JP2017534627A - 癌細胞運動性の阻害 - Google Patents
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Abstract
【課題】本明細書では、癌細胞運動性及び/または転移を阻害する組成物及び方法を提供する。【解決手段】特定の実施形態では、癌細胞運動性を阻害する、転移を阻害する、かつ/または癌(例えば、前立腺癌、肺癌、乳癌、大腸癌など)を治療するため、KBU2046(または、その類似体)及び1種以上の追加療法(例えば、癌療法(例えば、ホルモン療法))を提供する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2014年11月6日出願の米国仮特許出願第62/076,297号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、2014年11月6日出願の米国仮特許出願第62/076,297号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
政府資金援助に関する声明
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与されたCA122985に基づく政府支援を受けて実施された。政府は本発明において、ある一定の権利を有する。
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与されたCA122985に基づく政府支援を受けて実施された。政府は本発明において、ある一定の権利を有する。
本明細書では、癌細胞運動性及び/または転移を阻害する組成物及び方法を提供する。特定の実施形態では、癌細胞運動性を阻害する、転移を阻害する、かつ/または癌(例えば、前立腺癌、肺癌、乳癌、大腸癌など)を治療するため、KBU2046(または、その類似体)及び1種以上の追加療法(例えば、癌療法(例えば、ホルモン療法、化学療法))を提供する。
起源となる原発臓器から癌細胞が移動すると、治癒の見込みが著しく低減する(Wells et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。癌細胞運動性の増加は、転移表現型の典型的な特徴であり、転移カスケードの初期段階に相当し、起源となる原発臓器から遠隔転移部位に癌細胞が移動するのに不可欠である(Talmadge and Fidler,2010;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。遠隔転移の発現は、大多数の癌関連の罹患及び死亡の主因である(Minn and Massague,2008;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。細胞運動性の増加及び転移の発現を促す過程は、治療標的として高い潜在的価値を有する。しかしながら、癌細胞運動性及び結果として生じる転移を選択的に阻害することを目的とした広範囲にわたる試みは失敗に終わっている(Coussens et al.,2002;Krishna and Bergan,2014;Steeg,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。細胞運動性及び転移を調節する多数の経路が示されたが、それらが構成する経路は調節効果が多面発現性である(Krishna and Bergan,2014;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。したがって、標的化操作を支援する十分な選択性を有する細胞運動性及び転移の調節因子を同定することは不可能であった。
本明細書では、癌細胞運動性及び/または転移を阻害する組成物及び方法を提供する。特定の実施形態では、癌細胞運動性を阻害する、転移を阻害する、かつ/または癌(例えば、前立腺癌、肺癌、乳癌、大腸癌など)を治療するため、KBU2046(または、その類似体)及び1種以上の追加療法(例えば、癌療法(例えば、ホルモン療法、化学療法))を提供する。
転移に至る癌細胞運動性の増加は、大多数の癌関連死の原因である。小分子を生物学的プローブとして使用し、KBU2046が、HSP90β/CDC37ヘテロ複合体の形成によって生じるクレフト内に結合し、その複合体を安定化させ、HSP90β−Ser226リン酸化を阻害し、それにより癌細胞運動性の阻害を示したことを実証した。これらの分子摂動は、ヒト癌細胞運動性のin vitroでの阻害、ならびにナノモル濃度のKBU2046の経口投与後に観察される効果により、ヒト前立腺癌転移及び乳癌転移のマウス正所性モデルでの転移の阻害をもたらした。広範な分子、細胞、及び全身を基にしたアッセイは、プローブの作用がSer226リン酸化の阻害に対して高い選択性があり、得られた結果が細胞運動性及び転移に対して有効であることを示している。
本発明の実施形態の開発中に実施した実験は、ヒト乳癌細胞、前立腺癌細胞、大腸癌細胞及び肺癌細胞の移動の阻害を実証した。更に、癌細胞運動性を調節するタンパク質を同定し、またこれが重要な薬理学的標的であることを実験で実証している。更に、薬理学的に阻害することができるタンパク質に対する特異的な修飾を同定し、それにより細胞運動性を阻害する。更に、癌細胞運動の治療的な阻害が化学療法及びホルモン療法と効果的に併用できるとともに、この方法がヒト前立腺癌のためのホルモン療法の有効性を向上させ、ホルモン耐性の克服に適用できることが実験から実証されている。
特に、本明細書に記載する実施形態の開発中に実施した実験は、化合物KBU2046がヒト前立腺癌、乳癌、大腸癌及び乳癌の細胞運動性を阻害すること、ヒト前立腺癌転移及び乳癌転移を阻害すること、HSP90βのセリン226のリン酸化を減少させること、細胞浸潤性を阻害すること、ならびにHSP90のCDC37との結合性を増加させることを実証している。同時に、これらの結果はHSP90の機能がこれらの操作によって変化し得ることを示している。このHSP90の機能を変化させる方法は、癌(例えば、前立腺癌などの)治療のためのホルモン療法の有効性を増強する。このHSP90の機能を変化させる方法は、細胞毒性癌治療の有効性を阻害せず、むしろ相加作用及びその個別の作用機序により療法の相乗作用が全身にもたらされることがデータから示されている。
癌細胞運動性及び転移の複合生物学を小分子が効率的にプローブできることを実証する実験を本明細書に記載する実施形態の開発中に実施した。この方法によって、HSP90βのSer226のリン酸化が、癌細胞運動性の調節因子であると同定された。その過程の薬理学的に修飾可能な調節因子としての重要性も示された。加えて、Ser226のリン酸化を選択的に阻害する小分子プローブを開発し、それにより細胞運動性及び転移を選択的に阻害する。更に、小分子を使用したCDC37/HSP90βヘテロ複合体の安定化を実証した。同時に、本明細書に記載する実施形態の開発中に実施した実験は、癌転移及びそれに付随する高い死亡率と直接関連する重要な生物学的過程の選択的で化学修飾可能な調節機構を解明した。
図6B、6C、6D及び図20に示したように、一連の有意な証拠は、提案モデルであるKBU2046が、CDC37のHSP90βへの結合により形成されるクレフト内に結合することをまさに裏付けている。これには、KBU2046がCDC37またはHSP90βのいずれかとは個別に結合せず、CDC37とHSP90βの両方が存在するときのみ物理的安定化をもたらすという事実を含む。更に、図6B、6C、6D及び図20に示す、構造的及び生物物理学的な情報の広範囲にわたる分析は、2つのタンパク質間にクレフトを形成し、それにKBU2046が立体(stenc)相互作用を不安定化させることなく結合することができることを示している。最後に、KBU2046の機能は、異なった部位との結合と一致し、それにより異なった機能を及ぼす従来のHSP90阻害剤(Neckers and Workman,2012;Whitesell et al.,2012;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の機能とは完全に異なっている。具体的には、従来のHSP90阻害剤は細胞の細胞毒性を誘導するが(Neckers and Workman,2012;Whitesell et al.,2012;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、KBU2046はこの機能が完全に欠如している。
本明細書に記載する実施形態の開発中に実施した実験は、HSP90β Ser226のリン酸化が、細胞浸潤性の重要な調節因子であること、またCDC37−HSP90βの境界を調節する化合物または手法が、重要な生物学的関連性と潜在的な翻訳の関連性を有することを実証している。いくつかの実施形態では、癌細胞運動性を阻害する、前癌病変の浸潤性を阻害する、転移を阻害する、HSP90β Ser226のリン酸化を減少させるなどのために、KBU2046またはその類似体(例えば、米国特許第8,481,760号及び米国特許第8,481,760号、第8,742,141号を参照;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を癌治療法として提供する。いくつかの実施形態では、1種以上の癌(例えば、固形腫瘍癌(例えば、前立腺癌、肺癌、乳癌、大腸癌など))に罹患している対象に、KBU2046またはその類似体を、単独でまたは1種以上の追加療法(例えば、ホルモン療法、化学療法など)と併用して投与する。
本明細書では、癌細胞運動性を阻害するための方法であって、癌を有する対象に式:
またはその類似体を有する化合物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、癌は固形腫瘍癌である。いくつかの実施形態では、癌は、前立腺癌、肺癌、大腸癌及び乳癌からなる一覧から選択される。いくつかの実施形態では、化合物は、腫瘍の外科的切除前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、腫瘍の外科的切除後に投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、第2の癌治療薬と共投与される。いくつかの実施形態では、第2の癌治療薬はホルモン療法剤である。いくつかの実施形態では、第2の癌治療薬は化学療法剤である。いくつかの実施形態では、投与は転移を阻害する。
本明細書のいくつかの実施形態では、癌に罹患している対象の治療方法及び/または癌細胞運動性の阻害方法であって、癌を有する対象に、すなわち大腸癌、肺癌または乳癌に罹患している対象に、式:
またはその類似体を有する化合物を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、化合物は、腫瘍の外科的切除前に投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、腫瘍の外科的切除後に投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、第2の癌治療薬と共投与される。いくつかの実施形態では、第2の癌治療薬はホルモン療法剤である。いくつかの実施形態では、第2の癌治療薬は化学療法剤である。いくつかの実施形態では、投与は転移を阻害する。
本明細書のいくつかの実施形態では、癌に罹患している対象の治療方法及び/または癌細胞運動性の阻害方法であって、(a)式:
またはその類似体を有する化合物、及び(b)ホルモン療法剤を共投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、前立腺癌、大腸癌、肺癌または乳癌に罹患している。いくつかの実施形態では、ホルモン療法剤は、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、エンザルアトミド(enzaluatmide)、リュープロン、ゾラデックス、睾丸切除術、アビラテロン、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、フルベストラント、エクセメスタン、レトロゾールからなる一覧から選択される。いくつかの実施形態では、(a)及び(b)を逐次投与する。いくつかの実施形態では、(a)及び(b)を同時投与する。いくつかの実施形態では、(a)及び(b)を合剤化する。
本明細書のいくつかの実施形態では、(a)式:
またはその類似体を有する化合物と、(b)ホルモン療法剤との合剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、ホルモン療法剤は、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、エンザルアトミド、リュープロン、ゾラデックス、睾丸切除術、アビラテロン、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、フルベストラント、エクセメスタン、レトロゾールからなる一覧から選択される。
本明細書のいくつかの実施形態では、リンカー部分によって機能性部分と結合された、式:
またはその類似体を有する化合物を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、式:
(式中、Lはリンカー部分であり、Rは機能性部分である)を有する化合物を含む。いくつかの実施形態では、機能性部分は、抗体またはその断片、親和性タグ、ペプチドまたはタンパク質、オリゴヌクレオチド、固体担体、薬物、金属配位基、造影剤、ナノ粒子、架橋性基、ビオチン、蛍光色素分子、及び免疫原性分子からなる一覧から選択される。本明細書の実施形態に用いられる他の例示的な機能性部分としては、アミノ酸(例えば、天然アミノ酸または非天然アミノ酸)、抗体またはその断片を含むペプチドまたはポリペプチド(タンパク質)、Hisタグ、FLAGタグ、Strepタグ、酵素、補助因子、補酵素、酵素に対するペプチドまたはタンパク質基質(例えば、分岐ペプチド基質(例えば、Z−アミノベンゾイル(Abz)−Gly−Pro−Ala−Leu−Ala−4−ニトロベンジルアミド(NBA)など))、自殺基質、受容体、その類似体を含む1つ以上のヌクレオチド(例えば、ATP、ADP、AMP、GTPまたはGDP)、オリゴヌクレオチド(例えば、二本鎖または一本鎖DNA)、糖タンパク質、多糖類、ペプチド核酸(PNA)、固体担体(例えば、磁性粒子などの沈降粒子、セファロースもしくはセルロースビーズ、膜、ガラス(例えば、スライドガラス)、セルロース、アルギン酸、プラスチックもしくは他の合成的に調製されたポリマー(例えば、エッペンドルフ管またはマルチウェルプレートのウェル)、自己組織化単分子層、表面プラズモン共鳴チップ、または電子伝導性表面を有する固体担体)、薬物(例えば、ドキソルビシン、5−フルオロウラシルまたはカンプトサール(CPT−11;イリノテカン)などの化学療法剤)、pH感受性剤、放射性核種、電子不透過である分子、造影剤(例えば、バリウム、ヨウ素または他のMRIもしくはX線造影剤)、活性酸素に感受性である分子、ナノ粒子(例えば、免疫金粒子、常磁性ナノ粒子、アップコンバージョンナノ粒子または量子ドット)、酵素に対する非タンパク質基質、酵素の阻害剤、キレート剤、架橋性基(例えば、スクシンイミジルエステルまたはアルデヒド、グルタチオンなど)、ビオチンまたは他のアビジン結合分子、アビジン、ストレプトアビジン、cAMP、ホスファチジルイノシトール、ヘム、cAMPに対するリガンド、金属、1種以上の色素(例えば、キサンテン色素、カルシウム感受性色素、ナトリウム感受性色素、NO感受性色素または他の蛍光色素分子)、ハプテンまたは免疫原性分子(例えば、その分子に対して特異的な抗体によって結合されているもの)、放射性核種(例えば、3H、14C、35S、125I、131Iなど)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、場合により1つ以上のヘテロ原子及び分枝鎖または主鎖置換基を含んでいる、炭素原子1〜30個の直鎖または分枝鎖を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、C、H、N、O、P及びSから選択される原子の多原子直鎖または分枝鎖を含む。リンカー部分に含まれる官能基は、−CH2−、=CH−、=C=、CO、CONH、−NH2、−OH、−SH、−O−、−S−などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、リンカー部分は1つ以上の(CH2)2O基を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は1つ以上のCONH基を含む。いくつかの実施形態では、リンカー部分は、(CH2)2CONH[(CH2)2O]2または(CH2)4CONH[(CH2)2O]4を含む。いくつかの実施形態では、組成物は式:
を有する化合物を含む。
図7A〜Hは合成過程番号1のものである。この足場が抗細胞浸潤有効性であったことから、個々の官能基を欠く一連の化合物を合成し、その細胞浸潤及び細胞成長阻害に対する効果を評価することによって、どの化学的断片が活性に必要であるかを最初に評価した。有益な知見として、環状C4’−ヒドロキシル基が活性に必要であること(化合物1と2との比較)、C7−ヒドロキシル基(ERとの結合を媒介する)の除去が活性に影響しないこと(化合物2と8の比較)が挙げられる。他の関連する知見は、C4’−ヒドロキシルの移動が活性の保持と関係すること(化合物2と5との比較)、及び浸潤性への影響を最小限に抑えながら成長阻害を達成できることである(化合物1、3、4及び6を検討する)。細胞内の脱メチル化は推定することができない。したがって、機能の欠損は単に、メチル化化合物に有益であると考えられた。例えば、化合物7では、C4’−ヒドロキシル基のメチル化が浸潤性の欠損をもたらしている(例えば、化合物8との比較)。これは更に、活性にとってのC4’−ヒドロキシルの重要性を表している。対照的に、化合物16のC7−及びC4’−ヒドロキシル基はメチル化されているが、抗浸潤性活性が保持されている。これは、おそらく細胞内部の脱メチル化が結果に影響している可能性があることを示している。細胞浸潤性に関しては、PC3−M細胞を10μMの化合物で合計3日間処理し、化合物存在下で、3日目の終わりに細胞浸潤性アッセイを実施した。値は平均±SEMである。3日間のMTT細胞成長阻害アッセイをPC3−M細胞で実施した。値は平均±SEMである。
図7J〜Mは、合成過程番号2のものである。最初の構造活性相関(SAR)データから2回目の化合物合成の情報を得た。主要な生物学的結果:細胞成長の阻害に与える影響を最小限に抑えながら、抗浸潤性の有効性を保持することができる(化合物22)。加えて、C2−C3二重結合の還元は、活性欠損を与えず(化合物22)、細胞のオフターゲット毒性を低減すると思われる。その他の結果:クマリン核を生成するC4カルボニル基の移動は、活性の欠損をもたらす(例えば、化合物23、24及び25)。
図7N〜Qは合成過程番号3のものである。ハロゲンによるC4’−ヒドロキシル基の置換は、活性の維持と関係している(化合物37及び38)。化学成分は強い抗浸潤効果を有するが、依然として成長阻害効果も保持することが確認されている(化合物38)。
図7R〜Uは、合成過程番号4KBU2046(化合物46)のものである。これは、出発化合物、4’,5,7−トリヒドロキシイソフラボンの有効性と少なくとも同等の抗浸潤有効性をもつが、成長阻害効果を有しないことが同定された。4’,5,7−トリヒドロキシイソフラボンと比較して、KBU2046は、非平面状で、ヒドロキシル基(特にER結合を媒介するもの)がなく、ハロゲン置換されており、明らかに異なる生物学的プロファイルを有している。これらの特徴により、出発化合物と比較して、KBU2046は化学的に異なるクラスのものとされている。
