[go: up one dir, main page]

JP2017074014A - 光劣化が抑制された容器詰め茶飲料 - Google Patents

光劣化が抑制された容器詰め茶飲料 Download PDF

Info

Publication number
JP2017074014A
JP2017074014A JP2015203818A JP2015203818A JP2017074014A JP 2017074014 A JP2017074014 A JP 2017074014A JP 2015203818 A JP2015203818 A JP 2015203818A JP 2015203818 A JP2015203818 A JP 2015203818A JP 2017074014 A JP2017074014 A JP 2017074014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tea
beverage
container
amount
packed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015203818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6576202B2 (ja
Inventor
香麻里 辻
Kamari Tsujii
香麻里 辻
あかね 唐澤
Akane Karasawa
あかね 唐澤
志穂 吉田
Shiho Yoshida
志穂 吉田
英樹 小泉
Hideki Koizumi
英樹 小泉
成亮 和佐野
Naruaki Wasano
成亮 和佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Beverage Corp
Kirin Brewery Co Ltd
Kirin Co Ltd
Original Assignee
Kirin Beverage Corp
Kirin Brewery Co Ltd
Kirin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=58550409&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2017074014(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kirin Beverage Corp, Kirin Brewery Co Ltd, Kirin Co Ltd filed Critical Kirin Beverage Corp
Priority to JP2015203818A priority Critical patent/JP6576202B2/ja
Publication of JP2017074014A publication Critical patent/JP2017074014A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6576202B2 publication Critical patent/JP6576202B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)

