[go: up one dir, main page]

JP2017198774A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017198774A
JP2017198774A JP2016087682A JP2016087682A JP2017198774A JP 2017198774 A JP2017198774 A JP 2017198774A JP 2016087682 A JP2016087682 A JP 2016087682A JP 2016087682 A JP2016087682 A JP 2016087682A JP 2017198774 A JP2017198774 A JP 2017198774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
substrate
crystal layer
disposed
polarizing plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016087682A
Other languages
English (en)
Inventor
浩 戸塚
Hiroshi Totsuka
浩 戸塚
岩本 宜久
Nobuhisa Iwamoto
宜久 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stanley Electric Co Ltd filed Critical Stanley Electric Co Ltd
Priority to JP2016087682A priority Critical patent/JP2017198774A/ja
Priority to CN201710276813.7A priority patent/CN107340650A/zh
Publication of JP2017198774A publication Critical patent/JP2017198774A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/13363Birefringent elements, e.g. for optical compensation

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】表示品位の良好な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】第1、第2基板の外側に、クロスニコルに配置される第1、第2偏光板と、第2基板と第2偏光板の間に配置される、厚さ方向位相差が210nm〜230nmのCプレート、及び、厚さ方向位相差が430nm〜450nmの二軸フィルムと、第2偏光板の、第2基板とは反対側に配置される白色光源とを有し、垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、第1、第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、θは、θ以上、θ以下の角度であり、特定の式で表される、θ、θは、θ<θを満たす正の角度である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関する。
垂直配向型の液晶表示装置は、基板法線方向から観察したとき(正面観察時)の背景表示部(電圧無印加部)の光透過率が極めて低く、略クロスニコル配置された2枚の偏光板と同等の暗状態を実現可能である。また、負の二軸光学異方性を有する視角補償板等を用いることで、暗状態の視角特性を理想的に実現できる。このように優れた表示性能を有している。
図22は、垂直配向型液晶表示装置に搭載される垂直配向型液晶表示素子10を示す概略的な断面図である。
垂直配向型液晶表示素子10は、特定の間隔に離間して、略平行に対向配置された上側基板(コモン基板)11、下側基板(セグメント基板)12、及び両基板11、12間に配置された垂直配向液晶層13を含んで構成される。
上側基板11と下側基板12は、平面視上(Z軸正方向(基板11、12法線方向)から見たとき)、枠状に配置されるメインシール部14により接着される。垂直配向液晶層13は、メインシール部14の内側に配置される。
上側基板11は、(i)上側透明基板11a、(ii)上側透明基板11a上に形成された上側透明電極(コモン電極)11b、(iii)上側透明基板11a上及び上側透明電極11b上に形成された上側絶縁膜11c、(iv)上側絶縁膜11c上に形成された上側垂直配向膜11dを含む。同様に、下側基板12は、(i)下側透明基板12a、(ii)下側透明基板12a上に形成された下側透明電極(セグメント電極)12b、(iii)下側透明基板12a上及び下側透明電極12b上に形成された下側絶縁膜12c、(iv)下側絶縁膜12c上に形成された下側垂直配向膜12dを含む。
上側透明基板11a及び下側透明基板12aは、たとえばガラス基板である。上側透明電極11b及び下側透明電極12bは、たとえばITO(indium tin oxide)等の透明導電材料で形成される。
両電極11b、12bは、垂直配向液晶層13を挟んで、平面視上、互いに重なり合い、重なり合った領域に表示部(画素)を画定する。上側及び下側透明電極11b、12bは、たとえば特定の図柄、数字などを表示するセグメント表示部(画素)、またはドットマトリクス状の複数の矩形表示部(画素)を実現するようにパターン形成されている。
垂直配向液晶層13は、誘電率異方性が負の液晶材料を含んで構成される。垂直配向液晶層13内にはスペーサ13sが分散配置される。
下側基板12の端部は、上側基板11よりも外側に張り出しており、張り出した領域に外部取り出し端子部15が画定される。外部取り出し端子部15には、外部取り出し電極15bが配置される。外部取り出し電極15bは、下側透明電極12bと電気的に接続されている。
上側基板11の垂直配向液晶層13と反対側の面には、上側偏光板17が配置される。下側基板12の垂直配向液晶層13と反対側の面には、視角補償板16及び下側偏光板18がこの順に配置される。視角補償板16及び偏光板17、18は、粘着剤により基板11、12に固着される。上側及び下側偏光板17、18は、たとえばクロスニコルに配置される。視角補償板16は、たとえば斜め観察時における垂直配向液晶層13の位相差のずれを光学的に補償することにより、視角特性を改善する機能を有する。
図23は、垂直配向型液晶表示装置20を示す概略的な断面図である。
垂直配向型液晶表示装置20は、垂直配向型液晶表示素子10、駆動回路21、バックライトユニット22、及び、筐体(ハウジング、カバー等)23を含んで構成される。
駆動回路21は、たとえば垂直配向型液晶表示素子10の外部取り出し電極15bに電気的に接続され、垂直配向型液晶表示素子10の電極11b、12b間に電圧を印加して液晶表示素子10を駆動する。
バックライトユニット22は、たとえば白色光を出射するLED光源(バックライト)、導光板、拡散板、輝度向上フィルム等を含み、垂直配向型液晶表示素子10の下側偏光板18の下側(Z軸負方向側)に配置される。
垂直配向型液晶表示素子10、駆動回路21、及び、バックライトユニット22は、筐体23内の所定位置に固定され、一体化される。
なお、駆動回路21は、筐体23の外部に配置してもよい。
特に、駆動回路21がマルチプレックス駆動波形を出力するマルチプレックス駆動垂直配向型液晶表示装置20においては、走査線本数Nが多い場合、コントラスト及び明表示時の光透過率を高くするためには、電気光学特性における急峻性を高めなければならない。このため、垂直配向液晶層13のリタデーションΔnd(液晶材料の屈折率異方性(複屈折率)Δnと液晶層13の厚さdの積)を大きくする必要がある。リタデーションΔndを大きくするためには、液晶材料の屈折率異方性Δnを大きくしなければならない。しかし、液晶材料の屈折率異方性Δnが大きいと、液晶材料の屈折率の波長分散特性が、Δnが小さい場合に比べ、変化する傾向が見られる。また、視角補償板16には、負の一軸または二軸光学異方性を有する光学フィルム等を単数または複数用いることができるが、それらの配置態様や、用いる光学フィルムの種類により、視角特性そのもの、及び、斜め観察時の背景の色調が変化する。
たとえば液晶層のリタデーションΔnd≧550nmの範囲においては、正の一軸光学異方性を有するAプレートと負の一軸光学異方性を有するCプレートの組み合わせ、負の二軸光学異方性を有する二軸フィルムとCプレートの組み合わせ、複数枚の二軸フィルムの組み合わせ等を用いる視角補償方法が提案されている(たとえば特許文献1〜3参照)。
これらの視角補償方法は、たとえば斜め観察時における垂直配向液晶層13の位相差のずれを光学的に補償するが、補償は、全可視光波長域で理想的に行われるものではなく、特定の波長において実現される。
たとえば図24A及び図24Bに示すように、液晶層中央分子配向方位(液晶層の厚さ方向の中央に位置する液晶分子の配向方位)と直交し、かつ、クロスニコルに配置された各偏光板の吸収軸方位と45°をなす方位、たとえば3時方位(0°方位)の極角50°方向(基板法線方向より50°斜めに傾いた方向)から観察した場合に背景光透過率が最も低くなるよう設定した視角補償条件(以下、液晶層中央分子配向方位と直交し、かつ、クロスニコル偏光板の吸収軸方位と45°をなす方位の斜め方向から観察したときに、背景光透過率が最も低くなるよう設定した視角補償条件を「従来の理想的条件」とも称する。)においては、波長550nm近辺の光は完全に遮光されるが、短波長側の光の光抜け度合いが大きいため、背景表示状態が青色っぽく、または紫色っぽく観察される。
これを抑制するために、視角補償板の厚さ方向の位相差Rthに比し、液晶層のリタデーションΔndを相対的に小さくする方法が知られている(たとえば特許文献4参照)。しかし、この方法では、視角補償板の厚さ方向の位相差Rthを一定としたとき、液晶層のリタデーションΔndを小さく設定する必要があるため、電気光学特性における急峻性が劣化し、明表示時の光透過率が低下する傾向がある。また、液晶層のリタデーションΔndが小さい場合、Δndのばらつきに対する視角特性の変化が大きい傾向がある。
たとえば液晶層のリタデーションΔndの値を、従来の理想的条件におけるそれよりも小さくすることなく、少なくとも左右方位(3時−9時方位)において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置が求められる。
特許第4894036号公報 特許第4873553号公報 特許第4901541号公報 特開2008−83546号公報
本発明の目的は、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、第1電極を備える第1基板と、第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が210nm〜230nmのCプレート、及び、厚さ方向位相差が430nm〜450nmの二軸フィルムと、前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源とを有し、前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
で表される液晶表示装置が提供される。
本発明によれば、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することができる。
図1は、第1パネル構成を示す概略的な斜視図である。 図2は、第2パネル構成を示す概略的な斜視図である。 図3は、第3パネル構成を示す概略的な斜視図である。 図4A、図4Bは、それぞれ色度(x,y)が、x>0.31371、かつ、y>0.318411となる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。 図5Aは、計算された係数a、bの値を示す表であり、図5B及び図5Cは、計算結果を示すグラフである。 図6Aは、計算された係数a、bの値を示す表であり、図6B及び図6Cは、計算結果を示すグラフである。 図7Aは、各Re及びΔnd条件において、色度(x,y)が、x>0.31371、かつ、y>0.318411となる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θを示す表であり、図7Bは、図7Aの表から、アステリスクまたは米印が付された範囲を除外した表であり、図7Cは、液晶表示装置において、液晶表示素子を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ時計回り方向に回転させる場合に、好ましい下限値θ〜上限値θの範囲を示す表である。 図8Aは、実施例による液晶表示装置の表示領域を示す概略的な平面図であり、図8Bは、実施例による液晶表示装置の配置例を示す概略図であり、図8Cは、実施例による液晶表示装置における液晶層13中央分子配向方位、及び、偏光板17、18吸収軸方位を示す概略図である。 図9A、図9Bは、それぞれ色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。 図10A〜図10Dは、計算結果を示すグラフである。 図11Aは、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θを示す表であり、図11Bは、図11Aの表から、アステリスクまたは米印が付された範囲を除外した表であり、図11Cは、液晶表示装置において、液晶表示素子を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ時計回り方向に回転させる場合に、好ましい下限値θ〜上限値θの範囲を示す表である。 図12A、図12Bは、それぞれ色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。 図13A〜図13Dは、計算結果を示すグラフである。 図14Aは、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θを示す表であり、図14Bは、図14Aの表から、アステリスクまたは米印が付された範囲を除外した表であり、図14Cは、液晶表示装置において、液晶表示素子を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ時計回り方向に回転させる場合に、好ましい下限値θ〜上限値θの範囲を示す表である。 図15A、図15Bは、それぞれ色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。 図16A〜図16Dは、計算結果を示すグラフである。 図17Aは、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θを示す表であり、図17Bは、図17Aの表から、アステリスクまたは米印が付された範囲を除外した表である。 図18A、図18Bは、それぞれ色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。 図19A〜図19Dは、計算結果を示すグラフである。 図20Aは、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θを示す表であり、図20Bは、図20Aの表から、アステリスクまたは米印が付された範囲を除外した表であり、図20Cは、液晶表示装置において、液晶表示素子を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ時計回り方向に回転させる場合に、好ましい下限値θ〜上限値θの範囲を示す表である。 図21は、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θを示す表である。 図22は、垂直配向型液晶表示装置に搭載される垂直配向型液晶表示素子10を示す概略的な断面図である。 図23は、垂直配向型液晶表示装置20を示す概略的な断面図である。 図24A及び図24Bは、観察方向を示す概略図である。
本願発明者らは、垂直配向型液晶表示素子の複数のパネル構成における背景(電圧無印加時)の視角特性に関し、鋭意研究を行った。
図1〜図3は、モノドメイン垂直配向型液晶表示素子のパネル構成を示す概略的な斜視図である。
図1に第1パネル構成を示す。第1パネル構成は、たとえば図22に示す垂直配向型液晶表示素子10の視角補償板16を、下側基板12側から順に、Cプレート16a、二軸フィルム16bで形成したパネル構成に対応する。なお、3時、6時、9時、及び、12時方位は、図22のXY平面内に規定される。
第1パネル構成においては、上側偏光板17は、偏光板偏光層17a及びベースフィルム層17bを含んで構成される。同様に、下側偏光板18は、偏光板偏光層18a及びベースフィルム層18bを含んで構成される。
