JP2017226745A - エポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム、プリプレグ及び繊維強化プラスチック - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕 下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含むエポキシ樹脂組成物。
成分(A)3官能エポキシ樹脂
成分(B)25℃で固形である成分(A)以外のエポキシ樹脂
成分(C)25℃で液状である成分(A)以外のエポキシ樹脂
成分(D)硬化剤
ある〔1〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔3〕 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる前記成分(C)がエポキシ当量500以下で
ある〔1〕又は〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔4〕 前記成分(B)が、軟化点または融点が50℃以上のエポキシ樹脂である、
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔5〕 前記成分(B)として、下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を含有する、
〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
範囲にある実数であり、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子1〜
4個を有するアルキル基又はトリフルオロメチル基を示す。
〔6〕 前記成分(B)として、下記一般式(2)で表される脂環式エポキシ樹脂を含有
する、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
qは、1〜50の整数を示し、式(2)におけるqの総和は、3〜100の整数
である。
R2は、下記式(2a)または(2b)で表される基のいずれかを示す。但し、
式(2)におけるR2の少なくとも1つは式(2a)で表される基である。
ノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物を
含有する、〔6〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔8〕 前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対する
前記成分(B)の含有量が5質量部〜90質量部である、〔1〕〜〔7〕のいず
れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔9〕 前記成分(C)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂である、〔1〕〜〔8〕の
いずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物
〔10〕前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対す
る前記成分(C)の含有量が20質量部〜50質量部である、〔1〕〜〔9〕の
いずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔11〕前記成分(D)がジシアンジアミドである、〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に
記載のエポキシ樹脂組成物。
〔12〕さらに、成分(E)として、ウレア系硬化助剤を含む、〔1〕〜〔11〕のいず
れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔13〕〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる
フィルム。
〔14〕〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物が強化繊維基材に
含浸されたプリプレグ。
〔15〕〔1〕〜〔14〕のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化
繊維からなる繊維強化プラスチック。
〔16〕管状である〔15〕に記載の繊維強化プラスチック。
成分(B)25℃で固形である成分(A)以外のエポキシ樹脂
成分(C)25℃で液状である成分(A)以外のエポキシ樹脂
成分(D)硬化剤
また本発明において「エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率」を「樹脂(の)曲げ弾性率」と称し、「エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ破断歪」を「樹脂(の)曲げ破断歪み」と称し、「エポキシ樹脂組成物の硬化物と、連続繊維である炭素繊維が一方向に引き揃えられた強化繊維基材からなる繊維強化プラスチックの、90°曲げ強度および0°曲げ強度」を単に「繊維強化プラスチックの90°曲げ強度」および「繊維強化プラスチックの0°曲げ強度」と称すことがある。
成分(A)である3官能エポキシ樹脂は、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ強度および曲げ弾性率を高め、かつ繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂に用いる場合に、繊維強化プラスチックの曲げ強度、つまりは、90°曲げ強度および0°曲げ強度を高めることができる成分である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成分(B)として25℃で固形のエポキシ樹脂を含有する。
この25℃で固形のエポキシ樹脂は、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ強度および曲げ弾性率及び耐熱性を高め、かつ繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂に用いる場合に、強化繊維へのマトリックス樹脂の接着性を高めることができる。
