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JP2017201095A - アンカー、アンカー施工具及びその施工方法 - Google Patents

アンカー、アンカー施工具及びその施工方法 Download PDF

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JP2017201095A
JP2017201095A JP2016092946A JP2016092946A JP2017201095A JP 2017201095 A JP2017201095 A JP 2017201095A JP 2016092946 A JP2016092946 A JP 2016092946A JP 2016092946 A JP2016092946 A JP 2016092946A JP 2017201095 A JP2017201095 A JP 2017201095A
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真 生野
Makoto Ikuno
真 生野
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N Pat Co Ltd
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Abstract

【課題】天井スラブの下孔にアンカーを固定して吊りボルトを垂下状態に取り付ける作業を一連の作業として行えるようにして作業効率を向上させる。
【解決手段】破断ナット60を吊りボルト9に取り付ける第1工程と、アンカー1のロングナット50に対し、吊りボルト9の先端を装着する第2工程と、吊りボルト9の他端をアンカー施工具2の内側に挿入し、破断ナット60の第2ナット部62をアンカー施工具2の係合部71に係合させる第3工程と、天井スラブの下孔7にアンカー1の固定部3を挿入する第4工程と、アンカー施工具2を回転させることにより、破断ナット60の第1ナット部61をロングナット50に接合させると共に、アンカー1の固定部3を下孔7に固定する第5工程と、アンカー施工具2の回転を継続させて破断部63を破断させる第6工程と、アンカー施工具2を吊りボルト9から引き抜く第7工程と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、天井スラブに吊りボルトを取り付けるためのアンカー、アンカー施工具及びその施工方法に関する。
従来、天井スラブに設けられた下孔にアンカーを固定し、そのアンカーに対して吊りボルトを取り付けることが行われている。例えば特許文献1のアンカーは、雄螺子が形成された軸部に拡張スリーブが装着され、その軸部の先端にコーンナットが取り付けられた構成である。そしてアンカーの先端を下孔に挿入した状態で、軸部の下部に設けられるナット部を回転させることにより、コーンナットを軸部に沿って下降させ、コーンナットが拡張スリーブの拡張部を内側から外方向に拡張させることにより、アンカーが下孔に固定される。そしてアンカーを下孔に固定した後に、アンカー下部のナット部に吊りボルトを装着することにより、施工が完了する。
特開2012−177290号公報
しかしながら、上記従来技術では、天井スラブに対する作業として、アンカーを下孔に固定する工程と、下孔に固定されたアンカーに吊りボルトを装着する工程とが別工程であり、作業効率が悪いという問題がある。
また下孔に固定されたアンカーのナット部に対して吊りボルトを挿入して取り付けるだけでは、十分な締め付け強度を得られないという問題もある。この問題を解決するためには、アンカー下部のナット部に吊りボルトを装着した後、そのナット部の下部に別のナットを締め付けることでダブルナットによる緩み止め効果を得るようにすることが考えられる。しかし、上記従来技術においてダブルナット効果を得るためには、アンカーに吊りボルトを装着した後、更に別のナットを締め付ける作業を行わなければならず、天井スラブに対する作業工程が増えることとなり、作業効率を低下させてしまうことになる。特に、アンカーのナット部に対して別のナットを締め付ける作業は天井スラブ近傍での高所作業となるため、作業者は、脚立などの足場を作業位置まで移動させてから足場に昇って作業を行い、作業終了後には足場から降りてから別の作業位置まで再び足場を移動させる作業を繰り返し行わなければならない。それ故、従来は足場の移動や昇降動作に伴う作業効率の低下が顕著である。
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、下孔に対するアンカーの固定作業と、天井スラブに対する吊りボルトの取り付け作業と、ダブルナットによる締め付け作業とを一連の作業として行えるようにして作業効率を向上させることが可能なアンカー、アンカー施工具及びその施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、天井スラブ(S)に設けられた下孔(7)に取り付けられ、吊りボルト(9)を吊り下げた状態に支持するアンカー(1,1a)であって、軸部材(10)と、前記軸部材(10)の上部に設けられ、前記下孔(7)に挿入された状態で前記下孔(7)に固定される固定部(3)と、前記軸部材(10)の下部に設けられ、前記吊りボルト(9)を下面から装着可能なロングナット(50)と、前記吊りボルト(9)と螺合する螺子孔(64)を有する第1ナット部(61)と、前記第1ナット部(61)の下部に薄肉状の破断部(63)を介して接続され、内側に前記吊りボルト(9)の外径よりも大径の孔(65)が形成された第2ナット部(62)とを有する破断ナット(60)と、を備え、前記破断ナット(60)は、前記ロングナット(60)の下面に装着される前記吊りボルト(9)に対し、前記第1ナット部(61)の上面が前記ロングナット(50)の下面と接合可能なように取り付けられることを特徴とする構成である。
