JP2017014212A - 核医学画像診断薬 - Google Patents
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Abstract
Description
R1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
R1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
R11は、下記式(f)又は(g)で表される基であり、
式(f)及び(g)中、R15は、水素原子、又は−L11−X11であり、L11は、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(h)中、R13は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(h)及び(i)中、R14は、水素原子又はハロゲン原子である。]
本開示の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出することを含む方法に関する。
本開示の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出すること、
前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うこと、
前記得られた情報又は検出された放射性シグナルを比較すること、及び
前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子における、T790M変異の発生の有無を決定することを含む方法に関する。
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の投与開始前、投与開始後及び投与開始から一定期間経過後からなる群から選択される2以上のタイミングで上記方法により得られた情報を比較することを含む方法に関する。
R21は、下記式(j)、(k)又は(l)で表される基であり、
式(j)及び(k)中、L21は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(k)及び(l)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(j)、(k)及び(l)中、X21は、ハロゲン原子であり、
式(m)中、R23は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(m)及び(n)中、R24は、水素原子又はハロゲン原子である。]
本開示は、一又は複数の実施形態において、下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩(以下、「本開示の化合物(1)」という)に関する。本開示の化合物(1)は、一又は複数の実施形態において、L858R変異型EGFRに対して比較的高い結合親和性を示すが、EGFRの二次変異の一つであるT790M変異型EGFR及び二重変異体(DM)であるL858R/T790M変異型EGFRに対して結合親和性を示さないという効果を奏しうる。
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子であり、一又は複数の実施形態において、水素原子又は臭素原子が挙げられる。
式(1a)及び(1c)中、nは1以上10以下である。式(1c)及び(1d)中、R7は、メチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基である。
本開示の化合物(1)は、一又は複数の実施形態において、下記式(2)で表される化合物を放射性標識することにより製造できる。したがって、本開示は、一又は複数の実施形態において、式(2)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を放射性標識することを含む、放射性化合物の製造方法に関する。また、本開示は、一又は複数の実施形態において、式(2)で表される化合物を放射性標識することを含む、式(1)で表される化合物の製造方法に関する。
X11は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基又はブロシレート基である。
式(h)及び(i)中、R14は、水素原子又はハロゲン原子である。R14としては、式(1)のR4と同様のものが挙げられる。
R12としては、式(1)のR2と同様のものが好ましい。
本開示は、一又は複数の実施形態において、EGFR−TKIによる非小細胞肺癌の治療が行われる被検体におけるEGFR−TKIによる治療の有効性を評価するための情報を得る方法(以下、「本開示の情報を得る方法」ともいう)に関する。被検体は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ヒト、ヒト以外の哺乳類、培養細胞、及びEGFRが存在しうる対象から選択される。
本開示は、一又は複数の実施形態において、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子におけるT790M変異の発生を評価する方法に関する。本開示の評価方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出すること、前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うこと、前記得られた情報を比較すること、及び前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子において、T790M変異が発生の有無を決定することを含む。
本開示は、一又は複数の実施形態において、EGFR−TKIによる非小細胞肺癌の治療が行われる被検体におけるEGFR−TKIによる治療の有効性を評価する方法(以下、「本開示の評価方法」ともいう)に関する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の化合物(1)を投与された被検体から前記化合物の放射性シグナルを検出することを含むイメージング方法に関する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、下記式(3)で表される化合物又は式(3)で表される化合物の製薬上許容される塩に関する。
式(j)及び(k)中、L21は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(k)及び(l)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(j)、(k)及び(l)中、X21は、ハロゲン原子であり、
式(m)中、R23は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(m)及び(n)中、R24は、水素原子又はハロゲン原子である。
〔1〕 下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩を含む核医学画像診断薬。
R1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
〔2〕 L1は、エタンジイル基、エチレンオキシエチレン基又はエチレントリオキシエチレン基である、〔1〕記載の核医学画像診断薬。
〔3〕 R3は、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基である、〔1〕又は〔2〕に記載の核医学画像診断薬。
〔4〕 R4は、水素原子又は臭素原子である、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の核医学画像診断薬。
〔5〕 下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩。
R1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。]
〔6〕 式(2)で表される化合物又は式(2)で表される化合物の製薬上許容される塩。
R11は、下記式(f)又は(g)で表される基であり、
式(f)及び(g)中、R15は、水素原子又は−L11−X11であり、L11は、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(h)中、R13は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキ
