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JP2017135509A - 送信装置、受信装置、及び通信システム - Google Patents

送信装置、受信装置、及び通信システム Download PDF

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JP2017135509A JP2016012692A JP2016012692A JP2017135509A JP 2017135509 A JP2017135509 A JP 2017135509A JP 2016012692 A JP2016012692 A JP 2016012692A JP 2016012692 A JP2016012692 A JP 2016012692A JP 2017135509 A JP2017135509 A JP 2017135509A
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正弘 村口
Masahiro Muraguchi
正弘 村口
未彩希 平林
Misaki Hirabayashi
未彩希 平林
良崇 山井
Yoshitaka Yamai
良崇 山井
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Abstract

【課題】周波数の利用効率を向上させることができる。
【解決手段】第1系統演算部11及び第2系統演算部12が、第1系統のベースバンドOFDM信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号と、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波とに基づいて、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように、第1系統のベースバンドOFDMと第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、かつ、第2系統のベースバンドOFDMと第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、第1系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化してOFDM信号を生成するする。送信部304が、生成されたOFDM信号を送信信号として送信する。
【選択図】図4

Description

本発明は、送信装置、受信装置、及び通信システムに関する。
移動体通信、無線LAN、地上デジタル放送などの爆発的な需要拡大により、電波伝搬特性が良好でシステム設計が容易な5GHz以下の周波数帯は枯渇状態に陥っている。そのような状況から、無線システムでは周波数利用効率が高い通信方式である直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の採用が進められている。今後、さらに周波数利用効率を高めるためには、OFDM信号の1次変調に256QAMなどの高次変調を用いることが唯一の手段であると考えられている。
しかし、例えば、元信号が1シンボル当たり6bitである64QAM変調であった場合、この手段で周波数利用効率を2倍にするには1シンボル当たり12bitである4096QAM変調が必要となる。64QAM変調から4096QAM変調に変更した場合、同等の通信品質にするためには4096QAM変調のCNR(Carrier to Noise Ratio)(通信品質のパラメータである符号誤り率を誤り訂正前で1×10−4とした場合)を約18dB高く設定する必要がある。これは通信距離でいうと1/8以下にすることに相当し、無線通信システムの設計を根本から変えることが必要なレベルである。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、周波数利用効率を向上させることができる送信装置、受信装置、及び通信システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係る送信装置は、送信データから、シンボル時間が等しい第1系統のベースバンドOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号を生成し、前記第1系統のベースバンドOFDM信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号と、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波とに基づいて、前記第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と前記第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように、前記第1系統のベースバンドOFDMと前記第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、かつ、前記第2系統のベースバンドOFDMと前記第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号と前記第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化してOFDM信号を生成する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記OFDM信号を送信信号として送信する送信手段と、を含んで構成されている。
本発明の送信装置によれば、生成手段によって、送信データから、シンボル時間が等しい第1系統のベースバンドOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号を生成し、第1系統のベースバンドOFDM信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号と、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波とに基づいて、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように、第1系統のベースバンドOFDMと第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、かつ、第2系統のベースバンドOFDMと第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、第1系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化してOFDM信号を生成する。
そして、送信手段によって、生成手段によって生成されたOFDM信号を送信信号として送信する。
このように、シンボル時間が等しい第1系統のベースバンドOFDM信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号と、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波とに基づいて、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように、第1系統のベースバンドOFDMと第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、かつ、第2系統のベースバンドOFDMと第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、第1系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化してOFDM信号を生成することにより、周波数の利用効率を向上させることができる。
本発明の送信装置は、前記第1系統の搬送波と前記第2系統の搬送波との周波数差が、シンボル時間の逆数を表すシンボルレートの1/2倍の奇数倍となるように予め設定され、前記生成手段は、前記第1系統のベースバンドOFDM信号と前記第1系統の搬送波とを乗算して、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、前記第2系統のベースバンドOFDM信号と前記第2系統の搬送波とを乗算して、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号と前記第2系統の搬送帯域OFDM信号とを加算して、前記OFDM信号を生成するようにすることができる。
また、本発明の送信装置において、前記第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々の周波数は、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成する際に前記第1系統の搬送波の周波数よりも高くなるように予め設定され、前記第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々の周波数は、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成する際に前記第2系統の搬送波の周波数よりも低くなるように予め設定されるようにすることができる。
本発明の受信装置は、上記の送信装置によって送信された前記送信信号を受信信号として受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記受信信号をAD(Analog-to-digital)変換することによりデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する変換手段と、前記変換手段によって得られた前記デジタルの搬送帯域OFDM信号を、前記シンボル時間毎に切り出し、前記第1系統の搬送波の周波数と前記第2系統の搬送波の周波数との周波数差に基づいて、前記シンボル時間毎に切り出した前記搬送帯域OFDM信号を、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号と前記第2系統の搬送帯域OFDM信号とへ分離する分離手段と、を含むようにすることができる。
また、本発明の受信装置の前記分離手段は、前記搬送帯域OFDM信号と、前記搬送帯域OFDM信号を前記第1系統の搬送波の半周期の奇数倍の時間遅延させて得られた信号とを加算して、前記搬送帯域OFDM信号から、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を得るようにすることができる。
また、本発明の受信装置の前記分離手段は、前記搬送帯域OFDM信号と、前記搬送帯域OFDM信号を前記第2系統の搬送波の半周期の奇数倍の時間遅延させて得られた信号とを加算して、前記搬送帯域OFDM信号から、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を得るようにすることができる。
また、本発明の受信装置の前記分離手段は、前記搬送帯域OFDM信号から、前記搬送帯域OFDM信号を前記第1系統の搬送波の1周期の整数倍の時間遅延させて得られた信号を減算して、前記搬送帯域OFDM信号から、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を得るようにすることができる。
また、本発明の受信装置の前記分離手段は、前記搬送帯域OFDM信号から、前記搬送帯域OFDM信号を前記第2系統の搬送波の1周期の整数倍の時間遅延させて得られた信号を減算して、前記搬送帯域OFDM信号から、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を得るようにすることができる。
また、本発明の受信装置の前記分離手段によって得られた前記第1系統の搬送帯域OFDM信号から、前記第1系統のベースバンドOFDM信号を生成し、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号から、前記第2系統のベースバンドOFDM信号を生成する直交復調手段と、前記直交復調手段によって生成されたベースバンドOFDM信号のシンボル毎に、前記ベースバンドOFDM信号に対してフーリエ変換を行うフーリエ変換手段と、を更に含むようにすることができる。