Abstract

【課題】各種茶飲料が、光透過性容器等で流通、保存が行われる中で、該飲料成分の光劣化を防止することにより、光劣化を抑制する容器詰めの茶飲料、及びその製造方法の提供。【解決手段】単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料において、茶飲料にカラメルを含有させることにより、茶飲料成分の光劣化を抑制する容器詰め茶飲料。単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料の製造において、茶飲料にカラメルを飲料当たり、0.0005〜0.2重量%の量で添加含有させることにより、茶飲料成分の光劣化を抑制する容器詰め茶飲料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、光劣化が抑制された容器詰めの茶飲料、及びその製造方法に関する。
透明なペットボトルやガラスビンなどの光透過性容器に詰められた飲料は、缶や紙容器に比べて、内容物である飲料の外観や量が見えるというメリットがある。更に、ペットボトルは、再度閉栓できるという利便性も伴なって、ペットボトル入りの飲料は非常に需要が高い。しかしその一方で、ペットボトルなどの透明容器は、光の影響を受けやすく、充填する飲料の種類によっては、含有される飲料成分が光によって劣化し、香味の劣化を引き起こすというリスクを有する。飲料の光劣化に対する問題は、今まで主として、茶飲料以外の飲料に含まれる成分に向けられており、例えば、柑橘系の香気成分を持つ飲料では、該成分のひとつであるシトラールが光の影響で構造変化を起こし、オフフレーバーを発する場合があり、また、乳飲料では、乳脂肪分などの乳成分が光によって酸化することで本来とは異なる臭いを発生する場合があることが知られており、該光劣化の防止方法が提案されている。他方、茶飲料については、含有茶成分の光劣化による香味劣化の問題については、従来、比較的、問題とされていなかったのが現状である。
インスタント緑茶における光劣化を抑制する方法としては、アスコルビン酸のような抗酸化剤を用いる方法が開示されている。例えば、特開2005−58142号公報には、火入れした緑茶葉をアスコルビン酸を含む水性の抽出溶媒で抽出することにより、光酸化による劣化、変質が抑制されたインスタント緑茶が、特開2006−254819号公報には、粉末茶を抗酸化処理することによって得られた抗酸化処理粉末茶を茶抽出液に添加することにより、光劣化による退色や変質臭の発生を抑制したインスタント緑茶が開示されている。また、特開2007−289115号公報には、アスコルビン酸や、アスコルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤を含む水溶液中で、茶葉を粉砕抽出及び微粒化した水中粉砕茶葉微粒化液を用いることにより、光劣化抑制効果を有する分散茶を製造する方法が開示されている。
茶飲料においては、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの容器詰めの茶飲料の流通、保存中の香味劣化抑制技術として、従来より、多くの劣化抑制方法が開示されている。例えば、特開平7−59513号公報には、常在量を超える茶飲料抽出残渣を茶抽出液中に混在させることで、茶本来の風味を長期間にわたって保持することのできる茶飲料が、特開2001−245592号公報には、紅茶抽出液にトレハロースを配合することで保存中の褐変や風味劣化等の熱劣化を防止した紅茶抽出液が開示されている。また、特開2005−198531号公報には、pH3.0〜5.0の酸性に調整したあと、再度pH5.5〜7.0に調整した透明容器入りの茶飲料とすることにより、長期加温によっても、オリの発生がなく、色劣化も少ないばかりでなく、茶抽出液本来の味、香りを保持している透明容器充填茶飲料が、特開2015−80436号公報には、エキナセア・プルプレア、エキナセア・アングスティフォリア及びエキナセア・パリダの抽出物を1種または2種以上含有する香味劣化抑制剤を添加した、長期保存による異臭の生成が抑制された容器詰めの発酵茶飲料や半発酵茶飲料が開示している。しかし、これらはいずれも長期保存下での温度等による香味劣化を抑制する方法であって、光による茶飲料成分の劣化を抑制するためにものではない。
一方で、茶飲料は、基本的には、原料茶葉を水や湯のような水性溶媒で抽出した抽出液を調製し、これを容器に充填することにより、容器詰め茶飲料として提供されているため、その成分主体は水溶性の成分となる。しかし、従来より、茶飲料において、茶抽出液に茶粉末等を含有させ、茶葉の水性溶媒不溶成分を含有させた茶飲料も各種開示されている(特開平10−234301号公報、特開平11−276074号公報、特開2000−78946号公報、特開2000−228953号公報)。また、特開2009−219447号公報には、茶飲料に、茶本来の旨味・コクを有し、かつ豊かな香りを付与するために、茶葉細胞壁中に、グリセロ糖脂質及びクロロフィルを含有するほうじ茶の粉末茶葉を茶抽出液に添加した緑茶飲料のような茶飲料が、特開2004−89146号公報には、茶の中に含まれる健康に有用な油溶性成分を利用するために、該成分を茶葉、茶の種子から抽出し、該油溶性成分を茶抽出液に乳化した緑茶、半発酵茶等の茶飲料が開示されている。
更に、近年、容器詰め茶飲料において、飲料に旨味、コク味を付与するために、グリセロ糖脂質等を含有させた茶飲料が開示されている。例えば、特開2011−10641号公報には、茶葉由来のグリセロ糖脂質を含有させた容器詰め茶飲料が、特開2013−188139号公報には、茶葉由来のペクチン、グリセロ糖脂質、カテキン類を含有させた茶飲料が、特開2014−68631号公報にはカテキン類と、モノガラクトシルジグリセリドのようなグリセロ糖脂質を含有させた容器詰め緑茶茶飲料が開示されており、特開2014−68632号公報には、カフエイン含有飲料において、モノガラクトシルジグリセリド及びジガラクトシルジグリセリドのようなグリセロ糖脂質を含有させて、カフエインの苦味(エグ味)を低減したカフエイン含有飲料が、特開2014−68636号公報、特開2014−193183号公報には、粉末抹茶或いは粉砕茶葉と、モノガラクトシルジグリセリド及びジガラクトシルジグリセリドのようなグリセロ糖脂質を含有させた粉末茶飲料が開示されている。
