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JP2018006512A - 半導体装置及び移動体 - Google Patents

半導体装置及び移動体 Download PDF

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JP2018006512A
JP2018006512A JP2016130049A JP2016130049A JP2018006512A JP 2018006512 A JP2018006512 A JP 2018006512A JP 2016130049 A JP2016130049 A JP 2016130049A JP 2016130049 A JP2016130049 A JP 2016130049A JP 2018006512 A JP2018006512 A JP 2018006512A
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高彰 宮崎
Takaaki Miyazaki
高彰 宮崎
中村 真人
Masato Nakamura
真人 中村
靖 池田
Yasushi Ikeda
靖 池田
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Hitachi Ltd
Hitachi Power Semiconductor Device Ltd
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Abstract

【課題】接合部の信頼性が高い半導体装置を提供する。【解決手段】第2の基板3と、第2の基板3に第2の接合部材2を介して接続される半導体素子1と、を有する半導体装置20であって、第2の基板3は、半導体素子1に向かって凸または凹となる形状の曲面部3dを有し、第2の接合部材2の半導体素子1と対向する第1の面2aが、半導体素子1の第2の接合部材2と対向する底面1bに倣う形状であり、第2の接合部材2の第1の面2aと反対側の第2の基板3と対向する第2の面2bが、曲面部3dに倣う形状である。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置及び移動体に関する。
近年、高温動作が可能な半導体装置(例えばパワー半導体モジュール)の需要が高まっている。そこで、高温動作が可能で、かつ機器の小型軽量化が可能なSiC(炭化シリコン)やGaN(窒化ガリウム)等のワイドギャップ半導体の開発が推し進められている。一般的にSi(シリコン)の半導体素子は動作温度の上限が150〜175℃であるのに対し、SiCの半導体素子は175℃以上での使用が可能である。
半導体装置の多くは、半導体素子と絶縁基板、もしくは絶縁基板と金属放熱板がはんだ等で接合された構造となっている。
例えば、特許文献1には、金属回路板側に凹状に反っているときのセラミックス回路基板の反り量を正(+)の反り量とすると、セラミックス回路基板を350℃に加熱したときの反り量が−0.1〜+0.3mmであるセラミックス回路基板を用いたパワーモジュールが開示されている。そして、パワーモジュールのアセンブリ工程では、半田付けを行うことが記載されている。
また、特許文献2には、セラミックス基板をヒートシンクに半田リフローで接合する際に、セラミックス基板が金属放熱板側に凸形状に反っているパワーモジュールが開示されている。
特開2003―273289号公報 特開2006―245437号公報
しかし、使用温度が高温になると、半導体装置(パワー半導体モジュール)に使用される接合材についても175℃以上の耐熱性が要求される。このため、175℃以上の高温にも耐え得る高融点接合材の開発が進められている。
また、高耐熱な接合材として、微小金属粉末を利用した焼結接合が注目されている。焼結接合は、微小金属粉末を溶剤と混合して加熱することで微小金属粉末の融点以下の温度で接合するものである。そして、接合後は、接合温度では溶融しないため、高耐熱な接合部が低温で形成可能である。
しかし、焼結接合では微小金属粉末の融点以下の温度で接合を行うため、接合中に液相は生じない。このため、焼結接合中に加圧を行い接合材と被接合部材を密着させる必要があるがこの点について特許文献1,2では考慮されていない。また、加圧中に部材が破壊されることがあるがこの点も考慮されていない。また、接合中に加圧を行う場合、はんだなどを用いた接合プロセスと比較してプロセスコストが増加するがこの点も考慮されていない。そこで本発明の目的は、接合部の信頼性が高い半導体装置を提供することにある。
本発明の上記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態による半導体装置は、基板と、基板に接合部材を介して接続される半導体素子と、を有し、基板は、半導体素子に向かって凸または凹となる形状の曲面部を有し、接合部材の半導体素子と対向する第1の面が、半導体素子の接合部材と対向する主面に倣う形状であり、接合部材の第1の面と反対側の基板と対向する第2の面が、曲面部に倣う形状である。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、接合部の信頼性が高い半導体装置を提供することができる。
