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JP2018029548A - 塩味強化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナトリウム含有量が低減されている飲食品でありながら、低減する前と同等の塩味を呈することができるように、飲食品の塩味を強化することのできる塩味強化剤を提供すること。【解決手段】乳原料を含む水中油型乳化物を基質とした乳酸発酵物を有効成分とする塩味強化剤を使用する。前記塩味強化剤は、更に、乳清ミネラルエキス類を含有することが好ましい。また、前記塩味強化剤は、更に、エキス類を含有することも好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、少量添加で、飲食品の風味や味質を損ねることなく塩味を強化することが可能な塩味強化剤、及び該塩味強化剤を用いた飲食品に関する。
食塩、即ち塩化ナトリウムを用いて調味される塩味は、飲食品の風味として極めて重要である。しかし、健康上の問題から、近年ではナトリウム含有量を低減させた減塩飲食品が好まれる傾向にある。
一方で、飲食品中の塩化ナトリウム含量を単に減じただけでは、ナトリウム摂取量は低減されるものの、同時に塩味強度や飲食品の風味や味質が低下する。その為、飲食品の風味を維持したまま、塩化ナトリウム含量を低減させることのできる方法が検討されてきた。この方法を大別すると、(1)塩化カリウムや有機酸金属塩等の塩化ナトリウム代替品を使用する方法と、(2)塩味強化剤を使用する方法の2つが挙げられる。
塩味強化剤とは、それ自体は塩味を示さない又は極薄い塩味であるが、塩化ナトリウムに極少量添加することで、塩化ナトリウムの塩味を強く感じさせる効果を示すものであり、少ない塩化ナトリウム含量の飲食品であっても、より塩化ナトリウム含量の高い飲食品と同等の塩味をもたせることができるというものである。つまり、塩味強化剤を使用する方法は、塩味強化剤を添加し、塩化ナトリウムが持つ塩味を喫食時に強く感じさせる方法、即ち、含有される塩化ナトリウム量あたりの塩味強度を塩味強化剤によって増大させ、飲食品中の塩化ナトリウムの含有量を低減させる方法である。
この方法は、塩化カリウムや有機酸金属塩等の塩化ナトリウム代替品を使用する方法と異なり、大きな風味や味質の変化を伴わないことから、広く検討されてきた。例えば、特定の乳清ミネラル(特許文献1、特許文献2)、フルフリルアルコール(特許文献3)、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸及びコハク酸又はその塩(特許文献4)、乳酸ナトリウム及び/又は乳酸カリウム(特許文献5)等が、これまで塩味強化剤として検討されてきた。
しかし、これらの塩味強化剤を用いた方法では、塩味強化の程度が小さかったり、十分な塩味強化効果が得られるだけの量を添加すると飲食品自体が有していない風味を付与してしまうおそれがあった。また、通常これら塩味強化剤だけでは、ナトリウム摂取量の低減、所謂「減塩効果」が乏しくなり易く、結果的に塩化カリウム等の塩化ナトリウム代替品を用いる方法と併用せざるを得ないため、塩化カリウム等が有する異味が飲食品の風味を損ねることが多かった。
特開2008−054662号公報 特開2008−054665号公報 特開2012−170393号公報 特開2002−345430号公報 特開2008−054661号公報
したがって、本発明の目的は、ナトリウム含有量が低減されている飲食品でありながら、低減する前と同等の塩味を呈することができるように、飲食品の塩味を強化することのできる塩味強化剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の乳酸発酵物を有効成分とする塩味強化剤を使用することにより、異味や雑味を付与することなく、塩味の強度や発現パターンが通常の塩分含量の飲食品と同様でありながら、飲食品のナトリウム含有量を低減することが可能であることを知見した。
また、本発明者らは、上記乳酸発酵物を乳清ミネラルやエキス類と併用すると、飲食品中の塩化ナトリウムを塩化カリウムや有機酸金属塩等の塩化ナトリウム代替品で置換して更にナトリウム含有量を低減させた場合においても、塩味の強度や発現パターン、呈味を通常の塩分含量の飲食品と同様のものとすることが可能であることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいて為されたものであり、乳原料を含む水中油型乳化物を基質とした乳酸発酵物を有効成分とする塩味強化剤、及び該塩味強化剤を用いた飲食品を提供するものである。
本発明の塩味強化剤を使用することで、塩化ナトリウム含量が削減されているにもかかわらず、飲食品の風味や味質を損なわずに、塩味の強度や発現パターンを通常の塩分含量の飲食品と同様とすることができるため、ナトリウム摂取量を低減することができる。
以下、本発明について好ましい実施態様に基づいて、詳述する。
本発明の塩味強化剤は、乳原料を含む水中油型乳化物を基質とした乳酸発酵物を有効成分として含有することを特徴とし、塩味剤(飲食品中に塩味付与を目的として使用される塩味物質)が飲食品に付与する塩味を増強することができる。
<乳酸発酵物>
まず、本発明の有効成分である乳酸発酵物について述べる。
乳酸発酵物とは、乳酸菌が資化可能な基質を乳酸発酵して得られた風味素材であるが、本発明では、その基質として乳原料を含む水中油型乳化物を使用することにより、少量添加で、飲食品の風味や味質を損ねることなく塩味を強化することが可能となるものである。
