JP2017145222A - 肝線維化予防・治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】肝線維化を抑制又は阻害する安全で効果的な肝線維化予防・治療剤を提供する。
【解決手段】本発明の肝線維化予防・治療剤は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を有効成分として含有することを特徴とする。本発明の肝線維化予防・治療剤は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を発現可能であるベクターを有効成分として含有することを特徴とする。本発明の肝星細胞の活性化抑制方法は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで肝星細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする。本発明の細胞外マトリックスの産生抑制方法は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の肝線維化予防・治療剤は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を有効成分として含有することを特徴とする。本発明の肝線維化予防・治療剤は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を発現可能であるベクターを有効成分として含有することを特徴とする。本発明の肝星細胞の活性化抑制方法は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで肝星細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする。本発明の細胞外マトリックスの産生抑制方法は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、肝線維化予防・治療剤に関する。
肝線維化は持続的な炎症により発症するが、現時点では肝線維化に焦点を当てた治療方法は存在しない。そのため、現在の肝線維化の治療方法としては、原疾患を治療することで炎症を鎮静化させたり(例えば、慢性ウイルス肝炎の場合は、原因となるウイルスを排除する等)、肝庇護剤を投与して炎症を鎮静化させたりすることで、結果的に線維化の自然治癒を期待するものである。
一方、肺線維化では、繊維化促進の代表的な炎症性サイトカインであるトランスフォーミング増殖因子ベータ(Transforming growth factor β;TGF−β)の活性を抑制するために、ピルフェニルドンによる治療が行われている。
S. N. Iyer., et al., "Effects of Pirfenidone on Transforming Growth Factor-β Gene Expression at the Transcriptional Level in Bleomycin Hamster Model of Lung Fibrosis.", J. PHARMACOL. EXP. THER., vol.291, no.1, 367-373, 1999.
肺線維化の治療で用いられるピルフェニルドンは、肝毒性を有することが知られており、肝硬変患者には適応が困難である。また、現状、高度な肝線維化については肝移植などでしか対応できない。さらに、日本における肝移植は家族がドナーである生体肝移植が中心で、死体肝移植は少ないため、肝移植の適応となる患者が非常に限定的であることが問題になっている。
そのため、肝線維化に焦点を当てた新規の肝線維化治療方法の確立が望まれている。
そのため、肝線維化に焦点を当てた新規の肝線維化治療方法の確立が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、肝線維化を抑制又は阻害する安全で効果的な肝線維化予防・治療剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、マイクロRNA(micro RNA;miRNA)が内因性の遺伝子であるため、安全性が高く、RNA干渉(RNAi)を応用した核酸医薬として応用可能であることに着目し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
[1] 配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を有効成分として含有することを特徴とする肝線維化予防・治療剤。
[2] 配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を発現可能であるベクターを有効成分として含有することを特徴とする肝線維化予防・治療剤。
[3]前記miRNAがmiR−29a又はその前駆体である前記[1]又は[2]に記載の肝線維化予防・治療剤。
[4]配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで肝星細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする肝星細胞の活性化抑制方法。
[5]配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする細胞外マトリックスの産生抑制方法。
[1] 配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を有効成分として含有することを特徴とする肝線維化予防・治療剤。
[2] 配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を発現可能であるベクターを有効成分として含有することを特徴とする肝線維化予防・治療剤。
[3]前記miRNAがmiR−29a又はその前駆体である前記[1]又は[2]に記載の肝線維化予防・治療剤。
[4]配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで肝星細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする肝星細胞の活性化抑制方法。
[5]配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする細胞外マトリックスの産生抑制方法。
本発明によれば、肝線維の吸収を促進し、肝線維化の抑制又は阻害することができ、安全且つ効果的に肝線維化を治療することができる。また、肝線維化の度合いは肝発癌率と密接に関係するため、肝線維化を抑制又は阻害することで肝臓での発癌を抑制することができる。
<<肝線維化予防・治療剤>>
一実施形態として、本発明は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を有効成分として含有する、肝線維化予防・治療剤を提供する。
一実施形態として、本発明は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を有効成分として含有する、肝線維化予防・治療剤を提供する。
