JP2017130761A - 放射線撮像装置及び放射線撮像システム - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線撮像装置に入射する放射線の線量を、より高い精度で検出する技術を提供する。【解決手段】放射線撮像装置は、放射線を電気信号に変換する変換素子及びスイッチ素子を含む検出部と、スイッチ素子を介して検出部から出力される電気信号の量に応じた第1の信号を生成する読出部104と、読出部から出力される第1の信号を処理する信号処理部105bと、スイッチ素子を制御する制御部とを有する。放射線が照射される間、制御部はスイッチ素子を間欠的に導通させ、電気信号を転送する転送動作を繰り返し、1回の転送動作において変換素子に蓄積された電気信号の一部が読出部に転送される。信号処理部は、変換素子に蓄積された電気信号の一部が転送されることによって読出部で生成された第1の信号を、変換素子に蓄積された電気信号に対応する第2の信号に補正し、第2の信号に基づいて検出部に入射した線量を取得する。【選択図】図7
Description
本発明は、放射線撮像装置及び放射線撮像システムに関する。
放射線を電気信号に変換する変換素子と薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチ素子とを組み合わせた画素が2次元アレイ状に配された画素アレイを含む放射線撮像装置が、広く利用されている。こうした放射線撮像装置において、放射線の照射中、放射線撮像装置に入射する放射線の線量を検出し、入射した累計の線量が目標線量に達した場合、放射線の照射を停止させる自動露出制御(AEC)機能が知られている。特許文献1には、放射線を検出する検出領域に画像用の画素と、入射する線量を検出する検出用の画素とを含む複数の画素をマトリクス状に設けた放射線撮像装置が示されている。
放射線の照射中、検出用の画素は、スイッチ素子が導通状態になることによって、変換素子で放射線から変換された電気信号を変換素子から出力する転送動作を繰り返す。入射する線量を検出する精度を高めるために短い周期で転送動作を繰り返すと、スイッチ素子の導通時間が短くなり、変換素子に電気信号が残留してしまい、かえって線量の検出の精度が低下する可能性がある。
本発明は、放射線撮像装置に入射する放射線の線量を、より高い精度で検出する技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の一部の実施形態に係る放射線撮像装置は、放射線画像を取得するための放射線撮像装置であって、放射線を電気信号に変換する変換素子及び変換素子に蓄積された電気信号を転送するスイッチ素子を含む検出部と、スイッチ素子を介して検出部から出力される電気信号の量に応じた第1の信号を生成する読出部と、読出部から出力される第1の信号を処理する信号処理部と、スイッチ素子を制御する制御部と、を含み、放射線撮像装置に放射線が照射される間、制御部は、スイッチ素子を間欠的に導通させ、電気信号を転送する転送動作を繰り返し、1回の転送動作において、変換素子に蓄積された電気信号の一部が、読出部に転送され、読出部は、転送動作ごとに第1の信号を生成し、信号処理部が、変換素子に蓄積された電気信号の一部が転送されることによって読出部で生成された第1の信号を、変換素子に蓄積された電気信号に対応する第2の信号に補正し、第2の信号に基づいて検出部に入射した線量を取得することを特徴とする。
上記手段によって、放射線撮像装置に入射する放射線の線量を、より高い精度で検出する技術が提供される。
以下、本発明に係る放射線撮像装置の具体的な実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面において、複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付している。そのため、複数の図面を相互に参照して共通する構成を説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。なお、本発明における放射線には、放射線崩壊によって放出される粒子(光子を含む)の作るビームであるα線、β線、γ線などの他に、同程度以上のエネルギーを有するビーム、例えばX線や粒子線、宇宙線なども含みうる。
第1の実施形態
図1〜6を参照して、本発明の一部の実施形態による放射線撮像装置について説明する。図1に、本発明の第1の実施形態における放射線撮像装置101を用いた放射線撮像システム150の構成例を示す。放射線撮像システム150は、撮像部100、放射線発生装置110及び制御システム120を含む。撮像部100は、放射線撮像装置101、通信部108及びバッテリ109を含む。放射線撮像装置101は、画素アレイ102、駆動部103、読出部104、信号処理部105、電源部106及び制御部107を含む。通信部108は、撮像部100の外部の装置、例えば制御システム120との通信を行う。図1の構成では、無線によって通信する例を示すが、有線で通信してもよい。バッテリ109は、電源部106に接続され、放射線撮像装置101に電源を供給する。また、バッテリ109は、通信部108に電源を供給してもよい。例えば、バッテリ109は、放射線撮像装置101に含まれる各構成の何れかを介して通信部108に電源を供給してもよい。放射線撮像装置101の各構成については後述する。撮像部100のサイズは、例えばフィルムカセッテと同様のサイズであってもよく、従来のフィルムカセッテに対応した装置を改造せずに組み込むことができる。また、撮像部の重量は、例えば可搬可能な3kg程度であってもよく、病室などに持ち運び使用することが可能である。
図1〜6を参照して、本発明の一部の実施形態による放射線撮像装置について説明する。図1に、本発明の第1の実施形態における放射線撮像装置101を用いた放射線撮像システム150の構成例を示す。放射線撮像システム150は、撮像部100、放射線発生装置110及び制御システム120を含む。撮像部100は、放射線撮像装置101、通信部108及びバッテリ109を含む。放射線撮像装置101は、画素アレイ102、駆動部103、読出部104、信号処理部105、電源部106及び制御部107を含む。通信部108は、撮像部100の外部の装置、例えば制御システム120との通信を行う。図1の構成では、無線によって通信する例を示すが、有線で通信してもよい。バッテリ109は、電源部106に接続され、放射線撮像装置101に電源を供給する。また、バッテリ109は、通信部108に電源を供給してもよい。例えば、バッテリ109は、放射線撮像装置101に含まれる各構成の何れかを介して通信部108に電源を供給してもよい。放射線撮像装置101の各構成については後述する。撮像部100のサイズは、例えばフィルムカセッテと同様のサイズであってもよく、従来のフィルムカセッテに対応した装置を改造せずに組み込むことができる。また、撮像部の重量は、例えば可搬可能な3kg程度であってもよく、病室などに持ち運び使用することが可能である。