ル基であり、
式(h)及び(i)中、R14は、水素原子又はハロゲン原子である。]
〔7〕 R15は、水素原子である、〔6〕記載の化合物。
〔8〕 〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の核医学画像診断薬を合成するための標識前駆体として使用する、〔6〕又は〔7〕に記載の化合物を含む組成物。
〔9〕 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価するための情報を得る方法であって、
〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出することを含む、方法。
〔10〕 前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うことを含む、〔9〕記載の方法。
〔11〕 肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子におけるT790M変異の発生を評価する方法であって、
〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出すること、
前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うこと、
前記得られた情報を比較すること、及び
前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子における、T790M変異の発生の有無を決定することを含む、方法。
〔12〕 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価する方法であって、
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の投与開始前、投与開始後及び投与開始から一定期間経過後からなる群から選択される2以上のタイミングで〔9〕又は〔10〕に記載の方法により得られた情報を比較することを含む、方法。
〔13〕 前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子が、T790M変異を有している否かを決定することを含む、〔12〕記載の方法。
〔14〕 前記比較によりシグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価し、前記比較によりシグナルの減少が観察されない場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性があると評価する、〔12〕又は〔13〕に記載の方法。
〔15〕 腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつ前記シグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価す、〔12〕又は〔13〕に記載の方法。
〔16〕 前記被検体のCT又はMRIを撮像すること、及び
前記CT又はMRI画像と、前記検出した放射性シグナルから構築したイメージング画像とを融合又は比較することを含み、
前記融合又は比較に基づき、腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつシグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価する、〔12〕から〔15〕のいずれかに記載の方法。
〔17〕 下記式(3)で表される化合物又は式(3)で表される化合物の製薬上許容される塩。
R21は、下記式(j)、(k)又は(l)で表される基であり、
式(j)及び(k)中、L21は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(k)及び(l)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(j)、(k)及び(l)中、X21は、ハロゲン原子であり、
式(m)中、R23は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(m)及び(n)中、R24は、水素原子又はハロゲン原子である。]
〔18〕 〔6〕若しくは〔7〕に記載の化合物又は〔8〕記載の組成物を含む、〔5〕記載の化合物を調製するためのキット。
質量分析(ESI-MS)はLCMS-2010 EV(株式会社 島津製作所)にて測定した。
1H (400 MHz or 500 MHz) NMRスペクトルはLNM-AL 400又は500(日本電子株式会社)にて測定し、内部標準物質としてテトラメチルシランを用いた。
逆相HPLCはLC-20AD(株式会社 島津製作所)を用い、検出器としてSPD-20A UV(株式
会社 島津製作所)とサーベイメーター NDW-351(日立アロカメディカル株式会社)を使用した。逆相HPLC用カラムにはCOSMOSIL C18-AR-II (4.6 x 250 mm)及びCOSMOSIL C18-AR-II (10 x 250 mm)(ナカライテスク株式会社)を用い、移動相には (A) 0.1% TFA水溶液及び (B) 0.1% TFAアセトニトリル溶液を使用した。TLCにはsilica gel 60 F254(メルク株式会社)を用いた。
カラムクロマトグラフィーによる精製には中圧カラムW-Prep 2XY(株式会社 山善)を用い、シリカゲルはHi Flash silica gel 40 mm, 60Å(株式会社 山善)を使用した。
[18F]fluorideは京都大学医学部付属病院設置の[18O]H2O(太陽日酸株式会社)及び CYPRIS HM-18 サイクロトロン(住友重機械工業株式会社)を用いて製造した。
放射性化合物合成にはマイクロ波反応装置(サイダ社)を用いた。
放射能はキュリーメーターIGC-7(ALOKA社)、オートウェルガンマカウンターWallac 1480 WIARD 3(PerkinElmer社)を用いて測定した。
PET装置による画像収集は、GMI FX-3300 Pre-Clinical Imaging Systemを用いて行った。
(工程A)
Tetrahydropyridothieno-[2,3-d]pyrimidine骨格(化合物4)の合成
化合物4は、Hsienらによって報告された手法(Wu, C. H. bbet al., Design and Synthesis of Tetrahydropyridothieno[2,3-d]pyrimidine Scaffold Based Growth Factor Receptor (EGFR) Kinase Inhibitors: The Role of Side Chain and Michael Acceptor Group for Maximal Potency. J. Med. Chem. 2010, 53, 7316-7326.)に準じて合成した(Scheme 1)。
化合物8-13(P 2-7)の合成
化合物8-13 (P 2-7)は、Scheme 2に従い合成した。
化合物4 (1.77 mmol) は、相当する各アミンあるいはアルコールとともに、アルコール(40 mL) 中100℃で一晩加熱還流した。反応後溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製した。
tert-butyl (S)-4-((2-hydroxy-1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2, 3-d]pyrimidine-7(6H)carboxylate (化合物5a)
化合物5aは、化合物4と(S)-(+)-2-amino-2-phenylethanolをエタノール中加熱還流することによって得た。収量 732 mg (97.1 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.14 (1H, s), 7.36 (2H, d, J = 7.4Hz), 7.22 (2H, t, J = 7.6Hz), 7.13 (1H, t, J = 7.3Hz), 6.46 (1H, d, J = 7.4Hz), 5.29 (1H, q, J = 5.9 Hz), 5.15 (1H, t, J = 5.6Hz), 4.56 (2H, d, J = 5.7Hz), 3.78-3.66 (4H, m), 3.10 (2H, s), 1.37 (9H, s).
