JP2018047756A - ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エアブレーキ式の車輌において、デットマン等の非常時ないし緊急事態の際に、同乗者によって車輌を可及的に安全に停止させることが可能なブレーキ装置を提供する。【解決手段】エアタンクに格納された圧縮エアを用いて車輪を制動するブレーキ装置であって、運転者により操作される第1の操作部材を備え、第1の操作部材の操作により第1の信号を生成する、エアタンクの下流に配管を通じて設けられた第1の信号圧生成弁と、運転者以外の者が操作できるように配置される第2の操作部材を備え、第2の操作部材の操作により第2の信号を生成する、エアタンクの下流に配管を通じて設けられた第2の信号圧生成弁と、第1の信号圧生成弁および第2の信号圧生成弁の下流に各々の配管を通じて設けられ、第1の信号および第2の信号のエア圧のうち高圧側を選択し、該選択されたエア圧に基づいた信号圧に応じた駆動圧を出力する駆動出力部と、駆動出力部の駆動圧に基づいて車輪の回転を制動する制動機構と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、ブレーキ装置に関する。
近年、車輌において、人間の操作者(以下、運転者という。)が運転中に死亡や意識不明等の事態に陥ったときや、不用意に運転位置を離れるようなときのための、いわゆるデッドマン対策のための装置やブレーキ等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
従来、トラックやバスなどの各種大型車輌では、車輪の回転を制動するために、エアタンクに格納された圧縮エアをエア信号(信号圧)および、エネルギー(駆動圧)として利用するエアブレーキが多く用いられている。しかしながら、このようなエアブレーキ式の車輌において、上記デッドマン対策のための専用のブレーキは提案されていなかった。
このような専用のブレーキが無い車輌では、上記デッドマン等の非常時には、車輌を停止させるための方策として、助手席の同乗者がパーキングブレーキを操作することが考えられる。
しかしながら、一般的なパーキングブレーキは、車輌の総輪の内、特定の輪だけにブレーキを掛けるものであり、また、回転する車輪のロックを防止するためのABS(Anti−lock Brake System)の動作がサポートされていない。したがって、車輌の走行中にパーキングブレーキを操作した場合は、回転中の車輪に加えられる制動力の強さやバランス等を良好にすることが困難であり、車輌をすみやかに或いは緩やかに停止させることが出来ない、またはハンドル操作等が上手く行えない等の安全面上の問題がある。
本発明の目的は、エアブレーキ式の車輌において、デットマン等の非常時ないし緊急事態の際に、同乗者によって車輌を可及的に安全に停止させることが可能なブレーキ装置を提供することである。
本発明に係るブレーキ装置は、
エアタンクに格納された圧縮エアを用いて車輪を制動するブレーキ装置であって、
運転者により操作される第1の操作部材を備え、前記第1の操作部材の操作により第1の信号を生成する、前記エアタンクの下流に配管を通じて設けられた第1の信号圧生成弁と、
運転者以外の者が操作できるように配置される第2の操作部材を備え、前記第2の操作部材の操作により第2の信号を生成する、前記エアタンクの下流に配管を通じて設けられた第2の信号圧生成弁と、
前記第1の信号圧生成弁および第2の信号圧生成弁の下流に各々の配管を通じて設けられ、前記第1の信号および第2の信号のエア圧のうち高圧側を選択し、該選択されたエア圧に基づいた信号圧に応じた駆動圧を出力する駆動出力部と、
前記駆動出力部の駆動圧に基づいて前記車輪の回転を制動する制動機構と、
を備える。
エアタンクに格納された圧縮エアを用いて車輪を制動するブレーキ装置であって、
運転者により操作される第1の操作部材を備え、前記第1の操作部材の操作により第1の信号を生成する、前記エアタンクの下流に配管を通じて設けられた第1の信号圧生成弁と、
運転者以外の者が操作できるように配置される第2の操作部材を備え、前記第2の操作部材の操作により第2の信号を生成する、前記エアタンクの下流に配管を通じて設けられた第2の信号圧生成弁と、
前記第1の信号圧生成弁および第2の信号圧生成弁の下流に各々の配管を通じて設けられ、前記第1の信号および第2の信号のエア圧のうち高圧側を選択し、該選択されたエア圧に基づいた信号圧に応じた駆動圧を出力する駆動出力部と、
前記駆動出力部の駆動圧に基づいて前記車輪の回転を制動する制動機構と、
を備える。
本発明によれば、エアブレーキ式の車輌において、デットマン等の非常時ないし緊急事態の際に、同乗者によって車輌を可及的に安全に停止させることが可能なブレーキ装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車輌のブレーキ装置の実施の形態について説明する。
各実施の形態では、いずれもエアタンクに格納された圧縮エアを用いて車輪に制動力を加えるブレーキ装置であって、運転者によるブレーキペダルの操作により2系統の回路が動作して車輪にブレーキを掛ける方式のものを開示する。また、各実施の形態では、デッドマン等の非常ないし緊急の事態に対応するために、上記2系統の回路に、運転者以外の同乗者の操作によって車輪に非常ブレーキを掛けるための回路構成が付加されたブレーキ装置を開示する。
