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JP2017186432A - 水性ポリウレタン樹脂分散体 - Google Patents

水性ポリウレタン樹脂分散体 Download PDF

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JP2017186432A
JP2017186432A JP2016075647A JP2016075647A JP2017186432A JP 2017186432 A JP2017186432 A JP 2017186432A JP 2016075647 A JP2016075647 A JP 2016075647A JP 2016075647 A JP2016075647 A JP 2016075647A JP 2017186432 A JP2017186432 A JP 2017186432A
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真司 上野
Shinji Ueno
真司 上野
山田 健史
Takeshi Yamada
健史 山田
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Ube Industries Ltd
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、各種被塗装基材への塗料、インク、接着剤および各種コーティング剤として適用できる、より低粘度化された水性ポリウレタン樹脂分散体を提供するものである。
【解決手段】 本発明の課題は、ポリウレタン樹脂、
及び、下記式(1)で示されるグリコール化合物
を含み、
グリコール化合物の含有量がポリウレタン樹脂に対して66質量%以下である、
水性ポリウレタン樹脂分散体。
【化1】
Figure 2017186432

(式中、R及びRは、同一または異なっていても良く、炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは1〜4の整数である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な水性ポリウレタン樹脂分散体に関する。
従来、水性ポリウレタン樹脂分散体は、各種基材への密着性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐溶剤性等に優れていることから、例えば、塗料、インク、接着剤、各種コーティング剤として紙、プラスチックス、フィルム、金属、ゴム、エラストマー、繊維製品などに幅広く使用されている。
そのような水性ポリウレタン樹脂分散体の機能や特性を改善するために、例えば、
平均粒径を小さくすることを目的として、スルホン酸塩含有ポリウレタン樹脂、N−メチルピロリドン、及びジプロピレングリコールジメチルエーテルを含む水性ポリウレタン樹脂分散体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、増粘度性や乾燥性の向上を目的として、ポリウレタン樹脂、及び疎水性のアルキレングリコール、分岐鎖を有するアルキレングリコールや末端に炭素原子数が4以上のアルキル基を有するアルキレングリコールを含む水性ポリウレタン樹脂分散体が開示されている(例えば、特許文献2〜3参照)。
特開2010−254877号公報 特願2015−078731号(未公開) 特願2015−078732号(未公開)
上記いずれの方法においても、それぞれの課題を解決できるものの、塗装対象物(被塗装基材)に対して、より塗装工程に適した水性ポリウレタン樹脂分散体の改善については何ら開示されていなかった。
それゆえ、各種被塗装基材への塗料、インク、接着剤および各種コーティング剤として適用できる、より低粘度化された水性ポリウレタン樹脂分散体が求められていた。より具体的には、例えば、インクジェット、スプレーといった塗装方法には、粘度が低い水性ポリウレタン樹脂分散体が、より強く求められている。
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、各種被塗装基材への塗料、インク、接着剤および各種コーティング剤として適用できる、より低粘度化された水性ポリウレタン樹脂分散体を提供するものである。
本発明の課題は、
ポリウレタン樹脂、
及び、下記式(1)で示されるグリコール化合物
を含み、
グリコール化合物の含有量がポリウレタン樹脂に対して66質量%以下である、
水性ポリウレタン樹脂分散体。
によって解決される。
Figure 2017186432
(式中、R及びRは、同一または異なっていても良く、炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは1〜4の整数である。)
本発明により、各種被塗装基材への塗料、インク、接着剤および各種コーティング剤として適用できるより低粘度化された水性ポリウレタン樹脂分散体を提供することができる。
[水性ポリウレタン樹脂分散体]
本発明の「水性ポリウレタン樹脂分散体」は、ポリウレタン樹脂、及び、下記式(1)で示されるグリコール化合物を含み、グリコール化合物の含有量がポリウレタン樹脂に対して66質量%以下である、水性ポリウレタン樹脂分散体である。
Figure 2017186432
(式中、R及びRは、同一または異なっていても良く、炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは1〜4の整数である。)
[ポリウレタン樹脂]
前記「ポリウレタン樹脂」は、水系媒体(例えば、水、水と親水性の有機溶媒との混合物など)に分散できるものであれば特に限定されないが、
「ポリオール」、「ポリイソシアネート」及び「酸性基含有ポリオール」が、水酸基とイソシアネート基との反応によって生じるウレタン結合を介して構成されるポリウレタン樹脂が好適に使用される。
具体的には、ポリオール、ポリイソシアネート、及び酸性基含有ポリオールの各原料に由来する残基が、ウレタン結合を主たる結合基として、ポリウレタンを形成している状態を示す。ここで、ポリウレタン樹脂中には、後述する鎖延長剤の残基が含まれていれも良い。
なお、残基とは、結合基以外の原料に由来する基をいう。
ここで、ポリウレタン樹脂中には、末端停止剤が共存していても良く、ポリウレタン樹脂の末端基に作用していても良い。
(重量平均分子量)
前記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは25,000〜10,000,000、更に好ましくは、50,000〜5,000,000、より好ましくは、100,000〜1,000,000である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したものであり、予め作成した標準ポリスチレンの検量線から求めた換算値を使用することができる。
この範囲の分子量とすることで、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散が良好なフィルム(硬化膜)を与えることができる傾向にあり、また水性ポリウレタン樹脂分散体の乾燥を早めることができる。
より具体的には、ポリウレタン樹脂は、下記の繰り返し単位(前記の残基)としても表現することもできる。
ポリオールの繰り返し単位としては、例えば、式(a−1)で示されるポリカーボネートポリオール由来の繰り返し単位、式(a−2)や式(a−3)で示されるポリエステルポリオール由来の繰り返し単位、式(a−4)で示されるポリエーテルポリオール由来の繰り返し単位が挙げられる。
他方、ポリイソシアネート由来としては、式(b)で示される繰り返し単位が挙げられる。
また、酸性基含有ポリオールが、例えば、2,2−ジメチロールプロパン酸などの酸性基含有ジメチロールアルカンであれば、下記式(c)で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2017186432
(式中、Zは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基を示し、nは式(1)の繰り返し単位を示す。
なお、式(a−3)中の2つのZは同一でも異なっていても良い。
Rは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基を示す。
AGは酸性基を示し、Xは炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基を示す。)
前記「炭素原子数2〜12の直鎖状の二価の脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数2〜12の直鎖状の脂肪族炭化水素」から2つの水素を除いた基を示し、例えば、エチレン基、トリメチレン基(プロピレン基)、テトラメチレン基(ブチレン基)、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基などが挙げられるが、好ましくはテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基である。
なお、異なる繰り返し単位が複数種含まれていても良い。
前記「炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数3〜12の分岐状脂肪族炭化水素」から2つの水素原子を除いた基を示し、例えば、2−メチル−1,3−トリメチル基、2−又は3−メチル−1,5−ペンチル基、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレン基、1,5−ヘキシレン基などが挙げられる。
なお、異なる繰り返し単位が複数種含まれていても良い。