tert-butyl (R)-4-((1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidine-7(6H)carboxylate (化合物5b)
化合物5bは、化合物4と(R)-(+)-1-phenylethylamineをエタノール中加熱還流することによって得た。収量 102 mg (81.1 %), 1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.40 (1H, s), 7.40-7.26 (5H, m), 5.55 (1H, br), 5.39 (1H, br), 4.65 (1H, br), 1.63 (2H, d, J = 6.6Hz), 1.49 (9H, s).
tert-butyl (S)-4-(2,2,2-trifluoro-1-phenylethoxy)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]
thieno[2, 3-d]pyrimidine-7(6H)carboxylate (化合物5c)
化合物5cは、化合物4と(S)-(+)-1-phenyl-2,2,2-trifluoroethanolをエタノール中加熱還流することによって得た。収量 137 mg (95.4 %), 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.49 (1H, s), 7.59-7.38 (5H, m), 6.84 (1H, q, J = 6.8Hz), 4.78-4.64 (2H, m), 3.94-3.76
(2H, m), 3.21 (2H, br), 1.52 (9H, s).
tert-butyl (S)-4-((2-methoxy-1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5] thieno[2,3-d]pyrimidine-7(6H)carboxylate (化合物5d)
化合物5a (300 mg, 0.704 mmol)を無水THF (7 mL)に溶解し、0℃で水素化ナトリウム (52.0 mg, 1.41 mmol, 60%油性)をゆっくりと加えた。15分後、ヨウ化メチル (48.2 mL, 0.774 mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液に0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加え中性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を回収し硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣はカラムクロマトグラフィーにて精製した。収量 123 mg (24.9 %), 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.33 (1H, s), 7.41-7.27 (5H, m), 6.14 (1H, br), 5.55 (1H, br), 4.72-4.64 (2H, m), 3.83-3.77 (4H, m), 3.41 (3H, s), 3.10 (2H,
br), 1.51 (9H, s).
化合物5a-d (1.12 mmol)に0℃で4M HCl/dioxane (150 mL, 0.610 mmol)を加え、その後室温にて一時間反応した。反応液に水を加え、0℃で炭酸水素ナトリウム水溶液を加え中性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を回収し硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。
(S)-2-phenyl-2-((5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-4-yl)amino)ethan-1-ol (化合物6a)
化合物6aは化合物5aを原料として用いた。収量 68.6 mg (89.7 %), LCMS (ESI): m/z 327.05 [M+H]+.
(R)-N-(1-phenylethyl)-5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-4-amine (化合物6b)
化合物6bは化合物5bを原料として用いた。収量35.5 mg (93.9 %), LCMS (ESI): m/z 311.13 [M+H]+.
(S)-4-(2,2,2-trifluoro-1-phenylethoxy)-5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2, 3-d]pyrimidine (化合物6c)
化合物6cは化合物5cを原料として用いた。収量107 mg (98.9 %), LCMS (ESI): m/z 406
.95 [M+H+CH3CN]+.
(S)-N-(2-methoxy-1-phenylethyl)-5,6,7,8-tetrahydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]
pyrimidin-4-amine (化合物6d)
化合物6dは化合物5dを原料として用いた。収量30.0 mg (64.7 %), LCMS (ESI): m/z 340.95 [M+H]+.
