JP2017218366A - セメント組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 セメント用組成物は、X線回析で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数が11.940〜11.975Åであって、C12A7系鉱物を5〜40質量%及び硫酸アルカリ化合物を0.4〜1質量%含有し、石膏/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4、フッ素/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.8〜4.0%であって、前記C12A7系鉱物相の格子定数(Å)≦[(0.05−フッ素含有量)/C12A7系鉱物相の含有量(質量%)]+11.98を満足し、更にC12A7系鉱物相の含有量(質量%)≧83×(TiO2含有量(質量%)−0.3)を満足する、セメント組成物である。
【選択図】 なし
Description
かかるコンクリート吹き付け工法においては、コンクリート等を調製し、それを取り扱う際に必要な最低限の可使時間(ハンドリングタイム)を確保するとともに、壁面や露出面に吹き付けた後に、コンクリート等を即時に硬化させる必要がある。
また、止水工事や緊急工事においても、モルタルやコンクリートの可使時間を確保するとともに、即時に硬化させる必要がある。
また、急硬性成分であるC12A7を主成分としたクリンカを溶融し、その後これを急冷することによって、非晶質C12A7を得る方法もある。
更に、CAを主成分とするアルミナセメントクリンカは、C12A7を主成分としたクリンカに比べると、急硬性が劣る。
しかし、カルシウムアルミネートと石膏の急硬性成分とを含有するセメント組成物は、低温での十分な急硬性を得ることが難しかった。
特に、例えば5℃のような低温時での初期強度発現性に優れ、またポンプ圧送がしやすい等、一定の可使時間を有する流動性を確保することができる、セメント組成物及びその製造方法を提供することである。
従って、急硬性用途において作業現場等で有効に適用することが可能となり、常温のみならず、特に5℃以下での低温時での初期強度発現性に優れることとなる。
また、本発明のセメント組成物を用いることで、一定の可使時間を確保することができ、例えばポンプ圧送性が良好となる流動性を有することが可能である。
特に、セメント用急硬性添加材を配合しない既存のセメントが有する5℃での初期強度と比較して、本発明のセメント組成物は、5℃での初期強度発現性を所望する急硬性で現場にて得ることができ、初期強度発現性の設計が容易となる。
更に、特定のセメント用急硬性添加材を所望する初期強度に応じて任意の量で簡便に、任意のセメントに現場で調整しながら後添加することで、所望する急硬性を現場で得る設計を行うことが容易となり、常温のみならず、特に5℃以下での低温時での初期強度発現性に優れる、本発明のセメント組成物を現場で製造することが可能となる。
本発明のセメント組成物は、X線回析で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数が11.940〜11.975Åであって、C12A7系鉱物を5〜40質量%及び硫酸アルカリ化合物を0.4〜1質量%含有し、石膏/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4、フッ素/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.8〜4.0%であって、前記C12A7系鉱物相の格子定数(Å)≦[(0.05−フッ素含有量(質量%))/C12A7系鉱物相の含有量(質量%)]+11.98を満足し、更にC12A7系鉱物相の含有量(質量%)≧83×(TiO2含有量(質量%)−0.3)を満足する、セメント組成物である。
なお、本発明のセメント組成物には、実質的にアーウィンは含まれない。
かかるC12A7系鉱物相は、セメント組成物を調製する際に添加配合する、セメント用急硬性添加材由来のものである。
C12A7系鉱物相を含有することにより、好ましくは上記含有量で含むことで、低温においても十分な急硬性や優れた初期強度が得られ、所望する本発明の上記効果を得ることが可能となる。
ここで、C12A7系鉱物相は、C12A7又はC11A7・CaX2(Xは、F、Cl、Br等のハロゲン)の混合相であることが望ましい。
