JP2017161424A - 光学式成分センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の成分を精度良く検出する。【解決手段】光学式成分センサ1は、検知光LD1を発する検知用光源21と、参照光LR1を発する参照用光源22と、対象物2によって反射された検知光LD1の少なくとも一部である反射検知光LD2を受光する検知用受光素子31と、対象物2によって反射された参照光LR1の少なくとも一部である反射参照光LR2を受光する参照用受光素子32と、対象物2までの距離を測定する測距部75と、空間3の温度及び湿度を検知する温湿度検知部85と、温湿度検知部85によって検知された温度及び湿度に基づいて算出された絶対湿度と、測距部75によって測定された距離と、吸光係数とに基づいて、反射検知光LD2に対応する検知信号を補正する補正部90と、補正部90によって補正された検知信号と、反射参照光LR2に対応する参照信号とに基づいて、対象物2が含む成分を検知する信号処理回路95とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、検知光と参照光とを用いて所定の成分を検知する光学式成分センサに関する。
従来、水分による赤外線の吸収を利用して、水分量を測定する赤外線水分計が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された赤外線水分計では、互いに異なる複数の波長域の赤外光を紙に照射し、紙によって透過及び散乱された赤外光の強度に基づいて、紙に含まれる水分量を検出する。赤外線水分計では、湿気(水蒸気)の影響を軽減するために、赤外光の波長域をフィルタによって調整している。
上記従来の赤外線水分計が備える複数のフィルタには、水分による吸収を受ける波長域の赤外線を通過させるフィルタと、水分などによる吸収を受けることが少なく、かつ、水蒸気による吸収を受ける波長域の赤外線を通過させるフィルタとが含まれる。このとき、当該2つのフィルタには、水分による吸収率と、水蒸気による吸収率とが同程度になる波長域の赤外線を透過させることが要求される。
一般的に、量産した複数のフィルタには、波長特性(中心波長、透過率、半値幅、遮断率など)にばらつきが発生する。また、フィルタの波長特性だけでなく、ランプ及び受光素子の波長特性との掛け合わせによる赤外エネルギーを考慮したマッチングが必要になる。したがって、水分による吸収率と水蒸気による吸収率とを同程度にすることは、製造上非常に難しい。製造上の各部品の特性ばらつきを許容した場合には、水分量の検出精度が著しく低下する。
そこで、本発明は、所定の成分を精度良く検出することができる光学式成分センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る光学式成分センサは、所定の成分による吸収波長を含む検知光を発する第1光源と、前記成分による吸収波長を含まない参照光を発する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源を収容する筐体と、前記筐体の外部に位置している対象物によって反射された前記検知光の少なくとも一部である反射検知光を受光する、前記筐体内に収容された第1受光素子と、前記対象物によって反射された前記参照光の少なくとも一部である反射参照光を受光する、前記筐体内に収容された第2受光素子と、前記筐体から前記対象物までの距離を測定する測距部と、前記筐体と前記対象物との間の空間の温度及び湿度を検知する温湿度検知部と、前記温湿度検知部によって検知された温度及び湿度に基づいて算出された絶対湿度と、前記測距部によって測定された距離と、予め定められた第1吸光係数とに基づいて、前記第1受光素子から出力された前記反射検知光に対応する検知信号を補正する補正部と、前記補正部によって補正された検知信号と、前記第2受光素子から出力された前記反射参照光に対応する参照信号とに基づいて、前記対象物が含む前記成分を検知する信号処理回路とを備える。
本発明に係る光学式成分センサによれば、所定の成分を精度良く検出することができる。
以下では、本発明の実施の形態に係る光学式成分センサについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る光学式成分センサの概要について説明する。
[概要]
まず、実施の形態に係る光学式成分センサの概要について説明する。
図1は、本実施の形態に係る光学式成分センサ1の構成と対象物2とを示す図である。図2は、本実施の形態に係る光学式成分センサ1の機能構成を示すブロック図である。図3A及び図3Bはそれぞれ、本実施の形態に係る光学式成分センサ1の検知光及び参照光の光路の一例を示す図である。なお、図3A及び図3Bではそれぞれ、検知光及び参照光の代表的な光路のみを示している。
光学式成分センサ1は、波長の異なる2つの光(検知光LD1及び参照光LR1)を対象物2に照射して、対象物2による反射光(反射検知光LD2及び反射参照光LR2)を受光することで、対象物2に含まれる成分を検知する非接触式の光学式成分センサである。本実施の形態では、図1に示すように、光学式成分センサ1は、空間3を隔てて離れた位置に位置する対象物2に含まれる水分を検知する。
対象物2は、特に限定されない場合、例えば衣類などである。例えば、光学式成分センサ1を衣類乾燥機などに取り付けることで、衣類の乾燥具合を確認することができる。これにより、乾燥のし過ぎによる衣類の痛みの発生などを抑制することができる。
空間3は、光学式成分センサ1と対象物2との間の空間(自由空間)であり、湿気(水蒸気)を含んでいる。空間3は、光学式成分センサ1の筐体10の外部空間である。
図1に示すように、光学式成分センサ1は、筐体10と、検知用光源21と、参照用光源22と、検知用受光素子31と、参照用受光素子32と、光学素子40と、検知用レンズ51と、参照用レンズ52と、検知用フィルタ61と、参照用フィルタ62と、検知用アパーチャ71と、参照用アパーチャ72とを備える。また、図2に示すように、光学式成分センサ1は、測距部75と、制御回路80と、温湿度検知部85と、補正部90と、信号処理回路95とを備える。
以下では、光学式成分センサ1の各構成要素について詳細に説明する。
[筐体]
筐体10は、検知用光源21及び参照用光源22を収容する筐体である。図1に示すように、筐体10には、さらに、検知用受光素子31、参照用受光素子32、光学素子40、検知用レンズ51、参照用レンズ52、検知用フィルタ61、参照用フィルタ62、検知用アパーチャ71、及び、参照用アパーチャ72が収容されている。
筐体10は、検知用光源21及び参照用光源22を収容する筐体である。図1に示すように、筐体10には、さらに、検知用受光素子31、参照用受光素子32、光学素子40、検知用レンズ51、参照用レンズ52、検知用フィルタ61、参照用フィルタ62、検知用アパーチャ71、及び、参照用アパーチャ72が収容されている。
筐体10は、遮光性の材料から形成されている。これにより、外光が筐体10内に入射するのを抑制することができる。具体的には、筐体10は、検知用受光素子31及び参照用受光素子32が受光する光に対して遮光性を有する。より具体的には、筐体10は、反射検知光LD2(検知光LD1)及び反射参照光LR2(参照光LR1)に対して遮光性を有し、例えば、樹脂材料又は金属材料から形成される。
筐体10の外壁には、開口が設けられ、当該開口に検知用レンズ51及び参照用レンズ52が取り付けられている。また、図示しないが、筐体10の外壁には、検知用光源21及び参照用光源22が発した光を外部に出射するための開口が設けられている。
[検知用光源]
検知用光源21は、所定の成分による吸収波長を含む検知光LD1を発する第1光源の一例である。具体的には、検知用光源21は、水分による吸収波長をピーク波長として含む検知光LD1を発する分散光源である。検知用光源21が発した検知光LD1は、図3Aに示すように、光学素子40によって反射されて筐体10の外部に出射される。
