JP2017179383A - 透明な粘着剤層を有する透明導電層付カバー部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、このような課題を解決するために、粘着剤層の表面から厚み方向のある範囲にわたって、粘着剤層のベース材料よりも高い屈折率を有する屈折率調整区分を形成した粘着剤シートを予め貼り合せた透明導電層付カバー部材を提供することで、供給先の顧客の積層工程において、粘着剤シート自体の表裏を区別しなくてもよいように構成し、該透明導電層付カバー部材が光学部材の接合に使用されたとき、これら光学部材によって形成される積層体における内部反射を抑制することができる。
【選択図】図6
Description
前記粘着剤層は、一方の主面から厚み方向にわたって透明な粘着剤ベース材料により本質的に形成されるベース粘着剤区分と、該粘着剤層の他方の主面から厚み方向にわたって形成された透明な粘着性の屈折率調整用区分とを含み、前記屈折率調整用区分は前記透明導電性層と接し、前記粘着剤ベース材料の屈折率より高い屈折率を有することを特徴とする。
面積比は、一辺が10μm〜200μmの方形領域において、該方形領域の全体面積に対する高屈折率材料粒子17の占める面積の割合とし、複数の方形領域について測定を行い、その測定値を平均することにより面積比が求められる。
厚さ0.65mmの無アルカリガラス(屈折率1.53)の一方の面に、スパッタリング法により20nmのITO膜を形成し、結晶化ITO膜(屈折率1.85)を有する透明導電性基材を作製した。この結晶性ITO薄膜のSn比率は、3重量%であった。前記透明導電層の一部にフォトレジスト膜を形成した後、これを25℃、5重量%の塩酸(塩化水素水溶液)に1分間浸漬して、透明導電層のエッチングを行った。これにより電極配線パターンに相当する透明導電層が存在する部分(パターン部)(図7(a)中のITO27)と、除去された部分(開口部)とを作製した。作製されたカバー部材を「カバー部材(1)」と呼ぶ。図7(a)にカバー部材(1)(カバー部材25)の構成を示す。図中の各層に記載した数値は、屈折率を表す。以下、同様にその他の図(図7から図10)において各層に記載された数値は、単位の表記がなければ屈折率を表す。
厚さ100μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン(株)製、商品名:「ゼオノアZF16」、面内複屈折率:0.0001)の両面に、直径3μmの複数の粒子(商品名:「SSX105」、積水樹脂(株)製)を、バインダー樹脂(商品名:「ユニディックRS29−120」、DIC社製)100部に対して0.07部添加した塗工液をバーコーターを用いて塗布し、80℃のオーブン下で1分間乾燥後、積算光量各300mJの紫外線(高圧水銀灯)を照射することで両面にアンチブロッキング層を有するフィルムを形成した(以下、COP基材)。次に、COP基材の片面に、屈折率調整剤(商品名:「オプスター KZ6661」、JSR(株)製)をバーコーターにより塗布し、80℃のオーブン下で1分間乾燥後、積算光量各300mJの紫外線(高圧水銀灯)を照射することで、厚さ100nm、屈折率1.65の屈折率調整層を形成した。得られたCOP基材の屈折率調整層の表面に、巻き取り式スパッタ装置において、透明導電層として厚さ23nmのインジウムスズ酸化物層(ITO)を積層した。前記透明導電層の一部にフォトレジスト膜を形成した後、これを25℃、5重量%の塩酸(塩化水素水溶液)に1分間浸漬して、透明導電層のエッチングを行った。これにより電極配線パターンに相当する透明導電層が存在する部分(パターン部)(図7(b)中のITO31)と、除去された部分(開口部)とを作製した。作製されたカバー部材を「カバー部材(2)」と呼ぶ。図7(b)にカバー部材(2)(カバー部材28)の構成を示す。
(アクリルオリゴマーの作成)
ジシクロペンタニルアクリレート(DCPMA、メタクリル酸ジシクロペンタニル)60重量部、メチルメタクリレート(MMA、メタクリル酸メチル)40重量部、連鎖移動剤としてのα−チオグリセロール3.5重量部、及び重合溶媒としてのトルエン100重量部を、4つ口フラスコに投入し、これらを窒素雰囲気下において70℃で1時間撹拌した。次に、重合開始剤としての2,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を4つ口フラスコに投入し、70℃で2時間反応させ、続いて、80℃で2時間反応させた。その後、反応液を130℃温度雰囲気下に投入し、トルエン、連鎖移動剤及び未反応モノマーを乾燥除去させ、固形状のアクリル系ポリマーを得た。このようにして得られたアクリル系ポリマーを「アクリル系ポリマー(A−1)」とした。このアクリル系ポリマー(A−1)の重量平均分子量(Mw)は5.1×103であった。
