JP2018055877A - 固体高分子電解質膜およびその製造方法、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、ならびに固体高分子形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
Description
固体高分子電解質膜の抵抗を減らして固体高分子形燃料電池の発電性能を向上させる点から、固体高分子電解質膜の薄肉化が求められているが、特許文献1、2の実施例のような固体高分子電解質膜を薄くすると、膨潤と収縮の繰り返しによる破断が顕著になる。
[1]下式(u1)で表される単位、および下式(u2)で表される単位のいずれか一方または両方を有するポリマー(I)を含む固体高分子電解質膜であって、膜厚が1μm以上20μm以下である、固体高分子電解質膜。
また、式(u2)中、Q2は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Y2は、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1であり、Rf2は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Z+は、H+、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。
[2]前記ポリマー(I)における、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の合計の割合は、ポリマー(I)の全単位の合計に対して、10〜40モル%である、[1]に記載の固体高分子電解質膜。
[3]前記ポリマー(I)が、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の両方を有し、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の合計に対する式(u2)で表される単位の割合(モル比)は、0.05以上0.3以下である、[1]または[2]に記載の固体高分子電解質膜。
[4]前記ポリマー(I)が、さらにテトラフルオロエチレンに由来する単位を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[5]前記ポリマー(I)の破断伸度が400%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[6]触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された、[1]〜[5]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜とを備えた、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
[7][6]に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を備えた、固体高分子形燃料電池。
[8][1]〜[5]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜を製造する方法であって、下記ポリマー(F)の−SO2F基をスルホンイミド基に変換して前記ポリマー(I)を得て、前記ポリマー(I)を用いて固体高分子電解質膜を形成する、固体高分子電解質膜の製造方法。
ポリマー(F):下式(u’1)で表される単位、および下式(u’2)で表される単位のいずれか一方または両方を有するポリマー。
また、式(u’2)中、Q2は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Y2は、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1である。
[9]前記ポリマー(F)の−SO2F基をスルホンアミド基に変換した後、前記スルホンアミド基をスルホンイミド基に変換して前記ポリマー(I)を得る、[8]に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
本発明の固体高分子電解質膜の製造方法によれば、加湿と乾燥とが繰り返される環境でも破断しにくく、固体高分子形燃料電池の発電性能を向上できる固体高分子電解質膜が得られる。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、固体高分子電解質膜が破断しにくく、発電性能に優れている。
本発明の固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質膜の破断が抑えられ、発電性能に優れている。
「単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。単位は、モノマーの重合反応によって直接形成された単位に加えて、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位のことも意味する。
