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JP2017011486A - 無線通信用集積回路、無線通信端末、無線通信方法、無線通信システム - Google Patents

無線通信用集積回路、無線通信端末、無線通信方法、無線通信システム Download PDF

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JP2017011486A JP2015124891A JP2015124891A JP2017011486A JP 2017011486 A JP2017011486 A JP 2017011486A JP 2015124891 A JP2015124891 A JP 2015124891A JP 2015124891 A JP2015124891 A JP 2015124891A JP 2017011486 A JP2017011486 A JP 2017011486A
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Tsuguhide Aoki
亜秀 青木
綾子 松尾
Ayako Matsuo
綾子 松尾
浩樹 森
Hiroki Mori
浩樹 森
寿久 鍋谷
Toshihisa Nabeya
寿久 鍋谷
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Abstract

【課題】近接する複数のアクセスポイントが同一周波数にて無線通信を行う場合において、受信側で生じる干渉を低減する。
【解決手段】本発明の実施形態としての無線通信用集積回路は、第1無線通信端末に対して第1のデータストリームを指定する第1情報と、第2無線通信端末に対して第2のデータストリームを指定する第2情報とを含む第1フィールドの信号を、RF集積回路を介して送信し、第1のデータストリームを、前記RF集積回路を介して送信し、前記第2のデータストリームを送信しないベースバンド集積回路を備える。
【選択図】図1

Description

この発明の実施形態は、無線通信用集積回路、無線通信端末、無線通信方法、無線通信システムに関する。
無線の基地局装置(アクセスポイント)と無線端末間で通信を行う無線通信システムとして、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)を採用する無線LAN(Local Area Network)が広く知られている。
無線LANにて用いられるシングルユーザMIMO(Multi-Input Multi-Output)技術では、1台のアクセスポイントおよび1台の無線端末が、それぞれ複数のアンテナを搭載する。アクセスポイントは、複数のアンテナから複数のデータを同時に送信する。無線端末は、当該複数のデータを複数のアンテナで同時に受信し、受信した複数のデータを分離する。これにより、複数のデータストリームの送受信が可能となる。データストリームの数が増えるほど、従来のSISO(Single-Input Single-Output)に比べて、スループットを向上させることができる。
シングルユーザMIMO技術を拡張したダウンリンクマルチユーザMIMO (DL-MU-MIMO)技術では、1台のアクセスポイントが、複数のアンテナから複数台の無線端末に対し、同一の周波数を用いて、それぞれ異なるデータを同時に送信する。
ダウンリンクマルチユーザMIMO技術では、ビームフォーミングと呼ばれる技術を用いる。ビームフォーミング技術は、電波に指向性を持たせるマルチアンテナ技術であり、同一周波数を用いて複数の端末に対して行う通信においても電波干渉を防ぐことができる。
しかし、実際は、端末の移動や、周辺環境の変化などに伴い、伝搬路が変化するため、電波干渉が起きることがある。例えば、電波を反射する車両が移動したことによって、電波が反射され、他の無線機器に対するデータストリームを受信することがある。そのため、他の通信機器宛てのデータストリームを除去することができる無線端末も知られている。
一方、複数のアクセスポイントが協調して、同一周波数の通信を同時に行うことで、システム全体の伝送速度を増加させる技術(協調伝送技術)がある。この協調伝送技術でも、ビームフォーミングが用いられる。複数のアクセスポイントは同期を取り、他のアクセスポイントに属する無線端末の位置を把握し、当該位置に対しヌルステアリングを行うことで、近接するアクセスポイント配下の通信端末への干渉を抑圧する。
しかし、この場合も伝搬路の変化により、電波干渉が起きることがある。そして通信端末は、通信を行わないアクセスポイントから受信したデータストリームの影響をゼロにすることができないため、通信を行うアクセスポイントからのデータストリームを正しく受信できないという問題がある。
特開2013−106079号公報 特開2014−27368号公報
IEEE Std 802.11acTM-2013 IEEE Std 802.11TM-2012
本発明の実施形態は、複数のアクセスポイントが同一周波数にて無線通信を行う場合において、受信側で生じる干渉を低減することを目的とする。
本発明の実施形態としての無線通信用集積回路は、第1無線通信端末に対して第1のデータストリームを指定する第1情報と、第2無線通信端末に対して第2のデータストリームを指定する第2情報とを含む第1フィールドの信号を、RF集積回路を介して送信し、前記第1のデータストリームを、前記RF集積回路を介して送信し、前記第2のデータストリームを送信しないベースバンド集積回路を備える。
第1の実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示すブロック図。 グループに関するテーブル(グループ情報)の一例を示す図。 ダウンリンクマルチユーザMIMOによる無線通信の一例を示す図 IEEE802.11ac規格におけるフレーム(VHT PPDU)フォーマットを示す図。 データストリーム1とデータストリーム2のフレームの概略構成の一例を示す図。 協調送信処理のフローチャート。 親アクセスポイントによるグループ情報の一括管理の一例を示す図。 第1の実施形態において、異なるアクセスポイトからデータストリームを複数受信した場合の一例を示す図。 第1の実施形態に係るアクセスポイントに搭載される無線通信装置の機能ブロック図。 第1の実施形態に係る無線端末に搭載される無線通信装置の機能ブロック図。 第1の実施形態に係るアクセスポイントに搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示す図。 第1の実施形態に係る無線端末に搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示す図。 第3の実施形態に係る無線機器の斜視図。 第3の実施形態に係るメモリーカードを示す図。 コンテンション期間のフレーム交換の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。無線LANの規格書として知られているIEEE Std 802.11TM-2012およびIEEE Std 802.11acTM-2013は、本明細書において、その全てが参照によって組み込まれる(incorporate by reference)ものとする。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示すブロック図である。第1の実施形態に係る無線通信システムは、アクセスポイント11と、アクセスポイント21と、アクセスポイント11と無線通信を行う無線端末1と、アクセスポイント21と無線通信を行う無線端末2を具備した無線ネットワークである。なお、アクセスポイントも無線端末の一形態である。
図1では、各アクセスポイントと通信する無線端末を1台ずつ示しているが、各アクセスポイントと通信する図示しない複数台の無線端末が存在してもよい。また、アクセスポイントが3台以上存在してもよい。
アクセスポイント11と21はそれぞれ、複数のアンテナと、無線通信装置(後述する図9参照)を搭載する。図1の例では、アクセスポイント11は、4つのアンテナ12A、12B、12C、12Dを備え、アクセスポイント21は、4つのアンテナ22A、22B、22C、22Dを備える。無線通信装置は、無線通信部と、複数の無線端末との通信を制御する通信制御装置とを備える。
なお、ここでは、アクセスポイント11と21のアンテナの個数は4としたが、アンテナの個数は2以上の任意の数でよい。また、アクセスポイント11と21のアンテナの個数は異なっていてもよい。ただし、アクセスポイントが送信可能なデータストリームの上限は、備えるアンテナの個数によって制限される。一例として、アクセスポイントが送信可能なデータストリームの上限は、備えるアンテナの個数に一致する。
無線端末1と無線端末2は、それぞれ、1つまたは複数のアンテナと、無線通信装置(後述する図10参照)を搭載する。図1の例では、無線端末1は、1つのアンテナ1Aを備え、無線端末2は、1つのアンテナ2Aを備えるものとする。無線通信装置は、無線通信部と、アクセスポイントとの通信を制御する通信制御装置とを備える。
なお、ここでは、無線端末1と無線端末2のアンテナの個数は1としたが、アンテナの個数は1以上の任意の数でよい。また、無線端末1と無線端末2のアンテナの個数は異なっていてもよい。
アクセスポイント11から無線端末1への無線通信、およびアクセスポイント21から無線端末2への無線通信は、IEEE802.11acの規格で定められているダウンリンクマルチユーザMIMO技術にて行うことができるものとする。ただし、ダウンリンクマルチユーザMIMO技術以外による無線通信が行われてもよい。また、各アクセスポイントは、他の無線端末と、IEEE802.11acの規格にて無線通信を行ってもよいし、IEEE802.11ac以外の通信規格で無線通信を行ってもよい。例えば、図示しない無線端末とアクセスポイント11またはアクセスポイント21とは、IEEE802.11ac、IEEE802.11n、IEEE802.11aなどの通信規格で通信してもよい。更には、IEEE802.11axのようにIEEE802委員会で標準化される次世代の通信規格で通信してもよい。
なお、各アクセスポイントが、複数の端末に複数のフレームを送信する場合において、当該送信する複数のフレームは、同じものであっても異なるものであってもよい。一般的な表現として、アクセスポイントが複数のフレームまたは複数の第Xフレームを送信または受信すると表現する場合、これらのフレームまたは第Xフレームは同じものであっても異なるものであってもよい。Xには状況に応じて任意の値を入れることができる。
アクセスポイント11とアクセスポイント21は、有線、無線などにより直接、またはWANやインターネットなどのネットワークなどを介して、通信接続されているとする。また、アクセスポイント11とアクセスポイント21との通信は、専用のインターフェースにて行ってもよい。