〔第1の実施の形態〕
図1に示すブレーキ装置1は、例えばトラックやバスなどの各種大型車輌に設けられ、エアタンク11に格納された圧縮エアを信号圧および駆動圧として使用して、車輪に取り付けられたブレーキ2,3を作動させるものである。
図1に示すブレーキ装置1は、例えばトラックやバスなどの各種大型車輌に設けられ、エアタンク11に格納された圧縮エアを信号圧および駆動圧として使用して、車輪に取り付けられたブレーキ2,3を作動させるものである。
ブレーキ装置1は、エアタンク11と、エアタンク11の下流に配置されたブレーキバルブ12および非常ブレーキバルブ20と、これらブレーキバルブ12、20の下流に配置されたダブルチェック弁付きのリレーバルブ6を備える。ブレーキ装置1は、これらエアタンク11、ブレーキバルブ12、非常ブレーキバルブ20、およびリレーバルブ6を各々一対ずつ備えた2系統の回路を備えている。
かかる2系統の回路に関し、以下、第1系統側の構成には適宜符号Aを加え、第2系統側の構成には適宜符号Bを加えて説明する。
ブレーキ装置1では、第1のエアタンク11Aの圧縮エアを用いて後輪のリアブレーキ3(3L,3R)を駆動し、第2のエアタンク11Bの圧縮エアを用いて前輪のフロントブレーキ2(2L,2R)を駆動するようになっている。
また、ブレーキ装置1では、リレーバルブ6からブレーキ2L,2R、3L,3Rまでの間に、各々、後述するモジュレーター5とブレーキチャンバー4とを備える。ブレーキ装置1は、各モジュレーター5等を制御するECU(Electronic Control Unit)などの制御部30を備える。
なお、本実施の形態では、後輪が駆動輪となり、かかる駆動輪のリアブレーキ3(3L,3R)には公知のパーキングブレーキ(いわゆるサイドブレーキ)の機構が設けられる。かかるパーキングブレーキの機構は特徴がない(スプリングブレーキを示すものである)ため、図示および説明を省略する。
以下、ブレーキ装置1の各部の構成を詳述する。
エアタンク11(11A,11B)は、圧縮エアを格納する容器である。エアタンク11は、内部の圧縮エアをブレーキの強さを指示する信号(信号圧)として使用するため、各々の配管を通じて、第1の信号圧生成弁であるブレーキバルブ12および第2の信号圧生成弁である非常ブレーキバルブ20と接続される。
具体的には、第1のエアタンク11Aは、配管P1により第1のブレーキバルブ12Aと接続され、配管P1から分岐した配管P11により第1の非常ブレーキバルブ20Aと接続される。他方、第2のエアタンク11Bは、配管P4により第2のブレーキバルブ12Bと接続され、配管P4から分岐した配管P41により第2の非常ブレーキバルブ20Bと接続される。
また、エアタンク11(11A,11B)は、格納された圧縮エアをブレーキ駆動用の駆動圧としても使用するため、リレーバルブ6と接続される。
具体的には、第1のエアタンク11Aは配管P3により第1系統側のリレーバルブ6と接続され、第2のエアタンク11Bは、配管P6により第2系統側のリレーバルブ6と接続される。
なお、各エアタンク11には図示しないエアコンプレッサーが接続され、エアタンク11からのエアが消費されて残量が少なくなると、エアコンプレッサーによってエアタンク11内にエアが補給されるようになっている。
ブレーキバルブ12(12A,12B)は、車輌の運転者の操作により開閉されるバルブであり、第1の操作部材としてのブレーキペダル13を備える。このブレーキペダル13は、車輌の運転席に設けられ、運転者の足で踏み込まれることで、第1のブレーキバルブ12Aおよび第2のブレーキバルブ12Bを連動し、足の踏込量または力に応じて開状態とする(調圧する)。他方、ブレーキペダル13は、踏み込みが解除されると、元の位置(上方)に戻り、第1のブレーキバルブ12Aおよび第2のブレーキバルブ12Bを連動して閉状態とする。
ブレーキバルブ12(12A,12B)は、各々の配管を通じてリレーバルブ6と接続される。具体的には、第1のブレーキバルブ12Aは配管P2により第1系統側のリレーバルブ6と接続され、第2のブレーキバルブ12Bは、配管P5により第2系統側のリレーバルブ6と接続される。
ここで、配管P2およびP5すなわちブレーキバルブ12下流の流路には、各々、ロープレッシャースイッチ14が設けられる。このロープレッシャースイッチ14は、ブレーキバルブ12下流の流路における圧力の上昇を検知するとオン(ON)の信号を出力するスイッチであり、車輌の停止ランプなどの作動スイッチとして機能する。
第2の信号圧生成弁としての非常ブレーキバルブ20(20A,20B)は、非常時に、車輌の運転者以外の同乗者の操作によって開閉動作するためのバルブであり、通常は閉状態が保持される。
非常ブレーキバルブ20(20A,20B)は、第2の操作部材としての非常用操作部材21を備える。本実施の形態では、非常用操作部材21は、非常ブレーキバルブ20(20A,20B)を開状態とするための部材であり、車輌の助手席に設けられた押圧式のレバーである。非常用操作部材21は、助手席にいる同乗者の足あるいは手で強く押圧されることによって、第1の非常ブレーキバルブ20Aおよび第2の非常ブレーキバルブ20Bを連動して開状態にする。