本発明者らは、マイクロRNA(micro RNA;miRNA)が内因性の遺伝子であるため、安全性が高く、RNAiを応用した核酸医薬として応用可能であることに着目した。また、線維化が進んだ肝臓において、miR-132、並びにmiR−29ファミリー(miR−29a、miR−29b及びmiR−29c)の発現が顕著に下がっていることに着目し、中でもmiR−29が肝線維化に深く関与していることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤によれば、肝線維の吸収を促進し、肝線維化の抑制又は阻害することができ、安全且つ効果的に肝線維化を治療することができる。また、肝線維化を抑制又は阻害することで肝臓での発癌を抑制することができる。
本明細書において、「肝線維化」とは、肝臓においてコラーゲン等の線維物質が増えて細胞が硬く変化することを意味しており、アルコールの摂取、ウイルス等により引き起こされる肝炎、肝硬変等により肝線維化が進むことが知られている。また、肝線維化の度合いは肝発癌率と密接に関係していることが知られている。
<miRNA>
本実施形態の肝線維化予防・治療剤は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAを有効成分として含有するものである。本実施形態の肝線維化予防・治療剤で用いられるmiRNAは、肝線維化に関わる遺伝子、より具体的には、以下の表1に示す遺伝子等を標的として、これらの遺伝子からなるタンパク質の発現を制御するmiRNAである。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAを有効成分として含有するものである。本実施形態の肝線維化予防・治療剤で用いられるmiRNAは、肝線維化に関わる遺伝子、より具体的には、以下の表1に示す遺伝子等を標的として、これらの遺伝子からなるタンパク質の発現を制御するmiRNAである。
通常、マイクロRNA(microRNA;miRNA)とは、成熟miRNAと呼ばれているものを意味する。成熟miRNAは、ゲノム上にコードされた内在性の20〜25塩基程度の非コード(non−coding)RNAである。miRNAは、ゲノムDNA上のmiRNA遺伝子から、まず数百〜数千塩基程度の長さの一次転写物(Primary miRNA、以下、「Pri−miRNA」と呼ぶ。)として転写され、次にプロセッシングを受けて約60〜70塩基程度のヘアピン構造を有するpre−miRNA(precusor miRNA)となる。その後、核から細胞質内へ移動し、さらにプロセッシングを受けて20〜25塩基程度の二本鎖成熟miRNAとなる。二本鎖成熟miRNAは、そのうちの一本鎖がRISCと呼ばれるタンパク質と複合体を形成し、標的遺伝子のmRNAに作用することで、標的遺伝子の翻訳を阻害する働きをすることが知られている。
本明細書において、「miRNA」は、内在性のmiRNAのみならず、内在性のmiRNAと同一の塩基配列からなる合成核酸も包含する。
また、本実施形態におけるmiRNAは、その前駆体も包含する。
また、本実施形態におけるmiRNAは、その前駆体も包含する。
通常、「miRNAの前駆体」とは、細胞内のプロセシングや、2本鎖核酸の開裂の結果、細胞内において成熟型miRNAを生じ得る核酸を意味する。miRNAの前駆体としては、例えば、pri−miRNA、pre−miRNA等を挙げることができる。pri−miRNAはmiRNA遺伝子の一次転写産物(1本鎖RNA)であり、通常数百〜数千塩基程度の長さを有する。pre−miRNAは、pri−miRNAが細胞内プロセシングを受けることにより生じるヘアピン構造を有する1本鎖RNAであり、通常90〜110塩基の長さを有する。miRNAのpri−miRNA又はpre−miRNAは、例えばサンガー研究所が作成しているmiRBaseデータベース:http://microrna.sanger.ac.uk/等に、その塩基配列が開示されている。
本実施形態におけるmiRNAは、その安定性を高めるために、例えば、核酸誘導体又は改変型ヌクレオシド間結合を有する核酸を用いてもよい。核酸誘導体としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば、ホスホネートホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ポスホラミデートメトキシエチルホスホラミデート、ホルムアセタール、チオホルムアセタール、ジイソプロピルシリル、アセトアミデート、カルバメート、ジメチレン−スルフィド、ジメチレン−スルホキシド、ジメチレン−スルホン、2’−O−アルキル、および2’−デオキシ−2’−フルオロホスホロチオエートのヌクレオシド間結合を含む核酸等が挙げられる。さらに、Locked Nucleic Acid(LNA)等の誘導体も挙げられる。
本実施形態におけるmiRNAは、配列番号1で表される塩基配列からなるRNAを含み、RNA干渉(RNAi)により肝線維化に関わる遺伝子の転写を抑制する核酸を包含する。核酸としては、例えば、RNA、RNAとDNAのキメラ核酸(以下、キメラ核酸と呼ぶ。)又はハイブリッド核酸等が挙げられる。
本明細書において、「キメラ核酸」とは、1本鎖又は2本鎖の核酸において一本の核酸の中にRNAとDNAを含む核酸を意味し、「ハイブリッド核酸」とは、二本鎖において、一方の鎖がRNA又はキメラ核酸でもう一方の鎖がDNA又はキメラ核酸である核酸を意味する。
本明細書において、「キメラ核酸」とは、1本鎖又は2本鎖の核酸において一本の核酸の中にRNAとDNAを含む核酸を意味し、「ハイブリッド核酸」とは、二本鎖において、一方の鎖がRNA又はキメラ核酸でもう一方の鎖がDNA又はキメラ核酸である核酸を意味する。
本実施形態におけるmiRNAは、1本鎖であってもよく、2本鎖であってもよい。2本鎖としては、例えば、2本鎖RNA、2本鎖キメラ核酸、RNA/DNAハイブリッド、RNA/キメラ核酸ハイブリッド、キメラ核酸/キメラ核酸ハイブリッド及びキメラ核酸/DNAハイブリッド等が挙げられる。
本実施形態におけるmiRNAとしては、例えば、1本鎖RNA、1本鎖キメラ核酸、2本鎖RNA、2本鎖キメラ核酸、RNA/DNAハイブリッド、RNA/キメラ核酸ハイブリッド、キメラ核酸/キメラ核酸ハイブリッド又はキメラ核酸/DNAハイブリッド等が挙げられる。
本実施形態におけるmiRNAとしては、例えば、1本鎖RNA、1本鎖キメラ核酸、2本鎖RNA、2本鎖キメラ核酸、RNA/DNAハイブリッド、RNA/キメラ核酸ハイブリッド、キメラ核酸/キメラ核酸ハイブリッド又はキメラ核酸/DNAハイブリッド等が挙げられる。
本実施形態におけるmiRNAの鎖長は、15塩基以上40塩基以下が好ましく、15塩基以上30塩基以下がより好ましく、20塩基以上25塩基以下がさらに好ましい。
本実施形態におけるmiRNAは配列番号1で表される塩基配列(5’−UAGCACC−3’)をシード配列として有する配列からなる。
通常、「シード配列」とは、成熟miRNAの5’末端領域に存在する6〜8塩基の塩基配列を意味し、このシード配列がmiRNAのターゲットとなるmRNAを決定することが知られている。
本実施形態におけるmiRNAは、配列番号1で表される塩基配列を5’末端の1〜7塩基目に有することが好ましい。
本実施形態におけるmiRNAは、配列番号1で表される塩基配列を5’末端の1〜7塩基目に有することが好ましい。
本実施形態におけるmiRNAは、配列番号1で表される塩基配列からなるRNAの3’末端に、上述の鎖長となるように8塩基以上33塩基以下の鎖長の核酸が連結されていることが好ましい。