上記乳原料としては、牛乳、濃縮乳、練乳、ホエイ、クリーム、バター、バタークリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、バターオイル、乳脂分解物等の乳や乳製品をはじめ、脱脂粉乳、全粉乳、ホエイパウダー、トータルミルクプロテイン等の粉乳類や、脱脂乳、脱脂濃縮乳等の乳糖を含有する乳製品も使用可能である。
良好な風味の乳酸発酵物を安定して製造可能な点で、上記水中油型乳化物中の上記乳原料の含量は、無脂乳固形分として2〜50質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
尚、無脂乳固形分とは、乳や乳製品等の乳原料における、油脂以外の固形分のことであり、その主体は蛋白質と炭水化物である。上記乳原料に含まれる純油脂分は、後述する油脂の含量に含めるものとする。
水中油型乳化物とするために使用する油脂としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、大豆由来、向日葵由来、乳由来、卵由来のレシチン及びリン脂質、並びにこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換、酵素分解、化学的分解等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水中油型乳化物中の油脂含量は、好ましくは1.5〜50質量%であり、より好ましくは1.5〜30質量%であり、最も好ましくは2〜20質量%である。
油脂含量が1.5質量%未満の場合、優れた塩味強化効果が得られ難いことに加え、乳酸発酵による生成物の保持力が弱くなってしまうため塩味強化剤の安定性も悪化してしまう恐れがある。また油脂含量が50質量%超の場合には、本発明の有効成分である乳酸発酵物の基質となる水中油型乳化物中に、十分に無脂乳固形分を含有させることができないため、油中水型乳化物となってしまうおそれがあり、また、水中油型乳化物の乳化安定性が乏しくなり、乳酸発酵の進行が遅れる場合がある。
尚、該油脂含量は、上記油脂、乳原料中の純油脂分に加え、後述するその他の原材料に由来する純油脂分の合計量として算出するものとする。
本発明においては、上記油脂の中でも、特に塩味強化効果が高い塩味強化剤が得られる点から乳脂を用いることが好ましい。乳脂を使用する場合、乳脂そのものを使用することができるほか、上記乳原料として、牛乳、濃縮乳、練乳、クリーム、バター、バタークリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の乳脂を含有する乳や乳製品を使用することによって、乳脂を使用することもでき、これらの乳や乳製品は、単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
上記水中油型乳化物を得るためには水を使用することができる。使用する水については、特に限定されず、水道水、軟水系・硬水系のミネラルウォーター、イオン交換水、蒸留水等のいずれも使用可能であり、またこれらを混合して使用することもできる。
また、上記水中油型乳化物においては、水に代えて又は水に加えて、上記乳や乳製品のうちの水を多く含有する乳や乳製品、又は水を多く含有する飲食品を使用することもできるが、本発明では、牛乳、濃縮乳、ホエイ、クリーム、バター、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の水分を多く含有する乳や乳製品のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
水中油型乳化物中は、水分含量が好ましくは30〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%となるように調製される。
本発明では、上記水中油型乳化物中に、遊離脂肪酸を含有させることができ、特に水中油型乳化物中に遊離脂肪酸を0.001〜0.5質量%含有させることにより、飲食品の塩味の発現パターン、特に摂取した際の最初の呈味(先味)を改善することができる。
遊離脂肪酸は、添加する際の形態に制限はないが、上記油脂に、アルカリ等を用いた化学的分解やリパーゼ等の酵素を用いた酵素分解等により、1種又は2種以上の処理を施した、油脂分解物の形で添加されることが、より塩化ナトリウムが有する塩味の先味に近い呈味が得られる点で、特に好ましい。分解に供する油脂の種類については、特に限定されないが、乳脂の分解物を用いると、特に先味の強化を図ることのできる塩味強化剤が得られる。尚、この油脂分解物から脂肪酸のみを抽出等の操作により取り出して添加することもでき、市販されている遊離脂肪酸をそのまま添加することもできるが、遊離脂肪酸は、様々な炭素数や飽和度の脂肪酸の混合物であることが、不快臭等がなく塩味の先味を強化できるため、好ましい。
また、上記水中油型乳化物には、上記以外のその他の成分を必要に応じて添加することができる。その他の成分としては、例えば、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリデキストロース等のゲル化剤や安定剤、金属イオン封鎖剤、食塩、岩塩等の塩味剤、無機塩、有機酸塩、無機酸、有機酸、直鎖デキストリン・分枝デキストリン・環状デキストリン・難消化性デキストリン等のデキストリン類、蔗糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、シクロデキストリン、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元澱粉糖化物、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、キシロース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