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JP2017099176A - 界磁用永久磁石 - Google Patents

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Masahiro Kayano
雅浩 萱野
橋本 擁二
Youni Hashimoto
擁二 橋本
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Abstract

【課題】塵、微小な金属粒子等のダストに起因した回転機のノイズを抑止できる界磁用永久磁石を提供する。
【解決手段】本発明の界磁用永久磁石は、軸方向に延在する異なる磁極が周方向に交互に配設されている肉厚が一定な円筒状のリング磁石(1)からなり、回転機(M)の界磁に用いられる。そのリング磁石は、磁極が一方から他方へ移行する遷移域で軸方向に互い違いに配設されており、軸方向の一端側で開口して他端側へ延在する縦溝(11〜14)を有している。縦溝の少なくとも一つ以上は、リング磁石の軸方向の長さである磁石長(L)に対する開口端から最深部までの長さである溝高(H)の比である溝高比(H/L)が1/2〜2/3で、互い違いに配設された縦溝の溝高の和は、磁石長以上となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転機(電動機または発電機)の界磁用永久磁石に関する。
回転機には、誘導機(交流機の一種)のように永久磁石を必要としないものもあるが、効率性や制御性等の観点から、永久磁石からなる界磁と電機子とを組合わせた回転機が用いられることが多い。
特に、様々な装置や機器に多用されるDCモータ(直流機の一種)等は、小型化、軽量化、低コスト化等が強く要求され、その界磁用永久磁石としてリング磁石が用いられることが多い。このようなリング磁石に関連する記載は、例えば下記の特許文献にある。
特許5559600号公報 実開平4−111279号公報
特許文献1には、外周側が略正n角形状で内周側が円状の断面を有する筒状磁石(リング磁石)からなり、薄肉部分(略正n角形の平面部分)に、軸方向に延在する細長い切り欠き部を交互に配置したDCモータ用マグネットに関する記載がある(図2または図3)。特許文献1では、偏肉形状のDCモータ用マグネットが熱膨張によって歪に変形することを回避するために、変形し易い薄肉部分に設けた切り欠き部により、全体の熱膨張を吸収させている。
特許文献2には、直流回転機のコギングトルクを低減するために、対向するV字状の切込部を軸方向の両端側のみに設けたマグネットリングに関する記載がある(図3)。
特許文献1や特許文献2には記載されていない回転機に関する課題として、ノイズ低減がある。ノイズの発生要因は複数あるが、ロータとステータの間に形成された僅かなエアギャップ間に侵入、付着等した異物(塵や金属微粒子等)が、ノイズ発生の要因の一つとなる。このような異物が、回転機の運転中に、ロータまたはステータに断続的に接触すると、ノイズ(異音)が発生する。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、回転機のノイズ低減を図ることができる界磁用永久磁石を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、異物を捕集できる縦溝を、磁極が反転するリング磁石の境界域(遷移域)に設けることを思い付いた。この発想を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《界磁用永久磁石》
(1)本発明の界磁用永久磁石は、軸方向に延在する異なる磁極が周方向に交互に配設されている肉厚が一定な円筒状のリング磁石からなり、回転機の界磁に用いられる界磁用永久磁石であって、前記リング磁石は、前記磁極が一方から他方へ移行する遷移域で軸方向に互い違いに配設されており、軸方向の一端側で開口して他端側へ延在する縦溝を有し、該縦溝の少なくとも一つ以上は、該リング磁石の軸方向の長さである磁石長(L)に対する該開口端から最深部までの長さである溝高(H)の比である溝高比(H/L)が1/2〜2/3であり、該互い違いに配設された縦溝の溝高の和は、磁石長以上であることを特徴とする。
(2)本発明によれば、回転機を構成するロータとステータとの隙間(エアギャップ)に、塵、金属バリ、摩耗粉等のダスト(異物)が侵入等しても、界磁用永久磁石に設けた縦溝によって、そのダストは確実に捕集(トラップ)される。従って、本発明の界磁用永久磁石を用いれば、微小な異物(単に「ダスト」という。)がエアギャップに侵入等する状況でも、それに起因して生じ得る回転機のノイズを十分に抑止できる。
