本発明が適用された遊技機であるスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。尚、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」という場合があり、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合があり、「リプレイa」、「リプレイb」をまとめて単に「リプレイ」と言う場合がある。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13、が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(図4参照)が設けられている。
また、前面扉1bにおける液晶表示器51の表示領域51aの手前側(遊技者側)の上部位置には、上下方向に進退移動可能な役物302が設けられており、当該役物302の前面には、演出態様に応じて点灯される演出用LED303L、303C、303Rが設けられている。さらに、役物302の手前側(遊技者側)には、透明な上部パネル300が表示領域51aの全面にわたって設けられており、当該上部パネル300と表示領域51aとの間の空間に役物302が配置されるとともに、当該上部パネル300を介して、役物302、表示領域51a、透視窓3に対応する透過領域51b及びリール2L、2C、2Rを遊技者側から視認できるようになっている。また、役物302は、上部パネル300と表示領域51aとの間の空間に配置されることで、遊技者等が触れることができないようになっている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)、役物302の可動部302Cを駆動させる駆動部302L、302Rが設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル−スイカ−チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、「スイカ−スイカ−スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを搭載している。乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。タイマ回路509は、16ビットプログラマブルタイマであり、設定されたタイマ値を制御用クロックCCLKの入力に基づいてダウンカウントし、0000Hに達したときに割込コントローラへの割込要求信号を出力する。本実施例では、タイマ回路509を用いて定期的な割込要求や時間計測を行うことが可能である。
割込コントローラ510は、割込端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポートを内蔵する。また、図4に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポートを内蔵する。シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
メイン制御部41は、例えば、ROM41bの記憶領域のうちプログラム等が格納されていない領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの記憶領域のうちアクセス禁止が設定された領域へのアクセスがあったとき、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるようになっており、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、内部または外部によるリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ROM41bに割り当てられ、割込処理の先頭アドレスが設定されるベクタテーブルに設定された値が、未使用を示す値であるか、プログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、を判定し、いずれの値でもない場合には起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
メイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、前述した演出用スイッチ56、役物302を構成する後述の位置センサ305a、305bが接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、役物302を構成する演出用LED303L、303C、303R、演出用モータ304L、304R等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用LED303L、303C、303R、演出用モータ304L、304R等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、役物302を動作させるための演出用モータ304L、304Rに対してサブ制御部91から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)を伝送するモータ駆動回路99と、その他の回路等、が搭載されている。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
モータ駆動回路99は、演出態様に応じてサブCPU91aにより生成された制御信号に基づいて、各々の演出用モータ304L、304Rに対してモータ駆動信号を出力するようになっており、演出態様に応じて選択された制御信号パターンをサブCPU91aが出力することで、演出態様に応じて役物302の動作がサブ制御部91により制御されることとなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含み、RAM異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうちの使用可能領域は、重要ワーク、特別ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されており、重要ワーク、特別ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域の順で配置されている。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定変更終了時、特定の遊技状態の終了時、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化0は、設定キースイッチ37がOFFの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているときに行う初期化であり、初期化0では、使用可能領域全ての領域が初期化される。初期化1は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないときに行う初期化であり、初期化1では、使用可能領域のうち重要ワーク及び特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2は、特定の遊技状態の終了時に行う初期化であり、初期化2では、使用可能領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化3では、使用可能領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。尚、設定値や遊技状態を示すデータの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、すなわちRAM41cのデータが正常で設定変更される場合には、設定値や遊技状態を示すデータが保持されることとなる。また、後述のタイマカウンタの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、ゲームの終了時や特定の遊技状態の終了時には初期化されることなく保持されることとなる。
本実施例におけるメイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。その後、後述のHWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理を開始する。
そして、メイン制御部41は、初期設定処理において、起動時に設定キースイッチ37がONの状態であれると判定された場合に、設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、重要ワーク及び特別ワークを保持してそれ以外の領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、重要ワーク及び特別ワークを含む使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができるようになっている。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態が遊技者にとって有利なRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態が遊技者にとって有利なBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、後述するARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、ART信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
次に、ゲームの進行を妨げることのない異常(エラー)を検出した場合において、メイン制御部41が外部出力信号として外部出力基板1000に対して出力するメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力制御について、図12に基づいて説明する。ゲームの進行を妨げることのない異常としては、エラー処理を行わなくてもゲームを進行できる異常である。ゲームの進行を妨げることのない異常の具体例としては、リール回転処理中の投入エラー及び払出エラーや、払出処理中の投入エラーである。