KBU2046は、NCI 60細胞株パネルにおいて最小〜無の細胞毒性を有する。KBU2046に対して、米国国立癌研究所(NCI)のDevelopmental Therapeutics Program(DTP)を行い、DTPのプロトコルに従ってNCI 60細胞株パネルを網羅する初期スクリーニング(Shoemaker,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を実施した。その結果を比較図に示している。NCIは、細胞毒性の欠如に基づいて、KBU2046を選択して複数用量試験を開始しなかった。
KBU2046は、エストロゲン受容体(ER)を活性化しない。エストロゲン受容体陽性のMCF−7細胞をpERE−Lucまたは空の対照ベクターで、構成的活性化β−galとともにトランスフェクトし、エストロゲンのない条件下で成長させ、記載のようにナノモル濃度のエストラジオール、またはマイクロモル濃度のゲニステインまたはKBU2046で24時間、前処理した。ルシフェラーゼ活性を測定して、β−galの値を基に正規化し、無処置のベクターの対照細胞の比として値を表した。値は平均±SDである。
KBU2046の化学的特性は、全身に送達されたとき細胞標的への到達能に有利である。低分子化合物のプローブは、全身レベルで生物学的有効性を示すには、身体内部のタンパク質標的に到達できる必要があるため、有利な薬理学的プロファイルを有していなければならない。有利な薬理学的属性と関連する認識された化学的特性(Lipinski et al.,2001;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を、KBU2046の関連する化学的特性とともに表に示す。
KBU2046の広範囲な薬物動態学的(PK)分析。CD1マウスに25または100mg/kgのKBU2046を経口胃管栄養または静脈内注射(iv)によって投薬し、血液を投薬後0(投薬前)、5、10、15、30、45、60、90、120、180、240、360、480および960分に採取した。(上部グラフ)時間に対する濃度をプロットし、ng/mlで表した。100mgの投薬データを再プロットし、nMで表した。(下部の表)結果として生じる薬物動態学的パラメーター。値は、個々の動物で測定した単一の血漿濃度を両方の用量の両方の投与経路についてプールして、同時にモデル化した、naive pooled data法からのパラメーター推定値である。
KBU2046を示すグラフは、原発腫瘍細胞の成長を阻害しない。
KBU2046の治療は、全身のオフターゲット効果を伴わない。組織の組織学的検査のために、正所性移植を受けなかった6〜8週齢の雄性Balb/c無胸腺マウスのコホート(Charles River Laboratories)を処置した。処置の35日後に、以下の臓器を剖検で採取し、H&E(指定されている別の染色方法)によって染色した:心臓、肺、食道、胃、大腸、小腸、肝臓(トリクローム染色)、腎臓(トリクローム染色)、副腎、膀胱、前立腺、脾臓、膵臓、脳、精巣ならびに骨髄血及び末梢血(ギムザ染色)。半定量的な組織学的評価法(Knodell et al.,1981;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を使用して、臓器の損傷を検査した。対照マウス及び処置マウスのいずれの肝臓を除いて臓器損傷は観察されなかった。対照マウスで観察された肝臓の変化は、KBU2046の治療によって増加しなかった。マウスは免疫不全であり、肝臓の変化は、既往感染症と一致する偶発性の軽微な壊死巣の影響を反映し、臨床的にマウスはすべて健康であった。臓器機能を検査する試験には、22〜24gmのCD1(ICR)マウス(Charles River)のコホートを使用した。尚、22〜24gm/マウスは、5〜7週齢の雌性及び4.5〜5.5週齢の雄性に相当する。マウスには、0(ビヒクル)、15、75または125mg/kg(体重)のKBU2046を1回静脈内投与した。8日目及び14日目に、全重要臓器を計量し、血中の以下のパラメーターを測定した:コレステロール、トリグリセライド、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、総ビリルビン、ブドウ糖、リン、全タンパク質、カルシウム、血液尿素窒素(BUN)、クレアチニン、アルブミン、Na、K、Cl、白血球(分画)、赤血球、ヘモグロビン、血小板。これらのパラメーターのいずれにも異常な変化は観察されなかった。また処置マウスと対照マウスとの間に有意差はなかった。
キノームに対するKBU2046の効果のプロテオーム解析。キノームに対する効果のスクリーニング。PC3−M細胞を10μMのKBU2046、ゲニステインまたはビヒクル対照で3日間前処理した後、記載のようにTGFβを用いて、または用いずに処理した。得られた細胞溶解物、及び150mg/kgのKBU2046で処置したマウスまたは対照マウスから得た(図3Aの原稿の)腫瘍由来の溶解物を更に、KinomeView(登録商標)抗体パネルを用いてウエスタンブロットによりプローブした。KBU2046が細胞内及び腫瘍内のタンパク質リン酸化を阻害していた例では、PC3−M細胞の実験を繰り返し実施した。PC3−M細胞の追加に加えて、実験を拡張してPC3細胞に対する効果を調べた。(A)目的とする83kDaバンドの同定は、複数の実験にわたって再現性のあった変化のみで構成され、これは、PC3及びPC3−M細胞、ならびに腫瘍組織において観察された。(B)最初の目的とするバンドが再現されなかった。(C、D)最初のスクリーニングで評価されたリン酸化モチーフ抗体の他のすべてのウエスタンブロット。NI=有益ではない腫瘍;これは、異常なクマシーブルー染色パターンをもたらした腫瘍サンプルを示す。
KBU2046は、TGFβ処理の条件下で、より大きな有効性を示す。KBU2046またはビヒクル対照(CO)、次いでTGFβを用いて、または用いずに前処理したPC3−M細胞の浸潤性を測定した。
プロテオーム方法を使用した83kDaのバンドの同定。PC3細胞を10μMのKBU2046またはビヒクル(対照)で3日間、前処理した後、TGFβで1時間処理し、得られた細胞溶解物をBL4176(Kinoview(登録商標)のリン酸化モチーフ抗体)を用いて免疫沈降させた。この方法で結合するタンパク質をPhosphoScan(商標)技術を使用して分析した。この分析から、306の親タンパク質由来の483の固有のリンペプチド割り当てを同定した。平均の誤検出率は0.30%であった(前方及び後方タンパク質エントリの複合ヒトデータベースのSorcerer検索による推定)。処置群及び対照群の平均値がバックグラウンドの各々3倍であったタンパク質のみを考慮した。更に、各反復値(平均の算出に使用した)が上記バックグラウンドの2.5倍以上であることを必要とした。これらのパラメーターによると、対照と比較してKBU2046で処理された細胞で発現が減少したリン酸タンパク質は19であった。
HSP90βのノックダウンは、細胞浸潤性を減少させ、KBU2046の有効性を阻害する。PC3−M細胞は、HSP90βを標的とするsiRNA(siHSP90β)または非ターゲティングsiRNA(siCO)でトランスフェクトした。(上部)HSP90βのレベル及びHSP90α(HSP90α)転写物レベルはqRTIPCRで測定し、GAPDHのものと比較して表した。(下部)細胞をKBU2046(46)またはビヒクルで処理し、細胞浸潤性を測定した。値は平均±SEMである。
KBU2046は、HSP90βまたはCDC37と結合する。試験では、精製した組み換えHSP90BまたはCDC37を使用した。等温滴定型カロリメトリーによって、または蛍光によるサーマルシフトアッセイによって測定したところ、KBU2046がHSP90βまたはCDC37のいずれかと結合することは証明されなかった。DARTSアッセイでは、HSP90βまたはCDC37を個別にKBU2046でプレインキュベートして、テノリシン(thennolysin)を添加し、反応生成物をSDS PAGEによって分離して銀染色法により可視化した(上部に示す)。NTco=非テノリシン対照。
KBU2046は、無傷細胞には結合するが、単離されたタンパク質には結合しない。(A)ビオチンと結合されたKBU2046の化学構造(KBU2046−ビオチン)。(B)KBU2046−ビオチンは生物学的に活性である。PC3−M細胞を10μMのKBU2046またはKBU2046−ビオチンで、3日間前処理し、単一の細胞運動性アッセイを実施した。データは平均±SEMである。(C)KBU2046−ビオチンは、競合可能な方法で細胞を標識する。PC3−Mを1μMのKBU2046−ビオチン+/−10μMの遊離KBU2046で標識した後、FITC−ストレプトアビジンによる検出、及び蛍光顕微鏡検査法での可視化を行った(曝露時間は同一)。(D)タンパク質配列のハイブリダイゼーション。KBU2046−ビオチンを0.5及び10μMで、10倍の過剰な遊離KBU2046を添加して、または添加せずに、ProtoArray(登録商標)ヒトタンパク質マイクロアレイにハイブリダイズした。まず以下の基準を満たしたタンパク質を探索し、これを濃度0.5及び10μM両方のKBU2046−ビオチン(遊離KBU2046を含まない)で同様に行った:Zスコア2.5超、Z因子0.5超、CI P値0.05未満、陰性対照値2,000未満(相対蛍光単位;RFU)、ならびに10μM及び0.5μM条件下でのシグナル/陰性対照シグナルがそれぞれ10超及び5超。これにより、0.03%の初期ヒット率で3つのタンパク質を得た(表に示す)。更に、遊離KBU2046が、残り2つの候補の結合を75%超阻害してイソバレリル−CoAデヒドロゲナーゼ(ICD)を除去する必要があった。結合シグナルは0.5から10へと2倍になり、一方で遊離KBU2046による競合率は著しく減少した。非特異的結合はビオチンリンカー部分によるものと推測される。タンパク質配列に使用した陽性対照はスタウロスポリンであった。スタウロスポリンは、いずれも広域キナーゼ阻害剤である小分子複合天然生成物であるという点でゲニステインと類似している。KBU2046−ビオチンによる結合がない場合とは対照的に、スタウロスポリンは、バックグラウンドのレベルよりも10倍以上のレベルで214のタンパク質と結合した。このようなタンパク質の大多数はキナーゼであった。HSP90β及びCDC37の両方がタンパク質配列に存在し、KBU2046−ビオチンによって結合しなかった。
結合阻害剤とのHSP90ヌクレオチド結合部位表面を示した(パネルA)(Wright et al.,2004;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。CDC37と複合体化されると、境界に大きなクレフトが形成される(パネルB)。CDC37 Arg167残基は、2つの異なるサブポケットにクレフトを分裂させる(パネルC)。ヌクレオチド結合面(C)は保持されるが、新たにサブポケットが形成される。KBU2046は新たに形成された部位(C)にドッキングされることがわかる。KBU2046化合物を新たに形成されたポケットにドッキングした。種々の方法論及び手法に相当する一連のドッキングソフトウェアを適用した。ドッキング手順で許容される場合、HSP90β−CDC37複合体からの側鎖は完全な柔軟性であった。複合体との立体的衝突を呈さない、全原子にわたる根平均二乗距離(RMSD)が1.1オングストローム未満でコンセンサス位置に達した。このモデルは、分子がこの二次部位と結合できることを示唆している。閉構造のHSP90β構造の二量体は、S.cerevisiae HSP90A(PDB id=2cg9)からモデル化された。この二量体の構造では、HSP90β−CDC37境界の相互作用が維持された。拡張されたCDC37領域の位置及び配向は、残基53〜347、107〜347及び69〜286間のドメイン間架橋を示した架橋データに従った。この結果生じる構造は、他の報告された構造(Vaughan et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)との一致を示す。このモデルで、ATP及び提案するKBU2046ポケットはいずれも、二量体化複合体において元のままである。
KBU2046は、オステオネクチンの発現を阻害する。PC3細胞を10uMのKBU2046を用いて/用いずに3日間処理し(A)、またオステオネクチンを標的とするsiRNA(siOST)または非ターゲティング(siCO)でトランスフェクトし(B)、オステオネクチン/GAPDH発現をqRT/PCRで測定した。(C)PC3細胞をsiOST、siCOでトランスフェクトし、KBU2046を用いて/用いずに処理し、細胞浸潤性を測定した。
KBU2046はHSP90β/CDC37ヘテロ複合体と結合し、HSP90β Ser226リン酸化を阻害することによって細胞浸潤性を阻害する。(A)DARTSアッセイにおいて、KBU2046はHSP90β及びCDC37タンパク質を安定化させる。サーモリシンを、組み換え精製されたHSP90βとCDC37との等モル混合物に添加し、KBU2046でプレインキュベートした後、銀染色法による検出を行った。矢印で示されたタンパク質バンドの平均値を各レーンの下に示す。p値はANOVAである。(B)KBU2046はHSP90β/CDC37/CKを安定化させる。in vitroキナーゼアッセイにおいて、HSP90β、CDC37及びカゼインキナーゼ(CK)を添加し、続いてホスホセリン(P−ser)、またはHSP90βのリン酸化されたser226(P−ser226)に対して特異的なAbでウエスタンブロットを行った。HSP90βの一次分解産物は、CKが差次的に接触できるセリン残基を曝露する。最下部パネルでは、シグナルがCKの存在に依存することを示す。(C)CDC37−HSP90βヘテロ複合体と結合したKBU2046のin silicoモデル。
KBU2046ビオチンリンカー。(A)ビオチンと結合したKBU2046の化学構造(KBU2046−ビオチン)。(B)KBU2046−ビオチンは、生物学的に活性である。PC3−M細胞を10μMのKBU2046またはKBU2046−ビオチンで3日間前処理し、単一の細胞運動性アッセイを実施した。(C)KBU2046−ビオチンは細胞を染色し、10倍の遊離KBU2046と競合させる。
KBU2046は、AR−シャペロン経路、ならびにアンドロゲン作動性のシグナル伝達及び成長を阻害する。(A)KBU2046は、約62kDaのタンパク質のHSP90βとの結合を減少させる。PC3−M細胞をFLAG−HSP90βでトランスフェクトし、10uMのKBU2046で24時間処理し、FLAG−HSP90βを免疫沈降させ、銀染色法によりタンパク質を検出した。(B)KBU2046は、HOPのHSP90βとの結合を減少させる。同一条件(A)で、引き続きHOPのウエスタンブロットを行った。(C)KBU2046は、AR転写活性を阻害する。LNCaP細胞をチャコール処理済み血清(CSS)中で、10uMのKBU2046(46)、10uMのビカルタミド(B)または1.0nMのR1881で処理し、24時間後にqRT/PCRによってPSAを測定した(GAPDH及び無処置対照に基づいて正規化)。(D)KBU2046はアンドロゲン作動性の成長を阻害し、ビカルタミドの有効性を増加させる。LNCaP及びVCaP細胞はCSS中で3日間プレインキュベートした後、示されるよう3または6日間処理し、細胞数を測定した。
定義
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、特定の治療のレシピエントとなる、任意の動物(例えば、哺乳動物)を指し、ヒト、非ヒト霊長類、齧歯動物などを含むがこれらに限定されない。通常、用語「対象」及び「患者」は、ヒト対象に関して本明細書で同義に使用される。
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、特定の治療のレシピエントとなる、任意の動物(例えば、哺乳動物)を指し、ヒト、非ヒト霊長類、齧歯動物などを含むがこれらに限定されない。通常、用語「対象」及び「患者」は、ヒト対象に関して本明細書で同義に使用される。
本明細書で使用される場合、用語「癌を有する疑いがある対象」は、癌の指標である1つ以上の症状(例えば、顕著なしこりまたは腫瘤)が表れている対象、または癌のスクリーニングを受ける対象(例えば、日常的な健康診断時)を指す。癌を有する疑いがある対象は、1つ以上の危険因子を有する場合もある。癌を有する疑いがある対象は通常、癌検査を受けていない。ただし、「癌を有する疑いがある対象」には、予備的診断(例えば、腫瘤を映すCTスキャン)は受けたが、確定検査(例えば、生検及び/または組織学検査)は受けていない、または癌のステージが不明である個人を包含する。この用語は更に、過去に癌であった人(例えば、寛解期にある個人)を含む。「癌を有する疑いがある対象」は癌と診断される場合もあれば、癌を有していないことが判明する場合もある。
本明細書で使用される場合、用語「癌と診断された対象」は、検査を受けて、癌細胞を有すると判明した対象を指す。癌は、生検、X線、血液検査及び本発明の診断方法を含むがこれらに限定されないが、任意の好適な方法を使用して診断することができる。「予備的診断」は、目視(例えば、CTスキャンまたはしこりの存在)及び/または分子スクリーニング検査のみに基づくものである。
本明細書で使用される場合、用語「初期診断」は、(例えば生検及び組織学検査を使用して)癌細胞の有無を明らかにする初期の癌診断の検査結果を指す。
本明細書で使用される場合、用語「腫瘍組織」は、対象内部の癌組織を指し、更に腫瘍範囲の起源細胞の位置に応じて、「前立腺腫瘍組織」、「肺腫瘍組織」、「乳房腫瘍組織」などと称する場合もある。いくつかの実施形態では、腫瘍組織は、「術後腫瘍組織」であり、これは(例えば、手術中に)対象から切除された癌組織を指す。
本明細書で使用される場合、用語「該腫瘍の転移リスクを特定すること」は、腫瘍転移の相対的リスク(例えば、確率または相対的スコア)を指す。
本明細書で使用される場合、用語「該腫瘍の再発リスクを特定すること」は、原発腫瘍と同じ臓器で腫瘍が再発する相対的リスク(例えば、確率または相対的スコア)を指す。
本明細書で使用される場合、用語「癌のリスクがある対象」は、特定の癌の発現させる1つ以上の危険因子を有する対象を指す。危険因子としては、性別、年齢、遺伝的素因、環境曝露、及び過去の癌病歴、癌以外の既存疾患及び生活様式が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、用語「対象の癌の特性を決定する」は、良性、前癌性または癌性組織の存在及び癌のステージを含むがこれに限定されないが、対象の癌サンプルの1つ以上の特性の同定を指す。
本明細書で使用される場合、用語「癌のステージ」は、癌の進行度の定性的または定量的評価を指す。癌のステージの決定に使用する基準は、腫瘍のサイズ、他の身体部分への腫瘍の拡散の有無、及び癌の拡散の有無(例えば、同一の臓器もしくは身体領域内、または他の臓器への)を含むが、これらに限定されない。いくつかの病期分類方法が一般に使用されている。
本明細書で使用される場合、用語「対象の組織の特性を決定する」は、組織サンプルの1つ以上の特性の同定を指す(例えば、限定されないが、癌組織の存在、癌になる可能性が高い前癌組織(例えば、前立腺上皮内腫瘍形成、すなわちPIN)の存在、転移の可能性が高い癌組織の存在を含む)。
本明細書で使用される場合、用語「予後を判定する」は、癌の存在(例えば、本発明の診断方法により特定されたもの)が対象の将来的な健康(例えば、予測される罹患率または死亡率、癌にかかる可能性及び転移リスク)に与える影響に関する情報を提供することを指す。
本明細書で使用される場合、用語「サンプル」は最も広義に使用される。ある意味では、これは、任意の源から得た検体または培養物、ならびに生体サンプル及び環境サンプルを含むことを意味する。生体サンプルは、動物(ヒトを含む)から得ることができ、流体、固体、組織及び気体を包含し得る。生体サンプルには、血液製剤、例えば血漿、血清などを含む。環境サンプルには、環境物質、例えば表面物質、土壌、水及び工業サンプルを含む。ただし、このような例は、本発明に適用できるサンプルの種類を限定するものとは解釈されない。
