JP2017035959A - 油圧式ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操縦者が操作部材から操舵状態に応じた反力を感じることができる油圧式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】油圧式ステアリング装置は、ステアリングホイールの操作量に応じて前部車体を後部車体に対して揺動させる油圧シリンダと、ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトの操舵角を取得する操舵角センサ6と、ステアリングシャフトに対して操舵方向とは反対の方向に反力を付与する反力付与装置と、を備え、反力付与装置は、ステアリングシャフトに反力を付与する電動モータ31と、操舵角センサ6によって取得された操舵角に基づいて、ステアリングシャフトに付与する反力の目標電流Iを決定する目標反力決定部41と、を有し、電動モータ31は、目標電流Iに基づいて制御される。
【選択図】図3
【解決手段】油圧式ステアリング装置は、ステアリングホイールの操作量に応じて前部車体を後部車体に対して揺動させる油圧シリンダと、ステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトの操舵角を取得する操舵角センサ6と、ステアリングシャフトに対して操舵方向とは反対の方向に反力を付与する反力付与装置と、を備え、反力付与装置は、ステアリングシャフトに反力を付与する電動モータ31と、操舵角センサ6によって取得された操舵角に基づいて、ステアリングシャフトに付与する反力の目標電流Iを決定する目標反力決定部41と、を有し、電動モータ31は、目標電流Iに基づいて制御される。
【選択図】図3
Description
本発明は、油圧式ステアリング装置に関するものである。
特許文献1には、前部車体と後部車体とが連結ピンを介して回動自在に接続されたアーティキュレート式の建設機械に適用される油圧式ステアリング装置が記載されている。特許文献1に記載の油圧式ステアリング装置では、ユーザが操作レバーを左右に傾動させてパイロットバルブを介してステアリングバルブの位置を切り替えて、車体に取り付けられた2本のシリンダを伸縮させることで前部車体を後部車体に対して左右に回動させている。
しかしながら、特許文献1に記載の油圧式ステアリング装置では、操作レバーと前部車体とが機械的につながっていないため、前部車体を後部車体に対して左右に回動させた際に前部車体のホイールが受ける反力を操作レバーから感じることができなかった。このように操作レバーから反力を感じられないと、操縦者は、操作レバーがどのような角度位置にあるのかといった操舵の状態を操作レバーから感覚的に認識することが難しい。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、操縦者が操作部材から操舵状態に応じた反力を感じることができる油圧式ステアリング装置を提供することを目的とする。
第1発明は、前部車体と、連結機構によって前部車体と揺動自在に連結された後部車体と、を有する作業車両を操舵する油圧式ステアリング装置であって、ポンプから供給される作動流体によって駆動され、操舵部材の操作量に応じて前部車体を後部車体に対して揺動させる流体圧アクチュエータと、操舵部材に連結された操舵軸の操舵角を取得する操舵角取得部と、操舵軸に対して操舵方向とは反対の方向に反力を付与する反力付与装置と、を備え、反力付与装置は、操舵軸に反力を付与する電動モータと、操舵角取得部によって取得された操舵角に基づいて、操舵軸に付与する反力の目標値を決定する目標反力決定部と、を有し、電動モータは、目標反力決定部によって決定された目標値に基づいて制御されることを特徴とする。
第1の発明では、操舵角取得部によって取得された操舵角に基づいて電動モータを制御することによって、操舵軸に反力が付与される。
第2の発明は、操舵軸に付与される反力の目標値は、作業車両の車速に応じて決定されることを特徴とする。
第2の発明では、操舵軸には、操舵部材の操舵角に加え、車速に応じた反力が付与されるので、操舵フィーリングが向上する。
第3の発明は、操舵軸における操舵部材と反力付与装置との間に作用する操舵トルクを検出するトルクセンサをさらに備え、電動モータは、目標反力決定部によって決定された目標値と、トルクセンサによって検出された前記操舵トルクと、の差に基づいて制御されることを特徴とする。
第3の発明では、電動モータ31は、目標反力決定部によって決定された目標値と、トルクセンサによって検出された操舵トルクと、の差に基づいて制御されるので、操舵軸に作用する反力を精度良く付与することができる。
第4の発明は、反力付与装置は、操舵部材の速度を演算する速度演算部をさらに備え、操舵軸に付与される反力の目標値は、速度演算部によって演算された速度によって補正されることを特徴とすることを特徴とする。
第4の発明では、操舵軸には、操舵部材の操舵角に加え、操舵部材の操舵速度に応じた反力が付与されるので、操舵フィーリングが向上する。
第5の発明は、目標反力決定部は、操舵角取得部によって取得された操舵角と、前部車体と後部車体との屈曲角と、の差に基づいて、操舵軸に付与する反力の目標値を決定することを特徴とする。
第5の発明では、操舵角と屈曲角との差に基づいて操舵軸に反力が付与されるため、操縦者は、操舵部材の操舵に対して前部車体が追従できていないことを操舵部材から感覚的に認識できる。
第6の発明は、反力付与装置は、操舵角と屈曲角との差の変化率を演算する変化率演算部をさらに備え、操舵軸に付与される反力の目標値は、変化率演算部によって演算された変化率によって補正されることを特徴とする。
第6の発明では、操舵軸に付与される反力の目標値は、さらに操舵角と屈曲角との差の変化率によって補正されるので、操縦者は、前部車体の追従の遅れの変化を操舵部材から感覚的に認識できる。
第7の発明は、操作部材は、揺動レバーであって、揺動レバーには、揺動レバーを中立位置に付勢する付勢ばねが揺動方向の両側に設けられることを特徴とする。