本実施の形態では、非常用操作部材21の押圧により一度開状態になった非常ブレーキバルブ20(20A,20B)は、その後の非常用操作部材21の操作に関わらず、開状態を維持するようになっている。これは、デッドマン等の緊急事態の際には、先ずは走行中の車輌を停止させることが優先されること、運転者のみならず同乗者もブレーキ操作に対する精神的な余裕がないこと等を考慮したものである。
他方、一度開状態になった非常ブレーキバルブ20(20A,20B)を非常用操作部材21またはこれとは別の部材によって閉状態に戻せる構成とすることもあり得る。
他の例として、非常用操作部材21は、フットペダルや引っ張りレバーなどの種々の形態とすることもできる。また、他の例として、非常用操作部材21は、後部座席等の同乗者が操作できるような位置、例えばパーキングブレーキの操作部(操作レバーや操作スイッチなど)の近傍位置に配置されてもよい。
非常ブレーキバルブ20(20A,20B)は、各々の配管を通じてリレーバルブ6と接続される。具体的には、第1の非常ブレーキバルブ20Aは配管P12により第1系統側のリレーバルブ6と接続され、第2の非常ブレーキバルブ20Bは、配管P42により第2系統側のリレーバルブ6と接続される。
ここで、配管P12およびP42すなわち非常ブレーキバルブ20下流の流路には、各々、上述したロープレッシャースイッチ14が設けられている。
また、配管P12およびP42すなわち非常ブレーキバルブ20およびロープレッシャースイッチ14の下流の流路には、各々、エアの流量を制限するオリフィス25が設けられている。
これらオリフィス25は、非常ブレーキバルブ20下流側の圧力が急上昇することを防止するためのものであり、配管P12およびP42の内径が部分的に小さく絞り込まれた構成となっている。オリフィス25のかかる構成により、当該配管P12およびP42を通過するエアの流量が制限される。
リレーバルブ6は、ブレーキバルブ12または非常ブレーキバルブ20から供給されるエア(信号圧)に基づいてブレーキチャンバー4等を駆動するバルブであり、この例では後述するダブルチェック弁を備えた構成とされる。
各リレーバルブ6は、配管P(P3またはP6)を通じて、対応するエアタンク11(11Aまたは11B)から動力(駆動)用のエアを接続しており、かかる駆動用のエアを信号圧に応じた圧力で下流に出力する。具体的には、リレーバルブ6は、ブレーキバルブ12側のエア圧と非常ブレーキバルブ20側のエア圧のうちの高圧側の信号圧に応じた圧力で、駆動用のエアをブレーキチャンバー4側に出力する。
より詳しくは、リレーバルブ6は、図1中に「◇」形で示すダブルチェック弁61を備えている。かかるダブルチェック弁61は、ブレーキバルブ12側のエア圧と非常ブレーキバルブ20側のエア圧のうち高い方の圧を信号圧としてリレーバルブに加える。
そして、ブレーキバルブ12側のエア圧が非常ブレーキバルブ20側のエア圧よりも高くなると、ダブルチェック弁61は図中の右側に移動し、非常ブレーキバルブ20側のエア圧がブレーキバルブ12側のエア圧よりも高くなると、ダブルチェック弁61は左側に移動する。
リレーバルブ6は、ブレーキバルブ12(第1の信号圧生成弁)側および非常ブレーキバルブ20(第2の信号圧生成弁)側のエア圧のうち高圧側を選択し、選択されたエア圧に基づいた信号圧に応じた駆動圧を出力する駆動出力部としての役割を担う。
本実施の形態では、リレーバルブ6は、ダブルチェック弁61の作動に基づいた信号圧に応じたエア圧を駆動圧として出力する。すなわち、リレーバルブ6は、上述したダブルチェック弁61を通過したエア圧に応じ、つながれているエアタンク11のエア圧を駆動圧としてブレーキチャンバー4側に出力する。
リレーバルブ6は、本実施の形態では上述のようなダブルチェックバルブ付リレーバルブとした。他方、同様の機能を持ったリレーバルブとして、デュアルリレーバルブ(信号の受口が2重になっているリレーバルブ)を使用してもよい。
以下、かかるリレーバルブ6からの駆動圧に基づいて車輪の回転を制動する制動機構の構成を説明する。
リレーバルブ6とブレーキチャンバー4の間の流路には、各々の配管(P13〜P16,P43〜P46)を通じてモジュレーター5が配置される。すなわち、第1系統側のモジュレーター5,5は、配管P13,P15を通じて一方(図1右側)のリレーバルブ6に接続され、配管P14,P16を通じて後輪側のブレーキチャンバー4,4に接続される。同様に、第2系統側のモジュレーター5,5は、配管P43,P45を通じて他方(図1左側)のリレーバルブ6に接続され、配管P14,P16を通じて前輪側のブレーキチャンバー4,4に接続される。
モジュレーター5は、車輌のABS(Anti−lock Brake System)の作動時に開閉動作するバルブを備える。モジュレーター5は、かかるバルブの開閉により、対応するブレーキに供給される駆動圧を調節することで、当該車輪に加えられる制動力を調節する機能を有する。モジュレーター5のバルブは、制御部30の制御信号によって開閉が制御される。ABS作動時の制御内容等については後述する。
ブレーキチャンバー4は、リレーバルブ6からの駆動圧により車輪に制動力を加える役割を担う。具体的には、ブレーキチャンバー4は、ダイヤフラム(ゴム膜)またはピストンおよびゴム膜またはピストンに接続されたロッドを有し、エアが供給されたゴム膜またはピストンが移動してロッドを押すことで、対応するブレーキ2L,2R、3L,3Rを作動させる。図示のように、各々のブレーキチャンバー4は、上述したモジュレーター(MOD)5の下流に、各々の配管P44,P46,P14,P16を通じて配置される。