本発明に係る縦溝により、ダストが確実にトラップされる理由は次の通りである。先ず、本発明に係るリング磁石には、軸方向の一端側で開口して他端側に向けて延在する(第1)縦溝と、他端側で開口して一端側に向けて延在する(第2)縦溝とが、交互(いわゆる「互い違い」)に配置されている。そして、それら縦溝の少なくとも一方は、開口端から最深部までの長さ(溝高:H)が、リング磁石の磁石長(L)の1/2以上となっていると共に、互い違いに配置された縦溝の溝高の和が磁石長以上となっている。
このため、エアギャップ(円筒状空間)に侵入等してロータとステータに接触し得るダストは、どの位置にあっても、ロータの回転に伴い、リング磁石に設けたいずれかの縦溝内に接触してトラップされることとなる。
このようにダストが確実にトラップされる点で、本発明に係るリング磁石と上述した特許文献2のマグネットリングとは大きく相違する。特許文献2のマグネットリングの場合、その軸方向の中央付近に付着したダストは、両端側に設けた切込部によりトラップされることはなく、ノイズ発生源となり続ける。
次に、本発明のリング磁石は、肉厚が一定であり、その一部に形成された縦溝も、周囲(磁石部分)と同じ厚さ(径方向の深さ)を有する。ここで、リング磁石の肉厚は、通常、エアギャップ(隙間幅)よりも十分に大きい。このため、ステータとロータに接触するサイズ(エアギャップよりも大きい粒径等)のダストでも、縦溝内に取り込まれることにより、そのダストはステータまたはロータと接触しなくなる。こうしてダストに起因したノイズが確実に抑止される。
このような点で、本発明に係るリング磁石と上述した特許文献1のマグネットとは大きく相違する。特許文献1のマグネットの場合、切り欠き部は肉厚が小さい部分に意図的に設けられている。このため、比較的大きなサイズのダストがエアギャップに侵入すると、このダストを特許文献1の切り欠き部で取り込むことは困難である。仮に、そのダストが切り欠き部に部分的に取り込まれたとしても、依然として、ステータまたはロータと接触し続ける可能性が高い。従って、特許文献1のような切り欠き部では、ダストに起因して生じる回転機のノイズを確実に抑止できない。
《回転機》
本発明は、上述した界磁用永久磁石としてのみならず、それを用いた回転機としても把握できる。すなわち本発明は、上述した界磁用永久磁石を起磁源とする界磁と、電機子とを備えることを特徴とする回転機としても把握できる。この際、本発明に係るリング磁石の厚さが、界磁と電機子の隙間(またはステータとロータの隙間)であるエアギャップよりも大きいと、上述したように、ダストが確実にトラップされて、そのダストに起因した回転機のノイズが効果的に抑止される。
ちなみに、回転機は、電動機(モータ)でも発電機(ジェネレータ)でもよい。また回転機は、界磁側がステータ(固定子)で電機子側がロータ(回転子)でもよいし、界磁側がロータで電機子側がステータでもよい。さらに回転機は、界磁の起磁源に永久磁石を用いるものであれば、直流機の他、交流機でもよい。例えば、回転機は、一般的なDCモータ等の他、ステータに設けたコイル(電機子巻線)へ供給する交流電流の周波数に同期して回転数が変化する同期機、ホール素子、ロータリエンコーダ、レゾルバ等の検出手段により検出された回転子の位置に基づいてステータ側に回転磁界を生じさせるブラシレス直流(DC)モータ等でもよい。
《その他》
(1)少なくとも縦溝を設ける分だけ、本発明の界磁用永久磁石は軽量化される。また、その縦溝は遷移域に設けられるため、電機子のコイルを貫く鎖交磁束量の低下も殆どない。さらに縦溝は、端部から開口しているため、従来のリング磁石と同様な方法で製造できる。
(2)縦溝の溝高比が過大になると、磁極間の遷移域(架橋域)が過小となり、リング磁石の維持(筒状の保形)が強度的に困難となる。また、溝高比が過小になると、ダストトラップが不十分となり得る。そこで、溝高比は1/2〜2/3、1/2〜4/7さらには1/2〜5/9であると好ましい。
(3)本明細書でいう「x〜y」は、特に断らない限り、下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を、新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
