[go: up one dir, main page]

JP2017014212A - 核医学画像診断薬 - Google Patents

核医学画像診断薬 Download PDF

Info

Publication number
JP2017014212A
JP2017014212A JP2016130823A JP2016130823A JP2017014212A JP 2017014212 A JP2017014212 A JP 2017014212A JP 2016130823 A JP2016130823 A JP 2016130823A JP 2016130823 A JP2016130823 A JP 2016130823A JP 2017014212 A JP2017014212 A JP 2017014212A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
carbon atoms
compound
formulas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016130823A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6709552B2 (ja
Inventor
英郎 佐治
Hideo Saji
英郎 佐治
木村 寛之
Hiroyuki Kimura
寛之 木村
杏奈 宮崎
Anna Miyazaki
杏奈 宮崎
洋和 松田
Hirokazu Matsuda
洋和 松田
修一 中西
Shuichi Nakanishi
修一 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Kyoto University NUC
Original Assignee
Arkray Inc
Kyoto University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arkray Inc, Kyoto University NUC filed Critical Arkray Inc
Priority to US15/200,346 priority Critical patent/US10561749B2/en
Priority to EP16177639.8A priority patent/EP3111960B1/en
Publication of JP2017014212A publication Critical patent/JP2017014212A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6709552B2 publication Critical patent/JP6709552B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】上皮成長因子受容体の二次変異を判別可能な放射性標識化合物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩。式(1)中、R1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、R2は、下記式(d)又は(e)で表される基であり、Yは、−NH−又は−O−である。【選択図】図2