また、本発明の受信装置は、平均化手段を更に含み、前記変換手段は、前記受信手段によって受信された前記受信信号のサンプリングによりAD(Analog-to-digital)変換を行う際に、シンボル毎のサンプリング数を、フーリエ変換の演算サイズを表すポイント数のN倍として、前記受信信号をサンプリングすることにより前記搬送帯域OFDM信号へ変換し、デジタルの前記搬送帯域OFDM信号へ変換し、前記平均化手段は、シンボル毎に、前記フーリエ変換手段の各ポイントに対応する前記ベースバンドOFDM信号に含まれる複数のサンプリング点の値の平均値を算出し、前記フーリエ変換手段は、前記シンボル毎に、前記平均化手段によって得られた、前記フーリエ変換のポイントの各々について算出された前記ベースバンドOFDM信号の平均値に対してフーリエ変換を行うようにすることができる。
本発明の通信システムは、上記の送信装置と、上記の受信装置とを含むようにすることができる。
以上説明したように、本発明の送信装置及び通信システムによれば、シンボル時間が等しい第1系統のベースバンドOFDM信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号と、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波とに基づいて、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように、第1系統のベースバンドOFDMと第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、かつ、第2系統のベースバンドOFDMと第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、第1系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化してOFDM信号を生成することにより、周波数の利用効率を向上させることができる、という効果が得られる。
また、本発明の受信装置及び通信システムによれば、OFDM信号をシンボル時間毎に切り出し、第1系統の搬送波の周波数と第2系統の搬送波の周波数との周波数差に基づいて、シンボル時間毎に切り出したOFDM信号を、第1系統の搬送帯域OFDMと第2系統の搬送帯域OFDM信号とへ分離することにより、第1系統のOFDM信号のサブキャリアと第2系統のOFDM信号のサブキャリアとの間に三角関数における直交性がない場合であっても、第1系統のOFDM信号と第2系統のOFDM信号とを得ることができる、という効果が得られる。
本発明の実施の形態におけるサブキャリアの多重の一例を説明するための説明図である。 サブキャリアの多重と直交性との関係を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態の通信システムの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の送信装置の概略構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるサブキャリアの多重の一例を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態の受信装置の概略構成の一例を示す図である。 遅延回路を説明するための説明図である。 搬送波の周波数の周波数差を利用して信号を分離する原理を説明するための説明図である。 搬送波の周波数の比と出力される信号の振幅値との関係を説明するための説明図である。 送信装置及び受信装置が備える各部が出力する信号の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態の受信装置の概略構成の一例を示す図である。 シミュレーションによって得られたOFDM信号の多重前のスペクトラムの一例を示す図である。 シミュレーションによって得られたOFDM信号の多重前のスペクトラムの拡大図の一例を示す図である。 シミュレーションによって得られたOFDM信号の多重後のスペクトラムの一例を示す図である。 シミュレーションによって得られた分離後の第1系統のOFDM信号のスペクトラムの一例を示す図である。 シミュレーションによって得られた分離後の第2系統のOFDM信号のスペクトラムの一例を示す図である。 シミュレーションによって得られた分離後に復調した信号のコンスタレーションの一例を示す図である。 第2のシミュレーションによって得られた結果の一例を示す図である。 シミュレーションから得られた誤り率特性の測定結果の一例を示す図である。 本発明の実施の形態の送信装置の概略構成の一例を示す図である。
<本発明の実施の形態の概要>
無線システムでは、周波数利用効率が高い変調方式であるOFDM方式の採用が優先的に進められている。このOFDM方式は移動体通信、無線LAN、地上デジタル放送で深刻な問題となるマルチパスフェージングに対する対策が容易であるという利点も備えていることから、現状では周波数利用効率と電気特性の両面からみてOFDM方式を上回る対抗技術は存在しない。
信号理論から既存の無線方式の周波数利用効率を比較すると、OFDM方式が優れているというのは実用上での話であり、原理的にはシングルキャリア変調方式と同等である。受信側で正常な信号点配置(コンスタレーション)で復調するためには、シンボル時間をTsとすると、ベースバンド信号帯域では1/2Ts以上の信号帯域が必要である。理由は、信号点の移動がシンボル時間Ts以内に完了しなければ、正常なコンスタレーションを維持できないからである。
一方、現在使用されている無線システムの殆どはIチャネルとQチャネルの2つのデータを直交多重しているので、搬送波周波数帯ではDSB変調(両側波帯変調)となり、IチャネルとQチャネルのデータが共に正常に復調されるに必要な必須帯域幅はベースバンド信号帯域の2倍の1/Tsとなる。シングルキャリア変調方式とOFDM方式の必須帯域幅とを比較すると、両者は等しくなる。しかし、シングルキャリア変調方式の信号を信号特性に影響を与えずに必須帯域のみを切り出すことができるフィルタは実現困難であり、実用的には2/Tsの程度の帯域幅を必要とする。一方、サブキャリア数が50以上(無線LAN:52、地上デジタル放送:4000以上)のOFDM方式の信号エネルギーは1/Tsの帯域幅に集中するので、実現可能なフィルタで1/Tsとほぼ同程度の帯域幅で切り出すことが可能となっている。
このように搬送波周波数帯で直交多重している信号の必須帯域幅は1/Tsであり、OFDM方式は周波数利用効率の最大値をほぼ実現していることになる。従って、周波数利用効率をさらに高める方策としては、OFDM方式の採用を大前提として、そのサブキャリアに施す1次変調の次数を高めて、帯域幅当たりの情報量を増やすことが、現状では唯一残された道であると考えられている。
このようなことから、現在使用されている地上デジタル放送のハイビジョン放送では情報レートを最大にするためOFDM方式のサブキャリアの1次変調として64QAM変調を用いている。次の世代の4K放送ではさらに4倍の情報レートが必要なため、現状の1シンボル当たり6bitの64QAM変調から1シンボル当たり8bitの256QAM変調への変更が検討されている。
しかしながら、64QAM変調から256QAM変調へ変更すると、所要CNR(通信品質のパラメータである符号誤り率を誤り訂正前で1×10−4とした場合)を6dB〜7dB高く設定することになり、同等の品質でサービスするためには送信出力を4倍にするか、サービスエリアの半径を1/2にしなければならないという大きなデメリットを生じる。しかも、周波数利用効率からすると高々4/3倍(約1.3倍)にしかなっていない。
前述のように、搬送波周波数帯で直交多重している信号の必須帯域幅は1/Tsであり、OFDM方式の信号帯域幅は利用効率という観点からは理論限界近い特性を実現していることになる。
一方、OFDM方式でさらに周波数利用効率を高めるためにはサブキャリアに施す1次変調を高次数にして、帯域幅当たりの情報量を増やすことが一般的なアプローチであることも述べた。
そこで、このアプローチで周波数利用効率を2倍にすることを考える。
1シンボル当たり6bitである64QAM変調と比較して、周波数利用効率をその2倍にするには1シンボル当たり12bitである4096QAM変調が必要となり、同等の通信品質を得るためには所要CNR(通信品質のパラメータである符号誤り率を誤り訂正前で1×10−4とした場合)を18dB以上高く設定することになる。これは通信距離でいうと1/8以下にすることに相当し、無線通信システムの設計を根本から変えることが必要なレベルである。
次に、OFDM信号を1シンボル区間で切り出すことを考える。
このとき、OFDMの1シンボル時間をTsとすると、この区間内ではそれぞれのサブキャリアの変調状態は一定で、位相の変化はなく、振幅も一定となっており、周波数スペクトラムは1/Ts間隔で並ぶ線状のスペクトルの集合となる。各サブキャリアのエネルギーは1周波数に集中し、分散はしない。
そこで、本発明の実施の形態では、図1に示すように、搬送波周波数帯の周波数軸上において、1つのOFDM信号のサブキャリアとサブキャリアとの間隔1/Tsの間にシンボル時間が等しい別のOFDM信号のサブキャリアを配置することを考える。これら両者のサブキャリアは周波数軸上では信号エネルギーは重ならないので、送信側で2つのOFDM信号をこのようなスペクトラム配置になるように作成し、受信側で2つのOFDM信号に分離できれば、周波数利用効率を2倍にできるのではかいかと期待できる。
ただし、上記図1のように2つのOFDM信号のサブキャリアを交互に配置した場合、図2に示すように、第1系統のOFDM信号のサブキャリアと第2系統のOFDM信号のサブキャリアとの間には三角関数における直交性はなく、劣化のない分離は困難と考えられる。
通常のOFDM信号は各サブキャリア同士が直交しているため、FFT(Fast Fourier Transform)を用いて復調することができる。一方、上記図2に示すように、1つのOFDM信号のサブキャリアの間に異なるOFDM信号のサブキャリアを挿入すると、サブキャリア間の直交性が崩れ、この状態でFFTに入力しても正しく復調できないという事態が生じる。
しかし、第1系統のOFDM信号と第2系統のOFDM信号とに用いられる搬送波の周波数差を利用すると一方の信号を完全に除去し、他方の信号のみを残すことが可能である。ただし、残す信号のエネルギーを大きくするためには両者の搬送波周波数の差を大きくする必要がある。
また、本発明の実施の形態のOFDM信号の多重では、第1系統のOFDM信号と第2系統のOFDM信号のシンボル時間及びシンボル区間が一致する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、OFDM信号を送信する送信装置とOFDM信号を受信する受信装置とを備える通信システムに、本発明を適用した場合を例に説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの概略構成について説明する。図3は本発明の第1の実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示す概略図である。図3に示すように、本発明の実施の形態に係る通信システム1は、信号を送信する送信装置10と信号を受信する受信装置20とを備えている。本発明の実施の形態では、送信装置10と受信装置20とは、無線通信により信号の送受信を行う場合を例に説明する。
(送信装置)
次に、送信装置10の構成について説明する。図4は送信装置の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、送信装置10は、第1系統演算部11、第2系統演算部12、加算器300、IF−RF(Intermediate Frequency-Radio Frequency)変換部302、及び送信部304を備えている。送信装置10は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイなどの回路(IC:Integrated Circuit)により実装される。なお、送信装置10が備える上記各機能部は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータにより実現し、CPUが、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、各機能部における各機能が実行されるように構成してもよい。第1系統演算部11、第2系統演算部12、及び加算器300は、生成手段の一例である。