これは、成分(B)の軟化点または融点が50℃以上のものを使用することによって、プリプレグに適度なタックが得られ、取扱い性を良好となる傾向にあるためである。より好ましくは60℃以上であり、さらに好ましくは70℃以上である。また、成分(B)の軟化点または融点は、他成分との相溶性が良好となる点から160℃以下とするのが好ましい。より好ましくは、150℃以下である。
また、成分(B)として使用することのできるビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、jER4004P(軟化点:85℃)、jER4007P(軟化点:108℃)、jER4010P(軟化点:135℃)(以上、三菱化学(株)製)等を挙げることができる。
さらに、使用することのできるビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、例えば、EXA−1514(軟化点:75℃)、EXA−1517(軟化点:60℃)(以上、DIC(株)製)等を挙げることができる。
また、成分(B)として使用することのできるオキサゾリドン環型エポキシ樹脂としては、例えば、AER4152(軟化点:98℃)、XAC4151(軟化点:98℃)(以上、旭化成イーマテルアル(株)製)、ACR1348(株式会社ADEKA製)、DER858(DOW社製、軟化点:100℃)、TSR−400(DIC(株)製、軟化点:79℃)等を挙げることができる。
これら成分(B)は、1種または2種以上を適宜選択して使用することができるが、樹脂曲げ弾性率を向上させる点から、下記一般式(1a)で示されるエポキシ樹脂(例えば、NER−7604、NER−7403)が好ましく、さらに、樹脂曲げ強度、弾性率、破断歪のバランスを保つ観点から、kとjの総和が5以上であることが好ましく、NER−7604が特に好ましい。
することができる。この使用によって、樹脂曲げ弾性率及び耐熱性をより高めることが
できる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成分(C)として25℃で液状のエポキシ樹脂を含有する。
この成分(C)は、前記エポキシ樹脂組成物の粘度を適切な範囲に容易に制御することができ、該エポキシ樹脂組成物を含むプリプレグのタック性を調整し、また、この使用によって、繊維強化プラスチック製造時にボイドの少ない成形品を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成分(D)として硬化剤を含有する。
成分(D)の硬化剤の種類は、特に限定されず、アミン系硬化剤、イミダゾール類、酸無水物、塩化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。中でもジシアンジアミドを用いることで、硬化前のエポキシ樹脂組成物の湿気による性能変化がなく、長期安定性をもちながら比較的低温で硬化を完了することができるため好ましい。ジシアンジアミドの好ましい配合量は、エポキシ樹脂組成物に配合される全てのエポキシ樹脂に由来するエポキシ基のモル数に対し、ジシアンジアミドの活性水素のモル数が0.6〜1.0倍となる配合量であることが良好な機械物性を発現する硬化物が得られる点から好ましい。さらに0.6〜0.8倍であると耐熱性に優れるのでさらに好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、更に成分(E)としてウレア系硬化助剤を用いても
よい。
特に成分(D)としてジシアンジアミドを用い、これに成分(E):ウレア系硬化助剤を併用することで、低温でも短時間にエポキシ樹脂組成物を硬化完了することができ、
好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに熱可塑性樹脂を必要に応じて含有させることができる。この熱可塑性樹脂により、硬化物の樹脂曲げ破断歪を向上させることができる傾向にある。
この熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)/ポリ(ブチルアクリレート)/ポリ(メチルメタクリレート)のトリブロック共重合体、ポリ(スチレン)/ポリ(ブタジエン)/ポリ(メタクリル酸メチル)から選ばれるトリブロック共重合体等から適宜選択して使用することができるが、フェノキシ樹脂やポリビニルアセタール樹脂を使用することによって、上述の硬化物の樹脂曲げ破断歪と樹脂曲げ弾性率を両立させることができる傾向にある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の成分(A)、成分(B)、成分(C)のいずれとして列挙された上述のエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂(以下、「その他エポキシ樹脂」と称する。)を含有していても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびエラストマーからなる群から選ばれた1種以上の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤によって、本発明のエポキシ樹脂組成物の粘弾性を変化させて、粘度、貯蔵弾性率およびチキソトロープ性を適正化することができるとともに、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性を向上させることもできる。添加剤として用いられる熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーまたはエラストマーは、単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。また、エポキシ樹脂成分中に溶解して配合されてもよく、微粒子、長繊維、短繊維、織物、不織布、メッシュ、パルプなどの形状でエポキシ樹脂組成物中に含まれていても良い。添加剤が、微粒子、長繊維、短繊維、織物、不織布、メッシュ、パルプなどの形状でプリプレグの表層に配置される場合には、繊維強化プラスチックの層間剥離を抑制することができるので好ましい。
(1)該エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率が3.7GPa以上
