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JP2017036190A - 窒化ホウ素凝集粒子組成物、bn凝集粒子含有樹脂組成物及びそれらの成形体、並びに窒化ホウ素凝集粒子の製造方法、 - Google Patents

窒化ホウ素凝集粒子組成物、bn凝集粒子含有樹脂組成物及びそれらの成形体、並びに窒化ホウ素凝集粒子の製造方法、 Download PDF

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JP2017036190A
JP2017036190A JP2015159499A JP2015159499A JP2017036190A JP 2017036190 A JP2017036190 A JP 2017036190A JP 2015159499 A JP2015159499 A JP 2015159499A JP 2015159499 A JP2015159499 A JP 2015159499A JP 2017036190 A JP2017036190 A JP 2017036190A
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山崎 正典
Masanori Yamazaki
正典 山崎
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】高い熱伝導性を示しパワー半導体デバイスなどで必要とされる放熱シートに非常に有用な窒化ホウ素凝集粒子組成物の提供。【解決手段】平均粒子径(D50)が1μm〜200μmの窒化ホウ素凝集粒子組成物であって、少なくとも下記条件(1)及び(2)を満たすBN凝集粒子組成物。(1)該BN凝集粒子組成物は、一次粒子径の異なる少なくとも2種のBN凝集粒子を含有する組成物:(2)該BN凝集粒子組成物中の、BN凝集粒子全体の70体積%以上が平均粒子径(D50)±60%以内の粒子径を有する:原料BN粉末スラリーを造粒し、高周波法により加熱して外側と内側の結晶の成長速度を制御して、BN凝集粒子を製造する方法。【選択図】なし

Description

本発明は窒化ホウ素凝集粒子を含有した組成物(以下「BN凝集粒子組成物」と称す。)、BN凝集粒子含有樹脂組成物及びその成形体に係り、詳しくは、窒化ホウ素一次粒子(以下「BN一次粒子」と称す。)が凝集してなるBN凝集粒子の組成物、そのBN凝集粒子組成物の成形体に関する。本発明はまた、BN凝集粒子の製造方法に関する。
窒化ホウ素(BN)は、絶縁性のセラミックであり、ダイヤモンド構造を持つc−BN、黒鉛構造をもつh−BN、乱層構造を持つα−BN、β−BNなど様々な結晶型が知られている。
これらの中で、h−BNは、黒鉛と同じ層状構造を有し、合成が比較的容易でかつ熱伝導性、固体潤滑性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を備えていることから、電気・電子材料分野で多く利用されている。
近年、特に電気・電子分野では集積回路の高密度化に伴う発熱が大きな問題となっており、いかに熱を放熱するかが緊急の課題となっている。h−BNは、絶縁性であるにもかかわらず、高い熱伝導性を有するという特徴を活かして、このような放熱部材用熱伝導性フィラーとして注目を集めている。
しかしながら、h−BNは板状の粒子形状であり、その板面方向(C面方向あるいは(002)面方向)には高い熱伝導性を示すものの(通常、熱伝導率として250W/mK程度)、板厚方向(C軸方向)には低い熱伝導性(通常、熱伝導率として2〜3W/mK
程度)しか示さないため、これを樹脂に配合してBN粒子含有樹脂組成物とし、例えば、板状の成形体を成形した場合、板状のh−BNが成形時の流動方向である成形体の板面方向に配向することとなり、得られる成形体は、板面方向には熱伝導率に優れるものの、厚み方向には低熱伝導率しか示さないという課題があった。
そこで、このようなh−BNの熱伝導性の異方性を改良するために、樹脂に充填しても上記のような配向が少ない、鱗片状以外の形状を有する、h−BNが凝集した凝集粒子が検討されてきた。このようなh−凝集BN粒子としては、噴霧乾燥などにより造粒されたh−凝集BN粒子、h−BNを焼結し焼結体を粉砕して製造されたh−凝集BN粒子などがある(特許文献1,2)。また、ホウ酸とメラミンの混合物から製造したh−凝集BN粒子において、一次粒子が配向せずに凝集した松ぼっくり状のh−凝集BN粒子も提案されている(特許文献3)。
言い換えれば、従来のh−凝集BN粒子に於いては、大きな凝集粒子を作製することで凝集粒子間の接触抵抗を低減させることが検討されてきた。
このような従来の凝集BN粒子の用途として、パワー半導体デバイスなどで必要とされる放熱シートに用いることが知られているが、凝集粒子間の接触抵抗低減が不十分なため、実用化レベルに到達していないのが現状である。つまり、放熱シート性能を損なわない範囲で大きな凝集粒子が望まれており、さらに凝集粒子自体が高い熱伝導性を有する凝集粒子の開発が望まれている。
パワーデバイス用途などでは放熱シートはより高い熱伝導性を必要とされるため、平均粒径が大きな球状の高熱伝導性無機粉末と平均粒径の小さな球状の高熱伝導性無機粉末との混合物を充填材として用い、充填材である高熱伝導性無機粉末の充填率を高め、熱伝導性を向上させることが検討されている(特許文献4)。
また、一次粒子の平均長径が異なる窒化ホウ素を二次凝集粒子とし、さらに凝集粒子径が大きな窒化ホウ素二次凝集粒子と凝集粒子径が小さな窒化ホウ素二次凝集粒子を混合することで、熱伝導性を向上させることも検討されている(特許文献5)。大きな凝集粒子の凝集強度を小さな凝集粒子の凝集強度よりも強くすることで、成形時の充填率を高めるとともに、空隙を低減することが検討されている。
特開2006−257392号公報 特表2008−510878号公報 特開平9−202663号公報 特開2003−137627号公報 特表2011−6586号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献4、5に記載の方法では、凝集粒子の粒子径が異なる粒子を組み合わせることで組成物中の粒子充填率を高めることはできるが、小さな粒子との組み合わせであるためにフィラー間の接触抵抗低減が図れず、必ずしも十分な高熱伝導化の達成は難しいことがわかった。一方、粒子径が実質的に同じで粒子径の大きな粒子を用いれば、粒子間の接触抵抗低減は図れるが、粒子間に空隙が形成されるため、十分な高熱伝導化を達成するのが困難になってしまうという問題は生じることがわかった。したがって、より大きな凝集粒子で接触抵抗の低減と充填率の改善を図ることが本発明者らの検討により明らかになった。
つまり、従来の凝集BN粒子では、凝集BN粒子を構成する一次粒子の均一性が、凝集BN粒子間の熱伝導を阻害する原因の一つであるということがわかってきた。即ち、平均粒子径が実質的に同じ凝集BN粒子において、凝集BN粒子を構成する一次粒子の大きさが異なる凝集BN粒子を混合することにより凝集BN粒子間の熱伝導パスが形成しやすくなり、樹脂と複合化した際に充填性も向上するということがわかってきた。
従って、複合材としての熱伝導性を向上させるためには、平均粒子径が実質的に同じ凝集BN粒子において、凝集BN粒子を構成する一次粒子の大きさが異なる凝集BN粒子を特定の割合で混合することが有効であると考えた。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、より高い熱伝導性を達成可能な凝集BN粒子組成物を製造し、各種成形体への適用性に優れた凝集BN粒子組成物を提供することを課題とする。本発明はまた、この凝集BN粒子組成物と樹脂とを含有する凝集BN粒子含有樹脂組成物と、この凝集BN粒子含有樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することを課題とする。更に、従来の製造方法とは異なる簡便な凝集BN粒子の製造方法を提供する。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、平均粒子径(D50)がほぼ同じ凝集BN粒子組成物であって、凝集BN粒子を構成する一次粒子の大きさが異なる組成物(混合物)を作製することにより、従来の凝集BN粒子と比較して熱伝導性の高い複合材が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の効果を奏するメカニズムは詳細にはまだ解明されていないが、本発明者らは以下のように考える。即ち、平均粒子径が同じ凝集BN粒子において凝集BN粒子の一次粒子径が異なる凝集BN粒子を混合することで、樹脂に混合した場合の凝集BN粒子間の熱伝導パスを形成しやすい凝集BN粒子組成物となる。
つまり、平均粒子径がほぼ同じ凝集BN粒子において一次粒子径が異なる凝集BN粒子を混合することにより、樹脂への充填性と熱伝導パスの形成能を高めた凝集BN粒子組成物を初めて製造することができるのである。その組成物は、該凝集BN粒子組成物を用いて複合材とした際に、従来の凝集BN粒子と比較して熱伝導性の高い複合材であることがわかったのである。
また、凝集BN粒子、好ましくはこの組成物を作製するための非常に簡便な方法を見い出した。つまり、従来は加熱処理方法が抵抗加熱式処理であることが一般的であったが、本発明では加熱処理方法を高周波誘導加熱処理とすることで、非常に簡便に、性能が優れた組成物が製造可能であることを見い出したのである。
すなわち、誘導加熱炉では、高周波を外側から照射して加熱する。このため、結晶成長を伴う本発明の凝集BN粒子では、ルツボに充填されたBN粉末を加熱する際、外側と内側で結晶成長の速度が異なる。この成長速度を制御することで、凝集BN粒子の大きさを変えることなく、凝集BN粒子を構成するBN一次粒子の大きさだけを変えた本発明の組成物を作製することに成功した。
本発明の要旨は、平均粒子径(D50)が1μm〜200μmの窒化ホウ素凝集粒子(以下「BN凝集粒子」と称す。)組成物であって、少なくとも下記条件(1)及び(2)を満たすことを特徴とするBN凝集粒子組成物。
(1)該BN凝集粒子組成物は、一次粒子径の異なる少なくとも2種のBN凝集粒子を含有する組成物である
(2)該BN凝集粒子組成物中の、BN凝集粒子全体の70体積%以上が平均粒子径(D50)±60%以内の粒子径を有する
