任意の適切な装置をここに開示される方法と合わせて採用することができる。いくつかの実施形態では、図1乃至図10に概略的に示すコンピュータ数値制御機械を用いて方法が実施される。コンピュータ数値制御機械自体は他の実施形態において提供される。図1乃至図10に示す機械100は、複数のバージョンを本願の譲受人であるDMG/Mori Seiki USAから入手可能であるNTシリーズの機械である。あるいは、DMG/Mori SeikiのDMU−65工作機械(5軸立形工作機械)や様々な向きのまたは多数の軸を有する他の工作機械をここに開示される装置及び方法と合わせて用いることができる。
概して、図1乃至図3に示したNTシリーズの機械を参照すると、適切なコンピュータ数値制御機械100は、少なくとも、それぞれ工具保持部(主軸144にかかる主軸保持部またはタレット108にかかるタレット保持部等)またはワーク保持部(チャック110,112等)とすることができる第1保持部及び第2保持部を有する。上記図に示した実施形態では、コンピュータ数値制御機械100は、主軸144と、タレット108と、第1チャック110と、第2チャック112とを備える。コンピュータ数値制御機械100は、以下により詳細に説明するように、第1保持部及び第2保持部を制御するためにこれらに動作可能に連結されたコンピュータ制御システムも有する。一部の実施形態では、コンピュータ数値制御機械100は上記構成要素のすべてを含んでいなくてもよく、他の実施形態では、コンピュータ数値制御機械100はここに指定される構成要素以外の付加的な構成要素を含むことができることが理解される。
図1及び図2に示すように、コンピュータ数値制御機械100は、通常はワーク(図示せず)に対して様々なオペレーションが行われる機械チャンバ116を有する。主軸144、タレット108、第1チャック110及び第2チャック112は、それぞれその全体または一部を機械チャンバ116内に設けることができる。図示の実施形態では、2つの可動安全扉118によりユーザと機械チャンバ116とを隔ててユーザの負傷やコンピュータ数値制御機械100の動作への干渉を防止している。図2に示すように、安全扉118は、機械チャンバ116にアクセスさせるために開くことが可能である。コンピュータ数値制御機械100は、ここでは、図4に図示され以下により詳細に説明される直交に方向づけられた3つの直線軸(X、Y及びZ)に関して説明される。X、Y及びZ軸を中心とした回転軸は、それぞれ“A”、“B”及び“C”回転軸とする。
コンピュータ数値制御機械100は、該コンピュータ数値制御機械内の様々手段を制御するためのコンピュータ制御システムを備える。図示の実施形態では、機械は、ユーザインタフェースシステム(図1において114で概略的に示す)からなる第1コンピュータシステムと、該第1コンピュータシステムに動作可能に接続された第2コンピュータシステム(図示せず)の2つの相互連結されたコンピュータシステムを備える。第2コンピュータシステムは、機械の主軸、タレット及びその他の手段の動作を直接制御し、一方、ユーザインタフェース114は、オペレータに第2コンピュータシステムを制御させるものである。全体として、機械制御システム及びユーザインタフェースシステムは、機械におけるオペレーションの制御のための様々な機構と併せて、1つのコンピュータ制御システムと考えることができる。
コンピュータ制御システムは、メインメモリに接続された中央処理装置(CPU)を有する機械制御回路を含むことができる。CPUは、IntelやAMDにより作られたものなどの任意の適切なプロセッサを含むことができる。一例として、CPUは、マスタプロセッサ、スレーブプロセッサ及びセカンダリまたはパラレルプロセッサを含む複数のマイクロプロセッサを含むことができる。ここで用いられるような機械制御回路は、バスや別のコンピュータ、プロセッサ、装置、サービスまたはネットワークと連通するように、またはこれらと機械100との間のデータの転送を制御するように構成された、機械100内外に配設されるハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェアの任意の組み合わせからなる。機械制御回路、より具体的にはCPUは、1つ以上のコントローラまたはプロセッサからなり、このような1以上のコントローラまたはプロセッサは、互いに隣接して配設される必要はなく、異なる装置内または異なる場所に設けることができる。機械制御回路、より具体的にはメインメモリは、互いに隣接して配設される必要がなく異なる装置内または異なる場所に設けることができる1つ以上のメモリデバイスからなる。機械制御回路は、ここに開示される様々な工作機械方法及び他の処理のすべてを実行するように操作することが可能である。