本実施の形態に係る半導体装置の構成の一例を示す平面図である。 本実施の形態に係る半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 焼結接合による接合状態を説明する図であり、良好な接合状態を示す図である。 焼結接合による接合状態を説明する図であり、良好ではない接合状態を示す図である。 本実施の形態に係る半導体装置の製造方法に係るフローチャートを示す図である。 第2の基板の変形形状と焼結接合の接合状態との関係を示す図である。 本実施の形態に係る鉄道車両の一例を示す部分側面図である、 本実施の形態に係る鉄道車両に設置されたインバータの内部構造の一例を示す平面図である。 本実施の形態に係る自動車の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲等についても同様である。
(実施の形態1)
[半導体装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る半導体装置の構成の一例を示す平面図である。図2は、本実施の形態に係る半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
半導体装置20は、例えばインバータ等の電源装置に用いられるパワー半導体モジュールである。半導体装置20は、図1に示すように、例えば複数の半導体素子1を備えている。それぞれの半導体素子1は、図1、図2に示すように、後述する第2の基板(基板)3に形成された第2の金属層32上に配置され、複数の半導体素子1は、第2の金属層32の延在方向(図示でX軸方向)に配置されている。
半導体装置20は、図2に示すように、第2の基板3と、基板に第2の接合部材2を介して接続される半導体素子1と、を備えている。また、半導体装置20は、第2の基板3に第1の接合部材(他の接合部材)5を介して接続される第1の基板(他の基板)4を有している。半導体装置20は、図2に示すように、第1の基板4、第2の基板3、半導体素子1等が積層されて構成されている。以下で、半導体装置20の構造について説明する。
半導体素子1は、例えば、Si(ケイ素)、SiC(炭化シリコン)、GaN(窒化ガリウム)等で構成される。特に、SiC(炭化シリコン)、GaN(窒化ガリウム)は、175℃以上の高温で使用することができる。半導体素子1の表面1aには、図示しない回路素子等が形成されている。半導体素子1の回路素子は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)、Diode等であるが、これらに限定されるものではない。
半導体素子1は、第2の接合部材2を介して、第2の基板3と曲面部3dにおいて接続されている。半導体素子1の第2の接合部材2とは反対側の表面1aには、例えばゲート用の電極11、12が設けられている。電極11と、第2の基板3の第2の主面3bに形成された配線層33とは、ワイヤ6を介して電気的に接続されている。電極12と、第2の基板3の配線層34とは、ワイヤ7を介して電気的に接続されている。ワイヤ6、7は、例えばアルミニウム(Al)線または銅(Cu)線等で構成される。
端子9の一方の端部は、配線層34と接続されている。端子9の他方の端部は、例えば図2に示すように、後述するケース8の外部まで引き出されている。端子9は、例えば1つでもよいし、複数設けられてもよい。半導体素子1は、端子9を介して図示しない外部装置と電気的に接続されている。
ケース8は、図2に示すように、第1の基板4の周端部及び主面4aの外縁部と接し、第1の基板4の周縁部を取り囲むように設けられている。ケース8は、第1の基板4の主面4aから第2の基板3側に延在し、複数の半導体素子1、複数のワイヤ6、7、第2の基板3等を取り囲んでいる。第1の基板4の主面4a及びケース8で囲まれた領域には、例えば樹脂10が充填されている。このように、複数の半導体素子1、複数のワイヤ6、7、第2の基板3等は、樹脂10によって封止されている。樹脂10には、例えばゲル状の樹脂材を用いてもよい。
第2の基板3は、第2の主面3bに、半導体素子1に向かって凸または凹となる形状の曲面部3dを有している。また、第2の基板3は、曲面部3dを有する面としての第2の主面3bと反対側の面である第1の主面3aに、曲面部3dに対応する形状の曲面部(他の曲面部)3cを有している。なお、図2では、曲面部3dが、半導体素子1に向かって凹形状となっている場合が示されている。
第2の基板3は、半導体素子1を支持する支持基板である。また、第2の基板3は、半導体素子1で発生した熱を第1の基板4に熱伝導させることにより、半導体素子1の放熱を促進させる放熱基板としても機能する。第2の基板3は、例えば、窒化珪素、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム等のセラミックスからなるセラミックス基板で構成されている。
第1の金属層31は、第2の基板3の第1の主面3aに形成されている。第2の金属層32及び半導体素子1と電気的に接続される配線層33、34は、第2の基板3の第2の主面3bに形成されている。したがって、第2の基板3は、第2の金属層32を介して第2の接合部材(接合部材)2と接続され、第1の金属層31を介して第1の接合部材(他の接合部材)5と接続されている。第1の金属層31が設けられていることにより、第2の基板3と第1の基板4とが容易に接続される。また、第2の金属層32が設けられていることにより、半導体素子1と第2の基板3とが容易に接続される。
