[go: up one dir, main page]

JP2017164906A - 突起を有する積層体およびその製造方法 - Google Patents

突起を有する積層体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017164906A
JP2017164906A JP2016049183A JP2016049183A JP2017164906A JP 2017164906 A JP2017164906 A JP 2017164906A JP 2016049183 A JP2016049183 A JP 2016049183A JP 2016049183 A JP2016049183 A JP 2016049183A JP 2017164906 A JP2017164906 A JP 2017164906A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
resin
laminate
protrusion
protrusions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016049183A
Other languages
English (en)
Inventor
聡子 森岡
Satoko Morioka
聡子 森岡
箕浦 潔
Kiyoshi Minoura
潔 箕浦
善章 冨永
Yoshiaki Tominaga
善章 冨永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2016049183A priority Critical patent/JP2017164906A/ja
Publication of JP2017164906A publication Critical patent/JP2017164906A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】光学分野や半導体分野における樹脂に対する微細構造形成における高アスペクトで高耐熱な突起を有する積層体の提供。【解決手段】少なくとも第1の樹脂層21と第2の樹脂層22とを有し、第1の樹脂層21の表面に突起23を有する積層体20で、第1の樹脂層21及び第2の樹脂層21を構成する各々の樹脂が共に熱可塑性を有し、第1の樹脂層21の樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]における動的粘弾性測定により得られる第1の樹脂層12の樹脂の動的貯蔵弾性率をE1、Tg1[℃]における第2の樹脂層22の樹脂の動的貯蔵弾性率をE2とし、E1/E2>1.5であり、突起の第2の樹脂層22の厚みをt2、基部における第1の樹脂層21の厚みをt1´、基部における第2の樹脂層22の厚みをt2´とし、(t1´+t2´)≦t2であり、高アスペクトで高耐熱な突起を有する積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、突起を有する積層体およびその製造方法に関する。
近年、光学分野、半導体分野などの各種分野で、微細構造を形成する技術の重要性が高まっている。光学分野では高精度な微細構造形成技術が、また半導体分野においては高精度な微細構造形成技術に加えて、半導体集積回路の集積度向上のために加工寸法の微細化が要求されている。樹脂に対する微細構造形成技術として、樹脂をガラス転移温度以上の温度に加熱して軟化させ、積層体表面に、同じく加熱した金型を押圧することで金型の形状を積層体表面に転写する熱インプリント技術が提案され、バイオチップ、光学素子等の製品開発に応用されている。特に、突起幅に対して突起高さの高い高アスペクトな突起を熱インプリントにより形成する方法として、異なる熱変形温度を有する二つの樹脂層を積層した積層体の、熱変形温度の低い表層樹脂層に突起を成形する方法(例えば、特許文献1参照)や、ガラス転移温度以上で異なる粘弾性を示す二つの樹脂層を積層した積層体の、ガラス転移温度以上で低い粘弾性を示す表層樹脂層に突起を成形する方法(例えば、特許文献2参照)、また、異なる動的貯蔵弾性率を有する二つの樹脂層を積層した積層体において、内層よりも動的貯蔵弾性率が低いか内層の1.5倍以内の動的貯蔵弾性率である表層樹脂層に凹凸を形成する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
国際公開第2011/090139号 特開2006−269919号公報 特開2006−159899号公報
しかしながら、これらの方法は、基本的には熱変形温度の低い表層樹脂層の軟化を主に用いて突起を成形しようとするものであって、得られた突起の表層が内層より耐熱性の低い層となっていることから、得られた突起全体の耐熱性が十分得られないか、耐熱温度の高い、高アスペクトの突起を成形しようとした場合には、内層樹脂をさらに高耐熱化するとともに、より高温での成形が必要となり、熱インプリント成形自体が困難となる問題があった。
また、特に、表層樹脂層が薄い場合においては、高アスペクト比の突起形状や、離散構造の突起形状を成形しようとした場合、軟化する樹脂の厚みが小さいため、金型をプレスさせたときに、金型表面の凹形状の奥まで軟化した樹脂が行き渡らず、突起の高さが足りなくなったり、軟化した表層樹脂が金型表面の凹形状に入り込む形で分断されて分断部で樹脂の表面形状が悪くなったりするなどの問題があった。さらに、軟化した樹脂の根元に内層樹脂がわずかに入り込んだとしても、内層樹脂の変形が十分でないために、突起高さが足りなくなったり、軟化した表層樹脂が分断されたりするという問題が生じるほか、表層樹脂が分断されないまでも突起形状の根元において薄膜化するなどして、耐熱性を十分得られないなどの問題があった。
加えて、異なる動的貯蔵弾性率を有する二つの樹脂層を積層した積層体の、動的貯蔵弾性率が低い、もしくはたかだか1.5倍である表層樹脂層に凹凸を形成する方法では、内層の変形に比べて表層の変形が大きいことにより、表層樹脂層が変形するとともに、分断しやすくなるといった問題があった。