第1系統演算部11の内部において、先ず入力された第1の送信データから、第1系統のベースバンドOFDM信号を生成する。
また、第2系統演算部12の内部において、先ず入力された第2の送信データから、第2系統のベースバンドOFDM信号を生成する。
そして、第1系統演算部11及び第2系統演算部12の内部において、次に第1系統のベースバンドOFDM信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号と、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波とに基づいて、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように、第1系統のベースバンドOFDMと第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、かつ、第2系統のベースバンドOFDMと第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成する。
本実施の形態では、第1系統の搬送波と第2系統の搬送波とで周波数が異なる。第1系統の搬送波と第2系統の搬送波との周波数差は、例えば以下の式(1)に示すように、シンボル時間の逆数を表すシンボルレートの1/2倍の奇数倍となるように予め設定される。
上記図1は、上記式(1)における奇数nがn=1の場合の多重例である。また、図5に、上記式(1)における奇数nがn=9の場合の多重例を示す。
図5に示す例では、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々の周波数は、第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成する際に、第1系統の搬送波の周波数fc1よりも高くなるように予め設定される。また、第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々の周波数は、第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成する際に、第2系統の搬送波の周波数よりも低くなるように予め設定される。
なお、上記図5に示す奇数nがn=9の場合の多重例では、第1系統の搬送波の周波数fc1よりも低い周波数のサブキャリアの各々と、第2系統の搬送波の周波数fc2よりも高い周波数のサブキャリアの各々とは、例えば、ヌルサブキャリアとして設定される。
第1系統のベースバンドOFDM信号と第2系統のベースバンドOFDM信号とは、シンボル時間及びシンボル区間が一致している。
また、上記図1に示すように、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と、第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とは、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように予め定められている。サブキャリアの間隔は、シンボル時間Tsの逆数を表す1/Tsであり、第1系統及び第2系統で等しい。
第1系統演算部11によって生成された第1系統の搬送帯域OFDM信号と、第2系統演算部12によって生成された第2系統の搬送帯域OFDM信号とは、後述する加算器300によって多重化され、送信信号としてのOFDM信号が生成される。
以下、第1系統演算部11及び第2系統演算部12の処理を詳細に説明する。
第1系統演算部11は、1次変調マッピング部100、シリアルパラレル(S/P)変換部102、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部104、GI(Guard Interval)挿入部106、Ichパラレルシリアル(P/S)部108、Qchパラレルシリアル(P/S)部110、DA変換部112、DA変換部114、及び直交変調部116を備えている。
1次変調マッピング部100は、バイナリコードのシリアルデータを第1の送信データとして受け付ける。そして、1次変調マッピング部100は、データを搬送するサブキャリアの変調次数に合わせて、第1の送信データのデータビットをIch用とQch用とに仕分けして出力する。なお、1次変調マッピング部100に対応する処理を行う構成要素は、シンボルマッパとも称される。
シリアルパラレル変換部102は、1次変調マッピング部100によって出力されたIch及びQchのシリアルデータを、S/P(Serial to Parallel)変換により、後述するIFFT部104の入力に合わせたパラレルデータに変換し、出力する。
IFFT部104は、シリアルパラレル変換部102によって出力されたIch及びQchのパラレルデータに対し高速逆フーリエ変換を行い、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を生成する。
具体的には、IFFT部104は、シリアルパラレル変換部102によって出力されたIch及びQchのパラレルデータの周波数領域の信号を、高速逆フーリエ変換によって時間信号に変換し、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号として出力する。実際には、IFFT部104は、OFDM信号の1シンボル時間をポイント数(演算サイズ)で割り、時間順に各サンプル点でのサブキャリアの振幅値の合計をIchとQchとに分けて並列で出力する。なお、IFFT部104に対応する処理を行う構成要素は、離散時間データを扱うため、IDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)とも称される。
GI挿入部106は、IFFT部104によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点に対し、1シンボル毎に、ガードインターバルを挿入する。ガードインターバルとは、伝搬路の途中の反射などによって生じた遅延波の影響を吸収するための緩衝領域をいう。
具体的には、GI挿入部106は、1シンボル毎に、IFFT部104によって出力されたベースバンドOFDM信号の時間軸上の後部データをコピーして先頭に接続する。IFFT部104によって、各サブキャリアにおける波動関数が整数周期になるように出力されるので、後方をコピーして先頭に接続した場合、各サブキャリアにおける波動関数は連続して接続される。なお、カードインターバルは、三角関数の性質を利用して遅延波の影響を吸収するので、サイクリック・プリフィクス(CP)とも称される。
Ichパラレルシリアル部108は、GI挿入部106によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を、時間軸上に時間順にシリアルデータとして並べ、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータとして出力する。
Qchパラレルシリアル部110は、GI挿入部106によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を、時間軸上に時間順にシリアルデータとして並べ、第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータとして出力する。
IFFT部104の出力は時間軸のデータとして出力されるが、Ich及びQchの各サンプル点のパラレルデータとなっているので、Ichパラレルシリアル部108及びQchパラレルシリアル部110によって各サンプル点のパラレルデータがシリアルデータとして並べられる。
DA変換部112は、Ichパラレルシリアル部108によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータを、アナログ信号に変換し、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号として出力する。具体的には、DA変換部112は、Ichの変調用の振幅値を、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号として出力する。第1系統のIchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号u(t)は、以下の式(2)で表される。
DA変換部114は、Qchパラレルシリアル部110によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータを、アナログ信号に変換し、第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号として出力する。実際には、DA変換部114は、Qchの変調用の振幅値を、第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号として出力する。第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号u(t)は、以下の式(3)で表される。
なお、上記式(2)及び式(3)における、Mは予め定められた値であり、a,bはデータシンボルを表す。
また、DA変換部112及びDA変換部114の出力側には帯域外信号を除去するフィルタ処理が組み込まれており、信号に含まれる帯域外信号が除去される。
直交変調部116は、DA変換部112によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号と、DA変換部114によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号と、第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成する。
具体的には、直交変調部116は、DA変換部112によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号の振幅値と第1系統の搬送波の一例である周波数fc1のコサイン波とを乗算して、第1系統のIchの搬送帯域OFDM信号を生成する。
また、直交変調部116は、DA変換部114によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号の振幅値と第1系統の搬送波の一例である周波数fc1のマイナスのサイン波とを乗算して、第1系統のQchの搬送帯域OFDM信号を生成する。
そして、直交変調部116は、第1系統のIchの搬送帯域OFDM信号と第1系統のQchの搬送帯域OFDM信号とを加算して、第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成する。第1系統の搬送帯域OFDM信号S(t)は、以下の式(4)で表される。
第2系統演算部12は、1次変調マッピング部200、シリアルパラレル(S/P)変換部202、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部204、GI(Guard Interval)挿入部206、Ichパラレルシリアル(P/S)部208、Qchパラレルシリアル(P/S)部210、DA変換部212、DA変換部214、及び直交変調部216を備えている。
1次変調マッピング部200は、バイナリコードのシリアルデータを第2の送信データとして受け付ける。そして、1次変調マッピング部200は、1次変調マッピング部100と同様に、データを搬送するサブキャリアの変調次数に合わせて、第2の送信データのデータビットをIch用とQch用とに仕分けして出力する。
