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JP2017204960A - 回転電機 - Google Patents

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JP2017204960A JP2016096460A JP2016096460A JP2017204960A JP 2017204960 A JP2017204960 A JP 2017204960A JP 2016096460 A JP2016096460 A JP 2016096460A JP 2016096460 A JP2016096460 A JP 2016096460A JP 2017204960 A JP2017204960 A JP 2017204960A
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一清 中島
Kazukiyo Nakajima
一清 中島
真大 青山
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真大 青山
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Abstract

【課題】組立性を損なうことなくステータをハウジングに固定できる回転電機を提供すること。
【解決手段】ステータ100は、ステータコア120に周方向に所定の間隔で配置された複数のステータティース122と、隣り合うステータティース122の間に、巻線111の両端部111Aが径方向外方側に延伸するように巻かれた電機子コイル110とを有する。回転電機1は、ステータ100を覆うように保持しハウジングに固定する保持部材140を備え、保持部材140は、周方向に所定の間隔で配置されステータティース122の側面部122aの端部側が挿入される保持孔140Dと、巻線111の両端部111Aが径方向外方側に引き出されるスリット140H、140Iとを有する。
【選択図】図12

Description

本発明は、回転電機に関する。
永久磁石の磁束を利用してトルクを出力する回転電機では、永久磁石による有効磁束量を可変することができる回転電機が知られている。例えば、特許文献1には、電機子巻線が巻かれた固定子と、該固定子と空隙を介して回転可能に設けられた回転子を有する回転電機において、固定子が回転軸方向に第1回転子と第2回転子とに二分割され、それぞれに極性の異なる界磁用磁石が回転方向に交互に配置された構造が記載されている。
このような構造から、特許文献1に記載の回転電機は、トルクや回転数の変化に応じて第2回転子を動作させ、第1回転子の永久磁石の極性と第2回転子の永久磁石の極性との位置関係を可変することによって、永久磁石による有効磁束量を調整することができる。
特開2010−246196号公報
特許文献1に記載のように電機子巻線が固定子鉄心に巻回された回転電機にあっては、固定子をハウジングに固定して静止状態に保持する必要がある。そのため、電機子巻線を外側に引き出すことを可能にしつつ、組立性を損なうことなく固定子をハウジングに固定することが求められていた。
しかしながら、特許文献1に記載の回転電機は、組立性を損なうことなくステータをハウジングに固定することについて考慮されておらず、検討が求められていた。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、組立性を損なうことなくステータをハウジングに固定できる回転電機を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、環状のステータコアを有するステータと、前記ステータの軸方向または径方向の少なくともいずれか一つの面側で前記ステータコアに対向するロータコアを有するロータと、を備える回転電機であって、前記ステータは、前記ステータコアに周方向に所定の間隔で配置された複数のティース部と、隣り合う前記ティース部の間に、巻線の両端部が径方向外方側に延伸するように巻かれた電機子コイルとを有し、前記ステータを覆うように保持しハウジングに固定する保持部材を備え、前記保持部材は、周方向に所定の間隔で配置され前記ティース部の端部側が挿入される保持孔と、前記巻線の両端部が径方向外方側に引き出されるスリットとを有することを特徴とする。
本発明によれば、組立性を損なうことなくステータをハウジングに固定できる回転電機を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の斜視図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の一部断面斜視図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る回転電機を示す一部断面斜視図であって、電機子コイル、誘導コイルおよび界磁コイルを省略した図である。 図4は、本発明の一実施の形態に係る回転電機における誘導コイルおよび界磁コイルと整流回路との結線図である。 図5は、本発明の一実施の形態に係る回転電機を示す一部断面斜視図であって、第1のロータティースが、永久磁石の磁極と反対の磁極に磁化された状態を示す図である。 図6は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の斜視図であって、永久磁石の磁束と界磁コイルの磁束とが打ち消し合う状態を示す図である。 図7は、本発明の一実施の形態に係る回転電機のロータが高回転しているときのロータからステータに鎖交する磁束量を示す模式図である。 図8は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、ロータの回転速度に対するロータからステータに鎖交する磁束量を示すグラフである。 図9は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、ステータの斜視図である。 図10は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、ステータのバスバーの構成を示す斜視図である。 図11は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、ステータの一相分のバスバーの構成を示す斜視図である。 