上記課題を解決するために、本発明では以下の突起を有する積層体およびその製造方法を提供する。
少なくとも第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有し、該第1の樹脂層の表面に突起を有する積層体であって、前記第1の樹脂層を構成する樹脂および前記第2の樹脂層を構成する樹脂がともに熱可塑性を有する樹脂であり、前記第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]における動的粘弾性測定により得られる前記第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE1、前記Tg1[℃]における前記第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE2とするとき、E1/E2>1.5であり、かつ、突起における第2の樹脂層の厚みをt2、基部における第1の樹脂層の厚みをt1´、基部における第2の樹脂層の厚みをt2´とするとき(t1´+t2´)≦t2であることを特徴とする突起を有する積層体。
少なくとも第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有し、該第1の樹脂層の表面に突起を有する積層体の製造方法であって、前記第1の樹脂層を構成する樹脂および前記第2の樹脂層を構成する樹脂がともに熱可塑性を有する樹脂であり、前記第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]における動的粘弾性測定により得られる前記第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE1、前記Tg1[℃]における前記第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE2とするとき、E1/E2>1.5であり、少なくとも表面に凹形状を有する金型または第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する積層体のいずれか一方をTg1[℃]以上に加熱する加熱工程と、前記金型を前記積層体の前記第1の樹脂層側からプレスし、前記凹形状の反転形状である突起形状を前記積層体に転写する加圧転写工程と、前記積層体および、前記金型をTg1[℃]未満にまで冷却する冷却工程と、冷却後の前記金型から前記積層体を剥離する剥離工程により突起を形成することを特徴とする突起を有する積層体の製造方法。
本発明によれば、少なくとも第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有し、該第1の樹脂層の表面に突起を有する積層体であって、前記第1の樹脂層を構成する樹脂および前記第2の樹脂層を構成する樹脂がともに熱可塑性を有する樹脂であり、前記第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]における動的粘弾性測定により得られる前記第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE1、前記第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE2とするとき、E1/E2>1.5であり、かつ、突起における第2の樹脂層の厚みをt2、基部における第1の樹脂層の厚みをt1´、基部における第2の樹脂層の厚みをt2´とするとき(t1´+t2´)≦t2とすることにより、高アスペクトで高耐熱な突起を有する積層体を提供することができる。
図1は本発明の突起を有する積層体における突起について説明する概略断面図である。 図2(a)〜(e)は本発明の突起を有する積層体における突起の構造を模式的に例示するものである。 図3(a)〜(d)は、本発明の突起を有する積層体の製造方法を模式的に例示するものである。 本発明の突起を有する積層体を製造するための製造装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の突起を有する積層体を製造するための製造装置の一例を示す概略断面図である。 図6(a)〜(e)は本発明の突起を有する積層体の成形時に用いる金型形状を例示するものである。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の突起を有する積層体における突起について模式的に説明する概略断面図である。
図1に示すように、本発明の突起を有する積層体20における突起23とは、少なくとも第1の樹脂層21と、第2の樹脂層22とを有する積層体20の第1の樹脂層21の表面に突出した形状をとる構造のことである。図1に示すように、積層体20上の突起23は、独立して離散的に配置されていることが好ましい。
ここで、積層体20において、表面に突出した形状を突起と呼び、突起が存在しない部分を基部と呼ぶ。また、第2の樹脂層22における第1の樹脂層21とは反対側の面を基底部という。
本発明の突起を有する積層体20の突起23における第1の樹脂層21の厚みt1は、突起において基底部からの突出が最大となる位置における第1の樹脂層の厚みのことをいい、突起における第2の樹脂層22の厚みt2とは、同じ位置(突起において基底部からの突出が最大となる位置)における第2の樹脂層の厚みのことをいい、突起の高さtは、突起における第1の樹脂層の厚みt1と突起における第2の樹脂層の厚みt2との和(t1+t2)のことをいう。
本発明の突起を有する積層体において、突起23の幅w1とは、突起において基底部からの突出が最大となる位置を通る断面における、突起の高さtの半分の高さにおける突起の幅(半値全幅)のことをいう。ここで、断面の取り方により突起の幅が異なる場合は、突起の幅が最も小さくなる方向に断面をとった場合の突起の幅を突起の幅w1とする。本発明の突起を有する積層体において、突起における第2の樹脂層の幅w2とは、突起の幅w1を定義するものと同じ断面において、突起の第2の樹脂層の厚みt2の半分の高さにおける第2の樹脂層が形成する突起の幅(半幅全値)のことをいう。