本明細書では、癌細胞運動性及び/または転移を阻害する組成物及び方法を提供する。特定の実施形態では、癌細胞運動性を阻害する、転移を阻害する、かつ/または癌(例えば、前立腺癌、肺癌、乳癌、大腸癌など)を治療するため、KBU2046(または、その類似体)及び1種以上の追加療法(例えば、癌療法(例えば、ホルモン療法))を提供する。
本明細書のいくつかの実施形態では、細胞運動性及び/または転移を阻害する1種以上の薬剤(例えば、KBU2046)を含んでいる治療組成物を提供する。いくつかの実施形態では、このような化合物の投与(または、共投与)による癌の治療、癌細胞運動性の阻害、転移の阻害、ヒトの寿命延長などの方法を提供する。
加えて、本明細書に記載する薬剤(例えば、KBU2046及びその類似体)を、サリチル酸塩、ステロイド、免疫抑制剤、化学療法剤、ホルモン療法、抗体または抗生物質を含むがこれらに限定されない他の治療薬とともに使用することができる。使用できる特定の治療薬としては、以下の薬剤が挙げられるが、これらに限定されない:アゾベンゼン化合物(米国特許第4,312,806号、参照により本明細書に組み込まれる)、ベンジル置換ローダミン誘導体(米国特許第5,216,002号、参照により本明細書に組み込まれる)、亜鉛L−カルノシン塩(米国特許第5,238,931号、参照により本明細書に組み込まれる)、3−フェニル−5−カルボキシピラゾール及びイソチアゾール(米国特許第5,294,630号、参照により本明細書に組み込まれる)、IL−10(米国特許第5,368,854号、参照により本明細書に組み込まれる)、キノリンロイコトリエン合成阻害剤(米国特許第5,391,555号、参照により本明細書に組み込まれる)、2’−ハロ−2’デオキシアデノシン(米国特許第5,506,213号、参照により本明細書に組み込まれる)、フェノール及びベンズアミド化合物(米国特許第5,552,439号、参照により本明細書に組み込まれる)、トリブチリン(米国特許第5,569,680号、参照により本明細書に組み込まれる)、ある特定のペプチド薬(米国特許第5,756,449号、参照により本明細書に組み込まれる)、オメガ−3多不飽和酸(米国特許第5,792,795号、参照により本明細書に組み込まれる)、VLA−4遮断薬(米国特許第5,932,214号、参照により本明細書に組み込まれる)、プレドニゾロンメタスルホベンゾエート(米国特許第5,834,021号、参照により本明細書に組み込まれる)、サイトカイン抑制剤(米国特許第5,888,969号、参照により本明細書に組み込まれる)、p38阻害剤(Herberich et al(2008)J.Med.Chem 10.1021/jm8005417;Cuenda et al(1995)FEBS Lett.364:229−33;Jackson et al(1998)J.Pharmacol.Exper.Therapeutics284:687−92;Young et at(1997)J Biol Chem 272:12116−21;Goedert et al(1997)EMBO J 16:3563−71;Buo et al(2005)Bioorg.Medicinal Chem.Lett.16:64−8;WO/2007/126871;Xu et al(2008)FEBS Lett 8:1276−82;それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)及びニコチン(米国特許第5,889,028号、参照により本明細書に組み込まれる)。
治療薬(例えば、KBU2046)は、細胞の生存率または増殖可能性を低減する薬剤とともに使用することができる。細胞の生存率または増殖可能性を低減する薬剤は、例えば、DNA合成の阻害、細胞分裂の阻害、アポトーシスの誘導、または非アポトーシス細胞死の誘導を含む、多様な方法で機能することができる。細胞毒性及び細胞増殖抑制性剤の具体例としては、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、アブリン、リシン及びその各A鎖、ドキソルビシン、シスプラスチン、ヨウ素−131、イットリウム−90、レニウム−188、ビスマス−212、タキソール、5−フルオロウラシルVP−16、ブレオマイシン、メトトレキサート、ビンデシン、アドリアマイシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、BCNU、マイトマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、カバジタキセル、ミトキサントロン及びシクロホスファミド、ならびにTNF−α及びTNF−βなどの特定のサイトカインが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、細胞毒性または細胞増殖抑制性の薬剤には、例えば、放射性核種、化学療法剤、タンパク質及びレクチンを含むことができる。
ホルモンに感受性である細胞(例えば、前立腺及び乳癌)の生存率及び増殖可能性を低減する薬剤は、ホルモンの作用に拮抗すること、及びホルモンの標的、特にホルモン受容体及びその付随する共調節因子の機能を排除または変更することによって、例えば、アンドロゲン及びエストロゲンを含めたホルモンの産生阻害、ホルモンの代謝増加を含む、多様な方法で機能することができる。ホルモン剤の具体例としては、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、エンザルアトミド、リュープロン、ゾラデックス、睾丸切除術、アビラテロン、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、フルベストラント、エクセメスタン、レトロゾール及び卵巣切除術が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の文脈の範囲内で「治療すること」は、障害もしくは疾患に伴う症状のすべてもしくは一部の緩和、またはそれらの症状の更なる進行もしくは悪化の緩徐化、阻害もしくは停止、または疾患もしくは障害の発現リスクのある対象の疾患もしくは障害の防止もしくは予防を意味する。したがって、例えば、転移癌を治療することは、癌の転移の阻害もしくは防止、転移の速度及び/もしくは数の減少、転移した前立腺癌の腫瘍量の減少、転移した前立腺癌の完全なもしくは部分的な寛解、または他の任意の治療的利点を含むことができる。本明細書で使用される場合、本発明の化合物の「治療的有効量」は、障害もしくは疾患に伴う症状のすべてもしくは一部を緩和する、またはそれらの症状の更なる進行もしくは悪化を緩徐化、阻害もしくは停止する、または疾患もしくは障害の発現リスクのある対象の疾患もしくは障害を防止もしくは予防する化合物量を指す。
本発明で使用される本明細書に記載の化合物の治療的有効量は、投与経路及び剤形に応じて変更してよい。発明化合物の有効量は通常、約0.001〜最大100mg/kg/日の範囲、より一般的には約0.05〜最大10mg/kg/日の範囲である。通常、本発明で使用する化合物または複数の化合物は、高い治療指数を示す製剤を提供するように選択される。治療指数とは毒性と治療効果との間の用量比であり、LD50とED50との間の比で表すことができる。LD50は集団の50%が死に至る用量であり、ED50は集団の50%に治療的に有効な用量である。LD50及びED50は、動物細胞培養または実験動物において標準的な薬学的手順で測定される。
治療はまた、本発明の化合物または医薬製剤を他の療法と組み合わせて投与することを含んでもよい。本発明の組み合わせは、同時に、個別にまたは逐次的に投与してよい。例えば、本発明の化合物及び医薬製剤は、外科的手技及び/または放射線療法の前、その間、またはその後に投与してもよい。あるいは、本発明の化合物はまた、本明細書に記載する他の抗癌剤とともに投与することもできる。追加する活性剤の具体的な量は、使用する特定の薬剤、治療または管理する病状の種類、病状の重度及びステージ、ならびに化合物及び場合により対象に同時に投与される任意の追加の活性剤の量(複数可)に依存する。
本発明のいくつかの実施形態において、1種以上の化合物(例えば、KBU2046)及び追加の活性剤(例えば、ホルモン療法剤、化学療法剤など)は、化合物が他の薬剤と相互作用し、それ以外の方法で投与された場合に得られる利点よりも、増強された利点を提供できるような時間間隔で連続して対象(より一般的にはヒト)に投与される。例えば、追加の活性剤は、合剤によって共投与することも、同時に投与することも、または異なる時点に任意の順序で逐次的に投与することもできるが、同時に投与しない場合は、所望の治療効果または予防効果を与えるような十分に近い間隔で投与する必要がある。いくつかの実施形態では、化合物及び追加の活性剤は重複する時点で効果を示す。各追加の活性剤は、任意の適切な形態、及び任意の好適な経路で個別に投与することができる。他の実施形態では、化合物は、追加の活性剤の投与前、それと同時、またはその後に投与される。
種々の例において、化合物(例えば、KBU2046)及び追加の活性剤(複数可)(例えば、ホルモン療法剤、化学療法剤など)は、約1時間未満の間隔で、約1時間間隔で、約1時間〜約2時間間隔で、約2時間〜約3時間間隔で、約3時間〜約4時間間隔で、約4時間〜約5時間間隔で、約5時間〜約6時間間隔で、約6時間〜約7時間間隔で、約7時間〜約8時間間隔で、約8時間〜約9時間間隔で、約9時間〜約10時間間隔で、約10時間〜約11時間間隔で、約11時間〜約12時間間隔で、24時間以下の間隔で、または48時間以下の間隔で投与される。いくつかの実施形態では、療法は、1週間以上(例えば、1週、2週、1か月、2か月、3か月、4か月及びその範囲内)の投与間隔で逐次的に実施される。例えば、化学療法剤を毎月5サイクルで投与した後、その翌月にKBU2046による治療を行う。他の例では、化合物及び追加の活性剤を同時に投与する。更に他の例では、化合物及び追加の活性剤を合剤によって同時に投与する。
他の例では、化合物(例えば、KBU2046)及び追加の活性剤(例えば、ホルモン療法剤、化学療法剤など)を約2〜4日間隔で、約4〜6日間隔で、約1週間隔で、約1〜2週間隔で、または2週超の間隔で投与する。
ある特定の例では、化合物(例えば、KBU2046)及び場合により追加の活性剤(例えば、ホルモン療法剤、化学療法剤など)を対象に周期的に投与する。サイクル療法には、第1の薬剤の一定期間の投与と、それに続く第2の薬剤及び/または第3の薬剤の一定期間の投与、及びこの逐次的投与の繰り返しを伴う。サイクル療法は、例えば、1種以上の療法に対する耐性の発生を低減し、1種以上の療法の副作用を回避もしくは低減し、かつ/または治療の有効性を向上させるといった様々な利点をもたらすことができる。
他の例では、化合物(例えば、KBU2046)及び場合により追加の活性剤(例えば、ホルモン療法剤、化学療法剤など)を約3週未満、2週毎に約1回、10日毎に約1回、または毎週約1回のサイクルで投与する。1回のサイクルには、サイクル毎に約90分、サイクル毎に約1時間、サイクル毎に約45分、サイクル毎に約30分、またはサイクル毎に約15分にわたる注入による、本発明の化合物及び場合により第2の活性剤の投与を含み得る。各サイクルは、少なくとも1週の安静、少なくとも2週の安静、少なくとも3週の安静を含み得る。投与サイクル数は、約1〜約12サイクル、より一般的には約2〜約10サイクル、より一般的には約2〜約8サイクルである。いくつかの実施形態では、化合物(例えば、KBU2046)は、長期間にわたり毎日投与される(例えば、6か月、1年、2年、3年、4年、5年、その範囲内)。
一連の治療薬は同時に対象に実施することができ、例えば、個々の用量の追加の活性剤を、個別に、しかし薬剤(例えば、KBU2046)が追加の活性剤(例えば、ホルモン療法剤、化学療法剤など)と相互作用できるような時間間隔内で投与される。例えば、ある成分を、2週毎に1回または3週毎に1回投与できる他の成分と併用して、1週間に1回投与することができる。換言すれば、療法剤が同時にまたは同日中に投与されない場合であっても、投与計画は同時に実施される。
活性剤(複数可)(例えば、KBU2046、ホルモン療法剤、化学療法剤など)は相加的に、すなわちより一般的には相乗的に作用することができる。一例では、第1の薬剤(例えばKBU2046)は、同じ医薬組成物中の1種以上の第2の活性剤と同時に投与される。別の例では、第1の薬剤(例えばKBU2046)は、別の医薬組成物中の1種以上の第2の活性剤と同時に投与される。更に別の例では、本発明の化合物は、第2の活性剤の投与前または投与後に投与される。本発明は、同じまたは異なる投与経路、例えば経口及び非経口による、本発明の化合物及び第2の活性剤の投与を企図する。ある特定の実施形態では、第1の薬剤(例えばKBU2046)は、毒性を含むがこれに限定されない有害な副作用が生じる可能性がある第2の活性剤と同時に投与され、第2の活性剤は有害な副作用が誘発される閾値以下の用量で有利に投与することができる。
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、KBU2046を含む)は、特定の薬剤、特にホルモン剤に対する耐性の阻害または逆転に有効である。これは、KBU2046がHSP90βの機能を阻害すること、HSP90βがホルモン受容体、特にアンドロゲン受容体を活性状態に維持すること、及びいくつかの耐性機構がアンドロゲン受容体の発現または変異したアンドロゲン受容体の発現の増加に関与することと関連している。両方の例において、KBU2046は、活性化アンドロゲン受容体を除去する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する組成物(例えば、KBU2046)は、癌の初期発現を防止する際に有用であり、特に癌の「リスクがある」対象において有用である。その薬理学的作用はまた、癌予防剤としても好適なものとなり得る(例えば、細胞浸潤性を阻害するため)。癌細胞が発生している臓器の基底膜を介する癌細胞の浸潤は、癌の定義に必要な条件である。したがって、KBU2046は癌の初期発現を阻害する。例えば、前立腺上皮内腫瘍形成(PIN)をもつ男性は、その前立腺に存在する癌細胞を有する。それらの細胞はまだ基底膜に侵入していない。PINを有する対象は、前立腺癌を発現するリスクが高い。一旦細胞が基底膜に侵入すると、診断はPINから前立腺癌に変わる。基底膜に侵入していない癌に使用される別の用語は、上皮内癌(in situ cancerまたはcarcinoma in situ(CIS))である。上皮内癌は前立腺、乳房(乳管または小葉;DCIS、LCIS)、肺及び大腸に見られる。各臓器でのCISの存在は浸潤癌の発現リスクを高くする。
本明細書では、本明細書に記載する1種以上の化合物、その薬学的に許容される塩、その立体異性体、その互変異性体またはその溶媒和物を、薬学的に許容される担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などと混合することによって調製できる、原発性及び/または転移性前立腺癌を阻害または治療するための医薬組成物及び医薬品を提供する。このような組成物は、例えば顆粒、粉末、錠剤、カプセル、シロップ、坐剤、注射、エマルジョン、エリキシル、懸濁液または溶液の形態であり得る。組成物は、例えば経口、非経口、局所、直腸、経鼻、または埋込式リザーバー経由などによる種々の投与経路に合わせて製剤化することができる。非経口または全身投与には、皮下、静脈内、腹腔内及び筋肉注射を含むが、これらに限定されない。以下の剤形は例示を目的として示しており、限定的なものと解釈されるべきではない。
経口、頬側及び舌下投与には、固体剤形として粉末、懸濁液、顆粒、錠剤、ピル、カプセル、ジェルキャップ及びカプレットが許容される。これらは、例えば、本発明の1種以上の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはその互変異性体を、少なくとも1種の添加剤、例えばデンプンまたはその他の添加剤と混合することにより調製することができる。好適な添加剤は、スクロース、ラクトース、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン、寒天、アルギン酸、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントゴム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成もしくは半合成ポリマー、またはグリセリドである。場合により、経口剤形は、投与を補助するための他の成分、例えば不活性な希釈剤、またはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、またはパラベンもしくはソルビン酸などの防腐剤、またはアスコルビン酸、トコフェロールもしくはシステインなどの酸化防止剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味剤、矯味剤または香料を含有することができる。錠剤及びピルは更に、当技術分野で既知の好適なコーティング材料で処理されていてもよい。
経口投与のための液体剤形は薬学的に許容されるエマルジョン、シロップ、エリキシル、懸濁液及び溶液の形態であってよく、これには不活性な希釈剤、例えば水を含有してよい。医薬製剤及び医薬品は、無菌液、例えば限定されないが、油、水、アルコール及びこれらの組み合わせを使用して、懸濁液または溶液として調製されていてもよい。経口または非経口投与のため、薬学的に適した界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤を添加してもよい。
上記のように懸濁液に油が含まれていてもよい。このような油としては、ラッカセイ油、胡麻油、綿実油、コーン油及びオリーブ油が挙げられるが、これらに限定されない。懸濁製剤はまた、脂肪酸のエステル、例えばオレイン酸エチル、イソプロピルミリステート、脂肪酸グリセリド及びアセチル化脂肪酸グリセリドを含有してもよい。懸濁製剤は、アルコール、例えば限定されないが、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール及びプロピレングリコールを含んでもよい。懸濁製剤にはまた、例えばこれに限定されないが、ポリ(エチレングリコール)などのエーテル、鉱油及びペトロラタムなどの石油炭化水素、ならびに水を使用してもよい。
注射可能な剤形は、一般に、好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を使用して調製できる水性懸濁液または油性懸濁液を含む。注射可能な形態は、溶媒または希釈剤によって調製される溶液相、または懸濁液の形態であってよい。許容される溶媒またはビヒクルは、滅菌水、リンゲル液または等張生理食塩水溶液を含む。あるいは、滅菌油を溶媒または懸濁化剤として使用してもよい。通常、天然油または合成油、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリドを含む、油または脂肪酸は不揮発性である。
注射用の医薬製剤及び/または医薬品は、上記の適切な溶液を用いた復元に適した粉末であってもよい。これらの例としては、凍結乾燥粉末、回転乾燥粉末、もしくは噴霧乾燥粉末、非晶質粉末、顆粒、沈殿物または粒子などが挙げられるが、これらに限定されない。注射用の製剤は場合により、安定剤、pH調整剤、界面活性剤、バイオアベイラビリティ調節剤及びこれらの組み合わせを含有してもよい。
直腸投与用の医薬製剤及び医薬品は、腸、S状結腸及び/または直腸内で化合物を放出するための坐剤、軟膏、浣腸、錠剤またはクリームの形態であってよい。直腸坐剤は、本発明の1種以上の化合物、または化合物の薬学的に許容される塩もしくは互変異性体を、許容されるビヒクル、例えば、通常の保存温度では固相で存在し、直腸内などの体内での薬物放出に適した温度では液相で存在するカカオバターまたはポリエチレングリコールと混合することにより調製される。油はまた、軟質ゼラチンタイプの製剤及び坐剤の調製に用いてもよい。緩衝液及び防腐剤に加えて、懸濁化剤、例えばペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースも含有することができる懸濁製剤の調製に、水、生理食塩水、水性デキストロース及び関連する糖溶液、ならびにグリセロールを用いてもよい。