Description

本開示は、テトラヒドロピリドチエノ[2,3−d]ピリミジン骨格を有する放射性標識化合物に関し、一態様において、上皮成長因子受容体(EGFR)の二次変異を判別するための情報を取得可能な放射性標識化合物に関する。
肺癌は、世界における癌による死因第1位である。肺癌は、その組織型によって小細胞肺癌と非小細胞肺癌とに大別されるが、肺癌の80%を占める非小細胞肺癌に罹患する患者の10〜30%において膜貫通型のチロシンキナーゼ受容体であるEGFRを構成するEGFR遺伝子が変異していることが知られている。EGFRは変異が生じると活性化され、この活性化が癌の増殖等に関与するとされている。また、EGFR遺伝子の変異が確認されると、一般的な抗がん剤よりも分子標的治療薬であるEGFR−TKI(上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤)が有効であると考えられている。このため、近年、肺癌と診断されると遺伝子検査によって患者の遺伝子の変異の有無の確認が行われている(例えば、非特許文献1)。これらの遺伝子検査は、生検によって採取された癌組織を用いて行われる場合が多い。しかしながら、癌患者に侵襲的な生検を試みるのは様々なリスクがあり、身体的な負担も大きい。このため、生検に伴う様々なリスクを回避しつつ、遺伝子検査にかわる新たな方法が求められている。その一つとして、癌におけるEGFRを検出可能な核医学診断用放射性イメージングプローブの検討が行われている(例えば、非特許文献2及び3)。
また、EGFR−TKIによって奏功しても、1年以内に耐性を獲得し、その結果、EGFR−TKIでは十分な治療効果が得られなくなる場合がある。耐性獲得の約半数に二次変異が関与していると考えられていることから、EGFR−TKIの治療開始後、再度遺伝子検査を行う必要がある。
肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異検査の手引き 第2.1版(2014年) 日本肺癌学会 M. A. Pantaleo et al., Annals of Oncology 2009; 20: 213-226 Emily B. Corcoran et al., Medicinal Research Reviews 2014; 34: 596-643
上記のとおり、EGFRを検出するためのイメージングプローブの検討は行われているが、EGFRの二次変異を非侵襲的に判別可能な方法は未だ開発されていない。そこで、本開示は、EGFRの二次変異を判別可能な放射性標識化合物を提供する。
本開示は、一態様において、下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩を含む核医学画像診断薬に関する。
[式(1)中、
1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
2は、下記式(d)又は(e)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
本開示は、一態様において、下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩に関する。
[式(1)中、
1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
2は、下記式(d)又は(e)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
本開示は、一態様において、下記式(2)で表される化合物又は式(2)で表される化合物の製薬上許容される塩に関する。
[式(2)中、
11は、下記式(f)又は(g)で表される基であり、
12は、下記式(h)又は(i)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(f)及び(g)中、R15は、水素原子、又は−L11−X11であり、L11は、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、X11は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基又はブロシレート基であり、式(g)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(h)中、R13は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(h)及び(i)中、R14は、水素原子又はハロゲン原子である。]
本開示は、一態様において、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価するための情報を得る方法であって、
本開示の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出することを含む方法に関する。
本開示は、一態様において、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子におけるT790M変異の発生を評価する方法であって、
本開示の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出すること、
前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うこと、
前記得られた情報又は検出された放射性シグナルを比較すること、及び
前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子における、T790M変異の発生の有無を決定することを含む方法に関する。
本開示は、一態様において、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価する方法であって、
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の投与開始前、投与開始後及び投与開始から一定期間経過後からなる群から選択される2以上のタイミングで上記方法により得られた情報を比較することを含む方法に関する。
本開示は、一態様において、下記式(3)で表される化合物又は式(3)で表される化合物の製薬上許容される塩に関する。
[式(3)中、
21は、下記式(j)、(k)又は(l)で表される基であり、
22は、下記式(m)又は(n)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(j)及び(k)中、L21は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
式(k)及び(l)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(j)、(k)及び(l)中、X21は、ハロゲン原子であり、
式(m)中、R23は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(m)及び(n)中、R24は、水素原子又はハロゲン原子である。]
本開示は、一態様において、EGFRの二次変異を判別可能な放射性標識化合物及びそれを用いたEGFR−TKIの治療効果の有効性を評価する方法を提供できる。
図1は、細胞取込実験の結果の一例を示すグラフである。 図2は、PET/CT撮像の結果の一例を示す画像であって、図2AはH3255(L858R変異)担がんマウスを用いた撮像の結果の一例を示す画像であり、図2BはH1975(L858R/T790M変異)担がんマウスを用いた撮像の結果の一例を示す画像である。
本開示は、一態様において、後述する実施例で合成した式P1〜P10で表されるテトラヒドロピリドチエノ[2,3−d]ピリミジン骨格を有する化合物(実施例表1)であれば、EGFR、中でもL858R変異型EGFRに対して比較的高い結合親和性を示すが、L858R/T790M変異型EGFRに対して結合親和性を示さない、との知見に基づく。また、本開示は、一態様において、下記実施例で合成した化合物[18F]P2といったテトラヒドロピリドチエノ[2,3−d]ピリミジン骨格を有する放射性ハロゲン標識化合物であれば、L858R変異型EGFRを有するH3255担がんマウスのPET撮像において高い近接臓器比(例えば、腫瘍/筋肉比、又は腫瘍/血液比)を示し、かつL858R/T790M変異型EGFRを有するH1975担がんマウスのPET撮像においてH3255担がんマウスと比較して有意に低い近接臓器比(例えば、腫瘍/筋肉比、又は腫瘍/血液比)を示す、との知見に基づく。
上記式(1)で表される放射性標識化合物によれば、一又は複数の実施形態において、EGFR遺伝子においてL858R変異等のEGFR−TKIの感受性を高める変異が発現した肺癌腫瘍において、二次変異であるT790M変異が発現しているか否かを非侵襲的に判別できるという効果を奏しうる。また、式(1)で表される放射性標識化合物によれば、一又は複数の実施形態において、L858R変異等のEGFR−TKIの感受性を高める変異が発現した肺癌腫瘍において、EGFR−TKI耐性を獲得したか否かの判定を非侵襲的に行うことができうるという効果を奏しうる。さらに、式(1)で表される放射性標識化合物によれば、一又は複数の実施形態において、EGFR遺伝子においてL858R変異等といったEGFR−TKIの感受性を高める変異が発現した肺癌腫瘍を有する患者において、EGFR−TKIによる治療の有効性を評価することができるという効果を奏しうる。
本明細書における「EGFRの二次変異を判別可能」としては、一又は複数の実施形態において、L858R変異(一次変異)が生じたEGFRと、L858R変異に加えてT790M変異(二次変異)が生じたEGFRとを判別できることが挙げられる。
本明細書において「核医学画像診断薬」とは、放射性同位体(RI)を結合させた化合物を体内に投与し、体内から放出される放射線(放射性シグナル)を体外から計測・画像化し、臓器又は組織の生体機能の評価又は検査や、疾病の診断等を行うインビボ核医学検査に用いられる放射性標識化合物を含む薬剤、又は体内から採取した組織や血液等の試料と試験管内で反応させ、臓器又は組織の生体機能の評価又は検査や、疾病の診断等を行うインビトロ核医学検査に用いられる放射性標識化合物を含む薬剤をいう。インビボ核医学検査としては、一又は複数の実施形態において、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)や、PET(Positron Emission Tomography)等といった核医学イメージングプローブを用いた方法が挙げられる。
本明細書において「製薬上許容される塩」とは、薬理上及び/又は医薬上許容される塩を含有し、例えば、無機酸塩、有機酸塩、無機塩基塩、有機塩基塩、酸性又は塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。本開示において「化合物の塩」には、化合物が大気中に放置されることにより、水分を吸収して形成されうる水和物が包含され得る。また、本開示において「化合物の塩」には、化合物が他のある種の溶媒を吸収して形成されうる溶媒和物も包含され得る。
本明細書において「放射性ハロゲン原子」とは、ハロゲン原子の放射性同位体をいう。放射性ハロゲン原子としては、123I、124I、125I、131I、18F、75Br、76Br、及び77Brが挙げられる。
本明細書において「炭素数1以上10以下のアルカンジイル基」とは、飽和脂肪族の分枝鎖又は直鎖を有し、かつ、直鎖又は分枝鎖の構造内に1個以上10個以下の炭素原子を有する二価の炭化水素基をいう。炭素数1以上10以下のアルカンジイル基としては、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、又はデカンジイル基等が挙げられる。
本明細書において「ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基」とは、炭素数1以上4以下のアルキル基又ハロゲン置換された炭素数1以上4以下のアルキル基をいう。「炭素数1以上4以下のアルキル基」とは、飽和脂肪族の分枝鎖又は直鎖を有し、かつ、直鎖又は分枝鎖の構造内に1個以上4個以下の炭素原子を有する一価の炭化水素基をいう。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基等が挙げられる。「ハロゲン置換された炭素数1以上4以下のアルキル基」とは、1又は2以上の水素原子がハロゲン原子によって置換されている炭素数1以上4以下のアルキル基をいう。ハロゲン置換された炭素数1以上4以下のアルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、又はジフルオロメチレン基等が挙げられる。
本明細書において「炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基」とは、炭素数1以上4以下のアルキル基の1つ又は2つ以上が水酸基で置換されたものをいう。炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
本明細書において「炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基」とは、直鎖又は分枝鎖のアルキル基の1つ又は2つ以上がアルコキシ基に置換された1個以上4個以下の炭素原子を有する基をいう。炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、又はメトキシエチル基等が挙げられる。
[式(1)で表される化合物]
本開示は、一又は複数の実施形態において、下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩(以下、「本開示の化合物(1)」という)に関する。本開示の化合物(1)は、一又は複数の実施形態において、L858R変異型EGFRに対して比較的高い結合親和性を示すが、EGFRの二次変異の一つであるT790M変異型EGFR及び二重変異体(DM)であるL858R/T790M変異型EGFRに対して結合親和性を示さないという効果を奏しうる。
式(1)中、R1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基である。
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