化合物6a (124 mg, 0.381 mmol)を無水DMF (2 mL)に溶解し、Cs2CO3 (124 mg, 0.381 mmol)及び2-fluoroethyl tosylate (83.2 mg, 0.381 mmol)を加え、60℃で一晩、さらに室温でもう一晩撹拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣を逆相HPLCにて分取精製した。収量 7.00 mg (4.92 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.28 (1H, s), 7.43 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.31 (2H, t, J = 7.4 Hz), 7.23 (1H, t, J = 7.3 Hz),
6.64 (1H, t, J = 7.2 Hz), 5.37 (1H, q, J = 6.1 Hz), 4.97 (1H, br), 4.88 (1H, br), 4.64 (2H, br), 3.80 (3H, d, J = 5.7 Hz), 3.72-3.67 (4H, m), 3.53-3.49 (2H, m),HRMS (ESI): m/z calcd for C19H21FN4OS [M+H]+ 373.1420, found .
4-bromo crotonic acid、2-bromo ethanoic acid又は3-bromo propanoic acid (0.097 mmol)を無水THF (1 mL)に溶解しEt3N (13.4 μL, 0.097 mmol)を加え塩基性とした後、-15℃でiso-butyl chloroformate (IBCF: 12.1μL, 0.097 mmol)をゆっくり加え、15分間反応した。一方で、化合物6a-d (0.107 mmol)及びEt3N (14.9μL, 0.107 mmol)を溶解した
無水THF (1 mL)を、先に調製しておいた反応液に加え、0℃で10分間、さらに室温で2時間反応した。さらに、1-(2-fluoroethyl)piperazine (14.2 mg, 0.107 mmol)及びEt3N (44.8μL, 0.322 mmol)を溶解した無水THF (0.5 mL)と水(1 mL)の混合溶液を加え、室温で2時間反応した。反応液に少量の水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣を逆相HPLCにて分取精製した。
(S,E)-4-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((2-hydroxy-1phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-one (化合
物8:P2)
化合物8(P2)は、化合物6a及び2-bromo crotonic acidを用いて合成した。収量 14.8 mg (11.2 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.24 (1H, s), 7.42 (2H, d, J = 7.7 Hz), 7.30 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.22 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.03-6.89 (1H, m), 6.73-6.66 (1H, m), 6.57-6.53 (1H, m), 5.34 (1H, s), 4.94-4.76 (3H, m), 4.66 (1H, m), 4.00-3.96 (2H, m), 3.83-3.69 (4H, m), 3.28-3.15 (12H, br), HRMS (ESI): m/z calcd for C27H33FN6O2S [M+H]+ 525.2370, found .
(S)-2-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((2-hydroxy-1phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)ethan-1-one (化合物9: P3)
化合物9(P3)は、化合物6a及び2-bromo ethanoic acidを用いて合成した。収量13.0 mg (10.4 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.24 (1H, s), 7.42 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.33-7.29 (2H, m), 7.23 (1H, m), 6.56 (1H, dd, J = 7.2 and 10 Hz), 5.34 (1H, m), 4.87-4.75 (4H, m), 4.66 (1H, br), 3.94-3.75 (4H, m), 3.53-3.17 (14H, br), HRMS (ESI): m/z calcd for C25H31FN6O2S [M+H]+ 499.2213, found .
(S)-3-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((2-hydroxy-1phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)propan-1-one (化合物10:
P4)
化合物10(P4)は、化合物6a及び3-bromo propanoic acidを用いて合成した。収量5.90 mg (4.60 %), 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ8.23 (1H, s), 7.42 (2H, d, J = 7.4 Hz), 7.31 (2H, t, J = 7.6 Hz), 7.23 (1H, m), 6.55 (1H, t, J = 7.6 Hz), 5.34 (1H, m), 4.86-4.74 (3H, m), 4.68 (2H, br), 4.59 (2H, br), 4.47 (1H, br), 3.94-3.84 (6H, m), 3.57-3.51 (2H, m), 3.34 (3H, br), 3.19 (1H, br), 3.00 (2H, br), 2.92 (2H, br), HRMS (ESI): m/z calcd for C26H33FN6O2S [M+H]+ 513.2370, found .