第1の金属層31は、第2の基板3の第1の主面3aの略全面に形成されている。例えば、第1の金属層31は、第2の基板3の第1の主面3aにおける周縁部を除いた領域に形成されている。第2の金属層32は、例えば図1に示すようにX軸方向に延在し、第2の基板3の曲面部3dにおける、半導体素子1が接続される領域の略全面を覆うように形成されている。配線層33は、例えば図1に示すように、第2の金属層32のY軸の正側の領域で、第2の金属層32に沿うように、X軸方向に延在して形成されている。配線34は、例えば図1に示すように、第2の金属層32に対して配線層33と反対側のY軸の負側の領域で、第2の金属層32に沿うように、X軸方向に延在して形成されている。
第1の金属層31、第2の金属層32、配線層33、34は、例えば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)を主成分とする部材で構成されている。第1の金属層31の厚みは、例えば、第2の金属層32、配線層33、34の厚み以上であることが好ましい。例えば、第2の金属層32、配線層33、34の厚さは、0.2mm〜0.3mmである。また、第1の金属層31の厚さは、例えば0.3mm又はそれ以上である。
第2の基板3は、図2に示すように、第2の主面3bが凹形状となっている。これに対応して、第2の基板3は、第1の主面3aが凸形状となっている。すなわち、第2の基板3は、周縁部が第1の主面側から第2の主面側に向かって反った形状となっている。
第2の主面3bは一部が凹形状となってもよく、この場合は、少なくとも半導体素子1と第2の接合部材2が接続される部分が凹形状となるとよい。第2の接合部材2を接続する部分の接合面積を向上させるためである。
また、第2の主面3bが半導体素子1に対して凹形状であり、第2の主面3bに対向する第1の主面3aは、凸形状であり、これを凹形状に対応する形状とも呼ぶ。
第2の基板3がこのような形状となっているのは、以下の理由による。第1の金属層31は、第2の基板3の第1の主面3aの略全面に形成されている。これに対して、第2の基板3の第2の主面3bには、第2の金属層32、配線層33、34が形成されており、第1の金属層31が第2の基板3と接する面積が、第2の金属層32、配線層33、34が第2の基板3と接するそれぞれの面積の合計よりも大きい。
また、第1の金属層31の厚さは、第2の金属層32、配線層33、34の厚さ以上である。このため、第1の金属層31の熱膨張は、第2の金属層32、配線層33、34の熱膨張よりも大きい。そうすると、第2の基板3は、周縁部が第1の主面3a側から第2の主面3b側に向かって反り、第2の主面3bが凹形状となる。
第2の接合部材(接合部材)2は、第2の基板3と半導体素子1とを接続する部材である。詳しくは、第2の接合部材2は、第2の主面3bの凹んだ領域である曲面部3dにおいて、第2の金属層32を介して第2の基板3と半導体素子1とを接続する。第2の接合部材2は、第2の基板3と半導体素子1とを焼結接合により接続する際に形成された部材である。
第2の接合部材2は、金属粉末を焼結接合することにより形成された層である。焼結接合とは、金属粉末を溶剤と混合して加熱することで微小金属粉末の融点以下の温度で接合する接合方法である。金属粉末は、微小金属粉末ともいう。また、第2の接合部材2の金属粉末は、金属粒子やラグビーボールのような楕円形状、フレーク状の形状を含む概念である。このように、焼結接合により形成された第2の接合部材2は多孔質の金属で接合された多孔質構造体を有するため、多孔質接合層2とも呼ぶ。また、第2の接合部材2を単に第2の接合層2とも呼ぶ。
第2の接合部材2は、半導体素子1と対向する第1の面2aが、半導体素子1の第2の接合部材2と対向する底面(主面)1bに倣う形状であり、第1の面2aと反対側の第2の基板3と対向する第2の面2bが、曲面部3dに倣う形状である。すなわち、第2の接合部材2は、第1の面2aの形状が、半導体素子1の底面1bの形状(例えば平面)と略同様であり、第2の面2bの形状が、第2の基板3の第2の主面3bの曲面部3dの形状に合わせた凸形状となっている。
第2の接合部材2は、例えば、Ag(銀)、Ni(ニッケル)、Au(金)を主成分とするものや、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Au(金)を主成分とするものである。第2の接合部材2は、例えば、100℃〜400℃で焼結接合される際に形成される。したがって、焼結接合は、第2の接合部材2を構成する金属の融点以下の温度で実施される。そして、焼結接合がなされた後の第2の接合部材2は、焼結接合を実施した温度(例えば、100℃〜400℃)では溶融しない。本願明細書においては、第2の接合部材2の主成分とは、その部材が有する元素のうち、その多くを示す元素であることを意味する。例えば、主成分がAg(銀)、Ni(ニッケル)、Au(金)である場合には、第2の接合部材2は、おおよそこれらの元素により構成される。また、例えば、主成分がCu(銅)、Ni(ニッケル)、Au(金)である場合には、第2の接合部材2は、おおよそこれらの元素により構成される。
また、第2の接合部材2は、無加圧で形成される。これは、上述したように、第2の接合部材2は、焼結接合時に第2の基板3の第2の主面3bにおいて凹んだ領域である曲面部3dに形成されるからである。詳しくは、微小金属粉末を溶剤と混合して作製された焼結接合用ペーストを曲面部3d付近の第2の金属層32に塗布し、ペーストを塗布した領域に半導体素子1を搭載しても、曲面部3dが凹形状であり、焼結接合時における第2の基板3の変形にペーストが追従できるからである。
