JP2018041858A - 被覆シート、シート被覆素子および光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性に優れ、光の取出効率を高く維持しながら、光半導体素子を被覆できる被覆シート、耐熱性に優れるシート被覆素子、および、光半導体装置を提供する。
【解決手段】被覆シート1は、光半導体素子を被覆するための蛍光体層2と、蛍光体層2に対して光半導体素子の反対側に配置され、蛍光体層2の屈折率より低い屈折率を有する低屈折率層3とを厚み方向に順に備える。蛍光体層2は、フェニル系シリコーン樹脂を含有する。低屈折率層3は、10μmを超過する厚みTを有し、メチル系シリコーン樹脂を含有する。
【選択図】図1
【解決手段】被覆シート1は、光半導体素子を被覆するための蛍光体層2と、蛍光体層2に対して光半導体素子の反対側に配置され、蛍光体層2の屈折率より低い屈折率を有する低屈折率層3とを厚み方向に順に備える。蛍光体層2は、フェニル系シリコーン樹脂を含有する。低屈折率層3は、10μmを超過する厚みTを有し、メチル系シリコーン樹脂を含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、被覆シート、シート被覆素子および光半導体装置、詳しくは、被覆シート、それに被覆される光半導体素子を備えるシート被覆素子、および、それを備える光半導体装置に関する。
従来、光半導体装置において、光半導体素子から発光される光の取出効率を向上させるために、光半導体素子を被覆する樹脂層の屈折率を光半導体素子側から最外層に向けて順次小さくした光半導体装置が知られている。
例えば、光半導体素子と接する側の最外樹脂層(A層)の上に該A層の屈折率より低い屈折率を有する樹脂層(B層)が積層されてなる光半導体素子封止用シートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の光半導体素子封止用シートでは、A層が、ポリカルボジイミドからなり、B層が、エポキシ樹脂からなる。
しかし、特許文献1に記載の光半導体素子封止用シートでは、最外樹脂層(A層)が熱により劣化するため、光半導体装置の信頼性が低下するという不具合がある。
本発明の目的は、耐熱性に優れ、光の取出効率を高く維持しながら、光半導体素子を被覆できる被覆シート、耐熱性に優れるシート被覆素子、および、光半導体装置を提供することにある。
本発明(1)は、光半導体素子を被覆するための被覆層と、前記被覆層に対して前記光半導体素子の反対側に配置され、前記被覆層の屈折率より低い屈折率を有する低屈折率層とを厚み方向に順に備え、前記被覆層は、フェニル系シリコーン樹脂を含有し、前記低屈折率層は、10μmを超過する厚みを有し、メチル系シリコーン樹脂を含有する、被覆シートを含む。
この被覆シートによれば、被覆層と低屈折率層とが、この順で、屈折率が低くなるので、被覆層により、光半導体素子を被覆すれば、光の取出効率を向上させることができる。そのため、光半導体素子を被覆する被覆シートを備え、発光効率に優れるシート被覆素子および光半導体装置を得ることができる。
また、低屈折率層が、10μmを超過する厚みを有するので、光の取出効率をより一層向上させることができる。
さらに、この被覆シートによれば、被覆層が、フェニル系シリコーン樹脂を含有するので、耐熱性に優れる。さらに、フェニル系シリコーン樹脂を含有する被覆層と、メチル系シリコーン樹脂を含有する低屈折率層とは、フェニル系シリコーン樹脂およびメチル系シリコーン樹脂がともに同じシリコーン樹脂であるので、親和性が高い。そのため、信頼性に優れるシート被覆素子および光半導体装置を得ることができる。
本発明(2)は、前記低屈折率層は、100μm以下の厚みを有する、(1)に記載の被覆シートを含む。
この被覆シートでは、低屈折率層が、100μm以下の厚みを有するので、被覆シートの薄型化を図ることができる。そのため、薄型化が図れたシート被覆素子および光半導体装置を得ることができる。
本発明(3)は、前記メチル系シリコーン樹脂が、Cステージである、(1)または(2)に記載の被覆シートを含む。
この被覆シートでは、メチル系シリコーン樹脂が、Cステージであるので、低屈折率層が被覆層を確実に支持することができる。
また、低屈折率層のメチル系シリコーン樹脂がたとえCステージであっても、低屈折率層に含有されるメチル系シリコーン樹脂と、被覆層に含有されるフェニル系シリコーン樹脂とがともに同じシリコーン樹脂であるので、被覆層および低屈折率層は、密着性に優れる。そのため、被覆層による光半導体素子に対する確実な被覆を担保することができる。
本発明(4)は、前記低屈折率層の厚み方向における少なくとも一方面は、凹凸形状を有する、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の被覆シートを含む。
この被覆シートでは、低屈折率層の厚み方向における少なくとも一方面が、凹凸形状を有するので、光の取出効率をより一層向上させることができる。
本発明(5)は、前記フェニル系シリコーン樹脂が、Bステージである、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の被覆シートを含む。
この被覆シートでは、フェニル系シリコーン樹脂が、Bステージであるので、被覆層によって、光半導体素子をより一層確実に被覆することができる。
本発明(6)は、前記被覆層を、周波数1Hzおよび昇温速度20℃/分の条件で動的粘弾性測定することにより得られる貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線が、極小値を有し、前記極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、前記極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、1,000Pa以上、90,000Pa以下の範囲にある、(5)に記載の被覆シートを含む。
この被覆シートでは、被覆層が光半導体素子に対して感圧接着することができる。
本発明(7)は、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の被覆シートと、前記被覆シートの前記被覆層によって被覆される光半導体素子とを有する、シート被覆素子を含む。
このシート被覆素子は、上記した被覆シートに被覆される光半導体素子を備えるので、耐熱性、発光効率および信頼性に優れながら、薄型化を図ることができる。
本発明(8)は、厚み方向から見たときに、前記光半導体素子の側方に配置される光反射層をさらに備える、(7)に記載のシート被覆素子を含む。
また、このシート被覆素子では、光反射層によって、光の取出効率を向上させることができる。
本発明(9)は、(7)または(8)に記載のシート被覆素子と、前記シート被覆素子の光半導体素子が実装される基板とを備える、光半導体装置を含む。
この光半導体装置は、上記したシート被覆素子を備えるので、耐熱性、発光効率および信頼性に優れながら、薄型化を図ることができる。
本発明の被覆シートによれば、耐熱性、発光効率に優れるシート被覆素子および光半導体装置を得ることができる。また、この被覆シートは、光半導体素子の耐熱信頼性を向上させることができる。さらに、被覆シートは、薄型化を図ることができる。
本発明のシート被覆素子によれば、耐熱性、発光効率および信頼性に優れながら、薄型化を図ることができる。
本発明の光半導体装置によれば、耐熱性、発光効率および信頼性に優れながら、薄型化を図ることができる。
<第1実施形態>
本発明の被覆シート、シート被覆素子および光半導体装置の第1実施形態を説明する。
本発明の被覆シート、シート被覆素子および光半導体装置の第1実施形態を説明する。
1.被覆シート
図1に示すように、被覆シート1は、面方向(厚み方向に直交する方向であり、左右方向および前後方向を含む)に延びる略板(シート)形状を有する。被覆シート1は、被覆層の一例としての蛍光体層2と、低屈折率層3とを厚み方向一方側に向かって順に備える。また、被覆シート1は、好ましくは、蛍光体層2と、低屈折率層3とのみからなる。
図1に示すように、被覆シート1は、面方向(厚み方向に直交する方向であり、左右方向および前後方向を含む)に延びる略板(シート)形状を有する。被覆シート1は、被覆層の一例としての蛍光体層2と、低屈折率層3とを厚み方向一方側に向かって順に備える。また、被覆シート1は、好ましくは、蛍光体層2と、低屈折率層3とのみからなる。
2.蛍光体層
蛍光体層2は、図1に示すように、被覆シート1において、厚み方向他方側に位置する厚み方向他方側層を形成する。蛍光体層2は、面方向に延びる略板(シート)形状を有する。蛍光体層2は、光半導体素子5(図5F参照)を被覆するための層である。また、蛍光体層2は、光半導体素子5(図5F参照)から発光された光の波長を変換する波長変換層である。
蛍光体層2は、図1に示すように、被覆シート1において、厚み方向他方側に位置する厚み方向他方側層を形成する。蛍光体層2は、面方向に延びる略板(シート)形状を有する。蛍光体層2は、光半導体素子5(図5F参照)を被覆するための層である。また、蛍光体層2は、光半導体素子5(図5F参照)から発光された光の波長を変換する波長変換層である。
蛍光体層2は、フェニル系シリコーン樹脂および蛍光体を有する。
2−1.蛍光体樹脂組成物
蛍光体層2は、例えば、フェニル系シリコーン樹脂および蛍光体を有する蛍光体樹脂組成物からなる。
蛍光体層2は、例えば、フェニル系シリコーン樹脂および蛍光体を有する蛍光体樹脂組成物からなる。
詳しくは、蛍光体層2は、例えば、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂および蛍光体を有する蛍光体樹脂組成物からなる。あるいは、蛍光体層2は、Cステージのフェニル系シリコーン樹脂(フェニル系シリコーン樹脂硬化体)および蛍光体を有する蛍光体樹脂組成物からなる。
より好ましくは、蛍光体層2は、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂および蛍光体から、上記した形状に形成されている。
2−2.フェニル系シリコーン樹脂
フェニル系シリコーン樹脂は、蛍光体を分散できるマトリクスを構成するマトリクス樹脂である。また、フェニル系シリコーン樹脂は、蛍光体層2の屈折率を比較的高くするための高屈折率樹脂でもある。また、フェニル系シリコーン樹脂は、優れた耐熱性を有する。
フェニル系シリコーン樹脂は、蛍光体を分散できるマトリクスを構成するマトリクス樹脂である。また、フェニル系シリコーン樹脂は、蛍光体層2の屈折率を比較的高くするための高屈折率樹脂でもある。また、フェニル系シリコーン樹脂は、優れた耐熱性を有する。
フェニル系シリコーン樹脂としては、例えば、1つの反応機構を有しており、第1段の反応で、AステージからCステージ化(完全硬化)することができる1段反応硬化性シリコーン樹脂、例えば、2つの反応機構を有しており、第1段の反応で、AステージからBステージ化(半硬化)し、次いで、第2段の反応で、BステージからCステージ化(完全硬化)することができる2段反応硬化性シリコーン樹脂などの熱硬化性シリコーン樹脂が挙げられる。なお、1段反応硬化性シリコーン樹脂は、第1段の反応の途中で、その反応が停止して、AステージからBステージとなることができ、その後のさらなる加熱によって、第1段の反応が再開されて、BステージからCステージ化(完全硬化)することができる熱硬化性シリコーン樹脂を含む。つまり、かかる1段反応硬化性シリコーン樹脂は、Bステージとなることができる1段反応硬化性シリコーン樹脂を含む。1段反応硬化性シリコーン樹脂は、1段の反応の途中で停止するように制御できず、すなわち、Bステージとなることができず、一度に、AステージからCステージ化(完全硬化)する1段反応硬化性シリコーン樹脂も含む。つまり、かかる熱硬化性シリコーン樹脂は、Bステージとなることができない1段反応硬化性樹脂を含むこともできる。
