[go: up one dir, main page]

JP2017052790A - sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物 - Google Patents

sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2017052790A
JP2017052790A JP2016223281A JP2016223281A JP2017052790A JP 2017052790 A JP2017052790 A JP 2017052790A JP 2016223281 A JP2016223281 A JP 2016223281A JP 2016223281 A JP2016223281 A JP 2016223281A JP 2017052790 A JP2017052790 A JP 2017052790A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
cisplatin
liposomes
liplacis
spla2
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016223281A
Other languages
English (en)
Inventor
ユスト ピーターセン、モアテン
Just Petersen Morten
ユスト ピーターセン、モアテン
メランダー、フレドリック
Melander Fredrik
ファーク ヴィクブヤーク、アンダース
Falk Vikbjerg Anders
ファーク ヴィクブヤーク、アンダース
アラン ピーターセン、スーン
Allan Petersen Sune
アラン ピーターセン、スーン
ウィンケル マドセン、モアゲンス
Winkel Madsen Mogens
ウィンケル マドセン、モアゲンス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BIO-BEDST APS
Bio Bedst ApS
Original Assignee
BIO-BEDST APS
Bio Bedst ApS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BIO-BEDST APS, Bio Bedst ApS filed Critical BIO-BEDST APS
Publication of JP2017052790A publication Critical patent/JP2017052790A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Synthetic bilayered vehicles, e.g. liposomes or liposomes with cholesterol as the only non-phosphatidyl surfactant
    • A61K9/1271Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes or liposomes coated or grafted with polymers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/28Compounds containing heavy metals
    • A61K31/282Platinum compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • A61K33/24Heavy metals; Compounds thereof
    • A61K33/243Platinum; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Synthetic bilayered vehicles, e.g. liposomes or liposomes with cholesterol as the only non-phosphatidyl surfactant
    • A61K9/1271Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes or liposomes coated or grafted with polymers
    • A61K9/1272Non-conventional liposomes, e.g. PEGylated liposomes or liposomes coated or grafted with polymers comprising non-phosphatidyl surfactants as bilayer-forming substances, e.g. cationic lipids or non-phosphatidyl liposomes coated or grafted with polymers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