第7の発明では、付勢ばねが揺動レバーを中立位置に付勢する。これにより、反力付与装置が万が一故障して操舵軸に反力を付与することができなくなっても、付勢ばねの付勢力によって操舵状態を感覚的に認識することができる。
本発明によれば、操縦者が操作部材から操舵状態に応じた反力を感じることができる油圧式ステアリング装置を提供できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1から図4を参照しながら本発明の第1実施形態の油圧式ステアリング装置100について説明する。
図1から図4を参照しながら本発明の第1実施形態の油圧式ステアリング装置100について説明する。
油圧式ステアリング装置100は、例えば、前部車体と後部車体とが連結ピンを介して回動自在に接続された、いわゆるアーティキュレート式のホイールローダ等の作業車両に用いられる。
図1に示すように、作業車両10は、ローダバケット15が取り付けられる前部車体11と、連結機構としてのピン13によって前部車体11と揺動自在に連結された後部車体12と、前部車体11を後部車体12に対して屈曲させる油圧式ステアリング装置100と、前部車体11と後部車体12との屈曲角θを取得する屈曲角取得部としての屈曲角センサ16と、を有する。後部車体12には、図示しない運転席を備えたキャビンが設けられる。前部車体11と後部車体12は、それぞれ一対のホイール14を備える。屈曲角センサ16は、ピン13の近傍に設けられる。
油圧式ステアリング装置100は、作動流体としての作動油を供給するポンプ21と、ポンプ21から供給される作動油によって駆動され、前部車体11を後部車体12に対して揺動させる一対の流体圧アクチュエータとしての油圧シリンダ22a、22bと、ポンプ21から油圧シリンダ22a、22bに供給される作動油の給排を制御するロータリー式の制御バルブ23と、を備える。制御バルブ23は、後部車体12に設けられる。
制御バルブ23は、ポンプ21に連通する供給ポート23aと、油圧シリンダ22aのピストン側室および油圧シリンダ22bのロッド側室に連通する第1シリンダポート23bと、油圧シリンダ22aのロッド側室および油圧シリンダ22bのピストン側室に連通する第2シリンダポート23cと、タンク24に連通する排出ポート23dと、を有する。
制御バルブ23は、図示しないバルブボディ内に回転自在に収容されるアウタースリーブ23Aと、アウタースリーブ23Aの内部に回転可能に収容されるインナースリーブ23Bと、を備える。制御バルブ23は、アウタースリーブ23Aの内周面とインナースリーブ23Bの外周面とが摺動するように構成される。アウタースリーブ23Aとインナースリーブ23Bとを相対回転させることによって、制御バルブ23は、供給ポート23aと排出ポート23dとが連通し、第1、第2シリンダポート23b、23cを遮断する中立位置Aと、供給ポート23aと第2シリンダポート23cとが連通し、第1シリンダポート23bと排出ポート23dとが連通する切換位置Bと、供給ポート23aと第1シリンダポート23bとが連通し、第2シリンダポート23cと排出ポート23dとが連通する切換位置Cと、に切り換えられる。
インナースリーブ23Bは、操舵軸としてのステアリングシャフト2を介して、操舵部材としてのステアリングホイール1に連結される。アウタースリーブ23Aは、リンク機構20を介して前部車体11に連結される。
リンク機構20は、前部車体11と後部車体12との屈曲角θを制御バルブ23に対してフィードバックするための機構である。具体的には、リンク機構20は、前部車体11が後部車体12に対して屈曲した屈曲角θに応じてアウタースリーブ23Aを回転させる。
図2に示すように、ステアリングシャフト2は、ステアリングホイール1に連係して操舵トルクが伝達される入力シャフト3と、下端がインナースリーブ23Bに連結される出力シャフト4と、入力シャフト3と出力シャフト4を連結するトーションバー5と、を有する。操縦者の操作によってステアリングホイール1に入力される操舵トルクが、入力シャフト3及びトーションバー5を介して出力シャフト4に伝達されて、出力シャフト4とともにインナースリーブ23Bが回転する。なお、出力シャフト4とインナースリーブ23Bとの間に減速機を設けてもよい。
油圧式ステアリング装置100は、入力シャフト3の操舵角を取得する操舵角取得部としての操舵角センサ6と、ステアリングホイール1を操舵したときにトーションバー5に作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ7と、操舵角センサ6によって取得された操舵角に基づいて反力を付与する反力付与装置30と、をさらに備える。反力付与装置30は、ステアリングシャフト2の出力シャフト4に設けられる。
次に、油圧式ステアリング装置100における操舵について、図1を参照しながら説明する。図1は、前部車体11が右方向に回動した状態を示している。
まず、作業車両10を右方向に所定の角度回動させる場合について説明する。操縦者は、ステアリングホイール1を中立状態(作業車両10の直進状態)から右方向に操舵させる。ステアリングホイール1の回転は、ステアリングシャフト2を介してインナースリーブ23Bに伝達される。これにより、インナースリーブ23Bはステアリングホイール1の操舵量に応じた角度アウタースリーブ23Aに対して相対回転し、制御バルブ23が中立位置Aから切換位置Bに切り換わる。
制御バルブ23が切換位置Bに切り換わると、ポンプ21から吐出された作動油は、供給ポート23a及び第2シリンダポート23cを通じて、油圧シリンダ22aのピストン側室および油圧シリンダ22bのロッド側室に供給される。これと同時に、油圧シリンダ22aのロッド側室および油圧シリンダ22bのピストン側室の作動油が、第1シリンダポート23b及び排出ポート23dを通じてタンク24に排出される。これにより、油圧シリンダ22aは伸長動作する一方、油圧シリンダ22bは収縮動作するため、前部車体11が、後部車体12に対して右方向に屈曲するように移動する。