前記「炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基」とは、「炭素原子数6〜18の環状脂肪族炭化水素」から2つの水素を除いた基を示し、例えば、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−ジメチレンシクロヘキシレン基(メチレン−シクロヘキシレン−メチレン基))、4,4’−メチレンビスシクロヘキシル基、イソホロン基などが挙げられる。
なお、異なる繰り返し単位が複数種含まれていても良い。
なお、nは式(1)の繰り返し単位数であり、ポリカーボネートポリオールの数平均分子量に寄るが、好ましくは1〜40、更に好ましくは2〜30、より好ましくは3〜25である。
前記「酸性基」とは、水系媒体中でプロトン(H)を放出することで親水性を付与することができる基であれば特に限定されないが、例えば例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられるが、好ましくはカルボキシル基である。
前記「炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基」とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基を示すが、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である。
なお、これらの基は、各種異性体を含み、異なる繰り返し単位が複数種含まれていても良い。
前記ポリウレタン樹脂は、水系媒体への分散性を向上させるために、ポリウレタン樹脂が有する酸性基が適当な中和剤(例えば、塩基)により中和されていることが望ましく、分子量を調整するために「鎖延長剤」をポリウレタン樹脂製造時に使用して良い(このとき、鎖延長剤は、ポリウレタン樹脂の骨格として有する)。
なお、ポリウレタン樹脂は、複数種の原料化合物や多種多様の官能基の反応によって合成されるため、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体の機能や特性を損なわない程度において、例えば、ウレア結合、ビウレット結合、アミド結合、イミド結合などのウレタン結合以外の結合を含んでいても良い。
(ポリオール)
前記ポリオールとしては、求められるポリウレタン樹脂に応じたものを使用でき、具体的には、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどの高分子量ポリオール、またはそれらの原料モノマー(以下、低分子量ポリオールと称することもある。)を使用することができる。
これら以外にも、原料の組み合わせにより、ポリカーボネートポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリエステルポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオールを使用することができる。
なお、これらのポリオールは、市販品、または合成したものを使用することができる。
前記高分子量ポリオールは、求められるポリウレタン樹脂に応じたものに適宜調整することができるが、数平均分子量は、好ましくは400〜8,000、更に好ましくは400〜4000である。
なお、前記数平均分子量は、JIS K 1557に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量をいう。具体的には、水酸基価を測定し、末端基定量法により、(56.1×1,000×価数)/水酸基価 [mgKOH/g]で算出する。前記式中において、価数は1分子中の水酸基の数である。
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオールは、例えば、1又は複数種のモノマーとしてのポリオールと、カーボネート基を与える炭酸エステルとを反応させることによって得られる。
このようなモノマーとしては、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの炭素数2〜9の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサンなどの炭素数6〜12の環式構造を有するジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール;1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,2−ベンゼンジメタノール、4,4’−ナフタレンジメタノール、3,4’−ナフタレンジメタノールなどの芳香族ジオールが挙げられる。
なお、これらのポリオールは目的に応じて複数種を併用することができる。
また、炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの脂肪族炭酸エステル;ジフェニルカーボネートなどの芳香族炭酸エステル;エチレンカーボネートなどの環状炭酸エステルが挙げられる。これ以外にも、ポリカーボネートポリオールを生成することができるホスゲンなどを使用することもできる。
なお、これらの炭酸エステルは複数種を併用することができる。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、
1,5−ペンタンジオールや1,6−ヘキサンジオールと、炭酸エステルとを反応させて得られる直鎖状のポリカーボネートジオール(例えば、ETERNACOLL(登録商標)UHシリーズ(宇部興産製))や、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと、炭酸エステルとを反応させて得られる直鎖状のポリカーボネートジオール(例えば、ETERNACOLL(登録商標)PHシリーズ(宇部興産製));
1,4−シクロヘキサンジメタノールと、炭酸エステルとを反応させて得られる直鎖状のポリカーボネートジオール(例えば、ETERNACOLL(登録商標)UCシリーズ(宇部興産製));
1,6−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジメタノールと、炭酸エステルとを反応させて得られる環式構造を有するポリカーボネートジオール(例えば、ETERNACOLL(登録商標)UMシリーズ(宇部興産製));
1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと、炭酸エステルと、カプロラクトンを反応させて得られる直鎖状のポリカーボネートポリエステルジオール(例えば、ETERNACOLL(登録商標)UHCシリーズ(宇部興産製))
などが使用される。
なお、これらのポリカーボネートポリオールは目的に応じて複数種を併用することができ、ポリカーボネートポリオール中には、これを原料として誘導するポリウレタン樹脂の機能や特性を損なわない程度において、エステル結合やエーテル結合を有していても良い。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールは、例えば、1又は複数種のモノマーとしてのポリオールと、エステル基を与えるカルボン酸とを反応させることによって得られる。
1又は複数種のモノマーとしてのポリオールは、前記と同義であり、エステル基を与えるカルボン酸としては、例えば、ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシアルカン酸;アジピン酸などのジカルボン酸が挙げられる。
なお、これらのカルボン酸は目的に応じて複数種を併用することができる。
ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオール、1,6−へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物などが挙げられる。
なお、これらのポリオールは目的に応じて複数種を併用することができ、ポリエステルポリオール中には、これを原料として誘導するポリウレタン樹脂の機能や特性を損なわない程度において、カーボネート結合やエーテル結合を有していても良い。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエステルポリオールは、例えば、1又は複数種のモノマーとしてのポリオールと、エーテル基を与えるエーテルポリオールとを反応させることによって得られる。
1又は複数種のモノマーとしてのポリオールは、前記と同義であり、エーテル基を与えるエーテルポリオールとしては、例えば、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールなどが挙げられる。
また、複数のポリオールが縮合してエーテル結合を生成させることによって得られたエーテルポリオールを使用することもできる。
なお、これらのエーテルポリオールは目的に応じて複数種を併用することができる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体などが使用される。
なお、これらのポリエーテルポリオールは目的に応じて複数種を併用することができ、ポリエーテルポリオール中には、これを原料として誘導するポリウレタン樹脂の機能や特性を損なわない程度において、カーボネート結合やエステル結合を有していても良い。
(低分子量ポリオール)
低分子量ポリオールとしては、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの炭素数2〜9の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、2,7−ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサンなどの炭素数6〜12の環式構造を有するジオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール;1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,2−ベンゼンジメタノール、4,4’−ナフタレンジメタノール、3,4’−ナフタレンジメタノールなどの芳香族ジオールが使用される。