「ペルフルオロ有機基」とは、炭素原子を1以上含み、かつ炭素原子に共有結合する水素原子がすべてフッ素原子に置換された基を意味する。
「ペルフルオロアルキル基」とは、アルキル基の炭素原子に共有結合する水素原子がすべてフッ素原子に置換された基を意味する。
「ペルフルオロアルキレン基」とは、アルキレン基の炭素原子に共有結合する水素原子がすべてフッ素原子に置換された基を意味する。
「イオン交換基」とは、該基に含まれる陽イオンの一部が、他の陽イオンに交換しうる基を意味し、H+、一価の金属カチオン、アンモニウムイオン等を有する基を意味する。イオン交換基としては、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンメチド基等が挙げられる。
「スルホン酸基」は、−SO3−H+および−SO3−M+(ただし、M+は、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。)を包含する。
「TQ値」は、ポリマーの分子量および軟化温度の指標である。TQ値が大きいほど分子量が大きいことを示す。長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件で、溶融押出しを行った際のポリマーの押出し量が100mm3/秒となる温度である。
「破断伸度」は、ポリマー膜を一定の速度で引っ張り、ポリマー膜が破断したときの長さを、引っ張る前の初期長さに対する百分率として表した値である。破断伸度が大きいほどポリマー膜の伸びがよいことを示す。
本発明の固体高分子電解質膜は、ポリマー(I)を含み、膜厚が1μm以上20μm以下である固体高分子電解質膜である。
ポリマー(I)としては、機械的強度の点から、単位(u1)およびTFE単位を含むものが好ましく、単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位を含むものがより好ましく、単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位からなるものがさらに好ましい。必要に応じて、単位(u1)、単位(u2)およびTFE単位以外の第4のモノマーに由来する単位(以下、第4のモノマー単位とも記す。)を1種以上含んでもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、原料のモノマーの沸点が低くなり、蒸留精製が容易となる。また、炭素数が6以下であれば、ポリマー(I)のイオン交換容量の低下が抑えられ、伝導性の低下が抑えられる。
Q11、Q12の少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を有するモノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
Rf1のペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
単位(u1)の2つのRf1は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、ポリマー(I)のイオン交換容量の低下が抑えられ、伝導性の低下が抑えられる。
Rf2のペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
Y2としては、フッ素原子またはペルフルオロアルキル基が好ましく、フッ素原子またはトリフルオロメチル基がより好ましい。
第4のモノマーとしては、たとえば、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレンン、ペルフルオロα−オレフィン(ヘキサフルオロプロピレン等)、(ペルフルオロアルキル)エチレン(ペルフルオロブチル)エチレン等)、(ペルフルオロアルキル)プロペン(3−ペルフルオロオクチル−1−プロペン等)、ペルフルオロビニルエーテル(以下、PFVEとも記す。)等が挙げられる。
PFVEとしては、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキルビニルエーテル)等が挙げられる。
ポリマー(I)は、単位(u1)、単位(u2)および第4のモノマー単位を、それぞれ1種ずつ有していてもよく、それぞれ2種以上有していてもよい。
ポリマー(I)は、−SO2F基を有するポリマー(F)の−SO2F基をスルホンイミド基に変換することで製造できる。
ポリマー(F)は、ポリマー(I)の前駆体であり、単位(u’1)および単位(u’2)のいずれか一方または両方を有するポリマーである。ポリマー(F)は、機械的強度および化学的耐久性に優れるポリマー(I)が得られやすい点から、TFE単位をさらに有することが好ましい。
単位(u’1)としては、ポリマー(F)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u’1−1)〜(u’1−3)が好ましい。