本発明の化合物は、経鼻または経口吸入によって肺に投与してもよい。吸入に適した医薬製剤は、任意の適切な溶媒、及び場合により他の化合物、例えば限定されないが、安定剤、抗微生物剤、酸化防止剤、pH調整剤、界面活性剤、バイオアベイラビリティ調節剤及びこれらの組み合わせを含有する溶液、スプレー、乾燥粉末またはエアゾールを含む。吸入投与用の製剤は、例えば、ラクトース、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココレート及びデオキシコレートなどを賦形剤として含有する。通常、吸入による発明化合物の送達に水性及び非水性エアゾールが使用される。
通常、水性エアゾールは、従来の薬学的に許容される担体及び安定剤とともに化合物の水溶液または懸濁液を製剤化することにより製造される。担体及び安定剤は、個々の化合物の要件に応じて異なるが、通常は非イオン性界面活性剤(TWEEN、プルロニックまたはポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害なタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝液、塩、糖または糖アルコールを含む。エアゾールは一般に等張溶液から調製される。非水性懸濁液(例えば、フルオロカーボン噴射剤の状態)を本発明の化合物の送達に使用することができる。
本発明による使用のための化合物を含有するエアゾールは、吸入器、噴霧器、加圧パックまたはネブライザー、及び好適な噴射剤、例えば限定されないが、加圧したジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、窒素、空気または二酸化炭素を使用して好都合に送達される。加圧エアゾールの場合、計量された量を送達するバルブを設けることにより、投与量単位を制御することができる。化合物と好適な粉末塩基、例えばラクトースまたはデンプンとの混合粉末を含有する、吸入器または通気器で使用されるゼラチンなどのカプセル及びカートリッジを製剤化することができる。超音波ネブライザーを使用した、本発明のエアゾールの送達は、化合物の崩壊を引き起こし得る剪断力に薬剤が曝露されることをネブライザーが最小限に抑えるため有利である。
経鼻投与の場合、医薬製剤及び医薬品は、適切な溶媒(複数可)及び場合により他の化合物、例えば限定されないが、安定剤、抗微生物剤、酸化防止剤、pH調整剤、界面活性剤、バイオアベイラビリティ調節剤及びこれらの組み合わせを含有するスプレー、点鼻剤またはエアゾールであってよい。点鼻剤の形態での投与の場合、化合物は油性溶液中で、またはゲルとして配合されてよい。点鼻エアゾール投与の場合、圧縮した空気、窒素、二酸化炭素、または炭化水素系の低沸点溶媒を含む、任意の好適な噴射剤を使用してもよい。
本発明の化合物の局所(頬側及び舌下を含む)投与または経皮投与のための剤形は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液及びパッチを含む。活性成分は無菌条件下で、薬学的に許容される担体または賦形剤、及び任意の防腐剤または必要な場合は緩衝液と混合することができる。粉末及びスプレーは、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末などの賦形剤、またはこれらの物質の混合物によって調製することができる。軟膏、ペースト、クリーム及びゲルはまた、賦形剤、例えば動物性及び植物性油脂、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクならびに酸化亜鉛またはこれらの混合物を含有してもよい。
経皮パッチは、本発明の化合物の体内への送達の制御をもたらすという付加的な利点を有する。このような剤形は、適した媒体に薬剤を溶解または分散させることによって製造することができる。本発明化合物の皮膚全体への浸透を増加させるために、吸収促進剤を使用することもできる。このような浸透の速度は、速度制御膜を設けること、またはポリマーマトリックスもしくはゲルに化合物を分散させることによって制御することができる。
上記の代表的な剤形以外の薬学的に許容される賦形剤及び担体は一般に当業者に既知であり、そのため本発明に含まれる。このような賦形剤及び担体は、例えば、「Remingtons Pharmaceutical Sciences」Mack Pub.Co.,New Jersey(1991)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の製剤は、後述するような短時間作用型、高速放出型、長時間作用型及び徐放型であるように設計してもよい。したがって、医薬製剤はまた、制御放出用または遅延放出用に製剤化してもよい。
本組成物はまた、例えば、ミセルもしくはリポソーム、ナノ製剤または何らかの他のカプセル化形態を含んでもよいか、または延長放出形態で投与して、長時間の保存及び/または送達効果を与えてもよい。したがって、医薬製剤及び医薬品は、ペレットまたはシリンダーに圧縮してもよいか、デポー注射として、またはステントなどのインプラントとして筋肉内または皮下に埋め込んでもよい。このようなインプラントには、既知の不活性材料、例えばシリコーン及び生分解性ポリマーを用いることができる。
具体的な投与量は、疾患の病状、対象の年齢、体重、全身健康状態、性別及び食事、用量間隔、投与経路、排泄率、ならびに併用薬物に応じて調整してよい。有効量を含有する上記剤形はいずれも、十分に規定実験の範囲内のものであり、したがって十分に本発明の範囲内のものである。
いくつかの実施形態では、1種以上の薬剤(例えば、KBU2046)は、(例えば、細胞運動性を阻害するため、前癌病変の浸潤を阻害するため、転移を阻害するためなどに)1種以上の追加治療、療法、療法剤及び/または処置(例えば、癌治療などのため)と併用投与される。本明細書に記載する実施形態はこれらの追加治療、療法、療法剤及び/または処置の範囲に限定されないが、ホルモン療法、化学療法、放射線、手術などを含む場合があり、本明細書に記載する薬剤(例えばKBU2046及びその類似体)とともに使用するのに適した薬剤としては以下が挙げられる。
アルキル化剤は、DNA上の負電荷部位(例えば、酸素、窒素、リン及び硫黄原子)を攻撃してDNAと結合し、それによって複製、転写及び更には塩基対合を変更する化学療法剤である。DNAのアルキル化はまた、DNA鎖の切断及びDNA鎖の架橋も引き起こすと考えられている。この方法でDNAを変更することによって、細胞活性が効果的に停止され、癌細胞は死滅する。一般的なアルキル化剤としては、プロカルバジン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、クロランブシル、デカルバジン(decarbazine)、ブスルファン、チオテパなどが挙げられるが、これらに限定されない。上述したようなアルキル化剤を、1種以上の他のアルキル化剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
白金化学療法剤は、DNAサブユニットを架橋することによってDNA合成、転写及び機能を阻害すると考えられている(架橋はDNAの2つの鎖の間、またはDNAの一方の鎖内で生じ得る)。一般的な白金化学療法剤としては、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、Eloxatinなどが挙げられるが、これらに限定されない。上述のような白金化学療法剤は、1種以上の他の白金及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
代謝拮抗化学療法剤は、新たなDNAの作製に必要なものを含む、通常の代謝経路を妨げると考えられている。一般的な代謝拮抗剤としては、メトトレキサート、5−フルオロウラシル(例えば、カペシタビン)、ゲムシタビン(2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン(β−異性体)、Eli Lilly)、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、フルダラビン、クラドリビン、シタラビン、テガフール、ラルチトレキセド、シトシンアラビノシドなどが挙げられるが、これらに限定されない。硝酸ガリウムは、リボヌクレオチドレダクターゼを阻害する別の代謝拮抗剤である。上述のような代謝拮抗剤は、1種以上の他の代謝拮抗剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
アントラサイクリンは、遊離酸素ラジカルの形成を促進する。これらのラジカルは、DNA鎖の切断と、それに続くDNA合成及び機能の阻害を引き起こす。アントラサイクリンはまた、酵素とDNAとの複合体を形成することにより、酵素トポイソメラーゼを阻害する。一般的なアントラサイクリンとしては、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、アドリアマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、ミトラマイシンなどが挙げられるが、これらに限定されない。上述のようなアントラサイクリンは、1種以上の他のアントラサイクリン及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
タキサンは、細胞周期のM期中に微小管と高い親和性で結合し、微小管の通常の機能を阻害する。一般的なタキサンとしては、パクリタキセル、ドセタキセル、タキソテール、タキソール、タキサズム(taxasm)、7−エピパクリタキセル、t−アセチルパクリタキセル、10−デスアセチル−パクリタキセル、10−デスアセチル−7−エピパクリタキセル、7−キシロシルパクリタキセル、10−デスアセチル−7−エピパクリタキセル、7−N,N−ジメチルグリシルパクリタキセル、7−L−アラニルパクリタキセルなどが挙げられるが、これらに限定されないが。上述のようなタキサンは、1種以上の他のタキサン及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
カンプトテシンはトポイソメラーゼ及びDNAと複合体を形成し、この酵素の阻害及び機能を引き起こす。一般的なカンプトテシンとしては、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチンまたはビノレルビン)、アムサクリン、テニポシドなどが挙げられるが、これらに限定されない。上述のようなカンプトテシンは、1種以上の他のカンプトテシン及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
ニトロソウレアは、DNA修復に必要な変化を阻害する。一般的なニトロソウレアとしては、カルマスティン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。上述のようなニトロソウレアは、1種以上の他のニトロソウレア及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
EGFR(すなわち、上皮成長因子受容体)阻害剤は、EGFRを阻害し、細胞増殖及び分化を含む細胞応答を妨げる。EGFR阻害剤は、1つ以上のEGFRの機能または産生を阻害する分子を含む。これには、EGFRの小分子阻害剤、EGFRに対する抗体、アンチセンスオリゴマー、RNAi阻害剤及びEGFRの発現を低減する他のオリゴマーを含む。一般的なEGFR阻害剤としては、ゲフィチニブ、エルロチニブ(Tarceva)、セツキシマブ(Erbitux)、パニツムマブ(Vectibix、Amgen)ラパチニブ(GlaxoSmithKline)、CI1033またはPD183805、すなわちカンテルニブ(canternib)(6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポ−キシ)キナゾリン−4−アミン、Pfizer)などが挙げられるが、これらに限定されない。他の阻害剤としては、PKI−166(4−[(1R)−1−フェニルエチルアミノ]−6−(4−ヒドロキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d−]ピリミジン、Novartis)、CL−387785(N−[4−(3−ブロモアニリノ)キナゾリン−6−イル]ブト−2−イナミド)、EKB−569(4−(3−クロロ−4−フルオロアニリノ)−3−シアノ−6−(4−ジメチルアミノブト2(E)−エナミド)−−7−エトキシキノリン、Wyeth)、ラパチニブ(GW2016、GlaxoSmithKline)、EKB509(Wyeth)、パニツムマブ(ABX−EGF、Abgenix)、マツズマブ(EMD 72000、Merck)及びモノクローナル抗体RH3(New York Medical)が挙げられる。上述のようなEGFR阻害剤は、1種以上の他のEGFR阻害剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
抗生物質は、癌細胞死をもたらすDNAの切断を引き起こす遊離酸素ラジカルの形成を促進する。一般的な抗生物質としては、ブレオマイシン及びラパマイシンなどが挙げられるが、これらに限定されない。マクロライド系殺菌剤ラパマイシン(別称RAP、ラパミューン及びシロリムス)は、イムノフィリンFK506結合タンパク質12(FKBP12)に細胞内結合し、その結果生じる複合体は、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)のセリンタンパク質キナーゼ活性を阻害する。ラパマイシンマクロライドには、天然形態のラパマイシン、ならびにmTORを標的として阻害するラパマイシン類似体及び誘導体を含む。他のラパマイシンマクロライドとしては、テムシロリムス(CCI−779、Wyeth)、エベロリムス及びABT−578が挙げられるが、これらに限定されない。上述のような抗生物質は、1種以上の他の抗生物質及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
HER2/neu阻害剤は、HER2受容体を遮断し、腫瘍の生存に必要なカスケード反応を防止する。Her2阻害剤は、Her2の機能または産生を阻害する分子を含んでいる。この阻害剤は、Her2の小分子阻害剤、Her2に対する抗体、アンチセンスオリゴマー、RNAi阻害剤、及びチロシンキナーゼの発現を低減する他のオリゴマーを含む。一般的なHER2/neu阻害剤としては、トラスツズマブ(ハーセプチン、Genentech)などが挙げられるが、これらに限定されない。他のHer2/neu阻害剤としては、二重特異性抗体MDX−210(FC.gamma.R1−Her2/neu)及びMDX−447(Medarex)、ペルツズマブ(rhuMAb 2C4、Genentech)が挙げられ、上述のようなHER2/neu阻害剤は、1種以上の他のHER2/neu阻害剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
血管新生阻害剤は血管内皮成長因子、すなわちVEGFを阻害し、それによって腫瘍の生存に必要な新しい血管の形成を阻害する。VEGF阻害剤は、1つ以上のVEGFの機能または産生を阻害する分子を含む。この阻害剤は、VEGFの小分子阻害剤、VEGFに対する抗体、アンチセンスオリゴマー、RNAi阻害剤及びチロシンキナーゼの発現を低減する他のオリゴマーを含む。一般的な血管新生阻害剤としては、ベバシズマブ(Avastin、Genentech)が挙げられるが、これらに限定されない。他の血管新生阻害剤としては、ZD6474(AstraZeneca)、BAY−43−9006、ソラフェニブ(Nexavar、Bayer)、セマキサニブ(SU5416、Pharmacia)、SU6668(Pharmacia)、ZD4190(N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−[2−(1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル)エトキシ]−キナゾリン−4−アミン、Astra Zeneca)、Zactima(ZD6474、N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−[2−(1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル)エトキシ]キナゾリン−4−アミン、Astra Zeneca)、バタラニブ(PTK787、Novartis)、モノクローナル抗体IMC−1C11(Imclone)などが挙げられるが、これらに限定されない。上述のような血管新生阻害剤は、1種以上の他の血管新生阻害剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
EGFR、HER2及びVEGF阻害剤に加え、他のキナーゼ阻害剤が化学療法剤として使用される。オーロラキナーゼ阻害剤としては、4−(4−Nベンゾイルアミノ)アニリン)−6−メトキシ−7−(3−(1−モルホリノ)プロポキシ)キナゾリン(ZM447439、Ditchfield et al.,J.Cell.Biol.161:267−80(2003))、及びヘスペラジン(Haaf et al.,J.Cell Biol.161:281−94(2003))などの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。オーロラキナーゼ阻害剤としての使用に適した他の化合物は、Vankayalapati H,et al.,Mol.Cancer.Ther.2:283−9(2003)に記載されている。SRC/Ablキナーゼ阻害剤としては、AZD0530(4−(6−クロロ−2,3−メチレンジオキシアニリノ)−7−[2(4−メチルピペラジン−1−イペトックス−y(ypethox−y)]−5−テトラヒクロピラン(tetrahycropyran)−4−イルオキシキナゾリン)が挙げられるが、これに限定されない。チロシンキナーゼ阻害剤は、1つ以上のチロシンキナーゼの機能または産生を阻害する分子を含む。この阻害剤は、チロシンキナーゼの小分子阻害剤、チロシンキナーゼに対する抗体、及びアンチセンスオリゴマー、RNAi阻害剤及びチロシンキナーゼの発現を低減する他のオリゴマーを含む。CEP−701及びCEP−751(Cephalon)は、チロシンキナーゼ阻害剤として作用する。イマチニブメシレートは、bcr−ablのATP結合部位と結合して、タンパク質の酵素活性を競合的に阻害することによってbcr−ablを阻害するチロシンキナーゼ阻害剤である。イマチニブはbcr−ablに対して極めて選択的であるが、他の標的、例えばc−キット及びPDGF−Rも阻害する。FLT−3阻害剤としては、タンデュチニブ(MLN518、Millenium)、スーテント(SU11248、5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸[2−ジエチルアミノエチル]アミド、Pfizer)、ミドスタウリン(4’−N−ベンゾイルスタウロスポリン、Novartis)、レフノミド(lefunomide)(SU101)などが挙げられるが、これらに限定されない。MEK阻害剤としては、2−(2−クロロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−N−シクロプロピルメトキシ−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド)(PD184352/CI−1044、Pfizer)、PD198306(Pfizer)、PD98059(2’−アミノ−3’−メトキシフラボン)、U0126(Promega)、発酵微生物抽出物由来のRo092−210(Roche)、同じく微生物抽出物から単離されたレソルシル酸ラクトンL783277(Merck)などが挙げられるが、これらに限定されない。上述のようなチロシンキナーゼ阻害剤は、1種以上の他のチロシンキナーゼ阻害剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