上記のとおり、昨今、容器詰め茶飲料において、各種の飲料成分をもつ茶飲料が提供される中で、該飲料を特に透明なペットボトルやガラスビンなどの光透過性容器に詰め提供する際に、流通や保存時の光劣化による香味等の劣化が発生する場合がある。したがって、各種茶飲料の流通、保存に対して、これら茶飲料の劣化を抑制、防止する方法を提供する必要がある。
特開平7−59513号公報。 特開平10−234301号公報。 特開平11−276074号公報。 特開2000−78946号公報。 特開2000−228953号公報。 特開2001−245592号公報。 特開2004−89146号公報。 特開2005−58142号公報。 特開2005−198531号公報。 特開2006−254819号公報。 特開2007−289115号公報。 特開2009−219447号公報。 特開2011−10641号公報。 特開2013−188139号公報。 特開2014−68631号公報。 特開2014−68632号公報。 特開2014−68636号公報。 特開2014−193183号公報。 特開2015−80436号公報。
本発明の課題は、各種茶飲料が、光透過性容器等で流通、保存が行われる中で、該飲料成分の光劣化を防止することにより、光劣化が抑制された容器詰めの茶飲料、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、各種茶飲料における光劣化を防止する方法について鋭意検討する中で、容器詰め茶飲料の光劣化を抑制するために、まずは茶飲料が光劣化を起こす要因について検討し、該検討の中で、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が一定以上の茶飲料で光劣化が起こることをつきとめた。そしてその上で、その光劣化を抑制する方法を鋭意検討した結果、該茶飲料にカラメルを添加、含有させることにより、該茶成分の光劣化が有効に抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上の容器詰め茶飲料において、茶飲料にカラメルを含有させることにより、茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料からなる。
茶飲料は、基本的には、原料茶葉を水や湯のような水性溶媒で抽出した抽出液を調製し、これを容器に充填することにより、容器詰め茶飲料として提供されているため、その成分主体は水溶性の成分となる。その一方、茶葉には、グリセロ糖脂質が含まれており(特開2005−343814)、近年、茶飲料において、粉末茶の添加や、茶葉脂溶性成分の添加により、茶殻成分の飲料中への含有により、茶飲料にグリセロ糖脂質を含有する茶飲料が提供されている。また、茶飲料中のグリセロ糖脂質を強化した茶飲料も提供されている。本発明においては、これら各種茶飲料において、単位体積あたりのタンニン量に対する該グリセロ糖脂質量の比率が一定以上の飲料が、光劣化を起こすことをつきとめ、該飲料の光劣化に、カラメルの添加が有効であることを見出し、本発明をなしたものである。
本発明において、茶飲料のカラメルの含有量は、飲料当たり、0.0005〜0.2重量%の範囲であることが好ましい。
本発明において、容器詰め茶飲料としては、茶パウダー、茶エキス、又は粉砕茶葉から抽出された抽出液のいずれか一種以上を含有する容器詰め茶飲料を挙げることができ、該容器詰め茶飲料として、紅茶飲料を挙げることができる。本発明において、容器詰め茶飲料は、光透過性容器に充填された容器詰め茶飲料として提供することができる。
本発明は、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上の容器詰め茶飲料の製造において、茶飲料にカラメルを飲料当たり、0.0005〜0.2重量%の量で添加含有させることにより、茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料の製造方法の発明を包含する。また、本発明は、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上の容器詰茶飲料の製造において、茶飲料にカラメルを飲料当たり、0.0005〜0.2重量%の量で添加含有させることにより、容器詰め茶飲料の飲料成分の光劣化を抑制する方法の発明を包含する
すなわち、具体的には本発明は、[1]単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料において、茶飲料にカラメルを含有させることにより、茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料や、[2]カラメルの含有量が、飲料当たり、0.0005〜0.2重量%であることを特徴とする、前記[1]に記載の茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料や、[3]容器詰め茶飲料が、茶パウダー、茶エキス、又は粉砕茶葉から抽出された抽出液のいずれか1種以上の抽出液を含有する容器詰め茶飲料であることを特徴とする、前記[1]又は[2]に記載の茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料や、[4]容器詰め茶飲料が、紅茶飲料であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料や、[5]容器詰め茶飲料が、光透過性容器に充填された容器詰め茶飲料であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料、からなる。
また、本発明は、[6]単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料の製造において、茶飲料にカラメルを飲料当たり、0.0005〜0.2重量%の量で添加含有させることにより、茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料の製造方法や、[7]単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料の製造において、茶飲料にカラメルを飲料当たり、0.0005〜0.2重量%の量で添加含有させることにより、容器詰め茶飲料の飲料成分の光劣化を抑制する方法、からなる。
本発明は、各種茶飲料が、光透過性容器等で流通、保存が行われる中で、光劣化が抑制され、安定した香味を有する容器詰めの茶飲料を提供する。
