JP2018010086A - 転写フィルムの製造方法、転写フィルム、転写フィルムロール、及び、硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程aと、硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程bと、ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程cと、を含有し、硬化性樹脂組成物が、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する、転写フィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、仮支持体の一方の表面上に、少なくとも1層のハードコート層と少なくとも1層の光学異方層(位相差層)とを有する、光学異方性ハードコート転写フィルムが記載されている。より具体的には、例えば、仮支持体、ハードコート層、配向層、及び、光学異方層がこの順で互いに隣接して積層してなる転写フィルム、及び、仮支持体の一方の表面上に、ハードコート層と光学異方層とが隣接して積層してなる転写フィルムが記載されている。なお、特許文献1の実施例欄を参照すると、上記ハードコート層の形成に使用される組成物には、アクリベースMH−101−5が含まれていた。
また、近年、各種性能の向上要求に伴い、位相差層を構成する成分の配向性のより一層の向上が求められている。本発明者らは、特許文献1に記載された仮支持体の一方の表面上に、ハードコート層と位相差層とが隣接して積層してなる転写フィルム(特許文献1の実施例欄の実施例14に相当)について検討したところ、位相差層の配向状態において更なる改善が必要であることを知見した。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[2] 重合性化合物が、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、[1]に記載の転写フィルムの製造方法。
[3] 重合性化合物が、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、[2]に記載の転写フィルムの製造方法。
[4] ポリマーが、式(1)で表される繰り返し単位を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[5] 式(1)で表される繰り返し単位中、R1が水素原子、又は、メチル基であり、P1がアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含有する1価の基であり、L1が−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基である、[4]に記載の転写フィルムの製造方法。なお、*は主鎖に連結する位置を表す。
[6] ポリマーの重量平均分子量が20000超である、[1]〜[5]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[7] 式(2)により求められるΔSPが1.3超である、[1]〜[6]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[8] 工程bと工程cの間に、更に、ハードコート層の表面をラビング処理する工程dを含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[9] 工程cが、ハードコート層の表面上に、位相差層用組成物を塗布して位相差層用組成物層を形成する工程と、位相差層用組成物層を硬化させ、位相差層を形成する工程と、を含有し、位相差層用組成物が、重合性液晶化合物1を含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[10] 重合性液晶化合物1が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、一分子中に2個以上含有する、[9]に記載の転写フィルムの製造方法。
[11] 位相差層の表面上に、円偏光反射層を形成する工程eを更に含有する、[1]〜[10]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[12] 工程eが、円偏光反射層用組成物を塗布して円偏光反射層用組成物層を形成し、円偏光反射層用組成物層を硬化させ、円偏光反射層を形成する工程であり、円偏光反射層用組成物が、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有し、重合性液晶化合物2が、一分子中にアクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、2個以上含有する、[11]に記載の転写フィルムの製造方法。
[13] 更に、工程cの後に、転写フィルムをロール状に巻き取る工程fを含有する、[1]〜[10]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[14] 更に、工程eの後に、転写フィルムをロール状に巻き取る工程fを含有する、[11]又は[12]に記載の転写フィルムの製造方法。
[15] 仮支持体と、仮支持体の一方の表面上に設けられたハードコート層と、ハードコート層の表面上に設けられた位相差層と、をこの順に備え、ハードコート層は、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたハードコート層である、転写フィルム。
[16] 重合性化合物が、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、[15]に記載の転写フィルム。
[17] 重合性化合物が、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、[16]に記載の転写フィルム。
[18] ポリマーが、式(1)で表される繰り返し単位を含有する、[15]〜[17]のいずれかに記載の転写フィルム。
[19] 式(1)で表される繰り返し単位中、R1が水素原子、又は、メチル基であり、P1がアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含む1価の基であり、L1が−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基である、[18]に記載の転写フィルム。
なお、*は主鎖に連結する位置を表す。
[20] ポリマーの重量平均分子量が20000超である、[15]〜[19]のいずれかに記載の転写フィルム。
[21] 式(2)により求められるΔSPが1.3超である、[15]〜[20]のいずれかに記載の転写フィルム。
[22] 位相差層が、重合性液晶化合物1を含有する位相差層用組成物を硬化させて得られた位相差層であって、重合性液晶化合物1は、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、一分子中に2個以上含有する、[15]〜[21]のいずれかに記載の転写フィルム。
[23] 位相差層の表面上に、円偏光反射層を備える、[15]〜[22]のいずれかに記載の転写フィルム。
[24] 円偏光反射層が、円偏光反射層用組成物を硬化させて得られ、円偏光反射層用組成物は、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有し、重合性液晶化合物2は、一分子中にアクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、2個以上含有する、[23]に記載の転写フィルム。