検知用光源21は、所定の成分による吸収波長を含む検知光LD1を発する第1光源の一例である。具体的には、検知用光源21は、水分による吸収波長をピーク波長として含む検知光LD1を発する分散光源である。検知用光源21が発した検知光LD1は、図3Aに示すように、光学素子40によって反射されて筐体10の外部に出射される。
図4は、水分と水蒸気との吸光スペクトルを示す図である。図4に示すように、水分は、約1450nm及び約1900nmの波長に吸収ピークを有する。水蒸気は、水分の吸収ピークよりやや低い波長、具体的には約1350nm〜1400nm及び約1800nm〜1900nmの波長に吸収ピークを有する。
図5は、本実施の形態に係る光学式成分センサ1の検知光及び参照光のスペクトルを示す図である。図5に示すように、検知光LD1は、水分による吸収波長である1450nmをピーク波長として含む赤外光である。図4と図5とを比較して分かるように、検知光LD1は、水分だけでなく、水蒸気によっても吸収される波長成分を含んでいる。
検知用光源21は、例えば、図5の実線で示すスペクトルを有する赤外光を発する発光素子である。発光素子は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子であるが、これに限らない。発光素子としては、半導体レーザ素子又は有機EL(Electro Luminescence)素子などを用いてもよい。
検知用光源21は、図1に示すように、筐体10内の所定の位置に固定されている。本実施の形態では、検知用光源21は、光学素子40を間に挟んで、参照用受光素子32と向かい合うように配置されている。
[参照用光源]
参照用光源22は、所定の成分による吸収波長を含まない参照光LR1を発する第2光源の一例(分散光源)である。図5に示すように、参照光LR1は、水分による吸収波長である約1450nmの波長を含まずに、例えば、当該吸収波長とは異なる約1300nmの波長をピーク波長として含んでいる。参照用光源22が発した参照光LR1は、図3Bに示すように、光学素子40によって反射されて筐体10の外部に出射される。
参照用光源22は、所定の成分による吸収波長を含まない参照光LR1を発する第2光源の一例(分散光源)である。図5に示すように、参照光LR1は、水分による吸収波長である約1450nmの波長を含まずに、例えば、当該吸収波長とは異なる約1300nmの波長をピーク波長として含んでいる。参照用光源22が発した参照光LR1は、図3Bに示すように、光学素子40によって反射されて筐体10の外部に出射される。
なお、吸収波長を含まないとは、吸収波長を全く含まないことのみを意味する訳ではない。参照光LR1は、ピーク波長に比べて十分に小さい強度の吸収波長を含んでもよい。例えば、参照光LR1は、検知分解能より小さい強度の吸収波長を含んでもよい。
参照用光源22は、例えば、図5の破線で示すスペクトルを有する赤外光を発する発光素子である。すなわち、参照用光源22は、検知用光源21が発する赤外光のピーク波長とは異なる波長をピーク波長として含む赤外光を発する。発光素子は、例えば、LED素子であるが、半導体レーザ素子又は有機EL素子などでもよい。
参照用光源22は、図1に示すように、筐体10内の所定の位置に固定されている。本実施の形態では、参照用光源22は、光学素子40を間に挟んで、検知用受光素子31と向かい合うように配置されている。
[検知用受光素子]
検知用受光素子31は、対象物2によって反射された検知光LD1の少なくとも一部である反射検知光LD2を受光する第1受光素子の一例である。検知用受光素子31は、受光した反射検知光LD2を光電変換することで、反射検知光LD2の受光量(すなわち、強度)に応じた電気信号である検知信号を生成する。生成された検知信号は、信号処理回路95に出力される。なお、本実施の形態では、検知信号は、測距部75にも出力され、対象物2までの距離Lの測定(すなわち、測距)に利用される。
検知用受光素子31は、対象物2によって反射された検知光LD1の少なくとも一部である反射検知光LD2を受光する第1受光素子の一例である。検知用受光素子31は、受光した反射検知光LD2を光電変換することで、反射検知光LD2の受光量(すなわち、強度)に応じた電気信号である検知信号を生成する。生成された検知信号は、信号処理回路95に出力される。なお、本実施の形態では、検知信号は、測距部75にも出力され、対象物2までの距離Lの測定(すなわち、測距)に利用される。
反射検知光LD2は、検知光LD1が対象物2によって反射された光である。反射検知光LD2のピーク波長は、検知光LD1のピーク波長(約1450nm)と同じである。
図6は、本実施の形態に係る光学式成分センサ1の受光素子の感度特性を示す図である。本実施の形態では、図6に示す特性を有する受光素子を、検知用受光素子31及び参照用受光素子32の各々に用いる。
具体的には、図6に示すように、検知用受光素子31の受光感度は、1000nm〜1600nmの範囲の波長に対して正の相関を有する。なお、検知用受光素子31の受光感度は、これに限定されず、例えば、各波長に対して略一定の感度でもよい。
このように、検知用受光素子31は、反射検知光LD2(検知光LD1)のピーク波長に対して十分に強い受光感度を有する。したがって、検知用受光素子31は、反射検知光LD2を受光し、受光量に応じた電気信号(検知信号)を生成することができる。
検知用受光素子31は、筐体10内に収容されている。例えば、検知用受光素子31は、受光面が検知用レンズ51の焦点に位置するように筐体10内に固定されている。
検知用受光素子31は、例えば、フォトダイオードであるが、これに限定されない。例えば、検知用受光素子31は、フォトトランジスタ、又は、イメージセンサでもよい。なお、検知用受光素子31と参照用受光素子32とは、1つのイメージセンサの異なる領域を利用してもよい。
[参照用受光素子]
参照用受光素子32は、対象物2によって反射された参照光LR1の少なくとも一部である反射参照光LR2を受光する第2受光素子の一例である。参照用受光素子32は、受光した反射参照光LR2を光電変換することで、反射参照光LR2の受光量に応じた電気信号である参照信号を生成する。生成された参照信号は、信号処理回路95に出力される。なお、本実施の形態では、参照信号は、測距部75にも出力され、測距に利用される。
参照用受光素子32は、対象物2によって反射された参照光LR1の少なくとも一部である反射参照光LR2を受光する第2受光素子の一例である。参照用受光素子32は、受光した反射参照光LR2を光電変換することで、反射参照光LR2の受光量に応じた電気信号である参照信号を生成する。生成された参照信号は、信号処理回路95に出力される。なお、本実施の形態では、参照信号は、測距部75にも出力され、測距に利用される。
反射参照光LR2は、参照光LR1が対象物2によって反射された光である。反射参照光LR2のピーク波長は、参照光LR1のピーク波長(約1300nm)と同じである。
参照用受光素子32の受光感度は、図6に示す特性を有する。つまり、参照用受光素子32は、反射参照光LR2(参照光LR1)のピーク波長に対して十分に強い受光感度を有する。したがって、参照用受光素子32は、反射参照光LR2を受光し、各々の受光量に応じた電気信号(参照信号)を生成することができる。
参照用受光素子32は、筐体10内に収容されている。例えば、参照用受光素子32は、受光面が参照用レンズ52の焦点に位置するように筐体10内に固定されている。
参照用受光素子32は、例えば、フォトダイオードであるが、これに限定されない。例えば、参照用受光素子32は、フォトトランジスタ、又は、イメージセンサでもよい。
[光学素子]
光学素子40は、検知光LD1及び参照光LR1を、同軸かつ同スポットサイズで筐体10から対象物2に向けて出射する。光学素子40は、例えば、凹状の反射面を有し、当該反射面によって検知光LD1及び参照光LR1を反射する。検知光LD1及び参照光LR1は、例えば、光学素子40の反射面によって、互いに同じ方向に同じ配光角で反射される。
