[go: up one dir, main page]

JP2017100080A - 静電噴霧方法及び静電噴霧装置 - Google Patents

静電噴霧方法及び静電噴霧装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017100080A
JP2017100080A JP2015235413A JP2015235413A JP2017100080A JP 2017100080 A JP2017100080 A JP 2017100080A JP 2015235413 A JP2015235413 A JP 2015235413A JP 2015235413 A JP2015235413 A JP 2015235413A JP 2017100080 A JP2017100080 A JP 2017100080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
nozzle
coated
axis
electrostatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015235413A
Other languages
English (en)
Inventor
和昭 佐藤
Kazuaki Sato
和昭 佐藤
翔志 柿崎
Shoji Kakizaki
翔志 柿崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anest Iwata Corp
Original Assignee
Anest Iwata Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anest Iwata Corp filed Critical Anest Iwata Corp
Priority to JP2015235413A priority Critical patent/JP2017100080A/ja
Publication of JP2017100080A publication Critical patent/JP2017100080A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Electrostatic Spraying Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】塗料などの液体を被塗物に塗着させる作業の作業性を向上させた静電噴霧方法及び静電噴霧装置を提供すること。【解決手段】本発明の静電噴霧方法は、ノズル22を有する液体噴霧部20と液体噴霧部20に対して異極となる異極部(被塗物)40との間に電圧を印加して発生する静電気力で液体を帯電状態でノズル22から離脱させて被塗物40に液体を塗着する静電噴霧方法であって、被塗物40がノズルの軸線(Z軸)と離間する位置に位置し、被塗物40の液体を塗着させる予定の液体塗着部がノズル22に対向しない状態で液体塗着部に液体を塗着させる工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は静電噴霧方法及び静電噴霧装置に関する。
従来、溶液材料に電圧を印加した状態で噴霧するノズルと、前記ノズルと基板との間の前記基板の近傍に配置され、所定の開口パターンを有する開口部を含むマスクとを備え、前記ノズルから噴霧された溶液材料は、前記基板に薄膜として堆積され、前記マスクの開口部の前記ノズル側の部分は、前記マスクの開口部の前記基板側の部分よりも開口面積が大きくなるように構成されている、薄膜形成装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2014―147891号公報
ところで、特許文献1のような使用形態においては、基板の一方の面に向けて溶液材料を噴霧できればよいが、塗料などの液体を被塗物に塗布し、塗着させる場合には、被塗物が平板状のものであっても、表面と裏面の両面に液体を塗着させることが求められる場合がある。
このような場合、平板状の被塗物の表面側又は裏面側のどちらか一方の面をノズルに対向させるように配置して液体を塗着させる作業を行った後に、残る他方の面をノズルに対向させるように被塗物をひっくり返して配置する作業を伴うことになり、作業性がよくない。
また、表面と裏面の両面をひとつの塗布作業で液体塗着を同時に完了させる方法も見当たらない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、塗料などの液体を被塗物に塗着させる作業の作業性を向上させた静電噴霧方法及び静電噴霧装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の静電噴霧方法は、ノズルを有する液体噴霧部と前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力で液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて被塗物に液体を塗着する静電噴霧方法であって、前記被塗物が前記ノズルの軸線と離間する位置に位置し、前記被塗物の液体を塗着させる予定の液体塗着部が前記ノズルに対向しない状態で前記液体塗着部に前記液体を塗着させる工程を含む。
(2)上記(1)の構成において、前記工程が、前記被塗物と前記ノズルの軸線との間の離間距離を変化させることを含む。
(3)上記(2)の構成において、前記離間距離の変化が、前記被塗物又は前記液体噴霧部の少なくとも一方を前記ノズルの軸線と直交する方向に移動させることで行われている。
(4)上記(2)の構成において、前記離間距離の変化が、前記ノズルの向く方向を変えることで行われている。
(5)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記液体塗着部が、平板状の前記被塗物の表面又は裏面のうちの少なくとも一方の面であり、
前記液体塗着部となる面が、前記ノズルの軸線とほぼ平行となるようにされている。
(6)上記(1)から(5)のいすれか1つの構成において、前記工程が、前記被塗物と前記ノズルの間の距離を変化させることを含む。
(7)本発明の静電噴霧方法は、ノズルを有する液体噴霧部と液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力で液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて被塗物に液体を塗着する静電噴霧方法であって、前記被塗物の前記液体を塗着させる予定の液体塗着部が平板状の前記被塗物の表面又は裏面のうちの少なくとも一方の面であり、前記液体塗着部となる面が前記ノズルの軸線とほぼ平行となるように、前記ノズルの軸線上に前記被塗物を位置させ、前記液体塗着部が前記ノズルに対向しない状態で前記液体塗着部に前記液体を塗着させる工程を含む。