C12A7系鉱物相の結晶子径がかかる範囲であると、常温のみならず低温においても優れた初期強度発現性及び可使時間を確保できる良好な流動性等を得ることができる。
前記結晶子径は、粉末X線回折にて測定した値であり、X線回折/リートベルト法(装置:ブルカー社製D4 Endeavor、解析ソフト:Topas)を用いて測定した数値である。
管電圧:45kV 管電流:40mA
格子定数をかかる範囲とすることで、所定の流動性を確保するとともに優れた急硬性を有し、上記本発明の効果を奏することができる。
前記格子定数は、粉末X線回折にて測定した値であり、X線回析/リートベルト法(装置:パナリティカル社製X’Pert MPD、解析ソフト:HighScorePlus)を用いて、測定した値である。
管電圧:45kV 管電流:40mA
含有されるF量をかかる範囲とすることで、優れた初期強度発現性を有し、可視時間を確保することが可能となり、上記本発明の効果を奏することができる。
かかる石膏は、セメント組成物中、石膏/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4、好ましくは0.8〜1.3となるような含有量で含まれる。但し、前記石膏含有量は、すべてCaSO4(無水石膏)に換算した合量として算出される量である。
かかる硫酸アルカリ化合物の含有量は、JCAS I−04に準じて、Na量やK量を測定して、すべてNa2SO4換算に換算した合量とし、セメント組成物中、0.4〜1質量%、好ましくは0.6〜1.0質量%で含有されることが望ましい。
石膏や硫酸アルカリを、上記範囲内で含有することにより、本発明の上記効果を、より有効に発現することが可能となる。
また、その他必要に応じて消石灰を配合してもよい。
かかる関係を有することにより、優れた初期強度発現性を有し、可視時間を確保することが可能となり、上記本発明の効果を奏することができる。
その製法は特に限定されないが、具体的には、本発明のセメント組成物の製造方法は、C12A7系鉱物相を70質量%以上含み、C3A及びTi及びFeを実質的に含有せず、X線回析で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数が11.940〜11.975Åであるセメント用急硬性添加材と、石膏と、硫酸アルカリ化合物と、セメントとを、C12A7系鉱物が5〜40質量%で硫酸アルカリ化合物が0.4〜1質量%、石膏/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4、フッ素/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.8〜4.0%となり、C12A7系鉱物相の格子定数(Å)≦[(0.05−フッ素含有量(質量%))/C12A7系鉱物相の含有量(質量%)]+11.98を満足するとともにC12A7系鉱物相の含有量(質量%)≧83×(TiO2含有量(質量%)−0.3)を満足するように混合して、上記本発明のセメント組成物を製造する、セメント組成物の製造方法である。
かかるセメント用急硬性添加材は、製造時に原料粉末を成形する成形工程等を導入することにより固相反応を促進させるための融液相生成の制御を必要とせず、急硬性成分であるC12A7系鉱物相の水和活性を最大とすることが可能となる。
従って、C12A7系鉱物相を高含有量で含み且つ水和活性を向上させることができ、その結果、セメントに後添加して得られるセメント組成物が、上記本発明の効果を十分に奏することができるものとなる。
セメント急硬性添加材中の上記C12A7系鉱物相の含有量が70質量%未満であると、現場において迅速で十分な急硬性が得られず、初期強度が低下してしまい望ましくない。
ここで、C12A7系鉱物相には、C12A7やC11A7・CaX2(Xは、F、Cl、Br等のハロゲン)が該当し、またこれらの混合相であってもよい。
実質的に含まれないとは、これらの鉱物相が、原料中に含まれる不純物であるSiO2により生成される場合を妨げないという意味であり、積極的に生成して含有させるものではない。C2SとC2ASの合計含量は多くとも10質量%、それ以下であることが望ましい。
これは、カルシウムアルミネート相であるC12A7系鉱物相の含有量を上記範囲から減少させないためである。
実施的に含まないとは、Tiが、原料中に含まれる不純物により生成される場合を妨げないという意味であり、積極的に含有させるものではない。