(R,E)-4-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-one (化合物11: P5)
化合物11(P5)は、化合物6b及び4-bromo crotonic acidを用いて合成した。収量9.98 mg (18.3 %), 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.27 (1H, s), 7.45 (2H, d, J = 7.2 Hz), 7.31 (2H, t, J = 7.7 Hz), 7.23 (1H, br), 6.93 (1H, br), 6.69 (1H, br), 6.52 (1H, br), 5.45 (1H, q, J = 7.1 Hz), 4.92-4.76 (3H, m), 4.64 (1H, br), 3.92 (2H, br), 3.65 (1H, br), 3.24-3.14 (12H, br), 1.56 (3H, d, J = 7.0 Hz), HRMS (ESI): m/z calcd for C27H33FN6OS [M+H]+ 509.2421, found .
(S,E)-4-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-(2,2,2-trifluoro-1-phenylethoxy)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-one (化合物12: P6)
化合物12(P6)は、化合物6c及び4-bromo crotonic acidを用いて合成した。収量14.0 mg (16.9 %), 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.59 (1H, s), 7.66 (2H, br), 7.46 (3H, br), 7.08 (1H, q, J = 6.8 Hz), 6.86 (1H, br), 6.70 (1H, br), 5.01-4.83 (2H, m), 4.57 (1H, t, J = 4.8 Hz), 4.45 (1H, t, J = 4.8 Hz), 4.01 (1H, br), 3.80 (1H, br), 3.41-3.34 (11H, br), 3.15-3.10 (3H, br), HRMS (ESI): m/z calcd for C27H29F4N5O2S [M+H]+ 564.1978 found .
(S,E)-4-(4-(2-fluoroethyl)piperazin-1-yl)-1-(4-((2-methoxy-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)but-2-en-1-one (化合物13: P7)
化合物13(P7)は、化合物6d及び4-bromo crotonic acidを用いて合成した。収量 7.57 mg (16.0 %), 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ8.30 (1H, s), 7.47 (2H, d, J = 7.0 Hz), 7.33 (2H, t, J = 7.4 Hz), 7.26 (1H, br), 6.90-6.82 (1H, m), 6.70 (1H, d, J = 7.0 Hz), 6.27 (1H, d, J = 16 Hz), 5.60 (1H, q, J = 6.7 Hz), 4.94 (1H, br), 4.85 (1H,br), 4.76 (1H, br), 4.64 (3H, br), 4.16 (2H, d, J = 5.8 Hz), 3.97 (1H, br), 3.87-3.82 (2H, m), 3.71-3.68 (3H, m), 3.55 (2H, br), 3.41-3.30 (9H, m), HRMS (ESI): m/z calcd for C28H35FN6O2S [M+H]+ 539.2526, found .
化合物15([ 18 F]P1)、化合物18a([ 18 F]P2)及化合物び18b([ 18 F]P5)の合成
化合物15、18a及び18b([18F]P1,2,5)は、下記Scheme 3に従い合成した。
4-bromo crotonic acid (8.58 mg, 0.052 mmol)を無水THF (1 mL)に溶解した後Et3N (7.30μL, 0.052 mmol)を加え塩基性とし、-15℃でIBCF (6.90μL, 0.052 mmol)をゆっくり加え、15分間反応した。一方で、化合物6a又は6b (0.058 mmol)及びEt3N (8.10μL, 0.058 mmol)を溶解した無水THF (1 mL)を、先に調製しておいた反応液に加え、0℃で10分間、さらに室温で2時間反応した。さらに、1-(tert-butyloxycarbonyl)piperazine (9.77 mg,0.052 mmol)及びEt3N (21.9μL, 0.157 mmol)を溶解した無水THF (0.5 mL)と水(1 mL)の混合溶液を加え、2時間反応した。反応液に少量の水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣は未精製のまま次反応に用いた。
化合物16aは化合物6aを原料として用いた。収量 25.3 mg (75.1 %), LCMS (ESI): m/z 579.14 [M+H]+.
合物16b)
化合物16bは化合物6bを原料として用いた。収量 46.7 mg (72.5 %), LCMS (ESI): m/z 563.30 [M+H]+.
化合物16a又は16b (0.073 mmol)に0℃でTFA (54.2 μL, 0.730 mmol)を加え、その後室温にて一時間反応した。反応液に水を加え、エーテルで抽出した。水層を回収し溶媒を留去後、残渣に水とメタノールを加え溶媒を留去した。この操作を三回行い、TFAを除いた。得られた残渣は真空ポンプにて十分に乾燥し、次反応に用いた。
(S,E)-1-(4-((2-hydroxy-1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)-4-(piperazin-1-yl)but-2-en-1-one (化合物17a)
収量 24.5 mg (70.0 %), LCMS (ESI): m/z 479.10 [M+H]+.