【課題】sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物を提供すること。
【解決手段】医薬組成物はsPLA2加水分解性リポソームを含み、sPLA2加水分解性リポソームは、20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リポソーム系薬物送達システムおよび同システムの治療における使用に関する。
薬物送達用のリポソーム
リポソームは、1980年代に薬物送達ビヒクル/システムとして開発された微小な球体である。最初のリポソームに基づく薬剤は、1990年代に商業的用途について承認された。
リポソームは、薬物など様々な化合物を運搬するために使用可能な3つの別個のコンパートメント、すなわち:内部の水性コンパートメント;疎水性の二分子層;ならびに内葉および外葉の極性相間、を有している。封入される化合物の化学的性質に応じて、該化合物はいずれかのコンパートメントに局在化することになる。
リポソームは、過形成および血管透過性増大、またリンパ排液異常のような、固形腫瘍の病態生理学的特徴を使用することにより、腫瘍組織を受動的に標的化することから、有望な薬物送達システムと考えられている。これらの特徴はナノ粒子の血管外遊出を促進し、またリポソームはEPR効果(enhanced permeability and retention effect)のためより長い間組織内に保持されうる。
薬物送達ビヒクルとしてのリポソームの特性は、リポソームの表面電荷、透過性、溶解度、安定性などに強く依存し、これらはリポソーム組成物中に含まれる脂質によって著しく影響を受ける。さらに、リポソーム内に封入される薬物は、安定なリポソーム製剤の調製において考慮すべきさらなる要件を必要とする場合がある。
安全性および薬効に関して考察するには、リポソーム製剤がその特性を維持すること、すなわち調製時から投与まで安定を維持することが必要である。更に、薬物が特異的に放出される標的部位にそのような製剤が到達するまで、該製剤は、治療される対象者内の輸送の間、損傷を受けないことが望ましい。
負に帯電したリポソームの治療的使用は、リポソーム製品を用いて治療された患者に見られる非IgE依存性過敏性反応を引き起こす可能性がある。これらの副作用は補体活性化によるアナフィラトキシン産生の結果であると思われる。
PEG化リポソーム製剤の繰り返し投与は、場合により、血中クリアランスの加速(Accelerated Blood Clearance)(ABC現象)を生じて、初回投与と比較すると血流からの迅速なクリアランスをもたらし、かつこれに対応する肝臓および脾臓における蓄積を増大させてきた。ABC現象は、リポソームが蓄積した臓器内における封入化合物の意図せぬ放出を引き起こす可能性がある。さらに、リポソームが意図した部位に蓄積するのを妨げる可能性があるので、ABC現象は一般に望ましくない。
リポソームのための様々な標的化戦略、例えば抗体のような細胞特異的リガンドへの結合については既に記載がある。
sPLA2加水分解性リポソーム
別の手法は、がん組織中、および炎症部位においても、分泌型ホスホリパーゼA2(sPLA2)のレベルが高いことに基づいて示唆されてきた。基本的概念は、sPLA2により加水分解可能なリポソームを調製可能であること、およびsPLA2による加水分解がリポソーム内に封入された薬物の放出をもたらすことである。さらに、sPLA2加水分解の生成物であるリゾ脂質(lysolipid)および脂肪酸は、細胞による薬物の取込み増加をもたらす細胞膜の透過化剤として作用する。がん組織中および炎症部位ではsPLA2レベルが高いので、sPLA2活性化リポソームを使用して、封入された薬物をそのような部位へ優先的に送達することが可能である。
多くの文献にsPLA2活性化リポソームが記載されているが、治療適用についてはこれまで記載されてこなかった。
特許文献1には、モノエーテルリゾリン脂質のプロドラッグを含んでなるsPLA2活性化リポソームについて記載されている。この文献には、追加の生物活性化合物の封入についても記載されている。しかしながら、記載されたリポソームの治療的使用は開示されていなかった。
特許文献2は、sPLA2によって活性化されるエーテルリゾ脂質のプロドラッグの投与について、哺乳類の皮膚組織または皮下組織における細胞外sPLA2の局所的増大を伴う疾患または症状の治療のための、脂質を用いる薬物送達システムの使用を示唆している。該システムはいわゆるエッジ活性化合物(edge active compound)をさらに含んでいた。この文献はヒトのような哺乳動物への局所適用は開示しなかった。従って、記載されたリポソームの治療的使用は開示されていなかった。
特許文献3は、リーシュマニア症、トリパノソーマ症、マラリア、赤痢アメーバ症(Entaboeba,Histolyticasis)および「東洋肝吸虫クロモルキス・シネンシス(Oriental liver fluke chlomorchis sinensis)」から選択された寄生虫感染の治療または予防のための、脂質を用いた薬物送達システムの使用を示唆したが、該システムはsPLA2によって活性化される脂質誘導体の形のプロドラッグを含んでなるものである。このリポソームはさらなる生物活性化合物を含有することができる。言及された感染症の実際の治療は実証されず、リポソームがヒトのような哺乳動物に投与されることもなかった。
特許文献4および特許文献5にもsPLA2活性化リポソームについて記載されているが、医学的治療の開示を伴うものではなかった。
アンドレセン(Andresen)ら、2005a(Andresen TL,2005)は、sPLA2によるがん組織中におけるリポソーム系のプロドラッグおよび薬物の活性化および放出の誘発について議論している。特に、著者らは、MT−3乳がん異種移植片マウスモデルにおいて腫瘍増殖阻害を示す実験のデータを開示した。sPLA2分解性リポソーム(DSPC/DSPG/DSPE−PEG2000、個々の脂質の量は示されていない)に封入されたシスプラチンは、対応量の遊離シスプラチンと比較して高い腫瘍増殖阻害を示した。著者らはさらに、in vitroの実験において、シスプラチンが装荷されたsPLA2分解性リポソームは、恐らくは加水分解生成物であるリゾ脂質および脂肪酸の付加的な膜かく乱作用が原因で、遊離シスプラチンよりも細胞毒性が高いことを示した。この作用は、シスプラチンが膜を貫通して拡散し細胞内標的部位に到達するのを促進するのに有用であることも考えられる。この作用がsPLA2活性化リポソームの有害な副作用をもたらす可能性があるかどうかは議論されなかった。
アンドレセン(Andresen)ら、2005b(Andresen TL J.S.,2005)も、MT−3乳がん異種移植片マウスモデルにおいて腫瘍増殖阻害を示す実験のデータを開示している。
上記に議論された参照文献を考慮しても、sPLA2活性化リポソームが治療的に使用されうるかどうかは明らかではない。該リポソームは、例えば、その一般に負の電荷ゆえにRESの細胞によって急速にクリアランスされる可能性がある。さらに、単純に治療的使用には漏出性が高すぎる可能性もある。極めて予測困難な別のパラメータはsPLA2リポソームの毒性である。言及したように、sPLA2による加水分解の生成物であるリゾ脂質および脂肪酸は、例えば細胞膜の透過化によって、意図せぬ副作用をもたらす可能性がある。さらに、sPLA2が腫瘍内以外の部位に高いレベルで存在する場合、意図せぬ部位での薬物放出が起きる可能性がある。そのような意図せぬ薬物放出が有害な影響を有して、sPLA2活性化リポソームの治療的使用を妨げる可能性がある。意図せぬ部位での薬物放出は、その部位における予想外の高いsPLA2レベルによって引き起こされる可能性がある。
負に帯電したリポソームの治療的使用は、リポソーム製品を用いて治療された患者に見られる非IgE依存性過敏性反応を伴うことが考えられる。これらの反応は補体活性化によるアナフィラトキシン産生の結果であると考えられている。
PEG化リポソーム製剤の繰り返し投与は、場合によっては加速された血中クリアランス(Accelerated Blood Clearance)(ABC現象)を生じて、初回投与と比較して血流からの迅速なクリアランスをもたらし、かつこれに対応する肝臓および脾臓における蓄積を増大させてきた。ABC現象は、リポソームが蓄積した臓器内における封入化合物の意図せぬ放出を経過する可能性がある。
シスプラチンを用いる治療
遊離シスプラチン製剤はいくつかの重大な副作用を有している。最も重要なものを以下に列挙する。
腎毒性−シスプラチンの主な用量制限毒性は用量相関的および蓄積的な腎不全である。静脈内水分補給を伴う6〜8時間注入を用いたシスプラチンの投与が、腎毒性を低減するために使用されてきた。しかしながら、腎毒性はこれらの手順を利用した後もなお生じる場合がある。
耳毒性−耳毒性は、シスプラチン50mg/m2の単回投与で治療された患者の最大31%に観察されており、耳鳴または高周波領域(4,000〜8,000Hz)における聴力損失のうち少なくともいずれか一方によって明らかになる。耳毒性作用はシスプラチンの最大血漿中濃度と関連する可能性がある。
血液関係−シスプラチン治療を受けた患者の25%〜30%に骨髄抑制が生じる。白血球減少症および血小板減少症はより高用量(>50mg/m2)においてより明白である。白血球減少症および血小板減少症とほぼ同じ頻度で貧血が生じる。
胃腸関係−シスプラチン治療を受けたほとんどすべての患者に著しい悪心嘔吐が生じ、あまりに重篤なため該薬物を中止しなければならないこともある。悪心嘔吐は、通常は治療後1〜4時間以内に始まり、最大24時間持続する。
血清電解質異常−低マグネシウム血症、低カルシウム血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、および低リン酸血症がシスプラチン治療を受けた患者に生じることが報告されており、恐らく腎尿細管障害と関係している。
神経毒性−神経毒性は通常は末梢神経障害を特徴とする。神経障害は通常、長期治療(4〜7か月)の後に生じるが;神経症状は単回投与の後に生じることが報告されている。
肝毒性−ビリルビンと同様に肝酵素(特にSGOT)の一時的上昇が、推奨用量のシスプラチン投与に関係することが報告されている。
国際公開公報第0158910号パンフレット 国際公開公報第0176555号パンフレット 国際公開公報第0176556号パンフレット 国際公開公報第06048017号パンフレット 国際公開公報第07107161号パンフレット
したがって、遊離シスプラチンを使用する治療は多くの潜在的な副作用を有しており、副作用のリスクが低減されたシスプラチン製剤が必要とされている。
上述の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ヒトにおけるがんを治療するための医薬組成物において、医薬組成物はsPLA2加水分解性リポソームを含み、sPLA2加水分解性リポソームは、20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、を含む、医薬組成物を提供する。
第1の態様では、本発明は医学的使用のためのsPLA加水分解性リポソームを提供する。sPLA2加水分解性リポソームは、好ましくは低分子抗腫瘍物質のような治療薬を含んでなる。
本発明の他の態様は、治療薬の副作用を低減する方法、例えば治療薬の腎毒性、神経毒性および胃腸毒性を低減する方法に関する。
本発明のさらに別の態様は、治療薬の治療効果を延長する方法に関する。
以上、本発明によれば、ヒトにおけるがんを治療するための医薬組成物であって、sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物が提供できた。
MT−3(ヒト乳がん)異種移植片に対するLiPlaCisの有効性を示す図。指数関数的に増殖している腫瘍を備えたヌードマウスを、4mg/kgのシスプラチンまたはLiPlaCisで毎週1回治療した。対照群は(生理食塩水)で治療した。シスプラチン治療群および生理食塩水治療群は3回注射したが、LiPlaCis治療群のマウスは、毒性のため2回だけ注射した。詳細については実施例2を参照のこと。 ラット(BrlHan:WIST@mol(GALAS))(1つの治療につき3匹)に、3mg/kgのシスプラチンまたはLiPlacisを注射し、血液を表示された時点で採取した。酸消化の後、血漿分画をプラチナ含量についてICP−MSを使用して分析した。詳細については実施例2を参照のこと。 MT−3異種移植片を担持しているヌードマウスにおける薬物動態および体内分布を示す図。指数関数的に増殖するMT−3腫瘍を備えたヌードマウス(1つの治療の各時点につき3匹)に、単回用量のシスプラチンまたはLiPlaCis(3mg/kg)を注射した。採血の後、マウスを表示された時点で屠殺し、腫瘍および臓器を解剖、洗浄、および急速凍結した。酸消化の後、プラチナ含量をICP−MSによって計測した。詳細については実施例4を参照のこと。 MT−3異種移植片を担持しているヌードマウスにおける薬物動態および体内分布を示す図。指数関数的に増殖するMT−3腫瘍を備えたヌードマウス(1つの治療の各時点につき3匹)に、単回用量のシスプラチンまたはLiPlaCis(3mg/kg)を注射した。採血の後、マウスを表示された時点で屠殺し、腫瘍および臓器を解剖、洗浄、および急速凍結した。酸消化の後、プラチナ含量をICP−MSによって計測した。詳細については実施例4を参照のこと。 MT−3異種移植片を担持しているヌードマウスにおける薬物動態および体内分布を示す図。指数関数的に増殖するMT−3腫瘍を備えたヌードマウス(1つの治療の各時点につき3匹)に、単回用量のシスプラチンまたはLiPlaCis(3mg/kg)を注射した。採血の後、マウスを表示された時点で屠殺し、腫瘍および臓器を解剖、洗浄、および急速凍結した。酸消化の後、プラチナ含量をICP−MSによって計測した。詳細については実施例4を参照のこと。 MT−3異種移植片を担持しているヌードマウスにおける薬物動態および体内分布を示す図。指数関数的に増殖するMT−3腫瘍を備えたヌードマウス(1つの治療の各時点につき3匹)に、単回用量のシスプラチンまたはLiPlaCis(3mg/kg)を注射した。採血の後、マウスを表示された時点で屠殺し、腫瘍および臓器を解剖、洗浄、および急速凍結した。酸消化の後、プラチナ含量をICP−MSによって計測した。詳細については実施例4を参照のこと。 MT−3異種移植片を担持しているヌードマウスにおける薬物動態および体内分布を示す図。指数関数的に増殖するMT−3腫瘍を備えたヌードマウス(1つの治療の各時点につき3匹)に、単回用量のシスプラチンまたはLiPlaCis(3mg/kg)を注射した。採血の後、マウスを表示された時点で屠殺し、腫瘍および臓器を解剖、洗浄、および急速凍結した。酸消化の後、プラチナ含量をICP‐MSによって計測した。詳細については実施例4を参照のこと。 LiPlaCis投与後の時間の関数としての血中シスプラチン濃度を示す図。詳細については実施例6を参照のこと。 LiPlaCis投与後の時間の関数としての血中シスプラチン濃度を示す図。詳細については実施例6を参照のこと。 LiPlaCis投与後の時間の関数としての血中シスプラチン濃度を示す図。詳細については実施例6を参照のこと。 LiPlaCis投与後の時間の関数としての血中シスプラチン濃度を示す図。詳細については実施例6を参照のこと。 LiPlaCis投与量の関数としての血中シスプラチン濃度を示す図。詳細については実施例6を参照のこと。 LiPlaCis投与量の関数としての血中シスプラチン濃度を示す図。詳細については実施例6を参照のこと。 LiPlaCis投与量の関数としての血中シスプラチン濃度を示す図。詳細については実施例6を参照のこと。 第1相試験データの概要を示す図。詳細については実施例6を参照のこと。 第1相試験データの詳細を示す図。WBC WBC〜白血球、ANC〜絶対好中球数、PLT〜血小板、Hgb〜ヘモグロビン、Nau〜悪心、Vom〜嘔吐、Dia〜下痢。詳細については実施例6を参照のこと。 第1相試験データの詳細を示す図。WBC WBC〜白血球、ANC〜絶対好中球数、PLT〜血小板、Hgb〜ヘモグロビン、Nau〜悪心、Vom〜嘔吐、Dia〜下痢。詳細については実施例6を参照のこと。 第1相試験データの詳細を示す図。WBC WBC〜白血球、ANC〜絶対好中球数、PLT〜血小板、Hgb〜ヘモグロビン、Nau〜悪心、Vom〜嘔吐、Dia〜下痢。詳細については実施例6を参照のこと。 第1相試験データの詳細を示す図。WBC WBC〜白血球、ANC〜絶対好中球数、PLT〜血小板、Hgb〜ヘモグロビン、Nau〜悪心、Vom〜嘔吐、Dia〜下痢。詳細については実施例6を参照のこと。 第1相試験データの詳細を示す図。WBC WBC〜白血球、ANC〜絶対好中球数、PLT〜血小板、Hgb〜ヘモグロビン、Nau〜悪心、Vom〜嘔吐、Dia〜下痢。詳細については実施例6を参照のこと。
