JP2017084589A - 非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物、非水系二次電池用電極の製造方法および非水系二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明は、非水系二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる非水系二次電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、低温出力特性等の電池特性に優れる非水系二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
なお、本発明において、重合体が「単量体単位を含む」とは、「その単量体を用いて得た重合体中に単量体由来の繰り返し単位が含まれている」ことを意味する。そして、本発明において、「単量体単位の含有量」は、核磁気共鳴(NMR)や熱分解ガスクロマトグラフィーなどの既知の方法を用いて測定することができる。また、「カルボキシル基の含有量」は、滴定法を用いて測定することができる。更に、「重合体の非導電性無機粒子に対する吸着量」とは、本明細書の実施例に記載の測定方法を用いて測定した値を指す。
なお、本発明において、「重量平均分子量」とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン換算値を指す。
なお、本発明において、「電解液膨潤度」とは、本明細書の実施例に記載の測定方法を用いて測定した値を指す。
また、本発明によれば、非水系二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる非水系二次電池用電極の製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、低温出力特性等の電池特性に優れる非水系二次電池の製造方法を提供することができる。
ここで、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物は、多孔膜を備える非水系二次電池用電極の多孔膜を形成する際に用いることができる。また、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を備える非水系二次電池用電極は、リチウムイオン二次電池等の非水系二次電池の電極として用いることができる。更に、本発明の非水系二次電池は、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を備える非水系二次電池用電極を用いたことを特徴とする。
本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物は、集電体と、集電体上に設けられた電極合材層とを備える電極基材の電極合材層上に多孔膜を形成して多孔膜を備える非水系二次電池用電極を製造する際に用いられる。そして、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物は、非導電性無機粒子と、芳香族ビニル単量体単位を90質量%以上含有し、且つ、カルボキシル基を0.1mmol/g以上0.6mmol/g以下含有する重合体と、有機溶媒とを含み、任意に、二次電池の電極の多孔膜に配合され得るその他の成分を更に含有する。また、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物は、重合体の非導電性無機粒子に対する吸着量が40質量%以上95質量%以下である。
なお、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を使用することで二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることが可能な電極の多孔膜を良好に形成することができる理由は、明らかではないが、以下の通りであると推察される。即ち、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物は、カルボキシル基を0.1mmol/g以上含有する重合体を含んでおり、且つ、重合体の非導電性無機粒子に対する吸着量が40質量%以上であるので、電極合材層上に塗布された際に、重合体を非導電性無機粒子に良好に吸着させて重合体が電極合材層中に入り込む(滲み込む)のを抑制することができる。また、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物は、芳香族ビニル単量体単位を90質量%以上含有する重合体を使用しているので、多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を備える電極を用いた二次電池中において電解液と接触した重合体が膨潤して多孔膜の多孔性が低下するのを抑制することができる。従って、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物によれば、多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を備える電極の内部抵抗が上昇するのを抑制し、二次電池の低温出力特性を十分に向上させることができる。更に、本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物は、カルボキシル基を0.6mmol/g以下含有する重合体を含んでおり、且つ、重合体の非導電性無機粒子に対する吸着量が95質量%以下であるので、多孔膜用スラリー組成物の分散性および塗工性を確保し、電極合材層上に多孔膜を良好に形成することができる。
