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JP2017031462A - 水アトマイズ金属粉末の製造方法 - Google Patents

水アトマイズ金属粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水アトマイズ法で分断された溶融金属の液滴に生じる蒸気膜の形成による冷却速度の低下を回避して非晶質化に必要な冷却速度を確保でき、高い非晶質化率を有し、かつ略球状の水アトマイズ金属粉末を低コストで製造できる水アトマイズ金属粉末の製造方法を提供する。
【解決手段】溶融金属保持容器から溶湯ノズルを介し流下する溶融金属流に水冷ノズルを介して水を噴射し、該溶融金属流を分断して溶融金属の液滴とする一次冷却と、さらに冷却して水アトマイズ金属粉末とする二次冷却と、を有する水アトマイズ金属粉末の製造方法において、前記溶融金属流を分断する水が該溶融金属流を一葉双曲面状に取り囲むように前記一次冷却の水を連続的に噴射するとともに、前記溶融金属の液滴に、その落下途中の、該溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲内の温度である位置で、水冷ノズルを介して二次冷却水を噴射する冷却を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水アトマイズ装置を用いた金属粉末(以下、水アトマイズ金属粉末ともいう)の製造方法に係り、特に水アトマイズ金属粉末の非晶質化率の向上方法に関する。
従来から、金属粉末を製造する方法として、アトマイズ法がある。このアトマイズ法には、溶融金属の流れに高圧の水ジェットを噴射して金属粉末を得る水アトマイズ法、水ジェットに代えて不活性ガスを噴射するガスアトマイズ法などがある。
水アトマイズ法では、ノズルより噴射した水ジェットで溶融金属の流れを分断し、粉末状の金属(金属粉末)とするとともに、水ジェットで粉末状の金属(金属粉末)の冷却も行ってアトマイズ金属粉末を得ている。一方、ガスアトマイズ法では、ノズルより噴射した不活性ガスにより溶融金属の流れを分断し、粉末状の金属としたのち、通常、粉末状の金属を、アトマイズ装置の下に備えられた水槽、あるいは流水のドラム中に落下させて、粉末状の金属(金属粉末)の冷却を行ってアトマイズ金属粉末を得ている。
金属粉末を製造する上では、水アトマイズ法はガスアトマイズ法に比べて、生産能力が高く、かつ安価な製造法であるといわれている。ガスアトマイズ法では、アトマイズする際に、不活性ガスを使用する必要があり、かつアトマイズする際のエネルギー力も水アトマイズ法には劣る。
近年、省エネルギーの観点から、例えば電気自動車やハイブリッド車に使用されるモーターコアの低鉄損化及び小型化が要望されている。従来、モーターコアは、電磁鋼板を薄くして積層させて製作されてきたが、最近では、形状設計の自由度が高い金属粉末(電磁鉄粉)を圧縮成型して作製した圧粉磁芯が注目されている。このような圧粉磁芯の低鉄損化のためには、使用する素材の金属粉末の低鉄損化が必要となる。低鉄損の金属粉末とするには、金属粉末を非晶質化(アモルファス化)することが有効であると考えられる。また、小型化・軽量化の為には圧粉磁芯の磁束密度を向上することが必要である。磁束密度を向上するためには金属粉末中のFe濃度を上げる必要がある。更に、金属粉末の磁束密度を向上させたとしても、圧粉磁芯中の磁性体の充填密度が低ければ、圧粉磁芯の磁束密度を向上する効果が得られない。非晶質化した金属粉末は結晶質の金属粉末に比べて硬質であるため、通常の結晶質の金属粉末に比べて成形時の塑性変形による充填密度上昇の効果が得にくい。このため、金型への金属粉末の充填密度をあらかじめ高める必要があり、このことから金属粉末の形状は高充填密度が得られる球状であることが好ましい。
高い飽和磁束密度を有し、優れた軟磁性特性を有するFe基ナノ結晶合金を得るための出発原料となる合金組成の例として、例えば特許文献1には、主相として非晶質相を有している組成式FeSiCCuで、a:79〜86at%、b:5〜13at%、c:0〜8at%、x:1〜8at%、y:0〜4at%、z:0.4〜1.4at%である合金組成物が記載されている。この合金組成物は、主相としてアモルファス相を有し、非晶質と該非晶質中に存在する初期微結晶とからなるナノヘテロ構造を呈するとしている。また、これら合金組成物に熱処理を施すと、bccFe相からなるナノ結晶を析出させることができ、飽和磁束密度が高い、Fe基ナノ結晶合金粉末とすることができるとしている。
しかし、水アトマイズ法では、高温の溶融金属に水ジェットを噴射させて金属粉末とする際に、高温の溶融金属に水が接すると、一瞬のうちに蒸発して溶融状態を含む金属粉末(液滴)の表面に蒸気膜を形成する。このため、溶融状態を含む金属粉末(液滴)と冷却水との蒸気膜が形成され、液滴と冷却水との直接接触を妨げる膜沸騰状態となる。そのため、水アトマイズ法では、溶融状態を含む金属粉末の冷却速度を高めることが難しくなるという問題があった。
このようなことから、金属粉末を急冷する方法がいくつか提案されている。
例えば、特許文献2には、溶融金属を飛散させつつ冷却・固化させ金属粉末を得る際に、固化するまでの冷却速度が10K/s以上とする金属粉末の製造方法が記載されている。特許文献2に記載された技術では、飛散させた溶融金属を、筒状体の内壁面に沿って冷却液を旋回させることにより生じた冷却液流に接触させることにより、上記した冷却速度が得られるとしている。そして、冷却液を旋回させることにより生じた冷却液流の流速は5〜100m/sとすることが好ましいとしている。
また、特許文献3には、急冷凝固金属粉末の製造方法が記載されている。特許文献3に記載された技術では、内周面が円筒面である冷却容器の円筒部上端部外周側より、冷却液を周方向より供給し円筒部内周面に沿って旋回させながら流下させ、その旋回による遠心力で、中心部に空洞を有する層状の旋回冷却液層を形成し、その旋回冷却液層の内周面に金属溶湯を供給して急冷凝固させる。これにより、冷却効率がよく、高品質の急冷凝固粉末が得られるとしている。
また、特許文献4には、流下する溶鋼にガスジェットを噴射して溶滴に分断するためのガスジェットノズルと、内周面に旋回しながら流下する冷却液層を有する冷却用筒体とを備える、ガスアトマイズ法による金属粉末の製造装置が記載されている。特許文献4に記載された技術では、溶融金属が、ガスジェットノズルと旋回する冷却液層とにより、二段階に分断され、微細化された急冷凝固金属粉末が得られるとしている。