偏光板偏光層17a、18aは、たとえば色素またはヨウ素が吸着され、延伸加工されたポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol; PVA)で形成される。ベースフィルム層17b、18bには、たとえばトリアセチルセルロース(triacetylcellulose; TAC)で形成されたフィルム(TACフィルム)が用いられる。TACフィルムの面内位相差は、たとえば約5nm、厚さ方向の位相差は、たとえば約50nmである。
ベースフィルム層17b、18bの少なくとも一方が、シクロオレフィンポリマ(cyclo olefin polymer; COP)やアクリル樹脂で形成されていてもよい。COPやアクリル樹脂で形成されたベースフィルム層には、面内位相差及び厚さ方向の位相差は存在しない。
なお、偏光板17、18は、たとえば偏光板偏光層17a、18aと、それを挟む2枚のベースフィルム層により構成されるが、図1〜図3においては、基板11、12側のベースフィルム層17b、18bのみを示してある。
第1パネル構成においては、液晶層13中央分子配向方位は6時方位(270°方位)であり、たとえば電圧印加時、液晶層13の中央分子は6時方位に傾斜する。クロスニコル偏光板17、18は、吸収軸方位が、電圧印加時の液晶層13中央分子配向方位(6時方位)に対し、略45°の角度をなすように配置される。たとえば上側偏光板17(偏光板偏光層17a)の吸収軸方位は135°−315°方位であり、下側偏光板18(偏光板偏光層18a)の吸収軸方位は45°−225°方位である。また、ベースフィルム層17b、18b(TACフィルム)は、その面内遅相軸方位が、近接する偏光層17a、18aの吸収軸方位に平行となるように配置される。すなわち、たとえばベースフィルム層17bの面内遅相軸方位は135°−315°方位であり、ベースフィルム層18bの面内遅相軸方位は45°−225°方位である。
Cプレート16aは、理想的には面内位相差が0で、厚さ方向に位相差を備える光学異方性を有しているが、市販品、たとえば材質がCOPである二軸延伸フィルムの場合、7nm以下程度の面内位相差が存在することがある。その場合、Cプレート16aは、その面内遅相軸方位が、近接する偏光板17、18の吸収軸方位に対して平行となる、または直交するように配置される。第1パネル構成においては、Cプレート16aに面内位相差が存在する場合、その面内遅相軸方位を、近接する下側偏光板18の吸収軸方位(45°−225°方位)に直交させる。すなわち、Cプレート16aの面内遅相軸方位を135°−315°方位とする。なお、Cプレート16aは、面内遅相軸方位が45°−225°方位(近接する下側偏光板18の吸収軸方位と平行)となるように配置してもよい。
二軸フィルム16bは、その面内遅相軸方位が、近接する偏光板17、18の吸収軸方位に略直交するように配置される。第1パネル構成においては、二軸フィルム16bは、その面内遅相軸方位が、近接する下側偏光板18の吸収軸方位(45°−225°方位)と直交するように、すなわち、面内遅相軸方位が135°−315°方位となるように配置される。
第1パネル構成においては、二軸フィルム16bとその近接偏光層(偏光層18a)との間にベースフィルム層18bが配置されるが、ベースフィルム層18bを配置せず、二軸フィルム16bと偏光層18aを直接接着する構成とすることもできる。
また、第1パネル構成では、視角補償板16を、Cプレート16aと二軸フィルム16bの積層構造で構成したが、視角補償板16を二軸フィルム16bのみで構成することも可能である。
なお、図1に示すように、視角補償板16をCプレート16aと二軸フィルム16bの積層構造で構成する場合には、二軸フィルム16bを、近接する偏光板18に近い位置に配置することが好ましい。
図2は、第2パネル構成を示す概略的な斜視図である。第1パネル構成では、下側基板12と下側偏光板18の間に、Cプレート16a及び二軸フィルム16bを配置したが、第2パネル構成においては、上側基板11と上側偏光板17の間にCプレート16aを配置し、下側基板12と下側偏光板18の間に二軸フィルム16bを配置する。その他の点は、第1パネル構成と等しい。なお、Cプレート16aの面内遅相軸方位、及び、二軸フィルム16bの面内遅相軸方位は、第2パネル構成においても、ともに135°−315°方位である。
図3は、第3パネル構成を示す概略的な斜視図である。第3パネル構成においては、上側基板11と上側偏光板17の間に二軸フィルム16bを配置し、下側基板12と下側偏光板18の間にCプレート16aを配置する。なお、第3パネル構成においては、Cプレート16aの面内遅相軸方位、及び、二軸フィルム16bの面内遅相軸方位は、ともに45°−225°方位である。その他の点は、第1パネル構成と等しい。
第1〜第3パネル構成に共通して、Cプレート16aの厚さ方向位相差と二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は、一致している必要はなく、むしろ異なる値を示している方が、液晶層中央分子配向方位と直交し、かつ、クロスニコル偏光板の吸収軸方位と45°をなす方位から観察したときの明表示時表示状態が良好となる。たとえば第1パネル構成においては、観察傾斜角度(極角)が大きいと、光透過率が著しく高くなる傾向があるため、特に左右方位(3時−9時方位)斜め観察時の表示品位が重要視される場合は、両者を異なる値とすることが好ましい。
また、たとえば、第2、第3パネル構成においては、両者が一致している場合、液晶層中央分子配向方位と直交し、かつ、クロスニコル偏光板の吸収軸方位と45°をなす方位から観察したときの明表示時表示状態に着色が観察され、かつ、光透過率が低下する傾向がある。
このため、たとえば第1〜第3パネル構成においては、Cプレート16aの厚さ方向位相差と二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は、相互に異なる値とすることが好ましく、2:1以上の比率とすること(一方を他方の2倍以上とすること)が一層好ましい。たとえば、第2、第3パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が440nmのとき、Cプレート16aの厚さ方向位相差を220nm以下、または、880nm以上とすることが好ましい。
本願発明者らは、第1〜第3パネル構成等における背景(電圧無印加時)の視角特性に関し、シンテック株式会社製のシミュレータ LCD MASTER 8.7 1次元解析を用いて、シミュレーションを行った。シミュレーションにおいては、クロスニコル偏光板17、18として株式会社ポラテクノ製の偏光板SHC13Uを使用すること、及び、Cプレート16aと二軸フィルム16bの材質がCOPであることを想定した。更に、液晶層13のプレティルト角を89.85°とし、屈折率異方性Δnが0.15の液晶材料を用いる設定とした。更に、下側偏光板18の下側に、D65標準光源を配置する想定を行った。上側及び下側偏光板17、18の吸収軸方位、液晶層13中央分子配向方位、Cプレート16aの面内遅相軸方位、二軸フィルム16bの面内遅相軸方位等は、図1〜図3を参照して説明した通りである。
[第1シミュレーション及び第1実施例]
まず、第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を440nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を220nmとした第1シミュレーションについて説明する。
最初に、本願発明者らは、液晶層13中央分子配向方位(6時方位)と直交し、かつ、クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位と45°をなす方位、たとえば3時方位の極角60°方向から観察した場合に、背景光透過率が最も低くなる視角補償条件(従来の理想的条件)をシミュレーション解析した。その結果、二軸フィルム16bの面内位相差Re=45nm、液晶層13の厚さd=5.8μm、液晶層13のリタデーションΔnd=870nmという値が得られた。また、正面観察時の色度は、(x,y)=(0.31371,0.318411)であった。
次に、本願発明者らは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを様々に変化させ、正面から極角60°に傾けた際の背景光透過率(極角60°方向から観察される背景光透過率)の観察方位依存性を計算した。観察方位は、3時(0°)方位を基準とし、これとなす角度で表す。上側偏光板17側(Z軸正方向)から見て、観察方位が、3時方位から反時計回り方向であるとき正の角度、3時方位から時計回り方向であるとき負の角度とした。
更に、背景光透過率の観察方位依存性の計算結果から、従来の理想的条件における正面観察時色度(x,y)=(0.31371,0.318411)よりも色度が大きくなる範囲、すなわち、色度(x,y)が、x>0.31371、かつ、y>0.318411となる観察方位範囲を算出した。なお、色度が大きくなることは、黄味を帯びることに対応する。
図4A、図4Bは、それぞれ色度(x,y)が、x>0.31371、かつ、y>0.318411となる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。両グラフの横軸は、二軸フィルム16bの面内位相差Reを、単位「nm」で表す。図4Aに示すグラフの縦軸は、色度(x,y)が、x>0.31371、かつ、y>0.318411となる観察方位範囲の下限値を、単位「°」で表し、図4Bに示すグラフの縦軸は、当該観察方位範囲の上限値を、単位「°」で表す。両グラフとも、液晶層13のリタデーションΔndをパラメータとして示してある。たとえば三角形のプロットで、Δnd=840nmのときの二軸フィルム16bの面内位相差Reと観察方位範囲の下限値、上限値の関係を示す。
図4Aに示す下限値以上、図4Bに示す上限値以下の観察方位範囲における極角60°方向からの観察で、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも背景の色度が大きくなる。たとえば、液晶層13のリタデーションΔnd=900nm、二軸フィルム16bの面内位相差Re=40nmのとき、3時方位から反時計回り方向に3°から18°の範囲の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を見ると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度の大きい背景色調が観察される。
図4A及び図4Bから、観察方位範囲の下限値、上限値と面内位相差Reの間には、各Δnd条件において、線形関係があると考えられる。そこで、まず、観察方位範囲の下限値(図4A)につき、各Δnd条件において、プロットされた下限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図5Aは、計算された係数a、bの値を示す表である。この表に基づき、図5Bには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=840nm、855nm、870nm、885nm、900nm、915nm、930nm、945nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図5Cには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=840nm、855nm、870nm、885nm、900nm、915nm、930nm、945nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図5B、図5Cの各々において、プロットは、2次関数モデル(図5Bの場合は、a=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ、図5Cの場合は、b=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ)によりカーブフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図5Bにおいては、α=4×10−5、β=−0.0718、γ=35.349、図5Cにおいては、α=−0.0027、β=5.2384、γ=−2574という結果が得られた。すなわち、色度(x,y)が、x>0.31371、かつ、y>0.318411となる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(1)
で表されることがわかった。
観察方位範囲の上限値θ(図4B)についても、同様の計算を行った。
図4Bにおいて、各Δnd条件につき、プロットされた上限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図6Aは、計算された係数a、bの値を示す表である。この表に基づき、図6Bには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=840nm、855nm、870nm、885nm、900nm、930nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図6Cには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=840nm、855nm、870nm、885nm、900nm、930nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図6B、図6Cの各々において、プロットは、2次関数モデル(図6Bの場合は、a=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ、図6Cの場合は、b=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ)によりカーブフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図6Bにおいては、α=−3×10−5、β=0.0429、γ=−16.797、図6Cにおいては、α=0.0016、β=−2.4103、γ=923.85という結果が得られた。すなわち、色度(x,y)が、x>0.31371、かつ、y>0.318411となる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の上限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(2)
で表されることがわかった。
下限値をθとし上限値をθとする観察方位範囲、及び、Re、Δnd条件においては、極角60°観察時、短波長成分を多くは含まないニュートラル〜ブラウン系の背景色調が観察される。
本願発明者らは、更に検討を続けた。
図7Aは、各Re及びΔnd条件において、色度(x,y)が、x>0.31371、かつ、y>0.318411となる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θをあらためて示す表である。
上述したように、第1シミュレーションのパネル構成における従来の理想的条件は、二軸フィルム16bの面内位相差Re=45nm、液晶層13のリタデーションΔnd=870nmである。また、「背景技術」で説明したように、液晶層13のリタデーションΔndを小さくすると、たとえば電気光学特性における急峻性が劣化し、明表示時の光透過率が低下したり、Δndのばらつきに対する視角特性の変化が大きくなったりする傾向があるため、液晶層13のリタデーションΔndを従来の理想的条件よりも小さくしないという要求がある。
図7Aの表には、液晶層13のリタデーションΔndが従来の理想的条件よりも小さくなる下限値θ〜上限値θの範囲にアステリスク(*)を付した。
更に、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む範囲のRe及びΔnd条件をもつ従来の液晶表示装置は、3時方位の極角60°方向から観察したときの色度が、正面観察時の色度よりも大きく、「背景技術」で述べた「少なくとも左右方位(3時−9時方位)において、・・背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置」であるといえる。すなわち、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む範囲は、従来の液晶表示装置の構成を含む範囲であるとも考えられる。