図12は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、ステータを保持する保持部材の組付構造を示す斜視図である。 図13は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、保持部材の内面側の構成を示す斜視図である。 図14は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、保持部材によるステータの保持構造を示す斜視図である。 図15は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、第1の保護部材の組付工程を示す斜視図である。 図16は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、第2の保護部材の組付工程を示す斜視図である。 図17は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、第3の保護部材の組付工程を示す斜視図である。 図18は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、第1から第3の保護部材の組付完了状態を示す斜視図である。 図19は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、第4の保護部材の組付工程を示す斜視図である。 図20は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、第5の保護部材の組付工程を示す斜視図である。 図21は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、第4と第5の保護部材の組付完了状態を示す斜視図である。 図22は、本発明の一実施の形態に係る回転電機の、ステータをハウジングに固定した状態を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1から図22は本発明の一実施の形態に係る回転電機を説明する図である。
図1及び図2に示すように、回転電機1は、通電により磁束を発生させるW相、V相、U相の三相の電機子コイル110を有するステータ100と、ステータ100で発生した磁束の通過により回転するロータ200と、を備えている。
(ステータ)
ステータ100は、高透磁率の磁性材料からなる環状のステータコア120と、このステータコア120に巻き回された電機子コイル110とを備えている。ステータ100は、後述する保持部材を介してハウジングに磁気的に遮断された状態で固定されている。これにより、例えば漏れ磁束の発生等が抑制される。
図2、図3に示すように、ステータコア120は、円環状のステータヨーク121と、このステータヨーク121から軸方向の両側と径方向の内面側とに突出したステータティース122とを備えている。ステータティース122は、ステータヨーク121に周方向に所定の間隔で複数形成されている。周方向に隣り合うステータティース122の間には、溝状の空間であるスロット125が形成されている。
ここで、軸方向とは、ロータ200の回転軸20(図7参照)が延伸する方向を示す。径方向とは、ロータ200の回転軸20が延伸する方向と直交する方向であり、回転軸20を中心として放射方向に示される。径方向の内方側とは、径方向においてロータ200の回転軸20に近い側を示し、径方向の外方側とは、径方向においてロータ200の回転軸20から遠い側を示す。周方向とは、ロータ200の回転軸20を中心とする円周方向を示す。
電機子コイル110は、ステータコア120の周方向において隣り合うステータティース122の間に形成されたスロット125にトロイダル巻されている。W相、V相、U相の各電機子コイル110は、集中巻によりスロット125に巻き回されている。トロイダル巻とは、ステータコア120の環の内側と外側を交互に通るよう周回させて、ステータコア120に電機子コイル110の巻線を巻き回す方法である。
電機子コイル110は、断面が長方形の平角線からなり、エッジワイズ巻によるトロイダル巻の状態で、スロット125に巻回されている。エッジワイズ巻とは、スロット125に対して、平角線の短辺を回転電機1の径方向の内側と外側に対向させて、平角線を縦に巻き回す方法である。
これにより、巻ピッチ方向に隣り合う平角線同士が長辺で面接触するため、電流に応じた断面積を維持したまま巻数を増加できる。このため、電機子コイル110の占積率を向上でき、ステータ100の起磁力を増大できる。
ステータティース122は、ステータコア120の軸方向の一方側及び他方側の側面部122aと、ステータコア120の径方向の内面部122bとを有している。ステータティース122の側面部122aには、後述する第1のロータティース212が軸方向に対向するようになっている。ステータティース122の内面部122bには、後述する第2のロータティース282が径方向に対向するようになっている。
ステータ100は、電機子コイル110に三相交流が供給されることで、周方向に回転する回転磁界を発生させる。ステータ100で発生した磁束(以下、この磁束を「主磁束」という)は、ロータ200に鎖交するようになっている。これにより、ステータ100は、ロータ200を回転させることができる。
具体的には、電機子コイル110は、ステータティース122の周方向における両隣に配置されており、この一対の電機子コイル110は、一方の電機子コイル110から発生する磁束と、他方の電機子コイル110から発生する磁束とで、磁束の方向が周方向において反対方向となるように、その巻方向及び通電方向が設定されている。
これにより、例えば一方の電機子コイル110がV+相で、他方の電機子コイル110がV−相の場合、この一対の電機子コイル110から発生する磁束は、一対の電機子コイル110によって挟まれるステータティース122に向かい、ステータティース122においてぶつかり合うように発生する。そして、ステータティース122で発生した磁束は、ステータコア120の周方向と直交する側の方向に向きを変え、ステータティース122からロータ200に向かう。