また、特許文献5には、溶融金属を液状の冷媒中に供給し、冷媒中で溶融金属を覆う蒸気膜を形成し、できた蒸気膜を崩壊させて溶融金属と冷媒とを直接接触させて自然核生成による沸騰を起こさせその圧力波を利用し溶融金属を引きちぎりながら急速に冷却しアモルファス化して、アモルファス金属微粒子とする、アモルファス金属微粒子の製造方法が記載されている。溶融金属を覆う蒸気膜の崩壊は、冷媒へ供給する溶融金属の温度を冷媒に直接接触した場合に界面温度が膜沸騰下限温度以下で自発核生成温度以上の温度とするか、超音波照射するか、により可能であるとしている。
また、特許文献6には、溶融した材料を、液体冷媒の中に液滴又はジェット流として供給する際に、溶融した材料の温度を、液体冷媒と直接接触する際に、液体冷媒の自発核生成温度以上で溶融状態であるように設定し、さらに、液体冷媒の流れに入ったときの溶融した材料の速度と液体冷媒の流れの速度との相対速度差を10m/s以上となるようにして、溶融した材料の周囲に形成された蒸気膜を強制的に崩壊させて自発核生成による沸騰を生じさせ、微粒化すると共に冷却固化する微粒子の製造方法が記載されている。これにより、従来は困難であった材料でも、微粒子化、非晶質化することができるとしている。
また、特許文献7には、母材となる材料に機能性添加材を添加した原料を溶融し、液体冷媒の中に供給することにより、蒸気爆発により微細化するとともに冷却固化する際に冷却速度を制御することにより偏析のない多結晶又は非晶質である均質な機能性微粒子を得る工程と、この機能性微粒子と前記母材の微粒子とを原料として用いて固化して機能部材を得る工程とを具備する機能部材の製造方法が記載されている。
また、特許文献8には、非晶質合金粉末の製造方法が記載されている。特許文献8に記載された技術では、合金の溶湯を細孔から流下して高速液体で吹きつけ、溶湯を粉化するとともに急冷凝固して非晶質合金粉末とするにあたり、溶湯を粉化する箇所の周囲に吸引管を配置し20mmHO〜200mmHOの圧力差で吸引するとしている。これにより、完全に非晶質化し、しかも不規則形状化した合金粉末を得ることができるとしている。
また、特許文献9には、非晶質合金粉末の製造方法が記載されている。特許文献9に記載された技術では、合金の溶湯を細孔から流下させる工程と、流下した溶湯に高速液体を吹きつけて、溶湯を粉化するとともに急冷凝固する工程と、溶湯を粉化する箇所の周囲に吸引管を配置し20mmHO〜200mmHOの圧力差で吸引する工程と、該吸引管の下方に粉末受け体を配置して、凝固した非晶質粉体を、一旦この粉体受け体に当てる工程と、該粉体受け体に当てた後、非晶質粉体を液体を入れたタンクに落下させる工程とを、具備するとしている。この吸引管の減圧作用で高速液体が合金粉末により強く作用して、粉末を不規則化するとともに、粉末周囲に形成される蒸気膜を破壊して、粉末の冷却速度が著しく上昇し、粉体の全てが不規則形状で非晶質単相からなり、圧粉成形可能な非晶質合金粉体が得られるとしている。
また、特許文献10には、非晶質合金粉末の製造方法が記載されている。特許文献10に記載された技術では、合金の溶湯を細孔から流下して高速液体を吹きつけ、溶湯を粉化するとともに急冷凝固して非晶質合金粉末とするにあたり、溶湯を粉化する個所の直下に上部を円錐状とした冷却ブロックを配置して粉化後の粒子をこの冷却ブロックに当てるとしている。これにより、粉化した合金粉末の冷却速度を高めるとともに、粉末周囲に発生する蒸気膜を破壊して粉末の冷却速度を著しく上昇できるとしている。
また、特許文献11には、金属粉末製造装置が記載されている。特許文献11に記載された金属粉末製造装置では、溶融金属を供給する供給部と、溶融金属が通過可能な流路と該流路に液体を噴射するオリフィスとを備えた液体噴射部とを備え、液体噴射部の下方に、分散液の進行方向を強制的に変化させる進行方向変更手段を設け、オリフィスから噴射された液体に溶融金属を接触させて、溶融金属を微細な多数の液滴に分裂させ、該液滴を液体に分散した状態の分散液として移送するとともに、分散液中の液滴を冷却固化させてアモルファス金属粉末を製造するとしている。進行方向変更手段としては、第2の液体を噴射するノズルを有し、ノズルから分散液に向けて、第2の液体を噴射して衝突させる手段、あるいは、長手方向の途中が円弧状に湾曲した曲部を有する筒状体とし、分散液の進行方向を曲部の内壁面に沿って強制的に変化させる手段、が例示され、これにより、粉末の周囲に形成される蒸気層を確実に分離することができ、多数の粉末をむらなく冷却できるとしている。また、特許文献11に記載された技術によれば、粒径:3μm程度の微細な非晶質金属粉末が製造できるとしている。しかし、それより粗大な粒径の金属粉末では、非晶質率が低下するとしている。
また、球状の金属粉末を得るには溶融金属の粉末化を水アトマイズ法ではなくガスアトマイズ法によって実施する方が有利であり、このような背景から従来技術においては溶融金属の粉末化をガスアトマイズ法によって実施しているが、特許文献12には、溶融金属流を通過させる孔部を備えた環状ノズルから、孔部を通過した溶融金属流に向けて、溶融金属流を一葉双曲面状に取り囲むように冷却液を連続的に放出し、一葉双曲面の内側の括れ部の近傍の圧力を50〜700mmHg減圧して擬球形の金属粉末を液体アトマイズ法で製造する方法が開示されている。
特許第4584350号公報 特許第5481718号公報 特公平7−107167号公報 特許3932573号公報 特許第3461344号公報 特許第4793872号公報 特許第4784990号公報 特公平3−66361号公報 特公平3−68922号公報 特公昭61−401号公報 特許第4778355号公報 WO2000/038865号
しかし、特許文献2〜4に記載された技術では、分断された溶融金属を、冷却液を旋回させて形成した冷却液層中に供給し、金属粒子のまわりに形成された蒸気膜を剥がすとしているが、分断された金属粒子(溶融金属)の温度が高い場合には、冷却液層中では膜沸騰状態になりやすく、しかも冷却液層中に供給された金属粒子(溶融金属)は冷却液層とともに移動するため、金属粒子(溶融金属)と冷却液層との相対速度差が少なく、蒸気膜を剥がして膜沸騰状態を回避することは難しくなり、したがって、非晶質化のために必要な冷却速度を確保できないという問題があった。
また、特許文献5〜7に記載された技術では、連鎖的に膜沸騰状態から核沸騰状態になる蒸気爆発を利用して、溶融金属を覆う蒸気膜を崩壊させて、金属粒子の微細化、さらには非晶質化を図るとしている。蒸気爆発を利用して膜沸騰状態における蒸気膜を取り去ることは、有効な方法であるといえるが、しかし、膜沸騰状態から連鎖的に核沸騰状態にして蒸気爆発を生じさせるためには、少なくともまず最初に金属粒子の表面温度を極小熱流速点以下まで冷却する必要があり、しかも、金属粒子の表面温度が高い場合には、極小熱流速点以下までの冷却が膜沸騰領域での冷却となり、弱冷却となるため、非晶質化のための冷却速度が不足するという問題がある。