次に、アクセスポイントの機能であるビームフォーミングについて説明する。以後、単にアクセスポイントと記載されている場合は、アクセスポイント11と21を含むものとする。
アクセスポイントは、指向性を有するビームフォーミングを行うことができるとする。ビームフォーミングは、電波に指向性を持たせるマルチアンテナ技術である。ビームフォーミングでは、必要でない方向に電波を飛ばさないヌルステアリングと、必要な方向に電波を集中させ、通常よりも通信距離を伸ばすビームステアリングが行われる。
また、ビームフォーミングに対し、電波に指向性を持たせず(無指向性)、全方向に放たれるビームをオムニビームと称する。
アクセスポイントは、ビームフォーミングを行うことで、通信範囲を調整する。図1の点線で囲まれた白い部分は、アクセスポイント11の通信範囲を示す。破線で囲まれた灰色の部分は、アクセスポイント21の通信範囲を示す。無線端末1と無線端末2は、アクセスポイント11およびアクセスポイント21のオムニビームの届く範囲(通信可能範囲)内に存在している。しかし、アクセスポイント21は、ヌルステアリングにより、アクセスポイント21からの電波を無線端末1に届かせないように調整する。同様に、アクセスポイント11は、ヌルステアリングにより、アクセスポイント11からの電波を無線端末2に届かせないように調整する。
なお、アクセスポイントは、ビームフォーミングを行うために、各アンテナから各無線端末まで(ダウンリンク)の伝搬路の状況を表す伝搬路情報を予め把握しているものとする。伝搬路情報を把握する方法には、任意の方法を用いることができる。例えば、サウンディングフレームを送信して、伝搬路状態情報(CSI:Channel State Information)のフィードバックフレームを受信するExplicit CSI Feedback方式などがある。
無線端末の移動や、電波を反射する車両等の移動等による状況の変化により、電波の伝搬路は刻々と変化する。そのため、ビームフォーミングを正確に行ったとしても、電波干渉が生じる。図1の例では、アクセスポイント21からの送信電波32は、ビームフォーミングにより、無線端末1に届かないように調整されているが、反射などにより生じた電波33が無線端末1に届くことを示す。ゆえに、無線端末1は、アクセスポイント11からの送信電波31と、アクセスポイント21からの送信電波33との合成信号を受信することになる。
第1の実施形態に係るアクセスポイントは、図1の例のような電波干渉を排除するために、ダウンリンクマルチユーザMIMO技術を利用する。まず、前提となるアクセスポイントと無線端末の通信について説明する。
アクセスポイント11とアクセスポイント21は、接続する無線端末との間で無線ネットワーク(それぞれ第1ネットワーク、第1Bネットワークと呼ぶ)を形成する。ここでは、無線端末1は第1ネットワークに、無線端末2は第1Bネットワークに所属しているものとする。なお、アクセスポイント11とアクセスポイント21は、有線または無線の他のネットワーク(それぞれ第2ネットワーク、第2Bネットワークと呼ぶ)に、さらに接続されていてもよい。
アクセスポイントは、これらのネットワーク間や、同一ネットワーク内の無線端末間の通信を中継する。各アクセスポイントは、無線端末または各ネットワークから、自己のネットワークに所属する無線端末宛のフレームを受信して、内部のバッファに保持し、送信するタイミングを制御できるものとする。アクセスポイントは、当該保持している各無線端末宛のフレームを、各無線端末に空間多重で送信することができる。空間多重の送信とは、同一の周波数帯域にて、複数のデータストリームを同時に送信することを意味する。これらの技術は、ダウンリンクマルチユーザMIMO技術に含まれる。
アクセスポイントは、ダウンリンクマルチユーザMIMO技術にて通信を開始する前に、1つまたは複数のグループを作成し、各グループに、通信先の無線端末の組み合わせを登録する。このグループは、アクセスポイントが空間多重送信を行う場合に用いられる。つまり、空間多重送信は、グループごとに行われる。1つの無線端末は、複数のグループに登録されていてもよい。また、1つのグループに1つの無線端末のみが登録されていてもよいし、複数の無線端末が登録されていてもよい。
図2は、アクセスポイントが保持するグループに関するテーブル(グループ情報)の一例を示す図である。Group IDは、各グループの識別子を表す。MSAはMembership status arrayを、UPAはUser position arrayを表す。MSAは、無線端末がグループに所属しているかを示す。グループのメンバである場合は、MSAは1となり、メンバでない場合は、MSAは0となる。UPAは、そのグループにおける無線端末の番号を示す。無線端末が、グループのメンバでない場合は、N/Aで表される。図2の例では、無線端末3は、Group ID1のMSAが0であるため、グループに所属していない。そのため、Group ID1のUPAは、N/Aとなる。
アクセスポイントは、グループID管理フレーム(Group IDManagement frame)にて、無線端末ごとに、Group ID、MSAおよびUPAを通知することができる。グループID管理フレームは、IEEE802.11acにて定められた管理フレームの1つであり、Group IDは8オクテットで表される。Group IDは、0と63の用途が既定であるため、グループは62個登録することができる。また、グループIDごとに、MSAが1bit、UPAが2bitと定められている。
グループID管理フレームを受信した無線端末は、アクセスポイントが保持する全グループのGroup IDと、各グループにおける自己のMSAおよびUPAの情報を保持することとなる。これらの情報は、データストリームを取得する際に参照される。
次に、ダウンリンクマルチユーザMIMO技術における無線端末のデータストリームの分離について説明する。
図3は、ダウンリンクマルチユーザMIMOによる無線通信の一例を示す図である。図3の例では、アクセスポイント11は、データストリーム1を無線端末1に対し、データストリーム2を図1では図示しなかった無線端末3に対し、多重送信する。
アクセスポイントは、予め取得した各無線端末からの伝搬路情報に基づき、各無線端末宛ての信号の干渉を抑制するように、指向性のビームパターンを算出する。そして、算出したビームパターンに基づきビームフォーミングを行う。図3の点線で囲まれた部分は、無線端末1に対するビームフォーミングを表す。破線で囲まれた灰色の部分は、無線端末3に対するビームフォーミングを表す。各データストリームは、アクセスポイントのアンテナから、同一の周波数で同時に送信される。同一の周波数で同時に送信されても、ビームフォーミングにより、干渉は抑えることができる。
しかし、アクセスポイントが1つの場合でも、伝搬路の変化により、他の端末宛てのデータストリームを受信する場合がある。図3の例では、データストリーム2は、無線端末1には届かないよう調整されているが、無線端末1に届かないはずの電波でも、点線矢印で示された電波34のように、無線端末1に届くことがあり、ビームフォーミングを適用しても受信側で干渉が発生することがあり得る。そのため、無線端末1には、同一のアクセスポイントから送信されたデータストリームを分離する機能が規定されている。
データストリーム1の送信信号をs1、データストリーム2の送信信号をs2とすると、無線端末の受信信号y1は、次式で表すことができる。ここでは説明を簡易にするため、2本のアンテナ12A、12Bを用いて、送信信号s1がアンテナ12Aから、送信信号s2がアンテナ12Bから送信されたものと仮定する。
Figure 2017011486
h11は、アクセスポイント11のアンテナ12Aから無線端末1のアンテナ1Aまでのチャネル応答を示す。h12は、アンテナ12Bからアンテナ1Aまでのチャネル応答を示す。n1は受信信号に生ずるノイズを示す。
なお、1台の無線端末がアンテナ2本を備え、2つのデータストリームを受信する場合は、無線端末の受信信号y1とy2は、次のように表される。
Figure 2017011486
このように、受信アンテナがm個、送信アンテナがn個の場合は、受信信号Yをm×1行列、送信信号Sをn×1行列、各受信アンテナと各送信アンテナの間の伝搬路における各チャネル応答を表す伝搬路応答行列(チャネル行列)Hをm×n行列、ノイズNをn×1行列とすると、次式が成り立つ。
Figure 2017011486
無線端末は、受信した合成信号に、ウェイト行列Wを用いて、送信信号を求めることが可能である。ウェイト行列は、ZF法、MMSE法、MBER法等などの種類がある。一例として、ZF(Zero Forcing)法によるウェイト行列Wを次式に示す。
Figure 2017011486
HHは、Hのエルミート転置を表す。このウェイトWを受信信号Yに乗算すると、送信信号Sを求めることができる。
Figure 2017011486
また、特定の送信アンテナの送信信号だけを取り出したい場合には、ウェイトWのその送信信号に対応する行を、受信信号Yに掛けることで、所望の送信アンテナの送信信号を取り出すことができる。
ウェイトを求めるためには、各伝搬路のチャネル応答を推定する必要がある。ダウンリンクマルチユーザMIMOでは、アクセスポイントがデータストリームに組み込んだ伝搬路推定用プリアンブルを用いて、チャネル応答を推定する。
受信端末は、ダウンリンクマルチユーザMIMOにて送信が開始される前に、伝搬路推定用プリアンブルに関する情報を保持しているものとする。伝搬路推定用プリアンブルに関する情報を取得する方法は、アクセスポイントと認証したときにアクセスポイントから取得してもよいし、当該情報を含む通知フレームをアクセスポイントから定期的に受信してもよい。逆に、受信端末側からアクセスポイントに対し、使用するプリアンブルを指定してもよい。または、アクセスポイントと受信端末が使用するプリアンブルを予め決めておいてもよい。
受信端末は、受信した伝搬路推定用プリアンブルの実測値と、送信された伝搬路推定用プリアンブルの値に基づき、各伝搬路のチャネル応答を推定する。無線端末は、推定した各伝搬路のチャネル応答に基づき、ウェイトWを算出し、アクセスポイントから受信したデータストリームを正しく分離する。
図4は、IEEE802.11ac規格におけるフレーム(VHT PPDU)フォーマットを示す図である。フレームは、L-STF(Legacy-Short Training Field)、L-LTF(Legacy-Long Training Field)、L-SIG(Legacy Signal Field)からなるNon-VHT portion(Legacyプリアンブル)と、VHT-SIG-A(Very high Throughput−Signal Field -A)、VHT-STF、複数のVHT-LTF(VHT-LTFs)、VHT-SIG-BからなるVHT portionから構成される。