第2に、本発明は、上記第1の構成を有するアンカー(1,1a)において、前記破断ナット(60)は、前記第2ナット部(62)に作用するトルクが所定値以上になると、前記破断部(63)を破断させることを特徴とする構成である。
第3に、本発明は、上記第1又は第2の構成を有するアンカー(1,1a)において、前記破断ナット(60)は、前記第2ナット部(62)の下面が着色されることを特徴とする構成である。
第4に、本発明は、上記第1乃至第3のいずれかの構成を有するアンカー(1)において、前記軸部材(10)は、少なくとも先端部分に雄螺子(14)を有し、前記固定部(3)は、前記軸部材(10)に装着されるワッシャー(20)と、前記軸部材(10)を囲むように前記軸部材(10)に装着され、下端部が前記ワッシャー(20)と接合し、上部に前記軸部材(10)の外方向に拡張可能なように互いに分離された複数の拡張壁(33)を有する拡張部材(30)と、外形寸法が上端部から下端部に向かって漸次縮小し、内側に前記軸部材(10)に形成された前記雄螺子(14)と螺合する貫通螺子孔(44)を有し、下端部が前記拡張部材(30)の前記複数の拡張壁(33)の先端に嵌入した状態で前記軸部材(10)の前記雄螺子(14)に装着される拡幅部材(40)と、を備えることを特徴とする構成である。
第5に、本発明は、アンカー施工具(2)であって、内側に吊りボルト(9)を収容可能であり、前記吊りボルト(9)よりも長尺の筒状体(70)と、前記筒状体(70)の上端に設けられ、前記吊りボルト(9)を装着した状態のアンカー(1,1a)の下部に設けられるナットと係合する係合部(71)と、前記筒状体(70)の下端に設けられ、工具を装着するための工具装着部(75)と、を備えることを特徴とする構成である。
第6に、本発明は、上記第5の構成を有するアンカー施工具(2)において、前記アンカー(1,1a)は、軸部材(10)と、前記軸部材(10)の上部に設けられ、天井スラブに設けられる下孔(7)に挿入された状態で前記下孔(7)に固定される固定部(3)と、前記軸部材(10)の下部に設けられ、前記吊りボルト(9)を下面から装着可能なロングナット(50)と、前記吊りボルト(9)と螺合する螺子孔(64)を有する第1ナット部(61)と、前記第1ナット部(61)の下部に薄肉状の破断部(63)を介して接続され、内側に前記吊りボルト(9)の外径よりも大径の孔(65)が形成された第2ナット部(62)とを有し、前記ロングナット(50)の下面に装着される前記吊りボルト(9)に対し、前記第1ナット部(61)の上面が前記ロングナット(50)の下面と対向するように取り付けられる破断ナット(60)と、を備える構成であり、前記筒状体(70)は、前記ロングナット(50)に装着された前記吊りボルト(9)を内側に収容し、前記係合部(71)は、前記破断ナット(60)の前記第2ナット部(62)と係合することを特徴とする構成である。
第7に、本発明は、アンカー(1,1a)の施工方法であって、吊りボルト(9)と螺合する螺子孔(64)を有する第1ナット部(61)と、前記第1ナット部(61)の下部に薄肉状の破断部(63)を介して接続され、内側に前記吊りボルト(9)の外径よりも大径の孔(65)が形成された第2ナット部(62)とを有する破断ナット(60)を、前記第1ナット部(61)が前記吊りボルト(9)の先端側に向くようにした状態で前記吊りボルト(9)に取り付ける第1工程と、軸部材(10)の上部に、天井スラブ(S)に固定される固定部(3)が設けられ、前記軸部材(10)の下部に、ロングナット(50)が設けられたアンカー(1,1a)の前記ロングナット(50)に対し、前記吊りボルト(9)の先端を装着する第2工程と、内側に前記吊りボルト(9)を収容可能であり、前記吊りボルト(9)よりも長尺の筒状体(70)と、前記筒状体(70)の上端に設けられ、前記破断ナット(60)の前記第2ナット部(62)と係合する係合部(71)と、前記筒状体(70)の下端に設けられ、工具を装着するための工具装着部(75)と、有するアンカー施工具(2)に対し、前記吊りボルト(9)の他端を前記係合部(71)から前記筒状体(70)の内側に挿入し、前記破断ナット(60)の前記第2ナット部(62)を前記係合部(71)に係合させる第3工程と、天井スラブ(S)に設けられた下孔(7)に対し、前記アンカー(1)の前記固定部(3)を挿入する第4工程と、前記アンカー施工具(2)の前記工具装着部(75)に回転工具を装着して前記アンカー施工具(2)を回転させることにより、前記破断ナット(60)の前記第1ナット部(61)を前記ロングナット(50)に接合させると共に、前記アンカー(1)の前記軸部材(10)を回転させて前記固定部(3)を前記下孔(7)に固定する第5工程と、前記アンカー施工具(2)の回転を継続させることにより、前記破断ナット(60)の前記第2ナット部(62)に所定値以上のトルクを作用させ、前記破断部(63)を破断させる第6工程と、前記破断部(63)が破断した後、前記アンカー施工具(2)を前記吊りボルト(9)から引き抜く第7工程と、を有する構成である。
