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JP2017122136A - 樹脂組成物 - Google Patents

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JP2017122136A
JP2017122136A JP2015056123A JP2015056123A JP2017122136A JP 2017122136 A JP2017122136 A JP 2017122136A JP 2015056123 A JP2015056123 A JP 2015056123A JP 2015056123 A JP2015056123 A JP 2015056123A JP 2017122136 A JP2017122136 A JP 2017122136A
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Kenji Akuta
研二 芥
照士 高橋
Teruji Takahashi
照士 高橋
康弘 穂積
Yasuhiro Hozumi
康弘 穂積
吉浩 箱根
Yoshihiro HAKONE
吉浩 箱根
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Abstract

【課題】良好な透明性、耐透湿性、耐熱性、耐湿熱性、帯電防止性を併せ持った樹脂組成物、及びそれから得られる、ワニス塗工が可能で、簡便にシート化することができ、加熱硬化工程を必要とせず、有機EL素子の熱劣化を大幅に低減できるだけでなく、生産性を大幅に向上させることができる樹脂組成物シートを提供する。
【解決手段】ポリイソブチレン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、粘着付与樹脂、ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体及びイオン性界面活性剤を含有する樹脂組成物及び支持体上に該樹脂組成物による樹脂組成物層を形成した樹脂組成物シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL素子の封止等に好適に使用できる、樹脂組成物に関する。
有機EL(Electroluminescence)素子は発光材料に有機物質を使用した発光素子であり、低電圧で高輝度の発光を得ることができる近年脚光を浴びている素材である。しかしながら、有機EL素子は水分に極めて弱く、有機材料自体が水分によって変質して、輝度が低下したり、発光しなくなったり、電極と有機EL層との界面が水分の影響で剥離したり、金属が酸化して高抵抗化してしまったりする問題があった。
熱硬化樹脂組成物を全面封止材料として使用する場合、硬化前の材料粘度が低いことから積層作業が容易であることや、熱硬化後の硬化物の透湿度が低いことが利点として挙げられる。しかし、その一方で、熱硬化時の加熱温度によって有機EL素子が劣化するという問題がある。
樹脂組成物をシート状に加工して使用する場合、製造工程において光学フィルムの表面に傷や汚れがつかないように、その表面に表面保護フィルム或いは剥離フィルムが貼り合わされている。当該表面保護フィルム或いは剥離フィルムは、有機EL基板に貼り付ける前に剥離されたり、一度剥離した後に同じ又は別の表面保護フィルムを再度貼り合せたりする場合もある。そして、該表面保護フィルム或いは剥離フィルムを剥離する際に静電気が発生し、この静電気によって有機ELパネル等の回路が破壊されることで生産歩留まり率が低下するという問題があった。
特許文献1にはポリイソブチレン樹脂と水素添加環状オレフィン系ポリマーを含む封入用フィルムが開示されている。しかし、当該フィルムは通常保護フィルムが積層されているが、当該フィルムのタック性が大きいために、保護フィルムの剥離が困難であり、また、保護フィルムの剥離の際に当該フィルムが大きく変形してしまうなど取り扱い性が極めて困難であることがわかっている。
一方、特許文献2にはイソブチレン系重合体、エポキシ基含有化合物、エポキシ樹脂用硬化剤を含有するシール材用組成物が開示されているが、この組成物はホットメルト塗布を行うため、ワニス塗工のように簡便にシートを作製できない。また、密着性や取り扱い性については言及されておらず、十分な検討がなされていない。
また、有機EL素子の熱劣化を回避する方法として、特許文献3にはポリイソブチレン樹脂、エポキシ基と反応し得る官能基を持つポリイソプレン樹脂及び/又はポリイソブチレン樹脂、粘着付与樹脂、及びエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物が開示されている。特許文献4にはスチレンーイソブチレン変性樹脂及び(B)粘着付与樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物が開示されている。しかし、いずれも塗布乾燥後に130℃といった高温で長時間かけて加熱硬化させる工程が必要となり、フィルムのカール等の平面性や、生産性に問題があった。
特開2009−524705号公報 特開2008−248055号公報 WO2011/062167 WO2013/108731
本発明の目的は、ワニス塗工が可能で、簡便にシート化することができ、加熱硬化工程を必要とせず、有機EL素子の熱劣化を大幅に低減できるだけでなく、生産性を大幅に向上させることができ、良好な透明性、耐透湿性、接着強度、高耐熱性、帯電防止性を併せ持ったシートを実現し得る樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、ポリイソブチレン樹脂(A)、変性ポリオレフィン樹脂(B)、粘着付与樹脂(C)、ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)、イオン性界面活性剤(E)を含有することを特徴とする樹脂組成物を用いることで上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
「(1)ポリイソブチレン樹脂(A)、変性ポリオレフィン樹脂(B)、粘着付与樹脂(C)、ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)及びイオン性界面活性剤(E)を含有することを特徴とする樹脂組成物、
(2)ポリイソブチレン樹脂(A)の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、35〜95質量%であることを特徴とする上記(1)に記載の樹脂組成物、
(3)変性ポリオレフィン樹脂(B)がオレフィン−スチレン共重合体であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物、
(4)オレフィン−スチレン共重合体におけるオレフィンがエチレン及び/又は1−ブテンであって、オレフィン−スチレン共重合体が官能基を有するものであることを特徴とする上記(3)に記載の樹脂組成物、