Non-VHT portionは、例えばIEEE802.11aなど、レガシー規格が認識可能なフィールドであり、信号検出、周波数補正、伝送速度などの情報が格納される。Non-VHT portionは、IEEE802.11ac規格の無線端末と、レガシー規格の無線端末とが混在する通信システムを可能にする。
VHT portionは、IEEE802.11acで採用された新たな形式であり、MIMO多重拡張やMU-MIMOなどのMIMOの機能に関するプリンアンブルである。
Non-VHT portionとVHT-SIG-A(Pre-VHT-modulatedフィールド)の信号は、オムニビームで送られる。ゆえに、アクセスポイントと通信する全ての無線端末にて受信することができる。
VHT-SIG-A以外のVHT portion(VHT-modulatedフィールド)の信号は、ビームフォーミングを用いて送信される。ゆえに、伝搬路の変更が生じない場合は、特定の無線端末が受信する。
VHT-SIG-Aには、6bitからなるGroup IDサブフィールドと、それぞれ3bitからなるMU NSTSフィールド(MU[0] NSTS、MU[1] NSTS、MU[2] NSTS、MU[3] NSTS)が含まれる。Group IDサブフィールドには、このフレームを受信すべきグループのGroup IDが格納されている。各MU NSTSフィールドは、そのGroup IDにおけるUPAの0から3の値に、先頭から順に対応づけられている(MU[0]からMU[3]まで)。MU NSTSフィールドには、対応するUPAの無線端末が取得すべきデータストリームの数が格納されている。
無線端末は、予めグループID管理フレームにて通知されたグループ情報に基づき、受信すべきフレームであるか否かを判断する。例えば、図4のフレームに格納されたGroup IDサブフィールドの値は2である。フレームを受信した無線端末1は、保持しているグループ情報を参照し、Group IDが2であるMSAの値を確認する。図2で示したグループ情報によると、Group IDが2のとき、無線端末1のMSAの値は1、UPAの値は0である。無線端末1はMSAの値から、グループに所属していると判断する。そして、 UPAの値は0のため、MU[0] NSTSフィールドを確認する。MU[0] NSTSフィールドの値が1であるため、無線端末は、1番目のデータストリームを取得することを認識する。
VHT-LTFsは、伝搬路応答行列を推定するために用いられるフィールドであり、VHT-LTFが複数含められていることを意味する。VHT-LTFは、データストリームの数によって要求される数は異なる。アクセスポイントは、伝搬路推定用プリアンブルをこれらVHT-LTFに格納する。無線端末は、VHT-LTFに格納された値に基づき、受信した合成信号から受信すべき信号を取得する。
データストリームが2つの場合は、VHT-LTFは2つ必要とされる。伝搬路推定用プリアンブルは、例えば、次のような直交行列が用いられる。
Figure 2017011486
データストリームが3つまたは4つの場合は、VHT-LTFは4つ必要とされる。伝搬路推定用プリアンブルは、例えば、次のような直交行列が用いられる。
Figure 2017011486
直交行列は、各行(または各列)を表す行(または列)ベクトルが互いに直交する性質を持っている。ベクトルが直交するとは、内積がゼロのことである。
図5は、アクセスポイントが送信するフレームの概略構成の一例を示す図である。1番上がPre-VHT-modulatedフィールド(第1フィールド)であり、上から2番目のデータストリーム1と、3番目のデータストリーム2は、同じアクセスポイントから、多重空間送信されるデータストリームである。Pre-VHT-modulatedフィールドの信号はオムニビームで送信されるため、各無線端末が受信するPre-VHT-modulatedフィールドのデータは同じである。ゆえに、各無線端末が受け取るVHT-SIG-Aに格納されたGroup IDも同じとなる。つまり、データストリーム1とデータストリーム2は、同じグループに所属する無線端末宛てとなる。ここでは、Group IDは2とする。
VHT-LTFsには、伝搬路推定用プリアンブル値が含まれている。ここでは、数式6で示したように、データストリーム1には(1、1)の組が、データストリーム2には(1、-1)の組が格納される。
図2で示したグループ情報によると、データストリーム1を取得するのは、Group IDが2の場合、UPAの値が0である無線端末1と無線端末3である。データストリーム2を取得するのは、Group IDが2で、UPAの値が1の無線端末2である。
無線端末1は、予め取得している伝搬路推定用プリアンブルの値に基づき、データストリームに含まれる伝搬路推定用プリアンブルの値を把握する。そして、受信した伝搬路推定用プリアンブルの実測値と、送信された伝搬路推定用プリアンブルの値に基づき、伝搬路のチャネル応答を算出する。
最初の伝搬路推定用プリアンブルに関する受信信号をy1、2番目の伝搬路推定用プリアンブルに関する受信信号をy2とする。最初の伝搬路推定用プリアンブルの送信信号は、データストリーム1の値は1、データストリーム2の値は1である。2番目の伝搬路推定用プリアンブルの送信信号は、データストリーム1の値は1、データストリーム2の値は-1である。したがって、数式2に代入すると、次式のようになる。なお、ノイズNはここでは、便宜上、無視する。
Figure 2017011486
Figure 2017011486
したがって、伝達応答行列は、次にように求まる。
Figure 2017011486
無線端末は、上記のように求めたチャネル応答に基づき、ウェイトWを算出して、送信信号を算出する。そして、受信すべきデータストリームを取得する。
このように、無線端末は、同一のアクセスポイントからの各データストリーム信号を同時に重なった状態で受信した場合でも、取得すべきデータストリームを取り出すことができる。
第1の実施形態のアクセスポイント11とアクセスポイント21は、無線端末の上記の機能を利用し、以下の動作を行うことで、無線端末に対する構成の変更等を行なわずに、図1に示したような、異なるアクセスポイントからの電波信号の分離を可能にする。
図6は、アクセスポイントが行う協調送信のフローチャートを示す図である。以下、アクセスポイント11とアクセスポイント21の処理を説明する。
データストリームの分離を可能にするために、アクセスポイント11と無線端末1との通信(第1通信)と、アクセスポイント21と無線端末2との通信(第2通信)は、同時に行われるように調整される。アクセスポイント11とアクセスポイント21は、フレームの送信周波数、送信時刻について同期を取る(S101)。同期をとる方法としては、専用の通知フレームを送信してもよいし、ビーコンフレームなどに同期に関する情報を組み込んでもよい。同期を取るタイミングは、無線通信を行う前でもよいし、定期的に行うようにしてもよいが、フレームを送信する前には完全に同期が取れているものとする。
アクセスポイント11とアクセスポイント21は、それぞれ送信するフレームを生成する(S102)。この際、2つの送信フレームのPre-VHT-modulatedフィールド部分は同一になるように設定する。
アクセスポイント11とアクセスポイント21はそれぞれ、Pre-VHT-modulatedフィールド部分の信号を、ネットワークに所属する全ての無線端末に送信する必要がある。無線端末は、他の無線端末あてのPre-VHT-modulatedフィールド部分の信号を受け取ると、Pre-VHT-modulatedフィールドのL-SIGに設定された時間を経過するまで、アクセスポイントに対し送信を待機する。逆に、Pre-VHT-modulatedフィールド部分の信号を受信しない場合、無線端末はアクセスポイントに通信要求を送る可能性があるため、アクセスポイントの無線通信に影響を及ぼす。そこで、アクセスポイント11とアクセスポイント21はそれぞれ、Pre-VHT-modulatedフィールド部分の信号をネットワークに所属する全ての無線端末に送信することで、無線端末1と2との通信に対する影響を回避する。
そうすると、無線端末1と2もPre-VHT-modulatedフィールド部分の信号を受け取ることとなる。そして、アクセスポイント11が送信したPre-VHT-modulatedフィールド部分の信号と、アクセスポイント21が送信したPre-VHT-modulatedフィールド部分の信号が異なると、干渉が生じてしまい、無線端末1と2は、データを正しく復調することができなくなる。そのため、本発明の実施形態ではPre-VHT-modulatedフィールド部分のデータは同一になるように設定する。
Pre-VHT-modulatedフィールドのL-STFとL-LTFはIEEE802.11ac規格で定められた値を設定すれば、2つの送信フレームで異なることはない。また、L-SIGは送信フレーム全体の長さが格納されるため、この長さを合わせれば2つの送信フレームで異なることはない。しかし、Pre-VHT-modulatedフィールドのVHT-SIG-Aには、Group ID、各無線端末が取得するデータストリームの数、データフレームの符号化方式など、指定するデータストリームに関するサブフィールドが含まれる。したがって、アクセスポイント11とアクセスポイント21は、これらのサブフィールドの値が、それぞれの送信フレームで異ならないように調整する。また、予め使用するサブフィールドの値を決めておいてもよい。
各無線端末が取得するデータストリームの数は、各MU NSTSフィールドで指定する。各無線端末が取得するデータストリームの数は同じにする。ここでは、各無線端末が取得するデータストリームの数は1つとするため、図4で示したMU[0] NSTSおよびMU[1] NSTSフィールドには、それぞれ1を格納し、MU[3] NSTSおよびMU[4] NSTSフィールドには、それぞれ0を格納する。
Group IDの値は、2つのフレームで同一になるように設定するが、指定するGroup IDに対応するUPAは、無線端末1と無線端末2で異なるように調整する。無線端末1と無線端末2に異なるデータストリームを取得させるためである。ここでは、無線端末1のUPAを0、無線端末2のUPAを1とする。
Group IDの決定方法は、任意の方法でよい。例えば、アクセスポイント11は、送信周波数、送信時刻について、アクセスポイント21と同期を取る際に、使用するGroup IDの値および当該グループにおける無線端末1のUPAの値を、アクセスポイント21に送信する。アクセスポイント21は、自己が保有するグループ情報からGroup IDが2のグループを参照し、無線端末2のUPAの値が、送信された無線端末1のUPAの値と異なるかを確認する。値が異なる場合は、Group IDが2のグループは使用可能であるが、値が同じの場合は、Group IDが2のグループは使用不可である。アクセスポイント21は参照結果をアクセスポイント11に返信する。アクセスポイント11は、使用可能との返信結果を受信した場合は当該Group IDを使用し、使用不可との返信結果を受信した場合は、再度使用するグループを決定すればよい。