また、従来技術では、ガスアトマイズ法を利用して球状かつ非晶質の金属粉末を製造しているが、ガスアトマイズ法では、アトマイズのために大量の不活性ガスを必要とするため、製造コストの高騰を招くという問題がある。したがって、生産性の観点からは水アトマイズ法を利用することが有利である。
しかし、水アトマイズ法では、溶融金属流に噴射水(水ジェット)を噴射し、溶融金属流を分断して金属粉末とするが、分断された金属粒子の周囲には、アトマイズに使用した水が存在し、金属粒子表面に蒸気膜を形成しやすくしている。このようなことから、冷却速度が低下し徐冷となり、金属粉末を非晶質状態とするために必要な冷却速度を達成することができなくなる。そのため、水アトマイズ法では蒸気膜の除去が重要な課題となる。
このような問題に対し、特許文献8、9に記載された技術では、溶湯を粉化する箇所の周囲に吸引管を配置して、20mmHO〜200mmHOの圧力差で吸引することにより、金属粒子の不規則化と、金属粒子周囲に形成された蒸気膜を除去できるとしている。しかし、高温の金属粒子のまわりに水分が存在すれば、高温の金属粒子とともに吸引され、保有している熱により水分が気化して再び、金属粒子表面に蒸気膜を形成されるため、蒸気膜の除去が難しくなるという問題がある。
また、特許文献10に記載された技術では、粉化後の粒子の温度が高いと、周囲にある冷却水が気化して再び粒子表面に蒸気膜を形成するため、蒸気膜の除去が十分であるとはいえないという問題がある。一方、粉化後の粒子の温度が低すぎると、冷却ブロックに衝突した際に、凝固し結晶化が進行しやすいという問題がある。
また、特許文献11に記載された技術では、進行方向変更手段で強制的に進行方向を変化させられた分散液は、蒸気膜を除去されるが、分散液の温度が高いと、周囲に存在する水分により、再び蒸気膜が形成される可能性がある。一方、分散液の温度が低い場合には、進行方向変更手段からの第2の液体(水)により、凝固して結晶化が進行するという問題がある。
また、特許文献12記載された技術では、細かく、擬球形で、しかも粒度分布の幅の狭い金属粉末を製造することを目的としており、粉末の急冷についてはまったく考慮されていない。
このように、上記した従来技術では、水アトマイズ金属粉末表面に形成される蒸気膜の除去が十分であるとは言い難く、したがって、上記した従来技術によっては、水アトマイズ金属粒子の完全非晶質化(アモルファス化)に必要な冷却速度を確保することが難しい。
またさらに、モーターコアの小型化、さらには高性能化のために、高磁束密度、優れた軟磁性を確保するために有効な、Fe、Ni、Coといった元素の比率を増加したFe基軟磁性合金が指向されている。しかし、Fe、Ni、Coといった元素の比率を増加させた合金組成では、非晶質化に必要な冷却速度が上昇するといわれている。このことは、例えば特許文献11に示されるように、粒径:3μm程度の微細な非晶質金属粉末しか製造できず、粗大な粒径の金属粉末では、非晶質率が低下するという結果からも明らかである。
そこで、本発明は、水アトマイズ金属粉末の製造において、液滴(粉子)表面に形成された蒸気膜を破壊して、高い非晶質化率を達成できる、略球状の水アトマイズ金属粉末の製造方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、従来では非晶質化が困難であった、Fe原子(Fe原子の一部をNi、Coで置換したものを含む)の比率を高めたFe基非晶質合金(Fe基軟磁性合金)において、例えば平均粒径:5μm以上の比較的大きな粒径の金属粉末であっても、高い非晶質化率を有し、かつ略球状の水アトマイズ金属粉末とすることができる水アトマイズ金属粉末の製造方法を提供することをも目的とする。
なお、ここでいう「高い非晶質化率」を有する金属粉末とは、非晶質化率が90%以上である金属粉末をいうものとする。
なお、「非晶質化率」は、X線回折法により、アモルファス(非晶質)からのハローピークおよび結晶からの回折ピークを測定し、WPPD法により非晶質化率を算出した。ここでいう「WPPD法」とは、Whole-powder-pattern decomposition methodの略である。なお、WPPD法については、虎谷秀穂:日本結晶学会誌, vol.30(1988), No.4, P253〜258に詳しい。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、水アトマイズ法における金属粒子表面に形成される蒸気膜の除去方法について、鋭意研究した。その結果、流下する溶融金属流に水ジェット(噴射水)を吹き付け、溶融金属流を分断する一次冷却に加えてさらに、水冷却(二次冷却)を利用することに思い至った。しかし、強力な二次冷却を施しても、蒸気膜を除去できず、かえって粒子表面が蒸気膜に覆われ、非晶質化のために必要な冷却速度を確保できない場合や、金属粉末の結晶化が進行する場合があることを突き止めた。
そこで、更なる検討の結果、二次冷却を開始する時期が重要であることを見出した。二次冷却の開始時期を、分断された溶融金属の液滴の温度と溶融金属の凝固点との関係で図1に示す。
溶融金属流を分断する一次冷却後の二次冷却を、図1(a)に示すように、分断された溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲にあるときに、開始することにより、粒子表面への蒸気膜の付着もなく、金属粉末の非晶質化のために必要な、所望の冷却速度を確保できることを見出した。この原因については現在までのところ明確にはなっていないが、本発明者らは、この温度域で二次冷却が開始されれば、分断された溶融金属液滴はすぐに凝固し、凝固後にも二次冷却が継続されるために、表面に形成された蒸気膜に冷却水からの衝撃力が伝達されやすく、蒸気膜は簡単に破壊、除去されやすくなると推察している。
一方、分断された溶融金属の液滴の温度が上記した温度範囲を高く外れた図1(b)に示す温度範囲域にある場合に、二次冷却を開始すると、分断された溶融金属の液滴に冷却水が当たっても、液滴が溶融のままであるため、変形しやすく蒸気膜に衝撃力を伝達しにくく、蒸気膜の破壊が進行せず除去しにくいと考えられる。
また、図1(c)に示すように、分断された溶融金属の液滴の温度が上記した温度範囲を低く外れて、二次冷却を開始すると、蒸気膜が除去されないまま凝固が開始されるため冷却速度が遅く結晶化が進行して、所望の非晶質化率を達成できにくくなくなると考えられる。
