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JP2017218574A - ナノ粒子蛍光体素子および発光素子 - Google Patents

ナノ粒子蛍光体素子および発光素子 Download PDF

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恭崇 葛本
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達也 両輪
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師之 山角
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Abstract

【課題】半導体ナノ粒子蛍光体が凝集することなく媒体中に良好に分散しており、優れた量子効率を示すナノ粒子蛍光体素子及び該ナノ粒子蛍光体素子を用いた発光素子を提供する。【解決手段】複数の凹部を表面に有するカプセル状物と、前記カプセル状物に封入された媒体と、前記媒体中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体とを備えるナノ粒子蛍光体素子、ならびに、封止材と、前記封止材中に分散された、本発明のナノ粒子蛍光体素子とを備える発光素子。【選択図】図1

Description

本発明は、カプセル状物と、前記カプセル状物に封入された媒体と、前記媒体中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体とを備えるナノ粒子蛍光体素子に関する。
半導体ナノ粒子蛍光体のサイズを励起子ボーア半径程度に小さくすると、量子サイズ効果を示すことが知られている。量子サイズ効果とは、物質の大きさが小さくなると該物質の中の電子は自由に運動できなくなり、該電子のエネルギーは任意ではなく特定の値しか取り得なくなることである。また、電子を閉じ込めている半導体ナノ粒子蛍光体のサイズが変化することで電子のエネルギー状態も変化し、半導体ナノ粒子蛍光体から発生する光の波長は寸法が小さくなるほど短波長になることが知られている。このような量子サイズ効果を示す半導体ナノ粒子蛍光体は、蛍光体としての用途が着目され、研究が進められている。
半導体ナノ粒子蛍光体は、比表面積が大きく、表面活性が高いことから、化学的・物理的に安定しにくい。したがって、半導体ナノ粒子蛍光体を安定化させるための方法が提案されている。
例えば、特表2013−505347号公報(特許文献1)には、コーティングされた複数の一次粒子であって、各一次粒子が、一次マトリックス材料から構成されており、半導体ナノ粒子の集団を含み、各一次粒子は、表面コーティング材料の層が個別に与えられている、コーティングされた複数の一次粒子が開示されている。
特表2013−505347号公報
特許文献1の技術では、マトリックス材料としてポリマー、ガラスなどの一般的な材料を用いているため、該マトリックス中で半導体ナノ粒子蛍光体の凝集が生じ、半導体ナノ粒子蛍光体の量子効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、半導体ナノ粒子蛍光体が凝集することなく媒体中に良好に分散しており、優れた量子効率を示すナノ粒子蛍光体素子および該ナノ粒子蛍光体素子を用いた発光素子を提供することを目的とする。
本発明のナノ粒子蛍光体素子は、複数の凹部を表面に有するカプセル状物と、前記カプセル状物に封入された媒体と、前記媒体中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体とを備えることを特徴とする。
本発明のナノ粒子蛍光体素子において、前記カプセル状物は少なくとも2層からなることが好ましい。
本発明において、前記媒体は液体であってよく、この場合、媒体はイオン性液体であることが好ましい。
本発明において、前記媒体は固体であってよく、この場合、媒体は重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂であることが好ましい。
本発明はまた、封止材と、前記封止材中に分散された、上述した本発明のナノ粒子蛍光体素子とを備える発光素子についても提供する。
本発明によれば、マトリックス中で半導体ナノ粒子蛍光体が良好に分散しており、優れた量子効率を示すナノ粒子蛍光体素子および該ナノ粒子蛍光体素子を用いた発光素子を提供することができる。
実施の形態1に係るナノ粒子蛍光体素子1および発光素子11を模式的に示す図である。 実施の形態1に係るナノ粒子蛍光体素子1および発光素子11を模式的に示す図である。 図3(a)は、本発明のナノ粒子蛍光体素子1の走査型電子顕微鏡写真、図3(b)は、本発明のナノ粒子蛍光体素子1の蛍光顕微鏡像写真、図3(c)は、本発明のナノ粒子蛍光体素子21の走査型電子顕微鏡写真である。 実施の形態2に係るナノ粒子蛍光体素子21を模式的に示す図である。 実施の形態3に係る発光素子41を模式的に示す図である。
以下、本願の図面において、同一の符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また、図面における長さ、大きさ、幅などの寸法関係は、図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法を表わしてはいない。
[実施の形態1]
<ナノ粒子蛍光体素子>
実施の形態1に係るナノ粒子蛍光体素子について、図1および図2を用いて説明する。図1および図2は、実施の形態1に係るナノ粒子蛍光体素子1および発光素子11を模式的に示す図である。図1において、図1の紙面に関し左上側に示されるナノ粒子蛍光体素子1は、その下側に示される発光素子11の一部を拡大して示しており、また、図1の紙面に関し右上側には、ナノ粒子蛍光体素子1に含まれる半導体ナノ粒子蛍光体2および媒体3を一部拡大して示している。また、図2において、図2の紙面に関し上側に示されるナノ粒子蛍光体素子1は、その下側に示される発光素子11の一部を拡大して示している。
図1および図2に示されるように、ナノ粒子蛍光体素子1は、複数の凹部4a,4bを表面に有するカプセル状物4と、前記カプセル状物4に封入された媒体3と、前記媒体3中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体2とを基本的に備える。
(半導体ナノ粒子蛍光体)