本発明は、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰茶飲料において、茶飲料にカラメルを含有させることにより、茶飲料成分の光劣化が抑制され、安定した香味を有する容器詰め茶飲料、及び、該茶飲料の製造方法を提供することからなる。
<光劣化>
ペットボトルのような透明容器に充填された茶飲料を、日光や蛍光灯の下に放置した場合、茶飲料成分の劣化により、茶本来の香気が低減して、代わりに金属臭、梅様臭などのオフフレーバーが発生する。本発明においては、該光による茶飲料成分の劣化を茶飲料の「光劣化」という。
茶飲料の光劣化は、すべての茶飲料で同等に生じるわけではなく、本発明においては、該茶飲料の光劣化を起こす茶飲料は単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が一定以上であることをつきとめた。したがって、各種茶飲料が提供されている中で、本発明の対象となる茶飲料としては、グリセロ糖脂質を含有する容器詰め茶飲料が挙げられる。該茶飲料において、単位体積に含まれるタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上の茶抽出液を原料にして製造した茶飲料が光劣化を起こしやすい。また、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.002以上の場合、更には0.003以上の場合、茶飲料の光劣化がより起こりやすい。タンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率に特に上限はないが、香味の観点から1以下、より好ましくは0.1以下である。なお、抽出の際、粉砕茶葉を使用することなどにより、細胞内の成分であるグリセロ糖脂質が溶出しやすい条件で得た抽出液や、その抽出液を濃縮した茶エキスや乾燥した茶パウダーを使用した場合、抽出液の単位体積に含まれるタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上となることが多い。
茶抽出液中のタンニン量とグリセロ糖脂質を定量分析して、単位体積当たりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が、上記範囲に含まれる時には、カラメルを添加すれば、光劣化が抑制された容器詰め茶飲料が製造できることになる。
ここで、グリセロ糖脂質とは、ジアシルグリセロールに糖鎖がエステル結合した糖脂質である。糖鎖を構成する単糖類としては、ガラクトースを始めとして、グルコース、マンノース、フラクトース、キシロース、アラビノース等が例示でき、アシル基としては、飽和又は不飽和の脂肪酸の残基、すなわちリノレン酸、リノール酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などの残基があげられる。グリセロ糖脂質は、茶葉の細胞中に含まれるため、例えば、微粉砕した茶葉を使用して抽出すると、グリセロ糖脂質の濃度が高くなると考えられるほか、茶葉の種類や抽出方法によってもその濃度は変動すると考えられる。
グリセロ糖脂質の定量分析は、逆相カラムを用いたHPLC分析系において示差屈折率(RI)検出器、UV検出器等によって検出する公知の方法(特開2014−193183号公報記載の方法参照)などにより、分析することができる。
一方、タンニン量とは、非重合タイプのカテキンや、重合タイプのカテキンなど、茶飲料あるいは茶抽出液中のポリフェノール量をトータルで表す数値であり、茶飲料の濃さの指標となる数値である。タンニン量は、酒石酸鉄法で測定することが可能である(中林敏郎他著「緑茶・紅茶・烏龍茶の化学と機能」弘学出版、137ページ参照)。
<容器詰め茶飲料>
各種茶飲料において、本発明の対象となる茶飲料としては、グリセロ糖脂質を含有する容器詰め茶飲料が挙げられる。該茶飲料の茶抽出液は、上記の通り、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である茶抽出液として特定することができる。本発明の茶飲料の茶抽出液としては、前記茶抽出液である点以外は、特に限定されず、どのような茶抽出液であってもよい。また使用する茶は、カメリア・シネンシス由来の茶葉を使用した茶類であればいずれであってもよい。すなわち、具体的には、不発酵茶である緑茶類、半発酵茶である烏龍茶類、そして発酵茶である紅茶類、更には茶葉を微生物で発酵させた黒茶などの微生物発酵茶類などであってもよい。
その中で、本発明の効果が特に優れて奏される茶の例として、紅茶があげられる。紅茶において、使用する紅茶茶葉は、ダージリン、ディンブラ、アッサム、ウバ、ニルギリ、ヌワラエリアなど、どの種類であってもよく、二種以上の茶葉をブレンドしてもよい。
茶飲料を製造するために使用する茶の抽出液は、直接茶茶葉を抽出した抽出液でもよいし、一旦通常の茶抽出液を得た後、その抽出液を常法にしたがって、濃縮してエキス化したもの(茶エキス)や噴霧乾燥などして得た乾燥茶粉末(茶パウダー)を原料水に再溶解して用いてもよい。抽出にあたっては、アスコルビン酸添加など、通常の茶飲料製造の際に使用する方法はいずれも使用可能である。また、茶エキスや茶パウダーは、食品原料として販売されているものを利用してもよい。
茶飲料を製造する上で、茶抽出液に添加する原料も、本発明で必要とするカラメルのほかは自由に選択できる。例えば、紅茶の場合であって、レモンティに加工する場合には、レモン果汁、酸味料などを、ミルクティに加工する場合には乳成分などを適宜添加してもよい。そのほか、砂糖や異性化液糖などの甘味料、ステビアやスクラロースなどの高甘味度甘味料も適宜使用できる。更には、香料やアスコルビン酸などの食品添加物も適宜使用可能である。また、本発明の容器詰め茶飲料には、アルコールを含有させてもよい。アルコールは、用途に合わせて例えば0.1〜10容量%程度まで適宜選択できる。
本発明の容器詰め茶飲料は、光劣化を抑制することができるため、光透過性の容器、例えば、透明な容器である透明ペットボトルや透明ガラスビンなどを有効に利用することができる。アルコールを含まない清涼飲料の場合にはペットボトルに充填することが好ましく、アルコールを含む飲料の場合にはガラスビンが望ましく、それぞれの茶飲料に応じて、各種透明容器を有効に利用することができる。なお、本発明で透明容器とは、紫外線が通過可能な容器が含まれる。
<カラメル>
本発明では、茶飲料の光劣化を抑制するためにカラメルを添加する。カラメルは食品添加物の分類において、製造方法の違いによってカラメルI〜IVの4種類があり、本発明では、そのいずれも使用可能であるが、カラメルIVタイプを使用することが好ましい。