また、原料BN粉末のスラリー(以下「BNスラリー」と称す。)を造粒し、加熱処理をすることによってBN凝集粒子を製造する方法であって、加熱処理が高周波誘導加熱である特徴とするBN凝集粒子の製造方法に存する。
本発明の凝集BN粒子組成物は、(1)該BN凝集粒子組成物は、一次粒子径の異なる少なくとも2種の凝集粒子を含有する組成物である、
(2)該BN凝集粒子組成物中の、凝集粒子全体の70体積%以上が平均粒子径(D50)±60%以内の粒子径を有する、(1)及び(2)を満たすことにより、凝集BN粒子の充填率が高くでき、凝集粒子同士の接触抵抗をも減らすことができ、高い熱伝導性を示すために非常に有用である。また、このような本発明の凝集BN粒子を、例えば樹脂に配合してなる凝集BN粒子含有樹脂組成物を成形して得られる成形体は、高い熱伝導性を示し、例えばパワー半導体デバイスなどで必要とされる放熱シートに非常に有用なものである。
本発明のBN凝集粒子Bの倍率2千倍および5千倍の走査型電子顕微鏡(以下「SEM」と称す)写真である。 本発明のBN凝集粒子Cの倍率2千倍および5千倍のSEM写真である。 本発明のBN凝集粒子A,B,Cの粒度分布測定チャートである。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
[BN凝集粒子組成物]
本発明のBN凝集粒子組成物は、平均粒子径(D50)が1μm〜200μmであるBN凝集粒子が混合された組成物である。上記粒子径範囲外の粒子が混在していた場合、こ
の粒子径範囲内の組成物割合は、特に制限はないが、全BN凝集粒子組成物中に主成分として含有されていればよく、好ましくは100体積%に対して、該平均粒子径(D50)が1μm〜200μmであるBN凝集粒子は70体積%以上、より好ましくは85体積%以上、更に好ましくは100体積%である。
・BN凝集粒子組成物の平均粒子径(D50
BN凝集粒子組成物の平均粒子径(D50)は、1μm以上であり、好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、更に好ましくは26μm以上であり、特に好ましくは30μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、45μm以上であっても好ましく、50μm以上であっても好ましい。また、200μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下である。大きすぎると成形体とした際に表面の平滑性が悪くなる、BN凝集粒子間の間隙が多くなる等により、熱伝導性が向上しない傾向があり、小さすぎると成形体とした際にBN凝集粒子間の接触抵抗が大きくなる、BN凝集粒子自体の熱伝導性が低くなる等の傾向がある。
なお、D50は測定に供した粉体の体積を100%として累積曲線を描かせた際に丁度累積体積が50%となる時の粒子径を意味し、その測定方法は、湿式測定法としては、分散安定剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを含有する純水媒体中にBN凝集粒子を分散させた試料に対して、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置などを用いて測定することができ、乾式測定法としては、Malvern社製「Morphologi」を用いて測定することができる。
更に、本発明のBN凝集粒子組成物は以下の条件(1)及び(2)を満たすものである。
(1)該BN凝集粒子組成物は、一次粒子径の異なる少なくとも2種のBN凝集粒子を含有する組成物である
(2)該BN凝集粒子組成物中の、凝集粒子全体の70体積%以上が平均粒子径(D50)±60%以内の粒子径を有する
本発明のBN凝集粒子組成物には、上記(1)に記載の通り、一次粒子径の異なる少なくとも2種のBN凝集粒子を含有するものであり、好ましくは2種類であり、2種以上のBN凝集粒子が含有されていた場合でも、特に種類の数に制限はないが、上記(2)に記載の通り、該BN凝集粒子組成物中の、凝集粒子全体の70体積%以上が平均粒子径(D50)±60%以内の粒子径を有するBN凝集粒子であればよい。好ましくは平均粒子径(D50)±55%以内、より好ましくは平均粒子径(D50)±50%以内であるBN凝集粒子が含有していればよい。
なお、BN凝集粒子組成物中の一次粒子径の異なるBN凝集粒子の割合は、凝集粒子全体の70体積%以上、好ましくは75体積%以上、より好ましくは80体積%以上である。
上記条件(1)を外れるBN凝集粒子を用いると、樹脂中への充填性が悪くなり、空隙、表面荒れ、粒子間接触不良による接触熱抵抗の増加などが生じて、樹脂成形物として所望の物性を達成できなくなる傾向がある。
また、一次粒子径の異なる少なくとも2種のBN凝集粒子が、BN凝集粒子組成物中に凝集粒子全体の上記体積%以下であると、平均粒子径の小さな粒子の割合が多くなり、粒子間接触抵抗の増加による熱伝導性の改善効果が小さくなる傾向がある。
更に、上記範囲以外の平均粒子径を有するBN凝集粒子を用いた場合でも同様に粒子間の接触抵抗が増加しやすく、熱伝導改善効果が小さくなる傾向があり、条件(1)及び(2)を満たすことが本発明の効果を奏するために有効な条件である。
[BN凝集粒子]
・BN凝集粒子の形態
本発明のBN凝集粒子は、BN一次粒子が凝集して形成されたものであればよく、本願発明の効果を損なわない範囲で、上記BN一次粒子以外の成分を含有してもよい。BN一次粒子以外の成分としては、後記の[BN凝集粒子の製造方法]で述べる、スラリーに添加してもよいバインダー、界面活性剤、溶媒に由来する成分を挙げることができる。
本発明のBN凝集粒子の形態は、特に制限はないが、扁平状、ラグビー状、ディスク状、球状、楕円状であってもよく、好ましくは球状の形態であり、BN凝集粒子の形態はSEMにより確認することができる。
ここで「球状」とは、アスペクト比(長径と短径の比)が1以上2以下、好ましくは1以上1.5以下であることをさす。本発明のBN凝集粒子のアスペクト比は、SEMで撮影された画像から200個以上の粒子を任意に選択し、それぞれの長径と短径の比を求めて平均値を算出することにより決定する。
また、BN凝集粒子は、これら凝集粒子の中でもBN凝集粒子表面においてBN一次粒子の結晶がBN凝集粒子の中心側から表面側へ向けて放射状に成長している形態、BN一次粒子が小板でありそれらが焼結凝集している球状の形態であることが好ましく、具体的にはカードハウス構造を有することがより好ましい。カードハウス構造とは、例えばセラミックス 43 No.2(2008年 日本セラミックス協会発行)に記載されており、板状粒子が配向せずに複雑に積層したような構造である。より具体的には、カードハウス構造を有するBN凝集粒子とは、BN一次粒子の集合体であって、一次粒子の平面部と端面部が接触している構造を有するBN凝集粒子であり、好ましくは球状である。また、カードハウス構造は粒子の内部においても同様の構造であることが好ましい。これらのBN凝集粒子の凝集形態及び内部構造は走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
・BN凝集粒子の種類
本発明のBN凝集粒子組成物中のBN凝集粒子は、一次粒子径の異なる少なくとも2種のBN凝集粒子であるが、このBN凝集粒子は、凝集されているものであれば特に制限はない。凝集しているとは、上述したようなカードハウス構造の他、一次粒子が重なり合っている構造(キャベツ構造ともいう)でもよい。例えば、BN原料を焼成する際に、圧力成形した後、焼成を行い、その後解砕して製造したBN凝集粒子でもよい。好ましくは、2種類以上含有された組成物であってもカードハウス構造を有したBN凝集粒子が含有されている組成物であることが、複合樹脂中での粒子間接触形態の観点で、熱伝導パスを形成しやすいという点で好ましい。BN凝集粒子組成物が主たる成分がカードハウス構造を有したBN凝集粒子であることがより好ましい。ここでいう主たるとは、全組成物に対して70体積%以上、より好ましくは100体積%であることをいう。
(BN凝集粒子の物性)
本発明のBN凝集粒子は、BN凝集粒子を構成するBN一次粒子が特定の物性を有し、以下詳細に説明する。なお、本明細書で規定する物性測定に供する試料(粉体)は、成形体に成形する前のBN凝集粒子粉体でもよいし、BN凝集粒子を含有した成形体もしくは成形体から取り出されたBN凝集粒子粉体であってもよい。好ましくは、成形体に成形する前のBN凝集粒子粉体である。
・一次粒子の大きさ
一次粒子径の異なる少なくとも2種の凝集粒子を、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm以上である一次粒子からなるBN凝集粒子AとBN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集
粒子Bに分類した場合、BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の長軸は、BN凝集粒子Aの一次粒子の平均粒子径の場合、通常、1.00μm以上、好ましくは1.10μm以上、より好ましくは1.15μm以上であり、更に好ましくは1.20μm以上、より更に好ましくは1.25μm以上、特に好ましくは1.30μm以上であり、通常5.00μm以下、好ましくは4.00μm以下、更に好ましく3.0μm以下である。
また、BN凝集粒子Bの一次粒子の平均粒子径の場合、通常、0.30μm以上、好ましくは0.40μm以上、より好ましくは0.50μm以上であり、更に好ましくは0.60μm以上、より更に好ましく0.70μm以上、特に好ましく0.80μm以上であり、通常、0.90μm以下、好ましくは0.85μm以下、更に好ましくは0.80μm以下である。
一次粒子の平均粒子径が上記上限を超えると、BN一次粒子が成長しすぎるため、樹脂中への充填率が低下するとともに、空隙、表面荒れなどが発生しやすくなり、樹脂複合物として所望の物性を達成難くなる傾向にある。
また、下限値未満だと、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集粒子の割合が多くなりすぎるため、接触抵抗は低減可能であるが、凝集粒子自体の熱伝導が悪くなるため、樹脂複合物として所望の物性を達成しにくくなる傾向がある。
尚、上記長軸とはSEM測定により得られたBN凝集粒子1粒を拡大し、1粒のBN凝集粒子を構成しているBN一次粒子について、画像上で観察できるBN一次粒子の最大長を平均した値である。