放射線発生装置110は、放射線源である管球111、放射線制御部112及び曝射スイッチ113を含む。制御システム120は、コンピュータ121、ディスプレイ122及び撮像部100の通信部108と通信を行う通信部123を含む。コンピュータ121は、撮像部100及び放射線発生装置110の動作を制御する機能や、ディスプレイ122の画面の制御機能、撮像部100から取得した放射線画像を生成するための画像信号の信号処理を行う機能を有する。また例えば、コンピュータ121は、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)などの病院内のネットワークと撮像に関連する情報を、通信部123を介して送受信する機能を有していてもよい。これらの機能は、ソフトウエア上で実現してもよいし、専用のICやプログラム可能なICを用いてハードウエア的に実現してもよい。
以上のような構成を有する放射線撮像システム150において、曝射スイッチ113が押されると、放射線制御部112は、コンピュータ121の制御のもと、管球111の放射線照射の開始および終了を制御する。管球111は、被写体を介して放射線撮像装置101に放射線を照射する。放射線撮像装置101は、入射した放射線に応じた画像信号を生成し、通信部108、123を介して制御システム120のコンピュータ121に送信する。コンピュータ121は、画像信号を処理し、ディスプレイ122に表示する。撮像部100と制御システム120との関係は、図1に示すように1対1の関係であってもよいし、1対多、多対1、多対多の関係であってもよい。
図2は、図1の放射線撮像装置101の構成例を示す図である。画素アレイ102は、撮像領域を構成し、放射線画像を取得するための複数の画素が2次元行列状に配される。画素アレイ102に配されるそれぞれの画素には、変換素子Sとスイッチ素子Tとが含まれる。変換素子Sは、放射線を直接、電気信号に変換する直接型の素子であってもよい。また、変換素子Sは、画素アレイ102に更にシンチレータを含み、変換素子Sは、シンチレータと、放射線がシンチレータに吸収されることによって生成された光を電気信号に変換する光電変換素子と、を含む間接型の素子であってもよい。スイッチ素子Tには、例えば薄膜トランジスタ(TFT)が用いられる。本実施形態において、放射線撮像装置101がシンチレータを備え、シンチレータで放射線から変換された光を電気信号に変換する間接型の変換素子Sを用いる例を示す。光電変換を行う変換素子S11〜33は、n型半導体とp型半導体とを組み合わせたフォトダイオードであり、光電変換素子のn型半導体側の電極とスイッチ素子T11〜33のソース電極とが、それぞれ接続される。ゲート線Vg1は、第1行の画素のスイッチ素子T11、12、13のゲートに接続される。同様に、ゲート線Vg2は、第2行の画素のスイッチ素子T21、22、23のゲートに接続され、ゲート線Vg3は、第3行の画素のスイッチ素子T31、32、33のゲートに接続される。駆動部103は、信号D−CLK、DIO及びOEに従ってゲート線Vg1〜3の電圧を順次ハイレベルに制御する。ここで、信号D−CLKは、制御部107から駆動部103に送られるクロック信号である。信号DIOは、駆動部103によって電圧Vonを印加するゲート線Vgを選択するための信号である。信号OEは、信号OEがハイレベルの場合、信号DIOによって選択されたゲート線Vgに電圧Vonを印加するための信号である。信号線Sig1は、第1列のスイッチ素子T11、21、31のドレインに接続される。同様に、信号線Sig2は、第2列のスイッチ素子T12、22、32のドレインに接続され、信号線Sig3は、第3列のスイッチ素子T13、23、33のドレインに接続される。ゲート線Vg1〜3の電圧がそれぞれハイレベルになると、スイッチ素子T11〜33は、それぞれ導通(オン動作)し、変換素子S11〜33で生成、蓄積された電気信号をそれぞれ信号線Sig1〜3に転送する。換言すると、制御部107は、信号D−CLK、DIO及びOEを用いてスイッチ素子T11〜33を制御する。
読出部104は、列アンプ201、マルチプレクサ202、サンプルホールドアンプ203及びアナログデジタル変換器(ADC)204を含む。それぞれの列アンプ201a〜cは、それぞれの画素から信号線Sig1〜3に出力された電気信号である電荷を電圧に変換して増幅する。列アンプ201aは、信号線Sig1の電荷を電圧に変換し、変換素子S11、21、31及び列アンプ201aのリセット時のノイズに起因する信号NS1を出力する。また、列アンプ201aは、変換素子S11、21、31及び列アンプ201aの非リセット時の画素からの信号を含む信号CS1をサンプルホールドして出力する。同様に、列アンプ201bは、信号線Sig2の電荷を電圧に変換し、変換素子S12、22、32及び列アンプ201bのリセット時の信号NS2と変換素子S12、22、32及び列アンプ201bの非リセット時の信号CS1とをサンプルホールドして出力する。また、列アンプ201cは、Sig3の電荷を電圧に変換し、変換素子S13、23、33及び列アンプ201cのリセット時の号N3と変換素子S13、23、33及び列アンプ201cの非リセット時の信号CS3とをサンプルホールドして出力する。マルチプレクサ202は、列アンプ201が出力する信号NS及び信号CSを順次選択して出力する。サンプルホールドアンプ203は、マルチプレクサ202によって出力された信号CS及び信号NSの差分処理を行い、ノイズの影響が低減された信号を出力する。ADC204は、サンプルホールドアンプ203によって出力された信号をアナログからデジタルに変換し、信号ADC−OUTを信号処理部105へ出力する。読出部104の動作は、制御部107からのクロック信号である信号AD−CLKによってタイミング制御される。