(5)変性ポリオレフィン樹脂(B)が官能基を有し、当該官能基が酸無水物基であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(6)変性ポリオレフィン樹脂(B)含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、1〜30質量%であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(7)粘着付与樹脂(C)が、テルペン樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(8)粘着付与樹脂(C)が、芳香族変性テルペン樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(9)粘着付与樹脂(C)含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、1〜30質量%であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(10)ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)を構成する全単量体中のスチレン含有量が10〜50質量%であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(11)ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、1〜30質量%であることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(12)イオン性界面活性剤(E)が、スルホ基を有することを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(13)イオン性界面活性剤(E)の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、0.1〜5質量%であることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(14)樹脂組成物の380〜780nmまでの可視光透過率が80〜100%であることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の樹脂組成物、
(15)上記(1)〜(14)のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする樹脂組成物シート、
(16)透湿度が0.1〜40g/m・dayであることを特徴とする上記(14)に記載の樹脂組成物シート、
(17)有機EL素子の封止用である上記(16)記載の樹脂組成物シート、
(18)上記(1)〜(14)のいずれか1項に記載の樹脂組成物または上記(15)〜(17)のいずれか1項に記載の樹脂組成物シートを使用したことを特徴とする有機ELデバイス、
(19)無機充填材(H)を更に含有することを特徴とする上記(1)〜(18)のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は樹脂組成物シート、
(20)吸湿性金属酸化物(I)を更に含有することを特徴とする上記(1)〜(19)のいずれか1項に記載の樹脂組成物又は樹脂組成物シート
に関する。
本発明の樹脂組成物は、ワニス塗工が可能で、簡便にシート化することができ、加熱硬化工程を必要とせず、有機EL素子の熱劣化を大幅に低減できるだけでなく、生産性を大幅に向上させることができ、良好な透明性、耐透湿性、接着強度、高い耐熱性、帯電防止性を併せ持ったシートを得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、ポリイソブチレン樹脂(A)、変性ポリオレフィン樹脂(B)、粘着付与樹脂(C)、ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)、イオン性界面活性剤(E)を含有することが主たる特徴である。
本発明において使用されるポリイソブチレン樹脂(A)(以下、「(A)成分」とも略称する。)は、樹脂組成物の耐透湿性を向上させながら、他の諸物性を安定的に保つ作用を有する。なお、ポリイソブチレン樹脂(A)は、室温(25℃)での状態が固状であるものが好ましい。
(A)成分は、ポリイソブチレン骨格を主体に形成されたポリマーであれば、イソブチレンのホモポリマー(単独重合体)若しくはイソブチレンに適宜量の1−ブテン、2−ブテン等のオレフィン系化合物を共重合した共重合体(以下、これらを「イソブチレン系重合体」と総称する)に限定されず、所望の耐透湿性が得られる限り、ポリイソブチレン骨格にイソブチレン以外の単量体成分からなるセグメント骨格が共重合した共重合体(ブロック共重合体またはグラフト共重合体)であってもよい。該共重合体において、イソブチレン以外の単量体成分としては、イソプレン、スチレン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、臭化ビニル、水添スチレン、ペンタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が例示でき、これらは1種又は2種以上を使用することができる。なかでも、温熱耐性の向上、耐透湿性の向上の観点から、スチレンが好ましい。また、該共重合体において、ポリイソブチレン骨格の占める割合はポリマー全体の50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上である。好ましい共重合組成(ポリイソブチレン骨格/イソブチレン以外の単量体成分からなるセグメント骨格)は60〜90質量%/10〜40質量%であり、より好ましくは65〜80質量%/20〜35質量%である。また、該共重合体は、イソブチレン系重合体と併用してもよい。
(A)成分の具体例としては、市販品として、オパノールB12、B15、B50、B80、B100、B120、B150、B200(BASF社製)、JSRブチル065、268、365(JSR社製)、ビスタネックスLM−MS,MH,H、MML−80,100,120,140(エクソン・ケミカル社製)、HYCAR(グッドリッチ社製)、SIBSTAR T102(カネカ社製)などが挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(A)成分の平均分子量は特に限定はされないが、良好な塗工性と相溶性をもたらすという観点から、粘度平均分子量が、4000,000以下が好ましく、3000,000以下がより好ましい。一方、樹脂組成物の塗工時のハジキを防止し、樹脂組成物シートの耐透湿性を発現させ、機械強度を向上させるという観点から、粘度平均分子量が、200,000以上が好ましく、400,000以上がより好ましい。なお、本発明における粘度平均分子量は、常法に従って、所定温度でのポリマー希薄溶液の粘度を測定し得られた極限粘度の値から粘度式を用いて求められる。または、樹脂の溶融粘度からフローリーの溶融粘度式によっても求められる。
(A)成分は1種又は2種以上を使用することができる。樹脂組成物中の(A)成分の含有量は特に制限はないが、良好な塗工性と相溶性をもたらし、良好な温熱耐性と取り扱い性(タック抑制)を確保できるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、95質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。一方、必要な耐透湿性を得るという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、35質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