また、フェニル系シリコーン樹脂がCステージ化して、得られたフェニル系シリコーン樹脂硬化体(生成物)は、例えば、シロキサン結合である主骨格にメチル基およびフェニル基を有し、あるいは、例えば、シロキサン結合である主骨格にフェニル基のみを有する。好ましくは、フェニル系シリコーン樹脂硬化体は、シロキサン結合である主骨格にメチル基およびフェニル基を有する。
フェニル系シリコーン樹脂硬化体(生成物)において、ケイ素原子に直接結合する炭化水素基におけるフェニル基の含有割合は、例えば、30モル%以上、好ましくは、35モル%以上であり、また、例えば、55モル%以下、好ましくは、50モル%以下である。フェニル基の含有割合は、29Si−NMRにより算出される。フェニル基の含有割合の算出方法の詳細は、例えば、WO2011/125463などに記載される。
フェニル系シリコーン樹脂として、好ましくは、Bステージとなることができる熱硬化性シリコーン樹脂が挙げられ、より好ましくは、Bステージとなることができる1段反応硬化性シリコーン樹脂が挙げられる。
詳しくは、Bステージとなることができる1段反応硬化性シリコーン樹脂は、Bステージにおいて、加熱により、一旦可塑化(あるいは液状化)し、その後、さらなる加熱によって硬化(Cステージ化)する熱可塑性・熱硬化性シリコーン樹脂である。
なお、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂(特に後述する貯蔵剪断弾性率G’が1,000Pa以上のもの)は、上記したさらなる加熱において、軟化する(極小点を示す)ものの、一般的な熱可塑性・熱硬化性シリコーン樹脂よりも硬く、上記したさらなる加熱において、蛍光体層2を保形することができる。
Bステージとなることができる1段反応硬化性シリコーン樹脂は、例えば、特開2016−037562号公報、特開2016−119454号公報などに記載される。
フェニル系シリコーン樹脂の屈折率は、例えば、1.45以上、好ましくは、1.50以上、より好ましくは、1.53以上、さらに好ましくは、1.55以上であり、また、例えば、1.75以下、好ましくは、1.65以下である。
フェニル系シリコーン樹脂の含有割合は、蛍光体樹脂組成物に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
2−3.蛍光体
蛍光体は、光半導体素子5(図5F参照)から発光された光の波長を変換することのできる粒子(波長変換可能粒子)である。蛍光体としては、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
蛍光体は、光半導体素子5(図5F参照)から発光された光の波長を変換することのできる粒子(波長変換可能粒子)である。蛍光体としては、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
黄色蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)2SiO4;Eu、(Sr,Ba)2SiO4:Eu(バリウムオルソシリケート(BOS))などのシリケート蛍光体、例えば、Y3Al5O12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)、Tb3Al3O12:Ce(TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN3:Eu、CaSiN2:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。
蛍光体として、好ましくは、黄色蛍光体、より好ましくは、ガーネット型蛍光体が挙げられる。
蛍光体の形状としては、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の平均粒子径は、例えば、0.25μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。蛍光体の平均粒子径が上記した下限以上であれば、光半導体素子5(図5F参照)から発光された光の波長を確実に変換することができる。なお、平均粒子径は、D50値として算出され、具体的には、レーザー回折式粒度分布計により測定される。以降の粒子の平均粒子径も、上記と同様に求められる。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の割合は、フェニル系シリコーン樹脂100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、また、例えば、1000質量部以下、好ましくは、500質量部以下である。蛍光体の含有割合は、蛍光体樹脂組成物に対して、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
2−4.蛍光体以外の粒子
蛍光体樹脂組成物は、さらに、蛍光体以外の粒子を含有することができる。
そのような粒子としては、例えば、充填材、チクソ付与粒子などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
蛍光体樹脂組成物は、さらに、蛍光体以外の粒子を含有することができる。
そのような粒子としては、例えば、充填材、チクソ付与粒子などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
(1)充填材
充填材は、蛍光体層2の強化や、蛍光体樹脂組成物を増量させるために、蛍光体樹脂組成物に任意的に配合される。
充填材は、蛍光体層2の強化や、蛍光体樹脂組成物を増量させるために、蛍光体樹脂組成物に任意的に配合される。
充填材は、フェニル系シリコーン樹脂と屈折率が実質的に同一である粒子である。なお、充填材は、例えば、フェニル系シリコーン樹脂の屈折率と近似する屈折率を有することが許容される。詳しくは、充填材とフェニル系シリコーン樹脂との屈折率差が、例えば、0.05以下、さらには、0.04以下の微小値となることが、許容される。
そのような粒子として、例えば、無機粒子、有機粒子などから選択される。
無機粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)、タルク(Mg3(Si4O10)(HO)2)、アルミナ(Al2O3)、酸化ホウ素(B2O3)、酸化カルシウム(CaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化バリウム(BaO)、酸化アンチモン(Sb2O3)などの酸化物、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)などの窒化物などの無機物粒子(無機物)が挙げられる。また、無機粒子として、例えば、上記例示の無機物から調製される複合無機物粒子が挙げられ、具体的には、酸化物から調製される複合無機酸化物粒子(具体的には、ガラス粒子など)が挙げられる。
有機粒子としては、例えば、アクリル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、アクリル−スチレン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、ポリカーボネート系樹脂粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子、ポリオレフィン系樹脂粒子、ポリエステル系樹脂粒子、ポリアミド系樹脂粒子、ポリイミド系樹脂粒子などが挙げられる。
充填材は、単独使用または併用することができる。
好ましくは、無機酸化物粒子、より好ましくは、ガラス粒子が挙げられる。
充填材の形状は、特に限定されず、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。
充填材の平均粒子径は、例えば、0.25μm以上、好ましくは、0.3μm以上、より好ましくは、0.5μm以上、さらに好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
充填材の割合は、フェニル系シリコーン樹脂100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、また、例えば、250質量部以下、好ましくは、150質量部以下である。充填材の蛍光体樹脂組成物における含有割合は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
(2)チクソ付与粒子
チクソ付与粒子は、蛍光体樹脂組成物に揺変性(thixotropy、チクソ性)を付与または向上させる揺変剤である。揺変性は、せん断応力を受け続けると粘度が次第に低下し、静止すると粘度が次第に上昇する性質である。 チクソ付与粒子としては、ヒュームドシリカ(煙霧シリカ)などのナノシリカなどが挙げられる。ヒュームドシリカとしては、例えば、ジメチルジクロロシラン、シリコーンオイルなどの表面処理剤により表面が疎水化された疎水性煙霧シリカ、および、表面処理されていない親水性煙霧シリカのいずれであってもよい。
チクソ付与粒子は、蛍光体樹脂組成物に揺変性(thixotropy、チクソ性)を付与または向上させる揺変剤である。揺変性は、せん断応力を受け続けると粘度が次第に低下し、静止すると粘度が次第に上昇する性質である。 チクソ付与粒子としては、ヒュームドシリカ(煙霧シリカ)などのナノシリカなどが挙げられる。ヒュームドシリカとしては、例えば、ジメチルジクロロシラン、シリコーンオイルなどの表面処理剤により表面が疎水化された疎水性煙霧シリカ、および、表面処理されていない親水性煙霧シリカのいずれであってもよい。
チクソ付与粒子の平均粒子径は、例えば、200nm以下、好ましくは、50nm以下であり、また、例えば、1nm以上、好ましくは、5nm以上である。
チクソ付与粒子は、単独使用または併用することができる。
チクソ付与粒子の割合は、蛍光体樹脂組成物100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.2質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。チクソ付与粒子の蛍光体樹脂組成物における含有割合は、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.2質量%以上であり、また、例えば、10質量%以下、好ましくは、5質量%以下である。
2−5.蛍光体樹脂組成物の調製
蛍光体樹脂組成物は、フェニル系シリコーン樹脂と、蛍光体と、必要により、蛍光体以外の粒子とを配合して、混合することにより、調製される。
蛍光体樹脂組成物は、フェニル系シリコーン樹脂と、蛍光体と、必要により、蛍光体以外の粒子とを配合して、混合することにより、調製される。
2−6.蛍光体層2の物性および寸法等
フェニル系シリコーン樹脂がBステージである場合、つまり、蛍光体層2がBステージである場合には、この蛍光体層2を、周波数1Hzおよび昇温速度20℃/分の条件で動的粘弾性測定することにより得られる貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線は、図15が参照されるように、極小値を有する。
フェニル系シリコーン樹脂がBステージである場合、つまり、蛍光体層2がBステージである場合には、この蛍光体層2を、周波数1Hzおよび昇温速度20℃/分の条件で動的粘弾性測定することにより得られる貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線は、図15が参照されるように、極小値を有する。
