JP2017165820A - カラーフィルタ用顔料組成物、着色組成物、カラーフィルタおよびカラーフィルタ用顔料組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細化された顔料の分散性及び分散安定性に優れたカラーフィルタ用顔料組成物、カラーフィルタ用顔料組成物の製造方法と、それを用いたコントラスト比が良好で、電圧保持率と移染性にも優れたカラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタを提供すること
【解決手段】顔料、顔料誘導体、および特定の構造を有する樹脂を含有する顔料組成物を用いることにより、樹脂によって顔料表面を被覆された顔料組成物が得られるため、上記課題は解決する。
【選択図】なし
Description
前記樹脂(A)が、一般式(1)で表される構造単位(a)を含有することを特徴とする顔料組成物に関する。
一般式(1)
[一般式(1)中、
R1およびR2は、相互に独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、−C(=O)−R3、または−C(=O)−NH−R4であり、
R3およびR4は、相互に独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基であり、
Aは、ビニルポリマー部であり、
Yは、三価の連結基を表す。]
一般式(2)
[一般式(2)中、
m、lは、相互に独立に、0〜12であり、m+lは0〜12であり、
Xは2,2−ジフェニルプロパン構造、およびビスアリールフルオレン構造からなる群から選ばれる二価結合基を表す。]
一般式(3)
[一般式(3)中、
oは0〜12である。]
一般式(4)
[一般式(4)中、
*印側と一般式(1)の硫黄原子が結合する。]
(1)分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる、片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体を製造し、前記片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体のカルボキシ基と、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基とを反応させる方法。
(2)分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる、片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体を製造し、前記片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体のカルボキシ基と、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基と、ジカルボン酸化合物(c)カルボキシ基とを反応させる方法。
(3)分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)と、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基とを反応させてなる、分子内にチオール基を有する重合体を製造し、前記分子内にチオール基を有する重合体の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させる方法。
(4)分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)カルボキシ基と、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基と、ジカルボン酸化合物(c)のカルボキシ基とを反応させてなる、分子内にチオール基を有する重合体を製造し、前記分子内にチオール基を有する重合体の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させる方法。
一般式(1)
[一般式(1)中、
R1およびR2は、相互に独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、−C(=O)−R3、または−C(=O)−NH−R4であり、
R3およびR4は、相互に独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基であり、
Aは、ビニルポリマー部であり、
Yは、三価の連結基を表す。]
なお、本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。また、本明細書における「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。また、本明細書における「%」は、特に断わりのない限り、質量%を意味する。
本発明で用いる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料又は有機顔料を適宜選択して用いることができる。顔料としては、本発明の顔料組成物をカラーフィルタ用着色組成物に用いる場合には高透過率であることが好ましいこと等を考慮すると、有機顔料が好ましく、また、なるべく粒子サイズの小さいものを使用することが好ましい。
但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
顔料誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基または置換基を有していてもよいフタルイミドメチル基を導入した化合物が挙げられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。顔料誘導体を使用する場合、アゾ骨格、ナフトールアゾ骨格、ジケトピロロピロール骨格、アントラキノン骨格、キノフタロン骨格、およびペリレン骨格を有するものが明度、分散性の観点から好ましい。
顔料誘導体の配合量は、添加顔料の分散性向上の観点から、添加顔料の全量を基準(100質量%)として、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、添加顔料の全量を基準(100質量%)として、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