リール回転処理中及び払出処理中の投入エラーは、例えば、メダル投入部4から異物を挿入された場合や、メダルの流路に異物が存在した場合や、リール回転処理中及び払出処理中にも関わらず、メダル投入部4から投入されたメダルがホッパータンク34a側に流下した場合などに検出される。また、リール回転処理中の払出エラーは、払出タイミングではない場合にメダルが払い出された場合などに検出される。
図12(a)において、スタートスイッチ、リール回転開始、第1停止、第2停止、第3停止、払出はゲーム進行中の各タイミングを示す。具体的には、スタートスイッチは、スタートスイッチ7の操作を検出したタイミングを示す。リール回転開始は、リール2L、2C、2Rが回転を開始したタイミングを示す。第1停止は、全てのリール2L、2C、2Rが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第2停止は、リール2L、2C、2Rのうちいずれか1つのリールの回転が既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち、2番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。第3停止は、2つのリールの回転が既に停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち、3番目に行われる停止操作を検出したタイミングを示す。払出は、メダルの払出処理を行っているタイミングを示す。
異常検出は、ゲームの進行を妨げることのない異常を検出したタイミングを示す。メダル払出検出は、払い出されたメダルを払出センサ34cにより検出したタイミングを示す。メダルOUT信号は、1パルス出力することにより1枚のメダルが払い出された旨を示す信号である。セキュリティ信号は、ゲームの進行を妨げることのない異常が発生したことを示す信号(例えば、投入エラー信号や払出エラー信号)の出力状況を示す。
図12(a)は、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出し、かつ、メダルの払出のある入賞が発生した場合におけるメダル払出検出、メダルOUT信号、セキュリティ信号の出力タイミングを示した図である。本実施例では、図示するように、リール回転処理中にゲームの進行を妨げることのない異常を検出した場合、異常を検出した直後にセキュリティ信号を出力するのではなく、払出処理を終了した後、かつ、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号を出力する。これにより、リール回転処理中に異常が発生した状況で払い出されたメダルを認識することができる。すなわち、異常が発生した状況で付与された遊技価値を認識することができる。
また、従来知られているように、ゲーム中に異常検出したときに、ゲーム終了後に異常報知する場合、ゲームに関する処理を終了した後に異常信号の出力を行うと、「ゲーム中の異常」と「ゲーム終了直後の異常」の区別がつかない。しかしながら、本実施例では、ゲームを開始してから遊技媒体の付与を終了するまでの期間内の所定のタイミングで異常を検出した場合、遊技媒体の付与が終了した後、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始する。これにより、例えば、遊技店のホールコンピュータなどが、収集ユニットによって収集されたメダルOUT信号とセキュリティ信号の出力タイミングを解析し、メダルOUT信号の出力が完了する前にセキュリティ信号が出力されていたことを検出することで、「ゲーム直後の異常」ではなく、「ゲーム中の異常」であることを区別することができる。
尚、図12(a)では、払出処理の終了後にメダルOUT信号が出力されるようになっていたが、例えば、図12(b)に示すように、メダル払出が検出されるごとにメダルOUT信号が出力されるようにしてもよい。そしてこのような場合でも、メダルOUT信号の出力を完了する前にセキュリティ信号の出力を開始するようになっていれば、例えば、最後のメダル払出の検出に対応するメダルOUT信号の出力を検出したタイミングでセキュリティ信号の出力を開始するようにすればよい。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール加速情報コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。内部当選コマンドは、第1の内部当選コマンドと、第2の内部当選コマンドと、を含み、内部抽選において後述のナビ報知の対象となる報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される。
遊技状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
フリーズコマンドは、当該ゲームにおいて遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態に制御されるか否か、フリーズ状態に制御される場合にはその種類を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信後に送信される。
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。尚、フリーズ状態の終了に伴ってリールの回転を開始するときにも送信されるため、フリーズコマンドによりフリーズ状態の開始が特定された後、リール加速情報コマンドを受信することで遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨だけではなく、フリーズ状態の終了も特定可能となる。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用LED303L、303C、303R、演出用モータ304L、304R等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様、演出用LED303L、303C、303Rの点灯態様、演出用モータ304L、304Rの駆動パターン等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
メイン制御部41は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な操作態様(停止順、停止タイミング等)等を識別可能に報知するナビ報知を実行可能である。また、サブ制御部91は、ナビ報知が実行される場合に、ナビ報知により報知される操作態様を液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知するナビ演出を実行可能である。
また、ナビ演出は、スタートスイッチ7が操作され、ゲームが開始したときから第3停止操作が行われるまでの期間にわたり実行されるが、操作態様に応じて第1停止操作がされること、第2停止操作がされることで終了する構成でも良い。
図6は、メイン制御部41が用いるメモリ領域のアドレスマップである。図6に示すように、メイン制御部41が用いるメモリ領域は、ROM41bに割り当てられたメモリ領域(0000H〜7FFFH)と、RAM41cに割り当てられたメモリ領域(8000H〜FFFFH)と、を含む。
ROM41bのメモリ領域は、プログラム及び固定データが格納されるプログラム/データ領域(0000H〜26FFH)と、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータを設定可能なROMコメント領域(2700H〜277FH)と、後述するCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込処理(メイン)の先頭アドレスが設定されるベクタテーブル領域(2780H〜27A7H)と、メイン制御部41の内部機能をハードウェア的に設定するためのパラメータが設定されるHWパラメータ領域(27A8H〜27FFH)と、アクセスが禁止される未使用領域(2800H〜7FFFH)を含む。
RAM41cのメモリ領域は、ワークとして使用可能な使用可能領域(8000H〜81FFH)と、メイン制御部41に搭載されている各機能を制御するためのレジスタ群が格納される内部機能レジスタ領域(9000H〜9080H)と、アクセスが禁止される未使用領域(8200H〜8FFFH、9081H〜FFFFH)と、を含む。
ROM41bにおけるHWパラメータ領域に設定されるパラメータは、プログラム/データ領域で使用するROM領域の最終アドレス(HPRGEN(D)、アクセス禁止するRAM領域の開始アドレス(HRAMSTAT)及び最終アドレス(HRAMEN(D)を含む。
図7は、メイン制御部41のROM41bにおけるプログラム/データ領域及びRAM41cにおける使用可能領域のアドレスマップである。
図7(a)に示すように、ROM41bにおけるプログラム/データ領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが用いる遊技データが記憶される遊技データ領域と、未使用領域1と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが記憶される非遊技データ領域と、未使用領域2と、を含む。
尚、遊技の進行とは、遊技を構成する一連のプロセスを進行させることであり、スロットマシンであれば、賭数を設定してゲームを開始可能とする段階、ゲームを開始してリールを回転させる段階、リールを停止させて表示結果を導出させる段階、表示結果に応じてメダル等の価値を付与する段階を進行させることである。
遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、がそれぞれ別個に割り当てられているとともに、遊技プログラム領域及び非プログラム領域のうちROM41bの記憶領域において後方に割り当てられていた非プログラム領域の手前の領域は、少なくとも16バイト以上の未使用領域1が割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域と遊技データ領域、非遊技プログラム領域と非遊技データ領域はそれぞれ連続する領域に割り当てられる一方、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム及び非遊技データ領域と、が少なくとも16バイト以上の未使用領域1を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム及び非遊技データ領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
尚、上記において記憶領域の前後とは、記憶領域に割り当てられたアドレス値の大小関係であり、アドレスが小さい方が前方となり、アドレスが大きい方が後方となる。このため、一の記憶領域よりも後方に割り当てられた記憶領域とは、一の記憶領域よりもアドレス値が大きい記憶領域が該当し、一の記憶領域よりも前方に割り当てられた記憶領域とは、一の記憶領域よりもアドレス値が小さい記憶領域が該当する。
また、非遊技プログラム領域よりも後方に遊技プログラムが割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方に割り当てられた遊技プログラムの手前に未使用領域が割り当てられた構成としても良く、このような構成においても遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が未使用領域1を挟んで隣接する領域に割り当てる構成としても良く、このような構成であっても、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、ROM41bのプログラム/データ領域の未使用領域1、2には、全ての領域に0値が格納されているため、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、未使用領域1、2と、を容易に区別することができるとともに、未使用領域1、2に不正なデータが格納されている場合でも容易に発見することができる。
尚、ROM41bのプログラム/データ領域の未使用領域1、2における全ての領域に1が格納される構成としても良く、このような構成とした場合でも、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、未使用領域1、2と、を容易に区別することができるとともに、未使用領域1、2に不正なデータが格納されている場合でも容易に発見することができる。
また、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域はいずれも、アドレスを2進数表記した場合に下位4桁の値が同じ0のアドレス(0H)から開始するようになっており、ROM41bのプログラム/データ領域のうち遊技の進行に係る遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することができる。
また、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域はいずれも、アドレスを2進数表記した場合に下位4桁の値が同じ0のアドレスから開始するだけでなく、16進数表記した場合に下位1桁の値が同じ0のアドレス(0H)から開始するので、アドレスを2進数表記した場合だけでなく、16進数表記した場合にも遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することができる。
尚、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がいずれも、アドレスを2進数表記したか、16進数表記したか、に関わらず、下位N(Nは1以上の自然数)桁が同じ値のアドレスから開始する構成であれば、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することが可能であり、例えば、下位N(Nは1以上の自然数)桁の値が同じ1のアドレスから開始する構成でも同様の効果が得られるものである。
図7(b)に示すように、RAM41cの使用可能領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、遊技プログラムがデータを退避する遊技スタック領域と、未使用領域3と、非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、非遊技プログラムがデータを退避する非遊技スタック領域と、未使用領域4と、を含む。尚、本実施例では、遊技スタック領域と非遊技スタック領域とをそれぞれ異なる領域に個別に備える構成であるが、遊技プログラム及び非遊技プログラムが共用する一のスタック領域を備える構成としても良い。
遊技RAM領域と、非遊技RAM領域と、は少なくとも16バイト以上の未使用領域3を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラムが用いる遊技RAM領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが用いる非遊技RAM領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
以下では、遊技プログラム領域、遊技データ領域及び遊技RAM領域をまとめて遊技領域と称す場合があり、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域をまとめて非遊技領域と称す場合がある。また、未使用領域1及び未使用領域2、未使用領域3及び未使用領域4をまとめて未使用領域と称す場合がある。
メイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、ROM41bのプログラム/データ領域のうちアクセスが禁止された領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの使用可能領域のうちアクセスが許可に設定されていない領域へのアクセスがあったとき、ROM41bのうちプログラム/データ領域以外の領域へのアクセスがあったとき、RAM41cのうち使用可能領域以外の領域へのアクセスがあったときに、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるので、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
特に本実施例では、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスを一括して許可に設定する一方で、それ以外の領域、すなわちプログラム/データ領域のうち遊技プログラムや遊技データ、非遊技プログラム、非遊技データが格納されていない非遊技データよりも後の領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち非遊技プログラム領域の先頭アドレスから遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域へのアクセスを一括して許可に設定する一方で、それ以外の領域へのアクセスが禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
尚、プログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から遊技データ領域までの領域)、非遊技プログラムを含む一かたまりの領域(非遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスをそれぞれ許可に設定し、他の領域へのアクセスを禁止する構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から遊技データ領域までの領域)、非遊技プログラムを含む一かたまりの領域(非遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスをそれぞれ許可に設定し、他の領域へのアクセスを禁止する構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、上記では、プログラム/データ領域においてアクセスを許可する領域そのものを設定する構成であるが、プログラム/データ領域においてアクセスを禁止する領域を設定することで、間接的にアクセスを許可する領域が設定される構成としても良い。
メイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム走行を許可する指定エリア以外の領域においてユーザプログラムが実行された場合、すなわち正常な動作ではユーザプログラムが実行されることのない領域でユーザプログラムが実行された場合に、IAT回路506aがIAT発生信号を出力することで、遊技の進行を不能化させるので、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
特に本実施例では、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する一方で、それ以外の領域、すなわちプログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域でのプログラム走行が禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する一方で、それ以外の領域でのプログラム走行が禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