そして、そのような極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、上記した極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、例えば、5Pa以上、90,000Pa以下の範囲にある。
上記した極小値における貯蔵剪断弾性率G’は、好ましくは、10Pa以上、より好ましくは、15Pa以上、さらに好ましくは、20Pa以上であり、また、好ましくは、1,000Pa以下、好ましくは、750Pa以下、より好ましくは、250Pa以下、さらに好ましくは、100Pa以下、とりわけ好ましくは、50Pa未満の範囲にある。極小値における貯蔵剪断弾性率G’が上記した上限以下であれば、種々の形状を有する蛍光体層2を備えるシート被覆素子4(後述する図3、図6、図8、図10、図12)、さらには、光半導体装置8(後述する図14B)を製造することができる。
あるいは、極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、上記した極小値における貯蔵剪断弾性率G’は、好ましくは、1,000Pa以上、より好ましくは、10,000Pa以上、さらに好ましくは、20,000Pa以上、さらに好ましくは、30,000Pa以上であり、また、好ましくは、70,000Pa以下の範囲にある。極小値における貯蔵剪断弾性率G’が上記した下限以上であれば、図5Dに示す第3工程(後述)において、蛍光体層2のしわを防止して、蛍光体層2の厚みが均一となり、得られるシート被覆素子4および光半導体装置8(図5F参照)の色均一性が優れる。極小値における貯蔵剪断弾性率G’が上記した上限以下であれば、図4Cに示す第3工程(後述)において、蛍光体層2に光半導体素子5を確実に感圧接着させることができる。
蛍光体層2の屈折率は、例えば、1.45以上、好ましくは、1.50以上、より好ましくは、1.53以上であり、また、例えば、1.75以下である。
屈折率は、アッベ屈折計で測定することにより求められる。
なお、Aステージ、BステージおよびCステージのフェニル系シリコーン樹脂のそれぞれの屈折率は、実質的に同一である。
蛍光体層2の厚みは、例えば、30μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
3.低屈折率層
図1に示すように、低屈折率層3は、被覆シート1において、厚み方向一方側に位置する厚み方向一方側層を形成する。低屈折率層3は、面方向に延びる略板(シート)形状を有する。低屈折率層3は、蛍光体層2の厚み方向一方面の全面に接触するように、低屈折率層3の厚み方向一方面に配置されている。低屈折率層3は、後述する光半導体素子5(図5F参照)から発光され、蛍光体層2を透過した光、および、蛍光体層2によって波長変換された光を側方(側方外側)に屈折(あるいは拡散)させる屈折層(あるいは拡散層)である。
図1に示すように、低屈折率層3は、被覆シート1において、厚み方向一方側に位置する厚み方向一方側層を形成する。低屈折率層3は、面方向に延びる略板(シート)形状を有する。低屈折率層3は、蛍光体層2の厚み方向一方面の全面に接触するように、低屈折率層3の厚み方向一方面に配置されている。低屈折率層3は、後述する光半導体素子5(図5F参照)から発光され、蛍光体層2を透過した光、および、蛍光体層2によって波長変換された光を側方(側方外側)に屈折(あるいは拡散)させる屈折層(あるいは拡散層)である。
また、低屈折率層3は、蛍光体層2の屈折率に比べて、低い屈折率(後述)を有する。
また、低屈折率層3は、面方向に平行する平坦な第1面(厚み方向他方面)41と、第1面41に対向し、凹凸形状を有する第2面(厚み方向一方面)42とを有する。
第1面41は、蛍光体層2の厚み方向一方面に接触する接触面である。
第2面42は、外方(厚み方向一方)に向かって露出する露出面である。第2面42の凹凸形状は、低屈折率層3における輝度向上効果を奏する形状であって、例えば、半球レンズ状、ピラミッド状、コーン状、釣り鐘状などが挙げられる。第2面42の凹凸形状の詳細および寸法等は、例えば、特開2007−110053号公報、特開2010−192586号公報などに記載される。なお、第2面42の表面粗さ(JIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRa)は、例えば、0.05μm以上、好ましくは、0.1μm以上、より好ましくは、0.2μm以上であり、また、例えば、3μm以下である。
低屈折率層3は、メチル系シリコーン樹脂を含有する。
例えば、低屈折率層3は、メチル系シリコーン樹脂を含有する低屈折樹脂組成物から、上記した形状に形成される。好ましくは、低屈折率層3は、Cステージのメチル系シリコーン樹脂(メチル系シリコーン樹脂硬化体)を含有する低屈折率樹脂組成物からなる。
3−1.メチル系シリコーン樹脂
メチル系シリコーン樹脂は、低屈折率層3の屈折率を蛍光体層2の屈折率に対して低くするために、低屈折樹脂組成物に配合される、低屈折率樹脂である。また、メチル系シリコーン樹脂は、後述する充填材、チクソ付与粒子を低屈折率樹脂組成物に配合するときには、充填材、チクソ付与粒子を分散できるマトリクスを構成するマトリクス樹脂でもある。
メチル系シリコーン樹脂は、低屈折率層3の屈折率を蛍光体層2の屈折率に対して低くするために、低屈折樹脂組成物に配合される、低屈折率樹脂である。また、メチル系シリコーン樹脂は、後述する充填材、チクソ付与粒子を低屈折率樹脂組成物に配合するときには、充填材、チクソ付与粒子を分散できるマトリクスを構成するマトリクス樹脂でもある。
メチル系シリコーン樹脂としては、例えば、1段反応硬化性シリコーン樹脂、2段反応硬化性シリコーン樹脂がCステージ化した、Cステージの熱硬化性シリコーン樹脂(シリコーン樹脂硬化体)が挙げられる。メチル系シリコーン樹脂としては、好ましくは、AステージからCステージ化(完全硬化)することができる1段反応硬化性シリコーン樹脂がCステージ化したシリコーン樹脂硬化体が挙げられる。
なお、Cステージのメチル系シリコーン樹脂は、シロキサン結合である主骨格に実質的にメチル基のみを有する。具体的には、ケイ素原子に直接結合する炭化水素基におけるメチル基の含有割合が、例えば、90モル%以上、好ましくは、95モル%以上、より好ましくは、99モル%以上であり、さらに好ましくは、100モル%である。
メチル系シリコーン樹脂の屈折率は、例えば、1.50未満、好ましくは、1.45以下であり、また、例えば、1.3以上、好ましくは、1.35以上である。メチル系シリコーン樹脂とフェニル系シリコーン樹脂との屈折率差(フェニル系シリコーン樹脂の屈折率からメチル系シリコーン樹脂の屈折率を差し引いた値は、例えば、0.05以上、好ましくは、0.1以上であり、また、例えば、0.3以下、好ましくは、0.2以下である。また、フェニル系シリコーン樹脂の屈折率の、メチル系シリコーン樹脂の屈折率に対する比は、例えば、1.05以上、好ましくは、1.07以上であり、また、例えば、1.2以下、好ましくは、1.15以下である。
メチル系シリコーン樹脂の含有割合は、低屈曲率樹脂組成物に対して、例えば、50質量%以上、好ましくは、80質量%以上であり、例えば、100質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
3−2.充填材等
低屈折率樹脂組成物は、必要により、充填材、チクソ付与粒子などの粒子を含有することができる。
低屈折率樹脂組成物は、必要により、充填材、チクソ付与粒子などの粒子を含有することができる。
(1)充填材
充填材は、低屈折率層3の強化や、低屈折率樹脂組成物を増量するために、低屈折率樹脂組成物に任意的に配合される。
充填材は、低屈折率層3の強化や、低屈折率樹脂組成物を増量するために、低屈折率樹脂組成物に任意的に配合される。
充填材は、メチル系シリコーン樹脂と屈折率が実質的に同一である粒子である。なお、充填材は、例えば、メチル系シリコーン樹脂の屈折率と近似する屈折率を有することが許容される。詳しくは、充填材とメチル系シリコーン樹脂との屈折率差が、例えば、0.05以下、さらには、0.04以下の微小値となることが、許容される。
充填材としては、蛍光体樹脂組成物で例示したものが挙げられ、好ましくは、有機粒子、より好ましくは、シリコーン系樹脂粒子が挙げられる。
充填材の割合は、メチル系シリコーン樹脂100質量部に対して、例えば、5質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、また、例えば、250質量部以下、好ましくは、150質量部以下である。充填材の蛍光体樹脂組成物における含有割合は、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
(2)チクソ付与粒子
チクソ付与粒子は、蛍光体樹脂組成物で例示したチクソ付与粒子と同様の種類が挙げられ、その物性および配合割合は、上記と同様である。
チクソ付与粒子は、蛍光体樹脂組成物で例示したチクソ付与粒子と同様の種類が挙げられ、その物性および配合割合は、上記と同様である。
3−3.低屈折率層の物性および寸法等
低屈折率層3の25℃における圧縮弾性率は、例えば、1.2MPaを超過し、好ましく、1.4MPaを超過し、また、例えば、15MPa以下、好ましくは、10MPa以下である。低屈折率層3の圧縮弾性率は、JIS K 7181:2011の「プラスチック−圧縮特性の求め方」に記載の方法により求められる。低屈折率層3の圧縮弾性率が上記した下限を上回れば、低屈折率層3が蛍光体層2を確実に支持して、蛍光体層2による光半導体素子5に対する確実な被覆を担保することができる。
低屈折率層3の25℃における圧縮弾性率は、例えば、1.2MPaを超過し、好ましく、1.4MPaを超過し、また、例えば、15MPa以下、好ましくは、10MPa以下である。低屈折率層3の圧縮弾性率は、JIS K 7181:2011の「プラスチック−圧縮特性の求め方」に記載の方法により求められる。低屈折率層3の圧縮弾性率が上記した下限を上回れば、低屈折率層3が蛍光体層2を確実に支持して、蛍光体層2による光半導体素子5に対する確実な被覆を担保することができる。
低屈折率層3の厚みTは、10μmを超過し、好ましくは、15μm以上、より好ましくは、25μm以上である。低屈折率層3の厚みTが上記した下限を下回れば、光の取出効率を向上させることができない。一方、低屈折率層3の厚みTが上記した下限を上回れば、光の取出効率を向上させることができる。
低屈折率層3の厚みTは、例えば、500μm以下、好ましくは、150μm以下、より好ましくは、100μm以下、さらに好ましくは、85μm以下である。低屈折率層3の厚みTが上記した上限以下であれば、被覆シート1の薄型化を図ることができる。
低屈折率層3の屈折率は、例えば、1.30以上、好ましくは、1.35以上であり、また、例えば、1.55以下、好ましくは、1.50以下である。低屈折率層3の屈折率が上記した上限以下であれば、低屈折率層3の屈折率を、蛍光体層2の屈折率より確実に低く設定でき、被覆シート1による光の取出効率を向上させることができる。
低屈折率層3と蛍光体層2との屈折率差(蛍光体層2の屈折率から低屈折率層3の屈折率を差し引いた値)は、例えば、0.5以下、好ましくは、0.3以下、好ましくは、0.2以下であり、また、例えば、0.03以上である。また、蛍光体層2の屈折率の、低屈折率層3の屈折率に対する比は、例えば、1.05以上、好ましくは、1.07以上であり、また、例えば、1.25以下、好ましくは、1.15以下である。
この被覆シート1の25℃における圧縮弾性率は、特に限定されず、例えば、150MPa以下、好ましくは、80MPa未満、より好ましくは、10MPa以下であり、また、0.1MPa以上である。圧縮弾性率が上記上限以下であれば、被覆シート1は柔軟性および成形性に優れるので、種々の形状を有する蛍光体層2を備えるシート被覆素子4、さらには、光半導体装置8を製造することができる。