本発明では、一次粒子径の異なる少なくとも2種の凝集粒子を含有させることが特徴である。そこで、一次粒子径の異なる少なくとも2種の凝集粒子を、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm以上である一次粒子からなるBN凝集粒子AとBN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集粒子Bに分類した場合、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の比(Bの平均一次粒子径/Aの平均一次粒子径)が通常0.3以上、好ましくは0.4以上、更に好ましくは、0.5以上であり、通常0.9以下、更に好ましくは0.8以下であることが好ましい。この平均粒子径の比が上記上限以上になると、樹脂中への充填率が低下するとともに、空隙、表面荒れなどが発生しやすくなり、樹脂複合物として所望の物性を達成難くなる傾向にある。
下限値以下になると、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集粒子Bの熱伝導が悪くなるため、樹脂複合物として所望の物性を達成しにくくなる傾向がある。
また、BN凝集粒子AとBN凝集粒子Bの合計を100質量%としたとき、BN凝集粒子Bの含有割合が通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下であり、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。
この含有量が上記下限未満だと、樹脂中への充填率が低下するとともに、空隙、表面荒れなどが発生しやすくなり、樹脂複合物として所望の物性を達成難くなる傾向にある。
また、上限値を超えると、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集粒子の割合が多くなりすぎるため、接触抵抗は低減可能であるが、凝集粒子自体の熱伝導が悪くなるため、樹脂複合物として所望の物性を達成しにくくなる傾向がある。
・BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の結晶構造
BN一次粒子の結晶構造は、特に限定されないが、合成の容易さと熱伝導性の点で六方
晶系のh−BNを主成分として含むものが好ましい。また、バインダーとしてBN以外の無機成分が含まれる場合、熱処理の過程でそれらが結晶化するが、BNが主成分として含まれていればよい。なお、上記BN一次粒子の結晶構造は、粉末X線回折測定により確認することができる。
・BN一次粒子の平均結晶子径
BN凝集粒子を粉末X線回折測定して得られるBN一次粒子の(002)面ピークから求めたBN一次粒子の平均結晶子径は、特に制限はされないが、平均結晶子径は大きいことが熱伝導率の点から好ましい。例えば、通常300Å以上、好ましくは320Å以上、より好ましくは375Å以上であり、更に好ましくは380Å以上、より更に好ましくは390Å以上、特に好ましくは400Å以上であり、通常5000Å以下、好ましくは2000Å以下、更に好ましくは1000Å以下である。上記平均結晶子径が大きすぎると、BN一次粒子が成長しすぎるため、BN凝集粒子内の間隙が多くなり、成形体とする際の成形性が悪化するとともに、間隙が多くなることにより熱伝導性が向上しなくなる傾向がある。上記平均結晶子径が小さすぎると、BN一次粒子内の粒界が増えるため、フォノン散乱が結晶粒界で発生し、低熱伝導になる傾向がある。
例えば、一次粒子径の異なる少なくとも2種の凝集粒子を、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm以上である一次粒子からなるBN凝集粒子AとBN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集粒子Bに分類した場合、BN凝集粒子Aの一次粒子の平均結晶子径は、通常300Å以上、好ましくは320Å以上、より好ましくは375Å以上であり、更に好ましくは380Å以上、より更に好ましくは390Å以上、特に好ましくは400Å以上であり、通常5000Å以下、好ましくは2000Å以下、更に好ましくは1000Å以下である。
また、BN凝集粒子Bの一次粒子の平均結晶子径は、通常250Å以上、好ましくは275Å以上、より好ましくは280Å以上であり、更に好ましくは300Å以上、より更に好ましくは320Å以上、特に好ましくは350Å以上であり、通常5000Å以下、好ましくは2000Å以下、更に好ましくは1000Å以下である。
上記平均結晶子径が上限値を超えると、BN一次粒子が成長しすぎるため、樹脂中への充填率が低下するとともに、空隙、表面荒れなどが発生しやすくなり、樹脂複合物として所望の物性を達成難くなる傾向にある。
また、下限値未満だと、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集粒子の割合が多くなりすぎるため、接触抵抗は低減可能であるが、凝集粒子自体の熱伝導が悪くなるため、樹脂複合物として所望の物性を達成しにくくなる傾向がある。
尚、粉末X線回折測定は、0.2mm深さのガラス試料板に表面が平滑になるようにBN凝集粒子を充填し、測定される。
なお、ここで、「平均結晶子径」とは、粉末X線回折測定によって得られるBN一次粒子の(002)面ピークから、後述の実施例において記載の通り、Scherrer式にて求められる結晶子径である。
・BN一次粒子のピーク強度比
シート等の成形体に成形する前の粉末のBN凝集粒子を0.2mm深さのガラス試料板に表面が平滑になるように充填し、粉末X線回折測定して得られるBN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))が3以上である。
BN凝集粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比は通常3以上、好ましくは
3.2以上、より好ましくは3.4以上、更に好ましくは3.5以上であり、通常10以下、好ましくは8以下、更に好ましくは7以下である。上記上限より大きいと、成形体とした際に粒子が崩壊しやすくなる傾向があり、上記下限未満だと、厚み方向の熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、ピーク強度比は粉末X線回折測定により測定された該当するピーク強度の強度比から計算することができる。
・BN一次粒子のピーク面積強度比
BN凝集粒子を10mmφの粉末錠剤成形機で0.85ton/cmの成形圧力で成
形して得られたペレット状の試料を粉末X線回折測定して得られる、BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))が0.25以上であるとしても表現ができる。このピーク面積強度比((100)/(004))は、好ましくは0.3以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.81以上、特に好ましくは0.85以上、とりわけ好ましくは0.91以上である。また、上限は特に制限はないが、通常10.0以下、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下であり、更に好ましくは2.0以下であり、特に好ましくは1.6以下である。
また、別の表現としては、BN凝集粒子を10mmφの粉末錠剤成形機で0.85ton/cm以上2.54ton/cm以下の成形圧力で成形して得られたペレット状の試料中のBN凝集粒子を構成するBN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))は、通常0.25以上、好ましくは0.30以上、より好ましくは0.35以上、更に好ましくは0.40以上であり、通常2.0以下、好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.2以下である。大きすぎると、成形体とした際にBN凝集粒子間の接触抵抗が大きくなる傾向があり、小さすぎると、BN凝集粒子が崩壊し、厚み方向の熱伝導性が向上しない傾向がある。
通常、放熱シートなどにおいて最適なプレス圧力条件は、放熱シートの種類によって異なる。樹脂マトリックス中に分散したBN凝集粒子は、用途に応じた圧力条件にさらされるが、通常、BN粒子は圧力方向に対して直行する方向にab面が配向する傾向にある。BN凝集粒子を用いた場合でも成形圧力に対して粒子変形が生じ、結果としてab面が圧力方向に直行する方向に配向する傾向にある。
例えば、樹脂製の高放熱基板は、樹脂製基板内部の空隙低減や分散させたBN凝集粒子同士の完全な接触のために、0.85ton/cm以上2.54ton/cm以下のような比較的高い圧力で成形されると考えられる。このため、上記圧力範囲でもBN一次粒子の配向変化が少ないBN凝集粒子が熱伝導性向上には必要である。
本発明では、本明細書で規定する物性を満たすBN凝集粒子、好ましくはBN凝集粒子を構成するBN一次粒子がカードハウス構造、すなわち、BN一次粒子同士が一次粒子平面部と端面部で接触することによる相互補強構造を有することから、広い成形圧力範囲でBN凝集粒子の変形を抑制することが可能である。用途に応じて最適な圧力範囲は異なるが、成形体の厚み方向に高熱伝導化するためには、0.85ton/cm以上2.54ton/cmの範囲において、少なくとも一定以上の一次粒子配向が保持される状態が達成することが好ましい。
一定以上の一次粒子配向とは、例えば一次粒子の(100)面と(004)面のピーク面積強度比((100)/(004))によって表現されるが、これは(004)面、すなわち、圧力方向に対して直行する方向にab面が配向する割合がどれだけ少ないかを表現するものである。従って、上述のピーク面積強度比が大きいほど、成形圧力によるBN凝集粒子の変形が少ない。高熱伝導性を達成するには、少なくともピーク面積強度比は0
.25以上であることが必要と考えている。ピーク面積強度比の下限、上限については前述のとおりである。
尚、0.85ton/cm以上2.54ton/cmの範囲におけるピーク面積強度比は、上記圧力範囲において一点でも所定の数値を満たせば問題なく、本発明の圧力範囲全てにおいて達成する必要はない。また、好ましくは、0.85ton/cm、1.
