JP2017174526A - プラズマ生成装置、プラズマ生成方法およびプラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の給電点を有する電極、電極の主面に対面して配置される対向電極、電極に高周波電力を供給し電極と対向電極との間にプラズマを励起する高周波電源、高周波電源から電極の複数の給電点に接続されている複数の導線、導線を覆って配置される、接地された接地導体、および、少なくとも1つの導線と接地導体との間の少なくとも一部に配置される誘電体、を有し、誘電体が、導線と、導体に近接する接地導体と、の間の空間に占める誘電体の割合を変更可能に配置されている。
【選択図】図1A
Description
さらに、特許文献1では、高周波電源に対して、各々共通のRF電源に接続された複数個のRF供給端子を設け、各RF供給端子におけるバイアス電圧を検出して各RF供給端子の電圧が等しくなるように設定する設定装置を設けることで、プラズマ強度の分布を均一化することが記載されており、設定装置が中心電位となるRF供給端子以外の各RF供給端子と共通のRF電源との間に挿入された可変容量からなることが記載されている。
一方、ケーブルの電気的特性を調整して高周波電力の給電点における位相を調整する構成は、最適な給電構成とするためにプラズマを止めて装置を開けたあと、逐次ケーブルを取り替える必要があるので実用性が低いという問題があった。また、最適値を得られるまでに検討すべきケーブルの種類が多くなってしまうという問題があった。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
電極の主面に対面して配置される対向電極、
電極に高周波電力を供給し電極と対向電極との間にプラズマを励起する高周波電源、
高周波電源から電極の複数の給電点に接続されている複数の導線、
導線を覆って配置される、接地された接地導体、および、
少なくとも1つの導線と接地導体との間の少なくとも一部に配置される誘電体、を有し、
誘電体が、導線と、導線に近接する接地導体と、の間の空間に占める誘電体の割合を変更可能に配置されているプラズマ生成装置。
[2] 接地導体がシールド部材である[1]に記載のプラズマ生成装置。
[3] 誘電体が、導線および導線に近接する接地導体の配列方向と直交する方向に移動可能に配置されている[1]または[2]に記載のプラズマ生成装置。
[4] 誘電体が、導線の幅方向に移動可能に配置されている[3]に記載のプラズマ生成装置。
[5] 誘電体が、導線の長手方向に移動可能に配置されている[3]に記載のプラズマ生成装置。
[6] 接地導体が、導線および導線に近接する接地導体の配列方向に移動可能に配置されている[1]または[2]に記載のプラズマ生成装置。
[7] 複数の給電点を有する電極に複数の導線を介して高周波電力を供給し、電極と電極の主面に対面して配置される対向電極との間にプラズマを励起するプラズマ生成方法であって、
導線と少なくとも1つの導線を覆って配置される、接地された接地導体との間の少なくとも一部に配置されている誘電体の、導線と導線に近接する接地導体との間の空間に占める割合を変更することで、導線のキャパシタンスを変更するプラズマ生成方法。
[8] 接地導体がシールド部材である[7]に記載のプラズマ生成方法。
[9] 誘電体を、導線および導線に近接する接地導体の配列方向と直交する方向に移動することで、導線と接地導体との間の空間に占める誘電体の割合を変更する[7]または8に記載のプラズマ生成方法。
[10] 誘電体を、導線の幅方向に移動する[9]に記載のプラズマ生成方法。
[11] 誘電体を、導線の長手方向に移動する[9]に記載のプラズマ生成方法。
[12] 接地導体を、導線および導線に近接する接地導体の配列方向に移動することで、導線と接地導体との間の空間に占める誘電体の割合を変更する[7]または[8]に記載のプラズマ生成方法。
[13] 複数の給電点を有する電極に複数の導線を介して高周波電力を供給し、電極と電極の主面に対面して配置される対向電極との間にプラズマを励起して、電極と対向電極との間に配置された被処理部材にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法であって、