なお、これらの低分子量ポリオールは目的に応じて複数種を併用することができる。
これらのポリオールの中でも、本発明の水性ポリウレタン樹脂を製造する容易さ、または使用の観点から、ポリカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリエーテルポリオールなどのカーボネート結合を有するポリオールが好適に使用される。
ポリオールがカーボネート結合を有することで、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体から得られる塗膜(硬化膜)の耐光性、耐候性、耐熱性、耐加水分解性、耐油性などが向上する。
その中でも本発明の効果をより発現させるのは、直鎖状または分岐状のポリオールと炭酸エステルとから製造されるポリカーボネートポリオールであり、具体的には、
1,5−ペンタンジオールや1,6−ヘキサンジオールと、炭酸エステルとを反応させて得られる直鎖状のポリカーボネートジオール(例えば、ETERNACOLL(登録商標)UHシリーズ(宇部興産製))や、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと、炭酸エステルとを反応させて得られる直鎖状のポリカーボネートジオール(例えば、ETERNACOLL(登録商標)PHシリーズ(宇部興産製));
1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと、炭酸エステルと、カプロラクトンを反応させて得られる直鎖状のポリカーボネートポリエステルジオール(例えば、ETERNACOLL(登録商標)UHCシリーズ(宇部興産製))
が好適に使用される。
ポリオールがポリカーボネートポリオールの場合には、下記式(a−1)で示される繰り返し単位を、ポリエステルポリオールの場合には、下記式(a−2)または式(a−3)で示される繰り返し単位を、ポリエーテルポリオールの場合には、下記式(a−4)で示される繰り返し単位を有する。
Figure 2017186432
(式中、Z及びnは、前記と同義である。)
(ポリイソシアネート)
前記ポリイソシアネートとしては、求められるポリウレタン樹脂に応じたものを使用でき、具体的には、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートを使用することができる。また、ポリイソシアネートから製造されるポリウレタン樹脂の性状を損なわない程度において、トリフェニルメタントリイソシアネートのような、1分子当たり3個以上のイソシアナト基を有するポリイソシアネート化合物も使用することができる。
なお、これらのポリイソシアネートは目的に応じて複数種を併用することができる。
(芳香族ポリイソシアネート)
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート(TMXDI)が挙げられる。
なお、これらの芳香族ポリイソシアネートは目的に応じて複数種を併用することができる。
(脂肪族ポリイソシアネート)
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
なお、これらの脂肪族ポリイソシアネートは目的に応じて複数種を併用することができる。
(脂環式ポリイソシアネート)
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
なお、これらの脂環式ポリイソシアネートは目的に応じて複数種を併用することができる。
これらのポリイソシアネートの中でも、本発明の水性ポリウレタン樹脂を製造する容易さ、または使用の観点から、脂環式ポリイソシアネートが好適に使用され、特にイソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)が好適に使用される。
これらのポリイソシアネートを使用することで、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体から得られる塗膜(硬化膜)の耐久性が高くなる。
ポリウレタン樹脂中のポリイソシアネートの繰り返し単位は式(b)で示されるものである。
Figure 2017186432
(式中、Rは炭素原子数2〜12の二価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜12の二価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜18の二価の環状脂肪族炭化水素基、又は炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基を示す。)
なお、ここでRは、前記と同義である。
(酸性基含有ポリオール)
前記酸性基含有ポリオールとしては、求められるポリウレタン樹脂に応じたものを使用でき、具体的には、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などのジメチロールアルカン酸;N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニンなどのアラニン化合物;3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸などのジメチロールスルホン酸が挙げられるが、好ましくはジメチロールアルカン酸が使用される。
ジメチロールアルカン酸を使用した場合には、ポリウレタン樹脂中のポリイソシアネートの繰り返し単位は式(c)で示されるものである。
Figure 2017186432
(式中、AGは酸性基を示し、Xは炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基を示す。)
なお、ここでAG及びXは、前記と同義である。
本発明においては、ポリオール化合物と酸性基含有ポリオールとの合計の水酸基当量数が、好ましくは120〜1,000である。
水酸基当量数がこの範囲であることで、乾燥性、増粘性が上がりやすく、得られたポリウレタン樹脂を含む水性樹脂分散体の製造が容易であり、硬度の点で優れた塗膜が得られやすい。
また、得られる水性ポリウレタン樹脂分散体の貯蔵安定性、乾燥性と塗布して得られる塗膜の硬度の観点を考慮すると、水酸基当量数は、好ましくは150〜800、より好ましくは200〜700、特に好ましくは300〜600である。
前記水酸基当量数は、以下の式(I)及び(II)で算出することができる。
[各ポリオールの水酸基当量数(I)]
各ポリオールの水酸基当量数=各ポリオールの分子量/各ポリオールの水酸基の数(フェノール性水酸基は除く)・・・(I)
[ポリオールの合計の水酸基当量数(II)]
ポリオールの合計の水酸基当量数=M/ポリオールの合計モル数・・・(II)
ポリウレタン樹脂(A)の場合、式(II)において、Mは、[(ポリオールの水酸基当量数×ポリオールのモル数)+(酸性基含有ポリオールの水酸基当量数×酸性基含有ポリオールのモル数)]を示す。
(中和剤)
前記中和剤は、ポリウレタン樹脂が有する酸性基(酸性基含有ポリオール由来の酸性基)を中和して水系媒体に分散させるものであれば特に限定されず、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ塩類;アンモニアが挙げられるが、好ましくは有機アミン類;更に好ましくは3級アミンが使用される。
なお、これらの中和剤は目的に応じて複数種を併用することができ、その使用量はポリウレタン樹脂が水系媒体に十分に分散できる量であれば特に制限されない。
(鎖延長剤)
前記鎖延長剤は、ポリウレタン樹脂の分子量を調整することができれば特に限定されないが、ポリウレタン樹脂の前駆体となるプレポリマーが有する末端基と反応性を有し、かつ鎖延長により分子量を調整することができるものが好適に使用される。
なお、ここで「プレポリマー」とは、ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとの反応を適当なところで停止させて得られたものを示す。
鎖延長剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、アジポイルヒドラジド、ヒドラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリアミン;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのポリオール;ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール;水が挙げられるが、好ましくはポリアミン、更に好ましくは窒素上に置換基を有さないポリアミンが使用される。
なお、これらの中和剤は目的に応じて複数種を併用することができる。
鎖延長剤の使用量は、プレポリマーと反応させることにより、ポリウレタン樹脂を必要な分子量に調整できる量であるが、好ましくはイソシアナト基1モルに対して、鎖延長剤の反応性基として、好ましくは0.7〜0.99モルである。
なお、鎖延長剤として水が使用される場合には、水系媒体としての水と兼ねることができる。
(ポリウレタン樹脂の製造方法)
ポリウレタン樹脂の製造方法は、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体の機能や特性を損なわない製造方法であれば特に限定されない。