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)68重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)14.5重量部、及びヒドロキシエチルアクリレート(HEA)17.5重量部から構成されるモノマー混合物に、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)0.035重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、BASF社製)0.035重量部を配合した後、このモノマー混合物を窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることにより、重合率約10重量%の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)28.5重量部、イソステアリルアクリレート(ISTA)28.5重量部、イソボルニルアクリレート22重量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)20重量部、2種の光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF製)0.05重量部、及び光重合開始剤(商品名:イルガキュア651、BASF製)0.05重量部を配合した後、このモノマー混合物を窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることにより、重合率約10重量%の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を得た。
粘着剤層形成後の厚さを25μmとなるようにした事の他は粘着剤Baと同様の手順で形成した。
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)32重量部、イソステアリルアクリレート(ISTA)48重量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(2HPA)20重量部、2種の光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF製)0.05重量部、及び光重合開始剤(商品名:イルガキュア651、BASF製)0.05重量部を、4つ口フラスコに投入してモノマー混合物を調製した。次いで、このモノマー混合物を窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることにより、重合率約10重量%の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を得た。このようにして得られたアクリル系ポリマーシロップの100重量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)0.02重量部、シランカップリング剤(商品名:KBM−403、信越化学工業(株)製)を0.3部添加した後、これらを均一に混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。上記アクリル系粘着剤組成物を、剥離フィルム(商品名「ダイアホイルMRF#38」、三菱樹脂株式会社製)の剥離処理された面上に、粘着剤層形成後の厚さが200μmとなるように塗布して、粘着剤組成物層を形成し、次いで、該粘着剤組成物層の表面に、剥離フィルム(商品名「ダイアホイルMRN#38」、三菱樹脂株式会社製)を、当該フィルムの剥離処理面が塗布層側になるようにして被覆した。これにより、モノマー成分の塗布層を酸素から遮断した。その後、照度:5mW/cm2、光量:1500mJ/cm2の条件で紫外線照射を行い、粘着剤組成物層を光硬化させて、粘着剤層を形成した。