上述のように、アウタースリーブ23Aは、前部車体11が後部車体12に対して屈曲した角度(屈曲角θ)に応じて回転する。これにより、油圧シリンダ22aが伸長し、油圧シリンダ22bが収縮して屈曲角θがステアリングホイール1の操舵量に応じた角度に近づくにつれて、アウタースリーブ23Aとインナースリーブ23Bとの相対角度は徐々に小さくなる。そして、アウタースリーブ23Aとインナースリーブ23Bとの相対角度が0(ゼロ)になると、制御バルブ23は中立位置Aに戻る。このようにして、ステアリングホイール1の操舵量に応じて前部車体11は後部車体12に対して回動する。
次に、作業車両10を左方向に所定の角度回動させる場合について説明する。操縦者は、ステアリングホイール1を中立状態(作業車両10の直進状態)から左方向に操舵させる。ステアリングホイール1の回転は、ステアリングシャフト2を介してインナースリーブ23Bに伝達される。これにより、インナースリーブ23Bはステアリングホイール1の操舵量に応じた角度アウタースリーブ23Aに対して相対回転し、制御バルブ23が中立位置Aから切換位置Cに切り換わる。
制御バルブ23が切換位置Cに切り換わると、ポンプ21から吐出された作動油は、供給ポート23a及び第1シリンダポート23bを通じて、油圧シリンダ22aのロッド側室および油圧シリンダ22bのピストン側室に供給される。これと同時に、油圧シリンダ22aのピストン側室および油圧シリンダ22bのロッド側室の作動油が、第2シリンダポート23c及び排出ポート23dを通じてタンク24に排出される。これにより、油圧シリンダ22aは収縮動作を開始する一方、油圧シリンダ22bは伸長動作するため、前部車体11が、後部車体12に対して左方向に屈曲するように移動する。
上述のように、アウタースリーブ23Aは、前部車体11が後部車体12に対して屈曲した角度(屈曲角θ)に応じて回転する。これにより、油圧シリンダ22aが収縮し、油圧シリンダ22bが伸長して屈曲角θがステアリングホイール1の操舵量に応じた角度に近づくにつれて、アウタースリーブ23Aとインナースリーブ23Bとの相対角度は徐々に小さくなる。そして、アウタースリーブ23Aとインナースリーブ23Bとの相対角度が0(ゼロ)になると、制御バルブ23は中立位置Aに戻る。このようにして、ステアリングホイール1の操舵量に応じて前部車体11は後部車体12に対して回動する。
ステアリングホイール1と前部車体11は機械的につながっていないため、前部車体11が後部車体12に対して回動するときに、操縦者は、前部車体11のホイール14が受ける反力をステアリングホイール1から感じることができない。このため、油圧式ステアリング装置100には、操縦者が操舵状態に応じた反力をステアリングホイール1から感じることができるように反力付与装置30が設けられる。以下に、反力付与装置30の構成について、図2から図4を参照しながら説明する。
図2に示すように、反力付与装置30は、ステアリングシャフト2に反力を付与する電動モータ31と、電動モータ31の回転をステアリングシャフト2に減速して伝達する第1、第2減速機32、33と、電動モータ31を制御するコントローラ40と、を備える。電動モータ31は、操縦者によるステアリングホイール1の操舵に対して反力を付与するための動力源である。電動モータ31には、印加される電流を検出する電流センサ9が設けられる。電動モータ31が出力する回転トルクは、第1、第2減速機32、33によって減速されてステアリングシャフト2の出力シャフト4に反力として伝達される。第1減速機32は遊星歯車式の減速機であり、第2減速機33はウォーム減速機である。なお、減速機は、第2減速機33のみであってもよい。
次に、図3及び図4を参照して、コントローラ40について説明する。図3は、コントローラ40のブロック図である。
コントローラ40は、電動モータ31の動作を制御するCPUと、CPUの処理動作に必要な制御プログラムやマップ等が記憶されたROMと、操舵角センサ6などの各種センサが取得した情報を一時的に記憶するRAMと、を備える。
コントローラ40は、操舵角センサ6によって取得された操舵角に基づいて、ステアリングシャフト2に付与する反力の目標値としての目標電流Iを決定する目標反力決定部41と、目標反力決定部41によって決定された目標値に基づいて電動モータ31に印加する電流を制御するモータ制御部42と、を有する。目標反力決定部41には、図4に示すマップがあらかじめ記憶されている。
目標反力決定部41には、操舵角センサ6によって取得された操舵角が入力される。目標反力決定部41は、図4に示すマップを基に、入力された操舵角に応じた目標電流Iを決定してモータ制御部42に出力する。
図4に示すマップは、操舵角センサ6によって取得された操舵角と目標電流Iとの関係を示している。図4に示すマップでは、目標電流Iは操舵角の大きさに応じて比例的に変化する。具体的には、操舵角が右方向に大きくなるにつれて、目標電流Iは負側に大きくなる。逆に、操舵角が左方向に大きくなるにつれて、目標電流Iは正側に大きくなる。目標電流Iが負側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を左方向に回転させる反力を発生し、目標電流Iが正側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を右方向に回転させる反力を発生する。
モータ制御部42は、PI制御を実施するための比例・積分部43と、電動モータ31に印加する電流を制御する駆動制御部44と、を備える。比例・積分部43は、目標電流Iと電流センサ9によって検出された電流との偏差に対してPI制御を実施して駆動目標電流を演算する。駆動制御部44は、演算された駆動目標電流に基づいて電動モータ31に印加する電流を制御する。
次に、反力付与装置30の具体的な作用について説明する。
操縦者が、ステアリングホイール1を操舵すると、ステアリングホイール1に連結されたステアリングシャフト2が回転する。このとき、操舵角センサ6は、ステアリングシャフト2の回転角、つまり、ステアリングホイール1の操舵角を取得し、取得した操舵角の信号をコントローラ40に出力する(図2及び図3参照)。