[25] 巻芯と、巻芯にロール状に巻き取られた、[15]〜[24]のいずれかに記載の転写フィルムと、を含有する、転写フィルムロール。
[26] モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有し、重合性化合物は、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、硬化性樹脂組成物。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を含有しないものと共に置換基を含有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を含有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を含有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタアクリレートを表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタアクリルを表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本明細書において、モノマーとは、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が2000以下の分子を意図する。
また、本明細書において、オリゴマーとは、重量平均分子量が、2000超、10000以下の分子を意図する。
また、本明細書において、ポリマーとは、重量平均分子量が10000超の分子を意図する。なお、上記において、重量平均分子量とは、上記分子が分子量分布を有する化合物の場合、後述する方法により測定した重量平均分子量を意図し、分子量分布を有さない(単分散の)化合物の場合、化学構造式から計算した分子量を意図する。
また、本明細書において、「重合性化合物」とは、特に断らない限り、モノマー及び/又はオリゴマーを意図する。なお、重合性基とは、重合反応に関与する基をいう。
本発明の第一の実施態様に係る転写フィルムの製造方法は、以下の工程a、工程b、及び、工程cを含有する。
・工程a:仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程
・工程b:硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程
・工程c:ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程
・工程d:ハードコート層の表面をラビング処理する工程
・工程e:位相差層の表面上に、更に、円偏光反射層を形成する工程
・工程f:転写フィルムをロール状に巻き取る工程
上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法の特徴点の一つとしては、重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を仮支持体の一方の表面上に塗布して、これを硬化させてハードコート層を形成した点が挙げられる。
すなわち、上記ハードコート層の形成工程に際しては、硬化性樹脂組成物層中で、重合性化合物と、ポリマーとが相分離し、ポリマーは硬化性樹脂組成物層の上層領域(仮支持体との界面の反対の界面近傍を意図する。)に偏在化しやすく、上層領域にポリマーの濃縮層が形成されるものと推測される。上層領域に濃縮したポリマー層は、硬化性樹脂組成物層を硬化して得られるハードコート層中において、配向膜としての機能を有する、配向膜領域を形成するものと推測される。
一方、モノマーは下層領域(仮支持体との界面近傍を意図する。)に偏在化しやすく、硬化して強固なハードコート層を形成する作用を有するものと推測される。
上記のとおり、上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法は、所定の硬化性樹脂組成物を用いてハードコート層を形成するため、その上層領域に配向膜領域が形成される。このため、上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法によれば、ハードコート層上に配向膜を形成する工程を必要としない。従い、より簡便に転写フィルムを製造することができる。
上記の現象について、本発明者らが鋭意検討したところによれば、位相差層用組成物をハードコート層の表面上に塗布した際、ハードコート層に含まれるポリマー(アクリベースMH−101−5)が溶解することが原因となっていることを突き止めた。
それに対して、上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法では、上記配向膜領域を形成するポリマーは重合性基を含有する。そのため、得られる配向膜領域は、優れた耐溶剤性を有する。従い、上記配向膜領域を備えるハードコート層の表面上に位相差層用組成物を塗布して位相差層を形成した場合にも、上記位相差層はより均一な配向状態を有する。
以下、各工程ごとにその態様を説明する。
工程aは仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程である。
硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては特に制限されず、公知の塗布方法を用いることができる。公知の塗布方法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、及び、ダイコーティング法等が挙げられる。
上記転写フィルムにおいて、仮支持体は、ハードコート層及び位相差層を形成する際の支持体としての機能を有し、また、ハードコート層及び位相差層を所望のデバイス(タッチパネル、及び、液晶表示装置等)に転写した際には、仮支持体はハードコート層から剥離され、取り除かれる。(すなわち、転写後、仮支持体を剥離すると、デバイス側から位相差層、ハードコート層とをこの順に有する積層体となる。)
仮支持体の厚さはとしては、特に制限されないが、一般的に10〜1000μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は、少なくとも以下の成分(I)及び(II)を含有する。
(I)モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物
(II)重合性基を含有するポリマー
また、上記硬化性樹脂組成物は、
(III)その他の成分
を含有してもよい。
上記硬化性樹脂組成物は、硬化してハードコート層を形成するとともに、ハードコート層上層領域(仮支持体との界面の反対の界面近傍)に配向膜領域を形成する機能を有する。
重合性基を含有するポリマーとしては特に制限されず、公知のポリマーを用いることができる。上記ポリマーとしては液晶性を有しないポリマー(以下「非晶性ポリマー」ともう。)が好ましい。
重合性基としては、反応性がより優れる点で、紫外線照射により架橋し得る反応性基が好ましい。
重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、及び、マレイミド基等のエチレン性不飽和基;エポキシ基、及び、オキセタン基等のカチオン性重合性基がより好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。