69ton/cm、2.54ton/cmの3点にて所定の数値を満たすことである。
なお、上記ピーク面積強度比は、錠剤成形機(10mmφ)に約0.2gの粉末を充填し、手動油圧式ポンプ(理研精機社製P-1B-041)を用いて、種々のプレス圧で錠剤成形した試料を測定に供する(例えば、0.85ton/cm、1.69ton/cm、2.54ton/cm等)。測定は、オランダPANalytical社製X‘Pe
rtPro MPD粉末X線回折装置を用いて行うことで、該当するピーク面積の強度比
を計算することができる。
・BN凝集粒子の平均粒子径(D50
BN凝集粒子の平均粒子径(D50)は、通常1μm以上であり、好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、更に好ましくは26μm以上であり、特に好ましくは30μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、45μm以上であっても好ましく、50μm以上であっても好ましい。また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。大きすぎると成形体とした際に表面の平滑性が悪くなる、BN凝集粒子間の間隙が多くなる等により、熱伝導性が向上しない傾向があり、小さすぎると成形体とした際にBN凝集粒子間の接触抵抗が大きくなる、BN凝集粒子自体の熱伝導性が低くなる等の傾向がある。
例えば、一次粒子径の異なる少なくとも2種の凝集粒子を、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm以上である一次粒子からなるBN凝集粒子AとBN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集粒子Bに分類した場合、BN凝集粒子Aの平均粒子径(D50)は、通常、1μm以上であり、好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、更に好ましくは26μm以上であり、特に好ましくは30μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、45μm以上であっても好ましく、50μm以上であっても好ましい。また、200μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下である。
また、BN凝集粒子Bの一次粒子の平均粒子径(D50)は、通常、1μm以上であり、好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、更に好ましくは26μm以上であり、特に好ましくは30μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、45μm以上であっても好ましく、50μm以上であっても好ましい。また、200μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは75μm以下である。
上記平均粒子径(D50)が上限値を超えると、樹脂中への充填率が低下するとともに、空隙、表面荒れなどが発生しやすくなり、樹脂複合物として所望の物性を達成難くなる傾向にある。
また、下限値未満だと、BN凝集粒子の平均粒子径が小さくなりすぎるため、接触抵抗が増加して、樹脂複合物として所望の物性を達成しにくくなる傾向がある。
なお、D50は測定に供した粉体の体積を100%として累積曲線を描かせた際に丁度累積体積が50%となる時の粒子径を意味し、その測定方法は、湿式測定法としては、分散安定剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを含有する純水媒体中にBN凝集粒子を分散させた試料に対して、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置などを用いて測定することができ、乾式測定法としては、Malvern社製「Morphologi」を用いて測定
することができる。
・破壊強度
BN凝集粒子の破壊強度は、通常2.5MPa以上、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは3.5MPa以上、更に好ましくは4.0MPa以上であり、通常20MPa以下、好ましくは15MPa以下、更に好ましくは10MPa以下である。大きすぎると、粒子の強度が強すぎるため、成形体とした際に表面平滑性が悪くなり、熱伝導性が低下する傾向があり、小さすぎると、成形体を作製する際の圧力で粒子が変形しやすくなり、熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、破壊強度は、粒子1粒をJIS R 1639−5に従って圧縮試験し、下記式により算出できる。通常、粒子は5点以上測定し、その平均値を採用する。
式:Cs=2.48P/πd
Cs:破壊強度(MPa)
P:破壊試験力(N)
d:粒子径(mm)
・全細孔容積
BN凝集粒子の全細孔容積は、通常2.2cm/g以下である。全細孔容積が小さいものは、BN凝集粒子内が密になっているために、熱伝導を阻害する境界面を少なくすることが可能となり、より熱伝導性の高いBN凝集粒子となる。BN凝集粒子の全細孔容積が大きすぎると、組成物中のフィラーとして用いた場合に、細孔に樹脂が取り込まれ、見かけの粘度が上昇する場合があり、組成物の成形加工或いは塗布液の塗工が困難となる可能性がある。
BN凝集粒子の全細孔容積の下限値は特に制限はないが、通常0.01cm/gである。本発明の全細孔容積は、好ましくは0.01cm/g以上、より好ましくは0.02cm/g以上であり、好ましくは2cm/g以下、より好ましくは1.5cm/g以下である。
凝集BN粉末の全細孔容積は、窒素吸着法および水銀圧入法で測定することができる。
・比表面積
BN凝集粒子の比表面積は通常1m/g以上であるが、好ましくは3m/g以上50m/g以下、より好ましくは5m/g以上40m/g以下である。また、8m/g以下であることも好ましく、7.25m/g以下であることも好ましい。BN凝集粒子の比表面積が、この範囲であると、樹脂と複合化した際に、BN凝集粒子同士の接触抵抗が低減される傾向にあり、BN凝集粒子含有樹脂組成物の粘度上昇も抑制できるため好ましい。比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
・バルク密度
BN凝集粒子をフィラーとして用いる場合には、樹脂の取り込みを最小限とするためにBN凝集粒子のバルク密度は大きい方が良く、通常0.3g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは0.35g/cm以上、更に好ましくは0.4g/cm以上である。BN凝集粒子のバルク密度が小さすぎる場合、見かけの体積が大きくなり、BN凝集粒子含有樹脂組成物中の樹脂に対して、添加するBN凝集粒子の体積が多くなるとともに、樹脂の取り込みが大きくなり、また、BN凝集粒子の取り扱い性が著しく悪化する傾向がある。BN凝集粒子のバルク密度の上限については特に制限はないが、通常0.95g/cm以下、好ましくは0.9g/cm以下、より好ましくは0.85g/cm以下である。BN凝集粒子のバルク密度が大きすぎるとBN凝集粒子含有樹脂組成物中で凝集BNの分散に偏りが生じ、沈降しやすくなる傾向がある。
なお、BN凝集粒子のバルク密度は、粉体のバルク密度を測定する通常の装置や方法を用いて求めることができる。
[BN凝集粒子の製造方法]
本発明のBN凝集粒子の製造方法は特に制限はないが、好ましい製造方法について以下に記載する。
本発明のBN凝集粒子は、好ましくは、粘度が200〜5000mPa・sである原料BN粉末を含むスラリー(以下「BNスラリー」と称す場合がある。)を用いて粒子を造粒し、造粒粒子を加熱処理することによって、該造粒粒子の大きさを保持したままBN凝集粒子を構成するBN一次粒子の結晶子を成長させて、製造することができる。BNスラリーの粘度は、好ましくは300mPa・s以上、より好ましくは500mPa・s以上、更に好ましくは700mPa・s以上、特に好ましくは1000mPa・s以上であり、好ましくは4000mPa・s以下、より好ましくは3000mPa・s以下である。
上記BNスラリーの粘度は、生成するBN凝集粒子の体積基準の平均粒子径D50および、BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の平均結晶子径に大きく影響し、該粘度を200mPa・s以上とすることにより、BN一次粒子の平均結晶子径及びBN凝集粒子の体積基準の平均粒子径D50を大きくすることができる。
一方BNスラリーの粘度を5000mPa・s以下とすることにより、造粒を容易にすることができる。BNスラリーの粘度の調製方法は、後述する。
なお、本発明におけるBNスラリーの粘度とは、FUNGILAB社の回転粘度計「VISCO BASIC Plus R」を用い、ブレード回転数100rpmにて測定した粘度のことである。