、アラビノース、パラチノースオリゴ糖、アガロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ヘミセルロース、モラセス、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、テアンデオリゴ糖、ゲンチオリゴ糖等の糖類、アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、甘草、羅漢果、グリチルリチン、グリチルリチン酸塩、ジヒドロカルコン、ソーマチン、モネリン等の甘味料、アルコール、プロピレングリコール、香料、苦味料・調味料等の呈味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、乳化剤、賦形剤、固結防止剤、分散剤、光沢剤、ビタミン剤等を配合することができる。
その他の成分の添加量は、水中油型乳化物中の固形分中で20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が最も好ましい。
その他の成分を20質量%よりも多く入れると、飲食品に塩味強化剤を添加した際に本来有しない風味を付与する恐れがある上、飲食品が本来有しないテクスチャを付与する恐れがある。
また、上記水中油型乳化物は、該水中油型乳化物中の油脂100質量部に対して、蛋白質が75〜250質量部、炭水化物が120〜300質量部の量比を満たすように調製することが好ましい。尚、蛋白質及び炭水化物の量は、乳原料以外のその他の成分に含まれる蛋白質及び炭水化物の量も併せて算出するものとする。
上記水中油型乳化物において、油脂100質量部に対して蛋白質が75質量部未満となる場合、得られる水中油型乳化物の乳化安定性が低下する恐れがあることに加え、得られる本発明の塩味強化剤及び飲食品の風味の低下や、塩化ナトリウム含量の低減効果が低下する恐れがある。また蛋白質が250質量部超となる場合、乳酸発酵中の蛋白質分解の際に呈味成分や香気成分が過剰に産生され、得られる本発明の塩味強化剤及び飲食品に異味を付与してしまう恐れがある。
また、上記水中油型乳化物において、油脂100質量部に対して炭水化物が120質量部未満の場合、乳酸発酵の基質が不足し、風味成分や香気成分の産生が十分になされない恐れがある上、ナトリウム低減効果が低下する恐れがある。また炭水化物が250質量部超となる場合、得られる本発明の塩味強化剤及び飲食品に異味・雑味を付与してしまう恐れがある。
次に、上記乳原料を含む水中油型乳化物の製造方法について述べる。
上記乳原料を含む水中油型乳化物の製造方法は特に限定されない。例えば、牛乳、濃縮乳、ホエイ、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の水分を多く含有する乳や乳製品、あるいは水に、脱脂粉乳、全粉乳、ホエイパウダー等の粉乳類や、乳蛋白質、乳糖等の乳原料を添加して水相とした後、該水相に、油脂等を含む油相、又は油脂を多く含有する食品素材、特に、バター、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の乳脂を含有する乳原料を添加し、これを水中油型に乳化する方法を挙げることができる。尚、その他の原料については、水相に添加することも油相に添加することもでき、また別途添加することもできる。
この後、得られた水中油型乳化物を安定なものとするために、均質化を行うことが好ましい。均質化を行なうための均質化機としては、例えば、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサー等の高速せん断乳化釜、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられ、好ましくは1〜200MPaの均質化圧力にて均質化を行なう。
均質化後、更に必要に応じて、加熱殺菌を行なう。該加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波、ジュール加熱式等の直接加熱方式、又は、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の50〜160℃、好ましくは55〜140℃の加熱処理を行なうことができる。また、加熱殺菌後に必要に応じて、再度均質化の他、急速冷却、徐冷却等の冷却操作を施すことができる。
本発明では、上記水中油型乳化物を乳酸発酵の基質であるミックス液として使用する。乳酸発酵に使用する乳酸菌としては、特に限定されるものではないが、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis、Lactobacillus casei subsp. casei、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis、Lactobacillus jugurti、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus kefyr、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium breve等が挙げられる。これらは単独で用いることができ、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、良好な風味・香気を有し、ナトリウム低減効果が高い乳酸発酵物が得られる点で、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis、Streptococcus thermophilus、及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