本発明において使用される、変性ポリオレフィン樹脂(B)(以下、「(B)成分」とも略称する)は、得られる樹脂組成物シートの基材等との接着性を良好に保ちつつ、凝集力(保持力)を向上させ、耐熱性を良好にし、また、シートの加工工程での取り扱い性も向上させる働きをする。ここでいう、保持力の向上とは、80℃、1Kg荷重での1時間後のせん断ずれ量を好ましくは0.5mm以下であることをいう。
(B)成分はシート形成後に架橋反応させることによって、更に凝集力(保持力)を向上させ、耐熱性を良好にすることができる。
(B)成分は、オレフィン骨格を主体とするポリマーであり、ホモポリマー(単独重合体)若しくはオレフィン骨格を含有する共重合体であれば、特に限定されない。共重合体の形態は、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
(B)成分は官能基を有するものが好ましい。
上記オレフィンの単量体成分としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン等が例示でき、これらは1種又は2種以上を使用することができる。なかでも、(A)成分との相溶性の観点から、エチレン、1−ブテンが好ましい。また、上記オレフィン以外の単量体成分としては、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、臭化ビニル、水添スチレン、ペンタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が例示でき、これらは1種又は2種以上を使用することができる。なかでも、温熱耐性の向上、耐透湿性の向上の観点から、スチレンが好ましい。
当該(B)成分の好ましい態様として、エチレン及び/又は1−ブテン及びスチレンを単量体とした共重合体であって、官能基を有するものが挙げられる。
上記共重合体において、単量体としてのエチレン、1−ブテン、スチレンそれぞれの成分の占める割合は特に限定はされないが、エチレン及び/又は1−ブテン成分の合計割合は全単量体の20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。スチレン成分の割合は全単量体の10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
(B)成分が有する官能基としては、所望の耐透湿性、接着性に悪影響を及ぼさない限りいかなる構造であってもよく、例えば、カルボキシル基、酸無水物基[−C(O)−O−C(O)−]、エポキシ基、アミノ基、水酸基、オキサゾリン基、オキセタン基、シアネート基、フェノール基[−Ph−OH]、ヒドラジド基、アミド基等が挙げられ、酸無水物基が好ましい。また、これらはいずれか1種であっても、2種以上であってもよい。
(B)成分の好ましい具体例としては、酸無水物基を有するエチレン及び/又は1−ブテン及びスチレンを含む共重合体等が挙げられる。
また、酸無水物基を有するエチレン及び/又は1−ブテン及びスチレンを含む共重合体等においては、酸価が1〜50mgKOH/gのものが好ましく、5〜30mgKOH/gのものがより好ましい。なお、ここでいう酸価はJIS K 2501−2003石油製品及び潤滑油−中和価試験方法に基づく。
(B)成分の数平均分子量は特に限定はされないが、樹脂組成物の相溶性を向上させるという観点から、300000以下が好ましく、150000以下がより好ましい。また、樹脂組成物の耐透湿性を発現させるという観点から、5000以上が好ましく、10000以上がより好ましい。また、(B)成分は室温(25℃)で固体であるものが好ましい。
なお、本発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてテトラヒドロフラン等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
(B)成分として使用できる市販品としては、サーフレンP−1000(特殊ポリオレフィン系樹脂酸変性物(数平均分子量70000)の20%溶液、酸価13〜16mgKOH/g、三菱化学社製)などが挙げられる。
(B)成分は1種又は2種以上を使用することができる。樹脂組成物中の(B)成分の含有量は、特に制限はないが、樹脂組成物の良好な耐透湿性、透明性を確保できるという観点から樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。また、樹脂組成物から得られるシートの良好な凝集力を発現させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。
本発明において使用される粘着付与樹脂(C)(以下、「(C)成分」とも略称する)は、樹脂組成物の接着性を向上させながら、他の諸物性を安定的に保つことができる。当該(C)成分としては、特に限定されるものではなく、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂(水素添加テルペン樹脂、テルペンフェノール共重合樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等)、クマロン樹脂、インデン樹脂、石油樹脂(脂肪族系石油樹脂、水添脂環式石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物等)が好ましく使用される。なかでも、相溶性、接着性、耐透湿性の点からテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール共重合樹脂、水添脂環式石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂がより好ましく、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂が更に好ましく、芳香族変性テルペン樹脂が特に好ましい。当該(C)成分は1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
(C)成分として使用できる市販品としては、テルペン樹脂として、YSレジンPX、YSレジンPXN(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、芳香族変性テルペン樹脂として、YSレジンTO、TRシリーズ(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、水素添加テルペン樹脂として、クリアロンP、クリアロンM、クリアロンKシリーズ(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、テルペンフェノール共重合樹脂として、YSポリスター2000、ポリスターU、ポリスターT、ポリスターS、マイティエースG(いずれもヤスハラケミカル社製)等が挙げられ、水添脂環式石油樹脂として、Escorez5300シリーズ、5600シリーズ(いずれもエクソンモービル社製)、芳香族系石油樹脂としてENDEX155(イーストマン社製)、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂としてQuintoneD100(日本ゼオン社製)、脂環族系石油樹脂としてQuintone1345(日本ゼオン社製)などが挙げられる。