本発明者らは、sPLA2加水分解性リポソーム(本明細書中ではsPLA2活性化リポソームとも呼ばれる)を用いてin vivoでの試験を行なった。シスプラチンが装荷されたsPLA2加水分解性リポソーム(本明細書中ではLiPlaCisとも呼ばれる)が腫瘍マウスモデルに投与されると、多くの場合、遊離シスプラチンの投与に比べて高い有効性が観察された。しかしながら、有効性の増大には、多くの場合、マウスの死亡をもたらす高い毒性も伴った。
にもかかわらず、本発明者らは進行した腫瘍または難治性の腫瘍を有する患者においてsPLA2加水分解性リポソーム中に封入されたシスプラチンの第1相用量増加試験を開始した。この試験の主要評価項目は、sPLA2加水分解性リポソーム中に封入されたシスプラチン(LiPlaCisとも呼ばれる)の安全性および忍容性であった。
この試験の主な結論は次のとおりであった:
・LiPlaCisは臨床的に適切な用量において忍容可能な毒性プロファイルを有している。
・LiPlaCisは遊離シスプラチンの投与と少なくとも同じ用量のシスプラチンの投与を可能とするが、これは非臨床データを考慮すれば驚くべきことである。
・LiPlaCisは、遊離シスプラチンの投与と比較して、一般にシスプラチンの用量を制限する腎毒性を低減した。
・LiPlaCisは、遊離シスプラチンの投与と比較して悪心嘔吐を低減した。
・3週間毎に投与されるLiPlaCisのMTD(最大耐用量)は治療サイクル当たり80mgを上回ることがわかったが、これは動物実験から予測されるMTDを考慮すれば驚くべきことである。
・3週間毎に投与されるLiPlaCisのRD(推奨用量)は治療サイクル当たり80mgまたはそれ以上と決定された。
・LiPlaCisは、遊離シスプラチンの投与では必要とされる水分補給をしないで投与可能である。LiPlaCisは外来患者においても原則として投与可能である。
特に、LiPlaCisは悪心、下痢、嘔吐、貧血、神経病、腎毒性および耳毒性の点で遊離シスプラチン製剤と比較して優れた安全性および忍容性プロファイルを有していた。
したがって本発明は、sPLA2加水分解性リポソームの医学的使用を利用可能とし、かつ本発明の最も広い態様においては、治療、好ましくはヒトの治療において使用するためのsPLA2加水分解性リポソームを提供する。
sPLA2加水分解性リポソーム
本発明による治療において使用するためのsPLA2加水分解性リポソームは、以降の実施形態においてより詳細に定義される。その最も広い実施形態では、sPLA2加水分解性リポソームという用語は、生理学的条件下、特にがん組織中において加水分解可能なリポソームを指す。好ましくは、sPLA2加水分解性リポソームは20%〜45%(mol/mol)のアニオン性脂質を含んでなる。アニオン性脂質の含量は、sPLA2を介したリポソームの脂質加水分解速度のようなリポソームの重要な特徴に影響し、またリポソームに対する免疫応答にも影響する。
アニオン性脂質の含量が増大するにつれて、sPLAによる脂質加水分解(および薬物の放出)の速度も増大する。適度な加水分解速度は、20%〜45%のアニオン性脂質含量によって達成されうることが実証された。したがって1つの実施形態では、アニオン性脂質の含量は少なくとも20%である。別の実施形態では、アニオン性脂質の含量は45%以下である。さらに別の実施形態では、リポソームのアニオン性脂質含量は、20%〜45%、25%〜45%、28%〜42%、30%〜40%、32%〜38%、および34%〜36%からなる群から選択される。
上述のように、リポソームに対する免疫応答もアニオン性脂質の含量によって影響を受ける。したがって、体内におけるリポソームのクリアランス率は、リポソーム中のアニオン性脂質の含量をあるレベルより下に維持することにより低減される可能性があり、本発明者らは、リポソーム中のアニオン性脂質の含量を使用してsPLAの加水分解速度と細網内皮系によるクリアランスとの間のバランスを取ることができることを認めた。
好ましくは、アニオン性脂質はリン脂質であり、また好ましくは、リン脂質は、PI(ホスファチジルイノシトール)、PS(ホスファチジルセリン)、DPG(ビスホスファチジルグリセロール)、PA(ホスファチジン酸)、PEOH(ホスファチジルアルコール)、およびPG(ホスファチジルグリセロール)から成る群から選択される。より好ましくは、アニオン性リン脂質はPGである。好ましくは、脂質はステアロイル鎖を含んでなる。したがって、好ましくはPGはDSPGなどである。
親水性ポリマー
好ましい実施形態では、本発明で使用されるsPLA2加水分解性リポソームは、PEG[ポリ(エチレングリコール)]、PAcM[ポリ(N−アクリロイルモルホリン)]、PVP[ポリ(ビニルピロリドン)]、PLA[ポリ(ラクチド)]、PG[ポリ(グリコリド)]、POZO[ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)]、PVA[ポリ(ビニルアルコール)]、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、PEO[ポリ(エチレンオキシド)]、キトサン[ポリ(D−グルコサミン)]、PAA[ポリ(アミノ酸)]、ポリHEMA[ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリラート)]およびこれらのコポリマー、から成る群から選択された親水性ポリマーをさらに含んでなる。
最も好ましくは、ポリマーは100Da〜10kDaの分子量を有するPEGである。特に好ましいのは、2〜5kDaのサイズのPEG(PEG2000〜PEG5000)であり、最も好ましいのはPEG2000である。
リポソーム上へのポリマーの組み入れは当業者には良く知られており、恐らくは細網内皮系によるクリアランスを低減することにより、血流中のリポソームの半減期を延長するために使用可能である。さらに、ポリマーの組み入れはsPLA2加水分解に影響を及ぼす。
好ましくは、ポリマーはホスファチジル(phospatidyl)エタノールアミンの頭基にコンジュゲートされる。別の選択肢は、セラミド(この脂質がsPLAによって加水分解不能であっても)へのコンジュゲートである。ポリマーがホスファチジル(phospatidyl)エタノールアミンにコンジュゲートされると負電荷が導入され、従ってDSPE−PEGは(DSPEが中性脂質とされているのに反して)アニオン性脂質と見なされる。ポリマーがコンジュゲートされた脂質は、少なくとも2%の量で存在することが好ましい。より好ましくは、その量は少なくとも5%かつ最大15%(mol/mol)である。さらにより好ましくは、ポリマーがコンジュゲートされた脂質の量は少なくとも3%かつ最大6%である。アニオン性リン脂質および≦2.5%のDSPE−PEG2000を含有しているリポソームは、カルシウムの存在下で凝集する傾向が高まった。これは、通常は高粘着性ゲルの形成によって観察されうる。アニオン性リン脂質および>7.5%のDSPE−PEG2000を含有しているリポソームは、該リポソームの沈殿または相分離を引き起こす。
リポソーム中の中性荷電脂質成分
好ましくは、本発明で使用されるリポソームは、PC(ホスファチジルコリン)およびPE(ホスファチジルエタノールアミン)を含んでなる双性イオン性リン脂質から成る群から選択された非荷電リン脂質も含んでなる。最も好ましくは、双性イオン性リン脂質はPCである。
アニオン性リン脂質とは対照的に、双性イオン性リン脂質は、リポソーム中の電荷中性のsPLA加水分解性脂質成分としての役割を果たす。同じリポソーム中で双性イオン性およびアニオン性のリン脂質を組み合わせることにより、十分に高いsPLA加水分解と低い血中クリアランス速度の両方に適合する所望の表面電荷密度となるように調節することが可能である。
リポソーム中の双性イオン性リン脂質の量は、好ましくは40%〜75%であり、より好ましくは50〜70%である。
好ましくは、脂質(アニオン性脂質、中性脂質およびポリマーにコンジュゲートした脂質)はステアロイル鎖を含んでなる。したがって、好ましくはPGはDSPGであり、PEは好ましくはDSPEなどである。
エーテルリン脂質
リン脂質のうちの一部またはすべてがエーテルリン脂質であってもよい。
したがって、リン脂質は該リン脂質のグリセロール骨格のsn−1位にエステル結合の代わりにエーテル結合を有することができる。sPLAがこの特定の種類のリン脂質を加水分解するとモノエーテルリゾリン脂質が生じ、これらは例えばがん細胞に対して有毒である。すなわち、エーテルリン脂質はモノエーテルリゾリン脂質のプロドラッグと見なしてもよく、本発明のリポソームは、そのようなプロドラッグがsPLA加水分解によって活性化される場であるがん細胞のsPLA増強環境に、該プロドラッグを送達するために使用することができる。エーテルリン脂質は欧州特許第1254143号明細書および国際公開公報第2006/048017号パンフレットに記載されており、前記文献の内容は参照により本願に組込まれる。
1つの実施形態では、本発明で使用されるようなsPLA2活性化リポソームはエーテルリン脂質を含まない。
その他のプロドラッグ
sPLAによって脂質から放出されてリゾ脂質を作出する部分が薬物であってもよい。したがって、以降にさらに概説されるように、リポソームは、モノエーテルリゾ脂質のプロドラッグ、sPLAによって脂質から放出されるプロドラッグ、および他の治療薬を含んでなることができる。
1つの実施形態では、本発明で使用されるようなsPLA2活性化リポソームは、sPLA2によって脂質から放出されるプロドラッグを含まない。
安定化剤
リポソームは、該リポソーム中に膜成分としてコレステロールを組み入れることにより安定化されてもよい。しかしながら、リポソーム中の大量のコレステロールはsPLAによる加水分解に悪影響を及ぼし、したがってリポソームは最大でも10%までしかコレステロールを含まないことが好ましい。さらにより好ましくは、リポソームは、コレステロールを1%未満、0.1%未満しか含まないか、またはコレステロールを全く含まない。
リポソームを構成している脂質のアルキル鎖長は、最適なPLA加水分解速度、および封入される化合物の該リポソームからの漏出を最小限とするために調節可能である。好ましくは、アルキル鎖はC18またはC16の飽和鎖である。
使用されるリポソームは2価カチオンへの曝露により安定化されてもよい。
上述のように、リポソームは、モノエーテルリゾ脂質のプロドラッグ、またはsPLAにより脂質から放出されてリゾ脂質を作出する部分のプロドラッグのうち少なくともいずれかを含んでなることができる。
好ましい実施形態では、リポソームは、モノエーテルリゾリン脂質のプロドラッグでもモノエーテルリゾリン脂質でもない、治療薬(薬物)のような生物活性化合物を含んでなる。リポソームは、モノエーテルリゾリン脂質のプロドラッグと治療薬とを含んでなる場合もある。好ましい生物活性化合物は、小分子、ペプチド、タンパク質、ならびにプラスミドおよびオリゴヌクレオチドのような核酸である。好ましい種類のタンパク質は抗体であり、より好ましくはモノクローナル抗体である。好ましいオリゴヌクレオチドは、アプタマー、アンチセンスオリゴヌクレオチド、マイクロRNAおよびsiRNAである。特に興味深い化合物の種類は、低分子の抗腫瘍物質、例えばアントラサイクリン(anthracyclin)誘導体、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンである。より具体的な好ましい抗腫瘍物質は、プラチナ系抗腫瘍物質、すなわちシスプラチン、オキサリプラチン、ピコプラチンおよびカルボプラチンである。特に興味深い別の種類の化合物は抗生物質および抗真菌剤であり、さらに別の種類はステロイド剤および非ステロイド剤(non−stereoid)のような抗炎症剤である。
治療薬は、内部の水性コンパートメント;疎水性の二分子層;または内葉および外葉の極性相間に位置することができる。好ましくは、治療薬はリポソーム内に封入される、すなわち内部の水性コンパートメントに存在する。
別の実施形態では、リポソームは診断薬を含んでなる。「診断薬」とは、標的組織の位置特定または疾患もしくは状態の診断のうち少なくともいずれかを支援する作用物質を意味する。非限定的な例としては、造影剤、微粒子、放射性作用物質、標的特異的作用物質、例えば該疾患または状態のうち少なくともいずれかに関連したマーカーに特異的に結合する作用物質などが考えられる。当業者には明らかなことであるが、いくつかの実施形態では、本発明は、リポソームが少なくとも1つの薬物のほかに診断薬も含んでなるリポソーム製剤に関する。
本発明のリポソームの物理化学的特徴
リポソームは単層であっても多層であってもよい。最も好ましくは、リポソームは単層である。リポソームの直径は、50〜400nm、好ましくは80〜160nm、最も好ましくは90〜120nmであるべきである。
好ましくは、本発明の第2の態様のリポソーム製剤の多分散性指数(PDI)は0.2を上回るべきではなく、より好ましくは0.10以下である。この範囲のPDI値は、製剤中の比較的狭い粒度分布を表している。
上記から明らかとなるように、リポソームを構成する脂質のうち少なくとも1つが、リポソーム内にある場合にsPLAの基質であることが好ましい。
1つの実施形態では、リポソームは、sn−2位の代わりにsn−3位においてsPLAによって加水分解される脂質を含んでなる。そのような非天然の脂質および非天然の脂質を含んでなるリポソームは、国際公開公報第2006/048017号パンフレットに開示されており、前記文献の内容は参照により本願に組込まれる。
最も好ましい実施形態では、本発明で使用されるリポソームは、70%のDSPC、25%のDSPGおよび5%のDSPE−PEGを含んでなる。
治療薬がシスプラチンである場合、リポソームの内部は好ましくは0.9%のNaClを含んでなり、外部の緩衝液は10mMリン酸緩衝液、pH6.5、1mMNaClおよび10%スクロースを含んでなる。
医学的使用
好ましい実施形態では、sPLA2加水分解性リポソームは、注射(非経口投与)、例えば皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、および髄腔内経路によって投与される。好ましい経路はボーラス注射または点滴の形式の静脈内投与である。
上述のように、リポソームは様々な治療薬を含んでなることができる。しかしながら、好ましい作用薬は低分子の抗腫瘍物質(本明細書中では抗新生物薬、細胞毒性薬または細胞増殖抑制剤とも呼ばれる)である。シスプラチンはこれらの化合物のうちの1つであり、sPLA2加水分解性リポソーム内に封入されたシスプラチンを治療的に使用可能であるという実証は、sPLA2加水分解性リポソーム内に封入された他の抗新生物薬も治療的に使用可能であること、すなわち、該抗新生物薬は、意図せぬ部位において、抗新生物薬を封入しているsPLA2加水分解性リポソームの治療的使用に対して不利益となる濃度ではsPLA2加水分解性リポソームから放出されないであろうことを示している。
好ましい実施形態では、治療薬を含んでなるsPLA2加水分解性リポソームの投与は、遊離状態の治療薬の投与と比較して、該治療薬の低用量での投与を可能にする。これはいくつかの理由から可能である。第1に、治療薬のリポソーム封入は該治療薬の半減期を延長する。第2に、sPLA2加水分解の標的化作用により、sPLA2レベルが高い部位、例えば腫瘍において高濃度の遊離状態の治療薬がもたらされる。