本発明では、脂質資化性及び/又は遊離脂肪酸資化性の高い乳酸菌を使用することが、得られる乳酸発酵物の香気成分が一層複雑になることから、飲食品におけるナトリウム低減効果が高くなる点で好ましい。
脂質資化性又は遊離脂肪酸資化性の高い乳酸菌の一例としては、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris等が挙げられる。
即ち、本発明では、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis、Streptococcus thermophilus、及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisのうち、Streptococcus thermophilus及び/又はLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisを含む1種又は2種以上を用いることが好ましく、より好ましくはLactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis、Streptococcus thermophilus、及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの6種を併用する。
乳酸菌の添加量は、後述するpHの乳酸発酵物を効率よく得る観点から、上記水中油型乳化物100質量部に対して、乾燥質量で0.0001質量部以上0.2質量部以下であることが好ましく、0.004質量部以上0.05質量部以下であることがより好ましい。
乳酸発酵における温度条件については、使用する乳酸菌の至適温度域を考慮した上で適宜設定すればよいが、発酵乳酸菌の死滅を防ぐために、乳酸発酵中の発酵液の液温は60℃未満であることが好ましい。
乳酸発酵時間は基質濃度や乳酸菌の添加量等に応じ適宜選択可能であるが、好ましくは、乳酸発酵物の発酵終点はpHによって適宜判断される。具体的には、pH2.8〜5.5の間で発酵を停止するのが好ましく、pH3.0〜5.0の間で発酵を停止するのが更に好ましく、pH3.5〜5.0の間で発酵を停止するのが最も好ましい。pH2.8よりも低いpHを発酵終点とした場合、乳酸発酵物の酸味が強すぎ、飲食品に酸味が付与されてしまう恐れがあり、pH5.5よりも高いpHを発酵終点とした場合、本発明の塩味強化剤の塩味強化効果が乏しくなる恐れがある。
乳酸発酵時において、乳酸菌を添加したミックス液は静置状態とすることができるが、好ましくは攪拌を行なう。好ましい攪拌条件は、1分間に5〜50回転、より好ましくは10〜30回転である。
発酵終点pH、即ち、乳酸発酵によってpHが低下し、乳酸菌の生育が抑制された状態を迎えた後、発酵を停止させる。あるいは、発酵終点pHが至適pHを下回る場合、至適pH域に達した時点で発酵を停止させる。発酵停止の手段としては加熱殺菌が通常実施される。この時の加熱温度及び加熱時間については十分に乳酸菌が失活する条件が適宜選択され、例えば65℃で30分程度行うことが望ましい。
得られた乳酸発酵物中には、乳酸をはじめとする有機酸の他、炭化水素、アルコール類、アルデヒド類、エステル類、含硫化合物、ケトン類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、芳香族化合物、ラクトン類等の風味成分が、上記の水中油型乳化物を基質とする乳酸発酵により産生され、含有されている。
尚、得られた乳酸発酵物は、濾紙やフィルタによる濾過、精密ろ過、限外濾過、遠心分離等を行うことができる。
本発明の塩味強化剤は、上記乳酸発酵物を有効成分として含んでなり、塩化ナトリウム由来の塩味であっても塩化カリウム等の塩化ナトリウム代替物由来の塩味であっても隔てなく、塩味剤(飲食品中に塩味付与を目的として使用される塩味物質)が有する塩味を増強させることが可能である。
飲食品において、本発明の塩味強化剤は、例えば、塩味剤1質量部に対して、本発明の塩味強化剤中の上記乳酸発酵物の固形分が0.00001〜0.1質量部となるように添加されるのが好ましく、0.0005〜0.004質量部となるように添加されるのがより好ましく、0.001〜0.003質量部となるように添加されるのが更に好ましい。
本発明の塩味強化剤は、上記乳酸発酵物に加え、食塩様の塩味強度や塩味発現パターンを得る上で、乳清ミネラル及び/又はエキス類を含有することが好ましい。
<乳清ミネラル>
乳清ミネラルとは、乳清より乳清タンパクと乳糖を分離除去し、精製して得られたものである。本発明の塩味強化剤中に乳清ミネラルを含有させると、飲食品中の塩化ナトリウム含量を低減させる前後で同等の塩味強度や塩味発現パターンが得られやすくなる上に、特に塩味剤中に塩化カリウムを含む場合に特有の苦みを和らげる効果が得られるため好ましい。
本発明で使用する乳清ミネラルは、塩味強化剤に対する異味や雑味の付与を防ぐ目的から、蛋白質や乳糖等の不純物含量が低いことが好ましく、固形分に占める灰分含量が30質量%以上である乳清ミネラルを使用することが好ましく、固形分に占める灰分含量が50質量%以上である乳清ミネラルを使用することがより好ましい。尚、該灰分含量は高いほど好ましい。
加えて、使用する乳清ミネラルは、その固形分中のカルシウム含量が好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満の乳清ミネラルであることが好ましい。
本発明の塩味強化剤において、乳清ミネラルは、乳酸発酵物の固形分1質量部に対して、乳清ミネラル中の固形分が0.001〜1.0質量部となるように含有させることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.3質量部、最も好ましくは0.05〜0.3質量部となるように含有させる。