光学素子40は、検知光LD1及び参照光LR1を、同軸かつ同スポットサイズで筐体10から対象物2に向けて出射する。光学素子40は、例えば、凹状の反射面を有し、当該反射面によって検知光LD1及び参照光LR1を反射する。検知光LD1及び参照光LR1は、例えば、光学素子40の反射面によって、互いに同じ方向に同じ配光角で反射される。
光学素子40によって反射された検知光LD1及び参照光LR1はそれぞれ、筐体10の外部に位置する対象物2に向けて出射される。図3A及び図3Bに示すように、筐体10の外部に出射された検知光LD1及び参照光LR1は、対象物2の略同じ部分に略同じスポットサイズで照射される。
光学素子40は、例えば、凹面を有する所定形状に成形された樹脂成形体に金属薄膜を蒸着法などによって成膜することで形成される。
[検知用レンズ]
検知用レンズ51は、対象物2によって反射された反射検知光LD2を検知用受光素子31に集光するための集光レンズである。検知用レンズ51は、例えば、焦点が検知用受光素子31の受光面に位置するように筐体10に固定されている。検知用レンズ51は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
検知用レンズ51は、対象物2によって反射された反射検知光LD2を検知用受光素子31に集光するための集光レンズである。検知用レンズ51は、例えば、焦点が検知用受光素子31の受光面に位置するように筐体10に固定されている。検知用レンズ51は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
[参照用レンズ]
参照用レンズ52は、対象物2によって反射された反射参照光LR2を参照用受光素子32に集光するための集光レンズである。参照用レンズ52は、例えば、焦点が参照用受光素子32の受光面に位置するように筐体10に固定されている。参照用レンズ52は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
参照用レンズ52は、対象物2によって反射された反射参照光LR2を参照用受光素子32に集光するための集光レンズである。参照用レンズ52は、例えば、焦点が参照用受光素子32の受光面に位置するように筐体10に固定されている。参照用レンズ52は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
[検知用フィルタ]
検知用フィルタ61は、検知用受光素子31に入射する反射検知光LD2の光路上に設けられた第1フィルタの一例である。本実施の形態では、図1に示すように、検知用フィルタ61は、検知用レンズ51と検知用アパーチャ71との間に配置されている。検知用フィルタ61は、反射検知光LD2を透過し、かつ、反射参照光LR3を吸収する。このため、図3Bに示すように、反射参照光LR3は、検知用フィルタ61によって吸収されて検知用受光素子31にはほとんど到達しない。
検知用フィルタ61は、検知用受光素子31に入射する反射検知光LD2の光路上に設けられた第1フィルタの一例である。本実施の形態では、図1に示すように、検知用フィルタ61は、検知用レンズ51と検知用アパーチャ71との間に配置されている。検知用フィルタ61は、反射検知光LD2を透過し、かつ、反射参照光LR3を吸収する。このため、図3Bに示すように、反射参照光LR3は、検知用フィルタ61によって吸収されて検知用受光素子31にはほとんど到達しない。
図7は、本実施の形態に係る光学フィルタの透過スペクトルを示す図である。図7に示すように、検知用フィルタ61は、反射検知光LD2のピーク波長である1450nmの光を透過し、反射参照光LR3のピーク波長である1300nmの光を吸収する。なお、検知用フィルタ61は、1300nmの光の一部を透過してもよい。すなわち、検知用フィルタ61は、反射検知光LD2の透過量よりも少ない透過量で反射参照光LR3を透過してもよい。
[参照用フィルタ]
参照用フィルタ62は、参照用受光素子32に入射する反射参照光LR2の光路上に設けられた第2フィルタの一例である。本実施の形態では、図1に示すように、参照用フィルタ62は、参照用レンズ52と参照用アパーチャ72との間に配置されている。参照用フィルタ62は、反射参照光LR2を透過し、かつ、反射検知光LD3を吸収する。このため、図3Aに示すように、反射検知光LD3は、参照用フィルタ62によって吸収されて参照用受光素子32にはほとんど到達しない。
参照用フィルタ62は、参照用受光素子32に入射する反射参照光LR2の光路上に設けられた第2フィルタの一例である。本実施の形態では、図1に示すように、参照用フィルタ62は、参照用レンズ52と参照用アパーチャ72との間に配置されている。参照用フィルタ62は、反射参照光LR2を透過し、かつ、反射検知光LD3を吸収する。このため、図3Aに示すように、反射検知光LD3は、参照用フィルタ62によって吸収されて参照用受光素子32にはほとんど到達しない。
図7に示すように、参照用フィルタ62は、反射参照光LR2のピーク波長である1300nmの光を透過し、反射検知光LD3のピーク波長である1450nmの光を吸収する。なお、参照用フィルタ62は、1450nmの光の一部を透過してもよい。すなわち、参照用フィルタ62は、反射参照光LR2の透過量よりも少ない透過量で反射検知光LD3を透過してもよい。
[検知用アパーチャ]
検知用アパーチャ71は、検知用受光素子31の受光面の前方に設けられ、反射検知光LD2の入射角度に応じて反射検知光LD2の一部を遮蔽する第1アパーチャの一例である。例えば、検知用アパーチャ71は、所定の径の開口(スリット)が設けられた遮光性の部材である。検知用アパーチャ71は、反射検知光LD2の入射角度が大きい程、反射検知光LD2をより多く遮蔽する。したがって、検知用アパーチャ71を通過する反射検知光LD2の光量が少なくなるので、検知用受光素子31での受光量が小さくなる。
検知用アパーチャ71は、検知用受光素子31の受光面の前方に設けられ、反射検知光LD2の入射角度に応じて反射検知光LD2の一部を遮蔽する第1アパーチャの一例である。例えば、検知用アパーチャ71は、所定の径の開口(スリット)が設けられた遮光性の部材である。検知用アパーチャ71は、反射検知光LD2の入射角度が大きい程、反射検知光LD2をより多く遮蔽する。したがって、検知用アパーチャ71を通過する反射検知光LD2の光量が少なくなるので、検知用受光素子31での受光量が小さくなる。
なお、検知用アパーチャ71は、対象物2までの距離Lを測定するのに用いられる部材である。したがって、検知信号を利用した測距を行わない場合は、検知用アパーチャ71は設けられていなくてもよい。参照用アパーチャ72についても同様である。詳細については、変形例1及び2で説明する。
[参照用アパーチャ]
参照用アパーチャ72は、参照用受光素子32の受光面の前方に設けられ、反射参照光LR2の入射角度に応じて反射参照光LR2の一部を遮蔽する第2アパーチャの一例である。例えば、参照用アパーチャ72は、所定の径の開口(スリット)が設けられた遮光性の部材である。参照用アパーチャ72は、反射参照光LR2の入射角度が大きい程、反射参照光LR2をより多く遮蔽する。したがって、参照用アパーチャ72を通過する反射参照光LR2の光量が少なくなるので、参照用受光素子32での受光量が小さくなる。
参照用アパーチャ72は、参照用受光素子32の受光面の前方に設けられ、反射参照光LR2の入射角度に応じて反射参照光LR2の一部を遮蔽する第2アパーチャの一例である。例えば、参照用アパーチャ72は、所定の径の開口(スリット)が設けられた遮光性の部材である。参照用アパーチャ72は、反射参照光LR2の入射角度が大きい程、反射参照光LR2をより多く遮蔽する。したがって、参照用アパーチャ72を通過する反射参照光LR2の光量が少なくなるので、参照用受光素子32での受光量が小さくなる。