そして、ロータ200に向かった磁束の一部は、後述する第1のロータコア210及び第2のロータコア280を通過した後、W+相とW−相の一対の電機子コイル110によって挟まれたステータティース122に向かう。また、ロータ200に向かった磁束の一部は、後述する第1のロータコア210及び第2のロータコア280を通過した後、U+相とU−相の一対の電機子コイル110によって挟まれたステータティース122に向かう。
このように、ステータティース122とロータ200とが対向する面では、電機子コイル110で発生した磁束の磁気回路が構成される。回転電機1は、ステータティース122とロータ200とが対向する面をトルク発生面としてロータ200を回転させる。
また、ステータ100は、上述の通り、電機子コイル110がトロイダル巻で、かつ集中巻されている。このため、電機子コイル110に三相交流を供給した場合、ステータ100には、ロータ200の回転と同期して回転する回転磁界の他に、ロータ200の回転と非同期の高調波回転磁界が発生する。この高調波回転磁界には、静止座標系における第2次空間高調波(同期回転座標系における第3次時間高調波)が含まれる。したがって、ステータ100で発生する磁束には、高調波成分が重畳されていることとなる。
(ロータ)
図1、図2、図3に示すように、ロータ200は、軸方向においてステータ100を挟むようにして配置された一対のアキシャルギャップロータ200A、200Bと、ステータコア120の径方向の内方側に配置されたラジアルギャップロータ200Cとを含んで構成されている。
一対のアキシャルギャップロータ200A、200Bとラジアルギャップロータ200Cとは、互いに同期して回転するように回転軸20(図7参照)に対して一体回転可能に固定されている。一対のアキシャルギャップロータ200A、200Bとラジアルギャップロータ200Cとは、一体化されていてもよい。
一対のアキシャルギャップロータ200A、200Bのそれぞれは、高透磁率の磁性材料からなる環状の第1のロータコア210と、誘導コイル215と、界磁コイル216とを備えている。第1のロータコア210は、円環状の第1のロータヨーク211と、このロータヨーク211から軸方向のステータ100側に向けて突出した第1のロータティース212とを備えている。第1のロータティース212は、第1のロータヨーク211の周方向に沿って所定の間隔をおいて複数形成されている。
第1のロータティース212は、ステータコア120の軸方向の両面側、すなわちステータコア120の軸方向の一方側及び他方側で、ステータティース122の側面部122aに対向するようになっている。
第1のロータティース212には、誘導コイル215及び界磁コイル216が軸方向に層をなすようにして巻かれている。誘導コイル215及び界磁コイル216は、いずれも絶縁材料で被覆した巻線からなる。
誘導コイル215は、界磁コイル216よりもステータ100側に配置されている。誘導コイル215は、ステータ100側で発生した磁束に重畳された高調波成分に基づいて誘導電流を発生するようになっている。
具体的には、三相交流が電機子コイル110に供給されてステータ100に回転磁界が発生すると、ステータ100側で発生した高調波成分の磁束が誘導コイル215に鎖交する。これにより、誘導コイル215は、誘導電流を誘起させる。
界磁コイル216は、誘導コイル215よりも第1のロータコア210側に配置されている。界磁コイル216は、誘導コイル215で発生した誘導電流が整流されて供給されることにより磁界を発生させるようになっている。
これにより、第1のロータティース212を電磁石として機能させることができ、ステータティース122と第1のロータティース212とが対向する面をトルク発生面として機能させることができる。
ラジアルギャップロータ200Cは、高透磁率の磁性材料からなり回転軸20(図7参照)に対して一体回転可能に固定された第2のロータコア280と、永久磁石283とを有する。
第2のロータコア280は、環状の第2のロータヨーク281と、この第2のロータヨーク281から径方向の外方に向けて突出した第2のロータティース282とを備えている。第2のロータティース282は、第2のロータヨーク281の周方向に沿って所定の間隔をおいて複数形成されている。
第2のロータティース282は、ステータコア120の径方向の内面側においてステータティース122の内面部122bと対向するようになっている。第2のロータティース282には、永久磁石283が配置されている。
永久磁石283は、例えばネオジウム磁石(Nd−Fe−B磁石)で構成されており、第2のロータティース282に内包されている。
(整流回路)
また、回転電機1は、誘導コイル215で発生した誘導電流を整流して界磁コイル216に供給する整流回路30を備えている。
図4に示すように、整流回路30は、2つのダイオードD1、D2を整流素子として備え、これらダイオードD1、D2と2つの誘導コイル215、および2つの界磁コイル216を結線した閉回路として構成されている。整流回路30は、ロータ200の軸方向の一方側及び他方側の誘導コイル215及び界磁コイル216のそれぞれに対応するように、ロータ200の軸方向の一方側及び他方側にそれぞれ設けられる。
整流回路30における2つの誘導コイル215は、アキシャルギャップロータ200A、200Bの周方向に隣り合う誘導コイル215である。2つの界磁コイル216は、アキシャルギャップロータ200A、200Bの周方向に隣り合う界磁コイル216である。
ダイオードD1、D2は、アキシャルギャップロータ200A、200Bに設けられている。
整流回路30において、2つの誘導コイル215で発生した交流の誘導電流は、ダイオードD1、D2により直流に整流される。ダイオードD1、D2による整流後の直流は、直列接続されている2つの界磁コイル216に界磁電流として供給される。2つの界磁コイル216は、直流の界磁電流が供給されることにより誘導磁束を発生させる。
本実施形態では、直流の界磁電流により、2つの界磁コイル216が反対方向の誘導磁束を発生させるようになっている。具体的には、一方の界磁コイル216が巻回された第1のロータティース212はN極に磁化され、他方の界磁コイル216が巻回された第1のロータティース212はS極に磁化されるように、界磁コイル216の巻方向が設定されている。
また、図5に示すように、第1のロータティース212の磁極と、この第1のロータティース212と周方向で同位置にある永久磁石283の磁極とが反対の磁極に形成されるように、界磁コイル216の巻方向が設定されている。