カラメルの添加量は、0.0005〜0.2重量%添加、含有するのが好ましく、0.001〜0.01重量%添加、含有するのがより好ましい。カラメルは他の原料と同様に原料のひとつとして調合の際に添加すればよい。なお、カラメルは、茶本来の香味に影響を与えることなく、茶飲料の光劣化を抑制する効果を有しており、実用性が非常に高い素材である。また、紅茶や烏龍茶であれば、カラメルによる着色の影響もないし、緑茶であっても、添加量を下限値付近に設定すれば着色の影響は限定的なものとなる。着色に影響しない範囲で添加しても、本発明の光劣化抑制効果は有効である。
<容器詰め茶飲料の製造方法>
常法にしたがって茶葉を熱湯又は水で抽出するか、若しくは茶エキス又は茶パウダーを熱湯又は水に溶解して、茶抽出液を得る。この茶抽出液のタンニン量及びグリセロ糖脂質の濃度を測定し、単位体積当たりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001〜1の範囲に含まれていた場合に、その茶抽出液に、カラメルを加え、更に、そのほかの原料を添加して、溶解し、茶調合液を得る。この後、必要な殺菌をおこなった後に容器に充填する。容器は、通常の容器詰め茶飲料で使用する、缶容器、ペットボトル、ガラスビン、紙容器など、いずれも使用可能である。前記のように、本発明により、茶飲料の光劣化が抑制されるため、透明ペットボトルや透明ガラスビンを有効に使用することができる。
以下に実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
<紅茶抽出液の光劣化評価用の試験飲料の調製>
次の方法により、光劣化を評価するための、各種紅茶抽出液を用いた試験飲料を調製した。まず、表1に示すA〜Dの原料用紅茶抽出液乾燥粉末(紅茶パウダー)を、それぞれ茶葉の使用率が0.4重量%となるようにイオン交換水で溶解して、4種類の紅茶抽出液を得た。また一方、紅茶葉50gを80℃のイオン交換水1500gに入れ5分間保持した後、茶殻を固液分離して得た紅茶抽出液を茶葉使用率が0.4重量%となるように希釈、調整した。以上の5種類の紅茶抽出液に対し、それぞれ果糖ぶどう糖液糖10重量%、クエン酸0.2重量%、クエン酸三ナトリウム0.06重量%を添加して、紅茶飲料調合液を調製した。これらの調合液を190mL溶の透明ガラスビンに170mLずつ充填した後、80℃、10分間、パストライザー殺菌して、試験飲料1〜5を調製した。
Figure 2017074014
<試験飲料の光劣化評価>
透明ビンに充填した試験飲料を、3000ルクス、10℃に設定した光照射機に5日間保存した後、官能評価に供した。保存後の各試験飲料について、紅茶飲料の商品開発に精通したパネラー7名が協議の上、採点をおこなった。基準は、点数3:光劣化が強い、点数2:光劣化が弱い、点数1:光劣化をほぼ又は全く感じない、とした。結果を表2に示す。紅茶パウダーA〜Dを用いて調製した試験飲料1〜4は光劣化臭を感じることがわかった。
Figure 2017074014
<試験飲料の分析>
次の方法により、試験飲料中のグリセロ糖脂質とタンニン量の分析をおこなった。グリセロ糖脂質は表3に示す分析条件で逆相クロマトグラフィーに供した。そして、Lipid Products社のモノガラクトシルジグリセリド及びジガラクトシルジグリセリドの標品を用いて定量値を求め、これらの総和をグリセロ糖脂質の定量値とした。
Figure 2017074014
一方、タンニン量は、酒石酸鉄法(中林敏郎他著「緑茶・紅茶・烏龍茶の化学と機能」弘学出版、137ページ参照)を用いて測定を行った。具体的には、試験液中のポリフェノールと、酒石酸鉄試薬とを反応させて生じた紫色成分について、吸光度(540nm)を測定することにより、没食子酸エチルを標準物質として作成した検量線を用いて定量した。このようにして得られた定量した値に1.5倍したものをタンニン量とした。
グリセロ糖脂質とタンニン量の分析値、並びに単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率を表4に示す。グリセロ糖脂質量/タンニン量が0.001以上の茶飲料において、光劣化が発生することがわかった。
Figure 2017074014
<実施例1〜3、比較例1>
果糖ぶどう糖液糖10重量%、クエン酸0.2重量%、クエン酸三ナトリウム0.06重量%をイオン交換水に溶解し、さらに前記紅茶パウダーAを茶葉換算で0.4重量%となるように添加した。さらに、IV型カラメルを0.0005重量%、0.001重量%、0.005重量%ずつそれぞれ添加した実施例1〜3の調合液並びに、カラメル無添加の比較例1の調合液を得た。その後、190mL容量の透明ビンに170mLずつ充填した後、80℃、10分間パストライザー殺菌をおこなって、実施例1〜3及び比較例1の容器詰め茶飲料を調製した。これらの実施例及び比較例の飲料を、前記試験飲料の光劣化評価と全く同様にして保存ならびに官能評価をおこなった。結果を表5に示す。単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.00600である茶飲料に対して、カラメルを0.0005重量%以上添加、添加含有させることにより、本来、光劣化臭を生成するはずの茶抽出液を用いて製造した飲料であっても、光劣化臭が抑えられることがわかった。
Figure 2017074014
<実施例4、比較例2>
表6に示す処方を用いて、実施例4及び比較例2の調合液を調製した。この調合液をUHT殺菌して350mL容量の透明ペットボトルに充填した。その後、前記、光劣化評価方法に従い、飲料の保存及び評価をおこなった。その結果、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.00219である茶飲料において、カラメルを添加していない比較例2の飲料は香料等による相乗効果の影響もあって金属臭がさらに強く感じられた(評価点数3)が、カラメルを添加した実施例4の飲料は金属臭をほとんど感じず(評価点数1)、製造直後の香味を維持していた。なお、容器に充填直後の飲料は、実施例4と比較例2の間に香味の差異は感じられず、カラメル添加による香味への悪影響が全くないことが確認できた。
Figure 2017074014
本発明により、各種茶飲料が、光透過性容器等で流通、保存が行われる中で、該飲料成分の光劣化を防止することにより、光劣化が抑制され、安定した香味を有する容器詰めの茶飲料を提供できる。