このようなことから、本発明では、分断された溶融金属の液滴が、まだ溶融状態ではあるが、凝固開始温度の近傍の温度にある場合に、二次冷却を開始することとした。また、一次冷却において、冷却水の噴射角度を調整して噴射水で溶融金属流を一葉双曲面上に取り囲むような水膜を形成することによって、水アトマイズ金属粉末であっても球形に近い形状の水アトマイズ金属粉末が得られるという知見を得た。
更に、本発明者らは、分断された溶融金属の液滴に、上記のような二次冷却を施すことにより、従来、非晶質合金粉末の製造が困難とされていたFe(Feの一部をNi、Coで置換したものも含む)の含有比率の高いFe基非晶質合金(Fe基軟磁性合金)においても、高い非晶質化率を有する水アトマイズ金属粉末を容易に製造できることを新規に見出した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)流下する溶融金属流に、溶融金属流分断用噴射水を噴射し、該溶融金属流を分断して多数の溶融金属の液滴とし、冷却して水アトマイズ金属粉末とする水アトマイズ金属粉末の製造方法において、前記溶融金属流分断用噴射水が該溶融金属流を一葉双曲面状に取り囲むように前記溶融金属流分断用噴射水を連続的に噴射するとともに、前記溶融金属の液滴に、その落下途中の、該溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲内の温度である位置で、二次冷却として、水冷ノズルを介して二次冷却水を噴射する冷却を開始することを特徴とする水アトマイズ金属粉末の製造方法。
(2)(1)において、前記溶融金属流分断用噴射水を、前記溶融金属流を取り囲むように円環状または複数本配置された水冷ノズルから旋回角:1〜20°で噴射することを特徴とする水アトマイズ金属粉末の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記二次冷却は、前記溶融金属の液滴の落下方向に、水冷却ノズルからなる複数段の二次冷却手段を切替可能に配設し、前記複数段の二次冷却手段のうちから、落下途中の前記溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲内の温度となる位置に適合する二次冷却手段を選定して、前記二次冷却を開始することを特徴とする水アトマイズ金属粉末の製造方法。
(4)(3)において、前記落下途中の、前記溶融金属の液滴の温度は、前記分断前の前記溶融金属流の温度を測定し、得られた分断前の溶融金属流の温度に基づき、伝熱計算により、推定した値を用いることを特徴とする水アトマイズ金属粉末の製造方法。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記溶融金属流分断用噴射水は、噴射圧:10MPa以上の水を、前記二次冷却の水冷却は、水温:10℃以下、噴射圧:10MPa以上の水を、使用することを特徴とする水アトマイズ金属粉末の製造方法。
(6)(1)ないし(5)のいずれかにおいて、前記溶融金属が、Fe基軟磁性合金組成またはFeの一部をNiおよび/またはCoで置換されたFe基軟磁性合金組成で、前記FeあるいはFe、Ni、Coの合計量であるFe系元素比率が82.5at%超え86at%未満である合金組成を有することを特徴とする水アトマイズ金属粉末の製造方法。
(7)前記水アトマイズ金属粉末を、さらに400〜500℃の範囲内の温度に加熱する熱処理を施すことを特徴とする(6)に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法。
(8)(6)に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法で製造されてなり、平均粒径:5μm以上でかつ非晶質化率が90%以上である水アトマイズFe基軟磁性合金粉末。
(9)(7)に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法で製造されてなり、ナノ結晶構造を有し、高飽和磁束密度を有する水アトマイズFe基軟磁性合金粉末。
本発明によれば、水アトマイズ法によっても略球状の金属粉末でアモルファス金属粉末の製造に有利な急速冷却が可能となり、圧粉磁芯の製造に有利な、高い非晶質化率を有する略球状の水アトマイズ金属粉末の製造が容易となり、低鉄損の圧粉磁芯用金属粉末を容易に、しかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
また、本発明によれば、従来では困難であった、Fe(Feの一部を置換したNi、Coを含む)比率を82.5at%を超えて高めた鉄基軟磁性合金においても、平均粒径が5μm超えの大きな粒径でも、高い非晶質化率を有する水アトマイズ鉄基軟磁性合金粉末を容易に、しかも安定して製造できるという効果もある。
また、本発明によれば、ヘテロアモルファス構造や、ナノ結晶構造を有し、低鉄損で高飽和磁束密度を保持する鉄基軟磁性合金材料を、安定して製造できることという効果も期待できる。
本発明の概要を模式的に示す説明図である。 本発明の実施に好適な、水アトマイズ金属粉製造装置の概略構成の一例を模式的に示す説明図である。 分断された溶融金属の液滴温度(推定)を算出するための手順の一例を示す説明図である。 旋回角および集束角の説明図である。
本発明では、まず、原料である金属材料を溶解して、溶融金属とする。原材料として使用する金属材料としては、従来から鉄粉として使用されている純金属、合金、鋳鉄等がいずれも適用できる。例えば、純鉄、低合金鋼、ステンレス鋼などの鉄基合金、Ni、Cr等の非鉄金属、非鉄合金、あるいはアモルファス合金(非晶質合金)が例示できる。
なお、アモルファス合金(非晶質合金)としては、Fe、B、C、P、Si、Cu、Nb、Crを主構成元素とし、さらに、at%で1%以下程度であれば、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、Al、Mn、Ag、Zn、Sn、As、Sb、Bi、Y、N、O、S、H等の混入が許容される組成の合金が知られている。なお、Feの一部はNi、Coで置換が可能である。本発明においては、これらアモルファス合金(非晶質合金)がいずれも適用できる。
また、鉄基非晶質合金としては、Feを主体とした、例えば、Fe−B合金、Fe−Si−B合金、Fe−Cu−Nb−Si−B合金、Fe−Nb−B合金、Fe−Ni−B合金、Fe−B−P−Cu合金、Fe−Si−B−P−Cu合金等が例示できる。なお、上記した合金は、上記した元素以外の元素を不純物として含む場合があることは言うまでもない。