別の好ましい実施形態では、治療薬を含んでなるsPLA2加水分解性リポソームの投与は、遊離状態の治療薬の投与と比較して、該治療薬の高用量での投与を可能にする。これはsPLA2加水分解性リポソームの標的化作用から可能であり、また、例えばsPLA2加水分解性リポソーム内に封入されたシスプラチンが遊離シスプラチンと比較して腎毒性が低いことによっても分かる。
LiPlaCisについて、ラットおよびマウスにおけるいくつかの非臨床的毒性試験において検討がなされた。これらの試験の全体的な目的は、この2つの動物種において単回投与および複数回投与の両方の最大耐用量(MTD)を測定することであった。これらの試験は、医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施基準(GLP)に従って行なわれた。これらの試験では、上記2つの動物種はLiPlaCisに対して同程度の感受性であることが見出され、またFDAのルール(参照文献:「産業界のためのガイダンス.薬物を成人健常被検者に初めて投与する臨床試験における最大安全初期量の算定法について(Guidance for Industry.Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers)」、FDA、2005年7月)の適用により、ヒトでの相当する最大耐用量は治療サイクル当たり30mgであることが予測される。したがって、治療サイクルあたり80mg以上のヒトMTDは驚異的である。
封入シスプラチンの好ましい用量は、3週間間隔で1治療サイクル当たり80mg〜120mg、3週間間隔で1治療サイクル当たり120〜160mg、3週間間隔で1治療サイクル当たり160mg〜200mg、3週間間隔で1治療サイクル当たり200mg〜240mg、および3週間間隔で1治療サイクル当たり240mg〜300mgである。
治療薬の投与間の時間も、治療薬の用量の低減/増加の議論に従って調節可能である。したがって、1つの実施形態では、治療薬の投与間の時間は、遊離状態の治療薬の投与間の時間と比較して延長される。別の実施形態では、治療薬の投与間の時間は、遊離状態の治療薬の投与間の時間と比較して短縮される。治療薬がシスプラチンである場合、投与間の時間は、例えば3週間より長くてもよいし、3週間未満でもよい。
好ましくは、本発明に従って治療される疾患はがんまたは炎症であり、好ましくはがんである。
治療方法
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に記載されるような有効量のsPLA2加水分解性リポソームを、該リポソームを必要とする患者に投与することを含んでなる治療方法である。この態様の具体的な実施形態は本発明の第1の態様から明白となろう。
腎毒性を低減する方法
本発明の第3の態様は、治療薬の腎毒性を低減する方法であって、該治療薬をsPLA2加水分解性リポソームの中に封入することを含んでなる方法である。好ましくは、治療薬はシスプラチンのような抗新生物薬であり、かつ好ましくは、治療薬は該治療薬を必要とする患者に投与される。他の実施形態は本発明の第1の態様から明白となろう。
神経毒性を低減する方法
本発明の第4の(forth)態様は、治療薬の神経毒性を低減する方法であって、該治療薬をsPLA2加水分解性リポソームの中に封入することを含んでなる方法である。好ましくは、治療薬はシスプラチンのような抗新生物薬であり、かつ好ましくは、治療薬は該治療薬を必要とする患者に投与される。他の実施形態は本発明の第1の態様から明白となろう。
胃腸毒性を低減する方法
本発明の第5の態様は、治療薬の胃腸毒性を低減する方法であって、該治療薬をsPLA2加水分解性リポソームの中に封入することを含んでなる方法である。好ましくは、治療薬はシスプラチンのような抗新生物薬であり、かつ好ましくは、治療薬は該治療薬を必要とする患者に投与される。他の実施形態は本発明の第1の態様から明白となろう。
治療効果を延長する方法
本発明の第6の態様は、治療薬の治療効果を延長する方法であって、該治療薬をsPLA2加水分解性リポソームの中に封入することを含んでなる方法である。好ましくは、治療薬はシスプラチンのような抗新生物薬であり、かつ好ましくは、治療薬は該治療薬を必要とする患者に投与される。他の実施形態は本発明の第1の態様から明白となろう。
参照文献
アンドレセン TL(Andresen TL)、J.S.、2005年、「リポソームを用いたがん治療における先進的戦略:能動的かつ腫瘍特異的な薬物放出の問題点および展望(Advanced strategies in liposomal cancer therapy:problems and prospects of active and tumor specific drug release.)」、Prog Lipid Res.,Jan;44(1):68−97.Epub 2005 Jan 22. アンドレセン TL(Andresen TL)、J.S.、2005年、「分泌型ホスホリパーゼA2により誘発されるリポソーム系プロドラッグおよび薬物のがん組織における活性化および放出(Triggered activation and release of liposomal prodrugs and drugs in cancer tissue by secretory phospholipase A2.)」、Curr Drug Deliv,Oct;2(4):353−62.
実施例1:sPLA2リポソーム(LiPlaCis)の調製
脂質中間体を、次のリン脂質の混合物(70/25/5(mol%)のDSPC/DSPG/DSPE−PEG2000)の噴霧乾燥により調製する。脂質をメタノールおよびクロロホルムに溶解する。脂質中間体を、抗がん剤の水溶液中で撹拌しながら水和する。このステップでは、リポソームは形成されるが広範な粒度分布を有し、また単層リポソームと多層リポソームとの混合物である。狭い粒度分布および単層リポソームを備えた生成物を得るために、水和混合物を、適切な細孔径のポリカーボネートフィルタを通して押出す。封入されていない抗がん剤を除去するために混合物を精製する。多くの技術、例えば透析、ゲル濾過および限外濾過を利用可能である。数リットル以上の範囲の調製物については、限外濾過が推奨の方法である。非経口投与が意図される調製物は、例えば濾過滅菌法によって滅菌しなければならない。
実施例2:マウスにおける有効性
方法
雌のNMRIヌードマウス(6〜8週)に、ヒト乳がん細胞株MT−3の細胞1×10個を左脇腹へ皮下接種した。指数関数的に増殖する腫瘍を担持しているマウスだけを試験用に選択した。腫瘍が70〜80mm3の大きさに達したら治療を開始した。動物には、腫瘍移植後13日目を開始として、尾静脈への静脈内注射で1週間に1用量(4mg/kgのシスプラチン(Platinol(R))、LiPlaCisまたは生理食塩水)を投与した。腫瘍の増殖を、2つの直交する直径の計測により1週間に3回評価し、また腫瘍の増殖を、相対的な腫瘍容積の計算により、開始時の様々な大きさに関して標準化した。体重を、1週間に3回計測した。最初の注射の4日後に血液試料を得て、コールターカウンターにより白血球および血小板を概算した。
結果:
LiPlaCisを、ヌードマウスにおけるMT−3乳がん(breast)異種移植片を使用した有効性試験においてシスプラチンおよび生理食塩水と比較した。シスプラチンおよびLiPlaCisを、4mg/kgの用量で毎週投与した。毒性のため、シスプラチンおよび生理食塩水の3回と比較してLiPlaCisは2回だけ注射を施用した。LiPlaCisは遊離状態のシスプラチンよりも有意に良好に腫瘍の増殖を抑制した(図1)。この作用は初回投与の1週間後には明白であり、対照群の腫瘍が大きいために実験が終了するまで持続した。LiPlaCis治療群では1匹のマウスが死亡した。
LiPlaCisは、シスプラチンのより高いバイオアベイラビリティをもたらし、かつ、より有力な抗腫瘍効果を引き起こすようであるが、遊離状態のシスプラチンよりも強い、体重減少および血小板減少を含む副作用を有する。
実施例3:ラットにおける薬物動態
方法:
ラット(BrlHan:WIST@mol(GALAS))に3mg/kgのシスプラチンまたはLiPlaCisを注射し、血液を採取してヘパリン処理チューブ(Microvette(R)CB 300 Sarsted)に入れた。試料は、10分から72時間まで得た。各サンプリング時点で血液量250μlを採取し、直ちに氷浴槽に入れ、遠心分離(3000×g、5分)して血漿分画を得た。血漿が入ったチューブを発送まで凍結し、その後HCl/HNO3/H2O2(60/5/35、容積%)中で消化してからICP−MSを使用してプラチナ分析した。
結果および結論:
この実験から、LiPlaCisは、遊離シスプラチンの15分間に対して約20〜23時間のT1/2を有する、長時間循環性のシスプラチンのリポソーム形態であることが明らかとなった。LiPlaCisの曲線下面積(AUC)はシスプラチンの少なくとも50倍であった。図2を参照のこと。
実施例4:ヌードマウスにおけるPK/BD
方法:
雌のBALB/cヌードマウス(6〜8週)に、ヒト乳がん細胞株MT−3の細胞1×10個を左脇腹および右脇腹へ皮下接種した。指数関数的に増殖する腫瘍を担持しているマウスだけを試験用に選択した。腫瘍が少なくとも300mm3の大きさに達したら単回投与を行った。動物には、尾静脈への静脈内注射により3mg/kgのシスプラチン(Platinol(R))またはLiPlaCis)を投与した。時点を、1、24、48、72および168時間とした。血液試料(500μl)を屠殺の直前に得てヘパリン処理チューブ(Microvette(R)CB 300 Sarsted)に移し、遠心分離して凍結した。死後、腫瘍、臓器および組織(腎臓、肝臓、後肢の大腿四頭筋および脾臓)を解剖し、生理食塩水中で洗浄し、急速凍結した。血漿中および腫瘍/組織中のプラチナ濃度を測定するために、試料をHCl/HNO3/H2O2(60/5/35、容積%)中で消化し、ICP−MSに供した。
結果:
血漿中のプラチナ分析から、LiPlaCisが血清中に高濃度で存在し、その作用が少なくとも1週間持続することが示された。血清中のLiPlaCisのレベルは、どの時点においても遊離シスプラチンより一桁以上高かった。LiPlaCisはまた、腫瘍内に、腫瘍量1mgあたり最大約4μg蓄積し、対して遊離シスプラチンは腫瘍1mgあたり約1μgであった。肝臓内のプラチナ蓄積に有意差はなかった。腎臓ではLiPlaCisの中程度の蓄積があったが、LiPlaCis治療群の動物由来の脾臓では最高レベルのプラチナを計測することができた。図3〜7を参照のこと。
PK/BDの結論:
LiPlaCisは、長時間循環性のリポソーム形態のシスプラチンである。LiPlaCisは腫瘍に蓄積し、さらに腎臓および脾臓にも蓄積する。シスプラチンは、腫瘍内微小環境においてLiPlaCisから放出されうる。
実施例5:腎毒性
シスプラチンの治療的投与を受けているヒトにおいて、シスプラチンの主な副作用および用量制限毒性は腎毒性である。本研究では、ラットにおいてシスプラチンの腎毒性をLiPlaCisの腎毒性と比較した。
方法
6〜7週齢で体重145〜175gのウィスター(Wistar)ラットの雄5匹および雌5匹の群に、3mg/kgのシスプラチンまたは3mg/kgのLiPlaCisのいずれかを静脈注射した。
注射の2日後に各群から雄2匹および雌2匹を屠殺し、注射の7日後に各群から雄1匹および雌1匹を屠殺し、注射の14日後に各群から残りの雄2匹および雌2匹を屠殺した。該動物を肉眼的病理検査に供し、絶対的および相対的な腎臓重量の記録を行った。組織病理検査を、全ての動物の腎臓、膀胱および脾臓について実施した。
結果および結論
剖検では、腎臓重量は概ねLiPlaCisを用いた治療後でより高く、病理組織検査からは、LiPlaCisを用いた治療が、多病巣性の好塩基性尿細管/壊死組織片ならびに広範な尿細管の空胞化および拡張という形の腎臓の変性変化の重症度を明白に低減したことが示された。LiPlaCisを用いた治療はおそらく、シスプラチンと比較して、白色脾髄/動脈周囲鞘の細胞密度の減少をより低頻度とした。結論として、LiPlaCisはラットにおけるシスプラチンの腎毒性を明白に低減した。
実施例6:進行した腫瘍または難治性の腫瘍を有する患者におけるLiPlaCis(リポソーム系シスプラチン製剤)の安全性および忍容性を評価するための第I相用量増加試験
試験の概要
主目的:
1.3週間ごとに投与されるLiPlaCisの安全性および忍容性の評価
2.3週間ごとに投与されるLiPlaCisの最大耐用量(MTD)および推奨用量(RD)の決定
副次的目的:
3.3週間ごとに投与されるLiPlaCisの薬物動態(PK)の評価
4.3週間ごとに投与されるLiPlaCisの治療有効性の評価
試験設計:
非盲検、非ランダム化用量増加試験
試験集団:
標準的治療に適さない固形腫瘍を有する被験者
患者数:
観察される毒性に依存するので、患者の正確な数は定義することができない。3〜6人の患者のコホートを、MTDに達するまで各用量レベルで治療することになる。MTDを算定するために30人の患者が必要とされる可能性も予想される。
適格性
参加規準:
1.組織学的または細胞学的に実証された、標準的治療に対して抵抗性であるかまたは治癒的療法が存在しない局所進行性または転移性の固形腫瘍。
2.≧18歳であること。
3.推定余命が≧3か月であること。
4.ECOGのパフォーマンスステータスが0〜2であること。
5.先の治療の急性毒性から、グレード1以下まで回復していること:
6.患者がシスプラチン投与を受けてから≧6か月が経過していなければならない。
7.患者が何らかの治験薬の投与を受けてから≧4週間が経過していなければならない。
8.患者が何らかの放射線療法または細胞毒性薬もしくは生物学的作用物質での治療を受けてから≧4週間(マイトマイシンまたはニトロソウレアについては≧6週間)が経過していなければならない。生理学的投与量のコルチコステロイドを用いた治療および前立腺がんについてのLHRHアゴニストを用いたホルモン療法以外のホルモン療法は認められない。
9.何らかの先行する外科手術、輸血またはGM−CSFを用いた治療から≧2週間が経過していなければならない。しかしながら、エリスロポエチンの現行使用は許容されるであろう。
10.次の臨床検査値によって証拠づけられるような適切な状態であること:
a.好中球の絶対数(ANC)≧1.5×109/L
b.ヘモグロビンが少なくとも9g/dl(5.6mmol/L)である
c.血小板≧100×109/L
d.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)≦2.5×ULN;既知の肝転移の場合はALTおよびAST≦5×ULN
e.血清ビリルビン≦1.5ULN
f.アルカリフォスファターゼ≦2.5×ULN
g.クレアチニンおよび血液尿素が正常範囲内にある、ただし、クレアチニン・クリアランスが正常範囲(コッククロフト・ゴールト式によって計算して>60mL/分)にある場合を除く(追記1を参照)
11.患者(男性および女性)は、試験の間に有効な避妊方法を実行する意思がなければならない。
12.患者または法定代理人は、本試験の研究上の性質を理解し、治療に先立って、独立した倫理委員会(IEC)が承認した書面のインフォームド・コンセント書式に署名しなければならない。
除外規準は下記:
1.活動性の無制御な出血または出血性素因(例えば活動性消化性潰瘍性疾患)。
2.非経口または経口の抗生物質治療を必要とする何らかの活動性感染症。
3.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)または肝炎ウイルスによる既知の感染。
4.活動性心疾患、例えば直前6か月以内の心筋梗塞もしくはうっ血性心不全、症候性冠動脈疾患、または現時点で薬物治療を必要としている症候性不整脈。
5.既知または疑わしい活動性の中枢神経系(CNS)転移。(CNS転移の治療完了後8週間安定な患者は適格である。)
6.自己免疫性疾患。
7.切迫性もしくは症候性の脊髄圧迫または脳軟膜転移癌。