第8に、本発明は、上記第7の構成を有する施工方法において、前記アンカー(1)の前記軸部材(10)は、少なくとも先端部分に雄螺子(14)を有し、前記アンカー(1)の前記固定部(3)は、前記軸部材(10)に装着されるワッシャー(20)と、前記軸部材(10)を囲むように前記軸部材(10)に装着され、下端部が前記ワッシャー(20)と接合し、上部に前記軸部材(10)の外方向に拡張可能なように互いに分離された複数の拡張壁(33)を有する拡張部材(30)と、外形寸法が上端部から下端部に向かって漸次縮小し、内側に前記軸部材(10)に形成された前記雄螺子(14)と螺合する貫通螺子孔(44)を有し、下端部が前記拡張部材(30)の前記複数の拡張壁(33)の先端に嵌入した状態で前記軸部材(10)の前記雄螺子(14)に装着される拡幅部材(40)と、を備え、前記第4工程は、前記下孔(7)の周縁部に前記ワッシャー(20)が当接するまで前記固定部(3)を前記下孔(7)に挿入する工程であることを特徴とする構成である。
第9に、本発明は、上記第8の構成を有する施工方法において、前記第5工程は、前記アンカー(1)の前記軸部材(10)を回転させることにより、前記拡幅部材(40)を前記軸部材(10)に沿って前記拡張部材(30)の内側に向かって進行させ、前記拡張部材(30)の前記複数の拡張壁(33)を外側に拡張させて前記下孔(7)の内壁と係合させることにより、前記アンカー(1)を前記下孔(7)に固定する工程であることを特徴とする構成である。
本発明によれば、天井スラブに設けられた下孔に対してアンカーを固定する作業と、天井スラブに対する吊りボルトを垂下状態に取り付ける作業と、ダブルナット効果を得るためのナットの締め付け作業とを一連の作業として行うことができるようになるため、作業効率を向上させることが可能である。特に、本発明によれば、上記のような一連の作業を作業者が床面に居ながら行うことができるため、作業効率が著しく向上する。
アンカーの一構成例を示す図である。 破断ナットの構造を示す断面図である。 アンカーと吊りボルトとを組み付ける手順を示す図である。 アンカーに取り付けた吊りボルトをアンカー施工具に装着する例を示す図である。 アンカー施工具の構造を示す断面図である。 吊りボルトの取り付けられたアンカーがアンカー施工具に装着された状態を示す斜視図である。 吊りボルトの取り付けられたアンカーがアンカー施工具に装着された状態を示す断面図である。 アンカーの固定部を天井スラブの下孔へ挿入した状態の一部断面図である。 拡幅部材が複数の拡張壁の内側へ進入した状態を示す一部断面図である。 破断ナットの破断部が破断した状態を示す一部断面図及び拡大図である。 アンカー施工具を吊りボルトから引き抜く工程を示す一部断面図である。 施工が完了した状態を示す一部断面図である。 拡幅部材が軸部材の先端に一体的に設けられたアンカーを示す分解斜視図である。 図13のアンカーに吊りボルトが組み付けられた状態を示す斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態であるアンカー1の一構成例を示す図である。図1では、アンカー1の構成部材を分解した状態を示している。アンカー1は、軸部材10と、ワッシャー20と、拡張部材30と、拡幅部材40と、ロングナット50と、破断ナット60とを備えており、その上部が天井スラブSに設けられる下孔7に固定される固定部3として構成されると共に、下部が吊りボルト9を天井スラブSから垂下させた状態に支持する支持部4として構成される。
軸部材10は、例えば第1軸部11と第2軸部12とが同軸形成された部材である。第1軸部11は、第2軸部12よりも小径であり、ワッシャー20、拡張部材30及び拡幅部材40を装着可能な長さを有している。この第1軸部11の少なくとも先端側には雄螺子14が形成される。第2軸部12は、吊りボルト9と同径であり、ロングナット50の約半分の長さを有している。また第2軸部12の外周面には、軸方向の全体に亘って吊りボルト9の雄螺子9aと同じ雄螺子15が形成される。さらに軸部材10は、第1軸部11と第2軸部12との間に外方向に突出したフランジ部13を有している。
上記のような軸部材10の第1軸部11に対して、ワッシャー20と、拡張部材30と、拡幅部材40とが順に装着されることにより、フランジ部13よりも上側の部分が固定部3として構成される。また軸部材10の第2軸部12に対して、ロングナット50が装着され、そのロングナット50の下部に破断ナット60が取り付けられることにより、フランジ部13よりも下側の部分が支持部4として構成される。
ワッシャー20は、中心に第1軸部11を挿通可能な孔21が形成された円盤状の部材である。孔21の内径は、第1軸部11よりも大きく、フランジ部13の直径よりも小さい。したがって、ワッシャー20は、第1軸部11に装着されると、その下面がフランジ部13と接合した状態となる。言い換えると、フランジ部13は、ワッシャー20を受ける受け部材である。
拡張部材30は、第1軸部11よりも若干大きい内径を有する円筒状の筒状部材31によって構成され、第1軸部11を包囲するように軸部材10の外側に装着される。拡張部材30は、第1軸部11に装着されると、筒状部材31の下端部がワッシャー20の上面と接合する状態となる。また筒状部材31の上部には、第1軸部11の外方向に拡張変形可能なように、縦割り溝32によって互いに分離された複数の拡張壁33が設けられる。本実施形態では、筒状部材31の周方向に沿って等間隔で3つの縦割り溝32が設けられ、筒状部材31の上部に3つの拡張壁33が周方向に配置されたものを例示している。ただし、拡張壁33の数は、必ずしも3つに限られるものではない。また筒状部材31の上端部には、縦割り溝32に繋がるようにして切り欠いた切欠部34が設けられる。この切欠部34は、例えば筒状部材31の上端部を三角形状に切り欠き、その三角形の一つの頂点が縦割り溝32に繋がるように形成される。このような切欠部34が設けられることにより、拡張壁33の先端を外方向に拡開させ易くなる。