Claims (7)

  1. 単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料において、茶飲料にカラメルを含有させることにより、茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料。
  2. カラメルの含有量が、飲料当たり、0.0005〜0.2重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料。
  3. 容器詰め茶飲料が、茶パウダー、茶エキス、又は粉砕茶葉から抽出された抽出液のいずれか1種以上を含有する容器詰め茶飲料であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料。
  4. 容器詰め茶飲料が、紅茶飲料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料。
  5. 容器詰め茶飲料が、光透過性容器に充填された容器詰め茶飲料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料。
  6. 単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料の製造において、茶飲料にカラメルを飲料当たり、0.0005〜0.2重量%の量で添加含有させることにより、茶飲料成分の光劣化が抑制された容器詰め茶飲料の製造方法。
  7. 単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料の製造において、茶飲料にカラメルを飲料当たり、0.0005〜0.2重量%の量で添加含有させることにより、容器詰め茶飲料の飲料成分の光劣化を抑制する方法。
JP2015203818A 2015-10-15 2015-10-15 光劣化が抑制された容器詰め茶飲料 Active JP6576202B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015203818A JP6576202B2 (ja) 2015-10-15 2015-10-15 光劣化が抑制された容器詰め茶飲料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015203818A JP6576202B2 (ja) 2015-10-15 2015-10-15 光劣化が抑制された容器詰め茶飲料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017074014A true JP2017074014A (ja) 2017-04-20
JP6576202B2 JP6576202B2 (ja) 2019-09-18