半導体ナノ粒子蛍光体2は、ナノサイズの蛍光体粒子である。半導体ナノ粒子蛍光体の粒子径は、原料および所望の発光波長に応じて適宜選択することができ、特に制限されないが、1〜20nmの範囲内であることが好ましく、2〜5nmの範囲内であることがより好ましい。半導体ナノ粒子蛍光体の粒径が1nm未満である場合には、体積に対する表面積の割合が増えることにより、表面欠陥が支配的となり効果が低下する傾向にあるためであり、また、半導体ナノ粒子蛍光体の粒径が20nmを超える場合には、分散状態が低下し、凝集・沈降が生じる傾向にあるためである。ここで、半導体ナノ粒子蛍光体の形状が球状である場合には、粒径は、たとえば粒度分布測定装置により測定された平均粒径もしくは電子顕微鏡により観察された粒子の大きさを指す。また半導体ナノ粒子蛍光体の形状がロッド状である場合には、粒径は、たとえば電子顕微鏡により測定された短軸および長軸の大きさを指す。さらに、半導体ナノ粒子蛍光体の形状がワイヤ状である場合には、粒径は、たとえば電子顕微鏡により測定された短軸および長軸の大きさを指す。
半導体ナノ粒子蛍光体2は、たとえば、化合物半導体からなるナノ粒子コアと、前記ナノ粒子コアを被覆するシェル層からなる被覆層とのコア−シェル構造を有する。また、図1に示す例では、シェル層の外側には有機修飾基8が結合する。前記有機修飾基8は、極性官能基を含むことが好ましい。
ナノ粒子コアは化合物半導体からなる。ナノ粒子コアを構成する化合物半導体の組成は、例えば、InN、InP、InAs、InSb、InBi、InGaN、InGaP、GaP、AlInN、AlInP、AlGaInN、AlGaInP、CdS、CdSe、CdTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdZnSSe、CdZnSeTe、In、InSe、GaSe、InTe、GaTe、CuInS、CuInSe、CuInTeなどである。このような組成の化合物半導体は、波長380nm〜780nmの可視光を発光するバンドギャップ・エネルギーを有している。したがって、粒子径およびその混晶比を制御することにより、任意の可視光の発光が可能なナノ粒子コアを形成することができる。
ナノ粒子コアを構成する半導体として、InP又はGaP又はCdSeを用いることが好ましい。理由としては、InP、GaPおよびCdSeは、構成する材料が少ないため作製がし易い上、高い量子収率を示す材料であり、LEDの光を照射した際、高い発光効率を示すからである。ここでの量子収率とは、吸収した光子数に対する、蛍光として発光した光子数の割合のことである。
シェル層は、ナノ粒子コアの結晶構造を引き継いで形成される化合物半導体からなる。シェル層は、ナノ粒子コアの表面に半導体結晶を成長させることによって形成される層であり、ナノ粒子コアとシェル層との間は化学結合によって結合する。シェル層は、たとえば、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InAs、InP、InN、InSb、AlAs、AlP、AlSb、AlN、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdZnSSe、CdZnSeTe、In、Ga、In、GaおよびZrOからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。シェル層の厚さは、0.1〜10nmが好ましい。またシェル層は、複数のシェル層からなる多層構造でもよい。
シェル層の外側表面は、有機修飾基8と結合している。有機修飾基8は、シェル層の外側表面に、修飾有機化合物を反応させて結合させることにより形成される。これにより、シェル層の表面のダングリングボンドが有機修飾基によってキャッピングされ、シェル層の表面欠陥が抑制されるため、ナノ粒子コアの発光効率が向上する。
このように表面に有機修飾基8が存在する半導体ナノ粒子蛍光体2を用いることで、半導体ナノ粒子蛍光体2同士の凝集を防ぐことができる。このため、媒体3中への半導体ナノ粒子蛍光体2の分散が容易になる。
修飾有機化合物は、極性官能基を末端に有することが好ましい。該修飾有機化合物をシェル層の外側表面と反応させると、極性官能基は半導体ナノ粒子蛍光体2の表面に配置される。したがって、半導体ナノ粒子蛍光体2の表面が極性を有するため、半導体ナノ粒子蛍光体2がイオン性液体に由来する構成単位を含むマトリックス中に良好に分散することができる。
極性官能基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、アンモニウム基、イミダゾリウム基、スルホニウム基、ピリジニウム基、ピロリジニウム基、ホスホニウム基などが挙げられる。
修飾有機化合物中の極性官能基は、イオン性の官能基であることが好ましい。イオン性の官能基は極性が高いため、イオン性の官能基を表面に有する半導体ナノ粒子蛍光体は、媒体がイオン性液体、または、イオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂である場合に、媒体への分散性が非常に優れている。さらに、該半導体ナノ粒子蛍光体を、イオン性液体、または、イオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂である媒体に封入する場合に、イオン性液体の正電荷および負電荷による静電的な作用により、半導体ナノ粒子蛍光体の安定性が非常に向上する。なお、イオン性液体については後述する。
イオン性の官能基としては、アンモニウム基、イミダゾリウム基、スルホニウム基、ピリジニウム基、ピロリジニウム基、ホスホニウム基などが挙げられる。
修飾有機化合物は、末端に極性の官能基を有していれば、その他の構造は特に制限されない。具体的には、ジメチルアミノエタンチオール(DAET)、カルボキシデカンチオール(CDT)、ヘキサデカンチオール(HDT)、n−トリメトキシシリルブタノイックアシッド(TMSBA)、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン(APDMES)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(TMSP−TMA)、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(AEAPTMS)、2−シアノエチルトリエトキシシランなどを用いることができる。
半導体ナノ粒子蛍光体は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(媒体)
媒体3は、液体であってもよく、固体であってもよい。媒体3が液体である場合、媒体としては、イオン性液体、オクタデセン(ODE)、イソブチルアルコール、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。また媒体3が固体である場合、媒体としては、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂、エポキシ、シリコーン、(メタ)アクリレート、シリカガラス、ポリスチレン、ポリピロール、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリスルホン、ポリチオフェン、ポリホスフェート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド、ポリペプチド、ポリサッカライドなどが挙げられる。これらの中でも、媒体3が液体である場合にはイオン性液体、媒体3が固体である場合には重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂を用いることが好ましい。