拡幅部材40は、外形寸法が上端部43から下端部42に向かって漸次縮小するように構成される。本実施形態の拡幅部材40は、コーンナット41によって構成され、下端部42の外径が上端部43の外径よりも小さくなるように形成される。この拡幅部材40は、コーンナット41の内側に第1軸部11に形成された雄螺子14と螺合する貫通螺子孔44を有している。そして拡幅部材40は、貫通螺子孔44に対して雄螺子14が挿入装着されることにより、下端部42が拡張部材30の複数の拡張壁33の先端に嵌入した状態となるように装着される。また拡幅部材40の下端部42には、縦方向に複数の溝42aが設けられている。これら複数の溝42aは、拡張壁33の内側と係合して周方向に摩擦力を生じさせるため、拡張壁33の内側で拡幅部材40が回転することを防止する作用を示す。また複数の溝42aは、軸部材10の軸方向に対し、拡幅部材40を拡張壁33の内側に向かってスムーズに案内する作用も示す。
ロングナット50は、例えば第2軸部12の2倍程度若しくはそれ以上の長さを有する六角ナット51によって構成され、その内側に上下方向に貫通する螺子孔52を有している。このロングナット50は、軸部材10の第2軸部12を螺子孔52に挿入することにより、軸部材10に取り付けられる。このとき、ロングナット50は、その端面が軸部材10のフランジ部13に接合した状態となるように締着される。ロングナット50が第2軸部12に対して強固な状態に取り付けられると、第2軸部12の先端は、ロングナット50の内側のほぼ中央に位置することになる。そしてロングナット50の下面側に開放される螺子孔52には、吊りボルト9が装着される。
破断ナット60は、第1ナット部61と、第2ナット部62とを有すると共に、それら第1ナット部61と第2ナット部62との間の中央位置に薄肉状の破断部63を有する構成である。図2は、破断ナット60の断面図である。図2に示すように破断ナット60は、第1ナット部61と第2ナット部62とが破断部63によって一体的に接続された構成を有する。第1ナット部61と第2ナット部62の外形は同じであり、例えば六角ナットの外形である。破断部63は、第1ナット部61及び第2ナット部62のほぼ中央の位置で周方向に沿って溝が形成されることにより、第1ナット部61と第2ナット部62とを繋ぐ薄肉の壁部63aとして構成される。
第1ナット部61の内側には、吊りボルト9と螺合する螺子孔64が設けられる。また第2ナット部62の内側には、螺子孔64よりも大径の孔65が形成され、この孔65には雌螺子は形成されない。したがって、破断ナット60が吊りボルト9に装着されると、第1ナット部61の内側に設けられた螺子孔64だけが吊りボルト9の雄螺子9aと螺合した状態となり、第2ナット部62の内側に設けられた孔65の内面は吊りボルト9の表面と接触しない。
このような破断ナット60は、後述する施工時において、第2ナット部62にアンカー施工具2が装着され、アンカー施工具2による回転トルクが第2ナット部62に対して作用する。第1ナット部61が吊りボルト9の軸方向に沿って螺合進行するときには、第2ナット部62に作用するトルクは、第1ナット部61にも伝搬する。そのため、第2ナット部62に作用するトルクが第1ナット部61を第2ナット部62と共に回転させ、第1ナット部61を吊りボルト9の軸方向に進行させる。これに対し、第1ナット部61が吊りボルト9の軸方向に沿って螺合進行しないときには、第2ナット部62に作用するトルクは、第1ナット部61を回転させることができず、破断部63の壁部63aに剪断応力を発生させる。そして第2ナット部62に作用するトルクが所定値を超えると、壁部63aに作用する剪断応力が限界値を超えるため、破断部63が破断する。つまり、破断ナット60は、破断部63を破断させることにより、第2ナット部62を第1ナット部61から分離させることができる構成である。破断部63が破断するトルクは、壁部63aの厚さtを変えることによって調整可能である。そのため、予め施工現場に求められる締着強度となるように壁部63aの厚さtを調整しておけば良い。
また破断ナット60は、第2ナット部62の下面に、赤色や黄色などの所定色の塗料を用いた着色66が施される。そのため、破断ナット60を下方から視たとき、下面が所定色であれば、破断部63が破断していないことを目視で確認できると共に、下面が所定色でなければ、破断部63が破断していることを目視で確認することができる。したがって、第2ナット部62の下面に着色66を施すことにより、アンカー1の施工状態を目視で確認できるという利点がある。
次に上記のようなアンカー1の施工方法について説明する。アンカー1を施工するとき、作業者は、図3に示すようにアンカー1と吊りボルト9とを組み付けた状態とする。すなわち、まず図3(a)に示すように、軸部材10の第2軸部12に対してロングナット50を装着すると共に、第1軸部11に対してワッシャー20、拡張部材30及び拡幅部材40を取り付ける。これにより、軸部材10に対し、固定部3と、支持部4とが形成される。