0.001質量部未満の場合、乳清ミネラルの添加効果が得られない。また、1.0質量部超の場合、乳清ミネラルが有する雑味が飲食品に付与されてしまう恐れがある。
本発明で使用する際の乳清ミネラルの形態は特に限定されず、液体の状態であっても、粉末状・顆粒状・錠剤等の固体の状態であっても使用可能であるが、粉末状又は液体の状態であることが、乳酸発酵物やエキス類等と均一に混合しやすいため好ましい。
<エキス類>
本発明におけるエキス類とは、畜産物、水産物、農産物及び微生物の1種又は2種以上から得られた抽出物を指す。具体的には、チキンエキス・ビーフエキス・ポークエキス等の畜産エキス、鰹エキス・鯖エキス・鮭エキス・鰹節エキス・煮干エキス・グチエキス・ハモエキス・タラエキス・イカエキス・カキエキス・アワビエキス・ホタテエキス・エビエキス・カニエキス・オキアミエキス・オイスターエキス・アサリエキス・昆布エキス・ワカメエキス・、魚醤エキス等の水産エキス、モルトエキス・玉葱エキス・人参エキス・白菜エキス・キャベツエキス・セロリエキス・にんにくエキス・ジンジャーエキス・椎茸エキス・マッシュルームエキス・果実エキス等の農産エキス、ビール酵母エキス・パン酵母エキス・トルラ酵母エキス等の酵母エキス等を挙げることができる。本発明ではこれらのエキス類の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができるが、好ましくは酵母エキスを使用する。
本発明の塩味強化剤に上記エキス類を含有させると、飲食品中の塩化ナトリウム含量を低減させる前後で同等の塩味強度や塩味発現パターンが得られやすくなる上に、特に塩味剤中に塩化カリウムを含む場合に塩カドを和らげる効果が得られるため好ましい。
上記エキス類は、塩味強化剤中に均一に含有させることができるものであれば、液状やペースト状、又は固体状(粉体、顆粒状、錠剤)等、どのような形態のものでも使用することができる。尚、上記のエキス類が液状やペースト状である場合、その固形分含量は好ましくは20〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%である。
本発明の塩味強化剤において、上記エキス類は、乳酸発酵物の固形分1質量部に対して、エキス類が0.001〜10質量部となるように含有させることが好ましく、より好ましくは0.02〜3.0質量部、最も好ましくは0.1〜3.0質量部となるように含有させる。
0.001質量部未満の場合、エキス類の添加効果が得られない。また、10質量部超の場合、エキス類が有する旨味が付与されてしまい、塩味強化剤が添加された飲食品の風味を変えてしまう恐れがある。
<塩味強化剤の形態>
本発明の塩味強化剤の形態は、固体とすることも液体とすることもでき、本発明の塩味強化剤が使用される飲食品の形態によって任意に選択される。
本発明の塩味強化剤を製造する際の各成分の混合方法や混合順序については、得られる塩味強化剤に含有される成分が均一に混合されれば、特に制限はない。塩味強化剤を製造する際に用いる原料の形態としては、粉体等の固体原料、及び液体原料等を任意に選択することができる。本発明の塩味強化剤は、一度水溶液とした後に、溶媒を留去して、均一な粉体に調製することも可能であり、溶媒を留去する場合には任意の方法で溶媒留去を行うことができ、例えば噴霧乾燥や造粒乾燥等の方法で溶媒留去を行うことができる。
<飲食品>
本発明の飲食品は、本発明の塩味強化剤を用いた飲食品である。
ここで、上記飲食品とは、一般に塩化ナトリウムを主成分とする食塩を使用する食品全般を指し、特に限定されるものではない。例えば、味噌、醤油、麺つゆ、たれ、出汁、パスタソース、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ、ウスターソース、とんかつソース、ふりかけ、調味塩等の調味料、お吸い物の素、カレールウ、ホワイトソース、お茶漬けの素、スープの素等の即席調理食品、味噌汁、お吸い物、コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類、ビーフジャーキー、ハム、ソーセージ、チーズ等の畜産加工品、かまぼこ、干物、塩辛、佃煮、珍味等の水産加工品、漬物等の野菜加工品、ポテトチップス、煎餅等の菓子スナック類、食パン、菓子パン、クッキー等のベーカリー食品類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー、シチュー、グラタン、ごはん、おかゆ、おにぎり等の調理食品等が挙げられる。尚、食塩を含有しない飲食品であっても、飲食時に食塩が含まれる飲食品であれば、本発明の塩味強化剤を使用することができる。
<減塩飲食品>
本発明の飲食品は、その味質を維持しながら塩化ナトリウム含量当たりの塩味が強化されている点が特徴として挙げられる。その塩化ナトリウムの一部を塩化カリウム等の塩化ナトリウム代替物で置換した飲食品である場合は、塩化ナトリウム含量あたりの塩味が更に強化されたものとすることができる。つまり、本発明の塩味強化剤を添加し、従来の飲食品に含まれる食塩の量を低減する場合、食塩使用量を低減させたとしても従来の飲食品と同等の塩味と同等の味質を有する飲食品とすることができ、減塩飲食品として好ましく使用することができる。そのため、従来の塩化ナトリウム含量を減じただけの減塩飲食品や、塩化ナトリウムの一部又は全部を塩化ナトリウム代替物で置換した減塩飲食品に比べ、味質が良好である減塩飲食品とすることができる。