非導電性無機粒子としては、非水系二次電池の使用環境下で安定に存在し、電気化学的に安定である無機材料からなる粒子が好ましく、無機化合物からなる粒子がより好ましい。このような観点から非導電性無機粒子の好ましい例を挙げると、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化アルミニウムの水和物(ベーマイト(AlOOH)、ギブサイト(Al(OH)3)、酸化ケイ素、酸化マグネシウム(マグネシア)、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン(チタニア)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物等の無機酸化物粒子;窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の窒化物粒子;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶粒子;硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子;タルク、モンモリロナイト等の粘土微粒子;などが挙げられる。これらの中でも、重合体を良好に吸着させ、多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を備える電極の内部抵抗が上昇するのを抑制する観点からは、非導電性無機粒子としては、無機酸化物粒子が好ましく、アルミナ粒子、ベーマイト粒子、酸化チタン粒子がより好ましい。
なお、これらの粒子は、必要に応じて元素置換、表面処理、固溶体化等が施されていてもよい。また、これらの粒子は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、非導電性無機粒子の密度は、3.0g/cm3以上であることが好ましく、3.5g/cm3以上であることがより好ましく、6.0g/cm3以下であることが好ましく、5.0g/cm3以下であることがより好ましい。非導電性無機粒子の密度が上記下限値以上であれば、多孔膜の密度を十分に高めることができる。また、非導電性無機粒子の密度が上記上限値以下であれば、多孔膜用スラリー組成物の分散性および塗工性を高めることができると共に、多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を有する電極を備える二次電池の低温出力特性を更に向上させることができる。
なお、本発明において、「非導電性無機粒子の密度」とは、気相置換法を用いて温度25℃で測定した真密度を指す。
また、非導電性無機粒子の体積平均粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、1.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましい。非導電性無機粒子の体積平均粒子径が上記下限値以上であれば、多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜のガーレー値が上昇する(即ち、イオン伝導性が低下する)のを抑制し、多孔膜を有する電極を備える二次電池の低温出力特性を更に向上させることができる。また、非導電性無機粒子の体積平均粒子径が上記上限値以下であれば、非導電性無機粒子に重合体を良好に吸着させて多孔膜の形成時に重合体が電極合材層中に入り込む(滲み込む)のを抑制することができる。
なお、本発明において、「非導電性無機粒子の体積平均粒子径」とは、JIS Z8825に準拠し、レーザー回折法で測定した粒子径分布(体積基準)において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径(D50)を指す。
重合体は、非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を使用して形成した多孔膜を備える電極において、多孔膜に含まれる成分が多孔膜から脱離しないように保持する。
そして、重合体は、芳香族ビニル単量体単位を90質量%以上含有し、且つ、カルボキシル基を0.1mmol/g以上0.6mmol/g以下含有することを必要とする。なお、重合体は、芳香族ビニル単量体単位以外に、その他の単量体単位を含有していてもよい。
ここで、重合体の芳香族ビニル単量体単位を形成し得る芳香族ビニル単量体としては、特に限定されることなく、スチレン、スチレンスルホン酸およびその塩、α−メチルスチレン、ブトキシスチレン、並びに、ビニルナフタレンなどが挙げられる。中でも、重合体の芳香族ビニル単量体単位を形成する芳香族ビニル単量体としては、スチレンが好ましい。なお、芳香族ビニル単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体が含有し得る、上述した芳香族ビニル単量体単位以外のその他の単量体単位としては、特に限定されることなく、上述した芳香族ビニル単量体と共重合可能な既知の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。具体的には、その他の単量体単位としては、特に限定されることなく、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、カルボキシル基含有単量体単位などが挙げられる。
なお、これらの単量体は1種単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
モノカルボン酸誘導体としては、2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α−アセトキシアクリル酸、β−trans−アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β−E−メトキシアクリル酸、β−ジアミノアクリル酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸誘導体としては、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸や、マレイン酸メチルアリル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキルなどのマレイン酸エステルが挙げられる。
ジカルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸などが挙げられる。
また、カルボキシル基含有単量体としては、加水分解によりカルボキシル基を生成する酸無水物も使用できる。
その他、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸ジシクロヘキシル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸ジブチルなどのα,β−エチレン性不飽和多価カルボン酸のモノエステルおよびジエステルも挙げられる。
カルボキシル基は、特に限定されることなく、カルボキシル基含有単量体および/またはカルボキシル基を有する重合開始剤を用いて重合体を調製することにより、重合体中に導入することができる。なお、カルボキシル基含有単量体を用いて重合体を調製した場合には、カルボキシル基は繰り返し単位の一部として重合体の骨格中に導入される。また、カルボキシル基を有する重合開始剤を用いて重合体を調製した場合には、カルボキシル基は重合体の末端に導入される。
また、カルボキシル基を有する重合開始剤としては、特に限定されることなく、例えば2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物などが挙げられる。
なお、重合体中のカルボキシル基の量は、重合体の調製に使用するカルボキシル基含有単量体および/またはカルボキシル基を有する重合開始剤の量を変更することにより、調整することができる。
また、重合体は、重量平均分子量が、300,000以上であることが好ましく、400,000以上であることがより好ましく、500,000以上であることが更に好ましく、800,000以上であることが特に好ましく、2,000,000以下であることが好ましく、1,800,000以下であることがより好ましく、1,500,000以下であることが更に好ましい。重合体の重量平均分子量が上記下限値以上であれば、重合体を非導電性無機粒子に良好に吸着させて重合体が電極合材層中に入り込む(滲み込む)のを抑制することができる。従って、多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を備える電極の内部抵抗が上昇するのを抑制し、二次電池の低温出力特性を十分に向上させることができる。また、重合体の重量平均分子量が上記上限値以下であれば、多孔膜用スラリー組成物がゲル化して粘度が上昇するのを抑制し、多孔膜用スラリー組成物の塗工性を十分に確保することができる。
なお、重合体の重量平均分子量は、重合体の重合条件(例えば、重合時間、重合温度など)を変更することにより調整することができる。
更に、重合体は、電解液膨潤度が、1倍以上2倍以下であることが好ましく、1.9倍以下であることがより好ましく、1.8倍以下であることが更に好ましい。重合体の電解液膨潤度が上記上限値以下であれば、電解液中で膨潤した重合体によって多孔膜の多孔性が低下するのを十分に抑制することができるので、二次電池の低温出力特性を更に向上させることができる。
なお、重合体の電解液膨潤度は、重合体の調製に用いる単量体の種類および量を変更することにより、調整することができる。
また、重合体の密度は、0.8g/cm3以上であることが好ましく、0.9g/cm3以上であることがより好ましく、1.3g/cm3以下であることが好ましく、1.2g/cm3以下であることがより好ましい。
そして、多孔膜用スラリー組成物中に存在する重合体は、非導電性無機粒子に対する吸着量が、40質量%以上95質量%以下であることが必要であり、55質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、90質量%以下であることが好ましく、80質量以下であることがより好ましい。非導電性無機粒子に対する重合体の吸着量が40質量%以上であれば、多孔膜用スラリー組成物を電極合材層上に塗布した際に、重合体が電極合材層中に入り込む(滲み込む)のを抑制することができる。従って、多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を備える電極の内部抵抗が上昇するのを抑制し、二次電池の低温出力特性を十分に向上させることができる。また、非導電性無機粒子に対する重合体の吸着量が95質量%以下であれば、多孔膜用スラリー組成物の分散性が低下するのを抑制し、多孔膜を良好に形成することができる。
ここで、重合体の非導電性無機粒子に対する吸着量は、例えば重合体の組成、重量平均分子量および配合量を変更することにより、調整することができる。
なお、上述した重合体は、特に限定されることなく、上述した単量体を含む単量体組成物を重合することにより調製することができる。ここで、単量体組成物中の各単量体の割合は、通常、所望の重合体における各単量体単位の割合と同様とする。そして、重合体の重合様式は、特に限定はされず、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの方法を用いてもよい。また、重合反応としては、イオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などの付加重合を用いることができる。そして、重合に使用される乳化剤、分散剤、重合助剤などは、一般に用いられるものを使用することができ、その使用量も、一般に使用される量とすることができる。
そして、非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物中に含まれている重合体の量は、非導電性無機粒子100質量部当たり、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましく、5質量部以下であることが好ましく、4質量部以下であることがより好ましく、2.5質量部以下であることが更に好ましい。重合体の含有量が上記範囲内であれば、多孔膜用スラリー組成物の粘度を適度な大きさとして、多孔膜用スラリー組成物の分散性および塗工性を更に向上させることができる。また、重合体の含有量が上記下限値以上であれば、多孔膜の耐粉落ち性を十分に向上させることができる。更に、重合体の含有量が上記上限値以下であれば、多孔膜用スラリー組成物を用いて形成した多孔膜を備える電極の内部抵抗が上昇するのを抑制し、二次電池の低温出力特性を十分に向上させることができる。