また、例えば、アクセスポイント11とアクセスポイント21が、同時送信を行う場合に使用するGroup IDを、予め決定しておいてもよい。また、アクセスポイント11とアクセスポイント21がグループ情報を共有し、無線端末1または2あてのフレームを受け取ったアクセスポイントが、Group IDを決定してもよい。また、予め親アクセスポイント(Master)を定め、親アクセスポイントが子アクセスポイント(Slave)のグループ情報を一元管理し、使用するGroup IDを決定してもよい。親アクセスポイントは、アクセスポイント11とアクセスポイント21とは別に用意してもよい。また、Group IDだけでなく、送信周波数や送信時刻なども親アクセスポイントが決定してもよい。また、親アクセスポイントは、アクセスポイントではなく、サーバなどの管理装置でもよい。
図7は、親アクセスポイントによるグループ情報の一括管理の一例を示す図である。図7の例では、アクセスポイント11が親アクセスポイントであり、アクセスポイント21および図1では図示していないアクセスポイント31が子アクセスポイントである。親アクセスポイントは、図7の右上に示す通り、自己のグループ情報と、子アクセスポイントのグループ情報を保持する。子アクセスポイントは、自己のグループ情報のみを保持する。親アクセスポイントは、子アクセスポイントから、定期的またはグループ情報の更新の度に、通知フレームなどにより、各子アクセスポイントのグループ情報を管理する。
ここでは、無線端末1と無線端末2の同時送信を行うため、親アクセスポイントは、各Group IDの無線端末1と無線端末2のUPAを確認する。右上の各グループ情報によると、Group IDが1のグループは、無線端末2がグループに所属していないため、使用できない。Group IDが2のグループは、無線端末1と無線端末2のUPAがそれぞれ0と1と異なっているので使用できる。Group IDが3のグループも、無線端末1と無線端末2のUPAがそれぞれ1と0と異なっているので使用できる。Group IDが4のグループは、無線端末1と無線端末2のUPAがともに1であるため、使用できない。このように、親アクセスポイントは、使用できるGroup IDを判別する。使用できるGroup IDが複数有る場合は、任意に1つを決定すればよい。親アクセスポイントが、Group IDが2のグループを選択したとすれば、先ほど同様、無線端末1のUPAが0、無線端末2のUPAが1となる。また、VHT-SIG-AのGroup IDサブフィールドにはGroup IDである2が設定される。
アクセスポイント11とアクセスポイント21は、オムニビームを用い、同時に同一周波数にて、Pre-VHT-modulatedフィールドの信号を送信する(S103)。送信された2つの信号は、無線端末1および無線端末2にて、ほぼ同一のタイミングで受信される。この場合、同一周波数、同一データであるため、同時にまたは後から受信した信号は、同じアクセスポイントから送られたマルチパスによる遅延波の信号として扱うことができる。
IEEE802.11通信規格では、マルチパスによる遅延波を低減する仕組みが採用されている。例えば、IEEE802.11acで用いられるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式は、ガードインターバルなど、遅延波による干渉を抑える技術が規格されている。したがって、無線端末は、異なるアクセスポイントからの信号でも、同一のアクセスポイントからの信号を受信したときと区別なく、干渉を抑える機能を発揮することができる。
無線端末1と無線端末2は、取得したフレームのVHT-SIG-AのGroup IDとMU NSTS フィールドの値から、自己が取得すべきストリームを把握する。前述のとおり、無線端末1と無線端末2でUPAが同一にならないGroup IDを選択したため、無線端末1と2が同じデータストリームを取得することはない。例えば、前述の親アクセスポイントにより、Group IDが2のグループが選択された場合、VHT-SIG-A のGroup IDサブフィールドには2が格納されている。また、前述のとおり、MU[0] NSTSおよびMU[1] NSTSフィールドには、それぞれ1が、MU[3] NSTSおよびMU[4] NSTSフィールドには、それぞれ0が格納されている。これにより、UPAが0である無線端末1はデータストリーム1を選択し、UPAが2である無線端末はデータストリーム2を選択する。
アクセスポイント11とアクセスポイント21は、同時に同一周波数で、データストリーム(VHT-modulatedフィールド)をビームフォーミングにて送信する(S104)。ここで、アクセスポイント11が送信するデータストリーム1のVHT-modulatedフィールドには、無線端末1が受信すべきデータを格納する。アクセスポイント11が送信するデータストリーム2のVHT-modulatedフィールドには、nullデータのみを格納する。一方、アクセスポイント21が送信するデータストリーム1のVHT-modulatedフィールドには、nullデータのみを格納する。アクセスポイント21が送信するデータストリーム2のVHT-modulatedフィールドには、無線端末2が受信すべきデータを格納する。
無線端末1と無線端末2は、アクセスポイントの各々から、通常のデータが格納されているデータストリームと、nullデータのみが格納されているデータストリームとを受信する。つまり、無線端末1と無線端末2は、各々4つのストリームを受信する。しかし、無線端末1と無線端末2のそれぞれが受信する合成信号は、同一のアクセスポイントからデータストリーム1とデータストリーム2を同時に送信し、これら2つのデータストリームを受信した場合と同じになる。
図8は、伝搬路の状況の変化により、異なるアクセスポイトからデータストリームを複数受信した場合の一例を示す図である。アクセスポイント11からは、白色の矢印で示された、データが含まれるデータストリーム1(DS1)とnullデータが含まれるデータストリーム2が送られる。アクセスポイント21からは、灰色の矢印で示された、nullデータが含まれるデータストリーム1(DS1)とデータが含まれるデータストリーム2(DS2)が送られる。無線端末1と無線端末2の各アンテナには、最大で4つのデータストリームの信号が合成された合成信号を受信することとなる。しかし、データストリーム1に関する信号は、一方がデータを含むデータストリーム、他方がnullデータのみのデータストリームであるので、この2つの合成信号は、データを含むデータストリームの信号と同一になる。また、データストリーム2の信号も、一方がデータを含むデータストリーム、他方がnullデータのみのデータストリームであるので、この2つの合成信号は、データを含むデータストリームの信号と同一になる。したがって、結果的に、図3で示した、同一アクセスポイントから、データストリーム1とデータストリーム2の信号を受信した場合と同じになる。
無線端末1は、受信したデータストリームを分離する。分離する方法は、同一アクセスポイントから2つのデータストリームを受信した場合と同様である。したがって、無線端末1は、構成の変更等を加えることなく、異なるアクセスポイントからの不要なデータストリームから分離して、必要なデータストリームを取り出すことができる。
なお、ここでは、無線端末のアンテナは1本にしたが、2本でも問題ない。2本の場合は、使用するデータストリームを4つとする。無線端末11は、データストリーム1と2に通常のデータを格納し、データストリーム3と4にnullデータのみを格納する。逆に、無線端末21は、データストリーム1と2にnullデータのみを格納し、データストリーム3と4に通常のデータを格納すればよい。その他は、無線端末のアンテナは1本のときと同様である。
なお、ここでは、IEEE802.11ac規格にて無線通信することを想定したが、当該通信規格に制限されるものではない。例えば、IEEE802.11acでは、使用する周波数帯は5GHz帯であるが、周波数は2.4GHz帯や60GHz帯でもよい。2.4GHz帯では、使用できる周波数(チャネル数)が限られているため、近接するアクセスポイントが同一周波数にて送受信を行う場面は、5GHz帯よりも多いと想定される。ゆえに、同一周波数による余干渉低減の意義は、5GHz帯での使用よりも2.4GHz帯での使用のほうがより高い。
以上のように、アクセスポイントが、他のアクセスポイントと協調し、Pre-VHT-modulatedフィールドおよびVHT-modulatedフィールド(データストリーム)の値が調整されたフレームを、同一周波数の送信信号にて、同一タイミングで送信することにより、無線端末に構成の変更等を加えることなく、無線端末が、自己が属するアクセスポイントとは異なるアクセスポイントから受信したデータストリームの分離を可能にする。
図9は、第1の実施形態に係るアクセスポイントに搭載される無線通信装置の機能ブロック図である。上述の通り、アクセスポイント11は、無線端末側のネットワーク(第1ネットワーク)に加え、第1ネットワークとは異なるネットワーク(第2ネットワーク)に接続されてもよいが、図9では、第1ネットワーク側の無線通信装置の構成を示している。アクセスポイント21に搭載される無線通信装置もアクセスポイント1と同様の構成を有するため、アクセスポイント21については説明を省略する。
上位層は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理や、データを処理するアプリケーション層の処理を行う。上位層は、第1ネットワーク上の通信装置から受信したフレームを、バッファ104を介して受け取る。当該フレームには、第1ネットワーク以外のネットワークに存在する無線端末、サーバ等の通信装置に送るためのフレームが含まれる。バッファ104は、上位層と制御部101との間で、フレームを受け渡しするための記憶部である。
制御部101は、無線端末1など第1ネットワークに存在する通信装置との通信を制御する通信制御装置に対応する。送信部102と受信部103は、一例として、無線通信部を形成する。
制御部101は、主としてMAC層の処理、物理層の処理の一部(例えばMIMO関連の処理等)を行う。制御部101は、送信部102および受信部103を介して、フレームを送受信することで、第1ネットワークにおける各無線端末との通信の制御を行う。なお、制御部101は、定期的にビーコンフレームが送信されるように制御してもよい。また、定期的にサウンディングフレームを送信して、伝搬路状態情報を取得するように制御してもよい。
制御部101は、無線端末からのアソシエーション要求を受けて、必要に応じて認証等のプロセスを経て、当該無線端末と無線リンクを確立する。制御部101は、バッファ104を定期的に確認する。または、制御部101は、バッファ104等の外部からのトリガによりバッファ104を確認する。また、アクセスポイント21と協調して決定した送信のタイミングにて、送信部に送信を行うように制御する。