8.先在の神経病を有する、すなわち、グレードが>1の運動神経毒性または感覚神経毒性(米国国立がん研究所 有害事象に関する共通毒性規準(National Cancer Institute Common Toxicity Criteria for Adverse Events)(NCI CTCAE)第3.0版による定義)、ただしがんによる異常を除く。
9.シスプラチンまたはリポソームに対する既知の過敏性を有する。
10.外科手術または放射線療法のうち少なくともいずれかを含む任意の種類の即時の待期的療法を必要とする。
11.妊娠中または授乳中の女性患者(試験参加登録前に妊娠テストで陽性結果)。
12.プロトコール要件に従う意思がないかまたは従うことができない。
試験手順:
有害事象(AE):治験薬のインフォームド・コンセントへの署名から治験薬の最終投与を受けた後30日まで。重大なAEを含む関連AEは、ベースラインに戻るかまたは≦グレード1と判定されるまで追跡する。
理学的検査、生命徴候、パフォーマンスステータス、血液化学、尿検査:ベースラインおよび各サイクルにおいて週1回。
血液学:ベースライン、サイクル1において週2回(bi−weekly)および他のサイクルにおいて週1回。
薬物動態(PK)用サンプリング:血液サンプルおよび尿サンプルをPK評価のために得るべきである。セクション6.4 臨床試験手順(Clinical Pharmacology Procedures)を参照のこと。
腫瘍の評価:ベースラインおよび3サイクルごと。
試験の評価:
理学的検査によって測定されるような安全性、実験上の毒性、ならびに有害事象の出現率および重症度
安全性の評価:NCIの有害事象に関する共通毒性規準(CTCAE)第3.0版、実験上の評価(生化学、血液学)、生命徴候、神経学的検査を含む理学的検査、ECOGパフォーマンスステータスおよび体重。
用量制限毒性(DLT)によって決定されるようなLiPlaCisの最大耐用量および推奨用量。
臨床反応率は、RECISTを使用してX線像上の規準によって決定されることになろう。
有効性の評価(適用可能な場合):RECISTによる全体的な腫瘍反応(CR、PR、SDまたはPD)。
試験の論理的根拠
用量およびスケジュールの選択の論理的根拠:
ヒトでの開始用量は、FDAの示唆する手法を使用して決定する(参照文献:産業界のためのガイダンス.薬物を成人健常被検者に初めて投与する臨床試験における最大安全初期量の算定法について(Guidance for Industry.Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers)。FDA、2005年7月)。ラットのMTDは3mg/kgであり、ラットとヒトとの間の変換係数はFDAのガイドラインに従って6.3である。これにより、ヒトの等価用量(HED)の0.5mg/kgが得られる。
マウスのMTDは6mg/kgであり、マウスとヒトとの間の変換係数はFDAのガイドラインに従って12.3である。これにより、ヒトの等価用量(HED)の0.5mg/kgが得られる。
したがって、ラットおよびマウスのMTDがヒトの等価用量に変換されるとき、これら2つの動物種はLiPlaCisに曝露された時に同じ感度を有することが明らかである。
標準ヒト体重はガイドラインに従えば60kgであり、これは患者1人当たり30mgの用量に相当する(0.5mg/kg×60kg=30mg)。安全係数3が適用されて、患者1人当たり10mgの開始用量が得られる。この用量は、健常者の体表面積を2m2として、通常のシスプラチン製品の最も低い推奨用量(3〜4週ごとに一回量として投与される場合50〜100mg/m2)の1/10に相当する。
より高い安全係数(多くの場合10)が使用されることが多いが、非臨床試験の知見は、LiPlaCisの毒性はシスプラチンの本質的な毒性によって決まること、およびLiPlaCisは通常のシスプラチンと比較して毒性が低いことを示唆している。よって、被験者1人当たり10mgでの開始は十分に安全側にあるはずである。さらに、LiPlaCisは完全に新しい薬物ではなく、極めてよく知られかつ広く用いられる薬物の新しい製剤であることに留意すべきである。
スケジュールおよび投与経路の論理的根拠:
リポソーム系シスプラチン製剤、例えばそれぞれアルザ・コーポレイション(ALZA Corp.)およびレギュロン・インコーポレイテッド(Regulon Inc.)により開発されたSPI−077およびLipoplatinの先の臨床第I相および第II相試験では、薬物製品は主として3週間ごとに投与され、課された中間サイクル数は2〜4であった。これらの試験の一部においては、患者は合計6サイクルを受けることになっていた。
安全性および潜在的有効性の点で患者を最適に治療しうることを確実にするために、LiPlaCisは、3週間ごとに最大3サイクルを、または調査者の見解で患者がさらなるサイクルから利益を得る場合はそれ以上のサイクルを、投与されることになる。
LiPlaCisは、従来のシスプラチンのように点滴により静脈内投与されることになる。
試験についての説明
本試験は、進行がん患者におけるLiPlaCisの非盲検、用量増加、非ランダム化第I相試験である。
LiPlaCisは、3週間ごとに最大3サイクル、調査者の判断において患者が治療から利益を得る場合かつ進行性の疾患または受け入れがたい毒性の証拠がない場合はそれ以上のサイクルで、投与されることになる。患者が治験に参加登録する場合、治験後に他の医療を利用することも検討されなければならない。
LiPlaCisは、前の用量レベルから20〜100%増加して投与されることになる。MTDに達するために必要とされるレベルの数字は未知である。20〜100%の段階的用量増加は、調査者と治験依頼者との間で議論された後に毒性および薬物動態に基づいて行われることになる。
それぞれのコホートの最後の患者が初回サイクルを完了したならば、段階的用量増加について議論するために臨床(電話)検討会が組織されることになる。治験依頼者(リプラソーム・ファーマ(LiPlasome Pharma))との討議における同調査団は、LiPlaCisの将来の第II相試験で使用されるべきMTDおよび推奨用量(RD)を決めることになる。
MTDは、3人または6人の患者のコホートにおいてDLTを有する2人以上の患者での投薬計画ということになる。すべてのコホートについて完了し、かつMTDが規定された後に;臨床検討会が組織されて、患者の結果を精査して次の用量を判断し、かつLiPlaCisのRDを決定することになろう。RDは、通常はMTD(MTD−1)を下回る用量レベルとなろう。RDは、6人の患者のうち多くとも1人しか初回サイクルでDLTを経験しない用量となる。
1用量レベル当たり3人の患者が登録され、患者の各コホートは3週間ごとに合計3サイクル以上、または疾患の進行もしくは受け入れがたい毒性が生じるまで、LiPlaCis投与を受けることになる(セクション6.5の用量制限毒性(dose−liming toxicity)の定義を参照)。コホート/用量レベルごとに、第2および第3の患者はそのコホートの第1の患者の初回サイクルの第1週の評価の後に同時に参加可能である。
点滴の持続時間は1時間となり、有害事象(例えば点滴反応)がより長い持続時間または点滴の一時停止を余儀なくする場合は3時間まで変更することも考えられる。
用量制限毒性(DLT)が1コホート内の3人の患者のうち1人に生じれば、さらに3人の患者がそのレベルで治療を受けることになる。DLTが2/3または2/6の患者に生じた場合、次のより低い用量レベルが少なくとも患者6人に拡張されることになる。コホートの最後の患者は、次のより高い用量レベルへの増加が始まる前に3週間観察されることになる。
患者が毒性以外の理由で3週間以内に試験から外れる場合、患者はコホート内で交代することになる。
用量レベルの最後の患者は、後続の用量レベルの最初の患者が治療を受ける前に少なくとも3週間観察されなければならない。
制吐薬:
最初に、試験治療は予防的な鎮吐薬を使用せずに開始する。2人の患者が悪心または嘔吐のうち少なくともいずれかのグレード2以上を経験したら、次の制吐薬の予防的使用が問題の患者および残りの患者について導入される。
ステップ1:5−HT3アンタゴニスト(例えばグラニセトロン、オンダンセトロン)
ステップ2:第1日:グラニセトロン1mg(iv)およびデキサメタゾン10mg(iv)、第2〜4日:デキサメタゾン6mg(経口)
ステップ3:第1日:アプレピタント125mg(経口)、グラニセトロン1mg(iv)、デキサメタゾン10mg(iv);第2〜3日:アプレピタント(prepitant)80mg(経口)、デキサメタゾン6mg(経口);第4日:デキサメタゾン6mg(経口)。
患者がグレード2以上の悪心または嘔吐のうち少なくともいずれかを経験した場合、治療用制吐薬が投与されてもよく、例えばステップ0:メトクロプラミドである。再治療時には、この患者は調査者の判断で予防用制吐薬を投与されてもよい。制吐薬はエラスムス医療センター(Erasmus MC)およびライデン大学医療センター(LUMC)の手順方法に従って投与されることになる。
水分補給:
水分補給は慣例的には使用されないであろう。
しかしながら、患者に腎毒性が観察されれば、事前水分補給および事後水分補給の両方がこの患者の残りのサイクルについて導入されることになる。水分補給は、治療前の4時間にわたる1000mLのグルコース2.5%/NaCl 0.45%、および治療後の8時間にわたる3000mLのグルコース2.5%/NaCl 0.45%で構成される。
MTDの定義に従い、腎毒性が3人または6人の患者のコホートの2人以上の患者に観察されるのであれば、事前水分補給および事後水分補給が残りの患者の残りのサイクルについて導入されることになる。
しかしながら、腎毒性が様々なコホートの異なる患者に観察される場合、これはさらなる水分補給の導入を始める理由でもあると考えられる。これは、調査者および治験依頼者との段階的用量増加テレビ会議の際に決定されることになる。
試験集団
本試験の対象となる集団は、組織学的または細胞学的に実証された、標準的治療に対して抵抗性であるかまたは治癒的療法が存在しない局所進行性または転移性の固形腫瘍を有する患者である。
患者の数
患者の正確な数は、観察される毒性に依存するので定義することはできない。LiPlaCisの第II相試験のためのMTDおよび推奨用量が決定されるまで、3〜6人の患者のコホートが各コホートで治療されることになる。最大30人の評価可能な患者が試験に参加して該試験の主要目的を満たすことが期待される。しかしながら、そうするために必要であれば、より多くの患者が登録されることになる。
参加に先立ち、患者はこの試験について書面のインフォームド・コンセントを示さなければならず、かつセクション3.3に列挙された選択基準すべてを満たさなければならない。インフォームド・コンセントに署名したが参加規準または除外規準のうち少なくともいずれかを満たさない患者は、スクリーニング不適格症例として定義される。同意したすべての患者について、調査者は、スクリーニング番号、患者のイニシャル、および(該当する場合は)スクリーニング不適格の理由を文書化するスクリーニング記録を維持することになっている。この記録の写しは調査者の試験ファイルに保持されなければならない。
第1相試験の結果
PK:
薬物動態学的データは、LiPlaCisがシスプラチンの長時間循環製剤であることを確認する。下記が観察されている:
・観察されたT1/2は、1時間未満であるシスプラチンのT1/2と比較して、78時間であること。図8〜11を参照されたい。
・薬物動態プロファイルはCmaxおよびAUCの両方の点において線形である。図12〜14を参照のこと。
・尿中排泄はシスプラチンと比較して有意に変化している。尿は0時間から96時間まで収集され、排泄は投与量の0〜20%である。シスプラチン尿中排泄は3時間以内に90%を上回る。
Tox:
治療サイクル当たり120mgまでの用量で投与されたLiPlaCisは、腎毒性、耳毒性および神経毒性(neurotixicity)の兆候を示さない。さらに、悪心嘔吐の形の胃腸毒性は、LiPlaCisを投与されている患者では報告されていない。図15および図16を参照のこと。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
ヒトにおけるがんを治療するための医薬組成物において、前記医薬組成物はsPLA2加水分解性リポソームを含み、前記sPLA2加水分解性リポソームは、
20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
を含む、医薬組成物。
[付記2]
前記アニオン性脂質はDSPGであり、前記中性脂質はDSPCであり、前記ポリマーがコンジュゲートされた脂質はDSPE−PEGである、付記1に記載の医薬組成物。
[付記3]
前記医薬組成物は、遊離状態の低分子の抗腫瘍物質を使用する場合と比較して腎毒性を低減する、付記1又は2に記載の医薬組成物。
[付記4]
前記医薬組成物は、遊離状態の低分子の抗腫瘍物質を使用する場合と比較して神経毒性を低減する、付記1乃至3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[付記5]
前記医薬組成物は、遊離状態の低分子の抗腫瘍物質を使用する場合と比較して胃腸毒性を低減する、付記1乃至4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[付記6]
前記低分子の抗腫瘍物質はシスプラチンである、付記1乃至5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[付記7]
前記医薬組成物は、ボーラス注射または点滴により静脈内に投与される、付記1乃至6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[付記8]
がんを治療又は予防するための医薬品の製造におけるsPLA2加水分解性リポソームの使用において、
前記sPLA2加水分解性リポソームは、
20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
を含む、使用。
[付記9]
がんを治療又は予防するための医薬品であって腎毒性が低減されている医薬品の製造におけるsPLA2加水分解性リポソームの使用において、
前記sPLA2加水分解性リポソームは、
20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
を含む、使用。
[付記10]
がんを治療又は予防するための医薬品であって神経毒性が低減されている医薬品の製造におけるsPLA2加水分解性リポソームの使用において、
前記sPLA2加水分解性リポソームは、
20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
を含む、使用。
[付記11]
がんを治療又は予防するための医薬品であって胃腸毒性が低減されている医薬品の製造におけるsPLA2加水分解性リポソームの使用において、
前記sPLA2加水分解性リポソームは、
20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
を含む、使用。
[付記12]
低分子の抗腫瘍物質の腎毒性を低減するための方法において、前記方法は、sPLA2加水分解性リポソームに前記低分子の抗腫瘍物質を封入する工程を含み、前記sPLA2加水分解性リポソームは、
20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
を含む方法。
[付記13]
低分子の抗腫瘍物質の神経毒性を低減するための方法において、前記方法は、sPLA2加水分解性リポソームに前記低分子の抗腫瘍物質を封入する工程を含み、前記sPLA2加水分解性リポソームは、
20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
を含む方法。
[付記14]
低分子の抗腫瘍物質の胃腸毒性を低減するための方法において、前記方法は、sPLA2加水分解性リポソームに前記低分子の抗腫瘍物質を封入する工程を含み、前記sPLA2加水分解性リポソームは、
20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
を含む方法。