本明細書中「イオン性液体」とは、常温(たとえば25℃)でも溶融状態の塩(常温溶融塩)を意味するものであり、以下の一般式(1):
(1)
で示される。
上記一般式(1)中、Xは、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ホスホニウムイオン、脂肪族四級アンモニウムイオン、ピロリジニウム、スルホニウムから選択されるカチオンである。これらの中でも、熱的および大気中での安定性に優れるという理由から、脂肪族四級アンモニウムイオンが特に好ましいカチオンとして挙げられる。
また上記一般式(1)中、Yは、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオン、過塩素酸イオン、トリス(トリフルオロメチルスルホニル)炭素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、カルボン酸イオン、ハロゲンイオンから選択されるアニオンである。これらの中でも、熱的および大気中での安定性に優れるという理由から、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド酸イオンが特に好ましいアニオンとして挙げられる。
イオン性液体としては、重合性官能基を有するイオン性液体や、重合性官能基を有しないイオン性液体を用いることができる。重合性官能基を有するイオン性液体としては、例えば、2−(メタクリロイロキシ)−エチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、「MOE−200T」と略記)や、1−(3−アクリロイロキシ−プロピル)−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどが挙げられる。重合性官能基を有しないイオン性液体としては、例えば、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−メチル−2−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、「DEME−TFSI」と略記)などが挙げられる。
重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂は、例えば、イオン性液体を架橋剤を用いて熱や光などで硬化させることで形成できる。
媒体3がイオン性液体、または、イオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂である場合、このような媒体3中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体2は、媒体3中のイオン性液体に由来する、正電荷6および負電荷7の静電的な作用により、媒体3中に良好に分散することができるという利点がある。さらに、媒体3中のイオン性液体に由来する静電的な作用により、半導体ナノ粒子蛍光体2の表面の有機修飾基8が安定化し、半導体ナノ粒子蛍光体表面からの離脱によるダングリングボンドの発生が抑制されるため、半導体ナノ粒子蛍光体の量子効率の低下を抑制できる。中でも、有機修飾基8が極性官能基やイオン性官能基を含み、極性官能基やイオン性官能基が半導体ナノ粒子蛍光体表面に存在していると、これらの官能基に含まれる電荷と、イオン性液体に由来する、正電荷6および負電荷7との静電的な相互作用により、半導体ナノ粒子蛍光体2の安定性が一層向上する。また、通常の使用温度範囲で揮発性がほとんどないため、一般の媒体が揮発してしまうような高温での使用も可能となるという利点がある。
なお、液体の媒体としてイオン性液体以外の液体を用いる場合には、通常の使用条件下(LEDなど)で揮発しにくく、媒体の揮発による媒体の量の減少や蒸気圧力によるカプセルの破壊などが起きにくく、安定性の高い発光素子が得られるという観点から、上記例示したオクタデセンのような高沸点(たとえば200℃以上の沸点)の媒体を用いることが好ましい。
(カプセル状物)
図1および図2に示される例の、カプセル状物4は、ゴルフボールのように、その表面に複数の凹部を有する中空の球状物である。本発明におけるカプセル状物は、表面に凹部を有し、かつ、その内部空間に、半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた媒体3を封入可能な中空物であれば、その形状は球状物(真球状物、扁球状物、長球状物)、六面体状物、四面体状物など特に制限されないが、形状、大きさの制御の容易さの観点から、図1および図2に示す例のように中空の球状物であることが好ましい。
本発明のナノ粒子蛍光体素子1においては、カプセル状物4に、半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた媒体3を封入することで、半導体ナノ粒子蛍光体の凝集を抑制することができ、凝集に起因する半導体ナノ粒子蛍光体の劣化を抑制することができる。また、媒体3中への酸素や水分の侵入を抑制することができ、酸素や水分による半導体ナノ粒子蛍光体2の劣化を抑制できる。
さらに、本発明のナノ粒子蛍光体素子1においては、表面に複数の凹部を有するカプセル状物4を用いることで、図1および図2に示すように、当該ナノ粒子蛍光体素子1を封止材13に封止させて本発明の発光素子11とした際に、カプセル状物4と封止材13との接触が良好である(接触面積が大きい)という利点がある。これにより、ナノ粒子蛍光体素子1から封止材13へと熱が逃げやすくなるため、ナノ粒子蛍光体素子1に溜まる熱量を減らすことができ、熱に起因して半導体ナノ粒子蛍光体2が劣化し、効率が低下するのを抑制することができる。すなわち、図2に模式的に示すように、発光素子11において、光源12からの励起光L1が半導体ナノ粒子蛍光体2に入射することで、蛍光L2が生じる。この際、蛍光L2と共に、半導体ナノ粒子蛍光体2からは熱Tが発生する。本発明では、上述のように発光時のナノ粒子蛍光体素子1からの熱Tを封止材13へと逃がし、熱に起因した半導体ナノ粒子蛍光体2の効率低下を抑制することができる。