例えば、Tiの含有量をTiO2酸化物換算で1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下とするものである。
すなわち、セメント用急硬性添加材は、一定量の融液相の生成を必要としないため、融液相の生成に関係があるTiを積極的に含む必要がないからである。
TiO2を実質的に含まず、多くとも上記含量以下とすることにより、低温での急硬性、例えば5℃以下での初期強度発現性(施工後3時間後等)に優れることとなる。
TiO2換算でTiを1.0質量%を超えて含むと、C3Aが5.0質量%を超えて生成してしまい、本発明の効果が得られない。
実施的に含まないとは、Feが、原料中に含まれる不純物により生成される場合を妨げないという意味であり、積極的に含有させるものではない。
例えば、Feの含有量をFe2O3酸化物換算で1.5質量%以下、好ましくは1.0質量%以下とするものである。
すなわち、セメント用急硬性添加材は、一定量の融液相の生成を必要としないため、融液相の生成に関係があるFeを積極的に含む必要がないからである。
Fe2O3を上記含有量を超えて含むと、C12A7系鉱物相の格子定数が大きくなり、低温での急硬性、例えば5℃以下での初期強度発現性(施工後3時間後等)が劣ることとなり、少ないほど好ましい。
セメント用急硬性添加材中に含まれるFの含有量を上記範囲とすることで、C12A7系鉱物相が安定に生成し、更にC12A7系鉱物相の格子定数が適正範囲となり水和活性を高めることができ、当該セメント急硬性添加材をセメントに後添加して得られるセメント組成物が、本発明の上記効果をより有効に発現することが可能となる。
X=−0.93(F/Q)−Qa+11.98≧0
上記式中、急硬性添加材中のFはフッ素の含有量(質量%)、QaはC12A7系鉱物相の格子定数(Å)、QはC12A7鉱物相の含有量(質量%)を表す。
なお、得られるセメント急硬性添加材中に含まれるTiやFeの原料となるもの(例えば、ベンガラ等)は積極的に配合しない。配合するセメント用急硬性添加材中に含まれるTiやFeは、上記配合原料中に不純物として含有されることにより、結果として含まれる場合もあるもので、積極的に含有されるものではない。
このようにして得られたセメント用急硬性添加材は、一定量の融液相の生成を必要とすることがないため、即ち融液相生成の制御を必要としないため、C12A7系固溶体の水和活性が十分に発現することができるように、Ti、Fe等が実質的に含まれず、多くともこれらの含有量が上記含有量以下のように調整されて、後添加して得られるセメント組成物が急硬性、特に5℃の低温での3時間強度に優れるものとなる。
C12A7系鉱物相の結晶子径がかかる範囲であると、かかる急硬性添加材等をセメントに後添加して得られるセメント組成物が、適正な流動性を保ち、低温での良好な初期強度発現性を得ることができる。
前記結晶子径は、粉末X線回折にて測定した値であり、X線回折/リートベルト法(装置:ブルカー社製D4 Endeavor、解析ソフト:Topas)を用いて測定した数値である。
管電圧:45kV 管電流:40mA
C12A7系鉱物相の格子定数(Å)≦−0.93×(Fの質量%/C12A7系鉱物相の質量%)+11.98
格子定数がかかる範囲であると、所定の流動性を確保するとともに低温での急硬性を得ることが、より可能となる。
前記格子定数は、粉末X線回折にて測定した値であり、X線回析/リートベルト法(装置:パナリティカル社製X’Pert MPD、解析ソフト:HighScorePlus)を用いて、測定した値である。
管電圧:45kV 管電流:40mA
また、原料であるポルトランドセメント中のフッ素含量はせいぜい0.05質量%であり、セメント用急硬性添加材中に含有されるフッ素含量(0.5〜3.0質量%)に比べて極めて少ないため、得られるセメント組成物に含有されるフッ素は、セメント用急硬性添加材由来のものがほとんどである。
また、ブレーン比表面積は、大きくしすぎると流動性に悪影響を及ぼし、粉砕時間を要して生産性が低下しコスト高になるので、5000〜7000cm2/gが望ましい。
また、粉砕する際に、粉砕助剤(ジエチレングリコール、トリエタノールアミン等)を添加してもよい。
また、必要に応じて添加される上記混和剤や骨材等は、均一に混合できればセメント等と同時に添加しても、順次添加しても、またモルタル等を調製する際の水と混練する際に添加しても、いずれの添加方法による添加であっても特に限定されない。
1)セメント用急硬性添加材の調製