本発明の湿式混練により、顔料組成物の微細化を行うことができる。本発明の湿式混練は、湿式混練混合であるソルトミリング処理が好ましい。ソルトミリング処理とは、顔料、顔料誘導体、水溶性無機塩、水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。本発明では、上記混合物に、さらに混練樹脂(A)加え、湿式混練を行う。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料組成物が破砕され、それにより活性面が生じて、結晶成長がおこると考えられている。従って、混練時は顔料組成物の破砕と結晶成長が同時に起こり、混練条件により得られる顔料組成物の一次粒子径が異なる。
20℃未満の場合は、結晶成長が十分に起こらず、顔料組成物粒子の形状が無定形に近くなることに加え、フタロシアニン顔料の場合においてα型への結晶転移が起きてしまう恐れがある。一方、混練温度が150℃を越える場合は、β型への結晶転移が起きる恐れがある。
着色組成物、およびこれを含有する感光性着色組成物のハンドリング性を考慮すると、顔料組成物の平均一次粒子径としては、100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、5〜25nmがさらに好ましい。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。平均一次粒子径は、TEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。なお、ミリング工程に供される前の顔料の粒子径としては、10μm〜300μm程度である。
混練組成物に用いられる水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料を破砕し、顔料の一次粒子が微細化される。水に溶解するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、食塩(塩化ナトリウム)、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウム又はこれらの混合物等を挙げることができ、価格面から塩化ナトリウムを用いることが好ましい。
<水溶性有機溶剤>
混練組成物に用いられる水溶性有機溶剤としては、顔料と、樹脂及び水溶性無機塩とが均一な塊状となるように加えるもので、水と自由に混和するもの、又は自由に混ざらないが工業的に水洗による除去が可能な程度の溶解度を有するものが望ましい。又、混練時に混練組成物の温度が上昇し、水溶性有機溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
樹脂(A)は、一般式(1)で表される構造単位(a)を含有する樹脂であれば限定されない。
一般式(1)
[一般式(1)中、
R1およびR2は、相互に独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、−C(=O)−R3、−C(=O)−NH−R4であり、
R3およびR4は、相互に独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基であり、
Aは、ビニルポリマー部であり、
Yは、三価の連結基を表す。]
前記アクリル系モノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレートトリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
また、例えばメチルメタアクリレート(MMA)などの、前記アクリレートをメタクリレートにしたものが挙げられる。
前記共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエンなどが挙げられる。
一般式(4)
[一般式(4)中、
*印側と一般式(1)の硫黄原子が結合する。]
一般式(1)において、「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、等が挙げられる。
一般式(2)
[一般式(2)中、
m、lは、相互に独立に、0〜12であり、m+lは0〜12であり、
Xは2,2−ジフェニルプロパン、ビスアリールフルオレン構造からなる群から選ばれる二価結合基を表す。]
一般式(3)
[一般式(3)中、
oは0〜12である。]
本発明に用いる、一般式(1)で表される構造単位(a)を含有する樹脂(A)の製造する方法は、
分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる、片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体を製造する第一の工程と、
前記片末端領域にカルボキシ基を有する化合物のカルボキシ基、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基、および/またはジカルボン酸化合物(c)を反応させる第二の工程と、
により製造することができる。
なお、第一、第二の工程との順序が逆であっても、特に問題ない。
さらに、片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体のカルボキシ基とジカルボン酸化合物(c)と2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基とを反応させて得られる重合体に、酸無水物(e)を反応させる第三の工程を経て製造してもよい。
さらに上記記載の芳香族エポキシ化合物の芳香環に水素が付加したもの(水素化エポキシ化合物ともいう)やヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の脂環式エポキシ化合物などが挙げられる。また、これらを単独使用してもよく2種以上を併用してもよい。
一般式(2)
[一般式(2)中、
m、lは、相互に独立に、0〜12であり、m+lは0〜12であり、
Xは2,2−ジフェニルプロパン構造、およびビスアリールフルオレン構造からなる群から選ばれる二価結合基を表す。]
一般式(3)
[一般式(3)中、
oは0〜12である。]
顔料組成物は、バインダー樹脂および有機溶剤と共に、着色組成物として使用することができる。その際、本発明の顔料組成物以外に、その他着色剤を併用しても良い。
顔料組成物は、色度を調製するため等に、本発明の効果を損なわない範囲で上記顔料組成物以外に、その他着色剤として、以下に示す染料を併用してもよい。
本発明の着色組成物に含まれるバインダー樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂が挙げられる。
本発明の着色組成物には、顔料組成物を充分に分散させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有させる。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