単位(u’2)としては、ポリマー(F)の製造が容易であり、工業的実施が容易である点から、単位(u’2−1)〜(u’2−4)が好ましい。
ポリマー(F)は、単位(u’1)および単位(u’2)のいずれか一方または両方を有してよい。本発明の効果が充分に発揮されやすい点から、単位(u’1)を有するものが好ましく、単位(u’1)および単位(u’2)を両方有するものがより好ましい。機械的強度および科学的耐久性に優れる点から、TFE単位をさらに有するものが好ましい。
ポリマー(F)としては、機械的強度の点から、単位(u’1)およびTFE単位を含むものが好ましく、単位(u’1)、単位(u’2)およびTFE単位を含むものがより好ましく、単位(u’1)、単位(u’2)およびTFE単位からなるものがさらに好ましい。必要に応じて、第4のモノマー単位を含んでもよい。
化合物(m1)としては、化合物(m1−1)〜(m1−3)が好ましい。
化合物(m2)としては、化合物(m2−1)〜(m2−4)が好ましい。
ポリマー(A)のスルホンアミド基をスルホンイミド基に変換する方法としては、たとえば、アルカリ金属フッ化物や有機アミン等の塩基性化合物の存在下に、トリフルオロメタンスルホニルフルオライド、ペンタフルオロエタンスルホニルフルオライド等の−SO2F基を有する化合物をポリマー(A)と接触させる方法が挙げられる。−SO2F基を有する化合物を、ポリマー(A)のスルホンアミド基に対して過剰に使用することで、該化合物の一部の−SO2F基が加水分解されても、残りの化合物が反応することでスルホンイミド化が充分に進行する。
溶媒としては、たとえば、ポリフルオロトリアルキルアミン化合物(パーフルオロトリブチルアミン等。)、フルオロアルカン(パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、1H−パーフルオロヘキサン、1H−パーフルオロオクタン等)等の含フッ素溶媒;アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の非フッ素系溶媒等が挙げられる。
固体高分子電解質膜の製造方法としては、前述のようにポリマー(F)の−SO2F基をスルホンイミド基に変換してポリマー(I)を得た後、ポリマー(I)を用いて固体高分子電解質膜を形成する方法が好ましい。
ポリマー(F)の−SO2F基のスルホンイミド化は、スルホンイミド化の効率の点から、ポリマー(F)の−SO2F基をスルホンアミド基に変換した後に、該スルホンアミド基をスルホンイミド基に変換する方法が好ましい。
液状媒体中のポリマー(I)の割合は、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
液状組成物の調製方法としては、たとえば、大気圧下、またはオートクレーブ等で密閉した状態下において、液状媒体中のポリマー(I)に撹拌等のせん断を加える方法が挙げられる。必要に応じて、超音波等のせん断を付与してもよい。液状組成物の調製の際の温度は、50〜180℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。時間は、1〜48時間が好ましく、2〜24時間がより好ましい。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、単に「膜電極接合体」とも記す。)は、触媒層を有するアノードと、触媒層を有するカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された本発明の固体高分子電解質膜とを備える膜電極接合体である。
図1は、本発明の膜電極接合体の一例を示す断面図である。膜電極接合体10は、触媒層11およびガス拡散層12を有するアノード13と、触媒層11およびガス拡散層12を有するカソード14と、アノード13とカソード14との間に、触媒層11に接した状態で配置される固体高分子電解質膜15とを具備する。
触媒としては、カーボン担体に白金または白金合金を担持した担持触媒が挙げられる。
カーボン担体としては、カーボンブラック粉末、ブラファイト化カーボン、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
イオン交換樹脂としては、触媒層に用いられる公知のイオン交換樹脂が挙げられ、クラックが入りにくい触媒層を形成できる点から、ポリマー(I)、またはポリマー(F)の−SO2F基を−SO3H基などのスルホンイミド基以外のイオン交換基に変換したポリマーが好ましい。
ガス拡散層としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。
ガス拡散層は、ポリテトラフルオロエチレン等によって撥水化処理されていることが好ましい。
カーボン層を配置することにより、触媒層の表面のガス拡散性が向上し、固体高分子形燃料電池の発電性能が大きく向上する。
カーボン層は、カーボンと非イオン性含フッ素ポリマーとを含む層である。