焼結接合により形成された第2の接合部材2は、多孔質(ポーラス)な構造を有している。例えば、微小金属粉末の融点以上の温度で接合を実施すると、接合中に液相が生じるので形成された接合部材は均一な層となる。しかし、金属の融点以下の温度で接合を行う焼結接合では液相が生じないので、形成された第2の接合部材2は多孔質となる。つまり、第2の接合部材2では、金属粉末または金属粒子間に空隙を有するということである。加圧により空隙を有していない場合であっても、本願明細書においては、このような多孔質金属を用いた接合層を、多孔質構造体と呼ぶ。このように、焼結接合により形成された第2の接合部材2は多孔質の金属で接合された多孔質構造体を有するため、多孔質接合層2とも呼ぶ。また、第2の接合部材2を単に第2の接合層2とも呼ぶ。
図3は、焼結接合による接合状態を説明する図であり、良好な接合状態を示す図である。図4は、焼結接合による接合状態を説明する図であり、良好ではない接合状態を示す図である。焼結接合では、形成される半導体素子1と第2の金属層32との接合面積が、半導体素子1の底面1bの面積の95%以上である状態を良好な接合状態であると定義する。このように定義したのは、未接合部が20%以下(接合面積が80%以上)であれば実施可能であるが、接合面積が95%以上であるとより密着性が高く放熱性が高いからである。
ここで、半導体素子1と第2の金属層32との接合面積とは、半導体素子1が第2の接合部材2と接合する面積、第2の金属層32が第2の接合部材2と接合する面積のいずれか小さい方の面積をいう。例えば、半導体素子1が第2の接合部材2と接合する面積が、第2の金属層32が第2の接合部材2と接合する面積よりも小さい場合には、半導体素子1が第2の接合部材2と接合する面積が、半導体素子1と第2の金属層32との接合面積である。これに対して、第2の金属層32が第2の接合部材2と接合する面積が、半導体素子1が第2の接合部材2と接合する面積よりも小さい場合には、第2の金属層32が第2の接合部材2と接合する面積が、半導体素子1と第2の金属層32との接合面積である。
例えば、図3に示すように、半導体素子1が、焼結接合時に第2の基板3の第2の主面3bの凹んだ領域である曲面部3dで第2の金属層32と接合される場合には、半導体素子1の端部が第2の金属層32(第2の基板3)側に接近することとなる。そうすると、焼結接合用ペーストは、第2の基板3の変形に追従できるので、半導体素子1は、端部まで第2の金属層32と接合が達成され、第2の金属層32と良好な接合状態となる。すなわち、焼結接合用ペーストは第2の基板3と半導体素子1との形状に倣う層構造となる。接合後の第2の接合部材2は、第1の面2aは半導体素子1に倣う面となり、第2の面2bは第2の金属層32に倣った形状となる。
これに対して、図4に示すように、半導体素子1が、焼結接合時に第2の基板3の第2の主面3bが凸形状となった領域で、すなわち、第2の基板3の第1の主面3aが凹んだ領域で第2の金属層32と接合される場合には、第2の基板3(第2の金属層32)は半導体素子1の端部から離れる方向に変形する。そうすると、焼結接合用ペーストが第2の基板3の変形に追従できず、半導体素子1の端部に未接合部が発生してしまい良好な接合状態が得られない。
第2の基板3の半導体素子1が配置される領域の反り変形は、第1の金属層31、第2の金属層32、配線層33、34の形状や厚みを変更することにより自由に調整させることが可能である。例えば、第1の金属層31、第2の金属層32、配線層33、34にCu(銅)を使用してそれぞれの厚みを0.3mmとすることで、100〜400℃において半導体素子1が配置される、第2の基板3の曲面部3dを凹形状とすることができる。
ところで、半導体素子1が焼結接合される領域における、一の半導体素子(半導体素子1)当りの第2の基板3の反り量は50μm以下であることが望ましい。また、焼結接合により形成される第2の接合部材2の厚みが、例えば50μm〜100μm程度であるとよい。第2の基板3の反り量がこれ以下の値であると、第2の基板3の変形に追従しやすくなるため、半導体素子1を第2の基板3に焼結接合した場合の信頼性を向上させることができるからである。
一の半導体素子1当たりの第2の基板3の反り量とは、半導体素子1と第2の基板3とが接合される領域において、半導体素子1の底面1aと第2の基板3の第2の主面3bとの間隔の最大値と、半導体素子1の底面1aと第2の基板3の第2の主面3bとの間隔の最小値との差をいう。図2、図3では、半導体素子1の中央付近において、半導体素子1の底面1aと第2の基板3の第2の主面3bとの間隔が最大となり、半導体素子1の端部において、半導体素子1の底面1aと第2の基板3の第2の主面3bとの間隔が最小となっている。したがって、本実施の形態では、半導体素子1の中央付近における、半導体素子1の底面1aと第2の基板3の第2の主面3bとの間隔と、半導体素子1の端部における半導体素子1の底面1aと第2の基板3の第2の主面3bとの間隔との差が、一の半導体素子1当たりの第2の基板3の反り量となる。
第1の基板4は、第2の基板3を支持する支持基板である。また、第1の基板4は、半導体素子1で発生した熱を半導体装置20の外部へ放熱させることにより、半導体素子1の放熱を促進させる放熱基板としても機能する。第1の基板4は、放熱性に優れた材質により構成されていることが好ましい。例えば、第1の基板4は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属を主成分(ベース)とする金属板等で構成されてもよいし、例えば、AlSiC等のような金属とセラミックスとを主成分とする複合材料(MMC:Metal Matrix Composites)等で構成されてもよい。