プロテアソーム阻害剤は、分解の対象となったタンパク質の一部の分解を阻害する。その結果、細胞の成長停止または細胞死が生じる。一般的なプロテアソーム阻害剤としては、ボルテゾミブ、オルテゾミブ(ortezomib)などが挙げられるが、これらに限定されない。上述のようなプロテアソーム阻害剤は、1種以上の他のプロテアソーム阻害剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
免疫療法は、特定の標的と結合して遮断し、それによって腫瘍細胞の増殖に必要な事象の連鎖を断つと考えられている。一般的な免疫療法としては、リツキシマブ、及び他の抗CD20抗体、Campath−1H及び他の抗CD−50抗体、エプラツズマブ(epratuzmab)及び他の抗CD−22抗体、ガリキシマブ及び他の抗CD−80抗体、アポリズマブHU1D10及び他の抗HLA−DR抗体などが挙げられるが、これらに限定されない。放射性同位体を抗体と抱合させ、放射線免疫療法に利用することができる。このような抗CD20製品としては、トシツモマブ(Bexxar)及びイブリツモマブ(Zevalin)の2つがある。上述のような免疫療法は、1種以上の他の免疫療法及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
ホルモン療法は細胞受容体の遮断、ホルモンのin vivo産生の阻害、及び/または細胞上のホルモン受容体の除去または改変によって、最終的に腫瘍増殖を緩徐化または停止させる。一般的なホルモン療法としては、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、イドキシフェンなど)、プロゲストーゲン(例えば、メゲストロールアセテートなど)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、エクセメスタン、ボロゾール、エクセメスタン、ファドロゾール、アミノグルテチミド、エクセメスタン、1−メチル−1,4−アンドロスタジエン−3,17−ジオンなど)、抗アンドロゲン(例えば、ビカルチミド(bicalutimide)、ニルタミド、フルタミド、シプロテロンアセテートなど)、黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト(LHRHアゴニスト)(例えば、ゴセレリン、リュープロリド、ブセレリンなど);5−アルファ−レダクターゼ阻害剤(例えばフィナステリドなど)が挙げられるが、これらに限定されない。上述のようなホルモン療法は、1種以上の他のホルモン療法及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
光線力学療法は、光感作性薬に特定の波長の光を照射して癌細胞を殺傷する。一般的な光線力学療法としては、例えば、ポルフィマーナトリウム(例えば、Photofrine)などが挙げられる。上述のような光線力学療法は、1種以上の他の光線力学療法及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
癌ワクチンは、全不活化腫瘍細胞、全タンパク質、ペプチド断片、ウイルスベクターなどを利用して、癌細胞を標的とする免疫応答を生成すると考えられる。一般的な癌ワクチンとしては、修飾腫瘍細胞、ペプチドワクチン、樹状ワクチン、ウイルスベクターワクチン、熱ショックタンパク質ワクチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、転写活性を調節することが可能であると同時に、血管新生及び細胞周期を妨害し、アポトーシス及び分化を促進することができる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤としては、これに限定されないが、SAHA(スベロイルアニリドヒドロキサム酸)、デプシペプチド(FK288)及び類似体、Pivanex(Titan)、CI994(Pfizer)、MS275 PXD101(CuraGen、TopoTarget)MGCD0103(MethylGene)、LBH589、NVP−LAQ824(Novartis)などが挙げられ、化学療法剤として使用されている。上述のようなヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、1種以上の他のヒストンデアセチラーゼ阻害剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
スフィンゴ脂質代謝のモジュレーターはアポトーシスを誘導することが明らかになっている。概説については、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、N.S.Raclin,Biochem J,371:243−56(2003);D.E.Modrak,et al.,Mol.Cancer.Ther,5:200−208(2006),K.Desai,et al.,Biochim Biophys Acta,1585:188−92(2002)及びC.P.Reynolds,et al.and Cancer Lett,206,169−80(2004)を参照のこと。スフィンゴ脂質代謝に関与する種々の酵素のモジュレーター及び阻害剤を化学療法剤として使用することができる。セラミドはアポトーシスを誘導することが明らかになっている。その他の類似体としては、Cer 1−グルクロニド、ポリ(エチレングリコール)誘導体化セラミド及びPEG化セラミドが挙げられるが、これらに限定されない。セラミド合成を刺激するモジュレーターは、セラミドレベルを上昇させるために使用されている。セラミド合成に関与する酵素であるセリンパルミトイルトランスフェラーゼを刺激する化合物としては、テトラヒドロカンナビノール(THC)及び合成類似体、ならびにアナンダミド、天然の哺乳動物カンナビノイドが挙げられるが、これらに限定されない。ゲムシタビン、レチノイン酸及び誘導体、フェンレチニド[N−(4−ヒドロキシフェニル)レチンアミド,(4HPR)])、カンプトテシン、ホモカンプトテシン、エトポシド、パクリタキセル、ダウノルビシンならびにフルダラビンもまたセラミドレベルを上昇させることが明らかになっている。さらに、バルスポダール(PSC833、Novartis)、シクロスポリンの非免疫抑制性で非腎毒性(non−ephrotoxic)の類似体、及びp−糖タンパク質の阻害剤はセラミドレベルを上昇させる。スフィンゴミエリナーゼのモジュレーターは、セラミドレベルを上昇させることができる。GSHはスフィンゴミエリナーゼを阻害するため、これにはGSHレベルを低下させる化合物が含まれる。例えば、ベータシン(betathine)(β−アラニルシステアミンジスルフィド)は、GSHを酸化し、骨髄腫、黒色腫及び乳癌患者において良好な効果をもたらしている。COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、ケトコナゾール、抗真菌薬、ドキソルビシン、ミトキサントロン、D609(トリシクロデカン−9−イル−キサントゲネート)、デキサメタゾン、及びAra−C(1−β−D−アラビノフラノシルシトシン)もスフィンゴミエリナーゼを刺激する。グルコシルセラミドの加水分解を刺激する分子も、セラミドレベルを上昇させる。ゴーシェ病での使用に有用である酵素、GlcCerグルコシダーゼは、特にグルコースアクセプター及び/または酵素の活性化因子であるレチノールまたはペンタノールとともに治療薬として使用することができる。サポシンC及びその類似体ならびに抗精神病薬、クロロプロマジンの類似体も有用であり得る。グルコシルセラミド合成阻害剤としては、PDMP(N−[2−ヒドロキシ−1−(4−モルホリニルメチル)−2−フェニルエチルデカンアミド])、PMPP(D,L−スレオ−(1−フェニル−2−ヘキサデカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−プロパノール)、P4またはPPPP(D−スレオ−1−フェニル−2−パルミトイルアミノ−3−ピロリジノ−1−プロパノール)、エチレンジオキシ−P4、2−デカノイルアミン−3−モルホリノプロフェノン、タミキソフェン(tamixofen)、ラロキシフェン、ミフェプリストン(RU486)、N−ブチルデオキシノジリマイシン、及び抗アンドロゲン化学療法(ビカルタミド+リュープロリドアセテート)が挙げられるが、これらに限定されない。ゴーシェ病の治療に通常使用されるZavesca(1,5−(ブチルイミノ)−1,5−ジデオキシ−D−グルシトール)は、グルコシルセラミド合成の別の阻害剤である。セラミダーゼ阻害剤としては、N−オレオイルエタノールアミン、セラミド切断形態、D−MAPP(D−エリスロ−2−テトラデカノイルアミノ−1−フェニル−1−プロパノール)及び関連阻害剤B13(p−ニトロ−D−MAPP)が挙げられるが、これらに限定されない。スフィンゴシンキナーゼ阻害剤もセラミドレベルの上昇をもたらす。阻害剤としては、サフィンゴール(L−スレオ−ジヒドロスフィンゴシン)、N,N−ジメチルスフィンゴシン、トリメチルスフィンゴシン、ならびにスフィンゴシンの類似体及び誘導体、例えば、ジヒドロスフィンゴシン、ならびにミリオシンが挙げられるが、これらに限定されない。フモニシン及びフモニシン類似体は、セラミドシンターゼを阻害するが、新規のスフィンゴ脂質生合成の阻害によりスフィンガニンレベルを上昇させ、アポトーシスをもたらす。セラミドレベルを上昇させるその他の分子としては、ミルテホシン(ヘキサデシルホスホコリン)が挙げられるが、これらに限定されない。上述のようなスフィンゴ脂質モジュレーターは、1種以上の他のスフィンゴ脂質モジュレーター及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドが癌療法として提供されている。これには、Genasense(オブリメルセン、G3139、Genta製)、bcl−2を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド、及びG4460(LR3001、Genta製)、c−mybを標的とする別のアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。その他のオリゴマーとしては、siRNA、デコイ、RNAiオリゴヌクレオチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。上述のようなオリゴヌクレオチドは、1種以上の他のオリゴヌクレオチド阻害剤及び/またはクラス(複数可)の異なる1種以上の化学療法剤と併用することができる。
化学療法剤は、2種以上の薬剤(例えば、KBU2046と、化学療法剤及び/またはホルモン療法剤)の混合薬を含み得る。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、アルキル化剤、白金、代謝拮抗剤、アントラサイクリン、タキサン、カンプトテシン、ニトロソウレア、EGFR阻害剤、抗生物質、HER2/neu阻害剤、血管新生阻害剤、キナーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、免疫療法、ホルモン療法、光線力学療法、癌ワクチン、スフィンゴ脂質モジュレーター、オリゴマー、またはこれらの組み合わせのうちの2つ以上を含む混合薬である。
本発明のいくつかの実施形態では、放射線療法がオリゴヌクレオチド化合物の投与に加えて施される。放射線療法は外部放射線療法及び内部放射線療法の両方を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、患者から癌組織を除去するために外科手術が使用される。癌組織は、例えば、腹腔鏡手術、メス、レーザー、ハサミなどを含む、任意の好適な外科的処置を用いて患者から摘出することができる。いくつかの実施形態では、手術は化学療法と組み合わされる。他の実施形態では、外科手術は放射線療法と組み合わされる。更に他の実施形態では、外科手術は化学療法及び放射線療法の両方と組み合わされる。
ヒト乳癌細胞、肺癌細胞及び大腸癌細胞の運動性を阻害するための実施形態を本明細書に記載する。このような目的の組成物及び方法は、例えば、(1)前癌性病変(例えば、非浸潤病変;別称、上皮内病変または上皮内癌)の浸潤性を阻害し、真性、例えば浸潤癌の形成を阻害すること;(2)臓器限局癌の局所臓器外への浸潤、及び隣接臓器への浸潤を阻害すること(例えば、大動脈への侵入を可能にし、結果として生じる失血死を引き起こし得る、肺癌の胸部中心への浸潤の阻害);ならびに(3)全身の癌細胞の運動性を阻害すること(例えば、転移の阻害)に使用される。組成物及び方法は、例えば、大腸癌、乳癌及び肺癌など、一般に局所臓器へ浸潤し、それによって罹患及び死を誘発するものすべて、ならびに、全身に転移して罹患及び死を誘発するものすべてに使用される。本明細書に記載する実施形態の開発中に実施した実験は、セリン226のリン酸化を阻害することにより、熱ショックタンパク質90(HSP90)の機能の阻害を示す。HSP90の機能は、CDC37との結合能を増加させることによって阻害される。一連の化合物は、HSP90/CDC37相互作用を増加させるように設計され、実験でそれらが癌細胞運動性を阻害することが実証されている。癌細胞運動性の治療的阻害は、細胞毒性化学療法と併用できるとともに、その有効性を増加させることが実証されている。癌細胞運動性の治療的阻害は、前立腺癌のためのホルモン療法と併用できるとともに、その有効性を増加させることが実証された。更に、本明細書に記載する方法を適用すると、ホルモン療法に対する耐性を多種多様な癌において克服することができる。
実施例1
材料及び方法
最適化された小分子化学プローブの選択及び合成
機能的スクリーニングは、有効性を得るためのBoydenチャンバー細胞浸潤アッセイ(Craft et al.,2007;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び毒性を得るための3日間の細胞成長阻害アッセイ(Liu et al.,2002;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)で構成された。毒性の機能測定には追加で、NCI60細胞株パネルのNCI基準のスクリーニング(Shoemaker,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、qRT/PCRによるエストロゲン応答遺伝子の発現(Ding et al.,2007;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、ルシフェラーゼアッセイによるエストロゲン応答プロモーターの誘導(Breen et al.,2013;Catherino and Jordan,1995;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び造血幹細胞の14日間のコロニー形成アッセイ(Bergan et al.,1996;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を含めた。ERと結合するゲニステインの化学基の決定には、タンパク質データベース(PDB)のX線結晶構造データ(PDB ID:IX7R、IX7J)を使用した。個々の細胞の遊走は、タイムラプスビデオ顕微鏡検査によって評価した。
材料及び方法
最適化された小分子化学プローブの選択及び合成
機能的スクリーニングは、有効性を得るためのBoydenチャンバー細胞浸潤アッセイ(Craft et al.,2007;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び毒性を得るための3日間の細胞成長阻害アッセイ(Liu et al.,2002;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)で構成された。毒性の機能測定には追加で、NCI60細胞株パネルのNCI基準のスクリーニング(Shoemaker,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、qRT/PCRによるエストロゲン応答遺伝子の発現(Ding et al.,2007;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、ルシフェラーゼアッセイによるエストロゲン応答プロモーターの誘導(Breen et al.,2013;Catherino and Jordan,1995;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び造血幹細胞の14日間のコロニー形成アッセイ(Bergan et al.,1996;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を含めた。ERと結合するゲニステインの化学基の決定には、タンパク質データベース(PDB)のX線結晶構造データ(PDB ID:IX7R、IX7J)を使用した。個々の細胞の遊走は、タイムラプスビデオ顕微鏡検査によって評価した。
マウスモデルでのKBU2046の有効性及び薬物動態学の評価
ヒトPCa細胞の正所性移植及び遠隔転移の定量化を記載のように実施した(Pavese et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ヒト乳癌細胞の正所性移植に続いて、生じた原発腫瘍の外科的除去を記載のように実施した(du Manoir et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。KBU2046血漿中濃度の定量化をLCMSによって実施した。得られた薬物動態学的パラメーターを、naive pooled data法を用いた3コンパートメントモデルで算出し(Kataria et al.,1994;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、経口バイオアベイラビリティをAvram et al.,2009(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載のように算出し、モデルフィッティングには、観察時点でのモデルに基づくデータ分散の逆数で重み付けしたデータを用いた、拡張した最小ニ乗最尤関数を使用し(Barrett et al.,1998;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、測定結果及び推定結果の検定によりモデルの誤特定を求めた(Cobelli and Foster,1998;Foster,1998;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。重要臓器は、半定量的な組織学的評価法(Knodell et al.,1981;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を用いて構造損傷を検査すると同時に、その機能を血液サンプルの広範な臨床検査試験によって評価した。すべての動物実験は、Institutional Animal Care and Use Committee of Northwestern Universityにより承認されたプロトコルに基づいて実施した。