カーボンとしては、カーボン粒子、カーボンファイバー等が挙げられ、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。
非イオン性含フッ素ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
・固体高分子電解質膜上に触媒層を形成して膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み込む方法。
・ガス拡散層上に触媒層を形成して電極(アノード、カソード)とし、固体高分子電解質膜を該電極で挟み込む方法。
・基材フィルム上に、カーボンおよび非イオン性含フッ素ポリマーを含む分散液を塗工し、乾燥させてカーボン層を形成し、カーボン層上に触媒層を形成し、触媒層と固体高分子電解質膜とを貼り合わせ、基材フィルムを剥離して、カーボン層を有する膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体をガス拡散層で挟み込む方法。
・ガス拡散層上に、カーボンおよび非イオン性含フッ素ポリマーを含む分散液を塗工し、乾燥させてカーボン層を形成し、固体高分子電解質膜上に触媒層を形成した膜触媒層接合体を、カーボン層を有するガス拡散層で挟み込む方法。
・触媒層形成用塗工液を、固体高分子電解質膜、ガス拡散層、またはカーボン層上に塗工し、乾燥させる方法。
・触媒層形成用塗工液を基材フィルム上に塗工し、乾燥させて触媒層を形成し、該触媒層を固体高分子電解質膜上に転写する方法。
本発明の固体高分子形燃料電池は、本発明の膜電極接合体を備えるものである。膜電極接合体の両面に、ガスの流路となる溝が形成されたセパレータを配置することにより、固体高分子形燃料電池が得られる。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
例1〜6は実験例であり、例7は実施例であり、例8〜10は比較例である。
ポリマー(F)における各単位の割合については、19F−NMRの測定結果から求めた。
長さ1mm、内径1mmのノズルを備えたフローテスタCFT−500A(島津製作所製)を用い、2.94MPaの押出し圧力の条件で温度を変えてポリマーの押出し量が100mm3/秒となる温度(TQ値)を求めた。TQが高いほどポリマーの分子量は大きい。
各例で得た厚さ25μmのポリマー膜をJIS K 6251にて規定の7号形ダンベルの形状に打ち抜き、試験片を温度80℃、湿度3%RHの環境下で60mm/分の引張速度で引張り、破断伸度を測定した。破断伸度は初期長さに対する破断時の長さの百分率として規格化した。引張試験機には、RTE−1210(製品名:万能試験機(テンシロン)、オリエンテック社製)を用いた。
各例で得た厚さ25μmのポリマー膜をJIS K 6251にて規定の7号形ダンベルの形状に打ち抜き、試験片の引張方向の中央部における両端部に、引張方向と垂直な方向に長さ0.5mmの直線状の亀裂(ノッチ)をそれぞれ形成した。試験片を温度80℃、湿度3%RHの環境下で100mm/分の引張速度で引張り、亀裂同士が合一化して試験片が破断するまでの引張距離に応じた力を測定した。引張距離(単位:mm)をX軸にとり、引張距離に応じた力(単位:N)をY軸にとってグラフをプロットし、プロットしたグラフとX軸とで囲まれた部分の面積を算出してWF値とした。引張試験機には、RTE−1210(製品名:万能試験機(テンシロン)、オリエンテック社製)を用いた。WF値は試験片が破断するまでに要する仕事(エネルギー)に相当する値であり、膜の亀裂進展耐性を反映する値である。WF値が高いほど、亀裂が進展しにくい。
各例で得た厚さ25μmのポリマー膜を120℃で12時間真空乾燥した。ポリマー膜を0.85モル/gの水酸化ナトリウム溶液(溶媒:水/メタノール=10/90(質量比))に浸漬して、イオン交換基を中和した。イオン交換基を中和した後の水酸化ナトリウム溶液を0.1モル/Lの塩酸で逆滴定してポリマー膜のイオン交換容量(ミリ当量/g乾燥樹脂)を求めた。
各例で得た膜電極接合体を発電用セルに組み込み、膜電極接合体の温度を95℃に維持し、アノードに水素(利用率70%)、カソードに酸素(利用率50%)をそれぞれ151kPa(絶対圧力)に加圧して供給した。ガスの加湿度は水素、酸素ともに相対湿度20%RHとし、発電性能としてセル電圧が0.6Vのときの電流密度を記録した。電流密度が高いほど、燃料電池における出力密度を上げることができるため好ましい。
TFE:テトラフルオロエチレン(CF2=CF2)、
P2SVE:化合物(m1−2)、
PSVE:化合物(m2−1)、
HFC−52−13p:CF3(CF2)5H、
HCFC−141b:CCl2FCH3、
HCFC−225cb:CClF2CF2CHClF、
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド。