さらに、本発明のBN凝集粒子をフィラーとしてBN凝集粒子含有樹脂組成物を作製する場合、同一の充填量においても、他のBN粒子と比較して得られる成形体の熱伝導率が劇的に改善できる。これは、本発明のBN凝集粒子では、BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の平均結晶粒子径の増大により、BN一次粒子中の結晶粒界が減少すること、BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の特定面が配向していることによると推察され、好ましくは、凝集粒子の体積基準の平均粒子径D50が大きいことにより、BN凝集粒子間の接触抵抗が低減することも影響すると考えられる。
本発明のBN凝集粒子はBN凝集粒子自体の熱伝導性が高いだけでなく、樹脂と複合化して作製した成形体の熱伝導性も高くなる。
すなわち、本願発明によれば、当業者では通常制御することを想定していなかったスラリー粘度を特定の範囲に制御することにより、BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の平均結晶子径を大きくすることが可能である製造方法を見出したものである。
更に、本発明によれば、上記スラリー粘度を特定の範囲に制御することが好ましい。
なお、上記ピーク強度比および結晶子径は、BNスラリーから製造する造粒粒子を加熱処理する際の焼成温度、原料BN粉末中に存在する酸素濃度によっても制御できる。具体的には、後程述べる通り、BNスラリーから製造する造粒粒子を加熱処理する際の焼成温度範囲を1800℃以上2300℃以下とすることでピーク強度比を3以上とすることができ、原料BN粉末中に存在する酸素濃度が1.0重量%以上の原料を用いることで、結晶子径を所望の範囲に制御できる。即ち、適切な焼成温度範囲と適切な酸素濃度の原料BN粉末を用いることで上記ピーク強度比と上記平均結晶子径を同時に制御できる。
これによりBN凝集粒子をBN凝集粒子含有樹脂組成物とした際のBN凝集粒子間の接触抵抗の低減並びにBN凝集粒子を構成するBN一次粒子中の結晶粒界が減少し、該BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の特定の結晶面が配向した、熱伝導性の高いBN凝集粒
子を作製できる。
本発明によって得られるBN凝集粒子は、高熱伝導性を維持しながら様々な大きさに設計することが可能なため、成形体として幅広い用途に適用可能である。
{スラリーの調製}
<原料BN粉末>
・原料BN粉末の種類
本発明で用いる原料BN粉末としては、市販のh−BN、市販のαおよびβ−BN、ホウ素化合物とアンモニアの還元窒化法により作製されたBN、ホウ素化合物とメラミンなどの含窒素化合物から合成されたBNなど何れも制限なく使用できるが、特にh−BNが本発明の効果をより発揮する点で好ましく用いられる。
・原料BN粉末の結晶性
本発明で用いる原料BN粉末の形態としては、粉末X線回折測定により得られるピークの半値幅が広く、結晶性が低い粉末状のBN粒子が好適である。結晶性の目安として、粉末X線回折測定から得られる(002)面のピーク半値幅が、2θの角度で、通常0.4°以上、好ましくは0.45°以上、より好ましくは0.5°以上である。また、通常2.0°以下、好ましくは1.5°以下、更に好ましくは1°以下である。上記上限より大きいと、結晶子が十分大きくならず、大きくするためには長時間を要するため、生産性が悪くなる傾向がある。上記下限未満だと、結晶性が高すぎて、十分な結晶成長が見込めず、また、スラリー作製時の分散安定性が悪くなる傾向がある。なお、粉末X線回折測定方法は後述の実施例の項に記載する。
・原料BN粉末中の酸素原子濃度
BN結晶成長の観点からは、原料BN粉末中に酸素原子がある程度存在することが好ましく、本発明では、原料BN粉末中の全酸素濃度は、通常1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。また、通常、10質量%以下、更に好ましくは9質量%以下である。上記上限より大きいと、熱処理後も酸素が残存しやすくなるため、熱伝導性の改善効果が小さくなる傾向がある。上記下限未満だと、結晶性が高すぎて、結晶成長が見込めず、粉末X線回折測定から確認できるピーク強度比が所望の範囲から外れる傾向がある。
本発明においては、原料BN粉末中に存在する酸素濃度が1.0重量%以上の原料を用いることでも、BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の平均結晶子径を所望の範囲に制御できる。
なお、原料BN粉末の全酸素濃度を上記範囲に調製する方法としては、例えばBN合成時の合成温度を1500℃以下の低温で行う方法、500℃〜900℃の低温の酸化雰囲気中で原料BN粉末を熱処理する方法などが挙げられる。
なお、原料BN粉末の全酸素濃度は、不活性ガス融解−赤外線吸収法により、株式会社堀場製作所製の酸素・窒素分析計を用いて測定することができる。
・原料BN粉末の全細孔容積および比表面積
原料BN粉末の全細孔容積は通常1.0cm/g以下であるが、好ましくは0.3cm/g以上1.0cm/g以下、より好ましくは0.5cm/g以上1.0cm/g以下である。全細孔容積が1.0cm/g以下であることにより、原料BN粉末が密になっているために、球形度の高い造粒が可能となる。
原料BN粉末の比表面積は通常50m/g以上であるが、60m/g以上が好ましく、70m/g以上がより好ましい。通常、1000m/g以下であるが、500m/g以下が好ましく、300m/g以下がより好ましい。原料BN粉末の比表面積が
50m/g以上であることにより、造粒による球形化の際に用いるBNスラリー中の分散粒子径を小さくすることができるため好ましい。また、1000m/g以下とすることによりスラリー粘度の増加を抑制することができるため好ましい。
なお、原料BN粉末の全細孔容積は、窒素吸着法および水銀圧入法で測定することができ、比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
<媒体>
BNスラリーの調製に用いる媒体としては特に制限はなく、水及び/又は各種の有機溶媒を用いることができるが、噴霧乾燥の容易さ、装置の簡素化などの観点から、水を用いることが好ましく、純水がより好ましい。
BNスラリーの調製に用いる媒体の使用量は、BNスラリーの粘度が200〜5000mPa・sとなる量を加えることが好ましい。
具体的にはBNスラリーの調製に用いる媒体の使用量は、通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、通常、70質量%以下、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。媒体の使用量が上記上限より大きいと、スラリー粘度が低くなりすぎるため、沈降などによるBNスラリーの均一性が損なわれ、得られるBN凝集粒子を構成するBN一次粒子の結晶子径が所望の範囲から外れる傾向がある。下限未満であるとスラリー粘度が高すぎるため、造粒が困難になる傾向がある。すなわち、上記媒体の使用量が上記範囲外であると、BN凝集粒子の大きさとBN凝集粒子を構成するBN一次粒子の結晶性とBN一次粒子中の結晶粒界の低減を同時に満足することが困難になる。
<界面活性剤>
BNスラリーには、スラリーの粘度を調節すると共に、スラリー中の原料BN粉末の分散安定性(凝集抑制)の観点から、種々の界面活性剤を添加するのが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
一般に、界面活性剤はスラリーの粘度を変化させることが可能である。従って、BNスラリーに界面活性剤を添加する場合、その量は、BNスラリーの粘度が200〜5000mPa・sとなるような量に調整する。例えば、原料BNとして、粉末X線回折測定により得られる(002)面ピークの半値幅2θが0.67°、酸素濃度が7.5質量%であるBNを用いて固形分50質量%のスラリーを調整する場合、通常、陰イオン性界面活性剤の有効成分として、スラリー全量に対し、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上添加し、通常10質量%以下、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下添加する。上記上限より大きいと、スラリー粘度が下がりすぎるとともに、生成したBN凝集粒子中に界面活性剤由来の炭素成分が残りやすくなる傾向がある。上記下限未満だと、スラリー粘度が高くなりすぎ、造粒自体が困難になる傾向がある。
<バインダー>
BNスラリーは、原料BN粉末を効果的に粒子状に造粒するために、バインダーを含んでもよい。バインダーは、BN一次粒子を強固に結びつけ、造粒粒子を安定化するために作用する。
