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JP2018010086A - 転写フィルムの製造方法、転写フィルム、転写フィルムロール、及び、硬化性樹脂組成物 - Google Patents

転写フィルムの製造方法、転写フィルム、転写フィルムロール、及び、硬化性樹脂組成物 Download PDF

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JP2018010086A JP2016137626A JP2016137626A JP2018010086A JP 2018010086 A JP2018010086 A JP 2018010086A JP 2016137626 A JP2016137626 A JP 2016137626A JP 2016137626 A JP2016137626 A JP 2016137626A JP 2018010086 A JP2018010086 A JP 2018010086A
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理恵 ▲高▼砂
理恵 ▲高▼砂
Rie Takasago
峻也 加藤
Shunya Kato
峻也 加藤
吉川 将
Susumu Yoshikawa
将 吉川
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】優れた配向状態を有する位相差層を備えた転写フィルムのより簡便な製造方法を提供することを課題とする。また、転写フィルム、転写フィルムロール、及び、硬化性樹脂組成物を提供することも課題とする。
【解決手段】仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程aと、硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程bと、ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程cと、を含有し、硬化性樹脂組成物が、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する、転写フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、転写フィルムの製造方法、転写フィルム、転写フィルムロール、及び、硬化性樹脂組成物に関する。
位相差層は、各種用途に適用されている。上記位相差層としては、例えば、棒状液晶化合物をホモジニアス配向させ、上記配向状態を固定した層が挙げられる。上記液晶化合物の配向形成のために、配向膜が用いられることがある。
一方で、上記位相差層を各用途に適用する際に、位相差層表面に傷がつかないようにするために、位相差層上にハードコート層を配置することが実施されている。
例えば、特許文献1には、仮支持体の一方の表面上に、少なくとも1層のハードコート層と少なくとも1層の光学異方層(位相差層)とを有する、光学異方性ハードコート転写フィルムが記載されている。より具体的には、例えば、仮支持体、ハードコート層、配向層、及び、光学異方層がこの順で互いに隣接して積層してなる転写フィルム、及び、仮支持体の一方の表面上に、ハードコート層と光学異方層とが隣接して積層してなる転写フィルムが記載されている。なお、特許文献1の実施例欄を参照すると、上記ハードコート層の形成に使用される組成物には、アクリベースMH−101−5が含まれていた。
特開2015−184410号公報
一方で、転写フィルムの生産性を考慮すれば、そもそも配向膜を用いない態様が好ましい。つまり、例えば、上述した仮支持体、ハードコート層、配向層、及び、位相差層がこの順で互いに隣接して積層してなる転写フィルムを製造する場合、ハードコート層上へ配向膜用組成物を塗布して、更にこれを硬化させて配向膜を形成する工程が必要であり、工程が煩雑となる。
また、近年、各種性能の向上要求に伴い、位相差層を構成する成分の配向性のより一層の向上が求められている。本発明者らは、特許文献1に記載された仮支持体の一方の表面上に、ハードコート層と位相差層とが隣接して積層してなる転写フィルム(特許文献1の実施例欄の実施例14に相当)について検討したところ、位相差層の配向状態において更なる改善が必要であることを知見した。
そこで、本発明は、優れた配向状態を有する位相差層を備えた転写フィルムのより簡便な製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は転写フィルム、転写フィルムロール、及び、硬化性樹脂組成物を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程a、後述する工程bと、後述する工程cとを含有し、硬化性樹脂組成物が、後述する重合性化合物と、後述する重合性基を含有するポリマーと、を含有する、転写フィルムの製造方法が、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程aと、硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程bと、ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程cと、を含有し、硬化性樹脂組成物が、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する、転写フィルムの製造方法。
[2] 重合性化合物が、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、[1]に記載の転写フィルムの製造方法。
[3] 重合性化合物が、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、[2]に記載の転写フィルムの製造方法。
[4] ポリマーが、式(1)で表される繰り返し単位を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[5] 式(1)で表される繰り返し単位中、Rが水素原子、又は、メチル基であり、Pがアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含有する1価の基であり、Lが−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基である、[4]に記載の転写フィルムの製造方法。なお、*は主鎖に連結する位置を表す。
[6] ポリマーの重量平均分子量が20000超である、[1]〜[5]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[7] 式(2)により求められるΔSPが1.3超である、[1]〜[6]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[8] 工程bと工程cの間に、更に、ハードコート層の表面をラビング処理する工程dを含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[9] 工程cが、ハードコート層の表面上に、位相差層用組成物を塗布して位相差層用組成物層を形成する工程と、位相差層用組成物層を硬化させ、位相差層を形成する工程と、を含有し、位相差層用組成物が、重合性液晶化合物1を含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[10] 重合性液晶化合物1が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、一分子中に2個以上含有する、[9]に記載の転写フィルムの製造方法。
[11] 位相差層の表面上に、円偏光反射層を形成する工程eを更に含有する、[1]〜[10]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[12] 工程eが、円偏光反射層用組成物を塗布して円偏光反射層用組成物層を形成し、円偏光反射層用組成物層を硬化させ、円偏光反射層を形成する工程であり、円偏光反射層用組成物が、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有し、重合性液晶化合物2が、一分子中にアクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、2個以上含有する、[11]に記載の転写フィルムの製造方法。
[13] 更に、工程cの後に、転写フィルムをロール状に巻き取る工程fを含有する、[1]〜[10]のいずれかに記載の転写フィルムの製造方法。
[14] 更に、工程eの後に、転写フィルムをロール状に巻き取る工程fを含有する、[11]又は[12]に記載の転写フィルムの製造方法。
[15] 仮支持体と、仮支持体の一方の表面上に設けられたハードコート層と、ハードコート層の表面上に設けられた位相差層と、をこの順に備え、ハードコート層は、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたハードコート層である、転写フィルム。
[16] 重合性化合物が、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、[15]に記載の転写フィルム。
[17] 重合性化合物が、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、[16]に記載の転写フィルム。
[18] ポリマーが、式(1)で表される繰り返し単位を含有する、[15]〜[17]のいずれかに記載の転写フィルム。
[19] 式(1)で表される繰り返し単位中、Rが水素原子、又は、メチル基であり、Pがアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含む1価の基であり、Lが−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基である、[18]に記載の転写フィルム。
なお、*は主鎖に連結する位置を表す。
[20] ポリマーの重量平均分子量が20000超である、[15]〜[19]のいずれかに記載の転写フィルム。
[21] 式(2)により求められるΔSPが1.3超である、[15]〜[20]のいずれかに記載の転写フィルム。
[22] 位相差層が、重合性液晶化合物1を含有する位相差層用組成物を硬化させて得られた位相差層であって、重合性液晶化合物1は、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、一分子中に2個以上含有する、[15]〜[21]のいずれかに記載の転写フィルム。
[23] 位相差層の表面上に、円偏光反射層を備える、[15]〜[22]のいずれかに記載の転写フィルム。
[24] 円偏光反射層が、円偏光反射層用組成物を硬化させて得られ、円偏光反射層用組成物は、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有し、重合性液晶化合物2は、一分子中にアクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、2個以上含有する、[23]に記載の転写フィルム。
[25] 巻芯と、巻芯にロール状に巻き取られた、[15]〜[24]のいずれかに記載の転写フィルムと、を含有する、転写フィルムロール。
[26] モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有し、重合性化合物は、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、硬化性樹脂組成物。