オートクレーブ(内容積1L、ステンレス製)に、P2SVEの800.0gを入れ、氷冷下でオートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。内温を57℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を0.9MPaG(ゲージ圧)とした。HFC−52−13pの8.0gに予めジメチル2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の0.323gを溶解させた溶液を加えて重合を開始し、温度と圧力を維持したままTFEを連続添加して重合を行った。6時間後、TFEの添加量が45.8gとなったところでオートクレーブを冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
重合後の後処理として、反応液をHFC−52−13pで希釈後、HCFC−141bとノルマルヘキサンの混合液を添加し、ポリマーを凝集してろ過した。その後、HFC−52−13p中でポリマーを撹拌して、HCFC−141bとノルマルヘキサンの混合液で再凝集する操作を2回繰り返した。120℃で一晩減圧乾燥して、TFE/P2SVEコポリマーからなるポリマー(F−1)の109.7gを得た。
ポリマー(F−1)の組成は、TFE単位/P2SVE単位=82.7/17.3(モル比)であった。ポリマー(F−1)のTQ値は、264℃であった。
オートクレーブ(内容積2.5L、ステンレス製)に、PSVEの123.8g、P2SVEの1550.6g、HCFC−225cbの108.6g、およびジメチル2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の0.179gを入れ、氷冷下でオートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。内温を66℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を1.14MPaGとした。温度と圧力を維持したままTFEを連続添加して重合を行った。6.4時間後、TFEの添加量が124.7gとなったところでオートクレーブを冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
製造例1と同様の後処理を行い、TFE/PSVE/P2SVEコポリマーからなるポリマー(F−2)の276gを得た。
ポリマー(F−2)の組成は、TFE単位/PSVE単位/P2SVE単位=83.0/1.7/15.3(モル比)であった。ポリマー(F−2)のTQ値は、230℃であった。
オートクレーブ(内容積230mL、ハステロイ製)に、PSVEの170.0g、溶媒としてHCFC−225cbの3.3g、開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の52.00mg、を仕込み、液体窒素で冷却して脱気した。その後、65℃に昇温して、TFEを系内に導入し圧力を1.07MPaGに保持した。圧力が1.07MPaGで一定になるように、TFEを連続的に添加して重合を行った。8.0時間経過後、TFEの添加量が9.1gとなったところでオートクレーブを冷却して、系内のガスをパージして重合を停止した。
得られたポリマー溶液をHCFC−225cbで希釈してから、HCFC−141bを添加して、凝集した。HCFC−225cbおよびHCFC−141bを用いて洗浄を行った後、乾燥して、TFE/PSVEコポリマーからなるポリマー(F−3)の17.8gを得た。ポリマー(F−3)の組成は、TFE単位/PSVE単位=78.1/21.9(モル比)であった。ポリマー(F−3)のTQ値は234℃であった。
オートクレーブ(内容積230mL、ハステロイ製)に、PSVEの123.8g、溶媒としてHCFC−225cbの35.2g、開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の63.62mg、を仕込み、液体窒素で冷却して脱気した。その後、70℃に昇温して、TFEを系内に導入し圧力を1.14MPaGに保持した。圧力が1.14MPaGで一定になるように、TFEを連続的に添加して重合を行った。7.9時間経過後、TFEの添加量が12.4gとなったところでオートクレーブを冷却して、系内のガスをパージして重合を停止した。
製造例3と同様の後処理を行い、TFE/PSVEコポリマーからなるポリマー(F−4)の25.1gを得た。ポリマー(F−4)の組成は、TFE単位/PSVE単位=82.3/17.7(モル比)であった。ポリマー(F−4)のTQ値は225℃であった。
オートクレーブ(内容積1L、ステンレス製)に、P2SVEの495.0g、HCFC−225cbの76.0g、および2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の0.343gを入れ、氷冷下でオートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。内温を65℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を1.15MPaGとした。温度と圧力を維持したままTFEを連続添加して重合を行った。11.5時間後、TFEの添加量が39.8gとなったところでオートクレーブを冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