温度計、攪拌機、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、モノマー成分として、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)63重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)15重量部、メチルメタクリレート(MMA):9重量部、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA):13重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル:200重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2´−アゾビスイソブチロニトリル:0.2重量部を加え、60℃に昇温して10時間反応させた。その後、トルエンを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。重量平均分子量(Mw)80万のアクリル系ポリマーを得た。このアクリル系ポリマーの溶液(固形分100部)に、イソシアネート系架橋剤としてトリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学(株)製「タケネートD110N」)1.0部、シランカップリング剤(信越化学(株)製「KBM−403」)0.2部を加えて粘着剤組成物(溶液)を調製した。このようにして調製した粘着剤溶液を、剥離フィルム(商品名「ダイアホイルMRF#75」、三菱樹脂株式会社製)の剥離処理された面上に、粘着剤層形成後の厚さが100μmとなるように塗布し、常圧下、60℃で3分間、続いて、155℃で4分間加熱乾燥し、さらに50℃で72時間エージングを行って粘着剤層を作成した。
〈粘着剤A/高屈折率材料のナノ粒子分散液を使用する事例〉
(粘着剤A/ナノ粒子分散液を使用した事例)
粘着剤層の厚さが200μmであって、該粘着剤層の両面がPET剥離シートで保護されている状態の粘着剤A(粘着剤層の屈折率:1.49)の一方の軽剥離PETシートを剥離した。露出した粘着剤層の表面に、高屈折率粒子を含有する分散液としてのジルコニア粒子(ZrO2 、屈折率:2.17、平均一次粒子径:20nm)を含有する塗布用処理液(分散媒:エタノール、粒子濃度:1.2重量%、分散液の透過率:82%、CIKナノテック(株)製)を、屈折率調整区分の厚さが20nm〜200nmになるようにバーコーターRDS No.5で塗布し、110℃の乾燥オーブンで180秒間乾燥させた。次いで、ジルコニア(ZrO2 )粒子が分散された粘着剤層表面に、支持体としてPET剥離シート(75μm)を貼り合わせ、屈折率調整区分付粘着剤(A1)を得た。なお、ジルコニア粒子の平均一次粒子径は、TEM観察により計測した。図8(a)は、屈折率調整区分付粘着剤(A1)の構成を示す。
上記の事例と同様にして、下記の粘着剤及び高屈折率材料のナノ粒子分散液を使用して同様に屈折率調整区分付粘着剤(B1)、(C1)、(D1)を作製した。使用材料は、粘着剤Ba(屈折率1.48)、粘着剤C(屈折率1.48)、粘着剤D(屈折率1.49)、ZrO2 ナノ粒子分散液(分散媒:エタノール、粒径20nm)であった。図8(b)(c)(d)は、屈折率調整区分付粘着剤(B1)(C1)(D1)の構成を示す。
なお、検討に使用した粘着剤の特性一覧を下記表に示す。
(実施例1)
図9(a)に示す光学部材積層体を作製した。屈折率調整区分付粘着剤(A1)の屈折率調整区分側のPET剥離シートを剥離して、導電層を有するカバー部材(1)(カバー部材25)の透明導電層の側に、屈折率調整区分(高屈折率粒子を有する側)と該透明導電層とが接触するように貼り合せて、透明導電層付カバー積層体(A)を作成した。また、屈折率調整区分(高屈折率粒子を有する側)とは反対側には、反射率測定のために、評価用の黒色のPETフィルム32を貼った。
図9(b)に示す光学部材積層体を作製した。積層する粘着剤を屈折率調整区分付粘着剤(B1)に変更し、屈折率調整区分側のPET剥離シートを剥離して、導電層を有するカバー部材(1)(カバー部材25)の透明導電層の側に、屈折率調整区分(高屈折率粒子を有する側)と該透明導電層とが接触するように貼り合せた。次に、カバー部材(1)の電極面側とは反対のガラス面側に、厚み43μmの反射防止層を有するトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(AR−Film33)を、粘着剤(Ba)を用いて貼り合せて、透明導電層付カバー積層体(B)を作成した。また、屈折率調整区分(高屈折率粒子を有する側)とは反対側には、反射率測定のために、評価用の黒色のPETフィルム32を貼った。
図9(c)に示す光学部材積層体を作製した。積層する粘着剤を屈折率調整区分付粘着剤(C1)に変更し、屈折率調整区分側のPET剥離シートを剥離して、導電層を有するカバー部材(2)(カバー部材28)の透明導電層の側に、屈折率調整区分(高屈折率粒子を有する側)と該透明導電層とが接触するように貼り合せて、透明導電層付カバー積層体(C)を作成した。また、屈折率調整区分(高屈折率粒子を有する側)とは反対側には、反射率測定のために、評価用の黒色のPETフィルム32を貼った。