本発明によれば、優れた配向状態を有する位相差層を備えた転写フィルムのより簡便な製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、転写フィルム、転写フィルムロール、及び、硬化性樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を含有しないものと共に置換基を含有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を含有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を含有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタアクリレートを表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタアクリルを表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。
また、本明細書において、モノマーとは、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が2000以下の分子を意図する。
また、本明細書において、オリゴマーとは、重量平均分子量が、2000超、10000以下の分子を意図する。
また、本明細書において、ポリマーとは、重量平均分子量が10000超の分子を意図する。なお、上記において、重量平均分子量とは、上記分子が分子量分布を有する化合物の場合、後述する方法により測定した重量平均分子量を意図し、分子量分布を有さない(単分散の)化合物の場合、化学構造式から計算した分子量を意図する。
また、本明細書において、「重合性化合物」とは、特に断らない限り、モノマー及び/又はオリゴマーを意図する。なお、重合性基とは、重合反応に関与する基をいう。
[転写フィルムの製造方法]
本発明の第一の実施態様に係る転写フィルムの製造方法は、以下の工程a、工程b、及び、工程cを含有する。
・工程a:仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程
・工程b:硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程
・工程c:ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程
また、本発明の第二の実施態様に係る転写フィルムの製造方法は、工程bと工程cとの間に、以下の工程dを含有する。
・工程d:ハードコート層の表面をラビング処理する工程
また、本発明の第三の実施態様に係る転写フィルムの製造方法は、工程cの後に、以下の工程eを含有する。
・工程e:位相差層の表面上に、更に、円偏光反射層を形成する工程
また、本発明の第四の実施態様に係る転写フィルムの製造方法は、工程c又は工程eの後に、以下の工程fを含有する。
・工程f:転写フィルムをロール状に巻き取る工程
以下の説明では、上記第一から第四の実施態様に係る転写フィルムの製造方法をまとめて、本発明の実施態様に係る転写フィルムの製造方法という。
上記構成を含有する転写フィルムの製造方法により本発明の効果が得られる機序は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のとおり推測している。
上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法の特徴点の一つとしては、重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を仮支持体の一方の表面上に塗布して、これを硬化させてハードコート層を形成した点が挙げられる。
すなわち、上記ハードコート層の形成工程に際しては、硬化性樹脂組成物層中で、重合性化合物と、ポリマーとが相分離し、ポリマーは硬化性樹脂組成物層の上層領域(仮支持体との界面の反対の界面近傍を意図する。)に偏在化しやすく、上層領域にポリマーの濃縮層が形成されるものと推測される。上層領域に濃縮したポリマー層は、硬化性樹脂組成物層を硬化して得られるハードコート層中において、配向膜としての機能を有する、配向膜領域を形成するものと推測される。
一方、モノマーは下層領域(仮支持体との界面近傍を意図する。)に偏在化しやすく、硬化して強固なハードコート層を形成する作用を有するものと推測される。
上記のとおり、上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法は、所定の硬化性樹脂組成物を用いてハードコート層を形成するため、その上層領域に配向膜領域が形成される。このため、上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法によれば、ハードコート層上に配向膜を形成する工程を必要としない。従い、より簡便に転写フィルムを製造することができる。
更に、上述したように、特許文献1に記載されるハードコート層上に直接位相差層を形成して転写フィルムを得る場合であっても、位相差層が均一に配向しないことがあることを本発明者らは知見している。
上記の現象について、本発明者らが鋭意検討したところによれば、位相差層用組成物をハードコート層の表面上に塗布した際、ハードコート層に含まれるポリマー(アクリベースMH−101−5)が溶解することが原因となっていることを突き止めた。
それに対して、上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法では、上記配向膜領域を形成するポリマーは重合性基を含有する。そのため、得られる配向膜領域は、優れた耐溶剤性を有する。従い、上記配向膜領域を備えるハードコート層の表面上に位相差層用組成物を塗布して位相差層を形成した場合にも、上記位相差層はより均一な配向状態を有する。
上記のとおり、本発明の実施態様に係る転写フィルムの製造方法では、重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を仮支持体の一方の表面上に塗布して、これを硬化させてハードコート層を形成することにより、配向膜領域の形成と、重合性基により付与される耐溶剤性による相乗効果が得られ、本発明の効果が得られたものと推測される。
以下、各工程ごとにその態様を説明する。
〔工程a〕
工程aは仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程である。
硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては特に制限されず、公知の塗布方法を用いることができる。公知の塗布方法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、及び、ダイコーティング法等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物層の膜厚としては特に制限されないが、乾燥膜厚として2〜10μmが好ましく、3〜6μmがより好ましい。
また、硬化性樹脂組成物を塗布した後、溶剤を除去するために加熱処理を行ってもよい。その場合の加熱処理の条件としては特に制限されず、例えば、加熱温度としては、20〜200℃が好ましく、40〜160℃がより好ましく、加熱時間としては、10〜600秒が好ましく、30〜300秒がより好ましい。
<仮支持体>
上記転写フィルムにおいて、仮支持体は、ハードコート層及び位相差層を形成する際の支持体としての機能を有し、また、ハードコート層及び位相差層を所望のデバイス(タッチパネル、及び、液晶表示装置等)に転写した際には、仮支持体はハードコート層から剥離され、取り除かれる。(すなわち、転写後、仮支持体を剥離すると、デバイス側から位相差層、ハードコート層とをこの順に有する積層体となる。)
仮支持体は、透明でも不透明でもよく、その材質も、特に制限されない。仮支持体は、ポリマーで構成されていてもよく、仮支持体を構成するポリマーとしては、例えば、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、及び、セルロースブチレート等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、及び、ポリプロピレン等)、環状オレフィン(ノルボルネン系ポリマー等)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステル、及び、ポリスルホン等が挙げられる。
製造工程中、及び/又は製造後に、位相差層及び/又はハードコート層の光学特性を検査しやすい点で、仮支持体は可視光線に対して透明なことが好ましく、透明、かつ、低複屈折であることがより好ましい。低複屈折性の観点からは、仮支持体の材質としては、セルロースエステル、又は、環状オレフィンが好ましい。市販のノルボルネン系ポリマーとしては、アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン(株)製)、及び、TOPAS(ポリプラスチックス(株)製)等が挙げられる。また、安価なポリカーボネート及び/又はポリエチレンテレフタレート等も好ましく用いられる。
仮支持体の厚さはとしては、特に制限されないが、一般的に10〜1000μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。
<硬化性樹脂組成物>
上記硬化性樹脂組成物は、少なくとも以下の成分(I)及び(II)を含有する。
(I)モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物
(II)重合性基を含有するポリマー
また、上記硬化性樹脂組成物は、
(III)その他の成分
を含有してもよい。
上記硬化性樹脂組成物は、硬化してハードコート層を形成するとともに、ハードコート層上層領域(仮支持体との界面の反対の界面近傍)に配向膜領域を形成する機能を有する。
(II)重合性基を含有するポリマー
重合性基を含有するポリマーとしては特に制限されず、公知のポリマーを用いることができる。上記ポリマーとしては液晶性を有しないポリマー(以下「非晶性ポリマー」ともう。)が好ましい。
重合性基としては、反応性がより優れる点で、紫外線照射により架橋し得る反応性基が好ましい。
重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、及び、マレイミド基等のエチレン性不飽和基;エポキシ基、及び、オキセタン基等のカチオン性重合性基がより好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。
なお、本明細書において、マレイミド基とは、無置換、又は、置換のマレイミド基を意図する。置換マレイミド基とは、以下の式で表されるように、マレイミド環上に置換基を含有する基を意図する。なお、以下の式中、Rはそれぞれ独立に有機基を表し、好ましくはアルキル基を表す。なお、2つのRは互いに結合して環を形成してもよい。このような環を形成したマレイミドとしては、例えば、2−(1,2−シクロヘキサ−1−エンジカルボキシイミド)等が挙げられる。式中、*は結合位置を示す。
上記ポリマーの重合反応の形式は、特に制限はないが、ラジカル重合反応が最も簡便で好ましい。
上記ポリマーは、式(1)で表される繰り返し単位(以後、「重合性基ユニット」とも称する)を含有することが好ましい。
式(1)中、Rは水素原子、又は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、又は、メチル基が好ましい。
は単結合、又は、2価の連結基を表し、2価の連結基としては、例えば、−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基等が挙げられる。なお、*は主鎖に連結する位置を表す。言い換えれば、*側で主鎖に連結することを意図する。