L1は単結合、又は、2価の連結基を表し、2価の連結基としては、例えば、−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基等が挙げられる。なお、*は主鎖に連結する位置を表す。言い換えれば、*側で主鎖に連結することを意図する。
なお、L1としては、アリーレン基、*−C(=O)O−,*−C(=O)NH−、又は、*−OC(=O)−がより好ましい。
式(1)中、好ましい組合せとしては、R1が水素原子、又は、メチル基;L1が、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、又は、これらを組み合わせた基;P1が、アクリロイル基、メタクリロイル基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含む一価の基が挙げられる。
言い換えれば、相溶性の尺度を表す3次元溶解度パラメータにおけるポリマーの非分散力成分を表すδa(P)と、同じく重合性化合物のδa(M)とが一致しないことが好ましく、δa(M)がより大きいことが好ましい。
なかでも、より優れた本発明の効果が得られる点で、以下の式(2)で表されるΔSP(ΔSP値)は、0超が好ましく、0.3超がより好ましく、0.5超が更に好ましく、20未満が好ましく、10未満がより好ましく、5.0未満が更に好ましい。なかでも、ΔSPが1.3超であると、更に優れた本発明の効果が得られる。
式(2) ΔSP=δa(M)−δa(P)
δa=(δp2+δh2)0.5 式(X)
なお、δaの単位はMPa0.5である。
なお、2種以上のポリマーを用いる場合は、各ポリマーのδa(P)と、各ポリマーのポリマー混合物中における体積分率との積をそれぞれ求め、それらを足し合わせた値を「ポリマーの3次元溶解度パラメータの非分散力成分であるδa(P)」として、この値が上記範囲内であることが好ましい。例えば、ポリマーP1及びポリマーP2を併用する場合には、以下の方法により計算した、ポリマーP1及びP2の混合物のδa(P)値(本段落においてδa(P1、2)と表す)が上記範囲内であることが好ましい。
なお、δa(P1、2)は以下の式によって計算することができる。
式: δa(P1、2)=δa(P1)β+δa(P2)(1−β)
上記式中、βはポリマー混合物中における、ポリマーP1の体積分率を意図する。
なお、他の繰り返し単位の3次元溶解度パラメータより算出されるδa値は、特に制限はされないが、本発明の効果がより優れる点で、7.5MPa0.5以上であることが好ましく、10MPa0.5以上であることがより好ましい。上限は特に制限されないが、18MPa0.5以下であることが好ましく、16MPa0.5以下であることがより好ましい。
また、上記重合性基ユニットのδa値と他の繰り返し単位のδa値との差は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0〜5MPa0.5であることが好ましく、0〜2.5MPa0.5であることがより好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)法により測定されるポリスチレン換算値として、求めることができる。GPC測定は、例えば、装置:「Alliance GPC2000(Waters社製)」、カラム:TSKgel GMH6−HT×2+TSKgel GMH6−HTL×2(いずれも7.5mmI.D.×30cm、東ソー社製)、カラム温度:140℃、検出器:示差屈折率計、移動相:溶媒(例えばo−ジクロロベンゼン等)の構成及び条件にて行うことができ、分子量の構成は標準ポリスチレンを用いて重量平均分子量を求めることができる。
なお、ポリマーとしては1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のポリマーを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物を含有する。重合性化合物は、重合してハードコート層を形成する作用を有する。
重合性化合物としては制限されず公知の重合性化合物を用いることができる。
重合性化合物としては、1分子中に1個以上の重合性基を含有していればよく、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
なお、重合性化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合性化合物を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
なお、2種以上の重合性化合物を併用する場合には、各重合性化合物のδa(M)と、各重合性化合物の重合性化合物混合物中における体積分率との積をそれぞれ求め、それらを足し合わせた値を「重合性化合物の3次元溶解度パラメータの非分散力成分であるδa(M)」として、この値が上記範囲内であることが好ましい。例えば、重合性化合物M1及び重合性化合物M2を併用する場合には、以下の方法により計算した、重合性化合物M1及び重合性化合物M2の混合物のδa(M)値(本段落においてδa(M1、2)と表す)が上記範囲内であることが好ましい。
なお、δa(M1、2)は以下の式によって計算することができる。
式: δa(M1、2)=δa(M1)β+δa(M2)(1−β)
上記式中、βは重合性化合物混合物中における、重合性化合物P1の体積分率を意図する。
なかでも、質量比が0.001以上、1.0未満であると、上記転写フィルムの製造方法により得られる転写フィルムはより優れたハードコート性(鉛筆硬度)を有する。
上記硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を奏する限りにおいて、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、重合開始剤、溶剤、重合性基を含有しない熱可塑性樹脂、微粒子、及び、界面活性剤等が挙げられる。以下では、上記各成分について説明する。
上記硬化性樹脂組成物は重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、特に制限されず公知の重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、感光性を有するもの(いわゆる、光重合開始剤)が好ましい。光重合開始剤以外に、熱重合開始剤を用いることができ、これらを併用することもできる。
光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限されず、公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、紫外線領域から可視光領域に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、重合性化合物の種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落0133〜0151に記載されており、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製)等が挙げられる。
なお、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は溶剤を含有することが好ましい。