第1の接合部材(他の接合部材)5は、第1の基板(他の基板)4と第2の基板3とを接合させる。詳しくは、第1の接合部材5は、第1の基板4と、第2の基板3に形成された第1の金属層31とを接合することにより、第2の基板3と第1の基板4とを接合させる。このように、第2の基板3は、第1の金属層31と第1の接続部材5とを介して第1の基板4と接合されている。また、第1の接合部材5を単に第1の接合層5とも呼ぶ。
第1の接合部材5は、第2の基板(基板)3と対向する第1の面5aが、第2の基板3の曲面部3c(他の曲面部)を有する第1の主面3aに倣う形状であり、第1の面5aと反対側の第1の基板(他の基板)4と対向する第2の面5bが、第1の基板4の第1の接合部材5と対向する主面4aに倣う形状である。
半導体装置20は、例えば、自動車、鉄道、建機、情報機器等の分野において高耐熱性が要求される場合がある。このため、第1の接合層5は、例えば、175℃以上の温度にも耐え得るものが用いられることが好ましい。
第1の接合部材5は、例えば、Sn(スズ)を主成分とするはんだ合金、もしくはPb(鉛)を主成分とするはんだ合金を用いることができる。また、環境負荷低減のため、鉛フリーのはんだ合金を用いてもよい。本願明細書においては、主成分とはその部材が有する元素のうち最も多い元素であることを意味する。例えば、Sn−3Ag−0.5Cuであれば、Sn成分が主成分である。
はんだ合金として、例えば、Pb−Sn、Sn−Cu、Sn−Cu−Sn、Sn−Sb(アンチモン)、Sn−Ag−Cu等が用いられる。また、はんだ合金以外にも、Zn(亜鉛)−Al、Au(金)−Ge(ゲルマニウム)、Au−Si(ケイ素)等の合金、焼結銀(Ag)、焼結銅(Cu)等が用いられてもよい。
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施の形態に係る半導体装置20の製造方法について説明する。図5は、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法に係るフローチャートを示す図である。半導体装置20の製造方法は、図5に示すように、半導体素子焼結接合工程S10と、第2の基板接合工程S20と、を有する。
まず、半導体素子焼結接合工程S10について説明する。微小金属粉末と溶剤とを混合した焼結接合用のペーストを、第2の基板3の第2の主面3bが凹んだ領域における第2の金属層32に塗布する。焼結接合用ペーストを構成する溶剤は100℃以上の高沸点のものを使用する。これは、沸点以下であれば溶剤が揮発しないため被接合材(第2の基板3)の変形に追従できるからである。
そして、ペーストを塗布した領域に半導体素子1を搭載して、例えば100〜400℃に加熱する。これにより、ペースト内の溶剤を揮発させ、その後焼結が進み第2の接合部材2を形成させる。これにより、半導体素子1と第2の金属層32とを接合させ、半導体素子1と第2の基板3とを接合させる。
次に、第2の基板接合工程S20について説明する。まず、第1の基板4の主面4aに、はんだ等の接合材を配置する。そして、第1の金属層31と接合材とが接するように、半導体素子1が接合された第2の基板3を接合材上に配置する。
次に、接合材及び第2の基板3が配置された第1の基板4をリフロー炉に設置する。この時、リフロー炉の内部を、例えば300℃以上とすることで接合材を溶融させ、第2の基板3と第1の基板4とを接合させる。これにより、図2に示すモジュール構造における第2の基板3と第1の基板4とのはんだ接合を完了する。これらの工程S10、S20により、半導体装置20が組み立てられる。
ここでは、第2の基板3と第1の基板4とをはんだにより接合する場合について説明したが、例えば、上述の半導体素子焼結接合工程S10で説明したような、焼結接合により第2の基板3と第1の基板4とを接合してもよい。また、めっき工程により第2の基板3と第1の基板4とを接合するようにしてもよい。
本実施の形態によれば、第2の基板3は、半導体素子1に向かって凸または凹となる形状の曲面部3dを有し、第2の接合部材2の半導体素子1と対向する第1の面2aが、半導体素子1の第2の接合部材2と対向する底面1bに倣う形状であり、第2の接合部材2の第1の面2aと反対側の第2の基板3と対向する第2の面2bが、曲面部3dに倣う形状である。
この構成によれば、第2の接合部材2が、半導体素子1の底面1bの形状、第2の基板3の第2の主面3bの形状に合わせて形成されているので、接合面積を向上させ、半導体素子1で発生する熱を効率的に第1の基板4側へ熱伝導させることができ、接合部の信頼性が高い半導体装置が提供される。
また、本実施の形態によれば、第2の基板3は、曲面部3dを有する第2の主面3bと反対側の第1の主面3aに曲面部3dに対応する形状の曲面部3cを有し、第1の接合部材5の第2の基板3と対向する第1の面5aが、第2の基板3の曲面部3cを有する第1の主面3aに倣う形状であり、第1の接合部材5の第1の面5aと反対側の第1の基板4と対向する第2の面5bが、第1の基板4の第1の接合部材5と対向する主面4aに倣う形状である。
この構成によれば、第1の接合部材5が、第2の基板3の第1の主面3aの形状、第1の基板4の主面4aに合わせて形成されているので、接合面積を向上させ、半導体素子1で発生する熱を効率的に外部へ排出することができ、接合部の信頼性が高い半導体装置が提供される。
また、本実施の形態によれば、第2の基板3がセラミックス基板で構成されている。この構成によれば、セラミックスは熱伝導性に優れているので、半導体素子1で発生した熱を、より効率的に第1の基板4側へ熱伝導させることができ、放熱性に優れた半導体装置が提供される。