コントローラ40は、目標反力決定部41において、図4に示すマップを参照して、入力された操舵角から目標電流Iを決定する。コントローラ40は、モータ制御部42によって目標電流Iに応じた反力を発生させるように電動モータ31を制御する。電動モータ31が出力する回転トルクは、第1、第2減速機32、33によって減速されてステアリングシャフト2の出力シャフト4に反力として伝達される。さらに、この反力は、ステアリングシャフト2に連結されたステアリングホイール1に伝達される。その後は、電流センサ9によって電動モータ31に流れる電流を取得してフィードバック制御を行う。
油圧式ステアリング装置100では、ステアリングホイール1の操舵角が大きいほど、目標電流Iは大きくなる。つまり、ステアリングホイール1の操舵角が大きいほど、反力は大きくなる。これにより、操縦者がステアリングホイール1を操舵したときに、操舵角に応じた反力がステアリングホイール1に作用するので、ステアリングホイール1がどのような操舵角にあるのかを感覚的に認識することができる。
以上の第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
油圧式ステアリング装置100では、反力付与装置30が操舵角センサ6によって取得された操舵角に基づいてステアリングシャフト2に反力が付与される。これにより、操縦者がステアリングホイール1から操舵状態に応じた反力を感じることができる。つまり、操舵フィーリングが向上する。また、反力を操舵角に応じて比例的に変化させることで、ステアリングホイール1の操舵角の大きさを感覚的に認識することができる。
油圧式ステアリング装置100では、反力付与装置30によってステアリングホイール1が中立位置以外の場合に常に反力が発生する。つまり、反力付与装置30は、ステアリングホイール1を常に中立位置に向かって付勢する。したがって、ステアリングホイール1を操舵した後に、中立状態に戻す操作を小さな力で行うことができる。また、ステアリングホイール1の中立状態が維持されやすくなるので、作業車両10の直進性を確保することができる。
<第2実施形態>
図5及び図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る油圧式ステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の油圧式ステアリングと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図5及び図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る油圧式ステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の油圧式ステアリングと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、操舵角センサ6によって取得された操舵角に基づいて目標電流Iを決定しているが、第2実施形態では、これに加えて、車速センサ8によって取得された車速に応じて目標電流Iが決定される点で、上記第1実施形態と相違する。
作業車両10には、作業車両10の速度を取得する車速取得部としての車速センサ8が設けられる。コントローラ140には、車速センサ8が取得した作業車両10の速度が入力される。コントローラ140は、操舵角センサ6によって取得された操舵角と車速センサ8によって取得された車速とに応じてステアリングシャフト2に付与する反力の目標電流Iを決定する目標反力決定部141を備える。目標反力決定部141には、図6に示すマップがあらかじめ記憶されている。
図6に示すマップは、操舵角センサ6によって取得された操舵角と目標電流Iとの関係を示している。さらに、図6に示すマップは、低速、中速、高速に対応した特性を有している。低速、中速、高速に対応した各特性は、目標電流Iが操舵角の大きさに応じて比例的に変化する。具体的には、操舵角が右方向に大きくなるにつれて、目標電流Iは負側に大きくなる。逆に、操舵角が左方向に大きくなるにつれて、目標電流Iは正側に大きくなる。目標電流Iが負側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を左方向に回転させる反力を発生し、目標電流Iが正側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を右方向に回転させる反力を発生する。
中速に対応する特性は、低速に対応する特性よりも操舵角の変化に対する目標電流Iの変化の割合が小さくなるように設定される。このため、操舵角が同じであっても、中速時には低速時に比べて小さな反力が付与されることになる。高速に対応する特性は、中速に対応する特性よりも操舵角の変化に対する目標電流Iの変化の割合がさらに小さくなるように設定される。このため、操舵角が同じであっても、高速時には中速時に比べてさらに小さな反力が付与されることになる。
目標反力決定部141は、車速センサ8によって取得された車速に応じて低速、中速、高速のいずれかの特性を選択する。さらに、目標反力決定部141は、選択された特性を参照して操舵角センサ6によって取得された操舵角から目標電流Iを決定する。なお、図6では、低圧、中圧、及び高圧の特性は段階的なものを示しているが、連続的に特性を変化させてもよい。
このようにして決定された目標電流Iは、モータ制御部42に入力される。モータ制御部42による電動モータ31の制御は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
反力付与装置30は、操舵角センサ6によって取得された操舵角と車速センサ8によって取得された作業車両10の車速とに基づいた反力をステアリングシャフト2に付与する。これにより、ステアリングシャフト2には、ステアリングホイール1の操舵角に加え、車速に応じた反力が付与されるので、操舵フィーリングが向上する。
<第3実施形態>