フロントブレーキ2(2L,2R)は、車輌の前輪のホイールに設けられた機械式のブレーキ(ドラムブレーキ)であり、同様に、リアブレーキ3(3L,3R)は、車輌の前輪のホイールに設けられたドラムブレーキである。これらブレーキ2L,2R、3L,3Rには、各々、図示しないブレーキドラムやブレーキシューなどを有し、ブレーキシューにブレーキチャンバー4のロッドが接続されている。また、車輌の各車輪の近傍には、対応する車輪の回転速度を測定する車速センサ(図示略)が各々設けられている。
以下、ブレーキ装置1の動作について説明する。
〔運転者による通常動作〕
まず、通常のブレーキ動作、すなわち、運転者が運手中にブレーキペダル13を操作して車輌を停止させる場合のブレーキ動作について説明する。
まず、通常のブレーキ動作、すなわち、運転者が運手中にブレーキペダル13を操作して車輌を停止させる場合のブレーキ動作について説明する。
ブレーキペダル13が踏み込まれる前の状態では、ブレーキバルブ12A,12Bの下流の配管P2およびP5内の圧力(エア圧)は、大気圧解放状態である。
この状態から、運転者の足でブレーキペダル13が踏み込まれると、ブレーキバルブ12A,12Bの下流は閉回路となり、かかる踏み込みの程度に応じてブレーキバルブ12(12A,12B)が連動して開く。これら各バルブ12A,12Bが開くと、バルブの上流および下流の流路間での圧力が等しくなろうとする作用により、上流の配管P1,P4の圧力がブレーキペダル13の踏み込みの程度に応じ調圧され下流の配管P2,P5に信号として出力される。かかるエアによる信号は、ロープレッシャースイッチ14を作動(オン動作)させて上述した停止ランプ等を点灯させるとともに、各々のリレーバルブ6のダブルチェック弁61に圧力を加える。
このとき、各々のダブルチェック弁61が図1の右方向に移動することにより、リレーバルブ6に接続されているエアタンク11のエアは、ダブルチェック弁61を通過しリレーバルブ6に達したエア圧に応じた圧力で、下流のモジュレーター5およびブレーキチャンバー4に順次送り込まれる。
かかる動作により、ブレーキチャンバー4のゴム膜またはピストンが駆動用のエアによって移動、ゴム膜またはピストンに接続されたロッドが移動して各々のブレーキ2,3のブレーキシューを移動させる。そして、ブレーキシューがブレーキドラムに押しつけられることで制動力が生じ、各車輪にブレーキがかかる。
上述したブレーキ動作時に、仮にブレーキペダル13が急に大きく踏み込まれた場合、ブレーキバルブ12の弁が急速に全開状態になり、この結果、各車輪にかかる制動力が過大となり、1以上の車輪がロックして路面上をスリップする可能性がある。ここで、車輪がロックして路面上を滑り始めると、ハンドル(ステアリング)の操作が十分にできなくなるリスクが発生する。このような事態を回避するため、例えば以下のようにABSが作動する。
上記ブレーキ動作時において、制御部30は、上述した車速センサの測定値を各車速センサ毎に監視し、車輪がロックされる可能性の有無を判定し、ロックされる可能性の有る車輪に対応するモジュレーター5に、圧力を抜く旨の指示を出す。かかる指示を受けたモジュレーター5は、ブレーキチャンバー4に加えられる圧力(駆動圧)を抜くようにバルブを閉める。このバルブの閉動作時には、対応するブレーキ(車輪)への制動力が弱められるので、当該車輪は、ロック寸前の状態から免れて回転速度が上がる。
また、制御部30は、当該圧力を下げる旨の指示を出力したモジュレーター5に関し、車速センサの測定値に基づくロック可能性の有無の判定を再度行い、ロックされる可能性が無いと判定すると、当該モジュレーター5に、圧力を維持する(ホールドする)旨の指示を出す。かかる指示を受けたモジュレーター5は、ブレーキチャンバー4への圧力(駆動圧)をホールドするようにバルブを開ける。このバルブの開動作時には、対応するブレーキ(車輪)への制動力が維持されるので、当該車輪の回転速度が下がる。
上述のような動作を繰り返すことにより、車輌の各車輪がロック状態になることが防止される。
〔同乗者による非常時のブレーキ動作〕
次に、運転者が運転中に意識不明となったような非常時に、車輌を停止させるために同乗者が非常用操作部材21を操作した場合のブレーキ動作について説明する。
次に、運転者が運転中に意識不明となったような非常時に、車輌を停止させるために同乗者が非常用操作部材21を操作した場合のブレーキ動作について説明する。
非常用操作部材21が操作される前の状態では、非常ブレーキバルブ20A,20Bの下流の配管P12およびP42内の圧力(エア圧)は、上流の配管P11およびP41内のエア圧よりも各々低い。
この状態から、同乗者により非常用操作部材21が強く押圧されると、非常ブレーキバルブ20(20A,20B)が連動して開く。
これら各バルブ20A,20Bが開かれると、バルブの上流および下流の流路間での圧力が等しくなろうとする作用により、上流の配管P11,P41の圧力が下流の配管P12,P42に加えられるとともに、エアタンク11A,11Bからエアが信号として出力される。かかるエアによる信号は、ロープレッシャースイッチ14を作動(オン動作)させてブレーキランプ等を点灯させるとともに、各々のリレーバルブ6のダブルチェック弁61に圧力を加える。