変換素子S11〜33は、一端がそれぞれスイッチ素子T11〜33に接続され、他端が電源部106から供給される電圧Vsのノードに接続される。電源部106は、電圧Von及び電圧Voffを駆動部103に供給する。電圧Vonは、スイッチ素子T11〜33を導通(オン動作)させるためにゲート線Vg1〜3に供給される上述のハイレベルの電圧である。電圧Voffは、スイッチ素子T11〜33を非導通(オフ動作)にするためにゲート線Vg1〜3に供給される電圧である。電圧Voffは、例えば0V(接地電圧)であってもよい。また、電源部106は、電圧VDD−Drvを駆動部103に供給し、電圧VDD−Digitalを信号処理部105及び制御部107に供給し、電圧VDD−Analogを読出部104に供給する。また、電源部106は、電圧Vrefを列アンプ201に供給する。
信号処理部105は、画像処理部206とAEC処理部205とを含み、読出部104から出力される信号ADC−OUTを処理し、通信部108を介して制御システム120に出力する。画像処理部206は、放射線画像を取得するため画像信号の生成する処理を行う。また、画像処理部206は、例えば放射線画像を生成する処理の際に使用する補正用のデータを記憶するメモリ(不図示)を備えていてもよい。AEC処理部205は、放射線の照射中、放射線撮像装置に入射する放射線の線量をモニタし、入射した累計の線量が目標線量に達した場合、放射線の照射を停止させる自動露出制御(AEC)のための処理を行う。AEC処理部205での処理については、後述する。
制御部107は、駆動部103、読出部104、信号処理部105、通信部108を、それぞれ制御する。
図3は、列アンプ201の構成例を示す回路図である。列アンプ201は、積分アンプ301、抵抗RLPF、スイッチSW_CDS1、SW_CDS2及び容量Csh1、Csh2を含む。スイッチSW_CDS1及び容量Csh1、スイッチSW_CDS2及び容量Csh2は、それぞれサンプルホールド回路を構成する。積分アンプ301は、差動アンプ302、スイッチSW_RST、SW_CF1、SW_CF2及び帰還容量Cf1、Cf2を有する。差動アンプ302は、正入力端子が電圧Vrefのノードに接続され、負入力端子が信号線Sigに接続される。リセットスイッチSW_RSTは、差動アンプ302の負入力端子及び出力端子間に接続される。帰還容量Cf1及びスイッチSW_CF1の直列接続回路は、差動アンプ302の負入力端子及び出力端子間に接続される。同様に、帰還容量Cf2及びスイッチSW_CF2の直列接続回路は、差動アンプ302の負入力端子及び出力端子間に接続される。制御部107から入力する信号CF1によってスイッチSW_CF1が導通すると、帰還容量Cf1は、差動アンプ302の負入力端子及び出力端子に接続される。同様に、制御部107から入力する信号CF2によりスイッチSW_CF2が導通すると、帰還容量Cf2は、差動アンプ302の負入力端子及び出力端子に接続される。積分アンプ301は、信号線Sigに画素から出力された電気信号である電荷を蓄積する際、スイッチSW_CF1及びスイッチSW_CF2の少なくとも何れかが導通し、接続された帰還容量Cf1及び/又はCf2によって、電荷を電圧に変換して増幅する。接続された帰還容量Cf1及び/又はCf2の容量値によって積分アンプ301のゲインが決定される。リセットスイッチSW_RSTは、制御信号RSTによって導通すると、帰還容量Cf1及びCf2に蓄積された電荷をリセットする。スイッチSW_RST、SW_CF1及びSW_CF2が導通することによって、帰還容量Cf1及びCf2の両端の電圧が基準電圧Vrefと同じになり、リセットされる。本実施形態において、積分アンプ301は、帰還容量Cfを2つ備えることによって2種類のゲインを設定できるが、例えば3つ以上の帰還容量Cfを備えていてもよい。また例えば、帰還容量Cfは1つのみで、ゲインの設定が1種類であってもよい。
積分アンプ301の出力端子に接続される抵抗RLPFは、その後段に接続されるサンプルホールド回路と組み合わせて、積分アンプ301の出力ノイズを減ずるローパスフィルタとして機能する。抵抗RLPFは、複数の抵抗値を設定できる可変抵抗によって構成される。抵抗RLPFの抵抗値は、制御部107から入力する信号LPFによって、適宜選択される。スイッチSW_CDS1、SW_CDS2及び容量Csh1、Csh2を含むサンプルホールド回路は、相関2重サンプリングを行うためのサンプルホールド回路である。変換素子S11〜33及び積分アンプ301のリセット時に、スイッチSW_CDS1を導通することにより、積分アンプ301が出力するノイズに起因する信号NSを容量Csh1に書き込む。その後に、スイッチSW_CDS1をオフすることによって容量Csh1の信号NSを保持する。また、変換素子S11〜33及び積分アンプ301の非リセット時に、スイッチSW_CDS2を導通することによって、積分アンプ301が出力する画素からの信号を含む信号CSを容量Csh2に書き込む。その後、スイッチSW_CDS2をオフすることによって容量Csh2の信号CSを保持する。容量Csh1の信号NS及び容量Csh2の信号CSは、マルチプレクサ202の後段に配されるサンプルホールドアンプ203によって差分処理され、ノイズが除去された信号が生成される。
次いで、放射線撮像装置101の駆動方法について、図4に示すタイミング図を用いて説明する。放射線撮像システム150において、放射線画像を取得するために、放射線撮像装置101は、アイドリング動作、蓄積動作及び読出し動作の3つの動作を行う。
アイドリング動作は、放射線撮像装置101に電源が投入された後、画素アレイ102のそれぞれの画素を安定化させるための動作である。アイドリング動作を行う期間は、画素の構成によって適宜調整すればよい。例えば、アイドリング動作の期間は10秒程度であってもよい。アイドリング動作の期間中、図4に示すように、ゲート線Vg1〜3に電圧Vonを印加し、スイッチ素子T11〜33を導通させ、暗電流によって変換素子S11〜33に蓄積される電気信号を除去する。この動作によって、放射線画像に対する暗電流の影響が抑制される。また、アイドリング動作の期間中、撮像画像を読み出す必要はないため、例えば読出部104が電力消費を抑制するモードであってもよい。このモードにおいて、列アンプ201の積分アンプ301は、制御部107からの信号RSTによってリセットされてもよい。リセットすることによって、入力オフセット電流によって積分アンプ301の出力がドリフトすることを抑制できる。