例えば、ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタン樹脂を製造しても良いが、本発明の水系媒体中に分散されている水性ポリウレタン樹脂分散体を得ることを考慮すると後述するポリウレタンプレポリマーを経由する方法が好適に採用される。
[グリコール化合物]
前記グリコール化合物は、下記式(1)で示される。
Figure 2017186432
(式中、R及びRは、同一または異なっていても良く、炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは1〜4の整数である。)
炭素原子数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基、更に好ましくはメチル基である。
また、nは1〜4の整数であるが、好ましくは2または3、更に好ましくは2である。
このようなグリコール化合物としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられるが、好ましくはジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、更に好ましくはジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが使用される。
なお、これらのグリコール化合物は目的に応じて複数種を併用することができ、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体の機能や特性を損なわないのであれば、R1とR2が互いに結合して環を形成したものも使用することができる。
前記グリコール化合物の水溶解度は、好ましくは25g/100g以上、更に好ましくは100g/100g以上、特に好ましくは水と任意に混合できる溶解性を有することである。
なお、本明細書において有機溶剤についての「水溶解度」は、20℃での値であり、OECDテストガイドライン105に示される方法で測定することができる。
前記グリコール化合物の量は、ポリウレタン樹脂に対して66質量%以下であるが、水性ポリウレタン樹脂の貯蔵安定性、分散安定性と製造の容易性、及び粘度の低下度合いを総合的に考慮すると、好ましくは50質量%以下、より好ましくは10〜35質量%である。
一方、水性ポリウレタン樹脂分散体中の水の量に対しては、水性ポリウレタン樹脂の分散安定性、貯蔵安定性、引火の危険性、増粘性、及び乾燥性を総合的に考慮すると、好ましくは1〜200質量%、更に好ましくは5〜150質量%、より好ましくは3〜35質量%である。
他方、水性ポリウレタン樹脂分散体中(全量)に対しては、水性ポリウレタン樹脂の貯蔵安定性、増粘性、乾燥性、及び粘度の低下度合いを総合的に考慮すると、好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%である。
(水系媒体)
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、ポリウレタン樹脂が水系媒体中に分散しているものである。前記水系媒体には、前記グリコール化合物以外に、水、または水とポリウレタン樹脂製造時に使用した有機溶媒が含まれる。
使用される水は、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などが挙げられる。
(水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法)
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体を製造する方法としては、水性ポリウレタン樹脂分散体が本発明の効果(当該分散体の低粘度化)を損なわない製造方法であれば特に限定されないが、簡便性や操作性の観点より、「ポリウレタンプレポリマー法」が好適に適用される。
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体を製造するのに適した製造方法の一例を下記に示す。当該製造方法は、下記の5つの工程を含むが、第1工程から順次行う方法、第1工程の後に任意の工程を行う方法、2種以上の工程を同時に行うことで工程数を減らす方法が採用できる。
第1工程;ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程。
第2工程;ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程。
第3工程;ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程。
第4工程;ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とを混合する工程。
第5工程;ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程。
以下、順次各工程について説明する。
(第1工程)
第1工程は、ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程である。
ここで、ポリウレタンプレポリマー中には、末端停止剤が共存していても良く、ポリウレタン樹脂の末端基に作用していても良い。
ポリイソシアネートの使用量は、ポリオールと酸性基含有ポリオールとの合計の水酸基のモル数に対する、ポリイソシアネートのイソシアナト基のモル数は、好ましくは1.05〜2.5、更に好ましくは1.1〜2.0、より好ましくは1.3〜1.8モルである。
この範囲とすることで、ポリウレタンプレポリマーの末端に、十分な量のイソシアナト基を備えさせることができる。
ポリウレタンプレポリマーを製造する際には、また、必要に応じて、公知のウレタン化触媒や、有機溶媒を使用することができる。
(触媒)
第1工程で使用できる触媒としては、例えば、スズ系触媒(トリメチルスズラウリレート、ジブチルスズジラウリレートなど)や鉛系触媒(オクチル酸鉛など)のような金属と有機又は無機酸の塩;有機金属化合物;アミン系触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンなど);ジアザビシクロウンデセン系触媒が挙げられるが、好ましくはスズ系触媒が使用される。
なお、これらの触媒は複数種を併用することができ、その使用量はポリウレタンプレポリマーを生成させる速度に応じて適宜調整する。
(有機溶媒)
第1工程で使用できる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、β−アルコキシプロピオンアミド(出光興産製エクアミド(登録商標);例えば、エクアミドM−100、エクアミドB−100)などのアミド類;酢酸エチルなどのカルボン酸エステル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類が挙げられるが、好ましくはケトン類、アミド類が使用される。
なお、これらの有機溶媒は複数種を併用することができ、有機溶媒としてグリコール化合物(エーテル類)を使用した場合には、水性ポリウレタン樹脂分散体に存在させることもできる。
なお、有機溶媒としてケトン類やカルボン酸エステル類を用いることで、水性ポリウレタン樹脂分散体からの有機溶媒の除去が容易になる。また、有機溶媒としてアミド類を用いることで、水性ポリウレタン樹脂分散体から塗膜を形成するための成膜助剤として機能させることができる。
前記有機溶媒の使用量は、反応溶液の均一性や攪拌性により適宜調整するが、使用するポリオールと、ポリイソシアネート、及び酸性基含有ポリオールの合計量に対して、好ましくは10〜200質量%、更に好ましくは15〜80質量%である。
(反応温度)
第1工程における反応温度は、原料の自己分解、副反応や逐次反応を起こさない温度ならば特に制限されないが、好ましくは40〜150℃、更に好ましくは60〜120℃であり、反応の進行に伴い温度を連続的または断続的に変更しても良い。
第1工程で得られたポリウレタンプレポリマーは、続く第2工程で中和を行うため、その酸価を調整しておくのが望ましく、好ましくは8〜30mgKOH/g、更に好ましくは10〜22mgKOH/g、より好ましくは14〜19mgKOH/gである。
なお、当該酸価は下記式(III)によって算出することができる。
[式(III)]
(A1)ポリウレタンプレポリマーの酸価
=〔(酸性基含有ポリオールのミリモル数)×(酸性基含有ポリオール1分子中の酸性基の数)〕×56.11/〔ポリオール、ポリイソシアネート、及び酸性基含有ポリオールの合計量(質量)〕・・・(III)
(第2工程)
第2工程は、ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程である。
使用する中和剤の種類やその使用量は、前記で示した通りであり、通常はポリウレタンプレポリマー及びその溶液に中和剤を添加する方法によって行われる。
(第3工程)
第3工程は、ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程である。
使用する水系媒体は前記で示した通りであり、その使用量はポリウレタン樹脂の割合が、好ましくは5〜60質量%、更に好ましくは15〜50質量%となるように調整する。
本工程は、公知の方法により強攪拌させている水系媒体中にポリウレタンプレポリマーを添加する方法や、強攪拌させているポリウレタンプレポリマーに水系媒体中を添加する方法により行われる。
(第4工程)
第4工程は、ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とを混合する工程である。ここで、ポリウレタンプレポリマーは、その酸性基が中和剤で中和されていても良く、水系媒体に分散されていても良い。