本実施の形態によれば、半導体素子1は、焼結接合時に第2の基板3の第2の主面3bの凹形状の曲面部3dにおいて、第2の接合部材2と第2の金属層32とを介して第2の基板3と接合されている。
この構成によれば、焼結接合時において、焼結接合用ペーストが第2の基板3の変形に追従できるので、無加圧で第2の接合部材2が形成される。これにより、第2の接合部材2を形成する際に加圧しないため、信頼性の高い半導体モジュールが提供される。なお、加圧する場合でも、従来の加圧量よりも小さな加圧量で焼結接合が実施できるようになる。また、加圧することによる半導体素子1等の部材の負荷が低減されるので、信頼性を向上させた半導体モジュールが提供される。
また、本実施の形態によれば、100℃〜400℃で第2の接合部材2が形成される。これにより、高耐熱な第2の接合部材2を低温で形成することが可能である。すなわち、第2の接合部材2を構成する金属の融点以下の低温で第2の接合部材2を形成することができる。
また、焼結接合中に液相が生じないので、多孔質な構造を有する第2の接合部材2を形成することができる。これにより、半導体装置20が高温状態となった場合でも、温度変化幅の増加に伴う疲労破壊に対しても、第2の接合部材2が変形しやすくなるため応力を緩和することができ、信頼性を向上させた半導体装置20が提供される。
また、本実施の形態によれば、第2の接合部材2が多孔質構造体を有する。この構成によれば、第2の接合層2の表面積を増大させることができる。これにより、第1の基板4側への熱伝導に加え、第2の接合部材2からの放熱を促進させることができるので、放熱性を向上させた信頼性の高い半導体装置20が提供される。
また、本実施の形態によれば、第2の接合部材2はAg、Ni、Auを主成分とする部材で構成されている。この構成によれば、焼結接合中に液相が生じないので、多孔質な構造を有する第2の接合部材2が形成される。これにより、放熱性を向上させた信頼性の高い半導体装置20が提供される。
また、本実施の形態によれば、第2の接合部材2は、Cu、Ni、Auを主成分とする部材で構成されている。この構成においても、焼結接合中に液相が生じないので、多孔質な構造を有する第2の接合部材2が形成される。これにより、放熱性を向上させた信頼性の高い半導体装置20が提供される。
また、本実施の形態によれば、第2の基板3の曲面部3cを有する第1の主面3aに形成された第1の金属層31と、第2の基板3の曲面部3dを有する第2の主面3bに形成された、第2の金属層32及び半導体素子1と電気的に接続される配線層33、34と、を有し、第2の基板3は、第2の金属層32を介して第2の接合部材2と接続され、第1の金属層31を介して第1の接合部材5と接続され、第1の金属層31、第2の金属層32及び配線層33、34はCuを主成分とする部材で構成されている。
この構成によれば、第2の接合部材2を介した第2の基板3と半導体素子1との接合、及び第1の接合部材5を介した第2の基板3と第1の基板4との接合が、容易に実施されるので、それぞれの接合部分の信頼性を向上させた半導体装置20が提供される。また、Cuは熱伝導性に優れているので、放熱性に優れた半導体装置20が提供される。また、第1の金属層31、第2の金属層32及び配線層33、34により、半導体装置20が高温となった場合における、第2の基板3の反り量が調節されるので、第2の基板3の第2の主面3bに凹形状の曲面部3dを形成し、半導体素子1との接合面積を向上させることができる。これにより、熱伝導性を向上させ、接合部の信頼性が高い半導体装置が提供される。
また、本実施の形態によれば、第1の金属層31、第2の金属層32、配線層33、34にCu(銅)を用いている。Cuは安価で容易に入手可能であることから、半導体装置20の製造コストの上昇を抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、第1の金属層31が第2の基板3の第1の主面3aの略全面に形成され、第1の金属層31の厚みが、第2の金属層32及び配線層33、34の厚み以上である。
この構成によれば、第1の金属層31の熱膨張が、第2の金属層32及び配線層33、34の熱膨張よりも大きいので、第2の基板3の第2の主面3bが凹形状にされる。これにより、焼結接合時において、焼結接合用ペーストが第2の基板3の変形に追従できるので、第2の基板3と半導体素子1との接合面積が向上する。また、これにより、半導体素子1は、端部まで第2の金属層32と接合が達成され、第2の金属層32と良好な接合状態となるので、放熱性に優れ、高耐熱性を有する高品質な半導体装置20が提供される。
また、本実施の形態によれば、半導体素子1が接続される領域における、一の半導体素子1当りの第2の基板3の反り量が50μm以下である。
この構成によれば、第2の基板3に反りが生じた場合でも、半導体素子1の底面1bの略全域に渡って焼結接合用ペーストが追従できるので、接合面積を低下させることなく第2の基板3と半導体素子1とが接合される。これにより、放熱性に優れ、高耐熱性を有する高品質な半導体装置20が提供される。また、これにより、加圧による焼結接合だけでなく低加圧、無加圧焼結接合も実現可能となるので、半導体素子1等の部材への負荷が抑えられ、それぞれの部品の信頼性が向上し、信頼性を向上させた半導体モジュールが提供される。また、これにより、製造プロセスからは、部品に与える負荷を小さくすることで部品自体の信頼性の向上を実現することができる。
[焼結接合の評価結果]