一部の実施形態では、ユーザがユーザインタフェースシステムを操作して機械にプログラミングを伝え、他の実施形態では、外部ソースを用いて機械にプログラムをロードまたは転送することが可能である。例えば、プログラムは、PCMCIAインタフェース、RS−232インタフェース、ユニバーサルシリアルバスインタフェース(USB)またはネットワークインタフェース、特にTCP/IPネットワークインタフェースを用いてロードすることができると考えられる。他の実施形態では、機械は、従来のPLC(プログラマブルロジックコントローラ)機構(図示せず)を用いて制御することができる。
図1及び図2にさらに示すように、コンピュータ数値制御機械100は、工具マガジン142と工具交換装置143とを有することができる。これらは、主軸144と協働して、該主軸が複数の工具のうちのいずれか1つとともに動作することを可能にする。通常、多種多様な工具を設けることができ、一部の実施形態では、同じ種類の工具を多数設けることができる。
図11及び図12(a)乃至図12(d)に、工具交換装置300の例示的な実施形態をより詳細に示す。工具交換装置300は、複数の工具を保持する工具マガジン302を含む。工具マガジン302は、マガジンベース304と、マガジンベース304に対して回転するように支持されたエンドレスキャリア306を含むことができる。複数の工具ポット308が所定のピッチでエンドレスキャリア306に連結されており、各工具ポット308は、関連の工具を着脱自在に受けるように構成されている。回転モータ310がエンドレスキャリア306に操作可能に連結されており、要望通りに工具マガジン302を割り出す。
工具交換装置300は、工具マガジン302の工具受け渡し位置Aから次工具T2を抽出してこれを工具交換位置Bに搬送する工具キャリア312も含む。図11及び図12(a)乃至図12(d)に最良に示すように、工具キャリア312は、マガジンベース304に連結され、工具受け渡し位置Aから工具交換位置Bまで延びる搬送レール314を含むことができる。搬送支持体316が搬送レール314に摺動可能に連結されており、該搬送支持体316は工具受け渡し位置Aにある次工具T2に係合して工具ポット308から外すように構成されている。搬送モータ318が搬送支持体316に操作可能に連結されており、工具受け渡し位置Aと工具交換位置Bとの間で搬送支持体316を往復移動させて次工具T2を工具ポット308から取り出す。
図示の工具交換装置300は、さらに、主軸144に保持された前工具T1を工具交換位置Bに提示された次工具T2と交換する工具交換アセンブリ320を含む。工具交換アセンブリ320は、マガジンベース304に支持され、マガジンベース304に対して回転可能である交換シャフト322と、交換シャフト322に連結された交換アーム324とを含むことができる。交換シャフト322を軸方向及び回転方向の両方向に移動させる交換駆動部326が交換シャフト322に操作可能に連結されている。
動作中、工具交換装置300を用いて、主軸144に連結された工具を交換することができる。工具マガジン302は、図12(a)に示すように、次工具T2を回転割出ししてこれを工具受け渡し位置Aに置く。搬送支持体316が、図12(b)及び図12(c)に示すように、工具受け渡し位置Aに置かれた次工具T2に係合してこれを工具交換位置Bに搬送する。次に、交換アーム324が、図12(d)に示すように、主軸144に装着された前工具T1を搬送支持体316に保持された次工具T2と交換する。その後、前工具T1を工具マガジン302の工具ポット308のうちの所定の1つに戻し、主軸144に装着された次工具T2を次の処理で用いることができる。