BNスラリーに用いるバインダーとしては、BN粒子同士の接着性を高めることができるものであればよいが、本発明においては、造粒粒子は粒子化後に加熱処理されるため、この加熱処理工程における高温条件に対する耐熱性を有するものが好ましい。
このようなバインダーとしては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化ホウ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの金属の酸化物などが好ましく用いられる。これらの中でも、酸化物としての熱伝導性と耐熱性、BN粒子同士を結合する結合力などの観点から、酸化アルミニウム、酸化イットリウムが好適である。なお、バインダーはアルミナゾルのような液状バインダーを用いてもよく、加熱処理中に反応して、他の無機成分に変換されるものであってもよい。これらのバインダーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーの使用量(液状バインダーの場合は、固形分としての使用量)は、BNスラリー中の原料BN粉末に対して、通常0質量%以上30質量%以下であり、好ましくは0質量%以上20質量%以下、より好ましくは0質量%以上15質量%以下である。上記上限を超えると造粒粒子中の原料BN粉末の含有量が少なくなり、結晶成長に影響するばかりか熱伝導性のフィラーとして用いた場合に熱伝導性改善効果が小さくなる。
<スラリー調製方法>
スラリー調製方法は、原料BN粉末及び媒体、更に必要により、バインダー、界面活性剤が均一に分散し、所望の粘度範囲に調製されていれば特に限定されないが、原料BN粉末及び媒体、更に必要により、バインダー、界面活性剤を用いる場合、好ましくは以下のように調製する。
原料BN粉末を樹脂製のボトルに所定量計量し、次いで、バインダーを所定量添加する。さらに、界面活性剤を所定量添加した後、ジルコニア性のセラミックボールを加えて、ポットミル回転台で所望の粘度になるまで0.5〜5h程度撹拌する。
添加の順番は特に制限はないが、大量の原料BN粉末をスラリー化する場合、だまなどの凝集物ができやすくなるため、水に界面活性剤とバインダーを加えた水溶液を作製した後、所定量の原料BN粉末を少量ずつ添加し、ここにジルコニア性のセラミックボールを加えて、ポットミル回転台で分散、スラリー化しても良い。
また、分散に際しては、ポットミルのほかに、ビーズミル、プラネタリーミキサーなどの分散装置を使用しても良い。スラリー化に際して、スラリーの温度は、10℃以上60℃以下で行う。下限よりも低いと、スラリー粘度が上昇し、所望の粘度範囲から外れる傾向にあり、上限よりも高いと原料BN粉末が水溶液中でアンモニアに分解しやすくなる。通常、10℃以上60℃以下であるが、好ましくは15℃以上50℃以下、より好ましくは15℃以上40℃以下、更に好ましくは15℃以上35℃以下である。
{造粒}
BNスラリーから造粒粒子を得るには、スプレードライ法、転動法、流動層法、そして撹拌法などの一般的な造粒方法を用いることができ、この中でもスプレードライ法が好ましい。
スプレードライ法では、原料となるスラリーの濃度、装置に導入する単位時間当たりの送液量と送液したスラリーを噴霧する際の圧空圧力及び圧空量により、所望の大きさの造粒粒子を製造することが可能であって、球状の造粒粒子を得ることも可能である。使用するスプレードライ装置に制限はないが、より大きな球状の造粒粒子とするためには、回転式ディスクによるものが最適である。このような装置としては、大川原化工機社製スプレードライヤーFシリーズ、藤崎電機社製スプレードライヤー「MDL−050M」などが挙げられる。
造粒により得られた造粒粒子の平均粒子径は、本発明のBN凝集粒子の体積基準の平均粒子径の範囲を好ましくは5μm以上200μm以下とする場合には、体積基準の平均粒
子径D50で通常3μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは15μm以上、より更に好ましくは20μm以上、特に好ましくは25μm以上、より特に好ましくは25μm以上、26μm以上であっても好ましく、30μm以上であっても好ましく、35μm以上であっても好ましい。また、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。ここで、造粒粒子の体積基準の平均粒子径D50は、例えば、湿式では堀場製作所製「LA920」、乾式ではMalvern社製「Morphorogi」などで測定することができる。
{加熱処理}
上記のBN造粒粒子は、更に非酸化性ガス雰囲気下に加熱処理することでBN凝集粒子を製造することができる。
ここで、非酸化性ガス雰囲気とは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、アンモニアガス、水素ガス、メタンガス、プロパンガス、一酸化炭素ガスなどの雰囲気のことである。ここで用いる雰囲気ガスの種類により凝集BN粒子の結晶化速度が異なるものとなり、結晶化を短時間で行うためには特に窒素ガス、もしくは窒素ガスと他のガスを併用した混合ガスが好適に用いられる。
加熱処理温度は通常1800℃以上、2300℃以下であるが、好ましくは1900℃以上であり、また好ましくは2200℃以下である。加熱処理温度が低すぎると、BNの平均結晶子の成長が不十分となり、BN凝集粒子および成形体の熱伝導率が小さくなる場合がある。加熱処理温度が高すぎると、BNの分解などが生じてしまうおそれがある。
上記加熱処理温度を1800℃以上2300℃以下とすることにより、BN一次粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比((100)/(004))を所望の値とすることができる。
加熱処理時間は、通常3時間以上、好ましくは4時間以上、より好ましくは5時間以上、また通常20時間以下、好ましくは15時間以下である。加熱処理時間が上記下限未満の場合、結晶成長が不十分となり、上記上限を超えるとBNが一部分解するおそれがある。
加熱処理は、非酸化性ガス雰囲気下で行うために、好ましくは、通常、焼成炉内を真空ポンプを用いて排気した後、非酸化性ガスを導入しながら、所望の温度まで加熱して昇温するが、焼成炉内が十分に非酸化性ガスで置換できる場合は、常圧下で非酸化性ガスを導入しながら加熱昇温しても良い。焼成炉としては、マッフル炉、管状炉、雰囲気炉などのバッチ式炉やロータリーキルン、スクリューコンベヤ炉、トンネル炉、ベルト炉、プッシャー炉、竪型連続炉などの連続炉、高周波を外側から照射して加熱する誘導加熱炉が挙げられ、目的に応じて使い分けられる。これらの中でも、高周波誘導加熱炉が好ましい。この炉を用いることにより、結晶成長を伴う本発明の凝集BN粒子では、ルツボに充填されたBN粉末を加熱する際、外側と内側で結晶成長の速度が異なるため、この成長速度を制御することで、凝集BN粒子の大きさを変えることなく、凝集BN粒子を構成するBN一次粒子の大きさだけを変えた本発明の組成物を作製することができる。
また、本発明の製造方法は、組成物を製造するだけではなく、BN凝集粒子自体を製造することも可能である。つまり、本発明の凝集粒子の製造方法は、組成物だけではなくBN凝集粒子の製造方法も含むものである。
つまり、このBN凝集粒子を製造するに際し高周波誘導加熱処理を用いることで、BNの純度によらず、いかなる原料のBNでも加熱処理することが可能となる。
例えば、不純物の多い原料や揮発分の多い原料でも加熱処理することができる。一般的に、粗BN原料は、酸素不純物を多く含有し、酸化ホウ素のような形態で原料中及び/または原料粉末表面に存在している。このような原料を加熱処理してBN一次粒子を結晶成
長させ、結晶性と純度を向上させる場合、該不純物が揮発し、揮発物が焼成炉内を汚染、劣化させる。通常、この揮発分は、酸化ホウ素のような形態で揮発し、特に高温処理を目的とした黒鉛化炉の黒鉛部分に付着、反応することによって黒鉛を減肉させる。従って、抵抗加熱式のような一般的な黒鉛化炉では、ヒーター部分に付着した酸化ホウ素が黒鉛と反応し、ヒーター寿命を著しく低下させる。即ち、ヒーター機構を有していない高周波誘導加熱炉では、ヒーター以外の機構によって加熱が行われるために、炉の寿命が著しく延長される。また、高周波誘導加熱炉は、被加熱体に直接高周波を充てることにより加熱するため、ヒーター加熱方式に比べると温度分布が均一になりやすいといった利点もある。このため、精密な結晶成長制御など、反応を伴う加熱処理では特に有用である。
通常、加熱処理する造粒粒子は、焼成時の組成の不均一性を低減するために、円形の黒鉛製蓋つきルツボに入れて加熱焼成される。この際、組成の不均一性の低減に加えて、焼成によるBN凝集粒子同士の焼結を抑制する目的で、黒鉛製の仕切りを入れても良い。仕切りによる分割数は、焼結が抑制できれば特に制限はないが、通常2分割以上16分割以下である。上記上限より分割数が多いと焼結は抑制できるものの、BN一次粒子の結晶が十分に成長しなくなる傾向にあり、上記下限より分割数が少ないと、焼結が進む場合がある。
{分級}