図7を参照して、本発明の第3実施形態に係る油圧式ステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の油圧式ステアリングと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図7を参照して、本発明の第3実施形態に係る油圧式ステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の油圧式ステアリングと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態では、ステアリングシャフト2におけるステアリングホイール1と反力付与装置30との間に作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ7を備え、電動モータ31が目標電流Iと操舵トルクとの差に基づいて制御される点で、上記第1実施形態と相違する。
上述のように、ステアリングホイール1に連係して操舵トルクが伝達される入力シャフト3と、下端がインナースリーブ23Bに連結される出力シャフト4と、の間にはトーションバー5が設けられている(図2参照)。操縦者がステアリングホイール1を操舵しているときに、電動モータ31によってステアリングシャフト2に反力が付与されると、トーションバー5にトルク(ねじれ)が生じる。このトルク(以下では、「操舵トルク」と称する。)は、操舵トルクセンサ7によって検出される。操舵トルクは、操縦者がステアリングホイール1を操舵した際に実際に感じる反力に相当する。目標電流Iに基づいて電動モータ31がステアリングシャフト2に付与した反力は、ステアリングホイール1に伝達されるまでに機械的なロスなどによって小さくなってしまうことがある。つまり、操縦者がステアリングホイール1から感じる反力は、目標とする反力よりも小さくなってしまうことがある。そこで、コントローラ240は、操縦者がステアリングホイール1から感じる反力を、目標とする反力に一致させるように、目標電流Iと操舵トルクとの差に基づいて電動モータ31をフィードバック制御する。これにより、操縦者がステアリングホイール1から感じる反力を、目標とする反力に一致させることができる。以下に、具体的な構成について説明する。
図7に示すように、コントローラ240は、目標電流Iから操舵トルクセンサ7によって検出された操舵トルクを減算する。つまり、コントローラ240は、目標電流Iと操舵トルク操舵トルクとの差を演算する。コントローラ240は、目標電流Iと操舵トルクとの差に対して比例部246においてP制御を実施しモータ制御部42に最終的な目標値を入力する。なお、モータ制御部42による電動モータ31の制御は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。なお、比例部246においてP制御を実施したが、PI制御やPID制御であってもよい。
以上の第3実施形態によれば、第1実施形態の作用効果に加えて、以下の効果を奏する。
電動モータ31は、目標反力決定部41によって決定された目標電流Iと操舵トルクセンサ7によって検出された操舵トルクとの差に基づいて、操縦者がステアリングホイール1から感じる反力が目標とする反力に一致するように制御される。これにより、ステアリングシャフト2に対して目標とする反力を確実に付与することができる。
<第4実施形態>
図8及び図9を参照して、本発明の第4実施形態に係る油圧式ステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の油圧式ステアリングと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図8及び図9を参照して、本発明の第4実施形態に係る油圧式ステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の油圧式ステアリングと同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第4実施形態では、コントローラ340が速度演算部345を備える点で、上記第1実施形態と相違する。
図8に示すように、コントローラ340は、操舵角センサ6によって検出された操舵角に基づいてステアリングホイール1の操舵速度を演算する速度演算部345をさらに備える。
速度演算部345は、単位時間当たりの操舵角の変化からステアリングホイール1の操舵速度を演算する。
速度演算部345には、図9に示すマップがあらかじめ記憶されている。速度演算部345は、図9に示すマップを基に、演算されたステアリングホイール1の操舵速度に応じた速度補償電流Isを決定する。
図9に示すマップは、演算されたステアリングホイール1の操舵速度と速度補償電流Isとの関係を示している。図9に示すマップでは、速度補償電流Isは操舵速度の大きさに応じて比例的に変化する。具体的には、ステアリングホイール1が右方向に操舵されている状態では、操舵速度が大きくなるにつれて、速度補償電流Isは負側に大きくなる。逆に、ステアリングホイール1が左方向に操舵されている状態では、操舵速度が大きくなるにつれて、速度補償電流Isは正側に大きくなる。速度補償電流Isが負側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を左方向に回転させる反力を発生し、速度補償電流Isが正側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を右方向に回転させる反力を発生する。
目標電流Iには、このようにして決定された速度補償電流Isが加算されて、モータ制御部42に入力される。言い換えると、目標電流Iは、速度補償電流Isによって補正されてモータ制御部42に入力される。これにより、ステアリングシャフト2には、ステアリングホイール1の操舵角に加え、ステアリングホイール1の操舵速度に応じた反力が付与される。なお、モータ制御部42による電動モータ31の制御は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
以上の第4実施形態によれば、第1実施形態の作用効果に加えて、以下の効果を奏する。
