JP2017124607A - 液体吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
Description
このような液体の増粘現象に対する対策の1つとして、液体吐出ヘッドに供給するインクを循環経路に沿って循環させる方法が知られている。特許文献1には、吐出口が形成された部材と発熱抵抗体が形成された基板との間に形成された流路内の液体を循環させることで、吐出口からの液体蒸発に伴う吐出口の目詰まりを抑制する液体吐出ヘッドが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の液体吐出ヘッドでは、このような吐出不良については考慮されていない。したがって、休止後1発目の液体吐出の際に発生する吐出不良により、画質の劣化を招くおそれがある。
そこで、本発明の目的は、より高精細で高品位な画像形成が可能な液体吐出ヘッドを提供することである。
本実施形態は、インク等の液体をタンクと液体吐出ヘッド間で循環させる形態のインクジェット記録装置(記録装置)であるが、その他の形態であっても良い。例えばインクを循環せずに、液体吐出ヘッド上流側と下流側に2つのタンクを設け、一方のタンクから他方のタンクへインクを流すことで、圧力室内のインクを流動させる形態であっても良い。
また本実施形態は被記録媒体の幅に対応した長さを有する、所謂ライン型(ページワイド型)ヘッドであるが、被記録媒体に対してスキャンを行いながら記録を行う、所謂シリアル型の液体吐出ヘッドにも本発明を適用できる。シリアル型の液体吐出ヘッドとしては、例えばブラックインク用、およびカラーインク用記録素子基板を各1つずつ搭載する構成があげられるが、これに限られるものではない。数個の記録素子基板を吐出口列方向に吐出口をオーバーラップさせるよう配置した、被記録媒体の幅よりも短い、短尺のラインヘッドを作成し、それを被記録媒体に対してスキャンさせる形態のものであっても良い。
(インクジェット記録装置の説明)
本発明の、液体を吐出する装置、特にはインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置1000(以下、記録装置とも称す)の概略構成を図1に示す。記録装置1000は被記録媒体2を搬送する搬送部1、被記録媒体の搬送方向と略直交して配置されるライン型の液体吐出ヘッド3とを備え、複数の被記録媒体2を連続もしくは間欠に搬送しながら1パスで連続記録を行うライン型記録装置である。被記録媒体2はカット紙に限らず、連続したロール紙であってもよい。液体吐出ヘッド3はCMYKインクによる(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)フルカラー印刷が可能である。液体吐出ヘッド3には、後述するように液体を液体吐出ヘッドへ供給する供給路である液体供給手段、メインタンクおよびバッファタンク(図2参照)が流体的に接続される。また、液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。吐出ヘッド3内における液体経路及び電気信号経路については後述する。
図2は、本実施形態の記録装置に適用される循環経路の1形態である第1の循環経路を示す模式図である。図2には、液体吐出ヘッド3を、第1循環ポンプ(高圧側)1001、第1循環ポンプ(低圧側)1002、及びバッファタンク1003等に流体的に接続した図が示されている。なお図2では、説明を簡略化するためにCMYKインクの内の一色のインクが流動する経路のみを示しているが、実際には4色分の循環経路が、液体吐出ヘッド3及び記録装置本体に設けられる。メインタンク1006と接続される、サブタンクとしてのバッファタンク1003はタンク内部と外部とを連通する大気連通口(不図示)を有し、インク中の気泡を外部に排出することが可能である。バッファタンク1003は、補充ポンプ1005とも接続されている。補充ポンプ1005は、インクを吐出しての記録や吸引回復等、液体吐出ヘッドの吐出口からインクを吐出(排出)することによって液体吐出ヘッド3で液体が消費された際に、消費されたインク分をメインタンク1006からバッファタンク1003へ移送する。
2つの第1循環ポンプ1001,1002は、液体吐出ヘッド3の液体接続部111から液体を引き出してバッファタンク1003へ流す役割を有する。第1循環ポンプとしては定量的な送液能力を有する容積型ポンプが好ましい。具体的にはチューブポンプ、ギアポンプ、ダイヤフラムポンプ、シリンジポンプ等が挙げられるが、例えば一般的な定流量弁やリリーフ弁をポンプ出口に配して一定流量を確保する形態であっても用いることが出来る。液体吐出ユニット300の駆動時には第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002によって、それぞれ共通供給経路211、共通回収流路212内をある一定量のインクが流れる。この流量としては、液体吐出ヘッド3内の各記録素子基板10間の温度差が、記録画質に影響しない程度以上に設定することが好ましい。もっとも、あまりに大きな流量を設定すると、液体吐出ユニット300内の流路の圧損の影響により、各記録素子基板10で負圧差が大きくなり過ぎて画像の濃度ムラが生じてしまう。そのため、各記録素子基板10間の温度差と負圧差を考慮しながら、流量を設定することが好ましい。