シリアルパラレル変換部202は、シリアルパラレル変換部102と同様に、1次変調マッピング部200によって出力されたIch及びQchのシリアルデータを、S/P(Serial to Parallel)変換により、後述するIFFT部204の入力に合わせたパラレルデータに変換し、出力する。
IFFT部204は、IFFT部104と同様に、シリアルパラレル変換部202によって出力されたIch及びQchのパラレルデータに対し高速逆フーリエ変換を行い、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を生成する。
GI挿入部206は、GI挿入部106と同様に、IFFT部204によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点に対し、1シンボル毎に、ガードインターバルを挿入する。
Ichパラレルシリアル部208は、Ichパラレルシリアル部108と同様に、GI挿入部206によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を、時間軸上に時間順にシリアルデータとして並べ、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータとして出力する。
Qchパラレルシリアル部210は、Qchパラレルシリアル部110と同様に、GI挿入部206によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を、時間軸上に時間順にシリアルデータとして並べ、第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータとして出力する。
DA変換部212は、DA変換部112と同様に、Ichパラレルシリアル部208によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータを、アナログ信号に変換し、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号として出力する。具体的には、DA変換部212は、Ichの変調用の振幅値を、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号として出力する。第2系統のIchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号w(t)は、以下の式(5)で表される。
DA変換部214は、DA変換部114と同様に、Qchパラレルシリアル部210によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータを、アナログ信号に変換し、第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号として出力する。実際には、DA変換部214は、Qchの変調用の振幅値を、第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号として出力する。第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号w(t)は、以下の式(6)で表される。
なお、上記式(5)及び式(6)におけるc,dはデータシンボルを表す。
また、DA変換部212及びDA変換部214の出力側には帯域外信号を除去するフィルタ処理が組み込まれており、信号に含まれる帯域外信号が除去される。
直交変調部216は、DA変換部212によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号と、DA変換部214によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号と、第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成する。
ここで、第2系統の搬送波の周波数は、第1系統の搬送波の周波数と第2系統の搬送波の周波数との周波数差が、シンボルレートの1/2の奇数倍となるように予め設定され、後述する加算器300によって多重化される。従って、第1系統の搬送波の周波数fc1と第2系統の搬送波の周波数fc2とは、上記式(1)に示す条件が満たされるように予め設定される。
具体的には、直交変調部216は、DA変換部212によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号の振幅値と第2系統の搬送波の一例である周波数fc2のコサイン波とを乗算して、第2系統のIchの搬送帯域OFDM信号を生成する。
また、直交変調部216は、DA変換部214によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のアナログ信号の振幅値と第2系統の搬送波の一例である周波数fc2のマイナスのサイン波とを乗算して、第2系統のQchの搬送帯域OFDM信号を生成する。
そして、直交変調部216は、第2系統のIchの搬送帯域OFDM信号と第2系統のQchの搬送帯域OFDM信号とを加算して、第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成する。第2系統の搬送帯域OFDM信号S(t)は、以下の式(7)で表される。
加算器300は、直交変調部116によって生成された第1系統の搬送帯域OFDM信号と、直交変調部216によって生成された第2系統の搬送帯域OFDM信号とを加算し、第1系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化してOFDM信号を生成する。OFDM信号は、以下の式(8)で表される。
ここで、第1系統の搬送帯域OFDM信号と、第2系統の搬送帯域OFDM信号とは、搬送波周波数帯で多重される。
なお、第1系統のOFDM信号と第2系統のOFDM信号とをベースバンド領域で多重してしまうと、受信装置側での分離は不可能となる。
IF−RF変換部302は、加算器300によって生成されたOFDM信号である中間周波数帯変調信号を、高周波帯信号にアップコンバージョンする。
送信部304は、IF−RF変換部302によって高周波帯信号にアップコンバージョンされたOFDM信号を、送信信号として送信する。
(受信装置)
次に、受信装置20の構成について説明する。図6は受信装置の構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、受信装置20は、受信部400、RF−IF変換部402、第1系統演算部15、及び第2系統演算部16を備えている。受信装置20は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイなどの回路(IC:Integrated Circuit)により実装される。なお、受信装置20が備える上記各機能部は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータにより実現し、CPUが、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、各機能部における各機能が実行されるように構成してもよい。
受信部400は、送信装置10から送信された送信信号を、受信信号として受信する。
RF−IF変換部402は、受信部400によって受信された高周波帯信号の受信信号を中間周波数帯信号にダウンコンバージョンする。なお、本実施の形態では、搬送波とは受信装置20の受信信号の搬送波のみでなく、受信装置20内でダウンコンバートした後の中間周波数帯の搬送波も含むものとする。
第1系統演算部15は、RF−IF変換部402によって中間周波数帯信号にダウンコンバージョンされた受信信号を取得する。そして、第1系統演算部15は、取得した受信信号をAD(Analog-to-digital)変換することによりデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する。次に、第1系統演算部15は、搬送帯域OFDM信号を、シンボル時間毎に切り出す。そして、第1系統演算部15は、第1系統の搬送波の周波数fc1と第2系統の搬送波の周波数fc2との周波数差に基づいて、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号から、第1系統の搬送帯域OFDM信号を分離して、第1系統の搬送帯域OFDM信号を得る。
また、第2系統演算部16は、RF−IF変換部402によって中間周波数帯信号にダウンコンバージョンされた受信信号を取得する。そして、第2系統演算部16は、取得した受信信号をAD変換することによりデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する。次に、第2系統演算部15は、OFDM信号を、シンボル時間毎に切り出す。そして、第2系統演算部15は、第1系統の搬送波の周波数fc1と第2系統の搬送波の周波数fc2との周波数差に基づいて、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号から、第2系統の搬送帯域OFDM信号を分離して、第2系統の搬送帯域OFDM信号を得る。
以下、第1系統演算部15及び第2系統演算部16の処理を詳細に説明する。
第1系統演算部15は、サンプリング部500、分離部502、乗算器504、乗算器506、ローパスフィルタ(LPF)およびシリアルパラレル(S/P)変換部508、GI除去部510、FFT部512、パラレルシリアル(P/S)変換部514、位相補正部516、及び位相補正部518を備えている。サンプリング部500は、変換手段の一例であり、乗算器504及び乗算器506は、直交復調手段の一例であり、FFT部512は、フーリエ変換手段の一例である。
サンプリング部500は、RF−IF変換部402によって中間周波数帯信号にダウンコンバージョンされた受信信号を取得する。そして、サンプリング部500は、受信信号をサンプリングして、アナログ信号である受信信号をデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する。なお、サンプリング部500が、第2系統の搬送波周波数fc2と同期したサンプリングを行うことにより、後述する分離部502で第2系統の搬送波が除去される。
分離部502は、サンプリング部500によって得られたデジタルの搬送帯域OFDM信号を、シンボル時間毎に切り出す。そして、分離部502は、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号と、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号を第2系統の搬送波の半周期の奇数倍の時間遅延させて得られた信号とを加算して、当該搬送帯域OFDM信号から、第2系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、第1系統の搬送帯域OFDM信号を得る。
図7に、分離部502の処理を説明するための説明図を示す。なお、図7には、搬送帯域OFDM信号から、第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、第2系統の搬送帯域OFDM信号を得る場合の例を示す。
第1系統の搬送波の周波数と第2系統の搬送波の周波数との周波数差を利用してOFDM信号を分離する手段は複数考えられるが、本実施の形態では、遅延素子によるフィードフォワード回路を用いる場合を例に説明する。図7に示すように、遅延素子によるフィードフォワード回路は、除去したい搬送波の位相をπ(半周期)だけ遅延させる。そして、遅延させた搬送波を、遅延させていない搬送波に加算すると逆相合成となり、除去したい信号が除去される。
一方、抽出したい搬送波の遅延素子による遅延はπ(半周期)から遠ざける必要があり、抽出の効率は2つの搬送波間の周波数差に依存する。
図8に、第1系統の搬送波の除去、第2系統の搬送波の抽出の原理を示す。図8(A)には、第1系統の搬送波が除去され、第2系統の搬送波が抽出される場合のフィードフォワード回路を示す。