なお、Lとしては、アリーレン基、*−C(=O)O−,*−C(=O)NH−、又は、*−OC(=O)−がより好ましい。
はエチレン性不飽和基を含有する1価の基を表し、なかでも、アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含む一価の基が好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、及び、マレイミド基からなる群から選ばれる基を含む一価の基がより好ましい。
式(1)中、好ましい組合せとしては、Rが水素原子、又は、メチル基;Lが、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、又は、これらを組み合わせた基;Pが、アクリロイル基、メタクリロイル基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含む一価の基が挙げられる。
上記ポリマーは、硬化性樹脂組成物層の上層領域に濃縮層(配向膜領域)を形成するものと推測される。硬化性樹脂組成物層の上層領域にポリマーの濃縮層を形成しやすくするためには、後述する重合性化合物とより相溶しにくいことが好ましい。
言い換えれば、相溶性の尺度を表す3次元溶解度パラメータにおけるポリマーの非分散力成分を表すδa(P)と、同じく重合性化合物のδa(M)とが一致しないことが好ましく、δa(M)がより大きいことが好ましい。
なかでも、より優れた本発明の効果が得られる点で、以下の式(2)で表されるΔSP(ΔSP値)は、0超が好ましく、0.3超がより好ましく、0.5超が更に好ましく、20未満が好ましく、10未満がより好ましく、5.0未満が更に好ましい。なかでも、ΔSPが1.3超であると、更に優れた本発明の効果が得られる。
式(2) ΔSP=δa(M)−δa(P)
なお、上述したδa(P)とδa(M)の値は、Hoyらの方法により算出されるSP(Solubility Parameter)値(VAN KREVELEN,D.W.著、「PROPERTIES OF POLYMERS(ED.3)」ELSEVIER出版(1990)参照)の非分散力成分を意図する。つまり、δa値は、Hoyらの方法により算出される3次元溶解度パラメータ(δd、δp、δh)を用いて下記式(X)により算出することができる。Hoyらの方法に従うと、求めたい化合物の化学構造式よりδd、δp、δhの各々の値が算出できる。なお、複数の繰り返し単位からなるオリゴマー又はポリマーの場合、各繰り返し単位ごとの3次元溶解度パラメータの2乗値(δd、δp、δh)に、各繰り返し単位ごとの体積分率を乗じて和を求めることでオリゴマー又はポリマーの3次元溶解度パラメータの2乗値(δd、δp、δh)を算出し、これを式(X)に代入することでオリゴマー又はポリマーのδa値を求めることができる。
δa=(δp+δh0.5 式(X)
なお、δaの単位はMPa0.5である。
ポリマーの3次元溶解度パラメータの非分散力成分であるδa(P)としては特に制限されないが、下限値としては、8MPa0.5以上が好ましく、10MPa0.5以上がより好ましい。また、上限値としては、18MPa0.5以下が好ましく、15MPa0.5以下がより好ましい。
なお、2種以上のポリマーを用いる場合は、各ポリマーのδa(P)と、各ポリマーのポリマー混合物中における体積分率との積をそれぞれ求め、それらを足し合わせた値を「ポリマーの3次元溶解度パラメータの非分散力成分であるδa(P)」として、この値が上記範囲内であることが好ましい。例えば、ポリマーP及びポリマーPを併用する場合には、以下の方法により計算した、ポリマーP及びPの混合物のδa(P)値(本段落においてδa(P1、2)と表す)が上記範囲内であることが好ましい。
なお、δa(P1、2)は以下の式によって計算することができる。
式: δa(P1、2)=δa(P)β+δa(P)(1−β)
上記式中、βはポリマー混合物中における、ポリマーPの体積分率を意図する。
上記ポリマーは上記重合性基ユニット以外の他の繰り返し単位(ユニット)(共重合ユニット)を含有してもよい。例えば、重合性基を含まない繰り返し単位(非重合性基ユニット)などが挙げられる。
なお、他の繰り返し単位の3次元溶解度パラメータより算出されるδa値は、特に制限はされないが、本発明の効果がより優れる点で、7.5MPa0.5以上であることが好ましく、10MPa0.5以上であることがより好ましい。上限は特に制限されないが、18MPa0.5以下であることが好ましく、16MPa0.5以下であることがより好ましい。
また、上記重合性基ユニットのδa値と他の繰り返し単位のδa値との差は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0〜5MPa0.5であることが好ましく、0〜2.5MPa0.5であることがより好ましい。
上記他の繰り返し単位の好適態様としては、以下の式(3)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式(3)中、R21は水素原子又はメチル基を表す。R22は、ヒドロキシ基を有していてもよいアルキル基を表す。
ポリマーの重量平均分子量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、20000超が好ましく、30,000以上がより好ましい。上限は特に制限されないが一般に300,000以下が好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)法により測定されるポリスチレン換算値として、求めることができる。GPC測定は、例えば、装置:「Alliance GPC2000(Waters社製)」、カラム:TSKgel GMH−HT×2+TSKgel GMH−HTL×2(いずれも7.5mmI.D.×30cm、東ソー社製)、カラム温度:140℃、検出器:示差屈折率計、移動相:溶媒(例えばo−ジクロロベンゼン等)の構成及び条件にて行うことができ、分子量の構成は標準ポリスチレンを用いて重量平均分子量を求めることができる。
上記ポリマーの合成方法は特に制限されず、公知の方法を組み合わせて合成できる。例えば、(a)対応するモノマーを重合させて直接、エチレン性不飽和基を導入する方法で合成してもよく、(b)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法で合成してもよい。非液晶性ポリマーの合成方法の詳細は、例えば、特許第4184818号公報の段落0068〜0077に記載され、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
以下に、式(1)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。








式(1)で表される繰り返し単位を含むポリマーは、式(1)で表される繰り返し単位を、0.5質量%以上100質量%以下含んでいるのが好ましく、2質量%以上100質量%以下含んでいるのがより好ましく、5質量%以上100質量%以下含んでいるのが更に好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位を含むポリマーの具体例を表1に示すが、ポリマーは下記の具体例に制限されない。なお、式(1)で表される繰り返し単位と、その他の繰り返し単位とは、上記の具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
なお、上記表中、繰り返し単位(N−2)は、以下の式で表される。
また、上記表中、繰り返し単位(L−1)及び繰り返し単位(L−3)は、それぞれ、以下の式で表される。なお、繰り返し単位(L−1)及び/又は繰り返し単位(L−3)を含有するポリマー(例えば、P−17及びP−18)は液晶性を有する。

硬化性樹脂組成物中におけるポリマーの含有量としては、特に制限されないが、十分なハードコート性能を確保する点で、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。
なお、ポリマーとしては1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のポリマーを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(I)重合性化合物
上記硬化性樹脂組成物は、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物を含有する。重合性化合物は、重合してハードコート層を形成する作用を有する。
重合性化合物としては制限されず公知の重合性化合物を用いることができる。
重合性化合物としては、1分子中に1個以上の重合性基を含有していればよく、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ポリエチレングリコール#1000ジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
重合性基としては特に制限されず、例えば、上記重合性基として挙げた官能基等が挙げられる。なかでも、重合性基としてはエチレン性不飽和基を含有する基が好ましく、アクリロイル基、及び、メタアクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。重合性基が、(メタ)アクリロイル基だと、硬化性樹脂組成物を硬化して得られるハードコート層と、後述する位相差層との密着性が良化する。
なかでも、上記重合性化合物としては、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有することが好ましく、(「3官能以上の非液晶性重合性化合物」ともいう。)、一分子中に4個以上の重合性基を含有することがより好ましい。重合性基の個数の上限値としては特に制限されないが、一般に、6以下が好ましい。
重合性化合物の重量平均分子量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果が得られる点で、10000以下が好ましく、2000以下がより好ましい。
また、上記重合性化合物としては、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、ことが更に好ましい。
1分子中に3個の重合性基を含有する重合性化合物の具体例としては、例えば、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエステル多官能アクリレートオリゴマー(3官能)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及び、ウレタン多官能アクリレートオリゴマー(3官能)等が挙げられる。
また、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、重合性化合物としては、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(分子量466)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(分子量352)、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(分子量1892)、ポリエステル多官能アクリレートオリゴマー(4〜15官能、重量平均分子量10000以下)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(分子量578)、及び、ウレタン多官能アクリレートオリゴマー(4〜15官能、重量平均分子量10000以下)等が挙げられる。