(回転電機の作用)
次に、図6、図7及び図8を参照して、本実施の形態に係る回転電機1の作用について説明する。
本実施の形態に係る回転電機1は、以上説明したように、ロータ200に永久磁石283を備え、その永久磁石283の磁束を利用してトルクを出力する永久磁石型同期モータである。
従来の永久磁石型同期モータでは、永久磁石の磁束が一定のため、ロータの回転速度が上昇するにつれて永久磁石の磁束によってステータの電機子コイルに生じる逆起電力が増加する。そして、ロータの回転速度がある回転速度に達すると、電機子コイルに生じた逆起電力が永久磁石型同期モータの電源電圧と等しくなる。これにより、永久磁石型同期モータにはそれ以上電流を流すことができなくなる。この結果、ロータの回転速度を上昇させることができなくなってしまう。
従来、こうした問題を解決するために、ステータの電機子コイルに永久磁石による磁束を打ち消す電流を流すことにより電機子コイルに生じる逆起電力を等価的に低減させる弱め界磁制御が行われていた。
しかしながら、この弱め界磁制御は、永久磁石の磁束を打ち消す方向の磁束を発生させるべく電流を流すことから、トルクに寄与しない磁束を発生させることになる。このため、出力に対して無駄なエネルギを消費しており、効率の低下を招いていた。
また、弱め界磁制御では、高調波磁束が生じるため、その高調波磁束に起因して永久磁石型同期モータの鉄損や電磁振動が増加するおそれがある。さらに、弱め界磁制御では、永久磁石の磁束に対して逆向きの磁束を発生させて永久磁石の磁束を抑え込むため、永久磁石の不可逆減磁が生じるおそれがある。このため、比較的保磁力の高い永久磁石を用いる必要があり、コストが増加してしまう。
また、永久磁石としてネオジウム磁石を用いた場合には、弱め界磁制御による外部磁場の変動により永久磁石に渦電流が生じ、永久磁石が発熱する。この発熱によって永久磁石の不可逆減磁が生じるおそれがある。したがって、耐熱性の高いレアアース等の材料を永久磁石に添加する必要がある。しかし、この場合には、添加されたレアアース等の材料が永久磁石にとって不純物となるため、永久磁石本来の性能を発揮させることができないおそれがある。
そこで、本実施の形態に係る回転電機1では、弱め界磁制御を行わずに、上述した界磁コイル216の作用によって、永久磁石283からステータ100に鎖交する磁束量を調整可能な構成とした。これにより、本実施の形態に係る回転電機1は、上述したような弱め界磁制御による問題を解決することができる。
(ロータ低回転時)
本実施の形態に係る回転電機1においてロータ200の回転速度が低いときは、ステータ100に高調波成分の磁束が発生していないか、あるいは発生していても微量である。このため、界磁コイル216は、誘導磁束を発生してないか、あるいは発生していても微量である。
このため、第1のロータティース212は、N極またはS極の何れにも磁化されないか、磁化されても微量である。したがって、永久磁石283の磁束の全てがステータ100に鎖交する。
このように、ロータ200の回転速度が低いときは、ロータ200の回転速度が高いときと比べて永久磁石283からステータ100に鎖交する磁束の磁束量を増加させることができる。
(ロータ高回転時)
一方、本実施の形態に係る回転電機1においてロータ200の回転速度が高いときは、ステータ100に高調波成分の磁束が発生する。その高調波成分の磁束の磁束量は、ロータ200の回転速度が上昇するにつれて増加する。
これにより、アキシャルギャップロータ200A、200Bの誘導コイル215において誘導電流が誘起され、この誘起された誘導電流が整流回路30によって整流されて直流電流として界磁コイル216に供給される。
直流電流が供給された界磁コイル216は、周方向における同じ位置に相当する永久磁石283の磁極とは反対の磁極となるよう、第1のロータティース212を磁化する方向に磁束を発生させる。すなわち、図5に示すように、第1のロータティース212の磁極と永久磁石283の磁極とは反対の磁極に形成される。
このため、図6に示すように、界磁コイル216による磁束の磁路(白抜きの矢印で示す)が、軸方向および径方向の両方で、永久磁石283による磁束の磁路(黒塗りの矢印で示す)とは逆方向に発生する。この逆向きの磁路は、ステータ100のステータコア120において打ち消し合う。
したがって、図7に示すように、永久磁石283の磁束のうち、界磁コイル216の磁束によって打ち消されなかった磁束が、ステータ100に鎖交する。また、永久磁石283の磁束の一部が、ステータコア120の軸方向の端部において、ギャップ(空隙)を通過して第1のロータティース212側に流れる。この結果、永久磁石283からステータ100に鎖交する磁束の磁束量が抑えられる。
また、図8において、回転数R1より小さい領域では、第1のロータティース212に磁極が形成されず、径方向において永久磁石283の磁束がステータ100に鎖交する。また、回転数R1より大きい領域では、第1のロータティース212の磁極が永久磁石283の磁極とは反対の磁極に形成されるので、径方向と軸方向において永久磁石283の磁束がステータ100に鎖交し、永久磁石283からステータ100に鎖交する磁束の磁束量が抑えられる。また、ロータ200の回転数が高くなるに連れて、誘導コイル215に誘起される誘導電流が多くなり、永久磁石283からステータ100に鎖交する磁束の磁束量が減少する。
したがって、ロータ200の回転速度が高い場合であっても弱め界磁制御を不要とすることができる。このため、弱め界磁制御により生ずる高調波磁束に起因した鉄損や電磁振動を防止することができる。
さらに、弱め界磁制御を不要としたので、保磁力の高い永久磁石を用いる必要がなく、また耐熱性の高いレアアース等の材料を永久磁石に添加する必要もない。これにより、回転電機1のコストを低減させることができる。
このように、本実施の形態に係る回転電機1では、弱め界磁制御を行わずに永久磁石283からステータ100に鎖交する磁束量を調整可能としたので、ロータ200の回転速度が高いときであっても効率の低下を防止することができる。また、ロータ200の回転速度が低いときには出力の向上を図ることができる。
(ステータの機械構造)
図9、図10において、電機子コイル110の巻線111は、3相12スロットの4並列で結線されている。電機子コイル110は、ステータティース122の間に、巻線111の両端部111Aが径方向外方側に延伸するように巻かれている。ここで、ステータティース122は本発明におけるティース部を構成している。