(8)本発明の静電噴霧方法は、ノズルを有する液体噴霧部と液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力で液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて被塗物に液体を塗着する静電噴霧方法であって、前記被塗物は、前記液体を塗着させる予定の液体塗着部として離間した2つの塗布面を有し、前記被塗物と前記液体噴霧部の相対的な位置関係が、前記被塗物の一方の前記塗布面の任意の点と前記ノズルの先端を結ぶ一方側直線が、ノズルの軸線に対して、前記被塗物の他方の前記塗布面の任意の点と前記ノズルの先端を結ぶ他方側直線の反対側に位置する関係を満たす状態で2つの両方の前記塗布面に同時に前記液体を塗着させる工程を含む。
(9)上記(8)の構成において、前記一方側軸線が、一方の前記塗布面のほぼ中央の位置と前記ノズルを結ぶ直線であり、前記他方側軸線が、他方の前記塗布面のほぼ中央の位置と前記ノズルを結ぶ直線であり、前記一方側軸線と前記ノズルの軸線との間の角度が、前記他方側軸線と前記ノズルの軸線との間の角度とほぼ等しい。
(10)上記(8)又は(9)の構成において、前記被塗物が平板状であり、一方の前記塗布面及び他方の前記塗布面が前記平板状の前記被塗物の表面及び裏面である。
(11)本発明の静電噴霧装置は、ノズルを有する液体噴霧部と、前記ノズルの向く方向を変えるように前記液体噴霧部を回動させる回動手段と、前記液体噴霧部と前記液体噴霧部に対する異極となる異極部との間に電圧を印加して静電気力を発生させ、被塗物に液体を塗着させるように、前記液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させる電圧印加手段と、を備える。
(12)本発明の静電噴霧装置は、ノズルを有する液体噴霧部と、前記液体噴霧部と前記液体噴霧部に対する異極となる異極部との間に電圧を印加して静電気力を発生させ、液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させる電圧印加手段と、前記ノズルから離脱した帯電状態の前記液体を塗着させる被塗物が前記ノズルの軸線を横切るように、前記被塗物又は前記液体噴霧部のうちの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を備える。
(13)上記(11)又は(12)の構成において、前記被塗物又は前記液体噴霧部のうちの少なくとも一方を移動させ、前記被塗物と前記ノズルの間の距離を変化させる移動手段を備える。
本発明によれば、塗料などの液体を被塗物に塗着させる作業の作業性を向上させた静電噴霧方法及び静電噴霧装置を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の液体噴霧部の断面図である。 図2の液体噴霧部の先端側の拡大図であり、(a)は心棒の先端が後方に位置する場合を示す図であり、(b)は(a)よりも心棒の先端が前方に位置する場合を示す図である。 本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置による第1噴霧例を示す上面図である。 図4の状態からノズルの向く方向を右側に変えた状態を示す上面図である。 本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置による第2噴霧例を示す上面図である。 本発明に係る第2実施形態の静電噴霧装置の全体構成を示す上面図である。 本発明に係る第1、2実施形態の静電噴霧装置を円形状の被塗物への液体の塗着に用いる場合を示す上面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
また、特に断りがない場合、「先(端)」や「前(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向側を表し、「後(端)」や「後(方)」等の表現は、各部材等において液体の噴霧方向と反対側を表すものとする。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の静電噴霧装置10の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように、静電噴霧装置10は、ノズル22を有する液体噴霧部20と、液体噴霧部20を回動させる回動手段30と、液体噴霧部20と液体噴霧部20に対して異極となる異極部40との間に電圧を印加する電圧電源である電圧印加手段50と、を備える。
本実施形態では、電圧印加手段50からの電気配線を被塗物に直接接続して、被塗物自体を異極部40としている場合を示しているが、例えば、被塗物を載置する載置部(図示せず)に電圧印加手段50からの電気配線を接続して、この載置部を異極部40として載置部を介して被塗物が電圧印加手段50に電気的に接続されるようになっていてもよい。
なお、本実施形態では、被塗物自体が異極部40とされているため、以下では、被塗物について主に符号40を付し、異極部の符号を省略する場合がある。
被塗物40は、アース手段60でアースされるようになっている。
このアース手段60は必須の要件ではないが、被塗物40のようなものの場合、作業者が触れたりすることがあり得るので安全面の観点で設けることが好ましい。
(液体噴霧部)
図2は、液体噴霧部20だけを示した断面図である。
なお、図2では、液体噴霧部20から後述するように塗料などの液体が噴霧されている状態を合わせて図示したものになっている。
図2に示すように、液体噴霧部20は、液体の供給される液体供給口21aを有する液体流路21bが形成された絶縁材料からなる胴体部21と、貫通孔が胴体部21の液体流路21bに連通するように胴体部21の先端に設けられるノズル22と、胴体部21の液体流路21b内及びノズル22の貫通孔内に配置される導電材料からなる心棒23と、を備えている。
胴体部21には、心棒23を後端側に取り出すために、液体流路21bと連通した孔部21cが設けられ、その孔部21c内には、心棒23との間の隙間をシールして液体が漏れないようにするシール部材24が設けられている。
なお、本実施形態では、シール部材24としてOリングを用いているが、Oリングに限らず、シールが可能なものであればよい。
そして、孔部21cを通じて胴体部21の後端側に位置する心棒23の後端には、絶縁材料からなる摘み部23aが設けられているとともに、摘み部23aのほぼ中央を貫通するように設けられた導電材料からなる電気配線接続部23bが設けられている。
図1に示すように、電気配線接続部23bには、電圧印加手段50からの電気配線が接続される。