このようにして、液体吐出ユニット300では、共通供給流路211及び共通回収流路212内をそれぞれ通過するように液体を流しつつ、一部の液体が各記録素子基板10内を通過するような流れが発生する。このため、各記録素子基板10で発生する熱を共通供給流路211および共通回収流路212の流れで記録素子基板10の外部へ排出することが出来る。またこのような構成により、液体吐出ヘッド3による記録を行っている際に、記録を行っていない吐出口や圧力室においてもインクの流れを生じさせることが出来るので、その部位におけるインクの増粘を抑制できる。また増粘したインクやインク中の異物を共通回収流路212へと排出することができる。このため、本実施形態の液体吐出ヘッド3は、高速で高画質な記録が可能となる。
図3は、本実施形態の記録装置に適用される循環経路のうち、上述した第1の循環経路とは異なる循環形態である第2の循環経路を示す模式図である。前述の第1の循環経路との主な相違点は、負圧制御ユニット230を構成する2つの圧力調整機構が共に、負圧制御ユニット230よりも上流側の圧力を、所望の設定圧を中心として一定範囲内の変動で制御する機構であることである。この機構は、所謂「背圧レギュレーター」と同作用の機構部品である。また、他の相違点は、第2循環ポンプ1004が負圧制御ユニット230の下流側を減圧する負圧源として作用するものであることである。さらに、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002が液体吐出ヘッド上流側に配置され、負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド下流側に配置されていることも相違点である。
第2の循環経路において負圧制御ユニット230は、次のように作動する。即ち、液体吐出ヘッド3により記録を行う際の記録Dutyの変化によって生じる流量の変動があっても、自身の上流側(即ち液体吐出ユニット300側)の圧力変動を、予め設定された圧力を中心として一定範囲内に安定にするように作動する。図3に示すように、第2循環ポンプ1004によって、液体供給ユニット220を介して負圧制御ユニット230の下流側を加圧することが好ましい。このようにすると液体吐出ヘッド3に対するバッファタンク1003の水頭圧の影響を抑制できるので、記録装置1000におけるバッファタンク1003のレイアウトの選択幅を広げることができる。第2循環ポンプ1004の代わりに、例えば負圧制御ユニット230に対して所定の水頭差をもって配置された水頭タンクであっても適用可能である。
1つ目の利点は、第2循環経路では負圧制御ユニット230が液体吐出ヘッド3の下流側に配置されているので、負圧制御ユニット230から発生するゴミや異物がヘッドへ流入する懸念が少ないことである。2つ目の利点は、第2の循環経路では、バッファタンク1003から液体吐出ヘッド3へ供給する必要流量の最大値が、第1の循環経路の場合よりも少なくて済むことである。その理由は次の通りである。記録待機時に循環している場合の、共通供給流路211及び共通回収流路212内の流量の合計をAとする。Aの値は、記録待機中に液体吐出ヘッド3の温度調整を行う場合に、液体吐出ユニット300内の温度差を所望の範囲内にするために必要な、最小限の流量として定義される。また液体吐出ユニット300の全ての吐出口からインクを吐出する場合(全吐時)の吐出流量をFと定義する。そうすると、第1循環経路の場合(図2)では、第1循環ポンプ(高圧側)1001及び第1循環ポンプ(低圧側)1002の設定流量がAとなるので、全吐時に必要な液体吐出ヘッド3への液体供給量の最大値はA+Fとなる。
しかしながら一方で、第1循環経路の方が、第2循環経路に対して有利になる点もある。すなわち、第2循環経路では、記録待機時に液体吐出ユニット300内を流れる流量が最大であるため、記録Dutyの低い画像であるほど、各ノズルに高い負圧が印加された状態となる。このため、特に共通供給流路211及び共通回収流路212の流路幅(液体の流れ方向と直交する方向の長さ)を小さくしてヘッド幅(液体吐出ヘッドの短手方向の長さ)を小さくした場合、サテライト滴の影響が大きくなる恐れがある。これは、ムラの見えやすい低Duty画像でノズルに高い負圧が印加されるためである。一方、第1循環経路の場合、高い負圧がノズルに印加されるのは高Duty画像形成時であるため、仮にサテライトが発生しても視認されにくく、画像への影響は小さいという利点がある。2つの循環経路の選択は、液体吐出ヘッドおよび記録装置本体の仕様(吐出流量F、最小循環流量A、及びヘッド内流路抵抗)に照らして、好ましい選択を採ることができる。
第1の実施形態に係る液体吐出ヘッド3の構成について説明する。図4(a)及び図4(b)は本実施形態に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は1つの記録素子基板10でC/M/Y/Kの4色のインクを吐出可能な記録素子基板10を直線状に15個配列(インラインに配置)されるライン型の液体吐出ヘッドである。図4(a)に示すように、液体吐出ヘッド3には各記録素子基板10と、フレキシブル配線基板40および電気配線基板90を介して電気的に接続された信号入力端子91と電力供給端子92を備える。信号入力端子91及び電力供給端子92は記録装置1000の制御部と電気的に接続され、それぞれ、吐出駆動信号及び吐出に必要な電力を記録素子基板10に供給する。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号出力端子91及び電力供給端子92の数を記録素子基板10の数に比べて少なくできる。これにより、記録装置1000に対して液体吐出ヘッド3を組み付ける時又は液体吐出ヘッドの交換時に取り外しが必要な電気接続部数が少なくて済む。図4(b)に示すように、液体吐出ヘッド3の両端部に設けられた液体接続部111は、記録装置1000の液体供給系と接続される。これによりCMYK4色のインクが記録装置1000の供給系から液体吐出ヘッド3に供給され、また液体吐出ヘッド3内を通ったインクが記録装置1000の供給系へ回収されるようになっている。このように各色のインクは、記録装置1000の経路と液体吐出ヘッド3の経路を介して循環可能である。