市販品としては、例えばA−DPH(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、A−TMMT(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)(新中村化学工業社製);UA−306T(ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、UA−306I(ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、UA−510H(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー)(共栄社化社製);U−6LPA、U−10HA、U−10PA、UA−1100H、U−15HA、UA−53H、及び、UA−33H等のウレタンアクリレート(新中村化学工業社製);等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物中における重合性化合物の含有量としては特に制限されないが、十分なハードコート性能を付与する点で、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して50〜99.999質量%が好ましく、90〜99.999質量%がより好ましい。
なお、重合性化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合性化合物を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
重合性化合物の3次元溶解度パラメータの非分散力成分であるδa(M)としては特に制限されないが、下限値としては、10MPa0.5以上が好ましく、13MPa0.5以上がより好ましい。また、上限値としては、24MPa0.5以下が好ましく、22MPa0.5以下がより好ましい。
なお、2種以上の重合性化合物を併用する場合には、各重合性化合物のδa(M)と、各重合性化合物の重合性化合物混合物中における体積分率との積をそれぞれ求め、それらを足し合わせた値を「重合性化合物の3次元溶解度パラメータの非分散力成分であるδa(M)」として、この値が上記範囲内であることが好ましい。例えば、重合性化合物M及び重合性化合物Mを併用する場合には、以下の方法により計算した、重合性化合物M及び重合性化合物Mの混合物のδa(M)値(本段落においてδa(M1、2)と表す)が上記範囲内であることが好ましい。
なお、δa(M1、2)は以下の式によって計算することができる。
式: δa(M1、2)=δa(M)β+δa(M)(1−β)
上記式中、βは重合性化合物混合物中における、重合性化合物Pの体積分率を意図する。
硬化性樹脂組成物中における、重合性化合物の含有量に対する、重合性基を含有するポリマーの含有量の含有質量比(重合性基を含有するポリマーの含有量/重合性化合物の含有量、以下、本段落において、単に「質量比」という。)は、特に制限されないが、0.0001〜2.5が好ましい。
なかでも、質量比が0.001以上、1.0未満であると、上記転写フィルムの製造方法により得られる転写フィルムはより優れたハードコート性(鉛筆硬度)を有する。
(III)その他の成分
上記硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を奏する限りにおいて、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、重合開始剤、溶剤、重合性基を含有しない熱可塑性樹脂、微粒子、及び、界面活性剤等が挙げられる。以下では、上記各成分について説明する。
・重合開始剤
上記硬化性樹脂組成物は重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、特に制限されず公知の重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、感光性を有するもの(いわゆる、光重合開始剤)が好ましい。光重合開始剤以外に、熱重合開始剤を用いることができ、これらを併用することもできる。
光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限されず、公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、紫外線領域から可視光領域に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、重合性化合物の種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、プロピオフェノン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、ベンジル類、ベンゾイン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類、及び、アシルホスフィンオキシド類等が挙げられる。
光重合開始剤の具体例、及び好ましい態様、市販品などは、特開2009−098658号公報の段落0133〜0151に記載されており、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製)等が挙げられる。
また、光重合開始剤は、光増感剤を混合して用いてもよい。光増感剤としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、及び、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記硬化性樹脂組成物中における重合開始剤の含有量としては、特に制限されないが、十分な硬化性を付与する点で、硬化性樹脂組成物の全固形に対して、0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
なお、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
・溶剤
上記硬化性樹脂組成物は溶剤を含有することが好ましい。
溶剤としては、硬化性樹脂組成物の各成分を溶解、又は、分散させることができれば特に制限されず、公知の溶剤を用いることができる。溶剤としては水、及び/又は、有機溶剤が挙げられ、有機溶剤を含有することが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、ブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−プチロラクトン、2−メトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸メチル、2−エトキシ酢酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1,2−ジアセトキシアセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物中における溶剤の含有量としては特に制限されないが、十分な膜厚の付与と均一塗布性を両立する点で、硬化性樹脂組成物は、固形分が、20〜80質量%となるよう、溶剤を含有するのが好ましく、固形分が40〜60質量%となるよう、溶剤を含有するのがより好ましい。
なお、溶剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
・重合性基を含有しない熱可塑性樹脂
上記硬化性樹脂組成物は、重合性基を含有しない熱可塑性樹脂を含有してもよい。
重合性基を含有しない熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」ともいう)は、上記(II)重合性基を含有するポリマーとは異なる成分である。
上記熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;酢酸ビニル系樹脂;ポリエチレングリコール等のポリエーテル系樹脂;ビニルエーテル系樹脂;ハロゲン含有樹脂;脂環式オレフィン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂;セルロース誘導体;シリコーン系樹脂;等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂は、かつ有機溶剤に可溶であることが好ましい。
特に、製膜性、透明性及び耐候性の観点から、スチレン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリエチレングリコール等のポリエーテル系樹脂;脂環式オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂;セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましく、ナイロン6,6、ポリエチレンテレフタレート、又は、ポリエチレングリコールがより好ましい。
なお、市販品としては、例えば、アクリベースMH−101−5(アクリル系樹脂、藤倉化成社製)等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物中における熱可塑性樹脂の含有量としては特に制限されないが、十分なハードコート性を確保する点で、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
なお、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の熱可塑性樹脂を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
・微粒子
微粒子としては、例えばシリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、及び、TiO2粒子等の無機微粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、及び、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂微粒子;等が挙げられる。
微粒子の平均粒子径としては、特に制限されないが、10μm以下が好ましい。平均粒子径0.2〜10μmの微粒子を含有する硬化性樹脂組成物により得られるハードコート層は、防眩機能(アンチグレア機能)を有する。
ここで平均粒子径とは、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均粒子径(平均一次粒子径)とする。本明細書における平均粒子径は、300個以上の粒子について投影面積を測定して、円相当径を求めて算出することができる。
無機微粒子としては、変性のしやすさから、シリカ微粒子を用いることより好ましい。
シリカ微粒子としては、四塩化ケイ素の燃焼によって製造される乾燥粉末状のシリカを用いることもできるが、二酸化ケイ素が溶媒中に分散したコロイダルシリカを用いることがより好ましい。特に制限されないが、具体的にはMEK−ST、MEK−ST−L、及び、MEK−ST−XL等の日産化学工業(株)製のスノーテックスシリーズ等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物中における微粒子の含有量としては特に制限されないが、硬化性樹脂組成物層の透明性を確保する点で、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、0〜5質量%が好ましく、0〜1質量%がより好ましい。
なお、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の微粒子を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
・界面活性剤