より具体的には、本実施形態におけるmiRNAは、配列番号1で表される塩基配列からなるRNAの3’末端に、配列番号2で表される塩基配列と80%以上、例えば85%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば99%以上、例えば100%の同一性を有する塩基配列からなる核酸が連結されており、さらに、肝線維化に関わる遺伝子を標的として、これらの遺伝子からなるタンパク質の発現を制御するmiRNA等が挙げられる。中でも、本実施形態におけるmiRNAとしては、配列番号1で表される塩基配列からなるRNAの3’末端に、配列番号2で表される塩基配列と100%の同一性を有する配列からなる核酸が連結されており、さらに、肝線維化に関わる遺伝子を標的として、これらの遺伝子からなるタンパク質の発現を制御するmiRNAが好ましい。さらに具体的には、本実施形態におけるmiRNAは、miR−29a(配列番号3:5’−UAGCACCAUCUGAAAUCGGUUA−3’)であることが好ましい。
<発現ベクター>
本実施形態の肝線維化予防・治療剤は、上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターを有効成分とすることもできる。前記発現ベクターにおいて、上述のmiRNA又はそれをコードする核酸(好ましくは、DNA)が、適用対象である哺乳動物(好ましくは、ヒト)の細胞(例えば、肝星細胞)内でプロモーター活性を発揮し得るプロモーターに連結されている。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤は、上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターを有効成分とすることもできる。前記発現ベクターにおいて、上述のmiRNA又はそれをコードする核酸(好ましくは、DNA)が、適用対象である哺乳動物(好ましくは、ヒト)の細胞(例えば、肝星細胞)内でプロモーター活性を発揮し得るプロモーターに連結されている。
使用されるプロモーターは、適用対象である哺乳動物の細胞内で機能し得るものであれば特に制限はない。プロモーターとしては、例えば、polI系プロモーター、polII系プロモーター、polIII系プロモーター等を使用することができる。具体的には、SV40由来初期プロモーター、サイトメガロウイルスLTR等のウイルスプロモーター、β−アクチン遺伝子プロモーター等の哺乳動物の構成蛋白質遺伝子プロモーター、並びにtRNAプロモーター等のRNAプロモーター等が用いられる。
miRNAの発現を意図する場合には、プロモーターとしてpolIII系プロモーターを使用するのが一般的である。polIII系プロモーターとしては、例えば、U6プロモーター、H1プロモーター、tRNAプロモーター等を挙げることができる。
前記発現ベクターは、上述のmiRNA又はそれをコードする核酸の下流に転写終結シグナル、すなわちターミネーター領域を含有することが好ましい。さらに、形質転換細胞選択のための選択マーカー遺伝子(例えば、テトラサイクリン、アンピシリン、カナマイシン等の薬剤に対する抵抗性を付与する遺伝子、栄養要求性変異を相補する遺伝子等)や蛍光タンパク質遺伝子(例えば、GFP(Green Fluorescent Protein)、RFP(Red Fluorescent Protein)、YFP(Yellow Fluorescent Protein)等)を含有していてもよい。
<投与条件>
本実施形態の肝線維化予防・治療剤において、上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターは、それ単独で、好ましくは薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる通常の担体又は希釈剤と共に、投与対象に、有効量で投与することができる。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤において、上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターは、それ単独で、好ましくは薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる通常の担体又は希釈剤と共に、投与対象に、有効量で投与することができる。
また、本実施形態の肝線維化予防・治療剤は、他の薬剤と併用して投与してもよく、例えば、B型肝炎ウイルスによる肝線維化である場合は核酸アナログ製剤を、C型肝炎ウイルスによる肝線維化である場合は抗ウイルス薬を併用することにより、原因となるウイルスの複製を抑制ながら、肝線維化を治療することができる。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤の有効成分である、上述のmiRNAは、公知の製造方法、例えば、化学合成により製造することもできるし、又は、適当な発現ベクターに挿入し、遺伝子工学的に製造することもできる。
また、本実施形態の肝線維化予防・治療剤の有効成分として、上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターを用いる場合には、例えば、上述のmiRNAをコードするDNAを、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、又はレンチウイルスベクター等適当な遺伝子治療用ベクターに挿入することにより構築した発現ベクターを、投与対象に投与することにより、上述のmiRNAを投与対象内で発現させることができる。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤の投与剤型としては、特に限定がなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は注射剤、外用液剤、軟膏剤若しくは坐剤局所投与のクリーム等の非経口剤を挙げることができる。
経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を用いて、常法に従って製造することができる。
非経口投与方法としては、例えば、注射(皮下、静脈内等)等が例示される。これらのなかで、注射剤が最も好適に用いられる。
例えば、注射剤の調製においては、有効成分の他に、例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤などを任意に用いることができる。
また、本実施形態の肝線維化予防・治療剤は、徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、本実施形態の肝線維化予防・治療剤をエチレンビニル酢酸ポリマーのペレットに取り込ませて、このペレットを治療又は予防すべき肝臓組織中に外科的に移植することができる。
例えば、注射剤の調製においては、有効成分の他に、例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤などを任意に用いることができる。