Claims (1)

  1. ヒトにおけるがんを治療するための医薬組成物において、前記医薬組成物はsPLA2加水分解性リポソームを含み、前記sPLA2加水分解性リポソームは、
    20〜45%(モル/モル%)のアニオン性脂質と、
    3〜6%(モル/モル%)のポリマーがコンジュゲートされた脂質と、
    40〜75%(モル/モル%)の中性脂質と、
    アントラサイクリン、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ピコプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、エクシスリンド、シスレチノイン酸、スリンダク硫化物、メトトレキセート、ブレオマイシンおよびビンクリスチンからなる群から選択される低分子の抗腫瘍物質と、
    を含む、医薬組成物。
JP2016223281A 2009-09-17 2016-11-16 sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物 Pending JP2017052790A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DKPA200901037A DK177532B1 (en) 2009-09-17 2009-09-17 Medical use of sPLA2 hydrolysable liposomes
DKPA200901037 2009-09-17

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015079919A Division JP2015127349A (ja) 2009-09-17 2015-04-09 sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物及び同医薬組成物の製造におけるsPLA2加水分解性リポソームの使用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017052790A true JP2017052790A (ja) 2017-03-16

Family

ID=43066925

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012529127A Pending JP2013505204A (ja) 2009-09-17 2010-09-16 sPLA2加水分解性リポソームの医学的使用
JP2015079919A Pending JP2015127349A (ja) 2009-09-17 2015-04-09 sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物及び同医薬組成物の製造におけるsPLA2加水分解性リポソームの使用
JP2016223281A Pending JP2017052790A (ja) 2009-09-17 2016-11-16 sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012529127A Pending JP2013505204A (ja) 2009-09-17 2010-09-16 sPLA2加水分解性リポソームの医学的使用
JP2015079919A Pending JP2015127349A (ja) 2009-09-17 2015-04-09 sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物及び同医薬組成物の製造におけるsPLA2加水分解性リポソームの使用