そして、図2に示すように、電気配線接続部23bが心棒23に接触するようにされることで心棒23と電気配線接続部23bとが電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、心棒23を液体噴霧部20側の電極としているが、例えば、液体噴霧部20のノズル22を導電材料からなるものとして、このノズル22に電圧印加手段50からの電気配線を接続するようにし、ノズル22を液体噴霧部20側の電極としてもよい。
また、胴体部21の後端開口部21dの内周面には、摘み部23aを螺合接続するための雌ネジ構造21eが設けられ、一方、摘み部23aの先端外周面には、雄ネジ構造23cが設けられている。
したがって、胴体部21の後端開口部21dの雌ネジ構造21eに摘み部23aの先端外周面の雄ネジ構造23cを螺合させることで心棒23が取外し可能に胴体部21に取付けられている。
また、摘み部23aの螺合量を調節することで心棒23を前後方向に移動させることができ、心棒23の先端面23dの位置を前後方向に調節できるようになっている。
ここで、一般に、静電噴霧装置の液体を噴霧するノズルは、液体が流れる貫通孔の直径が小さい微細な液体流路とされる。
これは、液体が流れ出るノズル先端の開口直径が大きいと、安定した液体の霧化状態が得られなくなるためと推察される。
例えば、一般には、ノズル先端の開口直径は0.1mm未満とされている。
このため、液体が乾燥したりすると直ぐに、ノズル先端の開口部が目詰まりするが、開口直径が小さいため、この目詰まりを解消することが難しいという問題がある。
しかしながら、理由については、後ほど説明するが、心棒23を用いるようにすることで、従来に比較して、ノズル先端の開口径を大きな開口直径としても良好な霧化ができることを見出し、このため、本実施形態のノズル22の先端の開口部22bの開口直径は0.2mmの大きな開口直径にできている。
この結果、目詰まりが発生する頻度を大幅に低減することができるようになっている。
なお、ノズル22の開口部22bの開口直径は0.2mmに限定されるものではなく、心棒23を用いる形態においては、開口直径は1mm程度であっても問題はない。
ノズル22の開口部22bの開口直径は、目詰まりが起きにくく、また、目詰まりが起きても清掃ができることを考慮すると、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、さらに0.2mmより大きくすることが好ましい。
一方、ノズル22の開口部22bの開口直径は、霧化の安定性を考慮すると、1.0mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましく、さらに0.5mm以下とすることが好ましい。
また、本実施形態では、上述のように、心棒23を前後方向に移動させることができるため、目詰まりが起きても心棒23を移動させることで目詰まりを解消することができる。
さらに、ノズル22の貫通孔の内径も心棒23を配置できる程度に大きくできているため、心棒23を取り外して洗浄液を大量に流して洗浄することも可能になっている。
図3は、液体噴霧部20の先端側を拡大した拡大図であり、図3(a)は、心棒23の先端面23dが後方に位置する場合であり、図3(b)は、図3(a)の状態よりも心棒23の先端面23dが前方に位置する場合である。
図3(a)に示すようにノズル22は、開口部22b側に向かってテーパ状に内径が小さくなるテーパ角度がαであるテーパ状内径部(範囲W1参照)を有しており、心棒23は、先端面23dに向かって外径が小さくなるテーパ角度がβであるテーパ形状部(範囲W2参照)を有している。
そして、ノズル22のテーパ状内径部のテーパ角度αが、心棒23のテーパ形状部のテーパ角度βよりも大きくされている。
また、心棒23の先端面23dの直径は、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも小さい直径とされているが、心棒23のテーパ形状部は、後端側に向かって徐々に直径が大きくなり、ノズル22の開口部22bの開口直径よりも直径の大きい部分を有するように形成されている。
上記のように、ノズル22及び心棒23の先端側を形成することによって、図3(a)及び図3(b)を見比べるとわかるように、心棒23を前後方向に移動させることでノズル22と心棒23とで形成される隙間の幅を調節できるようになり、ノズル22の開口部22bから出る液体の量を調節することができる。
また、図3(b)で示す状態よりも、さらに、心棒23を前方側に動かすことで、心棒23がノズル22の内周面に当接し、ノズル22の開口部22bを閉塞することが可能である。
したがって、塗料などの液体を噴霧しない状態において、ノズル22の開口部22bを心棒23で閉塞させ、ノズル22内の液体が乾燥することを防止することが可能であり、ノズル22の目詰まりを抑制できる。
(異極部)
本実施形態では、図1に示すように、異極部に被塗物40を用いた場合を示しており、電圧印加手段50の心棒23に接続されるのと反対側の電気配線が被塗物40に接続されることで被塗物40自体が液体噴霧部20に対する異極となるようにされている。
(回動手段)
回動手段30は、図1に示すように、支持部31と回動機構部32と、を備えている。
支持部31の一端は、回動機構部32内に挿入され、回動機構部32内に設けられたモータ(図示せず)の回転軸に支持部31が接続されている。
一方、支持部31の他端には、リング状の保持部31aが設けられており、このリング状の保持部31aに液体噴霧部20の胴体部21が挿入されることで、支持部31に液体噴霧部20が支持されている。
したがって、回動機構部32のモータ(図示せず)を回転させると、支持部31も回転し、液体噴霧部20が回動するのでノズル22の向く方向を変えることができるようになっている。
次に、図2を参照しながら、まず、液体噴霧部20から液体が噴霧される状態について説明を行い、その後、静電噴霧装置10を用いた静電噴霧方法の説明を行う。
胴体部21の液体供給口21aに供給された液体は、ノズル22の先端側に供給されていき、異極部である被塗物40と心棒23との間に印加される電圧に伴う静電気力によって、前方側に引っ張られて前方に離脱・霧化する。
なお、液体の供給は、噴霧により消費されることで液体噴霧部20から失われる分の液体が順次供給されていればよく、ノズル22の開口部22b(より正確には、開口部22bと心棒23との間の隙間)から液体が噴射するような圧力で圧送供給される必要はなく、液体が勢いよく噴射される状態の場合、かえって霧化ができなくなるようなことが起こる。
より具体的には、液体の心棒23の先端面23d及びノズル22の先端外周縁22aへの表面張力や粘度による付着力に対して、液体を前方に引っ張る静電気力が釣り合うことで、図2に示すように、ノズル22の先端側に供給された液体が、その先端で円錐形の形状となるテーラコーン80が形成される。