カプセル状物4は、その大きさについては特に制限されないが、たとえば図1および図2に示すような中空の球状物である場合、その径(凹部以外の部分の直径)は、50nm〜1mmの範囲内であることが好ましく、100nm〜100μmの範囲内であることがより好ましい。カプセル状物4の径が100nm未満である場合には、一粒子あたりの表面積/体積比が大きくなるため、励起光の散乱によるロスが大きくなるという傾向にあり、また、カプセル状物4の径が1mmを超える場合には、従来の蛍光体と同様のプロセスで後述の封止材中に分散させることが困難となる傾向にある。
カプセル状物4の厚み(凹部以外の部分の厚み)は、例えば、0.5nm〜0.5mmが好ましく、10nm〜100μmがさらに好ましい。カプセル状物4の厚みが0.5nm未満である場合には、媒体3の保護が充分でないという傾向にあり、また、カプセル状物4の厚みが0.5mmを超える場合には、励起光の散乱によるロスが大きくなる傾向にある。
ここで、図3(a)は、本発明のナノ粒子蛍光体素子1(後述する実施例1)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(5000倍)、図3(b)は、本発明のナノ粒子蛍光体素子1(後述する実施例1)の蛍光顕微鏡像写真(1000倍)、図3(c)は、本発明のナノ粒子蛍光体素子21(後述する実施例2)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(5000倍)である。本発明のナノ粒子蛍光体素子におけるカプセル状物4の形状、大きさ、厚み、凹部などについては走査型電子顕微鏡、蛍光顕微鏡、透過型電子顕微鏡などを用いることで確認できる。なお、図3(a)はカプセル状物4が2層からなる(コーティング層5を有する)場合、図3(c)はカプセル状物4が1層からなる場合を示しているが、図3(a)のように複数の凹部を表面に有するようにできるのであれば、カプセル状物4は、その外側にコーティング層5を有していてもよい。また、図3(b)からは、405nm照射時の蛍光顕微鏡像で、半導体ナノ粒子蛍光体からの緑色蛍光の発光を確認することができる。
カプセル状物4(コーティング層5を含む)は、酸素や水分を遮断する材料であれば、特に限定されず、無機材料やポリマー材料などを用いることができる。なお、カプセル状物が少なくとも2層からなる場合、層の数は2層以上であれば特に限定されず、各層の材料も、酸素や水分の遮断性を有するものであれば、特に限定されず、各層の材料が全て同じであってもよく、全て異なっていてもよく、一部だけが同じであってもよい。
無機材料は、酸素や水分の遮断性が非常に優れている。無機材料としては、例えば、シリカ、金属酸化物、金属窒化物などを用いることができる。
ポリマー材料は柔軟性を有するため、カプセル状物4の材料として用いると、ナノ粒子蛍光体素子1の耐衝撃性が向上する。さらに、ポリマー材料は、無機材料に比べて温和な条件で形成できるため、媒体3、半導体ナノ粒子蛍光体2に対するプロセスダメージを抑制することができる。ポリマー材料としては、ポリアミドイミド、アクリレートポリマー、エポキシド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリチオエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリジエン、ポリスチレンポリブタジエンコポリマー、パリレン、シリカ−アクリレートハイブリッド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリジビニルベンゼン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、セルロース誘導体、ポリテトラフルオロエチレンなどを用いることができる。また、カプセル状物4が2層からなる場合、外側の層となるコーティング層5には、フッ素系ポリマー(たとえばサイトップ(旭硝子株式会社製)など)も好適に用いることができる。
図1および図2に示すカプセル状物4は、カプセル状物4の内部空間にまで連通する凹部4aと、内部空間に連通しない凹部4bの2種類の凹部を有する。凹部の開口形状は円状、楕円状など特に制限されない。凹部の開口径(凹部の開口形状が円状である場合には直径)は、上述した封止材13との良好な接触により優れた放熱性を発揮できる観点から、20nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、100nm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
また、凹部4aの内部空間に連通する部分の径は、20nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、100nm〜10μmの範囲内であることが好ましい。凹部4aの内部空間に連通する部分の径が10μm以下であることで、カプセル状物4の内部に液体の媒体3が封入されている場合であっても、媒体3がカプセル状物4の外側に流出することを抑制することができる。また、凹部4aの内部空間に連通する部分の径が上述した範囲内であることで、半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた媒体3を効率よくカプセル状物4中に注入することができる。これは、凹部4aの内部空間に連通する部分の径が20nm以上であれば、半導体ナノ粒子蛍光体として好ましい1〜20nmの粒子径を有するいずれの半導体ナノ粒子蛍光体よりも、凹部4aの内部空間に連通する部分の径の方が大きいため、半導体ナノ粒子蛍光体が容易に凹部4aの内部空間に連通する部分を通過することができるためである。なお、凹部4aの内部空間に連通する部分は、カプセル状物4内部に半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた媒体3を封入した後に、(たとえば図1および図2に示すようにコーティング層5などで)封止することができる。
また、内部空間に連通しない凹部4bの深さは、特に制限されないが、上述した封止材13との良好な接触による優れた放熱性を発揮できる観点から、カプセル状物4の厚みの1/100〜1/2の範囲内であることが好ましい。
また、凹部間のピッチ(凹部間の直線距離)は、20nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、20nm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。前記ピッチが20nm未満である場合には、開口径に対するカプセル状物の割合が少なくなり、媒体3の保護が充分でなくなる傾向にあり、また、前記ピッチが100μmを超える場合には、全表面に対する凹部の割合が小さく封止材13との良好な接触による優れた放熱性を発揮できない傾向にある。
<ナノ粒子蛍光体素子の製造方法>
ナノ粒子蛍光体素子は、既存のカプセル製造方法を用いて、半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた媒体3をカプセル状物4に封入することにより作製することができる。具体的な製造方法の一例を、以下に示す。