制御部101は、アクセスポイント21と協調して、フレームの送信周波数および送信時刻、フレームに格納するデータなどを決定する。また、フレームを生成し、送信時刻にフレームが送信されるよう送信部102を制御する。
なお、全てのフレームをダウンリンクマルチユーザMIMOにより送信しなくともよい。例えば、グループID管理フレームなどの管理フレームや制御フレームは、ダウンリンクマルチユーザMIMOを用いないとしてもよい。各種管理フレームや制御フレームに関しても、必要に応じてバッファ104に格納されており、制御部101はバッファ104から読み出すことにより送信が可能である。
なお、制御部101は、クロックを生成するクロック生成部を含んでもよいし、外部からクロックを取得するクロック取得部を含んでもよい。クロック生成部で生成したクロックまたは外部入力されたクロックによって、制御部101は内部時間を管理してもよい。制御部101は、クロック生成部で作ったクロックを、外部に出力してもよい。
制御部101は、基地局に送信する情報を記憶装置にアクセスして情報を読み出してもよいし、または基地局から受信した情報を記憶装置に格納してもよい。記憶装置は、制御部101が備えるバッファ(内部メモリ)でも、制御部101の外に備えられたバッファ104(外部メモリ)でも、バッファ104とは異なるバッファでもよい。記憶装置は、DRAM等の揮発性メモリでも、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。また、記憶装置は、メモリ以外に、SSD、ハードディスク等でもよい。
送信部102は、各アンテナに対応する送信系統を含み、特定の送信系統を用いて、制御部101から入力されたフレームに、変調処理や物理ヘッダの付加など、所望の物理層の処理を行う。また、物理層の処理後のフレームに対して、DA変換や、所望帯域の信号成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)を行う。送信部102は、周波数変換された信号を増幅して、任意の1つのアンテナから空間に電波として放射する。なお、フレームを複数の送信系統に入力して、複数のアンテナから送信する構成も可能である。
また、送信部102は、制御部101の指示または予め定められた設定に基づき、フレームを送信するビームの種類(オムニビームとビームフォーミング)を切り替える。
受信部103は、各アンテナで受信された信号を、それぞれアンテナに対応する受信系統ごとに処理し、制御部101に入力する。受信信号は、受信部103において増幅され、周波数変換(ダウンコンバート)され、ファイルタリング処理で所望帯域成分が抽出される。各抽出された信号は、さらにAD変換によりデジタル信号に変換されて、復調等の物理層の処理を経た後、制御部101に入力される。
上述した制御部101と送信部102の処理の切り分けは一例であり、別の形態も可能である。例えばデジタル領域の処理までは制御部101で行い、DA変換以降の処理を送信部102で行うようにしてもよい。制御部101と受信部103の処理の切り分けについても同様に、AD変換までの処理を受信部103で行い、その後の物理層の処理を含むデジタル領域の処理を制御部101で行うようにしてもよい。ここで述べた以外の切り分けを行ってもよい。
アクセスポイントの各部および上位層のデジタル領域の処理の全部または一部、あるいは通信処理装置の処理は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。端末は、各部の全部または一部の処理、あるいは通信処理装置の処理を行うプロセッサを備えてもよい。
図10は、第1の実施形態に係る無線端末に搭載される無線通信装置の機能ブロック図である。無線端末2に搭載される無線通信装置も無線端末1と同様の構成を有するため、無線端末2については説明を省略する。
上位層は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理や、データを処理するアプリケーション層の処理を行う。上位層は、アクセスポイント11など第1ネットワーク上の通信装置に送信するフレームを生成して、バッファ204に格納する。また、第1ネットワーク上の通信装置から受信したフレームを、バッファ204を介して受け取る。バッファ204は、上位層と制御部201との間で、フレームを受け渡しするための記憶部である。
制御部201は、アクセスポイント11など第1ネットワークに存在する通信装置との通信を制御する通信制御装置に対応し、送信部202と受信部203は、一例として、無線通信部を形成する。
制御部201は、主としてMAC層の処理を行う。制御部201は、送信部202および受信部203を介して、アクセスポイント11とフレームを送受信することで、アクセスポイント11との通信を制御する。制御部201は、例えばアクセスポイント11から定期的に送信されるビーコンフレームを、アンテナ1Aおよび受信部203を介して受信する。
制御部201は、一例としてビーコン信号を受信してアクセスポイント11にアソシエーション要求を行い、必要に応じて認証等のプロセスを経て、当該アクセスポイント11と無線リンクを確立する。制御部201は、バッファ204を定期的に確認する。または、制御部201は、バッファ204等の外部からのトリガによりバッファ204を確認する。制御部201は、アクセスポイント11へ送信するフレームがあることを確認したら、当該フレームを読み出して、使用する通信方式に従って、送信部202およびアンテナ1Aを介して送信する。
制御部201は、各受信系統から入力された信号のVHT-LTFフィールドに設定されたプリアンブルに基づき、伝搬路のダウンリンクのチャネル応答を推定する。また、制御部201は、推定により得たダウンリンクの伝搬路応答行列に基づき、ウェイトを算出し、当該ウェイトに基づきデータストリームを分離する。これにより、無線端末1は、アクセスポイントから同時に送信されたデータフレームを混信することなく受信することができる。
なお、制御部201は、クロックを生成するクロック生成部を含んでもよいし、外部からクロックを取得するクロック取得部を含んでもよい。クロック生成部で生成したクロックまたは外部入力されたクロックによって、制御部201は内部時間を管理してもよい。制御部201は、クロック生成部で作ったクロックを外部に出力してもよい。
制御部201は、基地局に送信する情報を記憶装置にアクセスして情報を読み出してもよいし、または基地局から受信した情報を記憶装置に格納してもよい。記憶装置は、制御部201が備えるバッファ(内部メモリ)でも、制御部201の外に備えられたバッファ204(外部メモリ)でも、バッファ204とは異なるバッファでもよい。記憶装置は、DRAM等の揮発性メモリでも、NAND、MRAM等の不揮発メモリでもよい。また、記憶装置は、メモリ以外に、SSD、ハードディスク等でもよい。
送信部202は、制御部201から入力されたフレームに、変調処理や物理ヘッダの付加など、所望の物理層の処理を行う。また、物理層の処理後のフレームに対して、DA変換や、所望帯域の信号成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)を行う。送信部202は、周波数変換された信号を増幅して、アンテナから空間に電波として放射する。
受信部203は、アンテナで受信された信号を、それぞれアンテナに対応する受信系統ごとに処理し、制御部201に入力する。受信信号は、受信部203において増幅され、周波数変換(ダウンコンバート)され、ファイルタリング処理で所望帯域成分が抽出される。各抽出された信号は、さらにAD変換によりデジタル信号に変換されて、復調等の物理層の処理を経た後、制御部201に入力される。
上述した制御部201と送信部202の処理の切り分けは一例であり、別の形態も可能である。例えばデジタル領域の処理までは制御部201で行い、DA変換以降の処理を送信部202で行うようにしてもよい。制御部201と受信部203の処理の切り分けについても同様に、AD変換までの処理を受信部203で行い、その後の物理層の処理を含むデジタル領域の処理を制御部201で行うようにしてもよい。ここで述べた以外の切り分けを行ってもよい。
無線端末の各部および上位層のデジタル領域の処理の全部または一部、あるいは通信処理装置の処理は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。端末は、各部の全部または一部の処理、あるいは通信処理装置の処理を行うプロセッサを備えてもよい。
以上のように、本実施形態では、アクセスポイントが、他のアクセスポイントと協調し、Pre-VHT-modulatedフィールドおよびVHT-modulatedフィールド(データストリーム)の値が調整されたフレームを、同一周波数の送信信号にて、同一タイミングで送信することにより、無線端末に構成の変更等を加えることなく、無線端末が、自己が属するアクセスポイントとは異なるアクセスポイントから受信したデータストリームの分離を可能にする。
(第2の実施形態)
図11は、第1の実施形態に係るアクセスポイントに搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。図9に示した無線通信装置と基本的な動作は同じであるため、構成上の違いを中心に説明し、重複する説明は省略する。
本無線通信装置は、ベースバンド部111、RF部121と、アンテナ12A〜12Dとを備える。
ベースバンド部111は、制御回路(プロトコルスタック)112と、送信処理回路113と、受信処理回路114と、DA変換回路115、116と、AD変換回路117、118とを含む。RF部121とベースバンド部111は1チップのIC(Integrated Circuit:集積回路)で構成されてもよい。
ベースバンド部111は、一例としてベースバンドLSIまたはベースバンドICである。また、別の例として、ベースバンド部111がIC132とIC131とを備えてもよい。このとき、IC132が制御回路112と送信処理回路113と受信処理回路114とを含み、IC131が、DA変換回路115、116とAD変換回路117、118を含んでもよい。
制御回路112は、一例として、通信を制御する通信制御装置、または通信を制御する制御部に対応する。このとき無線通信部は、送信処理回路113と受信処理回路114を含んでもよい。さらに無線通信部は、送信処理回路113と受信処理回路114に加えて、DA115、116およびDA117、118を含んでもよい。さらに、無線通信部は、送信処理回路113、受信処理回路114、DA115、116およびAD117、118に加えて、送信回路122および受信回路123を含んでもよい。本実施形態に係る集積回路は、ベースバンド部111の全部または一部の処理、すなわち、制御回路112、送信処理回路113、受信処理回路114、DA115、116およびDA117、118の全部または一部の処理を行うプロセッサを備えていてもよい。