図7Aの表には、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む観察方位範囲(*が付された範囲を除く。)に米印(※)を付した。
図7Bは、図7Aの表から、アステリスク(*)または米印(※)が付された範囲を除外した表である。
下限値θ及び上限値θがともに正の値となることがわかる。
たとえば第1シミュレーションのパネル構成において、本表に示される各Re、Δnd条件を適用し、対応する観察方位(下限値θ以上、上限値θ以下の観察方位)の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を観察すると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きい背景色調が観察される。また、適用されるΔndは、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上の値をもつ。
このため、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させることにより、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、「少なくとも左右方位(3時−9時方位)において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置」を実現可能である。
ここで、下限値θは、正の値であり、以下の式(1)で表される。
また、上限値θは、θ<θを満たす正の値であり、以下の式(2)で表される。
図7Cは、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させる場合に、好ましい下限値θ〜上限値θの範囲を示す表である。本表は、図7Bの表に示される上限値θの値が25°を超える場合に、上限値θを25°に変更することで作成し、上限値θを25°とした欄にシャープ(#)を付した。
たとえばモノドメイン配向の垂直配向型液晶表示素子を25°を超える範囲で回転させた場合、明表示の左右観察時に光透過率の非対称性が著しく現れることが想定される。このため、上限値θの値が25°を超える場合には、上限値θを25°とする(回転角度を25°以下とする)ことで、表示品位を向上させることができる。
第1シミュレーションでは、第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を440nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を220nmとしたが、第2パネル構成、第3パネル構成において、それぞれ二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を440nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を220nmとした場合も、ほぼ同等の結果が得られることがわかった。
第1シミュレーション等で得られた知見に基づき、たとえば次のような液晶表示装置を第1実施例による液晶表示装置とすることができる。
第1実施例による液晶表示装置は、たとえば図23に示す構成を備える。たとえば、垂直配向型液晶表示素子10、液晶表示素子10の電極11b、12b間に電圧を印加し、一例として液晶表示素子10をマルチプレックス駆動する駆動回路21、及び、液晶表示素子10の下側偏光板18の下側に配置される白色光源(バックライトユニット22)を含む。
垂直配向型液晶表示素子10は、たとえばモノドメイン配向の液晶表示素子であり、図22に示す構成を有する。たとえば、上側透明電極11bを備える上側基板11と、下側透明電極12bを備え、上側基板11に略平行に対向配置される下側基板12と、両基板11、12間に配置される垂直配向液晶層13とを含んで構成される。
上側基板11の垂直配向液晶層13と反対側の面には、上側偏光板17が配置される。下側基板12の垂直配向液晶層13と反対側の面には、視角補償板16及び下側偏光板18がこの順に配置される。上側及び下側偏光板17、18は、クロスニコルに配置される。視角補償板16は、たとえば下側基板12側から順に、Cプレート16a、二軸フィルム16bの積層構造で構成される。Cプレート16aの厚さ方向位相差は220nmであり、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は440nmである。
両電極11b、12bは、平面視上、互いに重なり合った領域に表示部(画素)を画定する。画素を用いて、表示を行う領域が表示領域である。液晶表示素子10の表示領域(表示面)は、上側基板11側に規定される。
第1実施例による液晶表示装置は、第1パネル構成(図1参照)の液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置である。下限値θ、上限値θは、ともに正の角度であり、θ<θを満たす。また、下限値θ、上限値θは、以下の式(1)、(2)で表される。なお、θ、θ、及び、θの単位は、すべて「°」である。
図8Aに、第1実施例による液晶表示装置の表示領域(表示面)を示す。表示領域の縦方向は12時−6時方位(上方向が12時方位、下方向が6時方位)であり、横方向は3時−9時方位(右方向が3時方位、左方向が9時方位)である。
図8Bに示すように、第1実施例による液晶表示装置は、たとえば自動車内の運転席31と助手席32の間のコンソール(HVACの表示部)に配置される。
図8Cに、第1実施例による液晶表示装置における液晶層13中央分子配向方位、及び、偏光板17、18吸収軸方位を示す。
第1実施例による液晶表示装置においては、液晶層13中央分子配向方位は(270−θ)°方位であり、表示領域の右方向(3時方位)から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向である。クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位は、液晶層13中央分子配向方位と45°の角度をなす方位であり、たとえば上側偏光板17吸収軸方位は、(135−θ)°−(315−θ)°方位、下側偏光板18吸収軸方位は、(45−θ)°−(225−θ)°方位である。
第1実施例による液晶表示装置は、良好な表示品位を有する液晶表示装置である。たとえば従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、少なくとも左右方位(3時−9時方位)の60°斜め観察において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置である。たとえば左右方位において、ブラウン系の背景色調を実現することができる。
なお、角度θは、25°以下であることが好ましい。θを25°以下とすることで、明表示時の左右方位における光透過率の非対称性の現出を抑止することができる。
第1実施例による液晶表示装置においては、液晶層13中央分子配向方位を、表示領域の右方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としたが、表示領域の右方向に限らず、背景色調の青味を低減したい第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としてもよい。
また、第1パネル構成(図1参照)の液晶表示素子(下側基板12と下側偏光板18の間にCプレート16a及び二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置だけでなく、第2パネル構成(図2参照)の液晶表示素子(上側基板11と上側偏光板17の間にCプレート16aを配置し、下側基板12と下側偏光板18の間に二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)、第3パネル構成(図3参照)の液晶表示素子(上側基板11と上側偏光板17の間に二軸フィルム16bを配置し、下側基板12と下側偏光板18の間にCプレート16aを配置する液晶表示素子)を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置とすることもできる。
更に、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は、440nm±10nmの範囲(430nm〜450nm)、Cプレート16aの厚さ方向位相差は、220nm±10nmの範囲(210nm〜230nm)でもよい。二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が440nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差が220nmの場合と同様の効果が奏されるであろう。
本願発明者らは、第1シミュレーションと同様に、第2〜第6シミュレーションを行った。
[第2シミュレーション及び第2実施例]
第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を220nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を440nmとした第2シミュレーションについて説明する。
最初に、液晶層13中央分子配向方位(6時方位)と直交し、かつ、クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位と45°をなす方位、たとえば3時方位の極角60°方向から観察した場合に、背景光透過率が最も低くなる視角補償条件(従来の理想的条件)をシミュレーション解析した。その結果、二軸フィルム16bの面内位相差Re=50nm、液晶層13のリタデーションΔnd=870nmという値が得られた。
次に、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを様々に変化させ、正面から極角60°に傾けた際の背景光透過率(極角60°方向から観察される背景光透過率)の観察方位依存性を計算した。観察方位は、3時(0°)方位を基準とし、これとなす角度で表す。上側偏光板17側(Z軸正方向)から見て、観察方位が、3時方位から反時計回り方向であるとき正の角度、3時方位から時計回り方向であるとき負の角度とした。
更に、背景光透過率の観察方位依存性の計算結果から、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きくなる観察方位範囲を算出した。
図9A、図9Bは、それぞれ色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。両グラフの横軸は、二軸フィルム16bの面内位相差Reを、単位「nm」で表す。図9Aに示すグラフの縦軸は、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値を、単位「°」で表し、図9Bに示すグラフの縦軸は、当該観察方位範囲の上限値を、単位「°」で表す。両グラフとも、液晶層13のリタデーションΔndをパラメータとして示してある。たとえば三角形のプロットで、Δnd=915nmのときの二軸フィルム16bの面内位相差Reと観察方位範囲の下限値、上限値の関係を示す。
図9Aに示す下限値以上、図9Bに示す上限値以下の観察方位範囲における極角60°方向からの観察で、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも背景の色度が大きくなる。たとえば、液晶層13のリタデーションΔnd=915nm、二軸フィルム16bの面内位相差Re=40nmのとき、3時方位から反時計回り方向に4°から83°の範囲の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を見ると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度の大きい背景色調が観察される。
図9A及び図9Bから、観察方位範囲の下限値、上限値と面内位相差Reの間には、各Δnd条件において、線形関係があると考えられる。そこで、まず、観察方位範囲の下限値(図9A)につき、各Δnd条件において、プロットされた下限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図10A及び図10Bに計算結果を示す。図10Aには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=885nm、900nm、915nm、930nm、945nm、960nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図10Bには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=885nm、900nm、915nm、930nm、945nm、960nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図10A、図10Bの各々において、プロットは、線形モデル(図10Aの場合は、a=α×(Δnd)+β、図10Bの場合は、b=α×(Δnd)+β)によりフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図10Aにおいては、α=−0.0131、β=13.208、図10Bにおいては、α=0.8375、β=−811.17という結果が得られた。すなわち、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(3)
で表されることがわかった。
観察方位範囲の上限値θ(図9B)についても、同様の計算を行った。
図9Bにおいて、各Δnd条件につき、プロットされた上限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図10C及び図10Dに計算結果を示す。図10Cには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=900nm、915nm、930nm、945nm、960nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図10Dには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=900nm、915nm、930nm、945nm、960nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図10C、図10Dの各々において、プロットは、線形モデル(図10Cの場合は、a=α×(Δnd)+β、図10Dの場合は、b=α×(Δnd)+β)によりフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図10Cにおいては、α=0.0107、β=−10.94、図10Dにおいては、α=−0.6622、β=736.51という結果が得られた。すなわち、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の上限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(4)
で表されることがわかった。
下限値をθとし上限値をθとする観察方位範囲、及び、Re、Δnd条件においては、極角60°観察時、短波長成分を多くは含まないニュートラル〜ブラウン系の背景色調が観察される。
本願発明者らは、更に検討を続けた。
図11Aは、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θをあらためて示す表である。
上述したように、第2シミュレーションのパネル構成における従来の理想的条件は、二軸フィルム16bの面内位相差Re=50nm、液晶層13のリタデーションΔnd=870nmである。また、「背景技術」で説明したように、液晶層13のリタデーションΔndを従来の理想的条件よりも小さくしないという要求がある。
図11Aの表には、液晶層13のリタデーションΔndが従来の理想的条件よりも小さくなる下限値θ〜上限値θの範囲にアステリスク(*)を付した。
更に、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む範囲は、従来の液晶表示装置の構成を含む範囲であるとも考えられる。
図11Aの表には、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む観察方位範囲(*が付された範囲を除く。)に米印(※)を付した。
図11Bは、図11Aの表から、アステリスク(*)または米印(※)が付された範囲を除外した表である。
下限値θ及び上限値θがともに正の値となることがわかる。