このテーラコーン80は、電場の作用によって、液体中で正/負電荷の分離が起こり、過剰電荷で帯電したノズル22先端のメニスカスが変形して円錐状となって形成されているものである。
そして、テーラコーン80の先端から静電気力によって液体が真直ぐに引っ張られ、その後、静電爆発によって液体が噴霧される。
この噴霧される液体、つまり、ノズル22から離脱して液体粒子となった液体は、離脱前の状態に比べ、空気に触れる面積が飛躍的に大きくなるため溶媒の気化が促進され、その溶媒の気化に伴って帯電している電子間の距離が近づき、静電反発(静電爆発)が発生して、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
この分裂が起こると、さらに、分裂前に比べ空気に触れる表面積が増えることになるため、溶媒の気化が促進され、上述したのと同様に静電爆発が発生し、さらに、小さい粒径の液体粒子に分裂する。
このような静電爆発が繰り返されることで液体が霧化される。
ここで、本実施形態では、ノズル22内に心棒23を設けるようにしている。
仮に、従来の静電噴霧装置のように、この心棒23を設けないものとすると、液体が付着できる部分は、ノズル22の先端外周縁22aだけとなる。
そして、このような状態でノズル22の開口部22bの開口直径を大きくすると、液体の付着できる部分が、ノズル22の先端外周縁22aだけのため、例えば、ノズル22の上下左右に液体がふらついたりし易く、きれいなテーラコーン80が形成できなくなったり、また、テーラコーン80自体が維持できなくなるため、ノズル22から離脱する液体粒子の安定性(粒子の大きさ、数及び帯電状態などの安定性)が得られなくなったりし、結果、液体の安定した霧化ができなくなるものと推察される。
一方、本実施形態では、ノズル22内に心棒23を配置して、ノズル22の先端外周縁22aだけでなく、心棒23の先端面23dとの間でも液体は付着する。
したがって、ノズル22の開口部22bの開口直径が大きくても、開口部22bの中央部に液体が付着できる心棒23の先端面23dが存在するため、安定したテーラコーン80を形成することができ、液体の安定した霧化ができるようになっているものと考えられる。
なお、心棒23の先端面23dがノズル22の先端外周縁22a(つまり、ノズル22の開口部22bの先端面)から前方に出過ぎるとノズル22から出る液体に電場が作用し難くなり、一方、心棒23の先端面23dがノズル22の開口部22bの先端面から後方に引っ込み過ぎると、開口部22bの中央部に液体が付着できる部分が存在しないのと同じ状態となる。
このことから、心棒23の先端面23dの位置は、液体を噴霧する状態において、ノズル22の開口部22bの先端面を基準にして、心棒23の中心軸に沿った前後方向で、ノズル22の先端の開口部22bの開口直径の10倍以内に位置することが好適であり、5倍以内に位置することがより好適であり、3倍以内に位置することがさらに好適である。
例えば、本実施形態では、ノズル22の開口部22bの開口直径が0.2mmであり、静電気力を考慮しない場合、ノズル22の開口部22bから出た液体は、ノズル22の先端で直径が約0.2mmの半球状となるように出てくる。
そして、このノズル22の先端に出てきた液体に電場(静電気力)が作用して円錐状のテーラコーン80が形成できるように、心棒23の先端は、ノズル22の開口部22b近くまで到達した液体の近くに存在することがよく、このためノズル22の開口部22bの先端面から前方(出る方向)の2mm以内に位置するようにするのが好適であり、一方、液体の付着に作用するように、心棒23の先端がノズル22の開口部22bの先端面から後方(引っ込む方向)の2mm以内に位置するようにするのが好適である。
上記のように、心棒23を設けることによって、ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくしても安定した液体の霧化が行える。
このため、ノズル22の開口部22bの開口直径を目詰まりが抑制できるような大きな開口直径にすることができる。
また、ノズル22の開口部22bの開口直径を大きくできるため機械加工で容易にノズル22が製作できる。
なお、本実施形態では、心棒23の先端が先端面23dとして平坦な平面としている場合を示しているが、必ずしも、心棒23の先端が平坦な平面である必要はなく、安定したテーラコーン80の形成に寄与すればよいので、例えば、心棒23の先端はR形状のように、前方側に向かって突出する曲面になっていてもよい。
このようにして液体噴霧部20(ノズル22)から噴霧された液体は、静電爆発を繰り返しながら微粒化し、この微粒化した液体は電荷を帯びた状態のため、異極部である被塗物40側に静電気力で引き寄せられて被塗物40に塗着することになる。
以上のような静電噴霧装置10を用いて、被塗物40に液体を塗着させる静電噴霧方法について説明を行う。
(第1噴霧例)
図4は、静電噴霧装置10を用いて、被塗物40に液体を塗着させる静電噴霧方法における第1噴霧例を示す上面図である。
なお、図4では、電圧印加手段50や電圧印加手段50からの電気配線などを省略している。
図4に示すように、第1噴霧例は、平板状の被塗物40の液体を塗着させる予定の液体塗着部が、被塗物40の表面又は裏面の一方の面40aと表面又は裏面の他方の面40bの両面としている場合を示している。
つまり、第1噴霧例の被塗物40は、液体を塗着させる予定の液体塗着部として離間した2つの塗布面(表面及び裏面)を有している。
また、図4に点線矢印で示すZ軸はノズル22の軸線であり、図4を見るとわかるように、液体塗着部となる面40a、40bが軸線であるZ軸にほぼ平行となるように、被塗物40が軸線であるZ軸上に位置しており、液体塗着部となる面40a、40bはノズル22に対向しない状態とされている。
さらに、図4に示す例では、被塗物40と液体噴霧部20の相対的な位置関係が、被塗物40の一方の面40a(一方の塗布面)の任意の点とノズル22の先端を結ぶ一方側直線が、ノズル22の軸線(Z軸)に対して、被塗物40の他方の面40b(他方の塗布面)の任意の点とノズル22の先端を結ぶ他方側直線の反対側に位置する関係を満たす状態とされている。
特に、一方側軸線が、一方の塗布面(一方の面40a)のほぼ中央の位置とノズル22を結ぶ直線L1であり、他方側軸線が、他方の塗布面(他方の面40b)のほぼ中央の位置とノズル22を結ぶ直線L2である場合、一方側軸線(L1参照)とノズル22の軸線(Z軸)との間の角度θが、他方側軸線(L2参照)とノズル22の軸線(Z軸)との間の角度γとほぼ等しくされている。
そして、このような状態で液体の噴霧を開始すると、液体噴霧部20から噴霧される液体は、静電爆発により広い範囲に拡がるが、被塗物40自体が異極部となっているため、図4に矢印で示すように、液体塗着部となる面40a、40bに静電気力で引き寄せられて塗着する。