(4)本明細書でいう「軸」とは、回転機の回転軸である。「軸方向」とは、その回転軸(中心軸)が延在する方向である。「周方向」とは、その回転軸周りの方向である。なお、適宜、軸方向を「縦方向」といい、縦方向に直交する方向を「横方向」ともいう。「端」とは、特に断らない限り、軸方向の端である。「端部」はその「端」の近傍という意味である。また、回転軸に近い側を「内(周)側」といい、逆にその回転軸から遠い側を「外(周)側」という。
回転機の一実施例であるDCモータの概要を示す斜視図である。 界磁用永久磁石となるリング磁石を示す斜視図である。 リング磁石に設けたV字状縦溝の傾角(θ)とリング磁石の重量低減率との関係を示すグラフである。 その傾角(θ)と鎖交磁束量低下率との関係を示すグラフである。 その傾角(θ)とコギングトルク低減率との関係を示すグラフである。
本明細書で説明する内容は、本発明の界磁用永久磁石または回転機のみならず、それらの製造方法にも該当し得る。上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一以上の構成要素を付加し得る。この際、製造方法に関する構成要素は、一定の場合(構造または特性により「物」を直接特定することが不可能であるかまたは非実際的である事情(不可能・非実際的事情)等がある場合)、プロダクトバイプロセスとして「物」に関する構成要素ともなり得る。なお、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《縦溝》
縦溝は、一方側が開口して他方側(底部側)が閉口している凹状であればよく、リング磁石の遷移域に形成可能な範囲内で、種々の形状をとり得る。縦溝は、例えば、開口端から最深部近傍にかけて溝幅がほぼ一定な細長い方形状(矩形状)でもよいし、その溝幅が単調減少する略V字状または略U字状等でもよい。また、縦溝の輪郭線(開口端から最深部に至るアウトライン)は、直線状でも曲線状でもよい。その輪郭線を構成する曲線は、円弧状のラインを滑らかに接続したものでもよいし、サインカーブ等でもよい。いずれの場合でも、縦溝の輪郭線は中心線に対して左右対称であると、リング磁石の製造または回転機の特性等の観点から好ましい。
互い違いに配設される各縦溝は、全て同形態(同形状かつ同サイズ)であると、軸方向および周方向に均衡がとれたリング磁石となり、リング磁石の設計・製作や回転機の制御等も容易となり好ましい。形状またはサイズ(溝高)の異なる複数種の縦溝を設ける場合は、隣合う縦溝を互い違いに配設すると共に、リング磁石全体として磁束量や重量等が均衡されるように各縦溝の形状や配置を調整するとよい。
なお、開口端近傍にある角部は、欠けやバリ等の発生を抑止するため、丸面取り(R面取り)または平面取り(C面取り)されていると好ましい。また、最深部(底部)の隅部も、破壊起点となる応力集中を回避するために、曲線状または丸面取り(隅R)等されていると好ましい。
《磁極》
リング磁石は、極性(磁束の向き)が異なる少なくとも1対の磁極を有する。つまり、リング磁石の外周面側をN極とする磁極と、その外周面側をS極とする磁極とが、リング磁石の周側面に沿って交互に配置されている。リング磁石の磁極数は回転機の仕様に応じて選択されるが、4極以上であると、高効率な回転機が得られ易い。
磁極は、配向または着磁により形成される。配向は、異方性磁石粉末を成形する際になされる。本明細書では、主に着磁により磁極を形成する場合について説明するが、その内容は配向により磁極を形成する場合にも該当し得る。
磁極は、ストレート着磁されたものでも、スキュー着磁されたものでもよい。ストレート着磁は、異なる磁極間の境界がリング磁石の軸に対して平行となる着磁であり、スキュー着磁はその境界がリング磁石の軸に対してねじれた状態となる着磁である。従って、ストレート着磁すると、遷移域は、軸方向に対して平行になる。一方、スキュー着磁すると、遷移域は、軸方向に対してねじれたものとなる。
スキュー着磁したリング磁石を用いると、回転機のコギングトルクまたはトルクリップルの低減を図れる点で好ましい。ストレート着磁すると、スキュー着磁する場合よりも、設備の初期費用やその維持管理費用(ランニングコスト)等の低減を図れて好ましい。もっとも、本発明に係る縦溝が略V字状または略U字状である場合、ストレート着磁しても、結果的にスキュー着磁したときと同様な磁極となり、コギングトルクの低減が図られ得る。