本発明において、減塩飲食品とは、通常の飲食品よりも塩化ナトリウム含量が10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%減じられた食品をいう。塩化ナトリウム含量を減じた割合が10質量%未満であると、減塩飲食品としての優位性に乏しく、90質量%を超えて減ずると、本発明の塩味強化剤によっても、同等の強さの塩味を得ることが難しくなってしまう。
上記飲食品に本発明の塩味強化剤を含有させる方法としては、飲食品の製造時又は飲食時に本発明の塩味強化剤を添加する方法を主に用いることができ、喫食時までに、好ましくは前述した比率で、塩味剤と本発明の塩味強化剤が飲食品中に含まれていればよい。
例えば、塩味剤を含有する飲食品に本発明の塩味強化剤を添加する方法、塩味剤を含有する飲食品の製造時に本発明の塩味強化剤を添加する方法、塩味剤に本発明の塩味強化剤を添加した調味塩を飲食品の製造時に使用する方法、該調味塩を飲食品に添加する方法、塩味剤を含有する飲食品に、塩味強化剤を含有する飲食品を添加する方法等を挙げることができる。
また、本発明の塩味強化剤は塩化カリウム等の塩化ナトリウム代替品の風味の改善にも効果があることから、塩味が物足りない減塩飲食品に対し、塩化カリウム等の塩化ナトリウム代替品と共に本発明の塩味強化剤を添加する方法を採ることも可能である。
以下、本発明を具体的な実施例により詳述するが、本発明は下記実施例の記載により何ら制限されない。
<乳酸発酵物の製造>
〔製造例1〕
水83.0質量%に対して、脱脂粉乳(無脂乳固形分95.2質量%、蛋白質含量34質量%、脂質1質量%)4.5質量%、ホエイパウダー(無脂乳固形分95質量%、蛋白質含量13質量%、脂質1質量%)3.5質量%、トータルミルクプロテイン(無脂乳固形分91質量%、蛋白質含量81質量%、脂質4質量%)1質量%、及び脱脂濃縮乳(無脂乳固形分25.6質量%、蛋白質含量9.2質量%、脂質3.5質量%)4質量%を加え、水浴の温度を60℃に維持しながら撹拌し、十分に分散・溶解を行った後、無塩バター(無脂乳固形分1.20質量%、脂質83質量%)2質量%、及びクリームチーズ(無脂乳固形分14質量%、脂質55質量%)2質量%を加え、水浴の温度を60℃に維持したまま更に撹拌し、水中油型に乳化を行った。
原料のダマがみられなくなるまで撹拌を行った後、三和エンジニアリング社製圧力式ホモゲナイザーH20型にて均質圧力20MPaで均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂乳固形分含量が9.8質量%であり油脂含量が2.9質量%である、乳原料を含む水中油型乳化物を調製した。
続いて、この乳原料を含む水中油型乳化物をそのままミックス液として使用し、ミックス液100質量部に対し、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris の6種を含む、フリーズドライタイプの乳酸菌スターターを0.04質量部加えて、30℃で15回転/分で撹拌しながら12時間発酵した。尚、乳酸菌スターターを加えた時点でのpHは6.4であり、乳酸発酵工程終了時点でのpHは4.5であった。上記乳酸発酵工程を経て、固形分が12.3質量%である乳酸発酵物Aを得た。
〔製造例2〕
製造例1の配合のうち、無塩バターを2質量%から1.7質量%に減じ、減じた分の0.3質量%を遊離脂肪酸源としての大洋香料社製デリシャンバターテイストHB−2に置き換えたこと以外は、製造例1と同様にして、無脂乳固形分含量が9.8質量%であり油脂含量が2.9質量%である、乳原料を含む水中油型乳化物を調製した。続いて、この水中油型乳化物を製造例1と同様の方法で発酵し、固形分が12.3質量%である乳酸発酵物Bを得た。
〔製造例3〕
水28.2質量%に対して、豆乳(マルサンアイ株式会社製、無脂固形分6.3質量%、蛋白質含量4.7質量%、脂質含量3.1質量%)65.3質量%、及びフジプロF(不二製油社製大豆蛋白質、無脂固形分94.3質量%、蛋白質含量85.8質量%、脂質含量0.20質量%)5.5質量%を加えて、水浴の温度を60℃に維持しながら撹拌し、十分に分散・溶解を行った後、大豆油1質量%を加えて更に撹拌し、水中油型に乳化を行った。
原料のダマがみられなくなるまで撹拌を行った後、三和エンジニアリング社製圧力式ホモゲナイザーH20型にて均質圧力20MPaで均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂固形分含量が9.3質量%であり油脂含量が3.0質量%である、水中油型乳化物を調製した。
続いて、この水中油型乳化物をそのままミックス液として使用し、ミックス液100質量部に対し、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの6種を含むフリーズドライタイプの乳酸菌スターターを0.008量部加え、乳酸発酵物A製造の際と同一の発酵条件で発酵を行い、固形分が12.3質量%である乳酸発酵物Cを得た。
〔製造例4〕
水89.7質量%に対して、脱脂粉乳(無脂乳固形分95.2質量%、蛋白質含量34質量%)を10.3質量%加えて、水浴の温度を60℃に維持しながら撹拌し、十分に分散・溶解を行った。原料のダマがみられなくなるまで撹拌を行った後、三和エンジニアリング社製圧力式ホモゲナイザーH20型にて均質圧力20MPaで均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂乳固形分が9.8質量%であり油脂含量が0.1質量%である、乳原料を含むミックス液を調製した。
続いて、この乳原料を含むミックス液をそのままミックス液として使用し、ミックス液100質量部に対し、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの6種を含むフリーズドライタイプの乳酸菌スターター群を0.04質量部加え、乳酸発酵物A製造の際と同一の発酵条件で発酵を行い、固形分が9.9質量%である乳酸発酵物Dを得た。