たとえば第2シミュレーションのパネル構成において、本表に示される各Re、Δnd条件を適用し、対応する観察方位(下限値θ以上、上限値θ以下の観察方位)の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を観察すると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きい背景色調が観察される。また、適用されるΔndは、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上の値をもつ。
このため、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させることにより、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、「少なくとも左右方位(3時−9時方位)において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置」を実現可能である。
ここで、下限値θは、正の値であり、以下の式(3)で表される。
また、上限値θは、θ<θを満たす正の値であり、以下の式(4)で表される。
なお、図7Bと図11Bを比較参照すると、第2シミュレーションの条件(二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は220nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差は440nm、従来の理想的条件におけるReは50nm)では、第1シミュレーションの条件(二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は440nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差は220nm、従来の理想的条件におけるReは45nm)に比べ、左右方位において背景表示状態の青味が低減される条件が、従来の理想的条件におけるReを基準に、低い領域にシフトしていることがわかる。
図11Cは、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させる場合に、好ましい下限値θ〜上限値θの範囲を示す表である。本表は、図11Bの表に示される上限値θの値が25°を超える場合に、上限値θを25°に変更することで作成し、上限値θを25°とした欄にシャープ(#)を付した。
たとえばモノドメイン配向の垂直配向型液晶表示素子を25°を超える範囲で回転させた場合、明表示の左右観察時に光透過率の非対称性が著しく現れることが想定される。このため、上限値θの値が25°を超える場合には、上限値θを25°とする(回転角度を25°以下とする)ことで、表示品位を向上させることができる。
第2シミュレーションでは、第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を220nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を440nmとしたが、第2パネル構成、第3パネル構成において、それぞれ二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を220nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を440nmとした場合も、ほぼ同等の結果が得られることがわかった。
第2シミュレーション等で得られた知見に基づき、たとえば次のような液晶表示装置を第2実施例による液晶表示装置とすることができる。
第2実施例による液晶表示装置も、第1実施例による液晶表示装置と同様に、第1パネル構成(図1参照)の液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置である。下限値θ、上限値θは、ともに正の角度であり、θ<θを満たす。ここで、θ、θ、及び、θの単位は、すべて「°」である。
第2実施例による液晶表示装置は、Cプレート16aの厚さ方向位相差が440nmであり、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が220nmである点で、第1実施例による液晶表示装置と異なる。
また、下限値θ、上限値θが、以下の式(3)、(4)で表される点で、第1実施例による液晶表示装置と異なる。
他の点は、第1実施例による液晶表示装置と同様である。
第2実施例による液晶表示装置の表示領域(表示面)も、たとえば上方向が12時方位、下方向が6時方位、右方向が3時方位、左方向が9時方位である。また、第2実施例による液晶表示装置も、たとえば自動車内の運転席と助手席の間のコンソールに配置される。
更に、第2実施例による液晶表示装置においても、液晶層13中央分子配向方位は(270−θ)°方位であり、表示領域の右方向(3時方位)から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向である。クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位は、液晶層13中央分子配向方位と45°の角度をなす方位であり、たとえば上側偏光板17吸収軸方位は、(135−θ)°−(315−θ)°方位、下側偏光板18吸収軸方位は、(45−θ)°−(225−θ)°方位である。
第2実施例による液晶表示装置も、良好な表示品位を有する液晶表示装置である。たとえば従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、少なくとも左右方位(3時−9時方位)の60°斜め観察において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置である。たとえば左右方位において、ブラウン系の背景色調を実現することができる。
なお、角度θは、25°以下であることが好ましい。θを25°以下とすることで、明表示時の左右方位における光透過率の非対称性の現出を抑止することができる。
第2実施例による液晶表示装置においては、液晶層13中央分子配向方位を、表示領域の右方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としたが、表示領域の右方向に限らず、背景色調の青味を低減したい第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としてもよい。
また、第1パネル構成(図1参照)の液晶表示素子(下側基板12と下側偏光板18の間にCプレート16a及び二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置だけでなく、第2パネル構成(図2参照)の液晶表示素子(上側基板11と上側偏光板17の間にCプレート16aを配置し、下側基板12と下側偏光板18の間に二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)、第3パネル構成(図3参照)の液晶表示素子(上側基板11と上側偏光板17の間に二軸フィルム16bを配置し、下側基板12と下側偏光板18の間にCプレート16aを配置する液晶表示素子)を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置とすることもできる。
更に、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は、220nm±10nmの範囲(210nm〜230nm)、Cプレート16aの厚さ方向位相差は、440nm±10nmの範囲(430nm〜450nm)でもよい。二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が220nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差が440nmの場合と同様の効果が奏されるであろう。
[第3シミュレーション及び第3実施例]
第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を125nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を535nmとした第3シミュレーションについて説明する。
最初に、液晶層13中央分子配向方位(6時方位)と直交し、かつ、クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位と45°をなす方位、たとえば3時方位の極角60°方向から観察した場合に、背景光透過率が最も低くなる視角補償条件(従来の理想的条件)をシミュレーション解析した。その結果、二軸フィルム16bの面内位相差Re=65nm、液晶層13のリタデーションΔnd=870nmという値が得られた。
次に、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを様々に変化させ、正面から極角60°に傾けた際の背景光透過率(極角60°方向から観察される背景光透過率)の観察方位依存性を計算した。観察方位は、3時(0°)方位を基準とし、これとなす角度で表す。上側偏光板17側(Z軸正方向)から見て、観察方位が、3時方位から反時計回り方向であるとき正の角度、3時方位から時計回り方向であるとき負の角度とした。
更に、背景光透過率の観察方位依存性の計算結果から、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きくなる観察方位範囲を算出した。
図12A、図12Bは、それぞれ色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。両グラフの横軸は、二軸フィルム16bの面内位相差Reを、単位「nm」で表す。図12Aに示すグラフの縦軸は、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値を、単位「°」で表し、図12Bに示すグラフの縦軸は、当該観察方位範囲の上限値を、単位「°」で表す。両グラフとも、液晶層13のリタデーションΔndをパラメータとして示してある。たとえば三角形のプロットで、Δnd=900nmのときの二軸フィルム16bの面内位相差Reと観察方位範囲の下限値、上限値の関係を示す。
図12Aに示す下限値以上、図12Bに示す上限値以下の観察方位範囲における極角60°方向からの観察で、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも背景の色度が大きくなる。たとえば、液晶層13のリタデーションΔnd=900nm、二軸フィルム16bの面内位相差Re=55nmのとき、3時方位から反時計回り方向に7°から77°の範囲の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を見ると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度の大きい背景色調が観察される。
図12A及び図12Bから、観察方位範囲の下限値、上限値と面内位相差Reの間には、各Δnd条件において、線形関係があると考えられる。そこで、まず、観察方位範囲の下限値(図12A)につき、各Δnd条件において、プロットされた下限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図13A及び図13Bに計算結果を示す。図13Aには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=885nm、900nm、915nm、930nm、945nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図13Bには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=885nm、900nm、915nm、930nm、945nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図13A、図13Bの各々において、プロットは、2次関数モデル(図13Aの場合は、a=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ、図13Bの場合は、b=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ)によりカーブフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図13Aにおいては、α=−0.0004、β=0.7479、γ=−336.65、図13Bにおいては、α=0.016、β=−28.45、γ=12507という結果が得られた。すなわち、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(5)
で表されることがわかった。
観察方位範囲の上限値θ(図12B)についても、同様の計算を行った。
図12Bにおいて、各Δnd条件につき、プロットされた上限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図13C及び図13Dに計算結果を示す。図13Cには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=900nm、915nm、930nm、945nm、960nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図13Dには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=900nm、915nm、930nm、945nm、960nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図13C、図13Dの各々において、プロットは、2次関数モデル(図13Cの場合は、a=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ、図13Dの場合は、b=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ)によりカーブフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図13Cにおいては、α=−0.0003、β=0.5057、γ=−252.72、図13Dにおいては、α=0.0177、β=−34.918、γ=17369という結果が得られた。すなわち、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の上限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(6)
で表されることがわかった。
下限値をθとし上限値をθとする観察方位範囲、及び、Re、Δnd条件においては、極角60°観察時、短波長成分を多くは含まないニュートラル〜ブラウン系の背景色調が観察される。
本願発明者らは、更に検討を続けた。
図14Aは、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θをあらためて示す表である。
上述したように、第3シミュレーションのパネル構成における従来の理想的条件は、二軸フィルム16bの面内位相差Re=65nm、液晶層13のリタデーションΔnd=870nmである。また、「背景技術」で説明したように、液晶層13のリタデーションΔndを従来の理想的条件よりも小さくしないという要求がある。
図14Aの表には、液晶層13のリタデーションΔndが従来の理想的条件よりも小さくなる下限値θ〜上限値θの範囲にアステリスク(*)を付した。
更に、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む範囲は、従来の液晶表示装置の構成を含む範囲であるとも考えられる。
図14Aの表には、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む観察方位範囲(*が付された範囲を除く。)に米印(※)を付した。
図14Bは、図14Aの表から、アステリスク(*)または米印(※)が付された範囲を除外した表である。
下限値θ及び上限値θがともに正の値となることがわかる。
たとえば第3シミュレーションのパネル構成において、本表に示される各Re、Δnd条件を適用し、対応する観察方位(下限値θ以上、上限値θ以下の観察方位)の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を観察すると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きい背景色調が観察される。また、適用されるΔndは、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上の値をもつ。