ヒトPCa細胞の正所性移植及び遠隔転移の定量化を記載のように実施した(Pavese et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ヒト乳癌細胞の正所性移植に続いて、生じた原発腫瘍の外科的除去を記載のように実施した(du Manoir et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。KBU2046血漿中濃度の定量化をLCMSによって実施した。得られた薬物動態学的パラメーターを、naive pooled data法を用いた3コンパートメントモデルで算出し(Kataria et al.,1994;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、経口バイオアベイラビリティをAvram et al.,2009(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載のように算出し、モデルフィッティングには、観察時点でのモデルに基づくデータ分散の逆数で重み付けしたデータを用いた、拡張した最小ニ乗最尤関数を使用し(Barrett et al.,1998;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、測定結果及び推定結果の検定によりモデルの誤特定を求めた(Cobelli and Foster,1998;Foster,1998;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。重要臓器は、半定量的な組織学的評価法(Knodell et al.,1981;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を用いて構造損傷を検査すると同時に、その機能を血液サンプルの広範な臨床検査試験によって評価した。すべての動物実験は、Institutional Animal Care and Use Committee of Northwestern Universityにより承認されたプロトコルに基づいて実施した。
KBU2046のMKK4経路の阻害能の評価
低分子化学薬のMKK4結合能は、蛍光サーマルシフトアッセイ(Krishna et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)及び等温滴定型カロリメトリー(Polier et al.,2013;Zubriene et al.,2010;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって評価した。MKK4キナーゼ活性の阻害能は、in vitroキナーゼアッセイ(Krishna et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって評価し、細胞内の細胞シグナル伝達の阻害能は、リン酸化タンパク質のウエスタンブロット(Huang et al.,2005;Xu and Bergan,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって評価した。
低分子化学薬のMKK4結合能は、蛍光サーマルシフトアッセイ(Krishna et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)及び等温滴定型カロリメトリー(Polier et al.,2013;Zubriene et al.,2010;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって評価した。MKK4キナーゼ活性の阻害能は、in vitroキナーゼアッセイ(Krishna et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって評価し、細胞内の細胞シグナル伝達の阻害能は、リン酸化タンパク質のウエスタンブロット(Huang et al.,2005;Xu and Bergan,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって評価した。
プロテオミクスを使用した、KBU2046の薬理学的作用部位の同定
KBU2046によって誘導されるキノームの変化のスクリーニングは、Kinoview(商標)アッセイ系によって評価した。モチーフ特異的なKinoview(商標)抗体によって沈降させたタンパク質を、SEQUEST/Sorcererデータ分析スイートと連動したLTQ−Orbitrap LC−MS/MS分析を使用して、PhosphoScan(商標)技術により同定した(Lundgren et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
KBU2046によって誘導されるキノームの変化のスクリーニングは、Kinoview(商標)アッセイ系によって評価した。モチーフ特異的なKinoview(商標)抗体によって沈降させたタンパク質を、SEQUEST/Sorcererデータ分析スイートと連動したLTQ−Orbitrap LC−MS/MS分析を使用して、PhosphoScan(商標)技術により同定した(Lundgren et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
KBU2046が結合するタンパク質クレフトの特定
HSP90β/CDC37ヘテロ複合体の安定化を、drug affinity responsive target stability(DARTS)アッセイによって評価した(Lomenick et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。in silicoモデルの構築には、KBU2046化合物構造、DARTSアッセイ、ヒトHSP90βの結晶構造(pDBs luym、3nmq及び3pry)、及び酵母由来のHSP82−CDC37複合体の結晶構造(PDB 1us7)から得られる実験データを使用し、X線回折による結晶学的解析、及びHSP90β構造の実験的プローブにより特定した。これは、種々の長さの化学的クロスリンカー(Chavez et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)と、ReACT(Weisbrod et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を用いたMS3分析とを併用し、推定されるタンパク質相互作用レポーターの質量相関(Tang et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を満たす方法で行う。次に、実験的に決定された構造情報を、Argonne Leadership Computing Facility,Argonne National Laboratoryで、APPLIED Pipeline(Analysis Pipeline for Protein Ligand Interactions and Experimental Determination)上に統合して解析した。実験結果に基づき、進化したタンパク質表面分析(Binkowski et al.,2003;Binkowski and Joachimiak,2008;Binkowski et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、強力な相同性モデリング(Leaver−Fay et al.,2011;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、複合的手法を使用した超並列ドッキングシミュレーション(Deng and Roux,2008;Graves et al.,2008;Lang et al.,2009;Moni.s et al.,2009;Wang et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び高度な物理学ベースの再スコアリング方法論(Jiang et al.,2009;Jiang and Roux,2010;Wang et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を組み合わせることにより、タンパク質−タンパク質及びタンパク質−リガンド相互作用を考慮した多段階アルゴリズムに従って解析した。
HSP90β/CDC37ヘテロ複合体の安定化を、drug affinity responsive target stability(DARTS)アッセイによって評価した(Lomenick et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。in silicoモデルの構築には、KBU2046化合物構造、DARTSアッセイ、ヒトHSP90βの結晶構造(pDBs luym、3nmq及び3pry)、及び酵母由来のHSP82−CDC37複合体の結晶構造(PDB 1us7)から得られる実験データを使用し、X線回折による結晶学的解析、及びHSP90β構造の実験的プローブにより特定した。これは、種々の長さの化学的クロスリンカー(Chavez et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)と、ReACT(Weisbrod et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を用いたMS3分析とを併用し、推定されるタンパク質相互作用レポーターの質量相関(Tang et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を満たす方法で行う。次に、実験的に決定された構造情報を、Argonne Leadership Computing Facility,Argonne National Laboratoryで、APPLIED Pipeline(Analysis Pipeline for Protein Ligand Interactions and Experimental Determination)上に統合して解析した。実験結果に基づき、進化したタンパク質表面分析(Binkowski et al.,2003;Binkowski and Joachimiak,2008;Binkowski et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、強力な相同性モデリング(Leaver−Fay et al.,2011;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、複合的手法を使用した超並列ドッキングシミュレーション(Deng and Roux,2008;Graves et al.,2008;Lang et al.,2009;Moni.s et al.,2009;Wang et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び高度な物理学ベースの再スコアリング方法論(Jiang et al.,2009;Jiang and Roux,2010;Wang et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を組み合わせることにより、タンパク質−タンパク質及びタンパク質−リガンド相互作用を考慮した多段階アルゴリズムに従って解析した。
実施例2
化学合成
4’−フルオロイソフラバノン(KBU2046)の大規模生成の例示的手順
化学合成
4’−フルオロイソフラバノン(KBU2046)の大規模生成の例示的手順
3−(ジメチルアミノ)−1−(2−ヒドロキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン。出発材料2’−ヒドロキシアセトフェノン(50mmol、6.02mL)及びN,Nジメチルホルムアミドジメチルアセタール(50mmol、6.64mL)を10〜20mLのマイクロ波バイアルに入れた。バイアルに蓋をして、Biotage Initiatorマイクロ波シンセサイザー内で、150℃、11barで10分間加熱した。得られた暗橙色の液体を23℃まで冷却した時点で生じる黄橙色の結晶を溶液から取り出して粉砕した。結晶を回収してヘキサン(50mL)で洗浄し、乾燥後に計量して、橙黄色の針状結晶である3−(ジメチルアミノ)−I−(2−ヒドロキシフェニル)プロパ−2−エン−I−オン(9.09g、95%)を得た。生成物をNMR及び超高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(UPLCMS)により確定した。
3−ブロモクロモン。Gammillから得た手順(Gammill,1979;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって3−ブロモクロモンを調製した。加熱乾燥した250mLの丸底フラスコに、3−(ジメチルアミノ)−1−(2−ヒドロキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(36.6mmol、7.0g)を入れ、CHCl3(70mL)中に溶解させた。反応フラスコを氷浴中で0℃まで冷却した後、滴下漏斗を用いてBr2(36.6mmol、1.87mL)を滴加した。Br2をすべて添加した後、水(70mL)を緩徐に反応物に添加し、23℃で10分間撹拌した。次に、暗橙色/暗黄色の有機層を水層と分離し、3x50mLのCHCl3によって逆抽出した。次に、混合有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して暗橙色の油を得た。この油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2 10%のEtOAc/ヘキサン)で精製し、3−ブロモクロモン(5.26g、64%)をオフホワイト固体として得た。生成物をNMR及び超高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(UPLCMS)により確定した。
パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(Pd(PPh3)4)。4’−フルオロイソフラボンを合成するための鈴木−宮浦クロスカップリング反応用触媒を、Coulson(Coulson et al.,1990;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)による手順を使用して作製した。加熱乾燥した100mLのシュレンクフラスコに、PdCl2(5mmol、890mg)及びトリフェニルホスフィン(25mmol、6.56g)を入れた。固体はDMSO(60mL)に溶解させた後、その混合物をN2でパージし、145℃まで加熱した時点で明黄橙色に変化した。反応物を熱源から除去し、室温で15分間撹拌した後、N2ガスの形成を考慮して定位置に通気針を取り付けたシリンジを用いてヒドラジン水化物(20mmol、0.972mL)を添加した。ヒドラジン水化物を添加した後、反応物を23℃に冷却した。その間に黄色の固体を溶液から取り出して粉砕した。固体をシュレンク濾過条件下で2x50mLのEtOH、次いで2x50mLのエーテルで洗浄し、鮮黄色の固体としてPd(PPh3)4(5.31g、94%)を得て、N2下で保存した。
4’−フルオロイソフラボン。4’−フルオロイソフラボンを鈴木及び宮浦による手順(Hoshino et al.,1988;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に従って大規模調製した。加熱乾燥した500mLの丸底フラスコに、3−ブロモクロモン(50mmol、11.25g)、4−フルオロフェニルボロン酸(55mmol、7.69g)及びNazC03(100mmol、10.6g)を添加した。固体をベンゼン(100mL)と水(50mL)との混合物に溶解させ、系を10〜15分間、N2でパージした。次に、Pd(PPh3)4触媒(2.5mmol、2.89g)を添加した時点で、反応物は明橙色に変化した。フラスコに還流冷却管を取り付け、反応物を一晩加熱還流(80℃)させた。約16時間後、反応物を23℃まで冷却し、EtOAc(250mL)で希釈した後、溶出剤としてEtOAcを使用したシリカプラグに粗製物を通した。有機物質をNa2SO4で乾燥させて濃縮し、DCMを使用してシリカゲルに吸着させた暗褐色の固体を得た。物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、20%のEtOAc/ヘキサン)によって精製し、4’−フルオロイソフラボン(8.14g、収率67%)を黄橙色固体として得た。これは、1H NMR分光法によって微量の不純物を示した。わずかな不純物質を更に精製することなく次の合成工程で使用した。生成物をNMR及び超高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(UPLCMS)により確定した。
4’−フルオロイソフラバノン(KBU2046)。加熱乾燥した500mLの丸底フラスコに4’−フルオロイソフラボン(25mmol、6.01g)を入れ、この固体を乾燥THF(100mL)に溶解させた。溶液を、熱電対によってモニターして、−78℃まで冷却(ドライアイス/アセトン浴)した。溶液が所望の温度まで冷却されたら、L−selectride(55mmol、55mL、1MのTHF溶液)を30〜45分かけて滴加した。次に、反応物を−78℃で2時間撹拌し、その後、−78℃のMeOH(55mL)でクエンチした。混合物を300mLの水に注入し、水性層を2MのHClでpH7に調整した。水性層を2x200mLのEtOAcで抽出し、混合有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して暗褐色の油状固体を得た。この固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、1:1のヘキサン:DCM)で精製し、4.5gの粗製物を得た。これをヘキサン中に再結晶化させ、4’−フルオロイソフラバノン(3.4g、56%)を綿毛状の白色固体として得た。1H NMR及びHPLC分析の両方によって固体の純度を検査し、98%超の純度の物質を動物実験に使用した。
親4’−フルオロイソフラバノン(KBU2046)に加えて、関連する類似体化合物を合成した。これらの化合物は、KBU2046と同じ一般的な方法で調製した。付加的な類似体の構造及び純度は、NMR分光法(1H及び13C)ならびにUPLCMS(最小のイオン開裂)によって確定した。すべての化合物は単離して粉末形態で保存し(無光状態)、使用直前にDSMO原液に配合した。
実施例3
KBU2046による細胞運動性及び転移の阻害
細胞運動性及び転移の選択的阻害剤の同定
プローブ合成を進めるにあたってプラットフォームとしてフラボノイドを選択した。その理由には、少なくとも、広範囲にわたる生物学的効果を及ぼすこと、及び単一の原子による構造変化が生物活性の範囲に著しく影響を与え得ることがある(Andersen and Markham,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。したがって、フラボノイドは原子レベルの解像能を有する生物学的プローブを構成し、その化学的足場は高度に調整された、選択性のある医薬化学的改良を容易にする。出発点として4’,5,7−トリヒドロキシイソフラボン(ゲニステイン)を選択した。ゲニステインはin vitroでヒト前立腺癌(PCa)の細胞浸潤性を阻害すること(Huang et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、また前向き臨床試験の状況下で、前立腺組織においてマトリックスメタロプロテイナーゼ2(MJ\1P−2)の発現を下方調節すること(Xu et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)が実証された。しかしながら、その既知の広範な生物学的効果が、ゲニステインを選択的かつ強力な生物学的プローブとしての使用に適さないものにしている(Pavese et al.,2010;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。しかし、まさにこの同じ特性は、化学的多様性に応じて広範囲の生物活性部位を選択的にプローブする可能性を最大化する。