このとき、各々のダブルチェック弁61が通常とは逆すなわち図1の左方向に移動することにより、リレーバルブ6につながっているエアタンク11のエアは、下流に配置されたモジュレーター5およびブレーキチャンバー4に順次送り込まれる。そして、この後は上述した通常時と同様の動作で各車輪にフルブレーキを掛けることができる。
また、上述と同様にABSが作動して、車輪がロックする状態を回避することができる。
このように、本実施の形態のブレーキ装置1では、非常用操作部材21が同乗者により操作されることで、デッドマン等の緊急事態の際に、総輪(全ての車輪)の各車輪にブレーキを掛けることができ、さらにはABSを利用することができる。したがって、本実施の形態によれば、車輌の走行中にパーキングブレーキを操作した場合と比較して、より安全に車輌を停止させることが可能となる。
また、本実施の形態のブレーキ装置1では、運転者が運転中にアクセルを踏んだままで意識不明となったようなケースでも、フルブレーキを作動し車両を確実に停止させることが出来る。本実施の形態では、非常ブレーキバルブ20とダブルチェック弁61との間の流路(配管P12,P42)に、上述したオリフィス25が備えられていることから、そのオリフィスの通過エア量を調整することで非常ブレーキ作動操作からフルブレーキが作用するまでの時間を調節することができる。また、本実施の形態では、ABS機能を活用できるため、車輪がロック状態に陥ることを回避して、車輌をコントローラブルな状態で停止させることができる。以下、オリフィス25の機能をより具体的に説明する。
非常用操作部材21が同乗者により操作された場合、オリフィス25が無いと、非常ブレーキバルブ20A,20Bは、一気に全開状態となる。この状態は、上述のように、運転手によりブレーキペダル13が急に大きく踏み込まれてブレーキバルブ12の弁が急速に全開になった場合と等価な状態と言える。
他方、本実施の形態によれば、非常ブレーキバルブ20下流の流路(配管P12,P42)を通じて各ダブルチェック弁61に加えられる圧力は、配管P12,P42中のオリフィス25の箇所でエア流量が制限されることから、時間をかけてエア圧を上昇させることができる。
このような圧力の緩やかな上昇により、リレーバルブ6に接続されたエアタンク11のエアは、下流のモジュレーター5を通じてブレーキチャンバー4内に緩やかに送り込まれる。かかる一連の動作により、各車輪のブレーキ2,3に生じる制動力が緩やかに上昇して行くので、時間を掛けてフルブレーキ作動状態とすることができる。
なお、非常ブレーキ作動からフルブレーキ作動状態に至るまでの時間はオリフィス25の構成を変えることで調整可能である。すなわち、非常時におけるブレーキ動作は、オリフィス25の箇所における流路の絞り込みの度合い(内径比率等)やオリフィス形状などを変えることによって調整することができる。
総じて、本実施の形態のブレーキ装置1によれば、デッドマン等の非常時には、同乗者によって非常用操作部材21が操作された後にハンドル等が操作されることにより、走行中の車輌を操縦可能(コントローラブル)な状態のまま停止することが可能になる。
次に、図2および図3を参照して、第2および第3の実施の形態について説明する。なお、上述した第1の実施の形態と同様の部分については、同一符号を付して、適宜説明を省略する。
〔第2の実施の形態〕
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るブレーキ装置1Aを示す。図2に示すブレーキ装置1Aは、ブレーキの駆動源(駆動圧)としてエアではなくブレーキ液すなわち液体を使用するものであり、図1で上述したブレーキ装置1と比較して、リレーバルブ6から下流側の制動機構の構成が異なっている。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るブレーキ装置1Aを示す。図2に示すブレーキ装置1Aは、ブレーキの駆動源(駆動圧)としてエアではなくブレーキ液すなわち液体を使用するものであり、図1で上述したブレーキ装置1と比較して、リレーバルブ6から下流側の制動機構の構成が異なっている。
すなわち、ブレーキ装置1Aでは、リレーバルブ6,6の下流に、ブレーキ液を出力するサーボユニット7,7とハイドローリックユニット8とが順次設けられ、ハイドローリックユニット8の下流にブレーキ2,3が設けられている。
具体的には、第1系統側のサーボユニット7は、配管P13により対応するリレーバルブ6と接続され、配管P131によりハイドローリックユニット8と接続される。また、第2系統側のサーボユニット7は、配管P43により対応するリレーバルブ6と接続され、配管P431によりハイドローリックユニット8と接続される。
サーボユニット7は、リレーバルブ6からの駆動圧に基づいた圧力でブレーキ液を出力して車輪に制動力を加える役割を担う。具体的には、各サーボユニット7は、軸方向(図2の左右方向)に移動するピストンを備え、かかるピストンがエアの圧力で移動することにより、当該ピストンに加わる圧力(エア圧)に応じた圧力(液圧)と当該ピストンの移動距離に応じた液量をハイドローリックユニット8に供給する。
ハイドローリックユニット8は、上述したモジュレーター5と同様に、車輌のABS(Anti−lock Brake System)の作動時に各ブレーキ(車輪)に加えられる制動力を調整する圧力モジュレーターとしての機能を有する。ハイドローリックユニット8は、制御部30の制御によって開閉動作するバルブ(ソレノイドバルブ)を備える。