ステータ100の軸方向の他方側において、ステータコア120を挟んで対向する同相(U+、U―)の2つの電機子コイル110の巻線111が、直列に結線されている。
回転電機1は、平角線からなる複数のバスバー171を備えている。
ステータ100の軸方向の一方側において、各同相の巻線111が4並列となるように、バスバー171により結線されている。結線の方法としては、溶接、半田付け、カシメ、ヒュージング等を採用できる。
バスバー171は、相毎に電機子コイル110の巻線111の両端部111Aを結線している。バスバー171は、平角線の短辺が周方向に沿うように配置されている。これにより、回転電機1が径方向に大型化するのを防止できる。
バスバー171は、W相用、V相用、U相用および中性点用の4種類が用意されている。これらのバスバー171のうち、中性点用のバスバー171は、残りのW相用、V相用、U相用のバスバー171よりも太く形成されている。
バスバー171は、ステータ100の外周側において、ステータ100の軸方向一端側の同一平面上に配置されている。また、バスバー171は、3相と中性点を含む4種類で異なる径の同心円となるように、予め曲げ加工により円弧状に成形されている。
具体的には、中性点用のバスバー171が最も外周側に配置されている。また、W相用、V相用、U相用のバスバー171は、中性点用のバスバー171の内周側に、相毎に異なる径の同心円となるように配置されている。
このように、予め成形したバスバー171を用いて電機子コイル110の巻線111を結線するようにしたことで、組立性を向上でき、回転電機1を小型化できる。また、各相のバスバー171が干渉することを防止できる。
また、相毎にバスバー171の円弧の径が異なるようにバスバー171を形成して配置したことで、バスバー171が互いに干渉するのを防止できる。これにより、バスバー171の絶縁性を向上させることができる。また、バスバー171同士が近接することを防止でき、放熱性を向上させることができる。
図11において、W相、V相、U相のうちの1相分の3つのバスバー171は、周方向に90度離れた同じ相の巻線111(図9、図10参照)を結線している。
W相、V相、U相のバスバー171は、端部171Aと、ステータ100の外周形状に沿って円弧状に形成された本体部171Bとを有している。
また、バスバー171は、軸方向に延伸する曲状部171Cと、端部171Aが径方向外方側に延伸している延伸部171Dとを有している。
曲状部171Cは、本体部171Bにおける端部171A側に形成されており、周方向に沿って円弧状に湾曲しつつ軸方向の一方側に延伸している。
延伸部171Dは、本体部171Bから端部171Aに渡って形成された部位であり、本体部171Bから径方向外方側に延伸している。これらの曲状部171Cおよび延伸部171Dは、全てのバスバー171に設けられている。全てのバスバー171の延伸部171Dは同一平面に配置されている。
すなわち、バスバー171は、曲状部171Cにおいて軸方向に曲げられている。これにより、バスバー171同士の高さを異ならせ、互いに干渉することを防止しつつ、その端部171Aを外周部に取り出して結線できる。なお、12スロット以外の構成であっても、バスバー171の曲げ角度を変えることで、バスバー171同士の干渉を避けて結線を行うことができる。
また、全てのバスバーの延伸部171Dを同一平面に配置できるため、同一平面上でバスバー171の結線作業を容易に行うことができ、回転電機1を軸方向に小型化できる。
図12、図13、図14において、回転電機1は、非磁性金属からなる保持部材140を備えており、この保持部材140は、ステータ100を覆うように保持している。
保持部材140は、軸方向の一方側の保持部材141と、軸方向の他方側の保持部材142とに、軸方向に2分割されている。保持部材140は、ステータ100を覆うように保持した状態で、ハウジング50に固定される(図22参照)。したがって、保持部材140はステータ100を保持してハウジング50に固定している。
保持部材141および保持部材142は軸方向に概ね対称に形成されている。以下、保持部材141について詳細を説明し、保持部材141と保持部材142の差異については後述する。
保持部材141は、軸方向の一方側の平面部140Aと、この平面部140Aの外周部に連続する筒状の筒状部140Bと、筒状部140Bの軸方向の他方側の端部に連続して径方向外方側に延びるフランジ部140Cとを有する。
平面部140Aには、ステータコア120のステータティース122の形状に型取られた保持孔140Dが形成されている。保持孔140Dには、ステータティース122が嵌め込まれるようになっている。したがって、保持部材140は、2つの保持部材141、142の保持孔140Dにより、矢印Aおよび矢印Bで示すように、軸方向の両側からステータティース122を保持することができる。
筒状部140Bには、軸方向に延びるスリット140Hが形成されており、このスリット140Hは、筒状部140Bを径方向に貫通している。
フランジ部140Cには、径方向に延びるスリット140Iが形成されており、このスリット140Iは、フランジ部140Cを軸方向に貫通している。スリット140Hおよびスリット140Iは、周方向の同位置に配置されており、互いに連続している。
フランジ部140Cにスリット140Iを形成したことで、保持部材141をステータ100に組み付ける際に、巻線111の端部111Aを径方向に延伸させたまま、巻線111をスリット140Iに通過させることができる。
筒状部140Bにスリット140Hを形成したことで、保持部材141をステータ100に組み付けた後は、巻線111の両端部111Aを、保持部材141と干渉することなく、スリット140Hを介して径方向外方側に引き出すことができる。
保持部材141のステータ100側の面には、爪部140E、140F、140Gが設けられており、この爪部140E、140F、140Gは、ステータティース122を保持している。
具体的には、爪部140E、140Gは、保持孔140Dの周方向の端部周辺において平面部140Aから筒状部140Bに渡って形成されており、保持孔140Dに嵌め合わされたステータティース122を周方向の両側から保持している。
さらに、爪部140E、140Gは、軸方向の先端部でステータヨーク121に当接しており、ステータヨーク121を軸方向に保持している。