また、最近、注目され、高い飽和磁束蜜度が期待できる鉄基軟磁性合金もまた本発明を適用できる。とくにFe比率、あるいはFeの一部をNiおよび/またはCoで置換した場合のFe、Niおよび/またはCoの比率が、82.5at%超え86%未満である鉄基軟磁性合金も適用できる。
さらに具体的に、Fe−B合金としては、Fe8317が、Fe−Si−B合金としては、Fe79Si11が例示できる。
また、Fe−B−P−Cu合金としては、組成式Fe(100−X−Y−Z)Cuの合金組成で、X、Y、Zが、(100−X−Y−Z):82.5at%超え86at%未満、X:4〜13at%、Y:1〜10at%、Z:0.5〜1.5at%を満たし、あるいはさらに前記Feの一部をNi、Coのうちの1種以上の元素で置換してなる合金組成が、また、Fe−Si−B−P−Cu合金としては、組成式FeSiCuの合金組成で、a:82.5at%超え86at%未満、b:5〜13at%、c:0〜8at%、x:1〜8at%、y:0超え〜5at%を満たし、あるいはさらにFeの一部をNi、Coのうちの1種以上の元素で置換してなる組成が例示できる。また、組成式FeSiCuの合金組成で、a:82.5at%超え86at%未満、b:5〜13at%、c:0〜8at%、x:1〜8at%、y:0超え〜5at%、z:0.4〜1.4を満たし、あるいはさらに前記Feの一部をNi、Coのうちの1種以上の元素で置換してなる組成も例示できる。
なお、本発明では、上記したFe基非晶質合金で、Feの含有量(Feの一部を置換したNi、Coをも含め)の含有量が82.5at%を超えるような組成においても、十分に非晶質化することができる。
なお、使用する金属材料の溶解方法はとくに限定する必要はなく、電気炉、真空溶解炉等の、常用の溶解手段がいずれも適用できる。
溶解された溶融金属は、溶解手段からタンディッシュ等の溶融金属保持容器に移され、水アトマイズ金属粉製造装置内で、水アトマイズ金属粉とされる。本発明で使用する好ましい水アトマイズ金属粉製造装置の一例を図2に示す。
以下、本発明を、図2を利用して説明する。図2(a)は装置全体の構成を示し、図2(b)は水アトマイズ金属粉製造装置14の詳細を示す。
溶融金属1は、タンディッシュ等の溶融金属保持容器3から、溶湯ガイドノズル4を介して、チャンバー9内に、溶融金属流8として流下される。なお、チャンバー9内は、不活性ガスバルブ11を開けて不活性ガス雰囲気としておくことはいうまでもない。なお、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスが例示できる。
流下された溶融金属流8に、ノズルヘッダー5に配設された水冷ノズル6を介し、溶融金属流分断用噴射水(水ジェット)7を噴射し、該溶融金属流8を分断し、多数の微細な溶融金属の液滴8aとする。水冷ノズル6は、溶融金属流8を分断することができる水冷ノズルであればよく、その形式はとくに限定されないが、溶融金属流分断用噴射水7が溶湯金属流8を一葉双曲面状に取り囲むような水膜を形成するように配置する。すなわち、複数個のペンシル型の水冷ノズル6を溶湯ガイドノズル4を取り囲むように環状に配列して、各水冷ノズル6から一葉双曲面状の水膜を形成するように設けられたガイドに沿って溶融金属流分断用噴射水7を連続的に放出する。なお、水冷ノズル6は、フラット型の水ノズルあるいは円環ノズルとしてもよい。この場合は、前記ガイドを設けなくても一葉双曲面状の水膜を形成することができる。また、前記一次冷却の水を、前記溶融金属流を取り囲むように円環状または複数本配置された水冷ノズル6から下記で定義される旋回角:1〜20°で噴射することが好ましい。旋回角が1°未満であると金属粉末の球状化が不十分であり、また旋回角が20°超えでは金属粉末の粒径が大きくなり歩留の低下を招くため好ましくない。なお、下記で定義される溶融金属流と噴射水の流線とのなす角度である集束角は特に限定しないが、集束角:5〜50°で行うことが一般的である。
・旋回角、集束角
図4は、噴射水で形成される一葉双曲面状水膜を模式的に噴射水の流線で示した図である。この一葉双曲面の水平断面において噴射口を通る半径方向の直線と流線とがなす角度を旋回角とし、垂直断面において噴射口を通る垂線(溶融金属流の流下方向線)と流線とのなす角度を集束角とする。
なお、溶融金属流8と溶融金属流分断用噴射水(水ジェット)7とが接触する位置Aは、溶湯ガイドノズル4から適正な距離離れた位置とすることが、溶融金属流8を熱放射と不活性ガスの冷却作用により融点近傍まで冷却させるという観点、および溶融金属流分断用噴射水7の飛び水が溶湯ガイドノズル4に接触するのを防ぐという観点から好ましい。
本発明では、溶融金属流8を分断するために使用する溶融金属流分断用噴射水(水ジェット)7は、溶融金属流8を分断できる程度の噴射圧を有する噴射水であれば、その噴射圧、水温は特に限定されないが、分断された溶融金属の液滴を微細な液滴とするためには、噴射圧:10MPa以上とすることが好ましい。噴射圧が高くなるほど、分断される溶融金属の液滴(金属粉末の平均粒径)は微細になる。
なお、溶融金属流分断用噴射水7に用いられる冷却水は、水アトマイズ金属粉製造装置14の外部に設けられた、冷却水タンク15(断熱構造)に、あらかじめ冷却水を冷却するチラー16などの熱交換器で適正な水温の冷却水として貯蔵しておくことが好ましい。なお、一般的な冷却水製造機では熱交換器内が凍結するために3〜4℃未満の冷却水を生成することが難しいため、氷製造機によって氷をタンク内に補給する機構を設けてもよい。さらに、冷却水タンク15には、溶融金属流分断用噴射水7に用いられる冷却水を昇圧・送水する高圧ポンプ17、高圧ポンプからノズルヘッダー5に冷却水を供給する配管18が配設されることはいうまでもない。
本発明では、分断された溶融金属の液滴8aに、さらに、落下途中の所定の位置Bで、二次冷却を開始する。二次冷却の開始位置Bは、落下途中の溶融金属の液滴8aの温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲内の温度となる位置とする。
二次冷却を、分断された溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲にあるときに、開始することにより、粒子表面への蒸気膜の付着もなく、金属粉末の非晶質化のために必要な、所望の冷却速度を確保できる。分断された溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲より高い温度である場合に、二次冷却を行うと、蒸気膜が形成されて、所望の冷却速度を確保できなくなる。また、分断された溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲より低い場合には、二次冷却を行っても、結晶化の進行が早く、所望の非晶質化を達成できない。