樹脂組成物中の(C)成分の含有量は、特に制限はないが、良好な耐透湿性を維持するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。また、十分な接着性を持たせるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。
(C)成分の軟化点は、樹脂組成物シートの積層工程でシートが軟化し、かつ所望の耐熱性を持つという観点から、50〜200℃が好ましく、90〜160℃がより好ましい。なお、軟化点の測定は、JIS K2207に従い環球法により測定される。
本発明において使用されるポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)(以下、「(D)成分」とも略称する)は、良好な引張特性(引張弾性、破断強度、破断伸度など)を示し、得られる樹脂組成物シートの凝集力(保持力)を向上させ、耐熱性を良好にする効果がある。ここでいう、保持力の向上とは、105℃、1Kg荷重での1時間後のせん断ずれ量を好ましくは0.5mm以下であることをいう。当該(D)成分としては、ポリスチレンのガラス転移点以下で架橋点となるポリスチレンブロックと柔軟なポリオレフィン構造のエラストマーブロックで構成されており、ジブロックとトリブロックの2種類を基本とするブロック共重合体が好ましく使用される。該ブロック共重合体において、ポリオレフィン構造のエラストマーブロックとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、エチレン/プロピレン、エチレン/ブチレン、エチレン−エチレン/プロピレン等が例示でき、これらは1種又は2種以上を使用することができる。なかでも引張特性の観点から、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレンといった構成が好ましく、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレンがより好ましい。また、該ブロック共重合体において、ポリスチレン骨格の占める割合は十分な硬度を持たせるという観点からポリマー全体の5〜65質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。
(D)成分として使用できる市販品としては、セプトンシリーズ、セプトンV−シリーズ(クラレ社製)などが挙げられる。
なお、セプトンV−シリーズを使用する場合は、樹脂組成物から得られるシートの凝集力の調整のために、透明性、耐透湿性、接着性に悪影響を及ぼさない範囲で、有機過酸化物、電子線、紫外線などにより架橋を導入してもよい。有機過酸化物としては、日本油脂(株)製パーブチルP-40 (α,α´−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン 40% 不活性充填剤担持)等が挙げられ、架橋助剤として、日本化成(株)製 TAIC WH-60(トリアルイソシアヌレート 60% ホワイトカーボン担持)等を併用してもよい。
樹脂組成物中の(D)成分の含有量は、特に制限はないが、良好な耐透湿性、透明性を維持する観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。また、十分な引張特性、硬度を持たせるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。
本発明において使用される、イオン性界面活性剤(E)(以下、「(E)成分」とも略称する)は、得られる樹脂組成物中に含有することで剥離フィルムを剥離する際に発生する静電気を低減することができる。
(E)成分としては、イオン性界面活性剤であれば特に制限はないが、(A)〜(D)成分中での分散性を良好にするためトルエンへの溶解性或いは分散性に優れるものが好ましく、スルホ基を有するものが更に好ましい。
スルホ基を有するイオン性界面活性剤(E)としては、例えば、アルキルスルホン酸金属塩が好適である。スルホ基を有するイオン性界面活性剤(E)が、アルキルスルホン酸金属塩の場合には、帯電防止効果の面でアルキル基の炭素数が11〜15であることが好ましい。またスルホ基を有するイオン性界面活性剤(E)がアルキルスルホン酸金属塩の場合には、金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を使用することができるが、好ましくはリチウム塩である。アルキルスルホン酸金属塩は1種または2種以上を混合して用いることができる。
(E)成分として使用できる市販品としては、エレカットS−417(竹本油脂社製)などが挙げられる。
樹脂組成物中の(E)成分の含有量は、特に制限はないが、密着性を維持する観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。また、十分な帯電防止性を発揮するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。
前記樹脂組成物より得られる粘着シートの表面抵抗値が、1×1012Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×1010Ω/□以下、更に好ましくは1×109Ω/□以下である。表面抵抗値が1×1012Ω/□を超える場合には帯電防止機能が十分でなく、剥離フィルムを剥離する際に静電気が発生・帯電し、この静電気によって有機ELパネル等の回路が破壊される場合がある。
なお、樹脂組成物から得られるシートの凝集力の調整のために、耐透湿性、接着性に悪影響を及ぼさない範囲で、イソシアネート基と反応し得る官能基をもつ、液状ポリブタジエン及び/又は液状ポリイソプレン((F)成分)を併用してもよい。ここでいう「液状ポリブタジエン」は液状のブタジエン系重合体であり、「液状ポリイソプレン」は液状のイソプレン系重合体である。「液状」は、室温(25℃)での状態である。このような、イソシアネート基と反応し得る官能基をもつ、液状ポリブタジエンや液状ポリイソプレンの市販品としては、液状ポリブタジエンとして、NIISO−PB Gシリーズ、GIシリーズ(日本曹達社製)等が挙げられ、液状ポリイソプレンとして、エポール(出光興産社製)等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
樹脂組成物中の(F)成分の含有量は、特に制限はないが、所望の透明性を維持するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。また、当該成分を配合する効果を十分に発現させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない程度に、更に硬化剤を含有させる事により、樹脂組成物の硬化性能を向上させることができる。本発明における硬化剤(G)とは(B)成分や(F)成分の官能基と反応する化合物であり、特に限定されないが、エポキシ系化合物、イソシアナート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物又はアルデヒド系化合物等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。イソシアナート系化合物を使用する場合は、触媒としてスズ系化合物を併用してもよい。