尚、プログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして一括して設定し、他の領域でのプログラム走行が禁止される構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域でのプログラム走行が禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち非遊技プログラム領域の先頭アドレスから遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして一括して設定し、他の領域でのプログラム走行が禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、上記では、プログラム/データ領域においてプログラム走行を許可する領域そのものを設定する構成であるが、プログラム/データ領域においてプログラム走行を禁止する領域を設定することで、間接的にプログラム走行を許可する領域が設定される構成としても良い。
メイン制御部41にプログラム/データ領域に格納されたプログラムを実行させる命令として、CALL命令を含む。
CALL命令は、指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行させる命令である。メイン制御部41は、CALL命令によりサブルーチンを呼び出す場合には、呼び出し元のアドレスをスタック領域に格納し、指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。そして、当該サブルーチンの終了後、スタック領域に格納されている呼び出し元のアドレス、すなわちCALL命令を実行した呼び出し元のプログラムに復帰する。
また、CALL命令は、通常のCALL命令と、特殊なCALL命令であるCALLV命令と、を含む。通常のCALL命令は、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定して指定された上位アドレス及び下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出す命令であるのに対して、CALLV命令は、下位アドレスのみ指定することで、ROM41bのベクタテーブル領域に予め設定された上位アドレス及び指定された下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出す命令であり、通常のCALL命令に比較して少ないデータ量でサブルーチンを呼び出すことが可能となる。
ROM41bに格納された遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンは、ROM41bの遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値(例えば00H)となる領域に格納されている。一方、ROM41bのベクタテーブル領域には、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値が設定されている。そして、メイン制御部41は、先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、上位アドレスとしてベクタテーブル領域に設定された特定値を特定し、下位アドレスとして指定された下位アドレスを特定し、上位及び下位を合わせたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。このため、遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを呼び出す際に用いるアドレスの一部を構成する上位アドレスが特定値として予めベクタテーブルに設定されており、ベクタテーブルに設定された特定値に基づいてアドレスが特定されるため、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してプログラムを呼び出す通常のCALL命令に比較して少ないデータ量にてサブルーチンを呼び出すことが可能となり、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
尚、ROM41bに格納された非遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを、ROM41bの非遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらのサブルーチンを呼び出して実行する構成とした場合でも、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してプログラムを呼び出す通常のCALL命令に比較して少ないデータ量にてサブルーチンを呼び出すことが可能となり、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、CALLV命令で呼び出す際に用いる上位アドレスを、ベクタテーブル領域ではなく、メイン制御部41の特定のレジスタに設定する構成としても良い。
また、CALLV命令に限らず、アドレスの一部が、ベクタテーブル領域に格納された値、特定のレジスタに設定された値等を用いて特定され、アドレスの残りの部分を指定することで、サブルーチンの格納アドレスが特定可能となる特殊なCALL命令を用いる構成であれば、サブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
メイン制御部41は、システムリセット信号の入力によるシステムリセット、WDT506bによるWDTリセット、前述のイリーガルアクセスリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ベクタテーブル領域に設定された値、すなわちCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込処理(メイン)の先頭アドレスが、プログラム領域のうちプログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、またはFFFFH(未使用のベクタテーブル領域に設定される値)であるか、を判定し、ベクタテーブル領域に設定された値がプログラムが設定される領域外を示す値でもなく、FFFFHでもない場合には、起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。一方、非遊技プログラムとは、前述のように遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、遊技を進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、図8に示すように、遊技プログラムに基づく処理において非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムに基づく処理を実行し、非遊技プログラムに基づく処理の終了後、遊技プログラムに基づく処理に復帰する。
図8に示すように、CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。
また、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
また、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域等)のみ参照可能とされている。また、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域は、連続するアドレス領域に割り当てられることが好ましいが、一部または全部が連続しないアドレス領域に割り当てられる構成であっても良い。
このように本実施例では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされているので、遊技プログラムが非遊技RAM領域において参照可能なデータ、非遊技プログラムが参照可能なデータが特定の領域に制限されているため、遊技プログラムまたは非遊技プログラムの参照先を容易に特定することができる。
また、本実施例では、遊技プログラムが非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムが実際に使用していたレジスタであるか否かに関わらずレジスタの全ての領域を保護する処理が行われるため、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができる。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出した場合に、非遊技プログラムの最初に、遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムの最後に、保護されているレジスタの値を復帰させるようになっているため、遊技プログラムの容量を削減することができる。
尚、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの呼び出し前にレジスタの保護処理が行われ、非遊技プログラムからの復帰後にレジスタの復旧処理が行われるため、非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
また、本実施例では、メイン制御部41が、タイマ割込処理(メイン)を遊技プログラムとして実行するとともに、非遊技プログラムの実行中においては、タイマ割込処理(メイン)の実行を禁止するようになっている。すなわちタイマ割込処理(メイン)は、遊技プログラムの実行中にのみ、実行中の処理に割り込んで実行されることとなる。
仮に、非遊技プログラムの実行中において、タイマ割込処理(メイン)が実行されると、タイマ割込処理(メイン)により実行中の非遊技プログラムが用いていたレジスタの値を退避する必要があるが、この際、タイマ割込処理(メイン)において非遊技RAM領域に割り当てられた非遊技スタック領域にレジスタの値を退避する構成とした場合には、遊技プログラムであるタイマ割込処理(メイン)が非遊技RAM領域のデータに影響を及ぼすこととなる。一方で、タイマ割込処理(メイン)において遊技RAM領域に割り当てられた遊技スタック領域にレジスタの値を退避する構成とした場合には、非遊技プログラムが用いていたレジスタの値によって、遊技RAM領域のデータに影響を及ぼすこととなる。
これに対して本実施例では、上記のように非遊技プログラムの実行中においては、タイマ割込処理(メイン)の実行が禁止されるので、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