主軸144は、X軸及びZ軸に沿った並進移動を可能にする往復台アセンブリ120及び、該主軸144をY軸方向に移動させるラム132に取り付けられる。ラム132には、以下により詳細に記述されるように、主軸のB軸方向の回転を可能にするモータが備え付けられている。図に示すように、往復台アセンブリは第1往復台124を有し、第1往復台124は、2つのねじ状の垂直レール(一方のレールを126で示す)に沿って移動し、第1往復台124及び主軸144をX軸方向に並進移動させる。往復台アセンブリは第2往復台128も含んでおり、第2往復台128は、2つの水平に配設されたねじ状のレール(一方を図3に130で示す)に沿って移動し、第2往復台128及び主軸144をZ軸方向に移動させる。各往復台124,128は、複数ボールねじ装置を介してレールに係合しており、これにより、レール126,130を回転させると、往復台がそれぞれX方向またはZ方向に並進移動する。レールには、それぞれ、水平に配設されたレール及び垂直に配置されたレールのためのモータ170及び172が備え付けられている。
主軸144は、主軸接続部及び工具保持部106により工具102を保持する。主軸接続部145(図2に示す)は、主軸144に接続されており、主軸144内に収容されている。工具保持部106は、主軸接続部に接続されており、工具102を保持する。当該技術分野では様々なタイプの主軸接続部が知られており、これらをコンピュータ数値制御機械100とともに用いることが可能である。通常、主軸接続部は、主軸の寿命の間、主軸144内に収容されている。主軸144へのアクセスプレート122を図5及び図6に示す。
第1チャック110は爪136を備えており、コンピュータ数値制御機械100のベース111に対して静止している台150に配設されている。第2チャック112も爪137を備えているが、第2チャック112はコンピュータ数値制御機械100のベース111に対して移動可能である。具体的には、機械100は、前述のようにボールねじ機構を用いて第2台152をZ方向に並進移動させるためのねじ状のレール138及びモータ139を備えている。削り屑の除去を補助するために、第2台152は、傾斜遠心面174と、Z方向傾斜面177,178を有するサイドフレーム176とを備えている。チャック110,112のための油圧制御手段及び関連のインジケータ、例えば図1及び図2に示す圧力計182及び制御つまみ184を設けることができる。各台は、チャックを回転させるためのモータ(それぞれ161,162)を備えている。
タレット108も、図5、図6及び図9に最良に図示するように、レール138に係合し、同様にボールねじ装置を用いてZ方向に並進移動させることができるタレット台146(図5)に取り付けられている。タレット108は、図9に図示するように、様々なタレットコネクタ134を備えている。各タレットコネクタ134は、工具保持部135または工具を接続するための他の接続部に接続することが可能である。タレット108は多種多様なタレットコネクタ134及び工具保持部135を有することが可能であるため、多種多様な異なる工具をタレット108により保持して操作することが可能である。タレット108をC’軸方向に回転させて、工具保持部のうちの様々な工具保持部(ひいては、多くの実施形態では、様々な工具)をワークに対して提示することができる。
かくして、広範囲の汎用的動作を行うことができることが分かる。工具保持部106に保持された工具102については、このような工具102をチャック110及び112の一方または両方に保持されたワーク(図示せず)の上から押しつけることができる。工具102の交換が必要なまたは望ましいときは、交換用の工具102を工具交換装置143を使って工具マガジン142から取り出すことができる。図4及び図5については、主軸144をX及びZ方向(図4に示す)並びにY方向(図5及び図6に示す)に並進移動させることができる。図7にB軸方向の回転が示されており、図示の実施形態は、垂直線の両側に120度の範囲での回転が可能となっている。Y方向の移動及びB軸方向の回転は、往復台124の裏に設けられたモータ(図示せず)により動力供給される。
通常、図2及び図7に見られるように、機械は、機械チャンバ116の壁を画定するとともに削り屑がこのチャンバから出ないようにするための複数の垂直に配設された板180及び水平に配設された板181を備えている。