アイドリング動作の後、放射線撮像装置101は、蓄積動作を行う。蓄積動作は、被写体を介して放射線を放射線撮像装置101に照射し、放射線画像を取得するために放射線から変換された電気信号を蓄積する動作である。放射線画像を取得するために、画素アレイ102のそれぞれの画素のスイッチ素子Tを非導通(オフ動作)にする。これによって、放射線の照射によって変換素子Sで生成された電気信号が、変換素子Sに蓄積する。アイドリング動作から蓄積動作へは、医師や放射線技師などの作業者が曝射スイッチ113を押すことによって遷移する。
放射線が放射線撮像装置101に照射される間、AECを行うために、放射線撮像装置101は、放射線撮像装置101の入射する放射線の線量をモニタする必要がある。線量をモニタするため、制御部107は、ゲート線Vg2に電圧Vonを印加し、スイッチ素子T21、22、23が導通することによって変換素子S21、22、23に蓄積された電気信号を読出部104に転送する転送動作を行う。つまり、変換素子S21、22、23及びスイッチ素子T21、22、23をそれぞれ含む画素は、入射する放射線の線量を取得するための検出部として用いられる。放射線の照射中、制御部107は、駆動部103がゲート線Vg2に間欠的に電圧Vonを印加するように制御し、スイッチ素子T21、22、23は、これに応じて転送動作を繰り返す。検出部の変換素子Sから読出部104に転送された電気信号は、読出部104によって転送された電気信号の量に応じた第1の信号に変換され信号ADC−OUTとして信号処理部105に出力される。
蓄積動作中の読出部104の具体的な動作について説明する。読出部104は、検出部(本実施形態において変換素子S21、22、23及びスイッチ素子T21、22、23をそれぞれ含む画素。)において、生成された電気信号が転送される前に、まず信号RSTによって、積分アンプ301をリセットする。次いで、制御部107は、信号CDS1をハイレベルにすることよってスイッチSW_CDS1を導通し、容量Csh1にノイズに起因する信号NSを書き込む。信号NSの書き込み後、制御部107は、信号CDS1をローレベル(スイッチSW_CDS1を非導通)にし、次いでゲート線Vg2に電圧Vonを印加する。この動作によって、変換素子S21、22、23から読出部104の列アンプ201a〜cの積分アンプ301のそれぞれに電気信号が転送される。その後、制御部107は、信号CDS2をハイレベルにすることによって、スイッチSW_CDS2を導通する。この動作によって、信号RSTによって積分アンプ301がリセットされてから信号CDS2がローレベルになるまでに変換素子S21、22、23から転送された電気信号に起因する信号CSが、容量Csh2に書き込まれる。このとき、信号CF1及び信号CF2の少なくとも何れかがハイレベルになり、適宜ゲインが調整される。信号CDS1、2によって容量Csh1、Csh2にサンプルホールドされた信号NS、CSは、マルチプレクサ202及びサンプルホールドアンプ203を経由し、上述の相関2重サンプリングによって差分処理された信号が、ADC204に出力される。画素と信号線Sigとの間には、寄生容量Cpが画素ごとに存在する。図2では、変換素子S23とスイッチ素子T23とを含む画素と信号線Sig3との間にのみ寄生容量Cpが示されているが、実際にはすべての画素に存在する。放射線の照射中に画素に電気信号が蓄積されると、寄生容量Cpを介してクロストーク信号がそれぞれの画素から信号線Sigへ流れ、検出部から出力される信号に加算される。このクロストーク信号によって、線量を取得する際の誤差が大きくなる可能性がある。このクロストーク信号を、相関2重サンプリングを行うことによって抑制することができる。
ADC204に入力された信号は、アナログ値からデジタル値に変換され信号ADC−OUTとして出力され、信号処理部105のAEC処理部205に入力される。蓄積動作中、読出部104は、スイッチ素子T21、22、23によって転送動作が行われるごとに、上述のような動作を行い、読出部104に転送された電気信号の量に応じた第1の信号として信号ADC−OUTを生成し、AEC処理部205に出力する。AEC処理部205は、この信号ADC−OUTを補正した第2の信号を生成する。第1の信号である信号ADC−OUTを第2の信号に補正する方法については後述する。この信号ADC−OUTを補正した第2の信号に基づいて、放射線撮像装置101の検出部に入射した放射線の線量が取得される。AEC処理部205は、例えば第2の信号の値を積分することによって、放射線撮像装置101の検出部に入射した放射線の合計の線量を取得してもよい。AEC処理部205は、取得された線量を基に、入射した線量の合計が所望の線量となっているか逐次監視し、所望の線量となったときに通信部108、123を介して制御システム120に照射停止信号を送信する。制御システム120は、照射停止信号に基づいて、放射線発生装置110に対して放射線の照射を停止させる信号を送り、管球111は放射線の照射を終了する。第2の信号の値の積分や、照射停止信号の生成は、AEC処理部205ではなく、例えば制御システム120のコンピュータ121で行ってもよい。この場合、AEC処理部205によって生成された第2の信号が、放射線撮像装置101から通信部108、123を介して制御システム120のコンピュータ121に送られてもよい。
放射線の照射の終了と同期して、放射線撮像装置101は、蓄積動作から読出し動作に遷移する。読出し動作は、放射線画像を取得するために、蓄積動作中、それぞれの画素の変換素子S11〜33で蓄積された電気信号を、画素アレイ102から読出部104に順次、スイッチ素子T11〜33を導通させることによって転送する動作である。読み出された電気信号は、読出部104の列アンプ201、マルチプレクサ202、サンプルホールドアンプ203及びADC204によって、上述の蓄積動作での電気信号の処理と同様の処理をされる。それぞれの画素から出力された電気信号の量に応じて生成された信号ADC−OUTが、読出部104のADC204から出力される。読出し動作において、信号ADC−OUTは、画像処理部206に送られ、画像処理部206は、放射線画像を生成するための画像信号の生成を行う。生成された画像信号は、制御システム120に送られる。画像信号は、コンピュータ121で処理され、放射線画像としてディスプレイ122に表示される。また、この放射線画像のデータは、例えばコンピュータ121のハードディスクや光学ディスクなどに保存されてもよいし、例えばHISを介して放射線撮像システム150を使用する部屋とは別の、例えば診察室などのディスプレイに表示されてもよい。