また、爪部140Fは、保持孔140Dの径方向内方側周辺における平面部140Aに形成されており、保持孔140Dに嵌め合わされたステータティース122を径方向内方側から保持している。
さらに、爪部140Fは、軸方向の先端部でステータティース122の内面部に当接しており、ステータティース122を軸方向に保持している。
これらの爪部140E、140F、140Gは、ステータコア120と電機子コイル110に干渉しない空間に設けられている。すなわち、爪部140E、140F、140Gは、電機子コイル110が巻回されていないステータティース122の近傍に設けられている。保持部材141に爪部140E、140F、140Gを設けたことにより、ステータコア120と電機子コイル110に干渉しない空間を利用して、保持部材141によりステータコア120を保持することができる。
フランジ部140Cには凸部140Jと凹部140Kとが周方向に交互に形成されている。保持部材141と保持部材142とは、凸部140Jと凹部140Kを嵌め合わせることで周方向の相対回転が規制される。
フランジ部140Cの外周部には、複数のボルト挿通孔140Lが周方向に形成されており、このボルト挿通孔140Lは、フランジ部140Cを軸方向に貫通している。このボルト挿通孔140Lにボルト42(図22参照)を刺し通して、ハウジング50のボルト締結孔51Bに締結することで、保持部材140がハウジング50に固定される。ボルト締結孔51Bは、ハウジング50の内部に設けられた台座部51Aに形成されている。
このように、保持部材140を、保持部材141と保持部材142とに軸方向に2分割し、この保持部材141、142で軸方向の両側から覆うようにステータコア120を保持したことで、組立性を損なうことなくステータコア120をハウジング50に固定できる。
保持部材141、142にスリット140H、140Iを設けたことにより、電機子コイル110の巻線111の端部111Aに干渉することなく、保持部材141、142によりステータコア120を軸方向の両側から保持することができる。
また、保持部材141、142の保持孔140Dの周辺に爪部140E、140F、140Gを設けたことにより、電機子コイル110の巻線111に干渉しない空間を利用してステータコア120を保持部材141、142により保持することができる。
また、爪部140E、140F、140Gによりステータコア120を径方向、周方向、および軸方向に精度良く位置決めできるため、ステータ100の同心度およびギャップ長を容易に精度よく管理することができる。
保持部材141、142の平面部140Aの軸線方向の外側の端面は、ステータティース122の側面部122aの端面より軸方向の中心側にオフセットされている。すなわち、ステータティース122の側面部122aの端面は、平面部140Aよりもアキシャルギャップロータ200A、200B側に突出している。これにより、渦電流の発生を抑制でき、性能を劣化させることなくステータコア120を保持部材141、142により保持することができる。さらに、この保持部材141、142の平面部140Aにより電機子コイル110を軸方向に覆っていることで、電機子コイル110がアキシャルギャップロータ200A、200B側に露出することを防止できる。これにより、電機子コイル110を保護でき、絶縁性を向上させることができる。
保持部材141、142のフランジ部140Cの外周部にボルト挿通孔140Lを設けたことで、ステータ100を覆うよう保持した保持部材141、142を、ボルト42によりハウジング50に容易に固定することができる。このため、回転電機1の組立性を向上させることができる。また、ハウジング50に対してステータコア120を軸方向に精度よく固定できるため、ステータティース122と第1のロータティース212との軸方向のギャップを容易に管理することができる。
図15、図16において、回転電機1は、樹脂からなる円環状の第1の保護部材151を備えており、この第1の保護部材151には、前述のバスバー171が収容される。第1の保護部材151の軸方向一方側の面には、同心円状の4つの溝151Bが形成されており、これらの溝151Bには、各相のバスバー171が収納される。4つの溝151Bは、3つの仕切り壁151Aにより仕切られている。
第1の保護部材151の軸方向一方側の面には、この第1の保護部材151を径方向に貫通するスリット151Cが周方向に所定の間隔で複数設けられている。バスバー171の端部171Aは、このスリット151Cを通して径方向外方側に引き出される。
この第1の保護部材151は、予めバスバー171を収容した状態で、軸方向の他方側に向かって保持部材141に組み付けられるようになっている。第1の保護部材151は、保持部材141の筒状部140Bの周囲に配置される。
第1の保護部材151を保持部材141に組み付ける際は、まず、電機子コイル110の巻線111の端部111Aを周方向に予め折り曲げておいてから、第1の保護部材151を保持部材141のフランジ部141Cに接する位置に配置する。これにより、端部111Aが第1の保護部材151に干渉することが防止される。その後、巻線111の端部111Aは、径方向に延伸するように曲げ直される。
次いで、第1の保護部材151をフランジ部141Cから離れる方向に軸方向に移動することで、巻線111の端部111Aが第1の保護部材151のスリット151Cに収められる。
図16、図17において、回転電機は、樹脂からなる円環状の第2の保護部材152を備えている。第2の保護部材152は、円弧状の2つの分割保護部材152Aに等しく分割されている。
分割保護部材152Aは、第1の保護部材151と保持部材141の間に、矢印Cで示すように径方向内方に向かって挿入される。これにより、2つの分割保護部材152Aにより円環状の第2の保護部材152が形成される。第2の保護部材152は、第1の保護部材151を軸方向に位置決めするスペーサとして機能する。第2の保護部材152を第1の保護部材151と保持部材141の間に配置することで、電機子コイル110の巻線111の端部111Aとバスバー171の端部171Aとが軸方向に同じ位置に配置される。
図17、図18において、回転電機は、樹脂からなる円環状の第3の保護部材153を備えており、この第3の保護部材153は、第1の保護部材151および第2の保護部材152を覆うようになっている。