機械100の構成要素は前述した構成要素に限定されない。例えば、一部の例では、付加的なタレットを設けることができる。他の例では、付加的なチャック及び/または主軸を設けることができる。通常、機械は、クーラント液を機械チャンバ116内に導入するための1つ以上の機構を備えている。
図示の実施形態では、コンピュータ数値制御機械100は多くの保持部を備えている。チャック110が爪136と合わさって保持部を形成しており、同様にチャック112は爪137と合わさって保持部を形成している。多くの例では、これらの保持部はワークを保持するためにも用いられるだろう。例えば、チャック及びその関連の台は、旋盤状の態様では、回転するワークのための主軸台及び任意的な心押台として機能するだろう。主軸144及び主軸接続145が別の保持部を形成している。同様に、タレット108は、複数タレットコネクタ134が備えつけられた場合、複数の保持部(図9に示す)を提供する。
コンピュータ数値制御機械100は、当該技術分野において既知の、または適当であると認められる、種類の異なる多数の工具のいずれかを使用することができる。例えば、工具102は、フライス加工工具、穴あけ加工工具、研削加工工具、ブレード工具、ブローチ加工工具、旋削加工工具等の切削工具、または、コンピュータ数値制御機械100との関連で適切であると見なされる他の種類の切削工具とすることができる。加えて、または代わりに、工具は、以下により詳細に論じるように、付加加工技術用に構成されていてもよい。いずれにしても、コンピュータ数値制御機械100は、一種類以上の工具を備えることができ、主軸144に、工具交換装置143及び工具マガジン142の機構を用いて工具を交換させることができる。同様に、タレット108は1つ以上の工具102を備えることができ、オペレータは、タレット108を回転させて新たなタレットコネクタ134を適切な位置に持ってくることにより、工具102を入れ替えることができる。
図10に、コンピュータ数値制御機械100を安全扉が開いた状態で図示する。図のように、コンピュータ数値制御機械100は、少なくとも、主軸144に配設された工具保持部106と、タレット108と、1つ以上のチャックまたはワーク保持部110,112と、コンピュータ数値制御機械100のコンピュータ制御システムとインタフェース接続するように構成されたユーザインタフェース114とを備えることができる。工具保持部106、主軸144、タレット108及びワーク保持部110,112は、それぞれ、加工領域190内に配設することができ、選択的に回転可能及び/または、様々な軸のうちの1つ以上に沿って相対的に移動可能とすることができる。
図10に示すように、例えば、X、Y及びZ軸は直交する移動方向を示すことができ、一方、A、B及びC軸は、それぞれX、Y及びZ軸を中心とした回転方向を示すことができる。これらの軸は3次元空間での移動の説明を容易にするために提供されるものであり、よって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく他の座標方式を用いることができる。加えて、移動の説明にこれらの軸を用いることは、実際の物理的な軸と、仮想的な軸とを包含することを意図している。尚、実際の物理的な軸は互いに直交しており、一方、仮想的な軸は物理的に直交していない場合もあるが、工具経路は、該仮想的な軸方向に、これらの軸が物理的に直交であるかのように動作するようにコントローラにより操作される。
図10に示した軸に関して、工具保持部106は、これを支持している主軸144のB軸を中心として回転させることができ、一方、主軸144自体は、X軸、Y軸及びZ軸に沿って移動可能とすることができる。タレット108は、実質的にX軸に平行なXA軸と、実質的にZ軸に平行なZA軸に沿って移動可能とすることができる。ワーク保持部110,112は、C軸を中心として回転可能とすることができ、さらに、加工領域190に対して1つ以上の軸に沿って独立して並進移動可能とすることができる。コンピュータ数値制御機械100は6軸機械として示されているが、当該機械は、特許請求の範囲から逸脱することなく、6軸より少ない軸方向に移動可能としても多い軸方向に移動可能としてもよいため、上記移動軸の数は単なる例であることが理解される。