上記加熱処理後のBN凝集粒子は、粒子径分布を小さくし、BN凝集粒子含有樹脂組成物に配合したときの粘度上昇を抑制するために、好ましくは分級処理する。この分級は、通常、造粒粒子の加熱処理後に行われるが、加熱処理前の造粒粒子について行い、その後加熱処理に供してもよい。
分級は湿式、乾式のいずれでも良いが、BNの分解を抑制するという観点からは、乾式の分級が好ましい。特に、バインダーが水溶性を有する場合には、特に乾式分級が好ましく用いられる。
乾式の分級には、篩による分級のほか、遠心力と流体抗力の差によって分級する風力分級などがあるが、旋回気流式分級機、強制渦遠心式分級機、半自由渦遠心式分級機などの分級機を用いて行うこともできる。これらの中で、サブミクロンからシングルミクロン領域の小さな微粒子を分級するには旋回気流式分級機を、それ以上の比較的大きな粒子を分級するには半自由渦遠心式分級機など、分級する粒子の粒子径に応じて適宜使い分ければよい。特に、本発明において分級は、よりほぼ同じ平均粒子径(D50)のBN凝集粒子とするために好ましい工程である。
[BN凝集粒子組成物]
・BN凝集粒子組成物の製造方法
本発明のBN凝集粒子組成物の製造方法は、特に制限されるものではない。
例えば、条件(1)及び(2)を満たすように単一のBN凝集粒子を準備し、それらを単純混合にて組成物にしても良いし、上述したような誘導加熱炉を用いて組成物となるように製造しても良い。
・その他、BN凝集粒子組成物に含有される物質
BN凝集粒子組成物には、上記(1)及び(2)の条件を満たすBN凝集粒子の他、
板状BNフィラー、非凝集窒化ホウ素、無機フィラーである窒化アルミニウム、窒化ケイ素、繊維状、板状、粒子状凝集BN等の窒化物粒子、アルミナ、繊維状アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の絶縁性金属酸化物、ダイヤモンド、フラーレン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機フィラー、無機フィラーとマトリックス樹脂の界面接着強度を改善するシランカップリング剤などの表面処理剤、還元剤等の絶縁性炭素成分、樹脂硬化剤、樹脂硬化促進剤、粘度調整剤、分散剤等
を本発明の効果を損なわない範囲で含有させても良い。
[BN凝集粒子含有樹脂組成物]
本発明のBN凝集粒子含有樹脂組成物は、少なくとも本発明のBN凝集粒子組成物と樹脂とを含有するものである。なお本発明のBN凝集粒子は、その形状的な特徴から、BN凝集粒子含有樹脂組成物のフィラーとして好適に用いられる。
BN凝集粒子含有樹脂組成物中におけるBN凝集粒子の含有割合(以下「フィラー充填量」と称する場合がある。)は、BN凝集粒子と樹脂の合計を100質量%として、通常5質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下である。上記上限より大きいと、粘度が高くなりすぎて成形加工性が確保できなくなるとともに、BN凝集粒子の密な充填が阻害されるために熱伝導性が低下する傾向があり、上記下限未満だと、成形加工性は確保できるものの、BN凝集粒子が少なすぎて熱伝導性が向上しない傾向がある。
<樹脂>
BN凝集粒子含有樹脂組成物に用いる樹脂としては、特に制限はないが、好ましくは硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂である。例えば、硬化性樹脂としては、熱硬化性、
光硬化性、電子線硬化性などが挙げられ、耐熱性、吸水性、寸法安定性などの点で、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂が好ましく、これらの中でもエポキシ樹脂がより好ましい。これらの樹脂は2種以上組わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は1種類の構造単位を有するエポキシ樹脂のみであってもよいが、構造単位の異なる複数のエポキシ樹脂を組み合わせてもよい。また、エポキシ樹脂は、必要に応じて、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤と共に用いられる。
エポキシ樹脂を用いる場合、そのTgは特段限定されないが通常0℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは25℃以上であり、また通常350℃以下、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下である。
本発明のBN凝集粒子含有樹脂組成物の樹脂は、ゴム成分を含有してもよい。
[BN凝集粒子組成物の成形体]
本発明の成形体は、本発明のBN凝集粒子組成物を含んでいればよく、好ましくはBN凝集粒子含有樹脂組成物を成形してなるものである。成形体の成形方法は一般に用いられる方法を用いることができる。
例えば、本発明のBN凝集粒子含有樹脂組成物が可塑性や流動性を有する場合、該BN凝集粒子含有樹脂組成物を所望の形状で、例えば型へ収容した状態で硬化させることによって成形することができる。
このような成形体の製造では、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、圧縮成形および真空圧縮成形を利用することができる。
上述スラリーが溶媒を含む場合は、ホットプレート、熱風炉、IR加熱炉、真空乾燥機、高周波加熱機など公知の加熱方法で溶媒を除去することができる。
また、本発明のBN凝集粒子含有樹脂組成物がエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂組成物である場合、成形体の成形、すなわち硬化は、それぞれの硬化温度条件で行うことができる。
また、本発明のBN凝集粒子含有樹脂組成物が熱可塑性樹脂組成物である場合、成形体の成形は、熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度及び所定の成形速度や圧力の条件で行うことができる。
また、本発明の成形体は、本発明のBN凝集粒子含有樹脂組成物の硬化物を所望の形状
に削り出すことによっても得ることができる。
本発明のBN凝集粒子の用途としては、成形体の中でも放熱シート(本明細書では、単にシートともいう)が好ましい。放熱シートの製造方法は、特に制限はなく従来技術の放熱シートの製造方法により製造が可能である。
・シートの特性
放熱シートの熱伝導率(W/mK)は、特に制限はないが通常、5W/mK以上、好ましくは10W/mK以上、更に好ましくは13W/mK、特に好ましくは15W/mK以上、とりわけ好ましくは17W/mK以上である。
耐電圧性能は、通常、10kV/mm以上、好ましくは15kV/mm以上、特に好ましくは20kV/mm以上である。また、本発明のシートのガラス転移温度は、通常100℃以上、好ましくは130℃以上、特に好ましくは175℃以上である。
また、放熱シートの接着強度(N/cm)は、特に制限はないが通常、0.5N/cm以上、好ましくは1N/cm以上、更に好ましくは2N/cm、特に好ましくは3N/cm以上、とりわけ好ましくは5N/cm以上である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例における各種の条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における好ましい範囲同様に、本発明の好ましい範囲を示すものであり、本発明の好ましい範囲は前記した実施態様における好ましい範囲と下記実施例の値または実施例同士の値の組合せにより示される範囲を勘案して決めることができる。
{測定条件}
本発明における特性は以下に記載の方法にて測定した。
・粘度:
FUNGILAB社の回転粘度計「VISCO BASIC Plus R」を用い、ブレード回転数100rpmにて測定した。
・BN凝集粒子の平均粒子径(D50):
BN凝集粒子を(株)堀場製作所社製「マイクロトラックMT3300EX」を用いてD50(μm)を測定した。
・凝集粒子Aを構成する一次粒子の平均粒子径:
凝集BN粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)の5千倍で撮影し、凝集粒子を構成する一次粒子の大きさを50個以上計測し、平均することで凝集粒子を構成する一次粒子の大きさを測定した。
・凝集粒子組成物中のD50±60%に含まれる粒子体積(%)
マイクロトラックMT3300EXで測定した粒度分布曲線からD50を求め、D50+60%を超える粒子の体積%とD50−60%未満の粒子の体積%の合計を100から減じることにより、D50±60%に含まれる粒子体積を求めた。
・凝集粒子B又はCの平均一次粒子径/凝集粒子Aの平均一次粒子径
凝集粒子Aを構成する一次粒子の平均粒子径と同様の方法により、凝集粒子B、Cの一次粒子の平均粒子径を求め、凝集粒子Aの平均一次粒子径で除すことにより求めた。
・凝集粒子全体を100とした時の凝集粒子B又はCの割合(%)