図6は、第2の基板の変形形状と焼結接合の接合状態との関係を示す図である。図6は、第2の基板3、第1の金属層31、第2の金属層32、配線層33、34の厚み、接合温度等の条件を変更した場合の第2の基板3の変形状態、接合状態を示している。
実施例1〜5は、図6に示すように、第1の金属層31の厚みが第2の金属層32、配線層33、34の厚みよりも大きい場合を示している。実施例1〜3は、第2の基板3、第1の金属層31、第2の金属層32、配線層33、34の厚みは同じであり、接合温度をそれぞれ異ならせている。焼結接合時における第2の基板3の変形状態はいずれも下に凸、すなわち第2の主面3bが凹んだ状態となっている。また、焼結接合は無加圧で実施している。このとき、いずれの場合も良好な接合状態が得られた。
また実施例4は、第2の基板3、第1の金属層31、第2の金属層32、配線層33、34の厚みは、実施例1〜3と同じであるが、焼結接合時に加圧を行っている場合を示している。焼結接合時における第2の基板3の変形状態は下に凸、すなわち第2の主面3bが凹んだ状態となっている。この場合にも、良好な接合状態が得られた。したがって、焼結接合時に加圧した場合にも、高耐熱性を有する高品質な半導体装置20を提供することができる。
実施例5は、第2の基板3、第1の金属層31、第2の金属層32、配線層33、34の厚みを、実施例1〜4の場合と異ならせた場合を示している。また、焼結接合は無加圧で実施している。焼結接合時における第2の基板3の変形状態は下に凸、すなわち第2の主面3bが凹んだ状態となっている。この場合にも、良好な接合状態が得られた。このように、焼結接合時における第2の基板3の変形状態は下に凸、すなわち第2の主面3bが凹んだ状態となっていれば、良好な接合状態が得られることがわかる。
比較例1〜2は、第1の金属層31の厚みを、第2の金属層32、配線層33、34の厚み以下とした場合を示している。焼結接合時における第2の基板3の変形状態は上に凸、すなわち第1の主面3aが凹んだ状態となっている。この場合には、良好な接合状態が得られなかった。すなわち、焼結接合時に、ペーストが半導体素子1と第2の基板3との密着を維持することができず、良好な接合状態は得られなかった。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した半導体装置20が搭載された、移動体としての鉄道車両について説明する。
図7は、本実施の形態に係る鉄道車両の一例を示す部分側面図である。図8は、本実施の形態に係る鉄道車両に設置されたインバータの内部構造の一例を示す平面図である。
鉄道車両121は、図7に示すように、車両本体126、集電装置であるパンタグラフ122、インバータ123等を備えている。パンタグラフ122は、例えば車両本体126の上部に設置されている。パンタグラフ122は、図示しない架線から鉄道車両121の運行に必要な電力を取り込む。
インバータ123は、車両本体126の下部に設置されている。インバータ123やヒートシンク125が外気に触れるよう配置するとよい。車両本体126の走行に合わせて、空冷が可能となる。インバータ123は、パンタグラフ122が取り込んだ電力を所定の電力に変換し鉄道車両121に供給する。インバータ123は、図8に示すように、複数の半導体装置20、ヒートシンク125、制御部124等を備えている。すなわち、半導体装置20は、鉄道車両121に設けられたインバータ123に搭載されている。半導体装置20は、例えば、パンタグラフ122が取り込んだ電力を所定の電力に変換する。ヒートシンク125は、複数の半導体装置20(パワーモジュール)を支持する支持部材である。また、ヒートシンク125は、半導体装置20を冷却する冷却部材としても機能する。制御部124は、インバータ123を構成する各部の制御を実施する。例えば、制御部124は、半導体装置20に対して、例えば鉄道車両121へ供給する電力供給量の制御等を実施する。
本実施の形態によれば、鉄道車両121において、図1に示すモジュールの接合構造が用いられた複数の半導体装置20(パワーモジュール)を搭載したインバータ123が設けられていることにより、インバータ123内が高温環境となった場合であっても、インバータ123およびそれが設けられた鉄道車両121の信頼性を高めることができる。すなわち、高温環境下での動作安定性と高電流負荷にも耐え得る半導体装置20およびこれを用いたインバータシステムを実現することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した半導体装置20が搭載された、移動体としての自動車について説明する。
図9は、本実施の形態に係る自動車の一例を示す斜視図である。自動車227は、図9に示すように、車両本体228、実装ユニット230、タイヤ等を備えている。実装ユニット230は、図示しないインバータを備えており、インバータは、図1、図2に示す半導体装置20を複数備えている。すなわち、半導体装置20は、自動車227に設けられたインバータに搭載されている。実装ユニット230は、例えば、エンジン制御ユニット等であり、例えばエンジンの近傍に配置されている。この場合には、実装ユニット230は、図1、図2に示す半導体素子1が発する熱及びエンジンが発する熱により高温環境下での使用となる。このため、半導体装置20は高温状態となる。
自動車227において、図2に示すモジュールの接合構造が用いられた複数の半導体装置20(パワーモジュール)を搭載したインバータが設けられていることにより、実装ユニット230が高温環境となった場合であっても、自動車227の信頼性を高めることができる。つまり自動車227においても、高温環境下での動作安定性と高電流負荷にも耐え得る半導体装置20およびこれを用いたインバータシステムを実現することができる。