または、IC132が、通信を制御する通信制御装置に対応してもよい。このとき無線通信部は、送信回路122および受信回路123を含んでもよい。さらに無線通信部は、送信回路122および受信回路123に加え、DA115、116およびAD117、118を含んでもよい。
ベースバンド部111における制御回路112は、図9のバッファ104を含み、またMAC層等の処理を行う。制御回路112はクロック生成部を含んでもよい。送信処理回路113は、変調処理や物理ヘッダの付加など、所望の物理層の処理を行い、例えば2種類のデジタルベースバンド信号(以下、デジタルI信号とデジタルQ信号)を生成する。MIMO送信の場合は各ストリームに応じてそれぞれ2種類のデジタルベースバンド信号を生成する。DA変換回路115、117は、送信処理回路113から入力される信号をDA変換する。より詳細には、DA変換回路215はデジタルI信号をアナログのI信号に変換し、DA変換回路216はデジタルQ信号をアナログのQ信号に変換する。なお、直交変調せずに一系統の信号のままで送信する場合もありうる。この場合、DA変換回路は1つだけでもよい。また、一系統または複数系統の送信信号をアンテナの数だけ振り分けて送信する場合には、アンテナの数に応じた数のDA変換回路を設けてもよい。
RF部121は、一例としてRFアナログICあるいは高周波ICである。RF部121における送信回路122は、DA変換後のフレームの信号から所望帯域の信号を抽出する送信フィルタ、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、フィルタリング後の信号を無線周波数にアップコンバートするミキサ、アップコンバート後の信号を増幅するプリアンプ(PA)等を含む。
RF部121における受信回路123は、アンテナで受信された信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、増幅後の信号をベースバンドにダウンコンバートするミキサ、ダウンコーバート後の信号から所望帯域の信号を抽出する受信フィルタ等を含む。より詳細には、受信回路123は、不図示の低雑音増幅器で低雑音増幅された受信信号を互いに90°位相のずれた搬送波により直交復調して、受信信号と同位相のI(In-phase)信号と、これより90°位相が遅れたQ(Quad-phase)信号とを生成する。これらI信号とQ信号は、ゲインが調整された後に、受信回路123から出力される。
ベースバンド部111におけるAD変換回路117、118は、受信回路123からの入力信号をAD変換する。より詳細には、AD変換回路117はI信号をデジタルI信号に変換し、AD変換回路118はQ信号をデジタルQ信号に変換する。なお、直交復調せずに一系統の信号だけを受信する場合もありうる。この場合、AD変換回路は1つだけでよい。また、複数のアンテナが設けられる場合には、アンテナの数に応じた数のAD変換回路を設けてもよい。受信処理回路114は、物理層の処理、復調処理等を行う。制御回路112は復調後のフレームに対してMAC層等の処理を行う。
なお、アンテナ12A〜12Dを、送信回路122および受信回路123のいずれか一方に切り換えるスイッチがRF部に配置されてもよい。スイッチ制御により、送信時にはアンテナ12A〜12Dを送信回路122に接続し、受信時には、アンテナ12A〜12Dを受信回路123に接続する。
上述した各部の処理の詳細は、図9の説明から自明であるため、重複する説明は省略する。
図12は、第1の実施形態に係る無線端末に搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。図10に示した無線通信装置と基本的な動作は同じであるため、構成上の違いを中心に説明し、重複する説明は省略する。
本無線通信装置は、ベースバンド部211、RF部221と、アンテナ1Aとを備える。RF部221とベースバンド部211は1チップのICで構成されてもよい。
ベースバンド部211は、制御回路(プロトコルスタック)212と、送信処理回路213と、受信処理回路214と、DA変換回路215、216と、AD変換回路217、218とを含む。
ベースバンド部211は、一例としてベースバンドLSIまたはベースバンドICである。また、別の例として、ベースバンド部211が、IC232とIC231とを備えてもよい。このとき、IC232が制御回路212と送信処理回路213と受信処理回路214とを含み、IC231が、DA変換回路215、216とAD変換回路217、218を含んでもよい。
制御回路212は、一例として、通信を制御する通信制御装置、または通信を制御する制御部に対応する。このとき無線通信部は、送信処理回路213と受信処理回路214を含んでもよい。さらに無線通信部は、送信処理回路213と受信処理回路214に加えて、DA215、216およびDA217、218を含んでもよい。さらに、無線通信部は、送信処理回路213、受信処理回路214、DA215、216およびDA217、218に加えて、送信回路222および受信回路223を含んでもよい。本実施形態に係る集積回路は、ベースバンド部211の全部または一部の処理、すなわち、制御回路212、送信処理回路213、受信処理回路214、DA215、216およびDA217、218の全部または一部の処理を行うプロセッサを備えていてもよい。
または、IC232が、通信を制御する通信制御装置に対応してもよい。このとき無線通信部は、送信回路222および受信回路223を含んでもよい。さらに無線通信部は、送信回路222および受信回路223に加え、DA215、216およびDA217、218を含んでもよい。
ベースバンド部211における制御回路212は、図10のバッファ204を含み、またMAC層等の処理を行う。制御回路212はクロック生成部を含んでもよい。送信処理回路213は、変調処理や物理ヘッダの付加など、所望の物理層の処理を行い、例えば2種類のデジタルベースバンド信号(以下、デジタルI信号とデジタルQ信号)を生成する。MIMO送信の場合は各ストリームに応じてそれぞれ2種類のデジタルベースバンド信号を生成する。DA変換回路215、216は、送信処理回路213から入力される信号をDA変換する。より詳細には、DA変換回路215はデジタルI信号をアナログのI信号に変換し、DA変換回路216はデジタルQ信号をアナログのQ信号に変換する。なお、直交変調せずに一系統の信号のままで送信する場合もありうる。この場合、DA変換回路は1つだけでもよい。また、一系統または複数系統の送信信号をアンテナの数だけ振り分けて送信する場合には、アンテナの数に応じた数のDA変換回路を設けてもよい。
RF部221は、一例としてRFアナログICあるいは高周波ICである。RF部221における送信回路222は、DA変換後のフレームの信号から所望帯域の信号を抽出する送信フィルタ、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、フィルタリング後の信号を無線周波数にアップコンバートするミキサ、アップコンバート後の信号を増幅するプリアンプ(PA)等を含む。
受信回路223は、アンテナで受信された信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、増幅後の信号をベースバンドにダウンコンバートするミキサ、ダウンコーバート後の信号から所望帯域の信号を抽出する受信フィルタ等を含む。より詳細には、受信回路223は、不図示の低雑音増幅器で低雑音増幅された受信信号を互いに90°位相のずれた搬送波により直交復調して、受信信号と同位相のI(In-phase)信号と、これより90°位相が遅れたQ(Quad-phase)信号とを生成する。これらI信号とQ信号は、ゲインが調整された後に、受信回路223から出力される。
ベースバンド部211におけるAD変換回路217、218は、受信回路223からの入力信号をAD変換する。より詳細には、AD変換回路117はI信号をデジタルI信号に変換し、AD変換回路118はQ信号をデジタルQ信号に変換する。なお、直交復調せずに一系統の信号だけを受信する場合もありうる。この場合、AD変換回路は1つだけでよい。また、複数のアンテナが設けられる場合には、アンテナの数に応じた数のAD変換回路を設けてもよい。受信処理回路214は、物理層の処理、復調処理等を行う。制御回路212は復調後のフレームに対してMAC層等の処理を行う。
また無線端末がアンテナを複数備えて、MIMOに対応する場合には、制御回路212は、MIMOに関する処理も行う。例えば、伝搬路推定の処理、送信ウェイト計算処理、ストリームの分離処理等を行う。
なお、アンテナ1Aを、送信回路222および受信回路223のいずれか一方に切り換えるスイッチがRF部221に配置されてもよい。スイッチ制御により、送信時にはアンテナ1Aを送信回路222に接続し、受信時には、アンテナ1Aを受信回路223に接続する。
上述した各部の処理の詳細は、図10の説明から自明であるため、重複する説明は省略する。
(第3の実施形態)
図13(A)および図13(B)は、それぞれ第3の実施形態に係る無線端末の斜視図である。図13(A)の無線端末はノートPC301であり、図13(B)の無線端末は移動体端末321である。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた無線端末に搭載されていた無線通信装置(図10、図12等)、またはアクセスポイント11に搭載されていた無線通信装置(図9、図11等)を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線端末は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン、ゲーム装置、ネットワークストレージ装置、モニタ、デジタルオーディオプレーヤ、Webカメラ、ビデオカメラ、プロジェクト、ナビゲーションシステム、外部アダプタ、内部アダプタ、セットトップボックス、ゲートウェイ、プリンタサーバ、モバイルアクセスポイント、ルータ、エンタープライズ/サービスプロバイダアクセスポイント、ポータブル装置、ハンドヘルド装置等にも搭載可能である。