使用するグリコール化合物の種類や使用量は前記で示した通りであり、ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とが混合できる態様ならば特に限定されず、前記混合液にグリコール化合物を連続的または断続的に添加する方法、グリコール化合物に前記混合液を連続的または断続的に添加する方法で行われる。
なお、第4工程で使用するグリコール化合物を、第1工程の有機溶媒として使用することができる。その際には本工程を省略することができ、前工程(第3工程)の時点で、ポリウレタンプレポリマー、及びグリコール化合物からなる水系ポリウレタンプレポリマー分散体、即ち、ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とからなる「水性ポリウレタンプレポリマー分散体」を得ることができる。
(第5工程)
第5工程は、ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程である。
鎖延長剤の種類や使用量は、前記で示した通りであり、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤とを接触させるなどの方法で行われる。その際の温度は特に制限されず、副反応や逐次反応を抑制するために、好ましくは60℃以下で行われる。
上記で示した製造方法は、
(1)第1工程から順次第5工程まで行う方法以外に、
(2)第1工程と第4工程とを同時に行った後、第2工程と第3工程を順次行い「水性ポリウレタンプレポリマー分散体」を得た後、次いで第5工程の順で行う方法、
(3)第1工程と第2工程を順次行った後に第4工程を行い、次いで第3工程を行って「水性ポリウレタンプレポリマー分散体」を得た後、第5工程を順次行う方法、
(4)第1工程の後に、第2工程と第3工程とを同時に行い、次いで第4工程を行って「水性ポリウレタンプレポリマー分散体」を得た後、第5工程を行う方法、
などのように、「水性ポリウレタンプレポリマー分散体」を経由する方法が好適に採用される。
より具体的には、以下の工程を順次行う水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法である。
(1)ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とを混合する工程(第4工程)。
ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程(第5工程)。
(2)ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとをグリコール化合物中で反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程+第4工程)。
ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程(第5工程)。
(3)ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とを混合する工程(第4工程)。
ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程(第5工程)。
(4)ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
ポリウレタンプレポリマーの酸性基と中和剤を含有する水系媒体とを混合する工程(第2工程+第3工程)。
前記混合液にグリコール化合物を加える工程(第4工程)。
ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程(第5工程)。
当該「水性ポリウレタンプレポリマー分散体」は、「有機溶剤型水性ポリウレタン樹脂分散体(有機溶媒を含む)」または「無機溶剤型水性ポリウレタン樹脂分散体(有機溶媒を実質的に含まない)」に誘導することができるとともに、「水性ポリウレタンプレポリマー分散体」そのものを被塗装基材に塗布して硬化膜などを得ることができる。
以上により、本発明のポリウレタン樹脂分散体を得ることができるが、当該分散体中に含まれるグリコール化合物を留去することにより、有機溶媒を実質的に含まない「無溶剤型水性ポリウレタン樹脂分散体」、即ち、ポリウレタン樹脂とグリコール化合物からなる水性ポリウレタン樹脂分散体由来の「無溶剤型水性ポリウレタン樹脂分散体」を得ることができる。
ここで、「実質的に含まない」とは、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーなどにより、定量できない程度にごく微量検出されるか、検出限界以下である場合を示す。
(添加物)
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、例えば、増粘剤、光増感剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤などの公知の添加剤を共存させることによって、付加的な機能を発現させることができる。
なお、これらの添加物は目的に応じて複数種を併用することができ、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体の機能や特性を損なわず、かつ付加的な機能を発現させるために必要な量を適宜使用する。
[水性ポリウレタン樹脂分散体を含む組成物]
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体を用いて、当該分散体を含む組成物、例えば、塗料組成物、コーティング剤組成物や、インク組成物などを製造することができる。
前記組成物には、水性ポリウレタン樹脂分散体以外に、他の樹脂を添加することもできる。
そのような「他の樹脂」としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられるが、好ましくはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂が使用される。
なお、これらの「他の樹脂」は目的に応じて複数種を併用することができ、その使用量も適宜調整することができる。また、水性ポリウレタン樹脂分散体と他の樹脂とが水性媒体中への分散のしやすさから、他の樹脂は水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基、ポリエチレングリコール基などの1または複数の親水性基を有しているのが好ましい。
(ポリエステル樹脂)
前記ポリエステル樹脂としては、公知のポリエステル樹脂を使用することができるが、以下の水酸基価、酸価、分子量を満たすものが好適に使用される。
水酸基価が、好ましくは10〜300mgKOH/g、更に好ましくは50〜250mgKOH/g、より好ましくは80〜180mgKOH/gである。
酸価が、好ましくは1〜200mgKOH/g、更に好ましくは15〜100mgKOH/g、より好ましくは25〜60mgKOH/gである。
重量平均分子量が、好ましくは500〜500,000、更に好ましくは1,000〜300,000、より好ましくは1,500〜200,000である。
(アクリル樹脂)
前記アクリル樹脂としては、水酸基含有アクリル樹脂が好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、「水酸基含有重合性不飽和モノマー」、及び水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な「他の重合性不飽和モノマー」とを、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中でのエマルション重合法などの既知の方法によって共重合させることにより製造できる。
なお、水酸基含有アクリル樹脂は、アニオン性官能基を有することが好ましい。アニオン性官能基を有する水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、重合性不飽和モノマーの1種として、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などのアニオン性官能基を有する重合性不飽和モノマーを用いることにより製造できる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;これらのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール;分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
前記水酸基含有アクリル樹脂は、公知の水酸基含有アクリル樹脂を使用することができるが、以下の水酸基価、酸価、分子量を満たすものが好適に使用される。
水酸基価が、好ましくは1〜200mgKOH/g、更に好ましくは2〜100mgKOH/g、より好ましくは3〜60mgKOH/gである。
酸価が、好ましくは1〜200mgKOH/g、更に好ましくは2〜150mgKOH/g、より好ましくは5〜100mgKOH/gである。
重量平均分子量が、好ましくは1,000〜200,000、更に好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは3,000〜50,000である。
(ポリエーテル樹脂)
前記ポリエステル樹脂としては、公知のポリエーテル樹脂を使用することができるが、例えば、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテル、ビスフェノールA又はビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル樹脂が好適に使用される。
(ポリカーボネート樹脂)
ポリカーボネート樹脂としては、公知のポリカーボネート樹脂を使用することができるが、例えば、ビスフェノール化合物から製造された重合体が挙げられるが、具体的には、ビスフェノールA・ポリカーボネートなどが好適に使用される。