硬化剤(G)の含有量は、特に制限はないが、耐透湿性の低下を防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。一方、良好な保持力を発現させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない程度に、更に無機充填材(H)を含有させることにより、硬化物の耐透湿性を向上させ、フィルム加工時のはじきを防止させることができる。無機充填材としては、特に限定はされないが、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。これらの中でも、樹脂硬化物の耐透湿性向上の観点から、タルク、マイカが好ましく、タルクが特に好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
無機充填材(H)は、表面処理剤で表面処理してその耐湿性を向上させたものが好ましい。表面処理剤としては、アミノプロピルメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)アミノプロビルトリメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等のシラン系カップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメテルシクロトリシラザン等のオルガノシラザン化合物、ブチルチタネートダイマー、チタンオクチレングリコレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシチタンビスラクテート、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
無機充填材(H)の平均粒径は、特に限定されるものではないが、有機EL素子を損傷させないという観点から、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。一方、耐透湿性を発現させるという観点から、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。
上記無機充填材(H)の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、無機充填材(H)の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材(H)を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、堀場製作所製LA−500等を使用することができる。
無機充填材(H)の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の粘度が上昇するのを防止し、硬化物の強度が低下して脆くなるのを防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。一方、無機充填材(H)を配合することの効果を十分得るという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物には、硬化物の耐透湿性をより向上させるために、更に吸湿性金属酸化物(I)を含有させる事ができる。ここで、「吸湿性金属酸化物」とは、水分を吸収する能力をもち、吸湿した水分と化学反応して水酸化物になる金属酸化物を意味する。具体的には、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム等から選ばれる1種か、或いは、2種以上の混合物若しくは固溶物である。中でも、吸湿性が高い点、コスト、原料の安定性の点から、酸化カルシウム、酸化マグネシウムが好ましい。2種以上の混合物若しくは固溶物の例としては、具体的には、焼成ドロマイト(酸化カルシウム及び酸化マグネシウムを含む混合物)、焼成ハイドロタルサイト(酸化カルシウムと酸化アルミニウムの固溶物)等が挙げられる。このような吸湿性金属酸化物(I)は、種々の技術分野において吸湿材として公知であり、市販品を使用することができる。具体的には、酸化カルシウム(三共製粉社製「モイストップ#10」等)、酸化マグネシウム(協和化学工業社製「キョーワマグMF−150」、「キョーワマグMF−30」、タテホ化学工業社製「ピュアマグFNMG」等)、軽焼酸化マグネシウム(タテホ化学工業社製の「#500」、「#1000」、「#5000」等)、焼成ドロマイト(吉澤石灰社製「KT」等)、焼成ハイドロタルサイト(戸田工業社製「ハイドロタルサイト」等)等が挙げられる。これらは1種または2種以上を使用してもよい。
吸湿性金属酸化物(I)の平均粒径は特に限定はされないが、封止工程にて粗粒子が有機EL素子を損傷するのを防止し、樹脂成分との界面結合力を高めるという観点から10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が更に好ましい。一方、粒子同士の凝集が起きやすくなり組成物中での分散不良によって硬化物に十分に高い耐透湿性を付与することが困難になるのを防止するという観点から、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.1μm以上が更に好ましい。
吸湿性金属酸化物(I)の市販品の平均粒径が10μm以下であれば、それをそのまま使用できるが、市販品の平均粒径が10μmを超える場合、粉砕、分級等を行って平均粒径10μm以下の粒状物に調製してから使用するのが好ましい。
また、吸湿性金属酸化物(I)は平均粒子径が上記の好適範囲内にあって、粒子径が20μm以上の粗大粒子を含まないものが好ましい。より好ましくは、5μm以上の粗大粒子を含まないことである。このような粗大粒子を含まないことで、封止工程でEL素子に損傷を与えにくいという点で有利に作用する。
吸湿性金属酸化物(I)の平均粒子径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、吸湿性金属酸化物(I)の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、吸湿性金属酸化物(I)を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、場製作所製LA−500を使用することができる。
吸湿性金属酸化物(I)は、表面処理剤で表面処理したものを用いることができる。このような表面処理した吸湿性金属酸化物(I)を使用することで、硬化物の接着安定性をより高めることができ、硬化前の段階で、樹脂中の水分と吸湿性金属酸化物(I)が反応してしまうことを防止できる。
吸湿性金属酸化物(I)の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物の粘度が上昇するのを防止し、硬化物の強度が低下して脆くなるのを防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。一方、無機充填材(H)を配合することの効果を十分得るという観点から、樹脂組成物中の不揮発分100質量%に対し、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。
表面処理に使用する表面処理剤としては、例えば、高級脂肪酸、アルキルシラン類、シランカップリング剤等を使用することができ、中でも、高級脂肪酸又はアルキルシランが好適である。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