[測距部]
測距部75は、筐体10から対象物2までの距離Lを測定する。本実施の形態では、測距部75は、三角測距法により距離Lを測定する。
測距部75は、筐体10から対象物2までの距離Lを測定する。本実施の形態では、測距部75は、三角測距法により距離Lを測定する。
図8は、本実施の形態に係る三角測距法による距離の測定原理を示す模式図である。ここでは、参照用光源22が出射する参照光を用いて距離を測定する場合について説明する。なお、説明を簡単にするため、光学素子40などの他の部材については示していない。
図8には、参照用光源22及び参照用受光素子32からの距離が近い対象物2aと、当該距離が遠い対象物2bとが示されている。参照用光源22から発せられた参照光LRa1は、対象物2aによって反射され、その反射光である反射参照光LRa2は、参照用レンズ52及び参照用アパーチャ72を通過して参照用受光素子32に入射する。同様に、参照用光源22から発せられた参照光LRb1は、対象物2bによって反射され、その反射光である反射参照光LRb2は、参照用レンズ52及び参照用アパーチャ72を通過して参照用受光素子32に入射する。
図8に示すように、反射参照光LRa2は、参照用受光素子32の受光面に対して大きな入射角で(浅い角度で)に入射する。このため、参照用アパーチャ72を通過する際に、遮蔽される光量(ケラレ)が大きくなる。したがって、参照用受光素子32に入射する反射参照光LRa2の光量は小さい。
一方で、反射参照光LRb2は、参照用受光素子32の受光面に対して小さな入射角で(受光面に対してより垂直に近い方向から)入射する。このため、参照用アパーチャ72によって遮蔽される光量は少なくなるので、参照用受光素子32に入射する反射参照光LRb2の光量は大きい。
このように、参照用アパーチャ72を設けることで、参照用受光素子32に入射する反射参照光LR2の受光量が、反射参照光LR2の入射角に応じて変化する。図8に示すように、反射参照光LR2の入射角は、対象物2までの距離Lに依存する。具体的には、対象物2までの距離Lが大きい程(例えば、対象物2bの場合)、反射参照光LR2の入射角は小さくなって受光量は大きくなる。対象物2までの距離Lが小さい程(例えば、対象物2aの場合)、反射参照光LR2の入射角は大きくなって受光量は小さくなる。したがって、測距部75は、参照用受光素子32から出力される参照信号の強度(電圧レベル)に基づいて、対象物2までの距離Lを測定することができる。
なお、実際には、参照光LR1及び反射参照光LR2は、空間3に含まれる水蒸気によって吸収されるので、水蒸気量に応じて参照信号の強度も変化する。したがって、本実施の形態では、測距部75は、検知信号及び参照信号の比に基づいて距離Lを測定する。具体的には、図1に示すように、検知用受光素子31の前方にも同様の検知用アパーチャ71を設けることで、検知信号も距離Lの測定に利用する。
例えば、湿気の影響を受けない環境下において、入射角の違いによる参照信号(又は検知信号)の出力変化率を予め計測しておく。測距部75は、図2に示すように、計測した出力変化率を示す出力変化パラメータ76を記憶している。例えば、測距部75は、不揮発性メモリなどの記憶部を有し、出力変化パラメータ76を記憶している。
測距部75は、例えば、マイクロコントローラで構成される。測距部75は、測距プログラム及び出力変化パラメータ76が格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。なお、測距部75、制御回路80、補正部90及び信号処理回路95などは、各々の専用のマイクロコントローラで実現されてもよく、あるいは、1つのマイクロコントローラで実現されてもよい。
[制御回路]
制御回路80は、検知用光源21の発光と参照用光源22の発光とを個別に制御する。具体的には、制御回路80は、検知用光源21の発光及び消灯と、参照用光源22の発光及び消灯とを、独立して制御することができる。
制御回路80は、検知用光源21の発光と参照用光源22の発光とを個別に制御する。具体的には、制御回路80は、検知用光源21の発光及び消灯と、参照用光源22の発光及び消灯とを、独立して制御することができる。
例えば、制御回路80は、検知用光源21及び参照用光源22を時間排他的に発光させる。つまり、検知用光源21の発光期間と参照用光源22の発光期間とは、重複しない。具体的には、制御回路80は、検知用光源21及び参照用光源22を時間排他的に交互に繰り返し発光させる。例えば、制御回路80は、所定の周波数(例えば、1kHz)のパルス信号を検知用光源21及び参照用光源22に出力する。検知用光源21に出力するパルス信号と、参照用光源22に出力するパルス信号とは、各々のパルスが重複しないように同期されている。
例えば、検知用光源21のパルス信号は、オンデューティ比が50%以下のパルス信号である。参照用光源22のパルス信号は、検知用光源21のパルス信号の位相を180度ずらしたパルス信号である。これにより、検知用光源21の発光期間と参照用光源22の発光期間とを、同じ長さの期間とし、かつ、互いに重複しないようにすることができる。
図1には示していないが、制御回路80は、筐体10に収容されていてもよく、又は、筐体10の外側面に取り付けられていてもよい。あるいは、制御回路80は、無線通信などの通信機能を有し、制御用のパルス信号を検知用光源21及び参照用光源22に送信してもよい。
制御回路80は、例えば、駆動回路及びマイクロコントローラで構成される。制御回路80は、光源の制御プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。
[温湿度検知部]
温湿度検知部85は、空間3の温度及び湿度を検知する温湿度センサである。本実施の形態では、温湿度検知部85は、検知した温度及び湿度を用いて空間3の絶対湿度を算出する。絶対湿度は、空間3に含まれる単位体積当たりの水蒸気量である。温湿度検知部85が算出した絶対湿度は、補正部90に出力される。
温湿度検知部85は、空間3の温度及び湿度を検知する温湿度センサである。本実施の形態では、温湿度検知部85は、検知した温度及び湿度を用いて空間3の絶対湿度を算出する。絶対湿度は、空間3に含まれる単位体積当たりの水蒸気量である。温湿度検知部85が算出した絶対湿度は、補正部90に出力される。
温湿度検知部85は、例えば、筐体10の外側面に取り付けられている。あるいは、温湿度検知部85は、筐体10とは別体でもよく、空間3の所定の位置に設けられていてもよい。この場合、温湿度検知部85と補正部90(又は信号処理回路95など)とは、無線通信機能を有し、無線によって絶対湿度を送受信してもよい。
[補正部]
補正部90は、空間3の絶対湿度と、距離Lと、予め定められた検知光用の吸光係数αc1とに基づいて、検知信号を補正する。検知光LD1及び反射検知光LD2は、空間3に含まれる水蒸気(湿気)によって吸収される波長成分を含んでいる。したがって、検知信号は、対象物2に含まれる水分による吸収だけでなく、水蒸気による吸収の影響を受けた信号である。このため、補正部90は、水蒸気による吸収分をキャンセルするように、検知信号を補正する。
補正部90は、空間3の絶対湿度と、距離Lと、予め定められた検知光用の吸光係数αc1とに基づいて、検知信号を補正する。検知光LD1及び反射検知光LD2は、空間3に含まれる水蒸気(湿気)によって吸収される波長成分を含んでいる。したがって、検知信号は、対象物2に含まれる水分による吸収だけでなく、水蒸気による吸収の影響を受けた信号である。このため、補正部90は、水蒸気による吸収分をキャンセルするように、検知信号を補正する。
また、本実施の形態では、補正部90は、さらに、空間3の絶対湿度と、距離Lと、予め定められた参照光用の吸光係数αc2とに基づいて、検知信号を補正する。参照光LR1及び反射参照光LR2は、空間3に含まれる水蒸気によって吸収される波長成分を含んでいる。したがって、参照信号は、対象物2に含まれる水分による吸収だけでなく、水蒸気による吸収の影響を受けた信号である。このため、補正部90は、水蒸気による吸収分をキャンセルするように、参照信号を補正する。
