JP2018044085A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、本発明者の詳細な検討によれば、前記特許文献1,2に記載されているような従来のエアバッグ収納カバー向けの材料では、低温耐衝撃性や引張特性等が不十分であることが見出された。
成分(B):エチレンを含む重合体ブロックとエチレン・α−オレフィン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体
化合物(C):パーオキシジカーボネート
R1−OC(O)OOC(O)O−R2 …(1)
(一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、以下の基から選ばれる基である。
CH3、2−i−C3H7O−C6H4、C2H5CH(CH3)、4−CH3−C6H4、Cl3CC(CH3)2、C7H15、c−C6H11CH2、3−t−C4H9−C6H5、Cl3Si(CH2)3、C6H5、CH3CH(OCH3)CH2CH2、C6H5OCH2CH2、C6H5CH2、z−C8H17CH=CH(CH2)8、2−CH3−C6H4、(CH3)2CHCH2CH(CH3)、3、4−di−CH3−C6H3、Cl3C、CHCH(Cl)、ClCH2、[C2H5OC(O)]2CH(CH3)、3,5−di−CH3−C6H3、C8H17、C2H5、C18H37、2−オクソ−1,3−ジオクソラン−4−CH2、C2H5CH(Cl)CH2、4−CH3O−C6H4、i−C4H9、CH3SO2CH2CH2、C12H25、C6H5CH(Cl)CH2、H2C=CHC(O)OCH2CH2、4−NO2−C6H4、C4H9、C10H21、C4H9CH(C2H5)CH2、H2C=CHCH2、2−Cl−c−C6H10、H2C=C(CH3)CH2、c−C6H11、ClCH2CH2、4−[C6H5−N=N]−C6H4CH2、C16H33、1−ナフチル、4−t−C4H9−C6H10、2、4、5−tri−Cl−C6H2、Cl(CH2)3、C14H29、9−フルオレニル、4−NO2−C6H4CH2、2−i−C3H7−C6H4、CH3OCH2CH2、H2C=C(CH3)、3−CH3−C6H4、BrCH2CH2、3−CH3−5−i−C3H7−C6H3、Br3CCH2、C2H5OCH2CH2、4−CH3OC(O)−C6H4、H2C=CH、i−C3H7、2−C2H5CH(CH3)−C6H4、Cl3CCH2、C5H11、c−C12H23、4−t−C4H9−C6H4、C6H13、C3H7、CH3OCH2CH2、C6H13CH(CH3)、CH3OC(CH3)2CH2CH2、C3H7OCH2CH2、CH3OCH2CH(CH3)、2−i−C3H7−5−CH3−c−C6H9、C4H9CCH2CH2、t−C4H9、(CH3)3CCH2
ここで、i=イソ、t=ターシャリー、z=シス、及びc=サイクリックである。C6H5、C6H4、C6H3、C6H2はベンゼン環である。)
このため、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の射出成形体として、低温から高温までの幅広い温度領域で展開性能に優れたエアバッグ収納カバーを提供することができる。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の押出成形体として、車窓まわり部品又は自動車内装表皮を提供することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、少なくとも下記成分(B)及び下記化合物(C)を含有し、好ましくは更に下記成分(A)を含有するものである。
成分(A):プロピレン単位含有量が85〜100質量%のプロピレン系重合体
成分(B):エチレンを含む重合体ブロックとエチレン・α−オレフィン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体
化合物(C):パーオキシジカーボネート
成分(B)は、エチレンを含む重合体ブロックとエチレン・α−オレフィン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体であることにより、高温強度、低温耐衝撃性に優れる。このような成分(B)に架橋剤として化合物(C)のパーオキシジカーボネートを配合することで、ゴムの架橋効果によって、柔軟性を向上させて、低温衝撃性を向上させることができる。
即ち、パーオキシジカーボネートは、従来の架橋熱可塑性エラストマー組成物に架橋剤として配合されている2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物に比べて樹脂に対する分解作用が極めて少なく、エラストマーに対する架橋効果が大きいため、樹脂の機械的特性を損なうことなく、その架橋効果によって、柔軟性を向上させて、低温衝撃性を向上させることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物が更に成分(A)のプロピレン系重合体を含むことで、成形性や得られる成形体の強度、剛性、外観等を良好なものとすることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、好ましくは成分(A)として、プロピレン単位の含有量が85〜100質量%のプロピレン系重合体を含む。