このため、被塗物40の表面及び裏面に対して一度の塗布作業で同時に液体の塗着を完了させることができるので、従来のように、ノズル22と被塗物40の表面を対向させて表面に液体を塗着させた後、被塗物40の向きをひっくり返して裏面とノズル22を対向させて裏面に液体を塗着させるときのように、被塗物40をひっくり返すような余計な作業が不要となり、作業性を向上させることができる。
なお、上記では、一方の塗布面(一方の面40a)及び他方の塗布面(他方の面40b)が被塗物40の厚さ分離間してほぼ平行な面になっている場合を示しているが、例えば、液体噴霧部20から離れる側に向かうに従って、被塗物40の厚さが厚くなり、一方の塗布面(一方の面40a)及び他方の塗布面(他方の面40b)は、離間距離が徐々に大きくなる傾斜面であってもよい。
一方、噴霧される液体の広がり方や被塗物40の大きさにもよるが、液体噴霧部20から離れる側に位置する液体塗着部となる面40a、40bの部分まで噴霧される液体が到達せず、塗布ムラとなる場合がある。
なお、この液体噴霧部20から離れる側に位置する液体塗着部となる面40a、40bの部分を面40a、40bの遠い側と記載する場合がある。
しかしながら、上述したように、本実施形態の静電噴霧装置10は、回動手段30によって液体噴霧部20を回動させることができるようになっているので、ノズル22は、図4に示す両矢印の方向に向きを変えることができる。
このため、例えば、図5に示すように、ノズル22が右側を向くように液体噴霧部20を回動させると、噴霧する液体が面40b側の空間により広く広がるように噴霧されるので、面40bの遠い側まで噴霧される液体が届き、その遠くに噴霧された液体は、被塗物40の面40bに静電気力で引き寄せられて面40bに直接塗着するので、面40bの遠い側まで塗布ムラがないように液体を塗着させることができる。
また、逆に、図示しないが、ノズル22が左側を向くように液体噴霧部20を回動させると、今度は、面40aの遠い側まで噴霧される液体が到達し、面40bの遠い側まで塗布ムラがないように液体を塗着させることができる。
このように、ノズル22を右側や左側に向けると、ノズル22の軸線であるZ軸の方向も変わり、この状態のときには、被塗物40はノズル22の軸線であるZ軸上を基準にノズル22の軸線から交差する方向に離間した位置に位置する状態になっている(図5参照)。
また、この状態のときにも液体を塗着させる予定の液体塗着部である面40a、40bはノズル22に対向しない状態のままである。
したがって、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を基準にノズル22の軸線(Z軸)から交差する方向に離間する位置に位置し(図5の太い矢印A参照)、被塗物40の液体を塗着させる予定の液体塗着部(面40b)がノズル22に対向しない状態で液体塗着部(面40b)に液体を塗着させる工程を含むことで、塗布ムラの発生を抑制することができる。
なお、図5では、ノズル22が右側に向いている場合を示しているが、左側を向いている場合には、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を基準にノズル22の軸線(Z軸)から交差する方向に離間する位置に位置し、被塗物40の液体を塗着させる予定の液体塗着部(面40a)がノズル22に対向しない状態で液体塗着部(面40a)に液体を塗着させる工程を含むことで、塗布ムラの発生を抑制することができる。
よって、本発明に係る静電噴霧方法は、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を基準にノズル22の軸線(Z軸)から交差する方向に離間する位置に位置し、被塗物40の液体を塗着させる予定の液体塗着部(面40a、40b)がノズル22に対向しない状態で液体塗着部(面40a、40b)に液体を塗着させる工程を含むことで、塗布ムラの発生を抑制することができる。
なお、本第1噴霧例では、液体を塗着させる予定の液体塗着部が被塗物40の表面及び裏面(面40a、40b)の両方の場合について説明したが、例えば、液体を塗着させる予定の液体塗着部が被塗物40の表面又は裏面の一方の面40a又は他方の面40bだけである場合もある。
例えば、他方の面40bだけに液体を塗着させるときには、はじめから、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を基準にノズル22の軸線(Z軸)から交差する方向に離間する位置に位置し(図5の太い矢印A参照)、被塗物40の液体を塗着させる予定の液体塗着部である他方の面40bがノズル22に対向しない状態で、その液体塗着部である他方の面40bに液体を塗着させる工程を実施するようにしてもよい。
同様に、一方の面40aだけに液体を塗着させるときには、はじめから、ノズル22が図5において、左側を向くようにすることで、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を基準にノズル22の軸線(Z軸)から交差する方向に離間する位置に位置し、被塗物40の液体を塗着させる予定の液体塗着部である一方の面40aがノズル22に対向しない状態で、その液体塗着部である一方の40aに液体を塗着させる工程を実施するようにしてもよい。
つまり、液体を塗着させる予定の液体塗着部が被塗物40の表面又は裏面の一方の面40a又は他方の面40bだけである場合、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を基準にノズル22の軸線(Z軸)から交差する方向に離間する位置に位置し、被塗物40の液体を塗着させる予定の液体塗着部である一方の面40a又は他方の面40bがノズル22に対向しない状態で、その液体塗着部である一方の40a又は他方の面40bに液体を塗着させる工程を実施するようにしてもよい。
また、被塗物40に液体を塗着させる工程は、ノズル22が停止している状態で行う必要もなく、液体を噴霧している状態でノズル22を左側や右側に動かしながら被塗物40に液体を塗着させるようにしてもよい。
このようにノズル22の向く方向を変えるようにすると、ノズル22の軸線(Z軸)は、被塗物40に近づいたり離れたりする状態となる。
つまり、被塗物40に液体を塗着させる工程では、被塗物40とノズル22の軸線(Z軸)との間の離間距離を変化させることを含んでいてもよい。
なお、被塗物40が上下方向に大きい場合には、液体噴霧部20を上下方向(鉛直方向)に移動できるようにしておけば上下方向にも良好な液体の塗着が行える。
このため、例えば、鉛直方向移動手段を設け、回動手段30を鉛直方向移動手段の上に取付けるようにしてもよい。
(第2噴霧例)