である(lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下である)。L1としては、一又は複数の実施形態において、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、メチレンオキシエチレン基、エチレンオキシエチレン基、エチレントリオキシエチレン基、又はエチレンテトラオキシエチレン基等が挙げられ、EGFRの二次変異の判別を向上させる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性を低い化合物が得られる点から、エタンジイル基、エチレンオキシエチレン基(−C24−O−C24−基)又はエチレントリオキシエチレン基(−C24−(O−C243−基)が挙げられる。
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、EGFRの二次変異の判別を向上させる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性を低い化合物が得られる点から、2が好ましい。
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、中でも、PET製剤として利用でき、適度な半減期を有し、かつ原子サイズが比較的小さいことから、一又は複数の実施形態において、18Fが好ましい。
1は、EGFRの二次変異の判別を向上させる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性を低い化合物が得られる点から、マイケルアクセプター基を有する式(a)で表される基が好ましく、より好ましくは下記式(a1)で表される基である。
式(a1)中、lは0以上5以下であり、一又は複数の実施形態において、1、2又は3である。mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、一又は複数の実施形態において、1、2、3、4又は5である。
式(1)中、R2は、下記式(d)又は(e)で表される基である。
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基である。R3としては、一又は複数の実施形態において、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基等が挙げられ、EGFRの二次変異の判別を向上させる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性を低い化合物が得られる点から、メチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基が好ましい。
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子であり、一又は複数の実施形態において、水素原子又は臭素原子が挙げられる。
2は、EGFRの二次変異の判別を向上させる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性を低い化合物が得られる点から、式(d)で表される基が好ましく、より好ましくは下記式(d1)、(d2)又は(d3)で表される基である。
式(1)中、Yは、−NH−又は−O−である。
式(1)で表される化合物としては、一又は複数の実施形態において、EGFRの二次変異の判別を向上させる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性を低い化合物である点から、下記式(1a)又は(1b)で表される化合物が好ましく、より好ましくは式(1a)又は(1b)におけるR2が、置換基R7を有するフェニルメチレン基である化合物(下記式(1c)又は(1d)で表される化合物)である。
式(1a)〜(1d)中、X1及びYは上述の通りである。式(1a)及び(1b)中、R2は上述の通りである。式(1b)及び(1d)中、l及びmは上述の通りである。
式(1a)及び(1c)中、nは1以上10以下である。式(1c)及び(1d)中、R7は、メチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基である。
式(1)で表される化合物としては、一又は複数の実施形態において、下記式(1−1)〜(1−10)で表される化合物又はそれらの化合物の製薬上許容される塩等が挙げられ、EGFRの二次変異の判別を向上させる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性を低い化合物である点から、式(1−2)、(1−5)、(1−7)、(1−9)又は(1−10)で表される化合物が好ましい。式(1−1)〜(1−10)において、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、好ましくは[18F]フッ素原子である。
本開示の化合物(1)は、一又は複数の実施形態において、L858R変異等のEGFR−TKIの感受性を高める変異が発現した肺癌腫瘍又は該腫瘍を有する患者において、EGFRの二次変異の発現を判別するためのイメージングプローブ、イメージング用組成物、核医学画像診断薬、EGFR−TKI耐性獲得の評価用診断薬、又はEGFR−TKIによる治療の有効性の評価用診断薬として用いることができる。したがって、本開示は、一又は複数の実施形態において、式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩を含むイメージングプローブ、イメージング用組成物、核医学画像診断薬、EGFR−TKI耐性獲得の評価用診断薬、又はEGFR−TKIによる治療の有効性の評価用診断薬に関する。本開示は、一又は複数の実施形態において、有効成分として式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩を含むイメージングプローブ、イメージング用組成物、核医学画像診断薬、EGFR−TKI耐性獲得の評価用診断薬、又はEGFR−TKIによる治療の有効性の評価用診断薬に関する。
本開示において、イメージング用組成物及び各種診断薬の形態は、特に限定されるものではないが、一又は複数の実施形態において、溶液又は粉末が挙げられる。これらは、担体等の医薬品添加物を含んでいてもよい。
[式(1)で表される化合物の製造方法]
本開示の化合物(1)は、一又は複数の実施形態において、下記式(2)で表される化合物を放射性標識することにより製造できる。したがって、本開示は、一又は複数の実施形態において、式(2)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を放射性標識することを含む、放射性化合物の製造方法に関する。また、本開示は、一又は複数の実施形態において、式(2)で表される化合物を放射性標識することを含む、式(1)で表される化合物の製造方法に関する。
式(2)中、R11は、下記式(f)又は(g)で表される基である。
式(f)及び(g)中、R15は、水素原子又は−L11−X11である。L11は、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下である。L11としては、式(1)のL1と同様のものが挙げられる。
11は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基又はブロシレート基である。
式(g)中、nは1以上3以下の整数であり、EGFRの二次変異の判別を向上させる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性を低い化合物が得られる点から、2が好ましい。
11は、EGFRの二次変異の判別が向上された標識化合物が得られる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性が低い標識化合物が得られる点から、式(f)で表される基が好ましく、より好ましくは下記式(f1)又は(f2)で表される基である。
式(f2)中、lは0以上5以下であり、一又は複数の実施形態において、1、2又は3である。mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、一又は複数の実施形態において、1、2、3、4又は5である。
式(2)中、R12は、下記式(h)又は(i)で表される基である。
式(h)中、R13は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基である。R13としては、式(1)のR3と同様のものが挙げられる。
式(h)及び(i)中、R14は、水素原子又はハロゲン原子である。R14としては、式(1)のR4と同様のものが挙げられる。
12としては、式(1)のR2と同様のものが好ましい。
式(2)中、Yは、−NH−又は−O−である。
式(2)で表される化合物としては、一又は複数の実施形態において、EGFRの二次変異の判別が向上された標識化合物が得られる点から、好ましくはL858R変異型EGFRに対する結合親和性が高くL858R/T790M変異型に対する結合親和性が低い標識化合物が得られる点から、下記式(2−1)又は(2−2)で表される化合物が好ましく、より好ましくは式(2−1)又は(2−2)におけるR12が、置換基R17を有するフェニルメチレン基である化合物(下記式(2−3)又は(2−4)で表される化合物)である。
式(2−3)及び(2−4)中、R17は、メチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基である。式(2−1)〜(2−4)中、Y及びR12は上述の通りである。式(2−2)及び(2−4)中、l及びmは上述の通りである。
式(2)で表される化合物の放射性標識を行う方法は、式(2)で表される化合物の構造に応じて適宜決定できる。式(2)においてR15が−L11−X11である場合、一又は複数の実施形態において、直接標識法を用いて標識することができる。式(2)においてR15が水素原子である場合、X1−L11−X11等を用いて間接標識法を用いて標識することができる。X1及びX11は上述の通りである。
式(2)で表される化合物は、上述のとおり、標識前駆体(放射性標識化合物の製造に用いる非標識化合物)として使用することができる。したがって、本開示は、一又は複数の実施形態において、式(2)で表される化合物又は式(2)で表される化合物の製薬上許容される塩(以下、「本開示の化合物(2)」という)に関する。また、本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の化合物(1)を合成するための標識前駆体として使用する本開示の化合物(2)を含む組成物に関する。また、本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の化合物(2)を含む本開示の化合物(1)を調製するためのキットに関する。本開示のキットは、一又は複数の実施形態において、放射性ハロゲン原子を含む標識試薬をさらに含んでいてもよい。
[EGFR−TKIによる治療の有効性評価のための情報を得る方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、EGFR−TKIによる非小細胞肺癌の治療が行われる被検体におけるEGFR−TKIによる治療の有効性を評価するための情報を得る方法(以下、「本開示の情報を得る方法」ともいう)に関する。被検体は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ヒト、ヒト以外の哺乳類、培養細胞、及びEGFRが存在しうる対象から選択される。
本開示の情報を得る方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の化合物(1)、又は本開示の化合物(1)を含む核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から本開示の化合物(1)又は前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出することを含む。シグナルの検出は、使用する本開示の化合物に含まれる放射性同位元素の種類に応じて適宜決定でき、例えば、PET及びSPECT等を用いて行うことができる。情報としては、一又は複数の実施形態において、検出された放射性シグナル等が挙げられる。
本開示の情報を得る方法は、一又は複数の実施形態において、前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出をEGFR−TKIの治療期間中に繰り返し行うことを含む。
治療に使用されるEGFR−TKIとしては、一又は複数の実施形態において、可逆型EGFR−TKIが挙げられる。可逆型EGFR−TKIとしては、一又は複数の実施形態において、ゲフィチニブ又はエルロチニブ等が挙げられる。
[EGFRの二次変異発生評価方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子におけるT790M変異の発生を評価する方法に関する。本開示の評価方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出すること、前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うこと、前記得られた情報を比較すること、及び前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子において、T790M変異が発生の有無を決定することを含む。
[EGFR−TKIによる治療の有効性評価方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、EGFR−TKIによる非小細胞肺癌の治療が行われる被検体におけるEGFR−TKIによる治療の有効性を評価する方法(以下、「本開示の評価方法」ともいう)に関する。
本開示の評価方法は、一又は複数の実施形態において、EGFR−TKIの投与開始前、投与開始後、及び投与開始から一定期間経過後からなる群から選択される2以上のタイミングで本開示の情報を得る方法により得られた情報を比較することを含む。
本開示の評価方法は、一又は複数の実施形態において、前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子に、T790M変異が発現しているか否かを決定することを含んでいてもよい。また、本開示の評価方法の一又は複数の実施形態において、前記比較によりシグナルの減少が観察される場合は、EGFR−TKIによる治療の薬効の可能性が低下すると評価され、前記比較によりシグナルの減少が観察されない場合は、EGFR−TKIによる治療の薬理有効性の可能性があると評価されうる。また、本開示の評価方法の一又は複数の実施形態において、腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつ前記シグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬理有効性の可能性が低下すると評価されうる。