Country Status (18)

Country Link
US (2) US20120177726A1 (ja)
EP (1) EP2477699B1 (ja)
JP (3) JP2013505204A (ja)
CN (1) CN102630175B (ja)
AU (1) AU2010294971B2 (ja)
CA (1) CA2772965C (ja)
CY (1) CY1119982T1 (ja)
DK (2) DK177532B1 (ja)
ES (1) ES2658971T3 (ja)
HR (1) HRP20180225T1 (ja)
HU (1) HUE038017T2 (ja)
LT (1) LT2477699T (ja)
NO (1) NO2477699T3 (ja)
PL (1) PL2477699T3 (ja)
PT (1) PT2477699T (ja)
SI (1) SI2477699T1 (ja)
SM (1) SMT201800104T1 (ja)
WO (1) WO2011032563A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2123258A1 (en) 2008-05-23 2009-11-25 Liplasome Pharma A/S Liposomes for drug delivery
DK177532B1 (en) 2009-09-17 2013-09-08 Bio Bedst Aps Medical use of sPLA2 hydrolysable liposomes
EP3198035B1 (en) 2014-09-26 2022-11-02 Allarity Therapeutics Europe ApS Methods for predicting drug responsiveness
US9725769B1 (en) 2016-10-07 2017-08-08 Oncology Venture ApS Methods for predicting drug responsiveness in cancer patients
AU2017258901A1 (en) * 2016-12-30 2018-07-19 Allarity Therapeutics Europe ApS Methods for predicting drug responsiveness in cancer patients
US10925831B2 (en) * 2017-08-28 2021-02-23 Wake Forest University Liposomal formulations of platinum-acridine anticancer agents and methods thereof
AU2019200325A1 (en) * 2018-01-31 2019-08-15 Liplasome Pharma Aps Methods for treating cancer and predicting drug responsiveness in cancer patients
WO2019241853A1 (en) 2018-06-21 2019-12-26 NanoMed Holdings Pty Ltd Platinum-based amphiphile prodrugs
CN111504995B (zh) * 2020-05-13 2021-10-12 暨南大学 一种基于比色原理检测磷脂酶a2的方法及其应用
CN114276404B (zh) * 2021-12-24 2023-07-25 五邑大学 甘草次酸类甘油磷脂化合物、其分泌型磷脂酶a2敏感性脂质体及其应用
WO2024231432A1 (en) * 2023-05-08 2024-11-14 Chosa Oncology Ab Liposome compositions and medical uses thereof

Family Cites Families (84)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4880635B1 (en) 1984-08-08 1996-07-02 Liposome Company Dehydrated liposomes
ATE68968T1 (de) * 1985-11-22 1991-11-15 Takeda Chemical Industries Ltd Liposomzusammensetzung.
US4963362A (en) * 1987-08-07 1990-10-16 Regents Of The University Of Minnesota Freeze-dried liposome mixture containing cyclosporin
US7625697B2 (en) 1994-06-17 2009-12-01 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Methods for constructing subarrays and subarrays made thereby
US6027726A (en) * 1994-09-30 2000-02-22 Inex Phamaceuticals Corp. Glycosylated protein-liposome conjugates and methods for their preparation
CN1165480A (zh) * 1994-10-03 1997-11-19 M·G·伯杰龙 治疗病毒性疾病的脂质体组合物
US5858397A (en) * 1995-10-11 1999-01-12 University Of British Columbia Liposomal formulations of mitoxantrone
KR20000010834A (ko) * 1996-05-09 2000-02-25 미셀 지. 베르제롱 Hiv 및 hsv를 포함하는 병원체 유도질병의 예방용 조성물
US20040072722A1 (en) 2002-10-10 2004-04-15 Kornblith Paul L. Methods for assessing efficacy of chemotherapeutic agents
AU1656799A (en) 1997-12-12 1999-07-05 Inex Pharmaceuticals Corp. Cationic drugs encapsulated in anionic liposomes
WO2000034788A1 (en) 1998-12-08 2000-06-15 Board Of Regents, The University Of Texas System Methods for detection of antiestrogen-resistant breast cancer
AU2055300A (en) 1998-12-18 2000-07-03 Scios Inc. Methods for detection and use of differentially expressed genes in disease states
US7324926B2 (en) 1999-04-09 2008-01-29 Whitehead Institute For Biomedical Research Methods for predicting chemosensitivity or chemoresistance
US6647341B1 (en) 1999-04-09 2003-11-11 Whitehead Institute For Biomedical Research Methods for classifying samples and ascertaining previously unknown classes
US6911306B1 (en) 1999-10-18 2005-06-28 Emory University TMS1 compositions and methods of use
PT1254143E (pt) 2000-02-10 2005-02-28 Liplasome Pharma As Sistemas de administracao de farmacos a base de lipidos contendo derivados de lipidos degradaveis de fosfolipase a2 e sua utilizacao terapeutica
WO2001076556A2 (en) 2000-04-12 2001-10-18 Liplasome Pharma A/S Lipid-based drug delivery systems against parasitic infections
US20030026831A1 (en) * 2001-04-20 2003-02-06 Aparna Lakkaraju Anionic liposomes for delivery of bioactive agents
CA2383259A1 (en) * 2002-04-23 2003-10-23 Celator Technologies Inc. Synergistic compositions
JP4822666B2 (ja) * 2001-10-03 2011-11-24 セレーター ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド 金属イオンをローディングするリポソーム
EP1448165B1 (en) * 2001-11-13 2007-09-19 Celator Pharmaceuticals, Inc. Lipid carrier compositions and methods for improved drug retention
JP4555569B2 (ja) * 2001-11-13 2010-10-06 セレーター ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド 増強された血中安定性を有する脂質キャリア組成物
WO2003082078A2 (en) 2002-03-28 2003-10-09 Medical College Of Ohio Method and compositions for the diagnosis and treatment of non-small cell lung cancer using gene expression profiles
US7273620B1 (en) 2002-05-20 2007-09-25 University Of British Columbia Triggered release of liposomal drugs following mixing of cationic and anionic liposomes
US20040018525A1 (en) 2002-05-21 2004-01-29 Bayer Aktiengesellschaft Methods and compositions for the prediction, diagnosis, prognosis, prevention and treatment of malignant neoplasma
US20040022842A1 (en) 2002-06-03 2004-02-05 Mebiopharm Co., Ltd. Liposome preparations containing oxaliplatin
ATE492295T1 (de) * 2002-07-02 2011-01-15 Univ Texas Radioaktiv markierte verbindungen und liposome und ihre herstellungs- und anwendungsverfahren
US20060165744A1 (en) 2003-05-22 2006-07-27 Neopharm, Inc Combination liposomal formulations
US7358046B2 (en) 2003-08-08 2008-04-15 Canbas Co., Ltd. Sensitivity test to predict efficacy of anti-cancer therapies
EP1547674A1 (en) * 2003-12-23 2005-06-29 MediGene Oncology GmbH Method for producing colloidal nanoparticles
US20050147978A1 (en) 2003-12-30 2005-07-07 Jose Remacle Method for quantitative determination of multi-drug resistance in tumors
JP4682152B2 (ja) 2003-12-31 2011-05-11 ザ・ペン・ステート・リサーチ・ファンデーション 卵巣がんの化学療法に対する抵抗性を予測および克服するための方法ならびに結腸がんの発生を予測するための方法
EP1713938A2 (en) 2004-02-09 2006-10-25 Thomas Jefferson University DIAGNOSIS AND TREATMENT OF CANCERS WITH MicroRNA LOCATED IN OR NEAR CANCER-ASSOCIATED CHROMOSOMAL FEATURES
WO2005087948A2 (en) 2004-03-12 2005-09-22 The Queen's University Of Belfast Cancer treatment and assays for determining resistance to platinum-based chemotherapeutic agent
JP2007530603A (ja) 2004-03-30 2007-11-01 デン コンゲリク ベテリネル−オク ランドボホイスコレ プロテアーゼ阻害物質の遮断又は検出による癌治療及び癌治療効能予測の改善
WO2005100606A2 (en) 2004-04-09 2005-10-27 Genomic Health, Inc. Gene expression markers for predicting response to chemotherapy
CA2928387A1 (en) 2004-05-03 2005-11-17 Merrimack Pharmaceuticals, Inc. Drug delivery liposomes containing anionic polyols or anionic sugars
EP1784501B1 (en) 2004-05-14 2015-11-18 Rosetta Genomics Ltd VIRAL AND VIRUS ASSOCIATED MicroRNAS AND USES THEREOF
EP1795182A4 (en) * 2004-08-31 2012-10-03 Astellas Pharma Inc LIPOSOME IMPROVING INTRACELLULAR DRUG DELIVERY
ATE418966T1 (de) 2004-11-03 2009-01-15 Liplasome Pharma As Arzneimittelabgabesysteme auf lipidbasis mit unnatürlichen phospholipase-a2-abbaubaren lipid- derivaten und ihre therapeutische verwendung
US20060121511A1 (en) 2004-11-30 2006-06-08 Hyerim Lee Biomarkers and methods for determining sensitivity to microtubule-stabilizing agents
US20070172844A1 (en) 2005-09-28 2007-07-26 University Of South Florida Individualized cancer treatments
WO2007050784A2 (en) * 2005-10-25 2007-05-03 Celator Pharmaceuticals, Inc. Fixed ratio drug combination treatments for solid tumors
CA2631236C (en) 2005-12-01 2019-10-29 Medical Prognosis Institute Methods and devices for identifying biomarkers of treatment response and use thereof to predict treatment efficacy
US8445198B2 (en) 2005-12-01 2013-05-21 Medical Prognosis Institute Methods, kits and devices for identifying biomarkers of treatment response and use thereof to predict treatment efficacy
ES2545360T3 (es) 2006-01-05 2015-09-10 The Ohio State University Research Foundation Métodos basados en microARN y composiciones para el diagnóstico y tratamiento de cánceres sólidos
US20090221435A1 (en) 2006-02-08 2009-09-03 Dharmacon, Inc. Microarray for detecting and quantifying microrna
CA2647779A1 (en) 2006-03-23 2007-09-27 Liplasome Pharma A/S Lipid based drug delivery systems comprising phospholipase a2 degradable lipids that perform an intramolecular cyclization reaction upon hydrolysis
EP2041307A2 (en) 2006-07-13 2009-04-01 Siemens Healthcare Diagnostics GmbH Prediction of breast cancer response to taxane-based chemotherapy
EP2046288B1 (en) 2006-07-14 2013-07-03 FMC Biopolymer AS Hydrogels containing low molecular weight alginates and biostructures made therefrom
WO2008073177A2 (en) 2006-09-21 2008-06-19 Nuclea Biomarkers, Llc Expression profiles associated with irinotecan treatment
US20100178651A1 (en) 2006-11-03 2010-07-15 Christos Hatzis Bifunctional Predictors of Cancer Treatment Sensitivity and Resistance
WO2008089449A2 (en) 2007-01-19 2008-07-24 Biodot, Inc. Systems and methods for high speed array printing and hybridization
WO2008112283A2 (en) 2007-03-12 2008-09-18 Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Microrna profiling of androgen responsiveness for predicting the appropriate prostate cancer treatment
WO2008138578A2 (en) 2007-05-11 2008-11-20 Medical Prognosis Institute Methods, kits, and devices for identifying biomarkers of treatment response and use thereof to predict treatment efficacy
US8361714B2 (en) 2007-09-14 2013-01-29 Asuragen, Inc. Micrornas differentially expressed in cervical cancer and uses thereof
WO2009038779A2 (en) * 2007-09-19 2009-03-26 University Of Tennessee Research Foundation Methods and compositions for inhibiting undesirable cellular proliferation by targeted liposome delivery of active agents
US20100240043A1 (en) 2007-10-19 2010-09-23 Cedars-Sinai Medical Center Methods of using genetic variants to diagnose and predict inflammatory bowel disease
WO2009080437A1 (en) 2007-12-21 2009-07-02 Exiqon A/S Micro-rna based drug resistance analysis method
EP2123258A1 (en) 2008-05-23 2009-11-25 Liplasome Pharma A/S Liposomes for drug delivery
CN102002490A (zh) 2009-08-31 2011-04-06 上海市肿瘤研究所 9个用于预测原发性肝癌是否复发的microRNA标志物
DK177532B1 (en) 2009-09-17 2013-09-08 Bio Bedst Aps Medical use of sPLA2 hydrolysable liposomes
DK177529B1 (en) 2009-10-23 2013-09-08 Bio Bedst Aps Liposomes with improved storage stability
CA2776751C (en) 2009-11-23 2019-07-02 Genomic Health, Inc. Methods to predict clinical outcome of cancer
WO2011069100A2 (en) 2009-12-04 2011-06-09 Duke University Microrna and use thereof in identification of b cell malignancies
CA2791309A1 (en) 2010-02-05 2011-08-11 Myriad Genetics, Inc. Hypoxia-related gene signatures for cancer classification
WO2011098578A2 (en) 2010-02-12 2011-08-18 Bioneer A/S Liposome system for ocular administration
WO2011113030A2 (en) 2010-03-11 2011-09-15 H.Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute Human cancer micro-rna expression profiles predictive of chemo-response
CA2800557A1 (en) 2010-04-29 2011-11-03 Medical Prognosis Institute A/S Methods and devices for predicting treatment efficacy
EP2606353A4 (en) 2010-08-18 2014-10-15 Caris Life Sciences Luxembourg Holdings CIRCULATING BIOMARKERS FOR DISEASE
US20120046186A1 (en) 2010-08-20 2012-02-23 Pelham Robert J Gene Expression Markers for Prediction of Response to Platinum-Based Chemotherapy Drugs
US20140162887A1 (en) 2011-02-04 2014-06-12 Bioarray Therapeutics, Inc. Methods of using gene expression signatures to select a method of treatment, predict prognosis, survival, and/or predict response to treatment
WO2012109233A2 (en) 2011-02-07 2012-08-16 Board Of Regents, The University Of Texas System Methods for predicting recurrence risk in breast cancer patients
US20140106986A1 (en) 2011-06-01 2014-04-17 Medical Prognosis Institute A/S Methods and devices for prognosis of cancer relapse
US9677072B2 (en) 2011-09-14 2017-06-13 Georgetown University Methods of inhibiting proliferation of estrogen-independent cancer cells
WO2013130465A2 (en) 2012-02-27 2013-09-06 Genomic Health, Inc. Gene expression markers for prediction of efficacy of platinum-based chemotherapy drugs
US9606123B2 (en) 2013-03-29 2017-03-28 University Of Virginia Patent Foundation Compositions and methods for diagnosing and monitoring ovarian cancer progression and treatment
RU2528247C2 (ru) 2013-05-07 2014-09-10 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки институт биоорганической химии им. академиков М.М. Шемякина и Ю.А. Овчинникова Российской академии наук (ИБХ РАН) Способ оценки чувствительности клеток рака легкого к доксорубицину на основании уровней экспрессии маркерных генов и набор для его осуществления
US10392667B2 (en) 2013-06-07 2019-08-27 Medical Prognosis Institute A/S Methods and devices for predicting treatment efficacy of fulvestrant in cancer patients
EP3198035B1 (en) 2014-09-26 2022-11-02 Allarity Therapeutics Europe ApS Methods for predicting drug responsiveness
US20160199399A1 (en) 2015-01-09 2016-07-14 Medical Prognosis Institute A/S Methods for predicting drug responsiveness in cancer patients
US20180087113A1 (en) 2016-09-27 2018-03-29 Oncology Venture ApS Methods for predicting drug responsiveness in cancer patients
US9725769B1 (en) 2016-10-07 2017-08-08 Oncology Venture ApS Methods for predicting drug responsiveness in cancer patients
AU2017258901A1 (en) 2016-12-30 2018-07-19 Allarity Therapeutics Europe ApS Methods for predicting drug responsiveness in cancer patients