有機溶媒としては、特に限定されることなく、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、アミルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド系極性有機溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
中でも、有機溶媒としては、アセトンおよびNMPが好ましく、NMPがより好ましい。
非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物は、上述した成分以外にも、任意のその他の成分を含んでいてもよい。前記その他の成分は、電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られず、公知のものを使用することができる。また、これらのその他の成分は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記その他の成分としては、例えば、粘度調整剤、濡れ剤、電解液添加剤などの既知の添加剤が挙げられる。
非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物の調製方法は、特に限定はされないが、通常は、上述した非導電性無機粒子と、重合体と、有機溶媒と、必要に応じて用いられるその他の成分とを混合して非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を調製する。混合方法は特に制限されないが、各成分を効率よく分散および混合させるため、通常は混合装置として分散機を用いて混合を行う。
なお、乳化重合法などを用いて水中で調製した重合体を使用して多孔膜用スラリー組成物を調製する場合には、重合体の調製に用いた水は、有機溶媒と混合する前に除去してもよいし、重合体の水分散液と有機溶媒とを混合した後に水を蒸発させることにより除去してもよい。
本発明の非水系二次電池用電極の製造方法では、上述した非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を使用して、電極合材層上に多孔膜を備える電極を製造する。具体的には、本発明の非水系二次電池用電極の製造方法では、集電体と、集電体上に設けられた電極合材層とを備える電極基材の電極合材層上に、上述した非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を塗布する工程(塗布工程)と、塗布した非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を乾燥して多孔膜を形成する工程(多孔膜形成工程)とを実施して、非水系二次電池用電極を製造する。
塗布工程では、上述した非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を電極基材の電極合材層上に塗布する。なお、上述した非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物では、重合体が非導電性無機粒子に良好に吸着しているので、塗布工程では、塗布された非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物中に含まれている重合体が電極合材層内へと入り込み難い。
ここで、非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物としては、上述した本発明の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を用いることができる。
また、電極基材としては、通常、集電体上に電極合材層が形成された電極基材が用いられる。
なお、集電体としては、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金等の金属材料からなるものを用いることができる。これらの中でも、負極用の集電体としては、銅からなる集電体を用いることが好ましい。また、正極用の集電体としては、アルミニウムからなる集電体を用いることが好ましい。
また、電極合材層としては、電極活物質とバインダー(電極合材層用結着材)とを含む層を用いることができる。具体的には、電極合材層としては、特に限定されることなく、例えば特開2013−145763号公報に記載の電極合材層を用いることができる。
更に、集電体上への電極合材層の形成方法は、既知の方法を用いることができる。
そして、塗布工程において、非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を電極基材の電極合材層上に塗布する方法としては、特に限定されることなく、例えば、ドクターブレード法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などを用いることができる。
多孔膜形成工程では、塗布工程において電極合材層上に塗布した非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を乾燥して、電極合材層の表面上に多孔膜を形成する。
ここで、多孔膜形成工程において電極合材層上の多孔膜用スラリー組成物を乾燥する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができる。具体的には、乾燥方法としては、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥法、真空乾燥法、赤外線や電子線などの照射による乾燥法を用いることができる。乾燥条件は特に限定されないが、乾燥温度は好ましくは50〜150℃で、乾燥時間は好ましくは5〜30分である。
そして、多孔膜形成工程において電極合材層上に形成された多孔膜は、上述した非導電性無機粒子と、上述した重合体とを含んでおり、電極の耐熱性や強度を向上させる保護層として機能する。