第3の保護部材153は、内筒部153A、平面部153B、外筒部153Cを有しており、第2の保護部材152に向かって開口するコの字型(U字型)の断面形状に形成されている。
第3の保護部材153の外周部には着座部153Dが設けられている。着座部153Dは、外筒部153Cの軸方向の端部から径方向外方に延びるように形成されている。この着座部153Dには、軸方向に貫通するボルト挿通孔153Gが形成されている。着座部153Dは、保持部材141のボルト挿通孔140Lに一つおきに対応する位置に設けられている。
内筒部153A、外筒部153Cには、スリット153E、153Fが周方向に所定の間隔で設けられている。スリット153Eは、電機子コイル110の巻線111の端部111Aが通過する位置に配置されている。スリット153Fは、巻線111の端部111Aおよびバスバー171の端部171Aが通過する位置に配置されている。なお、前述の着座部153Dは、スリット153Fの設けられていない位置に配置されている。
第3の保護部材153は、矢印Bで示すように、第1の保護部材151、第2の保護部材152に対して軸方向に組付けられることで、第1の保護部材151、第2の保護部材152を軸方向および径方向から覆うようになっている。
具体的には、第3の保護部材153は、内筒部153Aにより第1の保護部材151、第2の保護部材152を径方向内方側から覆い、外筒部153Cにより第1の保護部材151、第2の保護部材152を径方向外方側から覆い、平面部153Bにより第1の保護部材151、第2の保護部材152を軸方向に覆う。第3の保護部材153を組み付ける前に、第1の保護部材151の溝151Bに樹脂が封入されることで、バスバー171が固定されるようになっている。
第3の保護部材153の外周側に突出した巻線111の端部111Aおよびバスバー171は、カシメ、溶接、半田付け、ヒュージング等によって結線される。
着座部153Dのボルト挿通孔153Gにボルト42(図22参照)を刺し通してハウジング50のボルト締結孔51Bに締結することで、第3の保護部材は、保持部材141、142とともにハウジング50に固定される。
これらの第1の保護部材151、第2の保護部材152、第3の保護部材153は、巻線111の結線を保護する保護部品150Aを構成している。言い換えると、保護部品150Aは、第1の保護部材151、第2の保護部材152、第3の保護部材153とからなる3分割構造で構成されている。保護部品150Aは、本発明における保護部品を構成している。
図19、図20、図21において、回転電機1は、樹脂からなる複数の第4の保護部材154を備えており、この第4の保護部材154は、保持部材142の筒状部140Bの外周面に組み付けられる。
第4の保護部材154は、周方向の一方側の厚肉部154Aと、周方向の他方側の薄肉部154Bとを備えており、薄肉部154Bは厚肉部154Aより径方向に薄く形成されている。厚肉部154Aおよび薄肉部154Bには、ボルト挿通孔154Eが径方向に貫通している。
第4の保護部材154は、厚肉部154Aのボルト挿通孔154Eにボルト41を挿し通して保持部材142の筒状部140Bの142Nに締結することで、矢印Dで示すように径方向の外方から保持部材142に固定される。
第4の保護部材154の軸方向の一端部には、2つのスリット154Dが形成されており、このスリット154Dを通して巻線111の端部111Aが径方向外方に引き出される。
また、第4の保護部材154は巻線支持部154Cを備えており、この巻線支持部154Cは、厚肉部154Aおよび薄肉部154Bの軸方向一端側の、2つのスリット154Dの間に設けられている。巻線支持部154Cは、薄肉部154Bよりも径方向に薄く形成されている。
スリット154Dを通して引き出された巻線111の端部111Aは、ステータティース122を挟んで周方向に隣合う他の巻線111の端部111Aに向かうように、巻線支持部154Cに沿って周方向に曲げられる。このとき、巻線支持部154Cは、巻線111の周方向に延びる部位を径方向内方から支持する。
その後、巻線111の端部111Aは、周方向に隣合う他の巻線111の端部111Aに沿うように径方向外方に曲げられる。これにより、2つの巻線111の端部111A同士が同一部位で重ねられて結線部が形成される。
また、回転電機1は、樹脂からなる第5の保護部材155を備えており、この第5の保護部材155は、巻線111の周方向に延びる部位を軸方向一方側から覆う平面部155Aと、巻線111の周方向に延びる部位を径方向外方側から覆う筒状部155Bとを有している。
筒状部155Bは、第4の保護部材154の厚肉部154Aに対応する位置に切り欠き155Cを有している。また、筒状部155Bは、切り欠き155Cの底部にスリット155Eを有しており、このスリット155Eを通して巻線111の端部111Aが径方向外方に引き出されるようになっている。
筒状部155Bにはボルト挿通孔155Dが形成されており、第5の保護部材155は、軸方向の一方側から第4の保護部材154に装着された後、このボルト挿通孔155Dにボルト41を挿し通して保持部材142に締結することで固定される。
これらの第4の保護部材154、第5の保護部材155は、巻線111の結線を保護する保護部品150Bを構成している。言い換えると、保護部品150Bは、第4の保護部材154、第5の保護部材155とからなる2分割構造で構成されている。
このように、樹脂製の保護部品150A、150Bによって電機子コイル110の結線部を保護しているため、結線作業を容易化でき、組付性、絶縁性を向上させることができる。また、結線部を保護する部材を保護部品150A、150Bに2分割し、さらに保護部品150A、150Bのそれぞれ分割構造としたことで、組立性を向上することができる。そして、結線部を外周方向から取り出すことができ、かつ、結線部におけるバスバー171および巻線111の重ね合わせ面が同一方向にできるため、結線作業を容易化できる。また、ステータ100が大型化するのを防止できる。