図9(d)に示す光学部材積層体を作製した。積層する粘着剤を屈折率調整区分付粘着剤(D1)に変更して、透明導電層付カバー積層体(D)を作成した以外は、実施例3と同様に作成した。
図10(a)に示す光学部材積層体を作製した。積層する屈折率調整区分付粘着剤(A1)を、屈折率調整区分を有さない粘着剤Aに変更して、透明導電層付カバー積層体(E)を作成した以外は、実施例1と同様に作成した。
図10(b)に示す光学部材積層体を作製した。積層する屈折率調整区分付粘着剤(B1)を、屈折率調整区分を有さない粘着剤B1に変更して、透明導電層付カバー積層体(F)を作成した以外は、実施例2と同様に作成した。
図10(c)に示す光学部材積層体を作製した。積層する屈折率調整区分付粘着剤(C1)を、屈折率調整区分を有さない粘着剤Cに変更して、透明導電層付カバー積層体(G)を作成した以外は、実施例3と同様に作成した。
図10(d)に示す光学部材積層体を作製した。積層する屈折率調整区分付粘着剤(D1)を、屈折率調整区分を有さない粘着剤Dに変更して、透明導電層付カバー積層体(H)を作成した以外は、実施例4と同様に作成した。
〈偏光板の単体透過率、偏光度の測定〉
紫外可視分光光度計(日本分光社製、製品名「V7100」)を用いて、偏光膜の単体透過率(Ts)、平行透過率(Tp)および直交透過率(Tc)を測定し、偏光度(P)を次式により求めた。
偏光度(P)(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
なお、上記Ts、TpおよびTcは、JIS Z 8701の2度視野(C光源)により測定し、視感度補正を行ったY値である。
作製したアクリル系ポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
装置:東ソー社製、HLC−8220GPC
カラム:
サンプルカラム;東ソー社製、TSKguardcolumn Super HZ−H(1本)+TSKgel Super HZM−H(2本)
リファレンスカラム;東ソー社製、TSKgel Super H−RC(1本)
流量:0.6mL/min
注入量:10μL
カラム温度:40℃
溶離液:THF
注入試料濃度:0.2重量%
検出器:示差屈折計
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。
実施例のそれぞれにおける粘着剤層の高屈折率材料粒子を有する側の表面を、FE−SEMを用いて、加速電圧2kV、観察倍率500倍、2,000倍、5,000倍、及び20,000倍で観察した。図11にその20,000倍写真を示す。高屈折率材料粒子が均一に分散されていることが分かる。
実施例の粘着剤層の高屈折率材料粒子を有する側の表面近傍の断面を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率30,000倍で観察した。その結果を図12(a)(b)に示す。図12(a)では、屈折率調整用区分の厚みのほぼ全体にわたって高屈折率材料粒子がほぼ均一に分布しているが、図12(b)の例では、粘着剤層における高屈折率材料粒子の分布が、粘着剤層の表面で最も高く、粘着剤層の厚さ方向に従って減少していく分布を有することが分かる。
実施例及び比較例で得られた粘着層の平均表面屈折率を、分光エリプソメーター(EC−400、JA.Woolam製)を用いてナトリウムD線(589nm)における屈折率を測定した。実施例及び比較例の粘着層では、両面の剥離シートを剥離して、粒子を塗布していない面に黒板を貼り合わせた状態で、粒子が塗布されている面の平均屈折率を測定した。比較例の粘着シートでは、両方の剥離シートを剥離して、一方の面に黒板を貼り合わせた状態で、粘着剤層表面の平均屈折率を測定した。
粘着剤層の深さ方向の断面を調整し、TEM観察を行った。得られたTEM像(直接倍率3000〜30000倍)から屈折率調整区分の厚さの測定を計測した。屈折率調整区分層の厚みは、粘着剤ベース層との調整区分との界面の凸凹の平均値とし、粘着剤ベース層との界面の判別が困難な場合には、表面TEM像を画像処理ソフト(ImageJ)で二値化画像処理し、ナノ粒子の90%が存在する領域の深さを調整区分の厚みとした。
粘着剤層の粒子塗布側の表面を、FE−SEMを用いて、加速電圧2kV、観察倍率500倍、2,000倍、5,000倍で観察した。得られた表面SEM像を画像処理ソフト(ImageJ)で二値化画像処理することで、長辺23μm、短辺18μmの長方形領域における全体面積に対する面積として高屈折率粒子の占める面積比率(%)を求めた。