本発明の熱可塑性エラストマーが、このような成分(A)を含むことにより、射出成形性、押出成形性が向上し、得られる成形体の強度、剛性、外観等を良好なものとすることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に含まれる成分(B)は、エチレンを含む重合体ブロックとエチレン・α−オレフィン共重合体のブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体である。成分(B)は110〜125℃に結晶融解ピークを有し、かつその結晶融解熱量が20〜60J/gであることが好ましい。ここで、成分(B)において、110〜125℃結晶融解ピークにおける結晶融解熱量が20〜60J/gであることは、成分(B)が、結晶性のエチレンを含む重合体ブロックを有することを表す指標である。また、成分(B)は、エチレンを含む重合体ブロックに基づく結晶性に加え、エチレン・α−オレフィン共重合体のブロックに基づく非晶性を有する。成分(B)がこのような構造を有することにより、本発明の熱可塑性エラストマー組成物に高温強度及び低温耐衝撃性の効果が付与される。成分(B)の結晶融解熱量は、高温強度の観点から、より好ましくは30J/g以上であり、低温耐衝撃性の観点から、より好ましくは50J/g以下である。
ただし、この重合体ブロックが、エチレン以外の他の単量体単位を含有する場合、エチレンの重合体ブロックであることによる結晶性の効果を有効に得る上で、エチレンを含む重合体ブロックのエチレン単位の含有量は20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、35〜95質量%であることが更に好ましく、45〜90質量%であることが特に好ましい。
また、成分(B)が非共役ジエン単位等の、エチレン及びα−オレフィン以外の他の単量体単位を有する場合、その含有量は成分(B)全体に対して、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下である。
なお、成分(B)におけるエチレン単位の含有量、α−オレフィン単位の含有量及び非共役ジエン単位等の含有量は、それぞれ赤外分光法により求めることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は樹脂成分として成分(B)のみを含有するものであってもよいが、得られる成形体の剛性の観点から、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(B)と成分(A)とを、前述の好適範囲で含有することが好ましい。
化合物(C)のパーオキシジカーボネートとしては、好ましくは下記一般式で表される化合物が挙げられる。
R1−OC(O)OOC(O)O−R2 …(1)
(一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、以下の基から選ばれる基である。
CH3、2−i−C3H7O−C6H4、C2H5CH(CH3)、4−CH3−C6H4、Cl3CC(CH3)2、C7H15、c−C6H11CH2、3−t−C4H9−C6H5、Cl3Si(CH2)3、C6H5、CH3CH(OCH3)CH2CH2、C6H5OCH2CH2、C6H5CH2、z−C8H17CH=CH(CH2)8、2−CH3−C6H4、(CH3)2CHCH2CH(CH3)、3、4−di−CH3−C6H3、Cl3C、CHCH(Cl)、ClCH2、[C2H5OC(O)]2CH(CH3)、3,5−di−CH3−C6H3、C8H17、C2H5、C18H37、2−オクソ−1,3−ジオクソラン−4−CH2、C2H5CH(Cl)CH2、4−CH3O−C6H4、i−C4H9、CH3SO2CH2CH2、C12H25、C6H5CH(Cl)CH2、H2C=CHC(O)OCH2CH2、4−NO2−C6H4、C4H9、C10H21、C4H9CH(C2H5)CH2、H2C=CHCH2、2−Cl−c−C6H10、H2C=C(CH3)CH2、c−C6H11、ClCH2CH2、4−[C6H5−N=N]−C6H4CH2、C16H33、1−ナフチル、4−t−C4H9−C6H10、2、4、5−tri−Cl−C6H2、Cl(CH2)3、C14H29、9−フルオレニル、4−NO2−C6H4CH2、2−i−C3H7−C6H4、CH3OCH2CH2、H2C=C(CH3)、3−CH3−C6H4、BrCH2CH2、3−CH3−5−i−C3H7−C6H3、Br3CCH2、C2H5OCH2CH2、4−CH3OC(O)−C6H4、H2C=CH、i−C3H7、2−C2H5CH(CH3)−C6H4、Cl3CCH2、C5H11、c−C12H23、4−t−C4H9−C6H4、C6H13、C3H7、CH3OCH2CH2、C6H13CH(CH3)、CH3OC(CH3)2CH2CH2、C3H7OCH2CH2、CH3OCH2CH(CH3)、2−i−C3H7−5−CH3−c−C6H9、C4H9CCH2CH2、t−C4H9、(CH3)3CCH2
ここで、i=イソ、t=ターシャリー、z=シス、及びc=サイクリックである。C6H5、C6H4、C6H3、C6H2はベンゼン環である。)