本開示の評価方法は、一又は複数の実施形態において、前記被検体のCT又はMRIを撮像すること、及び前記CT又はMRI画像と、前記検出した放射性シグナルから構築したイメージング画像とを融合又は比較することを含んでいてもよい。また、本開示の評価方法の一又は複数の実施形態において、前記融合又は比較に基づき、腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつシグナルの減少が観察される場合は、EGFR−TKIによる治療の薬理有効性の可能性が低下すると評価されうる。
[EGFR陽性肺癌腫瘍のイメージング方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の化合物(1)を投与された被検体から前記化合物の放射性シグナルを検出することを含むイメージング方法に関する。
[式(3)で表される化合物]
本開示は、一又は複数の実施形態において、下記式(3)で表される化合物又は式(3)で表される化合物の製薬上許容される塩に関する。
式(3)中、R21は、下記式(j)、(k)又は(l)で表される基であり、
22は、下記式(m)又は(n)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(j)及び(k)中、L21は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって0以上5以下であり、
式(k)及び(l)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(j)、(k)及び(l)中、X21は、ハロゲン原子であり、
式(m)中、R23は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(m)及び(n)中、R24は、水素原子又はハロゲン原子である。
式(3)で表される化合物は、一又は複数の実施形態において、L858R変異型EGFRに対して比較的高い結合親和性を示すが、EGFRの二次変異の一つであるT790M変異型EGFR及び二重変異体(DM)であるL858R/T790M変異型EGFRに対して結合親和性を示さないという効果を奏しうる。L21、R22及びnは、それぞれ式(1)のL1、R2及びnと同様である。
本開示は、以下の一又は複数の実施形態に関しうる。
〔1〕 下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩を含む核医学画像診断薬。
[式(1)中、
1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
2は、下記式(d)又は(e)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
〔2〕 L1は、エタンジイル基、エチレンオキシエチレン基又はエチレントリオキシエチレン基である、〔1〕記載の核医学画像診断薬。
〔3〕 R3は、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基である、〔1〕又は〔2〕に記載の核医学画像診断薬。
〔4〕 R4は、水素原子又は臭素原子である、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の核医学画像診断薬。
〔5〕 下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩。
[式(1)中、
1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
2は、下記式(d)又は(e)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
〔6〕 式(2)で表される化合物又は式(2)で表される化合物の製薬上許容される塩。
[式(2)中、
11は、下記式(f)又は(g)で表される基であり、
12は、下記式(h)又は(i)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(f)及び(g)中、R15は、水素原子又は−L11−X11であり、L11は、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、X11は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基又はブロシレート基であり、式(g)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(h)中、R13は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキ
ル基であり、
式(h)及び(i)中、R14は、水素原子又はハロゲン原子である。]
〔7〕 R15は、水素原子である、〔6〕記載の化合物。
〔8〕 〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の核医学画像診断薬を合成するための標識前駆体として使用する、〔6〕又は〔7〕に記載の化合物を含む組成物。
〔9〕 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価するための情報を得る方法であって、
〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出することを含む、方法。
〔10〕 前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うことを含む、〔9〕記載の方法。
〔11〕 肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子におけるT790M変異の発生を評価する方法であって、
〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出すること、
前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うこと、
前記得られた情報を比較すること、及び
前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子における、T790M変異の発生の有無を決定することを含む、方法。
〔12〕 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価する方法であって、
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の投与開始前、投与開始後及び投与開始から一定期間経過後からなる群から選択される2以上のタイミングで〔9〕又は〔10〕に記載の方法により得られた情報を比較することを含む、方法。
〔13〕 前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子が、T790M変異を有している否かを決定することを含む、〔12〕記載の方法。
〔14〕 前記比較によりシグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価し、前記比較によりシグナルの減少が観察されない場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性があると評価する、〔12〕又は〔13〕に記載の方法。
〔15〕 腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつ前記シグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価す、〔12〕又は〔13〕に記載の方法。
〔16〕 前記被検体のCT又はMRIを撮像すること、及び
前記CT又はMRI画像と、前記検出した放射性シグナルから構築したイメージング画像とを融合又は比較することを含み、
前記融合又は比較に基づき、腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつシグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価する、〔12〕から〔15〕のいずれかに記載の方法。
〔17〕 下記式(3)で表される化合物又は式(3)で表される化合物の製薬上許容される塩。
[式(3)中、
21は、下記式(j)、(k)又は(l)で表される基であり、
22は、下記式(m)又は(n)で表される基であり、
Yは、−NH−又は−O−であり、
式(j)及び(k)中、L21は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
式(k)及び(l)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(j)、(k)及び(l)中、X21は、ハロゲン原子であり、
式(m)中、R23は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(m)及び(n)中、R24は、水素原子又はハロゲン原子である。]
〔18〕 〔6〕若しくは〔7〕に記載の化合物又は〔8〕記載の組成物を含む、〔5〕記載の化合物を調製するためのキット。
以下に、実施例を用いて本開示をさらに説明するが、これらは例示的なものであって、本開示は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
[機器及び試薬]
質量分析(ESI-MS)はLCMS-2010 EV(株式会社 島津製作所)にて測定した。
1H (400 MHz or 500 MHz) NMRスペクトルはLNM-AL 400又は500(日本電子株式会社)にて測定し、内部標準物質としてテトラメチルシランを用いた。
逆相HPLCはLC-20AD(株式会社 島津製作所)を用い、検出器としてSPD-20A UV(株式
会社 島津製作所)とサーベイメーター NDW-351(日立アロカメディカル株式会社)を使用した。逆相HPLC用カラムにはCOSMOSIL C18-AR-II (4.6 x 250 mm)及びCOSMOSIL C18-AR-II (10 x 250 mm)(ナカライテスク株式会社)を用い、移動相には (A) 0.1% TFA水溶液及び (B) 0.1% TFAアセトニトリル溶液を使用した。TLCにはsilica gel 60 F254(メルク株式会社)を用いた。
カラムクロマトグラフィーによる精製には中圧カラムW-Prep 2XY(株式会社 山善)を用い、シリカゲルはHi Flash silica gel 40 mm, 60Å(株式会社 山善)を使用した。
[18F]fluorideは京都大学医学部付属病院設置の[18O]H2O(太陽日酸株式会社)及び CYPRIS HM-18 サイクロトロン(住友重機械工業株式会社)を用いて製造した。
放射性化合物合成にはマイクロ波反応装置(サイダ社)を用いた。
放射能はキュリーメーターIGC-7(ALOKA社)、オートウェルガンマカウンターWallac 1480 WIARD 3(PerkinElmer社)を用いて測定した。
PET装置による画像収集は、GMI FX-3300 Pre-Clinical Imaging Systemを用いて行った。
[化合物の合成]
(工程A)
Tetrahydropyridothieno-[2,3-d]pyrimidine骨格(化合物4)の合成
化合物4は、Hsienらによって報告された手法(Wu, C. H. bbet al., Design and Synthesis of Tetrahydropyridothieno[2,3-d]pyrimidine Scaffold Based Growth Factor Receptor (EGFR) Kinase Inhibitors: The Role of Side Chain and Michael Acceptor Group for Maximal Potency. J. Med. Chem. 2010, 53, 7316-7326.)に準じて合成した(Scheme 1)。
(工程B)
化合物8-13(P 2-7)の合成
化合物8-13 (P 2-7)は、Scheme 2に従い合成した。
化合物4のクロロ基にさまざまな側鎖を導入し、化合物5a-cを得た(Scheme 2)。また、化合物5dは、化合物5aの側鎖水酸基をメチル化することで得た。
化合物5a-cの合成
化合物4 (1.77 mmol) は、相当する各アミンあるいはアルコールとともに、アルコール(40 mL) 中100℃で一晩加熱還流した。反応後溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製した。
tert-butyl (S)-4-((2-hydroxy-1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2, 3-d]pyrimidine-7(6H)carboxylate (化合物5a)
化合物5aは、化合物4と(S)-(+)-2-amino-2-phenylethanolをエタノール中加熱還流することによって得た。収量 732 mg (97.1 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.14 (1H, s), 7.36 (2H, d, J = 7.4Hz), 7.22 (2H, t, J = 7.6Hz), 7.13 (1H, t, J = 7.3Hz), 6.46 (1H, d, J = 7.4Hz), 5.29 (1H, q, J = 5.9 Hz), 5.15 (1H, t, J = 5.6Hz), 4.56 (2H, d, J = 5.7Hz), 3.78-3.66 (4H, m), 3.10 (2H, s), 1.37 (9H, s).
tert-butyl (R)-4-((1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidine-7(6H)carboxylate (化合物5b)
化合物5bは、化合物4と(R)-(+)-1-phenylethylamineをエタノール中加熱還流することによって得た。収量 102 mg (81.1 %), 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.40 (1H, s), 7.40-7.26 (5H, m), 5.55 (1H, br), 5.39 (1H, br), 4.65 (1H, br), 1.63 (2H, d, J = 6.6Hz), 1.49 (9H, s).
tert-butyl (S)-4-(2,2,2-trifluoro-1-phenylethoxy)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]
thieno[2, 3-d]pyrimidine-7(6H)carboxylate (化合物5c)