セメント用急硬性添加材の目標化学組成が表1となるよう、CaCO3、SiO2、Al2O3、Fe2O3、MgO、TiO2、CaF2の各試薬を配合して混合粉砕することにより、各セメント用急硬性添加材原料を調製した。なお、ここで、Fe2O3、TiO2は、実際に実機で本発明のセメント用急硬性添加材を製造する際に、生石灰、消石灰、石灰石等のカルシウム原料、水酸化アルミニウム、アルミナ、ボーキサイトやバンド頁岩等のアルミニウム原料、必要に応じて配合する蛍石等のフッ素原料、必要に応じて配合されるドロマイト等のマグネシウム原料を用いると、不純物としてFe2O3、TiO2が結果として含まれる場合もあるため(積極的に含有させるものではない)、かかる場合を想定して用いたものである。
得られた各セメント用急硬性添加材を、蛍光X線分析装置(パナリティカル社製;Axios)を用いて、JIS R 5204に準じて分析して、含有されるTiO2、Fe2O3、F成分等の含有割合を測定した。
これらの結果を、表2に示す。
得られた各セメント用急硬性添加材をX線回析/リートベルト法(装置:パナリティカル社製X’Pert MPD、解析ソフト:HighScorePlus)を用いて、C12A7系及びC3A鉱物の含有割合及びC12A7系鉱物相の結晶の格子定数を測定した。管電圧:45kV 管電流:40mA
その結果を表2に示す。ここで、C12A7系鉱物相の結晶の格子定数はC11A7CaF2の結晶構造を用いて測定した。
その結果を表2に示す。
次いで、上記各セメント用急硬性添加材をブレーン比表面積が5200±200cm2/g程度に粉砕して、各セメント用急硬性添加材粉末を得た。
得られた各セメント用急硬性添加材粉末、無水石膏(商品名;ノンクレーブ、住友大阪セメント(株)製)及びNa2SO4(ぼう硝:試薬)を、下記表3〜5に示す配合割合で配合して、各セメント用急硬性添加材含有混合粉末(「エッセンス」と表記する)を調製した。
早強ポルトランドセメント(PC:住友大阪セメント株式会社製)に、得られた各セメント用急硬性添加材含有混合粉末(エッセンス)を、下記表3〜5に示す配合割合で配合して、各セメント組成物を調製した。
但し、対照例1は、セメント用急硬性添加材等を配合しない、早強ポルトランドセメントだけの組成とした。
各セメント組成物の各配合を表3〜5に示す。
上記3)に記載の方法と同様の方法で、各セメント組成物中のC12A7系鉱物相(Q)の含量及びC12A7系鉱物相の結晶の格子定数及び結晶子径を測定した。
その結果も表3〜5に示す。
上記3)に記載のXRD/リートベルト方法と同様の方法で、各セメント組成物中の石膏の含有量を測定した。但し、二水石膏及び半水石膏は無水石膏換算して、CaSO4量(石膏量)として算出した。
上記2)に記載の方法と同様の方法で、各セメント組成物中のFの含量を測定し、F/C12A7系鉱物相(含有量の質量比)を算出し、更に上記6)で得られたCaSO4量に基づき、無水石膏(CaSO4)/C12A7系鉱物相(含有量の質量比)を算出した。
その結果を表3〜5に示す。
上記2)に記載の方法と同様の方法で、各セメント組成物中のTiO2及びF成分の含有量を測定した。
その結果を表3〜5に示す。
各セメント組成物中の硫酸アルカリ化合物の含有量は、セメントの水溶性成分の分析方法(JCAS I−04)に準じてNa及びK量を測定し、それぞれNa2SO4及びK2SO4としてNa2SO4換算した合量を硫酸アルカリ化合物量とした
その。結果を表3〜5に示す。
その結果を表3〜5に示す。
上記各セメント組成物、細骨材(砂(珪砂))、凝結調整剤(試薬;クエン酸、和光純薬工業(株)製)、水及び混和剤(花王(株)製、商品名:マイティ150)を、水/セメント質量比が0.36、砂/セメント質量比が1.2となるように、下記表6のように配合して均一に混練し、各モルタルを得た。
上記で得られた実施例1〜9及び比較例1〜9の各モルタルについて、5℃での3時間強度及び5℃でのフロー値を、JIS R 5201に準じて測定した。
また、上記で得られた対照例1、実施例10〜15及び比較例10〜15の各モルタルについて、5℃での3時間強度及び6時間強度、並びに5℃でのフロー値を、JIS R 5201に準じて測定した。
その結果も、上記表3〜5に示す。
また、比較例2のセメント組成物も、得られるセメント組成物中のフッ素/C12A7系鉱物相の含有質量比や格子定数が本発明の範囲外となり、低温(5℃)における良好な早期強度発現性を示さない。