次に、蓄積動作中に放射線撮像装置101に入射する放射線の線量を取得するためのAEC処理部205での補正処理について説明する。図4において、ゲート線Vgに電圧Vonを印加しスイッチ素子Tを導通(オン動作)させることによって、変換素子Sに蓄積された電気信号を読出部104に転送する転送動作の動作時間が、蓄積動作と読出し動作とで同じ長さで示されている。しかしながら、放射線画像撮像において、変換素子Sに蓄積された電気信号を読出部104に転送する転送動作の動作時間は、読出し動作のときよりも蓄積動作のときの方が短くなりうる。例えば、線量取得の精度を高め、被写体に対する過剰な放射線の曝射を避けるために、転送動作の動作時間を短くし、繰り返し検出素子Sから電気信号を読み出す必要がある。また、図4では1つのゲート線Vg2にすべての検出部が接続されている。しかしながら、複数のゲート線Vgにそれぞれ接続された検出部を用いる場合、それぞれの検出部からの電気信号を走査して読み出すためには、1つのゲート線Vgあたりの転送動作の動作時間を短くする必要がある。また例えば、小児など被写体が薄い場合や、管球から放射される線量が多い条件で撮像を行う場合など、放射線を照射する時間自体が短くなる可能性がある。電気信号を変換素子から読出部104に転送する転送動作において、転送動作の動作時間が短くなった場合、変換素子Sに蓄積された電気信号を全て転送することが難しくなりうる。つまり、1回の転送動作において、変換素子Sに蓄積された電気信号の一部が、読出部104に転送されることとなる。
変換素子Sから出力される電気信号の量は、変換素子Sの容量Cとスイッチ素子TのON抵抗Rとによって決まるCR時定数τに依存しうる。変換素子Sに蓄積された電気信号のうち、スイッチ素子Tが導通状態(オン動作状態)になってから時間t後までに変換素子Sから出力される電気信号の割合(出力能力)は、以下の式(1)で表される。
出力能力[%]=100×(1−exp(−t/τ))・・・(1)
放射線撮像装置101に入射する放射線の線量を取得する際、時間tが十分に確保できない場合、式(1)から分かる通り、変換素子Sから出力される電気信号の割合が低くなる。このため、変換素子Sに電気信号が残留し、読出部に読み出された電気信号に応じた信号を用いて検出部に入射した線量を取得した場合、線量取得の精度が低下する可能性がある。
出力能力[%]=100×(1−exp(−t/τ))・・・(1)
放射線撮像装置101に入射する放射線の線量を取得する際、時間tが十分に確保できない場合、式(1)から分かる通り、変換素子Sから出力される電気信号の割合が低くなる。このため、変換素子Sに電気信号が残留し、読出部に読み出された電気信号に応じた信号を用いて検出部に入射した線量を取得した場合、線量取得の精度が低下する可能性がある。
1つの検出部において、蓄積動作中にn回の転送動作を行う場合を考える。n−1回目とn回目との転送動作の間に変換素子Sによって放射線から変換され、変換素子Sに蓄積される電気信号をxnとする。例えば、x1は、蓄積動作が始まり、1回目の転送動作をするまでに生成、蓄積される電気信号、x2は、1回目と2回目との転送動作の間に生成、蓄積される電気信号を示す。また、転送動作の前に変換素子Sに蓄積された電気信号に対して、1回の転送動作の後に変換素子Sに残留した電気信号を示す割合を割合Rとする。例えば、割合Rが0の場合、1回の転送動作によって、変換素子Sに蓄積された電気信号のすべてが変換素子Sから読出部104に転送される。また例えば、割合Rが0.6の場合、1回の転送動作によって、変換素子Sに蓄積された電気信号のうち4割の電気信号が変換素子Sから読出部104に転送され、6割の電気信号が変換素子Sに残留する。割合Rは、1回の転送動作の動作時間において、スイッチ素子Tが変換素子Sから電気信号を読出部104に信号線Sigを介して転送する効率、スイッチ素子の電気信号転送能力に基づいているといえる。n回目の転送動作の後に、変換素子Sに残る電気信号の量は、この割合Rを用いて以下のように表すことができる。
1回目の転送後 x1R・・・(2)
2回目の転送後 (x1R+x2)R=x1R2+x2R・・・(3)
3回目の転送後 (x3+(x1R+x2)R)R=x1R3+x2R2+x3R・・・(4)
4回目の転送後 (x4+(x3+(x1R+x2)R)R)R=x1R4+x2R3+x3R2+x4R・・・(5)
n回目の転送後 x1Rn+x2Rn−1+・・・+xn−1R2+xnR・・・(6)
2回目の転送後 (x1R+x2)R=x1R2+x2R・・・(3)
3回目の転送後 (x3+(x1R+x2)R)R=x1R3+x2R2+x3R・・・(4)
4回目の転送後 (x4+(x3+(x1R+x2)R)R)R=x1R4+x2R3+x3R2+x4R・・・(5)
n回目の転送後 x1Rn+x2Rn−1+・・・+xn−1R2+xnR・・・(6)
以上の式から、転送動作後に残留する電気信号の量は、割合Rと転送動作を行った回数とに関係することが分かる。一方、n回目の転送動作によって、読出部104に読み出される電気信号量dnは、以下のように表すことができる。
1回目の転送動作
d1=x1(1−R)・・・(7)
x1=d1/(1−R)・・・(8)
2回目の転送動作
d2=(x2+x1R)(1−R)
=(x2+d1R/(1−R))(1−R)
=x2(1−R)+d1R・・・(9)
x2=(d2−d1R)/(1−R)・・・(10)
3回目の転送動作
d3=(x3+x1R2+x2R)(1−R)
=x3(1−R)+d1R2+(D2−D1R)R・・・(11)
=x3(1−R)+d2R
x3=(d3−d2R)/(1−R)・・・(12)
4回目の転送動作
d4=(x4+x1R3+x2R+x3)(1−R)
=x4(1−R)+d1R3+(D2−D1R)R2+(D3−D2R)R
=x4(1−R)+d3R・・・(13)
x4=(d4−d3R)/(1−R)・・・(14)
n回目の転送動作
dn=xn(1−R)+dn−1R・・・(15)
xn=(dn−dn−1R)/(1−R)・・・(16)
d1=x1(1−R)・・・(7)
x1=d1/(1−R)・・・(8)
2回目の転送動作
d2=(x2+x1R)(1−R)
=(x2+d1R/(1−R))(1−R)
=x2(1−R)+d1R・・・(9)
x2=(d2−d1R)/(1−R)・・・(10)
3回目の転送動作
d3=(x3+x1R2+x2R)(1−R)