製造例1と同様の後処理を行い、TFE/P2SVEコポリマーからなるポリマー(F−5)の98.5gを得た。
ポリマー(F−5)の組成は、TFE単位/P2SVE単位=85.6/14.4(モル比)であった。ポリマー(F−5)のTQ値は、245℃であった。
オートクレーブ(内容積230mL、ハステロイ製)に、PSVEの49.4g、P2SVEの84.2g、HCFC−225cbの9.9g、およびジメチル2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)の0.029gを入れ、氷冷下でオートクレーブ内を蒸気圧まで脱気した。内温を65℃に昇温し、オートクレーブにTFEを導入し、圧力を1.14MPaGとした。温度と圧力を維持したままTFEを連続添加して重合を行った。7.0時間後、TFEの添加量が7.5gとなったところでオートクレーブを冷却して重合を停止し、系内のガスをパージした。
製造例1と同様の後処理を行い、TFE/PSVE/P2SVEコポリマーからなるポリマー(F−6)の16.0gを得た。
ポリマー(F−6)の組成は、TFE単位/PSVE単位/P2SVE単位=82.8/7.7/9.5(モル比)であった。ポリマー(F−6)のTQ値は、242℃であった。
製造例1で得たポリマー(F−1)の40gを、HFC−52−13pの3000gとともに温度計、撹拌機を備えた2.5Lのオートクレーブに入れ、125℃に加熱撹拌して溶液を調製した。該溶液を冷却した後、オートクレーブを開蓋してポリマー(F−1)の溶解を確認した。溶液は白味を帯びた透明の液体であった。再びオートクレーブを閉じ、気相部を窒素で置換した後、オートクレーブをドライアイス/エタノール浴に浸し、200rpmの速度で撹拌しながら冷却した。内温が−20℃まで低下した後、気相部よりアンモニアガスの35.6gを導入した。アンモニアガスの導入は内温が−15℃を上回らないよう速度を調節しながら行い、この間、内温を−21℃〜−17℃となるように制御した。この時の内圧は0.1MPaであった。導入終了後、オートクレーブの冷却を終了した。−12℃まで温度が上がったところで気相部に窒素を導入して内圧を0.5MPaまで加圧した。6時間かけて徐々に室温まで昇温させ、その後48時間室温にて反応を継続させた。アンモニアガスをパージし、容器の内圧を常圧まで戻した。パージ完了後、耐圧容器を開蓋したところ、溶液中に白色から淡黄色のポリマーが析出しているのを確認した。析出したポリマーを吸引ろ過にて溶媒から分離し、HFC−52−13pでポリマーを洗浄した。ポリマーを3Nの塩酸にて6回洗浄し、さらに超純水にて5回洗浄した後乾燥し、白色固体の40.5gを得た。
得られた白色固体を赤外分光分析法により分析したところ、ポリマー(F−1)が有する1468cm−1付近の−SO2F基由来のピークは完全に消失し、代わって1386cm−1付近のスルホンアミド基(−SO2NH2基)由来のピークが現れていること、すなわち−SO2F基が−SO2NH2基へと変換されたスルホンアミド型ポリマー(A−1)が生成していることを確認した。
前記膜をアルカリ水溶液(水酸化カリウム:15質量%、ジメチルスルホキシド:30質量%、水:55質量%)中に80℃で60時間浸漬した後、洗浄水のpHが7になるまで水洗した。次いで、10質量%過酸化水素水に浸漬し、80℃で20時間処理した。この操作により薄茶色であった膜の色が無色透明になった。さらに80℃の3Nの塩酸水溶液に30分間浸漬し、次いで80℃の超純水に15分間浸漬した。塩酸水溶液への浸漬と超純水への浸漬のサイクルを合計5回実施し、その後、膜を浸漬している超純水のpHが7となるまで超純水洗浄を繰り返した。
膜を赤外分光分析法により分析したところ、ポリマー(A−1)が有する1386cm−1付近の−SO2NH2基に由来するピークが消失し、1065cm−1、1320cm−1および1340cm−1付近の−SO2N+(H+)SO2CF3基に由来するピークが現れていることを確認した。すなわち−SO2NH2基が−CF2−SO2N+(H+)SO2CF3基へと変換されたスルホンイミドポリマー(I−1)が生成していることを確認した。ポリマー(F−1)が有する−SO2F基が全てスルホンイミド基に変換されたと仮定すると、ポリマー(I−1)のイオン交換容量は1.51ミリ当量/g乾燥樹脂となる。
ポリマー(F−1)をポリマー(F−2)に変更した以外は、例1と同様にしてポリマー(A−2)得た。
ポリマー(A−1)の17gをポリマー(A−2)の20gに、また使用した試薬量をそれぞれDMAcの380.0g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの16.2g、CF3SO2Fガスの21.2gへと変更した以外は、例1と同様にしてポリマー(I−2)得た。ポリマー(F−2)が有するSO2F基が全てスルホンイミド基に変換されたと仮定すると、ポリマー(I−2)のイオン交換容量は1.42ミリ当量/g乾燥樹脂となる。