液体吐出ユニット300は、複数の吐出モジュール200、流路部材210からなり、液体吐出ユニット300の被記録媒体側の面にはカバー部材130が取り付けられる。ここで、カバー部材130は図5に示したように、長尺の開口131が設けられた額縁状の表面を持つ部材であり、開口131からは吐出モジュール200に含まれる記録素子基板10及び封止材部110(図9)が露出している。開口131の周囲の枠部は、記録待機時に液体吐出ヘッド3をキャップするキャップ部材の当接面としての機能を有する。このため、開口131の周囲に沿って接着剤、封止材、充填材等を塗布し、液体吐出ユニット300の吐出口面上の凹凸や隙間を埋めることで、キャップ時に閉空間が形成されるようにすることが好ましい。
図9(a)に1つの吐出モジュール200の斜視図を、図9(b)にその分解図を示す。吐出モジュール200の製造方法としては、まず記録素子基板10及びフレキシブル配線基板40を、予め液体連通口31が設けられた支持部材30上に接着する。その後、記録素子基板10上の端子16と、フレキシブル配線基板40上の端子41とをワイヤーボンディングによって電気接続し、その後にワイヤーボンディング部(電気接続部)を封止材110で覆って封止する。フレキシブル配線基板40の記録素子基板10と反対側の端子42は、電気配線基板90の接続端子93(図5参照)と電気接続される。支持部材30は、記録素子基板10を支持する支持体であるとともに、記録素子基板10と流路部材210とを流体的に連通させる流路部材である為、平面度が高く、また十分に高い信頼性をもって記録素子基板と接合できるものが好ましい。材質としては例えばアルミナや樹脂材料が好ましい。
本実施形態における記録素子基板10の構成について説明する。図10(a)は記録素子基板10の吐出口13が形成される側の面の平面図を示し、図10(b)は図10(a)のAで示した部分の拡大図を示し、図10(c)は図10(a)の裏面の平面図を示す。図10(a)に示すように、記録素子基板10の吐出口形成部材12に、各インク色に対応する4列の吐出口列が形成されている。なお、以後、複数の吐出口13が配列される吐出口列が延びる方向を「吐出口列方向」と呼称する。
図10(b)に示すように、各吐出口13に対応した位置には液体を熱エネルギーにより発泡させるための発熱素子である記録素子15が配置されている。隔壁22により、記録素子15を内部に備える圧力室23が区画されている。記録素子15は記録素子基板10に設けられる電気配線(不図示)によって、図10(a)の端子16と電気的に接続されている。記録素子15は、記録装置1000の制御回路から電気配線基板90(図5)及びフレキシブル配線基板40(図9)を介して入力されるパルス信号に基づいて発熱して液体を沸騰させる。この沸騰による発泡の力で液体を吐出口13から吐出する。図10(b)に示すように、各吐出口列に沿って、一方の側には液体供給路18が、他方の側には液体回収路19が延在している。液体供給路18及び液体回収路19は記録素子基板10に設けられた吐出口列方向に伸びた流路であり、それぞれ供給口17a、回収口17bを介して吐出口13と連通している。
図10(b)に示すように、記録素子基板10には、第1および第2の吐出口列が並列し、夫々の吐出口列に対応して、第1および第2の圧力室列が形成されている。また第1および第2の圧力室列の夫々に対応して、複数の供給口17aが配列される供給口列、複数の回収口17bが配列される回収口列、液体供給路18、液体回収路19が設けられている。供給口17aおよび回収口17bの夫々は、基板11の記録素子15が設けられる面に対して交差する方向に延在している。本実施形態においては、夫々の吐出口列に対して、液体供給路18と液体回収路19とが交互に並列して設けられている。また、供給口列、回収口列、液体供給路18、液体回収路19の夫々は、吐出口列の延在方向に沿って延在している。
図12は、隣り合う2つの吐出モジュールにおける、記録素子基板の隣接部を部分的に拡大して示す平面図である。図10に示すように、本実施形態では外形形状が略平行四辺形の記録素子基板を用いている。図12に示すように各記録素子基板10における吐出口13が配列される各吐出口列(14a〜14d)は、被記録媒体の搬送方向に対し一定角度傾くように配置されている。それによって記録素子基板10同士の隣接部における吐出列は、少なくとも1つの吐出口が被記録媒体の搬送方向にオーバーラップするようになっている。図12では、D線上の2つの吐出口が互いにオーバーラップ関係にある。このような配置によって、仮に記録素子基板10の位置が所定位置から多少ずれた場合でも、オーバーラップする吐出口の駆動制御によって、記録画像の黒スジや白抜けを目立たなくするようにすることができる。複数の記録素子基板10を千鳥配置ではなく直線状(インライン)に配置した場合にも、図12の構成により液体吐出ヘッド3の被記録媒体の搬送方向の長さの増大を抑えつつ、記録素子基板10同士のつなぎ部における黒スジや白抜け対策を行うことが出来る。なお、本実施形態では記録素子基板の主平面は平行四辺形であるが、本発明はこれに限るものではなく、例えば長方形、台形、その他形状の記録素子基板を用いた場合でも、本発明の構成を好ましく適用することができる。
本発明の第2の実施形態によるインクジェット記録装置1000及び液体吐出ヘッド3の構成を説明する。なお以降の説明においては、主として第1実施形態と異なる部分のみを説明し、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。