(半導体ナノ粒子蛍光体の製造)
半導体ナノ粒子蛍光体2の製造方法は、特に制限されず、いかなる製造方法であっても良い。手法が簡便であり、且つ、低コストであるという観点からは、半導体ナノ粒子蛍光体2の製造方法として化学合成法を用いることが好ましい。化学合成法では、生成物質の構成元素を含む複数の出発物質を媒体に分散させた上で、これらを反応させることにより目的の生成物質を得ることができる。このような化学合成法としては、たとえば、ゾルゲル法(コロイド法)、ホットソープ法、逆ミセル法、ソルボサーマル法、分子プレカーサ法、水熱合成法、または、フラックス法などが挙げられる。化合物半導体材料からなるナノ粒子コア2を好適に製造できるという観点では、ホットソープ法を用いることが好ましい。以下では、ホットソープ法によるコア−シェル構造を有する半導体ナノ粒子蛍光体2の製造方法の一例を示す。
まず、ナノ粒子コアを液相合成する。たとえばInNからなるナノ粒子コアを製造する場合、フラスコなどに1−オクタデセン(合成用溶媒)を満たし、トリス(ジメチルアミノ)インジウムとヘキサデカンチオール(HDT)とを混合する。この混合液を十分に攪拌した後、180〜500℃で反応させる。これにより、InNからなるナノ粒子コア2が得られ、得られたナノ粒子コアの外表面にはHDTが結合されている。なお、シェル層の成長後にHDTを添加しても良い。
ホットソープ法に用いられる合成用溶媒は、炭素原子および水素原子からなる化合物溶液(以下、「炭化水素系溶媒」という。)であることが好ましい。これにより、合成用溶媒への水または酸素の混入が防止されるので、ナノ粒子コアの酸化が防止される。炭化水素系溶媒は、たとえば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、または、p−キシレンなどであることが好ましい。
ホットソープ法では、原理的には、反応時間が長いほどナノ粒子コアの粒子径が大きくなる。よって、フォトルミネッセンス、光吸収、または、動的光散乱などにより粒子径をモニタしながら液相合成することにより、ナノ粒子コアのサイズを所望のサイズに制御することができる。
次に、ナノ粒子コアを含む溶液に、シェル層の原材料である反応試薬を加え、加熱反応させる。これにより、半導体ナノ粒子蛍光体の出発物質が得られる。得られた半導体ナノ粒子蛍光体の出発物質では、ナノ粒子コアの外表面がシェル層で被覆されており、HDTがシェル層の外表面に結合されている。
続いて、半導体ナノ粒子蛍光体の出発物質を含む溶液に修飾有機化合物を添加し、室温〜300℃で反応させる。これにより、シェル層の外表面とHDTとの結合が解除されて、修飾有機化合物がシェル層の外表面に結合し、有機修飾基8が形成される。このようにして半導体ナノ粒子蛍光体2が得られる。
なお、ナノ粒子コアを製造するときにHDTの代わりに修飾有機化合物を添加しても良い。このようにして半導体ナノ粒子蛍光体2を得る場合には、シェル層の形成後に修飾有機化合物を添加しなくても良い。
(カプセル状物4の作製)
得られた半導体ナノ粒子蛍光体2を、媒体3中に分散させる。媒体3に対する半導体ナノ粒子蛍光体2の体積比は、発光素子の用途に応じた値を用いることができ、例えば、0.000001以上10以下であることが好ましい。
次に、表面に複数の凹部を有するカプセル状物4は、以下の方法で調製した。ケイ酸ナトリウム水溶液とポリメチルメタクリレート水溶液で調製した水相(W1相)、Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)とSpan80(ソルビタンモノオレアート)で調製したn−ヘキサン相(O相)、炭酸水素アンモニウムで調製した水相(W2相)を準備した。次いで、W1相をO相に加えた後ホモジナイザーで8000rpmの回転速度で乳化してW1/O相を作製し、これをすぐさまW2相中に加えてマグネチックスターラーで35℃で2時間撹拌させた。その後、溶液に水あるいはエタノールを加えて遠心分離し、上澄みを除去する作業を繰り返して洗浄処理を行なった後、濾過して沈殿物を得た。その後、沈殿物を100℃で12時間乾燥し、次いで、700℃で5時間焼成処理することで細孔の空いた平均粒径約10μmの中空シリカカプセルを得る、というようにして作製する。作製されたカプセル状物4の中に、半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた媒体を注入し、必要に応じて、媒体3を硬化処理する(たとえば、イオン性液体を硬化処理して、イオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂を形成する)ことでも、ナノ粒子蛍光体素子を作製することができる。これにより、カプセル状物中への封入の際に、半導体ナノ粒子蛍光体2あるいは半導体ナノ粒子蛍光体2を分散させた媒体3にプロセスダメージを与えることなく、ナノ粒子蛍光体素子を好適に作製することができる。なお、イオン性液体の硬化処理は、紫外線を当てて硬化させる光硬化法や、熱を加えて硬化させる熱硬化法を用いることができる。
<発光素子>
図1および図2に示されるように、発光素子11は、封止材13と、前記封止材13中に分散された、上述した本発明のナノ粒子蛍光体素子1とを備える。また、図1および図2に示す例の発光素子11は、封止材13により一体的に覆われた光源12を備える。本発明の発光素子において、ナノ粒子蛍光体素子は、1種類を用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した本発明のナノ粒子蛍光体素子1は、優れた量子効率を有している。さらに、表面が支持体で被覆されているため、封止材13中でナノ粒子蛍光体素子1同士が凝集せず、良好に分散することができる。したがって、該ナノ粒子蛍光体素子1を含む発光素子11は、優れた発光効率を有することができる。
封止材13としては、ガラス材料または高分子材料を用いることが好ましい。ガラス材料としては例えば、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどを用いることができる。高分子材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンなどからなるエポキシ樹脂、MOE−200T(2−(メタクリロイロキシ)−エチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、1−(3−アクリロイロキシ−プロピル)−3−メチルイミダゾリウムエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなどからなるイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂などを用いることができる。
封止材13に対するナノ粒子蛍光体素子1の体積比は、発光素子の用途に応じた値を用いることができ、例えば、0.000001以上10以下であることが好ましい。発光素子の透明性を重視する場合には、封止材に対するナノ粒子蛍光体素子の体積比が0.2以下であることが好ましい。該体積比が0.2以下であれば、高い透明性を持った発光素子とすることができる。また、発光デバイスの発光量を重視する場合には、封止材に対するナノ粒子蛍光体素子の体積比が0.00001以上であることが好ましい。該体積比が0.00001以上であれば、発光量が大きな発光デバイスとすることができる。
封止材13は、ガラス材料または高分子材料を80体積%以上含むことが好ましく、90体積%以上含むことがさらに好ましい。封止材13がガラス材料または高分子材料を80体積%以上含めば、高い透明性あるいは高い発光効率を有する発光素子とすることができ、90体積%以上含めばさらに高い透明性あるいは高い発光効率を有する発光素子とすることができる。
ナノ粒子蛍光体素子の種類と、封止材の種類との組み合わせは特に限定されず、発光素子の用途に応じて選択することができる。
<発光素子の製造方法>
封止材13中にナノ粒子蛍光体素子1を封入する際には、封止材13中にナノ粒子蛍光体素子1を分散させた後に硬化するプロセスを行う。
封止材13としてガラス材料を用いる場合、ガラス材料とナノ粒子蛍光体素子1を混合した溶液を撹拌することで、ガラス材料中にナノ粒子蛍光体素子1を分散させる。次に、ガラス材料を縮合反応させ、硬化させる。縮合反応の進行速度を速めるために加熱したり、酸または塩基を系に加えてもよい。
封止材13として高分子材料を用いる場合、高分子材料とナノ粒子蛍光体素子1を混合した溶液を撹拌することで、高分子材料中にナノ粒子蛍光体素子1を分散させる。次に、高分子材料を縮合反応させ、硬化し樹脂化(固体化)させる。硬化の方法は、紫外線を当てて硬化させる光硬化法や、熱を加えて硬化させる熱硬化法を用いることができる。
[実施の形態2]
<ナノ粒子蛍光体素子>
図4は、実施の形態2に係るナノ粒子蛍光体素子21を模式的に示す図である。図4に示す例のナノ粒子蛍光体素子21は、カプセル状物4が1層のみであり、コーティング層を有さない点のみにおいて図1に示した例のナノ粒子蛍光体素子1と相違する。図4に示すようなナノ粒子蛍光体21であっても、上述したように、励起光L1の入射により半導体ナノ粒子蛍光体2から蛍光L2を発する際に生じる熱Tを、カプセル状物4の表面の複数の凹部により封止材13との接触を良好なものとし、効率よく逃がすことで、熱に起因する半導体ナノ粒子蛍光体の劣化を抑制することができる。なお、図4のようにコーティング層を有さない場合であっても、媒体3が液体である場合でも、毛細管現象によって媒体3はカプセル状物4の内部空間に保持されているため、外部には出ない。
[実施の形態3]
<発光素子>
図5は、実施の形態3に係る発光素子41を模式的に示す図である。本発明の発光素子41は、図5に示されるように、封止材49中に第1ナノ粒子蛍光体素子44が分散された第1発光層42と、封止材56中に第2ナノ粒子蛍光体素子51が分散された第2発光層43とを含む、多層構造を有していてもよい。この場合、たとえば、第1発光層42に含まれる第1ナノ粒子蛍光体素子44は、赤色発光する半導体ナノ粒子蛍光体45が分散された媒体46を複数の凹部47a,47bを有し、コーティング層48を有するカプセル状物47に封入され、第1発光層42は赤色発光層として機能する。また、第2発光層43に含まれる第2ナノ粒子蛍光体素子51は、緑色発光する半導体ナノ粒子蛍光体52が分散された媒体53を複数の凹部54a,54bを有し、コーティング層55を有するカプセル状物54に封入され、第2発光層43は緑色発光層として機能する。例えば、光源12として青色発光LEDチップを用い、その上に赤色発光層として機能する第1発光層42、緑色発光層として機能する第2発光層43がこの順で積層されていることで、第2発光層43から第1発光層42へのエネルギーの再吸収が生じにくいため、発光素子41の発光効率が良好となる。
<発光素子の製造方法>
多層構造を有する発光素子の製造方法の一例について、以下に説明する。以下では、2層構造を有する発光素子の場合を説明するが、3層構造以上の場合も、基本的に同様の方法で作製することができる。まず、異なるサイズを有する、2種類のナノ粒子蛍光体素子を準備する。これら2種類のナノ粒子蛍光体素子の溶液をアクリル樹脂材料中に混合し、青色発光LEDチップ上に滴下した後、加熱硬化処理を行う。加熱硬化中に粒径の大きいナノ粒子蛍光体素子が一定時間経過後には沈降し、発光素子として主に粒径の大きいナノ粒子蛍光体素子を含む下層と、主に粒径の小さいナノ粒子蛍光体素子を含む上層とを備える2層構造が形成される。
上記の製造方法によれば、各層を別々に形成するなどの、複雑なプロセスが不要になり、製造工程を簡略化できる。
[実施の形態4]
本発明におけるカプセル状物は、全ての凹部がカプセル状物の内部空間にまで連通する、すなわち全ての凹部が連通孔であるように構成されていても勿論よい。ただし、上述した、ナノ粒子蛍光体素子から封止材への放熱の観点からは、図4に示した例のように、カプセル状物4の内部空間にまで連通する凹部4aと、内部空間に連通しない凹部4bの2種類の凹部を有する(コーティング層を含まない)ように構成されていることが望ましい。すなわち、半導体ナノ粒子を分散させた媒体に接触するカプセル状物の内部空間側の面積が大きければ大きいほど、ナノ粒子蛍光体素子から封止材への放熱の効果が高い。さらに高い放熱の効果が得られる観点からは、図1および図2に示した例のように、カプセル状物4の内部空間にまで連通する凹部4aと、内部空間に連通しない凹部4bの2種類の凹部を有し、かつ、コーティング層にて内部空間にまで連通する凹部が塞がれているような構成が特に好ましい。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。以下、A/Bの記載は、AがBで被覆されていることを示す。
[実施例1]
実施例1では、ナノ粒子コアがCdSe、シェル層がZnS、有機修飾基がジメチルアミノエタンチオール(DAET)、媒体がN,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−メチル−2−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DEME−TFSI)、カプセル状物がシリカであり、コーティング層がフッ素系ポリマーであるサイトップ(旭硝子株式会社製)である場合を示す(半導体ナノ粒子蛍光体:CdSe/ZnS/DAET、ナノ粒子蛍光体素子:半導体ナノ粒子蛍光体/DEME−TFSI/シリカ/サイトップ)。
(ナノ粒子蛍光体素子の作製)