また図3(a)に示すように、作業者は、吊りボルト9に対して予め破断ナット60を取り付けておく。破断ナット60を吊りボルト9に取り付けるときには、第1ナット部61が吊りボルト9の先端側(上端側)を向くようにした状態で取り付ける。また作業者は、吊りボルト9の先端をロングナット50の下面の螺子孔52に装着するときに破断ナット60の第1ナット部61がロングナット50の下面と干渉しないように、吊りボルト9の先端からロングナット50の半分以上の長さとなる位置に破断ナット60を取り付けておくことが好ましい。
続いて作業者は、図3(a)において矢印F1で示すように、吊りボルト9の先端をロングナット50の下面に開放されている螺子孔52に挿入する。このとき、ロングナット50の内側において、吊りボルト9の先端が第2軸部12の先端と当接する状態となるまで吊りボルト9を深く挿入する。その結果、アンカー1と吊りボルト9は、図3(b)に示すような状態となる。つまり、吊りボルト9はその先端がアンカー1の下部のロングナット50に装着された状態となり、破断ナット60の第1ナット部61の上面とロングナット50の下面とが互いに対向した状態となる。その後、作業者は、破断ナット60を吊りボルト9の軸方向に沿って上方に移動させ、図3(c)に示すように、破断ナット60をロングナット50の近傍位置に設置する。尚、図3(c)では、破断ナット60とロングナット50とが互いに接触する位置まで移動させた状態を示しているが、これに限られず、破断ナット60とロングナット50との間に若干の隙間があっても構わない。以上で、アンカー1と吊りボルト9との組み付け作業が完了する。
次に作業者は、図4に示すように、アンカー1のロングナット50に取り付けた吊りボルト9をアンカー施工具2に装着する。図5は、アンカー施工具2の構造を示す断面図である。アンカー施工具2は、内側に吊りボルト9を収容可能な収容空間74を備えた長尺の筒状体70と、筒状体70の上端に設けられ、吊りボルト9を装着した状態のアンカー1の下部と係合する係合部71と、筒状体70の下端に設けられ、電動工具などを装着するための工具装着部75とを備えている。
筒状体70は、アンカー1のロングナット50に取り付けられた吊りボルト9よりも長く、例えば作業者が床面に居ながら天井スラブSに設けられた下孔に対してアンカー1を施工するのに十分な長さを有している。収容空間74は、その内径が吊りボルト9の外径よりも太く、吊りボルト9をスムーズに挿入することができる。この収容空間74の長さもまた、吊りボルト9よりも長く形成されている。
係合部71は、破断ナット60の第2ナット部62と係合するように構成され、その内側に第2ナット部62の外周面と係合する六角状の凹部72が形成されている。この凹部72の底部中央は、筒状体70の内側に形成された収容空間74に連通している。また凹部72の底部周縁は、第2ナット部62の下面と係合するフラットな底面73として構成され、その底面73によって第2ナット部62の下面が支持される。
また工具装着部75は、例えば筒状体70の下端に設けられた螺子部76と螺合して筒状体70の下端に装着される蓋部材77によって構成される。すなわち、工具装着部75は、蓋部材77の下面から下方に突出するように設けられ、例えば図4に示すように六角ナットと同様の形状を有している。そのため、工具装着部75には、電動工具などの工具を装着することができる。
図6は、アンカー施工具2に対し、吊りボルト9の取り付けられたアンカー1が装着された状態を示す斜視図である。また図7は、その状態における断面図である。図6及び図7に示すように、吊りボルト9の取り付けられたアンカー1がアンカー施工具2に装着されると、破断ナット60の第2ナット部62がアンカー施工具2の係合部71に係合した状態となる。このとき、破断ナット60の破断部63はアンカー施工具2の上端近傍に位置し、破断ナット60の第1ナット部61は係合部71と係合しない状態となる。すなわち、作業者は、破断ナット60の破断部63よりも下側の第2ナット部62に対してアンカー施工具2の係合部71を係合させるのである。このとき、吊りボルト9の下端9cは、図7に示すようにアンカー施工具2の収容空間74内にある。
また図7に示すようにロングナット50の上端部は、軸部材10のフランジ部13と接合するように第2軸部12の雄螺子15に対して強固に締め付けられている。さらに吊りボルト9はロングナット50の螺子孔52に対して深くねじ込まれており、その上端部9bは第2軸部12の下端と接触している。
上記のように吊りボルト9を取り付けたアンカー1に対してアンカー施工具2を装着すると、作業者は、アンカー施工具2の下部を支持した状態でアンカー施工具2の上部から突出した状態となるアンカー1の固定部3を天井スラブSに設けた下孔7へ挿入する。図8は、アンカー1の固定部3を天井スラブSの下孔7へ挿入した状態の一部断面図である。天井スラブSには、予めアンカー1の固定部3よりも深い下孔7が設けられている。この下孔7の内径は、アンカー1の固定部3の外径と同一若しくはそれよりも若干大きい径である。そのような下孔7に対してアンカー1の固定部3が挿入されるのである。このとき、作業者は、図8に示すようにワッシャー20が下孔7の周縁部における天井スラブSの下面6に当接するまで固定部3を深く下孔7に挿入する。この作業は、作業者が床面に居ながら行うことができる作業である。そしてアンカー1の固定部3が下孔7に対して深く挿入されると、拡幅部材40及び拡張部材30の少なくとも一部が下孔7の内壁と接触した状態となる。