次に、図9、図10に基づいて、役物302について説明する。図9に示すように、役物302は、液晶表示器51の表示領域51aの前面側を上下方向に移動可能な可動部302C、当該可動部302Cの両側であって前面扉の内部における液晶表示器51の両側にそれぞれ配置される可動部302Cの駆動部302L、302R等から構成される。
可動部302Cの前面側には、演出用LED303L、303C、303Rが遊技者側から視認可能に配置されており、可動部302Cの両側部分には、駆動部302L、302Rと連結される案内片305L、305Rが設けられている。案内片305L、305Rは、前面扉1bの表示領域51aの両側において前面扉1bの前方側から内部側に挿通された上下方向に延びるスリット状孔301L、301Rを通されて、前面扉1bの内部側で駆動部302L、302Rに連結されるようになっている。尚、可動部302Cには、遊技者側から視認可能な液晶表示器や可動部上で動作する構造物等が搭載されても良い。
駆動部302L、302Rは、可動部302Cの案内片305L、305Rを上下方向に案内する案内軸325L、325Rと、案内軸325L、325Rの上下端を回転可能に軸支する上軸受部321L、321R及び下軸受部322L、322Rと、案内軸325L、325Rの下部に固着された従動ギヤ327L、327Rと、当該従動ギヤ327L、327Rを駆動ギヤを介して駆動させる演出用モータ304L、304Rと、可動部302Cの位置を検出する位置センサ305a、305bと、から構成されている。
案内軸325L、325Rの周面には、凹状の溝部が螺旋状に形成される一方で、可動部302Cの案内片305L、305Rには、当該溝部と摺動可能に係合して可動部302Cを案内軸325L、325Rに支持する支持部が設けられており、演出用モータ304L、304Rを駆動させることにより案内軸325L、325Rが軸心周りに回転され、案内片305L、305Rの支持部が案内軸325L、325Rの溝部に対して相対的に移動することで、可動部302Cが案内軸325L、325Rに沿って上下方向に移動可能になっている。
位置センサ305a、305bは、該当する位置センサの検出位置に可動部302Cがあるか否かを検出するセンサであり、位置センサ305aは、図9に示すように、可動部302Cが初期位置にあることを検出可能な位置に配置され、位置センサ305bは、図10(a)に示すように、可動部302Cが上下移動する範囲の最下位置にあることを検出可能な位置に配置される。尚、位置センサの配置は、可動部302Cが特定の位置にあることを検出可能な位置であればよく、本実施例の初期位置、最下位置に限られず、図10(b)に示すように、可動部302Cが上下移動する範囲の中間位置にあることを検出可能な位置であっても良い。また、位置センサの個数は、可動部302Cが特定の位置にあることを検出可動であれば、複数個であっても単数個であっても良い。
演出用モータ304L、304Rは、ステッピングモータにて構成されており、可動部302Cが位置センサ305aにより検出されたとき、すなわち可動部302Cが初期位置にあるときから演出用モータ304L、304Rを回転駆動させるステップ数により、可動部302Cの位置(初期位置からの位置)を特定可能であり、図10に示すように、サブ制御部91からの駆動信号により可動部302Cを任意の位置に移動させることが可能とされている。
演出用LED303L、303C、303Rは、サブ制御部91から出力される制御信号により点灯パターンを制御可能であり、演出用LED303Cは、例えば、図10(a)に示すように、遊技者にとって有利な特典に関する情報や、図10(b)に示すように、遊技者にとって有利な状況である可能性を示唆するメッセージを表示可能になっている。
サブ制御部91は、演出態様に応じて所定のパターンで駆動信号を出力することで、演出用モータ304L、304Rを所定の速さで回転駆動させること、すなわち可動部302Cを所定の速さで上下移動させることが可能となっている。演出態様に応じた駆動信号のパターンには、演出用モータ304L、304Rを所定の第1速度で順方向(可動部302Cが下方に移動する方向)に回転駆動させる第1パターン、第1速度よりも速い所定の第2速度で演出用モータ304L、304Rを順方向に回転駆動させる第2パターン、演出用モータ304L、304Rを第1速度で逆方向(可動部302Cが上方に移動する方向)に回転駆動させる第3パターンが含まれる。
本実施例の役物302は、サブ制御部91により、演出パターンに応じて作動パターンが設定されることで、所定作動パターンに従って作動させることが可能であり、役物302の可動部302Cの作動態様、役物302の演出用LED303L、303C、303Rの点灯態様により、遊技者にとって有利な特典が付与された可能性、特典が付与される可能性、特典の内容(ゲーム数やメダルの枚数、権利数等)、内部抽選で当選した役の種類、内部抽選で小役または再遊技役が当選した可能性等を示唆させることが可能である。
遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
本実施例では、スロットマシン1に供給される電源電圧が電断検出回路98により監視され、電源電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号がサブCPU91aに対して出力されるようになっており、サブCPU91aに対して電圧低下信号が出力されたときには、その時点におけるゲームの進行状況を示す各種データをRAM91cに設定する。これにより、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、その前に電断が生じたときの状態に復帰可能であり、電断時のゲームの進行状況を把握することができるようになっている。
そして、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、最初に初期制御を実行して起動時の処理を行う。初期制御では、サブ制御部91の起動処理を実行した後、役物の初期動作処理を実行する。初期動作処理では、役物が正常に作動するか否かを判定し、その後、役物を用いた演出を行う際に、初期動作処理における判定結果に応じた制御を実行する。
図11に示すように、スロットマシン1への電力供給が開始されると、メイン制御部41は、初期設定処理を開始させ、RAM41cが正常な状態で電断前の状態に復帰したときに、サブ制御部91に対して復帰コマンドを送信して、メイン処理に移行して通常のゲームに関する制御を実行する。
これに対して、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されると、メイン制御部41が起動する前に初期制御を開始させて、初期制御を行っている旨を示す初期画面を液晶表示器51に表示させつつ起動処理を実行し、所定のコマンドを受信するまで待機する。そして、所定のコマンドとして復帰コマンドを受信することで、役物302の初期動作を開始させ、役物正常フラグまたは役物異常フラグが設定されることで、これらのフラグの設定状況に応じて、役物302を用いた演出の許可または不許可をRAM91cに設定する。
具体的には、役物正常フラグが設定されている場合には、役物302の第1演出、第2演出の実行を許可に設定する一方で、役物異常フラグが設定されている場合には、役物302の第1演出の実行を不許可に設定するとともに第2演出の実行を許可に設定する。尚、第1演出は、演出用モータ304L、304Rを駆動させて可動部302Cを作動させる演出であり、第2演出は、第1演出と関連しない点灯態様で演出用LED303L、303C、303Rを点灯させる演出である。
このように、本実施例のサブ制御部91は、初期制御において、メイン制御部41がメイン処理に移行するときに送信される復帰コマンドを受信したときに、役物302の初期動作処理を実行する。また、サブ制御部91は、初期動作処理において設定された役物正常フラグまたは役物異常フラグに基づいて役物302の初期動作が正常に行われたか否かを判定し、その判定結果に応じて、その後の演出における役物302の第1演出、第2演出の実行の許可または不許可をRAM91cに設定する。
そして、サブ制御部91は、初期制御において復帰コマンドを受信し、初期動作処理を実行した後、当該初期動作処理にて役物異常フラグが設定されている場合には、初期制御処理の終了後に演出出力として役物異常報知を設定することで、役物302の可動部302Cに異常が生じたことを報知する役物異常報知画面を液晶表示器51に表示させるとともに、スピーカ53、54から警告音を出力して、役物異常報知を所定時間にわたり実行する。
また、本実施例のサブ制御部91は、遊技者が操作可能な演出用スイッチ56を備え、当該演出用スイッチ56が操作されたときに所定の演出として、例えばゲームの履歴を液晶表示器51に表示させることが可能であり、図11に示すように、スロットマシン1への電力供給が開始されてサブ制御部91において初期制御を終了させる際に、演出用スイッチ56の操作の受け付けを有効化する、すなわちサブ制御部91において初期制御を実行している期間において演出用スイッチ56の操作を受け付けないようになっているので、初期制御における初期動作処理によって役物302の可動部302Cが動作している状態において所定の演出が実行されて、ゲームの履歴等が液晶表示器51に表示されることを防止できる。これにより、演出用スイッチ56の操作により表示された内容の視認が、役物302の可動部302Cの初期動作によって妨げられてしまうことを防止できる。
また、本実施例のサブ制御部91は、遊技者が操作可能な演出用スイッチ56を備え、当該演出用スイッチ56が操作されたときに所定の演出として、例えばゲームの履歴を液晶表示器51に表示させることが可能であり、演出用スイッチ56が操作されることで所定の演出が実行可能である旨を液晶表示器51に表示して演出用スイッチ56の操作を促す演出を実行可能であるが、図11に示すように、初期動作制御が行われている期間において演出用スイッチ56の操作を促す演出を実行しないようになっており、初期動作処理によって可動部302Cが動作している状態において所定の演出が実行されることを防止できる。これにより、演出用スイッチ56の操作により表示された内容の視認が、役物302の可動部302Cの初期動作によって妨げられてしまうことを防止できる。