化合物(C)の含有量が上記下限以上であることにより、化合物(C)を配合することによる低温耐衝撃性等の効果を十分に得ることができる。ただし、化合物(C)の含有量が上記上限を超えると、過酸化物の分解効果より樹脂の分子量が著しく低下する恐れがあるため、化合物(C)の含有量は上記上限以下とすることが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記の成分以外に本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて、化合物(C)以外の以下の添加剤や成分(A),(B)以外の樹脂やエラストマー(以下、「その他の樹脂」と称する。)等の任意成分を配合することができる。
任意成分としては、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防雲剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物や充填材を挙げることができる。また、化合物(C)以外の架橋剤を架橋助剤として用いてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、上記成分(B)及び化合物(C)と、必要に応じて用いられる成分(A)等を通常の押出機やバンバリーミキサー、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブラベンダー等を用いて常法で混練して製造することができる。これらの製造方法の中でも、押出機、特に2軸押出機を用いることが好ましい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物を押出機などで混練して製造する際には通常160〜240℃、好ましくは180〜220℃に加熱した状態で溶融混練することによって製造することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ISO 1133に準拠した温度230℃、測定荷重21.2Nでのメルトフローレート(MFR)が0.1〜150g/10分であることが好ましい。MFRが0.1g/10分より小さいと流動性に乏しく射出成形や押出成形に不適となり、また、150g/10分より大きいと射出成形時にバリ、フローマークのような成形品の外観不良等の原因となり、また押出成形時に成形品が著しく変形する可能性がある。流動性の観点からは、MFRはより好ましくは0.5g/10分以上である。一方、成形時にバリやフローマーク、ヒケ等を抑える観点からは、より好ましくは100g/10分以下であり、更に好ましくは50g/10分以下であり、特に好ましくは30g/10分以下である。
なお、本発明の熱可塑性エラストマーのMFRは流動性の高い成分である成分(A)を多くすると高くなる傾向にあり、また、流動性の低い成分(B)を多くするほど低くなる傾向にある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じて公知の方法により成形して各種の成形体として使用することができる。成形法としては、熱可塑性エラストマーに通常用いられている成形法、例えば、射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法等が挙げられる。また、その後に積層成形、熱成形等の二次加工を行なってもよい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は単体で成形体としてもよく、他の材料と組み合わせ、積層体等としてもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いて、一般に、通常の射出成形法、又は、必要に応じて、ガスインジェクション成形法、射出圧縮成形法、ショートショット発泡成形法等の各種成形法を用いて成形体とすることによりエアバッグ収納カバーとして用いることができる。特に、エアバッグ収納カバーを射出成形する際の成形条件は以下の通りである。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を用いて、押出成形法、あるいは射出成形法により、ウィンドシールドモール、バックウィンドウモール、ルーフモール等の車窓まわり部品とモール部品や、インストルメントパネル、フロントピラートリム、ドアトリム、シフトレバー、各種コンソール類およびヘッドライニングにおける表皮材等の自動車内装表皮を成形することができる。
<成分(A)>
A−1:プロピレン系重合体(日本ポリプロ社製 ノバテック(登録商標)PP BC03B、エチレン・プロピレンブロック共重合体、プロピレン単位含有量:91質量%、MFR(ISO 1133(230℃、21.2N))=30g/10分)
A−2:プロピレン系重合体(日本ポリプロ社製 ノバテック(登録商標)PP MG03BD、エチレン・プロピレンランダム共重合体、MFR(ISO 1133(230℃、21.2N))=30g/10分)
B−1:オレフィン系ブロック共重合体(三井化学株式会社製 タフマー(登録商標) A1050S(エチレン重合体ブロックとエチレン・1−ブタジエン共重合体ブロックとを有するオレフィン系ブロック共重合体、エチレン単位の含有量:70質量%、MFR(ISO 1133(190℃、21.2N)):1.2g/10分、密度:0.86g・cm3、ムーニ―粘度ML1+4(100℃):40)