本発明の非水系二次電池の製造方法では、上述した非水系二次電池用電極の製造方法を用いて製造した非水系二次電池用電極を用いて、非水系二次電池を製造する。具体的には、本発明の非水系二次電池の製造方法では、上述した非水系二次電池用電極の製造方法を用いて製造した非水系二次電池用電極を正極および負極の少なくとも一方として用いて、正極と、負極と、電解液とを備え、任意にセパレータを更に備える非水系二次電池を製造する。
ここで、本発明の非水系二次電池の製造方法では、電極(正極および負極)の少なくとも一方として、上述した非水系二次電池用電極の製造方法を用いて製造した非水系二次電池用電極を用いる。即ち、本発明の非水系二次電池の製造方法では、上述した非水系二次電池用電極の製造方法を用いて製造した非水系二次電池用正極と、任意の負極とを組み合わせて用いてもよいし、上述した非水系二次電池用電極の製造方法を用いて製造した非水系二次電池用負極と、任意の正極とを組み合わせて用いてもよいし、上述した非水系二次電池用電極の製造方法を用いて製造した非水系二次電池用正極および非水系二次電池用負極を組み合わせて用いてもよい。なお、任意の正極および負極としては、上述した非水系二次電池用電極の製造方法を用いずに製造したものであれば特に限定されることなく、任意の電極合材層を集電体上に形成してなる電極を用いることができる。
また、電解液としては、通常、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。例えば、非水系二次電池がリチウムイオン二次電池である場合には、支持電解質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。なかでも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すので、LiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましく、LiPF6が特に好ましい。なお、電解質は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。通常は、解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなる傾向があるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
なお、電解液中の電解質の濃度は適宜調整することができ、例えば0.5〜15質量%とすることが好ましく、2〜13質量%とすることがより好ましく、5〜10質量%とすることが更に好ましい。また、電解液には、既知の添加剤、例えばフルオロエチレンカーボネートやエチルメチルスルホンなどを添加してもよい。
本発明の非水系二次電池の製造方法では、上述した非水系二次電池用電極の製造方法を用いて製造した非水系二次電池用電極を正極および負極の少なくとも一方として用いること以外は特に制限されることなく、既知の組立方法を用いて非水系二次電池を製造することができる。具体的には、本発明の非水系二次電池の製造方法では、例えば、正極と、負極とを、セパレータを介して重ね合わせ、これを必要に応じて電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口することにより、非水系二次電池を製造することができる。非水系二次電池の内部の圧力上昇、過充放電等の発生を防止するために、必要に応じて、ヒューズ、PTC素子等の過電流防止素子、エキスパンドメタル、リード板などを設けてもよい。二次電池の形状は、例えば、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。
また、複数種類の単量体を共重合して製造される重合体において、ある単量体を重合して形成される繰り返し単位の前記重合体における割合は、別に断らない限り、通常は、その重合体の重合に用いる全単量体に占める当該ある単量体の比率(仕込み比)と一致する。
実施例および比較例において、重合体の重量平均分子量、カルボキシル基の含有量、電解液膨潤度および非導電性無機粒子に対する吸着量、多孔膜用スラリー組成物の粘度、多孔膜の耐粉落ち性、並びに、二次電池の低温出力特性は、下記の方法で測定および評価した。
重合体のNMP溶液を、下記の溶離液で0.3質量%に希釈し、測定試料を得た。得られた測定試料を、以下の条件のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分析し、重合体の重量平均分子量を求めた。
・GPC装置本体:東ソー(株)製
・カラム:東ソー(株)製、TSKgelα−M 1本、TSKguardcolum α 1本、PWXL 1本(温度40℃)
・溶離液:0.01mol/L 臭化リチウム(LiBr)水溶液
・流速:1.0mL/分
・検出器:昭和電工製、示差屈折率検出器RI−201型、感度16
・標準試料:単分散ポリスチレン
<カルボキシル基の含有量>
試料として、重合体の水分散液(固形分濃度2%)を準備した。試料を、蒸留水で洗浄した容量150mlのガラス容器に、重合体の水分散液の重量が50gとなるよう入れ、溶液電導率計(京都電子工業社製:CM−117、使用セルタイプ:K−121)にセットして撹拌した。なお、撹拌は、後述する塩酸の添加が終了するまで継続した。
次に、試料の電気伝導度が2.5mS〜3.0mSになるように、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を試料に添加した。その後、6分経過してから、電気伝導度を測定した。この値を測定開始時の電気伝導度とした。
更に、この測定の直後に、試料に0.1規定の塩酸を0.5ml添加して、30秒後に電気伝導度を測定した。このように、電気伝導度の測定直後の塩酸の添加と、塩酸の添加から30秒後の電気伝導度の測定とを、試料の電気伝導度が測定開始時の電気伝導度以上になるまで繰り返し行なった。