KBU2046による細胞運動性及び転移の阻害
細胞運動性及び転移の選択的阻害剤の同定
プローブ合成を進めるにあたってプラットフォームとしてフラボノイドを選択した。その理由には、少なくとも、広範囲にわたる生物学的効果を及ぼすこと、及び単一の原子による構造変化が生物活性の範囲に著しく影響を与え得ることがある(Andersen and Markham,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。したがって、フラボノイドは原子レベルの解像能を有する生物学的プローブを構成し、その化学的足場は高度に調整された、選択性のある医薬化学的改良を容易にする。出発点として4’,5,7−トリヒドロキシイソフラボン(ゲニステイン)を選択した。ゲニステインはin vitroでヒト前立腺癌(PCa)の細胞浸潤性を阻害すること(Huang et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、また前向き臨床試験の状況下で、前立腺組織においてマトリックスメタロプロテイナーゼ2(MJ\1P−2)の発現を下方調節すること(Xu et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)が実証された。しかしながら、その既知の広範な生物学的効果が、ゲニステインを選択的かつ強力な生物学的プローブとしての使用に適さないものにしている(Pavese et al.,2010;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。しかし、まさにこの同じ特性は、化学的多様性に応じて広範囲の生物活性部位を選択的にプローブする可能性を最大化する。
ヒトPCa細胞の浸潤性阻害の反復的選択を用いた、系統的な医薬品化学の多様化法によって、ゲニステインから化学プローブを開発した(図1)。この選択的プロファイリングに加え、主要な目的は細胞成長の阻害(オフターゲット効果の指標)を除外することであった。重要な点として、ゲニステインはエストロゲン効果を呈することが知られており(Messina et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、細胞運動性の選択的な調節にはオフターゲットであると見なされていた。ゲニステインを結合したエストロゲン受容体(ER)の結晶構造(Manas et al.,2004;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に従って、ER結合を除外した。この手法を用いて、ハロゲン置換イソフラバノンである(±)−3(4−フルオロフェニル)クロマン−4−オン(KBU2046)を見出した(図1)。
KBU2046は、正常前立腺上皮細胞、ならびに原発性及び転移性PCa細胞を含む、ゲニステインと同等またはそれを上回るヒト前立腺細胞に対する細胞浸潤性を阻害する(図2A)。細胞遊走は細胞浸潤性の主要決定要素(Friedl and Wolf,2003;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)であり、KBU2046はヒト前立腺癌、乳癌、大腸癌及び肺癌細胞の遊走を阻害した(図2B)。重要な点として、KBU2046は細胞アッセイにおいて高い選択性を有した。これは、ヒト前立腺細胞(図2C)に対して、ヒト骨髄幹細胞(図2D)に対して、またNCI60細胞株パネルの細胞(図9)に対しても有毒性ではなかった。骨髄に対する毒性は多種多様な治療薬によって引き起こされ、抗癌剤の頻度の高い用量制限毒性である(Guest and Uetrecht,1999;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。更に、エストロゲン応答ヒト乳癌MCF−7細胞において、KBU2046はエストロゲン応答遺伝子を活性化しなかった(図2E、図9)。
KBU2046は転移を選択的に阻害し、生存を延長する。
プローブは、全身活性小分子と関連することが知られている化学的特性を含むように設計された(図10)(Lipinski et al.,2001;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ヒトPCa転移の確立された正所性移植マウスモデル(Lakshman et al.,2008;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を用いて、遠隔転移の形成を阻害するKBU2046の能力を定量化した。KBU2046は、1.1〜24nMの血漿中濃度で、用量依存的に転移を最大92%有意に減少させた(図3A、3B)。マウスでのKBU2046の薬物動態学の包括的な特性決定により、単回経口投与後9.3時間にわたって血漿中濃度が24nM超に維持されたことが実証され、また薬物動態学的パラメーターの特性決定も許容された(図3C、図11)。全身レベルで、KBU2046は選択性の高い転移阻害剤であった。原発腫瘍成長、動物挙動、体重、多臓器の組織学的検査及び血清の化学的プロファイリングの包括的な分析の結果、KBU2046と関連するオフターゲット効果は同定されなかった(図12、図13)。
ヒトでの転移と生存率の減少との間の確立された関係を考慮して、生存率に対するKBU2046の影響を評価した。正所性PCaモデルは尿生殖路周辺で急速な腫瘍成長を示し、生存率に対する転移負荷の影響の評価を妨げる。しかしながら、ヒト乳癌細胞の正所性移植、及び結果として生じる原発腫瘍のその後の外科的切除により、生存率が転移負荷によって決定されるマウスモデル(du Manoir et al,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)が得られる。KBU2046は、術後補助療法で治療されたマウスの生存率を有意に延長した(図3D)。
KBU2046は、HSP90βのSer226のリン酸化を減少させることによって浸潤性を阻害する。
低ナノモル濃度のゲニステインは、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ、キナーゼ4 CMXK.41MAP2K4/MEK4のキナーゼ活性を阻害し(Xu et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、それによりp38 MAPKの下流リン酸化を阻害する(Huang et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。また熱ショックタンパク質27(HSP27)のキナーゼ活性を阻害し(Xu and Bergan,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、それによりin vitroでMMP−2発現及び細胞浸潤性を阻害し、マウスでのヒトPCa転移の阻害(Lakshman et al.,2008;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及びヒト前立腺組織でのMMP−2発現の阻害(Xu et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)をもたらす全身作用を与える。ゲニステインとは対照的に、KBU2046はMKK4とは結合せず、すなわちin vitroでのMKK4のキナーゼ活性を阻害せず、p38 MAPKまたはHSP27の細胞内でのリン酸化を阻害しなかった(図4)。驚くべきことだが、この結果はプローブ手法がMKK4シグナル伝達軸の阻害を除外したことを実証している。これは小分子化学プローブ手法が不偏性である指標となる。
KBU2046はMKK4を標的としないため、生物学的標的(複数可)を同定するための代替方法を検討した。KinomeView(登録商標)抗体パネル(Cell Signaling Technology,Inc.)は、確立されたタンパク質リン酸化モチーフを検出するものであり、KBU2046によって誘導されたタンパク質リン酸化の変化をプローブすることを目的とした(図5A、図14A〜D)。以下の基準を満たすリン酸タンパク質の変化を優先した:(1)処置したマウスの細胞内及び腫瘍内に変化が観察された(図3Aより)、(2)変化が、トランスフォーミング成長因子β(TGFβ)が誘導する効果を中和し、それが再現可能であった。TGFβはin vivoで遍在性であり、PCa細胞浸潤性を増加させることが知られている(Huang et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。またKBU2046の抗浸潤有効性は、TGFβの存在下でより大きくなる(図15)。比較のため、ゲニステインを同一処理条件で評価した。その数多くの薬理学的効果は、タンパク質リン酸化の広範な変化を誘導した(図14A〜D)。対照的に、KBU2046では、83kDaのタンパク質バンドの強度の減少のみが、先に指定した基準を満たした(図5Aの矢印)。更にKBU2046の高い分子選択性が、3種類のin vitroアッセイ系において、検査された400超の異なるタンパク質キナーゼ及び20のホスファターゼの阻害を回避することにより裏付けられた。
83kDaのタンパク質は、PC3細胞をKBU2046またはビヒクル対照で前処理し、TGFBで処理して、図5Aで使用したKinomeView(登録商標)抗体によって沈降させたタンパク質に対してLC−MSIMS分析を実行することにより同定した。得られたデータをSEQUEST/Sorcererデータ解析スイート(Lundgren et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)で解析し、バックグラウンドレベルの3倍以上の発現を含む所定のパラメーターに基づいて、KBU2046により2.5分の1に減少することを示し、かつ83kDaの指標バンドの±5kDaの範囲内であるタンパク質を更に選択した。この方法により、単一のタンパク質HSP90βを得るとともに、KBU2046が、HSP90βのリン酸化したSer226の存在量を6.6分の1に減少させたことが示された(図5B、図16)。
(S226A)−HSP90β構築物を使用して、Ser226の欠損が野生型(WT)−HSP90βと比較して細胞浸潤性を阻害すること、及びその欠損がKBU2046の有効性を抑制したことを実証した(図5C)。siRNA媒介性のHSP90βノックダウンが細胞浸潤性を阻害し、かつKBU2046の有効性を抑制したことを実証することによって、KBU2046の有効性を媒介する際のHSP90Bの選択性が更に裏付けられた(図12)。重要な点として、HSP90β特異的siRNAはHSP90αをノックダウンしなかった。次に、リン酸化されたSer226の生物学的模倣体をもたらす、(S226D)−HSP90βでトランスフェクトした細胞が浸潤性の増加を呈し、KBU2046の効果に感受性がなかったことを実証した(図5D)。これらの結果は、HSP90β Ser226のリン酸化が細胞浸潤の調節因子であることを同定し、それがKBU2046の有効性を媒介するための必要かつ十分であることを示す。
CDC37/HSP90βヘテロ複合体へのKBU2046の結合
HSP90β Ser226のリン酸化がKBU2046作用の調節因子であると同定されたため、KBU2046とそのタンパク質標的(複数可)との間の相互作用に関する洞察を更に得ることを試みた。HSP90βに加え、CDC37が想定される標的であると考えた。CDC37は、190超のキナーゼを含む、350超のクライアントタンパク質とHSP90βとの結合を媒介するコシャペロンである(Taipale et al.,2012;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。CDC37の柔軟なアーム状構造(タンパク質データバンク(PDB)ID:2WOG)は、多数のキナーゼの動的な結合を可能にし、Ser226に対するキナーゼの位置を画定する。CDC37の移動性を示すもう1つの基準は、その構造の変化が、極めて動的なHSP90シャペロンサイクルの変化と連動していることである(Vaughan et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。CDC37及びHSP90βの協調した動的な運動は、それと並置され、Ser226リン酸化状態を調節することができるキナーゼの範囲を決定する。KBU2046がCDC37またはHSP90βのいずれかと結合した場合、結果として生じる新たな化学的相互作用が、この2つのタンパク質の力学及び機能を変化させることができ、それによってキナーゼのSer226に対する接触性及びそのリン酸化が調節される推論した。
HSP90β Ser226のリン酸化がKBU2046作用の調節因子であると同定されたため、KBU2046とそのタンパク質標的(複数可)との間の相互作用に関する洞察を更に得ることを試みた。HSP90βに加え、CDC37が想定される標的であると考えた。CDC37は、190超のキナーゼを含む、350超のクライアントタンパク質とHSP90βとの結合を媒介するコシャペロンである(Taipale et al.,2012;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。CDC37の柔軟なアーム状構造(タンパク質データバンク(PDB)ID:2WOG)は、多数のキナーゼの動的な結合を可能にし、Ser226に対するキナーゼの位置を画定する。CDC37の移動性を示すもう1つの基準は、その構造の変化が、極めて動的なHSP90シャペロンサイクルの変化と連動していることである(Vaughan et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。CDC37及びHSP90βの協調した動的な運動は、それと並置され、Ser226リン酸化状態を調節することができるキナーゼの範囲を決定する。KBU2046がCDC37またはHSP90βのいずれかと結合した場合、結果として生じる新たな化学的相互作用が、この2つのタンパク質の力学及び機能を変化させることができ、それによってキナーゼのSer226に対する接触性及びそのリン酸化が調節される推論した。
等温滴定型カロリメトリー、蛍光によるサーマルシフトアッセイ、またはdrug affinity responsive target stability(DARTS)アッセイ(図18)(Lomenick et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって、KBU2046がCDC37またはHSP90βのいずれかと結合するという証拠はなかった。DARTSでは、リガンドがその標的をプロテアーゼ消化から保護する能力を測定することにより、リガンドが誘導するタンパク質の構造及び力学の変化を示す感度の高い測定値が得られる(Lomenick et al.,2009;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。KBU2046はCDC37またはHSP90βと個別に結合しなかったが、CDC37とHSP90βは、会合して四量体ヘテロ複合体を形成する(Vaughan et al.,2006;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。CDC37とHSP90βとを組み合わせたDARTSアッセイにおいて、KBU2046は両方のタンパク質を消化から保護した(図6A)。CDC37の強度は増加し、HSP90β分解産物の強度は減少した。両方の効果は統計的に有意かつ濃度依存的であり、100Mで顕著であった。KBU2046とのビオチン化学リンカーを合成することにより、タンパク質結合に対するKBU2046の高い選択性が更に裏付けられた。これは、KBU2046が生物活性を保持することを示し、(例えば、CDC37/HSP90βヘテロ複合体を形成する生理学的条件下で)無傷細胞と結合することを示し、一連の9,000超のヒトタンパク質と結合しないことを示している(図19A〜D)。
同時に、これらの結果は、KBU2046が従来のHSP90阻害剤(Neckers and Workman,2012;Whitesell et al.,2012;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)とは異なる方法で作用していることを示している。HSP90αと直接結合してシャペロンサイクルを阻害し、それにより細胞毒性を誘導する代わりに、KBU2046は、HSP90βSer226のリン酸化を阻害する。この残基はHSP90αに存在しない。更に、KBU2046は単離されたHSP90βに結合せず、細胞毒性も誘導しない。最後に重要な点として、KBU2046はCDC37/HSP90βヘテロ複合体に結合して安定化させる。
これらの複合的な実験は、KBU2046が、CDC37とHSP90βとが相互作用する場合のみ存在するクレフトに結合していることを示している。X線結晶学的データ(PDB ID:1uym、3nmq、3pry、2cg9及び1us7)(Roe et al.,2004;Vaughan et al.,2006;Wright et al.,2004;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)及び化学的架橋の物理的マッピング解析(Chavez et al.,2013)を含む、HSP90β及びCDC37の実験的構造情報の包括的な解析は、CDC37/HSP90βヘテロ複合体の形成が、新たなポケットの形成をもたらすことを示している。モデリング試験は、この新たなポケットにより、KBU2046が何らかの高エネルギーの立体相互作用がなくても、有利なエネルギースコアで結合できることを示している(図6B、6C、6D;図20)。この計算配置において、CDC37からArg167が大きなクレフトへと突出し、HSP90βからのGlu33のカルボキシル側鎖と水素結合で連結され、これによりKBU2046が結合する新たなポケットの形成が促進される。
KBU2046は、キナーゼまたはホスファターゼ活性を阻害しない。3種類のアッセイ系を用いて阻害を検出した。
キナーゼアッセイ系番号1。KINOMEscan(商標)アッセイ(Ambit Biosciences)。このアッセイは、400種類の親キナーゼに加え、活性または応答性を変更する既知の変異体を含む442のキナーゼを評価する。これは、細菌から精製されたキナーゼの、不動化させたリン酸受容体タンパク質基質への結合を阻害する推定上の阻害剤の能力を測定するアッセイと関連して実施する。この方法は、複数のグループによっていくつかの小分子キナーゼ阻害剤のキナーゼ相互作用を同定するために問題なく使用されている(Fabian et al.,2005;Karaman et al.,2008;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。KBU2046は10μMで試験した。このアッセイは完全に陰性であった。初回は2例の偽陽性(0.4%の偽陽性率)があったが、その後、これらは専用の追跡分析で陰性であることが判明した。特定の重要な陰性結果には、MKK4及びp38 MAPK(α、β及びγアイソフォーム)が含まれる。KBU2046が、ホスホアクセプターの結合について競合することによってキナーゼ機能を阻害するという証拠はなかった。