また、実装ユニット230は、外気を取り込む構造であるとなおよい。この場合は、自動車227が移動する際に、外気を取り込むことができ、効果的に冷却ができる。さらに、実装ユニット230またはインバータに冷却器を設けた場合に、冷却器が外気と直接触れる構成とすることで、冷却効率はさらに向上する。
図2に示された半導体装置20(パワーモジュール)や半導体装置20を備えた交流発電機等は、上記適用例に記載した鉄道車両や自動車を代表とする移動体のみならず、移動体の一種としての建設機械やエレベータにも適用可能である。本願明細書においては、上記したように車輪等を動作させ自走する手段またはワイヤやモータ等を用いることで駆動する手段を有することで装置自体が移動するものを移動体という。
さらに、本願発明の半導体装置は、太陽光発電装置、太陽光発電モジュールや風力発電機、風力発電モジュール等の発電装置の分野にも適用することが可能である。また、ホイストやアクチュエータ、圧縮機等を代表とする産業機械の分野にも適用可能である。
また、無停電電源装置、メインフレームや汎用計算機等の計算機の分野にも適用可能である。その他、空調設備等においても、適用可能である。
上記した半導体装置を用いる分野の装置を総称してエレクトロニクス装置と呼ぶ。これらの例においても、本願発明の接合構造を用いることで、移動体やエレクトロニクス装置の信頼性が向上する。
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。なお、図面に記載した各部材や相対的なサイズは、本発明を分かりやすく説明するため簡素化・理想化しており、実装上はより複雑な形状となる場合がある。
1…半導体素子、2…第2の接合部材、3…第2の基板、4…第1の基板、
5…第1の接合部材、20…半導体装置、31…第1の金属層、32…第2の金属層、
33…配線層、34…配線層

Claims (12)

  1. 基板と、前記基板に接合部材を介して接続される半導体素子と、を有する半導体装置であって、
    前記基板は、前記半導体素子に向かって凸または凹となる形状の曲面部を有し、
    前記接合部材の前記半導体素子と対向する第1の面が、前記半導体素子の前記接合部材と対向する主面に倣う形状であり、
    前記接合部材の前記第1の面と反対側の前記基板と対向する第2の面が、前記曲面部に倣う形状である、
    半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記基板に他の接合部材を介して接続される他の基板を有し、
    前記基板は、前記曲面部を有する面と反対側の面に該曲面部に対応する形状の他の曲面部を有し、
    前記他の接合部材の前記基板と対向する第1の面が、前記基板の前記他の曲面部を有する面に倣う形状であり、
    前記他の接合部材の第1の面と反対側の前記他の基板と対向する第2の面が、前記他の基板の前記他の接合部材と対向する主面に倣う形状である、
    半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記基板がセラミックス基板で構成されている、
    半導体装置。
  4. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記接合部材が多孔質構造体を有する、
    半導体装置。
  5. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記接合部材がAg、Ni、Auを主成分とする部材で構成されている、
    半導体装置。
  6. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記接合部材が、Cu、Ni、Auを主成分とする部材で構成されている、
    半導体装置。
  7. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記基板の前記他の曲面部を有する面に形成された第1の金属層と、
    前記基板の前記曲面部を有する面に形成された、第2の金属層及び前記半導体素子と電気的に接続される配線層と、を有し、
    前記基板は、前記第2の金属層を介して前記接合部材と接続され、前記第1の金属層を介して前記他の接合部材と接続され、
    前記第1の金属層、前記第2の金属層及び前記配線層はCuを主成分とする部材で構成されている、
    半導体装置。
  8. 請求項7に記載の半導体装置において、
    前記第1の金属層が、前記基板の前記他の曲面部を有する面の略全面に形成され、
    前記第1の金属層の厚みが、前記第2の金属層及び前記配線層の厚み以上である、
    半導体装置。
  9. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記半導体素子が接続される領域における、一の前記半導体素子当りの前記基板の反り量が50μm以下である、
    半導体装置。
  10. 請求項1に記載の半導体装置において、
    鉄道車両に設けられたインバータに搭載されている、
    半導体装置。
  11. 請求項1に記載の半導体装置において、
    自動車に設けられたインバータに搭載されている、
    半導体装置。
  12. 請求項1に記載の半導体装置を備えた、
    移動体。
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