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ANDERSEN T L: "ADVANCED STRATEGIES IN LIPOSOMAL CANCER THERAPY: PROBLEMS AND PROSPECTS OF ACTIVE AND TUMOR SPECIFIC", PROGRESS IN LIPID RESEARCH, vol. V44 N1, JPN5012018013, 1 January 2005 (2005-01-01), FR, pages 8 - 97 *
ANDRESEN T L: "TRIGGERED ACTIVATION AND RELEASE OF LIPOSOMAL PRODRUGS AND DRUGS IN CANCER TISSUE BY SECRETORY PHOSP", CURRENT DRUG DELIVERY, vol. V2 N4, JPN5012017279, 1 October 2005 (2005-10-01), NL, pages 53 - 362 *
MELANDER, FREDRIK ET AL: "Secretory phospholipase A2-degradable liposomal formulations of cisplatin and oxaliplatin: Pre-clini", PROCEEDINGS OF THE AMERICAN ASSOCIATION FOR CANCER RESEARCH ANNUAL MEETING, vol. Vol. 50, JPN6014028721, April 2009 (2009-04-01), pages pp. 151 *
MORTEN PETERSEN ET AL: "Increased systemic stability, tumor accumulation and in vitro and in vivo efficacy of a secretory ph", PROCEEDINGS OF THE AMERICAN ASSOCIATION FOR CANCER RESEARCH ANNUAL MEETING, vol. Vol. 49, JPN6014028722, April 2008 (2008-04-01), pages pp. 1335. *

Also Published As

Publication number Publication date
PL2477699T3 (pl) 2018-05-30
CA2772965A1 (en) 2011-03-24
CA2772965C (en) 2017-08-15
US20120177726A1 (en) 2012-07-12
EP2477699A1 (en) 2012-07-25
JP2015127349A (ja) 2015-07-09
HUE038017T2 (hu) 2018-09-28
LT2477699T (lt) 2018-02-26
DK177532B1 (en) 2013-09-08
PT2477699T (pt) 2018-02-15
AU2010294971B2 (en) 2015-08-20
DK200901037A (en) 2011-03-18
EP2477699B1 (en) 2017-11-08
US20190343766A1 (en) 2019-11-14
CN102630175A (zh) 2012-08-08
DK2477699T3 (en) 2018-02-12
JP2013505204A (ja) 2013-02-14
US11207269B2 (en) 2021-12-28
AU2010294971A1 (en) 2012-03-22
CY1119982T1 (el) 2018-12-12
ES2658971T3 (es) 2018-03-13
SI2477699T1 (en) 2018-03-30
HRP20180225T1 (hr) 2018-03-09
NO2477699T3 (ja) 2018-04-07
CN102630175B (zh) 2015-11-25
WO2011032563A1 (en) 2011-03-24
SMT201800104T1 (it) 2018-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11207269B2 (en) Medical use of sPLA2 hydrolysable liposomes
Xiong et al. Co-delivery of polymeric metformin and cisplatin by self-assembled core-membrane nanoparticles to treat non-small cell lung cancer
JP5767580B2 (ja) 薬剤送達のためのリポソームおよびその調製方法
JP5778160B2 (ja) sPLA2加水分解性リポソームを含む医薬組成物
KR20090023548A (ko) 암 치료
Shah et al. Characterization of pegylated and non-pegylated liposomal formulation for the delivery of hypoxia activated vinblastine-N-oxide for the treatment of solid tumors
CN106659683A (zh) 包封修饰的环糊精复合物的脂质体组合物及其应用
Hani et al. A comprehensive review of current perspectives on novel drug delivery systems and approaches for lung cancer management
US20140105829A1 (en) Therapeutic nanoemulsion formulation for the targeted delivery of docetaxel and methods of making and using the same
CN104490786A (zh) 一种靶向多功能双载药脂质体的制备方法和应用
ES2897983T3 (es) Liposomas cargados con IPA-3 y procedimientos de uso de los mismos
EP2107903A1 (en) Pharmaceutical composition comprising a campothecin derivative
US8241663B2 (en) Liposome preparation
US20240216528A1 (en) Application of pharmaceutical composition having specific drug-to-lipid ratio in antitumor
JP2020521004A (ja) c(RGD−ACP−K)修飾血中滞留型リポソーム
CN112870164A (zh) 一种双靶向载药脂质体及其制备方法和应用
Paramshetti et al. In vivo fate of liposomes: Biodistribution and cell membrane interactions
Mahmood et al. Engineered Liposomal Nanoparticles and Their Medical Applications
WO2003022250A2 (en) Unilamellar vesicles stabilized with short chain hydrophilic polymers
WO2014050509A1 (ja) リポソームおよびリポソーム製剤
WO2024231432A1 (en) Liposome compositions and medical uses thereof
JP2020079303A (ja) リポソーム及びリポソーム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181016