ポリマー(I−2)が分散した液状組成物を用いる以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
ポリマー(F−1)をポリマー(F−3)に変更した以外は、例1と同様にしてポリマー(A−3)得た。
ポリマー(A−1)の17gをポリマー(A−3)の20gに、また使用した試薬量をそれぞれDMAcの380.0g、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの11.6g、CF3SO2Fガスの15.2gへと変更した以外は、例1と同様にしてポリマー(I−3)得た。ポリマー(F−3)が有するSO2F基が全てスルホンイミド基に変換されたと仮定すると、ポリマー(I−3)のイオン交換容量は1.05ミリ当量/g乾燥樹脂となる。
ポリマー(I−3)が分散した液状組成物を用いる以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
ポリマー(F−4)を加圧プレス成形(240℃、4MPa)して厚さ200μmの膜を得た。ポリマー(F−4)の膜を、アルカリ水溶液(水酸化カリウム:15質量%、ジメチルスルホキシド:30質量%、水:55質量%)中に80℃で16時間浸漬させることによって、ポリマー(F−4)中の−SO2F基を加水分解し、−SO3K基に変換した。さらに該膜を、3モル/Lの塩酸水溶液に80℃で30分浸漬した後、80℃の超純水に15分間浸漬した。塩酸水溶液への浸漬と超純水への浸漬のサイクルを合計5回実施し、−SO3K基をスルホン酸基(−SO3H)に変換した。その後、膜を浸漬している水のpHが7となるまで超純水による洗浄を繰り返した後、膜を風乾し、ポリマー(S−1)の膜を得た。
ポリマー(S−1)が分散した液状組成物を用いる以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
ポリマー(F−4)の代わりにポリマー(F−5)を用いた以外は、例4と同様にしてポリマー(S−2)の膜を得た。
オートクレーブ(内容積200mL、ガラス製)に、細かく切断したポリマー(S−2)の8.4g、1−ブタノール/エタノール/水の混合溶媒(35/15/50(質量比))の68.0gを加え、撹拌しながらオートクレーブを加熱した。110℃で60時間撹拌した後、エタノールの13.8gと水の77.8gを加えた。24時間撹拌した後、放冷し、加圧ろ過機(ろ紙:アドバンテック東洋社製、PF040)を用いてろ過することによって、ポリマー(S−2)が混合溶媒に4.7質量%で分散した液状組成物の152.2gを得た。
ポリマー(S−2)が分散した液状組成物を用い、185℃の乾燥炉中で30分熱処理を行った以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
ポリマー(F−3)の代わりにポリマー(F−6)を用いた以外は、例4と同様にしてポリマー(S−3)の膜を得た。
細かく切断したポリマー(S−3)の14.2g、エタノール/水の混合溶媒(60/40(質量比))の81.2gを加え、撹拌しながらオートクレーブを加熱した。次いで、加える水の量を12.4gとした以外は、例3と同様にしてポリマー(S−3)が混合溶媒に13.2質量%で分散した液状組成物の107.0gを得た。
ポリマー(S−3)が分散した液状組成物を用い、185℃の乾燥炉中で30分熱処理を行った以外は、例1と同様にして、厚さが25μmのポリマー膜を得た。
カーボン粉末に白金を46質量%担持した担持触媒(田中貴金属工業社製)の44gに、水の221.76g、エタノールの174.24gを加え、超音波ホモジナイザーを用いて混合粉砕し、触媒分散液を得た。該触媒分散液に、例4と同様の方法で得た液状組成物の80.16g、エタノールの44.4gおよびゼオローラ−H(日本ゼオン製)の25.32gを予め混合・混練した混合液の102.06gを加え、さらに水の26.77g、エタノールの12gを加えて超音波ホモジナイザーを用いて混合し、固形分濃度を10質量%とした触媒層形成用塗工液を得た。該触媒層形成用塗工液をETFEシート上にダイコーターで塗工した後、80℃で乾燥し、さらに160℃で30分の熱処理を施して、白金量が0.4mg/cm2である触媒層を形成した。
前記固体高分子電解質膜を触媒層でそれぞれ両側から挟み、プレス温度160℃、プレス時間2分、圧力3MPaの条件にて加熱プレスし、固体高分子電解質膜の両面に触媒層を接合し、触媒層からETFEフィルムを剥離して、電極面積25cm2の膜触媒層接合体を得た。
前記膜触媒層接合体のアノード側の触媒層側に、カーボン層付きガス拡散基材(NOK社製、商品名:X0086 IX92 CX320)をカーボン層が触媒層と接するように配置し、カソード側の触媒層に、前記中間層付きガス拡散基材を中間層が触媒層に接するように配置した後、160℃、3MPaの条件下で2分間プレスして、膜電極接合体を得た。