(2)該エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ破断歪が8%以上
(3)該エポキシ樹脂組成物の硬化物と、連続繊維である中弾性・高弾性の炭素繊
維が一方向に引き揃えられた強化繊維基材からなる繊維強化プラスチックの、
0°曲げ強度(MPa)が
中弾性の炭素繊維を用いた場合:1700MPa以上
高弾性の炭素繊維を用いた場合:1600MPa以上
90°曲げ強度(MPa)が
中弾性の炭素繊維を用いた場合:135MPa以上
高弾性の炭素繊維を用いた場合:100MPa以上
本発明における樹脂曲げ弾性率は、以下方法において測定された値である。
樹脂曲げ破断歪は、以下方法において測定された値である。
揃えられた強化繊維基材からなる繊維強化プラスチックの、
0°曲げ強度(MPa)が
中弾性の炭素繊維を用いた場合:1700MPa以上
高弾性の炭素繊維を用いた場合:1600MPa以上
90°曲げ強度(MPa)が
中弾性の炭素繊維を用いた場合:135MPa以上
高弾性の炭素繊維を用いた場合:100MPa以上
上記の繊維強化プラスチックの0°曲げ強度、及び90°曲げ強度は、炭素繊維を一方向に引き揃え、繊維目付が125g/m2、樹脂含有量が28質量%のプリプレグを作製し、これを硬化して作製した繊維強化プラスチックパネルを以下の方法にて測定された値である。
得られた繊維強化プラスチックパネルを試験片の長手方向に対して補強繊維が0゜に配向するように試験片(長さ127mm×幅12.7mm)に加工し、インストロン社製の万能試験機を用い、温度23℃、湿度50%RHの環境下、3点曲げ治具(圧子R=5mm、サポートR=3.2mm)を用い、サポート間距離(L)と試験片の厚み(d)の比L/d=40、クロスヘッドスピード(分速)=(L×L×0.01)/(6×d)の条件で試験片を曲げ、曲げ強度および破断歪を測定する。
得られた繊維強化プラスチックパネルを、試験片の長手方向に対して補強繊維が90゜に配向するように試験片(長さ60mm×幅12.7mm)に加工し、インストロン社製の万能試験機を用い、温度23℃、湿度50%RHの環境下、3点曲げ治具(圧子R=5mm、サポートR=3.2mm)を用い、サポート間距離(L)と試験片の厚み(d)の比L/d=16、クロスヘッドスピード(分速)=(L×L×0.01)/(6×d)の条件で試験片を曲げ、曲げ強度および破断歪を測定する。
0°曲げ強度(MPa)が
中弾性の炭素繊維を用いた場合:1700MPa以上
高弾性の炭素繊維を用いた場合:1600MPa以上
90°曲げ強度(MPa)が
中弾性の炭素繊維を用いた場合:135MPa以上
高弾性の炭素繊維を用いた場合:100MPa以上
であれば、管状の繊維強化プラスチックにおいて高い管状体の曲げ強度が得られる。繊維強化プラスチックの、
0°曲げ強度(MPa)が
中弾性の炭素繊維を用いた場合:1800MPa以上
高弾性の炭素繊維を用いた場合:1700MPa以上
90°曲げ強度(MPa)が
中弾性の炭素繊維を用いた場合:140MPa以上
高弾性の炭素繊維を用いた場合:105MPa以上
であるのが、より好ましい。
繊維強化プラスチックの0°曲げ強度と90°曲げ強度はいずれか一方が高く、一方が低い場合は、管状体としての性能発現のバランスが低下する傾向にある。
成分(A):
MY0510(商品名):トリグリシジル−p−アミノフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量101g/eq
MY0600(商品名):トリグリシジル−m−アミノフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量105g/eq
NER−7604(商品名):多官能ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量350g/eq、軟化点70℃、日本化薬(株)製
AER4152(商品名「アラルダイトAER4152」):骨格中にオキサゾリドン環を持つ2官能エポキシ樹脂、数平均分子量814、軟化点:79°旭化成イーマテリアルズ株式会社製
jER1001(商品名):ビスフェノールA型2官能エポキシ樹脂、エポキシ当量450〜500g/eq、数平均分子量900、軟化点:64℃ 三菱化学(株)製
jER1004(商品名):ビスフェノールA型2官能エポキシ樹脂、エポキシ当量875〜975g/eq、数平均分子量1650、軟化点:97℃ 三菱化学(株)製
EHPE3150(商品名):固形脂環式エポキシ樹脂、軟化点:75℃、株式会社ダイセル製
jER828(商品名):ビスフェノールA型2官能エポキシ樹脂、エポキシ当量189g/eq、三菱化学(株)製
jER807(商品名):ビスフェノールF型2官能エポキシ樹脂、エポキシ当量167g/eq、三菱化学(株)製
DICY15(商品名):ジシアンジアミド(略称:DICY)、三菱化学(株)製
DCMU99(商品名):3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(略称:DCMU)、保土谷化学工業(株)製
Omicure94(商品名):3−フェニル−1,1−ジメチルウレア(略称:PUMU)、PTIジャパン(株)製
ビニレックE(商品名):ポリビニルホルマール樹脂、チッソ(株)製
YP−50S(商品名):フェノキシ樹脂、質量平均分子量50,000〜70,000、新日鉄住金化学(株)製
M52N(商品名「NanostrengthM52N」):アクリル系ブロック共重合体(ポリ(メチルメタクリレート)/ポリ(ブチルアクリレート)/ポリ(メチルメタクリレート)のトリブロック共重合体であり、さらにジメチルアクリルアミドが共重合したもの、アルケマ(株)製
以下の手順でエポキシ樹脂組成物を調製し、これを用いて樹脂曲げ弾性率、樹脂曲げ破断歪み、及び繊維強化プラスチックの曲げ強度を測定した。樹脂組成および測定(評価)結果を表1に示す。
表1に示す樹脂組成に含まれる液体状のエポキシ樹脂成分の一部に、同表に示す成分(D)および成分(E)を3本ロールミルで均一に分散させて、触媒樹脂組成物を調製
した。
表1に示す樹脂組成に含まれる固体状のエポキシ樹脂成分の一部と、液体状のエポキシ樹脂成分の残部の一部、及び熱可塑性樹脂を、160℃にて加熱混合することで均一なマスターバッチ(1)を得た。
上述の<エポキシ樹脂組成物の調製>にて得られたエポキシ樹脂組成物を、厚さ2mmのポリテトラフルオロエチレン製のスペーサーと共にガラス板で挟んで、昇温速度2℃/分で昇温し、130℃で90分保持して硬化させることにより硬化樹脂板を得た。