また、無線端末またはアクセスポイントに搭載されていた無線通信装置は、メモリーカードにも搭載可能である。当該無線通信装置をメモリーカードに搭載した例を図14に示す。メモリーカード331は、無線通信装置355と、メモリーカード本体332とを含む。メモリーカード331は、外部の装置(無線端末またはアクセスポイント等)との無線通信のために無線通信装置335を利用する。なお、図14では、メモリーカード331内の他の要素(例えばメモリ等)の記載は省略している。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第1〜3のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(図12または図13等)の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インターフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インターフェース部は、バスを介してバッファと接続される。プロセッサ部ではファームウエアが動作する。このように、ファームウエアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウエアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。ファームウエアが動作するプロセッサ部は、本実施形態に係る通信制御装置または制御部の処理を行うプロセッサであってもよいし、当該処理の機能拡張または変更に係る処理を行う別のプロセッサであってもよい。ファームウエアが動作するプロセッサ部を、本実施形態に係るアクセスポイントあるいは無線端末が備えてもよい。または当該プロセッサ部を、アクセスポイントに搭載される無線通信装置内の集積回路、または無線端末に搭載される無線通信装置内の集積回路が備えてもよい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第1〜3のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第1〜3のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第6の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、無線通信装置における送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、第4の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の伝送と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、第1〜3のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、第1〜3のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第11の実施形態)
第13の実施形態では、第1〜第5のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、ディスプレイを含む。ディスプレイは、図示しないバスを介して、無線通信装置の制御部101または制御部201に接続されてもよい。このようにディスプレイを備える構成とし、無線通信装置の動作状態をディスプレイに表示することで、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第12の実施形態)
本実施形態では、[1]無線通信システムにおけるフレーム種別、[2]無線通信装置間の接続切断の手法、[3]無線LANシステムのアクセス方式、[4]無線LANのフレーム間隔について説明する。
[1]通信システムにおけるフレーム種別
一般的に無線通信システムにおける無線アクセスプロトコル上で扱うフレームは、大別してデータ(data)フレーム、管理(management)フレーム、制御(control)フレームの3種類に分けられる。これらの種別は、通常、フレーム間で共通に設けられるヘッダ部で示される。フレーム種別の表示方法としては、1つのフィールドで3種類を区別できるようにしてあってもよいし、2つのフィールドの組み合わせで区別できるようにしてあってもよい。
管理フレームは、他の無線通信装置との間の物理的な通信リンクの管理に用いるフレームである。例えば、他の無線通信装置との間の通信設定を行うために用いられるフレームや通信リンクをリリースする(つまり接続を切断する)ためのフレーム、無線通信装置でのパワーセーブ動作に係るフレームがある。
データフレームは、他の無線通信装置と物理的な通信リンクが確立した上で、無線通信装置の内部で生成されたデータを他の無線通信装置に送信するフレームである。データは本実施形態の上位層で生成され、例えばユーザの操作によって生成される。
制御フレームは、データフレームを他の無線通信装置との間で送受(交換)する際の制御に用いられるフレームである。無線通信装置がデータフレームや管理フレームを受信した場合にその送達確認のために送信される応答フレームは、制御フレームに属する。
これら3種類のフレームは、物理層で必要に応じた処理を経て物理パケットとしてアンテナを経由して送出される。なお、接続確立の手順においては、接続要求フレームと接続受付フレームが管理フレームであり、接続受付フレームへの確認フレームは制御フレームの応答フレームを用いることができる。
[2]無線通信装置間の接続切断の手法
接続の切断には、明示的な手法と暗示的な手法とがある。明示的な手法としては、接続している無線通信装置のいずれか一方が切断のためのフレームを送信する。このフレームは管理フレームに分類される。切断のためのフレームは、例えば接続をリリースするという意味でリリースフレームと呼ぶことがある。通常、リリースフレームを送信する側の無線通信装置ではリリースフレームを送信した時点で、リリースフレームを受信する側の無線通信装置ではリリースフレームを受信した時点で、接続の切断と判定する。その後、通信フェーズでの初期状態、例えば通信相手の無線通信装置を探索する状態に戻る。これは、切断のためのフレームを送信する際には、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるといった、物理的な無線リンクが確保できないことがあるからである。
一方、暗示的な手法としては、一定期間接続を確立した接続相手の無線通信装置からフレーム送信(データフレーム及び管理フレームの送信、あるいは自装置が送信したフレームへの応答フレームの送信)を検知しなかった場合に、接続状態の切断の判定を行う。このような手法があるのは、上述のように接続の切断を判定するような状況では、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるなど物理的な無線リンクが確保できない状態が考えられるからである。すなわち、リリースフレームの受信を期待できないからである。
暗示的な方法で接続の切断を判定する具体例としては、タイマを使用する。例えば、送達確認応答フレームを要求するデータフレームを送信する際、当該フレームの再送期間を制限する第1のタイマ(例えばデータフレーム用の再送タイマ)を起動し、第1のタイマが切れるまで(つまり所望の再送期間が経過するまで)当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行う。当該フレームへの送達確認応答フレームを受信すると第1のタイマは止められる。
一方、送達確認応答フレームを受信せず第1のタイマが切れると、例えば接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。第1のタイマと同様、第2のタイマでも、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。
あるいは接続相手の無線通信装置からフレームを受信すると第3のタイマを起動し、新たに接続相手の無線通信装置からフレームを受信するたびに第3のタイマを止め、再び初期値から起動する。第3のタイマが切れると前述と同様に接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。この場合も、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。後者の、接続相手の無線通信装置がまだ存在するかを確認するための管理フレームは、前者の場合の管理フレームとは異なるものであってもよい。また後者の場合の管理フレームの再送を制限するためのタイマはここでは第2のタイマとして前者の場合と同じものを用いたが、異なるタイマを用いるようにしてもよい。
[3]無線LANシステムのアクセス方式
例えば複数の無線通信装置と通信または競合することを想定した無線LANシステムがある。IEEE802.11(拡張規格なども含む)無線LANではCSMA/CAをアクセス方式の基本としている。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了から固定時間を置いて送信を行う方式では、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置で同時に送信を行うことになり、その結果、無線信号が衝突してフレーム送信に失敗する。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了からランダム時間待つことで、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置での送信が確率的に分散することになる。よって、ランダム時間の中で最も早い時間を引いた無線通信装置が1つなら無線通信装置のフレーム送信は成功し、フレームの衝突を防ぐことができる。ランダム値に基づき送信権の獲得が複数の無線通信装置間で公平になることから、Carrier Avoidanceを採用した方式は、複数の無線通信装置間で無線媒体を共有するために適した方式であるということができる。
[4]無線LANのフレーム間隔
IEEE802.11無線LANのフレーム間隔について説明する。IEEE802.11無線LANで用いられるフレーム間隔は、distributed coordination function interframe space(DIFS)、arbitration interframe space(AIFS)、point coordination function interframe space(PIFS)、short interframe space(SIFS)、extended interframe space(EIFS)、reduced interframe space(RIFS)の6種類ある。
フレーム間隔の定義は、IEEE802.11無線LANでは送信前にキャリアセンスアイドルを確認して開けるべき連続期間として定義されており、厳密な前のフレームからの期間は議論しない。従ってここでのIEEE802.11無線LANシステムでの説明においてはその定義を踏襲する。IEEE802.11無線LANでは、CSMA/CAに基づくランダムアクセスの際に待つ時間を固定時間とランダム時間との和としており、固定時間を明確にするためこのような定義になっているといえる。
DIFSとAIFSとは、CSMA/CAに基づき他の無線通信装置と競合するコンテンション期間にフレーム交換開始を試みるときに用いるフレーム間隔である。DIFSは、トラヒック種別による優先権の区別がないとき、AIFSはトラヒック種別(Traffic Identifier:TID)による優先権が設けられている場合に用いる。