また、本実施形態の肝線維化予防・治療剤は、徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、本実施形態の肝線維化予防・治療剤をエチレンビニル酢酸ポリマーのペレットに取り込ませて、このペレットを治療又は予防すべき肝臓組織中に外科的に移植することができる。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤は、これに限定されるものではないが、0.01〜99重量% 、好ましくは0.1〜80重量%の量で、有効成分を含有することができる。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤を用いる場合の投与量は、例えば、使用する有効成分の種類、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程度、又は投与方法などに応じて適宜決定することができ、経口的に又は非経口的に投与することが可能である。本実施形態の肝線維化予防・治療剤の有効成分であるmiRNAの投与量としては、例えば、マウス1個体に静注する場合には、約1μg〜約1mgが好ましく、約1μg〜約500μgがより好ましく、約10μg〜約100μgがさらに好ましい。また、例えば、ヒト(成人)一人に静注する場合には、約10μg/kg〜約100mg/kgが好ましく、約10μg/kg〜約50mg/kgが好ましく、約50μg/kg〜約10mg/kgがさらに好ましい。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤の投与頻度としては、例えば、一日一回〜数ヶ月に1回(例えば、1週間に1回〜1ヶ月に1回)の頻度で投与することができる。
<<用途>>
本実施形態の肝線維化予防・治療剤の有効成分である、miRNAは以下のような用途に使用することができる。
本実施形態の肝線維化予防・治療剤の有効成分である、miRNAは以下のような用途に使用することができる。
一実施形態として、本発明は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで肝星細胞内に導入する工程を備える、肝星細胞の活性化抑制方法を提供する。
本実施形態において、上述のmiRNAを用いることで、後述の実施例に示すとおり、インビトロにおいて、肝星細胞の活性化を抑制化することができる。
一実施形態として、本発明は、配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで細胞内に導入する工程を備える、細胞外マトリックスの産生抑制方法を提供する。
本実施形態において、上述のmiRNAを用いることで、後述の実施例に示すとおり、インビトロにおいて、細胞外マトリックスの産生を抑制することができる。
通常、「細胞外マトリックス(Extracellular Matrix;ECM)」とは、細胞の外に存在する超分子構造体を意味する。脊椎動物のECMを構成する成分は、主に、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、カドヘリンやラミニンといった糖タンパク質(一部は細胞接着分子)である。よって、上述のmiRNAがECMの構成成分の一つであるCol1a1遺伝子の発現を抑制することにより、細胞外マトリックスの産生を抑制することができる。
また、一実施形態として、本発明は、肝線維化の治療のための上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターを提供する。
また、一実施形態として、本発明は、治療的に有効量の上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクター、及び薬学的に許容されうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
また、一実施形態として、本発明は、前記医薬組成物を含む、肝線維化予防・治療剤を提供する。
また、一実施形態として、本発明は、肝線維化予防・治療剤を製造するための上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターの使用を提供する。
また、一実施形態として、本発明は、上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターの有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、肝線維化の治療方法を提供する。
また、一実施形態として、本発明は、治療的に有効量の上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクター、及び薬学的に許容されうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
また、一実施形態として、本発明は、前記医薬組成物を含む、肝線維化予防・治療剤を提供する。
また、一実施形態として、本発明は、肝線維化予防・治療剤を製造するための上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターの使用を提供する。
また、一実施形態として、本発明は、上述のmiRNA又は上述のmiRNAを発現し得る発現ベクターの有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、肝線維化の治療方法を提供する。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)慢性肝炎モデルマウス(四塩化炭素投与マウス及びチオアセトアミド投与マウス)の作製
C57BL/6J雄マウス(6週齢)(日本エスシーエル社製)を1週間飼育し、順化した。照明条件は、12時間明るくし、12時間暗くするサイクルで制御した。四塩化炭素(CCl4)をコーン油と混合し、腹腔内に0.5μL/g体重となるように、3日毎に5週にわたって合計12回投与し、四塩化炭素投与マウスを作製した。また、チオアセトアミド投与マウスは、チオアセトアミド(Thioacetamide;TAA)を生理食塩水に溶解し、1回目の投与では100μg/g体重となるように、2〜5回目の投与では200μg/g体重となるように、6〜9回目の投与では300μg/g体重となるように、10〜12回目の投与では400μg/g体重となるように、3日毎に投与した。それぞれの慢性肝炎モデルマウスのコントロールマウスとして、コーン油又は生理食塩水のみを5週間与えたものを準備した。5週間後、四塩化炭素投与マウス及びチオアセトアミド投与マウスにおいて、肝線維化が観察された。
(1)慢性肝炎モデルマウス(四塩化炭素投与マウス及びチオアセトアミド投与マウス)の作製
C57BL/6J雄マウス(6週齢)(日本エスシーエル社製)を1週間飼育し、順化した。照明条件は、12時間明るくし、12時間暗くするサイクルで制御した。四塩化炭素(CCl4)をコーン油と混合し、腹腔内に0.5μL/g体重となるように、3日毎に5週にわたって合計12回投与し、四塩化炭素投与マウスを作製した。また、チオアセトアミド投与マウスは、チオアセトアミド(Thioacetamide;TAA)を生理食塩水に溶解し、1回目の投与では100μg/g体重となるように、2〜5回目の投与では200μg/g体重となるように、6〜9回目の投与では300μg/g体重となるように、10〜12回目の投与では400μg/g体重となるように、3日毎に投与した。それぞれの慢性肝炎モデルマウスのコントロールマウスとして、コーン油又は生理食塩水のみを5週間与えたものを準備した。5週間後、四塩化炭素投与マウス及びチオアセトアミド投与マウスにおいて、肝線維化が観察された。