溶剤としては、硬化性樹脂組成物の各成分を溶解、又は、分散させることができれば特に制限されず、公知の溶剤を用いることができる。溶剤としては水、及び/又は、有機溶剤が挙げられ、有機溶剤を含有することが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等が挙げられる。
なお、溶剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は、重合性基を含有しない熱可塑性樹脂を含有してもよい。
重合性基を含有しない熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」ともいう)は、上記(II)重合性基を含有するポリマーとは異なる成分である。
上記熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;酢酸ビニル系樹脂;ポリエチレングリコール等のポリエーテル系樹脂;ビニルエーテル系樹脂;ハロゲン含有樹脂;脂環式オレフィン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂;セルロース誘導体;シリコーン系樹脂;等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂は、かつ有機溶剤に可溶であることが好ましい。
特に、製膜性、透明性及び耐候性の観点から、スチレン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリエチレングリコール等のポリエーテル系樹脂;脂環式オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂;セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましく、ナイロン6,6、ポリエチレンテレフタレート、又は、ポリエチレングリコールがより好ましい。
なお、市販品としては、例えば、アクリベースMH−101−5(アクリル系樹脂、藤倉化成社製)等が挙げられる。
なお、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の熱可塑性樹脂を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
微粒子としては、例えばシリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、及び、TiO2粒子等の無機微粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、及び、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂微粒子;等が挙げられる。
ここで平均粒子径とは、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均粒子径(平均一次粒子径)とする。本明細書における平均粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めて算出することができる。
シリカ微粒子としては、四塩化ケイ素の燃焼によって製造される乾燥粉末状のシリカを用いることもできるが、二酸化ケイ素が溶媒中に分散したコロイダルシリカを用いることがより好ましい。特に制限されないが、具体的にはMEK−ST、MEK−ST−L、及び、MEK−ST−XL等の日産化学工業(株)製のスノーテックスシリーズ等が挙げられる。
なお、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の微粒子を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
界面活性剤としては、特に制限されず、公知の界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及び、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。 界面活性剤は、硬化性樹脂組成物の塗布性を向上する作用を有する。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0034段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0035段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0036段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0037段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
なお、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の界面活性剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
工程bは硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程である。
硬化性樹脂組成物層を硬化させる方法としては特に制限されないが、例えば、加熱処理及び/又は露光処理が挙げられる。
露光処理としては、特に制限されないが、例えば、紫外線ランプにより10〜1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して塗膜を硬化する態様が挙げられる。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、及び、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
加熱処理の温度としては特に制限されないが、例えば、20〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
工程cは、ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程である。位相差層を形成する方法としては特に制限されないが、ハードコート層の表面上に、位相差層用組成物を塗布して位相差層用組成物層を形成し、位相差層用組成物層を硬化させ、位相差層を形成する工程c1であることが好ましい。
位相差層用組成物をハードコート層の表面上に塗布する方法としては特に制限されず、上記で硬化性樹脂組成物の塗布方法として説明した方法を用いることができる。
位相差層用組成物は、重合性液晶化合物1を含有する。
位相差層用組成物は、重合性液晶化合物1以外の成分として、溶剤、重合開始剤、架橋剤、配向制御剤、及び、キラル剤等を含有してもよい。以下では、位相差層用組成物が含有する各成分について説明する。
重合性液晶化合物1としては重合性基を含有する液晶化合物であれば特に制限されず、公知の重合性液晶化合物を用いることができる。
上記重合性基としては、例えば、上記重合性化合物が含有する重合性基として説明したものが挙げられる。
上記重合性基としては、エポキシ基、アジリジニル基、及び、エチレン性不飽和基等が挙げられ、エチレン性不飽和基がより好ましい。
棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、及び、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等が挙げられる。