図8(B)に示すように、基準となる時刻をt=0とすると、t=τ時間後に遅延素子からt=0の信号Aが出力され、t=τの信号Bと合成される。τ=1/2fc1とすると第1系統の搬送波においてはπ(半周期)だけ位相が変化していることになり、t=0の第1系統の搬送波と逆相となる。一方、第2系統の搬送波はθだけπからずれており、t=0の信号Aが出力されているとき、t=τの信号Bと合成され、合成位相と振幅位置はCとなる。このCの振幅が大きければ抽出したい第2系統搬送波のエネルギーが増加する。
また、図9に、第1系統の搬送波の周波数fc1と第2系統の搬送波の周波数fc2との比fc2/fc1を横軸とし、第2系統の搬送波の出力振幅を縦軸としたグラフを示す。
図9に示すように、第1系統の搬送波と第2系統の搬送波との比fc2/fc1が大きいほど、第2系統の搬送波の出力振幅が大きいことがわかる。
また、図10に、搬送帯域OFDM信号と、分離部によって分離された信号と、後述する各部によって出力される信号の一覧を示す。図10に示すように、搬送帯域OFDM信号から、除去対象の信号が除去され、抽出対象の信号が抽出されることがわかる。
なお、図7の回路に入力される信号がサンプリング後のデジタル信号の場合は、第1系統の搬送波の半周期分のサンプル数を遅延させれば良い。サンプリング周波数を第1系統の搬送波の偶数倍の周波数に設定すると、半周期はサンプル点と一致し逆相合成の誤差は生じない。従って、第1系統の搬送波が完全に除去される。
なお、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号から、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号を第1系統の搬送波の1周期の整数倍の時間遅延させて得られた信号を減算して、当該搬送帯域OFDM信号から、第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、第2系統の搬送帯域OFDM信号を得ることもできる。
また、上記した説明では、第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、第2系統の搬送帯域OFDM信号を得る場合の例を説明したが、第2系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、第1系統の搬送帯域OFDM信号を得る場合も同様の手順で行うことができる。
乗算器504は、分離部502によって得られた第1系統の搬送帯域OFDM信号と第1系統の搬送波の周波数fc1のコサイン波とを乗算し、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号を出力する。
乗算器506は、分離部502によって得られた第1系統の搬送帯域OFDM信号と第1系統の搬送波の周波数fc1のマイナスのサイン波とを乗算し、第1系統のQchのベースバンドOFDM信号を出力する。
乗算器504及び乗算器506の出力は、それぞれ第1系統のIch及びQchのベースバンドOFDM信号と、第1系統の搬送波の周波数の2倍の周波数2fc1の搬送帯域OFDM信号が加算された出力となる。
ローパスフィルタシリアルパラレル変換部508は、乗算器504によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号と、乗算器506によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号とから、第1系統の搬送波の周波数の2倍の周波数の信号を除去する。ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部508の入力は、ベースバンドOFDM信号と中間周波数の2倍の周波数の信号が加算された信号なので、ローパスフィルタによって中間周波数の2倍の周波数の信号が除去される。
そして、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部508は、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号を、時間軸上においてシンボル時間毎に切り出す。そして、1シンボル時間毎に送信装置10側のIFFT部で使用したIFFTのポイント数とガードインターバルのポイント数とを加算したポイント数で、1シンボルを分割する。そして、それら時間軸上のシリアルデータ列を、パラレルデータ列に変換する。なお、ここで、1シンボルを分割した1分割領域には中間周波数帯(IF帯)での複数のサンプリング値があるものとする。
GI除去部510は、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部508によって出力されたパラレルデータの第1系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号から、ガードインターバルを除去する。
第1系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号においては、それぞれIFFTのポイント数とガードインターバルのポイント数との並列入力信号があるが、その内、ガードインターバル相当分を除去し、IFFTのポイント数分だけの信号を取り出す。なお、ポイント毎にIF帯での複数のサンプリング値が存在する。
FFT部512は、GI除去部510によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のシンボル毎に、ベースバンドOFDM信号に対してフーリエ変換を行う。FFT部512によって、時間領域の信号が周波数領域の信号に変換される。実際には、ベースバンドOFDM信号の1シンボル毎にIFFTポイント数と等しいポイント数(演算サイズ)で演算が行われ、サブキャリア毎にIchとQchの振幅値が出力される。
パラレルシリアル変換部514は、FFT部512によって出力されたIch及びQchの振幅値をシリアルデータに変換する。FFT部512は各サブキャリアのIchとQchの振幅データをパラレルに出力するので、これらを時間軸上のシリアルデータ列に変換する。
位相補正部516は、パイロットシンボルの情報を利用して、パラレルシリアル変換部514によって出力されたIchの振幅データに対して位相補正を行い、補正後のデータをIchデータとして出力する。
位相補正部518は、パイロットシンボルの情報を利用して、パラレルシリアル変換部514によって出力されたQchの振幅データに対して位相補正を行い、補正後のデータをQchデータとして出力する。
受信装置20側の信号処理(分離部による処理及び直交復調処理)において、位相回転が生じ、IchとQchとのデータが混合された状態となっているため、位相補正部516及び位相補正部518によって、位相が補正される。
第2系統演算部16は、サンプリング部600、分離部602、乗算器604、乗算器606、ローパスフィルタ(LPF)およびシリアルパラレル(S/P)変換部608、GI除去部610、FFT部612、パラレルシリアル(P/S)変換部614、位相補正部616、及び位相補正部618を備えている。サンプリング部600は、変換手段の一例であり、乗算器604及び乗算器606は、直交復調手段の一例であり、FFT部612は、フーリエ変換手段の一例である。
サンプリング部600は、サンプリング部500と同様に、RF−IF変換部402によって中間周波数帯信号にダウンコンバージョンされた受信信号を取得する。そして、サンプリング部600は、受信信号をサンプリングして、アナログ信号である受信信号をデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する。なお、サンプリング部600が、第1系統の搬送波周波数fc1と同期したサンプリングを行うことにより、後述する分離部602で第1系統の搬送波が除去される。
分離部602は、分離部502と同様に、サンプリング部600によって得られたデジタルのOFDM信号を、シンボル時間毎に切り出す。そして、分離部602は、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号と、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号を第1系統の搬送波の半周期の奇数倍の時間遅延させて得られた信号とを加算して、当該OFDM信号から、第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、第2系統の搬送帯域OFDM信号を得る。
乗算器604は、乗算器504と同様に、分離部602によって得られた第2系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送波の周波数fc2のコサイン波とを乗算し、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号を出力する。
乗算器606は、乗算器506と同様に、分離部602によって得られた第2系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送波の周波数fc2のマイナスのサイン波とを乗算し、第2系統のQchのベースバンドOFDM信号を出力する。
乗算器604及び乗算器606の出力は、それぞれ第2系統のIch及びQchのベースバンドOFDM信号と、第2系統の搬送波の周波数の2倍の周波数2fc2の信号が加算された出力となる。
ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部608は、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部508と同様に、乗算器604によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号と、乗算器606によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号とから、第2系統の搬送波の周波数の2倍の周波数の信号を除去する。
そして、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部608は、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号を、時間軸上においてシンボル時間毎に切り出す。そして、1シンボル時間毎に送信装置10側のIFFT部で使用したIFFTのポイント数とガードインターバルのポイント数とを加算したポイント数で、1シンボルを分割する。そして、それら時間軸上のシリアルデータ列を、パラレルデータ列に変換する。なお、ここで、1シンボルを分割した1分割領域にはIF帯での複数のサンプリング値があるものとする。
GI除去部610は、GI除去部510と同様に、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部608によって出力されたパラレルデータの第2系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号から、ガードインターバルを除去する。
なお、ポイント毎にIF帯での複数のサンプリング値が存在する。
FFT部612は、FFT部512と同様に、GI除去部610によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のシンボル毎に、ベースバンドOFDM信号に対してフーリエ変換を行う。FFT部612によって、時間領域の信号が周波数領域の信号に変換される。実際には、ベースバンドOFDM信号の1シンボル毎にIFFTポイント数と等しいポイント数(演算サイズ)で演算が行われ、サブキャリア毎にIchとQchの振幅値が出力される。
パラレルシリアル変換部614は、パラレルシリアル変換部514と同様に、FFT部612によって出力されたIch及びQchの振幅値をシリアルデータに変換する。FFT部612は各サブキャリアのIchとQchの振幅データをパラレルに出力するので、これらを時間軸上のシリアルデータ列に変換する。
位相補正部616は、位相補正部516と同様に、パイロットシンボルの情報を利用して、パラレルシリアル変換部614によって出力されたIchの振幅データに対して位相補正を行い、補正後のデータをIchデータとして出力する。