その後、作業者は、アンカー施工具2の下端にある工具装着部75に対して電動工具などの工具を装着し、アンカー施工具2をR方向(右回り方向)に回転させる。この作業も、作業者が床面に居ながら行うことができる作業である。これにより、破断ナット60に対してR方向のトルクが発生し、破断ナット60は、吊りボルト9を軸方向に沿って上方へ移動する。そして破断ナット60の第1ナット部61は、ロングナット50と密に結合し、ダブルナット効果が生じる。このダブルナット効果により、ロングナット50と吊りボルト9と破断ナット60の第1ナット部61との三部材が強固に固定されることになり、吊りボルト9の抜け止め効果が得られる。
また破断ナット60の第1ナット部61がロングナット50と密に結合した後にも、作業者がアンカー施工具2の回転を継続させることにより、破断ナット60に作用するトルクがロングナット50にも伝わり、そのトルクがアンカー1の軸部材10をR方向に回転させる。その結果、拡幅部材40は、第1軸部11の雄螺子14の回転に伴い、軸部材10の軸方向に沿って下方へ移動し、拡張部材30の複数の拡張壁33の内側に向かって進行する。これに伴い、拡張部材30の複数の拡張壁33は、外方向へ拡張し、下孔7の内壁を内側から押圧するようになる。
図9は、拡幅部材40が複数の拡張壁33の内側へ進入した状態を示す図である。図9に示すように拡幅部材40が複数の拡張壁33の内側へ所定深さ進入すると、複数の拡張壁33のそれぞれが下孔7の内壁と強固に係合した状態となるため、アンカー1が下孔7に固定される。そして作業者がアンカー施工具2の回転を更に継続させていくと、アンカー1の固定強度が増加することに伴い、破断ナット60に作用するトルクが次第に上昇する。そして破断ナット60に作用するトルクが所定値を超えると、破断ナット60の破断部63が破断する。すなわち、アンカー1が下孔7に対して所定強度以上の強い強度で固定された状態になると破断部63が破断するのである。
図10は、破断ナット60の破断部63が破断した状態を示す図である。破断ナット60の破断部63が破断すると、図10において拡大図Aで示すように、第1ナット部61と第2ナット部62とが分断される。これにより、アンカー施工具2を回転させても、第1ナット部61は回転しなくなる。すなわち、破断部63が破断するとアンカー施工具2が空回りするので、作業者は、床面で作業を行いつつ、破断部63が破断したことを容易に把握することができる。
その後、作業者は、図11の矢印F2で示すようにアンカー施工具2を下方へ引き抜く。このとき、第2ナット部62は吊りボルト9と螺合していないため、アンカー施工具2が引き抜かれることに伴ってアンカー1から離脱する。これに対し、吊りボルト9は、ロングナット50と第1ナット部61とによって強固に固定されているため、天井スラブSから垂下した状態となって残る。そしてアンカー施工具2を取り除くと、図12に示すように、天井スラブSの下孔7に対してアンカー1が強固に固定され、且つ、吊りボルト9がアンカー1によって強固に支持された状態となって施工が完了する。
上記のようにして施工が完了すると、破断ナット60から第2ナット部62が取り除かれているため、例えば作業者や現場責任者が施工状態を確認するときにはアンカー1の下部に所定色の着色66が存在するか否かを確認すれば、容易に施工状態を把握することができる。すなわち、アンカー1の下部に所定色の着色66が残存していれば、破断ナット60が破断していないため、十分な強度でアンカー1が固定されていないことを把握することができる。これに対し、アンカー1の下部に所定色の着色66が残存していれば、アンカー1が十分な強度で固定されていることを把握することができる。したがって、本実施形態のアンカー1は、施工時の作業が簡単になるだけでなく、施工後に施工状態を確認する作業も簡単に行うことができるという利点がある。
以上のように、上述した施工方法は、第1ナット部61が吊りボルト9の先端側に向くようにした状態で破断ナット60を吊りボルト9に取り付ける第1工程と、アンカー1のロングナット50に対し、吊りボルト9の先端を装着する第2工程と、吊りボルト9の他端を、アンカー施工具2の係合部71から筒状体70の内側に挿入し、破断ナット60の第2ナット部62を係合部71に係合させる第3工程と、天井スラブSに設けられた下孔7に対してアンカー1の固定部3を挿入する第4工程と、アンカー施工具2の工具装着部75に工具を装着してアンカー施工具2を回転させることにより、破断ナット60の第1ナット部61をロングナット50に対して密に接合させてダブルナット効果を得ると共に、アンカー1の軸部材10を更に回転させて固定部3を下孔7に固定する第5工程と、アンカー施工具2の回転を更に継続させることにより、破断ナット60の第2ナット部62に所定値以上のトルクを作用させ、破断部63を破断させる第6工程と、破断部63が破断した後、アンカー施工具2を吊りボルト9から引き抜く第7工程と、を有している。
上記第1工程から第7工程の全ての作業は、作業者が床面に居ながら行える作業である。すなわち、上述した施工方法は、作業者に天井スラブS近傍での高所作業を行わせる必要のない工程で構成されるため、従来と比較して作業効率が著しく向上するという利点がある。特に、第1工程から第3工程までの作業を準備作業として床面で行えば、後の第4工程から第7工程までの作業を、作業者が床面に居ながらアンカー施工具2に対する一連の作業として行うことが可能であるため、作業効率が著しく向上する。
また上述した施工方法は、アンカー施工具2を用いることにより、アンカー1を下孔7に固定する工程と、ロングナット50と第1ナット部61によるダブルナット構造で吊りボルト9を強固にアンカー1に固定する工程とを一連の作業で同時に行うことができる方法である。このような施工方法は、作業者の熟練度などを要しないため、誰が作業を行っても均質な施工状態を得ることができるという利点もある。