コンピュータ数値制御機械100は、付加加工処理を行うための材料堆積アセンブリを含むことができる。例示的な材料堆積アセンブリ200を、基板204に向けることができる加工エネルギー光線202を含めて図13に概略的に図示する。基板204は、1つ以上のワーク保持部、例えばチャック110,112により支持することができる。材料堆積アセンブリ200は、さらに、集中エネルギー光線208を基板204に向けることができる光学機器206を含むことができるが、該光学機器206は、集中エネルギー光線208が十分に高いエネルギー密度を有する場合は省略することができる。加工エネルギー光線202は、レーザビーム、電子ビーム、イオンビーム、クラスタビーム、中性粒子ビーム、プラズマジェットまたは単純放電(アーク)とすることができる。集中エネルギー光線208は、蒸発、飛び散り、浸食、衝撃波干渉、または他の動的作用により基板材料を失わないように、成長表面基板204の小部分を溶解してメルトプール210を形成するのに十分なエネルギー密度を有することができる。集中エネルギー光線208は、連続的であっても断続的にパルス化されてもよい。
メルトプール210は、基板204から液化された材料と、追加された供給材料を含むことができる。供給材料は、1つ以上のノズル214から吐出される供給紛体/プロペラントガス混合物212の状態でメルトプール210に向けられる供給紛体として提供することができる。ノズル214は、供給粉体貯留槽216及びプロペラントガス貯留槽218に流体連通することができる。ノズル214は、供給粉体がメルトプール210に組み込まれるように物理的断面が最小である頂点215または領域に実質的に集束することができる供給粉体/プロペラントガス混合物212のフローパターンを作る。材料堆積アセンブリ200は基板204に対して移動されるため、該アセンブリは基板204上のビーズ層を形成する工具経路を通過する。最初のビーズ層に隣接してまたはその上面にさらにビーズ層を形成して、固体の3次元物体を加工することができる。
使用される材料及び求められる物体公差によって、多くの場合、ネットシェイプ物体、または意図された適用のためにさらなる加工を必要としない(研磨等は許容される)物体を形成することが可能である。材料堆積アセンブリ200により得られるものより精密な公差が求められるのであれば、除去的な仕上げ処理を用いることができる。付加的な仕上げ処理が必要な場合は、このような仕上げ前の材料堆積アセンブリ200により生成された物体をここでは「ニアネットシェイプ」と称し、加工処理を完了するには若干の材料または加工が必要であることを示す。
図14に最良に示すように、材料堆積アセンブリ200はコンピュータ数値制御機械100に組み込むことができる。この例示的な実施形態では、材料堆積アセンブリ200は、上部処理ヘッド219aと下部処理ヘッド219bとを有する処理ヘッドアセンブリ219を含む。下部処理ヘッド219bは上部処理ヘッド219aに着脱自在に連結され、上部処理ヘッド219aを様々な下部処理ヘッド219bとともに使用することが可能になっている。下部処理ヘッド219bを変更可能であることは、様々な堆積特性が求められる場合、例えば、様々な形状及び/または様々な加工エネルギー光線202の密度及び/または様々な供給粉体/プロペラントガス混合物212が必要な場合などに有利であろう。
具体的には、上部処理ヘッド219aは主軸144を含むことができる。複数のポートを主軸144に連結させることができ、これらのポートは接続時に下部処理ヘッド219bとインタフェース接続するように構成される。例えば、主軸144は、供給粉体貯留槽及びプロペラント貯留槽を含むことができる供給粉体供給装置(図示せず)と流体連通する供給粉体/プロペラントポート220を支持することができる。加えて、主軸144は、シールドガス供給装置(図示せず)と流体連通するシールドガスポート222及びクーラント供給装置(図示せず)と流体連通するクーラントポート224を支持することができる。供給粉体/プロペラントポート220、シールドガスポート222及びクーラントポート224は、個別に、または導管アセンブリ226のようなハーネスでまとめられた導管を介して、それぞれの供給装置に接続することができる。