ステアリングシャフト2に付与される反力の目標電流Iは、速度演算部345によって演算された速度補償電流Isによって補正される。したがって、ステアリングシャフト2には、ステアリングホイール1の操舵角に加え、ステアリングホイール1の操舵速度に応じた反力が付与されるので、操舵速度をステアリングホイール1から感覚的に認識することができる。具体的には、例えば、ステアリングホイール1の操舵速度が速い場合に、ステアリングホイール1の操舵に対して、前部車体11の回動が追従しないことがある。このような場合には、ステアリングシャフト2に付与される反力を大きくすることで、操縦者に操舵速度が速いことを認識させ、前部車体11の回動が追従しない可能性のある操舵であることを認識させることができる。
<第5実施形態>
図10〜図12を参照して、本発明の第5実施形態に係る油圧式ステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の油圧式ステアリング装置100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図10〜図12を参照して、本発明の第5実施形態に係る油圧式ステアリング装置について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態の油圧式ステアリング装置100と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、操舵角センサ6によって取得された操舵角に基づいて目標電流Iを決定しているが、第5実施形態では、操舵角センサ6によって取得された操舵角と屈曲角センサ16によって取得された屈曲角との角度差に基づいて目標電流Iを決定する点、及び角度差の変化率に基づいて目標電流Iを補正する点で、上記第1実施形態と相違する。
図10に示すように、コントローラ440には、屈曲角センサ16によって取得された屈曲角が入力される。コントローラ440は、操舵角センサ6によって取得された操舵角と屈曲角センサ16によって取得された屈曲角との角度差に基づいて、ステアリングシャフト2に付与する反力の目標電流Iを決定する目標反力決定部441と、を備える。目標反力決定部441には、図11に示すマップがあらかじめ記憶されている。
目標反力決定部441には、操舵角センサ6によって取得された操舵角と屈曲角センサ16によって取得された屈曲角との角度差が入力される。目標反力決定部441は、図11に示すマップを基に、入力された角度差に応じた目標電流Iを決定する。
図11に示すマップは、操舵角と屈曲角との角度差と、目標電流Iとの関係を示している。図11に示すマップでは、目標電流Iは角度差の大きさに応じて比例的に変化する。具体的には、ステアリングホイール1が右方向に操舵されている状態では、操舵角と屈曲角との角度差が大きくなるにつれて、目標電流Iは負側に大きくなる。逆に、ステアリングホイール1が左方向に操舵されている状態では、操舵角と屈曲角との角度差が大きくなるにつれて、目標電流Iは正側に大きくなる。目標電流Iが負側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を左方向に回転させる反力を発生し、目標電流Iが正側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を右方向に回転させる反力を発生する。
コントローラ440は、操舵角と屈曲角との角度差の変化率を演算する変化率演算部442をさらに備える。変化率演算部442は、単位時間当たりの角度差の変化から角度差の変化率を演算する。
変化率演算部442には、図12に示すマップがあらかじめ記憶されている。変化率演算部442は、図12に示すマップを基に、演算されたステアリングホイール1の角度差の変化率に応じた変化率補償電流Irを決定する。
図12に示すマップは、演算された角度差の変化率と変化率補償電流Irとの関係を示している。図12に示すマップでは、変化率補償電流Irは操舵速度の大きさに応じて比例的に変化する。具体的には、ステアリングホイール1が右方向に操舵されている状態では、変化率が大きくなるにつれて、変化率補償電流Irは負側に大きくなる。逆に、ステアリングホイール1が左方向に操舵されている状態では、変化率が大きくなるにつれて、変化率補償電流Irは正側に大きくなる。変化率補償電流Irはが負側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を左方向に回転させる反力を発生し、変化率補償電流Irはが正側の場合には、電動モータ31はステアリングシャフト2を右方向に回転させる反力を発生する。
目標反力決定部441によって決定された目標電流Iは、変化率演算部442にて決定された変化率補償電流Irが加算されて、モータ制御部42に入力される。言い換えると、目標電流Iは、変化率補償電流Irによって補正されてモータ制御部42に入力される。補正された目標電流Iは、モータ制御部42に入力される。モータ制御部42による電動モータ31の制御は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
このように、操舵角と屈曲角との角度差に基づいて電動モータ31を制御することにより、操縦者はステアリングホイール1から角度差に応じた反力を感じることができる。具体的には、例えば、作業車両10がぬかるみなど走行している場合に、ステアリングホイール1の操舵に対して前部車体11が追従しないことがある。このような場合には、操舵角と屈曲角との角度差が大きい状態が持続されるので、ステアリングシャフト2に付与される反力も大きい状態に維持される。これにより、操縦者は、ステアリングホイール1の操舵に対して前部車体11が追従できていないことを、ステアリングホイール1から感覚的に認識できる。
また、目標電流Iを変化率補償電流Irによって補正することで、ステアリングホイール1の操舵に対して前部車体11の追従がさらに遅れてしまうような場合に、ステアリングシャフト2に付与される反力が大きくなる。これにより、操縦者は、追従の更なる遅れをステアリングホイール1から感覚的に認識できる。
以上の第5実施形態によれば、以下の効果を奏する。