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態において説明したものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。以下、いくつかの変形例について説明する。
(1)例えば上記実施形態では、軸部材10が第1軸部11と第2軸部12とフランジ部13とが一体的に形成されたものを例示した。しかし、それに限られるものではなく、第1軸部11と第2軸部12とフランジ部13とが予め別体として構成され、それらを組み付けることにより、上述した軸部材10が構成されるものであっても構わない。
(2)また上記実施形態では、軸部材10とロングナット50とが別部材である場合を例示したが、これに限られるものでもない。すなわち、軸部材10の下部に対して溶接などによって予めロングナット50が一体的に設けられたものであっても構わない。
(3)また上記実施形態では、軸部材10の第1軸部11と第2軸部12とが異径である場合を例示したが、これに限られるものではなく、同径であっても構わない。
(4)また上記実施形態では、軸部材10と拡幅部材40とが別部材として構成される場合を例示したが、軸部材10と拡幅部材40は一体構成されるものであっても構わない。図13は、拡幅部材40が軸部材10の先端(上端)に対して一体的に設けられたアンカー1aを示す分解斜視図である。アンカー1aの軸部材10は、上端に拡幅部材40が一体形成されており、下端から所定高さの位置まで吊りボルト9と同様の雄螺子18が設けられた構成である。そしてアンカー1aは、図13に示すように軸部材10の下端から拡張部材30及びワッシャー20が順に軸部材10に装着される。そしてワッシャー20の下面から下方に突出する軸部材10の下端部がロングナット50の螺子孔52に螺合して装着される。このとき、軸部材10の下端は、ロングナット50の中央位置よりも上側に位置するように装着される。
また吊りボルト9は、上記実施形態と同様に、ロングナット50の下面側の螺子孔52に対して挿入される。このとき、破断ナット60は、吊りボルト9に装着された状態である。そしてアンカー1aに吊りボルト9が組み付けられると、図14に示すような状態となる。このとき、吊りボルト9の先端は、例えばロングナット50のほぼ中央位置に位置するように装着され、軸部材10の下端とは接触しないようにロングナット50に装着される。言い換えると、図14の状態に組み付けられたとき、ロングナット50の内側において軸部材10の下端と吊りボルト9の上端との間に所定の間隔が生じるように吊りボルト9の装着が行われる。このようにして吊りボルト9が組み付けられたアンカー1aは、ワッシャー20よりも上部が天井スラブSの下孔7に固定される固定部3となり、ロングナット50よりも下部が吊りボルト9を支持する支持部4となる。
そしてアンカー1aを施工するときには、上記実施形態と同様に、アンカー施工具2の内側に吊りボルト9を挿入して破断ナット60の第2ナット部62を係合部72に係合させる。そして固定部3を天井スラブSの下孔7に挿入した状態で電動工具などを用いてアンカー施工具2を回転させる。これにより、破断ナット60の第1ナット部61とロングナット50とのダブルナット構成が実現される。そして更にアンカー施工具2を回転させることにより、ロングナット50は破断ナット60と共に回転するようになる。一方、軸部材10の上部に設けられる拡幅部材40は、その一部が下孔7の内壁や拡張部材30と接触しているため、ロングナット50が回転しても軸部材10は回転しない。そのため、ロングナット50の回転に伴い、軸部材10は、ロングナット50の螺子孔52を下方に向かって進行する。これに伴い、拡幅部材40も降下し、拡張部材30の複数の拡張壁33の内側に向かって進行する。その結果、複数の拡張壁33が外方向に拡張し、下孔7の内壁と係合することにより、アンカー1aが下孔7に固定される。その後の工程は、上述した工程と同様である。したがって、図13及び図14に示すようなアンカー1aであっても、上述した施工方法と同様の施工方法を適用することが可能であり、作業効率を向上させることができる。
1,1a アンカー
2 アンカー施工具
3 固定部
7 下孔
9 吊りボルト
10 軸部材
20 ワッシャー
30 拡張部材
40 拡幅部材
50 ロングナット
60 破断ナット
61 第1ナット部
62 第2ナット部
63 破断部
70 筒状体
71 係合部
72 工具装着部

Claims (9)

  1. 天井スラブに設けられた下孔に取り付けられ、吊りボルトを吊り下げた状態に支持するアンカーであって、
    軸部材と、
    前記軸部材の上部に設けられ、前記下孔に挿入された状態で前記下孔に固定される固定部と、
    前記軸部材の下部に設けられ、前記吊りボルトを下面から装着可能なロングナットと、
    前記吊りボルトと螺合する螺子孔を有する第1ナット部と、前記第1ナット部の下部に薄肉状の破断部を介して接続され、内側に前記吊りボルトの外径よりも大径の孔が形成された第2ナット部とを有する破断ナットと、
    を備え、
    前記破断ナットは、前記ロングナットの下面に装着される前記吊りボルトに対し、前記第1ナット部の上面が前記ロングナットの下面と接合可能なように取り付けられることを特徴とするアンカー。
  2. 前記破断ナットは、前記第2ナット部に作用するトルクが所定値以上になると、前記破断部を破断させることを特徴とする請求項1に記載のアンカー。