具体的には、圧縮弾性率が150MPa以下であれば、図3、図6、図8、図10に示すシート被覆素子4を製造できる。さらに、圧縮弾性率が80MPa未満であれば、図3、図6、図8、図10、図12に示すシート被覆素子4を製造できる。圧縮弾性率が10MPa以下であれば、図3、図6、図8、図10、図12に示すシート被覆素子4、さらには、図14Bに示す光半導体装置8を製造できる。
4.被覆シートの製造方法
被覆シート1を製造するには、例えば、図2に示すように、まず、蛍光体層2を作製し、別途、低屈折率層3を作製し、その後、蛍光体層2および低屈折率層3を互いに貼り合わせる。
被覆シート1を製造するには、例えば、図2に示すように、まず、蛍光体層2を作製し、別途、低屈折率層3を作製し、その後、蛍光体層2および低屈折率層3を互いに貼り合わせる。
(1) 蛍光体層の作製
蛍光体層2を作製するには、まず、上記した各成分を配合および混合して、蛍光体樹脂組成物(ワニス)を調製する。次いで、蛍光体樹脂組成物を、第1剥離シート21の表面(厚み方向一方面)に塗布する。
蛍光体層2を作製するには、まず、上記した各成分を配合および混合して、蛍光体樹脂組成物(ワニス)を調製する。次いで、蛍光体樹脂組成物を、第1剥離シート21の表面(厚み方向一方面)に塗布する。
第1剥離シート21は、例えば、面方向に延びる可撓性フィルムからなる。第1剥離シート21としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、エポキシ樹脂などのポリマーフィルム、例えば、セラミクスシート、例えば、金属箔などが挙げられる。また、第1剥離シート21の貼着面、つまり、蛍光体層2に対する接触面は、必要によりフッ素処理などの剥離処理されている。第1剥離シート21の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、2,000μm以下、好ましくは、1,000μm以下である。
次いで、フェニル系シリコーン樹脂が、Bステージとなることができる熱硬化性シリコーン樹脂である場合には、Aステージのフェニル系シリコーン樹脂をBステージ化する。具体的には、Aステージの蛍光体樹脂組成物を、加熱(ベイク)して、Bステージ化する。
加熱(ベイク)条件は、蛍光体層2において動的粘弾性測定における貯蔵剪断弾性率G’が所望の範囲(後述)となるように、適宜設定される。
つまり、加熱温度は、蛍光体樹脂組成物におけるフェニル系シリコーン樹脂の組成によって適宜設定され、具体的には、例えば、50℃以上、好ましくは、70℃以上、より好ましくは、80℃以上であり、また、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。加熱温度が上記下限以上、および/または、加熱温度が上記上限以下であれば、上記した貯蔵剪断弾性率G’の極小値を所望の範囲に設定することができる。
加熱時間は、例えば、2.5分以上、好ましくは、5.5分以上であり、また、例えば、4時間以下、好ましくは、1時間以下、より好ましくは、30分以下、さらに好ましくは、10分以下である。加熱時間が上記下限以上、および/または、上記上限以下であれば、上記した貯蔵剪断弾性率G’の極小値を所望の範囲に設定することができる。
これにより、蛍光体層2が第1剥離シート21の表面(厚み方向一方面)に作製される。
好ましくは、Bステージの蛍光体層2が作製される。
具体的には、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂を含有する蛍光体層2が作製される。そのような蛍光体層2は、動的粘弾性測定における貯蔵剪断弾性率G’が所望の範囲(極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、5Pa以上、90,000Pa以下の範囲)となる。
(2) 低屈折率層の作製
低屈折率層3を作製するには、例えば、まず、上記した各成分を配合および混合して、低屈折率樹脂組成物(ワニス)を調製する。
低屈折率層3を作製するには、例えば、まず、上記した各成分を配合および混合して、低屈折率樹脂組成物(ワニス)を調製する。
次いで、低屈折率樹脂組成物を、第2剥離シート22の表面(厚み方向他方面)に塗布する。
第2剥離シート22は、例えば、面方向に延びる可撓性フィルムからなる。第2剥離シート22の材料としては、第1剥離シート21と同様の材料が挙げられる。
第2剥離シート22の表面(厚み方向他方面)は、第2面42の凹凸形状に対応する凹凸形状を有する。
なお、第2剥離シート22の作製方法は、例えば、特開2007−110053号公報、特開2010−192586号公報などに記載される。
次いで、メチル系シリコーン樹脂が熱硬化性シリコーン樹脂である場合には、メチル系シリコーン樹脂を、Cステージ化する。具体的には、Aステージの低屈折率樹脂組成物を、加熱して、Cステージ化する。
加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、150℃以下である。また、加熱時間は、例えば、10分以上、好ましくは、30分以上であり、また、例えば、180分以下、好ましくは、120分以下である。
これにより、低屈折率層3が第2剥離シート22の表面(厚み方向他方面)に作製される。
Cステージの低屈折率層3が作製される。同時に、第2剥離シート22の表面における凹凸形状が、低屈折率層3の第2面42に転写される。
(3)蛍光体層および低屈折率層の貼り合わせ
その後、蛍光体層2および低屈折率層3を貼り合わせる。
その後、蛍光体層2および低屈折率層3を貼り合わせる。
具体的には、第1剥離シート21に支持された蛍光体層2の露出面と、第2剥離シート22に支持された低屈折率層3の露出面とを、例えば、ラミネータなどによって、互いに貼り合わせる。
これにより、蛍光体層2および低屈折率層3を備える被覆シート1が、第1剥離シート21および第2剥離シート22により挟まれた(支持された)状態で、製造される。
5. シート被覆素子、光半導体装置およびそれらの製造方法
次に、被覆シート1を用いて製造されるシート被覆素子4、光半導体装置8およびそれらの製造方法について説明する。
次に、被覆シート1を用いて製造されるシート被覆素子4、光半導体装置8およびそれらの製造方法について説明する。
5−1.シート被覆素子
シート被覆素子4は、図3に示すように、光半導体素子5が上記した被覆シート1により被覆された素子であり、図5Fに示すように、光半導体素子5が被覆シート1によって被覆された後、基板9(後述)に実装される。
シート被覆素子4は、図3に示すように、光半導体素子5が上記した被覆シート1により被覆された素子であり、図5Fに示すように、光半導体素子5が被覆シート1によって被覆された後、基板9(後述)に実装される。
なお、シート被覆素子4は、光半導体装置8ではなく、つまり、光半導体装置8に備えられる基板9を含んでいない。具体的には、シート被覆素子4は、光半導体素子5と、被覆シート1(蛍光体層2および低屈折率層3)と、光反射性層7とを備える。シート被覆素子4は、好ましくは、光半導体素子5と、被覆シート1と、光反射性層7とからなる。つまり、光半導体素子5は、光半導体装置8の基板9に備えられる電極とまだ電気的に接続されないように、構成されている。また、シート被覆素子4は、光半導体装置8の一部品、すなわち、光半導体装置8を作製するための部品であり、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
光半導体素子5は、例えば、電気エネルギーを光エネルギーに変換するLED(発光ダイオード素子)またはLD(半導体レーザー素子)である。好ましくは、光半導体素子5は、青色光を発光する青色LEDである。なお、光半導体素子5は、光半導体素子とは技術分野が異なるトランジスタなどの整流器(半導体素子)を含まない。
光半導体素子5は、面方向に沿う略平板形状を有している。また、光半導体素子5は、平面視略矩形状(好ましくは、平面視略正方形状)を有している。光半導体素子5は、電極10が設けられる電極面11と、電極面11の厚み方向(上下方向)に対向する対向面12と、電極面11および対向面12の周端縁を連結する側面13とを一体的に有する。
電極面11は、光半導体素子5における下面の一例である。電極面11には、複数(2個)の電極10が設けられている。複数の電極10のそれぞれは、電極面11から下側に向かってわずかに突出する形状を有する。
対向面12は、光半導体素子5における上面の一例である。
光半導体素子5の寸法は、適宜設定されており、具体的には、厚み(上下方向長さ)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上、より好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、200μm以下である。光半導体素子5の左右方向および/または前後方向における長さは、それぞれ、例えば、200μm以上、好ましくは、500μm以上であり、また、例えば、3000μm以下、好ましくは、2000μm以下である。
被覆シート1は、シート被覆素子4において、光半導体素子5から発光された光を面方向(側方、側方外側)に屈折させながら、波長変換する屈折−波長変換シートである。被覆シート1は、平面視略矩形の平板状を有する。被覆シート1は、厚み方向に投影したときに、光半導体素子5を含んでいる。被覆シート1では、光半導体素子5の対向面12から上方(厚み方向他方側)に向かって、蛍光体層2および低屈折率層3が順に配置されている。低屈折率層3は、シート被覆素子4の上面の中央部を形成する。低屈折率層3の上面は、後述する光反射性層7の上面と面一となっている。蛍光体層2の中央部は、光半導体素子5の対向面12と接触(接着)している。被覆シート1の周端部は、光半導体素子5よりも外側に位置しており、光反射性層7と接触している。
光反射性層7は、光半導体素子5および被覆シート1の側方に配置され、光半導体素子5から主として側方に放射される光を反射することができる白色層である。光反射性層7は、平面視略矩形枠状を有している。光反射性層7は、下部14と、および、その上側に設けられる上部15とを一体的に備えている。
下部14は、光半導体素子5の側方(周囲、すなわち、左右方向外側および前後方向外側)に配置されている。具体的には、下部14は、光半導体素子の側面13と接触し、それを被覆している。下部14の内側部は、蛍光体層2の下面と接触している。下部14の外側部は、上部15と連続している。下部14は、平面視略枠形状を有している。下部14は、厚み方向に投影したときに、その内形が光半導体素子5と一致し、その外形が上部15の外形と一致するように形成されている。下部14の厚みは、光半導体素子5の厚みと同一である。
上部15は、被覆シート1の側方(周囲、すなわち、左右方向外側および前後方向外側)に配置されている。具体的には、上部15は、被覆シート1の周側面と接触し、それらを被覆している。上部15は、平面視略枠形状を有している。上部15は、厚み方向に投影したときに、その内形が被覆シート1と一致し、その外形が下部14の外形と一致するように形成されている。上部15の開口は、下部14の開口に対して大きい。上部15の厚みは、低屈折率層3の厚みTおよび蛍光体層2の厚みの合計と同一である。
光反射性層7は、100μm厚みとして450nm波長の光で照射したときの光透過率が、例えば、20%以下、好ましくは、10%以下であり、また、例えば、0%以上である。
光反射性層7は、例えば、樹脂と光反射性粒子とを含有する光反射樹脂組成物から形成(調製)されている。
樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられ、好ましくは、Bステージとなることができる熱硬化性樹脂が挙げられ、より好ましくは、Bステージとなることができる熱硬化性シリコーン樹脂が挙げられ、さらに好ましくは、フェニル系シリコーン樹脂が挙げられる。