得られた電気伝導度のデータを、電気伝導度(単位「mS」)を縦軸(Y座標軸)、添加した塩酸の累計量(単位「mmol」)を横軸(X座標軸)としたグラフ上にプロットした。これにより、3つの変化点(グラフが曲がる点)を有する塩酸量−電気伝導度曲線が得られた。3つの変化点のX座標および塩酸添加終了時のX座標を、値が小さい方から順にそれぞれP1、P2、P3およびP4とする。X座標が、零から座標P1までの区分、座標P1から座標P2までの区分、座標P2から座標P3までの区分、および、座標P3から座標P4までの区分の4つの区分内のデータのそれぞれについて、最小二乗法により近似直線L1、L2、L3およびL4を求めた。近似直線L1と近似直線L2との交点のX座標をA1(mmol)、近似直線L2と近似直線L3との交点のX座標をA2(mmol)、近似直線L3と近似直線L4との交点のX座標をA3(mmol)とした。
そして、重合体1g当りのカルボキシル基の量を、A3からA1を減じることにより、塩酸換算した値(mmol/g)として算出した。
<電解液膨潤度>
重合体の水分散液をポリテトラフルオロエチレン製のシャーレに入れ、温度25℃で48時間乾燥し、重合体の粉末を得た。得られた粉末0.2g程度を、200℃、5MPaで2分プレスし、試験片を作製した。この試験片の重量を測定し、W0とした。
また、前記試験片を電解液に温度60℃で72時間浸漬した。その後、試験片を電解液から取り出し、試験片の表面の電解液を拭き取り、浸漬後の試験片の重量W1を測定した。
そして、これらの重量W0およびW1を用いて、電解液膨潤度S(倍)を、S=W1/W0にて計算した。
なお、電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)と、ビニレンカーボネート(VC)との混合溶媒(体積混合比:EC/DEC/VC=68.5/30/1.5)に、支持電解質としてLiPF6を1mol/Lの濃度で溶かしたものを用いた。
<非導電性無機粒子に対する吸着量>
非導電性無機粒子100質量部当たり0.1質量部以上5質量部以下の重合体を含むように調製した多孔膜用スラリー組成物について、遠心分離装置(Denver Instrument製、製品名「Force7」)を用いて、10,000rpmの条件で10分間遠心分離し、沈降層の界面までの上澄み液を採取した。
得られた上澄み液を10,000rpmの条件で更に20分間遠心分離し、沈降層の界面まで上澄み液を採取する際に混入した非導電性無機粒子を排除して上澄み液を全量採取した。
その後、得られた上澄み液を乾燥させ、上澄み液中に含まれていた重合体(非導電性無機粒子に吸着していなかった重合体)の量M1を測定した。そして、多孔膜用スラリー組成物中に含まれていた重合体の量M0と、測定した重合体の量M1とを用いて、吸着量M(={(M0−M1)/M0}×100(%))を算出した。
<粘度>
多孔膜用スラリー組成物の粘度は、B型粘度計(東機産業株式会社製、TVB−10M)を用いて、温度25℃、回転数60rpmで測定した。そして、以下の基準で評価した。なお、多孔膜用スラリー組成物の粘度が低すぎると、非導電性無機粒子等が沈降する(即ち、分散性が低下する)。また、多孔膜用スラリー組成物の粘度が高すぎると、塗工時に筋などが入る(即ち、塗工性が低下する)。
A:粘度が30mPa・s以上50mPa・s以下
B:粘度が50mPa・s超70mPa・s以下
C:粘度が20mPa・s以上30mPa・s未満
D:粘度が20mPa・s未満または70mPa・s超
<耐粉落ち性>
作製した正極を5cm角で切り出して得た試料を容量500mlのガラス瓶に入れた。その後、しんとう機を用いて、試料を入れたガラス瓶を200rpmにて2時間しんとうさせ、正極から落ちた粉の量を測定した。
そして、正極から落ちた粉の質量aと、しんとう前の試料の質量bと、多孔膜を形成する前の正極基材(5cm角)の質量cと、多孔膜を形成していない正極基材(5cm角)を上記と同様の条件でしんとうさせた際に落ちた粉の質量dとを用いて、多孔膜から落ちた粉の比率X(={(a−d)/(b−c)}×100(%))を算出した。そして、耐粉落ち性を以下の基準で評価した。比率Xが小さいほど、耐粉落ち性に優れていることを示す。
A:比率Xが1%未満
B:比率Xが1%以上5%未満
C:比率Xが5%以上20%未満
D:比率Xが20%以上
<低温出力特性>
製造した容量800mAhの捲回型のリチウムイオン二次電池を、25℃の環境下で24時間静置させた。その後、25℃の環境下で、0.1Cの充電レートで5時間の充電の操作を行い、その時の電圧V0を測定した。その後、−10℃環境下で、1Cの放電レートにて放電の操作を行い、放電開始から15秒後の電圧V1を測定した。
そして、電圧変化ΔV(=V0−V1)を求め、下記の基準で評価した。この電圧変化ΔVが小さいほど、二次電池が低温出力特性に優れていることを示す。
A:電圧変化ΔVが350mV未満
B:電圧変化ΔVが350mV以上500mV未満
C:電圧変化ΔVが500mV以上750mV未満
D:電圧変化ΔVが750mV以上
<重合体の調製>
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水887部、濃度10%のアンモニア水溶液を2部、塩化アンモニウムを0.5部入れ、撹拌後、窒素をバブリングした。その後、芳香族ビニル単量体としてのスチレン100部と、カルボキシル基を有する重合開始剤としての2,2−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物4.1部とをオートクレーブに投入し、十分に撹拌した後、60℃に加温して9時間重合し、重合体の水分散液を得た。そして、重合体のカルボキシル基の含有量および電解液膨潤度を測定した。結果を表1に示す。
その後、得られた重合体の水分散液50部にN−メチルピロリドン(NMP)500部を加え、減圧下で水を蒸発させて、固形分濃度9.5%の重合体のNMP溶液を得た。そして、重合体の重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
<多孔膜用スラリー組成物の調製>