(ポリウレタン樹脂)
ポリウレタン樹脂としては、公知のポリウレタン樹脂を使用することができるが、例えば、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネートなどの各種ポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂が好適に使用される。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を使用することができるが、例えば、ビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂などが挙げられ、ビスフェノールとしては、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールFが好適に使用される。
(アルコキシド樹脂)
アルコキシド樹脂としては、公知のアルコキシド樹脂を使用することができるが、例えば、フタル酸、テレフタル酸、コハク酸などの多塩基酸と多価アルコールに、更に油脂・油脂脂肪酸(例えば、大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸など)、天然樹脂(例えば、ロジン、コハクなど)などの変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂が好適に使用される。
(ポリオレフィン樹脂)
ポリオレフィン樹脂としては、公知のポリオレフィン樹脂を使用することができるが、例えば、「オレフィン系モノマー」を適宜他のモノマーと通常の重合法に従って重合又は共重合することにより得られるポリオレフィン樹脂を、乳化剤を用いて水分散するか、あるいはオレフィン系モノマーを適宜他のモノマーと共に乳化重合することにより得られる樹脂が好適に使用される。また、場合により、前記のポリオレフィン樹脂が塩素化された、いわゆる塩素化ポリオレフィン変性樹脂を用いることもできる。
前記オレフィン系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセンなどのα−オレフィン;ブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、スチレン類等の共役ジエン又は非共役ジエンが挙げられる。
なお、これらのオレフィン系モノマーは目的に応じて複数種を併用することができる。
これらオレフィン系モノマーと共重合可能な「他のモノマー」としては、例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸が挙げられる。
なお、これらの他のモノマーは目的に応じて複数種を併用することができる。
(硬化剤)
本発明の「水性ポリウレタン樹脂分散体」を含む組成物は、各種剤組成物を用いて得られる塗膜又は複層塗膜、コーティング膜や印刷物の耐水性などを向上させることを目的として、硬化剤を存在させることができる。
前記硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、メラミン樹脂、カルボジイミドなどが好適に使用される。
なお、これらの硬化剤は目的に応じて複数種を併用することができる。
(アミノ樹脂)
前記アミノ樹脂としては、例えば、「アミノ成分」と「アルデヒド成分」との反応によって得られる「部分的、または完全にメチロール化されたアミノ樹脂」が好適に使用される。
前記「アミノ成分」としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミドなどが挙げられる。
他方、「アルデヒド成分」としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドなどが挙げられる。
(ポリイソシアネート)
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが好適に使用される。
(ブロック化ポリイソシアネート)
前記ブロック化ポリイソシアネートとしては、前述のポリイソシアネートのイソシアナト基にブロック剤を付加することによって得られるものが挙げられる。
そのようなブロック化剤としては、例えば、フェノール、クレゾールなどのフェノール系;メタノール、エタノールなどの脂肪族アルコール系;マロン酸ジメチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系;アセトアニリド、酢酸アミドなどの酸アミド系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタムなどのラクタム系;コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどの酸イミド系;アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系;ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系の各種ブロック化剤が好適に使用される。
(メラミン樹脂)
前記メラミン樹脂としては、例えば、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミンなどのメチロールメラミン、またはこれらのメチロールメラミンのアルキルエーテル化物や縮合物、メチロールメラミンのアルキルエーテル化物の縮合物が好適に使用される。
(顔料)
本発明の「水性ポリウレタン樹脂分散体」を含む組成物は、他の機能を付加するために、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料などの着色顔料;クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイトなどの体質顔料;
アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母などの光輝性顔料を共存させることができる。
また、「水性ポリウレタン樹脂分散体」を含む組成物は、例えば、増粘剤、光増感剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、表面調整剤、沈降防止剤などの公知の添加剤を共存させることによって、付加的な機能を発現させることができる。
なお、これらの添加物は目的に応じて複数種を併用することができ、「水性ポリウレタン樹脂分散体」を含む組成物の機能や特性を損なわず、かつ付加的な機能を発現させるために必要な量を適宜使用する。
水性ポリウレタン樹脂分散体を含む組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適用することができ、通常、「塗料組成物」、及び「コーティング剤組成物」は、本発明の「水性ポリウレタン樹脂分散体」と、前記の各種添加剤とを混合し、適用方法に応じた粘度に調整するために、必要に応じて更に水系媒体を添加する方法により製造できる。
「塗料組成物」の被塗装材質、「コーティング剤組成物」の被コーティング材質、または「インク組成物」の被適用材質としては、例えば、金属、プラスチック、無機物、木材などが好適に使用される。
なお、これらの被対象物は目的に応じて複数種を併用することができる。
「塗料組成物」の被適用材質への塗装方法、または「コーティング剤組成物」のコーティング方法としては、例えば、ベル塗装、スプレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装などが好適に採用される。
「インク組成物」の適用方法としては、例えば、インクジェット印刷方法、フレキソ印刷方法、グラビア印刷方法、反転オフセット印刷方法、枚葉スクリーン印刷方法、ロータリースクリーン印刷方法などが好適に採用される。
なお、これらの方法は目的に応じて複数種を組み合わせることができる。
前記組成物から形成される塗膜(硬化物)の厚さは、目的や用途に応じて適宜調整するが、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは3〜50μmである。
[ポリウレタン樹脂フィルム]
本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体を用いて、ポリウレタン樹脂フィルムを製造することができるが、具体的には、水性ポリウレタン樹脂分散体を離形性基材に適用し、加熱するなどして乾燥、硬化させ、続いてポリウレタン樹脂の硬化物を離形性基材から剥離させることで、ポリウレタン樹脂フィルムが得ることができる。
前記加熱方法としては、例えば、自己の反応熱による加熱方法や、自己の反応熱と型の積極加熱とを併用する方法が好適に採用される。
なお、型の積極加熱は、型ごと熱風オーブンや電気炉、赤外線誘導加熱炉に入れて加熱する方法などが挙げられる。
加熱して乾燥や硬化させる際の温度は、好ましくは40〜200℃、更に好ましくは60〜160℃である。この範囲することで、より効率的に乾燥を行うことができる。
他方、加熱時間は、要求される塗膜の機能や特性により適宜調整するが、好ましくは0.0001〜20時間、更に好ましくは1〜10時間である。この範囲とすることで、より硬度の高いポリウレタン樹脂フィルムを得ることができる。
より好適な条件としては、具体的には、120℃で数秒間(例えば、3〜10秒間)加熱することにより、より良質なポリウレタン樹脂フィルムを得ることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1(水性ポリウレタン樹脂分散体の合成)
攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL(登録商標)PH100、宇部興産(株)製;数平均分子量1058、水酸基価106.0mgKOH/g、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)128g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール84g(数平均分子量1000;水酸基価112.2mgKOH/g)、2,2−ジメチロールプロピオン酸17.1g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート145g、ジエチレングリコールジメチルエーテル(東京化成製)66.3g、及びジブチルスズジラウリレート0.3gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80〜90℃で5時間反応させた。
なお、このときのイソシアナト基の含有率は4.02質量%であった。
反応終了後、得られた反応液に80℃付近に維持しながらトリエチルアミン12.6gを加えて30分間攪拌させた後、反応混合物の411gを、強攪拌させた水735g中に加え、水性ポリウレタンプレポリマー分散体を得た。
次いで、得られた分散体に35%2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液60.2gを反応させて、水性ポリウレタン樹脂分散体(固形分30%)を得た。
実施例2(水性ポリウレタン樹脂分散体の合成)
攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL(登録商標)PH100、宇部興産(株)製;数平均分子量1058、水酸基価106.0mgKOH/g、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)128g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール84g(数平均分子量1000;水酸基価112.2mgKOH/g)、2,2−ジメチロールプロピオン酸17.1g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート146g、ジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成製)66.6g、及びジブチルスズジラウリレート0.3gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80〜90℃で5時間反応させた。
なお、このときのイソシアナト基の含有率は4.08質量%であった。
反応終了後、得られた反応液に80℃付近に維持しながらトリエチルアミン12.7gを加えて30分間攪拌させた後、反応混合物の414gを、強攪拌させた水743g中に加え、水性ポリウレタンプレポリマー分散体を得た。
次いで、得られた分散体に35%2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液60.2gを反応させて、水性ポリウレタン樹脂分散体(固形分30%)を得た。
実施例3(水性ポリウレタン樹脂分散体の合成)
攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL(登録商標)PH100、宇部興産(株)製;数平均分子量1058、水酸基価106.0mgKOH/g、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)131g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール86g(数平均分子量1000;水酸基価112.2mgKOH/g)、2,2−ジメチロールプロピオン酸17.4g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート150g、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(日本乳化剤製)67.5g、及びジブチルスズジラウリレート0.3gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80〜90℃で5時間反応させた。
なお、このときのイソシアナト基の含有率は4.04質量%であった。
反応終了後、得られた反応液に80℃付近に維持しながらトリエチルアミン12.9gを加えて30分間攪拌させた後、反応混合物の416gを、強攪拌させた水741g中に加え、水性ポリウレタンプレポリマー分散体を得た。
次いで、得られた分散体に35%2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液60.7gを反応させて、水性ポリウレタン樹脂分散体(固形分30%)を得た。
比較例1(水性ポリウレタン樹脂分散体の合成)
攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL(登録商標)PH100、宇部興産(株)製;数平均分子量1058、水酸基価106.0mgKOH/g、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)125g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール82g(数平均分子量1000;水酸基価112.2mgKOH/g)、2,2−ジメチロールプロピオン酸16.7g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート143g、N−メチル−2−ピロリドン(三菱化学製)66.0g、及びジブチルスズジラウリレート0.3gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80〜90℃で5時間反応させた。
なお、このときのイソシアナト基の含有率は4.11質量%であった。
反応終了後、得られた反応液に80℃付近に維持しながらトリエチルアミン12.5gを加えて30分間攪拌させた後、反応混合物の402gを、強攪拌させた水728g中に加え、水性ポリウレタンプレポリマー分散体を得た。
次いで、得られた分散体に35%2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液60.2gを反応させて、水性ポリウレタン樹脂分散体(固形分30%)を得た。
比較例2(水性ポリウレタン樹脂分散体の合成)
攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL(登録商標)PH100、宇部興産(株)製;数平均分子量1058、水酸基価106.0mgKOH/g、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)128g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール84g(数平均分子量1000;水酸基価112.2mgKOH/g)、2,2−ジメチロールプロピオン酸17.0g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート147g、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(ダイセル製)68.2g、及びジブチルスズジラウリレート0.3gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80〜90℃で5時間反応させた。
なお、このときのイソシアナト基の含有率は4.12質量%であった。
反応終了後、得られた反応液に80℃付近に維持しながらトリエチルアミン12.6gを加えて30分間攪拌させた後、反応混合物の413gを、強攪拌させた水735g中に加え、水性ポリウレタンプレポリマー分散体を得た。
次いで、得られた分散体に35%2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液62.0gを反応させて、水性ポリウレタン樹脂分散体(固形分30%)を得た。
比較例3(水性ポリウレタン樹脂分散体の合成)
攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL(登録商標)PH100、宇部興産(株)製;数平均分子量1058、水酸基価106.0mgKOH/g、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)128g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール83g(数平均分子量1000;水酸基価112.2mgKOH/g)、2,2−ジメチロールプロピオン酸16.8g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート144g、ジエチレングリコールジブチルエーテル(東京化成製)66.2g、及びジブチルスズジラウリレート0.3gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80〜90℃で5時間反応させた。
なお、このときのイソシアナト基の含有率は4.08質量%であった。
反応終了後、得られた反応液に80℃付近に維持しながらトリエチルアミン12.5gを加えて30分間攪拌させた後、反応混合物の408gを、強攪拌させた水733g中に加え、水性ポリウレタンプレポリマー分散体を得た。
次いで、得られた分散体に35%2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液61.0gを反応させたところ、白色固体が析出し、水性ポリウレタン樹脂分散体は得られなかった。
比較例4(水性ポリウレタン樹脂分散体の合成)