導線と少なくとも1つの導線を覆って配置される、接地された接地導体との間の少なくとも一部に配置されている誘電体の、導線と導線に近接する接地導体との間の空間に占める割合を変更することで、導線のキャパシタンスを変更するプラズマ処理方法。
[14] 接地導体がシールド部材である[13]に記載のプラズマ処理方法。
[15] 誘電体を、導線および導線に近接する接地導体の配列方向と直交する方向に移動することで、導線と接地導体との間の空間に占める誘電体の割合を変更する[13]または[14]に記載のプラズマ処理方法。
[16] 誘電体を、導線の幅方向に移動する[15]に記載のプラズマ処理方法。
[17] 誘電体を、導線の長手方向に移動する[15]に記載のプラズマ処理方法。
[18] 接地導体を、導線および導線に近接する接地導体の配列方向に移動することで、導線と接地導体との間の空間に占める誘電体の割合を変更する[13]または[14]に記載のプラズマ処理方法。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。
本明細書において、「同一」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
複数の給電点を有する電極、
電極の主面に対面して配置される対向電極、
電極に高周波電力を供給し電極と対向電極との間にプラズマを励起する高周波電源、
高周波電源から電極の複数の給電点に接続されている複数の導線、
導線を覆って配置される、接地された接地導体、および、
少なくとも1つの導線と接地導体との間の少なくとも一部に配置される誘電体、を有し、
誘電体が、導線と、導体に近接する接地導体と、の間の空間に占める誘電体の割合を変更可能に配置されているプラズマ生成装置である。
図1A〜図1Cに示すプラズマ生成装置10は、電極12と対向電極14とからなる電極対に高周波電圧を印加して電極対間にプラズマPを生成する装置であり、電極対間に被処理部材Zを配置して各種のプラズマ処理を行うことができる。プラズマ生成装置10は、電極12と、対向電極14と、電極格納ケース16と、接地導体18と、内部導体22と、誘電体24と、高周波電源30と、整合器32と、分配器34とを有する。
例えば、被処理部材Zに、プラズマCVD等の気相堆積法(真空成膜法)による成膜を行う場合には、被処理部材Zとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。また、被処理部材Zは、樹脂フィルム等を基材として、平坦化層、保護層、密着層、反射層、反射防止層、バリア層等の各種の機能を発現するための層(膜)を成膜してなるフィルム状物であってもよい。
電極12は、その放電面と、電極対を構成する対向電極14との間で、プラズマPを生成する。
図に示す例では、電極12の幅方向の中央に接続される給電点qと、幅方向の両端部側に接続される2つの給電点qとの計3つの給電点qを有する。
なお、給電点qの数および配置位置には限定はなく、電極12の幅方向に均一に電圧を印加するために、給電点qの数および配置位置を適宜設定すればよい。
バイアス電源は、各種のプラズマ生成装置で利用されている、バイアスを印加するための高周波電源やパルス電源等の公知の電源が、全て利用可能である。
また、対向電極14および電極12の向かい合う面にはそれぞれ、放電の安定性を高めるために誘電体が取り付けられていてもよい。
電極格納ケース16の材料としては限定はなく、アルミニウム等の金属などの、従来のプラズマ生成装置で用いられる公知の材料を用いることができる。
図示例においては、内部導体22の断面形状は扁平形状である。
図1Aに示す例では、3つの内部導体22それぞれに対応して、内部導体22と接地導体18との間の少なくとも一部に誘電体24が配置されている。
図示例においては、位置調整用孔28が、その幅方向(長軸方向)を対応する位置における内部導体22の幅方向と平行にして形成されているので、位置調整用ハンドル26を操作することで、誘電体24は、内部導体22と接地導体18との間で、内部導体22および接地導体18の配列方向と直交する方向あって、内部導体22の幅方向に移動される。