実施例及び比較例で得られた粘着シートでは、高屈折率材料を塗布した側の剥離シートを剥離して、スライドガラス(商品名:白研磨 No.1、厚さ:0.8〜1.0mm、全光線透過率:92%、ヘイズ:0.2%、松浪硝子工業(株)製)に貼り合わせた。さらに他方の剥離シートを剥離して、ベース粘着剤層/粘着性の屈折率調整用層/スライドガラスの層構成を有する試験片を作製した。また、比較例の粘着シートでは、一方の剥離シートを剥離して、スライドガラス(商品名:白研磨 No.1、厚さ:0.8〜1.0mm、全光線透過率:92%、ヘイズ:0.2%、松浪硝子工業(株)製)に貼り合わせ、さらに他方の剥離シートを剥離して、ベース粘着剤層/スライドガラスの層構成を有する試験片を作製した。上記試験片の可視光領域における全光線透過率、ヘイズ値を、ヘイズメーター(装置名:HM−150、(株)村上色彩研究所製)を用いて測定した。
実施例及び比較例で得られた粘着シートから、長さ100mm、幅25mmのシート片を切り出した。次いで、実施例及び比較例のシート片では、粒子が塗布されていない側の剥離シートを剥離して、PETフィルム(商品名:ルミラー S−10、厚さ:25μm、東レ(株)製)を貼付(裏打ち)した。また、比較例1、2のシート片では、一方の剥離シートを剥離して、PETフィルム(商品名:ルミラー S−10、厚さ:25μm、東レ(株)製)を貼付(裏打ち)した。次に、他方の剥離シートを剥離して、試験板としてのガラス板(商品名:ソーダライムガラス ♯0050、松浪硝子工業(株)製)に、2kgローラー、1往復の圧着条件で圧着し、試験板/粘着剤層/PETフィルムから構成されるサンプルを作製した。得られたサンプルについて、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、15分)し、その後、23℃、50%R.H.の雰囲気下で30分間放冷した。放冷後、引張試験機(装置名:オートグラフ AG−IS、(株)島津製作所製)を用い、JIS Z0237に準拠して、23℃、50%R.H.の雰囲気下、引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、試験板から粘着シート(粘着剤層/PETフィルム)を引きはがし、180°引き剥がし接着力(N/25mm)を測定した。また、各実施例、比較例において、高屈折率材料の粒子未塗布の粘着シートを作製し、当該高屈折率材料の粒子未塗布の粘着シートにおいても、上記同様に、180度ピール接着力を測定した。
高屈折率粒子を含有する分散液の透過率は、光電比色計(AC−114、OPTIMA社製)で530nmのフィルターを用いて測定した。分散溶媒単独の透過率を100%として、各実施例、比較例で使用した分散液の透過率(%)を測定した。
実施例及び比較例の光学部材積層体の一方の面を反射率測定面とし、反対側の面に片面粘着付黒色PET(PET75NBPET38、リンテック(株)製)を貼って反射率測定用の試料とした。光学部材積層体の反射率測定面側の反射率(Y値)、及び反射率測定面側の反射色相(L*, a*,b*値:CIE1976)を反射型分光光度計(U4100、(株)日立ハイテクノロジーズ製)により測定した。測定は、透明導電層をエッチングした部分と、エッチングしていない部分の双方の位置で行った。すなわち、透明導電層をエッチングした部分(開口部)の測定は、粘着剤層の屈折率調整区分と光学部材積層体の基材との界面の反射率であり、エッチングしていない部分(パターン部)の測定は、粘着剤層の屈折率調整区分と透明導電層界面の反射率を示す。反射色相についても同様である。
反射抑制率(%)=反射率(%)−粒子がない場合の反射率(%)
色差値ΔE*ab=[(ΔL*)^2+(Δa*)^2+(Δb*)^2]^(1/2)
すなわち、光学部材積層体の反射色差値(ΔE*ab)は、エッチングした部分とエッチングしてない部分の色味の差を示す指標である。
パターン見栄えの評価としては、導電層部と導電層がない部分との反射率差(%)と反射色差値から判定を行った。反射率差(%)が、1.0%以上であれば×とした。反射率差1.0%未満であって、色差値が1.0未満であれば◎、1.0〜3.0未満であれば○、3.0以上であれば△とした。
S1、S2・・・支持体
1・・・光学部材積層体
2・・・第1光学部材
3,13・・・透明な粘着剤層
3a、13a・・・ベース粘着剤区分
3b、13b・・・屈折率調整用区分
4・・・第2光学部材
7・・・透明導電性層
17・・・高屈折率材料粒子
19・・・分散液
20・・・粘着剤ベース材料
21・・・積層体
22・・・カバーセンサ(ガラス/樹脂)
23・・・屈折率調整区分を有する粘着剤(IM層付粘着剤)
24・・・画像表示装置(LCD、OLED)
25、28・・・カバー部材
26・・・ガラス基板
27、31・・・ITO層
29・・・COP基板
30・・・屈折率調整層
32・・・評価用黒PET