また、本発明の突起を有する積層体において、突起の断面積Aとは、突起の高さtと、突起の幅w1との積(t×w1)とし、突起における第2の樹脂層の断面積A2とは、突起における第2の樹脂層の厚みt2と、突起における第2の樹脂層の幅w2との積(t2×w2)とする。
本発明の突起を有する積層体における突起23は、突起の高さ方向と垂直な面内方向に、周期的に繰り返されるものであってもよく、周期的な繰り返しのないものであってもよい。
本発明における基部における第1の樹脂層21の厚みt1´とは、突起のない部分における第1の樹脂層の厚みのことをいい、基部における第2の樹脂層22の厚みt2´とは、突起のない部分における第2の樹脂層の厚みのことをいう。
本発明において、第1の樹脂層21を構成する樹脂および、第2の樹脂層22を構成する樹脂はともに熱可塑性を有する樹脂であり、第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]における第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE1、Tg1[℃]における第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率E2とすると、E1/E2>1.5であり、かつ、突起および基部における厚みの関係が、(t1´+t2´)≦t2であることを特徴とする。
ここで、第1の樹脂層を構成する樹脂および、第2の樹脂層を構成する樹脂がともに熱可塑性を有する樹脂であるとは、第1の樹脂層を構成する主たる樹脂および、第2の樹脂層を構成する主たる樹脂がともに熱可塑性を有する樹脂であることをいう。さらに、主たる樹脂とは第1の樹脂層、第2の樹脂層それぞれを全体で100質量%としたとき、60質量%以上を占める樹脂のことをいう。また、Tg1、E1、E2は第1の樹脂層、第2の樹脂層に含まれる樹脂全体で測定するものとする(すなわち、樹脂層に2種類以上の異なる樹脂が含まれている場合、当該2種類以上の樹脂の混合物全体としてTg1、E1、E2の値を求めるものとする)。
本発明における突起23の構造は、粘弾性が低く流動性が高い樹脂(第2の樹脂層22を構成する樹脂)が突起の内層、粘弾性が高く流動性が低い樹脂(第1の樹脂層21を構成する樹脂)が突起の表層に配置され、かつ、突起において、突起の内側に第2の樹脂層を構成する樹脂が入り込んだ構造であることが好ましい。本構造であることにより、突起の幅w1に対して、突起の高さtが高い高アスペクト構造でありながら、表層全体に相対的に耐熱性の高い樹脂を有することができ、耐熱性の高い突起を有する積層体が得られるため好ましい。ここで、E1/E2>1.5であることにより、高アスペクト構造を熱インプリント法において成形する際に、第1の樹脂層側からの加熱成形によっても、第2の樹脂層を第1の樹脂層の突起内部に十分に侵入させることができるため好ましい。第2の樹脂層が第1の樹脂層の突起内部に十分侵入することにより、第1の樹脂層の変形は相対的に小さくなる。突起による局所的な表面積の増大に起因して第1の樹脂層の厚みは薄くなるが、第2の樹脂層が突起の体積的変形を補うことにより、第1の樹脂層の局所的な薄膜化が抑えられるので、突起は十分な耐熱層を有する高アスペクト構造として成形される。
本発明における積層体の突起23の断面形状は、要求される形状や積層体の原反となるフィルムの厚みによって決定される。突起23は図2(a)、(d)に示すように、先端がフラットな矩形形状であってもよいし、図2(b)、(e)に示すように先端が鋭利な形状、または図2(c)に示すような曲率を有する形状であってもよい。突起23の高さtは、1〜500μmであることが好ましく、より好ましくは5〜300μm、さらに好ましくは10〜100μmである。
本発明における積層体の突起23において、突起における第2の樹脂層の幅w2が、突起における第2の樹脂層の厚みt2の2倍以上(すなわち、2.0≦(t2/w2))の高アスペクト構造であることが好ましい。このように第2の樹脂層が高アスペクト構造をとることにより、第1の樹脂層を構成する樹脂は突起において、相対的に小さな変形のみで高アスペクトな突起形状を形成することが可能となるため好ましい。この際、第1の樹脂層の変形は、第2の樹脂層の変形により突き上げられた表面的変形であり、大きな厚み変動を伴わないため、突起内部の各部において、特に第1の樹脂層の樹脂厚みが薄くなったり、第1の樹脂層が破れて第2の樹脂層が露出したりするといった現象が起こり難く、高アスペクト構造と、高耐熱性との両立を好ましく図ることができる。
特に、突起23の断面積Aに対して、突起における第2の樹脂層22の断面積A2が1/4以上を占めることが好ましい(A2/A≧1/4)。より好ましくは1/2以上である。また、突起の高さtに対して、突起における第2の樹脂層22の厚みt2が1/2以上であることが好ましい(t2/t≧1/2)。すなわち、内層樹脂となる第2の樹脂層22が大きく変形することで、表層となる第1の樹脂層を必要以上に大きく変形させることなく、所望の突起の形状を得ることができるものであり、このような形状であれば、第1の樹脂層を構成する樹脂が突起の途中で分断したり、突起において、局所的に第1の層の樹脂の厚みが薄くなったりすることが少なく、十分な耐熱性を有する構造体として好適である。
本発明において、第1の樹脂層を構成する主たる樹脂が、熱可塑性を有する樹脂であるとは、第1の樹脂層全体を100質量%としたとき、60質量%以上を占める樹脂が熱可塑性を有する樹脂であることをいう。特に、80質量%以上含むことが好ましい。第2の樹脂層についても同様である。なお、上限値は特に限定されるものではないが、100質量%が実質的な上限となる。