高級脂肪酸は、例えば、ステアリン酸、モンタン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの炭素数18以上の高級脂肪酸が好ましい。中でも、ステアリン酸が好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
アルキルシランとしては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルジメチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び11−メルカプトウンデシルトリメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノ系シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド系シランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルメチルジエトキシシランなどのビニル系シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシランなどのスチリル系シランカップリング剤;3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリレート系シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネート系シランカップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤;フェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
表面処理は、例えば、未処理の吸湿性金属酸化物(I)を混合機で常温にて攪拌分散させながら、表面処理剤を添加噴霧して5〜60分間攪拌することによって行なうことができる。混合機としては、公知の混合機を使用することができ、例えば、Vブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサー及びコンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル、カッターミル等が挙げられる。又、ボールミルなどで吸湿材を粉砕する際に、前記の高級脂肪酸、アルキルシラン類又はシランカップリング剤を混合し、表面処理する方法も可能である。表面処理剤の処理量は吸湿性金属酸化物(I)の種類又は表面処理剤の種類等によっても異なるが、吸湿性金属酸化物(I)に対して1〜10重量%が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない程度に、上述した成分以外の各種樹脂添加剤を任意で含有させても良い。このような樹脂添加剤としては、例えば、ゴム粒子、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等の有機充填剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、トリアゾール化合物、チアゾール化合物、トリアジン化合物、ポルフィリン化合物等の密着性付与剤等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、回転ミキサーなどを用いて混合する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の硬化物の透明性は、分光光度計により測定することができ、樹脂組成物の硬化物としては樹脂組成物シート等が挙げられる。透明性はEL素子の発光効率を向上させるという点で高いほど良い。具体的には、JIS Z8722に準拠し算出した380〜780nmにおける透過率が、80%以上が好ましく、82%以上がより好ましく、84%以上が更に好ましく、86%以上が更に一層好ましく、88%以上が殊更好ましく、90%以上が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物シートの耐透湿性は、JIS K−7129Aの差圧法により測定することができる。(測定条件:温度40℃、相対湿度90%)透湿度が低いほど外界からEL素子への水分の浸入を遅延させることができるという点で、厚み50μmの樹脂組成物層を40℃90%RHの条件で測定したときの値が、40g/m2・day以下が好ましく、20g/m2・day以下がより好ましく、10g/m2以下が更に好ましい。一方、透湿度は低いほどよいが、実用的には0.1g/m2・day以上が好ましい。
本発明の樹脂組成物の用途は、特に限定されないが、半導体、太陽電池、高輝度LED、LCD、有機EL等の各種デバイス用の封止材料に用いることができ、特に有機ELデバイスに好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物シートは、本発明の樹脂組成物自体をシート化したもの、及び、支持体上に本発明の樹脂組成物の層を形成したものの両方を含む。種々のデバイスへの適用にあっては、支持体上に本発明の樹脂組成物の層を形成した樹脂組成物シートを適用対象物の必要箇所にラミネートしてその樹脂組成物層を適用対象物へ転写するようにしてもよい。
支持体上に本発明の樹脂組成物の層を形成した樹脂組成物シートを有機ELデバイスに適用する場合、有機EL素子の封止工程前に予め硬化せしめることにより、有機EL素子の封止工程以降では加熱硬化を必要とせず有機EL素子の熱劣化を大幅に低減させるシートとすることが出来る。工業的には、かかる樹脂組成物シートを用いる方法が好適である。
支持体を有する樹脂組成物シートは、当業者に公知の方法、ダイコーティング、スピンコーティング、ドクターブレードコーティング、カレンダー工法、押出成形等を用いて実施することができる。例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解したワニスを調製し、支持体上に、ワニスを塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等によって有機溶剤を乾燥させて製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等を挙げることができる。樹脂組成物シートのシェルフライフ(使用可能期間)の観点から低沸点のものが好まれ、1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物シートの乾燥条件は特に制限はないが、50〜140℃で3〜20分が好ましい。50℃未満の場合には、樹脂組成物層中に残存する溶剤量が多くなる傾向がある。140℃より高い場合には、支持体上に本発明の樹脂組成物の層を形成する場合に、支持体が熱により変形する傾向がある。
本発明の樹脂組成物シートは、封止工程前に、予め(B)成分、(F)成分と(G)成分を反応させるための加熱を行って、硬化させておくことが出来る。かかる硬化により、凝集力と、接着性及び取り扱い性が更に良好な樹脂組成物シートとして用いる事ができる。硬化条件は特に制限はないが、硬化温度は、20〜50℃が好ましく、30〜40℃がより好ましい。硬化時間は、1〜10日が好ましく、3〜7日がより好ましい。
かかる硬化後の樹脂組成物シートの厚みは、3〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、20〜80μmが更に好ましい。