=x3(1−R)+d1R2+(D2−D1R)R・・・(11)
=x3(1−R)+d2R
x3=(d3−d2R)/(1−R)・・・(12)
4回目の転送動作
d4=(x4+x1R3+x2R+x3)(1−R)
=x4(1−R)+d1R3+(D2−D1R)R2+(D3−D2R)R
=x4(1−R)+d3R・・・(13)
x4=(d4−d3R)/(1−R)・・・(14)
n回目の転送動作
dn=xn(1−R)+dn−1R・・・(15)
xn=(dn−dn−1R)/(1−R)・・・(16)
以上の式から、n回目の転送動作によって読出部104に転送された電気信号の量から、n−1回目とn回目との転送動作の間に変換素子Sに蓄積される電気信号の量であるxnを得ることができる。
ここで、読出部104から出力される信号ADC−OUTは、読出部104に入力する電気信号の量に応じた信号のため、n回目の転送動作によって生成される信号ADC−OUTの信号の信号値を信号値Dn(例えば、dn∝Dn)とする。この信号値Dnから、スイッチ素子Tが1回の転送動作の動作時間で電気信号を転送する効率を示す割合Rを補正係数として用いることによって、n−1回目とn回目との転送動作の間、変換素子Sに蓄積される電気信号xnに応じた第2の信号の信号値Xnを取得できる。補正式は、式(8)及び(16)より、以下の式となる。
n=1のとき、X1=D1/(1−R)・・・(17)
n>1のとき、Xn=(Dn−Dn−1R)/(1−R)・・・(18)
式(17)、(18)に記述される補正式に従って、AEC処理部205が、変換素子Sに蓄積された電気信号の一部が転送されることによって読出部104で生成された信号ADC−OUTを、変換素子に蓄積された電気信号に対応する第2の信号に補正する。
n=1のとき、X1=D1/(1−R)・・・(17)
n>1のとき、Xn=(Dn−Dn−1R)/(1−R)・・・(18)
式(17)、(18)に記述される補正式に従って、AEC処理部205が、変換素子Sに蓄積された電気信号の一部が転送されることによって読出部104で生成された信号ADC−OUTを、変換素子に蓄積された電気信号に対応する第2の信号に補正する。
AEC処理部205は、蓄積動作中に、まず1回目の転送動作によって生成された信号ADC−OUTの信号値D1に対し、割合Rを補正係数として用い、蓄積動作の開始から1回目の転送動作の終了までに蓄積された電気信号に応じた信号値X1に補正する。転送動作は、上述の通り繰り返し、複数回行われる。このため、次に、2回目以降の転送動作によって生成された信号ADC−OUTのうち、注目回に生成された信号の信号値Dnを、注目回よりも前の回の信号の信号値D及び割合Rを用いて補正する。具体的には、AEC処理部205は、注目回の1回前に生成された信号の信号値Dn−1及び補正係数として割合Rを用いて注目回の信号値Dnを補正する。これによって、注目回の1回前の転送動作の終了から注目回の転送動作の終了までに蓄積された電気信号に応じた注目回の第2の信号の信号値Xnが生成される。AEC処理部205が、第1の信号である信号ADC−OUTの信号値Dnに対してこれらの補正を行い、生成された第2の信号の信号値Xnに基づいて、放射線撮像装置101の検出部に入射した放射線の線量を取得する。補正によって、転送動作の動作時間が短く、蓄積された電気信号がすべて転送できない場合であっても、スイッチ素子Tの電気信号転送能力に起因する誤差成分を抑制し、AECの線量検出の精度を向上させることが可能となる。
本実施形態では、簡単のために画素アレイ102に3×3の画素及び検出部が並ぶ例を示したが、本発明が適用される画素アレイの画素数はこれに限定されるものではない。例えば、2000×2000画素であっても実施可能である。また、放射線の照射中に放射線の線量を取得するための検出部は、本実施形態のように3つに限られることはなく、1つ以上であればよい。また、配置される位置も、図2に示すように行方向に並ぶだけでなく、被写体の配置や構成に応じて、適宜配置すればよい。
放射線撮像装置101が検出部を複数含む場合、補正係数に用いる割合Rは、検出部のスイッチ素子Tのそれぞれに応じたものを用いてもよい。スイッチ素子Tごとに、それぞれのスイッチ素子Tの電気信号の転送の効率に応じた割合Rを適用することによって、入射する線量をより高精度に取得することが可能となる。また、検出部の接続されるゲート線Vgは、1つに限られるものではない。例えば、複数のゲート線Vgのそれぞれに1つ以上の検出部が接続され、複数のゲート線Vgを走査することによって、蓄積動作中に入射する放射線の線量を取得してもよい。
また、図2に示す構成の放射線撮像装置101のように放射線画像を取得するための画素が検出部を兼ねていてもよい。この場合、検出部を兼ねる画素において放射線画像を生成するための信号は、蓄積動作中に検出部から出力された信号ADC−OUTを積分したものと、読出し動作によって出力された信号ADC−OUTとを足し合わせたものを用いてもよい。また例えば、信号ADC−OUTを補正した信号と読出し動作によって出力された信号ADC−OUTとを足し合わせてもよい。また、検出部を兼ねる画素と近接する画素からの信号を用いて、放射線画像を生成するための信号を補正してもよい。これらの補正は、例えば画像処理部206によって行われる。
また例えば、画素アレイ102の1つの画素の配される領域に、2つの変換素子Sとスイッチ素子Tとが配され、一方は放射線画像を取得するための画素、他方は検出部として用いてもよい。この場合、変換素子Sの大きさが、他の放射線画像取得用の画素よりも小さくなり、蓄積される電気信号の量が減少するが、例えば画像処理部206が、信号ADC−OUTに対して変換素子Sの大きさに応じた補正を行ってもよい。また例えば、変換素子Sの大きさに応じて、列アンプ201の積分アンプ301でゲインを調整してもよい。