まず、ナノ粒子コアがCdSe、シェル層がZnS、有機修飾基がヘキサデカンチオール(HDT)からなる半導体ナノ粒子蛍光体のオクタデセン(ODE)溶液を準備した。この半導体ナノ粒子蛍光体について、HDTからDAETへ有機修飾基置換処理を行い、DEME−TFSI溶媒中に半導体ナノ粒子蛍光体を移した。
続いて、表面に複数の凹部を有する平均粒径10μmのシリカ製の中空の球状物(カプセル状物)を、公知文献(Takafumi Toyoda et al.,”Fabrication Process of Silica Hard−shell Microcapsule(HSMC) Containing Phase−change Materials”,Chem.Lett.2014,43,820−821)を元に、別途準備した。このシリカ製の中空の球状物をUVオゾン処理後、アミノプロピルトリメトキシシラン(APrS)と窒素中90℃3時間N中で気相反応させAPrS処理したカプセル状物を作製した。このAPrS処理済みカプセル状物と半導体ナノ粒子蛍光体含有DEME−TFSIを混合し、真空引きすることでカプセル状物内に半導体ナノ粒子蛍光体含有DEME−TFSIを注入した。そして、6%サイトップ溶液をカプセル状物上に滴下し、撹拌した後80℃で乾燥させてカプセル状物の凹部4aの内部空間に連通する部分を塞ぎ、最後に、80℃で1時間加熱することでサイトップを重合させた。上述したように、作製されたナノ粒子蛍光体素子のSEM写真が図3(a)であり、コーティング層5を有するカプセル状物4が、表面に複数の凹部を有することが確認された。
(発光素子の作製)
以上のようにして作製した本実施例のナノ粒子蛍光体素子を、アクリル樹脂中に混合したものを青色LEDチップ上に滴下し、アクリル樹脂の硬化処理を行ってLED発光素子を作製した。このLED発光素子は点灯試験における経時変化観察で高効率を長時間保っており、即ち、良好な量子効率および良好な安定性を有していた。
[実施例2]
カプセル状物4がコーティング層5を有さないこと以外は実施例1と同様にして、ナノ粒子蛍光体素子および発光素子を作製した(半導体ナノ粒子蛍光体:CdSe/ZnS/DAET、ナノ粒子蛍光体素子:半導体ナノ粒子蛍光体/DEME−TFSI/シリカ)。上述したように、作製されたナノ粒子蛍光体素子のSEM写真が図3(c)であり、カプセル状物4が、表面に複数の凹部を有することが確認された。実施例1の発光素子と同様に、実施例2で作製された発光素子も、点灯試験における経時変化観察で高効率を長時間保っており、即ち、良好な量子効率および良好な安定性を有していた。
[実施例3]
シリカ製の中空の球状物(カプセル状物)作製後の処理をAPrSに代えてN−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(STMA)で行ったことと、コーティング層をシリカで形成したこと以外は実施例1と同様にして、ナノ粒子蛍光体素子および発光素子を作製した(半導体ナノ粒子蛍光体:CdSe/ZnS/DAET、ナノ粒子蛍光体素子:半導体ナノ粒子蛍光体/DEME−TFSI/シリカ/シリカ)。
カプセル状物のSTMA処理は、カプセル状物をUVオゾン処理した後、2−プロパノール溶媒中でSTMAと混合し、80℃5時間反応させることで行った。シリカからなるコーティング層は、半導体ナノ粒子蛍光体含有DEME−TFSIを注入したカプセル状物と、炭酸水素アンモニウム水溶液とケイ酸ナトリウム水溶液とを混合し、室温で3時間反応させることで形成した。このように、本発明においては、コーティング層にポリマーだけではなく、シリカなどの無機材料も用いることができ、その場合には、ポリマーでコーティング層を形成した場合よりも高いコーティング効果が期待できる(より低いガス透過性、より低い水分透過性)一方で、剛直な膜になるので、耐衝撃性はポリマーでコーティング層を形成した場合より低いと考えられる(ポリマーだと柔らかいため、ある程度衝撃を吸収できる)。
実施例1の発光素子と同様に、実施例3で作製された発光素子も、点灯試験における経時変化観察で高効率を長時間保っており、即ち、良好な量子効率および良好な安定性を有していた。
[実施例4]
媒体として、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂(MOE−200Tに由来する構成単位を含む樹脂)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ナノ粒子蛍光体素子および発光素子を作製した(半導体ナノ粒子蛍光体:CdSe/ZnS/DAET、ナノ粒子蛍光体素子:半導体ナノ粒子蛍光体/MOE−200T/シリカ/サイトップ)。
MOE−200Tに由来する構成単位を含む樹脂を封入したカプセル状物は、まず、半導体ナノ粒子蛍光体を溶液状態のMOE−200Tに分散させ、これをAPrS処理済みのシリカ製の中空の球状物(カプセル状物)上に滴下し真空引きすることで作製した。その後、カプセル状物を80℃で加熱することでMOE−200Tを重合させて、イオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂とした。
実施例1の発光素子と同様に、実施例4で作製された発光素子も、点灯試験における経時変化観察で高効率を長時間保っており、即ち、良好な量子効率および良好な安定性を有していた。このように、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂を固体の媒体として用いることでも、イオン性液体を液体の媒体として用いた場合と同様に、静電的相互作用で半導体ナノ粒子蛍光体の安定性を向上させることができる。また、媒体が固体であることで、媒体が液体の場合のようにカプセル状物が割れた際に媒体が漏れ出してしまうようなことがなく、耐衝撃性に優れるナノ粒子蛍光体素子を得ることができる。
[実施例5]
ポリマー(ポリアミドイミド)を用いてカプセル状物を作製したこと以外は実施例1と同様にして、ナノ粒子蛍光体素子および発光素子を作製した(半導体ナノ粒子蛍光体:CdSe/ZnS/DAET、ナノ粒子蛍光体素子:半導体ナノ粒子蛍光体/DEME−TFSI/ポリアミドイミド/サイトップ)。
まず、半導体ナノ粒子蛍光体含有DEME−TFSIを、ポリアミドイミドが溶解した溶液と混合し、続いて加熱撹拌することでポリアミドイミドを半導体ナノ粒子蛍光体含有DEME−TFSIの周囲に形成することで、ポリアミドイミドを用いてカプセル状物を作製した。
実施例1の発光素子と同様に、実施例5で作製された発光素子も、点灯試験における経時変化観察で高効率を長時間保っており、即ち、良好な量子効率および良好な安定性を有していた。実施例5のようにポリマーを用いてカプセル状物を作製することで、シリカなどの無機材料と比較して温和な条件でカプセル状物を作製することができるため、媒体に分散された半導体ナノ粒子蛍光体に対するプロセスダメージが少ないという利点がある。また、ポリマーを用いて作製されたカプセル状物は、シリカなどの無機材料を用いて作製されたカプセル状物と比較して柔軟であるため、割れにくいという利点もある。