次に、基板ユニット600について、図13〜図15に基づいて説明する。図13は、(a)は基板ユニットを示す背面図、(b)は(a)のA−A断面図である。図14は、図13の中継基板に配線が接続された状態を示す背面図である。図15は、図13の中継基板においてプリント配線や電子部品が設けられない領域を示す説明図である。尚、以下の図13〜図20においては、後述するプリント配線や電子部品を全て図示するものではなく、一部の図示を省略しているものとする。
図13に示す基板ユニット600は、特に図示しないが、図2に示す前面扉1bの背面上部に取付けられる演出制御基板90の前面側に設けられるユニットであり、背面視横長長方形状に形成された取付ベース601と、取付ベース601の前面側を覆うように取付ベース601に組付けられ、透光性を有する合成樹脂材からなるカバー部材602と、取付ベース601の背面601aに取付けられる基板としての中継基板603と、から主に構成されている。
取付ベース601は、図示しないネジ等を介して、前面扉1bの背面上部所定箇所(図示略)に固定されている。中継基板603は、取付ベース601の背面601aの複数箇所に突設された複数のボス604上に載置され、背面601aに対し所定の隙間を隔てて配置された状態でネジN1を介して取付ベース601に取付けられている。また、取付ベース601の背面601aにおける左右側及び上側には、配線を保持する配線保持部605A,605B,605Cが設けられている。配線保持部605A,605B,605Cは、図13(b)における拡大図に示すように、背面601aに立設された垂直片605dと、該垂直片605dの上端から背面601aに対し水平に延びる水平片605eと、水平片605eの先端から下方に垂下されるフック片605fと、から側面視略フック状に形成されている。
図13〜図15に示すように、中継基板603は、演出制御基板90と図示しない複数の電気部品(例えば、モータ、ソレノイド、発光ダイオード(LED)、センサ、スイッチ等)とを中継する基板であり、背面601aと対向する前面と反対側の背面である実装面603aには、基板側コネクタKCN1〜KCN6が設けられている。また、実装面603aには、例えば、IC(集積回路)、トランジスタ、抵抗といった複数種類の電子部品610A,610B,610Cや、これら電子部品610A,610B,610Cと基板側コネクタKCN1〜KCN6とを接続する複数のプリント配線CP1〜CP6や電子部品同士を接続するプリント配線等が設けられている。プリント配線は、合成樹脂などの絶縁体の基板に、導線に相当する導電物質を印刷技術で付着させることにより形成された配線(配線パターン)である。
基板側コネクタKCN1は、実装面603aにおける左右側方向の中央下部位置に配置されており、接続口611を背面側に向けた状態で横向きに実装されている。基板側コネクタKCN1には、配線C1の配線側コネクタHCN1が背面側から接続される。
基板側コネクタKCN2は、実装面603aにおける左端部位置に配置されており、接続口611を左側に向けた状態で縦向きに実装されるアングルコネクタである。基板側コネクタKCN2には、配線C2の配線側コネクタHCN2が接続される。基板側コネクタKCN3は、実装面603aにおける基板側コネクタKCN2の右斜め上方位置に縦向きに配置され、接続口611を左側に向けた状態で実装されるアングルコネクタである。基板側コネクタKCN3には、配線C3の配線側コネクタHCN3が接続される。
基板側コネクタKCN4は、実装面603aにおける右端部位置に配置されており、接続口611を右側に向けた状態で縦向きに実装されるアングルコネクタである。基板側コネクタKCN4には、配線C4の配線側コネクタHCN4が接続される。基板側コネクタKCN5は、実装面603aにおける基板側コネクタKCN4の左斜め上方位置に配置され、接続口611を右側に向けた状態で縦向きに実装されるアングルコネクタである。基板側コネクタKCN5には、配線C5の配線側コネクタHCN5が接続される。
基板側コネクタKCN6は、実装面603aにおける左右側方向の中央上部位置に配置されており、接続口611を上側に向けた状態で横向きに実装されている。基板側コネクタKCN6には、配線C6の端部が接続される。
配線C1〜C5は、被覆線を同一ピッチで複数本並設して融着した形状の線材、いわゆるフラットケーブルであり、配線C6は、平板型の導体を複数本並設して被覆したリボン状の線材、いわゆるフレキシブルフラットケーブルとされているが、配線の種類は上記のものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。また、配線C1〜C6は、パラレル通信による信号を送信するために用いられるパラレル通信ケーブルである。
基板側コネクタKCN1に接続される配線C1は、カバー部材602に形成された開口602Aからカバー部材602の背面側に引き出された後、中継基板603の下方に向けて引き出され、中継基板603の下方位置において図示しない基板または電気部品に接続される。
基板側コネクタKCN2に接続される配線C2及び基板側コネクタKCN3に接続される配線C3は、基板側コネクタKCN2,KCN3からそれぞれ実装面603aに沿うように左方に引き出され、取付ベース601の左辺において前方に折り返された後、中継基板603の前方に設けられる図示しない基板または電気部品に接続される。また、基板側コネクタKCN2,KCN3と取付ベース601の左辺との間の所定箇所が配線保持部605Aにて保持される。
基板側コネクタKCN4に接続される配線C4及び基板側コネクタKCN5に接続される配線C5は、基板側コネクタKCN4,KCN5からそれぞれ実装面603aに沿うように右方に引き出され、取付ベース601の右辺において前方に折り返された後、中継基板603の前方に設けられる図示しない基板または電気部品に接続される。また、基板側コネクタKCN4,KCN5と取付ベース601の右辺との間の所定箇所が配線保持部605Bにて保持される。
基板側コネクタKCN6に接続される配線C6は、基板側コネクタKCN6から実装面603aに沿うように上方に引き出され、取付ベース601の上辺において前方に折り返された後、中継基板603の前方に設けられる図示しない基板または電気部品に接続される。また、基板側コネクタKCN6と取付ベース601の上辺との間の所定箇所が配線保持部605Cにて保持される。尚、これら配線C2〜C6は、取付ベース601の上辺、左右辺それぞれにて前方に折り返された後、カバー部材602と取付ベース601との間に形成される隙間を通って前方に導かれる。
ここで、このように演出制御基板90と各種基板または電気部品とを中継する中継基板603を設計する場合、実装面603aに実装する電子部品や基板側コネクタの種別や数量を決定するだけでなく、これら電子部品や基板側コネクタ及び電子部品と基板側コネクタとを接続するプリント配線を、実装面603aのどの位置に配置するかなどを決定する必要がある。このとき、例えば、中継基板603の実装面603aの面積や形状だけでなく、中継基板603がスロットマシン1のどのような位置に配置され、また、基板側コネクタKCN1〜KCN6に接続される配線C1〜C6がいずれの電気部品に接続されるか、つまり、配線C1〜C6の配線経路等を考慮して、基板側コネクタKCN1〜KCN6、電子部品、プリント配線等の配置位置を決定する。
具体的には、スロットマシン1の設計、製造時において、中継基板603と電気部品との配置位置関係に応じて配線C1〜C6の配線経路が決定されるため、例えば、実装面603aにおける各基板側コネクタKCN1〜KCN6の配置位置は、対応する配線の配線経路に合わせて決定することが好ましい。本実施例では、配線C1の配線経路は中継基板603の下方であるため基板側コネクタKCN1は下部位置に配置され、配線C2,C3の配線経路は中継基板603の左方であるため基板側コネクタKCN2,KCN3は左端部位置に配置され、配線C4,C5の配線経路は中継基板603の右方であるため基板側コネクタKCN4,KCN5は右端部位置に配置され、配線C6の配線経路は中継基板603の上方であるため基板側コネクタKCN6は上部位置に配置されている。
特に、基板側コネクタKCN2,KCN3と基板側コネクタKCN4,KCN5は、配線経路が中継基板603の左右側にあるので、中継基板603の左右側辺に沿って上下に並設することも考えられるが、左右側辺の長さが短寸で上下に並設できず、また、電子部品610AであるICまでの配線長さを極力短寸化するため、上方の基板側コネクタKCN3,KCN5を基板側コネクタKCN2,KCN4より内側にある電子部品610Aに近づけて配置している。
また、基板側コネクタKCN1〜KCN6のうち、左側の基板側コネクタKCN2,KCN3は、接続口611が実装面603aに対し略直交するように左方に開口するように設けられているとともに、配線保持部605Aが中継基板603の実装面603aよりも背面601aに近い位置で配線C2,C3を保持するため、基板側コネクタKCN2,KCN3に接続された配線C2,C3は、基板側コネクタKCN2,KCN3から左側に向けて実装面603aに沿うように設けられる(図13(b)参照)。また、右側の基板側コネクタKCN4,KCN5は、接続口611が実装面603aに対し略直交するように右方に開口するように設けられているとともに、配線保持部605Bが中継基板603の実装面603aよりも背面601aに近い位置で配線C4,C5を保持するため、基板側コネクタKCN4,KCN5に接続された配線C4,C5は、基板側コネクタKCN4,KCN5から右側に向けて実装面603aに沿うように設けられる(図13(b)参照)。
図15に示すように、実装面603aにおいて、基板側コネクタKCN2から左方に延びる配線対応領域E1は、配線C2が実装面603aに沿って配置される領域であり、基板側コネクタKCN3から左方に延びる配線対応領域E2は、配線C3が実装面603aに沿って配置される領域である。また、基板側コネクタKCN4から右方に延びる配線対応領域E3は、配線C4が実装面603aに沿って配置される領域であり、基板側コネクタKCN5から右方に延びる配線対応領域E4は、配線C5が実装面603aに沿って配置される領域である。