従って、図1Aにおいては、中央に配置される内部導体22に対応して配置される誘電体24は図中左右方向に移動可能であり、左右に配置される内部導体22の図中左右方向に延在する領域に対応して配置される誘電体24は図中上下方向に移動可能である。
このような構成とすることで、図2に示すように、内部導体22に可変容量を接続したものと等価な回路構成となる。
定在波の位相を制御するには、それぞれの給電点での電圧の位相を変化させることが必要なので、給電点にいたるまでの内部導体にて位相の遅れをつくる必要がある。v=1/√(LC)で与えられる電磁波の速度を遅らせることでその位相の遅れを形成できる。なお、Lは、自己インダクタンスである。しかし、内部導体と接地導体間の距離を単純に変えてCを変化させても、同時にLがキャンセルしてしまい、電磁波の速度を遅らせることはできない。よって、キャパシタンスに誘電体を挿入し、その誘電率によってCを変化させることで、Lによってキャンセルされることなく速度を遅らせることが可能となる。
具体的には、まず、誘電体24を有さない場合には、高周波電圧が印加される内部導体22と、接地されている接地導体18とが隣接して配置されることで、これらの間には、いわゆる寄生容量が生じる。内部導体22と接地導体18との対面する面の面積をSとし、内部導体22と接地導体18との距離をdとし、内部導体22と接地導体18との間の空間の誘電率をε0とすると、このコンデンサ容量はC=ε0×S/dで表される。
ここで、前述のとおり、誘電体24は内部導体22の幅方向に移動可能な構成を有する。そのため、誘電体24を移動することで、誘電体の占める割合が変化(S1が変化)し、コンデンサ容量C1が変化する。
したがって、内部導体22とアース(接地導体18)とを可変容量で接続したのと等価な回路構成となる。
このように電極に複数の給電点を設ける構成において、さらに、プラズマの強度分布を均一化するために、給電点(RF供給端子)と高周波電源との間に可変容量を挿入し、各給電点における電圧を検出して各給電点における電圧が等しくなるように設定する設定装置を設ける構成は、可変容量そのものでコストがかかり、また、可変容量を取り付けるスペース確保のために装置が大型化したり、可変容量のつまみを回す機構が必要となり、装置全体としてもコストが上がるという問題があった。また、可変容量は長期間、高電圧下においた使用では可変容量にてスパークが発生しやすく、定期的に取り替える必要がでてくるなどの問題もある。
また、多点給電のためには、大気側から真空側の電流導入端子を増やさなければならず、大気側に可変容量を取り付ける必要があるため、整合器から電極への長さが冗長になりやすい。そのため、なんらかの原因で反射波が増えたとき、それが定常値に戻るまでの時間がかかってしまい、電源に対して負担が大きいという問題があった。
また、装置の設計段階で、各内部導体22が見える適切な位置を選んで位置調整用孔28を設けておき、必要になった段階で、内部導体22と接地導体18の間に誘電体24を移動可能に配置するだけで、プラズマの強度分布を調整可能な構成とすることができる。
また、すでに組み立てられている装置に対しても、位置調整機構のための孔すら設けられない状況であっても、位置をずらせるように誘電体24を取り付ければよい。
ガス供給部は、各種のプラズマ生成装置に用いられる、公知のガス供給手段が全て利用可能である。
また、処理ガスは、各種のプラズマ生成装置に用いられる、公知の処理ガスが全て利用可能である。例えば、プラズマ生成装置が、プラズマCVDにより、窒化シリコン膜を成膜するものである場合には、窒化シリコン膜の原料として、シランガス、アンモニアガスを含み、必要に応じて、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスなどの不活性ガス等の各種のガス、窒素ガス、水素ガス等を含むものを処理ガスとして用いることができる。