(2)miR−29aの投与による慢性肝炎の治療評価
(1)で作製されたそれぞれのマウスについて、5週間の肝線維化誘導期間後すぐに、1週間又は2週間にわたって、miR−29aを投与した(図1A参照)。50μgの二本鎖成熟mmu−miR−29a(ボナック社製)又は、コントロールとしてヒト遺伝子を認識しない20merの非特異的な遺伝子であるネガティブコントロールRNA(NC miRNA)(ボナック社製)を、200μLのアテロコラーゲン(アテロジーン社製)と混合し、3日毎に尾静脈から注入した。1週間治療を行ったマウスは、miR−29aを2回投与し、2週間治療を行ったマウスは、miR−29aを4回投与した。よって、四塩化炭素投与マウス及びチオアセトアミド投与マウスは、それぞれ以下の4つの群のマウスに分けられる。何もせず観察のみ行った群(observation)、遺伝子導入試薬であるアテロコラーゲンのみを投与した群(vehicle)、非特異的な遺伝子を投与した群(NC miRNA)及びmiR−29aを投与した群である(図1A参照)。それぞれ4つの群について、1週間治療した群と、2週間治療した群を作製し、合計8つの群を作製した。
(1)で作製されたそれぞれのマウスについて、5週間の肝線維化誘導期間後すぐに、1週間又は2週間にわたって、miR−29aを投与した(図1A参照)。50μgの二本鎖成熟mmu−miR−29a(ボナック社製)又は、コントロールとしてヒト遺伝子を認識しない20merの非特異的な遺伝子であるネガティブコントロールRNA(NC miRNA)(ボナック社製)を、200μLのアテロコラーゲン(アテロジーン社製)と混合し、3日毎に尾静脈から注入した。1週間治療を行ったマウスは、miR−29aを2回投与し、2週間治療を行ったマウスは、miR−29aを4回投与した。よって、四塩化炭素投与マウス及びチオアセトアミド投与マウスは、それぞれ以下の4つの群のマウスに分けられる。何もせず観察のみ行った群(observation)、遺伝子導入試薬であるアテロコラーゲンのみを投与した群(vehicle)、非特異的な遺伝子を投与した群(NC miRNA)及びmiR−29aを投与した群である(図1A参照)。それぞれ4つの群について、1週間治療した群と、2週間治療した群を作製し、合計8つの群を作製した。
(3)組織学的分析
(2)で作製した8つの群のマウスからそれぞれの肝臓を外科的に取り出した。取り出した肝臓を10%のホルマリン溶液で固定し、5μmの2つの連続したパラフィン切片を作製した。1つの切片は、ヘマトキシリン−エオジン(Haematoxylin and eosin;HE)染色に用いた(図1B、図1C、図2A及び図2Bの上の画像参照)。もう一つの切片は、ピクロシリウスレッド(picrosirius red;SR)溶液(シグマアルドリッチ社製)で染色し、ファストグリーン(Fast Green)で対比染色した(図1B、図1C、図2A及び図2Bの下の画像参照)。SRのポジティブ領域はマイクロアナライザー(日本ポラデジタル社製)を用いて定量した(図1D及び図2C参照)。SRのポジティブ領域の面積を検証するために、少なくとも一つの門脈を含む5つの画像を選択した。
(2)で作製した8つの群のマウスからそれぞれの肝臓を外科的に取り出した。取り出した肝臓を10%のホルマリン溶液で固定し、5μmの2つの連続したパラフィン切片を作製した。1つの切片は、ヘマトキシリン−エオジン(Haematoxylin and eosin;HE)染色に用いた(図1B、図1C、図2A及び図2Bの上の画像参照)。もう一つの切片は、ピクロシリウスレッド(picrosirius red;SR)溶液(シグマアルドリッチ社製)で染色し、ファストグリーン(Fast Green)で対比染色した(図1B、図1C、図2A及び図2Bの下の画像参照)。SRのポジティブ領域はマイクロアナライザー(日本ポラデジタル社製)を用いて定量した(図1D及び図2C参照)。SRのポジティブ領域の面積を検証するために、少なくとも一つの門脈を含む5つの画像を選択した。
図1B、図1C、図2A及び図2Bの上のHE染色の結果から、いずれの慢性肝炎モデルマウスにおいても、炎症性細胞が全体的に散見されるが、miR−29aを投与したマウスの肝臓では、炎症が増悪していないことが確かめられた。
また、図1B、図1C、図2A及び図2Bの下のシリウスレッド及びファストグリーンによる対比染色の結果と、図1(D)及び図2(C)のグラフとから、miR−29aを投与したマウスの肝臓では、繊維の面積が減少していることが明らかとなった。
また、図1B、図1C、図2A及び図2Bの下のシリウスレッド及びファストグリーンによる対比染色の結果と、図1(D)及び図2(C)のグラフとから、miR−29aを投与したマウスの肝臓では、繊維の面積が減少していることが明らかとなった。
(4)ヒドロキシプリン分析
(3)で取り出した肝臓の一部を用いて、肝臓に含まれるヒドロキシプリンを定量した。ヒドロキシプリンの定量方法は、ヒドロキシプリンアッセイキット(バイオビジョン社製)を用いて、取扱説明書に従い、行った。ヒドロキシプリンはコラーゲンの主成分であり、ヒドロキシプリンを定量することにより、繊維化の度合いを評価することができる。結果を図1E及び図2Dに示す。
(3)で取り出した肝臓の一部を用いて、肝臓に含まれるヒドロキシプリンを定量した。ヒドロキシプリンの定量方法は、ヒドロキシプリンアッセイキット(バイオビジョン社製)を用いて、取扱説明書に従い、行った。ヒドロキシプリンはコラーゲンの主成分であり、ヒドロキシプリンを定量することにより、繊維化の度合いを評価することができる。結果を図1E及び図2Dに示す。
図1E及び図2Dから、いずれの慢性肝炎モデルマウスにおいても、miR−29aを投与したマウスの肝臓では、ヒドロキシプリンの量が低下しており、繊維化が改善していることが推察される。
(5)肝臓からのRNA抽出及びmRNA及びmiRNAの発現解析
(3)で取り出した肝臓の一部を用いて、全RNAをRNeasy(登録商標)ミニキット(キアゲン社製)を用いて、取扱説明書に従い、抽出した。得られたRNAからcDNAを、トランスクリプターファーストストランドcDNA合成キット(ロッシュ社製)を用いた合成した。ファストスタートユニバーサルSYBRグリーンマスターミックス(Roche社製)を用いて、リアルタイムPCRを行った。使用したプライマーの配列は、下記の表2に示した通りである。反応は三重測定した。続いて、TaqMan(登録商標)マイクロRNAアッセイ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、hsa−miR−29a(アッセイID.002447)、及びコントロールとしてU18(アッセイID.001204)の相対的な発現レベルを定量化した。cDNAはTaqMan(登録商標)マイクロRNA逆転写キット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて合成した。ファストスタートユニバーサルプローブマスター(ロッシュ社製)を用いて、リアルタイムPCR分析を行った。また、Co1a1のmRNAの発現解析は、下記表2に示すプライマー及びFastStart Universal SYBR Green Master mix(ロッシュ社製)を用いて行った。ステップワンプラスリアルタイムPCRシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、mRNA及びマイクロRNAを検出した。反応は三重測定した。結果を図1F、図1G、図2E及び図2Fに示す。