本発明における第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]は、第1の樹脂層を構成する樹脂で作製したシートについて、JIS K−7244:1998に準じた方法により測定したときに、tanδが極大となる温度のことである。ここで、第1の樹脂層に複数の樹脂が含まれる場合には、その混合状態によってはtanδが極大となる温度が複数存在することがある。その場合には、tanδが極大となる複数の温度における第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率E1をそれぞれ測定し、動的貯蔵弾性率が最小となる温度をガラス転移温度Tg1[℃]とする。また、ガラス転移温度Tg1[℃]における第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率E1と、Tg1[℃]における第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率E2とは、それぞれの樹脂層を構成する樹脂で作製したシートについて、JIS K−7244:1998に準じた方法により、温度依存性を測定して得られる値である。
本発明の突起を有する積層体における第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]は、成形前および成形後のいずれも、−120〜250℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは100〜150℃である。本発明の突起における第2の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度は特に限定されないが、第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度より低いことが好ましい。
第1の樹脂層および第2の樹脂層にはそれぞれ、主たる成分である熱可塑性を有する樹脂以外に、本発明の効果が失われない範囲内で、その他の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤の例としては、例えば、分散剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、重合禁止剤、離型剤、増粘剤、pH調整剤、および塩などが挙げられる。染料、顔料、電磁波吸収体、導電材料、磁性材料、液晶材料、発行材料などの各種機能性材料や、光または熱により架橋して効果を促進する成分を含むことも可能である。
第1の樹脂層21を構成する樹脂および、第2の樹脂層22を構成する樹脂は、いずれも均一な単一樹脂または異なる材質からなる樹脂の混合物のいずれでもよい。また、本発明の突起を有する積層体20において、第1の樹脂層および、第2の樹脂層以外の樹脂層として基材層を設けることも可能である。この場合の積層構成としては、表層側から、第1の樹脂層、第2の樹脂層、基材層という構成となる。好ましい基材層の例としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂等のフィルム基材、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼、チタン、シリコン等の金属基材および石英ガラス等の各種ガラス、コンクリート等の無機基材などが挙げられる。基材層の厚みは特に限定されない。また、かかる基材層には、下地調整材や下塗り剤などの処理が施されたものであってもよい。
本発明の突起を有する積層体の製造方法は、第1の樹脂層を構成する樹脂および第2の樹脂層を構成する樹脂がともに熱可塑性を有する樹脂であり、前記第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]における動的粘弾性測定により得られる前記第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE1、前記Tg1[℃]における前記第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE2とするとき、E1/E2>1.5であり、少なくとも表面に凹形状を有する金型または第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する積層体のいずれか一方をTg1[℃]以上に加熱する加熱工程と、前記金型を前記積層体の前記第1の樹脂層側からプレスし、前記凹形状の反転形状である突起形状を前記積層体に転写する加圧転写工程と、前記積層体および、前記金型をTg1[℃]未満にまで冷却する冷却工程と、冷却後の前記金型から前記積層体を剥離する剥離工程により突起を形成する、突起を有する積層体の製造方法であることが好ましい。
次に、本発明の突起を有する積層体の製造方法の一例の詳細を図3を用いて説明する。加熱工程では少なくとも第1の樹脂層21と第2の樹脂層22を積層させた積層体20と、転写すべき突起の形状を反転させた凹形状31を有する金型30とのいずれか一方を第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]以上にまで加熱し(図3(a))、加圧転写工程では、第1の樹脂層21と金型30を接近させ、そのまま所定のプレス圧力でプレスし、所定時間保持する(図3(b))。次に冷却工程では、プレスした状態を保持したまま、積層体20および金型30をTg1[℃]未満にまで冷却する(図3(c))。最後に剥離工程では、プレス圧力を開放して金型30から積層体20を剥離する(図3(d))ことで、積層体表面に突起を形成することができる。
ここで、加熱工程では、少なくとも表面に凹形状を有する金型30または第1の樹脂層21と第2の樹脂層22とを有する積層体のいずれか一方をガラス転移温度Tg1[℃]以上の温度とすることが好ましい。好ましくは、Tg1[℃]〜Tg1+50[℃]の範囲内であることが好ましい。また、金型温度および積層体温度の両方がTg1[℃]以上の温度であることがさらに好ましく、金型温度および積層体温度の両方がTg1[℃]〜Tg1+50[℃]の範囲内であることが特に好ましい。金型温度および積層体温度の両方が、第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]より低い場合には、加圧転写工程において、第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率が十分低下していないため、金型をプレスしても第1の樹脂層が変形しにくく成形困難となる場合があるためであり、逆にこの範囲を上回ると、第2の樹脂層の変形に比べて、第1の樹脂層の変形が相対的に大きくなり、突起において、第1の樹脂層の厚みが局所的に薄くなるなどの場合があるためである。