位相補正部618は、位相補正部518と同様に、パイロットシンボルの情報を利用して、パラレルシリアル変換部614によって出力されたQchの振幅データに対して位相補正を行い、補正後のデータをQchデータとして出力する。
次に、本実施の形態に係る通信システム1の作用について説明する。送信装置10は変調処理を実行し、受信装置20は、復調処理を実行する。
まず、送信装置10が実行する変調処理について説明する。送信装置10は、第1の送信データ及び第2の送信データを含む送信データが入力されると、変調処理を実行する。
まず、1次変調マッピング部100は、第1の送信データを受け付ける。そして、1次変調マッピング部100は、第1の送信データのデータビットをIch用とQch用とに仕分けして出力する。
また、1次変調マッピング部200は、第2の送信データを受け付ける。そして、1次変調マッピング部200は、1次変調マッピング部100と同様に、第2の送信データのデータビットをIch用とQch用とに仕分けして出力する。
次に、シリアルパラレル変換部102は、1次変調マッピング部100によって出力されたIch及びQchのシリアルデータを、S/P(Serial to Parallel)変換により、IFFT部104の入力に合わせたパラレルデータに変換し、出力する。
また、シリアルパラレル変換部202は、シリアルパラレル変換部102と同様に、1次変調マッピング部200によって出力されたIch及びQchのシリアルデータを、S/P(Serial to Parallel)変換により、IFFT部204の入力に合わせたパラレルデータに変換し、出力する。
IFFT部104は、シリアルパラレル変換部102によって出力されたIch及びQchのパラレルデータに対し高速逆フーリエ変換を行い、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を生成する。
また、IFFT部204は、IFFT部104と同様に、シリアルパラレル変換部202によって出力されたIch及びQchのパラレルデータに対し高速逆フーリエ変換を行い、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を生成する。
GI挿入部106は、IFFT部104によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点に対し、1シンボル毎に、ガードインターバルを挿入する。
GI挿入部206は、GI挿入部106と同様に、IFFT部204によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点に対し、1シンボル毎に、ガードインターバルを挿入する。
Ichパラレルシリアル部108は、GI挿入部106によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を、時間軸上に時間順にシリアルデータとして並べ、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号をシリアルデータとして出力する。
Ichパラレルシリアル部208は、Ichパラレルシリアル部108と同様に、GI挿入部206によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を、時間軸上に時間順にシリアルデータとして並べ、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号をシリアルデータとして出力する。
Qchパラレルシリアル部110は、GI挿入部106によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を、時間軸上に時間順にシリアルデータとして並べ、第1系統のQchのベースバンドOFDM信号をシリアルデータとして出力する。
Qchパラレルシリアル部210は、Qchパラレルシリアル部110と同様に、GI挿入部206によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号の各サンプル点を、時間軸上に時間順にシリアルデータとして並べ、第2系統のQchのベースバンドOFDM信号をシリアルデータとして出力する。
DA変換部112は、Ichパラレルシリアル部108によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータを、アナログ信号に変換し、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号をアナログ信号として出力する。
DA変換部212は、DA変換部112と同様に、Ichパラレルシリアル部208によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータを、アナログ信号に変換し、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号をアナログ信号として出力する。
DA変換部114は、Qchパラレルシリアル部110によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータを、アナログ信号に変換し、第1系統のQchのベースバンドOFDM信号をアナログ信号として出力する。
DA変換部214は、DA変換部114と同様に、Qchパラレルシリアル部210によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のシリアルデータを、アナログ信号に変換し、第2系統のQchのベースバンドOFDM信号をアナログ信号として出力する。
直交変調部116は、DA変換部112によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号と、DA変換部114によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号と、第1系統の搬送波とから、上記式(4)に示すように、第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成する。
直交変調部216は、DA変換部212によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号と、DA変換部214によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号と、第2系統の搬送波とから、上記式(7)に示すように、第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成する。
加算器300は、直交変調部116によって生成された第1系統の搬送帯域OFDM信号と、直交変調部216によって生成された第2系統の搬送帯域OFDM信号とを、上記式(8)に示すように加算し、第1系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化して搬送帯域OFDM信号を生成する。
次に、IF−RF変換部302は、加算器300によって生成された搬送帯域OFDM信号である中間周波数帯変調信号を、高周波帯信号にアップコンバージョンする。
そして、送信部304は、IF−RF変換部302によって高周波帯信号にアップコンバージョンされた搬送帯域OFDM信号を、送信信号として送信する。
次に、受信装置20が実行する復調処理について説明する。受信装置20は、送信装置10から送信された送信信号を受信信号として受信すると、復調処理を実行する。
まず、受信部400は、送信装置10から送信された送信信号を、受信信号として受信する。
次に、RF−IF変換部402は、受信部400によって受信された高周波帯信号の受信信号を中間周波数帯信号にダウンコンバージョンする。
サンプリング部500は、RF−IF変換部402によって中間周波数帯信号にダウンコンバージョンされた受信信号を取得する。そして、サンプリング部500は、受信信号をサンプリングして、アナログ信号である受信信号をデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する。
また、サンプリング部600は、RF−IF変換部402によって中間周波数帯信号にダウンコンバージョンされた受信信号を取得する。そして、サンプリング部600は、受信信号をサンプリングして、アナログ信号である受信信号をデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する。
分離部502は、サンプリング部500によって得られたデジタルの搬送帯域OFDM信号を、シンボル時間毎に切り出す。そして、分離部502は、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号と、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号を第2系統の搬送波の半周期の整数倍の時間遅延させて得られた信号とを加算して、当該搬送帯域OFDM信号から、第2系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、第1系統の搬送帯域OFDM信号を得る。
分離部602は、サンプリング部600によって得られたデジタルの搬送帯域OFDM信号を、シンボル時間毎に切り出す。そして、分離部602は、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号と、シンボル時間毎に切り出した搬送帯域OFDM信号を第1系統の搬送波の半周期の整数倍の時間遅延させて得られた信号とを加算して、当該OFDM信号から、第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、第2系統の搬送帯域OFDM信号を得る。
次に、乗算器504は、分離部502によって得られた第1系統の搬送帯域OFDM信号と第1系統の搬送波の周波数fc1のコサイン波とを乗算し、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号を出力する。乗算器506は、分離部502によって得られた第1系統の搬送帯域OFDM信号と第1系統の搬送波の周波数fc1のマイナスのサイン波とを乗算し、第1系統のQchのベースバンドOFDM信号を出力する。
また、乗算器604は、分離部602によって得られた第2系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送波の周波数fc2のコサイン波とを乗算し、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号を出力する。乗算器606は、分離部602によって得られた第2系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送波の周波数fc2のマイナスのサイン波とを乗算し、第2系統のQchのベースバンドOFDM信号を出力する。
ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部508は、乗算器504によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号と、乗算器506によって出力された第1系統のQchのベースバンドOFDM信号とから、第1系統の搬送波の周波数の2倍の周波数の信号を除去する。
そして、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部508は、第1系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号を、時間軸上においてシンボル時間毎に切り出す。そして、1シンボル時間毎に送信装置10側のIFFT部で使用したIFFTのポイント数とガードインターバルのポイント数とを加算したポイント数で、1シンボルを分割する。そして、それら時間軸上のシリアルデータ列を、パラレルデータ列に変換する。
ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部608は、乗算器604によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号と、乗算器606によって出力された第2系統のQchのベースバンドOFDM信号とから、第2系統の搬送波の周波数の2倍の周波数の信号を除去する。