ステアリングシャフト2に付与される反力の目標電流Iは、操舵角と屈曲角との角度差に基づいて決定される。これにより、操縦者はステアリングホイール1から角度差に応じた反力を感じることができ、ステアリングホイール1を操舵したときに、前部車体11が追従しているかどうかを感覚的に認識できる。
また、ステアリングシャフト2に付与される反力の目標電流Iは、操舵角と屈曲角との角度差の変化率によって補正される。これにより、操縦者は、追従の遅れの変化をステアリングホイール1から感覚的に認識できる。
変化率演算部442は、反力の精度をより向上させるものであって、必須の構成ではない。
なお、第5実施形態における目標電流Iを、第2実施形態の如く、作業車両10の車速に基づいて決定してもよい。また、第5実施形態における目標電流Iを、第3実施形態の如く、目標電流Iと操舵トルクセンサ7によって検出された操舵トルクとの差に基づいて、電動モータ31を制御するように構成してもよい。
上記第1〜第5実施形態では、操舵部材が回転型であるステアリングホイール1を例にして説明したが、操舵部材は、図13に示すような揺動レバーであってもよい。以下に、揺動レバー51を用いた変形例について説明する。
図13に示す変形例では、揺動レバー51を中立位置に付勢する付勢ばね52が揺動方向の両側に設けられる。これにより、揺動レバー51を操舵したときには、付勢ばね52によって反力が揺動レバー51に作用する。したがって、反力付与装置30が万が一故障してステアリングシャフト2に反力を付与することができなくなっても、付勢ばね52の付勢力によって反力が付与されているので揺動レバー51の操舵状態を感覚的に認識することができる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
油圧式ステアリング装置100は、ポンプ21から供給される作動流体によって駆動され、操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)の操作量に応じて前部車体11を後部車体12に対して揺動させる流体圧アクチュエータ(油圧シリンダ22a、22b)と、操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)に連結された操舵軸(ステアリングシャフト2)の操舵角を取得する操舵角取得部(操舵角センサ6)と、操舵軸(ステアリングシャフト2)に対して操舵方向とは反対の方向に反力を付与する反力付与装置30と、を備え、反力付与装置30は、操舵軸(ステアリングシャフト2)に反力を付与する電動モータ31と、操舵角取得部(操舵角センサ6)によって取得された操舵角に基づいて、操舵軸(ステアリングシャフト2)に付与する反力の目標値(目標電流I)を決定する目標反力決定部41、141、441と、を有し、電動モータ31は、目標反力決定部41、141、441によって決定された目標値(目標電流I)に基づいて制御されることを特徴とする。
この構成によれば、操舵角取得部(操舵角センサ6)によって取得された操舵角に基づいて電動モータ31を制御することによって、操舵軸(ステアリングシャフト2)に反力が付与される。これにより、操縦者が操舵軸(ステアリングシャフト2)から操舵状態に応じた反力を感じることができるので、操舵フィーリングが向上する。
また、油圧式ステアリング装置100では、操舵軸(ステアリングシャフト2)に付与される反力の目標値(目標電流I)は、作業車両10の車速に応じて決定されることを特徴とする。
この構成によれば、操舵軸(ステアリングシャフト2)には、操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)の操舵角に加え、車速に応じた反力が付与されるので、操舵フィーリングが向上する。
また、油圧式ステアリング装置100は、操舵軸(ステアリングシャフト2)における操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)と反力付与装置30との間に作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ7をさらに備え、電動モータ31は、目標反力決定部41、141、441によって決定された目標値(目標電流I)と、操舵トルクセンサ7によって検出された操舵トルクと、の差に基づいて制御されることを特徴とする。
この構成では、電動モータ31は、目標反力決定部41、141、441によって決定された目標値(目標電流I)と、操舵トルクセンサ7によって検出された操舵トルクと、の差に基づいて制御されるので、操舵軸(ステアリングシャフト2)に作用する反力を精度良く付与することができる。
また、油圧式ステアリング装置100は、操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)の速度を演算する速度演算部345をさらに備え、操舵軸(ステアリングシャフト2)に付与される反力の目標値(目標電流I)は、速度演算部345によって演算された速度によって補正されることを特徴とする。
この構成によれば、操舵軸(ステアリングシャフト2)には、操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)の操舵角に加え、操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)の操舵速度に応じた反力が付与されるので、操舵フィーリングが向上する。
また、油圧式ステアリング装置100では、目標反力決定部441は、操舵角取得部(操舵角センサ6)によって取得された操舵角と、前部車体11と後部車体12との屈曲角θと、の差に基づいて、操舵軸(ステアリングシャフト2)に付与する反力の目標値(目標電流I)を決定することを特徴とする。
この構成によれば、操舵角と屈曲角θとの差に基づいて、操舵軸(ステアリングシャフト2)に反力が付与されるため、操縦者は、操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)の操舵に対して前部車体11が追従できていないことを操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)から感覚的に認識できる。