また、3つの内部導体22それぞれに対応して各1つの誘電体24、計3つを有する構成としたが、これに限定はされず、少なくとも1つの内部導体22に対応する少なくとも1つの誘電体24を有する構成であればよい。あるいは、1つの内部導体22に対して2以上の誘電体24が配置される構成であってもよい。
また、誘電体24を1つ有する構成とする場合には、電極12の略中央の給電点qに接続される内部導体22に対応して配置されるのが好ましい。
すなわち、誘電体44は、上述した内部導体22の一方の側と他方の側とのそれぞれに配置される誘電体を一体化したものであるということもできる。
このような場合には、誘電体44は、断面における略C形状の開口方向に移動可能に支持される。
図6Aおよび図6Bに、本発明のプラズマ生成装置における誘電体の移動方法の他の一例を説明するための概略図を示す。図6Aは、誘電体の移動方法の他の一例を説明する概略上面図であり、図6Bは、図6AのB−B線断面図である。なお、図6Aにおいては説明のため、接地導体18の図示を省略している。
接地導体18は、図中上下方向に幅方向(長軸方向)を有する長円形状の位置調整用孔(図示せず)が設けられている。すなわち、位置調整用孔は、内部導体22の長手方向に幅方向(長軸方向)を有する長円形状である。
また、誘電体46の紙面に垂直な方向の上面には、位置調整用ハンドル26が設けられており、位置調整用孔に挿通されている。
このように、誘電体46を内部導体22の長手方向に移動して、誘電体46が内部導体を覆う領域の大きさを変更することで、内部導体22と接地導体18との間に生じる容量を調整することができる。
図7に、本発明のプラズマ生成装置における誘電体の移動方法の他の一例を説明するための概略断面図を示す。
なお、図7に示すプラズマ生成装置は、可動接地導体50およびストッパ52を有し、誘電体24の移動方向が異なる以外は、図1Cに示すプラズマ生成装置10と同じ構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付し、以下の説明は異なる部位を主に行う。
本実施形態は、この可動接地導体50と内部導体22との間に生じる寄生容量を利用するものである。
ストッパ52は、調整した位置調整用ハンドル26の位置、すなわち、調整した誘電体24および可動接地導体50の位置を固定するものである。
位置調整用ハンドル26の先端部は、位置調整用孔28の大きさよりも大きく形成されており、すなわち、位置調整用ハンドル26の先端部は、その軸部よりも大きく形成されており、位置調整用ハンドル26の先端部と接地導体18との間にストッパ52を設置することで、調整した位置調整用ハンドル26の位置、すなわち、調整した誘電体24および可動接地導体50の位置を固定する。
この内部導体22と可動接地導体50との間に生じる可変容量について、簡略化したモデルである図8を用いて説明する。
ここで、前述のとおり、誘電体24および可動接地導体50は、内部導体22および可動接地導体50の配列方向に移動可能な構成を有する。そのため、
内部導体22と可動接地導体50との間の距離d1を小さくすることで、誘電体の比率が増したことによるコンデンサ容量C2を増加させることができる。これにより、内部導体22内の電磁波の速度v=1/√(LC)を小さくし、位相を遅らせることができる。なお、Lは、自己インダクタンスである。
本発明のプラズマ生成方法は、
複数の給電点を有する電極に複数の導線を介して高周波電力を供給し、電極と電極の主面に対面して配置される対向電極との間にプラズマを励起するプラズマ生成方法であって、
導線と少なくとも1つの導線を覆って配置される、接地された接地導体との間の少なくとも一部に配置されている誘電体の、導線と導線に近接する接地導体との間の空間に占める割合を変更することで、導線のキャパシタンスを変更するプラズマ生成方法である。
複数の給電点を有する電極に複数の導線を介して高周波電力を供給し、電極と電極の主面に対面して配置される対向電極との間にプラズマを励起して、電極と対向電極との間に配置された被処理部材にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法であって、