Family

ID=58550409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015203818A Active JP6576202B2 (ja) 2015-10-15 2015-10-15 光劣化が抑制された容器詰め茶飲料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6576202B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019071813A (ja) * 2017-10-13 2019-05-16 株式会社 伊藤園 容器詰緑茶飲料及びその製造方法並びに容器詰緑茶飲料の光劣化臭の発生抑制方法
JP7026273B1 (ja) 2021-04-09 2022-02-25 サントリーホールディングス株式会社 高濃度のテアニンを含有する容器詰緑茶飲料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019071813A (ja) * 2017-10-13 2019-05-16 株式会社 伊藤園 容器詰緑茶飲料及びその製造方法並びに容器詰緑茶飲料の光劣化臭の発生抑制方法
JP7026273B1 (ja) 2021-04-09 2022-02-25 サントリーホールディングス株式会社 高濃度のテアニンを含有する容器詰緑茶飲料
JP2022161469A (ja) * 2021-04-09 2022-10-21 サントリーホールディングス株式会社 高濃度のテアニンを含有する容器詰緑茶飲料

Also Published As

Publication number Publication date
JP6576202B2 (ja) 2019-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5816337B2 (ja) 呈味改善剤及びこれを含む茶飲料
JP4843119B2 (ja) 容器詰緑茶飲料
JP4843118B2 (ja) 容器詰緑茶飲料
KR101627539B1 (ko) 용기에 담은 호지차 음료
JP5342874B2 (ja) ポリフェノール高含有紅茶飲料及びその製造法
JP5439566B1 (ja) 容器詰緑茶飲料及びその製造方法
KR20120112653A (ko) 용기에 담긴 녹차 음료
JP2002272373A (ja) 容器詰飲料の製造方法
WO2011102156A1 (ja) 飲料用原料茶の製造方法
JP5086380B2 (ja) 容器詰ほうじ茶飲料
JP6576202B2 (ja) 光劣化が抑制された容器詰め茶飲料
JP6908746B2 (ja) 重合カテキンを含有する飲料
JP6243892B2 (ja) 容器詰飲料
JP2018023363A (ja) 容器詰飲料
JP2018157792A (ja) 茶飲料
JP6496373B2 (ja) 飲料組成物
CN106455636A (zh) 容器装饮料
KR102400682B1 (ko) 음료 조성물
JP7282544B2 (ja) タンニン由来の苦味が低減された飲料
JP2011072219A (ja) 容器詰飲料
JPWO2018150571A1 (ja) 茶飲料
WO2020203655A1 (ja) カテキン類含有飲料、その製造方法及びカテキン類含有飲料の苦味を低減する方法
JP7470506B2 (ja) 苦渋味抑制組成物、容器詰め飲料、および苦渋味抑制方法
JP6713732B2 (ja) 容器詰茶飲料及びフロック発生抑制方法
JP6544850B2 (ja) 苦渋味の低減と発生が抑制された容器詰紅茶飲料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180920

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190723

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6576202

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250