また、油圧式ステアリング装置100では、反力付与装置30は、操舵角と屈曲角との差の変化率を演算する変化率演算部442をさらに備え、操舵軸(ステアリングシャフト2)に付与される反力の目標値(目標電流I)は、変化率演算部442によって演算された変化率によって補正されることを特徴とする。
操舵軸(ステアリングシャフト2)に付与される反力の目標値は、操舵角と屈曲角との差の変化率によって補正されるので、操縦者は、追従の遅れの変化を操舵部材(ステアリングホイール1、揺動レバー51)から感覚的に認識できる。
また、操作部材は、揺動レバー51であって、揺動レバー51には、揺動レバー51を中立位置に付勢する付勢ばね52が揺動方向の両側に設けられることを特徴とする。
この構成によれば、反力付与装置30が万が一故障して操舵軸(ステアリングシャフト2)に反力を付与することができなくなっても、付勢ばね52の付勢力によって操舵状態を感覚的に認識することができる。
第1実施形態から第5実施形態における制御は、適宜組み合わせることができる。また、上記実施形態では、制御バルブ23をロータリー式として説明したが、制御バルブ23に対して屈曲角θをフィードバックできる構成を備えていれば、スプール式やポペット式など他の形式のものであってもよい。また、制御バルブ23をパイロットバルブとして使用してもよい。この場合には、油圧シリンダ22a、22bを制御するための制御バルブを別途設け、この制御バルブのパイロット圧力を制御バルブ23によって制御する。さらに、制御バルブ23をパイロットバルブとして使用する場合には、ポンプ21の他に、制御バルブ23に作動油を供給するパイロットポンプを別途設けてもよい。
各実施形態におけるマップにおいて、目標電流Iに上限を設けてもよい。これにより、反力が過剰に付与されることがない。各実施形態において、マップを使用せずに目標電流Iを演算によって決定してもよい。
また、図4、図6などに示すマップは、操舵方向が右方向と左方向で同じ反力が発生するような特性になっているが、右方向と左方向で特性を異ならせてもよい。例えば、揺動レバー51は通常片手で操作するので、操縦者が手に感じる反力は、感覚的に右方向と左方向(押す方向と引く方向)とで異なる。したがって、上述のように、右方向と左方向で特性を異ならせることにより、右方向と左方向(押す方向と引く方向)とで反力を同じ程度のものとして感じることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100・・・油圧式ステアリング装置、1・・・ステアリングホイール(操舵部材)、2・・・ステアリングシャフト(操舵軸)、5・・・トーションバー、6・・・操舵角センサ(操舵角取得部)、7・・・操舵トルクセンサ、8・・・車速センサ(車速取得部)、9・・・電流センサ、10・・・作業車両、11・・・前部車体、12・・・後部車体、13・・・ピン(連結機構)、16・・・屈曲角センサ、21・・・ポンプ、22a,22b・・・油圧シリンダ(流体圧アクチュエータ)、23・・・制御バルブ、30・・・反力付与装置、31・・・電動モータ、40,140,240,340,440・・・コントローラ 、41、141,441・・・目標反力決定部、42・・・モータ制御部、51・・・揺動レバー(操舵部材)、52・・・付勢ばね、345・・・速度演算部 、442・・・変化率演算部
Claims (7)
- 前部車体と、連結機構によって前記前部車体と揺動自在に連結された後部車体と、を有する作業車両を操舵する油圧式ステアリング装置であって、
ポンプから供給される作動流体によって駆動され、操舵部材の操作量に応じて前記前部車体を前記後部車体に対して揺動させる流体圧アクチュエータと、
前記操舵部材に連結された操舵軸の操舵角を取得する操舵角取得部と、
前記操舵軸に対して操舵方向とは反対の方向に反力を付与する反力付与装置と、を備え、
前記反力付与装置は、
前記操舵軸に反力を付与する電動モータと、
前記操舵角取得部によって取得された前記操舵角に基づいて、前記操舵軸に付与する反力の目標値を決定する目標反力決定部と、を有し、
前記電動モータは、前記目標反力決定部によって決定された前記目標値に基づいて制御されることを特徴とする油圧式ステアリング装置。 - 前記操舵軸に付与される反力の前記目標値は、前記作業車両の車速に応じて決定されることを特徴とする請求項1に記載された油圧式ステアリング装置。
- 前記操舵軸における前記操舵部材と前記反力付与装置との間に作用する操舵トルクを検出するトルクセンサをさらに備え、
前記電動モータは、前記目標反力決定部によって決定された前記目標値と、前記トルクセンサによって検出された前記操舵トルクと、の差に基づいて制御されることを特徴とする請求項1または2に記載された油圧式ステアリング装置。 - 前記反力付与装置は、前記操舵部材の速度を演算する速度演算部をさらに備え、
前記操舵軸に付与される反力の前記目標値は、前記速度演算部によって演算された前記速度によって補正されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載された油圧式ステアリング装置。 - 前記目標反力決定部は、前記操舵角取得部によって取得された前記操舵角と、前記前部車体と前記後部車体との屈曲角と、の差に基づいて、前記操舵軸に付与する反力の前記目標値を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された油圧式ステアリング装置。
- 前記反力付与装置は、前記操舵角と前記屈曲角との差の変化率を演算する変化率演算部をさらに備え、
前記操舵軸に付与される反力の前記目標値は、前記変化率演算部によって演算された前記変化率によって補正されることを特徴とする請求項5に記載された油圧式ステアリング装置。 - 前記操作部材は、揺動レバーであって、
前記揺動レバーには、前記揺動レバーを中立位置に付勢する付勢ばねが揺動方向の両側に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の油圧式ステアリング装置。
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