  3. 前記破断ナットは、前記第2ナット部の下面が着色されることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンカー。
  4. 前記軸部材は、少なくとも先端部分に雄螺子を有し、
    前記固定部は、
    前記軸部材に装着されるワッシャーと、
    前記軸部材を囲むように前記軸部材に装着され、下端部が前記ワッシャーと接合し、上部に前記軸部材の外方向に拡張可能なように互いに分離された複数の拡張壁を有する拡張部材と、
    外形寸法が上端部から下端部に向かって漸次縮小し、内側に前記軸部材に形成された前記雄螺子と螺合する貫通螺子孔を有し、下端部が前記拡張部材の前記複数の拡張壁の先端に嵌入した状態で前記軸部材の前記雄螺子に装着される拡幅部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアンカー。
  5. 内側に吊りボルトを収容可能であり、前記吊りボルトよりも長尺の筒状体と、
    前記筒状体の上端に設けられ、前記吊りボルトを装着した状態のアンカーの下部に設けられるナットと係合する係合部と、
    前記筒状体の下端に設けられ、工具を装着するための工具装着部と、
    を備えることを特徴とするアンカー施工具。
  6. 前記アンカーは、
    軸部材と、
    前記軸部材の上部に設けられ、天井スラブに設けられる下孔に挿入された状態で前記下孔に固定される固定部と、
    前記軸部材の下部に設けられ、前記吊りボルトを下面から装着可能なロングナットと、
    前記吊りボルトと螺合する螺子孔を有する第1ナット部と、前記第1ナット部の下部に薄肉状の破断部を介して接続され、内側に前記吊りボルトの外径よりも大径の孔が形成された第2ナット部とを有し、前記ロングナットの下面に装着される前記吊りボルトに対し、前記第1ナット部の上面が前記ロングナットの下面と対向するように取り付けられる破断ナットと、
    を備える構成であり、
    前記筒状体は、前記ロングナットに装着された前記吊りボルトを内側に収容し、
    前記係合部は、前記破断ナットの前記第2ナット部と係合することを特徴とする請求項5に記載のアンカー施工具。
  7. 吊りボルトと螺合する螺子孔を有する第1ナット部と、前記第1ナット部の下部に薄肉状の破断部を介して接続され、内側に前記吊りボルトの外径よりも大径の孔が形成された第2ナット部とを有する破断ナットを、前記第1ナット部が前記吊りボルトの先端側に向くようにした状態で前記吊りボルトに取り付ける第1工程と、
    軸部材の上部に、天井スラブに固定される固定部が設けられ、前記軸部材の下部に、ロングナットが設けられたアンカーの前記ロングナットに対し、前記吊りボルトの先端を装着する第2工程と、
    内側に前記吊りボルトを収容可能であり、前記吊りボルトよりも長尺の筒状体と、前記筒状体の上端に設けられ、前記破断ナットの前記第2ナット部と係合する係合部と、前記筒状体の下端に設けられ、工具を装着するための工具装着部と、有するアンカー施工具に対し、前記吊りボルトの他端を前記係合部から前記筒状体の内側に挿入し、前記破断ナットの前記第2ナット部を前記係合部に係合させる第3工程と、
    天井スラブに設けられた下孔に対し、前記アンカーの前記固定部を挿入する第4工程と、
    前記アンカー施工具の前記工具装着部に回転工具を装着して前記アンカー施工具を回転させることにより、前記破断ナットの前記第1ナット部を前記ロングナットに接合させると共に、前記アンカーの前記軸部材を回転させて前記固定部を前記下孔に固定する第5工程と、
    前記アンカー施工具の回転を継続させることにより、前記破断ナットの前記第2ナット部に所定値以上のトルクを作用させ、前記破断部を破断させる第6工程と、
    前記破断部が破断した後、前記アンカー施工具を前記吊りボルトから引き抜く第7工程と、
    を有する施工方法。
  8. 前記アンカーの前記軸部材は、少なくとも先端部分に雄螺子を有し、
    前記アンカーの前記固定部は、
    前記軸部材に装着されるワッシャーと、
    前記軸部材を囲むように前記軸部材に装着され、下端部が前記ワッシャーと接合し、上部に前記軸部材の外方向に拡張可能なように互いに分離された複数の拡張壁を有する拡張部材と、
    外形寸法が上端部から下端部に向かって漸次縮小し、内側に前記軸部材に形成された前記雄螺子と螺合する貫通螺子孔を有し、下端部が前記拡張部材の前記複数の拡張壁の先端に嵌入した状態で前記軸部材の前記雄螺子に装着される拡幅部材と、
    を備え、
    前記第4工程は、前記下孔の周縁部に前記ワッシャーが当接するまで前記固定部を前記下孔に挿入する工程であることを特徴とする請求項7に記載の施工方法。
  9. 前記第5工程は、前記アンカーの前記軸部材を回転させることにより、前記拡幅部材を前記軸部材に沿って前記拡張部材の内側に向かって進行させ、前記拡張部材の前記複数の拡張壁を外側に拡張させて前記下孔の内壁と係合させることにより、前記アンカーを前記下孔に固定する工程であることを特徴とする請求項8記載の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111271356A (zh) * 2020-03-16 2020-06-12 杨磊 一种反向膨胀螺栓

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