補正部90による検知信号及び参照信号の補正の詳細については、後で説明する。
なお、参照光LR1及び反射参照光LR2の水蒸気による吸収が十分に小さい場合には、補正部90は、参照信号を補正しなくてもよい。
補正部90は、例えば、マイクロコントローラで構成される。補正部90は、補正プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。
[信号処理回路]
信号処理回路95は、検知用受光素子31から出力された反射検知光LD2に対応する検知信号と、参照用受光素子32から出力された反射参照光LR2に対応する参照信号とに基づいて、対象物2が含む成分を検知する。具体的には、信号処理回路95は、検知信号の電圧レベルと参照信号の電圧レベルとの比(エネルギー比)に基づいて、対象物2が含む水分量を検知する。
信号処理回路95は、検知用受光素子31から出力された反射検知光LD2に対応する検知信号と、参照用受光素子32から出力された反射参照光LR2に対応する参照信号とに基づいて、対象物2が含む成分を検知する。具体的には、信号処理回路95は、検知信号の電圧レベルと参照信号の電圧レベルとの比(エネルギー比)に基づいて、対象物2が含む水分量を検知する。
本実施の形態では、信号処理回路95は、補正部90によって補正された検知信号及び補正された参照信号に基づいて、対象物2が含む水分量を検知する。具体的な水分量の検知(算出)方法については後で説明する。
信号処理回路95は、筐体10に収容されていてもよく、又は、筐体10の外側面に取り付けられていてもよい。あるいは、信号処理回路95は、無線通信などの通信機能を有し、検知用受光素子31及び参照用受光素子32からの出力信号を受信してもよい。
信号処理回路95は、例えば、マイクロコントローラである。信号処理回路95は、信号処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。
[信号処理(検知処理)]
続いて、補正部90及び信号処理回路95による信号処理(成分の検知処理)について説明する。
続いて、補正部90及び信号処理回路95による信号処理(成分の検知処理)について説明する。
本実施の形態では、信号処理回路95は、反射検知光LD2の光エネルギーPdと反射参照光LR2の光エネルギーPrとを比較することで、対象物2に含まれる成分量を検知する。なお、光エネルギーPdは、検知用受光素子31から出力される検知信号の強度に対応し、光エネルギーPrは、参照用受光素子32から出力される参照信号の強度に対応する。
検知用受光素子31に入射する反射検知光LD2の光エネルギーPdは、次の(式1)で表される。
(式1) Pd=Pd0×Gd×Rd×Td×Acd×Aad×Ivd
ここで、Pd0は、検知用光源21が発した検知光LD1の光エネルギーである。Gdは、検知用光源21が発した検知光LD1の検知用受光素子31に対する結合効率(集光率)である。具体的には、Gdは、検知光LD1のうち、対象物2で拡散反射される成分の一部(すなわち、反射検知光LD2)になる部分の割合に相当する。
Rdは、対象物2による検知光LD1の反射率である。Tdは、検知用フィルタ61による反射検知光LD2の透過率である。Ivdは、検知用受光素子31の反射検知光LD2に対する受光感度である。
Acdは、空間3に含まれる水蒸気による検知光LD1及び反射検知光LD2の吸収率であり、次の(式2)で表される。
(式2) Acd=10−αc1×Cc×2L
ここで、αc1は、予め定められた第1吸光係数であり、具体的には、検知光LD1及び反射検知光LD2の波長域での換算吸光係数である。本実施の形態では、αc1は、検知用光源21が発する検知光LD1の波長に対する発光強度分布と、検知用受光素子31における波長に対する感度特性と、水蒸気による波長に対する吸光度とに基づいて、予め定められている。
例えば、光学式成分センサ1の製造後に行われる検査工程で、光学式成分センサ1の特性を取得することで、適切な検知信号用の吸光係数αc1を定めることができる。なお、検査工程では、例えば、乾燥雰囲気下において、固定の水分量を含む対象物2に対して検知光LD1を照射して、その反射光である反射検知光LD2を検知用受光素子31に受光させる。対象物2に含まれる水分量が固定であるので、検知用受光素子31から出力される検知信号の強度との対応関係を決定することができ、吸光係数αc1を定めることができる。
Ccは、絶対湿度であり、具体的には、温湿度検知部85によって算出される。Lは、筐体10から対象物2までの距離であり、具体的には、測距部75によって算出される。
Aadは、対象物2に含まれる成分(水分)による検知光LD1及び反射検知光LD2の吸収率あり、次の(式3)で表される。
(式3) Aad=10−αa×Ca×D
ここで、αaは、予め定められた吸光係数であり、具体的には、成分(水分)による検知光LD1及び反射検知光LD2の吸光係数である。Caは、対象物2に含まれる成分(水分)の体積濃度である。Dは、検知光LD1及び反射検知光LD2の吸収に寄与する成分の厚みの2倍である寄与厚みである。
より具体的には、水分が均質に分散した対象物2では、光が対象物2に入射し、内部で反射して対象物2から出射する場合において、Caは、対象物2の成分に含まれる体積濃度に相当する。また、Dは、内部で反射して対象物2から出射するまでの光路長に相当する。例えば、対象物2が繊維などの網目状の固形物、又は、スポンジなどの多孔性の固形物である場合、固形物の表面で光が反射されると仮定する。この場合、例えば、Caは、固形物を覆っている液相に含まれる水分の濃度である。また、Dは、固形物を覆っている液相の平均的な厚みとして換算される寄与厚みである。
したがって、αa×Ca×Dは、対象物2に含まれる成分量(水分量)に相当する。以上のことから、対象物2に含まれる水分量、及び、空間3に含まれる水蒸気量に応じて、検知信号の強度に相当する光エネルギーPdが変化することが分かる。
同様に、参照用受光素子32に入射する反射参照光LR2の光エネルギーPrは、次の(式4)で表される。
(式4) Pr=Pr0×Gr×Rr×Tr×Acr×Ivr
本実施の形態では、参照光LR1及び反射参照光LR2は、対象物2に含まれる成分によって実質的には吸収されないとみなすことができるので、(式1)とを比較して分かるように、水分による吸収率Aadに相当する項は(式4)には含まれていない。
(式4)において、Pr0は、参照用光源22が発した参照光LR1の光エネルギーである。Grは、参照用光源22が発した参照光LR2の参照用受光素子32に対する結合効率(集光率)である。具体的には、Grは、参照光LR1のうち、対象物2で拡散反射される成分の一部(すなわち、反射参照光LR2)になる部分の割合に相当する。Rrは、対象物2による参照光LR1の反射率である。Trは、参照用フィルタ62による反射参照光LR2の透過率である。Ivrは、参照用受光素子32の反射参照光LR2に対する受光感度である。
Acrは、空間3に含まれる水蒸気による参照光LR1及び反射参照光LR2の吸収率であり、次の(式5)で表される。
(式5) Acr=10−αc2×Cc×2L
ここで、αc2は、予め定められた第2吸光係数であり、具体的には、参照光LR1及び反射参照光LR2の波長域での換算吸光係数である。本実施の形態では、αc2は参照用光源22が発する参照光LR1の波長に対する発光強度分布と、参照用受光素子32における波長に対する感度特性と、水蒸気による波長に対する吸光度とに基づいて、予め定められている。なお、αc2は、αc1と同様に、光学式成分センサ1の製造後に行われる検査工程において予め定めることができる。Cc及びLは、(式2)の場合と同様である。