また有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、所望とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成するためには、着色組成物100質量部に対して、500〜4000質量部用いることが好ましい。
本発明の着色組成物は、顔料組成物を、上記バインダー樹脂と有機溶剤とからなる着色組成物担体中に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、顔料組成物とその他の着色剤等を同時に着色組成物担体に分散しても良いし、別々に着色組成物担体に分散したものを混合しても良い。尚、担体とは、バインダー樹脂と有機溶剤とからなる組成物を意味する。
樹脂型分散剤は、着色組成物に吸着する性質を有する顔料親和性部位と着色組成物担体と相溶性のある部位とを有し、顔料組成物に吸着して着色組成物中での分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤としては、具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の着色組成物に使用される光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色組成物100質量部に対して、5〜400質量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300質量部であることがより好ましい。
本発明の着色組成物は、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤を加えて感光性着色組成物とすることで、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調整することができる。
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物100質量部に対して、0.003〜0.5質量部用いることが好ましい。
本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物およびその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.01〜15質量部使用するのが好ましい。
本発明の着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基材上に、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するものであり、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、または黄色フィルタセグメントを具備するものであってもよく、前記少なくとも1つのフィルタセグメントが、本発明の着色組成物から形成されてなるものである。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明の樹脂(A)の製造方法について説明する。樹脂(A)の製造に先立ち、樹脂の重量平均分子量の測定方法について説明する。
重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)「HLC−8220GPC」(東ソー株式会社製)において、分離カラム「TSK−GELSUPERHZM−N」を2本直列に連結して使用し、移動相にテトラヒドロフラン(THF)を用いて測定したポリスチレン換算値である。
[製造例1]
樹脂(A1)の製造
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート54部とアクリル酸 tert-ブチル36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、チオリンゴ酸2.4部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認し反応を終了し、一般式(1)中、Aの重量平均分子量13,860となる、ビニル重合体を得た。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、固形分50%に調整し、ビニル重合体溶液とした。
樹脂(A2)の製造
第二の工程までは、製造例1と同様にして合成を行い、ビニル重合体溶液を得た。
樹脂(A3〜A4)の製造
表1に記載した原料と仕込み量に変更した以外は、製造例2と同様にして合成を行い、樹脂(A3〜A4)を得た。
樹脂(A5〜A14)の製造
表1に記載した原料と仕込み量に変更した以外は、製造例1と同様にして合成を行い、樹脂(A5〜A14)を得た。
樹脂(A15)の製造
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、jER1004(三菱化学株式会社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を26部、チオリンゴ酸2.4部添加し、触媒としてジメチルベンジルアミン 1.6gを仕込み、120℃に加熱して7時間反応した。JIS7236に則ってエポキシ当量を測定して理論値からの転化率90%以上であることを確認し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、固形分50%に調整し、前駆体溶液を得た。
樹脂(AX1)の製造
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート54部とアクリル酸 tert-ブチル36部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を90℃に加熱して、チオリンゴ酸1.5部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認し反応を終了し、重量平均分子量13,750の、ビニル重合体を得た。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、固形分50%に調整し、樹脂(AX1)とした。
樹脂(AX2)の製造
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、jER1004(三菱化学株式会社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)を26部、チオリンゴ酸2.4部添加し、触媒としてジメチルベンジルアミン 1.6gを仕込み、120℃に加熱して7時間反応した。JIS7236に則ってエポキシ当量を測定して理論値からの転化率90%以上であることを確認し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて、固形分50%に調整し、重量平均分子量6,600の、樹脂(AX2)を得た。
