憶値から外気温現在値への変化に対し、前記基板温度記憶値から基板温度現在値への低下度合いが相対的に大きいほど、前記初回上昇温度補正値を小さくするように補正するモータ制御装置。
  2. 前記基準時は、前記駆動回路の通電がオフした時、及び、当該通電オフ時における基板温度及び外気温との温度差が実質的に無視可能な時間範囲を含む駆動停止時である請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記初回上昇温度補正部(401)は、
    前記基板温度記憶値と基板温度現在値との差である基板温度差(ΔTs)、及び、前記外気温記憶値と外気温現在値との差である外気温差(ΔTg)に基づいて、前記補正用引数である補正後基板温度差(ΔTs_comp)を演算する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 基板温度現在値から前記基板温度記憶値を減じた値を前記基板温度差と定義し、外気温現在値から前記外気温記憶値を減じた値を前記外気温差と定義したとき、
    前記初回上昇温度補正部は、前記外気温差に正の補正係数(k)を乗じた値を前記基板温度差から減じて前記補正後基板温度差を算出し、前記補正後基板温度差が小さいほど前記初回上昇温度補正値を小さくするように補正する請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記初回上昇温度補正部は、前記補正後基板温度差が正の場合、前記補正後基板温度差を0として扱う請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記初回上昇温度補正部は、
    前記補正後基板温度差が0以下の値である温度差臨界値(CΔT)未満のとき、前記初回上昇温度補正値を0に設定し、
    前記補正後基板温度差が前記温度差臨界値以上のとき、前記初回上昇温度補正値を前記上昇温度記憶値に等しく設定する請求項4または5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記初回上昇温度補正部(403)は、
    前記基板温度記憶値、基板温度現在値、前記外気温記憶値及び外気温現在値について、所定の処理対象温度範囲外の基準温度(To)からの差分で表される温度値に換算し
    前記基板温度記憶値と基板温度現在値との比である基板温度比(αs)、及び、前記外気温記憶値と外気温現在値との比である外気温比(αg)に基づいて、前記補正用引数である補正後基板温度比(αs_comp)を演算する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  8. 前記基準温度は、前記処理対象温度範囲の低温側に設定され、
    基板温度現在値を前記基板温度記憶値で除した値を前記基板温度比と定義し、外気温現在値を前記外気温記憶値で除した値を前記外気温比と定義したとき、
    前記初回上昇温度補正部は、前記基板温度比を前記外気温比で除して前記補正後基板温度比を算出し、前記補正後基板温度比が小さいほど前記初回上昇温度補正値を小さくするように補正する請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記初回上昇温度補正部は、前記補正後基板温度比が1より大きい場合、前記補正後基板温度比を1として扱う請求項8に記載のモータ制御装置。
  10. 前記初回上昇温度補正部は、
    前記補正後基板温度比が1以下の値である温度比臨界値(Cα)未満のとき、前記初回上昇温度補正値を0に設定し、
    前記補正後基板温度比が前記温度比臨界値以上のとき、前記初回上昇温度補正値を前記上昇温度記憶値に等しく設定する請求項8または9に記載のモータ制御装置。
  11. モータ(80)を駆動する駆動回路(60)と、
    前記駆動回路が搭載された基板(20)と、
    前記基板の温度(Ts)を検出する基板温度センサ(71)と、
    前記基板温度センサが検出した基板温度を取得する基板温度取得部(31)と、
    外気温センサ(73)が検出した外気温(Tg)を取得する外気温取得部(33)と、
    前記モータ又は前記駆動回路に流れる電流の値に基づき、前記駆動回路の素子の上昇温度(Ti)を推定する上昇温度推定部(37)と、
    前記上昇温度推定部が推定した上昇温度を上昇温度記憶値(Ti_m)として記憶する上昇温度記憶部(38)と、
    前記上昇温度推定部が推定した前記上昇温度に基づき、前記上昇温度が大きいほど前記モータに通電する電流を制限するように電流制限値を演算する電流制限値演算部(51)と、
    前記駆動回路による前記モータの駆動停止後の再起動時の初回制御において、基板温度現在値から外気温現在値を減じた内外温度値(Tdif)に基づいて前記上昇温度記憶値を補正し、初回上昇温度補正値(Ti_comp)を演算する初回上昇温度補正部(405)と、
    を備え、
    前記初回上昇温度補正部は、前記内外温度差が小さいほど、前記初回上昇温度補正値を小さくするように補正するモータ制御装置。
  12. 前記初回上昇温度補正部は、前記内外温度差が内外温度差臨界値(Cdif)未満のとき、前記初回上昇温度補正値を0に設定し、
    前記内外温度差が前記内外温度差臨界値以上のとき、前記初回上昇温度補正値を前記上昇温度記憶値に等しく設定する請求項11に記載のモータ制御装置。
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WO2024214609A1 (ja) * 2023-04-11 2024-10-17 株式会社デンソー モータ制御装置

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