[実施例6]
実施例6では、実施例1の半導体ナノ粒子蛍光体において、有機修飾基としてDAETの代わりにカルボキシデカンチオール(CDT)を用いた場合について示す(ナノ粒子蛍光体:CdSe/ZnS/CDT、ナノ粒子蛍光体素子:半導体ナノ粒子蛍光体/DEME−TFSI/シリカ/サイトップ)。
(ナノ粒子蛍光体素子の作製)
ナノ粒子コアがCdSe、シェル層がZnS、有機修飾基がヘキサデカンチオール(HDT)からなる半導体ナノ粒子蛍光体のODE溶液を準備した。この半導体ナノ粒子蛍光体について、HDTからCDTへ有機修飾基置換処理を行った後、DEME−TFSI媒体中に半導体ナノ粒子蛍光体を移した。続いて、実施例1と同様の方法で、ナノ粒子蛍光体素子および発光素子を作製した。
実施例1の発光素子と同様に、実施例6で作製された発光素子も、点灯試験における経時変化観察で高効率を長時間保っており、即ち、良好な量子効率および良好な安定性を有していた。実施例6のように、半導体ナノ粒子蛍光体の有機修飾基は、イオン性の有機修飾基以外のものも用いることができる。半導体ナノ粒子蛍光体は、その種類を含めた合成条件が量子効率、発光ピーク波長、発光線幅などの特性に寄与する。イオン性の有機修飾基は数が少ないため、有機修飾基がイオン性であるという制限があると、半導体ナノ粒子蛍光体の作製、ひいてはナノ粒子蛍光体素子の作製における設計の自由度が少ないため、所望の特性を有する半導体ナノ粒子蛍光体の作製は難しい面がある。実施例6で示されたように、本発明においては、イオン性有機修飾基以外の有機修飾基も用いることができることができ、所望の特性を有する半導体ナノ粒子蛍光体を作製しやすいように、高い自由度で半導体ナノ粒子蛍光体およびナノ粒子蛍光体素子を設計することが可能である。
[実施例7]
実施例6では、実施例1のナノ粒子蛍光体素子において、媒体としてオクタデセン(ODE)を用い、半導体ナノ粒子蛍光体の有機修飾基をヘキサデカンチオール(HDT)とした場合について示す(ナノ粒子蛍光体:CdSe/ZnS/HDT、ナノ粒子蛍光体素子:半導体ナノ粒子蛍光体/ODE/シリカ/サイトップ)。
具体的には、CdSe/ZnS/HDT含有ODEを、有機修飾基置換処理等を行うことなく、シリカ製の中空の球状物(カプセル状物)に封入したこと以外は実施例1と同様にして、ナノ粒子蛍光体素子および発光素子を作製した。
実施例1の発光素子と同様に、実施例7で作製された発光素子も、点灯試験における経時変化観察で高効率を長時間保っており、即ち、良好な量子効率および良好な安定性を有していた。実施例7のように、本発明においては、液体の媒体として、イオン性液体以外の液体も用いることができ、その場合には、通常の使用条件下(LEDなど)で揮発しにくく、媒体の揮発による媒体の量の減少や蒸気圧力によるカプセルの破壊などが起きにくく、安定性の高い発光素子が得られるという観点から、高沸点(たとえば200℃以上の沸点)の媒体を用いることが好ましい。このように、媒体と有機修飾基との適切な組合せを選択することで、所望の特性を有する半導体ナノ粒子蛍光体を作製しやすいように、高い自由度で半導体ナノ粒子蛍光体およびナノ粒子蛍光体素子を設計することが可能である。
[実施例8]
図5に示した、第1発光層(半導体ナノ粒子蛍光体(赤色発光)/DEME−TFSI/シリカ/サイトップ/アクリル樹脂)と第2発光層(半導体ナノ粒子蛍光体(緑色発光)/DEME−TFSI/シリカ/サイトップ/アクリル樹脂)とを備える発光素子を作製した。ナノ粒子蛍光体素子は、実施例1と同様にして作製した(CdSe/ZnS/DAET/DEME−TFSI/シリカ/サイトップ)。作製されたナノ粒子蛍光体素子は赤色領域に発光ピーク波長を有していた。同様に、緑色領域に発光ピーク波長を有するナノ粒子蛍光体素子を作製した。なお、粒径は、赤色発光の半導体ナノ粒子蛍光体>緑色発光の半導体ナノ粒子蛍光体であり、また、赤色発光のナノ粒子蛍光体素子>緑色発光のナノ粒子蛍光体素子であった。
これら2種のナノ粒子蛍光体素子の溶液をアクリル樹脂材料中に混合し、LEDチップ上に滴下した後、加熱硬化処理を行った。その結果、加熱硬化中に粒径の大きな赤色発光のナノ粒子蛍光体素子が一定時間経過後には沈降していき、主に赤色発光のナノ粒子蛍光体素子を含む第1発光層と、主に緑色発光のナノ粒子蛍光体素子を含む第2発光層とを備える二層構造を備える発光素子を作製した。このように、粒径の異なるナノ粒子蛍光体素子を用いた場合、両者を混合して放置するだけの簡便なプロセスで、図5に示したような二層構造を備える発光素子を作製することができ、緑色発光層と赤色発光層を別々に形成するなどの、複雑なプロセスが不要になる。上述のように、このような発光素子では、緑色発光層である第2発光層から赤色発光層である第1発光層へのエネルギー再吸収が生じにくいため、発光効率が良好となる。
1 ナノ粒子蛍光体素子、2 半導体ナノ粒子蛍光体、3 媒体、4 カプセル状物、4a,4b 凹部、5 コーティング層、6 正電荷、7 負電荷、8 有機修飾基、11 発光素子、12 光源、13 封止材、L1 励起光、L2 蛍光、T 熱、21 ナノ粒子蛍光体素子、41 発光素子、42 第1発光層、43 第2発光層、44 ナノ粒子蛍光体素、45 半導体ナノ粒子蛍光体、46 媒体、47 カプセル状物、47a,47b 凹部、48 コーティング層、49 封止材、51 ナノ粒子蛍光体素子、52 半導体ナノ粒子蛍光体、53 媒体、54 カプセル状物、54a,54b 凹部、55 コーティング層、56 封止材。

Claims (7)

  1. 複数の凹部を表面に有するカプセル状物と、
    前記カプセル状物に封入された媒体と、
    前記媒体中に分散された半導体ナノ粒子蛍光体とを備える、ナノ粒子蛍光体素子。
  2. 前記カプセル状物は少なくとも2層からなる、請求項1に記載のナノ粒子蛍光体素子。
  3. 前記媒体は液体である、請求項1または2に記載のナノ粒子蛍光体素子。
  4. 前記媒体はイオン性液体である、請求項3に記載のナノ粒子蛍光体素子。
  5. 前記媒体は固体である、請求項1または2に記載のナノ粒子蛍光体素子。
  6. 前記媒体は、重合性官能基を有するイオン性液体に由来する構成単位を含む樹脂である、請求項5に記載のナノ粒子蛍光体素子。
  7. 封止材と、
    前記封止材中に分散された、請求項1〜6のいずれか1項に記載のナノ粒子蛍光体素子とを備える、発光素子。
JP2017048867A 2016-06-07 2017-03-14 ナノ粒子蛍光体素子および発光素子 Pending JP2017218574A (ja)

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