このため、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させることにより、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、「少なくとも左右方位(3時−9時方位)において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置」を実現可能である。
ここで、下限値θは、正の値であり、以下の式(5)で表される。
また、上限値θは、θ<θを満たす正の値であり、以下の式(6)で表される。
図14Cは、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させる場合に、好ましい下限値θ〜上限値θの範囲を示す表である。本表は、図14Bの表に示される上限値θの値が25°を超える場合(下限値θの値は25°を超えない場合)に、上限値θを25°に変更することで作成し、上限値θを25°とした欄にシャープ(#)を付した。また、下限値θの値が25°を超える場合は、下限値θ及び上限値θの欄に取り消し線を付した。
たとえばモノドメイン配向の垂直配向型液晶表示素子を25°を超える範囲で回転させた場合、明表示の左右観察時に光透過率の非対称性が著しく現れることが想定される。このため、上限値θの値が25°を超える場合(下限値θの値は25°を超えない場合)には、上限値θを25°とする(回転角度を25°以下とする)ことで、表示品位を向上させることができる。なお、下限値θの値が25°を超える場合は、回転角度を25°以下とすることはできないため、これを好ましい下限値θ〜上限値θの範囲から除外する。
図7Cと図14Cを比較参照すると、従来の理想的条件におけるReを基準に見たとき、第3シミュレーションの条件(二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は125nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差は535nm、従来の理想的条件におけるReは65nm)では、第1シミュレーションの条件(二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は440nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差は220nm、従来の理想的条件におけるReは45nm)に比べ、Δndを設定できる範囲、及び、回転角度設定のマージンが狭いことがわかる。
第3シミュレーションでは、第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を125nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を535nmとしたが、第2パネル構成、第3パネル構成において、それぞれ二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を125nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を535nmとした場合も、ほぼ同等の結果が得られることがわかった。
第3シミュレーション等で得られた知見に基づき、たとえば次のような液晶表示装置を第3実施例による液晶表示装置とすることができる。
第3実施例による液晶表示装置も、第1実施例による液晶表示装置と同様に、第1パネル構成(図1参照)の液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置である。下限値θ、上限値θは、ともに正の角度であり、θ<θを満たす。ここで、θ、θ、及び、θの単位は、すべて「°」である。
第3実施例による液晶表示装置は、Cプレート16aの厚さ方向位相差が535nmであり、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が125nmである点で、第1実施例による液晶表示装置と異なる。
また、下限値θ、上限値θが、以下の式(5)、(6)で表される点で、第1実施例による液晶表示装置と異なる。
他の点は、第1実施例による液晶表示装置と同様である。
第3実施例による液晶表示装置の表示領域(表示面)も、たとえば上方向が12時方位、下方向が6時方位、右方向が3時方位、左方向が9時方位である。また、第3実施例による液晶表示装置も、たとえば自動車内の運転席と助手席の間のコンソールに配置される。
更に、第3実施例による液晶表示装置においても、液晶層13中央分子配向方位は(270−θ)°方位であり、表示領域の右方向(3時方位)から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向である。クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位は、液晶層13中央分子配向方位と45°の角度をなす方位であり、たとえば上側偏光板17吸収軸方位は、(135−θ)°−(315−θ)°方位、下側偏光板18吸収軸方位は、(45−θ)°−(225−θ)°方位である。
第3実施例による液晶表示装置も、良好な表示品位を有する液晶表示装置である。たとえば従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、少なくとも左右方位(3時−9時方位)の60°斜め観察において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置である。たとえば左右方位において、ブラウン系の背景色調を実現することができる。
なお、角度θは、25°以下であることが好ましい。θを25°以下とすることで、明表示時の左右方位における光透過率の非対称性の現出を抑止することができる。
第3実施例による液晶表示装置においては、液晶層13中央分子配向方位を、表示領域の右方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としたが、表示領域の右方向に限らず、背景色調の青味を低減したい第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としてもよい。
また、第1パネル構成(図1参照)の液晶表示素子(下側基板12と下側偏光板18の間にCプレート16a及び二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置だけでなく、第2パネル構成(図2参照)の液晶表示素子(上側基板11と上側偏光板17の間にCプレート16aを配置し、下側基板12と下側偏光板18の間に二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)、第3パネル構成(図3参照)の液晶表示素子(上側基板11と上側偏光板17の間に二軸フィルム16bを配置し、下側基板12と下側偏光板18の間にCプレート16aを配置する液晶表示素子)を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置とすることもできる。
更に、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は、125nm±10nmの範囲(115nm〜135nm)、Cプレート16aの厚さ方向位相差は、535nm±10nmの範囲(525nm〜545nm)でもよい。二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が125nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差が535nmの場合と同様の効果が奏されるであろう。
[第4シミュレーション及び第4実施例]
第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を660nmとし、Cプレート16aを配置しない(視角補償板16を厚さ方向位相差が660nmの二軸フィルム16bのみで構成する)第4シミュレーションについて説明する。
最初に、液晶層13中央分子配向方位(6時方位)と直交し、かつ、クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位と45°をなす方位、たとえば3時方位の極角60°方向から観察した場合に、背景光透過率が最も低くなる視角補償条件(従来の理想的条件)をシミュレーション解析した。その結果、二軸フィルム16bの面内位相差Re=35nm、液晶層13のリタデーションΔnd=870nmという値が得られた。
次に、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを様々に変化させ、正面から極角60°に傾けた際の背景光透過率(極角60°方向から観察される背景光透過率)の観察方位依存性を計算した。観察方位は、3時(0°)方位を基準とし、これとなす角度で表す。上側偏光板17側(Z軸正方向)から見て、観察方位が、3時方位から反時計回り方向であるとき正の角度、3時方位から時計回り方向であるとき負の角度とした。
更に、背景光透過率の観察方位依存性の計算結果から、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きくなる観察方位範囲を算出した。
図15A、図15Bは、それぞれ色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。両グラフの横軸は、二軸フィルム16bの面内位相差Reを、単位「nm」で表す。図15Aに示すグラフの縦軸は、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値を、単位「°」で表し、図15Bに示すグラフの縦軸は、当該観察方位範囲の上限値を、単位「°」で表す。両グラフとも、液晶層13のリタデーションΔndをパラメータとして示してある。たとえば三角形のプロットで、Δnd=855nmのときの二軸フィルム16bの面内位相差Reと観察方位範囲の下限値、上限値の関係を示す。
図15Aに示す下限値以上、図15Bに示す上限値以下の観察方位範囲における極角60°方向からの観察で、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも背景の色度が大きくなる。たとえば、液晶層13のリタデーションΔnd=870nm、二軸フィルム16bの面内位相差Re=30nmのとき、3時方位から反時計回り方向に2°から7°の範囲の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を見ると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度の大きい背景色調が観察される。
図15A及び図15Bから、観察方位範囲の下限値、上限値と面内位相差Reの間には、各Δnd条件において、線形関係があると考えられる。そこで、まず、観察方位範囲の下限値(図15A)につき、各Δnd条件において、プロットされた下限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図16A及び図16Bに計算結果を示す。図16Aには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=825nm、840nm、855nm、870nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図16Bには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=825nm、840nm、855nm、870nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図16A、図16Bの各々において、プロットは、2次関数モデル(図16Aの場合は、a=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ、図16Bの場合は、b=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ)によりカーブフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図16Aにおいては、α=−0.0004、β=0.7667、γ=−331.4、図16Bにおいては、α=0.0133、β=−22.627、γ=9619.1という結果が得られた。すなわち、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(7)
で表されることがわかった。
観察方位範囲の上限値θ(図15B)についても、同様の計算を行った。
図15Bにおいて、各Δnd条件につき、プロットされた上限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図16C及び図16Dに計算結果を示す。図16Cには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=825nm、840nm、855nm、870nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図16Dには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=825nm、840nm、855nm、870nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図16C、図16Dの各々において、プロットは、2次関数モデル(図16Cの場合は、a=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ、図16Dの場合は、b=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ)によりカーブフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図16Cにおいては、α=0.0002、β=−0.354、γ=141.39、図16Dにおいては、α=−0.0078、β=12.55、γ=−5072.8という結果が得られた。すなわち、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の上限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(8)
で表されることがわかった。
下限値をθとし上限値をθとする観察方位範囲、及び、Re、Δnd条件においては、極角60°観察時、短波長成分を多くは含まないニュートラル〜ブラウン系の背景色調が観察される。
本願発明者らは、更に検討を続けた。
図17Aは、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θをあらためて示す表である。
上述したように、第4シミュレーションのパネル構成における従来の理想的条件は、二軸フィルム16bの面内位相差Re=35nm、液晶層13のリタデーションΔnd=870nmである。また、「背景技術」で説明したように、液晶層13のリタデーションΔndを従来の理想的条件よりも小さくしないという要求がある。
図17Aの表には、液晶層13のリタデーションΔndが従来の理想的条件よりも小さくなる下限値θ〜上限値θの範囲にアステリスク(*)を付した。
更に、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む範囲は、従来の液晶表示装置の構成を含む範囲であるとも考えられる。
図17Aの表には、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む観察方位範囲(*が付された範囲を除く。)に米印(※)を付した。
図17Bは、図17Aの表から、アステリスク(*)または米印(※)が付された範囲を除外した表である。
下限値θ及び上限値θがともに正の値となることがわかる。
たとえば第4シミュレーションのパネル構成において、本表に示される各Re、Δnd条件を適用し、対応する観察方位(下限値θ以上、上限値θ以下の観察方位)の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を観察すると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きい背景色調が観察される。また、適用されるΔndは、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上の値をもつ。