また例えば、図5に示す画素アレイ102bの構成ように、放射線の線量を検出する検出部を、放射線画像を取得するための画素とは異なる専用の検出部としてもよい。図5に示す構成の場合、変換素子S13及びスイッチ素子T13を含む検出部が、AECのために用いられ、専用のゲート線Vg0によって動作が制御される。図6に、図5の構成を有する放射線撮像装置101の駆動方法のタイミング図を示す。図6に示すように、蓄積動作中、ゲート線Vg0に電圧Vonが間欠的に印加され、入射する放射線から変換された電気信号が変換素子S13から読出部104にスイッチ素子T13及び信号線Sig3を介して繰り返し転送される。一方、蓄積動作中、他のゲート線Vg1〜3には電圧Vonが印加されず、変換素子Sに放射線の入射によって生成される電気信号を蓄積する。また、読出し動作時にゲート線Vg0に電圧Vonは供給されず、検出部から放射線画像を生成するための信号が出力されない。この場合、放射線画像を生成する際に、例えば画像処理部206が、検出部に近接する画素から出力された信号を用いて、検出部の位置の放射線画像用の信号を生成すればよい。これによって、放射線画像を取得するための信号を出力しない検出部がある場合でも、放射線画像の画質の低下を抑制できる。
補正係数となる割合Rは、例えば放射線撮像装置101の出荷前に行う検査工程によって取得してもよい。この場合、取得した割合Rは、AEC処理部205のメモリ207に記憶させておいてもよい。メモリ207に記憶された割合Rを用いて、AEC処理部205が信号ADC−OUTを補正する。また、放射線撮像装置101が割合Rを取得する機能を有し、定期的に検査を行いメモリ207に割合Rを記憶させてもよい。また例えば、放射線撮像装置101が割合Rを取得する機能を有する場合、アイドリング動作中に割合Rを取得してもよい。蓄積動作を行う直前に割合Rを取得することによって、割合Rを用いた補正の精度が向上しうる。
放射線撮像装置101で割合Rを取得する方法として、管球111から被写体を介さずに放射線撮像装置101に放射線を照射し蓄積動作を行った後、転送動作を行う。このとき得られた信号ADC−OUTの信号値と、管球111から照射された放射線の線量に対して検出部で生成される電気信号量から読出部104によって変換され、出力される放射線撮像装置101の信号値の設計値とを比較する。この比較結果から、割合Rを取得してもよい。
また、放射線を照射せずに放射線撮像装置101で割合Rを取得してもよい。まず、電源部106から変換素子Sに印加するバイアス電圧として電圧Vsとして電圧Vs1を供給し、割合Rを取得する検出部(画素)において蓄積動作を行った後、転送動作を1回行う。このとき得られた信号ADC−OUTの信号値を信号値DVS1とする。次いで、電源部106から電圧Vsとして電圧Vs1とは異なる電圧Vs2を供給し、割合Rを取得する検出部(画素)において蓄積動作を行った後、転送動作を1回行う。このとき得られた信号ADC−OUTの信号値を信号値DVS2とする。電圧Vs1と電圧Vs2とは互いに異なる電圧のため、変換素子Sに蓄積される電気信号量が異なり、信号値DVS1と信号値DVS2とは、異なる値を有する。これらの信号値DVS1、DVS2を、電圧Vs1及び電圧Vs2を供給したときに蓄積される電気信号量からADC204で変換されて出力される放射線撮像装置101の設計値の信号値XVS1、XVS2と比較する。信号値DVS1及び信号値DVS2の差分と、信号値XVS1及び信号値XVS2の差分とを比較することによって、割合Rを取得することができる。例えば、信号値DVS1及び信号値DVS2の差分を信号値XVS1及び信号値XVS2の差分で除することによって割合Rを導出できる。
第2の実施形態
図7、8を参照して、本発明の一部の実施形態による放射線撮像装置について説明する。図7に、本発明の第2の実施形態における放射線撮像装置101の信号処理部105bの構成例を示す。信号処理部105b以外の放射線撮像装置101及び放射線撮像システム150の構成は、上述の第1の実施形態と同様であってもよい。
図7、8を参照して、本発明の一部の実施形態による放射線撮像装置について説明する。図7に、本発明の第2の実施形態における放射線撮像装置101の信号処理部105bの構成例を示す。信号処理部105b以外の放射線撮像装置101及び放射線撮像システム150の構成は、上述の第1の実施形態と同様であってもよい。
本実施形態において、信号処理部105bは、温度センサ701と接続されている。温度センサ701は、放射線撮像装置101の装置内、画素アレイ102に配され、放射線撮像装置101内の温度を計測する。例えば、温度センサ701は、画素アレイ102の所定の領域ごとに配されてもよい。一般に、アモルファスシリコンを用いたTFTは、温度に対する特性の変化が大きく、低温になるほどON抵抗Rが大きくなる傾向がある。このため、TFTを用いるスイッチ素子Tは、温度によって電気信号を転送する効率が変化し、割合Rが変化しうる。結果として、補正係数となる割合Rが一定の場合、放射線撮像装置101の動作時の温度によって、過剰な補正や不十分な補正となってしまう可能性がある。そこで、放射線撮像装置101に入射する線量の取得の精度を向上するために、温度センサ701から温度情報に応じて補正係数となる割合Rを用いてAEC処理部205は、読出部104から出力される信号ADC−OUTを補正する。
信号処理部105bのAEC処理部205は、メモリ207、補正係数選択部703、AEC信号補正部702及び線量判断部704を含む。メモリ207は、画素アレイ102に配された検出部の温度に応じた複数の割合Rを記憶する。画素アレイ102に検出部が複数配される場合、メモリ207は、画素アレイ102の所定の領域ごと、又は、検出部ごとに温度に応じた複数の割合Rを記憶していてもよい。補正係数選択部703は、温度センサ701から入力される温度情報に応じて、メモリ207から補正係数に用いる割合Rを選択する。
画素アレイ102に配されるそれぞれの検出部(画素)のスイッチ素子Tは、個々に電気信号の転送の効率や温度に対する特性のばらつきを含みうる。例えば図8に示す補正係数の例のように、検出部ごとに、温度に対する割合Rをメモリ207が記憶し、これらの割合Rを用いてAEC処理部205が補正を行ってもよい。
画素アレイ102に検出部が複数配される場合、補正係数選択部703が、制御部107から画素アレイ102を駆動する駆動部103に出力される信号D−CLK、信号DIO及び信号OEに従って割合Rを選択してもよい。制御部107からの信号DIO、OEによって、画素アレイ102から電気信号を転送する検出部が選択され、転送動作が行われる。検出部の配された画素アレイ102の領域によって、動作中の温度が変化しうる。このため、補正係数選択部703に信号D−CLK、DIO、OEが入力され、検出部の配置位置の温度に応じた割合Rを用いて信号ADC−OUTを補正することによって、放射線撮像装置101の検出部に入射する線量の取得の精度を高めることができる。