このようなことから、本発明では、落下途中の、溶融金属の液滴8aの温度を推定し、落下途中の溶融金属の液滴8aの温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲内の温度となる位置Bを算出し、その位置Bで、落下途中の溶融金属の液滴8aに初めて、二次冷却の水冷却を開始できるように、落下方向に配設された複数段の二次冷却手段21〜2iのうちから適切な位置の二次冷却手段2jを選定し、その選定した二次冷却手段2j(図2(b)では2段目の二次冷却手段22)で、二次冷却噴射水20を噴射し、二次冷却を開始する。なお、溶融金属の種類に応じては、選定された段より下流側の段の二次冷却手段においても同時に水冷却する場合があることは言うまでもない。
そのため、本発明の実施にあたっては、使用する水アトマイズ金属粉製造装置14には、溶融金属の液滴8aの落下方向に、複数段、好ましくは3〜10段、の二次冷却手段21〜2iを配設しておく必要がある。なお、各段の二次冷却手段21〜2iは、水冷却ノズルを1本あるいは、落下する溶融金属の液滴8aを全周から均一に冷却できるように、溶融金属流中心の延長線を中心とした同一円周上に2〜4本等複数台配設された冷却手段とすることが好ましい。なお、落下途中の液滴8aに、同じ温度で二次冷却を開始できるように、二次冷却手段21〜2iである水冷ノズルは、噴射される二次冷却噴射水20の上面が水平面とほぼ平行となるように、水冷ノズルの形式に応じて噴射方向を調整して配設することが好ましい。図2では、二次冷却手段21〜2iである水冷ノズルを水平より下向きの噴射方向となるように配設している。
また、二次冷却手段における二次冷却噴射水の噴射角度は、落下する溶融金属の液滴8aに均一に噴射できるように5〜30°とすることが好ましい。
なお、各段の二次冷却手段は、各段ごと、あるいは複数段同時に作動できるように、切替可能に配設されることはいうまでもない。また、使用する水冷却ノズルの形式は、とくに限定する必要はなく、常用の水冷却ノズルがいずれも適用できる。なお、二次冷却手段21〜2iには、冷却のON−OFF制御、冷却水量を調節可能とする二次冷却制御バルブ21a〜2iaがそれぞれ付設されていることはいうまでもない。
落下途中の、溶融金属の液滴8aの温度は、実測するのは困難であるが、近接ファイバー温度計のセンサー前を通過したときのピーク値を測定するか、あるいは輝度の変化を測定することで推定することも可能であるが、精度が低いため、次のようなステップを経て推定することが好ましい。
まず、流下する溶融金属流の温度を、分断前の所定位置で温度計40で測温する。温度計40としては熱電対、近接ファイバー温度計、赤外線放射温度計等が例示できる。落下途中の、溶融金属の液滴8aの温度は、直接測温してもよいが、ステップ00〜01を経て算出した、測温位置(温度計配設位置)での温度(推定)を用いてもよい。
ステップ1(STEP1)では、流下する溶融金属流の温度変化を計算する。測定された溶融金属温度を初期条件として、円筒座標系を用いた非定常熱伝導計算を実施し、溶融金属流分断用噴射水噴射位置における流下する溶融金属流の温度を求める。なお、境界条件は、熱放射を考慮した自然対流熱伝達とする。放射率は0.9程度を使用することが好ましい。計算時間は、測温位置から溶融金属流分断用噴射水噴射位置までの距離を溶融金属流の流下速度で除した値を用いた。
なお、流下する溶融金属流の温度が測温できない場合には、図3には図示しないが、ステップ00(STEP00)およびステップ01(STEP01)を行って、算出された温度計設置位置での溶融金属流の温度(計算値)を、測温した溶融金属流の温度に代えて、ステップ1(STEP1)を実行してもよい。
ステップ00(STEP00)は、タンディッシュ(溶融金属保持容器)内の溶融金属の温度を初期条件として、円筒座標系を用いた非定常熱伝導計算を実施し、溶湯ガイドノズル4の出口における溶融金属流温度を求める。境界条件は、溶湯ガイドノズルとの接触熱伝導とし、熱放射は考慮しいものとする。計算時間は、溶湯ガイドノズル内の通過時間である。ついで、ステップ01(STEP01)は、算出された溶湯ガイドノズル4の出口における溶融金属流の温度(平均)を初期条件とし、円筒座標系を用いた非定常熱伝導計算を実施し、温度計設置位置における流下する溶融金属流の温度を求める。なお、境界条件等は、ステップ1と同じとする。
ついで、ステップ2(STEP2)を実施する。ステップ2では、一次冷却により分断された溶融金属の液滴の温度変化を計算する。ステップ1で算出した溶融金属流分断用噴射水噴射位置における流下する溶融金属流の温度(平均)を液滴の平均温度として初期条件として、溶融金属流分断用噴射水の噴射により分断された溶融金属の液滴について、球座標系を用いた非定常熱伝導計算を実施する。境界条件は、水アトマイズ(溶融金属流分断用噴射水による噴射に溶融金属流の分断)よる強制熱伝達とし、膜沸騰状態での熱伝達とする。なお、熱放射は考慮する。計算時間は、一次冷却の開始(溶融金属流分断用噴射水噴射)から終了までの距離を、液滴落下速度で除して求める。なお、液滴落下速度は、冷却水の落下速度と同一とする。
ついで、ステップ3(STEP3)を実施する。ステップ3では、分断された液滴の、二次冷却開始位置までの落下による温度変化を計算する。ステップ2で算出した一次冷却終了時の液滴の温度を初期条件として、球座標系を用いた非定常熱伝導計算を実施する。境界条件は、溶滴が一次冷却水と一緒に落下している状態であるため、落下水による熱伝達とし、膜沸騰条件での熱伝達とする。なお、熱放射も考慮する。計算時間は一次冷却終了位置から二次冷却開始位置までの距離を溶滴落下速度で除して求める。
なお、ステップ4(STEP4)では、二次冷却による液滴の温度変化を計算する。ステップ4(STEP4)では、ステップ3で算出された二次冷却開始位置での温度(平均)を初期条件として、球座標系を用いた非定常熱伝導計算を実施する。境界条件は、二次冷却噴射するによる強制対流熱伝達とし、凝固した後は液滴(金属粒子)の温度はMHF点(極小熱流束点)以下とし、膜沸騰状態から核沸騰状態へと沸騰状態の変化に対応して計算する。膜沸騰状態での熱伝達率は約500W/mK程度、核沸騰状態では約10000W/mK程度とすることが好ましい。なお、熱放射も考慮する。計算時間は、二次冷却開始位置から終了位置での距離を溶滴落下速度で除した値を用いる。