このため、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させることにより、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、「少なくとも左右方位(3時−9時方位)において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置」を実現可能である。
ここで、下限値θは、正の値であり、以下の式(7)で表される。
また、上限値θは、θ<θを満たす正の値であり、以下の式(8)で表される。
図7B、図11B、図14Bと図17Bを比較参照すると、第4シミュレーションの条件においては、Δnd及び回転角度を設定できる範囲が狭いことがわかる。
なお、モノドメイン配向の垂直配向型液晶表示素子を25°を超える範囲で回転させた場合、明表示の左右観察時に光透過率の非対称性が著しく現れることが想定されるため、回転角度は25°以下とすることが好ましい。そうすることで、表示品位を向上させることができる。ただ、図17Bに示す下限値θ〜上限値θの範囲には、25°を超える角度は存在しない。
第4シミュレーションでは、第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を660nmとし、Cプレート16aを用いないものとしたが、第3パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を660nmとし、Cプレート16aを用いないとした場合も、ほぼ同等の結果が得られることがわかった。
第4シミュレーション等で得られた知見に基づき、たとえば次のような液晶表示装置を第4実施例による液晶表示装置とすることができる。
第4実施例による液晶表示装置も、第1実施例による液晶表示装置と同様に、第1パネル構成(図1参照。ただし、第4実施例による液晶表示装置においては、Cプレート16aは用いられない。)の液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置である。下限値θ、上限値θは、ともに正の角度であり、θ<θを満たす。ここで、θ、θ、及び、θの単位は、すべて「°」である。
第4実施例による液晶表示装置は、Cプレート16aを配置しない点、及び、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が660nmである点で、第1実施例による液晶表示装置と異なる。
また、下限値θ、上限値θが、以下の式(7)、(8)で表される点で、第1実施例による液晶表示装置と異なる。
他の点は、第1実施例による液晶表示装置と同様である。
第4実施例による液晶表示装置の表示領域(表示面)も、たとえば上方向が12時方位、下方向が6時方位、右方向が3時方位、左方向が9時方位である。また、第4実施例による液晶表示装置も、たとえば自動車内の運転席と助手席の間のコンソールに配置される。
更に、第4実施例による液晶表示装置においても、液晶層13中央分子配向方位は(270−θ)°方位であり、表示領域の右方向(3時方位)から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向である。クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位は、液晶層13中央分子配向方位と45°の角度をなす方位であり、たとえば上側偏光板17吸収軸方位は、(135−θ)°−(315−θ)°方位、下側偏光板18吸収軸方位は、(45−θ)°−(225−θ)°方位である。
第4実施例による液晶表示装置も、良好な表示品位を有する液晶表示装置である。たとえば従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、少なくとも左右方位(3時−9時方位)の60°斜め観察において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置である。たとえば左右方位において、ブラウン系の背景色調を実現することができる。
なお、角度θは、25°以下であることが好ましい。θを25°以下とすることで、明表示時の左右方位における光透過率の非対称性の現出を抑止することができる。
第4実施例による液晶表示装置においては、液晶層13中央分子配向方位を、表示領域の右方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としたが、表示領域の右方向に限らず、背景色調の青味を低減したい第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としてもよい。
また、第1パネル構成(図1参照。ただし、第4実施例による液晶表示装置においては、Cプレート16aは用いられない。)の液晶表示素子(下側基板12と下側偏光板18の間に二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置だけでなく、第3パネル構成(図3参照)において、Cプレート16aを用いない液晶表示素子(上側基板11と上側偏光板17の間に二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置とすることもできる。
更に、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は、660nm±10nmの範囲(650nm〜670nm)でもよい。二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が660nmの場合と同様の効果が奏されるであろう。
第1〜第4シミュレーションの条件では、従来の理想的条件における液晶層13のリタデーションΔndは、すべて870nmである。第1〜第4シミュレーションの結果から、極角60°観察時における色度が正面観察時色度よりも大きくなる観察方位が比較的小さい角度で、かつ、Δndに対するマージンが広いのは、二軸フィルム16bの厚さ方向リタデーションRthが440nm程度(第1シミュレーション)の場合であることがわかる。
[第5シミュレーション及び第5実施例]
第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を440nmとし、Cプレート16aを配置しない(視角補償板16を厚さ方向位相差が440nmの二軸フィルム16bのみで構成する)第5シミュレーションについて説明する。第5シミュレーションにおける解析対象は、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を660nmではなく、440nmとした点で、第4シミュレーションにおけるそれと相違する。
最初に、液晶層13中央分子配向方位(6時方位)と直交し、かつ、クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位と45°をなす方位、たとえば3時方位の極角60°方向から観察した場合に、背景光透過率が最も低くなる視角補償条件(従来の理想的条件)をシミュレーション解析した。その結果、二軸フィルム16bの面内位相差Re=45nm、液晶層13のリタデーションΔnd=610nmという値が得られた。第5シミュレーションの条件では、従来の理想的条件におけるΔnd(610nm)が、第1〜第4シミュレーションにおけるそれ(870nm)より小さい。
次に、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを様々に変化させ、正面から極角60°に傾けた際の背景光透過率(極角60°方向から観察される背景光透過率)の観察方位依存性を計算した。観察方位は、3時(0°)方位を基準とし、これとなす角度で表す。上側偏光板17側(Z軸正方向)から見て、観察方位が、3時方位から反時計回り方向であるとき正の角度、3時方位から時計回り方向であるとき負の角度とした。
更に、背景光透過率の観察方位依存性の計算結果から、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きくなる観察方位範囲を算出した。
図18A、図18Bは、それぞれ色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値、上限値を示すグラフである。両グラフの横軸は、二軸フィルム16bの面内位相差Reを、単位「nm」で表す。図18Aに示すグラフの縦軸は、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲の下限値を、単位「°」で表し、図18Bに示すグラフの縦軸は、当該観察方位範囲の上限値を、単位「°」で表す。両グラフとも、液晶層13のリタデーションΔndをパラメータとして示してある。たとえば三角形のプロットで、Δnd=615nmのときの二軸フィルム16bの面内位相差Reと観察方位範囲の下限値、上限値の関係を示す。
図18Aに示す下限値以上、図18Bに示す上限値以下の観察方位範囲における極角60°方向からの観察で、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも背景の色度が大きくなる。たとえば、液晶層13のリタデーションΔnd=660nm、二軸フィルム16bの面内位相差Re=40nmのとき、3時方位から反時計回り方向に4°から16°の範囲の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を見ると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度の大きい背景色調が観察される。
図18A及び図18Bから、観察方位範囲の下限値、上限値と面内位相差Reの間には、各Δnd条件において、線形関係があると考えられる。そこで、まず、観察方位範囲の下限値(図18A)につき、各Δnd条件において、プロットされた下限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図19A及び図19Bに計算結果を示す。図19Aには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=585nm、600nm、615nm、630nm、645nm、660nm、675nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図19Bには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=585nm、600nm、615nm、630nm、645nm、660nm、675nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図19A、図19Bの各々において、プロットは、2次関数モデル(図19Aの場合は、a=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ、図19Bの場合は、b=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ)によりカーブフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図19Aにおいては、α=9×10−5、β=−0.1226、γ=42.069、図19Bにおいては、α=−0.005、β=6.842、γ=−2365.8という結果が得られた。すなわち、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(9)
で表されることがわかった。
観察方位範囲の上限値θ(図18B)についても、同様の計算を行った。
図18Bにおいて、各Δnd条件につき、プロットされた上限値θを、線形モデルθ=a×Re+bの最小二乗法でフィッティングし、各Δnd条件における係数a、bの値を計算した。
図19C及び図19Dに計算結果を示す。図19Cには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数aとして、計算結果(Δnd=585nm、600nm、615nm、630nm、645nm、660nmのときの係数aの値)をプロットした。また、図19Dには、横軸をΔnd(単位「nm」)、縦軸を係数bとして、計算結果(Δnd=585nm、600nm、615nm、630nm、645nm、660nmのときの係数bの値)をプロットした。
本願発明者は、更に、図19C、図19Dの各々において、プロットは、2次関数モデル(図19Cの場合は、a=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ、図19Dの場合は、b=α×(Δnd)+β×(Δnd)+γ)によりカーブフィッティング可能であることを見出した。最小二乗法を用いて計算した結果、図19Cにおいては、α=−0.0004、β=0.4389、γ=−135.8、図19Dにおいては、α=0.0146、β=−17.772、γ=5469.3という結果が得られた。すなわち、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の上限値θは、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを用いて、次式(10)
で表されることがわかった。
下限値をθとし上限値をθとする観察方位範囲、及び、Re、Δnd条件においては、極角60°観察時、短波長成分を多くは含まないニュートラル〜ブラウン系の背景色調が観察される。
本願発明者らは、更に検討を続けた。
図20Aは、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θをあらためて示す表である。
上述したように、第5シミュレーションのパネル構成における従来の理想的条件は、二軸フィルム16bの面内位相差Re=45nm、液晶層13のリタデーションΔnd=610nmである。また、「背景技術」で説明したように、液晶層13のリタデーションΔndを従来の理想的条件よりも小さくしないという要求がある。
図20Aの表には、液晶層13のリタデーションΔndが従来の理想的条件よりも小さくなる下限値θ〜上限値θの範囲にアステリスク(*)を付した。
更に、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む範囲は、従来の液晶表示装置の構成を含む範囲であるとも考えられる。
図20Aの表には、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む観察方位範囲(*が付された範囲を除く。)に米印(※)を付した。
図20Bは、図20Aの表から、アステリスク(*)または米印(※)が付された範囲を除外した表である。
下限値θ及び上限値θがともに正の値となることがわかる。
たとえば第5シミュレーションのパネル構成において、本表に示される各Re、Δnd条件を適用し、対応する観察方位(下限値θ以上、上限値θ以下の観察方位)の極角60°方向から液晶表示素子の表示面を観察すると、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きい背景色調が観察される。また、適用されるΔndは、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上の値をもつ。
このため、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させることにより、従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、「少なくとも左右方位(3時−9時方位)において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置」を実現可能である。
ここで、下限値θは、正の値であり、以下の式(9)で表される。
また、上限値θは、θ<θを満たす正の値であり、以下の式(10)で表される。
図20Cは、液晶表示装置において、液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度だけ逆方向(時計回り方向)に回転させる場合に、好ましい下限値θ〜上限値θの範囲を示す表である。本表は、図20Bの表に示される上限値θの値が25°を超える場合に、上限値θを25°に変更することで作成し、上限値θを25°とした欄にシャープ(#)を付した。
たとえばモノドメイン配向の垂直配向型液晶表示素子を25°を超える範囲で回転させた場合、明表示の左右観察時に光透過率の非対称性が著しく現れることが想定される。このため、上限値θの値が25°を超える場合には、上限値θを25°とする(回転角度を25°以下とする)ことで、表示品位を向上させることができる。