そして、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部608は、第2系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号を、時間軸上においてシンボル時間毎に切り出す。そして、1シンボル時間毎に送信装置10側のIFFT部で使用したIFFTのポイント数とガードインターバルのポイント数とを加算したポイント数で、1シンボルを分割する。そして、それら時間軸上のシリアルデータ列を、パラレルデータ列に変換する。
GI除去部510は、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部508によって出力されたパラレルデータの第1系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号から、ガードインターバルを除去する。
GI除去部610は、ローパスフィルタおよびシリアルパラレル変換部608によって出力されたパラレルデータの第2系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号から、ガードインターバルを除去する。
FFT部512は、GI除去部510によって出力された第1系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第1系統のQchのベースバンドOFDM信号のシンボル毎に、ベースバンドOFDM信号に対してフーリエ変換を行う。
FFT部612は、GI除去部610によって出力された第2系統のIchのベースバンドOFDM信号及び第2系統のQchのベースバンドOFDM信号のシンボル毎に、ベースバンドOFDM信号に対してフーリエ変換を行う。
パラレルシリアル変換部514は、FFT部512によって出力されたIch及びQchの振幅値をシリアルデータに変換する。
パラレルシリアル変換部614は、FFT部612によって出力されたIch及びQchの振幅値をシリアルデータに変換する。
位相補正部516は、パイロットシンボルの情報を利用して、パラレルシリアル変換部514によって出力されたIchの振幅データに対して位相補正を行い、補正後のデータをIchデータとして出力する。
位相補正部518は、パイロットシンボルの情報を利用して、パラレルシリアル変換部514によって出力されたQchの振幅データに対して位相補正を行い、補正後のデータをQchデータとして出力する。
位相補正部616は、パイロットシンボルの情報を利用して、パラレルシリアル変換部614によって出力されたIchの振幅データに対して位相補正を行い、補正後のデータをIchデータとして出力する。
位相補正部618は、パイロットシンボルの情報を利用して、パラレルシリアル変換部614によって出力されたQchの振幅データに対して位相補正を行い、補正後のデータをQchデータとして出力する。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る送信装置によれば、シンボル時間が等しい第1系統のベースバンドOFDM信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号と、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波とに基づいて、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように、第1系統のベースバンドOFDMと第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、かつ、第2系統のベースバンドOFDMと第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、第1系統の搬送帯域OFDM信号と第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化してOFDM信号を生成することにより、周波数の利用効率を向上させることができる。
また、第1の実施の形態に係る受信装置によれば、OFDM信号をシンボル時間毎に切り出し、第1系統の搬送波の周波数と第2系統の搬送波の周波数との周波数差に基づいて、シンボル時間毎に切り出したOFDM信号を、第1系統の搬送帯域OFDMと第2系統の搬送帯域OFDM信号とへ分離することにより、第1系統のOFDM信号のサブキャリアと第2系統のOFDM信号のサブキャリアとの間に三角関数による直交性がない場合であっても、第1系統のOFDM信号と第2系統のOFDM信号とを得ることができる。
具体的には、本実施の形態に係る通信システムでは、2つのOFDM信号を同じ周波数帯に多重して送信するため、伝送路における周波数利用効率は2倍となる。
また、周波数利用効率を2倍にする場合に、現状のトレンドであるOFDM信号の1次変調を高次化する手段と比較して、同等以上の通信品質が得られる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る通信システムについて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、受信装置20が、OFDM信号から得られた搬送帯域OFDM信号に対応するベースバンドOFDM信号の複数のサンプリング点に基づいて、フーリエ変換のポイントの各々として、ベースバンドOFDM信号の複数のサンプリング点の値の平均値を算出する平均化部を備える点が、第1の実施の形態と異なる。
(受信装置)
第2の実施の形態の受信装置の構成について説明する。図11は、第2の実施の形態の受信装置の構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、受信装置20は、受信部400、RF−IF変換部402、第1系統演算部15、及び第2系統演算部16を備えている。受信装置20は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイなどの回路(IC:Integrated Circuit)により実装される。なお、受信装置20が備える上記各機能部は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータにより実現し、CPUが、ROMに記憶されているプログラムを実行することにより、各機能部における各機能が実行されるように構成してもよい。
第2の実施の形態の第1系統演算部15は、サンプリング部500、分離部502、乗算器504、乗算器506、ローパスフィルタ(LPF)およびシリアルパラレル(S/P)変換部508、GI除去部510、平均化部511、FFT部512、パラレルシリアル(P/S)変換部514、位相補正部516、及び位相補正部518を備えている。
第2の実施の形態の第2系統演算部16は、サンプリング部600、分離部602、乗算器604、乗算器606、ローパスフィルタ(LPF)およびシリアルパラレル(S/P)変換部608、GI除去部610、平均化部611、FFT部612、パラレルシリアル(P/S)変換部614、位相補正部616、及び位相補正部618を備えている。
第2の実施の形態の受信装置20におけるサンプリング部500は、受信信号のサンプリングによりAD変換を行う際に、シンボル毎のサンプリング数を、FFT部512でのフーリエ変換の演算サイズを表すポイント数のN倍として、受信信号をサンプリングすることによりデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する。
また、サンプリング部600は、サンプリング部500と同様に、受信信号のサンプリングによりAD変換を行う際に、シンボル毎のサンプリング数を、FFT部612でのフーリエ変換の演算サイズを表すポイント数のN倍として、受信信号をサンプリングすることによりデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する。
第2の実施の形態の受信装置20における平均化部511は、シンボル毎に、サンプリング部500によって得られた搬送帯域OFDM信号から得られた搬送帯域OFDM信号に対応するベースバンドOFDM信号の複数のサンプリング点に基づいて、フーリエ変換のポイントの各々に対応させて、ベースバンドOFDM信号の複数のサンプリング点の値の平均値を算出する。
平均化部611は、平均化部511と同様に、シンボル毎に、サンプリング部600によって得られた搬送帯域OFDM信号から得られた搬送帯域OFDM信号に対応するベースバンドOFDM信号の複数のサンプリング点に基づいて、フーリエ変換のポイントの各々に対応させて、ベースバンドOFDM信号の複数のサンプリング点の値の平均値を算出する。
具体的には、平均化部511及び平均化部611は、GI除去部から出力されたデータの中で、分離部での分離処理による悪影響が生じていない複数のサンプリング点の値を平均化する。
受信信号には雑音が含まれているため、直交関係にない周波数成分を含む雑音がFFT部に入力されると、FFT部で行われるフーリエ変換の積分処理によって、雑音の影響が増大する。そのため、平均化部511によって複数のサンプリング点の値が平均化することにより、雑音の影響が低減される。
第2の実施の形態の受信装置20におけるFFT部512は、シンボル毎に、平均化部511によって得られた、フーリエ変換のポイントの各々に対応して算出されたベースバンドOFDM信号の平均値に対してフーリエ変換を行う。
FFT部612は、FFT部512と同様に、シンボル毎に、平均化部611によって得られた、フーリエ変換のポイントの各々に対応して算出されたベースバンドOFDM信号の平均値に対してフーリエ変換を行う。
なお、第2の実施の形態に係る通信システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る受信装置によれば、受信信号のサンプリングによりAD変換を行う際に、シンボル毎のサンプリング数を、フーリエ変換の演算サイズを表すポイント数のN倍として、受信信号をサンプリングすることによりデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換し、ベースバンドOFDM信号の複数のサンプリング点の値に基づいて、フーリエ変換のポイントの各々に対応して、ベースバンドOFDM信号の複数のサンプリング点の値の平均値を算出し、フーリエ変換のポイントの各々に対応して算出されたベースバンドOFDM信号の平均値に対してフーリエ変換を行うことにより、復調信号を精度よく出力することができる。
また、雑音の影響を低減させて、復調信号を出力することができる。
<実施例>
本実施の形態の実施例として、表1に示す仕様でMATLAB/Simulinkを用いてシミュレーションを行った。
1次変調は16QAMであり、その他のFFTサイズやサブキャリア数などは無線LANの使用であるIEEE802.11aに準拠した。
シミュレーションで用いた送信回路の構成は、上記図4に示した送信装置10と同様である。第1系統と第2系統の信号処理はサブブキャリアの配置を変えない場合は、直交変調器の直前までは全く同一の信号処理を行い、直交変調器に入力する搬送波周波数のみを上記式(1)に示す関係式に設定する。
図12に、シミュレーションによって得られたOFDM信号の多重前のスペクトラムを示す。図12(A)は、第1系統のOFDM信号を表し、図12(B)は、第2系統のOFDM信号を表す。図13は、多重前のスペクトラムの拡大図で、両者は周波数軸上で0.125MHzずれた関係となっている。
次に、図14に多重後のスペクトラムを示す。サブキャリアの本数が2倍となり、帯域幅は変わらず、サブキャリア間隔が半分となっていることがわかる。以上より、OFDM信号の多重化が良好であることが確認される。
次に、受信側のシミュレーション結果を示す。シミュレーションで用いた受信回路の構成は、上記図6に示した受信装置と同様である。図6中の分離部には、上記図8(A)の構成を用いた。
図15は、分離後の第1系統のスペクトラムであり、図15(A)は第1系統のスペクトラム全体を表し、図15(B)は第1系統のスペクトラムの拡大図を表している。また、図16は第2系統のスペクトラムであり、図16(A)は第2系統のスペクトラム全体を表し、図16(B)は第2系統のスペクトラムの拡大図を表している。両系統とも適切に分離抽出されていることが分かる。