リング磁石の着磁(または配向)は、ラジアル分布またはセミラジアル分布した磁場中でなされると好ましい。ラジアル分布は全磁場がラジアル(放射)方向を向いている分布である。セミラジアル分布は、磁極の主要域では磁場が円周側面の法線方向に向いており、主要域間である遷移域では磁場が中立点(磁極の境界点)に近づくに連れて徐々に周回接線方向を向き、中立点(磁極の境界点)で周回接線方向となった後、中立点から遠ざかるに連れて徐々に磁場が円周側面の法線方向を向く分布である。なお、セミラジアル分布(配向)等に関しては、特開2005−312166号公報、国際公開公報(WO2010/029642、WO2011/126026、WO2011/126023)等にも詳述されている。
《リング磁石》
リング磁石は、磁石粉末を焼結させた焼結磁石であっても、磁石粉末を樹脂で結合したボンド磁石(プラスチック磁石)であってもよい。ボンド磁石は形態自由度が高く、生産性や取扱性等に優れ、リング磁石と界磁用ヨーク(ケース等)との一体化も容易である。
ボンド磁石の原料となる磁石粉末には種々ある。その磁石粉末は、例えば、低廉なフェライト磁石粉末でも良いし、高磁気特性の希土類磁石粉末でもよい。希土類磁石粉末は、例えば、Nd−Fe−B系磁石粉末、Sm−Fe−N系磁石粉末、Sm−Co系磁石粉末等である。これら希土類磁石粉末は、一種のみならず複数種からなってもよい。ちなみに複数種の磁石粉末は、成分組成が異なるものに限らず、粒径分布が異なるものでもよい。例えば、Nd−Fe−B系磁石粉末の粗粉と微粉を組み合わせたものでも、Nd−Fe−B系磁石粉末の粗粉とSm−Fe−N系磁石粉末の微粉を組み合わせたものでもよい。なお、本発明に係るボンド磁石は、希土類異方性磁石粉末および/または希土類等方性磁石粉末と、フェライト磁石粉末等とが混在したものでもよい。
希土類異方性磁石粉末を用いる場合、配向磁場中で成形(圧縮成形、射出成形またはトランスファー成形等)した後に、上述した着磁を行うと、高磁気特性のボンド磁石(リング磁石)が得られて好ましい。成形中の配向も、上述したように、ラジアル分布した磁場中でなされても、セミラジアル分布した磁場中でなされてもよい。
磁石粉末を結合する樹脂(バインダ樹脂)は、ゴムを含む公知の材料から、成形方法や回転機の仕様等に応じて適宜選択される。圧縮成形する場合であれば、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ジリアルフタレート樹脂、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂を用いることができる。この場合、成形後に加熱硬化処理(キュア処理)がなされると好ましい。これにより、樹脂量を低減しつつ、磁気特性、耐熱性、強度等に優れたリング磁石を得ることができる。
射出成形する場合であれば、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、メチルペンテン、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
《界磁》
回転機の界磁は、通常、本発明の界磁用永久磁石と、界磁用ヨーク(軟磁性材からなるケース等)を組合わせ構成される。例えば、本発明に係るリング磁石を略円筒状のケース(筐体)に収容して一体化することにより、回転機の界磁が形成される。この場合、リング磁石とケースの一体化は、例えば、圧入、接着等により行える。また、略円筒状または略円柱状の外周側にリング磁石を配設して界磁を構成してもよい。
なお、本発明に係る界磁は、ステータとなることもあれば、ロータとなることもある。また、そのロータは、インナーロータの場合もあれば、アウターローターの場合もある。
《回転機》
本発明の界磁用永久磁石を用いた回転機は、例えば、自動車に搭載される各装置の駆動モータまたは家電製品の駆動モータ等に用いられる。
《構成》
本発明の回転機に係る一実施例であるDCモータMの主要部であるロータR(電機子)とステータS(界磁)を図1に示した。ステータSを構成するリング磁石1(界磁用永久磁石)を図2に示した。DCモータMは、4極14スロットタイプである。このDCモータMは、車載装置の駆動等に用いられる。
ロータRは、電磁鋼板(軟磁性材)を積層して形成された14個のスロットと、その各スロットに電線が巻回されて形成されたコイル(図略)とを有する。各コイルの端部は、回転軸(図略)と一体的に回転する整流子と接続されている。各整流子がブラシ(図略)と接触することにより、各コイルへ直流電力が通電される。
ステータSは、リング磁石1と、有底円筒状に成形された軟鋼(軟磁性材)からなるケース2とを有する。リング磁石1は、ケース2内に嵌入されており、両者は圧入または接着により一体化されている。なお、図1では、リング磁石1の全体を示すために、ケース2を半断面で示した。