補正係数選択部703によって温度情報や検出部の位置情報を用いて選択された割合Rは、AEC信号補正部702に転送される。AEC信号補正部702は、第1の信号である信号ADC−OUTの信号値Dnを、上述の式(17)、(18)に示される補正式に従って第2の信号の信号値Xnに補正する。この第2の信号の信号値Xnに基づいて線量判断部704は、上述のように放射線撮像装置101の検出部に入射した放射線の線量を取得する。また、取得された線量を基に、入射した線量の合計が所望の線量となっているか逐次監視し、所望の線量となった場合、制御システム120に対して照射停止信号を送信する。
また例えば、メモリ207は、転送動作の動作時間に応じた複数の割合Rを記憶していてもよい。例えば、転送動作の動作時間が長くなると、転送動作の前に変換素子Sに蓄積された電気信号に対して、1回の転送動作の動作時間の経過後に変換素子Sに残留する電気信号は減り、割合Rの値は小さくなる。このため、転送動作の動作時間に応じた割合Rを用いて補正することによって、入射する線量の取得の精度を向上させることが可能となる。また、メモリ207が動作時間に応じて複数の割合Rを記憶する場合、画像処理部206において、放射線画像の画像信号を生成する際に、信号ADC−OUTに対して割合Rを用いて補正を行ってもよい。読出し動作での転送動作の動作時間は、蓄積動作と比較して長く、補正の効果は小さくなりうるが、生成される放射線画像の画質が向上しうる。
以上、本発明に係る実施形態を2形態示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上述した各実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。
101:放射線撮像装置、104:読出部、105:信号処理部、S11〜33:変換素子、T11〜33:スイッチ素子
Claims (13)
- 放射線画像を取得するための放射線撮像装置であって、
放射線を電気信号に変換する変換素子及び前記変換素子に蓄積された電気信号を転送するスイッチ素子を含む検出部と、前記スイッチ素子を介して前記検出部から出力される電気信号の量に応じた第1の信号を生成する読出部と、前記読出部から出力される前記第1の信号を処理する信号処理部と、前記スイッチ素子を制御する制御部と、を含み、
前記放射線撮像装置に放射線が照射される間、
前記制御部は、前記スイッチ素子を間欠的に導通させ、電気信号を転送する転送動作を繰り返し、
1回の前記転送動作において、前記変換素子に蓄積された電気信号の一部が、前記読出部に転送され、
前記読出部は、前記転送動作ごとに前記第1の信号を生成し、
前記信号処理部が、前記変換素子に蓄積された電気信号の一部が転送されることによって前記読出部で生成された前記第1の信号を、前記変換素子に蓄積された電気信号に対応する第2の信号に補正し、前記第2の信号に基づいて前記検出部に入射した線量を取得することを特徴とする放射線撮像装置。 - 前記信号処理部が、前記変換素子に蓄積された電気信号に対して、1回の前記転送動作の後に前記変換素子に残留した電気信号の割合を示す補正係数を用いて前記第1の信号を前記第2の信号に補正することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
- 前記転送動作が複数回行なわれ、
前記信号処理部が、複数の前記第1の信号のうち注目回に生成された第1の信号を、前記注目回よりも前の回に生成された第1の信号と前記補正係数とを用いて、前記注目回の第2の信号に補正することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮像装置。 - 前記信号処理部は、n回目の前記転送動作によって前記読出部が生成した前記第1の信号をDn、前記補正係数をR、前記第2の信号をXnとしたとき、
n=1のとき、X1=D1/(1−R)
n>1のとき、Xn=(Dn−Dn−1R)/(1−R)
で記述される補正式に従って、前記第1の信号を前記第2の信号に補正することを特徴とする請求項2又は3に記載の放射線撮像装置。 - 前記信号処理部は、前記補正係数を記憶したメモリを含み、前記メモリに記憶した前記補正係数を用いて前記第1の信号を前記第2の信号に補正することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記放射線撮像装置は、前記放射線撮像装置の温度を計測する温度センサを更に含み、
前記メモリは、複数の温度に応じた複数の前記補正係数を記憶し、
前記信号処理部は、前記温度の情報に従って、複数の前記補正係数のうち温度に応じた補正係数を用いて前記第1の信号を前記第2の信号に補正することを特徴とする請求項5に記載の放射線撮像装置。 - 前記メモリは、前記転送動作を行う動作時間に応じた複数の前記補正係数を記憶し、
前記信号処理部は、複数の前記補正係数のうち前記動作時間に応じた補正係数を用いて前記第1の信号を前記第2の信号に補正することを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線撮像装置。 - 前記放射線撮像装置は、前記検出部を複数含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記信号処理部は、前記検出部を複数含み、複数の前記検出部それぞれに応じた前記補正係数を用いて前記第1の信号を前記第2の信号に補正することを特徴とする請求項2乃至7の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 前記放射線撮像装置は、放射線画像を取得するための複数の画素の配された撮像領域を備え、
前記検出部が前記撮像領域に配されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記複数の画素の何れかが、前記検出部を兼ねることを特徴とする請求項10に記載の放射線撮像装置。
- 前記変換素子は、放射線を光に変換するシンチレータと、前記光を前記電気信号に変換する光電変換素子と、を含むことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
- 請求項1乃至12の何れか1項に記載の放射線撮像装置と、
放射線を照射する放射線源と、を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
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