攪拌機、還流冷却管及び温度計を備えた反応容器に、ポリカーボネートジオール(ETERNACOLL(登録商標)PH100、宇部興産(株)製;数平均分子量1058、水酸基価106.0mgKOH/g、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール)76g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール51g(数平均分子量1000;水酸基価112.2mgKOH/g)、2,2−ジメチロールプロピオン酸10.2g、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート89g、ジエチレングリコールジメチルエーテル(東京化成製)192g、及びジブチルスズジラウリレート0.2gを混合し、窒素雰囲気にて、攪拌しながら80〜90℃で6時間反応させた。
なお、このときのイソシアナト基の含有率は2.64質量%であった。
反応終了後、得られた反応液に80℃付近に維持しながらトリエチルアミン7.7gを加えて30分間攪拌させた後、反応混合物の413gを、強攪拌させた水188g及びジエチレングリコールジメチルエーテル121gの混合液中に加え、水性ポリウレタンプレポリマー分散体を得た。
次いで、得られた分散体に35%2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液38.0gを反応させて、水性ポリウレタン樹脂分散体(固形分30%)を得た。
(水性ポリウレタン樹脂分散体の評価)
実施例1〜4、及び比較例1〜4から、水性ポリウレタン樹脂分散体が得られた比較例3以外の水性ポリウレタン樹脂分散体について、それぞれの水性ポリウレタン樹脂分散体の製造直後の粘度をB型粘度計により測定した。
その結果を表1に示した。
なお、表中の略語は以下の通りである。
DMDG;ジエチレングリコールジメチルエーテル
(式(1)において、R=R=メチル基、n=2)
DEDG;ジエチレングリコールジエチルエーテル
(式(1)において、R=R=エチル基、n=2)
DMTeG;テトラエチレングリコールジメチルエーテル
(式(1)において、R=R=メチル基、n=4)
DMM;ジプロピレングリコールジメチルエーテル
Figure 2017186432
以上の結果より、本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、いずれも低い粘度で有していることが分かった。それゆえ、被塗装物に対して、インクジェット、スプレーなどを使用する塗装工程に適していると考えられる。
本発明は、新規な水性ポリウレタン樹脂分散体に関する。本発明の水性ポリウレタン樹脂分散体は、低粘度であるため、各種被塗装基材への塗料、インク、接着剤および各種コーティング剤として適用できる。

Claims (12)

  1. ポリウレタン樹脂、
    及び、下記式(1)で示されるグリコール化合物
    を含み、
    グリコール化合物の含有量がポリウレタン樹脂に対して66質量%以下である、
    水性ポリウレタン樹脂分散体。
    Figure 2017186432
    (式中、R及びRは、同一または異なっていても良く、炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは1〜4の整数である。)
  2. 請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する組成物。
  3. 組成物が、塗料組成物、コーティング組成物、及びインク組成物からなる群から選ばれる少なくとも1種の組成物である、請求項2記載の水性ポリウレタン樹脂分散体を含有する組成物。
  4. 以下の工程を順次行う、請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法。
    ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
    ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
    ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
    ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とを混合する工程(第4工程)。
    ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程(第5工程)。
  5. 以下の工程を順次行う、請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法。
    ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとをグリコール化合物中で反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程+第4工程)。
    ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
    ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
    ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程(第5工程)。
  6. 以下の工程を順次行う、請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法。
    ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
    ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
    ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とを混合する工程(第4工程)。
    ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
    ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程(第5工程)。
  7. 以下の工程を順次行う、請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法。
    ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
    ポリウレタンプレポリマーの酸性基と中和剤を含有する水系媒体とを混合する工程(第2工程+第3工程)。
    前記混合液にグリコール化合物を加える工程(第4工程)。
    ポリウレタンプレポリマーを鎖延長剤によりポリウレタン樹脂の分子量を調整する工程(第5工程)。
  8. ポリウレタンプレポリマー、
    及び、下記式(1)で示されるグリコール化合物
    を含み、
    グリコール化合物の含有量がポリウレタン樹脂に対して66質量%以下である、
    水性ポリウレタンプレポリマー分散体。
    Figure 2017186432
    (式中、R及びRは、同一または異なっていても良く、炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは1〜4の整数である。)
  9. 以下の工程を順次行う、請求項8記載の水性ポリウレタンプレポリマー分散体の製造方法。
    ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
    ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
    ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
  10. 以下の工程を順次行う、請求項8記載の水性ポリウレタンプレポリマー分散体の製造方法。
    ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとをグリコール化合物中で反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程+第4工程)。
    ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
    ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
  11. 以下の工程を順次行う、請求項8記載の水性ポリウレタンプレポリマー分散体の製造方法。
    ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
    ポリウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤により中和する工程(第2工程)。
    ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とを混合する工程(第4工程)。
    ポリウレタンプレポリマーと水系媒体とを混合する工程(第3工程)。
  12. 以下の工程を順次行う、請求項8記載の水性ポリウレタンプレポリマー分散体の製造方法。
    ポリオールとポリイソシアネートと酸性基含有ポリオールとを反応させてポリウレタンプレポリマーを得る工程(第1工程)。
    ポリウレタンプレポリマーと中和剤を含有する水系媒体とを混合する工程(第2工程+第3工程)。
    ポリウレタンプレポリマーとグリコール化合物とを混合する工程(第4工程)。
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