光反射性粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの酸化物、例えば、鉛白(塩基性炭酸鉛)、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、例えば、カオリンなどの粘土鉱物などの、無機物が挙げられる。好ましくは、酸化チタンが挙げられる。光反射性粒子の屈折率は、例えば、2.0以上、好ましくは、2.5以上であり、また、例えば、5.0以下である。光反射性粒子の平均粒子径は、例えば、0.25μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
樹脂および光反射性粒子の含有割合は、用途および目的に応じて適宜設定される。
5−2. シート被覆素子の製造方法
そして、このシート被覆素子4は、被覆シート1を切断する第1工程(図4A参照)、複数の被覆シート1における低屈折率層3を第3剥離シート23の表面に配置する第2工程(図4B参照)、複数の光半導体素子5のそれぞれを複数の蛍光体層2のそれぞれの厚み方向他方面に固定する第3工程(図4C参照)、光反射性層7によって、複数の光半導体素子5および複数の被覆シート1を被覆する第4工程(図5D参照)、素子集合体17を切断して、複数のシート被覆素子4を製造する第5工程(図5E参照)を順に備える、シート被覆素子4の製造方法によって、製造される。
そして、このシート被覆素子4は、被覆シート1を切断する第1工程(図4A参照)、複数の被覆シート1における低屈折率層3を第3剥離シート23の表面に配置する第2工程(図4B参照)、複数の光半導体素子5のそれぞれを複数の蛍光体層2のそれぞれの厚み方向他方面に固定する第3工程(図4C参照)、光反射性層7によって、複数の光半導体素子5および複数の被覆シート1を被覆する第4工程(図5D参照)、素子集合体17を切断して、複数のシート被覆素子4を製造する第5工程(図5E参照)を順に備える、シート被覆素子4の製造方法によって、製造される。
(1)第1工程
図4Aの太い一点破線で示すように、第1工程では、1枚の被覆シート1を、用途および目的に応じたサイズに切断して、複数枚の被覆シート1を作製する。被覆シート1の切断では、蛍光体層2および低屈折率層3とともに、第1剥離シート21および第2剥離シート22を切断する。
図4Aの太い一点破線で示すように、第1工程では、1枚の被覆シート1を、用途および目的に応じたサイズに切断して、複数枚の被覆シート1を作製する。被覆シート1の切断では、蛍光体層2および低屈折率層3とともに、第1剥離シート21および第2剥離シート22を切断する。
(2)第2工程
第2工程では、まず、第2剥離シート22を低屈折率層3から剥離し、次いで、図4Bに示すように、低屈折率層3を、第3剥離シート23に配置する。具体的には、低屈折率層3の厚み方向一方面を、第3剥離シート23の厚み方向他方面に接触させる。また、被覆シート1を、面方向に互いに間隔を隔てて複数配置する。
第2工程では、まず、第2剥離シート22を低屈折率層3から剥離し、次いで、図4Bに示すように、低屈折率層3を、第3剥離シート23に配置する。具体的には、低屈折率層3の厚み方向一方面を、第3剥離シート23の厚み方向他方面に接触させる。また、被覆シート1を、面方向に互いに間隔を隔てて複数配置する。
第3剥離シート23としては、第1剥離シート21と同様のものが挙げられる。
(3)第3工程
第3工程では、図4Cに示すように、光半導体素子5を、蛍光体層2の厚み方向他方面に配置する。具体的には、まず、図4Bの矢印で示すように、第1剥離シート21を蛍光体層2から剥離し、その後、光半導体素子5の対向面12を、蛍光体層2の厚み方向他方面に接触(被覆)させる。これにより、光半導体素子5は、Bステージの蛍光体層2に対して仮固定(密着)される。低屈折率層3は、蛍光体層2に対して光半導体素子5の反対側に位置する。
第3工程では、図4Cに示すように、光半導体素子5を、蛍光体層2の厚み方向他方面に配置する。具体的には、まず、図4Bの矢印で示すように、第1剥離シート21を蛍光体層2から剥離し、その後、光半導体素子5の対向面12を、蛍光体層2の厚み方向他方面に接触(被覆)させる。これにより、光半導体素子5は、Bステージの蛍光体層2に対して仮固定(密着)される。低屈折率層3は、蛍光体層2に対して光半導体素子5の反対側に位置する。
その後、蛍光体層がBステージである場合、具体的には、蛍光体層2が含有するフェニル系シリコーン樹脂が、Bステージである場合には、蛍光体層2をCステージ化させる。
具体的には、Bステージの蛍光体層2を加熱する。加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、150℃以下である。また、加熱時間は、例えば、10分以上、好ましくは、30分以上であり、また、例えば、180分以下、好ましくは、120分以下である。
蛍光体層2に含有されるフェニル系シリコーン樹脂のCステージ化によって、蛍光体層2が光半導体素子5と接着する。
第3工程によって、好ましくは、Cステージの低屈折率層3およびCステージの蛍光体層2を備える複数の被覆シート1が、第3剥離シート23に支持される状態で、作製される。
(4)第4工程
第3工程によって、好ましくは、Cステージの低屈折率層3およびCステージの蛍光体層2を備える複数の被覆シート1が、第3剥離シート23に支持された状態で、作製される。
第3工程によって、好ましくは、Cステージの低屈折率層3およびCステージの蛍光体層2を備える複数の被覆シート1が、第3剥離シート23に支持された状態で、作製される。
図5Dに示すように、第4工程では、例えば、まず、光反射シート16(仮想線)を、複数の光半導体素子5および複数の被覆シート1に対して、上下方向に間隔を隔てて対向配置する。
まず、光反射シート16を、光反射性層7を構成する光反射樹脂組成物(好ましくは、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂および光反射性粒子(屈折率が、例えば、2.0以上、好ましくは、2.3以上、例えば、5.0以下)を含有する光反射樹脂組成物)から、面方向(上下方向に直交する方向)に沿うシート状に、形成する。
次いで、複数の光半導体素子5、複数の被覆シート1および第3剥離シート23と、光反射シート16とを、熱プレス機(図示せず)にセットする。具体的には、複数の光半導体素子5と、光反射シート16とが対向配置される。
次いで、図5Dの矢印で示すように、光反射シート16を、複数の光半導体素子5および複数の被覆シート1に対して、熱プレスする。
熱プレスの条件は、光反射シート16が複数の光半導体素子5および複数の被覆シート1を埋設して変形するように、設定される。
この熱プレスによって、光反射シート16は、下部14および上部15を有する光反射性層7に形成される。
これによって、複数の光半導体素子5と、複数の被覆シート1と、1つの光反射性層7とを備える素子集合体17が、第3剥離シート23に支持された状態で、得られる。
次いで、素子集合体17における光反射性層7を加熱してCステージ化する。具体的には、素子集合体17をプレス機30から取り出し、オーブンなどによって、加熱する。
その後、光反射性層7の上部を、例えば、グラインド加工、溶媒による拭き取り加工、粘着シートによる引き剥がし加工によって、除去する。これによって、光半導体素子5の電極面11を露出させる。
(5)第5工程
第5工程では、図5Eに示すように、面方向に隣接する光半導体素子5の間と、面方向に隣接する被覆シート1の間とに位置する光反射性層7を、例えば、ダイシングなどによって切断する。これにより、素子集合体17を個片化する。
第5工程では、図5Eに示すように、面方向に隣接する光半導体素子5の間と、面方向に隣接する被覆シート1の間とに位置する光反射性層7を、例えば、ダイシングなどによって切断する。これにより、素子集合体17を個片化する。
続いて、図5Eの矢印で示すように、シート被覆素子4を第3剥離シート23から剥離する。
これによって、1つの光半導体素子5、1つの被覆シート1と、1つの光反射性層7とを備えるシート被覆素子4が得られる。
7−3.光半導体装置の製造方法
その後、図5Fに示すように、シート被覆素子4を基板9に実装する。具体的には、光半導体素子5を基板9にフリップチップ実装する。より具体的には、光半導体素子5の電極10を基板9に設けられる端子(図示せず)と電気的に接続する。
その後、図5Fに示すように、シート被覆素子4を基板9に実装する。具体的には、光半導体素子5を基板9にフリップチップ実装する。より具体的には、光半導体素子5の電極10を基板9に設けられる端子(図示せず)と電気的に接続する。
これによって、基板9と、シート被覆素子4と、光反射性層7とを備える光半導体装置8が得られる。
光半導体装置8は、好ましくは、基板9と、光半導体素子5と、被覆シート1と、光反射性層7とからなる。
8.第1実施形態の作用効果
この被覆シート1によれば、蛍光体層2と低屈折率層3とが、この順で、屈折率が低くなるので、蛍光体層2により、光半導体素子5を被覆すれば、光の取出効率を向上させることができる。そのため、光半導体素子5を被覆する被覆シート1を備え、発光効率に優れるシート被覆素子4および光半導体装置8を得ることができる。
この被覆シート1によれば、蛍光体層2と低屈折率層3とが、この順で、屈折率が低くなるので、蛍光体層2により、光半導体素子5を被覆すれば、光の取出効率を向上させることができる。そのため、光半導体素子5を被覆する被覆シート1を備え、発光効率に優れるシート被覆素子4および光半導体装置8を得ることができる。
また、低屈折率層3が、10μmを超過する厚みTを有するので、光の取出効率をより一層向上させることができる。
さらに、この被覆シート1によれば、蛍光体層2が、フェニル系シリコーン樹脂を含有するので、耐熱性に優れる。さらに、フェニル系シリコーン樹脂を含有する蛍光体層2と、メチル系シリコーン樹脂を含有する低屈折率層3とは、フェニル系シリコーン樹脂およびメチル系シリコーン樹脂がともに同じシリコーン樹脂であるので、親和性が高い。そのため、信頼性に優れるシート被覆素子4および光半導体装置8を得ることができる。
この被覆シート1では、低屈折率層3が、100μm以下の厚みTを有すれば、被覆シート1の薄型化を図ることができる。そのため、薄型化が図れたシート被覆素子4および光半導体装置8を得ることができる。
この被覆シート1では、メチル系シリコーン樹脂が、Cステージであれば、低屈折率層3が蛍光体層2を確実に支持することができる。
また、メチル系シリコーン樹脂がたとえCステージであっても、低屈折率層3に含有されるメチル系シリコーン樹脂と、蛍光体層2に含有されるフェニル系シリコーン樹脂とがともに同じシリコーン樹脂であるので、蛍光体層2および低屈折率層3は、密着性に優れる。そのため、蛍光体層2による光半導体素子5に対する確実な被覆を担保することができる。
この被覆シート1では、低屈折率層3の第2面42が、凹凸形状を有するので、光の取出効率をより一層向上させることができる。
また、この被覆シート1では、フェニル系シリコーン樹脂が、Bステージであれば、蛍光体層2によって、光半導体素子5をより一層確実に被覆することができる。
また、この被覆シート1では、蛍光体層2を、周波数1Hzおよび昇温速度20℃/分の条件で動的粘弾性測定することにより得られる貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線が、極小値を有し、極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、1,000Pa以上、90,000Pa以下の範囲にあれば、蛍光体層2が光半導体素子5に対して感圧接着することができる。