なお、重合性液晶化合物1は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合性液晶化合物1を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。なお、2種類以上の重合性液晶化合物1を併用すると、後述する配向温度を低下させることができる。
位相差層用組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、特に制限されず、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、上記硬化性樹脂組成物が含有する重合開始剤として説明したものと同様の重合開始剤が挙げられる。
また、重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
位相差層用組成物は、架橋剤を含有してもよい。架橋剤は、上記重合開始剤とは異なる成分である。
架橋剤は、位相差層用組成物を用いて得られる位相差層の機械的強度、及び、耐久性を向上する作用を有する。
架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤を用いることができる。
架橋剤としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物等が挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができる。
位相差層用組成物は、配向制御剤を含有することが好ましい。
配向制御剤としては特に制限されず、公知の配向制御剤を用いることができる。
配向制御剤としては、例えば、特開2007−272185号公報の0018〜0043段落に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の0031〜0034段落に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物等が挙げられる。
配向制御剤(1):
配向制御剤(2):
位相差層は、上記位相差層用組成物をハードコート層の表面上に塗布し、位相差層用組成物層を形成し、それを硬化させることで形成することができる。
位相差層用組成物層は、上記のとおり重合性液晶化合物を含有する。位相差層は、位相差層用組成物層中において、上記重合性液晶化合物を配向させ、その後、重合性液晶化合物を重合させて、配向状態を固定することにより得ることができる。
重合性液晶化合物を配向させる場合には、熟成の温度は50〜150℃が好ましく、熟成の時間は0.5〜3分が好ましい。
また、重合性液晶化合物をコレステリック配向させる場合には、熟成の温度は50〜150℃が好ましく、熟成の時間は0.5〜3分が好ましい。
工程dはハードコート層の表面をラビング処理する工程である。
ラビング処理の方法としては制限されず、公知のラビング処理の方法を用いることができる。
ラビング処理の方法としては、例えば、ラビングローラーによるものが挙げられる。ラビングローラーを用いたラビング方法としては、例えば、特開2016−085424号公報の0161段落に記載された方法が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
工程eは、位相差層の表面上に、円偏光反射層を形成する工程である。工程eとしては、例えば、円偏光反射層用組成物を塗布して円偏光反射層用組成物層を形成し、円偏光反射層用組成物層を硬化させ、円偏光反射層を形成する工程e1、及び、別途作製した円偏光反射層を位相差層の表面上に積層する工程e2が挙げられるが、工程e1が好ましい。
以下、工程e1について詳述する。
重合性液晶化合物2の定義は、上述した重合性液晶化合物1と同義である。
円偏光反射層用組成物はキラル剤を含有してもよい。円偏光反射層用組成物がキラル剤を含有すると、コレステリック液晶相の螺旋構造を誘起し、コレステリック液晶相が得られやすい。
キラル剤としては特に制限されず、公知のキラル剤を用いることができる。
公知のキラル剤としては、例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(Twisted Nematic)、STN(Super-twisted nematic display)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載された化合物、イソソルビド、及び、イソマンニド誘導体等を用いることができる。
キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤が重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、エチレン性不飽和基、エポキシ基、又は、アジリジニル基が好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のキラル剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
上記の好適態様によれば、円偏光反射層は、後述する選択反射層としての機能を有する。
転写フィルムをロール状に巻き取る方法としては特に制限されないが、長尺の転写フィルムを、円筒状の巻芯に巻き回す態様が挙げられる。上記巻芯としては、特に制限されず、公知の巻芯を用いることができる。巻芯としては、例えば、特開2008−127191号公報の0025〜0039段落、及び、特開2016−029503号公報の0012〜0021段落等に記載された巻芯が挙げられ、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
また、巻芯に転写フィルムを巻き回す方法としては、例えば、特開2010−150041号公報の00016〜0036段落等に記載された方法が挙げられ上記の内用は本明細書に組み込まれる。
接着剤層形成工程は、位相差層、又は、円偏光反射層の表面上に接着剤層を形成する工程であって、例えば、以下の態様が挙げられる。
・工程c又は工程eの後であって、工程fの前に、位相差層、又は、円偏光反射層の表面上に接着剤層を形成する工程(工程AD1)
・工程fの後に、巻心から巻き出された転写フィルムの位相差層、又は、円偏光反射層の表面上に接着剤層を形成する工程(工程AD2)
また、接着剤層を形成する方法としては、剥離材と、接着剤層と、をこの順に備える接着フィルムの接着剤層を、位相差層、又は、円偏光反射層の表面に貼り合わせる方法も挙げられる。
接着剤層用組成物としては、特に制限されず公知の接着剤層用組成物を用いることができる。接着剤層用組成物としては、例えば、重合性基を含有する接着剤層用化合物と、溶剤と、重合開始剤と、配向制御剤と、を含有する態様が挙げられる。
重合性基を含有する接着剤層用化合物としては特に制限されないが、光学的な透明性の観点から、アクリレート系、ウレタンアクリレート系、又は、エポキシアクリレート系の化合物が好ましい。
重合開始剤、溶剤、及び、配向制御剤については、既に説明した態様と同様である。
本発明の他の実施態様に係る転写フィルムは、以下の(1)〜(3)の層をこの順番に備える。
(1)仮支持体
(2)仮支持体の一方の表面上に設けられたハードコート層
(3)ハードコート層の表面上に設けられた位相差層
更に、ハードコート層は、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたハードコート層である。なお、以下では、(2)と(3)をあわせて光学積層体ともいう。
なお、位相差層は、複数層配置されていてもよい。
また、上記転写フィルムの好ましい態様として以下の(1)〜(4)の層をこの順に備える転写フィルムが挙げられる。