これら配線対応領域E1〜E4は、配線C2〜C5が実装面603aに近接して配設される領域であるため、ここにプリント配線CP1〜CP6や、電子部品610A,601B,601Cが配設されていると、配線C2〜C5から発せられるノイズにより、プリント配線CP1〜CP6や電子部品610A,601B,601Cに悪影響が及んで接続されている電気部品に誤作動が生じる虞がある。特に、これら配線C2〜C5は前述したようにパラレル通信ケーブルであるが、シリアル通信による信号を送信するために用いられるシリアル通信ケーブルである場合、パラレル伝送よりも伝送速度が高速で頻繁にON/OFFが繰り返されるため、シリアル伝送はパラレル伝送に比べてノイズが発生しやすいので、プリント配線CP1〜CP6や電子部品610A,601B,601Cに悪影響が及ぶ可能性が高くなる。尚、配線対応領域E1〜E4において配線C2〜C5と実装面603aとの離間距離は、例えば、約0〜20mmの範囲とされる。
そこで、本実施例では、中継基板603を設計する段階において、実装面603aにおいて、配線C2〜CP5が実装面603aに沿って配置される配線対応領域E1〜E4には、プリント配線CP1〜CP6や電子部品610A,601B,601Cを配設しないようにしている。言い換えると、中継基板603の設計段階において、配線対応領域E1〜E4は、実装面603aの一部にプリント配線CP1〜CP6や電子部品610A,601B,601Cの配置領域と重ならないように設けられる。すなわち、配線対応領域E1〜E4とプリント配線CP1〜CP6が形成されている領域とが重複しないように設計する。
このように設計された中継基板603は、前面扉1bに取付けられ、各基板側コネクタKCN1〜KCN6に各配線C1〜C6を接続した状態において、配線C2〜C5の一部が実装面603aに沿うように設けられても、配線対応領域E1〜E4にはプリント配線CP1〜CP6や電子部品610A,601B,601Cが存在しないため、配線C2〜C5から発せられるノイズにより、プリント配線CP1〜CP6や電子部品610A,601B,601Cに悪影響が及んで接続されている電気部品に誤作動が生じることが抑制される。
尚、基板側コネクタKCN6に接続される配線C6は、中継基板603の上方に引き出されるが、配線C6はフレキシブルフラットケーブルであるため、基板側コネクタKCN6の上方にプリント配線CP3が設けられていても、若干背面側に折り曲げて実装面603aから離れるように引き回すことができるため、配線C6から発せられるノイズにより、プリント配線CP3に悪影響が及んで接続されている電気部品に誤作動が生じることが抑制される。
また、基板側コネクタKCN1に接続される配線C1は、中継基板603の下方に引き出されるが、基板側コネクタKCN1の接続口611が背面に向けて開口していることで、配線C1は基板側コネクタKCN1に対し上方から接続されるため、基板側コネクタKCN1の下方にプリント配線や電子部品が設けられたとしても、実装面603aから離れるように引き回すことができるため、配線C1から発せられるノイズにより、プリント配線や電子部品に悪影響が及んで接続されている電気部品に誤作動が生じることが抑制される。このように、実装面603aにおいて配線が沿うように通過する領域を必ずしもプリント配線や電子部品がない配線対応領域としなくてもよい。
以上、本実施例では、基板の一例として中継基板603を記載した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、樹脂などでできた板状の部品で、電子部品や集積回路(IC)、それらを繋ぐ金属配線などを高密度に実装した基板(プリント基板、回路基板ともいう)であればよく、中継基板603以外の基板(例えば、他の中継基板、演出制御基板、遊技制御基板など)にも適用可能である。尚、プリント基板は、配線のみで電子部品が実装されていないプリント配線板や、電子部品が実装され全体として機能する状態になったプリント回路板を含む。また、基板の一例としての中継基板603は前面扉1bの背面に取付けられていたが、このような回路基板の取付箇所は上記個所に限定されるものではなく、例えば、筐体1aなど、取付箇所は任意である。
ここで、本発明の変形例1について図16に基づいて説明する。図16は、(a)は本発明の変形例1における基板の位置関係を示す説明図、(b)は(a)に配線が設けられた状態を示す説明図、(c)は(b)のB−B断面図である。
前記実施例では、中継基板603の基板側コネクタKCN2,KCN3,KCN4,KCN5に接続される配線C2〜C4は、一端が基板側コネクタKCN2,KCN3,KCN4,KCN5に接続されるとともに、他端側が中継基板603の左右側方に設けられる配線保持部605A,605Bに保持されることで、該配線C2〜C4の一部が実装面603aに沿うように設けられるため、配線C2〜C4に対応する配線対応領域E1〜E4にプリント配線や電子部品を設けないように設計されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、配線を保持する保持手段は、回路基板の取付ベースに形成される配線保持部に限定されるものではない。
具体的に説明すると、例えば、図16(a)に示すように、前面扉1bにおける背面所定箇所(図示略)に設けられた取付ベース650には、回路基板として2つの中継基板651,652が互いに離れて配置されている。これら中継基板651と中継基板652とは、配線C10で接続するため、中継基板651の実装面651aには、接続口611を右側に向けた状態で縦向きに実装されるアングルコネクタである基板側コネクタKCN11が設けられ、中継基板652の実装面652aにおける中継基板651に対応する個所には、接続口611を背面側に向けた状態で縦向きに実装される基板側コネクタKCN12が設けられている。
尚、基板側コネクタKCN11は、中継基板651の左辺からさらに左側に離れた位置に設けられている。また、それぞれの実装面651a,652aには、プリント配線CP10や電子部品610Dが設けられる。
中継基板651,652の背面は、図16(b)に示すように、透光性を有する合成樹脂材からなるカバー部材653,654によりそれぞれ被覆されている。図16(c)に示すように、カバー部材653,654は、それぞれの実装面651a,652aに近接して配置されるため、カバー部材653,654には、基板側コネクタKCN11,KCN12を露呈させる切欠部655,656がそれぞれ形成されている。カバー部材653の背面における切欠部655と右辺との間には、配線保持部657が設けられている。
このように構成される中継基板651と中継基板652とは、互いに左右に並設され、図16(b)(c)に示すように、基板側コネクタKCN11,KCN12とに掛け渡される配線C10にて接続される。つまり、配線C10は、配線経路が中継基板651の右方に設けられるため、基板側コネクタKCN11から右方に向けて実装面651aに沿うように設けられる。
ここで、図16(c)に示すように、配線C10の右端は基板側コネクタKCN12に対し背面側から接続されるが、カバー部材653の背面における切欠部655と右側辺との間に配線保持部657が設けられていることで、基板側コネクタKCN11から右方に向けて実装面651aに沿うように設けられる。よって、実装面651aにおける基板側コネクタKCN11から右方に延びる配線対応領域E10は、配線C10が実装面651aに沿って配置される領域であるため、中継基板651の設計段階において、プリント配線CP10や電子部品610Dを設けない配線対応領域として設計する。
このように、配線C10が実装面651aに沿うように、かつ、近接して設けられる場合、必ずしも実装面651aに対し直接対向して配置されていなくても、本変形例1のように、カバー部材653を介して間接的に対向して配置される場合であっても、配線C10が配置される配線対応領域E10をプリント配線CP10や電子部品610Dを設けない領域として設計することが好ましい。
また、配線C10の一部が実装面651aに沿って設けられるように該配線C10を保持する保持手段は、中継基板651を取付ける取付ベース650に設けられているものでなくてもよく、例えば、中継基板651に接続される他の回路基板である中継基板652の基板側コネクタKCN12であってもよい。
さらに、配線を保持する保持手段は、中継基板651の周辺に設けられるものに限定されるものではなく、本変形例1のように、カバー部材653等を介して実装面651aに重畳するように設けられる配線保持部657等であってもよい。
また、前記実施例及び変形例1において、プリント配線や電子部品が存在しない配線対応領域E1〜E4,E10は、中継基板603,651に設けられる基板側コネクタKCN2,KCN3,KCN4,KCN5,KCN11に接続される配線C2〜C5,C10が実装面603a,651aに沿って配置される領域とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の変形例2のように他の基板に接続される配線が実装面に沿って配置される領域としてもよい。
以下、本発明の変形例2について図17に基づいて説明する。図17は、(a)は本発明の変形例2における基板と配線との位置関係を示す説明図、(b)は(a)のC−C断面図である。図18は、図17(a)のD−D断面図である。
図18(a)(b)に示すように、変形例2では、スロットマシン1の所定箇所(図示略)に複数(例えば、3つ)の中継基板661,662,663が並設される。中継基板661,662,663のうち、左右の中継基板661と中継基板662とは、配線C20にて接続されており、配線C20は、中継基板661と中継基板662との間に配設される中継基板663の実装面663aにおける上部に沿って設けられる。尚、特に図示しないが、中継基板661,662,663それぞれの実装面661a,662a,663aには、プリント配線及び電子部品が設けられる。