界面活性剤としては、特に制限されず、公知の界面活性剤を用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及び、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。 界面活性剤は、硬化性樹脂組成物の塗布性を向上する作用を有する。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0033段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0034段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0035段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0036段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、特開2015−184410号公報の0037段落に記載の界面活性剤が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
硬化性樹脂組成物中における界面活性剤の含有量としては、特に制限されないが、十分なハードコート性を確保する点で、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
なお、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の界面活性剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
硬化性樹脂組成物は、上記以外にも本発明の効果を奏する限りにおいて、他の成分を含有してもよい。上記他の成分としては重合禁止剤、紫外線吸収剤、及び、酸化防止剤等が挙げられる。
硬化性樹脂組成物は、上記の各成分を混合することによって調製することができる。混合する方法、及び、その順序については特に制限されない。例えば、上記溶剤に対して、各成分を溶解させる方法によって調整することができる。
〔工程b〕
工程bは硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程である。
硬化性樹脂組成物層を硬化させる方法としては特に制限されないが、例えば、加熱処理及び/又は露光処理が挙げられる。
露光処理としては、特に制限されないが、例えば、紫外線ランプにより10〜1000mJ/cmの照射量の紫外線を照射して塗膜を硬化する態様が挙げられる。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、及び、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
加熱処理の温度としては特に制限されないが、例えば、20〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
〔工程c〕
工程cは、ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程である。位相差層を形成する方法としては特に制限されないが、ハードコート層の表面上に、位相差層用組成物を塗布して位相差層用組成物層を形成し、位相差層用組成物層を硬化させ、位相差層を形成する工程c1であることが好ましい。
位相差層用組成物をハードコート層の表面上に塗布する方法としては特に制限されず、上記で硬化性樹脂組成物の塗布方法として説明した方法を用いることができる。
<位相差層用組成物>
位相差層用組成物は、重合性液晶化合物1を含有する。
位相差層用組成物は、重合性液晶化合物1以外の成分として、溶剤、重合開始剤、架橋剤、配向制御剤、及び、キラル剤等を含有してもよい。以下では、位相差層用組成物が含有する各成分について説明する。
(重合性液晶化合物1)
重合性液晶化合物1としては重合性基を含有する液晶化合物であれば特に制限されず、公知の重合性液晶化合物を用いることができる。
上記重合性基としては、例えば、上記重合性化合物が含有する重合性基として説明したものが挙げられる。
上記重合性基としては、エポキシ基、アジリジニル基、及び、エチレン性不飽和基等が挙げられ、エチレン性不飽和基がより好ましい。
なかでも、重合性液晶化合物1としては、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基(重合性基)を、一分子中に2個以上含有することが好ましい。重合性基の数の上限は特に制限されないが、一般に6個以下が好ましい。
重合性液晶化合物1としては、例えば、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586、WO95/24455、WO97/00600号公報、WO98/23580、WO98/52905、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び、特開2001−328973号公報等に記載の化合物が挙げられる。
重合性液晶化合物1としては、棒状ネマチック液晶化合物を用いることもできる。
棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、及び、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等が挙げられる。
重合性液晶化合物1の分子量としては特に制限されないが、一般に500〜1500が好ましい。上記分子量とは、化学構造式から計算することができる分子量を意図する。
重合性液晶化合物1の具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、重合性液晶化合物1は下記の具体例に制限されない。
また、重合性液晶化合物の他の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。



位相差層用組成物中の重合性液晶化合物1の含有量としては特に制限されないが、位相差層用組成物の全固形分に対して、80〜99.9質量%が好ましく、85〜99.5質量%がより好ましい。
なお、重合性液晶化合物1は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合性液晶化合物1を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。なお、2種類以上の重合性液晶化合物1を併用すると、後述する配向温度を低下させることができる。
(重合開始剤)
位相差層用組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、特に制限されず、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、上記硬化性樹脂組成物が含有する重合開始剤として説明したものと同様の重合開始剤が挙げられる。
また、重合開始剤としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
位相差層用組成物中の重合開始剤の含有量としては特に制限されないが、位相差層用組成物中の重合性液晶化合物1の含有量を100質量部としたとき、0.1〜10質量部が好ましい。
(架橋剤)
位相差層用組成物は、架橋剤を含有してもよい。架橋剤は、上記重合開始剤とは異なる成分である。
架橋剤は、位相差層用組成物を用いて得られる位相差層の機械的強度、及び、耐久性を向上する作用を有する。
架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤を用いることができる。
架橋剤としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物等が挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができる。
位相差層用組成物中における架橋剤の含有量としては、特に制限されないが、位相差層用組成物中の重合性液晶化合物1の含有量を100質量部としたとき、0.001〜20質量部が好ましい。
(配向制御剤)
位相差層用組成物は、配向制御剤を含有することが好ましい。
配向制御剤としては特に制限されず、公知の配向制御剤を用いることができる。
配向制御剤としては、例えば、特開2007−272185号公報の0018〜0043段落に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の0031〜0034段落に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物等が挙げられる。
配向制御剤の具体例を以下に示す。ただし、配向制御剤は以下の具体例に制限されない。
配向制御剤(1):

配向制御剤(2):
上記位相差層用組成物中における配向制御剤の含有量としては、特に制限されないが、位相差層用組成物中の重合性液晶化合物1の含有量を100質量部としたとき、0.1〜5質量部が好ましい。なお、配向制御剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の配向制御剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<位相差層の形成方法>
位相差層は、上記位相差層用組成物をハードコート層の表面上に塗布し、位相差層用組成物層を形成し、それを硬化させることで形成することができる。
位相差層用組成物層は、上記のとおり重合性液晶化合物を含有する。位相差層は、位相差層用組成物層中において、上記重合性液晶化合物を配向させ、その後、重合性液晶化合物を重合させて、配向状態を固定することにより得ることができる。
重合性液晶化合物を配向させる方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。重合性液晶化合物を配向させる方法としては、例えば、ハードコート層上に塗布された位相差層用組成物層を加熱して、一定時間保持する方法が挙げられる(以下「熟成」ともいう。)。
重合性液晶化合物を配向させる場合には、熟成の温度は50〜150℃が好ましく、熟成の時間は0.5〜3分が好ましい。
また、重合性液晶化合物をコレステリック配向させる場合には、熟成の温度は50〜150℃が好ましく、熟成の時間は0.5〜3分が好ましい。
上記により配向させた重合性液晶化合物を重合させることにより、配向状態を固定し、光学異方性を有する位相差層を得ることができる。重合方法としては、上記硬化性樹脂組成物の重合方法として説明した方法を用いることができる。
〔工程d〕
工程dはハードコート層の表面をラビング処理する工程である。
ラビング処理の方法としては制限されず、公知のラビング処理の方法を用いることができる。
ラビング処理の方法としては、例えば、ラビングローラーによるものが挙げられる。ラビングローラーを用いたラビング方法としては、例えば、特開2016−085424号公報の0161段落に記載された方法が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
上記の硬化性樹脂組成物を用いて形成されたハードコート層は、その表面(仮支持体とハードコート層との界面と反対側の界面)に配向膜領域を備える。従い、上記ハードコート層をラビングすることで、工程cにおいて形成される位相差層用組成物層中において、重合性液晶化合物を配向(例えば、ホモジニアス配向)させやすい。なお、本明細書において、ホモジニアス配向とは、重合性液晶化合物の分子の長軸と膜面(位相差層用組成物の膜面)が水平であることをいうが、厳密に水平であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が30度未満の配向を意味するものとする。
〔工程e〕