上記では、液体噴霧部20と被塗物40の間の距離を変えることなく液体を噴霧する場合について示していたが、図6に示す第2噴霧例のように、この距離を変えるようにしてもよい。
具体的には、図6に示すように、例えば、ノズル22が右側を向くようにした状態で、太い両矢印Bで示す被塗物40と液体噴霧部20の間の距離を短くし、液体噴霧部20が被塗物40の近くに位置するようにしてもよく、逆に、距離を長くして液体噴霧部20が被塗物40から遠くに位置するようにしてもよい。
図6に示すように、液体噴霧部20を被塗物40の近くに位置させるようにすると、ノズル22の位置が矢印Cで示すように、被塗物40の近くに位置するようになるので、液体の噴霧開始点が被塗物40の近くに位置することになる。
逆に、液体噴霧部20を被塗物40から遠くに位置させるようにすると、液体の噴霧開始点が被塗物40から遠くに位置することになる。
このように、被塗物40に対して噴霧開始点を近寄らせたり、離したりすることで、被塗物40の面40b上での液体の到達距離を変えることができるので、面40bの遠い側に液体を到達させるようにしたり、逆に、面40bの遠い側に液体が届かず、液体噴霧部20に近い側だけに液体が塗着するようにしたりすることができる。
また、液体を噴霧している状態で液体噴霧部20を被塗物40に連続的に近づけたり、連続的に離したりすることを繰り返すようにしてもよく、そのような動作を行うことで面40bに万遍なくきれいに液体を塗着させることができる。
なお、このように液体噴霧部20と被塗物40の間の距離を変える方法は、液体噴霧部20を被塗物40に近づけたり、離したりするように動かすことに限定される必要はなく、逆に、被塗物40を液体噴霧部20に近づけたり、離したりするように動かしてもよい。
さらには、液体噴霧部20と被塗物40の双方を動かすようにして液体噴霧部20と被塗物40の間の距離を変えるようにしてもよい。
つまり、被塗物40側又は液体噴霧部20側の少なくとも一方に液体噴霧部20と被塗物40の間の距離を変える距離変更手段を設けるようにすればよい。
(第2実施形態)
次に、図7を参照しながら、本発明に係る第2実施形態について説明する。
第2実施形態の静電噴霧装置10’は、第1実施形態の静電噴霧装置10の構成に移動手段70が加わっている点が異なるだけであり、その他の点については第1実施形態と同様である。
したがって、主にこの異なる点について説明を行い、同様の点については説明を省略する場合がある。
第2実施形態の静電噴霧装置10’は、回動手段30が、例えば、コンベアのような移動手段70の上に設けられるようになっており、この移動手段70によって、図7の太い矢印Dに示すように、回動手段30ごと右側や左側に移動させることで液体噴霧部20を右側や左側に移動させることができるようになっている。
つまり、ノズル22の軸線であるZ軸と直交する方向に液体噴霧部20を移動させることが可能であり、右側に液体噴霧部20を移動させると、図7の矢印D1で示すように、ノズル22も右側に移動し、逆に、左側に液体噴霧部20を移動させると、矢印D2で示すように、ノズル22も左側に移動する。
そして、ノズル22が右側に移動すると、液体の噴霧開始点も右側に移動するので、被塗物40の面40b側の空間により広く液体が噴霧されることになり、第1実施形態でノズル22の向く方向を右側に向けたときと同様に面40bの遠い側に液体を到達させ、塗布ムラの発生を抑制することができる。
また、ノズル22が左側に移動するようにすれば、第1実施形態でノズル22の向く方向を左側に向けたときと同様に面40aの遠い側に液体を到達させることができ、塗布ムラの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、回動手段30を移動手段70上に設けるようにしているが、移動手段70に液体噴霧部20を支持する支持部を設けるようにして、回動手段30を省略するようにしてもよい。
また、上記では、移動手段70で液体噴霧部20を移動させることについてのみ説明したが、それに加えて、回動手段30で液体噴霧部20を回動させ、ノズル22の向く方向も変えるようにしてもよい。
さらに、上記では、液体噴霧部20側を移動させることで、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)の右側にも左側にも位置することができるようにした場合について示したが、この動きは相対的に見て同様の動きが実現されていればよいので、相対的に見たときに、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を横切るように移動できるようになっていればよい。
したがって、被塗物40側をノズル22の軸線(Z軸)に直交する方向に移動させるようにすることで、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を横切るような動きを実現してもよく、被塗物40と液体噴霧部20の双方をノズル22の軸線(Z軸)に直交する方向に移動させるようにすることで、被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を横切るような動きを実現するようにしてもよい。
なお、第2実施形態の静電噴霧装置10’を用いた被塗物40に液体を塗着させる工程においても、このようにノズル22及び被塗物40の間の相対的な移動を行うようにして、第1実施形態で述べたのと同様に、被塗物40とノズル22の軸線(Z軸)との間の離間距離(図7の太い両矢印E参照)を変化させることを含んでいてもよいものである。
加えて、第1実施形態で述べたように、被塗物40と液体噴霧部20の間の距離を変える距離変更手段を設けるようにして、被塗物40と液体噴霧部20の間の距離を変えるようにしてもよい。
ところで、第2実施形態の場合、被塗物40側をノズル22の軸線(Z軸)に直交する方向に移動させる手段を設けるようにして連続的に複数の被塗物40がノズル22の軸線(Z軸)を横切ることができるようにしておけば、効率よく複数の被塗物40の両面(表面及び裏面)に液体を塗着させることができるので好適である。
この場合、例えば、被塗物40をノズル22の軸線(Z軸)に直交する方向に移動させるためのコンベア式の移動手段を設け、その移動手段の被塗物40が載置される載置部を電圧印加手段50(図1参照)に電気的に接続しておくようにしておけば、被塗物40を載置部に載置するだけで、被塗物40を電圧印加手段50(図1参照)に電気的に接続することができる。
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
上記では主に被塗物40として平板状のものについて説明してきたが、被塗物40の形状は平板状のものに限定されるものではなく、例えば、被塗物40は、円柱状や円筒状のもので、その外周面の全周が液体を塗着させる液体塗着部であるようなものであってもよい。