ハイドローリックユニット8は、上述したようなABSの動作を行うため、ブレーキ液を供給する液圧配管(以下、単に配管ともいう。)を介して各々のブレーキと接続される。具体的には、ハイドローリックユニット8は、前輪のブレーキ2Lおよび2Rを配管P44およびP46を通じたブレーキ液の液圧で駆動し、後輪のブレーキ3Lおよび3Rを配管P14および16を通じたブレーキ液の液圧で駆動する。
ハイドローリックユニット8のソレノイドバルブは、これら各ブレーキ2L,2R,3L,3Rに対応して4つ設けられ、制御部30の制御信号によって各ソレノイドバルブの開閉が個々に制御される。すなわち、ハイドローリックユニット8は、各ソレノイドバルブが独立して開閉することにより、対応するブレーキに供給されるブレーキ液の駆動圧を調節することで、車輪に加えられる制動力を調節する。
かかるブレーキ装置1Aでは、運転者によりブレーキペダル13が踏み込まれると、上述と同様に、エアタンク11を源とするエア信号により、各々のダブルチェック弁61が右方向に移動する(図1参照)。
このとき、リレーバルブ6に接続されたエアタンク11のエアは、エア信号圧に応じた圧力でサーボユニット7に送り込まれ、サーボユニット7内のピストンを駆動する。さらに、サーボユニット7は、当該ピストンが受ける圧力と移動量に応じた液圧および、液量をハイドローリックユニット8に加える。ハイドローリックユニット8は、かかる液圧に応じた流量ないし液圧で、対応する配管を通じてブレーキ液を出力することで、各ブレーキ2,3を駆動する。
また、ABSの動作に関し、制御部30は、車輪がロックされる可能性の有無を上述と同様の手法で判定する。かかる判定の結果、制御部30は、いずれかの車輪がロックされる可能性がある場合に、ハイドローリックユニット8に対して、ロックされる可能性がある車輪および当該車輪に対応する配管の液圧を下げる旨の制御信号(指示)を出力する。
かかる指示を受けたハイドローリックユニット8は、当該ブレーキに出力されるブレーキ液の液圧を減らすようにソレノイドバルブを動作して、対応する配管の液圧を下げる。この動作により、対応する車輪への制動力が弱められるので、当該車輪は、ロック寸前の状態から免れて回転速度が上がる。
また、制御部30は、当該液圧を下げる旨の指示をハイドローリックユニット8に出力した後に、上述した判定を再度行い、ロックされる可能性が無いと判定すると、ハイドローリックユニット8に対して、対応する配管の液圧を上げる旨の指示を出力する。
かかる指示を受けたハイドローリックユニット8は、当該ブレーキに出力されるブレーキ液の液圧を増やすようにソレノイドバルブを動作して、対応する配管の液圧を上げる。この動作により、対応する車輪への制動力が強められるので、当該車輪の回転速度が下がる。
上述のような動作を繰り返すことにより、車輌の各車輪がロック状態に陥る事態が防止される。
同乗者により非常用操作部材21が操作された場合のブレーキ動作は、第1の実施の形態および本実施の形態における上述した説明と同様である。したがって、ブレーキ装置1Aでは、非常用操作部材21が同乗者により操作されることで、デッドマン等の緊急事態の際に、4輪の各車輪にブレーキを掛けることができ、さらにはABSを利用することができる。したがって、本実施の形態によれば、車輌の走行中にパーキングブレーキを操作した場合と比較して、より安全に車輌を停止させることが可能となる。
また、本実施の形態でも、運転者が運転中にアクセルを踏んだままで意識不明となったようなケースでは、第1の実施の形態と同様に、フルブレーキを作動し車両を確実に停止させることが出来る。すなわち、本実施の形態では、非常ブレーキバルブ20とダブルチェック弁61との間の流路(配管P12,P42)に、上述したオリフィス25が備えられていることから、そのオリフィスの通過エア量を調整することで非常ブレーキ作動操作からフルブレーキが作用するまでの時間を調節することができる。また、本実施の形態では、ABS機能を活用できるため、車輪がロック状態に陥ることを回避して、車輌をコントローラブルな状態で停止させることができる。
〔第3の実施の形態〕
図3は、本発明の第3の実施の形態に係るブレーキ装置1Bを示す。図3に示すブレーキ装置1Bは、上述した各実施の形態のブレーキ装置1,1Aと比較して、リレーバルブ6から下流側の制動機構の構成が異なっている。第3の実施の形態のブレーキ装置1Bは、上述した第2の実施の形態と同様に、リアブレーキ3L,3Rおよびフロントブレーキ2L,2Rにブレーキ液を供給し、かかるブレーキ液の液圧で各車輪にブレーキを掛ける構成である。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係るブレーキ装置1Bを示す。図3に示すブレーキ装置1Bは、上述した各実施の形態のブレーキ装置1,1Aと比較して、リレーバルブ6から下流側の制動機構の構成が異なっている。第3の実施の形態のブレーキ装置1Bは、上述した第2の実施の形態と同様に、リアブレーキ3L,3Rおよびフロントブレーキ2L,2Rにブレーキ液を供給し、かかるブレーキ液の液圧で各車輪にブレーキを掛ける構成である。