キナーゼアッセイ系番号2。Kinex(商標)キナーゼアッセイ系(Kinexus Proteomics Company)。このプラットフォームは昆虫発現系で発現させた組み換えヒトタンパク質キナーゼを使用しており、翻訳後修飾の手段を可能とする。また、このプラットフォームはATP結合の阻害を測定する。このプラットフォームにより200種類のキナーゼを推定的に測定した。KBU2046は1μM及び10μMで試験した。このアッセイもまた完全に陰性であった。このスクリーニングから複数のキナーゼに関する情報を得た(例えば、対照が活性であり、検出を妨げないKBU2046の濃度である場合)。KBU2046はp38 MAPK(アイソフォームすべて)もMKK4も阻害しなかった。KBU2046が、活性部位でのATP結合について競合することによってキナーゼ機能を阻害するという証拠はなかった。
キナーゼアッセイ系番号3。KinaseProfiler(商標)及びPhosphataseProfiler(商標)アッセイプラットフォーム(Millipore)。このプラットフォームは放射測定に基づいている(判断基準と見なされるもの)。これはキナーゼに対するATP、及びホスファターゼに対する基質タンパク質について競合を測定する。タンパク質の大半は昆虫による系を介して発現させ、284のキナーゼ及び20のホスファターゼのパネルを評価する。最初は2例の偽陽性(0.7%の偽陽性率)があったが、詳細な検査ではいずれも確認されなかった。重要な陰性結果には、MKK4、MKK6、p38 MAPK、MAPKAPK2、ERK、MEK1、JNK1、2及び3、ならびにその他多数のMAPKカスケード関連キナーゼが含まれる。KBU2046が、活性部位でのATP結合について競合することによってキナーゼ活性を阻害するという証拠はない。ホスファターゼ活性の阻害を裏付ける証拠はない。
HSP90β、CDC37及びKBU2046の相互作用の構造モデルの構築。
X線回折による結晶学的解析で決定された、ヒトHSP90β(pDBs luym、3nmq及び3pry)及び酵母(pDB Ius7)由来のHSP82・CDC37複合体の結晶構造を含む、実験的に決定された構造情報を用いて解析を開始した。前述したような種々の長さの化学的クロスリンカー(Chavez et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を用い、化学的架橋と質量分析法を併用して、HSP90β構造をプローブした。さらに、ヒト細胞において、タンパク質相互作用レポーター(PIR)と呼ばれる化学的クロスリンカー(Chavez et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を用いて、HSP90β構造をプローブした。架橋されたペプチドサンプルをReACT(Weisbrod et al.,2013;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を使用して分析した。これにより、期待されるPIR質量相関を満たす各放出ペプチドに対して、標的化されたMS3を効率的に実施することができるようになる(Tang et al.,2005;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
KBU2046はHSP90βまたはCDC37と直接結合しない(図18)が、HSP90β−CDC37複合体とは結合する(図6A)ことがわかった。したがって、この複合体は、いずれかのタンパク質には個別に存在しない好適な結合ポケットをもたらす。HSP90βの完全なX線結晶学的構造モデルがない場合には、タンパク質データバンク(PDB)からの既存の構造を用いた相同性ベースのモデルに依存した。ヒトHSP90βのN末端ATPaseドメイン(PDB id=luym、3nmq)及び中間ドメイン(PDB id=3pry)の構造を使用した。非隣接モデルは一次配列の65%を包含し、ATP結合ドメインの末端にある63の残基かの極めて不規則な領域によって分断されている。C末端領域の実験モデルは存在しない。次に、HSP90β構造全体を、S.cerevisiae由来のHSP82テンプレート(PDB id=2cg9)(Leaver−Fay et al.,2011)に対してモデル化した。HSP90β−CDC37複合体のモデルを、S.cerevisiae HSP82−CDC37複合体(PDB id=lus7)の構造上にHSP90βモデルを重ね合わせて完成させた。HSP90βとHSP82との配列同一性はCDC37境界で94%(タンパク質全体で86%)であり、したがって相互作用の完全性を保持している。HSP90構造の顕著な特徴はヌクレオチド結合部位である。496.2オングストローム2の溶媒露出面積、及び301.3オングストローム3の容積を有する(Binkowski et al.,2003b;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)この部位は、十分に特性が決定されており、抗癌活性のための種々の化合物により標的とされている。CDC37と複合体化されると、1446.4オングストローム2の溶媒露出面積及び2082.6オングストローム3の容積を有する拡大表面が境界に形成される(図20B)。Arg167cdc37は、ヌクレオチド結合ポケットに引き込まれ、Glu33HSP90のカルボキシル側鎖と水素結合を形成する(Roe et al.,2004;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。Arg167cdc37は、ヌクレオチド結合部位への接触を妨害することも、任意の結合リガンドを移動させることもない(Roe et al.2004;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。ただし、大きなクレフトを2つの別々のポケット、すなわち新たに形成されたポケットと、元の状態だが、より小さいヌクレオチド結合部位に分割する。新たなポケットは、429.2オングストローム2の溶媒露出面積、及び832.5オングストローム3の容積を有し、HSP90β−CDC37複合体化状態でのみ存在する構造特徴の基準を満たす。
実施例4
下流調節因子
Ser226のリン酸化の阻害が、細胞運動性を阻害するためのKBU2046の分子標的であると同定した後、その作用の下流調節因子を同定する実験を本明細書の実施形態の開発中に実施した。PC3細胞をKBU2046で処理して、2種類のSABiosciences(Qiagen)遺伝子アレイプラットフォーム、すなわちヒト転移アレイ、ならびにヒト細胞外マトリックス及び吸着分子アレイを使用して発現遺伝子を差次的にスクリーニングした。KBU2046は、オステオネクチン発現を2.0倍有意に抑制することを見出した。それ以外の有意な効果は同定されなかった。独立した実験で、遺伝子特異的なqRT/PCRにより差次的な発現を確認した(図21A)。オステオネクチンは、PCa内で過剰発現したとき、細胞運動性及び浸潤性の両方の増加させることを示した細胞外マトリックスタンパク質である。臨床的に、原発性PCaでのオステオネクチンの過剰発現は、骨への転移の発現と関連している。加えて、これらの結果は、オステオネクチンの抑制により、少なくとも部分的にKBU2046の抗転移有効性が媒介されることを示している。これは、オステオネクチンのsiRNA媒介性の抑制がヒトPCa細胞の浸潤性を阻害するとともに、KBU2046の治療有効性を阻害することを実証することにより確認された(図21B及びC)。
下流調節因子
Ser226のリン酸化の阻害が、細胞運動性を阻害するためのKBU2046の分子標的であると同定した後、その作用の下流調節因子を同定する実験を本明細書の実施形態の開発中に実施した。PC3細胞をKBU2046で処理して、2種類のSABiosciences(Qiagen)遺伝子アレイプラットフォーム、すなわちヒト転移アレイ、ならびにヒト細胞外マトリックス及び吸着分子アレイを使用して発現遺伝子を差次的にスクリーニングした。KBU2046は、オステオネクチン発現を2.0倍有意に抑制することを見出した。それ以外の有意な効果は同定されなかった。独立した実験で、遺伝子特異的なqRT/PCRにより差次的な発現を確認した(図21A)。オステオネクチンは、PCa内で過剰発現したとき、細胞運動性及び浸潤性の両方の増加させることを示した細胞外マトリックスタンパク質である。臨床的に、原発性PCaでのオステオネクチンの過剰発現は、骨への転移の発現と関連している。加えて、これらの結果は、オステオネクチンの抑制により、少なくとも部分的にKBU2046の抗転移有効性が媒介されることを示している。これは、オステオネクチンのsiRNA媒介性の抑制がヒトPCa細胞の浸潤性を阻害するとともに、KBU2046の治療有効性を阻害することを実証することにより確認された(図21B及びC)。
KBU2046は、HSP90βシャペロン機能を阻害する。
本明細書の実施形態の開発中に実施した実験中に生化学的方法を使用して、結果が確証的であるモデル系全体、組み換え精製タンパク質を利用して厳密に定義されたin vitro系、及び無傷の細胞系と同様に、KBU2046がHSP90β/CDC37ヘテロ複合体の形成、及び結果として生じるシャペロン機能を変化させることを実証した。少なくとも後者は、アンドロゲン受容体(AR)の生物学に対する一次作用によって、PCaに関連した臨床関連シナリオに関与する。これは、ARが、その機能にHSP90シャペロン活性を必要とするクライアントタンパク質であるという事実と関連する。更に結果は、HSP90βとそのコシャペロンであるCDC37との境界間に形成されるクレフト内にKBU2046が結合することを示している。
コシャペロンであるCDC37は、190超のキナーゼを含む、350超のクライアントタンパク質のHSP90βとの結合を媒介する。そのアーム様構造(pdb ID:2WOG)は、Ser226と並置される、多数のキナーゼの結合に関連する極めて動的で運動性の構造変化を可能にする。KBU2046がCDC37またはHSP90βのいずれかと結合した場合、結果として生じる化学結合は、この2つのタンパク質の動的な機能、及びSer226に対するキナーゼ接触性の調節を変化させる役割を果たし得ることが企図された。HSP90β、CDC37またはHSP90β/CDC37ヘテロ複合体と結合しているKBU2046を検出するように設計された包括的な一連のアッセイを実施した。これには、蛍光によるサーマルシフトアッセイ、動的光散乱法、等温滴定型カロリメトリー、バイオレイヤー干渉分光法が含まれる。結合の物理的測定に基づくアッセイは陰性であった。しかしながら、いくつかの生化学方法は結合を検出した。
drug affinity responsive target stability(DARTS)アッセイは、標的タンパク質をプロテアーゼ消化から保護するリガンドの結合能を測定し、リガンドが誘導するタンパク質構造の変化に対して感度の高い、特にタンパク質柔軟性の変化に対して感度の高い測定値をもたらす。CDC37とHSP90βが結合してヘテロ複合体を形成することを考慮すると、KBU2046がヘテロ複合体と結合したことが実証された。DARTSアッセイにおいて、いずれのタンパク質も存在するとき、KBU2046は両方をプロテアーゼ消化から保護し、濃度依存的方法で、CDC37タンパク質を有意に増加させ、HSP90β分解産物を減少させた(図22A)。CDC37またはHSP90βを個別に(例えば、ヘテロ複合体ではなく)試験したとき、保護は観察されなかった。
化学的リンカーと結合されたKBU2046(図23)は、生物活性を保持し、無傷細胞に(例えば、生理学的CDC37/HSP90βヘテロ複合体と)結合した。また実験では、それは、HSP90β及びCDC37を含む9,000のヒトタンパク質アレイ(ProtoArray(登録商標)、Invitrogen)と結合しなかったことが示された。
本明細書の実施形態の開発中に実施した実験は、KBU2046がヘテロ複合体機能を調節することを実証した。組み換えHSP90β、CDC37及びカゼインキナーゼ(CK)タンパク質(本発明者らによる遺伝子操作)のin vitro系において、KBU2046は、CK媒介性のHSP90βのリン酸化を増加させた(図22B)。CDC37は、CKがクライアントタンパク質キナーゼであるクライアントタンパク質のHSP90βとの結合を媒介する。KBU2046は、CKキナーゼ活性を調節しない。CKは、Ser226のリン酸化を増加させなかった。これらの結果はすべて、細胞内部でKBU2046がCDC37/HSP90βヘテロ複合体の形成を安定化させ、これにより特定のクライアントタンパク質の結合を増加させ、それによってSer226をリン酸化する他のクライアントタンパク質の結合を阻害することを示している。
HSP90β及びCDC37の構造情報は、(種々の長さ及びリガンド結合能の)化学的架橋プローブをMS3ベースの分析法と組み合わせた架橋法、X線結晶学的構造情報(タンパク質データベースID:1uym、3nmq、3pry及び1us7)、及び上記のDARTS実験で得られたリガンド結合情報により得た。構造情報は、Argonne National Laboratory Leadership Computing FacilityのAPPLIED Pipelineプラットフォームによって統合した。これには、タンパク質表面解析、強力な相同性モデリング、複合的手法を使用した超並列ドッキングシミュレーション、及び高度な物理学ベースの再スコアリング方法論が統合されている。得られた情報に基づいたモデルは、HSP90βとCDC37の結合が新たなポケットを形成し、これにKBU2046が高エネルギーの立体相互作用がなくても、有利なエネルギースコアで結合することを示した(図22C)。CDC37からArg167が大きなクレフトに突出し、HSP90βのGlu33と水素結合して新たなポケットを形成する。このモデルは、KBU2046がタンパク質−タンパク質相互作用を促進することを示している。このモデルは、KBU2046がHSP90β/CDC37ヘテロ複合体を安定化させるが(図22A)、HSP90βまたはCDC37を個別に安定化しないことを実証する実験的DARTSデータと一致している。
KBU2046が無細胞系においてシャペロン機能に影響を与えることが実証されているため、分子及び細胞ベースのアッセイを使用して細胞内での効果を実証するために、本明細書の実施形態の開発中に実験を実施した。HSP90のシャペロン作用はその活性構造でARを維持しており、HSP90機能の阻害剤はリガンドに依存しないARシグナル伝達を遮断する。したがって、KBU2046がHSP90機能を阻害する場合、実施した実験が示すように、KBU2046はARに関連するシャペロン機能を阻害し、AR依存的な転写活性を阻害し、AR依存的な細胞成長を阻害して、ARを標的とする療法の治療有効性を強化する。本明細書の実施形態の開発中に実施した実験は、そのことを実証している。
従来のHSP90を標的とする薬剤は直接HSP90と結合し、そのシャペロンサイクルを遮断するため、中核細胞過程で比較的重大な変化を呈し、その結果、直接的な細胞毒性を誘発する。全身レベルでのこのような重大な薬理学的効果は、正常な細胞機能を妨害し、全身毒性を誘発するため、最終的な治療有効性が制限される。これは、細胞毒性化学療法による状況と類似している。対照的に、KBU2046は、HSP90機能に対してより選択的な作用を示し、毒性が全身に及ばない治療的処置である。ただし、KBU2046の機構的効果の1つの結果は、その効果が、in vitroアッセイ系での高速読み出し時に、細胞毒性化学療法または従来のHSP90阻害剤よりも強力ではないことである。これに基づき、KBU2046を媒介したARシグナル伝達の阻害に関する本明細書に記載する実験では、短期的なin vitroアッセイで、観測されたような小規模な効果が生じる(procude)と予測した。しかしながら、分子相互作用、細胞シグナル伝達、及び細胞成長の測定に関する複数のアッセイにわたって確証的な効果が実証された。更に、短期的なin vitroアッセイ系に関連して、治療時間の増加に伴い有効性が増強したことが観察された。
具体的には、FLAG−HSP90βでトランスフェクトした、かつKBU2046で処理した/処理しなかった細胞を使用して、FLAG IPの実施後に銀染色法を実施した。KBU2046は、約60kDaのタンパク質の結合を阻害した(図24A)。MSによるプロテオーム解析で、HOPが同定された。これは非常に重要な発見である。HOPは、ARをHSP90にもたらすシャペロン複合体のメンバーである。この結果はHOPに特異的なウエスタンブロットによって確認された(図24B)。このように、KBU2046は、シャペロンを媒介した活性ARの保持に必要とされる既知の分子相互作用を阻害する。ARと関連するシャペロン活性のKBU2046による阻害は、AR応答遺伝子活性を減少させる(図24C)。ホルモンを含まないチャコール処理済み血清(CSS)条件下で、AR陽性のLNCaP細胞を成長させ、KBU2046、R1881(例えば、アンドロゲン)及び/またはビカルタミドで1日または3日間処理し、AR応答性の前立腺特異性抗原(PSA)の発現をqRT/PCRで測定した。KBU2046単独では効果を有しなかったが、R1881を媒介したPSA発現を阻害し、その効果は3日でさらに増強された。ビカルタミドは、単独ではLNCaP細胞(AR T868A突然変異体によるもの)内で弱いアゴニストであるが、R1881の強いアゴニスト作用を機能的に阻害し、その結果、R1881を媒介したPSAの増加を減少させる。重要な点として、KBU2046による3日間の治療は、ビカルタミドの治療有効性を増加させる。KBU2046は、アンドロゲン作動性の細胞成長を阻害するように作用し、ビカルタミドの有効性を強化し、治療期間が3日間から6日間へと増加することに伴い、その効果が増幅される(図24D)。アッセイはLNCaP(突然変異体AR)及びVCaP細胞の両方でこれを実施した。
参考文献
以下の参考文献ならびに本明細書内の上記参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
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Claims (20)
- 前記化合物が、腫瘍の外科的切除前に投与される、請求項1に記載の方法。
- 前記化合物が、腫瘍の外科的切除後に投与される、請求項1に記載の方法。
- 前記化合物が、第2の癌治療薬と共投与される、請求項1に記載の方法。
- 前記第2の癌治療薬がホルモン療法剤である、請求項4に記載の方法。
- 前記第2の癌治療薬が化学療法剤である、請求項4に記載の方法。
- 前記対象が、前立腺癌、大腸癌、肺癌、または乳癌に罹患している、請求項7に記載の方法。
- 前記ホルモン療法剤が、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、エンザルアトミド、リュープロン、ゾラデックス、睾丸切除術、アビラテロン、タモキシフェン、ラロキシフェン、アナストロゾール、フルベストラント、エクセメスタン、レトロゾールからなる一覧から選択される、請求項7に記載の方法。
- (a)及び(b)を逐次投与する、請求項7に記載の方法。
- (a)及び(b)を同時に投与する、請求項7に記載の方法。
- (a)及び(b)を合剤化する、請求項11に記載の方法。
- 前記機能性部分が、抗体またはその断片、親和性タグ、ペプチドまたはタンパク質、オリゴヌクレオチド、固体担体、薬物、金属配位基、造影剤、ナノ粒子、架橋性基、ビオチン、蛍光色素分子、及び免疫原性分子からなる一覧から選択される、請求項14に記載の組成物。
- 前記リンカー部分が、場合により1つ以上のヘテロ原子及び分枝鎖または主鎖置換基を含んでいる、炭素原子1〜30個の直鎖または分枝鎖を含む、請求項14に記載の組成物。
- 前記リンカー部分が1つ以上の(CH2)2O基を含む、請求項16に記載の組成物。
- 前記リンカー部分が1つ以上のCONH基を含む、請求項16に記載の組成物。
- 前記リンカー部分が、(CH2)2CONH[(CH2)2O]2または(CH2)4CONH[(CH2)2O]4を含む、請求項16に記載の組成物。
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