本発明の第2の実施形態によるインクジェット記録装置を図20に示す。第2実施形態の記録装置1000はCMYKのインクごとに対応した単色用の液体吐出ヘッド3を4つ並列配置させることで被記録媒体へフルカラー記録を行う点が第1実施形態とは異なる。第1の実施形態において1色あたりに使用できる吐出口列数が1列だったのに対し、本実施形態2において1色あたりに使用できる吐出口列数は20列となっている(図19(a))。このため、記録データを複数の吐出口列に適宜振り分けて記録を行うことで、非常に高速な記録が可能となる。更に、不吐になる吐出口があったとしても、その吐出口に対して被記録媒体の搬送方向に対応する位置にある、他列の吐出口から補間的に吐出を行うことで信頼性が向上し、商業印刷などに好適である。第1の実施形態と同様に、各液体吐出ヘッド3に対して、記録装置1000の供給系、バッファタンク1003及びメインタンク1006(図2)が流体的に接続される。また、それぞれの液体吐出ヘッド3には、液体吐出ヘッド3へ電力及び吐出制御信号を伝送する電気制御部が電気的に接続される。
第1の実施形態と同様に、記録装置1000及び液体吐出ヘッド3間の液体循環経路としては、第1の実施形態同様、図2又は図3に示した第1および第2の循環経路を用いることができる。
本発明の第2の実施形態に係る液体吐出ヘッド3の構造について説明する。図13(a)及び(b)は本実施形態に係る液体吐出ヘッド3の斜視図である。液体吐出ヘッド3は液体吐出ヘッド3の長手方向に直線状に配列される16個の記録素子基板10を備え、1色の液体で記録が可能なインクジェット式のライン型記録ヘッドである。液体吐出ヘッド3は、第1の実施形態同様、液体接続部111、信号入力端子91及び電力供給端子92を備える。しかしながら本実施形態の液体吐出ヘッド3は、第1の実施形態に比べて吐出口列が多いため、液体吐出ヘッド3の両側に信号出力端子91及び電力供給端子92が配置されている。これは記録素子基板10に設けられる配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れを低減のためである。
図17は、図16のF−F線における断面を示した図である。この図に示したように、共通供給流路は、連通口61、個別連通口53、連通口51を介して、吐出モジュール200へ接続されている。図8では不図示であるが、別の断面においては、個別回収流路が同様の経路で吐出モジュール200へ接続されていることは、図16を参照すれば明らかである。第1の実施形態と同様に、各吐出モジュール200及び記録素子基板10には、各吐出口13に連通する流路が形成されており、供給した液体の一部または全部が、吐出動作を休止している吐出口13(圧力室23)を通過して、環流できるようになっている。また第1の実施形態と同様に、共通供給流路211は負圧制御ユニット230(高圧側)と、共通回収流路212は負圧制御ユニット230(低圧側)と液体供給ユニット220を介して接続されている。そのため、その差圧によって、共通供給流路211から記録素子基板10の吐出口13(圧力室23)を通過して共通回収流路212へと流れる流れが発生する。
図18(a)に、1つの吐出モジュール200の斜視図を、図18(b)にその分解図を示す。第1実施形態との差異は、以下の点である。即ち、記録素子基板10の複数の吐出口列方向に沿った両辺部(記録素子基板10の各長辺部)に複数の端子16がそれぞれ配置され、それに電気接続されるフレキシブル配線基板40も、1つの記録素子基板10に対して2枚配置される点である。これは記録素子基板10に設けられる吐出口列数が20列あり、第1の実施形態の8列よりも大幅に増加しているためである。即ち、端子16から、吐出口列に対応して設けられる記録素子15までの最大距離を短く抑制して、記録素子基板10内の配線部で生じる電圧低下や信号伝送遅れを低減することを目的としている。また支持部材30の液体連通口31は記録素子基板10に設けられ、全吐出口列を跨るように開口している。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
図19(a)は記録素子基板10の吐出口13が配される側の面の模式図、図19(c)は図19(a)の面の裏面を示す模式図である。図19(b)は図19(c)において、記録素子基板10の裏面側に設けられている蓋部材20を除去した場合の記録素子基板10の面を示す模式図である。図19(b)に示すように、記録素子基板10の裏面には吐出口列方向に沿って、液体供給路18と液体回収路19とが交互に設けられている。吐出口列数は第1実施形態よりも大幅に増加しているものの、第1実施形態との本質的な差異は、前述のように端子16が記録素子基板の吐出口列方向に沿った両辺部に配置されていることである。各吐出口列毎に一組の液体供給路18と液体回収路19が設けられていること、蓋部材20に、支持部材30の液体連通口31と連通する開口21が設けられていることなど、基本的な構成は第1の実施形態と同様である。
次に、上述した各実施形態に共通の特徴的な構成について説明する。以下では、図1から図12に示した第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの場合について説明するが、第2の実施形態に係る液体吐出ヘッドの場合も同様である。
図21は、記録素子基板の吐出口近傍を詳細に説明する模式図である。図21(a)は、液体が吐出される吐出方向から見た平面図、図21(b)は、図21(a)のG−G線における断面図、図21(c)は、図21(a)のG−G線における断面を示す斜視図である。