(1)仮支持体
(2)仮支持体の少なくとも一方の表面上に設けられたハードコート層
(3)ハードコート層の表面上に設けられた位相差層
(4)位相差層の表面上に設けられた円偏光反射層
また、(4)位相差層の表面上に、更に円偏光反射層を複数積層した転写フィルムであってもよい。
なお、(3)と(4)との間、(4)と(4)との間には、接着剤層を備えてもよい。
すなわち転写フィルムの具体的な構成としては、以下の態様が挙げられる。なお、転写フィルムとしては、以下の態様に限定されない。なお、本段落において「/」は層の境界を表し、「/」で区切られた前後の層は互いに直接、接している。
・仮支持体/ハードコート層/位相差層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/接着剤層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/接着剤層/剥離材
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/接着剤層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/接着剤層/剥離材
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/円偏光反射層(複数の円偏光反射層の積層体であってもよい)
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/円偏光反射層(複数の円偏光反射層の積層体であってもよい)/接着剤層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/円偏光反射層(複数の円偏光反射層の積層体であってもよい)/接着剤層/剥離材
ハードコート層を形成する材料(硬化性樹脂組成物)は上記で説明した内容と同一である、ハードコート層の形成方法も上記で説明した内容と同一である。
ハードコート層の膜厚としては特に制限されないが、十分なハードコート性能を確保する点で、2〜10μmが好ましい。
また、ハードコート層は、耐傷性を有していることが好ましく、硬度としては特に制限されないが、JIS(Japanese Industrial Standards) K−5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが好ましい。
位相差層の波長550nmにおける面内方向のリタデーションReとしては、十分な可視光透明性を確保する点で、40〜280nmであることが好ましい。
ここで、波長550nmにおける面内方向のリタデーションReとは、Re=(nx−ny)×dで表される式により求めることができる。nxは光学異方層の面内遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内進相軸方向の屈折率を表し、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。
なお、位相差層の膜厚dとしては100nm〜7μmが好ましい。
1/4波長板の例としては、一層型の1/4波長板、1/4波長板と1/2波長板とを積層した広帯域1/4波長板などが挙げられる。
前者の1/4波長板の正面位相差は画像表示装置(上記光学積層体を画像表示装置に貼付して用いる場合)の発光波長の1/4の長さであればよい。それゆえに例えば画像表示装置の発光波長が450nm、530nm、640nmの場合は、450nmの波長で112.5nm±10nm、好ましくは、112.5nm±5nm、より好ましくは112.5nm、530nmの波長で132.5nm±10nm、好ましくは、132.5nm±5nm、より好ましくは132.5nm、640nmの波長で160nm±10nm、好ましくは、160nm±5nm、より好ましくは160nmの位相差であるような逆分散性の位相差層が1/4波長板として最も好ましいが、位相差の波長分散性の小さい位相差板及び/又は順分散性の位相差板も用いることができる。なお、逆分散性とは長波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味し、順分散性とは短波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味する。
本明細書において、位相差は正面レターデーションを意味する。位相差はAXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanを用いて測定することができる。
円偏光反射層は、可視光領域で選択反射を示すコレステリック液晶層を少なくとも1層含むことが好ましい。なお、本明細書において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を固定した層を意味する。
円偏光反射層は2層以上のコレステリック液晶層を含んでいてもよく、配向層などの他の層を含んでいてもよい。円偏光反射層はコレステリック液晶層のみからなることが好ましい。また、円偏光反射層が複数のコレステリック液晶層を含むときは、それらは隣接するコレステリック液晶層と直接接していることが好ましい。円偏光反射層は、3層、4層など、3層以上のコレステリック液晶層を含んでいることが好ましい。
円偏光反射層の膜厚は、2.0〜300μmが好ましく、8.0〜200μmがより好ましい。
上記式から分かるように、螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射の中心波長を調整できる。n値とP値を調節して、所望の波長の光に対して右円偏光及び左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節することができる。
選択反射の中心波長が同一の1種のコレステリック液晶層の形成のために、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層してもよい。周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することによっては、特定の波長で円偏光選択性を高くすることができる。
膜厚50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを準備し、仮支持体とした。
硬化性樹脂組成物HC−1(硬化性樹脂組成物に該当する。)は、表2に記載の成分を混合して得た。なお、硬化性樹脂組成物HC−1の固形分濃度が50質量%になるよう、MEK(メチルエチルケトン)/シクロヘキサノン=95/5(質量/質量)溶液で希釈した。
なお、表2中のポリマー欄の記号(P−3)は、上述した表1に示すポリマーの例示中のP−3に対応する。
位相差層用組成物R−1(位相差層用組成物に該当する。)は、表3に記載の成分を混合して得た。なお、位相差層用組成物R−1の固形分濃度が21質量%になるよう、MEK/シクロヘキサノン=95/5溶液で希釈した。
なお、表3中の重合性液晶化合物1欄の記号は、上述した重合性液晶化合物の例示中の記号に対応する。
円偏光反射層用組成物CP−1(円偏光反射層用組成物に該当する。)は、表4に記載の成分を混合して得た。なお、円偏光反射層用組成物CP−1の固形分濃度が28質量%になるよう、MEK/シクロヘキサノン=95/5溶液で希釈した。
接着剤層用組成物AD−1(接着剤層用組成物に該当する。)は、表5に記載の成分を混合して得た。なお、接着剤層用組成物AD−1の固形分濃度が30質量%になるよう、MEK/シクロヘキサノン=95/5溶液で希釈した。