本実施の形態では、検知光LD1と参照光LR1とは、同軸かつ同スポットサイズで照射されるため、検知光LD1の結合効率Gdと参照光LR1の結合効率Grとは略等しくなる。また、検知光LD1と参照光LR1とはピーク波長が比較的近いので、検知光LD1の反射率Rdと参照光LR1の反射率Rrとが略等しくなる。
したがって、(式1)と(式4)との比を取ることにより、次の(式6)が導き出される。
(式6) Pd/Pr=Z×(Acd/Acr)×Aad
ここで、Zは、定数項であり、(式7)で示される。
(式7) Z=(Pd0/Pr0)×(Td/Tr)×(Ivd/Ivr)
光エネルギーPd0及びPr0はそれぞれ、検知用光源21及び参照用光源22の初期出力として予め定められている。また、反射検知光LD2の透過率Td及び反射参照光LR2の透過率Trはそれぞれ、検知用フィルタ61及び参照用フィルタ62の透過特性により予め定められている。反射検知光LD2の受光感度Ivd及び反射参照光LR2の受光感度Ivrはそれぞれ、検知用受光素子31及び参照用受光素子32の受光特性により予め定められている。したがって、(式7)で示されるZは、定数とみなすことができる。
信号処理回路95は、検知信号に基づいて反射検知光LD2の光エネルギーPdを算出し、参照信号に基づいて反射参照光LR2の光エネルギーPrを算出する。具体的には、検知信号の信号レベル(電圧レベル)が光エネルギーPdに相当し、参照信号の信号レベル(電圧レベル)が光エネルギーPrに相当する。また、補正部90は、(式2)及び(式5)に基づいて、水蒸気による吸収率Acd及びAcrを算出する。
したがって、信号処理回路95は、(式6)に基づいて、対象物2に含まれる水分の吸収率Aadを算出することができる。これにより、信号処理回路95は、(式3)に基づいて水分量を算出することができる。
[効果など]
筐体10と対象物2との間の空間3に水蒸気が含まれない場合、又は、検知光が水蒸気による吸収を受けない場合、信号処理回路95は、検知信号を処理することで、対象物2に含まれる水分を検知することができる。しかしながら、検知光が空間3に含まれる水蒸気によって吸収される場合、検知信号の強度は、対象物2に含まれる水分だけでなく、空間3に含まれる水蒸気による影響も受ける。
筐体10と対象物2との間の空間3に水蒸気が含まれない場合、又は、検知光が水蒸気による吸収を受けない場合、信号処理回路95は、検知信号を処理することで、対象物2に含まれる水分を検知することができる。しかしながら、検知光が空間3に含まれる水蒸気によって吸収される場合、検知信号の強度は、対象物2に含まれる水分だけでなく、空間3に含まれる水蒸気による影響も受ける。
これに対して、本実施の形態に係る光学式成分センサ1は、所定の成分による吸収波長を含む検知光LD1を発する検知用光源21と、成分による吸収波長を含まない参照光LR1を発する参照用光源22と、検知用光源21及び参照用光源22を収容する筐体10と、筐体10の外部に位置している対象物2によって反射された検知光LD1の少なくとも一部である反射検知光LD2を受光する、筐体10内に収容された検知用受光素子31と、対象物2によって反射された参照光LR1の少なくとも一部である反射参照光LR2を受光する、筐体10内に収容された参照用受光素子32と、筐体10から対象物2までの距離を測定する測距部75と、筐体10と対象物2との間の空間3の温度及び湿度を検知する温湿度検知部85と、温湿度検知部85によって検知された温度及び湿度に基づいて算出された絶対湿度と、測距部75によって測定された距離と、予め定められた吸光係数とに基づいて、検知用受光素子31から出力された反射検知光LD2に対応する検知信号を補正する補正部90と、補正部90によって補正された検知信号と、参照用受光素子32から出力された反射参照光LR2に対応する参照信号とに基づいて、対象物2が含む成分を検知する信号処理回路95とを備える。
これにより、筐体10と対象物2との間の空間3の絶対湿度と筐体10から対象物2までの距離Lとに基づいて検知信号を補正するので、水蒸気による吸収分をキャンセルすることができる。
また、本実施の形態では、水分による吸収を受けることが少なく、水蒸気による吸収を受けるフィルタなどの高精度な透過特性を要求されるフィルタを必要としない。すなわち、光学部品に特性ばらつきがあったとしても、検知信号を補正することで、特性ばらつきの影響を抑えることができる。これにより、光学式成分センサ1は、水分を精度良く検出することができる。
また、例えば、検知用の吸光係数は、検知用光源21が発する検知光LD1の波長に対する第1発光強度分布と、検知用受光素子31における波長に対する第1感度特性と、水蒸気による波長に対する吸光度とに基づいて、予め定められた値である。
これにより、検知信号用の吸光係数を予め定めておくことで、光学部品の特性ばらつきの影響を抑えることができ、対象物2に含まれる水分を精度良く検出することができる。
また、例えば、光学式成分センサ1は、さらに、反射検知光LD2の光路上に設けられた検知用フィルタ61を備え、検知用の吸光係数は、第1発光強度分布と、第1感度特性と、吸光度と、検知用フィルタ61における波長に対する透過特性とに基づいて、予め定められている。
これにより、検知用フィルタ61の透過特性を含む各光学部品の特性に基づいて、検知信号用の吸光係数が定められているので、対象物2に含まれる水分を精度良く検出することができる。
また、例えば、補正部90は、さらに、温湿度検知部85によって検知された温度及び湿度に基づいて算出された絶対湿度と、測距部75によって測定された距離と、予め定められた吸光係数とに基づいて、参照用の吸光係数は、参照用光源22が発する参照光LR1の波長に対する第2発光強度分布と、参照用受光素子32における波長に対する第2感度特性と、水蒸気による波長に対する吸光度とに基づいて、予め定められた値であり、参照信号を補正し、信号処理回路95は、補正部90によって補正された検知信号と、補正部90によって補正された参照信号とに基づいて、対象物2が含む成分を検知する。
これにより、参照光が水蒸気による吸収を受ける場合であっても、参照信号を補正するので、水蒸気による吸収分をキャンセルすることができる。また、参照信号用の吸光係数を予め定めておくことで、光学部品の特性ばらつきの影響を抑えることができる。したがって、光学式成分センサ1は、対象物2に含まれる水分を精度良く検出することができる。
また、例えば、光学式成分センサ1は、さらに、反射参照光LR2の光路上に設けられた参照用フィルタ62を備え、参照用の吸光係数は、第2発光強度分布と、第2感度特性と、吸光度と、参照用フィルタ62における波長に対する透過特性とに基づいて、予め定められている。
これにより、参照用フィルタ62の透過特性を含む各光学部品の特性に基づいて、参照信号用の吸光係数が定められているので、対象物2に含まれる水分を精度良く検出することができる。
また、例えば、測距部75は、三角測距法により距離Lを測定する。
これにより、三角測距により精度良く距離Lを測定することができる。
また、例えば、光学式成分センサ1は、さらに、検知用受光素子31の受光面の前方に配置された、反射検知光LD2の入射角度に応じて反射検知光LD2の一部を遮蔽するための検知用アパーチャ71と、参照用受光素子32の受光面の前方に配置された、反射参照光LR2の入射角度に応じて反射参照光LR2の一部を遮蔽するための参照用アパーチャ72とを備え、測距部75は、検知信号及び参照信号の比に基づいて距離Lを測定する。
これにより、検知用光源21、参照用光源22、検知用受光素子31及び参照用受光素子32を用いて距離Lを測定することができる。つまり、新たな光源及び受光素子などを必要としないので、光学式成分センサ1を小型にすることができる。
(変形例1)
以下では、上記実施の形態に係る光学式成分センサ1の変形例1について説明する。
以下では、上記実施の形態に係る光学式成分センサ1の変形例1について説明する。
上記実施の形態に係る光学式成分センサ1では、測距部75が検知光及び参照光を利用して測距する例について示したが、測距用の専用部材を備えてもよい。