MMA:メタクリル酸メチル
St:スチレン
tBA:アクリル酸 tert-ブチル
HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル
jER1004:三菱化学株式会社ビスフェノールA型エポキシ樹脂
オグソールPG−100:大阪ガスケミカル株式会社ビスアリールフルオレン系エポキシ樹脂
エピクロン3050:DIC株式会社ビスフェノールA型エポキシ樹脂
エピクロンN695:DIC株式会社ノボラック型エポキシ樹脂
エピクロンHP−7200H:DIC株式会社ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂
[製造例18]
バインダー樹脂(B1)の製造
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記モノマーおよび熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して反応を行った。
・スチレン:60.0部
・メタクリル酸:60.0部
・メチルメタクリレート:65.0部
・ブチルメタクリレート:65.0部
・アゾビスイソブチロニトリル:10.0部
滴下後、更に100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部に溶解させたものを添加し、更に100℃で1時間反応を続けた。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、バインダー樹脂(B1)を得た。
特開2013−33194の製造例50を参考にC.I.アシッドレッド52と側鎖にカチオン性基を有する樹脂とからなる造塩化合物(D)を製造した。
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、5.0μmのフィルタで濾過し、染料溶液を作製した。
造塩化合物(D) :11.0部
バインダー樹脂(B1) :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :49.0部
(顔料組成物の平均一次粒子径)
次のような方法により、製造した顔料組成物の平均一次粒子径を測定(算出)した。顔料組成物の粉末にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、樹脂型分散剤としてDisperbyk−161を少量添加し、超音波で1分間処理し、測定用試料を調整した。この試料を透過型電子顕微鏡(TEM)により、100個以上の顔料組成物の一次粒子が確認出来る写真を3枚(3視野分)撮影し、それぞれ左上から順番に100個の一次粒子の大きさを測定した。具体的には、個々の顔料組成物の一次粒子の短軸径と長軸径をnm単位で計測し、その平均をその顔料組成物の一次粒子径とし、合計300個の分布を5nm刻みで作成し、5nm刻みの中央値(例えば6nm以上10nm以下の場合は8nm)をそれらの粒子の粒子径として近似し、それぞれの粒子径とその数を基に計算することで個数平均粒子径を算出した。
以下、実施例または比較例に用いた顔料を列挙する。
・PB15:6:トーヨーカラー社製「LIONOL BLUE E」
・PR254:BASF社製「Irgazin Red L 3660 HD」
・PR269:山陽色素社製「Permanent Carmine 3810」
・PG36:トーヨーカラー社製「LIONOL GREEN 6YK」
・PG58:DIC社製「FASTOGEN Green A110」
・PY138:BASF社製「Paliotol Yellow K 0961 HD」
・PY150:LANXESS社製「Yellow Pigment E4GN」
以下、実施例または比較例に用いた顔料誘導体を表2,3に列挙する。
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー 15:6(トーヨーカラー社製「LIONOL BLUE E」)145部、色素誘導体iを5部、樹脂A1を30部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール330部を、ステンレス製3Lガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で10時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、155部の顔料組成物P1を得た。
表4に示す混練組成に変更する以外は、実施例1と同様にして顔料組成物P2〜P28、P30〜33を得た。
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー 15:6(トーヨーカラー社製「LIONOL BLUE E」)145部、色素誘導体iを5部、塩化ナトリウム1500部、およびジエチレングリコール330部を、ステンレス製3Lガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、70℃で10時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、140部の顔料組成物P29を得た。
表4に示す混練組成に変更する以外は、製造例29と同様にして顔料組成物P34を得た。
[実施例30]
(着色組成物PP1の作成)
下記に示す化合物を配合し、直径1.2mmのジルコニアビーズ100部を加えペイントコンディショナーで3時間分散し、着色組成物PP1を作製した。
・顔料組成物P1: 14.85部
・樹脂B1: 7.15部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート: 78.0部
(着色組成物PP2〜28、PP30〜33の作成)
表5に示す配合組成を変更した以外は、実施例30と同様にして着色組成物PP2〜28、PP30〜33を作成した。
(着色組成物PP29の作成)
下記に示す化合物を配合し、直径1.2mmのジルコニアビーズ100部を加えペイントコンディショナーで3時間分散し、着色組成物PP29を作製した。
・顔料組成物P29: 14.85部
・樹脂A1: 1.50部
・樹脂B1: 6.45部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート: 78.0部
(着色組成物PP34の作成)
樹脂A1を樹脂AX1に変更した以外は、実施例58と同様にして着色組成物PP34を作成した。
実施例30〜58、比較例6〜10で製造した着色組成物について、下記のようにして粘度評価、コントラスト比の評価、塗膜上の異物発生評価を行った。