工程eは、位相差層の表面上に、円偏光反射層を形成する工程である。工程eとしては、例えば、円偏光反射層用組成物を塗布して円偏光反射層用組成物層を形成し、円偏光反射層用組成物層を硬化させ、円偏光反射層を形成する工程e1、及び、別途作製した円偏光反射層を位相差層の表面上に積層する工程e2が挙げられるが、工程e1が好ましい。
以下、工程e1について詳述する。
円偏光反射層用組成物は、重合性液晶化合物2と、キラル剤とを含有することが好ましい。
重合性液晶化合物2の定義は、上述した重合性液晶化合物1と同義である。
(キラル剤(光学活性化合物))
円偏光反射層用組成物はキラル剤を含有してもよい。円偏光反射層用組成物がキラル剤を含有すると、コレステリック液晶相の螺旋構造を誘起し、コレステリック液晶相が得られやすい。
キラル剤としては特に制限されず、公知のキラル剤を用いることができる。
公知のキラル剤としては、例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(Twisted Nematic)、STN(Super-twisted nematic display)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載された化合物、イソソルビド、及び、イソマンニド誘導体等を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物又は面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物、及び、面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、及び、これらの誘導体等が挙げられる。
キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤が重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、エチレン性不飽和基、エポキシ基、又は、アジリジニル基が好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ基、アゾキシ基、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。また、市販品としては、パリオカラーLC−756(BASF社製)等が挙げられる。
円偏光反射層用組成物中におけるキラル剤の含有量としては、特に制限されないが、円偏光反射層用組成物中の重合性液晶化合物2の含有量を100質量部としたとき、1〜15質量部が好ましい。
キラル剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のキラル剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
重合性化合物2の態様としては、上記の重合性化合物1の態様と同様である。重合性化合物2は、重合性化合物1と同じであっても、異なっていてもよい。
転写フィルムの製造方法が、工程eを含有する場合、工程cにおいて、位相差層を形成するための熟成の温度は30〜150℃、熟成の時間は0.5〜3分が好ましく、工程eにおいて、円偏光反射層を形成するための熟成の温度は30〜150℃が好ましく、0.5〜3分が好ましい。
また、円偏光反射層用組成物層の形成方法、及び、硬化方法の態様も、位相差層用組成物層の形成方法の態様と同様である。
転写フィルムの製造方法が、工程eを含有する場合、位相差層用組成物としては、重合性液晶化合物1を含有し、かつ、キラル剤を含有しないことが好ましく、円偏光反射層用組成物としては、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有することが好ましい。
上記の好適態様によれば、位相差層は、重合性液晶化合物がホモジニアス配向(例えば、ネマチック配向)して得られた液晶相を固定した層となりやすく、円偏光反射層は、重合性液晶化合物がコレステリック配向して得られた液晶相を固定した層となりやすい。
上記の好適態様によれば、円偏光反射層は、後述する選択反射層としての機能を有する。
なお、上記転写フィルムの製造方法においては、工程eを複数回繰り返す態様も好ましい。工程eを複数回繰り返す態様では、それぞれの円偏光反射層の形成に用いられる円偏光反射層用組成物は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
工程fは、転写フィルムをロール状に巻き取る工程である。
転写フィルムをロール状に巻き取る方法としては特に制限されないが、長尺の転写フィルムを、円筒状の巻芯に巻き回す態様が挙げられる。上記巻芯としては、特に制限されず、公知の巻芯を用いることができる。巻芯としては、例えば、特開2008−127191号公報の0025〜0039段落、及び、特開2016−029503号公報の0012〜0021段落等に記載された巻芯が挙げられ、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
また、巻芯に転写フィルムを巻き回す方法としては、例えば、特開2010−150041号公報の00016〜0036段落等に記載された方法が挙げられ上記の内用は本明細書に組み込まれる。
上記実施態様に係る転写フィルムの製造方法は上記の工程以外にも、本発明の効果を奏する範囲内において、その他の工程を含有してもよい。その他の工程としては、例えば、接着剤層形成工程が挙げられる。
(接着剤層形成工程)
接着剤層形成工程は、位相差層、又は、円偏光反射層の表面上に接着剤層を形成する工程であって、例えば、以下の態様が挙げられる。
・工程c又は工程eの後であって、工程fの前に、位相差層、又は、円偏光反射層の表面上に接着剤層を形成する工程(工程AD1)
・工程fの後に、巻心から巻き出された転写フィルムの位相差層、又は、円偏光反射層の表面上に接着剤層を形成する工程(工程AD2)
上記工程AD1及び工程AD2において、接着剤層を形成する方法としては特に制限されないが、例えば、位相差層、又は、円偏光反射層の表面上に接着剤層用組成物を塗布する(少なくとも一部に塗布すればよく、全面に塗布してもよい)方法が挙げられる。なお、接着剤層の形成方法としては、硬化性樹脂組成物層の形成方法として説明した態様が挙げられる。なお、上記の方法により形成した接着剤層の表面には更に、剥離材を貼り合わせてもよい。剥離材としては特に制限されないが、その態様としては、仮支持体として説明した態様が挙げられる。
また、接着剤層を形成する方法としては、剥離材と、接着剤層と、をこの順に備える接着フィルムの接着剤層を、位相差層、又は、円偏光反射層の表面に貼り合わせる方法も挙げられる。
上記接着剤層の膜厚としては特に制限されないが、一般的に1〜10μmが好ましい。
接着剤層は接着剤を含有する。接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、及び、硬化の不要な感圧接着タイプ等があり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、及び、ポリビニルブチラール系等の化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
・接着剤層用組成物
接着剤層用組成物としては、特に制限されず公知の接着剤層用組成物を用いることができる。接着剤層用組成物としては、例えば、重合性基を含有する接着剤層用化合物と、溶剤と、重合開始剤と、配向制御剤と、を含有する態様が挙げられる。
重合性基を含有する接着剤層用化合物としては特に制限されないが、光学的な透明性の観点から、アクリレート系、ウレタンアクリレート系、又は、エポキシアクリレート系の化合物が好ましい。
重合開始剤、溶剤、及び、配向制御剤については、既に説明した態様と同様である。
[転写フィルム]
本発明の他の実施態様に係る転写フィルムは、以下の(1)〜(3)の層をこの順番に備える。
(1)仮支持体
(2)仮支持体の一方の表面上に設けられたハードコート層
(3)ハードコート層の表面上に設けられた位相差層
更に、ハードコート層は、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたハードコート層である。なお、以下では、(2)と(3)をあわせて光学積層体ともいう。
なお、位相差層は、複数層配置されていてもよい。
(好適態様)
また、上記転写フィルムの好ましい態様として以下の(1)〜(4)の層をこの順に備える転写フィルムが挙げられる。
(1)仮支持体
(2)仮支持体の少なくとも一方の表面上に設けられたハードコート層
(3)ハードコート層の表面上に設けられた位相差層
(4)位相差層の表面上に設けられた円偏光反射層
また、(4)位相差層の表面上に、更に円偏光反射層を複数積層した転写フィルムであってもよい。
なお、(3)と(4)との間、(4)と(4)との間には、接着剤層を備えてもよい。
上記転写フィルムは、最も外側の円偏光反射層上に更に、接着剤層、又は、接着剤層及び剥離材を備える態様であってもよい。
すなわち転写フィルムの具体的な構成としては、以下の態様が挙げられる。なお、転写フィルムとしては、以下の態様に限定されない。なお、本段落において「/」は層の境界を表し、「/」で区切られた前後の層は互いに直接、接している。
・仮支持体/ハードコート層/位相差層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/接着剤層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/接着剤層/剥離材
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/接着剤層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/接着剤層/剥離材
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/円偏光反射層(複数の円偏光反射層の積層体であってもよい)
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/円偏光反射層(複数の円偏光反射層の積層体であってもよい)/接着剤層
・仮支持体/ハードコート層/位相差層/円偏光反射層/円偏光反射層(複数の円偏光反射層の積層体であってもよい)/接着剤層/剥離材
仮支持体、ハードコート層、位相差層、及び円偏光反射層の製造方法については既に説明したとおりである。
<ハードコート層>
ハードコート層を形成する材料(硬化性樹脂組成物)は上記で説明した内容と同一である、ハードコート層の形成方法も上記で説明した内容と同一である。
ハードコート層の膜厚としては特に制限されないが、十分なハードコート性能を確保する点で、2〜10μmが好ましい。
また、ハードコート層は、耐傷性を有していることが好ましく、硬度としては特に制限されないが、JIS(Japanese Industrial Standards) K−5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることが好ましい。
<位相差層>
位相差層の波長550nmにおける面内方向のリタデーションReとしては、十分な可視光透明性を確保する点で、40〜280nmであることが好ましい。
ここで、波長550nmにおける面内方向のリタデーションReとは、Re=(nx−ny)×dで表される式により求めることができる。nxは光学異方層の面内遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内進相軸方向の屈折率を表し、nzは厚み方向の屈折率を表し、dは膜厚を表す。
なお、位相差層の膜厚dとしては100nm〜7μmが好ましい。
位相差層としては、例えば、1/4波長板として機能する1/4波長層(以下、単に「1/4波長板」ともいう。)が挙げられる。
1/4波長板の例としては、一層型の1/4波長板、1/4波長板と1/2波長板とを積層した広帯域1/4波長板などが挙げられる。