非導電性無機粒子としての酸化チタン粒子(石原産業社製、製品名「CL−EL」、体積平均粒子径:0.25μm、密度:4.27g/cm3)100部と、重合体の水分散液を固形分相当で1.2部と、有機溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)とを、固形分濃度が40質量%となるように分散装置(アシザワファインテック社製、製品名「LMZ−015」)に投入した。そして、直径0.4mmのビーズを用いて、周速6m/秒、流量0.3L/分の条件下で酸化チタン粒子を分散させて、非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を得た。
そして、非導電性無機粒子に対する重合体の吸着量および多孔膜用スラリー組成物の粘度を測定した。結果を表1に示す。
<正極の作製>
[正極合材層用スラリー組成物の調製]
正極活物質としての体積平均粒子径12μmのLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(NMC)を100部と、導電材としてのアセチレンブラック(電気化学工業社製、製品名「HS−100」)を2部と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、製品名「#7208」)を固形分相当で2部と、分散媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)とを、固形分濃度が70%となるように混合した。得られた混合物をプラネタリーミキサーにより混合し、正極合材層用スラリー組成物を得た。
[正極基材の作製]
得られた正極合材層用スラリー組成物を、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミ箔の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、アルミ箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して、集電体上に正極合材層を形成してなる正極基材(電極基材)を得た。
[多孔膜の形成]
正極基材の正極合材層上に多孔膜用スラリー組成物を塗布し、温度120℃で10分間乾燥して、厚み2μmの多孔膜を有する正極(非水系二次電池用電極)を得た。
そして、多孔膜の耐粉落ち性を評価した。結果を表1に示す。
<負極の作製>
[負極合材層用バインダーの調製]
撹拌機付き5MPa耐圧容器に、1,3−ブタジエン33.5部、イタコン酸3.5部、スチレン62部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部、イオン交換水150部および重合開始剤としての過硫酸カリウム0.5部を入れた。そして、十分に撹拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し、反応を停止して、粒子状バインダー(SBR)を含む混合物を得た。次に、粒子状バインダーを含む混合物に5%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整した後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。その後、30℃以下まで冷却し、粒子状バインダーを含む水分散液を得た。
[負極合材層用スラリー組成物の調製]
負極活物質としての人造黒鉛(体積平均粒子径:15.6μm)100部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(日本製紙社製、製品名「MAC350HC」)の2%水溶液を固形分相当で1部と、固形分濃度が68%となる量のイオン交換水とを、温度25℃で60分間混合した。更に、イオン交換水を添加して固形分濃度を62%に調整した後、温度25℃で15分間混合した。得られた混合液に、粒子状バインダーを固形分相当で1.5部と、イオン交換水とを添加し、最終固形分濃度が52%となるように調整して、更に10分間混合した。得られた混合液を減圧下で脱泡処理して、流動性の良い負極合材層用スラリー組成物を得た。
<負極の作製>
得られた負極合材層用スラリー組成物を、コンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に、乾燥後の膜厚が150μm程度になるように塗布し、乾燥させた。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して、プレス前の負極原反を得た。このプレス前の負極原反をロールプレスで圧延して、負極合材層の厚みが80μmの負極を得た。
<二次電池の作製>
得られた正極を寸法49cm×5cmに切り出し、切り出した正極の多孔膜上に、寸法55cm×5.5cmに切り出したセパレータ(セルガード社製、製品名「セルガード2500」)を配置した。更に、得られた負極を寸法50cm×5.2cmに切り出し、切り出した負極をセパレータ上に負極合材層側の表面がセパレータに向かい合うよう配置した。更に、寸法55cm×5.5cmに切り出したセパレータ(セルガード社製、製品名「セルガード2500」)を負極の集電体側の表面上に配置した。得られた積層体を捲回機により捲回し、捲回体を得た。得られた捲回体を温度60℃、圧力0.5MPaでプレスし、扁平体とした。得られた扁平体を電池の外装としてのアルミ包材で包み、電解液(溶媒:エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)/ビニレンカーボネート(VC)=68.5/30/1.5(体積比)、電解質:濃度1mol/LのLiPF6)を空気が残らないように注入し、150℃のヒートシールでアルミ包材を閉口して、容量800mAhの捲回型リチウムイオン二次電池を製造した。
そして、得られた二次電池の低温出力特性を評価した。結果を表1に示す。
重合体の調製時に重合時間を5時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
重合体の調製時に重合時間を12時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