B−2:オレフィン系ブロック共重合体(ダウ・ケミカル社製 Engage(登録商標)、EG8150(エチレン重合体ブロックとエチレン・1−オクテン共重合体ブロックとを有するオレフィン系ブロック共重合体、エチレン単位の含有量:63質量%、MFR(ISO 1133(190℃、21.2N):0.5g/10分、密度:0.86g/cm3、ムーニ―粘度ML1+4(121℃):33))
C−1:ジセチルパーオキシジカーボネート(アクゾノーベル株式会社製パーカドックス24FL)
D−1:ジビニルベンゼン(和光純薬工業株式会社製、ジビニルベンゼン含量:55質量%)
C−2:2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(化薬アクゾ社製 カヤヘキサAD−40C)
テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティケミカルズ社製 イルガノックス1010)
<MFR>
ISO 1133に準拠した温度230℃、測定荷重21.2Nでの条件で測定した。流動性の観点からMFR0.5g/10分以上のものが好ましい。
以下の低温耐衝撃性の試験片について、ISO 2813に従って、入射角60°で測定した。光沢度は、成形品の外観の観点から70以下であることが好ましい。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(住友重機械工業株式会社製「SE−180」)により、射出圧力70MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、アイゾット衝撃強度測定用の試験片(ノッチ無し厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの試験片)に成形し、その後ノッチングマシンでノッチを入れ、試験片を作成した。得られた試験片について、ISO 180に従って行った、温度−40℃、−45℃、−50℃におけるアイゾット衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。このアイゾット衝撃試験における同温度評価したアイゾット衝撃強度の値が高ければ、低温耐衝撃性が優れる。評価温度が違う場合、評価温度が低く、かつ評価結果が良ければ、低温耐衝撃性能が優れる。また破壊状態は、部分破壊、ヒンジ破壊、完全破壊の順番で低温衝撃性能が悪いものとなる。各表記の意味は下記の通りである。
H:ヒンジ破壊:折れ曲がり剛さがなくなったヒンジ状の薄い表層だけが、一体になって離れない試験片となった不完全破壊。部分破壊より低温衝撃性が悪い。
P:部分破壊:ヒンジ破壊の定義に合わない、不完全破壊。ヒンジ破壊よりも低温衝撃性に優れる。
C:完全破壊:試験片が2つ以上の破片に破壊するもの。低温衝撃性能が最も悪い。
なお、表−1中、「80(P)」とはアイゾット衝撃強度が80kJ/m2で部分破壊であることを表す。
また、「78(P)1/4」とは4本サンプルを評価し、1本のアイゾット衝撃強度が78kJ/m2で部分破壊であることを表す。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(住友重機械工業株式会社製「SE−180」)により、射出圧力70MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、引張試験用の試験片(厚さ2mm×幅120mm×長さ80mmのシート)を成形した後、ISO 37に準拠(Type−1A号ダンベル)して打ち抜いた。この打ち抜き試験片について、ISO 37に従って、引張破断強度(単位:MPa)と引張降伏強度(単位:MPa)と引張切断時伸び率(単位:%)を23℃の雰囲気下にて測定した。
得られた熱可塑性エラストマー組成物を用いて、インラインスクリュウタイプ射出成形機(住友重機械工業株式会社製「SE−180」)により、射出圧力70MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃にて、曲げ弾性率測定用の試験片(厚さ4mm×幅10mm×長さ80mmの試験片)に成形し、この試験片について、ISO 178に準拠して、スパン間64mm、曲げ速度2mm/分にて曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。曲げ弾性率は200〜600MPaの範囲が好ましい。
表−1に示す成分を、表−1に示す配合に、滑剤(オレイン酸アミド、添加量0.1質量部)と黒色顔料(カーボン濃度40質量%品、添加量1.5質量部)を合わせてヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドし、同方向二軸押出機(東芝機械株式会社「TEM 26SS」、L/D=48.5、シリンダブロック数=12)へ20kg/hの速度で投入し、160〜190℃の範囲で昇温させて溶融混練を行い、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットについて、上記の評価を行った。それらの評価結果を表−1に示す。