前者の1/4波長板の正面位相差は画像表示装置(上記光学積層体を画像表示装置に貼付して用いる場合)の発光波長の1/4の長さであればよい。それゆえに例えば画像表示装置の発光波長が450nm、530nm、640nmの場合は、450nmの波長で112.5nm±10nm、好ましくは、112.5nm±5nm、より好ましくは112.5nm、530nmの波長で132.5nm±10nm、好ましくは、132.5nm±5nm、より好ましくは132.5nm、640nmの波長で160nm±10nm、好ましくは、160nm±5nm、より好ましくは160nmの位相差であるような逆分散性の位相差層が1/4波長板として最も好ましいが、位相差の波長分散性の小さい位相差板及び/又は順分散性の位相差板も用いることができる。なお、逆分散性とは長波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味し、順分散性とは短波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味する。
積層型の1/4波長板は、1/4波長板の遅相軸と1/2波長板の遅相軸とのなす角が60°となるように貼り合わせ、1/2波長板側を直線偏光の入射側に配置して、且つ1/2波長板の遅相軸を入射直線偏光の偏光面に対して15°又は75°に交差して使用するもので、位相差の逆分散性が良好なため好適に用いることができる。
本明細書において、位相差は正面レターデーションを意味する。位相差はAXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanを用いて測定することができる。
<円偏光反射層>
円偏光反射層は、可視光領域で選択反射を示すコレステリック液晶層を少なくとも1層含むことが好ましい。なお、本明細書において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を固定した層を意味する。
円偏光反射層は2層以上のコレステリック液晶層を含んでいてもよく、配向層などの他の層を含んでいてもよい。円偏光反射層はコレステリック液晶層のみからなることが好ましい。また、円偏光反射層が複数のコレステリック液晶層を含むときは、それらは隣接するコレステリック液晶層と直接接していることが好ましい。円偏光反射層は、3層、4層など、3層以上のコレステリック液晶層を含んでいることが好ましい。
円偏光反射層の膜厚は、2.0〜300μmが好ましく、8.0〜200μmがより好ましい。
コレステリック液晶相は、特定の波長域において右円偏光及び左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射させるとともに他方のセンスの円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。本明細書において、円偏光選択反射を単に選択反射ということもある。
なお、本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、又は、左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また、外場若しくは外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶層の選択反射の中心波長λは、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。なお、本明細書において、コレステリック液晶層が有する選択反射の中心波長λは、コレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。なお、本明細書において、選択反射の中心波長はコレステリック液晶層の法線方向から測定した時の中心波長を意味する。
上記式から分かるように、螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射の中心波長を調整できる。n値とP値を調節して、所望の波長の光に対して右円偏光及び左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節することができる。
コレステリック液晶相のピッチは重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、又は、その添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、及び「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
選択反射を示す選択反射帯の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
選択反射の中心波長が同一の1種のコレステリック液晶層の形成のために、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層してもよい。周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することによっては、特定の波長で円偏光選択性を高くすることができる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[仮支持体の準備]
膜厚50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを準備し、仮支持体とした。
[硬化性樹脂組成物HC−1の調製]
硬化性樹脂組成物HC−1(硬化性樹脂組成物に該当する。)は、表2に記載の成分を混合して得た。なお、硬化性樹脂組成物HC−1の固形分濃度が50質量%になるよう、MEK(メチルエチルケトン)/シクロヘキサノン=95/5(質量/質量)溶液で希釈した。
なお、表2中のポリマー欄の記号(P−3)は、上述した表1に示すポリマーの例示中のP−3に対応する。
[位相差層用組成物R−1の調製]
位相差層用組成物R−1(位相差層用組成物に該当する。)は、表3に記載の成分を混合して得た。なお、位相差層用組成物R−1の固形分濃度が21質量%になるよう、MEK/シクロヘキサノン=95/5溶液で希釈した。
なお、表3中の重合性液晶化合物1欄の記号は、上述した重合性液晶化合物の例示中の記号に対応する。
[円偏光反射層用組成物CP−1の調製]
円偏光反射層用組成物CP−1(円偏光反射層用組成物に該当する。)は、表4に記載の成分を混合して得た。なお、円偏光反射層用組成物CP−1の固形分濃度が28質量%になるよう、MEK/シクロヘキサノン=95/5溶液で希釈した。
[接着剤層用組成物AD−1の調製]
接着剤層用組成物AD−1(接着剤層用組成物に該当する。)は、表5に記載の成分を混合して得た。なお、接着剤層用組成物AD−1の固形分濃度が30質量%になるよう、MEK/シクロヘキサノン=95/5溶液で希釈した。

なお、表中の各略号は、以下の成分を表す。
・A−TMPT(新中村化学工業社製、トリメチロールプロパントリアクリレート)
・GH−1203(新中村化学工業社製、アクリレートポリマー)
[実施例1]
〔ハードコート層の形成〕
仮支持体(PETフィルム)をガラス基板に固定し、スピンコーターを用いて、仮支持体上に硬化性樹脂組成物HC−1を800rpmで10秒間塗工して、硬化性樹脂組成物層付き仮支持体を得た。続いて、上記硬化性樹脂組成物層付き仮支持体を70℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた後、空気下で高圧水銀灯を用いて30mJ/cmの光量でUV(ultraviolet)照射したところ、厚さ5.1μmのハードコート層を得た。続いて、得られたハードコート層に対してラビング装置でラビングを行い、仮支持体の表面上に形成されたラビング処理済みハードコート層HC−1を得た。
〔位相差層R−1:位相差層の形成〕
上記で得たハードコート層HC−1を仮支持体ごとガラス基板に固定し、スピンコーターを用いて、ハードコート層HC−1上に位相差層用組成物R−1を4000rpmで10秒間塗工して、ハードコート層HC−1の表面上に位相差層用組成物層R−1を形成した(以下、本段落で「積層体」という。)。続いて、上記積層体を、80℃のホットプレート上で30秒間乾燥させた後、酸素濃度300ppm以下の窒素雰囲気下にて、高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの光量でUV(ultraviolet)照射し、仮支持体と、ハードコート層HC−1と、位相差層R−1とをこの順に備える転写フィルム1を得た。
〔円偏光反射層CP−1:円偏光反射層の形成〕
上記で得た転写フィルム1をガラス基板に固定し、スピンコーターを用いて、位相差層R−1上に円偏光反射層用組成物CP−1を500rpmで10秒間塗工して、位相差層R−1の表面上に円偏光反射層用組成物層CP−1を形成した(以下、本段落で「積層体」という。)。続いて、上記積層体を、85℃のホットプレート上で60秒間乾燥させた後、空気下で高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの光量でUV(ultraviolet)照射し、仮支持体と、ハードコート層HC−1と、位相差層R−1と、円偏光反射層CP−1とをこの順に備える転写フィルム2を得た。
<転写フィルム2のアクリル板への転写>
上記で得た転写フィルム2をガラス基板に固定し、スピンコーターを用いて、円偏光反射層CP−1上に接着剤層用組成物AD−1を1000rpmで10秒間塗工した。また、厚さ1mmのアクリル板上に接着剤層用組成物AD−1を1000rpmで10秒間塗工した。
接着剤層用組成物AD−1が塗工された転写フィルム2、及び、接着剤層用組成物AD−1が塗工されたアクリル板をともに60℃のホットプレート上で60秒間乾燥させ、両者の接着剤層用組成物AD−1塗布面を重ね合わせ、ローラーを用いて貼り合わせて貼合体を得た。この貼合体を、85℃のホットプレート上で30秒間加熱した後、酸素濃度300ppm以下の窒素雰囲気下にて、高圧水銀灯を用いて300mJ/cmの光量でUV照射した。サンプルを室温まで冷却した後、ピンセットを用いて最表面の仮支持体をはがし、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。
〔配向状態の評価〕
<配向状態:位相差層>
上記で作製した転写フィルム1の表面を偏光顕微鏡で確認し、位相差層R−1においてネマチック配向が観察されるかを調べた。結果は以下の基準により評価し、評価結果を表6に示した。なお、実用上B以上が好ましい。
A:均一なネマチック配向が観察された。
B:ネマチック配向中に欠陥の発生が観察された。
C:無配向状態だった。
<配向状態:円偏光反射層>
上記で作製した転写フィルム2の表面を偏光顕微鏡で確認し、円偏光反射層CP−1においてコレステリック配向が観察されるかを調べた。結果は以下の基準により評価し、評価結果を表6に示した。なお、実用上B以上が好ましい。
A:均一なコレステリック配向が観察された。
B:コレステリック配向中に欠陥の発生が観察された。
C:無配向状態だった。(円偏光反射が確認できなかった。)
〔鉛筆硬度〕
転写フィルム2のアクリル板への転写体について、JIS K−5400に従う鉛筆硬度試験を行った。結果を表6に示した。
表6に示した成分を用いた以外は実施例1と同様にして、表6に示した各実施例に係る転写フィルム1、転写フィルム2、及び、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。上記について、実施例1と同様の評価を行った結果を表6に示した。
なお、後述する表6中のポリマー欄の記号は、上述した表1に示すポリマーの例示中の記号に対応する。
[比較例1]