上述の<硬化樹脂板の作製>にて得られた厚み2mmの硬化樹脂板を、試験片(長さ60mm×幅8mm)に加工し、500Nロードセルを備えたINSTRON 4465測定機を用い、温度23℃、湿度50%RHの環境下、3点曲げ治具(圧子R=3.2mm、サポートR=3.2mm)を用い、サポート間距離(L)と試験片の厚み(d)の比L/d=16の条件で試験片を曲げ、弾性率および最大荷重時の歪および破断歪を得た。結果を表1に示す。
一方、比較例1〜7においては、樹脂曲げ弾性率3.7GPa以上、又は破断歪8%以上のいずれかが未達であった。
上述の<エポキシ樹脂組成物の調製>にて得られた、実施例1、4と比較例1、5のエポキシ樹脂組成物を60℃に加温し、フィルムコーターで離型紙に塗布して樹脂フィルムを作製した。該樹脂フィルムの厚みは、後述するように該樹脂フィルムを2枚用いてプリプレグを作製した場合に、該プリプレグの樹脂含有率が28質量%となるよう設定した。
上述の<コンポジット(繊維強化プラスチック)パネル作製方法>にて得られた繊維強化プラスチックパネルを、試験片の長手方向に対して補強繊維が0°または90゜に配向するように試験片を下記の大きさに加工し、インストロン社製の万能試験機を用い、温度23℃、湿度50%RHの環境下、3点曲げ治具(圧子R=5mm、サポートR=3.2mm)を用い、サポート間距離(L)と試験片の厚み(d)の比L/dを下記の条件で、クロスヘッドスピード(分速)=(L2×0.01)/(6×d)の条件で試験片を曲げ、0°及び90°における曲げ強度、弾性率及び破断歪を得た。0°曲げ特性はVf60%となるよう換算した。結果を表2に示す。
90°曲げ特性評価用:長さ60mm×幅12.7mm、L/d=16
SUS製、6mmφの芯材に離型剤として、フレコートNC700(巴工業製)を塗布した。補強繊維としてMR70―12Pを使用した上記のプリプレグを繊維の配列方向が芯材の軸方向に対して、プラス45°方向、マイナス45°方向、および0°方向に配向するようにカットした。
まず、プラス45°方向のプリプレグを芯材に1層巻き付けて、次にマイナス45°方向に1層巻き付けた。これらを交互に積層し、±45°層として合計で7周分巻き付けた。その外周に、0°層を3周分巻き付ける。合計10週分のプリプレグを巻き付けた。トラバースピッチが約10mmとなるようPP製のラッピングテープを巻き付けた。加熱装置内にて、昇温速度2℃/分で昇温し、130℃で90分保持して硬化した。加熱後、脱芯することで管状体を得た。
SG曲げ試験方法に準拠し、治具(サポート間距離(L)を150mm 圧子R=75mm、支持R=12.5)を使用し、クロスヘッドスピード(分速)=20mm/分で曲げ試験を実施。最大破壊荷重を得た。結果を表2に示す。
また、実施例1及び実施例4の繊維強化プラスチックの90°曲げ強度は、いずれも中弾性の炭素繊維を用いた場合は135MPa以上であり、高弾性の炭素繊維を用いた場合は100MPa以上であったが、比較例1及び比較例5においては、いずれの場合もこの基準に未達であった。
さらに、実施例1及び実施例4における管状体の最大破壊荷重は、比較例1及び比較例5のそれを大きく上回っていた。
Claims (16)
- 下記成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含むエポキシ樹脂組成物。
成分(A)3官能エポキシ樹脂
成分(B)25℃で固形である成分(A)以外のエポキシ樹脂
成分(C)25℃で液状である成分(A)以外のエポキシ樹脂
成分(D)硬化剤 - 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる前記成分(B)がエポキシ当量500以下である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる前記成分(C)がエポキシ当量500以下である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記成分(B)が、軟化点または融点が50℃以上のエポキシ樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記成分(B)として、下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記成分(B)として、下記一般式(2)で表される脂環式エポキシ樹脂を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記脂環式エポキシ樹脂として、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物を含有する、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対する前記成分(B)の含有量が5質量部〜90質量部である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記成分(C)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物
- 前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対する前記成分(C)の含有量が20質量部〜50質量部である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記成分(D)がジシアンジアミドである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに、成分(E)として、ウレア系硬化助剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物からなるフィルム。
- 請求項1〜13のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物が強化繊維基材に含浸されたプリプレグ。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と強化繊維からなる繊維強化プラスチック。
- 管状である請求項15に記載の繊維強化プラスチック。
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