また、加圧転写の際に、第2の樹脂層22を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率を第1の樹脂層21を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率の2/3より小さくすることにより、積層体表面に形成される突起の部分において、第1の樹脂層の変形を補う形で第2の樹脂層が第1の樹脂層に入り込んで成形されるため好ましい。
また、プレス圧力は、加圧転写時の積層体温度における第2の樹脂層22の動的貯蔵弾性率E2以上の圧力とすることが好ましい。プレス圧力が低いと第2の樹脂層22を構成する樹脂が十分変形せず、第1の樹脂層21の内部に侵入しにくくなるため、第1の樹脂層21の表面が金型30の凹形状31にならって十分成形できなくなる場合があるためである。
さらに、プレス圧力保持時間は、加圧転写時の第2の樹脂層22を構成する樹脂全体の動的貯蔵弾性率E2やプレス圧力、金型30の凹形状31や第1の樹脂層21および第2の樹脂層22の厚みなど各種条件により任意とすることができる。
冷却工程において、冷却後の金型温度および積層体温度はTg1[℃]未満とすることが好ましい。より好ましくは(Tg1−80)〜(Tg1−5)[℃]の温度範囲内である。
加えて、剥離工程におけるプレス圧力を開放する際のプレス圧力開放温度は、冷却後の金型温度および積層体温度に略等しく、Tg1[℃]未満であることが好ましい。より好ましくは(Tg1−80)〜(Tg1−5)[℃]の温度範囲内である。プレス圧力開放温度が高すぎると、プレス圧力開放までに積層体20全体の収縮が大きくなり、剥離の際に構造が変形する場合があり、この範囲を上回ると、プレス圧力開放時の動的貯蔵弾性率Eが低く、積層体の樹脂層を構成する樹脂が流動性をもった状態であるため、突起20が変形して精度が低下する場合があるためである。
また、金型30から積層体20を剥離する際の金型温度および積層体温度は常温〜プレス圧力開放温度までの温度範囲内であることが好ましい。この範囲を上回ると、剥離の際に突起が変形して精度が低下する場合があるためである。
本発明の突起を有する積層体20の成形原反となる積層体の製造方法としては、例えば、第2の樹脂層22を構成する樹脂、第1の樹脂層21を構成する樹脂を、それぞれ別の二台の押出機に投入し、溶融して口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出法)、単膜で作製した第2の樹脂層22に、第1の樹脂層21を構成する樹脂の原料を押出機に投入して溶融押出して口金から押出しながらラミネートする方法(溶融ラミネート法)、第2の樹脂層22と第1の樹脂層21とをそれぞれ別々に単膜で作製し、加熱されたロール群などにより熱圧着する方法(熱ラミネート法)、その他、第1の樹脂層21を構成する樹脂を溶媒に溶解させ、その溶液を第2の樹脂層22上に塗布する方法(コーティング法)等が挙げられる。また基材層上に第2の樹脂層22を構成する樹脂を塗布し乾燥させ、乾燥して得られた第2の樹脂層22上に第1の樹脂層21を加熱、プレスし熱圧着させる方法等も挙げられる。
第1の樹脂層21、及び第2の樹脂層22を単膜で作製する場合、それぞれ原料となる熱可塑性樹脂を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)が挙げられる。その他の方法として、原料を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も挙げられる。また、第2の樹脂層22を基材層の上に設ける場合にも、上述の溶融ラミネート法、熱ラミネート法、コーティング法等を用いることができる。
本発明の突起を有する積層体の製造方法は、第1の樹脂層21の表面に凹形状31を有する金型30を押し付けて、第1の樹脂層表面を変形させるとともに、第1の樹脂層の内部に第2の樹脂層を構成する樹脂を侵入させることで、突起を有する積層体を製造するものである。この際、平版金型をプレスしてもよく、ロール状の金型を用いるロールtoロールの連続成形を行ってもよい。ロールtoロール連続成形の場合、生産性の点で平版プレス法より優れているという特徴がある。
本発明の突起を有する積層体は、例えば図4、図5に示すような装置を介したプロセスによって製造することが可能である。
図4は、突起を有する積層体を製造するための製造装置の一例を示す概略断面図であって、平板金型をプレスする装置を例示したものである。図4に示す例では、巻出ユニット52において、フィルム状積層体50を巻出ロール51から引き出し、次に、プレスユニット54において、表面に凹形状が形成され加熱された金型53を、間欠的に送られてくるフィルム状積層体50に押し付けて加圧し、その後、接触状態を保持したまま冷却することにより、積層体の表面に金型53の凹形状の反転形状を転写する。
加圧転写部は所定の突起を形成するプレスユニット54と、加圧により金型53に貼り付いたフィルム状積層体を金型53から剥離する剥離手段55から構成される。間欠的に送られてきたフィルム状積層体の一面がプレスユニット54内で金型53によって加圧転写され、加圧転写後に、剥離手段55により金型53に貼り付いていたフィルム状積層体50が金型53から順次剥離されるようになっており、剥離されたフィルム状積層体は巻取ロール56に巻き取られる。このようなプロセスにより、突起を有するフィルム状積層体を製造することが可能である
なお、図4において、57、58は加圧プレート、59、60はフィルム状積層体50の金型53部分における間欠搬送を円滑に行わせるために設けられたバッファ手段を示している。
図5は、突起を有する積層体を製造するための製造装置の一例を示す概略断面図であって、ロールtoロール連続成形を行う装置を例示したものである。図5に示す例では、フィルム状積層体70が巻出ロール71から引き出され、加熱ロール72により、加熱されたエンドレスベルト状の金型73上に供給される。