図9は、本変形例に係る三角測距法による距離の測定原理を示す模式図である。図9に示すように、本変形例では、位置検出素子32xを利用する。
具体的には、本変形例に係る光学式成分センサは、図1及び図2に示す構成に加えて、位置検出素子32xをさらに備える。位置検出素子32xは、ライン状又は二次元状の受光面を有する。位置検出素子32xは、受光した光の受光面における受光位置に応じた位置信号を出力する。
位置検出素子32xの受光面における受光位置は、反射参照光LR2の入射角に応じて変化する。図9に示すように、受光面に対して大きな入射角で入射する反射参照光LRa2と、受光面に対して小さい入射角で入射する反射参照光LRb2とでは、受光位置が異なっている。このため、位置検出素子32xの受光面における受光位置に基づいて、入射した反射参照光LR2の入射角を取得することができる。
具体的には、測距部75は、位置信号に基づいて反射光の入射角を算出し、算出した入射角を用いた三角測距により反射光の発信源である対象物2までの距離Lを算出する。なお、測距部75は、入射角(又は、受光位置)と距離とを対応付けたテーブルを記憶しており、当該テーブルを参照することで、距離Lを取得してもよい。
以上のように、例えば、本変形例に係る光学式成分センサは、さらに、反射検知光LD2又は反射参照光LR2を受光する位置検出素子32xを備え、測距部75は、位置検出素子32xにおける反射検知光LD2又は反射参照光LR2の受光位置に基づいて距離Lを測定する。
これにより、位置検出素子32xを用いて簡単に距離Lを精度良く測定することができる。
なお、本変形例において、位置検出素子32xが受光する反射光は、反射検知光LD2でもよく、反射参照光LR2でもよい。あるいは、本変形例に係る光学式成分センサは、検知用光源21及び参照用光源22とは異なる光源であって、測距用の光を発する第3光源を備えてもよい。第3光源は、例えば、対象物2に含まれる成分(水分)及び空間3に含まれる水蒸気による吸収を受けない波長成分の光を出射する。これにより、位置検出素子32xは、対象物2及び空間3の環境によらずに、十分な光量の反射光を受光することができるので、測距精度を高めることができる。
測距用の第3光源及び位置検出素子32xは、例えば、筐体10内に配置されている。あるいは、筐体10とは別の筐体(測距専用の筐体)内に配置されていてもよい。なお、当該測距専用の筐体は、例えば、筐体10に固定されており、対象物2までの距離Lが筐体10から対象物2までの距離と同じである。
(変形例2)
続いて、上記実施の形態に係る光学式成分センサ1の変形例2について説明する。
続いて、上記実施の形態に係る光学式成分センサ1の変形例2について説明する。
上記実施の形態に係る光学式成分センサ1では、測距部75が三角測距法によって距離Lを測定したが、本変形例では、光飛行時間測距法(TOF:Time Of Flight)によって距離Lを測定する。
図10は、本変形例に係るTOF法による距離の測定原理を示す模式図である。図10に示すように、光源20xは、パルス光LP1を対象物2に照射し、受光部30xは、対象物2によって反射されたパルス光LP2を受光する。測距部75は、光源20xがパルス光LP1を照射してから受光部30xがパルス光LP2を受光するまでの時間Δtを測定する。Δtは、パルス光が対象物2までの距離Lを往復するのに要した時間である。したがって、以下の(式8)に基づいて、距離Lを算出することができる。
(式8) L=c×Δt÷2
なお、cは、光速である。
本変形例では、光源20xとして検知用光源21及び参照用光源22の少なくとも一方を用いる。また、受光部30xとして検知用受光素子31及び参照用受光素子32の少なくとも一方を用いる。つまり、測距部75は、検知光又は参照光を用いたTOF法により距離Lを測定する。
これにより、本変形例に係る光学式成分センサは、測距用の新たな構成部品を追加することなく、対象物2までの距離Lを測定することができる。
例えば、測距部75は、検知光と参照光との両方を用いて距離Lを測定する。具体的には、測距部75は、検知光を用いて測定された距離と、参照光を用いて測定された距離との平均値を、筐体10から対象物2までの距離Lとして算出する。
より具体的には、検知用光源21は、制御回路80からのパルス信号に基づいてパルス状の検知光LD1を出射する。検知用受光素子31は、対象物2によって反射されたパルス状の反射検知光LD2を受光する。参照用光源22は、制御回路80からのパルス信号に基づいてパルス状の参照光LR1を出射する。参照用受光素子32は、対象物2によって反射されたパルス状の反射参照光LR2を受光する。
測距部75は、制御回路80からのパルス信号と、検知用受光素子31又は参照用受光素子32からの受光信号との位相差を算出する。測距部75は、算出した位相差から時間Δtを算出することができるので、(式8)に基づいて距離Lを算出することができる。
これにより、検知用光源21及び参照用光源22間、並びに、検知用受光素子31及び参照用受光素子32間での物理的な位置の差異による距離Lの計測誤差を抑制することができる。特に、対象物2までの距離Lが小さい場合には、検知光の光路に沿った距離と参照光の光路に沿った距離との差異が大きくなる場合があるので、より有用である。
なお、本変形例では、検知光及び参照光を用いたが、別の光源(測距専用の光源)からの光を利用してもよい。具体的には、本変形例に係る光学式成分センサは、測距専用の第3光源と測距専用の第3受光素子とを備えてもよい。この場合、第3光源は、例えば、対象物2に含まれる成分(水分)及び空間3に含まれる水蒸気による吸収を受けない波長成分の光を出射する。これにより、第3受光素子は、対象物2及び空間3の環境によらずに、十分な光量の反射光を受光することができるので、測距精度を高めることができる。
(その他)
以上、本発明に係る光学式成分センサについて、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
以上、本発明に係る光学式成分センサについて、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、検知用光源21、参照用光源22、検知用受光素子31及び参照用受光素子32を用いて距離Lを測定したが、これに限らない。光学式成分センサ1は、測距専用のLED素子などの光源と、測距専用のフォトダイオードなどの受光素子とを備えてもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、温湿度検知部85が温度及び湿度に基づいて絶対湿度を算出する例について示したが、補正部90が絶対湿度を算出してもよい。
また、例えば、光学素子40は、ビームスプリッタ(ハーフミラー)などでもよく、検知光LD1及び参照光LR1の一部を分離してもよい。例えば、検知光LD1の分離された一部は、参照用受光素子32にモニター光として入射し、参照光LR1の分離された一部は、検知用受光素子31にモニター光として入射してもよい。モニター光を利用して検知用光源21及び参照用光源22の劣化を検出することができる。
また、例えば、上記の実施の形態では、光学式成分センサ1は、対象物2に含まれる成分として水分を検知したが、これに限らない。例えば、光学式成分センサ1は、アルコール又は油分を検知してもよい。例えば、光学式成分センサ1は、検知対象となるアルコールによる吸収波長を含む検知光と、アルコールによる吸収波長を含まない参照光とを対象物2に照射すればよい。また、光学式成分センサ1は、液体成分に限らず、例えば、二酸化炭素などの気体成分を検知してもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1 光学式成分センサ
2、2a、2b 対象物
3 空間
10 筐体
21 検知用光源(第1光源)
22 参照用光源(第2光源)
31 検知用受光素子(第1受光素子)