かかる硬化後の樹脂組成物シートはこれを130℃で15分間乾燥した際の樹脂組成物重量減少量(残存溶剤量)が0.1%以下であるのが好ましい。0.1%以下であることにより、有機ELデバイスへの封止工程後の素子へのダメージの低減効果が向上する。
樹脂組成物シートに使用する支持体としては、防湿性を有する支持体(封止基材)を用いるのが好ましい。封止基材としては、防湿性を有するプラスチックフィルムまたは、銅箔、アルミニウム箔などの金属箔等が挙げられる。防湿性を有するプラスチックフィルムとしては表面に酸化ケイ素(シリカ)、窒化ケイ素、SiON、SiCN、アモルファスシリコン等の無機物を蒸着させたプラスチックフィルム等が挙げられる。プラスチックフィルムは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、シクロオレフィンポリマー(以下「COP」と略称することがある。)等のプラスチックフィルムが使用できる。プラスチックフィルムとしては、とくにCOPが好ましい。市販されている防湿性を有するプラスチックフィルムの例としては、テックバリアHX、AX、LX、Lシリーズ(三菱樹脂社製)や更に防湿効果を高めたX−BARRIER(三菱樹脂社製)等が挙げられる。封止基材は2層以上の複層構造を有するものを使用しても良い。又、ハンドリング性を向上させるために、前記プラスチックフィルムと前記金属箔を接着剤を介して張り合わせたタイプの支持体も、安価であり、工業的には好都合である。なお、防湿性を有しないプラスチックフィルム等を支持体として用いることもでき、樹脂組成物表面を剥離ライナーなどの手段により保護してもよい。その場合、有機EL素子が形成された基板上に樹脂組成物シートを形成した後、支持体を剥離し、その後、樹脂組成物シート上に、別途、封止基材を積層するのが好ましい。
本発明の樹脂組成物は様々な形状で提供され得る。例えば、封入用樹脂組成物が電子機器の封入剤として使用される場合には、樹脂組成物シートは電子機器の構成要素と組み合わされることにより使用され得る。
例えば、樹脂組成物シートは、カラーフィルター又は偏光板、位相差板等の光学フィルムと組み合わせることにより使用することも可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載において、特に断りがない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
[使用材料]
実験に用いた使用材料について説明する。
ポリイソブチレン樹脂(A)
・ポリイソブチレン(イソブチレン系重量体)(オパノールB100、粘度平均分子量1110000、BASF社製)
・ポリイソブチレン(イソブチレン系重量体)(オパノールB200、粘度平均分子量4000000、BASF社製)
変性ポリオレフィン樹脂(B)
・サーフレンP−1000(特殊ポリオレフィン系樹脂酸変性物(数平均分子量70000)の20%溶液、酸価13〜16mgKOH/g、三菱化学社製)
粘着付与樹脂(C)
・芳香族変性テルペン樹脂(YSレジンTO125、軟化点125℃、ヤスハラケミカル社製)
ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)
・ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(セプトン4055、クラレ社製)
その他
・溶剤:トルエン
[測定方法・評価方法]
各種測定方法・評価方法について説明する。
<透明性の測定及び評価>
厚み50μmの樹脂組成物シートを用い、島津社製分光光度UV−3600によって、380〜780nmまでの分光スペクトルを測定し、JIS Z8722に準拠し、可視光透過率を算出した。
<ヘイズの評価>
ヘイズメーター(東京電色社製 TC−HIIIDPK)を用いて、JIS K6714に準拠して、得られた粘着シートのヘイズ値を測定した。
<対ガラス保持力の評価>
被着体としてガラス板に、各粘着シートを25mm×25mmの接着面積でラミネートし、50℃、0.5Pで30分間圧着し、ついでガラス板を垂下して粘着テープの自由末端に1000gの均一荷重を負荷し、105℃で1時間経過後の粘着テープがずれた長さを測定した。(表1中「保持力ズレ」)
<対ガラス剥離接着力>
被着体としてのガラス板に25mm×200mmの大きさにカットした各粘着テープを25×80mmの接着面積でラミネートし、50℃、0.5Pで30分間圧着し、23℃で20分間経過後、その剥離に要する力を測定した(180度剥離、引張り速度300mm/分、23℃、65%RH雰囲気下)。(表1中「ピール」)
<耐透湿性の評価>
厚み50μmの樹脂組成物シートについて、Systech Instruments社の水蒸気透過性評価装置L80−5000を用いて等圧法(感湿センサー法)により測定した。(JIS K−7129A準拠 測定条件:温度40℃、相対湿度90%) (表1中「透湿度」)
た。
<帯電防止性の評価>
粘着剤を剥離フィルム上に乾燥後の膜厚が50μmになるように塗布し乾燥後、防湿性を有するCOPの防湿処理層側と貼り合せ、防湿性フィルムと粘着剤の積層シートを作成した。かかる積層シートの剥離フィルムを剥離した直後、粘着層の表面抵抗値を高抵抗率計ハイレスタ(印加電圧500V)により測定した。
<耐熱性、耐湿熱性の評価>
粘着剤を剥離フィルム上に乾燥後の膜厚が50μmになるように塗布し乾燥後、防湿性を有するCOPの防湿処理層側と貼り合せ、防湿性フィルムと粘着剤の積層シートを作成した。かかる積層シートの剥離フィルムを剥離し、ガラス板に貼り合せ、三酢酸セルロースフィルムを保護層とするポリビニルアルコール系偏光板(ポリビニルアルコール系偏光性フィルムの平均重合度1700、平均ケン化度99.5モル%、5倍延伸)の三酢酸セルロースフィルム側に粘着層を有する偏光板を防湿性フィルムと粘着剤の積層シートの防湿性フィルム面に、ローラーで押圧し貼り合せた。かかる貼合品について耐久性試験(105℃又は85℃85% 500時間放置)を行い、発泡状態、剥離状態、劣化状態を観察した。結果を表1に示す。
実施例1
ポリイソブチレン溶液(Oppanol B100の10.0%トルエン溶液)81部、ポリイソブチレン溶液(Oppanol B200の4.0%トルエン溶液)67.5部に、変性ポリオレフィン樹脂溶液(サーフレンP−1000:特殊ポリオレフィン系樹脂酸変性物の20%溶液)5.4部、芳香族変性テルペン樹脂溶液(YSレジンTO−125の50%トルエン溶液)5.4部、ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体溶液(セプトン4055の7.0%トルエン溶液)15.4部、イオン性界面活性剤(エレカットS−417の10%トルエン溶液)1.8部を混合し、ミキサーで均一に分散してワニスを得た。
得られたワニスをアルキッド系離型剤で処理されたPETフィルム(厚さ38μm)の離型処理面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが50μmになるようコンマコーターにて均一に塗布し、110℃で10分間乾燥させることにより、樹脂組成物シートを得た。
実施例2
ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体溶液(セプトン4055の7.0%トルエン溶液)の量を30.9部としたこと以外は実施例1と同様にして、下記表1の配合表に従い、ワニスを得た。得られたワニスを使用し、実施例1と全く同様にして樹脂組成物シートを得た。