顔料組成物を調整した当日の粘度を初期粘度η1、40℃で1週間恒温保存することで経時促進させた後の粘度を経時粘度η2とし、E型粘度計「ELD型粘度計」(東機産業社製)を用いて、25℃、回転数20rpmという条件で測定した。初期粘度が低いほど、分散安定性が高いことを意味する。粘度安定性は、初期粘度と経時粘度の差が±10%以内を○、±10%超えを×とした。
実施例および比較例で製造した着色組成物を100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて、回転数を変えて、230℃での熱処理後の膜厚が約1.5μm前後となるように3枚の基板に塗布し、次に70℃で20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行い、塗膜基板を得た。ついで220℃で30分間加熱、放冷後、得られた塗膜基板のそれぞれ膜厚およびコントラスト比を測定し、3点のデータから膜厚が1.5μmにおけるコントラストを一次相関法で求めた。値が大きいほど良好であり、Cは使用困難なレベルである。
S:CR≧10000以上
A:CR=5000以上、10000未満
B:CR=3000以上、5000未満
C:CR=3000未満
異物発生の評価は、透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで230℃1時間の熱処理を行って得た塗膜基板の塗膜中の異物の数を計測した。評価は金属顕微鏡「BX60」(オリンパスシステム社製)を用いて表面観察を行った。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な異物の数を計測した。下記の評価結果において、SとAは異物数が少なく良好であり、Bは異物数が多いものの使用上問題ないレベル、Cは異物による塗工ムラ(斑)が発生するため、実用上使用できない状態に相当する。
S:異物の数が5個未満
A:異物の数が5個以上、20個未満
B:異物の数が21個以上、100個未満
C:異物の数が100個以上
異物発生が少ないほど、分散後の粗粒の残存が少なく、分散性が良好であることを示す。
[実施例59]
(感光性着色組成物R1の作製)
着色組成物PP1と、造塩化合物溶液D1を乾燥塗膜の色度が、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」C光源)測定においてx=0.090、y=0.139となるような配合比に表5の混合物を均一になるように攪拌混合して着色組成物RR−1を作製した。さらに、下記の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、青色の感光性着色組成物(R1)を作製した。
・着色組成物(RR−1) :60.0部
・樹脂B1 :11.0部
・トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
・光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
・増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
・シクロヘキサノン : 5.2部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
(感光性着色組成物R2〜R22、R29〜33の作製)
表6に示す配合組成を変更した以外は、実施例69と同様にして感光性着色組成物R2〜R22、R29〜33を作製した。
次に、表6に示す配合組成を変更、乾燥塗膜の色度がx=0.661、y=0.323となるように調整した以外は実施例59と同様にして赤色感光性着色組成物(R23)を得た。
次に、表6に示す配合組成を変更、乾燥塗膜の色度がx=0.290、y=0.600となるように調整した以外は実施例59と同様にして緑色着色組成物感光性着色組成物(R24〜R27)を得た。
(コントラスト比の評価)
実施例30〜58、比較例6〜10で製造した着色組成物と同様の評価を行った。
(電圧保持率の評価)
得られたレジスト材を、スピンコーターにてガラス基板(10cm×10cm)に、乾燥皮膜の膜厚が2.0μmになるように塗布した。つぎに、塗膜を40mJ/cm2の露光量で露光し、23℃の0.2質量%の炭酸ナトリウム水溶液にて40秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で焼成することで、それぞれのレジスト材の塗布基板を得た。得られた塗布基板から塗膜を0.05g削り取り、それを液晶2.0g( メルク(株) 製、MJ971189)に浸漬して、120℃クリーンオーブンで65分間エージングし、5000rpmにて20分間遠心分離後、上澄み液を採取することにより、液晶へのコンタミ源煮出し液を作製した。
コンタミ源煮出し終了後、液晶を取り出してITO電極付きガラスセルに封入し、液晶物性評価機(東陽テクニカ製 6254)を用いて電圧保持率(印加電圧5Vでの16.7ミリ秒後保持率)を測定し下記の基準にて評価した。Cは使用困難なレベルである。
S:95%以上
A:90%以上95%未満
B:85%以上90%未満
C:85%未満
感光性組成物を、ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が表面に形成されたソーダガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.4μmの塗膜を形成した。 次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、各塗膜に365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を400J/m 2 の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm 2 (ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した後、更に230℃のクリーンオーブン内で30分間ポストベークを行うことにより、基板上に硬化膜(T−1)を形成した。得られた硬化膜(T−1)について、カラーアナライザー(大塚電子(株)製MCPD2000)を用い、C光源、2度視野にて、CIE表色系における色度座標値(x,y)及び刺激値(Y)を測定した。 次に、別の感光性顔料組成物を硬化膜(T−1)上にスピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。次いで、この基板を室温に冷却したのち、これらの基板に対して、23℃の0.04質量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm 2 2 (ノズル径1mm)で吐出することにより、90秒間シャワー現像を行った。その後、この基板を超純水で洗浄し、風乾した。着色組成物(S−1)の塗布から風乾するまでの一連の工程を「(工程−1)」とする。(工程−1)後の硬化膜(T−1)について、色度座標値(x、y)及び刺激値(Y)を測定し、(工程−1)前後の刺激値変化、即ちΔYを評価した。その結果、ΔYの値が0.2未満の場合を「S」、0.2以上0.4未満の場合を「A」、0.4以上0.7未満の場合を「B」、0.7以上の場合を「C」として評価した。なお、ΔY値が小さい程、移染性が抑制されていると言える。