ブレーキ装置1Bは、ABSのためのモジュレーター5を使用する点では第1の実施の形態のブレーキ装置1と共通する。他方、このブレーキ装置1Bは、図1に示すブレーキ装置1と比較して、リアブレーキ3(3L,3R)側のモジュレーター5,5の下流の配管P14,P16中にサーボユニット7が配置されている点で異なる。
また、ブレーキ装置1Bは、フロントブレーキ2L,2Rを一つの回路で駆動する方式であり、第2系統側のリレーバルブ6に配管P43を通じてモジュレーター5が設けられ、かかるモジュレーター5の下流の配管P45中にサーボユニット7が配置されている。そして、サーボユニット7の下流の配管P45は、配管P44およびP46の2つに分岐され、配管P44がフロントブレーキ2Lに、配管P46がフロントブレーキ2Rに各々接続されている。
かかるブレーキ装置1Bでは、運転者によりブレーキペダル13が踏み込まれると、上述と同様に、エアタンク11を源とするエア信号により、各々のダブルチェック弁61が右方向に移動する(図1参照)。
このとき、リレーバルブ6に接続されたエアタンク11のエアは、信号エア圧に応じた圧力でモジュレーター5およびサーボユニット7に送り込まれることで、サーボユニット7内のピストンを駆動する。サーボユニット7は、当該ピストンの移動量に従った流量ないし液圧で、対応する配管を通じてブレーキ液を出力することで、各ブレーキ2,3を駆動する。
ABSの動作に関し、制御部30は、上述と同様にロック可能性の有無の判定を行い、ロックされる可能性の有る車輪に対応するモジュレーター5に、圧力を下げる旨の制御信号(指示)を出力する。
かかる指示を受けたモジュレーター5は、対応するサーボユニット7に加えられる圧力(駆動圧)を下げるようにバルブを作動させる。このバルブの動作時には、対応する車輪への制動力が弱められるので、当該車輪は、ロック寸前の状態から免れて回転速度が上がる。
また、制御部30は、当該圧力を下げる旨の指示を出力したモジュレーター5に関し、車速センサの測定値に基づく上述した判定を再度行い、ロックされる可能性が無いと判定すると、当該モジュレーター5に、圧力を上げる旨の指示を出力する。かかる指示を受けたモジュレーター5は、対応するサーボユニット7に加えられる圧力(駆動圧)を上げるようにバルブを作動させる。このバルブの動作時には、対応する車輪への制動力が強められるので、当該車輪の回転速度が下がる。
上述のような動作を繰り返すことにより、車輌の各車輪がロック状態になることが防止される。
同乗者により非常用操作部材21が操作された場合のブレーキ動作は、第1、第2の実施の形態および本実施の形態における上述した説明と同様である。したがって、ブレーキ装置1Bでは、非常用操作部材21が同乗者により操作されることで、デッドマン等の緊急事態の際に、総輪の各車輪にブレーキを掛けることができ、さらにはABSを利用することができる。したがって、本実施の形態によれば、車輌の走行中にパーキングブレーキを操作した場合と比較して、より安全に車輌を停止させることが可能となる。
また、本実施の形態でも、運転者が運転中にアクセルを踏んだままで意識不明となったようなケースでは、第1の実施の形態と同様に、フルブレーキを作動し車両を確実に停止させることが出来る。すなわち、本実施の形態では、非常ブレーキバルブ20とダブルチェック弁61との間の流路(配管P12,P42)に、上述したオリフィス25が備えられていることから、そのオリフィスの通過エア量を調整することで非常ブレーキ作動操作からフルブレーキが作用するまでの時間を調節することができる。また、本実施の形態では、ABS機能を活用できるため、車輪がロック状態に陥ることを回避して、車輌をコントローラブルな状態で停止させることができる。
上述した各実施の形態のブレーキ装置1,1A,1Bは、既存のブレーキ構成に対して、非常ブレーキバルブ、ダブルチェック弁、リレーバルブ、およびこれらに対する配管といった、比較的少ない部品の追加によって実現することができる。
したがって、各実施の形態によれば、エアブレーキ式の車輌において、既存のブレーキ構成に対して簡素な追加構成によってデッドマン対策を実現可能なブレーキ装置を提供できる。
また、上述のように、各実施の形態によれば、デットマン等の非常時ないし緊急事態の際に、同乗者によって車輌を可及的に安全に停止させることが可能なブレーキ装置を提供することができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
上述した実施形態では、エアタンク11内の圧縮空気をブレーキ装置の信号源(信号圧)および駆動源(駆動圧)として用いる構成について説明した。
かかる変形例として、エアタンク11内の圧縮空気をブレーキ装置の信号源としてのみ用いる構成としてもよい。この場合、ブレーキ装置におけるブレーキの駆動源は、図示しない他のエアタンクなどのエア供給源から供給される構成とされ得る。
上述した各実施形態では、上流側にダブルチェック弁61を有するリレーバルブ6を用いる構成とした。かかる変形例として、リレーバルブ6を用いないダブルチェック弁61のみの構成とされ得る。この場合、配管P3およびP6が不要となり、またエアタンク11からブレーキバルブ12または非常ブレーキバルブ20を通じてダブルチェック弁61に供給されたエア(信号圧)は、そのままブレーキの駆動源(信号圧)として用いることができる。