このシート被覆素子4では、上記した被覆シート1に被覆される光半導体素子5を備えるので、耐熱性、発光効率および信頼性に優れながら、薄型化を図ることができる。
また、このシート被覆素子4では、厚み方向から見たときに、光半導体素子5の側方に配置される光反射性層7をさらに備えるので、光反射層によって、光の取出効率を向上させることができる。
この光半導体装置8では、上記したシート被覆素子4を備えるので、耐熱性、発光効率および信頼性に優れながら、薄型化を図ることができる。
9.変形例
変形例において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
変形例において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態では、本発明の被覆層の一例として蛍光体層2を挙げたが、これに限定されず、蛍光体を含有しない被覆層とすることもできる。
一方、被覆層が蛍光体層2であれば、光半導体素子5から発光された光を波長変換できる。そのため、シート被覆素子4および光半導体装置8は、白色度が高い光を取り出すことができる。
第1実施形態では、図1に示すように、低屈折率層3の第2面42のみが凹凸形状を有する。しかし、これに限定されない。
図示しないが、低屈折率層3において、第2面42に代えて、第1面41のみが凹凸形状を有することができ、あるいは、第2面42とともに、第1面41も凹凸形状を有することもできる。
低屈折率層3の第1面41が凹凸形状を有する場合には、第1面41に追従して、蛍光体層2の厚み方向他方面も、凹凸形状を有する。
また、低屈折率層3の第1面41および第2面42のいずれもが、凹凸形状を有さなくてもよい。
好ましくは、低屈折率層3の第1面41および第2面42のうち、少なくともいずれか一方面が、凹凸形状を有する。これより、光の取出効率をより一層向上させることができる。
第1実施形態では、被覆シート1の製造方法において、図2に示すように、蛍光体層2および低屈折率層3のそれぞれを作製し、その後、蛍光体層2および低屈折率層3を貼り合わせている。
しかし、例えば、図示しないが、第2剥離シート22の厚み方向他方側に、低屈折率層3および蛍光体層2を順に積層することもできる。具体的には、まず、低屈折率層3(好ましくは、Cステージの低屈折率層3)を第2剥離シート22の厚み方向他方面に配置し、次いで、Aステージの蛍光体樹脂組成物を低屈折率層3の厚み方向他方面に塗布し、その後、加熱する。好ましくは、Bステージの蛍光体層2を、Cステージの低屈折率層3の厚み方向他方面に作製する。
第1実施形態では、図5Dに示すように、仮想線で示す光反射シート16を用いて、光反射性層7を作製しているが、例えば、図示しないが、光反射シート16を用いず、光反射樹脂組成物を複数の光半導体素子5および複数の被覆シート1の上に塗布などにより直接配置し、次いで、光反射樹脂組成物をCステージ化することにより、光反射性層7を作製することもできる。
上記した各変形例によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第1実施形態では、図3に示すように、シート被覆素子4において、被覆シート1が、平面視において、光反射性層7より小さく、かつ、光半導体素子5より大きいサイズを有している。
一方、第2実施形態では、図6に示すように、シート被覆素子4において、被覆シート1が、平面視において、光反射性層7と同一サイズの外形形状を有する。
被覆シート1の側面と、光反射性層7の側面とは、厚み方向に連続している。具体的には、被覆シート1の側面と、光反射性層7の側面とは、面一である。
光反射性層7は、第1実施形態における上部15(図3参照)を有さない。
このシート被覆素子4を被覆シート1を用いて製造するには、図1が参照されるように、まず、第1剥離シート21を蛍光体層2から剥離する。
次いで、図7Aに示すように、蛍光体層2の厚み方向他方面に、複数の光半導体素子5を面方向に互いに間隔を隔てて整列配置する。具体的には、Bステージの蛍光体層2の厚み方向他方面に光半導体素子5の対向面12を密着(感圧接着)させる。
続いて、蛍光体層2がBステージであれば、Bステージの蛍光体層2を加熱によりCステージ化させる。
次いで、図7Bに示すように、光反射性層7を、複数の被覆シート1および複数の光半導体素子5を被覆するように、蛍光体層2の厚み方向他方面に配置する。具体的には、光反射性層7を、隣接する被覆シート1間と、隣接する光半導体素子5間とに充填する。
次いで、図7Cに示すように、光反射性層7の上部を除去して、複数の光半導体素子5の電極面11を露出させる。
次いで、図7Cの太い一点破線で示すように、隣接する光半導体素子5間の光反射性層7および被覆シート1を切断する。
これにより、光半導体素子5、被覆シート1および光反射性層7を備える複数のシート被覆素子4を、第2剥離シート22で支持された状態で、得る。
その後、図7Cの矢印で示すように、シート被覆素子4を第2剥離シート22から剥離する。
その後、図7Dに示すように、シート被覆素子4を基板9にフリップチップ実装する。
これによって、基板9およびシート被覆素子4を備える光半導体装置8を得る。
この第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態において、上記した第1実施形態および第2実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態において、上記した第1実施形態および第2実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、図6に示すように、被覆シート1の側面と、光反射性層7の側面とは、面一である。
一方、第3実施形態では、図8に示すように、被覆シート1の側面と、光反射性層7の側面13とが、面一である。
被覆シート1は、厚み方向に投影したときに、光半導体素子5と同一形状を有する。
光反射性層7において、下部14および上部15の内側面は、厚み方向に沿って面一である。
このシート被覆素子4を製造するには、図9Aの仮想線で示すように、まず、第1剥離シート21を蛍光体層2から剥離する。
次いで、図9Bに示すように、蛍光体層2の厚み方向他方面に光半導体素子5を配置する。具体的には、Bステージの蛍光体層2の厚み方向他方面に光半導体素子5の対向面12を密着(感圧接着)させる。
続いて、蛍光体層2がBステージであれば、Bステージの蛍光体層2を加熱によりCステージ化させる。
図9Cに示すように、次いで、第2剥離シート22を低屈折率層3から剥離して、低屈折率層3を別の第4剥離シート24に載置する。
第4剥離シート24は、第2剥離シート22と同様のものが挙げられる。第4剥離シート24は、平面視において、被覆シート1および光半導体素子5より大きいサイズを有する。
その後、図9Dに示すように、光反射性層7によって、被覆シート1および光半導体素子5を埋設するように、光反射性層7を第4剥離シート24の厚み方向他方側に配置する。
続いて、図9Eに示すように、光反射性層7の上部を除去して、光半導体素子5の電極面11を露出させる。
これによって、光半導体素子5、被覆シート1および光反射性層7を備えるシート被覆素子4を、第4剥離シート24に支持された状態で得る。
その後、図9Fに示すように、シート被覆素子4を基板9にフリップチップ実装する。
これにより、基板9と、シート被覆素子4と、光反射性層7とを備える光半導体装置8が得られる。
この第3実施形態によっても、第1実施形態および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態において、上記した第1実施形態〜第3実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第4実施形態において、上記した第1実施形態〜第3実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
シート被覆素子4は、図10に示すように、上記した光反射性層7を備えず、光半導体素子5、蛍光体層2および低屈折率層3を備える。好ましくは、シート被覆素子4は、光半導体素子5、蛍光体層2および低屈折率層3のみからなる。
蛍光体層2は、光半導体素子5の対向面12および側面13を被覆するように、光半導体素子5の上側および側方に配置されている。すなわち、蛍光体層2は、光半導体素子5の電極面11以外の5面(1つの対向面12および4つの側面13)を完全に被覆するように、光半導体素子5の上側および周囲に配置されている。蛍光体層2は、上下方向に投影したときに、光半導体素子5を含む。蛍光体層2は、上下方向に延び、上端部が閉塞された略四角筒形状を有する。具体的には、蛍光体層2は、光半導体素子5の上側に配置される上部18と、光半導体素子5の側方に配置される側部19とを一体的に備えている。
上部18は、面方向に沿う略平板形状を有しており、厚み方向に投影したときに、蛍光体層2の外形形状をなしている。上部18の下面の中央部は、光半導体素子5の対向面12の全面と接触し、上部18の周端部は、側部19の上端部と連続している。
側部19は、上下方向に延びる平面視略矩形枠状(略四角筒形状)を有している。側部19は、光半導体素子5の側面13と接触し、それを被覆するように、光半導体素子5の周囲に配置されている。すなわち、側部19の内周面は、光半導体素子5の側面13の全面に接触している。
低屈折率層3は、蛍光体層2の上部18の上面(厚み方向一方面)の全面に接触している。低屈折率層3は、シート被覆素子4において、面方向に延びる略平板形状を有する。低屈折率層3の側面(側端面、周面)は、蛍光体層2の側部19の外側面と連続している。つまり、低屈折率層3の側面は、蛍光体層2の側部19の外側面と面一である。
このシート被覆素子4を製造するには、まず、図11Aに示すように、複数の光半導体素子5を面方向に間隔を隔てて整列配置する。
具体的には、光半導体素子5の電極面11を、仮固定シート26に仮固定(感圧接着)する。仮固定シート26は、面方向に延びる略板形状を有し、厚み方向一方面に感圧接着層を備える。
次いで、被覆シート1を、複数の光半導体素子5および仮固定シート26に上下方向に間隔を隔てて対向配置する。具体的には、蛍光体層2と、光半導体素子5とを対向させる。詳しくは、蛍光体層2の厚み方向他方面と、光半導体素子5の対向面12とを上下方向に対向させる。
なお、被覆シート1において、蛍光体層2を、例えば、Bステージのフェニル系シリコーン樹脂を含有する蛍光体樹脂組成物から形成する。好ましくは、加熱によって、十分に軟化して変形できる熱可塑性・熱硬化性シリコーン樹脂(加熱によって保形できる熱可塑性・熱硬化性シリコーン樹脂より、柔軟な熱挙動を示す熱可塑性・熱硬化性シリコーン樹脂)を含有する蛍光体樹脂組成物から形成する。具体的には、上記した極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、例えば、5Pa以上、1,000Pa以下の範囲にある蛍光体樹脂組成物から形成する。
また、蛍光体層2は、次の熱プレスによって、光半導体素子5を十分に埋設できる厚みを有する。具体的には、蛍光体層2は、例えば、100μm以上、好ましくは、150μm以上の厚みを有する。
続いて、図11Bに示すように、被覆シート1を、複数の光半導体素子5および仮固定シート26に対して熱プレスする。
これによって、蛍光体層2が、隣接する光半導体素子5間に充填される。蛍光体層2が変形して、蛍光体層2が、光半導体素子5の側面13および対向面12を被覆する。蛍光体層2は、複数の光半導体素子5に対応する上記した上部18および側部19を有する。
続いて、蛍光体層2がBステージである場合には、蛍光体層2を加熱によりCステージ化する。
次いで、図11Cの太い一点破線で示すように、面方向に隣接する光半導体素子5の間の蛍光体層2と、その上の低屈折率層3とを切断する。