化合物5cは、化合物4と(S)-(+)-1-phenyl-2,2,2-trifluoroethanolをエタノール中加熱還流することによって得た。収量 137 mg (95.4 %), 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.49 (1H, s), 7.59-7.38 (5H, m), 6.84 (1H, q, J = 6.8Hz), 4.78-4.64 (2H, m), 3.94-3.76
(2H, m), 3.21 (2H, br), 1.52 (9H, s).
tert-butyl (S)-4-((2-methoxy-1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5] thieno[2,3-d]pyrimidine-7(6H)carboxylate (化合物5d)
化合物5a (300 mg, 0.704 mmol)を無水THF (7 mL)に溶解し、0℃で水素化ナトリウム (52.0 mg, 1.41 mmol, 60%油性)をゆっくりと加えた。15分後、ヨウ化メチル (48.2 mL, 0.774 mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液に0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え中性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を回収し硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィーにて精製した。収量 123 mg (24.9 %), 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.33 (1H, s), 7.41-7.27 (5H, m), 6.14 (1H, br), 5.55 (1H, br), 4.72-4.64 (2H, m), 3.83-3.77 (4H, m), 3.41 (3H, s), 3.10 (2H,
br), 1.51 (9H, s).
化合物6a-dの合成
化合物5a-d (1.12 mmol)に0℃で4M HCl/dioxane (150 mL, 0.610 mmol)を加え、その後室温にて一時間反応した。反応液に水を加え、0℃で炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を回収し硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。
(S)-2-phenyl-2-((5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-4-yl)amino)ethan-1-ol (化合物6a)
化合物6aは化合物5aを原料として用いた。収量 68.6 mg (89.7 %), LCMS (ESI): m/z 327.05 [M+H]+.
(R)-N-(1-phenylethyl)-5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-4-amine (化合物6b)
化合物6bは化合物5bを原料として用いた。収量35.5 mg (93.9 %), LCMS (ESI): m/z 311.13 [M+H]+.
(S)-4-(2,2,2-trifluoro-1-phenylethoxy)-5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2, 3-d]pyrimidine (化合物6c)
化合物6cは化合物5cを原料として用いた。収量107 mg (98.9 %), LCMS (ESI): m/z 406
.95 [M+H+CH3CN]+.
(S)-N-(2-methoxy-1-phenylethyl)-5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]
pyrimidin-4-amine (化合物6d)
化合物6dは化合物5dを原料として用いた。収量30.0 mg (64.7 %), LCMS (ESI): m/z 340.95 [M+H]+.
(S)-2-((7-fluoroethyl)-5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-4-yl)amino)-2-phenylethan-1-ol (化合物7:P1)の合成
化合物6a (124 mg, 0.381 mmol)を無水DMF (2 mL)に溶解し、Cs2CO3 (124 mg, 0.381 mmol)及び2-fluoroethyl tosylate (83.2 mg, 0.381 mmol)を加え、60℃で一晩、さらに室温でもう一晩撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣を逆相HPLCにて分取精製した。収量 7.00 mg (4.92 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.28 (1H, s), 7.43 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.31 (2H, t, J = 7.4 Hz), 7.23 (1H, t, J = 7.3 Hz),
6.64 (1H, t, J = 7.2 Hz), 5.37 (1H, q, J = 6.1 Hz), 4.97 (1H, br), 4.88 (1H, br), 4.64 (2H, br), 3.80 (3H, d, J = 5.7 Hz), 3.72-3.67 (4H, m), 3.53-3.49 (2H, m),HRMS (ESI): m/z calcd for C19H21FN4OS [M+H]+ 373.1420, found .
化合物8-13 (P2-7)の合成
4-bromo crotonic acid、2-bromo ethanoic acid又は3-bromo propanoic acid (0.097 mmol)を無水THF (1 mL)に溶解しEt3N (13.4 μL, 0.097 mmol)を加え塩基性とした後、-15℃でiso-butyl chloroformate (IBCF: 12.1μL, 0.097 mmol)をゆっくり加え、15分間反応した。一方で、化合物6a-d (0.107 mmol)及びEt3N (14.9μL, 0.107 mmol)を溶解した
無水THF (1 mL)を、先に調製しておいた反応液に加え、0℃で10分間、さらに室温で2時間反応した。さらに、1-(2-fluoroethyl)piperazine (14.2 mg, 0.107 mmol)及びEt3N (44.8μL, 0.322 mmol)を溶解した無水THF (0.5 mL)と水(1 mL)の混合溶液を加え、室温で2時間反応した。反応液に少量の水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣を逆相HPLCにて分取精製した。
(S,E)-4-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((2-hydroxy-1phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-one (化合
物8:P2)
化合物8(P2)は、化合物6a及び2-bromo crotonic acidを用いて合成した。収量 14.8 mg (11.2 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.24 (1H, s), 7.42 (2H, d, J = 7.7 Hz), 7.30 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.22 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.03-6.89 (1H, m), 6.73-6.66 (1H, m), 6.57-6.53 (1H, m), 5.34 (1H, s), 4.94-4.76 (3H, m), 4.66 (1H, m), 4.00-3.96 (2H, m), 3.83-3.69 (4H, m), 3.28-3.15 (12H, br), HRMS (ESI): m/z calcd for C27H33FN6O2S [M+H]+ 525.2370, found .
(S)-2-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((2-hydroxy-1phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)ethan-1-one (化合物9: P3)
化合物9(P3)は、化合物6a及び2-bromo ethanoic acidを用いて合成した。収量13.0 mg (10.4 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.24 (1H, s), 7.42 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.33-7.29 (2H, m), 7.23 (1H, m), 6.56 (1H, dd, J = 7.2 and 10 Hz), 5.34 (1H, m), 4.87-4.75 (4H, m), 4.66 (1H, br), 3.94-3.75 (4H, m), 3.53-3.17 (14H, br), HRMS (ESI): m/z calcd for C25H31FN6O2S [M+H]+ 499.2213, found .
(S)-3-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((2-hydroxy-1phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)propan-1-one (化合物10:
P4)
化合物10(P4)は、化合物6a及び3-bromo propanoic acidを用いて合成した。収量5.90 mg (4.60 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.23 (1H, s), 7.42 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.31 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.23 (1H, m), 6.55 (1H, t, J = 7.6 Hz), 5.34 (1H, m), 4.86-4.74 (3H, m), 4.68 (2H, br), 4.59 (2H, br), 4.47 (1H, br), 3.94-3.84 (6H, m), 3.57-3.51 (2H, m), 3.34 (3H, br), 3.19 (1H, br), 3.00 (2H, br), 2.92 (2H, br), HRMS (ESI): m/z calcd for C26H33FN6O2S [M+H]+ 513.2370, found .
(R,E)-4-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-one (化合物11: P5)
化合物11(P5)は、化合物6b及び4-bromo crotonic acidを用いて合成した。収量9.98 mg (18.3 %), 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.27 (1H, s), 7.45 (2H, d, J = 7.2 Hz), 7.31 (2H, t, J = 7.7 Hz), 7.23 (1H, br), 6.93 (1H, br), 6.69 (1H, br), 6.52 (1H, br), 5.45 (1H, q, J = 7.1 Hz), 4.92-4.76 (3H, m), 4.64 (1H, br), 3.92 (2H, br), 3.65 (1H, br), 3.24-3.14 (12H, br), 1.56 (3H, d, J = 7.0 Hz), HRMS (ESI): m/z calcd for C27H33FN6OS [M+H]+ 509.2421, found .
(S,E)-4-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-(2,2,2-trifluoro-1-phenylethoxy)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-one (化合物12: P6)
化合物12(P6)は、化合物6c及び4-bromo crotonic acidを用いて合成した。収量14.0 mg (16.9 %), 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.59 (1H, s), 7.66 (2H, br), 7.46 (3H, br), 7.08 (1H, q, J = 6.8 Hz), 6.86 (1H, br), 6.70 (1H, br), 5.01-4.83 (2H, m), 4.57 (1H, t, J = 4.8 Hz), 4.45 (1H, t, J = 4.8 Hz), 4.01 (1H, br), 3.80 (1H, br), 3.41-3.34 (11H, br), 3.15-3.10 (3H, br), HRMS (ESI): m/z calcd for C27H29F4N5O2S [M+H]+ 564.1978 found .
(S,E)-4-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((2-methoxy-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-one (化合物13: P7)