DIFSとAIFSとで係る動作としては類似しているため、以降では主にAIFSを用いて説明する。IEEE802.11無線LANでは、MAC層でフレーム交換の開始などを含むアクセス制御を行う。さらに、上位層からデータを渡される際にQoS(Quality of Service)対応する場合には、データとともにトラヒック種別が通知され、トラヒック種別に基づいてデータはアクセス時の優先度のクラス分けがされる。このアクセス時のクラスをアクセスカテゴリ(Access Category;AC)と呼ぶ。従って、アクセスカテゴリごとにAIFSの値が設けられることになる。
PIFSは、競合する他の無線通信装置よりも優先権を持つアクセスができるようにするためのフレーム間隔であり、DIFS及びAIFSのいずれの値よりも期間が短い。SIFSは、応答系の制御フレームの送信時あるいは一旦アクセス権を獲得した後にバーストでフレーム交換を継続する場合に用いることができるフレーム間隔である。EIFSはフレーム受信に失敗した場合に発動されるフレーム間隔である。
RIFSは一旦アクセス権を獲得した後にバーストで同一無線通信装置に複数のフレームを連続して送信する場合に用いることができるフレーム間隔であり、RIFSを用いている間は送信相手の無線通信装置からの応答フレームを要求しない。
ここでIEEE802.11無線LANにおけるランダムアクセスに基づく競合期間のフレーム交換の一例を図15に示す。
ある無線通信装置においてデータフレーム(W_DATA1)の送信要求が発生した際に、キャリアセンスの結果、媒体がビジーである(busy medium)と認識する場合を想定する。この場合、キャリアセンスがアイドルになった時点から固定時間のAIFSを空け、その後ランダム時間(random backoff)空いたところで、データフレームW_DATA1を通信相手に送信する。
ランダム時間は0から整数で与えられるコンテンションウィンドウ(Contention Window:CW)の間の一様分布から導かれる擬似ランダム整数にスロット時間をかけたものである。ここで、CWにスロット時間をかけたものをCW時間幅と呼ぶ。CWの初期値はCWminで与えられ、再送するたびにCWの値はCWmaxになるまで増やされる。CWminとCWmaxとの両方とも、AIFSと同様アクセスカテゴリごとの値を持つ。W_DATA1の送信先の無線通信装置では、データフレームの受信に成功するとその受信終了時点からSIFS後に応答フレーム(W_ACK1)を送信する。W_DATA1を送信した無線通信装置は、W_ACK1を受信すると送信バースト時間制限内であればまたSIFS後に次のフレーム(例えばW_DATA2)を送信することができる。
AIFS、DIFS、PIFS及びEIFSは、SIFSとスロット時間との関数になるが、SIFSとスロット時間とは物理層ごとに規定されている。また、AIFS、CWmin及びCWmaxなどアクセスカテゴリごとに値が設けられるパラメータは、通信グループ(IEEE802.11無線LANではBasic Service Set(BSS))ごとに設定可能であるが、デフォルト値が定められている。
例えば、802.11acの規格策定では、SIFSは16μs、スロット時間は9μsであるとして、それによってPIFSは25μs、DIFSは34μs、AIFSにおいてアクセスカテゴリがBACKGROUND(AC_BK)のフレーム間隔はデフォルト値が79μs、BEST EFFORT(AC_BE)のフレーム間隔はデフォルト値が43μs、VIDEO(AC_VI)とVOICE(AC_VO)のフレーム間隔はデフォルト値が34μs、CWminとCWmaxとのデフォルト値は、各々AC_BKとAC_BEとでは31と1023、AC_VIでは15と31、AC_VOでは7と15になるとする。なお、EIFSは、SIFSとDIFSと最も低速な必須の物理レートで送信する場合の応答フレームの時間長の和である。
本実施形態で用いられる用語は、広く解釈されるべきである。例えば用語“プロセッサ”は、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態マシンなどを包含してもよい。状況によって、“プロセッサ”は、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム可能論理回路(PLD)などを指してもよい。“プロセッサ”は、ここで例示した複数のプロセッサの組み合わせを指してもよい。例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPコアと1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせを指してもよい。
別の例として、用語“メモリ”は、電子情報を格納可能な任意の電子部品を包含してもよい。“メモリ”は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、フラッシュメモリ、磁気または光学データストレージを指してもよい。これらはプロセッサによって情報の読み出しまたは書き込みまたはこれらの両方が可能である。このとき、プロセッサとメモリ間で電気的に通信していると言える。メモリは、プロセッサ内に配置されてもよく、この場合も、プロセッサとメモリが電気的に通信していると言うことができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11、21:アクセスポイント(無線端末)
12A、12B、12C、12D、22A、22B、22C、22D:アンテナ
1、2、3:無線端末
1A、2A、3A:アンテナ
31、32、33、34:送信電波
101、201:制御部
102、202:送信部
103、203:受信部
104、204:バッファ
111、211:ベースバンド部
121、221:RF部
122、222:送信回路
123、223:受信回路
112、212:制御回路
113、213:送信処理回路
114、214:受信処理回路
115、116、215、216:DA変換回路
117、118、217、218:AD変換回路
301:ノートPC
305、315、355:無線通信装置
321:移動体端末
331:メモリーカード
332:メモリーカード本体

Claims (13)

  1. 第1無線通信端末に対して第1のデータストリームを指定する第1情報と、第2無線通信端末に対して第2のデータストリームを指定する第2情報とを含む第1フィールドの信号を、RF集積回路を介して送信し、
    前記第1のデータストリームを、前記RF集積回路を介して送信し、前記第2のデータストリームを送信しないベースバンド集積回路
    を備えた無線通信用集積回路。
  2. 前記ベースバンド集積回路は、前記第2無線通信端末に対して第3のデータストリームを指定する第3情報と、前記第1無線通信端末に対して、第4のデータストリームを指定する第4情報とを含む第2フィールドの信号の第3無線通信端末による送信と同一の周波数および同一の時刻で、前記第1フィールドの信号を送信し、前記第3無線通信端末による前記第3データストリームの送信と同一の周波数および同一の時刻で、前記第1のデータストリームを送信する
    請求項1に記載の無線通信用集積回路。
  3. 前記ベースバンド集積回路は、前記第3無線通信端末または他の端末から、前記第1フィールドの信号の送信および前記第1のストリームの送信を行う時刻または周波数またはその両方の指示を表す第5情報を受信し、前記第5情報に従って、前記第1フィールドの信号を送信し、前記第1のデータストリーム送信する
    請求項2に記載の無線通信用集積回路。
  4. 前記ベースバンド集積回路は、前記第3無線通信端末または他の端末から、前記第1および第2無線通信端末が使用するデータストリームを指定する第6情報を受信し、前記第6情報に基づき前記第1フィールドを生成する
    請求項2または3に記載の無線通信用集積回路。
  5. 前記第1フィールドの信号は、前記第2フィールドの信号と同一である
    請求項2ないし4のいずれか一項に記載の無線通信用集積回路。
  6. 前記第1情報および前記第2情報は、前記第1無線通信端末および前記第2無線通信端末が共通に属するグループに関する情報と、前記第1無線通信端末および前記第2無線通信端末のそれぞれが受信すべきデータストリームの数に関する情報を含む
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載の無線通信用集積回路。
  7. 前記RF集積回路を更に備える
    請求項1ないし6のいずれか一項に記載の無線通信用集積回路。
  8. IEEE802.11規格に従って通信する
    請求項1ないし7のいずれか一項に記載の無線通信用集積回路。
  9. 少なくとも1つのアンテナと、
    前記アンテナを介して信号を送受信する無線通信部と、
    第1無線通信端末に対して第1のデータストリームを指定する第1情報と、第2無線通信端末に対して第2のデータストリームを指定する第2情報とを含むフィールドの信号を、前記無線通信部を介して送信し、前記第1のデータストリームを、前記無線通信部を介して送信し、前記第2のデータストリームを送信しない制御部と
    を備えた無線通信端末。
  10. IEEE802.11規格に従って通信する
    請求項9記載の無線通信端末。
  11. 前記第1情報および前記第2情報は、前記第1無線通信端末および前記第2無線通信端末が共通に属するグループに関する情報と、前記第1無線通信端末および前記第2無線通信端末のそれぞれが受信すべきデータストリームの数に関する情報を含む
    請求項9または10に記載の無線通信端末。
  12. 第1無線通信端末に対して第1のデータストリームを指定する第1情報と、第2無線通信端末に対して第2のデータストリームを指定する第2情報とを含む第1フィールドの信号を送信するステップと、
    前記第1のデータストリームを送信し、前記第2のデータストリームを送信しないステップと、
    を備えた無線通信方法。
  13. 前記第1フィールドを送信する時刻と同一の時刻で、前記第1フィールドの信号を送信する周波数と同一の周波数にて、前記第2無線通信端末に対して第3のデータストリームを指定する第3情報と、前記第1無線通信端末に対して第4のデータストリームを指定する第4情報とを含む第2フィールドの信号を送信するステップと、
    前記第1のデータストリームを送信する時刻と同一時刻で、前記第1のデータストリームを送信する周波数と同一の周波数で、前記第3のデータストリームを送信し、前記第4のデータストリームを送信しないステップと
    をさらに備えた請求項12に記載の無線通信方法。
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