導線と少なくとも1つの導線を覆って配置される、接地された接地導体との間の少なくとも一部に配置されている誘電体の、導線と導線に近接する接地導体との間の空間に占める割合を変更することで、導線のキャパシタンスを変更するプラズマ処理方法である。
まず、電極12と対向電極14との間に、被処理部材Zを配置する。
なお、長尺な被処理部材Zを搬送しつつ、RtoRにより処理を行う装置の場合には、ロールから被処理部材Zが引き出され、電極12と対向電極14との間を通過して巻取り軸に至る所定の搬送経路を挿通される。
次いで、電極12と対向電極14との間に処理ガスを供給し、さらに、真空排気手段を駆動して所定圧力(真空度)に調節する。
図1Aに示すようなプラズマ生成装置を用いて、評価を行った。
電極12および対向電極14はそれぞれ、大きさ1100mm×30mm、材質:ステンレスの平板状の電極を用いた。電極12と対向電極14との間の距離は、1.5mmとした。また、対向電極14は接地した。
電極12の給電点qは3点とし、各給電点qと分配器34との間に接続される内部導体22として幅30mmの導線を用いた。
接地導体18としては、材質:ステンレスの箱型の部材を用い、内部導体22と接地導体18との間の距離は、20mmとした。また、接地導体18は接地した。また、接地導体18には、内部導体22に対応する位置に、内部導体22の幅方向に長軸を有する長円形状の位置調整用孔28を設けた。
具体的には、電圧分布は、プラズマを点火させている状態で高電圧プローブ(Tektronix社製 P6015A)とオシロスコープを用いて、電極12の各位置で電圧の振幅を計測し、電極の幅方向における電圧分布を得られる。
プラズマを励起する際に高周波電源30が印加する高周波電力は、周波数27.12MHz、電力1500Wとした。また、処理ガスは、アルゴンガスを用い、レート50L/minで電極12と対向電極14との間に導入した。また、大気圧下で行った。
誘電体24が内部導体22からもっとも離れた位置にて高周波電源30を入れ、プラズマが点火している状態にて電圧の振幅の違いの位置依存性を計測し、変動比を記録する。誘電体24と内部導体22の重なり量を、各内部導体22において増加/減少させながら最適点を探索する。これにより、電圧の幅方向分布が最小になる誘電体の位置を確認した。
測定した電圧分布の変動比(=(最大電圧−最小電圧)×100/最大電圧)を求めた。まず、誘電体24が内部導体から最も離れた位置にある状態での変動比は15%であった。また、電圧の幅方向分布が最小になるように誘電体の位置調整を行った状態での変動比は6%であった。
誘電体を配置せず、分配器と給電点との間に可変容量を直列に配置する構成とした以外は実施例1と同様の構成のプラズマ生成装置として、電圧分布の変動比を測定した。
可変容量としては、50pF〜1000pFで調整できるものを用いた。
なお、実施例1と同じ接地導体18では、可変容量が入りきれないので、接地導体を拡張してより大きな空間をもつようにし、可変容量を調節できる回転式ハンドルを接地導体の外側に取り付けた。
測定の結果、可変容量を挿入する前の変動比は15%、可変容量を挿入し、調整した後の変動比は6%であった。
接地導体18に形成される位置調整用孔を、内部導体22の長手方向に長軸を有する長円形状の孔とし、誘電体24を内部導体22の長手方向に移動可能な構成とした以外は実施例1と同様の構成のプラズマ生成装置として、電圧分布の変動比を測定した。
測定の結果、誘電体24の位置調整をする前の変動比は15%、誘電体24の位置調整をした後の変動比は6%であった。
誘電体24の内部導体22とは反対側の面に可動接地導体50を配置し、誘電体24および可動接地導体50を配列方向に移動可能な構成とした以外は実施例1と同様の構成のプラズマ生成装置として、電圧分布の変動比を測定した。
測定の結果、誘電体24の位置調整をする前の変動比は15%、誘電体24の位置調整をした後の変動比は6%であった。
以上より本発明のいずれの実施例も比較例より簡易な機構で同等の効果を有していることは明らかである。
12 電極
14 対向電極
16 電極格納ケース
18、50 接地導体
20 高電圧用レセプタクル
22 内部導体
24、44、46 誘電体
26 位置調整用ハンドル