化合物13(P7)は、化合物6d及び4-bromo crotonic acidを用いて合成した。収量 7.57 mg (16.0 %), 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.30 (1H, s), 7.47 (2H, d, J = 7.0 Hz), 7.33 (2H, t, J = 7.4 Hz), 7.26 (1H, br), 6.90-6.82 (1H, m), 6.70 (1H, d, J = 7.0 Hz), 6.27 (1H, d, J = 16 Hz), 5.60 (1H, q, J = 6.7 Hz), 4.94 (1H, br), 4.85 (1H,br), 4.76 (1H, br), 4.64 (3H, br), 4.16 (2H, d, J = 5.8 Hz), 3.97 (1H, br), 3.87-3.82 (2H, m), 3.71-3.68 (3H, m), 3.55 (2H, br), 3.41-3.30 (9H, m), HRMS (ESI): m/z calcd for C28H35FN6O2S [M+H]+ 539.2526, found .
(工程C)
化合物15([ 18 F]P1)、化合物18a([ 18 F]P2)及化合物び18b([ 18 F]P5)の合成
化合物15、18a及び18b([18F]P1,2,5)は、下記Scheme 3に従い合成した。
化合物16a及び16bの合成
4-bromo crotonic acid (8.58 mg, 0.052 mmol)を無水THF (1 mL)に溶解した後Et3N (7.30μL, 0.052 mmol)を加え塩基性とし、-15℃でIBCF (6.90μL, 0.052 mmol)をゆっくり加え、15分間反応した。一方で、化合物6a又は6b (0.058 mmol)及びEt3N (8.10μL, 0.058 mmol)を溶解した無水THF (1 mL)を、先に調製しておいた反応液に加え、0℃で10分間、さらに室温で2時間反応した。さらに、1-(tert-butyloxycarbonyl)piperazine (9.77 mg,0.052 mmol)及びEt3N (21.9μL, 0.157 mmol)を溶解した無水THF (0.5 mL)と水(1 mL)の混合溶液を加え、2時間反応した。反応液に少量の水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣は未精製のまま次反応に用いた。
tert-butyl (S,E)-4-(4-(4-((2-hydroxy-1phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3': 4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)-4-oxobut-2-en-1-yl)piperazine-1-carboxylate (化合物16a)
化合物16aは化合物6aを原料として用いた。収量 25.3 mg (75.1 %), LCMS (ESI): m/z 579.14 [M+H]+.
tert-butyl (R,E)-4-(4-oxo-4-(4-((1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5] thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-yl)piperazine-1-carboxylate (化
合物16b)
化合物16bは化合物6bを原料として用いた。収量 46.7 mg (72.5 %), LCMS (ESI): m/z 563.30 [M+H]+.
化合物17a及び17bの一般的合成
化合物16a又は16b (0.073 mmol)に0℃でTFA (54.2 μL, 0.730 mmol)を加え、その後室温にて一時間反応した。反応液に水を加え、エーテルで抽出した。水層を回収し溶媒を留去後、残渣に水とメタノールを加え溶媒を留去した。この操作を三回行い、TFAを除いた。得られた残渣は真空ポンプにて十分に乾燥し、次反応に用いた。
(S,E)-1-(4-((2-hydroxy-1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)-4-(piperazin-1-yl)but-2-en-1-one (化合物17a)
収量 24.5 mg (70.0 %), LCMS (ESI): m/z 479.10 [M+H]+.
(R,E)-1-(4-((1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)-4-(piperazin-1-yl)but-2-en-1-one (化合物17b)
収量 34.5 mg (90.0 %), LCMS (ESI): m/z 463.20 [M+H]+.
放射化学合成]
2-[ 18 F]fluoroethyl-4-toluene sulfonate (化合物14)の合成
[18F]fluoride溶液(3700 MBq)にKryptofix 2.2.2. (4.50 mg)及びアセトニトリル(0.5 mL)を加え、N2気流下120℃で加熱し共沸脱水した。再度アセトニトリルを加え、共沸脱水を繰り返し行った。これを無水アセトニトリル(0.25 mL)に溶解し、ethylenglycol-1,2-ditosylate (6.75μmol, 2.50 mg)を加え90℃で5分間反応した。反応液に水(0.12 mL)を加え、逆相HPLCにて分取精製した [COSMOSIL 5C18-AR-II, 10 x 250 mm, eluent 50% (A) and (B), flow rate 4.0 mL/min, λ = 280 nm, Rt = 10-11 min]。得られた目的物のフラクションに水を加えて希釈し、Sep-Pak C18 Light Cartridge (日本ウォーターズ株式会社)にアプライ後、水を通してTFAを除去した。N2気流下カートリッジを乾燥し、アセトニトリルを通して目的物を溶出した。
放射性標識体15、18a及び18b ([ 18 F]P1,2及び5)の合成
放射性標識体18a及び18bについて、各前駆体17a又は17b (2.10 μmol)とK2CO3(210 μmol, 29.0 mg)を無水DMF (60μL)に溶解した溶液を、14のアセトニトリル溶液(90μL)に加えた。さらにEt3N (10μL)を加え、110℃で20分間反応した。放射性標識体15のみ、前駆体6aは非塩基性下、化合物14のアセトニトリル溶液(150μL)と反応した。反応液をAr気流下乾燥後、得られた残渣を水/アセトニトリル混合溶媒 (v/v = 70/30, 0.15 mL)にて溶解し、逆相HPLCにて分取精製した [COSMOSIL 5C18-AR-II , 10 x 250 mm, gradient of 85:15 (0 min)→70:30 (5 min)→65:35 (15 min)→0:100 (20 min) by (A) and (B), flow rate 5.0 mL/min, λ = 280 nm]。得られた目的物のフラクションに水を加えて希釈し、Sep-Pak C18 Light Cartridge (日本ウォーターズ株式会社)にアプライ後、水を通してTFAを除去した。N2気流下カートリッジを乾燥し、アセトニトリルを通して目的物を溶出した。さらに溶媒を留去後、生理食塩水に溶解し、生物学的評価に用いた。[18F]P1、2及び5の放射化学的収率は、それぞれ5.4 %、3.6 %及び2.1 %であり、放射化学的純度はすべて>99 %であった。
[EGFRチロシンキナーゼ阻害活性の測定]
各化合物(P1〜P10)のEGFRチロシンキナーゼに対する阻害活性をEGFR Kinase Enzyme System (Promega)及びADP-GloTM Kinase assay Kit (Promega, Catalog No. V9101)を用いて測定した。
EGFR Kinase Enzyme Systemは、EGFR Kinase Enzyme System(Catalog No. V3831)、EGFR (L858R) Kinase Enzyme System(Catalog No. V5322)、EGFR (T790M) Kinase Enzyme System(Catalog No. V4506)及びEGFR (T790M, L858R) Kinase Enzyme System(Catalog No. V5324)の4種類を用いて行った(いずれもPromega製)。
測定は、Promega protocol applications guideに準じて行った。すなわち、希釈溶液は、緩衝液(40 mM Tris-HCl, pH7.5, 20 mM MgCl2, 50 μM DTT and 0.1 mg/mL BSA)を使用した。化合物濃度は、20 μM(1% DMSOを含む最終濃度)を始めとし、緩衝液で5倍ずつ希釈し、10種類の濃度を調製した。得られた各濃度の化合物を384ウェルプレートの各ウェルに2μLずつ添加した。さらに、各EGFR Kinase Enzyme Systemに付属のEGFR Kinase Bufferを各ウェルに4μL(20 ng)ずつ添加し、室温で10分インキュベートした。続いて、ATP (10 μM)とPoly(Glu, Tyr) (2μg)基質の混合溶液を各ウェルに4μLずつ添加し、室温で一時間インキュベートした。ADP-GloTM Reagent (ADP-GloTM Kinase Assay, Promega)を各ウェルに10μLずつ添加し、室温で40分間反応した。さらに、Kinase Detection Reagent (ADP-GloTM Kinase Assay, Promega)を各ウェルに20μLずつ添加し、室温で一時間反応した後、Luminescence Counter 1420 ARVOTM Light(株式会社パーキンエルマー)を用いて発光量を測定した。得られたデータから、GraphPad Prism 5 (GraphPad Software, Inc.)を用いて、用量反応曲線及びIC50を算出した。その結果を下記表1に示す。下記表1において、WTはEGFR Kinase Enzyme Systemでの測定結果、L858RはEGFR (L858R) Kinase Enzyme Systemでの測定結果、T790MはEGFR (T790M) Kinase Enzyme Systemでの測定結果、及びDMはEGFR (T790M, L858R) Kinase Enzyme Systemでの測定結果を示す。
表1に示すように、P1〜P10は、いずれも、L858R変異型EGFRに対して比較的高い結合親和性を示すが、L858R/T790M変異型EGFR(表1のDM)に対して結合親和性を示さなかった。
[細胞取込実験]
12 ウェルプレート上にL858R変異細胞であるH3255細胞(4.0×105 cells/well)を24時間培養した。培地を除去後、PBS(-)で1回洗浄した。各ウェルに[18F]P2とgefitinib(0, 0.5, 1, 2.5 μM)を加えたウシ胎児血清非含有のDMEM/Ham’s F-12培地を加え、CO2インキュベーター中で2時間インキュベートした。各ウェルを0.1% Tween 80 / 1% DMSO / PBS(-)で3回洗浄し、0.2 N NaOHで細胞を溶解させた。溶液の放射能をガンマカンターで計測し、BCA Protein Assay Kit(Pierce, Rockford, IL)を用いてタンパク濃度を定量して、測定結果を解析した。その結果を図1に示す。
図1に示すように、[18F]P2のH3255細胞への取込は、EGFR-TKIであるgefitinibの添加により阻害された。
[PET/CT撮像]
(1)H3255(L858R変異)担がんマウスを用いた撮像
H3255担がんマウスへ[18F]P2(14.3 MBq/140μL)をマウス尾静脈より投与した。投与後175分からイソフルラン(2.0%)吸引麻酔し投与後180分からPET/CT装置(FX-3300)を用いて20分間撮像した。その後、CT撮像(60 kV, 320μA)を行った。画像再構成は、3D-OSEMを用いて行った。撮像終了後、屠殺し各臓器を摘出し、各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から集積量(%ID/g)を算出した。その結果、腫瘍/血液比3.23、腫瘍/筋肉比5.97、腫瘍/肺比2.66と高い近接臓器比が認められた。また、撮像により得られた画像を図2Aに示す。図2Aにおいて丸で囲った部分が、H3255が移植された部分である。図2Aに示すように、[18F]P2はL858R変異EGFRに特異的に集積し、[18F]P2によってL858R変異EGFRをイメージングすることができた。
<撮像条件>
Animal : balb/c nu/nu mouse, 8 w, male, 21.0 g
Cell : H3255 (1×107 cells/100 mL)
Injection dose : 14.25 MBq/140 mL
PET/CT : FX-3300 (GMI)
Image acquisition : 180 - 200 min after administration
Reconstruction : 3D-OSEM
Condition of CT : 60 kV, 320 mA
(2)H1975(L858R/T790M変異)担がんマウスを用いた撮像
H1975担がんマウスへ[18F]P2 (9.1 MBq/140μL)をマウス尾静脈より投与した。投与後175分からイソフルラン(2.0%)吸引麻酔し投与後180分からPET/CT装置(FX-3300)を用いて20分間撮像した。その後、CT撮像(60 kV, 320μA)を行った。画像再構成は、3D-OSEMを用いて行った。撮像終了後、屠殺し各臓器を摘出し、各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から集積量(%ID/g)を算出した。その結果、腫瘍/血液比1.29、腫瘍/筋肉比2.04、腫瘍/肺比0.98とH3255担がんマウスと比較し有意に低い近接臓器比が認められた。また、撮像により得られた画像を図2Bに示す。図2Bにおいて丸で囲った部分が、H1975が移植された部分である。図2Bに示すように、[18F]P2はL858R/T790M変異EGFRに集積しないことが確認できた。
<撮像条件>
Animal : balb/c nu/nu mouse, 8 w, male, 20.7 g
Cell : H1975 (5×106 cells/100 mL)
Injection dose : 9.125 MBq/140 mL
PET/CT : FX-3300 (GMI)
Image acquisition : 180 - 200 min after administration
Reconstruction : 3D-OSEM
Condition of CT : 60 kV, 320 mA
以上のPET/CT撮像の結果により、[18F]P2を用いたイメージングによってがん組織(腫瘍)におけるEGFR遺伝子がL858R変異型かL858R/T790M変異型かを確認できることが示された。これにより、イメージングによって、二次変異の発現の有無や、EGFR-TKI耐性を有するか否かを確認することができた。