32 参照用受光素子(第2受光素子)
32x 位置検出素子
61 検知用フィルタ
62 参照用フィルタ
71 検知用アパーチャ
72 参照用アパーチャ
75 測距部
80 制御回路
85 温湿度検知部
90 補正部
95 信号処理回路
LD1 検知光
LD2 反射検知光
LR1、LRa1、LRb1 参照光
LR2、LRa2、LRb2 反射参照光
2、2a、2b 対象物
3 空間
10 筐体
21 検知用光源(第1光源)
22 参照用光源(第2光源)
31 検知用受光素子(第1受光素子)
32 参照用受光素子(第2受光素子)
32x 位置検出素子
61 検知用フィルタ
62 参照用フィルタ
71 検知用アパーチャ
72 参照用アパーチャ
75 測距部
80 制御回路
85 温湿度検知部
90 補正部
95 信号処理回路
LD1 検知光
LD2 反射検知光
LR1、LRa1、LRb1 参照光
LR2、LRa2、LRb2 反射参照光
Claims (11)
- 所定の成分による吸収波長を含む検知光を発する第1光源と、
前記成分による吸収波長を含まない参照光を発する第2光源と、
前記第1光源及び前記第2光源を収容する筐体と、
前記筐体の外部に位置している対象物によって反射された前記検知光の少なくとも一部である反射検知光を受光する、前記筐体内に収容された第1受光素子と、
前記対象物によって反射された前記参照光の少なくとも一部である反射参照光を受光する、前記筐体内に収容された第2受光素子と、
前記筐体から前記対象物までの距離を測定する測距部と、
前記筐体と前記対象物との間の空間の温度及び湿度を検知する温湿度検知部と、
前記温湿度検知部によって検知された温度及び湿度に基づいて算出された絶対湿度と、前記測距部によって測定された距離と、予め定められた第1吸光係数とに基づいて、前記第1受光素子から出力された前記反射検知光に対応する検知信号を補正する補正部と、
前記補正部によって補正された検知信号と、前記第2受光素子から出力された前記反射参照光に対応する参照信号とに基づいて、前記対象物が含む前記成分を検知する信号処理回路とを備える
光学式成分センサ。 - 前記第1吸光係数は、前記第1光源が発する検知光の波長に対する第1発光強度分布と、前記第1受光素子における波長に対する第1感度特性と、水蒸気による波長に対する吸光度とに基づいて、予め定められた値である
請求項1に記載の光学式成分センサ。 - さらに、
前記反射検知光の光路上に設けられた第1フィルタを備え、
前記第1吸光係数は、前記第1発光強度分布と、前記第1感度特性と、前記吸光度と、前記第1フィルタにおける波長に対する第1透過特性とに基づいて、予め定められている
請求項2に記載の光学式成分センサ。 - 前記補正部は、さらに、前記温湿度検知部によって検知された温度及び湿度に基づいて算出された絶対湿度と、前記測距部によって測定された距離と、予め定められた第2吸光係数とに基づいて、前記参照信号を補正し、
前記第2吸光係数は、前記第2光源が発する参照光の波長に対する第2発光強度分布と、前記第2受光素子における波長に対する第2感度特性と、水蒸気による波長に対する吸光度とに基づいて、予め定められた値であり、
前記信号処理回路は、前記補正部によって補正された検知信号と、前記補正部によって補正された参照信号とに基づいて、前記対象物が含む前記成分を検知する
請求項2又は3に記載の光学式成分センサ。 - さらに、
前記反射参照光の光路上に設けられた第2フィルタを備え、
前記第2吸光係数は、前記第2発光強度分布と、前記第2感度特性と、前記吸光度と、前記第2フィルタにおける波長に対する第2透過特性とに基づいて、予め定められている
請求項4に記載の光学式成分センサ。 - 前記測距部は、三角測距法により前記距離を測定する
請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学式成分センサ。 - さらに、
前記反射検知光又は前記反射参照光を受光する位置検出素子を備え、
前記測距部は、前記位置検出素子における前記反射検知光又は前記反射参照光の受光位置に基づいて前記距離を測定する
請求項6に記載の光学式成分センサ。 - さらに、
前記第1受光素子の受光面の前方に配置された、前記反射検知光の入射角度に応じて前記反射検知光の一部を遮蔽するための第1アパーチャと、
前記第2受光素子の受光面の前方に配置された、前記反射参照光の入射角度に応じて前記反射参照光の一部を遮蔽するための第2アパーチャとを備え、
前記測距部は、前記検知信号及び前記参照信号の比に基づいて前記距離を測定する
請求項6に記載の光学式成分センサ。 - 前記測距部は、光飛行時間測距法(TOF:Time Of Flight)により前記距離を測定する
請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学式成分センサ。 - 前記測距部は、前記検知光又は前記参照光を用いた光飛行時間測距法により前記距離を測定する
請求項9に記載の光学式成分センサ。 - 前記測距部は、前記検知光を用いて測定された距離と、前記参照光を用いて測定された距離との平均値を、前記筐体から前記対象物までの距離として算出する
請求項10に記載の光学式成分センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016047663A JP2017161424A (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 光学式成分センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016047663A JP2017161424A (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 光学式成分センサ |
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JP2017161424A true JP2017161424A (ja) | 2017-09-14 |
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Family Applications (1)
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JP2016047663A Pending JP2017161424A (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 光学式成分センサ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2019065680A1 (ja) * | 2017-09-28 | 2020-12-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 送風装置 |
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WO2022065390A1 (ja) * | 2020-09-25 | 2022-03-31 | 国立大学法人静岡大学 | 測定感度算出方法、測定感度算出装置、測定感度算出プログラム、及び光学的測定装置 |
JP2022078873A (ja) * | 2020-11-13 | 2022-05-25 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | ガス濃度演算方法およびガス濃度測定装置 |
-
2016
- 2016-03-10 JP JP2016047663A patent/JP2017161424A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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