図8に示すように、直径が大きい円柱状の被塗物40の場合、ノズル22に対向することになる正面側の部分40c(両矢印で示す範囲参照)には、良好に液体を塗着させることができる。
しかしながら、被塗物40とノズル22が対向するようになっている場合、被塗物40の横側や正面と反対側に位置する背面側などの部分40d(両矢印で示す範囲参照)に液体を塗着させることが難しい場合がある。
このようなときにも、図8に示すように、ノズル22を右側に位置するように液体噴霧部20を移動させると(矢印F参照)、被塗物40の右横側に液体が静電気力で引き寄せられて塗着するだけでなく、右横側に塗着せずに通り過ぎた液体が背面側に静電気力で引き寄せられて塗着する(図8の点線矢印参照)。
したがって、被塗物40の右横側や正面側と反対側に位置する背面側などの部分40dのうち、右側半面に良好に液体を塗着させることができる。
また、図示しないが、ノズル22を左側に位置するように液体噴霧部20を移動させると、今度は、被塗物40の左横側や正面と反対側に位置する背面側などの部分40dのうち、左側半面に良好に液体を塗着させることができる。
この結果、被塗物40を回転させるなどの作業を行わずに被塗物40の外周面の全周に液体を良好に塗着させることができる。
なお、図8に示す例では、ノズル22の位置を右側や左側に移動するために、液体噴霧部20を移動させる場合を示しているが、これに限らず、回動手段30で液体噴霧部20を回動させることでノズル22の向く方向を右側や左側に向けるようにしてもよい。
このように、本発明は上記具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10、10’ 静電噴霧装置
20 液体噴霧部
21 胴体部
21a 液体供給口
21b 液体流路
21c 孔部
21d 後端開口部
21e 雌ネジ構造
22 ノズル
22a 先端外周縁
22b 開口部
23 心棒
23a 摘み部
23b 電気配線接続部
23c 雄ネジ構造
23d 先端面
24 シール部材
30 回動手段
31 支持部
31a 保持部
32 回動機構部
40 異極部(被塗物)
40a、40b 面
40c、40d 部分
50 電圧印加手段
60 アース手段
70 移動手段
80 テーラコーン

Claims (13)

  1. ノズルを有する液体噴霧部と前記液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力で液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて被塗物に液体を塗着する静電噴霧方法であって、
    前記被塗物が前記ノズルの軸線と離間する位置に位置し、前記被塗物の液体を塗着させる予定の液体塗着部が前記ノズルに対向しない状態で前記液体塗着部に前記液体を塗着させる工程を含むことを特徴とする静電噴霧方法。
  2. 前記工程が、前記被塗物と前記ノズルの軸線との間の離間距離を変化させることを含むことを特徴とする請求項1に記載の静電噴霧方法。
  3. 前記離間距離の変化が、前記被塗物又は前記液体噴霧部の少なくとも一方を前記ノズルの軸線と直交する方向に移動させることで行われていることを特徴とする請求項2に記載の静電噴霧方法。
  4. 前記離間距離の変化が、前記ノズルの向く方向を変えることで行われていることを特徴とする請求項2に記載の静電噴霧方法。
  5. 前記液体塗着部が、平板状の前記被塗物の表面又は裏面のうちの少なくとも一方の面であり、
    前記液体塗着部となる面が、前記ノズルの軸線とほぼ平行となるようにされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電噴霧方法。
  6. 前記工程が、前記被塗物と前記ノズルの間の距離を変化させることを含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の静電噴霧方法。
  7. ノズルを有する液体噴霧部と液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力で液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて被塗物に液体を塗着する静電噴霧方法であって、
    前記被塗物の前記液体を塗着させる予定の液体塗着部が平板状の前記被塗物の表面又は裏面のうちの少なくとも一方の面であり、
    前記液体塗着部となる面が前記ノズルの軸線とほぼ平行となるように、前記ノズルの軸線上に前記被塗物を位置させ、前記液体塗着部が前記ノズルに対向しない状態で前記液体塗着部に前記液体を塗着させる工程を含むことを特徴とする静電噴霧方法。
  8. ノズルを有する液体噴霧部と液体噴霧部に対して異極となる異極部との間に電圧を印加して発生する静電気力で液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させて被塗物に液体を塗着する静電噴霧方法であって、
    前記被塗物は、前記液体を塗着させる予定の液体塗着部として離間した2つの塗布面を有し、
    前記被塗物と前記液体噴霧部の相対的な位置関係が、前記被塗物の一方の前記塗布面の任意の点と前記ノズルの先端を結ぶ一方側直線が、ノズルの軸線に対して、前記被塗物の他方の前記塗布面の任意の点と前記ノズルの先端を結ぶ他方側直線の反対側に位置する関係を満たす状態で2つの両方の前記塗布面に同時に前記液体を塗着させる工程を含むことを特徴とする静電噴霧方法。
  9. 前記一方側軸線が、一方の前記塗布面のほぼ中央の位置と前記ノズルを結ぶ直線であり、
    前記他方側軸線が、他方の前記塗布面のほぼ中央の位置と前記ノズルを結ぶ直線であり、
    前記一方側軸線と前記ノズルの軸線との間の角度が、前記他方側軸線と前記ノズルの軸線との間の角度とほぼ等しいことを特徴とする請求項8に記載の静電噴霧方法。
  10. 前記被塗物が平板状であり、
    一方の前記塗布面及び他方の前記塗布面が前記平板状の前記被塗物の表面及び裏面であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の静電噴霧方法。
  11. ノズルを有する液体噴霧部と、
    前記ノズルの向く方向を変えるように前記液体噴霧部を回動させる回動手段と、
    前記液体噴霧部と前記液体噴霧部に対する異極となる異極部との間に電圧を印加して静電気力を発生させ、被塗物に液体を塗着させるように、前記液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させる電圧印加手段と、を備えることを特徴とする静電噴霧装置。
  12. ノズルを有する液体噴霧部と、