造粒した粒子を黒鉛製の円筒ルツボ(有効寸法φ320×65)に2.5kg充填し、高周波加熱炉内にセットした。高周波加熱炉に窒素ガスを流通し、還元雰囲気としたのち、昇温速度83℃/hで2000℃まで加熱し、その温度で5h保持することにより、凝
集粒子を作製した。ルツボ内の側壁付近の粒子を回収、解砕し、目開き90μmの篩で分級して、凝集粒子B又はCとした。
側壁付近の粉末を除いた残りの粉末を回収、解砕し、目開き90μmの篩で分級した。前記粉末と凝集粒子B又は Cの合計を100として、側壁付近から回収した凝集粒子の
重量を全凝集粒子の重量で除すことにより、凝集粒子B or Cの割合とした。
・成形体の厚み方向熱伝導率
成形体の厚み方向の熱拡散率を株式会社アイフェイズ製の熱拡散率測定装置「ai―Phase Mobile 1u」を用いて測定し、以下により求めた。
成形体の厚み方向熱伝導率=成形体の厚み方向の熱拡散率×成形体の比重×成形体の比熱
(実施例1)
<BNスラリーからのBN凝集粒子組成物の作製>
[BN原料スラリー(スラリーA)の調製]
(原料)
原料h−BN粉末(粉末X線回折測定により得られる(002)面ピークの半値幅が2θ=0.67°、酸素濃度が7.5質量%):10000g バインダー(多木化学(株)製「タキセラムM160L」、固形分濃度21質量%):11496g 界面活性剤(花王(株)製界面活性剤「アンモニウムラウリルサルフェート」:固形分濃度14質量%):250g
(スラリーの調製)
原料h−BN粉末を樹脂製のボトルに所定量計量し、次いでバインダーを所定量添加した。さらに、界面活性剤を所定量添加した後、ジルコニア性のセラミックボールを添加して、ポットミル回転台で1時間撹拌した。
スラリーの粘度は、810mPa・sであった。
[造粒]
BNスラリーからの造粒は、ディスク回転数20000〜23000rpm、乾燥温度80℃で実施し、球状のBN凝集粒子を得た。
[BN凝集粒子組成物(BN−A凝集粒子)の作製]
上記BN造粒粒子を、黒鉛製のルツボの充填し、室温で真空引きをした後、窒素ガスを導入して復圧した。BN造粒粒子を充填した黒鉛製のルツボを高周波誘導加熱炉に設置し、窒素ガスを導入しながら加熱を行った。高周波誘導加熱炉での加熱は、2000℃まで83℃/時で昇温し、2000℃到達後、そのまま窒素ガスを導入しながら5時間保持して行った。その後、室温まで冷却し、更に、上記加熱処理後のBN凝集粒子を、乳鉢および乳棒を用いて軽粉砕した後、目開き90μmの篩を用いて分級して、BN−A凝集粒子を得た。BN−A凝集粒子の各種測定結果は表1に示す。
<成形体シートの製造>
上記で得られたBN−A凝集粒子をフィラーとして用い、フィラーと樹脂組成物とからなるBN凝集粒子含有樹脂組成物を調製した。
[樹脂組成物]
三菱化学(株)製エポキシ樹脂である「157S70」、「828US」、「4275」および四国化成工業(株)製の硬化剤である「C11Z−CN」を、「157S70」:「828US」:「4275」:「C11Z−CN」=1:0.25:0.25:0.11(質量比)の割合で混合して樹脂組成物を得た。
[BN凝集粒子含有樹脂組成物の調製]
BN−A凝集粒子と上記樹脂組成物をBN−A凝集粒子の充填量(樹脂組成物とBN―A凝集粒子の合計100質量%に対するBN−A凝集粒子の含有割合)が80質量%にな
るように配合した。
調製された樹脂組成物/BN−A凝集粒子混合物98.9質量%(98.9質量%中の樹脂組成物成分19.8質量%/BN−A凝集粒子混合物成分79.1質量%)をメチルエチルケトンで全体の質量が1.5倍になるように希釈し、ポリプロピレン製の蓋付きカップに入れた。さらに、樹脂組成物成分19.8質量%に対して、硬化剤6質量%の1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール(硬化剤)を加え、自公転攪拌機(シンキー社製「泡取り錬太郎 AR−250」))を用いて混合して、BN凝集粒子含有樹脂組成物塗布液を調製した。
[塗布]
得られたBN凝集粒子含有樹脂組成物塗布液を、ギャップ間隔400μmのバーコーター(テスター産業株式会社製「オートフィルムアプリケーター」)で、厚さ100μm、10cm×20cmの銅基板上に塗布した。その後、50℃で、30分間真空乾燥を行って、銅基板に塗布膜を形成した。
[成形体の製造]
得られた塗布膜が形成された銅版を4cm角に切断した。金型に入れて、130℃、500kg/cmで3分間ホットプレスを行い、さらにオーブン中で160℃、2時間硬化させることにより、熱伝導率評価用の成形体(4cm×4cm)を得た。測定結果は表2に示す。
(比較例1)
[BN凝集粒子(BN−B凝集粒子)の作製]
実施例1と同様の操作を行い、黒鉛製ルツボの中央付近の粒子のみを回収することにより、BN−B凝集粒子を得た。BN−B凝集粒子の各種測定結果は表1に示す。
また、実施例1と同様な方法にて熱伝導率評価用の成形体(4cm×4cm)を得た。測定結果は表2に示す。
(比較例2)
[BN凝集粒子(BN−C凝集粒子)の作製]
実施例1と同様の操作を行い、黒鉛製ルツボの壁面付近の粒子のみを回収することにより、BN−C凝集粒子を得た。BN−C凝集粒子の各種測定結果は表1に示す。
また、実施例1と同様な方法にて熱伝導率評価用の成形体(4cm×4cm)を得た。測定結果は表2に示す。
表2から、本発明のBN凝集粒子組成物(BN−A凝集粒子)つまり、BN−B凝集粒子とBN−C凝集粒子が混合された組成物を用いることにより、凝集粒子の平均粒子径がD50±60%に70体積%以上の粒子が含まれ、かつ凝集粒子の平均粒子径D50が実質的に同じ大きさであっても、一次粒子径が異なる凝集粒子が混合されている方が、成形体として高い熱伝導性を示すことがわかる。本発明のBN凝集粒子は、熱伝導性フィラーとして従来にはない性能を発揮し、熱の課題が多い電気電子分野など様々な用途に幅広く適用可能である。
本発明の凝集BN粒子を用いることにより、パワー半導体デバイスで必要とされる熱伝導性の高い、高品質の放熱シートを形成することができる。該放熱シートを有するパワー半導体デバイスは、次世代のSiC、GaNなど、高温動作が可能な高効率基板を用いた
パワー半導体デバイスの作製に有用である。

Claims (10)

  1. 平均粒子径(D50)が1μm〜200μmの窒化ホウ素凝集粒子(以下「BN凝集粒子」と称す。)組成物であって、少なくとも下記条件(1)及び(2)を満たすことを特徴とするBN凝集粒子組成物。
    (1)該BN凝集粒子組成物は、一次粒子径の異なる少なくとも2種のBN凝集粒子を含有する組成物である
    (2)該BN凝集粒子組成物中の、BN凝集粒子全体の70体積%以上が平均粒子径(D50)±60%以内の粒子径を有する
  2. 一次粒子径の異なる少なくとも2種の凝集粒子が、BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm以上である一次粒子からなるBN凝集粒子AとBN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の大きさが1μm未満である一次粒子からなるBN凝集粒子Bであって、
    BN凝集粒子を構成する一次粒子の平均粒子径の比(Bの平均一次粒子径/Aの平均一次粒子径)が0.3以上0.9以下であることを特徴とする請求項1に記載のBN凝集粒子組成物。
  3. BN凝集粒子組成物において、BN凝集粒子AとBN凝集粒子Bの合計を100質量%としたとき、BN凝集粒子Bの含有割合が40質量%以下である請求項2に記載のBN凝集粒子組成物。
  4. BN凝集粒子の少なくとも一種が球状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のBN凝集粒子組成物。
  5. BN凝集粒子が少なくとも一種がカードハウス構造を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載のBN凝集粒子組成物。
  6. 樹脂と、請求項1〜5のいずれか一項に記載のBN凝集粒子組成物を含むBN凝集粒子含有樹脂組成物。
  7. BN凝集粒子含有樹脂組成物中におけるBN凝集粒子の含有割合が、BN凝集粒子と樹脂の合計を100質量%とした際、BN凝集粒子の含有割合が5〜95質量%である請求項6に記載のBN凝集粒子含有樹脂組成物。
  8. 樹脂が熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂である請求項6又は7に記載のBN凝集粒子含有樹脂組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載のBN凝集粒子含有樹脂組成物を成形してなる成形体。
  10. 原料BN粉末のスラリー(以下「BNスラリー」と称す。)を造粒し、加熱処理をすることによってBN凝集粒子を製造する方法であって、加熱処理が高周波誘導加熱である特徴とするBN凝集粒子の製造方法。
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