これによって、1つの光半導体素子5、1つの蛍光体層2と、1つの低屈折率層3とを備えるシート被覆素子4が、仮固定シート26に支持された状態で、得られる。
その後、図11Cの仮想線で示すように、シート被覆素子4を、仮固定シート26から剥離する。
これによって、1つの光半導体素子5、1つの蛍光体層2と、1つの低屈折率層3とを備えるシート被覆素子4を得る。
その後、図11Dに示すように、シート被覆素子4を基板9にフリップチップ実装する。
これにより、基板9と、シート被覆素子4とを備える光半導体装置8が得られる。
この第4実施形態によっても、第1実施形態〜第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<第5実施形態>
第5実施形態において、上記した第1実施形態〜第4実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第5実施形態において、上記した第1実施形態〜第4実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第5実施形態では、図12に示すように、蛍光体層2は、鍔部20をさらに有する。
鍔部20は、側部19の下端部から、面方向外側に張り出す張出部である。鍔部20は、平面視略矩形枠形状を有する。
低屈折率層3は、蛍光体層2の上部18、側部19および鍔部20に追従する形状を有する。すなわち、低屈折率層3は、蛍光体層2と実質的に同一形状を有する。低屈折率層3の周端面は、蛍光体層2の鍔部20の周端面と面一である。
このシート被覆素子4を製造するには、図13Aに示すように、まず、複数の光半導体素子5を、仮固定シート26の上面(厚み方向一方面)に、面方向に間隔を隔てて複数整列配置する。
次いで、被覆シート1を、複数の光半導体素子5および仮固定シート26に上下方向に間隔を隔てて対向配置する。
続いて、図13Bに示すように、被覆シート1を、複数の光半導体素子5および仮固定シート26に対して熱プレスする。
熱プレスでは、上記した鍔部20に対応する複数の凸部27を有する型28を用いる。具体的には、型28を被覆シート1の上方に配置し、型28を下方に移動させる。
凸部27にプレスされた被覆シート1では、仮固定シート26の上面に接触して、蛍光体層2において鍔部20が形成されるとともに、低屈折率層3は、鍔部20に追従する。
続いて、蛍光体層2がBステージである場合には、蛍光体層2を加熱によりCステージ化する。
次いで、図13Cの太い一点鎖線で示すように、蛍光体層2の鍔部20と、その上の低屈折率層3とを切断する。
これによって、1つの光半導体素子5、1つの蛍光体層2と、1つの低屈折率層3とを備えるシート被覆素子4が、仮固定シート26に支持された状態で、得られる。
その後、図13Cの仮想線で示すように、シート被覆素子4を、仮固定シート26から剥離する。
これによって、1つの光半導体素子5、1つの蛍光体層2と、1つの低屈折率層3とを備えるシート被覆素子4を得る。
その後、図13Dに示すように、シート被覆素子4を基板9にフリップチップ実装する。
これにより、基板9と、シート被覆素子4とを備える光半導体装置8が得られる。
この第5実施形態によっても、第1実施形態〜第4実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
<第4および第5実施形態の変形例>
この変形例において、上記した第4および第5実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この変形例において、上記した第4および第5実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10に示すシート被覆素子4(第4実施形態)は、図13A〜図13Dの製造方法により得られたシート被覆素子4(第5実施形態)における蛍光体層2の鍔部20、および、それに対応し、側部19を被覆する低屈折率層3を切断により除去することにより、製造することもできる。
<第6実施形態>
第6実施形態の光半導体装置8では、図14Bに示すように、光半導体素子5は、基板9の端子(図示せず)に対して、ワイヤ29を介してワイヤボンディングされている。
第6実施形態の光半導体装置8では、図14Bに示すように、光半導体素子5は、基板9の端子(図示せず)に対して、ワイヤ29を介してワイヤボンディングされている。
1.光半導体装置
この光半導体装置8は、図14Bに示すように、基板9と、基板9にワイヤボンディングされる光半導体素子5と、光半導体素子5の周りに位置し、基板9の上面に設けられる光反射性層7と、光反射性層7内に充填され、光半導体素子15を封止する蛍光体層2と、蛍光体層2の上面に位置する低屈折率層3とを備える。好ましくは、光半導体装置8は、基板9と、光半導体素子5と、光反射性層7と、蛍光体層2と、低屈折率層3とのみからなる。
この光半導体装置8は、図14Bに示すように、基板9と、基板9にワイヤボンディングされる光半導体素子5と、光半導体素子5の周りに位置し、基板9の上面に設けられる光反射性層7と、光反射性層7内に充填され、光半導体素子15を封止する蛍光体層2と、蛍光体層2の上面に位置する低屈折率層3とを備える。好ましくは、光半導体装置8は、基板9と、光半導体素子5と、光反射性層7と、蛍光体層2と、低屈折率層3とのみからなる。
光半導体素子5は、ワイヤ29を介して、基板9と電気的に接続されている。ワイヤ29は、線状を有し、その一端が光半導体素子5の電極面11に位置する端子(図示せず)に電気的に接続され、他端が基板9の表面に位置する端子(図示せず)に電気的に接続されている。なお、光半導体素子5の対向面12は、基板9の上面に接触する一方、光半導体素子5の電極面11は、上方を向いている。
光反射性層7は、平面視において、光半導体素子5を囲む枠形状を有するハウジングである。また、光反射性層7は、下方から上方に向かって開口断面積が拡がる断面テーパ形状に形成されている。また、光反射性層7は、白色セラミックスから調製されていてもよい。
蛍光体層2は、光半導体素子5の対向面12および側面13を被覆して、光半導体素子5を封止している。蛍光体層2は、ワイヤ29も封止している。蛍光体層2の上面は、光反射性層7の上面と面一である。
低屈折率層3は、蛍光体層2の上面および光反射性層7の上面の全面を被覆している。低屈折率層3は、光半導体装置8において、面方向に延びる略板形状を有する。
2.光半導体装置の製造方法
光半導体装置8を製造するには、まず、図14Aに示すように、基板9と、光半導体素子5と、光反射性層7とを備えるチップサイズパッケージ30を用意する。
光半導体装置8を製造するには、まず、図14Aに示すように、基板9と、光半導体素子5と、光反射性層7とを備えるチップサイズパッケージ30を用意する。
別途、被覆シート1を用意し、被覆シート1と、チップサイズパッケージ30とを、上下方向に間隔を隔てて対向配置する。具体的には、蛍光体層2が光半導体素子5に向かうように、被覆シート1を配置する。
被覆シート1における蛍光体層2の上記した極小値における貯蔵剪断弾性率G’は、例えば、5Pa以上、1,000Pa以下の範囲にある蛍光体樹脂組成物から形成される。
次いで、被覆シート1を上下方向に熱プレスする。
蛍光体層2がBステージである場合には、熱プレスによって、蛍光体層2は、流動して、光反射性層7内に充填され、光半導体素子5を封止する。具体的には、蛍光体層2の周端部は、低屈折率層3の周端部の下面、および、光反射性層7の上面に熱プレスされ、光反射性層7内に流動するとともに、蛍光体層2の中央部とともに、光半導体素子5の対向面12および側面13を被覆する。
その後、蛍光体層2がBステージである場合は、Cステージ化する。これにより、蛍光体層2が光半導体素子5およびワイヤ29を封止する。低屈折率層3が、蛍光体層2の上面に接着される。
これにより、光半導体装置8が得られる。
3.第6実施形態の作用効果
この第6実施形態によっても、第1実施形態〜第5実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
この第6実施形態によっても、第1実施形態〜第5実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以下に調製例、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら調製例、実施例および比較例に限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
調製例1
(フェニル系シリコーン樹脂の調製)
特開2016−037562号公報の実施例に記載の調製例1に準拠して、Aステージのフェニル系シリコーン樹脂(Bステージとなることができる1段反応硬化性樹脂)を調製した。
(フェニル系シリコーン樹脂の調製)
特開2016−037562号公報の実施例に記載の調製例1に準拠して、Aステージのフェニル系シリコーン樹脂(Bステージとなることができる1段反応硬化性樹脂)を調製した。
その後、Aステージのフェニル系シリコーン樹脂を、100℃1時間で、反応(完全硬化、Cステージ化)させて、生成物を得た。
次いで、得られた生成物の29Si−NMRを測定して、ケイ素原子に直接結合している炭化水素基におけるフェニル基が占める割合(モル%)を算出したところ、48%であった。
また、Cステージのフェニル系シリコーン樹脂の屈折率を、多波長アッベ屈折率計(ATAGO社製iDR−M4)を使用し、波長589nmにて25℃で、測定したところ、1.56であった。
実施例1
(1)蛍光体層の作製
調製例1のAステージのフェニル系シリコーン樹脂100質量部に、蛍光体(商品名「Y468」、YAG:Ce、平均粒子径17μm、ネモト・ルミマテリアル社製)60質量部、充填材としてのガラス粒子(屈折率1.55、平均粒子径20μm、組成および組成比率(質量%):SiO2/Al2O3/CaO/MgO=60/20/15/5の無機粒子)100質量部、および、チクソ付与粒子としての煙霧シリカ(屈折率1.41、平均粒子径20nm、R976s(日本アエロジル社製)2質量部を、配合して混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
(1)蛍光体層の作製
調製例1のAステージのフェニル系シリコーン樹脂100質量部に、蛍光体(商品名「Y468」、YAG:Ce、平均粒子径17μm、ネモト・ルミマテリアル社製)60質量部、充填材としてのガラス粒子(屈折率1.55、平均粒子径20μm、組成および組成比率(質量%):SiO2/Al2O3/CaO/MgO=60/20/15/5の無機粒子)100質量部、および、チクソ付与粒子としての煙霧シリカ(屈折率1.41、平均粒子径20nm、R976s(日本アエロジル社製)2質量部を、配合して混合することにより、蛍光体樹脂組成物を調製した。
続いて、図2に示すように、蛍光体樹脂組成物を、第1剥離シート21(PETフィルム、品名「SE−1」、厚み50μm、フジコー社製)の表面に、加熱後の厚みが75μmとなるようにコンマコーターで塗布し、続いて、80℃、11.5分加熱(ベイク)した。これにより、Bステージの蛍光体層2を、第1剥離シート21に支持された状態で、作製した。
(2)低屈折率層の作製
メチル系シリコーン樹脂(屈折率1.41、KER2500、Cステージにおけるケイ素原子に直接結合する炭化水素基におけるメチル基の含有割合100モル%、信越シリコーン社製)を、低屈折率樹脂組成物(ワニス)として用意した。
メチル系シリコーン樹脂(屈折率1.41、KER2500、Cステージにおけるケイ素原子に直接結合する炭化水素基におけるメチル基の含有割合100モル%、信越シリコーン社製)を、低屈折率樹脂組成物(ワニス)として用意した。