実施例3
ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体溶液(セプトン4055の7.0%トルエン溶液)の量を46.3部としたこと以外は実施例1と同様にして、下記表1の配合表に従い、ワニスを得た。得られたワニスを使用し、実施例1と全く同様にして樹脂組成物シートを得た。
比較例1
ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体溶液(セプトン4055の7.0%トルエン溶液)を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、下記表1の配合表に従い、ワニスを得た。得られたワニスを使用し、実施例1と全く同様にして樹脂組成物シートを得た。
(比較例2)
変性ポリオレフィン樹脂溶液(サーフレンP−1000:特殊ポリオレフィン系樹脂酸変性物の20%溶液)を使用しないこと以外は実施例2と同様にして、下記表1の配合表に従い、ワニスを得た。 得られたワニスを使用し、実施例1と全く同様にして樹脂組成物シートを得た。
(比較例3)
変性ポリオレフィン樹脂溶液(サーフレンP−1000:特殊ポリオレフィン系樹脂酸変性物の20%溶液)の量を32.4部としたこと以外は実施例1と同様にして、下記表1の配合表に従い、ワニスを得たが、相溶性が悪く、塗膜の表面性、透明性が良好な樹脂組成物シートを得ることができなかった。
(比較例4)
ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体溶液(セプトン4055の7.0%トルエン溶液)の量を92.6部としたこと以外は実施例1と同様にして、下記表1の配合表に従い、ワニスを得たが、相溶性が悪く、塗膜の表面性、透明性が良好な樹脂組成物シートを得ることができなかった。
以上のようにして得られた樹脂組成物シートにつき、上記した測定方法、評価方法により試験した結果を表1に示す。
Figure 2017122136
実施例1〜3から、本発明の樹脂組成物により得られる樹脂組成物シートは、硬化のために80℃といった高温加熱を必要とせず、また、ラミネート時に加熱硬化を行う必要もなく、50℃という低温加熱で十分に高い接着力で接着し得、偏光板とラミネート後に高温、高温高湿環境下に置かれた後も良好な外観を維持することができ、しかも、良好な透明性、良好な耐透湿性を有する。従って、本発明によれば、水分や熱による劣化を生じやすい有機EL素子に対し、有機EL素子の劣化を生じさせることなく、高信頼性の封止構造を形成できる封止材となる樹脂組成物及び樹脂組成物シートを得ることができ、信頼性の高い有機ELデバイスの提供が可能となる。
一方、比較例1、2では変性ポリオレフィン樹脂(B)又はポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)を用いておらず、本発明の効果が発揮されていない。つまり、(B)成分と(D)成分を混合させることが重要であることがわかる。また、比較例1ではポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)を用いておらず、帯電防止性の効果が発揮されていない。よって本発明の効果を発揮するためには(D)成分を含有させることが重要であることがわかる。

Claims (20)

  1. ポリイソブチレン樹脂(A)、変性ポリオレフィン樹脂(B)、粘着付与樹脂(C)、ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)、イオン性界面活性剤(E)を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリイソブチレン樹脂(A)の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、35〜95質量%であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 変性ポリオレフィン樹脂(B)がオレフィン−スチレン共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. オレフィンがエチレン及び/又は1−ブテンであるオレフィン−スチレン共重合体であって、官能基を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 変性ポリオレフィン樹脂(B)の官能基が酸無水物基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 変性ポリオレフィン樹脂(B)含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、1〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 粘着付与樹脂(C)が、テルペン樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 粘着付与樹脂(C)が、芳香族変性テルペン樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 粘着付与樹脂(C)含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、1〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)のスチレン含有量が20〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. ポリスチレン−ポリオレフィンブロック共重合体(D)の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、1〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  12. イオン性界面活性剤(E)が、スルホ基を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  13. イオン性界面活性剤(E)の含有量が、樹脂組成物中の不揮発分を100質量%とした場合、0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  14. 樹脂組成物の380nmから780nmまでの可視光透過率が80〜100%であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする樹脂組成物シート。
  16. 透湿度が0.1〜40g/m・dayであることを特徴とする請求項15に記載の樹脂組成物シート。
  17. 有機EL素子の封止用である請求項16記載の樹脂組成物シート。
  18. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする有機ELデバイス。
  19. 無機充填材(H)を更に含有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  20. 吸湿性金属酸化物(I)を更に含有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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