なお、表中の各略号は、以下の成分を表す。
・A−TMPT(新中村化学工業社製、トリメチロールプロパントリアクリレート)
・GH−1203(新中村化学工業社製、アクリレートポリマー)
〔ハードコート層の形成〕
仮支持体(PETフィルム)をガラス基板に固定し、スピンコーターを用いて、仮支持体上に硬化性樹脂組成物HC−1を800rpmで10秒間塗工して、硬化性樹脂組成物層付き仮支持体を得た。続いて、上記硬化性樹脂組成物層付き仮支持体を70℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた後、空気下で高圧水銀灯を用いて30mJ/cm2の光量でUV(ultraviolet)照射したところ、厚さ5.1μmのハードコート層を得た。続いて、得られたハードコート層に対してラビング装置でラビングを行い、仮支持体の表面上に形成されたラビング処理済みハードコート層HC−1を得た。
上記で得たハードコート層HC−1を仮支持体ごとガラス基板に固定し、スピンコーターを用いて、ハードコート層HC−1上に位相差層用組成物R−1を4000rpmで10秒間塗工して、ハードコート層HC−1の表面上に位相差層用組成物層R−1を形成した(以下、本段落で「積層体」という。)。続いて、上記積層体を、80℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた後、酸素濃度300ppm以下の窒素雰囲気下にて、高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の光量でUV(ultraviolet)照射し、仮支持体と、ハードコート層HC−1と、位相差層R−1とをこの順に備える転写フィルム1を得た。
上記で得た転写フィルム1をガラス基板に固定し、スピンコーターを用いて、位相差層R−1上に円偏光反射層用組成物CP−1を500rpmで10秒間塗工して、位相差層R−1の表面上に円偏光反射層用組成物層CP−1を形成した(以下、本段落で「積層体」という。)。続いて、上記積層体を、85℃のホットプレート上で60秒間乾燥させた後、空気下で高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の光量でUV(ultraviolet)照射し、仮支持体と、ハードコート層HC−1と、位相差層R−1と、円偏光反射層CP−1とをこの順に備える転写フィルム2を得た。
上記で得た転写フィルム2をガラス基板に固定し、スピンコーターを用いて、円偏光反射層CP−1上に接着剤層用組成物AD−1を1000rpmで10秒間塗工した。また、厚さ1mmのアクリル板上に接着剤層用組成物AD−1を1000rpmで10秒間塗工した。
接着剤層用組成物AD−1が塗工された転写フィルム2、及び、接着剤層用組成物AD−1が塗工されたアクリル板をともに60℃のホットプレート上で60秒間乾燥させ、両者の接着剤層用組成物AD−1塗布面を重ね合わせ、ローラーを用いて貼り合わせて貼合体を得た。この貼合体を、85℃のホットプレート上で30秒間加熱した後、酸素濃度300ppm以下の窒素雰囲気下にて、高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の光量でUV照射した。サンプルを室温まで冷却した後、ピンセットを用いて最表面の仮支持体をはがし、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。
<配向状態:位相差層>
上記で作製した転写フィルム1の表面を偏光顕微鏡で確認し、位相差層R−1においてネマチック配向が観察されるかを調べた。結果は以下の基準により評価し、評価結果を表6に示した。なお、実用上B以上が好ましい。
B:ネマチック配向中に欠陥の発生が観察された。
C:無配向状態だった。
上記で作製した転写フィルム2の表面を偏光顕微鏡で確認し、円偏光反射層CP−1においてコレステリック配向が観察されるかを調べた。結果は以下の基準により評価し、評価結果を表6に示した。なお、実用上B以上が好ましい。
B:コレステリック配向中に欠陥の発生が観察された。
C:無配向状態だった。(円偏光反射が確認できなかった。)
転写フィルム2のアクリル板への転写体について、JIS K−5400に従う鉛筆硬度試験を行った。結果を表6に示した。
なお、後述する表6中のポリマー欄の記号は、上述した表1に示すポリマーの例示中の記号に対応する。
実施例1のハードコート層中の配向膜成分を、n−ブチルメタクリレートのホモポリマー(P−20、Mw=25,000)に変更した以外は実施例1と同様にして転写フィルム1、転写フィルム2、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。上記について、実施例1と同様の評価を行った結果を表6に示した。
実施例1のハードコート層中の配向膜成分を、n−ブチルアクリレートのホモポリマー(P−21、Mw=25,000)に変更した以外は実施例1と同様にして転写フィルム1、転写フィルム2、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。上記について、実施例1と同様の評価を行った結果を表6に示した。
実施例1のハードコート層中の配向膜成分を、アクリベースMH−101−5(藤倉化成社製、Mw=200,000)に変更した以外は実施例1と同様にして転写フィルム1、転写フィルム2、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。上記について、実施例1と同様の評価を行った結果を表6に示した。
なお、アクリベースMH−101−5には、重合性基が含まれない。
ポリマーの重量平均分子量が20000超である、実施例4の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムは、実施例5の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムと比較して、より優れた配向状態を有する位相差層を備えていた。
ΔSP値が1.3超である実施例2の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムは、実施例6の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムと比較して、ポリマーの分子量が同じ場合、より優れた配向状態を有する位相差層を備えていた。これは、ΔSP値が1.3超である場合、重合性基を含有するポリマーが硬化性樹脂組成物層の上層領域により偏在化しやすいためと推測される。
Claims (26)
- 仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程aと、
前記硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程bと、
前記ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程cと、を含有し、
前記硬化性樹脂組成物が、
モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、
重合性基を含有するポリマーと、
を含有する、転写フィルムの製造方法。 - 前記重合性化合物が、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、請求項1に記載の転写フィルムの製造方法。
- 前記重合性化合物が、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、