実施例1〜2は低温衝撃性能、光沢度の評価結果において、成分(A)と成分(B)を同配合とした比較例1〜2より優れることが分かる。実施例3は低温衝撃性能、光沢度の評価結果において、成分(A)と成分(B)を同配合とした比較例3〜4より優れることが分かる。また切断時引張強さ、切断時伸びも著しく向上している。実施例4は低温衝撃性能の評価結果において、成分(A)と成分(B)を同配合とした比較例5より優れることが分かる。
比較例2、4、5は実施例1、3、4の成分C−1をC−2に変えた例であるが、C−2の激しい分解効果により、材料の低温衝撃性能が著しく低下、また光沢度が大幅に上がることが分かる。
比較例1、3は実施例1、3に添加している成分C−1を使用しなかった例であるが、比較例1、3と実施例1、3との対比から、成分C−1の添加後の架橋効果により、光沢度が下がり、低温衝撃性能が向上したことが分かる。
Claims (11)
- 少なくとも下記成分(B)及び下記化合物(C)を含有する熱可塑性エラストマー組成物。
成分(B):エチレンを含む重合体ブロックとエチレン・α−オレフィン共重合体ブロックとを含むオレフィン系ブロック共重合体
化合物(C):パーオキシジカーボネート - 化合物(C)を、成分(B)の100質量部に対し、0.01〜10質量部含む、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 更に、成分(A)として、プロピレン単位含有量が85〜100質量%のプロピレン系重合体を含む、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 成分(B)の密度が0.880g/cm3以下である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 化合物(C)が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
R1−OC(O)OOC(O)O−R2 …(1)
(一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、以下の基から選ばれる基である。
CH3、2−i−C3H7O−C6H4、C2H5CH(CH3)、4−CH3−C6H4、Cl3CC(CH3)2、C7H15、c−C6H11CH2、3−t−C4H9−C6H5、Cl3Si(CH2)3、C6H5、CH3CH(OCH3)CH2CH2、C6H5OCH2CH2、C6H5CH2、z−C8H17CH=CH(CH2)8、2−CH3−C6H4、(CH3)2CHCH2CH(CH3)、3、4−di−CH3−C6H3、Cl3C、CHCH(Cl)、ClCH2、[C2H5OC(O)]2CH(CH3)、3,5−di−CH3−C6H3、C8H17、C2H5、C18H37、2−オクソ−1,3−ジオクソラン−4−CH2、C2H5CH(Cl)CH2、4−CH3O−C6H4、i−C4H9、CH3SO2CH2CH2、C12H25、C6H5CH(Cl)CH2、H2C=CHC(O)OCH2CH2、4−NO2−C6H4、C4H9、C10H21、C4H9CH(C2H5)CH2、H2C=CHCH2、2−Cl−c−C6H10、H2C=C(CH3)CH2、c−C6H11、ClCH2CH2、4−[C6H5−N=N]−C6H4CH2、C16H33、1−ナフチル、4−t−C4H9−C6H10、2、4、5−tri−Cl−C6H2、Cl(CH2)3、C14H29、9−フルオレニル、4−NO2−C6H4CH2、2−i−C3H7−C6H4、CH3OCH2CH2、H2C=C(CH3)、3−CH3−C6H4、BrCH2CH2、3−CH3−5−i−C3H7−C6H3、Br3CCH2、C2H5OCH2CH2、4−CH3OC(O)−C6H4、H2C=CH、i−C3H7、2−C2H5CH(CH3)−C6H4、Cl3CCH2、C5H11、c−C12H23、4−t−C4H9−C6H4、C6H13、C3H7、CH3OCH2CH2、C6H13CH(CH3)、CH3OC(CH3)2CH2CH2、C3H7OCH2CH2、CH3OCH2CH(CH3)、2−i−C3H7−5−CH3−c−C6H9、C4H9CCH2CH2、t−C4H9、(CH3)3CCH2
ここで、i=イソ、t=ターシャリー、z=シス、及びc=サイクリックである。C6H5、C6H4、C6H3、C6H2はベンゼン環である。) - 成分(A)が、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体、及びポリプロピレンのいずれか1種又は2種以上である、請求項3ないし5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- メルトフローレート(230℃、21.2N(ISO 1133))が0.1〜150g/10分である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を用いた射出成形体。
- エアバッグ収納カバーである、請求項8に記載の射出成形体。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を用いた押出成形体。
- 車窓まわり部品又は自動車内装表皮である、請求項10に記載の押出成形体。
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