本発明の赤色の感光性着色組成物R23と、緑色の感光性着色組成物R25および青色の感光性着色組成物R1を用いて、基板上にスピンコートにより乾燥膜厚が1.7μmとなるように塗布し、乾燥した。そして、塗膜と非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行い、その後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成した後、230℃にて1時間加熱した。同様の操作を、緑色、青色についても繰り返して行い、カラーフィルタを製造し、RGB3色カラーフィルタを作製した。得られたカラーフィルタは、明度が高く耐熱性に優れ、また移染による明度低下がないことを確認した。
Claims (10)
- 顔料と、樹脂(A)と、顔料誘導体とを含有してなる顔料組成物であって、
前記樹脂(A)が、一般式(1)で表される構造単位(a)を含有することを特徴とする顔料組成物。
一般式(1)
[一般式(1)中、
R1およびR2は、相互に独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、−C(=O)−R3、または−C(=O)−NH−R4であり、
R3およびR4は、相互に独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基であり、
Aは、ビニルポリマー部であり、
Yは、三価の連結基を表す。] - 前記樹脂(A)が下記一般式(2)および(3)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項1記載の顔料組成物。
一般式(2)
[一般式(2)中、
m、lは、相互に独立に、0〜12であり、m+lは0〜12であり、
Xは2,2−ジフェニルプロパン構造、およびビスアリールフルオレン構造からなる群から選ばれる二価結合基を表す。]
一般式(3)
[一般式(3)中、
oは0〜12である。] - 一般式(1)において、Yが下記一般式(4)であることを特徴とする請求項1または2記載の顔料組成物。
一般式(4)
[一般式(4)中、
*印側と一般式(1)の硫黄原子が結合する。] - 一般式(1)において、Aの重量平均分子量が1,000〜30,000であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の顔料組成物。
- 前記顔料組成物が、顔料と、樹脂(A)と、顔料誘導体との湿式混練物であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の顔料組成物。
- 前記顔料がε型フタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の顔料組成物。
- 顔料組成物が、さらに分散樹脂、バインダー樹脂および有機溶媒を含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 顔料組成物が、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項7または8に記載のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されてなるカラーフィルタ。
- 顔料と、樹脂(A)と、顔料誘導体とを含有してなる顔料組成物の製造方法であって、
前記樹脂(A)が、一般式(1)で表される構造単位(a)を含有し、さらに前記樹脂(A)が、下記(1)〜(4)のいずれかによって、製造されることを特徴とする顔料組成物の製造方法。
(1)分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる、片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体を製造し、前記片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体のカルボキシ基と、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基とを反応させる方法。
(2)分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合してなる、片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体を製造し、前記片末端領域にカルボキシ基を有するビニル重合体のカルボキシ基と、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基と、ジカルボン酸化合物(c)のカルボキシ基とを反応させる方法。
(3)分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)と、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基とを反応させてなる、分子内にチオール基を有する重合体を製造し、前記分子内にチオール基を有する重合体の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させる方法。
(4)分子内に2つのカルボキシ基と1つのチオール基とを有する化合物(b)カルボキシ基と、2つのエポキシ基を有する化合物(d)のエポキシ基と、ジカルボン酸化合物(c)のカルボキシ基とを反応させてなる、分子内にチオール基を有する重合体を製造し、前記分子内にチオール基を有する重合体の存在下、エチレン性不飽和単量体をラジカル重合させる方法。
一般式(1)
[一般式(1)中、
R1およびR2は、相互に独立に、水素原子、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、−C(=O)−R3、または−C(=O)−NH−R4であり、
R3およびR4は、相互に独立に、置換基を有してもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有してもよい複素環基であり、
Aは、ビニルポリマー部であり、
Yは、三価の連結基を表す。]
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