上部処理ヘッド219aは、さらに、加工エネルギー供給装置(図示せず)に動作可能に連結された加工エネルギーポート228を含むことができる。図示の実施形態では、加工エネルギー供給装置は、主軸144のハウジング内を延びるレーザファイバ230により加工エネルギーポート228に接続されたレーザである。レーザファイバ230は主軸144の本体内を進むことができ、この場合、加工エネルギーポート228は主軸144の下部に形成されたソケット232内に設けることができる。したがって、図14の実施形態では、加工エネルギーポート228はソケット232内に配設され、一方、供給粉体/プロペラントポート220、シールドガスポート222及びクーラントポート224はソケット232に隣接して配設される。上部処理ヘッド219aは、さらに、コリメーションレンズ、部分反射ミラーまたは曲面ミラーなどの、エネルギー光線を形づけるための付加的な光学機器を含むことができる。
上部処理ヘッド219aは、複数の下部処理ヘッド219bのうちの1つに選択的に連結することができる。図14に示すように、例示的な下部処理ヘッド219bは、通常、ベース242と、光学機器チャンバ244と、ノズル246とを含むことができる。加えて、ノズル調整アセンブリを設けて、ノズル246をエネルギー光線に対して並進移動または回転させる、あるいはノズル246の位置及び/または向きをエネルギー光線に対して調整することができる。ベース242は、下部処理ヘッド219bと上部処理ヘッド219aとが解除可能に係合できるようにソケット232内に密接に嵌合するように構成されている。図14の実施形態では、ベース242は、加工エネルギーポート228に着脱自在に連結するように構成された加工エネルギーインタフェース248も含む。光学機器チャンバ244は、空であっても、最終光学装置、例えば所望の集中エネルギー光線を提供するように構成された集束光学機器250を含んでいてもよい。下部処理ヘッド219bは、さらに、それぞれ供給粉体/プロペラントポート220、シールドガスポート222及びクーラントポート224と動作可能に連結するように構成された供給粉体/プロペラントインタフェース252、シールドガスインタフェース254及びクーラントインタフェース256を含むことができる。
ノズル246は、供給粉体/プロペラントを所望の対象領域に向けるように構成することができる。図16に図示した実施形態では、ノズル246は、内側ノズル壁272から間隔を隔てた外側ノズル壁270を含み、該外側ノズル壁270と内側ノズル壁272との間の空間に供給粉体/プロペラントチャンバ274を画定している。供給粉体/プロペラントチャンバ274は、一端が供給粉体/プロペラントインタフェース252と流体連通しており、反対端はノズル出口開口部276となっている。例示的な実施形態では、ノズル出口開口部276は環状形であるが、他のノズル出口開口部276は、本開示の範囲を逸脱することなく他の形状を有することができる。供給粉体/プロペラントチャンバ274及びノズル出口開口部276は、1つ以上の供給粉体/プロペラントジェットを所望の集束角度で提供するように構成することができる。図示の実施形態のノズル246は、1つの円錐形の供給粉体/プロペラントガスジェットを供給することができる。しかしながら、ノズル出口開口部276は、複数の個別の供給粉体/プロペラントガスジェットを提供するように構成することもできることが認識されるであろう。さらに、生じる供給粉体/プロペラントガスジェットは、円錐形以外の形状を有することができる。
ノズル246は、さらに、加工エネルギー光線が対象領域に向けて進む際にノズル246内を通過できるように構成することができる。図16に最良に示すように、内側ノズル壁272は、光学機器チャンバ244及び任意で設けられる集束光学機器250と一直線に並ぶ加工エネルギー出口282を有する中央チャンバ280を画定する。かくして、このノズル246により、加工エネルギーの光線はノズル246内を通過して下部処理ヘッド219bから出ていくことが可能になる。
代替実施形態では、図15に最良に示すように、上部処理ヘッド219a’は、主軸144のハウジングの外に設けられた加工エネルギーポート228を有することができる。この実施形態では、加工エネルギーポート228は、主軸114の横に設けられた筐体260上に設けられており、よって、上記の実施形態とは異なり、このポートはソケット232内に設けられていない。筐体260は、加工エネルギーを主軸144のソケット232の下方の地点に向けるための第1ミラー262を含む。代替の下部処理ヘッド219b’は、加工エネルギー容器264を含む光学機器チャンバ244を含み、加工エネルギーは加工エネルギー容器264を通って筐体260から光学機器チャンバ244の内部まで進むことができる。光学機器チャンバ244は、さらに、ノズル246を通過して所望の対象場所に向かう加工エネルギーの方向を変えるための第2ミラー266を含む。