<乳清ミネラルの製造>
〔製造例5〕
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーをナノ濾過膜分離した後、更に、逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮した。続いて、80℃で20分間の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、固形分30質量%の乳清ミネラルを得た。得られた乳清ミネラルの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%、固形分中の灰分含量は55質量%であった。
<塩味強化剤の製造>
〔実施例1〕
製造例1で得られた乳酸発酵物Aをそのまま本発明の塩味強化剤Aとした。
〔実施例2〕
製造例2で得られた乳酸発酵物Bをそのまま本発明の塩味強化剤Bとした。
〔比較例1〕
製造例3で得られた乳酸発酵物Cをそのまま比較例1の塩味強化剤Cとした。
〔比較例2〕
製造例4で得られた乳酸発酵物Dをそのまま比較例2の塩味強化剤Dとした。
〔実施例3〕
製造例1で得られた乳酸発酵物Aと製造例5で得られた乳清ミネラルを90:10の質量比で混合・分散し、本発明の塩味強化剤Eとした。
〔実施例4〕
製造例1で得られた乳酸発酵物Aと酵母エキス(ウェルネックスYN−1、富士食品工業製、固形分98質量%粉末品)を75:25の質量比で混合・分散し、本発明の塩味強化剤Fとした。
〔実施例5〕
製造例1で得られた乳酸発酵物Aと製造例5で得られた乳清ミネラルと酵母エキス(ウェルネックスYN−1、富士食品工業製、固形分98質量%粉末品)を72:8:20の質量比で混合・分散し、本発明の塩味強化剤Gとした。
<塩味強化剤の評価試験1>
塩化ナトリウム1質量%水溶液を準備した。ここに、上記塩味強化剤Aを、塩化ナトリウム1質量部に対し、固形分がそれぞれ、0.000002質量部、0.00002質量部、0.0002質量部、0.002質量部、0.02質量部、0.2質量部、1質量部、2質量部となるように添加し、十分に分散・溶解し、水性液とした。
(塩味強度及び味質の評価方法)
11人のパネラーに、上記水性液と、対照として用意した塩化ナトリウム1質量%水溶液を舐めさせ、その塩味強度及び味質について、それぞれ下記のパネラーの評価基準により4段階評価させ、その合計点について下記評価基準で5段階又は4段階評価を行なった。その結果をそれぞれ表1、表2に記載した。
・パネラーの塩味強度評価基準
対照に比べあきらかに強化された塩味を感じる・・ 2点
対照に比べ若干強化された塩味を感じる・・・・・ 1点
対照とほぼ同じ程度の塩味を感じる・・・・・・・ 0点
対照より弱い塩味を感じる・・・・・・・・・・ −1点
・塩味強度評価基準
◎ :11人のパネラーの合計点が17〜22点
○ :11人のパネラーの合計点が11〜16点
△ :11人のパネラーの合計点が6〜10点
× :11人のパネラーの合計点が1〜5点
××:11人のパネラーの合計点が0点未満
・パネラーの味質評価基準
塩化ナトリウム以外の風味を全く感じない・・・・・・・・2点
塩化ナトリウム以外の風味を感じるが、塩味として違和感がない・・・・1点
塩化ナトリウム以外の風味を感じ、且つ塩味として違和感がある・・・0点
耐えがたい異味を感じる・・・・・・・・・−1点
・味質評価基準
◎:2点のパネラーが一番多かった。
○:1点のパネラーが一番多かった。
△:0点のパネラーが一番多かった。
×:−1点のパネラーが一番多かった。
Figure 2018029548
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表1及び表2の結果より、乳酸発酵物は、塩化ナトリウム1質量部あたりの添加量が、0.00002〜0.2質量部では塩味の増強効果が見られるが、1質量部以上であると塩味の増強効果はみられず、塩味はほぼ塩化ナトリウムと同レベルとなることがわかる。また、0.2質量部以上であると、塩味以外の風味が感じられるようになり、1質量部以上であると、塩味としての違和感が顕れるようになることがわかる。
以上のことから、本発明に係る乳酸発酵物は、適切な量で用いることにより、塩味強化剤として好適に使用できることがわかる。
<塩味強化剤の評価試験2>
塩化ナトリウム0.5質量%水溶液を準備した。ここに、上記塩味強化剤A〜Gを、塩化ナトリウム1質量部に対し、塩味強化剤に含まれる乳酸発酵物の固形分が0.002質量部となるように添加し、十分に分散・溶解し、水性液とした。
(塩味強度及び味質の評価方法)
11人のパネラーに、上記水性液と、対照として用意した塩化ナトリウム0.5質量%水溶液を舐めさせ、その塩味強度及び味質について、それぞれ、下記のパネラーの評価基準により4段階評価させ、その合計点について下記評価基準で5段階又は4段階評価を行なった。その結果をそれぞれ表3、表4に記載した。
・パネラーの塩味強度評価基準
対照に比べあきらかに強化された塩味を感じる・・ 2点
対照に比べ若干強化された塩味を感じる・・・・・ 1点
対照とほぼ同じ程度の塩味を感じる・・・・・・・ 0点
対照より弱い塩味を感じる・・・・・・・・・・ −1点
・塩味強度評価基準
◎ :11人のパネラーの合計点が17〜22点
○ :11人のパネラーの合計点が11〜16点
△ :11人のパネラーの合計点が6〜10点
× :11人のパネラーの合計点が1〜5点
××:11人のパネラーの合計点が0点未満
・パネラーの味質評価基準
先味を強く感じ、塩化ナトリウムと同等の塩味発現パターンである・・・・・・2点
先味をやや強く感じ、塩化ナトリウムとほぼ同等の塩味発現パターンである・・1点