本発明では、上記したステップ3で、一次冷却終了位置から二次冷却開始位置までの距離を変更して、二次冷却開始位置での液滴の温度を計算し、算出された液滴の温度が、凝固開始温度(凝固開始点)〜(凝固開始温度(凝固開始点)+30℃)の範囲の温度となる位置を求めて、二次冷却開始位置とする。
本発明では、液滴の落下方向に配設された、複数段の二次冷却手段のうちから、ステップ1からステップ3を経て、算出された二次冷却開始位置に適合する位置に配設された段の二次冷却手段を用いて、二次冷却を開始する。
なお、本発明における円筒座標系を用いた非定常熱伝導計算では、次(1)式
Figure 2017031462
で示される偏微分方程式から、時刻t:P〜P+1に変化する間に、半径i=n番目の層の熱収支バランスから、つぎの前進差分式を導出して行う。
{π(nΔr+Δr/2)−π(nΔr−Δr/2)}×ρCp×(Tn P+1 −Tn P)/Δt
=2π(nΔr−Δr/2)・λ・(Ti−1 P −Ti P)/Δr−2π(nΔr+Δr/2)・λ・{T P −Ti+1 P}/Δr
ここで、λ/ρCpは熱拡散率(m/s)、下付き添え字nは空間アドレス、上付き添え字Pは時間ステップを表す。
また、球座標系を用いた非定常熱伝導計算では、次(2)式
Figure 2017031462
で示される偏微分方程式から、以下の前進差分式を導出して計算する。
(Tn P+1 −Tn P)/Δr
=α{1/n×(Tn+1 P+1 −Tn-1 P)/(Δr)+(Tn+1 P+1 +Tn-1 P−2Tn P)/(Δr)}
ここで、α(=λ/ρCp):熱拡散率(m/s)、下付き添え字nは空間アドレス、上付き添え字Pは時間ステップを表す。
本発明における二次冷却では、二次冷却噴射水は、水温:10℃以下、噴射圧:10MPa以上の水を、使用して水冷却ノズルを介して二次冷却噴射水とすることが好ましい。
二次冷却では、二次冷却噴射水20を噴射して、溶融金属の液滴を覆う蒸気膜を除去するために、二次冷却の噴射圧は高いほど好ましく、10MPa以上とすることが好ましい。二次冷却の噴射圧が、10MPa未満では、蒸気膜を十分に除去することができない。二次冷却の噴射圧は高ければ高いほど有利となるが、実用上は100MPa以下とすることが好ましい。また、二次冷却に使用する冷却水の水温は、冷却促進、蒸気膜除去の観点から30℃以下、より好ましくは10℃以下、とすることが好ましい。とすることが好ましい。水温が30℃を超えて高温になると、蒸気膜が発生しやすく、冷却能力が低下する原因となる。
二次冷却に使用する冷却水は、図2にも例示しているように、一次冷却とは別系統の冷却水を使用することが好ましい。二次冷却噴射水20に用いられる冷却水は、溶融金属流分断用噴射水7に用いられる冷却水と同様に、水アトマイズ金属粉製造装置14の外部に設けられた、冷却水タンク15(断熱構造)に、あらかじめ貯蔵された冷却水とすることが好ましい。冷却水タンク15には、溶融金属流分断用噴射水7に用いられる冷却水とは別系統で、二次冷却噴射水20に用いられる冷却水を昇圧・送水する二次冷却用高圧ポンプ37、二次冷却用高圧ポンプ37から水冷ノズルである二次冷却手段21〜2iに冷却水を供給する配管38が配設されることはいうまでもない。なお、配管の途中に、サージタンク等を設けて、突発的に高圧水の噴射を行いやすくしてもよい。
以下、実施例に基づき、さらに本発明について説明する。
図2に示す水アトマイズ金属粉製造装置を用いて金属粉末を製造した。
at%で、82.8%Fe−11%B−5%P−1.2%CuのFe−B−P−Cu合金(Fe82.811Cu1.2)組成、at%で、84.8%Fe−10%B−4%P−1.2%CuのFe−B−P−Cu合金(Fe84.810Cu1.2)組成、およびat%で、69.8%Fe−15%Co−10%B−4%P−1.2%CuのFe−B−P−Cu合金(Fe69.8Co1510Cu1.2)組成となるように、それぞれ原料を配合(一部、不純物を含むこと避けられない)し、溶解炉2で約1650℃で溶解し、溶融金属1を各約50kgfを得た。得られた溶融金属1を溶解炉2中で1600℃まで徐冷したのち、溶融金属保持容器(タンディッシュ)3に注入した。なお、チャンバー9内は、あらかじめ不活性ガスバルブ11を開けて窒素ガス雰囲気としておいた。
また、溶融金属をタンディッシュ3に注入する前に、高圧ポンプ17を稼動して、冷却水タンク15から冷却水をノズルヘッダー5に供給し、水冷却ノズル6から溶融金属流分断用噴射水7が噴射された状態としておいた。溶融金属流分断用噴射水7の旋回角は、0°、5°、10°、15°および20°の5条件とした。なお、溶融金属流分断用噴射水7が溶融金属流8と接触する位置Aは、溶湯ガイドノズル4から25mmの位置に設定した。
また、予め設定した、分断前の所定位置での溶融金属流の温度から、図3で示すように、熱放射、熱伝達を考慮した各ステップを経る計算により、分断され落下途中の溶融金属の液滴の温度(推定)が、凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲となる位置Bを算出した。なお、溶融金属の凝固開始温度は熱力学的計算手法により求めた。そして算出された位置Bに、二次冷却噴射水20を噴射できる二次冷却手段2iを選定し、その二次冷却制御バルブ2iaを開放し、二次冷却手段2iの水冷ノズルから、二次冷却噴射水20を噴射状態にしておいた。なお、溶融金属流分断用噴射水の噴射圧は約20MPa、温度は20℃、水量は1200L/minであり、二次冷却噴射水の噴射圧は約30MPa、温度は9℃、水量は300L/minとした。
そして、タンディッシュ3に注入された溶融金属1を、溶湯ガイドノズル4からチャンバー9内に、溶融金属流8として流下し、溶融金属流分断用噴射水7で分断し、多数の微細な溶融金属の液滴8aを生成した。そしてさらに、該液滴8aに上記した位置Bで二次冷却噴射水20により二次冷却を開始して水アトマイズ金属粉末とし、回収口13から回収した。
なお、溶融金属流8を分断する位置の直前で、温度計(ファイバー温度計)40で溶融金属流8の温度を計測した。得られた溶融金属流8の温度が、設定した溶融金属流温度と比較して監視した。設定温度との差が生じたときは、適宜、二次冷却の開始位置Bを修正し、複数段の二次冷却手段のうちから選定し、適合する位置の二次冷却の冷却手段に切り替えて、二次冷却をおこなった。
なお、二次冷却を開始する位置Bを、溶融金属の液滴8aの温度が(凝固開始温度+40℃)である位置および(凝固開始温度−20℃)である位置として、二次冷却を行って比較例とした。