    前記液体噴霧部と前記液体噴霧部に対する異極となる異極部との間に電圧を印加して静電気力を発生させ、液体を帯電状態で前記ノズルから離脱させる電圧印加手段と、
    前記ノズルから離脱した帯電状態の前記液体を塗着させる被塗物が前記ノズルの軸線を横切るように、前記被塗物又は前記液体噴霧部のうちの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を備えることを特徴とする静電噴霧装置。
  13. 前記被塗物又は前記液体噴霧部のうちの少なくとも一方を移動させ、前記被塗物と前記ノズルの間の距離を変化させる移動手段を備えることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の静電噴霧装置。
JP2015235413A 2015-12-02 2015-12-02 静電噴霧方法及び静電噴霧装置 Pending JP2017100080A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015235413A JP2017100080A (ja) 2015-12-02 2015-12-02 静電噴霧方法及び静電噴霧装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015235413A JP2017100080A (ja) 2015-12-02 2015-12-02 静電噴霧方法及び静電噴霧装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017100080A true JP2017100080A (ja) 2017-06-08

Family

ID=59015267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015235413A Pending JP2017100080A (ja) 2015-12-02 2015-12-02 静電噴霧方法及び静電噴霧装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017100080A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019092922A (ja) * 2017-11-24 2019-06-20 株式会社大林組 除菌方法及び除菌装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6497766B1 (en) * 2000-07-19 2002-12-24 Basf Corporation Electrostatic spray fixture for plastic test panels
WO2009060898A1 (ja) * 2007-11-07 2009-05-14 Fuence Co., Ltd. 固定化装置
JP2012236169A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Mesac Corp 静電粉体塗装装置及び塗装方法
JP2014117689A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Daikin Ind Ltd 成膜装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6497766B1 (en) * 2000-07-19 2002-12-24 Basf Corporation Electrostatic spray fixture for plastic test panels
WO2009060898A1 (ja) * 2007-11-07 2009-05-14 Fuence Co., Ltd. 固定化装置
JP2012236169A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Mesac Corp 静電粉体塗装装置及び塗装方法
JP2014117689A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Daikin Ind Ltd 成膜装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019092922A (ja) * 2017-11-24 2019-06-20 株式会社大林組 除菌方法及び除菌装置
JP7147153B2 (ja) 2017-11-24 2022-10-05 株式会社大林組 除菌方法及び除菌装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101653753B (zh) 静电涂敷装置
JP6589280B2 (ja) 静電噴霧装置
JP6473629B2 (ja) 静電噴霧装置
WO2017082279A1 (ja) 静電噴霧装置及び静電噴霧方法
WO2017082278A1 (ja) 静電噴霧装置
WO2016190270A1 (ja) 静電噴霧装置用マスキング治具、そのマスキング治具を備える静電噴霧装置、及び、そのマスキング治具を用いた静電噴霧方法
JP2017074568A (ja) マスキング治具を用いた液体塗着方法、そのためのマスキング治具、及び、そのマスキング治具を用いた静電噴霧装置
JP2017100080A (ja) 静電噴霧方法及び静電噴霧装置
JP6672575B2 (ja) 静電噴霧装置
JP6485951B2 (ja) 静電噴霧装置の流量調整方法、及び、その流量調整のできる静電噴霧装置
JP6494090B2 (ja) 静電噴霧装置
JP2017170412A (ja) 静電噴霧装置及び静電噴霧方法
JP6613481B2 (ja) 液体塗着方法
JP6494095B2 (ja) 静電噴霧装置
JP2019058864A (ja) 静電噴霧方法及びその静電噴霧方法のための静電噴霧装置
JP2017202468A (ja) 静電噴霧装置及び静電噴霧方法
JP6678891B2 (ja) 液体塗着方法及びそれに用いる静電噴霧装置
JP6473643B2 (ja) 静電噴霧装置
WO2019221100A1 (ja) マスキング治具
WO2017164198A1 (ja) 静電噴霧装置
WO2020110707A1 (ja) マスキング治具及び静電噴霧装置
WO2020165987A1 (ja) 静電噴霧方法及びその静電噴霧方法に用いるのに好適な静電噴霧装置
JP2017056435A (ja) 静電噴霧装置用ブース、及び、そのブースを備える静電噴霧装置
JPH0924306A (ja) 静電塗装装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210105