実施例1のハードコート層中の配向膜成分を、n−ブチルメタクリレートのホモポリマー(P−20、Mw=25,000)に変更した以外は実施例1と同様にして転写フィルム1、転写フィルム2、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。上記について、実施例1と同様の評価を行った結果を表6に示した。
[比較例2]
実施例1のハードコート層中の配向膜成分を、n−ブチルアクリレートのホモポリマー(P−21、Mw=25,000)に変更した以外は実施例1と同様にして転写フィルム1、転写フィルム2、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。上記について、実施例1と同様の評価を行った結果を表6に示した。
[比較例3]
実施例1のハードコート層中の配向膜成分を、アクリベースMH−101−5(藤倉化成社製、Mw=200,000)に変更した以外は実施例1と同様にして転写フィルム1、転写フィルム2、転写フィルム2のアクリル板への転写体を得た。上記について、実施例1と同様の評価を行った結果を表6に示した。
なお、アクリベースMH−101−5には、重合性基が含まれない。
表6に示した結果から、硬化性樹脂組成物が、モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有する、実施例1〜7の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムは優れた配向状態を有する位相差層を備えていた。一方、比較例1〜3の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムは所望の効果を有していなかった。
ポリマーの重量平均分子量が20000超である、実施例4の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムは、実施例5の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムと比較して、より優れた配向状態を有する位相差層を備えていた。
ΔSP値が1.3超である実施例2の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムは、実施例6の転写フィルムの製造方法により得られた転写フィルムと比較して、ポリマーの分子量が同じ場合、より優れた配向状態を有する位相差層を備えていた。これは、ΔSP値が1.3超である場合、重合性基を含有するポリマーが硬化性樹脂組成物層の上層領域により偏在化しやすいためと推測される。

Claims (26)

  1. 仮支持体の一方の表面上に、硬化性樹脂組成物を塗布して硬化性樹脂組成物層を形成する工程aと、
    前記硬化性樹脂組成物層を硬化させ、ハードコート層を形成する工程bと、
    前記ハードコート層の表面上に、位相差層を形成する工程cと、を含有し、
    前記硬化性樹脂組成物が、
    モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、
    重合性基を含有するポリマーと、
    を含有する、転写フィルムの製造方法。
  2. 前記重合性化合物が、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、請求項1に記載の転写フィルムの製造方法。
  3. 前記重合性化合物が、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、
    前記重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の転写フィルムの製造方法。
  4. 前記ポリマーが、式(1)で表される繰り返し単位を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。

    式(1)中、Rは水素原子、又は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Pはエチレン性不飽和基を含有する1価の基を表し、Lは単結合、又は、2価の連結基を表す。
  5. 前記式(1)で表される繰り返し単位中、Rが水素原子、又は、メチル基であり、
    がアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含有する1価の基であり、
    が−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基である、請求項4に記載の転写フィルムの製造方法。
    なお、*は主鎖に連結する位置を表す。
  6. 前記ポリマーの重量平均分子量が20000超である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
  7. 式(2)により求められるΔSPが1.3超である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
    式(2) ΔSP=δa(M)−δa(P)
    式(2)中、δa(M)は、前記重合性化合物の3次元溶解度パラメータにおける非分散力成分を表し、
    式(2)中、δa(P)は、前記ポリマーの3次元溶解度パラメータにおける非分散力成分を表す。
  8. 前記工程bと前記工程cの間に、更に、前記ハードコート層の表面をラビング処理する工程dを含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
  9. 前記工程cが、
    前記ハードコート層の表面上に、位相差層用組成物を塗布して位相差層用組成物層を形成する工程と、
    前記位相差層用組成物層を硬化させ、位相差層を形成する工程と、
    を含有し、
    前記位相差層用組成物が、重合性液晶化合物1を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
  10. 前記重合性液晶化合物1が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、一分子中に2個以上含有する、請求項9に記載の転写フィルムの製造方法。
  11. 前記位相差層の表面上に、円偏光反射層を形成する工程eを更に含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
  12. 前記工程eが、円偏光反射層用組成物を塗布して円偏光反射層用組成物層を形成し、前記円偏光反射層用組成物層を硬化させ、円偏光反射層を形成する工程であり、
    前記円偏光反射層用組成物が、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有し、
    前記重合性液晶化合物2が、一分子中にアクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、2個以上含有する、請求項11に記載の転写フィルムの製造方法。
  13. 更に、前記工程cの後に、前記転写フィルムをロール状に巻き取る工程fを含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の転写フィルムの製造方法。
  14. 更に、前記工程eの後に、前記転写フィルムをロール状に巻き取る工程fを含有する、請求項11又は12に記載の転写フィルムの製造方法。
  15. 仮支持体と、
    前記仮支持体の一方の表面上に設けられたハードコート層と、
    前記ハードコート層の表面上に設けられた位相差層と、をこの順に備え、
    前記ハードコート層は、
    モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、
    重合性基を含有するポリマーと、を含有する硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたハードコート層である、転写フィルム。
  16. 前記重合性化合物が、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、請求項15に記載の転写フィルム。
  17. 前記重合性化合物が、1分子中に4個以上の重合性基を含有し、かつ、重量平均分子量が10000以下であり、
    前記重合性基が、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項16に記載の転写フィルム。
  18. 前記ポリマーが、式(1)で表される繰り返し単位を含有する、請求項15〜17のいずれか一項に記載の転写フィルム。

    式(1)中、Rは水素原子、又は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Pはエチレン性不飽和基を含有する1価の基を表し、Lは単結合、又は、2価の連結基を表す。
  19. 前記式(1)で表される繰り返し単位中、Rが水素原子、又は、メチル基であり、
    がアクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基、及び、スチリル基からなる群から選ばれる基を含む1価の基であり、
    が−O−、アルキレン基、アリーレン基、*−C(=O)O−、*−C(=O)NH−、*−OC(=O)−、*−NHC(=O)−、及び、これらを組み合わせた基である、請求項18に記載の転写フィルム。
    なお、*は主鎖に連結する位置を表す。
  20. 前記ポリマーの重量平均分子量が20000超である、請求項15〜19のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  21. 式(2)により求められるΔSPが1.3超である、請求項15〜20のいずれか一項に記載の転写フィルム。
    式(2) ΔSP=δa(M)−δa(P)
    式(2)中、δa(M)は、前記重合性化合物の3次元溶解度パラメータにおける非分散力成分を表し、
    式(2)中、δa(P)は、前記ポリマーの3次元溶解度パラメータにおける非分散力成分を表す。
  22. 前記位相差層が、重合性液晶化合物1を含有する位相差層用組成物を硬化させて得られた位相差層であって、
    前記重合性液晶化合物1は、アクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、一分子中に2個以上含有する、請求項15〜21のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  23. 前記位相差層の表面上に、円偏光反射層を備える、請求項15〜22のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  24. 前記円偏光反射層が、円偏光反射層用組成物を硬化させて得られ、
    前記円偏光反射層用組成物は、重合性液晶化合物2と、キラル剤と、を含有し、
    前記重合性液晶化合物2は、一分子中にアクリロイル基、及び、メタクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種の基を、2個以上含有する、請求項23に記載の転写フィルム。
  25. 巻芯と、前記巻芯にロール状に巻き取られた、請求項15〜24のいずれか一項に記載の転写フィルムと、を含有する、転写フィルムロール。
  26. モノマー、及び、オリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種の重合性化合物と、重合性基を含有するポリマーと、を含有し、
    前記重合性化合物は、非液晶性であり、かつ、1分子中に3個以上の重合性基を含有する、硬化性樹脂組成物。
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