先味が弱く、塩化ナトリウムと異なる違和感のある塩味発現パターンである・・0点
先味が弱く、塩化ナトリウムと全く異なる塩味発現パターンである・・・・・−1点
・味質評価基準
◎ :2点のパネラーが一番多かった。
○ :1点のパネラーが一番多かった。
△ :0点のパネラーが一番多かった。
×:−1点のパネラーが一番多かった。
Figure 2018029548
Figure 2018029548
<塩味強化剤の評価試験3>
塩化ナトリウムと塩化カリウムを90:10の質量比とした塩味剤の0.5質量%水溶液を準備した。ここに、上記塩味強化剤A〜Gを、塩味剤1質量部に対し、塩味強化剤に含まれる乳酸発酵物の固形分が0.002質量部となるように添加し、十分に分散・溶解し、水性液とした。尚、塩味強化剤無添加の水性液も用意した。
(塩味強度及び味質の評価方法)
11人のパネラーに、上記水性液と、対照として用意した塩化ナトリウム0.5質量%水溶液を舐めさせ、その塩味強度及び味質について、それぞれ、下記のパネラーの評価基準により4段階評価させ、その合計点について下記評価基準で5段階又は4段階評価を行なった。その結果をそれぞれ表5、表6に記載した。
・パネラーの塩味強度評価基準
対照に比べあきらかに強化された塩味を感じる・・ 2点
対照に比べ若干強化された塩味を感じる・・・・・ 1点
対照とほぼ同じ程度の塩味を感じる・・・・・・・ 0点
対照より弱い塩味を感じる・・・・・・・・・・ −1点
・塩味強度評価基準
◎ :11人のパネラーの合計点が17〜22点
○ :11人のパネラーの合計点が11〜16点
△ :11人のパネラーの合計点が6〜10点
× :11人のパネラーの合計点が1〜5点
××:11人のパネラーの合計点が0点未満
・パネラーの味質評価基準
塩化ナトリウムと同等の塩味発現パターンである・・・・・・・・2点
塩化ナトリウムとほぼ同等の塩味発現パターンである・・・・1点
塩化ナトリウムと異なる違和感のある塩味発現パターンである・・・0点
塩化ナトリウムと全く異なる塩味発現パターンである・・・・・・・・−1点
・味質評価基準
◎ :2点のパネラーが一番多かった。
○ :1点のパネラーが一番多かった。
△ :0点のパネラーが一番多かった。
×:−1点のパネラーが一番多かった。
Figure 2018029548
Figure 2018029548
<飲食品の製造>
〔実施例6〕
水1Lに対し昆布10g及び鰹削り節20gを用い、常法により一番だし(かつお・昆布だし)を作成した。この一番だし300mlに対し、減塩味噌(タケヤ製:減塩味噌)25gを用い、常法に従って、塩化ナトリウムを0.4質量%含有する味噌汁を作成した。ここに塩味強化剤Bを、乳酸発酵物の添加量が塩化ナトリウム1質量部に対し固形分として0.002質量部となるように添加し、十分に混合した。
60℃に保持した状態でカップで2mLを飲み、その塩味強度及び塩味質について、塩味強化剤無添加の味噌汁と比較したところ、塩味強化剤を添加した味噌汁は、無添加の味噌汁に比べ塩味が強化され、且つ、先味が強く感じられる自然な塩味質であった。
〔実施例7〕
減塩味噌(宮坂醸造製:神州一味噌 無添加減塩)100g、上白糖80g、清酒50g、及び本みりん(タカラ本みりん)25gを鍋に入れ、ここに塩味強化剤Bを、乳酸発酵物の添加量が塩化ナトリウム1質量部に対し固形分として0.002質量部となるように添加し、弱火で加熱しながらよく混ぜ、冷却し、塩化ナトリウムを3.9質量%含有する練り味噌を作成した(仕上がり重量220g)。
長さ7cm、幅3cm、厚さ1.5cmに切った木綿豆腐を火で炙って焼いた後、練り味噌2gを豆腐の両面に塗り、更に軽く火で炙って豆腐田楽を作成した。
この豆腐田楽の両端を除く長さ2cm分(幅3cm、厚さ1.5cm)を喫食し、その塩味強度及び塩味質について、塩味強化剤無添加の豆腐田楽と比較したところ、塩味強化剤を添加した豆腐田楽は、無添加の豆腐田楽に比べ塩味が強化され、且つ、先味が強く感じられる自然な塩味質であった。
〔実施例8〕
鍋に水1000mlを入れて火にかけ、水が沸騰したら弱火にし、粉末コンソメ60gを溶かした。ここに塩味強化剤Bを、乳酸発酵物の添加量が塩化ナトリウム1質量部に対し固形分として0.002質量部となるように添加し、弱火で加熱しながらよく混ぜ、冷却し、塩化ナトリウムを0.5質量%含有するコンソメスープを作成した。
60℃に保持した状態でカップで2mLを飲み、その塩味強度及び塩味質について、塩味強化剤無添加のコンソメスープと比較したところ、塩味強化剤を添加したコンソメスープは、無添加のコンソメスープに比べ塩味が強化され、且つ、先味が強く感じられる自然な塩味質であった。
〔実施例9〕
減塩醤油(キッコーマン製)に、塩味強化剤Bを、乳酸発酵物の添加量が塩化ナトリウム1質量部に対し固形分として0.002質量部となるように添加し、よく混ぜ塩化ナトリウムを8質量%含有する減塩醤油を作成した。
その塩味強度及び塩味質について、塩味強化剤無添加の減塩醤油と比較したところ、塩味強化剤を添加した減塩醤油は、無添加の減塩醤油に比べ塩味が強化され、且つ、先味が強く感じられる自然な塩味質であった。

Claims (5)

  1. 乳原料を含む水中油型乳化物を基質とした乳酸発酵物を有効成分とする塩味強化剤。
  2. 更に乳清ミネラルを含有する請求項1記載の塩味強化剤。
  3. 更にエキス類を含有する請求項1又は2記載の塩味強化剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩味強化剤を用いた飲食品。
  5. 減塩飲食品である請求項4記載の飲食品。
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