28 位置調整用孔
30 高周波電源
32 整合器
34 分配器
36 同軸ケーブル
40 目盛り
52 ストッパ
Claims (18)
- 複数の給電点を有する電極、
前記電極の主面に対面して配置される対向電極、
前記電極に高周波電力を供給し前記電極と前記対向電極との間にプラズマを励起する高周波電源、
前記高周波電源から前記電極の複数の前記給電点に接続されている複数の導線、
前記導線を覆って配置される、接地された接地導体、および、
少なくとも1つの前記導線と前記接地導体との間の少なくとも一部に配置される誘電体、を有し、
前記誘電体が、前記導線と、前記導線に近接する前記接地導体との間の空間に占める前記誘電体の割合を変更可能に配置されていることを特徴とするプラズマ生成装置。 - 前記接地導体がシールド部材である請求項1に記載のプラズマ生成装置。
- 前記誘電体が、前記導線および前記導線に近接する前記接地導体の配列方向と直交する方向に移動可能に配置されている請求項1または2に記載のプラズマ生成装置。
- 前記誘電体が、前記導線の幅方向に移動可能に配置されている請求項3に記載のプラズマ生成装置。
- 前記誘電体が、前記導線の長手方向に移動可能に配置されている請求項3に記載のプラズマ生成装置。
- 前記接地導体が、前記導線および前記導線に近接する前記接地導体の配列方向に移動可能に配置されている請求項1または2に記載のプラズマ生成装置。
- 複数の給電点を有する電極に複数の導線を介して高周波電力を供給し、前記電極と前記電極の主面に対面して配置される対向電極との間にプラズマを励起するプラズマ生成方法であって、
前記導線と少なくとも1つの前記導線を覆って配置される、接地された接地導体との間の少なくとも一部に配置されている誘電体の、前記導線と前記導線に近接する前記接地導体との間の空間に占める割合を変更することで、前記導線のキャパシタンスを変更することを特徴とするプラズマ生成方法。 - 前記接地導体がシールド部材である請求項7に記載のプラズマ生成方法。
- 前記誘電体を、前記導線および前記導線に近接する前記接地導体の配列方向と直交する方向に移動することで、前記導線と前記接地導体との間の空間に占める前記誘電体の割合を変更する請求項7または8に記載のプラズマ生成方法。
- 前記誘電体を、前記導線の幅方向に移動する請求項9に記載のプラズマ生成方法。
- 前記誘電体を、前記導線の長手方向に移動する請求項9に記載のプラズマ生成方法。
- 前記接地導体を、前記導線および前記導線に近接する前記接地導体の配列方向に移動することで、前記導線と前記接地導体との間の空間に占める前記誘電体の割合を変更する請求項7または8に記載のプラズマ生成方法。
- 複数の給電点を有する電極に複数の導線を介して高周波電力を供給し、前記電極と前記電極の主面に対面して配置される対向電極との間にプラズマを励起して、前記電極と前記対向電極との間に配置された被処理部材にプラズマ処理を行うプラズマ処理方法であって、
前記導線と少なくとも1つの前記導線を覆って配置される、接地された接地導体との間の少なくとも一部に配置されている誘電体の、前記導線と前記導線に近接する前記接地導体との間の空間に占める割合を変更することで、前記導線のキャパシタンスを変更することを特徴とするプラズマ処理方法。 - 前記接地導体がシールド部材である請求項13に記載のプラズマ処理方法。
- 前記誘電体を、前記導線および前記導線に近接する前記接地導体の配列方向と直交する方向に移動することで、前記導線と前記接地導体との間の空間に占める前記誘電体の割合を変更する請求項13または14に記載のプラズマ処理方法。
- 前記誘電体を、前記導線の幅方向に移動する請求項15に記載のプラズマ処理方法。
- 前記誘電体を、前記導線の長手方向に移動する請求項15に記載のプラズマ処理方法。
- 前記接地導体を、前記導線および前記導線に近接する前記接地導体の配列方向に移動することで、前記導線と前記接地導体との間の空間に占める前記誘電体の割合を変更する請求項13または14に記載のプラズマ処理方法。
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