例示的な実施形態は、加工エネルギーを処理ヘッドアセンブリ219に組み込んでいるが、加工エネルギーは、処理ヘッドアセンブリ219から独立して設けることができることが認識されるであろう。すなわち、タレット108、第1チャック110、第2チャック112、または機械100が設けられた専用ロボットのような分離したアセンブリを用いて加工エネルギーを基板204に向けることができる。この代替実施形態では、処理ヘッドアセンブリ219は、加工エネルギギーポート、加工エネルギーインタフェース、加工エネルギー出口、光学機器チャンバ及び集束光学機器を省略することになる。
複数の下部処理ヘッド219bのうちのいずれか1つと選択的に連結するように構成された上部処理ヘッド219aを有する処理ヘッドアセンブリ219であれば、コンピュータ数値制御機械100を、速やかに且つ容易に様々な付加加工技術用に構成し直すことができる。工具マガジン142は一組の下部処理ヘッド219bを保持することができ、各下部処理ヘッドは特定の付加加工処理に適した独自の仕様を有する。例えば、下部処理ヘッドは、基板上に材料を堆積させる態様を変える様々なタイプの光学機器、インタフェース及びノズル角度を有することができる。ある部分を様々な付加加工技術を用いて形成しなくてはならない場合(または、複数の異なる技術を使うとより速く効率的に形成することができる場合)、工具交換装置143を用いて、主軸144に連結された堆積ヘッドを速やかに且つ容易に交換することができる。図14及び図15に図示した例示的な実施形態では、単一の取り付け工程を用いてエネルギー供給装置、供給粉体/プロペラントガス供給装置、シールドガス供給装置及びクーラント供給装置を堆積ヘッドに接続することができる。同様に、取り外しも単一の切り離し工程で行われる。かくして、機械100は、より速やかに且つより容易に様々な材料堆積技術に合わせて変更することができる。
供給時、装置は、工具またはワークを備えていても備えていなくてもよい。工具及びワークを受けるように構成された装置は、ここに挙げられる請求項の範囲に含まれると見なされる。加えて、すでに工具及びワークを備えた装置も添付の請求項の範囲に含まれると見なされる。特に請求されている場合を除いて、各請求項はここに示されたいずれかの工具に限定されるとは見なされない。
ここで引用される、公開公報、特許出願及び特許を含むすべての参照文献は、言及により編入されるものとする。ある実施形態を「好ましい」実施形態とする記述及び、その他の、実施形態、特徴または範囲を好ましいものとする言及は、限定的なものとは見なされず、本願請求項は、本開示では好ましさが劣ると考えられる実施形態も包含すると見なされる。ここに開示されるすべての方法は、ここに別段の指示がない限り、または文脈により明らかに否定されない限り、あらゆる適切な順序で実施可能である。ここに提供されるすべての例または例示的な文言(例えば、「等」)の使用は、開示される主題をわかりやすくすることを意図したものであり、本願請求項の範囲を限定するものではない。ここでの、例示的な実施形態の性質または利益に関する記載は、限定的であることを意図したものではなく、添付の請求項は、このような記載により限定されると見なされるべきではない。より一般的には、本明細書中すべての文言は、請求されていない要素を、請求された主題の実施に必要不可欠であると示していると解釈されるべきでない。本願請求項の範囲は、適用可能な法律により認められているように、そこに挙げられた主題のあらゆる変更形態及び同等形態を含む。さらに、ここに別段の指示がない限り、または文脈により明らかに否定されない限り、すべての可能な変形形態における上述の要素のあらゆる組み合わせが本願請求項に包含される。ここでの参照文献または特許の記述は、それが「先行」と特定されていても、このような参照文献または特許が本開示に対する先行技術として利用可能であるという容認となることを意図したものではない。