(3)で取り出した肝臓の一部を用いて、全RNAをRNeasy(登録商標)ミニキット(キアゲン社製)を用いて、取扱説明書に従い、抽出した。得られたRNAからcDNAを、トランスクリプターファーストストランドcDNA合成キット(ロッシュ社製)を用いた合成した。ファストスタートユニバーサルSYBRグリーンマスターミックス(Roche社製)を用いて、リアルタイムPCRを行った。使用したプライマーの配列は、下記の表2に示した通りである。反応は三重測定した。続いて、TaqMan(登録商標)マイクロRNAアッセイ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、hsa−miR−29a(アッセイID.002447)、及びコントロールとしてU18(アッセイID.001204)の相対的な発現レベルを定量化した。cDNAはTaqMan(登録商標)マイクロRNA逆転写キット(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて合成した。ファストスタートユニバーサルプローブマスター(ロッシュ社製)を用いて、リアルタイムPCR分析を行った。また、Co1a1のmRNAの発現解析は、下記表2に示すプライマー及びFastStart Universal SYBR Green Master mix(ロッシュ社製)を用いて行った。ステップワンプラスリアルタイムPCRシステム(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、mRNA及びマイクロRNAを検出した。反応は三重測定した。結果を図1F、図1G、図2E及び図2Fに示す。
図1F、図1G、図2E及び図2Fから、コラーゲン1α1(Col1a1)の遺伝子発現について、いずれの慢性肝炎モデルマウスにおいても、miR−29aを投与して1週間治療したマウスの肝臓では発現が低下しており、miR−29aを投与して2週間治療したマウスでは統計的な差は見られないものの低下傾向であった。また、肝組織中のmiR−29aの発現は、miR−29aを投与したことによって、変化しなかった。
さらに、miR−29aによる線維化のメカニズムを明らかにするために、miR−29aの標的遺伝子をTargetscan、mirtarbase及びmicroRNA.orgのオンライン検索アルゴリズムを用いて予測した。結果を図3に示す。
図3から、miR−29aの標的遺伝子として、disintegrin and metallopeptidase domain 19 (Adam19)遺伝子、フィブリノーゲン様タンパク質2(fibrinogen−like protein 2;Fgl2)遺伝子、PDGF遺伝子、コラーゲンIV型α4(collagen type IV alpha 4;Col4a4)遺伝子、Map4k4(mitogen−activated protein kinase kinase kinase kinase 4)遺伝子、メチルトランスフェラーゼ3B(methyltransferase 3B ;Dnmt3b)遺伝子及びCol1a1遺伝子が同定された。
いずれの標的遺伝子に対しても、少なくともmiR−29a中の配列番号1で表される塩基配列(5’−UAGCACC−3’)がハイブリダイズすることが確かめられた。よって、miR−29aにおいて、配列番号1で表される塩基配列がシード配列であると推察される。
いずれの標的遺伝子に対しても、少なくともmiR−29a中の配列番号1で表される塩基配列(5’−UAGCACC−3’)がハイブリダイズすることが確かめられた。よって、miR−29aにおいて、配列番号1で表される塩基配列がシード配列であると推察される。
[実施例2]
(1)LX−2細胞の培養
マウントサイナイ病院の肝臓病専門医であるスコット L.フリードマンから寄贈されたヒトHSC細胞株LX−2を、10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum;FBS)、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)及び非必須アミノ酸(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)含有ダルベッコ改変培地(和光社製)を用いて、培養した。続いて、LX−2細胞を1×105cells/ウェルとなるように、6ウェルプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)に播種した。
(1)LX−2細胞の培養
マウントサイナイ病院の肝臓病専門医であるスコット L.フリードマンから寄贈されたヒトHSC細胞株LX−2を、10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum;FBS)、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)及び非必須アミノ酸(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)含有ダルベッコ改変培地(和光社製)を用いて、培養した。続いて、LX−2細胞を1×105cells/ウェルとなるように、6ウェルプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)に播種した。
(2)トランスフォーミング増殖因子−β1(Transforming Growth Factor−β1:TGFβ1)による処理
2.5ng/mL トランスフォーミング増殖因子−β1(Transforming Growth Factor−β1:TGFβ1)を細胞に添加し、細胞の炎症を誘導した(図4A参照)。
2.5ng/mL トランスフォーミング増殖因子−β1(Transforming Growth Factor−β1:TGFβ1)を細胞に添加し、細胞の炎症を誘導した(図4A参照)。
(3)LX−2細胞へのマイクロRNAのトランスフェクション
続いて、(2)のTGFβ1処理から1日後の細胞に、40μMのmiR−29a又はNC miRNAを、リポフェクタミンRNAiMAXトランス試薬(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いてLX−2細胞にトランスフェクションし、さらに、2日間細胞を培養した(図4A参照)。
続いて、(2)のTGFβ1処理から1日後の細胞に、40μMのmiR−29a又はNC miRNAを、リポフェクタミンRNAiMAXトランス試薬(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いてLX−2細胞にトランスフェクションし、さらに、2日間細胞を培養した(図4A参照)。
(4)LX−2細胞からのRNA抽出及びmRNA及びmiRNAの発現解析
続いて、(3)のトランスフェクションから2日後の細胞を回収し、全RNAをRNeasy(登録商標)ミニキット(キアゲン社製)を用いて、取扱説明書に従い、抽出した。実施例1の(5)と同様の方法を用いて、miR−29aの相対的発現レベル、Col1a1、PDGFC及びマトリックスメタロプロテアーゼ2(Matrix metalloproteinase;MMP2)のmRNAの相対的発現レベルを測定した。MMP2のmRNAの発現解析は、下記表3に示すプライマー及びFastStart Universal SYBR Green Master mix(ロッシュ社製)を用いて行った。また、結果を図4B、図4Cに示す。