(R,E)-1-(4-((1-phenylethyl)amino)-5,8-dihydropyrido[4',3':4,5]thieno[2,3-d]pyrimidin-7(6H)-yl)-4-(piperazin-1-yl)but-2-en-1-one (化合物17b)
収量 34.5 mg (90.0 %), LCMS (ESI): m/z 463.20 [M+H]+.
2-[ 18 F]fluoroethyl-4-toluene sulfonate (化合物14)の合成
[18F]fluoride溶液(3700 MBq)にKryptofix 2.2.2. (4.50 mg)及びアセトニトリル(0.5 mL)を加え、N2気流下120℃で加熱し共沸脱水した。再度アセトニトリルを加え、共沸脱水を繰り返し行った。これを無水アセトニトリル(0.25 mL)に溶解し、ethylenglycol-1,2-ditosylate (6.75μmol, 2.50 mg)を加え90℃で5分間反応した。反応液に水(0.12 mL)を加え、逆相HPLCにて分取精製した [COSMOSIL 5C18-AR-II, 10 x 250 mm, eluent 50% (A) and (B), flow rate 4.0 mL/min, λ = 280 nm, Rt = 10-11 min]。得られた目的物のフラクションに水を加えて希釈し、Sep-Pak C18 Light Cartridge (日本ウォーターズ株式会社)にアプライ後、水を通してTFAを除去した。N2気流下カートリッジを乾燥し、アセトニトリルを通して目的物を溶出した。
放射性標識体18a及び18bについて、各前駆体17a又は17b (2.10 μmol)とK2CO3(210 μmol, 29.0 mg)を無水DMF (60μL)に溶解した溶液を、14のアセトニトリル溶液(90μL)に加えた。さらにEt3N (10μL)を加え、110℃で20分間反応した。放射性標識体15のみ、前駆体6aは非塩基性下、化合物14のアセトニトリル溶液(150μL)と反応した。反応液をAr気流下乾燥後、得られた残渣を水/アセトニトリル混合溶媒 (v/v = 70/30, 0.15 mL)にて溶解し、逆相HPLCにて分取精製した [COSMOSIL 5C18-AR-II , 10 x 250 mm, gradient of 85:15 (0 min)→70:30 (5 min)→65:35 (15 min)→0:100 (20 min) by (A) and (B), flow rate 5.0 mL/min, λ = 280 nm]。得られた目的物のフラクションに水を加えて希釈し、Sep-Pak C18 Light Cartridge (日本ウォーターズ株式会社)にアプライ後、水を通してTFAを除去した。N2気流下カートリッジを乾燥し、アセトニトリルを通して目的物を溶出した。さらに溶媒を留去後、生理食塩水に溶解し、生物学的評価に用いた。[18F]P1、2及び5の放射化学的収率は、それぞれ5.4 %、3.6 %及び2.1 %であり、放射化学的純度はすべて>99 %であった。
各化合物(P1〜P10)のEGFRチロシンキナーゼに対する阻害活性をEGFR Kinase Enzyme System (Promega)及びADP-GloTM Kinase assay Kit (Promega, Catalog No. V9101)を用いて測定した。
EGFR Kinase Enzyme Systemは、EGFR Kinase Enzyme System(Catalog No. V3831)、EGFR (L858R) Kinase Enzyme System(Catalog No. V5322)、EGFR (T790M) Kinase Enzyme System(Catalog No. V4506)及びEGFR (T790M, L858R) Kinase Enzyme System(Catalog No. V5324)の4種類を用いて行った(いずれもPromega製)。
測定は、Promega protocol applications guideに準じて行った。すなわち、希釈溶液は、緩衝液(40 mM Tris-HCl, pH7.5, 20 mM MgCl2, 50 μM DTT and 0.1 mg/mL BSA)を使用した。化合物濃度は、20 μM(1% DMSOを含む最終濃度)を始めとし、緩衝液で5倍ずつ希釈し、10種類の濃度を調製した。得られた各濃度の化合物を384ウェルプレートの各ウェルに2μLずつ添加した。さらに、各EGFR Kinase Enzyme Systemに付属のEGFR Kinase Bufferを各ウェルに4μL(20 ng)ずつ添加し、室温で10分インキュベートした。続いて、ATP (10 μM)とPoly(Glu, Tyr) (2μg)基質の混合溶液を各ウェルに4μLずつ添加し、室温で一時間インキュベートした。ADP-GloTM Reagent (ADP-GloTM Kinase Assay, Promega)を各ウェルに10μLずつ添加し、室温で40分間反応した。さらに、Kinase Detection Reagent (ADP-GloTM Kinase Assay, Promega)を各ウェルに20μLずつ添加し、室温で一時間反応した後、Luminescence Counter 1420 ARVOTM Light(株式会社パーキンエルマー)を用いて発光量を測定した。得られたデータから、GraphPad Prism 5 (GraphPad Software, Inc.)を用いて、用量反応曲線及びIC50を算出した。その結果を下記表1に示す。下記表1において、WTはEGFR Kinase Enzyme Systemでの測定結果、L858RはEGFR (L858R) Kinase Enzyme Systemでの測定結果、T790MはEGFR (T790M) Kinase Enzyme Systemでの測定結果、及びDMはEGFR (T790M, L858R) Kinase Enzyme Systemでの測定結果を示す。