前記重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の転写フィルムの製造方法。 - 前記ポリマーが、式(1)で表される繰り返し単位を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
式(1)中、R1は水素原子、又は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、P1はエチレン性不飽和基を含有する1価の基を表し、L1は単結合、又は、2価の連結基を表す。 - 前記式(1)で表される繰り返し単位中、R1が水素原子、又は、メチル基であり、
P1がアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含有する1価の基であり、
L1が−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基である、請求項4に記載の転写フィルムの製造方法。
なお、*は主鎖に連結する位置を表す。 - 前記ポリマーの重量平均分子量が20000超である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
- 式(2)により求められるΔSPが1.3超である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
式(2) ΔSP=δa(M)−δa(P)
式(2)中、δa(M)は、前記重合性化合物の3次元溶解度パラメータにおける非分散力成分を表し、
式(2)中、δa(P)は、前記ポリマーの3次元溶解度パラメータにおける非分散力成分を表す。 - 前記工程bと前記工程cの間に、更に、前記ハードコート層の表面をラビング処理する工程dを含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
- 前記工程cが、
前記ハードコート層の表面上に、位相差層用組成物を塗布して位相差層用組成物層を形成する工程と、
前記位相差層用組成物層を硬化させ、位相差層を形成する工程と、
を含有し、
前記位相差層用組成物が、重合性液晶化合物1を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。 - 前記重合性液晶化合物1が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、一分子中に2個以上含有する、請求項9に記載の転写フィルムの製造方法。
- 前記位相差層の表面上に、円偏光反射層を形成する工程eを更に含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
- 前記工程eが、円偏光反射層用組成物を塗布して円偏光反射層用組成物層を形成し、前記円偏光反射層用組成物層を硬化させ、円偏光反射層を形成する工程であり、
前記円偏光反射層用組成物が、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有し、
前記重合性液晶化合物2が、一分子中にアクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、2個以上含有する、請求項11に記載の転写フィルムの製造方法。 - 更に、前記工程cの後に、前記転写フィルムをロール状に巻き取る工程fを含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
- 更に、前記工程eの後に、前記転写フィルムをロール状に巻き取る工程fを含有する、請求項11又は12に記載の転写フィルムの製造方法。
- 仮支持体と、
前記仮支持体の一方の表面上に設けられたハードコート層と、
前記ハードコート層の表面上に設けられた位相差層と、をこの順に備え、
前記ハードコート層は、
モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、
重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたハードコート層である、転写フィルム。 - 前記重合性化合物が、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、請求項15に記載の転写フィルム。
- 前記重合性化合物が、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、
前記重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項16に記載の転写フィルム。 - 前記ポリマーが、式(1)で表される繰り返し単位を含有する、請求項15〜17のいずれか一項に記載の転写フィルム。
式(1)中、R1は水素原子、又は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、P1はエチレン性不飽和基を含有する1価の基を表し、L1は単結合、又は、2価の連結基を表す。 - 前記式(1)で表される繰り返し単位中、R1が水素原子、又は、メチル基であり、
P1がアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含む1価の基であり、
L1が−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基である、請求項18に記載の転写フィルム。
なお、*は主鎖に連結する位置を表す。 - 前記ポリマーの重量平均分子量が20000超である、請求項15〜19のいずれか一項に記載の転写フィルム。
- 式(2)により求められるΔSPが1.3超である、請求項15〜20のいずれか一項に記載の転写フィルム。
式(2) ΔSP=δa(M)−δa(P)
式(2)中、δa(M)は、前記重合性化合物の3次元溶解度パラメータにおける非分散力成分を表し、
式(2)中、δa(P)は、前記ポリマーの3次元溶解度パラメータにおける非分散力成分を表す。 - 前記位相差層が、重合性液晶化合物1を含有する位相差層用組成物を硬化させて得られた位相差層であって、
前記重合性液晶化合物1は、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、一分子中に2個以上含有する、請求項15〜21のいずれか一項に記載の転写フィルム。 - 前記位相差層の表面上に、円偏光反射層を備える、請求項15〜22のいずれか一項に記載の転写フィルム。
- 前記円偏光反射層が、円偏光反射層用組成物を硬化させて得られ、
前記円偏光反射層用組成物は、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有し、
前記重合性液晶化合物2は、一分子中にアクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、2個以上含有する、請求項23に記載の転写フィルム。 - 巻芯と、前記巻芯にロール状に巻き取られた、請求項15〜24のいずれか一項に記載の転写フィルムと、を含有する、転写フィルムロール。
- モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有し、
前記重合性化合物は、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、硬化性樹脂組成物。
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