重合体の調製時に、カルボキシル基を有する重合開始剤の量を7.29部に変更し、且つ、重合時間を10時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
重合体の調製時に、カルボキシル基を有する重合開始剤の量を2.22部に変更し、且つ、重合時間を10時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
多孔膜用スラリー組成物の調製時に、重合体の水分散液の配合量をそれぞれ固形分相当で3部(実施例6)および0.4部(実施例7)に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
多孔膜用スラリー組成物の調製時に、非導電性無機粒子として酸化チタン粒子に替えてアルミナ粒子(住友化学社製、製品名「AKP3000」、体積平均粒子径:0.7μm、密度:3.75g/cm3)を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
以下のようにして調製した重合体を用いた以外は実施例1と同様にして、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
<重合体の調製>
撹拌機付き5MPa耐圧容器に、(メタ)アクリル酸エステル単量体としての2−エチルヘキシルアクリレート5部と、芳香族ビニル単量体としてのスチレン93部と、カルボキシル基含有単量体としてのメタクリル酸2部と、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4部と、イオン交換水150部と、重合開始剤としての過硫酸カリウム(カルボキシル基を有さない重合開始剤)0.3部とを投入し、十分に撹拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し、反応を停止して、重合体を含む水分散液を得た。そして、重合体のカルボキシル基の含有量および電解液膨潤度を測定した。結果を表1に示す。
その後、得られた重合体の水分散液50部にN−メチルピロリドン(NMP)500部を加え、減圧下で水を蒸発させて、固形分濃度9.5%の重合体のNMP溶液を得た。そして、重合体の重量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
重合体の調製時に重合時間を1時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
重合体の調製時に、重合温度を50℃に変更し、且つ、重合時間を15時間に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
重合体の調製時に重合開始剤として2,2−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物4.1部に替えて過硫酸カリウム(カルボキシル基を有さない重合開始剤)0.8部を用いた以外は実施例1と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
重合体の調製時に、2−エチルヘキシルアクリレートの量を6.2部に変更し、メタクリル酸の量を0.8部に変更した以外は実施例9と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
重合体の調製時に、スチレンの量を86部に変更し、メタクリル酸の量を9部に変更した以外は実施例9と同様にして、重合体、多孔膜用スラリー組成物、正極、負極および二次電池を製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
「ST」は、スチレンを示し、
「2−EHA」は、2−エチルヘキシルアクリレートを示し、
「MAA」は、メタクリル酸を示す。
また、本発明によれば、非水系二次電池に優れた低温出力特性を発揮させることができる非水系二次電池用電極の製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、低温出力特性等の電池特性に優れる非水系二次電池の製造方法を提供することができる。
Claims (7)
- 非導電性無機粒子と、重合体と、有機溶媒とを含有し、
前記重合体は、芳香族ビニル単量体単位を90質量%以上含有し、且つ、カルボキシル基を0.1mmol/g以上0.6mmol/g以下含有し、
前記重合体の前記非導電性無機粒子に対する吸着量が40質量%以上95質量%以下である、非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物。 - 前記重合体の重量平均分子量が300,000以上2,000,000以下である、請求項1に記載の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物。
- 前記重合体の電解液膨潤度が2倍以下である、請求項1または2に記載の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物。
- 前記非導電性無機粒子が無機酸化物粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物。
- 前記重合体の含有量が前記非導電性無機粒子100質量部当たり0.1質量部以上5質量部以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物。
- 集電体と、前記集電体上に設けられた電極合材層とを備える電極基材の前記電極合材層上に、請求項1〜5のいずれかに記載の非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を塗布する工程と、
塗布した非水系二次電池多孔膜用スラリー組成物を乾燥して多孔膜を形成する工程と、
を含む、非水系二次電池用電極の製造方法。 - 正極、負極および電解液を備える非水系二次電池の製造方法であって、
前記正極および負極の少なくとも一方として請求項6に記載の非水系二次電池用電極を用いる、非水系二次電池の製造方法。
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