得られた金属粉末について、金属粉末以外のゴミを除去したのち、レーザー式粒度分布計を用いて平均粒径を測定した。
また、得られた金属粉末について、円径度を測定した。ここで、円径度とは金属粉末の断面の面積より算出した円相当径から算出される円の外周長L1と、実際の金属粉末の断面の外周長L2との比であり、円径度をCとするとC=L1/L2であらわされる。したがって、金属粉末の断面が真円に近づく、すなわち金属粉末が球形に近づくにつれて、円径度が1に近くなる。高磁束密度の圧粉磁芯を得るためには円径度を0.8以上、さらに0.85以上とすることが好ましく、ここでは円径度が0.8以上である場合を「○」とし、それ以外を「×」として評価した。
また、得られた金属粉末について、金属粉末以外のゴミを除去したのち、X線回折法により、アモルファスからのハローピーク、および結晶からの回折ピークを測定し、WPPD法により、非晶質化率を算出した。非晶質化率が90%以上である場合を「○」、それ以外を「×」として評価した。
また、得られた金属粉末に2質量%のフェノール樹脂を被覆した後、金型へ充填し、成形圧力1740MPaで加圧成形し、外径38mm、内径25mm、高さ6mmのトロイダルコア(圧粉磁芯)を作成した。この際、成形時に金型内にエタノールで希釈したステアリン酸Liを塗布した。得られた圧粉磁芯に対して窒素雰囲気中で425℃×10minの結晶化熱処理を施したのち、巻線を1次巻100ターン、2次巻40ターンを施し、直流磁化測定装置(メトロン技研社製SK110)を用いて10000A/m磁化時の磁束密度を測定した。ここで、磁束密度の合格値を0.4T以上とした。
さらに、得られた金属粉末に、さらに、表1に示す条件で熱処理を施した。熱処理後、振動試料型磁力計VSMを用いて、飽和磁束密度Bsを測定した。なお、Bsが1.7T以上である場合を磁気特性に優れたとして「○」と判定し、それ以外は「×」とした。
得られた結果を表1に示す。
Figure 2017031462
本発明例はいずれも、円径度が0.8以上で、非晶質化率が90%以上を示し、また、作製した圧粉磁芯の磁束密度が0.4T以上であり、熱処理後の飽和磁束密度Bsが1.7T以上と優れた磁気特性を有している。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、円径度が0.8未満で、非晶質化率が90%未満であり、所望の球状化、非晶質化を達成できていないため、圧粉磁芯の磁束密度および熱処理後の飽和磁束密度Bsも低い値しか示していない。
1 溶融金属(溶湯)
2 溶解炉
3 タンディッシュ
4 溶湯ガイドノズル
5 ノズルヘッダー
6 水噴射ノズル
7 噴射水
8 溶融金属流
8a 金属粉末
9 チャンバー
10 ホッパー
11 不活性ガスバルブ
12 オーバーフローバルブ
13 金属粉回収バルブ
14 水アトマイズ金属粉製造装置
15 冷却水タンク
16 チラー(低温冷却水製造装置)
17 高圧ポンプ(一次冷却水用高圧ポンプ)
18 冷却水配管(一次冷却水用配管)
20 二次冷却噴射水
21,22,‥‥2i 二次冷却手段(水冷ノズル)
21a,22a,‥‥2ia 二次冷却水用バルブ
37 二次冷却用高圧ポンプ
38 二次冷却水用配管
40 温度計

Claims (9)

  1. 流下する溶融金属流に、溶融金属流分断用噴射水を噴射し、該溶融金属流を分断して多数の溶融金属の液滴とし、冷却して水アトマイズ金属粉末とする水アトマイズ金属粉末の製造方法において、前記溶融金属流分断用噴射水が該溶融金属流を一葉双曲面状に取り囲むように前記溶融金属流分断用噴射水を連続的に噴射するとともに、前記溶融金属の液滴に、その落下途中の、該溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲内の温度である位置で、二次冷却として、水冷ノズルを介して二次冷却水を噴射する冷却を開始することを特徴とする水アトマイズ金属粉末の製造方法。
  2. 前記溶融金属流分断用噴射水を、前記溶融金属流を取り囲むように円環状または複数本配置された水冷ノズルから旋回角:1〜20°で噴射することを特徴とする請求項1に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法。
  3. 前記二次冷却は、前記溶融金属の液滴の落下方向に、水冷却ノズルからなる複数段の二次冷却手段を切替可能に配設し、前記複数段の二次冷却手段のうちから、落下途中の前記溶融金属の液滴の温度が凝固開始温度〜(凝固開始温度+30℃)の範囲内の温度となる位置に適合する二次冷却手段を選定して、前記二次冷却を開始することを特徴とする請求項1または2に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法。
  4. 前記落下途中の、前記溶融金属の液滴の温度は、前記分断前の前記溶融金属流の温度を測定し、得られた分断前の溶融金属流の温度に基づき、伝熱計算により、推定した値を用いることを特徴とする請求項3に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法。
  5. 前記溶融金属流分断用噴射水は、噴射圧:10MPa以上の水を、前記二次冷却の水冷却は、水温:10℃以下、噴射圧:10MPa以上の水を、使用することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法。
  6. 前記溶融金属が、Fe基軟磁性合金組成またはFeの一部をNiおよび/またはCoで置換されたFe基軟磁性合金組成で、前記FeあるいはFe、Ni、Coの合計量であるFe系元素比率が82.5at%超え86at%未満である合金組成を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法。
  7. 前記水アトマイズ金属粉末を、さらに400〜500℃の範囲内の温度に加熱する熱処理を施すことを特徴とする請求項6に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法
  8. 請求項6に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法で製造されてなり、平均粒径:5μm以上でかつ非晶質化率が90%以上である水アトマイズFe基軟磁性合金粉末。
  9. 請求項7に記載の水アトマイズ金属粉末の製造方法で製造されてなり、ナノ結晶構造を有し、高飽和磁束密度を有する水アトマイズFe基軟磁性合金粉末。
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