固体高分子電解質膜の代わりに、例2のポリマー膜を用いた以外は、例7と同様にして膜電極接合体を得た。
例4と同様の方法で、ポリマー(S−1)で形成された厚さ10μmのポリマー膜を得た。ポリマー膜の厚さの制御は液状組成物の塗膜の厚さを調節することにより行った。固体高分子電解質膜の代わりに、厚さ10μmのポリマー膜を用いた以外は、例7と同様にして膜電極接合体を得た。
固体高分子電解質膜の代わりに、例4のポリマー膜を用いた以外は、例7と同様にして膜電極接合体を得た。
表2に示すように、ポリマー(I−2)を用いた膜厚10μmの固体高分子電解質膜を備える例7の膜電極接合体では、膜厚が25μmの固体高分子電解質膜を備える例8の膜電極接合体に比べて、電流密度が高く、発電性能に優れていた。
ポリマー(S−1)を用いた例9、例10においては、膜厚を薄くすることで発電性能が向上する傾向があったが、ポリマー(S−1)は、破断伸度が引く、WF値が小さいため、破断が生じやすい。
本発明の固体高分子電解質膜は、固体高分子形燃料電池の加湿、乾燥が繰り返される運転条件において、固体高分子電解質膜の破断を抑制できるポリマー物性を持ち、実際に、本発明の固体高分子電解質膜を10μmの薄膜として、固体高分子形燃料電池とした場合においても、優れた発電性能を備えていた。
Claims (9)
- 下式(u1)で表される単位、および下式(u2)で表される単位のいずれか一方または両方を有するポリマー(I)を含む固体高分子電解質膜であって、
膜厚が1μm以上20μm以下である、固体高分子電解質膜。
また、式(u2)中、Q2は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Y2は、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1であり、Rf2は、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基であり、Z+は、H+、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。 - 前記ポリマー(I)における、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の合計の割合は、ポリマー(I)の全単位の合計に対して、10〜40モル%である、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記ポリマー(I)が、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の両方を有し、式(u1)で表される単位および式(u2)で表される単位の合計に対する式(u2)で表される単位の割合(モル比)は、0.05以上0.3以下である、請求項1または2に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記ポリマー(I)が、さらにテトラフルオロエチレンに由来する単位を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜。
- 前記ポリマー(I)の破断伸度が400%以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜。
- 触媒層を有するアノードと、
触媒層を有するカソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜と
を備えた、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。 - 請求項6に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を備えた、固体高分子形燃料電池。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の固体高分子電解質膜を製造する方法であって、
下記ポリマー(F)の−SO2F基をスルホンイミド基に変換して前記ポリマー(I)を得て、前記ポリマー(I)を用いて固体高分子電解質膜を形成する、固体高分子電解質膜の製造方法。
ポリマー(F):下式(u’1)で表される単位、および下式(u’2)で表される単位のいずれか一方または両方を有するポリマー。
また、式(u’2)中、Q2は、単結合、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であり、Y2は、フッ素原子または1価のペルフルオロ有機基であり、tは、0または1である。 - 前記ポリマー(F)の−SO2F基をスルホンアミド基に変換した後、前記スルホンアミド基をスルホンイミド基に変換して前記ポリマー(I)を得る、請求項8に記載の固体高分子電解質膜の製造方法。
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