表5より、例えば、実施例11と比較例10とを比べ、また、実施例13及び実施例14と比較例15とを比べると、比較例10や比較例15はフッ素/C12A7系鉱物相の質量比が本発明の範囲外となり、実施例11のセメント組成物は比較例10のセメント組成物と比較して、また、実施例13及び実施例14のセメント組成物は比較例15のセメント組成物と比較して、低温(5℃)での早期強度発現性に優れ、低温時においても高い急硬性を有し、初期発現性に優れることがわかる。
特に、常温のみならず低温においても所望する急硬性を設計することが容易となり、建設工事や土木工事等の作業箇所へ、極めて有用に適用することを可能にする。
Claims (6)
- X線回析で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数が11.940〜11.975Åであって、C12A7系鉱物を5〜40質量%及び硫酸アルカリ化合物を0.4〜1質量%含有し、石膏/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4、フッ素/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.8〜4.0%であって、前記C12A7系鉱物相の格子定数(Å)≦[(0.05−フッ素含有量(質量%))/C12A7系鉱物相の含有量(質量%)]+11.98を満足し、更にC12A7系鉱物相の含有量(質量%)≧83×(TiO2含有量(質量%)−0.3)を満足することを特徴とする、セメント組成物。
- 請求項1記載のセメント組成物において、前記C12A7系鉱物相はC11A7CaX2(Xはハロゲン)及びC12A7の混合相であることを特徴とする、セメント組成物。
- C12A7系鉱物相を70質量%以上含み、C3A及びTi及びFeを実質的に含有せず、X線回析で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmで格子定数が11.940〜11.975Åであるセメント用急硬性添加材と、石膏と、硫酸アルカリ化合物と、セメントとを、C12A7系鉱物が5〜40質量%で硫酸アルカリ化合物が0.4〜1質量%、石膏/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.6〜1.4、フッ素/C12A7系鉱物相の含有量の質量比が0.8〜4.0%となり、C12A7系鉱物相の格子定数≦[(0.05−フッ素含有量(質量%))/C12A7系鉱物相の含有量(質量%)]+11.98を満足するとともにC12A7系鉱物相の含有量(質量%)≧83×(TiO2含有量(質量%)−0.3)を満足するように混合することを特徴とする、請求項1又は2記載のセメント組成物を得ることを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
- 請求項3記載のセメント組成物の製造方法において、前記セメント用急硬性添加材中のC3Aは5.0質量%以下、TiはTiO2換算で1.0質量%以下、FeはFe2O3換算で1.5質量%以下であることを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
- 請求項3又は4記載のセメント組成物の製造方法において、前記セメント用急硬性添加材と石膏と硫酸アルカリ化合物とを予め混合してセメント用急硬性添加材含有混合物を調製し、該セメント用急硬性添加材含有混合物をセメントに配合することを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
- 請求項3乃至5いずれかの項記載のセメント組成物の製造方法において、セメント用急硬性添加材は、原料を粉末化し、該粉末化原料を成形し、1250〜1400℃で焼成し、該焼成後の成形体を冷却速度40℃/分以下で冷却することにより、X線回析で測定したC12A7系鉱物相の結晶子径が150〜500nmでC12A7系鉱物相の格子定数が11.940〜11.975Åとして製造されることを特徴とする、セメント組成物の製造方法。
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JP2019202911A (ja) * | 2018-05-23 | 2019-11-28 | 住友大阪セメント株式会社 | セメント組成物及びその製造方法、セメントモルタルの製造方法 |
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