金型73の外表面には独立して離散的に配置された微細凹形状が形成されており、フィルム状積層体70と接触する直前に加熱ロール72によって加熱される。連続的に供給されるフィルム状積層体70はニップロール74により金型73の凹形状が加工された表面に押し付けられ、フィルム状積層体70の表面に突起が形成される。
その後、フィルム状積層体は、金型73の表面と密着された状態で冷却ロール75の外表面位置まで搬送される。フィルム状積層体70は、冷却ロール75によって金型73を介して熱伝導により冷却された後、剥離ロール76によって金型73から剥離され、巻取ロール77に巻き取られる。このようなプロセスにより、突起を有するフィルム状積層体を連続的に高い生産性をもって製造することが可能になる。
本発明において、金型30は、突起23を形成するための凹形状31を有し、厚み方向の圧力に耐えられる剛性、強度を有する構造体のことをいう。本発明の金型30における、好ましい凹形状31を図6(a)〜(e)に例示する。金型30の好ましい凹形状31としては、矩形(図6(a))、三角形(図6(b))、円形(図6(c))、これらが変形,混在したもの(図6(d)、(e))等が挙げられるが、これら以外の形状も用いることができる。金型30における凹形状31は長手方向に連続したものであってもよく、また、長手方向に離散したものであってもよい。金型30において凹形状31の間隔および配列の仕方は特に限定されず、形状、深さが途中で変化してもよく、規則的またはランダム配置であってもよい。
これにより、離散されたドット形状や連続的なストライプ形状などの突起を有する積層体や、これらの両方を含む突起を有する積層体を好適に製造することができる。
積層体20と接する金型表面32は、特に限定されないが、金型30から積層体20を剥離する際の剥離性をよくするためにフッ素樹脂加工やプラズマ処理することが好ましい。
金型30の材質としては、ガラス、シリコン、ステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)など各種材料を利用でき、特に限定されるものではないが、その中でもステンレス鋼(SUS)、ニッケル(Ni)などの耐久性に富んだ金属材質が好ましい。
金型30の表面処理の方法としては、表面処理剤を金型表面に化学結合させる方法(化学吸着法)や、表面処理剤を金型表面に物理的に吸着させる方法(物理吸着法)等が挙げられる。この中で、表面処理効果の繰り返し耐久性、および積層体表面への汚染防止の観点から化学吸着法により表面処理することが好ましい。
表面に突起を有する金型の作製方法は、金属表面に直接切削やレーザー加工や電子線加工を施工する方法、金属表面に形成した鍍金皮膜に直接切削やレーザー加工や電子線加工を施工する方法、これらに電気鋳造を施す方法などが挙げられる。また、レジストを基板の上に塗布した後、フォトリソグラフィー手法によって所定のパターンニングでレジストを形成した後、基板をエッチング処理して凹部を形成し、レジスト除去後に電気鋳造でその反転パターンを得る方法などが挙げられる。異方性エッチングを適用することにより凹み状のパターンを得ることができる。基板としては金属板の他にシリコン基板等も適用できる。
本発明の突起を有する積層体は、突起により得られる構造特性を活かして、例えばセンサーシート用回路、電子ペーパーや導光板、有機EL等のディスプレイデバイス、アンテナ回路、RF−ID回路、TFT回路形成、医療用細胞培養シート等で好適に用いられる。
[特性の評価方法]
A.断面形状について
成形後の突起の断面観察は、突起高さが最大となる位置で実施する。断面観察は走査型電子顕微鏡による観察が好ましく、積層体20からの観察用サンプルの切り出しはミクロトームを用いることができる。断面切り出しによる観察面の崩れを防止するため、積層方向と垂直な面の突起に対し刃物を5°程度傾けて切断する方法が好ましい。突起高さが最大となる位置を通り積層体に向かって垂直方向に切断する。断面の切り出しにおいて、切断時の刃物の傾きは特に指定はないが、樹脂の種類や突起の形状によって角度を設け切断する、予め液体窒素中に浸漬して凍結してから切断する、あるいは別の樹脂で包埋してから切断するなどの方法によって形状の崩れを抑制することが好ましい。ここで、断面の切り出し方により突起の幅が異なる場合は、突起の幅が最も小さくなる方向に断面をとった場合を採用することとする。
B.第1の樹脂層21を構成する樹脂および第2の樹脂層22を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率Eおよびガラス転移温度Tgについて
A.断面形状の評価に用いたサンプルとは別のサンプルを用いて、第1の樹脂層21を構成する樹脂と第2の樹脂層22を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率E、ガラス転移温度Tgは、積層体20の基部において断面を切り出し、第1の樹脂層21の断面と第2の樹脂層22の断面とをそれぞれナノインデンテーション法を用いて測定した。ここで、ナノインデンテーション法とは鋭くとがった圧子を樹脂層に押し込み、圧子に動的な振動を加え、樹脂層の動的粘弾性特性を測定する方法であり、樹脂層に2種類以上の異なる樹脂が含まれている場合においても、当該2種類以上の樹脂の混合物全体としてTg1、E1、E2の値を求めることができる。本発明ではHysitoron社製のナノインデンテーション装置“TI Premiar DxSol”とBerkovich型ダイヤモンド圧子とを用いて、圧子の押し込み量は1μm、駆動周波数は1Hz、歪振幅は5nm、昇温速度は2℃/分の測定条件にて、各樹脂層断面の粘弾特性の温度依存性を測定した。この測定結果から、第1の樹脂層21を構成する樹脂のtanδが極大となるときの温度をTg1とした。さらに、粘弾特性の温度依存性から、Tg1[℃]における第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率E1およびTg1[℃]における第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率E2をそれぞれ求めた。