続いて、(3)のトランスフェクションから2日後の細胞を回収し、全RNAをRNeasy(登録商標)ミニキット(キアゲン社製)を用いて、取扱説明書に従い、抽出した。実施例1の(5)と同様の方法を用いて、miR−29aの相対的発現レベル、Col1a1、PDGFC及びマトリックスメタロプロテアーゼ2(Matrix metalloproteinase;MMP2)のmRNAの相対的発現レベルを測定した。MMP2のmRNAの発現解析は、下記表3に示すプライマー及びFastStart Universal SYBR Green Master mix(ロッシュ社製)を用いて行った。また、結果を図4B、図4Cに示す。
図4B、図4Cから、TGFβ1処理して炎症が誘導されたLX−2細胞において、miR−29aを投与することにより、Col1a1及びMMP2のmRNAの発現が抑制されていることが確かめられた。MMP2が繊維を吸収する作用を有するが、miR−29aを投与することにより、繊維発現が上昇しないため、繊維吸収機能も抑制されたと考えられる。また、PDGFCのmRNAの発現は、miR−29aを投与により、統計的な差は見られないものの低下傾向であった。
(5)Col1a1タンパク質量の評価
続いて、(3)のトランスフェクションから2日後の細胞の一部を、50mM Tris−HCl(pH8.0)、150mM NaCl、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate;SDS)、0.5%デオキシコール酸及び1% NP−40を用いて、ホモゲナイズした。続いて、定量化した上清(20μg/ウェル)に、125mM Tris−HCl(pH6.8)、4% SDS、10%2−メルカプトエタノール及び0.01%ブロモフェノールブルーを含む20%グリセロールを等量添加し、煮沸した。続いて、PAGEL(登録商標)(5〜20%)(ATTO社製)を用いて、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。サブマリン型ブロッティングにより、ポリフッ化ビニリデン膜(Millipore社製)に転写した。続いて、得られたメンブレンを5%スキムミルク及びTween20含有トリス緩衝食塩水を用いて、インキュベートし、ブロッキングを行った。続いて、1次抗体として抗COLA1抗体(sc−8784、サンタクルーズ社製)又はコントロールとして抗β−アクチン抗体(sc−69879、サンタクルーズ社製)を用いて、インキュベートした。続いて、2次抗体として、ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギ抗体又はホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウス抗体(Dako社製)を用いて、インキュベートした。免疫反応性は、化学発光(GE Healthcare社製)によって可視化した。結果を図4Dに示す。
続いて、(3)のトランスフェクションから2日後の細胞の一部を、50mM Tris−HCl(pH8.0)、150mM NaCl、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate;SDS)、0.5%デオキシコール酸及び1% NP−40を用いて、ホモゲナイズした。続いて、定量化した上清(20μg/ウェル)に、125mM Tris−HCl(pH6.8)、4% SDS、10%2−メルカプトエタノール及び0.01%ブロモフェノールブルーを含む20%グリセロールを等量添加し、煮沸した。続いて、PAGEL(登録商標)(5〜20%)(ATTO社製)を用いて、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。サブマリン型ブロッティングにより、ポリフッ化ビニリデン膜(Millipore社製)に転写した。続いて、得られたメンブレンを5%スキムミルク及びTween20含有トリス緩衝食塩水を用いて、インキュベートし、ブロッキングを行った。続いて、1次抗体として抗COLA1抗体(sc−8784、サンタクルーズ社製)又はコントロールとして抗β−アクチン抗体(sc−69879、サンタクルーズ社製)を用いて、インキュベートした。続いて、2次抗体として、ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギ抗体又はホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウス抗体(Dako社製)を用いて、インキュベートした。免疫反応性は、化学発光(GE Healthcare社製)によって可視化した。結果を図4Dに示す。
図4Dから、miR−29aを投与することにより、Col1a1タンパク質量が低下することが明らかとなった。
(6)細胞生存率分析
1×104cells/ウェルとなるように、LX−2細胞を96ウェルプレートに播種した。細胞増殖キットII(XTT)(Roche社製)を取扱説明書に従って使用した。具体的には、まず、播種した細胞に2.5ng/mL トランスフォーミング増殖因子−β1(Transforming Growth Factor−β1:TGFβ1)を細胞に添加した。続いて、TGFβ1処理から1日後の細胞に、40μMのmiR−29a又はNC miRNAを、リポフェクタミンRNAiMAXトランス試薬(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて細胞にトランスフェクションした。続いて、トランスフェクションから48時間後の細胞に50μLのXTT試薬を添加し、37℃で6時間培養した。続いて、450nmでの吸光度を測定した。結果を図4Eに示す。
1×104cells/ウェルとなるように、LX−2細胞を96ウェルプレートに播種した。細胞増殖キットII(XTT)(Roche社製)を取扱説明書に従って使用した。具体的には、まず、播種した細胞に2.5ng/mL トランスフォーミング増殖因子−β1(Transforming Growth Factor−β1:TGFβ1)を細胞に添加した。続いて、TGFβ1処理から1日後の細胞に、40μMのmiR−29a又はNC miRNAを、リポフェクタミンRNAiMAXトランス試薬(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて細胞にトランスフェクションした。続いて、トランスフェクションから48時間後の細胞に50μLのXTT試薬を添加し、37℃で6時間培養した。続いて、450nmでの吸光度を測定した。結果を図4Eに示す。
図4Eから、TGFβ1処理の有無に関係なく、miR−29aが過剰発現したLX−2細胞では、若干細胞生存率の低下することが明らかとなった。
(7)カスパーゼ9(Caspase 9)活性アッセイ