記録素子基板10において、吐出動作を行っていない吐出口13では、上述したように、基板11内に設けられた液体供給路18内の液体が供給口17a、圧力室23、回収口17bを経由して液体回収路19へ流れる循環流Cが形成されている。圧力室内の循環流Cの速度は、例えば0.1〜100mm/s程度であり、液体が流動する状態で吐出動作を行っても、着弾精度等の影響が少ない速度である。このとき、吐出口13には、液体のメニスカス、すなわち、液体と大気との界面である吐出口界面24が形成されている。なお、吐出口13は、図21(b)に示すように、吐出口形成部材12に形成された、筒状の吐出口部25の端部に位置する開口部であって、吐出口部25は吐出口13と圧力室23とを連通する。吐出口13から液体が吐出される方向(図21(b)の上下方向)を「吐出方向」と称し、圧力室23内の液体の流れ方向(図21(b)の左右方向)を単に「流れ方向」と称する。
ここで、圧力室23および吐出口部25の寸法を以下のように定義する。すなわち、図21(b)に示すように、圧力室23の、吐出口部25との連通部分に対して流れ方向の上流側での高さをHと定義し、吐出口部25の吐出方向における長さをP、流れ方向における長さをWとそれぞれ定義する。これらの寸法は、一例として、Hが3〜30μm、Pが3〜30μm、Wが6〜30μmである。また、以下の説明では、吐出される液体として、不揮発性溶媒濃度が30%、色材濃度が3%、粘度が0.002〜0.003Pa・sに調整されたインクを用いた場合を例に挙げる。
吐出口13からのインクの蒸発により、インクの色材濃度には変化が生じるが、上述した寸法の記録素子基板10は、そのようなインクが吐出口13および吐出口部25に滞留することを抑制するようになっている。すなわち、図22に示すように、圧力室23内の循環流Cが、一部が吐出口部25の内部に流れ込み、吐出口13に形成されたメニスカス位置(メニスカス界面近傍)まで到達した後、再び吐出口部25から圧力室23に戻るようになっている。これにより、蒸発の影響を受けやすい吐出口部25だけでなく、蒸発の影響が特に大きい吐出口界面24近傍のインクまでもが、吐出口部25の内部に滞ることなく圧力室23へと流れ出すことが可能となる。ここで、循環流Cは、吐出口界面24の少なくとも中央部(吐出口の中心部)近傍において、流れ方向(図21(b)の左から右方向)の速度成分(以下、「正の速度成分」という)を持つことが特徴的である。なお、以下では、図22に示すような、吐出口界面24の少なくとも中央部近傍において循環流Cが正の速度成分を持つ流れのモードを「流れモードA」と呼ぶ。また、後述するように、吐出口界面24の中央部近傍で正の速度成分とは逆の、負の速度成分(図21(b)の右から左方向)を持つ流れのモードを「流れモードB」と呼ぶことにする。
H−0.34×P−0.66×W>1.7 (1)
したがって、式(1)の関係を満たす液体吐出ヘッドでは、図22に示すような流れモードAが実現され、式(1)の関係を満たさない液体吐出ヘッドでは、流れモードBが実現される。なお、式(1)の左辺を判定値Jと呼ぶ。
一方、HとPとWが以下の関係を満す液体吐出ヘッドでは流れモードBが実現される。
H−0.34×P−0.66×W≦1.7 (4)
なお、流れモードBの液体吐出ヘッドは、吐出口部25の吐出方向における長さP、すなわち吐出口形成部材12の厚さを厚くすることができるため、吐出口形成部材12の割れを抑制することができる点で有利である。また、圧力室23の高さHを高くすることができるため、循環流Cを生じさせるために必要な圧力差を小さくすることができる点でも有利である。
図24の点Aに示す液体吐出ヘッドは、Hが3μm、Pが9μm、Wが12μmであり、式(1)の左辺である判定値Jは1.93となって1.7より大きい。この場合、実際の吐出口部25内の流れは、図25(a)に示すように、吐出口界面24の中央部近傍で正の速度成分を持った流れモードAとなる。図24の点Bに示す液体吐出ヘッドは、Hが8μm、Pが9μm、Wが12μmであり、判定値Jは1.39となって1.7より小さい。この場合、実際の吐出口部25内の流れは、図25(b)に示すように、吐出口界面24の中央部近傍で負の速度成分を持った流れモードBとなる。図24の点Cに対応する液体吐出ヘッドは、Hが6μm、Pが6μm、Wが12μmであり、判定値Jは2.0となって1.7より大きい。この場合、実際の吐出口部25内の流れは、図25(c)に示すように、吐出口界面24の中央部近傍で正の速度成分を持った流れモードAとなる。図24の点Dに対応する液体吐出ヘッドは、Hが6μm、Pが6μm、Wが6μmであり、判定値Jは1.0となって1.7より小さい。この場合、実際の吐出口部25内の流れは、図25(d)に示すように、吐出口界面24の中央部近傍で負の速度成分を持った流れモードBとなる。
なお、吐出口部25内の循環流Cが流れモードAになるのか流れモードBになるのかについては、上記のH、P、Wの条件が支配的な影響を及ぼす。これら以外の条件、例えば、循環流Cの流速、インクの粘度、吐出口13の幅(流れ方向と直交する方向の長さ)などの条件については、H、P、Wの条件に比べて影響が非常に小さい。したがって、循環流速やインクの粘度については、要求される液体吐出ヘッド(インクジェット記録装置)の仕様や使用される環境条件に合わせて適宜設定することができる。例えば、圧力室23における循環流Cの流速が0.1〜100mm/s、粘度が0.01Pa・s以下のインクを使用することができる。また、流れモードAの液体吐出ヘッドにおいて、使用時の環境変化等により吐出口からのインクの蒸発量が増加する場合には、循環流Cの流量を適宜多くすることで、流れモードAを維持することができる。一方で、流れモードBとなるように寸法設定された液体吐出ヘッドにおいては、循環流Cの流量をいくら多くしても流れモードAにはならない。なお、流れモードAになる液体吐出ヘッドのうち、特にHが20μm以下、Pが20μm以下、Wが30μm以下となる液体吐出ヘッドが好ましく、これにより、より高精細な画像形成が可能となる。