C.基部における第1の樹脂層21および第2の樹脂層22の厚みt’について
第1の樹脂層21および第2の樹脂層22の厚みt’は、積層体20の基部において断面を切り出し、キーエンス(株)製走査型電子顕微鏡VE−8800を用いて測定した。測定結果から、積層体20の基部における表面から第1の樹脂層21と第2の樹脂層22との界面までの厚みをt1’、第1の樹脂層21と第2の樹脂層22との界面から基底部までの厚みをt2’とした。
(実施例1)
(1)積層体
共押出により作製した、第1の樹脂層がシクロオレフィンコポリマー(COC)で構成され、第2の樹脂層がシクロオレフィンポリマー(COP)で構成される積層体フィルムを原反として使用した。成形前の第1の樹脂層の厚みは10μm、第2の樹脂層の厚みは90μmとした。また、第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度は145℃であり、145℃における第1の樹脂層の動的貯蔵弾性率は9GPa、第2の樹脂層の動的貯蔵弾性率は0.5GPaであった。
(2)金型
ステンレス板の表面に、快削性を有するNiを主体とした材料を厚さ100μm程度被覆した。その後、Ni部分を切削加工し、下記の形状を得た。
面内パターン :ストライプ状
断面凹形状 :台形溝(上底:25μm、下底:20μm、深さ:50μm)
隣接パターン間のピッチ:150μm
サイズ :20mm×20mm(パターン領域)。
(3)成形装置および条件
装置は図4に示すような装置を適用した。プレスユニットは油圧ポンプで加圧される機構で、内部に加圧プレートが上下に2枚取り付けられ、それぞれ、加熱装置、冷却装置に連結されている。金型は下側の加圧プレートの上面に設置される。また、成形後のフィルムを金型から剥離するための剥離手段がプレスユニット内に設置されている。
次に、図4に示す方法で加圧プレート温度160℃、プレス圧力3.0MPa、プレス圧力保持時間1分、プレス圧力開放温度50℃の条件で成形して、突起を有する積層体を得た。
(4)結果
得られた積層体の表面形状をオリンパス(株)製三次元レーザー顕微鏡OLS4100を用いて観察したところ、積層体の表面には金型の凹形状の反転形状が転写され、台形形状(上底20μm、下底25μm、高さ50μm)、ピッチ150μmのストライプ状パターンが成形できていることを確認した。
また、得られた積層体の突起高さが最大となる位置において断面を切り出し、断面形状をキーエンス(株)製走査型電子顕微鏡VE−8800を用いて観察したところ、第2の樹脂層が突起の第1の樹脂層内部に侵入しており、突起における第2の樹脂層の厚みt2が126μm、第2の樹脂層の厚みがt2の半分となっている位置における、第2の樹脂層の幅w2が13μmであった。また、基部においては、第1の樹脂層の厚みが9μm、第2の樹脂層の厚みが87μmであった。
(比較例1)
(1)積層体
基材層の上に第2の樹脂層として変性オレフィン系樹脂(PPET1505SG、東亞合成(株)製)を塗布し、熱風オーブンにて80℃で5分間熱乾燥した。次いで第2の樹脂層(変性オレフィン系樹脂)の上に厚さ30μm程度のポリエチレンフィルムを設置し、所定のプレス方法によって加圧プレート温度140℃、プレス圧力3MPa、プレス圧力保持時間3分、プレス圧力開放温度50℃で熱圧着し積層体を得た。
(2)金型
実施例1と同様の金型を用いた。
(3)成形装置および条件
実施例1と同様に、図4に示す方法で加圧プレート温度100℃、プレス圧力5.0MPa、プレス圧力保持時間1分、プレス圧力開放温度50℃の条件で成形して、突起を有する積層体を得た。
得られた積層体の断面を走査電子顕微鏡で観察したところ、金型の形状が完全に転写されておらず、第2の樹脂層が突起の第1の樹脂層内部に侵入してはいなかった。
本発明の突起を有する積層体の製造方法により得られた成形品は、その突起を構成する材料を適宜選択することによって、各種用途に使用することが可能である。その用途例としては、突起を形成する材料として導電性材料を用いた場合、導電フィルム、電磁波シールドフィルム、電気回路等が挙げられる。また、光拡散性材料や、光吸収性材料、発光性材料などを用いた場合、光線制御性を有するシート材料およびディスプレイ部材とすることもできる。その他、バイオチップ、半導体集積材料、意匠部材、光回路、光コネクタ部材、マイクロニードルなどにも応用展開可能である。
20:積層体
21:第1の樹脂層
22:第2の樹脂層
23:突起
30:金型
31:凹形状
32:金型表面
50:フィルム状積層体
51:巻出ロール
52:巻出ユニット
53:金型
54:プレスユニット
55:剥離手段
56:巻取ロール
57、58:加圧プレート
59、60:バッファ手段
70:フィルム状積層体
71:巻出ロール
72:加熱ロール
73:金型
74:ニップロール
75:冷却ロール
76:剥離ロール
77:巻取ロール
t:突起の高さ
t1:突起における第1の樹脂層の厚み
t2:突起における第2の樹脂層の厚み
t1´:基部における第1の樹脂層の厚み
t2´:基部における第2の樹脂層の厚み
w1:突起の幅
w2:突起における第2の樹脂層の幅

Claims (4)

  1. 少なくとも第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有し、該第1の樹脂層の表面に突起を有する積層体であって、前記第1の樹脂層を構成する樹脂および前記第2の樹脂層を構成する樹脂がともに熱可塑性を有する樹脂であり、前記第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]における動的粘弾性測定により得られる前記第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE1、前記Tg1[℃]における前記第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE2とするとき、E1/E2>1.5であり、かつ、突起における第2の樹脂層の厚みをt2、基部における第1の樹脂層の厚みをt1´、基部における第2の樹脂層の厚みをt2´とするとき(t1´+t2´)≦t2であることを特徴とする突起を有する積層体。