リング磁石1は、図1または図2に示すように、略円筒状をしており、4つの磁極間(遷移域)に、4つの縦溝11〜14が、互い違いに形成されている。リング磁石1は、Nd−Fe−B系希土類異方性磁石粉末とエポキシ樹脂(バインダ樹脂)からなるボンド磁石である。具体的にいうと、リング磁石1は、先ず、希土類異方性磁石粉末とバインダ樹脂からなるコンパウンド(磁石原料)を、円筒状のキャビティに充填し、セミラジアル配向した磁場中で加熱する。これにより各磁石粒子は、磁化容易軸が配向磁場に沿った向きとなるように、軟化または溶融した樹脂中で姿勢を変える。この状態で圧縮成形および冷却固化させると、略円筒状の成形体が得られる。この成形体をキュア処理してバインダ樹脂を熱硬化させることにより、略円筒状のボンド磁石が得られる。このボンド磁石をケース2に装着して、ストレート着磁することにより、本発明に係る一実施例であるリング磁石1が得られる。
ちなみに、縦溝11〜14は、円筒状キャビティ内に充填したコンパウンドを圧縮成形するときに用いるパンチの先端を、縦溝11〜14の凹形状に対応した凸形状とすることにより、容易に形成可能である。その他、ボンド磁石の製造工程については、例えば、既述した国際公開公報(WO2011/126023)等にも詳述されている。
ところで、縦溝11〜14(単に「縦溝11等」ともいう。)は、各遷移域に一つずつ、向きを逆にして配置(互い違いに配置)されている。また、縦溝11等はいずれも、基本形状は同じである。具体的にいうと、例えば、縦溝11は、回転軸lに対して左右対称であり、リング磁石1の一端部111で開口し、他端部側にある最深部112を頂点とした略V字型に切り込まれた形状となっている。但し、一端部111の角部と最深部112の隅は、いずれも丸面取りされており、縦溝11の輪郭線(外形線)は滑らかに連続している。
《評価》
縦溝11等の形状と、各特性(重量、磁束量またはコギングトルク)との関係を、シミュレーションにより求めた。これらの関係を図3A〜図3C(これらを併せて単に「図3」という。)に示した。
この際、リング磁石は、外径:φ30.0mm、内径:φ27.0mm、肉厚:1.5mm、長さ(磁石長L):35.0mmとして計算した。また、縦溝は、開口端の溝幅:5mm(一定)、開口端から最深部までの深さ(溝高H):23mmとし、図2に示した傾角(θ)が0°、2°、4°または6°となる各場合について計算した。なお、ここでいう傾角(θ)は、縦溝の側面が軸方向に延在する縦溝の中心線に対して傾斜している角度であり、V字状縦溝の開き角(V字角または頂角)は2θとなる。開口端の溝幅は一定としているので、θ=0°は、縦溝が矩形状(5mm×23mm)となる場合を示す。各図の縦軸は、縦溝11等を設けたリング磁石からなる各試料の特性(X)と、縦溝11等を設けていない完全な円筒状のリング磁石からなる基準試料の特性(X)と、に基づいて算出した変化率(100×(X−X)/X %)で示した。
ロータとステータのエアギャップ(0.5mm)よりも肉厚の大きなリング磁石に、溝高比(H/L)が1/2〜2/3となる縦溝(上記例:H/L=0.66≒2/3)を設けることにより、先ずは、確実なダストトラップが可能となる。これに加えて、図3から明らかなように、縦溝の形状を工夫することにより、界磁用永久磁石であるリング磁石の磁束量を殆ど低下させることなく、その重量低減とコギングトルク低減を両立させ得ることが明らかとなった。
M DCモータ(回転機)
S ステータ
R ロータ
1 リング磁石
11 縦溝

Claims (4)

  1. 軸方向に延在する異なる磁極が周方向に交互に配設されている肉厚が一定な円筒状のリング磁石からなり、回転機の界磁に用いられる界磁用永久磁石であって、
    前記リング磁石は、前記磁極が一方から他方へ移行する遷移域で軸方向に互い違いに配設されており、軸方向の一端側で開口して他端側へ延在する縦溝を有し、
    該縦溝の少なくとも一つ以上は、該リング磁石の軸方向の長さである磁石長(L)に対する該開口端から最深部までの長さである溝高(H)の比である溝高比(H/L)が1/2〜2/3であり、
    該互い違いに配設された縦溝の溝高の和は、磁石長以上であることを特徴とする界磁用永久磁石。
  2. 前記縦溝は、前記開口端から前記最深部にかけて溝幅が単調減少する略V字状または略U字状である請求項1に記載の界磁用永久磁石。
  3. 前記磁極は、ストレート着磁されてなる請求項2に記載の界磁用永久磁石。
  4. 前記リング磁石は、磁石粉末を樹脂で結合したボンド磁石からなる請求項1〜3のいずれかに記載の界磁用永久磁石。
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