Claims (18)

  1. 下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩を含む核医学画像診断薬。
    [式(1)中、
    1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
    2は、下記式(d)又は(e)で表される基であり、
    Yは、−NH−又は−O−であり、
    式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
    であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
    式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
    式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
    式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
    式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
  2. 1は、エタンジイル基、エチレンオキシエチレン基又はエチレントリオキシエチレン基である、請求項1記載の核医学画像診断薬。
  3. 3は、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基である、請求項1又は2に記載の核医学画像診断薬。
  4. 4は、水素原子又は臭素原子である、請求項1から3のいずれかに記載の核医学画像診断薬。
  5. 下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩。
    [式(1)中、
    1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
    2は、下記式(d)又は(e)で表される基であり、
    Yは、−NH−又は−O−であり、
    式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
    であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
    式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
    式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
    式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキ
    ル基であり、
    式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
  6. 式(2)で表される化合物又は式(2)で表される化合物の製薬上許容される塩。
    [式(2)中、
    11は、下記式(f)又は(g)で表される基であり、
    12は、下記式(h)又は(i)で表される基であり、
    Yは、−NH−又は−O−であり、
    式(f)及び(g)中、R15は、水素原子又は−L11−X11であり、L11は、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
    であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、X11は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基又はブロシレート基であり、式(g)中、nは1以上3以下の整数であり、
    式(h)中、R13は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
    式(h)及び(i)中、R14は、水素原子又はハロゲン原子である。]
  7. 15は、水素原子である、請求項6記載の化合物。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載の核医学画像診断薬を合成するための標識前駆体として使用する、請求項6又は7に記載の化合物を含む組成物。
  9. 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価するための情報を得る方法であって、
    請求項1から4のいずれかに記載の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出することを含む、方法。
  10. 前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うことを含む、請求項9記載の方法。
  11. 肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子におけるT790M変異の発生を評価する方法であって、
    請求項1から4のいずれかに記載の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出すること、
    前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うこと、
    前記得られた情報を比較すること、及び
    前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子における、T790M変異の発生の有無を決定することを含む、方法。
  12. 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価する方法であって、
    上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の投与開始前、投与開始後及び投与開始から一定期間経過後からなる群から選択される2以上のタイミングで請求項9又は10に記載の方法により得られた情報を比較することを含む、方法。
  13. 前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子が、T790M変異を有している否かを決定することを含む、請求項12記載の方法。
  14. 前記比較によりシグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価し、前記比較によりシグナルの減少が観察されない場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性があると評価する、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつ前記シグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価す、請求項12又は13に記載の方法。
  16. 前記被検体のCT又はMRIを撮像すること、及び
    前記CT又はMRI画像と、前記検出した放射性シグナルから構築したイメージング画像とを融合又は比較することを含み、
    前記融合又は比較に基づき、腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつシグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価する、請求項12から15のいずれかに記載の方法。
  17. 下記式(3)で表される化合物又は式(3)で表される化合物の製薬上許容される塩。
    [式(3)中、
    21は、下記式(j)、(k)又は(l)で表される基であり、
    22は、下記式(m)又は(n)で表される基であり、
    Yは、−NH−又は−O−であり、
    式(j)及び(k)中、L21は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
    であり、lは0以上5以下であり、mはエチレンオキシ基(−OC24−)の繰り返し数であって1以上5以下であり、
    式(k)及び(l)中、nは1以上3以下の整数であり、
    式(j)、(k)及び(l)中、X21は、ハロゲン原子であり、
    式(m)中、R23は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
    式(m)及び(n)中、R24は、水素原子又はハロゲン原子である。]
  18. 請求項6若しくは7に記載の化合物又は請求項8記載の組成物を含む、請求項5記載の化合物を調製するためのキット。
JP2016130823A 2015-07-03 2016-06-30 核医学画像診断薬 Active JP6709552B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/200,346 US10561749B2 (en) 2015-07-03 2016-07-01 Nuclear medicine diagnostic imaging agent
EP16177639.8A EP3111960B1 (en) 2015-07-03 2016-07-01 Nuclear medicine diagnostic imaging agent