  2. 前記突起を有する積層体において、突起における第2の樹脂層の幅をw2とするとき、2.0≦(t2/w2)であることを特徴とする請求項1に記載の突起を有する積層体。
  3. 突起の断面積をA、突起における第2の樹脂層の断面積をA2とするとき、断面積比A2/Aが0.25以上を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の突起を有する積層体。
  4. 少なくとも第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有し、該第1の樹脂層の表面に突起を有する積層体の製造方法であって、前記第1の樹脂層を構成する樹脂および前記第2の樹脂層を構成する樹脂がともに熱可塑性を有する樹脂であり、前記第1の樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度Tg1[℃]における動的粘弾性測定により得られる前記第1の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE1、前記Tg1[℃]における前記第2の樹脂層を構成する樹脂の動的貯蔵弾性率をE2とするとき、E1/E2>1.5であり、少なくとも表面に凹形状を有する金型または第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有する積層体のいずれか一方をTg1[℃]以上に加熱する加熱工程と、前記金型を前記積層体の前記第1の樹脂層側からプレスし、前記凹形の反転形状である突起形状を前記積層体に転写する加圧転写工程と、前記積層体および、前記金型をTg1[℃]未満にまで冷却する冷却工程と、冷却後の前記金型から前記積層体を剥離する剥離工程により突起を形成することを特徴とする突起を有する積層体の製造方法。
JP2016049183A 2016-03-14 2016-03-14 突起を有する積層体およびその製造方法 Pending JP2017164906A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016049183A JP2017164906A (ja) 2016-03-14 2016-03-14 突起を有する積層体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016049183A JP2017164906A (ja) 2016-03-14 2016-03-14 突起を有する積層体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017164906A true JP2017164906A (ja) 2017-09-21

Family

ID=59912279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016049183A Pending JP2017164906A (ja) 2016-03-14 2016-03-14 突起を有する積層体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017164906A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6380102B2 (ja) 熱可塑性フィルムの製造方法
WO2013132680A1 (ja) キャリア付き金属箔
JP2008173914A (ja) 微細凹凸パターンの転写方法及び転写箔
JP2009006620A (ja) インプリント用スタンパとその製造方法
WO2015159825A1 (ja) 表面に突起を有する構造体
CN102809777A (zh) 带保护膜的导光板的制造方法
JP2017030357A (ja) 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
TWI457219B (zh) 模具構件、其製造方法及使用它之光控制構件的成形方法
JP2008093970A (ja) 微細形状転写用金型および微細形状転写シートの製造装置
JP5167583B2 (ja) パターン形成方法、およびパターン形成用シート
JP2017164906A (ja) 突起を有する積層体およびその製造方法
JP2014162111A (ja) パターン転写用金型とこれを用いたパターン転写装置
JP2011224916A (ja) ナノバックリング形状を有する表面微細凹凸体の製造方法、表面微細凹凸体、工程シート原版、及び光学素子の製造方法。
JP2014202947A (ja) 微細構造を有する成形体の製造方法およびそれにより得られる光学部品
JP6059967B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP5328040B2 (ja) 微細構造を有する積層体及びその製造方法
JP2017165092A (ja) 突起を有する積層体およびその製造方法
JP2005035099A (ja) エンボスロールの製法及び該エンボスロールを使用した転写シートの製法
TWI768116B (zh) 電鑄用母版及使用該電鑄用母版的電鑄模具的製造方法
JP2010030192A (ja) 微細形状転写シート、微細形状転写シートの製造方法
TW201504698A (zh) 導光板的製造方法及導光板
JP5522287B2 (ja) 光学シートおよびその工程シート原版
KR100614039B1 (ko) 정밀한 광학적인 특성을 지닌 큐브코너형의 플라스틱재귀반사시트를 연속적으로 제조할 수 있는 엠보싱 벨트의제조방법
WO2019159792A1 (ja) 樹脂構造体および樹脂構造体の製造方法
KR20190110469A (ko) 광학 필름 및 이를 제조하는 방법