続いて、図2に示すように、低屈折率樹脂組成物を、平坦な表面を有する第2剥離シート22の表面(平坦面)に、加熱後の厚みが20μmとなるようにコンマコーターで塗布し、続いて、150℃、3時間、加熱した。これにより、Cステージの低屈折率層3を、第2剥離シート22に支持された状態で、作製した。
(3)蛍光体層および低屈折率層の貼り合わせ
次いで、蛍光体層2および低屈折率層3をラミネータにより貼り合わせた。
次いで、蛍光体層2および低屈折率層3をラミネータにより貼り合わせた。
これによって、蛍光体層2および低屈折率層3を備える被覆シート1を、第1剥離シート21および第2剥離シート22で挟まれた状態で、製造した。
その後、第1実施形態に記載の方法によって、図3に示すシート被覆素子4を製造し、続いて、図5Fに示す光半導体装置8を製造した。
実施例2〜8、および、比較例1〜7
表1〜表2に記載の処方に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、被覆シート1を製造した。
表1〜表2に記載の処方に変更した以外は、実施例1と同様に処理して、被覆シート1を製造した。
なお、実施例3では、図1の拡大図で示すように、低屈折率層3の第2面42を凹凸状に形成した以外は、実施例1と同様に処理して、低屈折率層3を作製した。実施例4では、低屈折率樹脂組成物に充填材をさらに配合した以外は、実施例1と同様に処理して、低屈折率層3を作製した。実施例5では、低屈折率樹脂組成物に充填材をさらに配合し、さらに、図1の拡大図で示すように、低屈折率層3の第2面42を凹凸状に形成した以外は、実施例1と同様に処理して、低屈折率層3を作製した。
具体的には、実施例4および5では、「(2)低屈折率層の作製」においては、メチル系シリコーン樹脂(屈折率1.41、KER2500、Cステージにおけるケイ素原子に直接結合する炭化水素基におけるメチル基の含有割合100モル%、信越シリコーン社製)100質量部に、充填材としてのシリコーン系樹脂粒子(屈折率1.42、平均粒子径2.0μm、トスパールTS120、東芝シリコーン社製)40質量部を配合して混合することにより、低屈折率樹脂組成物(ワニス)を調製した。
また、実施例3および5では、特開2007−110053号公報の実施例1の記載に準拠して、表面に凹凸形状を有する第2剥離シート22を作製した。続いて、図2に示すように、低屈折率樹脂組成物を、第2剥離シート22の表面(凹凸面)に、加熱後の厚みが50μmとなるようにコンマコーターで塗布し、続いて、150℃、3時間、加熱した。
なお、表1〜表2、配合処方欄の数値は、単位を特に言及しない限り、質量部数を示す。
比較例1については、特開2005−294733号公報の実施例1の記載に準拠して、ポリカルボジイミドからなる蛍光体層2、および、エポキシ樹脂からなる低屈折率層3のそれぞれを作製した。
また、比較例5については、低屈折率層3を備えず、蛍光体層2の1層からなる被覆シート1を作製した。
評価
1.蛍光体層の動的粘弾性(貯蔵剪断弾性率G’)
実施例1および実施例8で得られたBステージの蛍光体層2のそれぞれを、下記の条件で、動的粘弾性測定した。
1.蛍光体層の動的粘弾性(貯蔵剪断弾性率G’)
実施例1および実施例8で得られたBステージの蛍光体層2のそれぞれを、下記の条件で、動的粘弾性測定した。
[条件]
粘弾性装置:回転式レオメータ(C−VOR装置、マルバーン社製)
サンプル形状:円板形状
サンプル寸法:厚み225μm、直径8mm
歪量:10%
周波数:1Hz
プレート径:8mm
プレート間ギャップ:200μm
昇温速度20℃/分
温度範囲:20〜200℃
貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線を図15に示す。
粘弾性装置:回転式レオメータ(C−VOR装置、マルバーン社製)
サンプル形状:円板形状
サンプル寸法:厚み225μm、直径8mm
歪量:10%
周波数:1Hz
プレート径:8mm
プレート間ギャップ:200μm
昇温速度20℃/分
温度範囲:20〜200℃
貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線を図15に示す。
実施例1の貯蔵剪断弾性率G’の極小値は、24Paであった。
実施例8の貯蔵剪断弾性率G’の極小値は、2,000Paであった。
2.高温高湿信頼性
シート被覆素子4を85℃/85%RHの高温高湿連続点灯(0.77A/mm2)試験に投入し、初期と1000時間経過後との全光束変化を評価し、下の基準で評価した。その結果を表1および表2に記載する。
○:1000時間経過後の全光束の、初期の全光束に対する比率が、90%以上であった。
×:1000時間経過後の全光束の、初期の全光束に対する比率が、90%未満であった。
シート被覆素子4を85℃/85%RHの高温高湿連続点灯(0.77A/mm2)試験に投入し、初期と1000時間経過後との全光束変化を評価し、下の基準で評価した。その結果を表1および表2に記載する。
○:1000時間経過後の全光束の、初期の全光束に対する比率が、90%以上であった。
×:1000時間経過後の全光束の、初期の全光束に対する比率が、90%未満であった。
3.全光束
光半導体装置8の発光効率をLED−Die−Prober(旺■科技股■有限公司MPI社製:LEDA−AS DP76 LED)により測定し、下の基準で評価した。その結果を表1および表2に記載する。
◎:発光効率が150lm/W以上
○:発光効率が149lm/W以上、150lm/W未満
△:発光効率が148lm/W以上、149lm/W未満
×:発光効率が148未満lm/W
4.寸法(薄型化)
シート被覆素子4の厚みを測定し、下の基準で評価した。その結果を表1および表2に記載する。
○:厚みが500μm以下であった。
△:厚みが500μm超過であった。
光半導体装置8の発光効率をLED−Die−Prober(旺■科技股■有限公司MPI社製:LEDA−AS DP76 LED)により測定し、下の基準で評価した。その結果を表1および表2に記載する。
◎:発光効率が150lm/W以上
○:発光効率が149lm/W以上、150lm/W未満
△:発光効率が148lm/W以上、149lm/W未満
×:発光効率が148未満lm/W
4.寸法(薄型化)
シート被覆素子4の厚みを測定し、下の基準で評価した。その結果を表1および表2に記載する。
○:厚みが500μm以下であった。
△:厚みが500μm超過であった。
5.封止性
(1)圧縮弾性率
被覆シート1の25℃における圧縮弾性率を、精密荷重測定機 (MODEL−1605VCL:AIKOH社製)により測定し、下の基準で評価した。
○:10MPa未満
△:10MPa以上、80MPa以下
×:80MPa超過
(2)光半導体素子5への封止性
各実施例および各比較例におけるシート被覆素子4を用いて、図3、図6、図8、図10、図12に示す光半導体素子4、および、図14Bに示す光半導体装置8のそれぞれの作製を試みた。
(1)圧縮弾性率
被覆シート1の25℃における圧縮弾性率を、精密荷重測定機 (MODEL−1605VCL:AIKOH社製)により測定し、下の基準で評価した。
○:10MPa未満
△:10MPa以上、80MPa以下
×:80MPa超過
(2)光半導体素子5への封止性
各実施例および各比較例におけるシート被覆素子4を用いて、図3、図6、図8、図10、図12に示す光半導体素子4、および、図14Bに示す光半導体装置8のそれぞれの作製を試みた。
下の基準で評価した。その結果を表1および表2に記載する。
○:シート被覆素子4または光半導体装置8を作製できた。
×:シート被覆素子4または光半導体装置8を作製できなかった。
○:シート被覆素子4または光半導体装置8を作製できた。
×:シート被覆素子4または光半導体装置8を作製できなかった。
1 被覆シート
2 蛍光体層
3 低屈折率層
4 シート被覆素子
5 光半導体素子
7 光反射性層
8 光半導体装置
9 基板
41 第1面
42 第2面
T 低屈折率層の厚み
2 蛍光体層
3 低屈折率層
4 シート被覆素子
5 光半導体素子
7 光反射性層
8 光半導体装置
9 基板
41 第1面
42 第2面
T 低屈折率層の厚み
Claims (9)
- 光半導体素子を被覆するための被覆層と、
前記被覆層に対して前記光半導体素子の反対側に配置され、前記被覆層の屈折率より低い屈折率を有する低屈折率層と
を厚み方向に順に備え、
前記被覆層は、フェニル系シリコーン樹脂を含有し、
前記低屈折率層は、10μmを超過する厚みを有し、メチル系シリコーン樹脂を含有することを特徴とする、被覆シート。 - 前記低屈折率層は、100μm以下の厚みを有することを特徴とする、請求項1に記載の被覆シート。
- 前記メチル系シリコーン樹脂が、Cステージであることを特徴とする、請求項1または2に記載の被覆シート。
- 前記低屈折率層の厚み方向における少なくとも一方面は、凹凸形状を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆シート。
- 前記フェニル系シリコーン樹脂が、Bステージであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆シート。
- 前記被覆層を、周波数1Hzおよび昇温速度20℃/分の条件で動的粘弾性測定することにより得られる貯蔵剪断弾性率G’と温度Tとの関係を示す曲線が、極小値を有し、
前記極小値における温度Tが、40℃以上、200℃以下の範囲にあり、
前記極小値における貯蔵剪断弾性率G’が、1,000Pa以上、90,000Pa以下の範囲にあることを特徴とする、請求項5に記載の被覆シート。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆シートと、
前記被覆シートの前記被覆層によって被覆される光半導体素子と
を有することを特徴とする、シート被覆素子。 - 厚み方向から見たときに、前記光半導体素子の側方に配置される光反射層をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載のシート被覆素子。
- 請求項7または8に記載のシート被覆素子と、
前記シート被覆素子の前記光半導体素子が実装される基板と
を備えることを特徴とする、光半導体装置。
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JP2016175381A JP2018041858A (ja) | 2016-09-08 | 2016-09-08 | 被覆シート、シート被覆素子および光半導体装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10978625B2 (en) | 2018-05-25 | 2021-04-13 | Nichia Corporation | Method for forming light-transmissive member, method for producing light emitting device, and light emitting device |
US11380659B2 (en) | 2019-09-24 | 2022-07-05 | Nichia Corporation | Method of manufacturing light-emitting device and method of manufacturing light-emitting module |
JP2023532263A (ja) * | 2020-07-03 | 2023-07-27 | Hoya株式会社 | 照明装置 |
-
2016
- 2016-09-08 JP JP2016175381A patent/JP2018041858A/ja active Pending
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