33・・・AR−Film
Claims (14)
- 透明な粘着剤層を有する透明導電層付カバー部材であって、
前記透明導電層は前記カバー部材の内側においてパターン化されており、
前記粘着剤層は、一方の主面から厚み方向にわたって透明な粘着剤ベース材料により本質的に形成されるベース粘着剤区分と、該粘着剤層の他方の主面から厚み方向にわたって形成された透明な粘着性の屈折率調整用区分とを含み、前記屈折率調整用区分は前記透明導電性層と接し、前記粘着剤ベース材料の屈折率より高い屈折率を有することを特徴とする透明導電層付カバー部材。 - 請求項1に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記カバー部材は、ガラス又は透明樹脂基材であることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項1又は請求項2に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記屈折率調整用区分は、厚みが20nm〜600nmであることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記屈折率調整用区分は、前記粘着剤ベース材料と同じ粘着性材料に、該粘着性材料より高い屈折率を有する高屈折率材料の粒子が分散されて該屈折率調整用区分の平均屈折率を高めるように構成されたことを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項4に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記高屈折率材料の粒子の屈折率は1.60〜2.74であることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項4から請求項5までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記高屈折率材料は、TEM観察による平均一次粒子径が3nm〜100nmであることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記高屈折率材料の粒子と前記粘着剤ベース材料の屈折率の差が0.15〜1.34であることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記高屈折率材料は、TiO2、ZrO2、CeO2、Al2O3、BaTiO3、Nb2O5、及びSnO2からなる群から選択された1又は複数の化合物であることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記屈折率調整用区分は、前記粘着剤ベース材料と同じ粘着性材料に該粘着性材料より高い屈折率を有する粒子、ポリマー又はオリゴマーの形態の有機材料が含まれることによって該屈折率調整用区分の平均屈折率を高めるように構成されたことを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項9に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記粘着剤ベース材料の屈折率は1.40〜1.55であり、前記有機材料の屈折率は1.59〜2.04であることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記粘着剤層の全光線透過率が80%以上であることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項4から請求項8までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記高屈折率材料の粒子は、複数の粒子が凝集した凝集体の形態で存在する部分を含むことを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項4から請求項12までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記屈折率調整用区分は、前記粘着剤層の厚み方向に、不規則な深さで存在することを特徴とする透明導電層付カバー部材。
- 請求項4から請求項13までのいずれか1項に記載した透明導電層付カバー部材であって、前記屈折率調整用区分は、前記透明導電層の屈折率n1と前記屈折率調整区分の屈折率n2と前記粘着剤ベース材料の屈折率n3の関係が、n1>n2>n3 であることを特徴とする透明導電層付カバー部材。
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