図26(a)に示す流れモードAの液体吐出ヘッドでは、図26(b)に示す流れモードBの液体吐出ヘッドに比べて、吐出口部25内のインクの色材濃度が相対的に低くなっている。これは、図26(a)に示す流れモードAの液体吐出ヘッドでは、正の速度成分を持つ循環流Cが吐出口界面24の近傍まで達することで、吐出口部25内のインクを圧力室23まで移動(流出)させていることを意味している。これにより、流れモードAの液体吐出ヘッドでは、吐出口部25の内部のインクの滞留を抑制することができ、色材濃度の上昇を軽減することが可能となる。
図27に示すように、循環流Cを発生させない場合、ヘッドAおよびヘッドBでは共に、放置時間が1秒以上で濃度比は1.3以上となり、放置してから早い時間でインクの色材濃度が高くなっている。一方で、循環流Cを発生させた場合、ヘッドBでは濃度比が約1.3となり、循環流Cを発生させない場合よりも色材濃度の増加を低減することができる。しかしながら、その低減効果は、吐出口13からのインクの蒸発により、吐出口部25に色材濃度が高くなったインクが滞留しているため十分ではない。また、色材濃度変化が1.2程度以下であれば色ムラの視認が困難であることが本発明者らにより見出されているが、ヘッドBは、この点でも十分ではない。それに対して、ヘッドAでは、放置時間が1.5秒程度であっても色材濃度比を1.1以下に抑えることができ、画像の色ムラの発生を低減することができる。なお、図27は、蒸発に伴い色材濃度が高くなる場合の実験結果を示しているが、蒸発に伴い色材濃度が低くなる場合も同様である。
ところで、流れモードAの液体吐出ヘッドでは、吐出口部25内の色材濃度は、図26(a)に示すように循環流Cの下流側で高く、同様に液体粘度も下流側で大きくなる。一方、流れモードBの液体吐出ヘッドでは、吐出口部25内の色材濃度は、図26(b)に示すように循環流Cの上流側で高く、同様に液体粘度も上流側で大きくなる。このように、各流れモードの液体吐出ヘッドでは、吐出口部25内の色材濃度や液体粘度に偏りが生じ、この偏りに起因して、以下に示すように、液体の吐出方向に目標方向からのずれが生じることがある。なお、この吐出方向のずれは、吐出口部25内の濃度分布および粘度分布が形成されるまでに一定時間を要するため、連続的に吐出する場合には生じず、一定時間休止後1発目の吐出の場合に生じる現象である。
図28(a)は、流れモードAの液体吐出ヘッドにおける吐出方向のずれの様子を示す図である。図28(b)は、図26(a)に示す流れモードAの液体吐出ヘッドにおいて、循環流Cの流速を変えたときの、目標着弾位置からのずれの平均値をプロットしたグラフである。流れモードAの液体吐出ヘッドでは、吐出口部25内において、比較的粘度の高い箇所が循環流Cの下流側にあるため、液体の吐出方向は、連続的に吐出する場合に比べて、図28(a)に示すように、循環流Cの方向に対して上流側にずれてしまうことがある。このずれは、図28(b)に示すように、例えば約5μmである。
図29(a)は、流れモードBの液体吐出ヘッドにおける吐出方向のずれの様子を示す図である。図29(b)は、図26(b)に示す流れモードBの液体吐出ヘッドにおいて、循環流Cの流速を変えたときの、目標着弾位置からのずれの平均値をプロットしたグラフである。流れモードBの液体吐出ヘッドでは、吐出口部25内において、比較的粘度の高い箇所が循環流Cの上流側にあるため、液体の吐出方向は、連続的に吐出する場合に比べて、図29(a)に示すように、循環流Cの方向に対して下流側にずれてしまうことがある。このずれは、図29(b)に示すように、例えば約5μmである。
図30(a)は、上述した液体吐出方向のずれを考慮して構成された液体吐出ヘッドの一構成例を示す平面図であり、図30(b)は、他の構成例を示す平面図である。図30(a)および図30(b)には、各吐出口13に対応する圧力室23内の循環流Cの方向が矢印で示されている。このように、液体吐出ヘッド3の全ての吐出口13において、循環流Cの方向を同一方向にすることで、休止後1発目の吐出方向のずれを揃えることができる。その結果、仮に、休止後1発目の吐出方向がずれてしまったとしても、各吐出口13におけるずれの方向は同方向なので、例えば罫線を印字する際にも、より高品位な罫線を形成することができ、より高精細で高品位な画像形成が可能になる。
液体吐出ヘッド3の構成としては、図30(a)および図30(b)に示すインライン配列の例に限定されるものではなく、様々な構成が可能である。図31(a)には、図30(b)に対応する図が示されているが、このような複数の記録素子基板10を直線状に配置した構成例に対し、図31(b)に示すように、複数の記録素子基板10を千鳥状に配置することも可能である。また、図31(a)および図31(b)に示すような、1つの支持部材30に複数の記録素子基板10が設けられた構成例に対し、図31(c)および図31(d)に示すように、複数の支持部材30に個別に記録素子基板10が設けられていてもよい。また、記録素子基板10の主平面の形状も、上述したように、図31(a)および図31(c)に示す平行四辺形であってもよく、図31(b)および図31(d)に示す長方形であってもよい。なお、図31(a)から図31(d)に示すいずれの構成例においても、液体吐出ヘッド3の全ての吐出口13において、対応する循環流Cの方向は同一である。