12 ウェルプレート上にL858R変異細胞であるH3255細胞(4.0×105 cells/well)を24時間培養した。培地を除去後、PBS(-)で1回洗浄した。各ウェルに[18F]P2とgefitinib(0, 0.5, 1, 2.5 μM)を加えたウシ胎児血清非含有のDMEM/Ham’s F-12培地を加え、CO2インキュベーター中で2時間インキュベートした。各ウェルを0.1% Tween 80 / 1% DMSO / PBS(-)で3回洗浄し、0.2 N NaOHで細胞を溶解させた。溶液の放射能をガンマカンターで計測し、BCA Protein Assay Kit(Pierce, Rockford, IL)を用いてタンパク濃度を定量して、測定結果を解析した。その結果を図1に示す。
(1)H3255(L858R変異)担がんマウスを用いた撮像
H3255担がんマウスへ[18F]P2(14.3 MBq/140μL)をマウス尾静脈より投与した。投与後175分からイソフルラン(2.0%)吸引麻酔し投与後180分からPET/CT装置(FX-3300)を用いて20分間撮像した。その後、CT撮像(60 kV, 320μA)を行った。画像再構成は、3D-OSEMを用いて行った。撮像終了後、屠殺し各臓器を摘出し、各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から集積量(%ID/g)を算出した。その結果、腫瘍/血液比3.23、腫瘍/筋肉比5.97、腫瘍/肺比2.66と高い近接臓器比が認められた。また、撮像により得られた画像を図2Aに示す。図2Aにおいて丸で囲った部分が、H3255が移植された部分である。図2Aに示すように、[18F]P2はL858R変異EGFRに特異的に集積し、[18F]P2によってL858R変異EGFRをイメージングすることができた。
<撮像条件>
Animal : balb/c nu/nu mouse, 8 w, male, 21.0 g
Cell : H3255 (1×107 cells/100 mL)
Injection dose : 14.25 MBq/140 mL
PET/CT : FX-3300 (GMI)
Image acquisition : 180 - 200 min after administration
Reconstruction : 3D-OSEM
Condition of CT : 60 kV, 320 mA
H1975担がんマウスへ[18F]P2 (9.1 MBq/140μL)をマウス尾静脈より投与した。投与後175分からイソフルラン(2.0%)吸引麻酔し投与後180分からPET/CT装置(FX-3300)を用いて20分間撮像した。その後、CT撮像(60 kV, 320μA)を行った。画像再構成は、3D-OSEMを用いて行った。撮像終了後、屠殺し各臓器を摘出し、各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から集積量(%ID/g)を算出した。その結果、腫瘍/血液比1.29、腫瘍/筋肉比2.04、腫瘍/肺比0.98とH3255担がんマウスと比較し有意に低い近接臓器比が認められた。また、撮像により得られた画像を図2Bに示す。図2Bにおいて丸で囲った部分が、H1975が移植された部分である。図2Bに示すように、[18F]P2はL858R/T790M変異EGFRに集積しないことが確認できた。
<撮像条件>
Animal : balb/c nu/nu mouse, 8 w, male, 20.7 g
Cell : H1975 (5×106 cells/100 mL)
Injection dose : 9.125 MBq/140 mL
PET/CT : FX-3300 (GMI)
Image acquisition : 180 - 200 min after administration
Reconstruction : 3D-OSEM
Condition of CT : 60 kV, 320 mA
Claims (18)
- 下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩を含む核医学画像診断薬。
R1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。] - L1は、エタンジイル基、エチレンオキシエチレン基又はエチレントリオキシエチレン基である、請求項1記載の核医学画像診断薬。
- R3は、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシメチル基である、請求項1又は2に記載の核医学画像診断薬。
- R4は、水素原子又は臭素原子である、請求項1から3のいずれかに記載の核医学画像診断薬。
- 下記式(1)で表される化合物又は式(1)で表される化合物の製薬上許容される塩。
R1は、下記式(a)、(b)又は(c)で表される基であり、
式(a)及び(b)中、L1は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(b)及び(c)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(a)、(b)及び(c)中、X1は、放射性ハロゲン原子又は−[11C]CH3であり、
式(d)中、R3は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキ
ル基であり、
式(d)及び(e)中、R4は、水素原子又はハロゲン原子である。] - 式(2)で表される化合物又は式(2)で表される化合物の製薬上許容される塩。