また、第1の保護部材151の溝151Bに樹脂を封入することで、バスバー171を固定でき、放熱性、堅牢性を向上させることができる。また、第1の保護部材151には、バスバー171の形状に沿うように溝151Bを形成しているため、バスバー171を容易に溝151Bに配置することができる。また、第1の保護部材151には、U相、V相、W相、中性点用の4つのバスバー171に対応する4つの溝151Bが形成されているため、組立性を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態の回転電機1は、ステータ100を覆うように保持しハウジング50に固定する保持部材140を備えており、この保持部材140は、周方向に所定の間隔で配置されステータティース122の側面部122a側が挿入される保持孔140Dと、巻線111の両端部111Aが径方向外方側に引き出されるスリット140H、140Iとを有する。
これにより、保持部材140の保持孔140Dにステータティース122を嵌め込むことで、保持部材140によりステータティース122を保持することができ、ステータ100をハウジング50に固定できる。
保持部材141、142にスリット140H、140Iを設けたことにより、電機子コイル110の巻線111の端部111Aに干渉することなく、保持部材140によりステータコア120を軸方向の両側から保持することができる。このため、組立性を損なうことがない。この結果、組立性を損なうことなくステータをハウジングに固定できる。
また、本実施の形態の回転電機1によれば、巻線111は三相に巻かれており、巻線111の両端部111Aは、相毎にバスバー171によって結線されている。そして、バスバー171は、軸方向に延伸する曲状部171Cと端部171Aが径方向外方側に延伸している延伸部171Dとを有する。
これにより、バスバー171を曲状部171Cにおいて軸方向に曲げたことで、バスバー171同士が互いに干渉することを防止しつつ、その端部171Aを外周部に取り出して結線できる。また、全てのバスバーの延伸部171Dを同一平面に配置できるため、同一平面上でバスバー171の結線作業を容易に行うことができ、回転電機1を軸方向に小型化できる。
また、本実施の形態の回転電機1は、巻線111の結線を保護する保護部品150Aを備え、この保護部品150Aは、バスバー171を収容する溝151Bの設けられた第1の保護部材151と、この第1の保護部材151と保持部材140との間に取り付けられた第2の保護部材152と、第1の保護部材151と第2の保護部材152とを覆いバスバー171の端部が径方向外方側に引き出されるスリット153Fの設けられた第3の保護部材153とを有する。
これにより、保護部品150Aによって電機子コイル110の結線部を保護しているため、結線作業を容易化でき、組付性、絶縁性を向上させることができる。また、保護部品150Aを分割構造としたことで、組立性を向上することができる。
また、スリット153Fを通して結線部を外周方向から取り出すことができ、かつ、結線部におけるバスバー171および巻線111の重ね合わせ面が同一方向にできるため、結線作業を容易化できる。また、ステータ100が大型化するのを防止できる。
なお、本実施の形態では、第1のロータティース212がステータコア120の軸方向の両面側に対向するように設けられているが、これに限らず、例えばステータコア120の軸方向の一方側の側面又は他方側の側面に対向するように設けられてもよい。すなわち、第1のロータティース212は、ステータコア120の軸方向の一方側の側面及び他方側の側面のうち、いずれか一方の側面側にのみ設ける構成であってもよい。この場合、軸方向の片側のアキシャルギャップロータ200A、200Bのみを採用した分、回転電機1の体格を小さくすることができる。
また、本実施の形態では、ステータ100の径方向内面側にラジアルギャップロータ200Cを配置しているが、これに限らず、例えばステータ100の径方向外面側にラジアルギャップロータ200Cを配置してもよい。
本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 回転電機
50 ハウジング
100 ステータ
110 電機子コイル
111 巻線
111A 端部
120 ステータコア
122 ステータティース(ティース部)
122a 側面部(ティース部の端部側)
140 保持部材
140D 保持孔
140H スリット
140I スリット
141 保持部材
142 保持部材
150A 保護部品
151 第1の保護部材
151B 溝
152 第2の保護部材
153 第3の保護部材
153E スリット
153F スリット
171 バスバー
171A 端部
171C 曲状部
171D 延伸部
200 ロータ
200A、200B アキシャルギャップロータ(ロータ)
200C ラジアルギャップロータ(ロータ)
210 第1のロータコア(ロータコア)
280 第2のロータコア(ロータコア)

Claims (3)

  1. 環状のステータコアを有するステータと、
    前記ステータの軸方向または径方向の少なくともいずれか一つの面側で前記ステータコアに対向するロータコアを有するロータと、を備える回転電機であって、
    前記ステータは、
    前記ステータコアに周方向に所定の間隔で配置された複数のティース部と、
    隣り合う前記ティース部の間に、巻線の両端部が径方向外方側に延伸するように巻かれた電機子コイルとを有し、
    前記ステータを覆うように保持しハウジングに固定する保持部材を備え、
    前記保持部材は、周方向に所定の間隔で配置され前記ティース部の端部側が挿入される保持孔と、前記巻線の両端部が径方向外方側に引き出されるスリットとを有することを特徴とする回転電機。
  2. 前記巻線は三相に巻かれており、
    前記巻線の両端部は、相毎にバスバーによって結線され、
    前記バスバーは、軸方向に延伸する曲状部と端部が径方向外方側に延伸している延伸部とを有することを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記巻線の結線を保護する保護部品を備え、
    前記保護部品は、前記バスバーを収容する溝の設けられた第1の保護部材と、前記第1の保護部材と前記保持部材との間に取り付けられた第2の保護部材と、前記第1の保護部材と前記第2の保護部材とを覆い前記バスバーの端部が径方向外方側に引き出されるスリットの設けられた第3の保護部材とを有することを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
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