第5シミュレーションでは、第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を440nmとし、Cプレート16aを用いないものとしたが、第3パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を440nmとし、Cプレート16aを用いないとした場合も、ほぼ同等の結果が得られることがわかった。
第5シミュレーション等で得られた知見に基づき、たとえば次のような液晶表示装置を第5実施例による液晶表示装置とすることができる。
第5実施例による液晶表示装置も、第1実施例による液晶表示装置と同様に、第1パネル構成(図1参照。ただし、第5実施例による液晶表示装置においては、Cプレート16aは用いられない。)の液晶表示素子を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置である。下限値θ、上限値θは、ともに正の角度であり、θ<θを満たす。ここで、θ、θ、及び、θの単位は、すべて「°」である。
第5実施例による液晶表示装置は、Cプレート16aを配置しない点で、第1実施例による液晶表示装置と異なる。
また、下限値θ、上限値θが、以下の式(9)、(10)で表される点で、第1実施例による液晶表示装置と異なる。
他の点は、第1実施例による液晶表示装置と同様である。
第5実施例による液晶表示装置の表示領域(表示面)も、たとえば上方向が12時方位、下方向が6時方位、右方向が3時方位、左方向が9時方位である。また、第5実施例による液晶表示装置も、たとえば自動車内の運転席と助手席の間のコンソールに配置される。
更に、第5実施例による液晶表示装置においても、液晶層13中央分子配向方位は(270−θ)°方位であり、表示領域の右方向(3時方位)から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向である。クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位は、液晶層13中央分子配向方位と45°の角度をなす方位であり、たとえば上側偏光板17吸収軸方位は、(135−θ)°−(315−θ)°方位、下側偏光板18吸収軸方位は、(45−θ)°−(225−θ)°方位である。
第5実施例による液晶表示装置も、良好な表示品位を有する液晶表示装置である。たとえば従来の理想的条件における液晶層のリタデーション以上のΔndをもち、かつ、少なくとも左右方位(3時−9時方位)の60°斜め観察において、短波長側の光の光抜けが抑制され、背景表示状態の青味が低減される液晶表示装置である。たとえば左右方位において、ブラウン系の背景色調を実現することができる。
なお、角度θは、25°以下であることが好ましい。θを25°以下とすることで、明表示時の左右方位における光透過率の非対称性の現出を抑止することができる。
第5実施例による液晶表示装置においては、液晶層13中央分子配向方位を、表示領域の右方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としたが、表示領域の右方向に限らず、背景色調の青味を低減したい第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向としてもよい。
また、第1パネル構成(図1参照。ただし、第5実施例による液晶表示装置においては、Cプレート16aは用いられない。)の液晶表示素子(下側基板12と下側偏光板18の間に二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)を、下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置だけでなく、第3パネル構成(図3参照)において、Cプレート16aを用いない液晶表示素子(上側基板11と上側偏光板17の間に二軸フィルム16bを配置する液晶表示素子)を、たとえば下限値θ以上、上限値θ以下の角度θだけ時計回り方向に回転させた液晶表示装置とすることもできる。
更に、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差は、440nm±10nmの範囲(430nm〜450nm)でもよい。二軸フィルム16bの厚さ方向位相差が440nmの場合と同様の効果が奏されるであろう。
[第6シミュレーション]
第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を220nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を220nmとした第6シミュレーションについて説明する。
最初に、液晶層13中央分子配向方位(6時方位)と直交し、かつ、クロスニコル偏光板17、18の吸収軸方位と45°をなす方位、たとえば3時方位の極角60°方向から観察した場合に、背景光透過率が最も低くなる視角補償条件(従来の理想的条件)をシミュレーション解析したところ、二軸フィルム16bの面内位相差Re=50nm、液晶層13のリタデーションΔnd=610nmという値が得られた。
次に、二軸フィルム16bの面内位相差Re、及び、液晶層13のリタデーションΔndを様々に変化させ、正面から極角60°に傾けた際の背景光透過率(極角60°方向から観察される背景光透過率)の観察方位依存性を計算した。観察方位は、3時(0°)方位を基準とし、これとなす角度で表す。上側偏光板17側(Z軸正方向)から見て、観察方位が、3時方位から反時計回り方向であるとき正の角度、3時方位から時計回り方向であるとき負の角度とした。
更に、背景光透過率の観察方位依存性の計算結果から、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも色度が大きくなる観察方位範囲を算出した。
図21は、各Re及びΔnd条件において、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくなる観察方位範囲(極角60°方向観察時)の下限値θ及び上限値θを示す表である。
図21の表には、液晶層13のリタデーションΔndが従来の理想的条件(610nm)よりも小さくなる下限値θ〜上限値θの範囲にアステリスク(*)を付した。また、下限値θ〜上限値θの間に0°を含む観察方位範囲(*が付された範囲を除く。)に米印(※)を付した。
表に示されるすべての下限値θ〜上限値θの範囲に、アステリスク(*)または米印(※)が付されている。
したがって、第6シミュレーションのパネル構成においては、図7B(第1シミュレーション)、図11B(第2シミュレーション)、図14B(第3シミュレーション)、図17B(第4シミュレーション)、及び、図20B(第5シミュレーション)に示される範囲に対応する範囲は存在しないことがわかる。
第6シミュレーションでは、第1パネル構成において、二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を220nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を220nmとしたが、第2パネル構成、第3パネル構成において、それぞれ二軸フィルム16bの厚さ方向位相差を220nm、Cプレート16aの厚さ方向位相差を220nmとした場合も、ほぼ同等の結果が得られることがわかった。
[実施例による液晶表示装置の製造方法]
実施例による垂直配向型液晶表示装置20(図23参照)は、たとえば次のようにして製造することができる。
まず、垂直配向型液晶表示素子10(図22参照)を作製する。
フォトリソグラフィ及びエッチング処理により、それぞれ一方面側にITO膜(上側透明電極11b、下側透明電極12b)がパターニングされた厚さ0.7mmの青板ガラス基板2枚(上側透明基板11a、下側透明基板12a)を準備する。
基板11a、12aの電極11b、12b形成面の少なくとも表示領域(有効表示部)に対応する領域をカバーするように、たとえばSiO膜を上側絶縁膜11c、下側絶縁膜12cとして形成する。
基板11a、12aの電極11b、12b形成面の少なくとも表示領域(有効表示部)に対応する領域をカバーするように、たとえば絶縁膜11c、12c上に、日産化学工業株式会社製の垂直配向膜材料SE4811を塗布し、180℃〜220℃で焼成する。
垂直配向膜材料面を、布厚2.8mm〜3.2mm程度の綿製ラビング布で、それぞれ一方位へラビング処理する。ラビング条件により、完成後の液晶表示素子10の液晶層13のプレティルト角を、たとえば88.5°〜89.9°の範囲で制御する。こうしてたとえば絶縁膜11c、12c上に、配向処理された上側垂直配向膜11d、下側垂直配向膜12dが形成される。
以上の工程により、上側基板11及び下側基板12が作製される。
一方の基板11、12の配向膜11d、12d形成面に、少なくとも表示領域(有効表示部)より大きな領域を囲むように、枠状にシール材14を印刷する。シール材14には、径5μmの日本電気硝子株式会社製ガラスファイバースペーサ、及び、両基板11、12間の導通を確保する、積水化学工業株式会社製の金コーティングされたプラスティックボールが、それぞれ1.0wt%添加されている。
他方の基板11、12の配向膜11d、12d形成面には、径4.9μmの積水化学工業株式会社製プラスティックボールスペーサ13sを、乾式散布法で400個/mmに散布する。
両基板11、12を、配向膜11d、12d形成面が対向するように、位置合わせして重ね合わせ、基板11、12をプレスした状態で焼成(150℃)し、シール材14を硬化させて空セルを完成させる。
メルク株式会社製の、誘電率異方性が負で、屈折率異方性が0.18の液晶材料を真空注入法で空セルに注入した後、紫外線硬化樹脂を用いて注入口を封止し、120℃で1時間の熱処理を行って、液晶層13を形成する。液晶層13のリタデーションΔndは、約900nmとなる。
基板11、12面を中性洗剤で洗浄した後、上側基板11面に上側偏光板17、下側基板12面側にCプレート16a、二軸フィルム16b、下側偏光板18を貼り合わせる。偏光板17、18として、たとえば株式会社ポラテクノ製の偏光板SHC13Uを使用する。Cプレート16aとしては、たとえば面内位相差Re=4nm、厚さ方向位相差Rth=220nmの二軸延伸加工COPフィルム、二軸フィルム16bには、たとえば面内位相差Re=44nm、厚さ方向位相差Rth=440nmの二軸延伸加工COPフィルムを用いる。偏光板17、18は、クロスニコルに、かつ、各々の吸収軸方位が、ラビング処理により規定される液晶層13中央分子配向方位に対して45°の角をなすように配置する。
配向膜11d、12dのラビング処理は、液晶層13中央分子配向方位が、たとえば電極11b、12bの形成態様で規定される、表示領域の右方向(0°方位)から時計回り方向に103°だけ回転した方向(257°方位)となるように施される。また、上側偏光板17、下側偏光板18は、たとえば吸収軸方位が、それぞれ122°−302°方位、32°−212°方位となるように貼り合わせる。
外部取り出し電極15b部分に、リードフレーム、異方導電性フィルムを介したフレキシブルフィルム、ドライバICをボンディングする。
以上の工程により、垂直配向型液晶表示素子10が製造される。
垂直配向型液晶表示素子10に、たとえば液晶表示素子10をマルチプレックス駆動する駆動回路21を電気的に接続する。また、垂直配向型液晶表示素子10の下側偏光板18の下側に、たとえば白色光源を含むバックライトユニット22を配置する。垂直配向型液晶表示素子10、駆動回路21、及び、バックライトユニット22を、筐体23内に固定配置する。
このようにして、垂直配向型液晶表示装置20が製造される。
この液晶表示装置20の左右方位極角約60°方向から観察した背景の色調は、正面観察時に比べ黄ばみを呈していることが確認された。
なお、この液晶表示装置20においては、回転角度θ=13°であるところ、図7Bには、二軸フィルム16bの面内位相差Re=45nm、液晶層13のリタデーションΔnd=900nmであるとき、下限値θ=5°、上限値θ=12°という計算結果が記載されている。しかし、実際に作製した液晶表示素子10においては、基板11、12間距離に、5μm±0.2μm程度の面内ばらつきがあることが確認されており、このため液晶表示装置20においては、リタデーションΔndのマージンが±36nm程度存在する。したがって、たとえば回転角度θ=13°であるからといって、図7B記載の範囲と相容れないものではない。なお、これは、液晶層13の厚さが均一である場合には、二軸フィルムの厚さ方向位相差Rthのマージンが±36nm程度見込めることと対応する。実際の市販品においては、厚さ方向位相差Rthが440nmである二軸フィルム(二軸延伸加工COPフィルム)のRthの面内ばらつきは±10nm以内であり、±10nm以内のばらつきの範囲では、たとえば左右方位における背景色調の青味低減という効果は奏される。
以上、シミュレーション及び実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されない。
たとえば実施例においては、基板11、12(配向膜11d、12d)の双方に配向処理を施したが、基板11、12の少なくとも一方が液晶層13側に配向膜11d、12dを備え、配向処理は、基板11、12(配向膜11d、12d)の少なくとも一方側に施されていればよい。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
様々な液晶表示装置に利用することができる。たとえば輸送機器(自動車、電車、航空機、船舶等)に搭載される液晶表示装置として利用可能である。また、産業用表示装置、計器類、民生電子機器等に用いることができる。
従来の液晶表示装置の設計手法によれば、視角補償板として、たとえば厚さ方向位相差Rth=440nmである二軸フィルムを使用し、斜め方向から見た背景の色度を、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくするには、たとえば液晶層のリタデーションΔndを小さくする必要があった。二軸フィルムの面内位相差Reを小さくすることも有効であるが、市販品においてはReは一意に定められているため、容易に変更することはできない。
実施例による液晶表示装置は、たとえば電気光学特性における急峻性を損なわず、斜め方向から見た背景の色度を、従来の理想的条件における正面観察時色度よりも大きくすることが容易に可能である。
なお、第1〜第6シミュレーションでは、色度が、従来の理想的条件における正面観察時色度より大きくなる観察方位範囲を算出した。ここで、垂直配向型の液晶表示素子においては、正面観察時色度は、液晶層のリタデーションΔndや、視角補償板の面内位相差Re、及び、厚さ方向の位相差Rthには依存しない。このため、第1〜第5実施例による液晶表示装置の正面観察時色度(x,y)は、従来の理想的条件における正面観察時色度(x,y)=(0.31371,0.318411)と等しい。したがって、実施例による液晶表示装置は、少なくとも左右方位の斜め60°方向から観察したときの背景色度が、正面観察時背景色度よりも大きい液晶表示装置である。
10 垂直配向型液晶表示素子
11 上側基板(コモン基板)
11a 上側透明基板
11b 上側透明電極(コモン電極)
11c 上側絶縁膜
11d 上側垂直配向膜
12 下側基板(セグメント基板)
12a 下側透明基板
12b 下側透明電極(セグメント電極)
12c 下側絶縁膜
12d 下側垂直配向膜
13 垂直配向液晶層
13s スペーサ
14 メインシール部
15 外部取り出し端子部
15b 外部取り出し電極
16 視角補償板
16a Cプレート
16b 二軸フィルム
17 上側偏光板
17a 偏光板偏光層
17b ベースフィルム層
18 下側偏光板
18a 偏光板偏光層
18b ベースフィルム層
20 垂直配向型液晶表示装置
21 駆動回路
22 バックライトユニット
23 筐体
31 運転席
32 助手席

Claims (15)