配線C20は、実装面661aに設けられた基板側コネクタKCN21と、実装面662aに設けられた基板側コネクタKCN22とに接続されており、中継基板663には接続されていない。尚、配線C20は、中継基板663の左右側に並設される中継基板661,662の基板側コネクタKCN21,22に接続されるため、実装面663aに沿って横切るように配置される。つまり、基板側コネクタKCN21,22は、配線C20を実装面663aに沿って配置されるように保持する保持手段を構成している。
このような中継基板663のように、該中継基板663に接続されない配線C20の一部が実装面663aに沿うように配置される場合においても、実装面663aにおいて配線C20が配置される配線対応領域E20は、プリント配線や電子部品を設けない領域とすることが好ましい。このようにすることで、配線C20から発せられるノイズにより、プリント配線や電子部品に悪影響が及んで接続されている電気部品に誤作動が生じることが抑制される。
また、配線対応領域E20は、実装面663aにおいてプリント配線や電子部品が設けられていない領域とされていたが、例えば、図18に示すように、中継基板663が、複数の絶縁層665を積層することにより形成される多層プリント配線板である場合、絶縁層665の内部に設けられる配線層CP20が配線C20に対応する位置に設けられてもよい。つまり、中継基板663が多層プリント配線板である場合であっても、中継基板663における配線C20に対向する面である実装面663aにおいて、配線C20に対応する配線対応領域E20にプリント配線や電子部品が設けられていなければ、絶縁層665の内部に設けられる配線層CP20や、実装面663aの反対面に設けられるプリント配線CP21や電子部品が配線C20に対応する位置に配置されていてもよい。
すなわち、配線層CP20やプリント配線CP21は、配線C20に対して絶縁層665を介して配置されているため、配線C20から発せられるノイズの影響を受けにくいからである。また、プリント配線CP21の配置位置に電子部品が設けられていても、配線C20から発せられるノイズの影響を受けにくいため、電子部品を設けることもできる。
次に、本発明の変形例3について図19に基づいて説明する。図19は、(a)は配線の一部が電子部品のみに重なるように配置される例を示す説明図、(b)は配線の一部がプリント配線のみに重なるように配置される例を示す説明図である。
前記実施例及び変形例1,2では、基板の実装面において配線が沿うように配置される領域には、プリント配線及び電子部品のいずれも配設しないものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図19(a)に示す中継基板670のように、実装面670aに設けられた基板側コネクタKCN30から上方に向けて配線C30が実装面670aに沿うように配置される場合、実装面670aにおいて配線C30が配置される配線対応領域E30は、少なくともプリント配線CP30が設けられない領域とされていれば、電子部品610Eが設けられていてもよい。
また、図19(b)に示す中継基板670のように、実装面670aに設けられた基板側コネクタKCN30から下方に向けて配線C30が実装面670aに沿うように配置される場合、実装面670aにおいて配線C30が配置される配線対応領域E31は、少なくとも電子部品610Eが設けられない領域とされていれば、プリント配線CP30が設けられていてもよい。
次に、本発明の変形例4について図20に基づいて説明する。図20は、(a)は基板と配線との関係を示す説明図、(b)は(a)のE−E断面図である。
前記実施例及び変形例1〜3では、基板の実装面において配線が沿うように配置される領域は、一の配線に対応して一の領域を設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図20(a)に示すように、複数の基板側コネクタKCN40,KCN41それぞれに接続される複数の配線C40,C41がまとめて配置される一の領域を、プリント配線と電子部品とのうち少なくとも一方が設けられない領域として設定するようにしてもよい。
また、このように一の配線対応領域E40に複数の配線C40,C41がまとめて中継基板680の実装面680aに沿うように配置されるような場合において、該配線対応領域E40における配線C40,C41の配線方向の両側方に、基板側コネクタKCN40,KCN41とは別個の基板側コネクタKCN45,KCN46を配置してもよい。このようにすることで、配線対応領域E40に基板側コネクタKCN45,KCN46を配置せずに、配線C40,C41を基板側コネクタKCN45,KCN46により両側から挟むように保持することができるため、基板側コネクタKCN45,KCN46を他の基板側コネクタKCN40,KCN41の配線C40,C41を保持する配線保持部として機能させることができる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、プリント配線CP1〜CP6が形成された基板としての中継基板603と、中継基板603とは別個に設けられる配線C2〜C5と、配線C2〜C5の少なくとも一部が中継基板603におけるプリント配線形成面である実装面603aに沿って設けられるように該配線C2〜C5を保持する保持手段としての配線保持部605A,605B,605C、基板側コネクタKCN2〜KCN5と、を備え、中継基板603は、実装面603aにおいて、プリント配線CP1〜CP6が形成される領域と配線対応領域E1〜E4とが重複しないように構成されている。このようにすることで、配線C2〜C5から発せられるノイズなどによって中継基板603のプリント配線CP1〜CP6に悪影響が及び誤作動が発生することを回避できる。
また、保持手段は、実装面603aに設けられ、配線C2〜C5の配線側コネクタHCN2〜HCN5が接続される基板側コネクタKCN2〜KCN5を含むことで、基板側コネクタKCN2〜KCN5に接続した配線C2〜C5から発せられるノイズなどによってプリント配線CP1〜CP6に悪影響が及ぶことを回避できる。
また、基板側コネクタKCN2〜KCN5は、配線側コネクタHCN2〜HCN5との接続口611が実装面603aに対し略垂直となるアングルコネクタであることで、基板側コネクタKCN2〜KCN5に接続した配線C2〜C5から発せられるノイズなどによってプリント配線CP1〜CP6に悪影響が及ぶことを回避できる。
また、配線C1〜C6は、複数の導体をより合わせて構成されるフラットケーブルであることで、一の導体からなる配線に比べ発せられるノイズが多くても、誤作動が発生することを回避できる。
また、配線C1〜C6は、パラレル通信による信号を送信するために用いられるパラレル通信ケーブルであるが、配線C2〜C5をシリアル通信による信号を送信するために用いられるシリアル通信ケーブルとした場合、パラレル通信用のケーブルに比べて導体の本数が少なくなり、実装面603aに占める配線対応領域E1〜E4を極力小さくできるため、電子部品やプリント配線の設計自由度が向上するとともに、配線から発せられるノイズにより誤作動が発生することを好適に回避できる。
また、配線C1〜C6から発せられるノイズを低減するノイズ低減手段として、例えば、配線の心線としてツイストペアケーブル(撚り対線)を使用するようにしたり、フェライトコアを取付けるようにすることが好ましい。このようにすることで、誤作動が発生することを好適に回避できる。
尚、本実施例では、電子部品の一例として、IC、トランジスタ、抵抗を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他に、CPU(中央演算処理装置)、コンデンサ、ダイオード、継電器(リレー)等、他の種々の電子部品であってもよい。
また、前記実施例及び変形例では、各中継基板603,651,652,661〜663,670,680は、実装面603a,651a,661a〜663a,670a,680aにおいて、プリント配線CP1〜CP6,CP10,プリント配線CP21,CP30がなされる領域と配線対応領域E1〜E4,E10,E20,E30,E40とが重複しないように構成されていたが、プリント配線がなされる領域と配線が沿う領域とが重複しないように構成されるとは、各々の領域の全てが重複しないように構成されているものだけでなく、各々の領域の少なくとも一部が重複しないように構成されているものでもよい。
また、実装面603aにおいて電子部品610A,610B,610Cが実装されている領域と配線対応領域E1〜E4,E10,E20,E30,E40とが重複しないように構成されていたが、電子部品が実装されている領域と配線が沿う領域とが重複しないように構成されるとは、各々の領域の全てが重複しないように構成されているものだけでなく、各々の領域の少なくとも一部が重複しないように構成されているものでもよい。
また、遊技者が操作可能な操作手段としての演出用スイッチ56と、演出用スイッチ56が操作されたときに所定の演出(例えば、ゲームの履歴等を表示する演出等)を実行する操作演出実行手段としてのサブ制御部91と、動作可能な可動部材としての可動部302Cと、可動部302Cを動作させる制御を行うサブ制御部91と、を備え、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、可動部302Cに初期動作を行わせる初期動作処理を実行可能な初期動作制御手段としてのサブ制御部91を含み、初期動作処理が行われている期間において演出用スイッチ56の操作を受け付けないことで、初期動作によって可動部材が動作している状態において所定の演出が実行されることを防止できる。
また、サブ制御部91は、初期動作処理が行われている期間において演出用スイッチ56の操作を促す演出(操作促進演出)を実行しないようにすることで、初期動作処理によって可動部302Cが動作している状態において所定の演出が実行されることを防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
また、実施例では遊技機としてスロットマシンを例に説明したが、上記実施例で開示した構成を、他の遊技機、例えば、遊技領域に遊技球を発射させることで遊技が行われ、発射された遊技球が遊技領域内に設けられた入賞口に入って入賞が発生することで、賞球として遊技球が払い出されるパチンコ遊技機等に適用しても良い。