図32は、図26(a)に示す流れモードAの液体吐出ヘッドにおいて吐出動作の休止時間を様々に変化させ、そのときの休止後の吐出発数に対する吐出速度をプロットしたグラフである。具体的には、縦軸として、休止後10発目から30発目までの吐出速度の平均値を1としたときの比をプロットしたグラフである。図32からも明らかなように、休止後2発目以降の吐出からは、連続的に吐出する場合の吐出速度とほぼ一致した吐出速度になっているが、休止後1発目の吐出では、吐出速度がわずかに遅くなっている。これは、上述したように、吐出動作を休止することで、吐出口部25内の液体粘度が圧力室23内よりも多少大きくなるためである。すなわち、吐出速度の低下は、吐出口部25内の色材濃度(液体粘度)が上昇するまでに一定時間を要するため、上述した吐出方向のずれと同様に、連続的に吐出する場合には生じず、一定時間休止後1発目の吐出の場合に生じる現象である。このような吐出速度の低下は、流れモードBの液体吐出ヘッドにおいても同様に発生する。
連続的に吐出する場合に比べて休止後1発目の吐出速度が低下することは、被記録媒体上の実際の着弾位置が目標の着弾位置からずれることを意味する。このずれの方向は、常に液体吐出ヘッドに対する被記録媒体の相対的な移動方向(以下、単に「移動方向」ともいう)の上流側である。その一方で、液体の吐出方向のずれによっても着弾位置のずれは発生するが、この着弾位置のずれの方向は、吐出がずれる方向と被記録媒体の移動方向との関係に応じて異なる。また、吐出がずれる方向は、上述したように、流れモードの種類に応じて異なり、流れモードAの液体吐出ヘッドでは循環流Cの方向の上流側であり、流れモードBの液体吐出ヘッドでは循環流Cの方向の下流側である。したがって、以下に示すように、流れモードの種類に応じて被記録媒体の移動方向を適宜設定することで、吐出速度低下による着弾位置のずれと吐出方向のずれによる着弾位置のずれをほぼ相殺させることが可能になる。
図33に示す流れモードAの液体吐出ヘッドでは、休止後1発目の吐出方向のずれは、上述したように循環流Cの上流側であり、そのため、このずれによる着弾位置のずれは、移動方向Sの下流側となる。一方、休止後1発目の吐出速度低下による着弾位置のずれは、上述したように、移動方向Sの上流側である。したがって、吐出方向のずれによる着弾位置のずれと吐出速度の低下による着弾位置のずれが互いに相殺するようになるため、休止後1発目の吐出において、目標の着弾位置の近傍にインクを着弾させることが可能になる。
図34に示す流れモードBの液体吐出ヘッドでは、休止後1発目の吐出方向のずれは、上述したように循環流Cの下流側であり、そのため、このずれによる着弾位置のずれは、移動方向Sの上流側となる。一方、休止後1発目の吐出速度低下による着弾位置のずれは、上述したように、移動方向Sの上流側である。したがって、吐出方向のずれによる着弾位置のずれと吐出速度の低下による着弾位置のずれが互いに相殺するようになるため、休止後1発目の吐出において、目標の着弾位置の近傍にインクを着弾させることが可能になる。
なお、このような方法は、基板11の温度調節を行うように構成された液体吐出ヘッドに対して、特に有効である。すなわち、基板11の温度調節を行うことで、基板11の温度変化により生じる吐出速度の変化や吐出量の変化を抑制することができる反面、液体の温度が上昇すると、吐出口13からの液体の蒸発量が増え、吐出口部25内の濃度分布が大きくなる。その結果、休止後1発目の吐出方向のずれや吐出速度の低下が共に大きくなることがあるが、流れモードの種類に応じて被記録媒体の移動方向が適宜設定されていることで、それぞれに起因する着弾位置の乱れを互いに相殺することが可能となる。基板11の温度を調節するために、液体を吐出するために利用される記録素子15を温度調節手段として用いることができ、温度調節用の別のヒータを設けることもできる。
また、このような方法は、シリアル型の液体吐出ヘッドにも適用可能であり、その場合、液体吐出ヘッドのスキャン方向に応じて、循環流Cの方向を反転させるようになっていればよい。循環流Cの方向を反転させる方法としては、2つのタンク間の圧力差を逆転させる方法やポンプの回転を逆転させる方法が挙げられる。
10 記録素子基板
18 液体供給路
19 液体回収路
23 圧力室
Claims (16)
- 液体を吐出する吐出口が各々配列され、互いに並列する第1および第2の吐出口列と、
前記第1および第2の吐出口列に対応して設けられる第1および第2の圧力室列であって、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を内部に備える圧力室が各々配列される第1および第2の圧力室列と、
前記第1の圧力室列に液体を供給する第1の液体供給路と、前記第1の圧力室列から液体を回収する第1の液体回収路と、
前記第2の圧力室列に液体を供給する第2の液体供給路と、前記第2の圧力室列から液体を回収する第2の液体回収路と、
前記第1の液体供給路から前記第1の圧力室列に液体を供給するための複数の第1の供給口が配列される第1の供給口列と、前記第1の圧力室列から前記第1の液体回収路に液体を回収するための複数の第1の回収口が配列される第1の回収口列と、
前記第2の液体供給路から前記第2の圧力室列に液体を供給するための複数の第2の供給口が配列される第2の供給口列と、前記第2の圧力室列から前記第2の液体回収路に液体を回収するための複数の第2の回収口が配列される第2の回収口列と、
が設けられる記録素子基板を備え、
前記第1の液体供給路、前記第1の液体回収路、前記第2の液体供給路、前記第2の液体回収路がこの順に並列して設けられており、