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015134792 2015-07-03
JP2015134792 2015-07-03

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017014212A true JP2017014212A (ja) 2017-01-19
JP6709552B2 JP6709552B2 (ja) 2020-06-17

Family

ID=57829953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016130823A Active JP6709552B2 (ja) 2015-07-03 2016-06-30 核医学画像診断薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6709552B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019099538A (ja) * 2017-12-07 2019-06-24 国立大学法人京都大学 ベンゾ[b]カルバゾール化合物及びそれを用いたイメージング

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019099538A (ja) * 2017-12-07 2019-06-24 国立大学法人京都大学 ベンゾ[b]カルバゾール化合物及びそれを用いたイメージング
JP7054134B2 (ja) 2017-12-07 2022-04-13 国立大学法人京都大学 ベンゾ[b]カルバゾール化合物及びそれを用いたイメージング

Also Published As

Publication number Publication date
JP6709552B2 (ja) 2020-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101639268B1 (ko) 18 f-표지된 폴레이트
WO2008125613A1 (en) 18f-labelled folates
JP5693950B2 (ja) 18f標識葉酸
JP2012505186A (ja) Pet用放射性トレーサーとしての18f標識葉酸
JP6913101B2 (ja) 放射性標識大環状egfr阻害剤
JP6709552B2 (ja) 核医学画像診断薬
US10865195B2 (en) Pet imaging agents
US10561749B2 (en) Nuclear medicine diagnostic imaging agent
JP6994715B2 (ja) Bcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブ
JP6739987B2 (ja) 核医学画像診断薬
US10029022B2 (en) Nuclear medicine diagnostic imaging agent
JP7024960B2 (ja) Bcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブ
JP7054134B2 (ja) ベンゾ[b]カルバゾール化合物及びそれを用いたイメージング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6709552

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250