上記実施の形態および変形例は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本開示に係るブレーキ装置は、エアブレーキ式(エアオーバーハイドローリック式を含む)の車輌において、デットマン等の非常時ないし緊急事態の際に、同乗者によって車輌を可及的に安全に停止させるために好適に用いることができる。
1,1A,1B ブレーキ装置
2(2L,2R) フロントブレーキ
3(3L,3R) リアブレーキ
4 ブレーキチャンバー
5 モジュレーター
6 リレーバルブ(駆動出力部)
61 ダブルチェック弁
7 サーボユニット
8 ハイドローリックユニット
11(11A,11B) エアタンク
12(12A,12B) ブレーキバルブ(第1の信号圧生成弁)
13 ブレーキペダル(第1の操作部材)
14 ロープレッシャースイッチ
20(20A,20B) 非常ブレーキバルブ(第2の信号圧生成弁)
21 非常用操作部材(第2の操作部材)
25 オリフィス
30 制御部
2(2L,2R) フロントブレーキ
3(3L,3R) リアブレーキ
4 ブレーキチャンバー
5 モジュレーター
6 リレーバルブ(駆動出力部)
61 ダブルチェック弁
7 サーボユニット
8 ハイドローリックユニット
11(11A,11B) エアタンク
12(12A,12B) ブレーキバルブ(第1の信号圧生成弁)
13 ブレーキペダル(第1の操作部材)
14 ロープレッシャースイッチ
20(20A,20B) 非常ブレーキバルブ(第2の信号圧生成弁)
21 非常用操作部材(第2の操作部材)
25 オリフィス
30 制御部
Claims (5)
- エアタンクに格納された圧縮エアを用いて車輪を制動するブレーキ装置であって、
運転者により操作される第1の操作部材を備え、前記第1の操作部材の操作により第1の信号を生成する、前記エアタンクの下流に配管を通じて設けられた第1の信号圧生成弁と、
運転者以外の者が操作できるように配置される第2の操作部材を備え、前記第2の操作部材の操作により第2の信号を生成する、前記エアタンクの下流に配管を通じて設けられた第2の信号圧生成弁と、
前記第1の信号圧生成弁および第2の信号圧生成弁の下流に各々の配管を通じて設けられ、前記第1の信号および第2の信号のエア圧のうち高圧側を選択し、該選択されたエア圧に基づいた信号圧に応じた駆動圧を出力する駆動出力部と、
前記駆動出力部の駆動圧に基づいて前記車輪の回転を制動する制動機構と、
を備えるブレーキ装置。 - 前記第2の信号圧生成弁および前記駆動出力部間の配管にオリフィスが設けられている、
請求項1記載のブレーキ装置。 - 前記駆動出力部は、
前記第1の信号および第2の信号のエア圧のうち高圧側のエア圧によって作動するダブルチェック弁と、
前記ダブルチェック弁の作動に基づいた信号圧に応じたエア圧を前記駆動圧として出力するリレーバルブとを備える、
請求項1または2に記載のブレーキ装置。 - 前記制動機構は、前記駆動出力部からの駆動圧により前記車輪に制動力を加えるブレーキチャンバーを有する、
請求項1ないし3のいずれかに記載のブレーキ装置。 - 前記制動機構は、前記駆動出力部からの駆動圧に基づいた圧力でブレーキ液を出力して前記車輪に制動力を加えるサーボユニットを有する、
請求項1ないし3のいずれかに記載のブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016183375A JP2018047756A (ja) | 2016-09-20 | 2016-09-20 | ブレーキ装置 |
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JP2016183375A JP2018047756A (ja) | 2016-09-20 | 2016-09-20 | ブレーキ装置 |
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Family Applications (1)
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JP2016183375A Pending JP2018047756A (ja) | 2016-09-20 | 2016-09-20 | ブレーキ装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018047756A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114096450A (zh) * | 2019-07-18 | 2022-02-25 | 西门子交通奥地利有限责任公司 | 用于轨道运载工具的紧急制动装置 |
JP2022091624A (ja) * | 2020-12-09 | 2022-06-21 | いすゞ自動車株式会社 | 車両の下部構造 |
JP7449652B2 (ja) | 2018-06-29 | 2024-03-14 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 車両の乗員保護装置を起動させるための方法 |
-
2016
- 2016-09-20 JP JP2016183375A patent/JP2018047756A/ja active Pending
Cited By (6)
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