図17に、分離後に復調した信号のコンスタレーションを示す。第1系統及び第2系統ともに、良好に再生されたことが分かる。
次に、上記のシミュレーションとは異なる条件下で行った第2のシミュレーションの結果を示す。第2のシミュレーションは、表2に示す仕様でシミュレーションを行った。なお、上記式(1)におけるnは、n=26とした。
図18に、(A)多重前のOFDM信号と(B)多重後のOFDM信号とを示す。図18に示すように、第1系統のOFDM信号と第2系統のOFDM信号とが多重されていることがわかる。
次に、シミュレーションから得られた誤り率特性の測定結果を図19に示す。なお、測定点は10万点とした。
図19では、1次変調が16QAMと256QAMのOFDM信号と1次変調が16QAMで多重化を行ったOFDM信号の誤り率特性を同一グラフに示している。16QAMと多重化16QAMは同一データレートで、多重化の方は占有周波数帯域幅が半分となっている。対して誤り率では、無線通信の許容誤り率である10−3で3dBの劣化が見られる。また256QAMと多重化16QAMは周波数利用効率が同等となっている。周波数利用効率が同等だが、256QAMの方が約10dB劣化していることから、256QAMよりも誤り率特性が優れているといえる。
次に、本発明の実施の形態の効果について説明する。以下に示す表3は、本発明の実施の形態の効果を整理したものである。

注)変調次数が1bit増加する毎に約3dBのCNR劣化を生じる。一方、本実施の形態の技術のCNR劣化は1次変調の次数に依存しない。
上記表3に示すように、基準となる1次変調を16QAM(4bit)とすると、従来技術で周波数利用効率を2倍にするには1シンボル当たり8bitである256QAM変調を使用することになり、CNR劣化は12dBとなる。これと比較して本発明の実施の形態におけるCNR劣化3dBはCNR換算で9dB優位になる。これは通信距離換算で3倍に相当する。
さらに、基準となる1次変調を64QAM(6bit)とすると、従来技術で周波数利用効率を2倍にするには1シンボル当たり12bitである4096QAM変調を使用することになり、CNR劣化は18dBとなり、本実施の形態の技術のCNR劣化3dBはCNR換算で15dB改善されることになり、大幅に優位になることが分かる。これは通信距離換算で6倍に相当する。
さらに具体的な効果を挙げると、4Kテレビ放送で検討されている1シンボル当たり8bitの256QAM変調と同等の情報レートを1シンボル当たり4bitの16QAM変調を多重することで実現でき、4Kテレビ放送でありながら現状の64QAM変調の2Kテレビ放送よりも高品質なサービスで提供できると考えられる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上記実施の形態では、通信システムは無線通信を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、光通信、有線通信に用いられる通信システムに適用してもよい。
また、上記実施の形態では、直交変調の処理において、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波に基づいて搬送帯域OFDM信号を生成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、送信装置は、図20に示すように、第1系統演算部11と第2系統演算部12とにおいて、直交変調部116及び直交変調部216の処理では同一の周波数fの搬送波を用いて搬送帯域OFDM信号を生成し、IF−RF変換部118及びIF−RF変換部218での中間周波数帯におけるアップコンバージョンのための乗算において、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、第1系統のOFDM信号と第2系統のOFDM信号との多重として、上記図1及び上記図5を例に説明したが、これに限定されるものではなく、周波数の異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波を用いて、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、重ならないような多重であれば、どのような多重であってもよい。そのため、第1系統の搬送波の周波数と、第2系統の搬送波の周波数とは、上記式(1)に限定されるものではなく、第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、重ならないような多重であれば、どのような多重であってもよい。
1 通信システム
10 送信装置
11 第1系統演算部
12 第2系統演算部
15 第1系統演算部
16 第2系統演算部
20 受信装置
116 直交変調部
118 変換部
216 直交変調部
218 変換部
300 加算器
304 送信部
400 受信部
500 サンプリング部
502 分離部
504 乗算器
506 乗算器
511 平均化部
512 FFT部
600 サンプリング部
602 分離部
604 乗算器
606 乗算器
611 平均化部
612 FFT部

Claims (11)

  1. 送信データから、シンボル時間が等しい第1系統のベースバンドOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号を生成し、
    前記第1系統のベースバンドOFDM信号及び第2系統のベースバンドOFDM信号と、周波数が異なる第1系統の搬送波及び第2系統の搬送波とに基づいて、
    前記第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々と前記第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々とが、搬送波周波数帯域の周波数軸上において交互に配置されるように、前記第1系統のベースバンドOFDMと前記第1系統の搬送波とから第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、かつ、前記第2系統のベースバンドOFDMと前記第2系統の搬送波とから第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、
    前記第1系統の搬送帯域OFDM信号と前記第2系統の搬送帯域OFDM信号とを多重化してOFDM信号を生成する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された前記OFDM信号を送信信号として送信する送信手段と、
    を含む送信装置。
  2. 前記第1系統の搬送波と前記第2系統の搬送波との周波数差が、シンボル時間の逆数を表すシンボルレートの1/2倍の奇数倍となるように予め設定され、
    前記生成手段は、前記第1系統のベースバンドOFDM信号と前記第1系統の搬送波とを乗算して、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、
    前記第2系統のベースバンドOFDM信号と前記第2系統の搬送波とを乗算して、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成し、
    前記第1系統の搬送帯域OFDM信号と前記第2系統の搬送帯域OFDM信号とを加算して、前記OFDM信号を生成する
    請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記第1系統のOFDM信号のサブキャリアの各々の周波数は、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を生成する際に前記第1系統の搬送波の周波数よりも高くなるように予め設定され、
    前記第2系統のOFDM信号のサブキャリアの各々の周波数は、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を生成する際に前記第2系統の搬送波の周波数よりも低くなるように予め設定される
    請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の送信装置によって送信された前記送信信号を受信信号として受信する受信手段と、
    前記受信手段によって受信された前記受信信号をAD(Analog-to-digital)変換することによりデジタルの搬送帯域OFDM信号へ変換する変換手段と、
    前記変換手段によって得られた前記デジタルの搬送帯域OFDM信号を、前記シンボル時間毎に切り出し、前記第1系統の搬送波の周波数と前記第2系統の搬送波の周波数との周波数差に基づいて、前記シンボル時間毎に切り出した前記OFDM信号を、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号と前記第2系統の搬送帯域OFDM信号とへ分離する分離手段と、
    を含む受信装置。
  5. 前記分離手段は、前記OFDM信号と、前記OFDM信号を前記第1系統の搬送波の半周期の奇数倍の時間遅延させて得られた信号とを加算して、前記OFDM信号から、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を得る
    請求項4に記載の受信装置。
  6. 前記分離手段は、前記OFDM信号と、前記OFDM信号を前記第2系統の搬送波の半周期の奇数倍の時間遅延させて得られた信号とを加算して、前記OFDM信号から、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を得る
    請求項4に記載の受信装置。
  7. 前記分離手段は、前記OFDM信号から、前記OFDM信号を前記第1系統の搬送波の1周期の整数倍の時間遅延させて得られた信号を減算して、前記OFDM信号から、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を得る
    請求項4に記載の受信装置。
  8. 前記分離手段は、前記OFDM信号から、前記OFDM信号を前記第2系統の搬送波の1周期の整数倍の時間遅延させて得られた信号を減算して、前記OFDM信号から、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号を除去して、前記第1系統の搬送帯域OFDM信号を得る
    請求項4に記載の受信装置。
  9. 前記分離手段によって得られた前記第1系統の搬送帯域OFDM信号から、前記第1系統のベースバンドOFDM信号を生成し、前記第2系統の搬送帯域OFDM信号から、前記第2系統のベースバンドOFDM信号を生成する直交復調手段と、
    前記直交復調手段によって生成されたベースバンドOFDM信号のシンボル毎に、前記ベースバンドOFDM信号に対してフーリエ変換を行うフーリエ変換手段と、を更に含む
    請求項4に記載の受信装置。
  10. 平均化手段を更に含み、
    前記変換手段は、前記受信手段によって受信された前記受信信号のサンプリングによりAD(Analog-to-digital)変換を行う際に、シンボル毎のサンプリング数を、フーリエ変換の演算サイズを表すポイント数のN倍として、前記受信信号をサンプリングすることによりデジタルの前記搬送帯域OFDM信号へ変換し、
    前記平均化手段は、シンボル毎に、前記フーリエ変換手段の各ポイントに対応する前記ベースバンドOFDM信号に含まれる複数のサンプリング点の値の平均値を算出し、
    前記フーリエ変換手段は、前記シンボル毎に、前記平均化手段によって得られた、前記フーリエ変換のポイントの各々について算出された前記ベースバンドOFDM信号の平均値に対してフーリエ変換を行う
    請求項9に記載の受信装置。
  11. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の送信装置と、
    請求項4〜請求項10の何れか1項に記載の受信装置と、
    を含む通信システム。
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