R11は、下記式(f)又は(g)で表される基であり、
式(f)及び(g)中、R15は、水素原子又は−L11−X11であり、L11は、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(h)中、R13は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(h)及び(i)中、R14は、水素原子又はハロゲン原子である。] - R15は、水素原子である、請求項6記載の化合物。
- 請求項1から4のいずれかに記載の核医学画像診断薬を合成するための標識前駆体として使用する、請求項6又は7に記載の化合物を含む組成物。
- 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価するための情報を得る方法であって、
請求項1から4のいずれかに記載の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出することを含む、方法。 - 前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うことを含む、請求項9記載の方法。
- 肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子におけるT790M変異の発生を評価する方法であって、
請求項1から4のいずれかに記載の核医学画像診断薬が投与された被検体の肺癌腫瘍から前記核医学画像診断薬の放射性シグナルを検出すること、
前記被検体の肺癌腫瘍からの放射性シグナルの検出を上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の治療期間中に繰り返し行うこと、
前記得られた情報を比較すること、及び
前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子における、T790M変異の発生の有無を決定することを含む、方法。 - 上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による非小細胞肺癌の治療が行われる被検体における上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の有効性を評価する方法であって、
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬の投与開始前、投与開始後及び投与開始から一定期間経過後からなる群から選択される2以上のタイミングで請求項9又は10に記載の方法により得られた情報を比較することを含む、方法。 - 前記比較によりシグナルの変動に基づき、肺癌腫瘍における上皮成長因子受容体をコードする遺伝子が、T790M変異を有している否かを決定することを含む、請求項12記載の方法。
- 前記比較によりシグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価し、前記比較によりシグナルの減少が観察されない場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性があると評価する、請求項12又は13に記載の方法。
- 腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつ前記シグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価す、請求項12又は13に記載の方法。
- 前記被検体のCT又はMRIを撮像すること、及び
前記CT又はMRI画像と、前記検出した放射性シグナルから構築したイメージング画像とを融合又は比較することを含み、
前記融合又は比較に基づき、腫瘍の大きさが増加又は維持され、かつシグナルの減少が観察される場合は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬による治療の薬効の可能性が低下すると評価する、請求項12から15のいずれかに記載の方法。 - 下記式(3)で表される化合物又は式(3)で表される化合物の製薬上許容される塩。
R21は、下記式(j)、(k)又は(l)で表される基であり、
式(j)及び(k)中、L21は、結合手、炭素数1以上10以下のアルカンジイル基、又は
式(k)及び(l)中、nは1以上3以下の整数であり、
式(j)、(k)及び(l)中、X21は、ハロゲン原子であり、
式(m)中、R23は、ハロゲン置換されていてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基又は炭素数1以上4以下のアルコキシアルキル基であり、
式(m)及び(n)中、R24は、水素原子又はハロゲン原子である。] - 請求項6若しくは7に記載の化合物又は請求項8記載の組成物を含む、請求項5記載の化合物を調製するためのキット。
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2016
- 2016-06-30 JP JP2016130823A patent/JP6709552B2/ja active Active
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JP2019099538A (ja) * | 2017-12-07 | 2019-06-24 | 国立大学法人京都大学 | ベンゾ[b]カルバゾール化合物及びそれを用いたイメージング |
JP7054134B2 (ja) | 2017-12-07 | 2022-04-13 | 国立大学法人京都大学 | ベンゾ[b]カルバゾール化合物及びそれを用いたイメージング |
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