  1. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が210nm〜230nmのCプレート、及び、厚さ方向位相差が430nm〜450nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  2. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第1基板と前記第1偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が210nm〜230nmのCプレートと、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が430nm〜450nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  3. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第1基板と前記第1偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が430nm〜450nmの二軸フィルムと、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が210nm〜230nmのCプレートと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  4. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が430nm〜450nmのCプレート、及び、厚さ方向位相差が210nm〜230nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  5. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第1基板と前記第1偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が430nm〜450nmのCプレートと、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が210nm〜230nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  6. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第1基板と前記第1偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が210nm〜230nmの二軸フィルムと、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が430nm〜450nmのCプレートと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  7. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が525nm〜545nmのCプレート、及び、厚さ方向位相差が115nm〜135nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  8. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第1基板と前記第1偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が525nm〜545nmのCプレートと、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が115nm〜135nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  9. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第1基板と前記第1偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が115nm〜135nmの二軸フィルムと、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が525nm〜545nmのCプレートと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  10. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が650nm〜670nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  11. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第1基板と前記第1偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が650nm〜670nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  12. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第2基板と前記第2偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が430nm〜450nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  13. 第1電極を備える第1基板と、
    第2電極を備え、前記第1基板に略平行に対向配置される第2基板と、
    前記第1、第2基板間に配置される垂直配向液晶層と、
    前記第1基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に配置される第1偏光板と、
    前記第2基板の前記垂直配向液晶層とは反対側に、前記第1偏光板とクロスニコルに配置される第2偏光板と、
    前記第1基板と前記第1偏光板との間に配置される、厚さ方向位相差が430nm〜450nmの二軸フィルムと、
    前記第2偏光板の、前記第2基板とは反対側に配置される白色光源と
    を有し、
    前記垂直配向液晶層の中央分子配向方位は、前記第1及び第2偏光板の吸収軸方位と45°の角度をなし、かつ、第1方向から(90+θ)°だけ時計回り方向に回転した方向であり、
    前記θは、θ以上、θ以下の角度であり、
    前記θ、θは、θ<θを満たす正の角度であって、前記垂直配向液晶層のリタデーションをΔnd、前記二軸フィルムの面内位相差をReとするとき、
    で表される液晶表示装置。
  14. 前記第1方向が、表示領域の右方向である請求項1〜13のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  15. 前記θは、25°以下の角度である請求項1〜14のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
JP2016087682A 2016-04-26 2016-04-26 液晶表示装置 Pending JP2017198774A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016087682A JP2017198774A (ja) 2016-04-26 2016-04-26 液晶表示装置
CN201710276813.7A CN107340650A (zh) 2016-04-26 2017-04-25 液晶显示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016087682A JP2017198774A (ja) 2016-04-26 2016-04-26 液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017198774A true JP2017198774A (ja) 2017-11-02

Family

ID=60222954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016087682A Pending JP2017198774A (ja) 2016-04-26 2016-04-26 液晶表示装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2017198774A (ja)
CN (1) CN107340650A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019144427A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 スタンレー電気株式会社 液晶表示装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004206130A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Samsung Electronics Co Ltd 液晶表示装置
CN1760728A (zh) * 2004-10-15 2006-04-19 奇美电子股份有限公司 具有光学补偿件的液晶显示器
JP2007304155A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示装置
JP2008009354A (ja) * 2006-05-29 2008-01-17 Optrex Corp 液晶表示パネル
JP2008083546A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示装置
JP2008139783A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示装置
JP2009128411A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Nitto Denko Corp 液晶パネル、及び液晶表示装置
WO2010016284A1 (ja) * 2008-08-06 2010-02-11 ホシデン株式会社 垂直配向型液晶表示装置
JP2010113304A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示素子及び液晶表示装置
US20110043730A1 (en) * 2009-08-18 2011-02-24 Hee-Wook Do Display apparatus providing side view luminance enhancement

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI240119B (en) * 2003-08-06 2005-09-21 Optimax Tech Corp Polarizer for multi-domain vertical alignment liquid crystal display
KR100601920B1 (ko) * 2004-01-09 2006-07-14 주식회사 엘지화학 음의 이축성 위상차 필름과 +c-플레이트를 이용한 시야각보상필름을 포함하는 면상 스위칭 액정 표시장치
JP4784972B2 (ja) * 2005-04-26 2011-10-05 日東電工株式会社 光学フィルム、液晶パネル、および液晶表示装置
US20090161044A1 (en) * 2007-12-21 2009-06-25 Zhibing Ge Wide viewing angle circular polarizers
KR101197162B1 (ko) * 2008-08-27 2012-11-09 주식회사 엘지화학 면상 스위칭 모드 액정 표시 장치
JP2010079287A (ja) * 2008-08-28 2010-04-08 Fujifilm Corp 液晶表示装置
JP5727131B2 (ja) * 2009-09-24 2015-06-03 スタンレー電気株式会社 液晶表示素子

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004206130A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Samsung Electronics Co Ltd 液晶表示装置
CN1760728A (zh) * 2004-10-15 2006-04-19 奇美电子股份有限公司 具有光学补偿件的液晶显示器
JP2007304155A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示装置
JP2008009354A (ja) * 2006-05-29 2008-01-17 Optrex Corp 液晶表示パネル
JP2008083546A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示装置
JP2008139783A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示装置
JP2009128411A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Nitto Denko Corp 液晶パネル、及び液晶表示装置
WO2010016284A1 (ja) * 2008-08-06 2010-02-11 ホシデン株式会社 垂直配向型液晶表示装置
JP2010113304A (ja) * 2008-11-10 2010-05-20 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示素子及び液晶表示装置
US20110043730A1 (en) * 2009-08-18 2011-02-24 Hee-Wook Do Display apparatus providing side view luminance enhancement

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019144427A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 スタンレー電気株式会社 液晶表示装置
JP7033283B2 (ja) 2018-02-21 2022-03-10 スタンレー電気株式会社 液晶表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN107340650A (zh) 2017-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6820417B2 (ja) 表示装置
JP4801363B2 (ja) 液晶表示素子
US10871666B2 (en) Display device comprising a viewing angle switching element having a first linear polarizer, an optically anisotropic layer, a viewing angle control cell, and a second linear polarizer
US10241364B2 (en) Liquid crystal display device
JP2014215348A (ja) 液晶パネル
JPWO2011030596A1 (ja) 液晶表示装置
KR100778167B1 (ko) 액정 표시 소자
JP2010060606A (ja) 液晶表示素子
JP2009192866A (ja) 液晶装置及び電子機器
JP6330060B2 (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
US20130271680A1 (en) Liquid crystal panel, and liquid crystal display
CN103207478B (zh) 电场控制双折射模式的液晶面板及其液晶显示装置
JP2017198774A (ja) 液晶表示装置
EP2192439B1 (en) Liquid crystal display and its manufacture method
JP5514410B2 (ja) 液晶表示装置
JP6425975B2 (ja) 液晶表示装置
JP2014074797A (ja) 液晶表示装置及びそのリタデーション設定方法
JP2008165043A (ja) 液晶表示素子
JP2013156564A (ja) 垂直配向型液晶表示素子
JP2013164626A (ja) 液晶装置及び電子機器
JP2008003512A (ja) 液晶表示素子
JP2007121490A (ja) 液晶表示素子
JP6159134B2 (ja) 液晶表示素子
JP2006208531A (ja) 液晶表示装置
JP2014102521A (ja) 液晶装置及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200721