1×104cells/ウェルとなるように、LX−2細胞を96ウェルプレートに播種した。続いて、播種した細胞に2.5ng/mL トランスフォーミング増殖因子−β1(Transforming Growth Factor−β1:TGFβ1)を細胞に添加した。続いて、TGFβ1処理から1日後の細胞に、40μMのmiR−29a又はNC miRNAを、リポフェクタミンRNAiMAXトランス試薬(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて細胞にトランスフェクションした。続いて、トランスフェクションから48時間後の細胞にCaspase−Glo(登録商標)9アッセイキット(Promega社製)を取扱説明書に従って使用した。結果を図4Fに示す。
1×104cells/ウェルとなるように、LX−2細胞を96ウェルプレートに播種した。続いて、播種した細胞に2.5ng/mL トランスフォーミング増殖因子−β1(Transforming Growth Factor−β1:TGFβ1)を細胞に添加した。続いて、TGFβ1処理から1日後の細胞に、40μMのmiR−29a又はNC miRNAを、リポフェクタミンRNAiMAXトランス試薬(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を用いて細胞にトランスフェクションした。続いて、トランスフェクションから48時間後の細胞にCaspase−Glo(登録商標)9アッセイキット(Promega社製)を取扱説明書に従って使用した。結果を図4Fに示す。
図4Fから、miR−29aが過剰発現したLX−2細胞では、NC miRNAをトランスフェクションしたLX−2細胞と比較して、Caspase 9の活性が上昇することが明らかとなった。
[実施例3]
(1)LX−2細胞の培養
実施例2の(1)と同様の方法を用いて、LX−2細胞を1×105cells/ウェルとなるように、6ウェルプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)に播種した。
(1)LX−2細胞の培養
実施例2の(1)と同様の方法を用いて、LX−2細胞を1×105cells/ウェルとなるように、6ウェルプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)に播種した。
(2)LX−2細胞へのマイクロRNAのトランスフェクション
続いて、細胞播種から1日後に、(1)で播種したLX−2細胞へ、実施例2の(3)と同様の方法を用いて、40μMのmiR−29a又はNC miRNAをトランスフェクションした(図5A参照)。
続いて、細胞播種から1日後に、(1)で播種したLX−2細胞へ、実施例2の(3)と同様の方法を用いて、40μMのmiR−29a又はNC miRNAをトランスフェクションした(図5A参照)。
(3)TGFβ1による処理
続いて、(2)のトランスフェクションから6時間後のLX−2細胞に、実施例2(2)と同様の方法を用いて、TGFβ1を添加し、細胞の炎症を誘導した(図5A参照)。
続いて、(2)のトランスフェクションから6時間後のLX−2細胞に、実施例2(2)と同様の方法を用いて、TGFβ1を添加し、細胞の炎症を誘導した(図5A参照)。
(4)LX−2細胞からのRNA抽出及びmRNA及びmiRNAの発現解析
続いて、(2)のトランスフェクションから1日後又は2日後の細胞を回収し、実施例2の(4)と同様の方法を用いて、全RNAを回収し、Col1a1、PDGFC及びMMP2のmRNAの相対的発現レベルを測定した。結果を図5Bに示す。
続いて、(2)のトランスフェクションから1日後又は2日後の細胞を回収し、実施例2の(4)と同様の方法を用いて、全RNAを回収し、Col1a1、PDGFC及びMMP2のmRNAの相対的発現レベルを測定した。結果を図5Bに示す。
図5Bから、予めmiR−29aを投与することにより、Col1a1及びMMP2のmRNAの発現が抑制されていることが確かめられた。MMP2が繊維を吸収する作用を有するが、miR−29aを投与することにより、繊維発現が上昇しないため、繊維吸収機能も抑制されたと考えられる。また、PDGFCのmRNAの発現については、miR−29aを投与による抑制効果が見られなかった。
(5)Col1a1タンパク質量の評価
続いて、(2)のトランスフェクションから2日後の細胞の一部を用いて、実施例2の(5)と同様の方法を用いて、Col1a1タンパク質を免疫染色した。結果を図5Cに示す。
続いて、(2)のトランスフェクションから2日後の細胞の一部を用いて、実施例2の(5)と同様の方法を用いて、Col1a1タンパク質を免疫染色した。結果を図5Cに示す。
図5Cから、miR−29aを投与することにより、Col1a1タンパク質量が低下することが明らかとなった。
また、図6A及び図6Bは、miR−29aによる肝線維化の抑制又は阻害メカニズムを示す図である。図6A及び図6Bに示された、RhoA、MAPK8、RAF1、SRF、IL−1b、NDRG1及びBCL2とは、以下の表4に示す遺伝子である。また、上記7種類の遺伝子のmRNAの相対的発現レベルを示すグラフは、(2)のトランスフェクションから2日後の細胞の一部を用いて、SurePrint G3 Mouse Gene Expression 8 × 60k Microarray Kit及び以下の表5に示すプローブを使用して検出した結果である。
実施例1〜3より、miR−29aはCol1a1遺伝子及びPDGFC遺伝子それぞれに直接ハイブリダイズし、それら遺伝子の発現を抑制していることが明らかとなった。その結果、細胞外マトリックスであるコラーゲンの産生を抑制する。さらに、図6Aから、炎症を誘導するPDGFCの発現を抑制し、その下流遺伝子であるRhoA遺伝子、MAPK8遺伝子、RAF遺伝子及びSRF遺伝子を抑制することにより、細胞移動又は細胞増殖を抑制していると推察される。
また、図6Bから、miR−29aを投与することにより、標的遺伝子でないが、IL−1b遺伝子、NDRG1遺伝子及びBCL遺伝子が低下することが明らかとなった。IL−1遺伝子を抑制することにより、炎症が抑制され、NDRG1遺伝子を抑制することにより、血管造成が抑制され、さらに、BCL2遺伝子を抑制するこりによりアポトーシスが促進されると推察される。
本発明によれば、肝線維の吸収を促進し、肝線維化の抑制又は阻害することができ、安全且つ効果的に肝線維化を治療することができる。また、肝線維化の度合いは肝発癌率と密接に関係するため、肝線維化を抑制又は阻害することで肝臓での発癌を抑制することができる。
Claims (5)
- 配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNA(miRNA)を有効成分として含有することを特徴とする肝線維化予防・治療剤。
- 配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるマイクロRNAを発現可能であるベクターを有効成分として含有することを特徴とする肝線維化予防・治療剤。
- 前記miRNAがmiR−29a又はその前駆体である請求項1又は2に記載の肝線維化予防・治療剤。
- 配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで肝星細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする肝星細胞の活性化抑制方法。
- 配列番号1で表される塩基配列を含む配列からなるmiRNAをインビトロで細胞内に導入する工程を備えることを特徴とする細胞外マトリックスの産生抑制方法。
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