前記第1の供給口列、前記第1の回収口列、前記第2の供給口列、前記第2の回収口列がこの順に並列して設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 液体を吐出する吐出口が各々配列され、互いに並列する第1および第2の吐出口列と、
前記第1および第2の吐出口列に対応して設けられる第1および第2の圧力室列であって、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する記録素子を内部に備える圧力室が各々配列される第1および第2の圧力室列と、
前記第1の圧力室列に液体を供給する第1の液体供給路と、前記第1の圧力室列から液体を回収する第1の液体回収路と、
前記第2の圧力室列に液体を供給する第2の液体供給路と、前記第2の圧力室列から液体を回収する第2の液体回収路と、
が設けられる記録素子基板を備え、
前記第1の液体供給路、前記第1の液体回収路、前記第2の液体供給路、前記第2の液体回収路がこの順に並列して設けられており、
前記第1および第2の圧力室列に含まれる複数の前記圧力室の各々において、前記液体供給路から前記圧力室を介して前記液体回収路に流れる前記圧力室内の液体の流れ方向は、同一方向であることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記記録素子基板は、前記吐出口を備える吐出口形成部材と、前記記録素子を備える基板と、を含む、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1および第2の液体供給路と、前記第1および第2の液体回収路の夫々は、前記第1の吐出口列の延在方向に沿って延在している、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1および第2の供給口と、前記第1および第2の回収口の夫々は、前記基板の前記記録素子が設けられる面に交差する方向に延在している、請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記記録素子は、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発生する発熱素子である、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記液体供給路から前記圧力室を介して前記液体回収路に流れる前記圧力室内を流れる液体の流速は、0.1〜100mm/sである、請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1および第2の吐出口列から夫々異なる種類の液体が吐出される、請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1および第2の吐出口列から同じ種類の液体が吐出される、請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部を備え、
前記圧力室の、前記吐出口部との連通部分に対して前記液体の流れ方向の上流側での高さHと、前記吐出口部の液体の吐出方向における長さPと、前記吐出口部の前記液体の流れ方向における長さWとが、
H−0.34×P−0.66×W>1.7
の関係を満たす場合、
前記第1および第2の圧力室列に含まれる複数の前記圧力室の各々の内部を流れる液体の流れ方向は、前記液体吐出ヘッドに対する被記録媒体の相対的な移動方向と反対方向である、請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記吐出口と前記圧力室とを連通する吐出口部を備え、
前記圧力室の、前記吐出口部との連通部分に対して前記液体の流れ方向の上流側での高さHと、前記吐出口部の液体の吐出方向における長さPと、前記吐出口部の前記液体の流れ方向における長さWとが、
H−0.34×P−0.66×W≦1.7
の関係を満たす場合、
前記第1および第2の圧力室列に含まれる複数の前記圧力室の各々の内部を流れる液体の流れ方向は、前記液体吐出ヘッドに対する被記録媒体の相対的な移動方向と同一方向である、請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。 - ページワイド型の液体吐出ヘッドであって、
複数の前記記録素子基板と、
前記複数の記録素子基板を支持するとともに、前記複数の記録素子基板に液体を供給する共通供給流路と、前記複数の記録素子基板から液体を回収する共通回収流路と、を備える流路部材と、
を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記複数の記録素子基板が直線状に配列されている、請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記複数の記録素子基板の各々の外形形状は平行四辺形である、請求項12または13に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記基板は、当該基板の温度を調節する温度調節手段を有する、請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1および第2の圧力室列に含まれる複数の前記圧力室内の液体は外部との間で循環される、請求項1から15のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
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