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JP2017003186A - 塗膜乾燥装置、塗膜乾燥方法、液晶シートの製造方法 - Google Patents

塗膜乾燥装置、塗膜乾燥方法、液晶シートの製造方法 Download PDF

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JP2017003186A
JP2017003186A JP2015116872A JP2015116872A JP2017003186A JP 2017003186 A JP2017003186 A JP 2017003186A JP 2015116872 A JP2015116872 A JP 2015116872A JP 2015116872 A JP2015116872 A JP 2015116872A JP 2017003186 A JP2017003186 A JP 2017003186A
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原 宏 和 吉
Hirokazu Yoshihara
原 宏 和 吉
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】生産効率を低下させることなく、塗膜の乾燥ムラを効果的に防ぐことができる塗膜乾燥装置、塗膜乾燥方法、および液晶シートの製造方法を提供する。【解決手段】塗膜乾燥装置10は、互いに向き合って配置された給気部11と排気部12とを備える。給気部11と排気部12とは、塗膜21の表面に沿って流れる気流を形成し、気流の乱流強度は、2%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、塗膜乾燥装置および塗膜乾燥方法に関する。また、本発明は、液晶シートの製造方法に関する。
一般的に、基材の表面に液晶を塗工する工程では、ごくわずかな風の影響により、液晶の乾燥ムラが発生し、製品品質が低下することが知られている。
特許文献1では、乾燥ムラを軽減させるために、塗膜上の気流の基材に対する相対速度を±0.1m/s以下にすること、すなわち塗膜上の気体層を基材に対してほぼ止まった状態とすることが提案されている。しかしながら、この方法では、塗膜上の気流の流速が著しく低いため、乾燥を完了させるまでの時間が長期化し、生産効率が大幅に低下するという問題がある。
特許文献1では、上記の方法に加えて、加熱ロールなどを用いた直接伝熱により乾燥を促進させることも提案されているが、伝熱により塗膜の対流が起きる可能性があるため、インキ材料に対流防止剤を添加する必要がある等、塗工条件やインキ材料に大きな制約を受けることになる。
特開平9−73016号公報
本発明は、このような点を考慮してなされたものである。本発明の目的は、生産効率を低下させることなく、塗膜の乾燥ムラを効果的に防ぐことができる塗膜乾燥装置、塗膜乾燥方法、および液晶シートの製造方法を提供することにある。
本発明による塗膜乾燥装置は、
互いに向き合って配置された給気部と排気部とを備え、
前記給気部と排気部とは、塗膜の表面に沿って流れる気流を形成し、
前記気流の乱流強度は、2%以下である。
本発明による塗膜乾燥装置において、
前記気流の乱流強度は、1%以下であってもよい。
本発明による塗膜乾燥装置において、
前記給気部と排気部とは、基材の進行方向に沿って互いに向き合って配置されており、
前記気流の向きは、前記基材の進行方向と同じ向きまたは逆向きであってもよい。
本発明による塗膜乾燥装置において、
前記給気部と排気部とからなる組が、基材の進行方向に沿って複数組配置されていてもよい。
本発明による塗膜乾燥装置において、
前記給気部は、互いに束ねられた複数の整流通路を有し、
各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]と前記気流の風速u[m/s]とは、L/d≧1950×uの関係式を満たしてもよい。
本発明による塗膜乾燥装置において、
前記給気部は、互いに束ねられた複数の整流通路を有し、
各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]とは、L/d≦24000の関係式を満たしてもよい。
本発明による塗膜乾燥方法は、
塗膜の表面に沿って流れる気流を形成し、
前記気流の乱流強度を、2%以下にする。
本発明による塗膜乾燥方法において、
前記気流の乱流強度を、1%以下にしてもよい。
本発明による塗膜乾燥方法において、
前記気流の向きを、基材の進行方向と同じ向きまたは逆向きにしてもよい。
本発明による塗膜乾燥方法において、
前記気流を、基材の進行方向に沿った複数箇所で形成してもよい。
本発明による塗膜乾燥方法において、
互いに束ねられた複数の整流通路を有する給気部を用いて前記気流を形成し、
各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]と前記気流の風速u[m/s]とは、L/d≧1950×uの関係式を満たしてもよい。
本発明による塗膜乾燥方法において、
互いに束ねられた複数の整流通路を有する給気部を用いて前記気流を形成し、
各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]とは、L/d≦24000の関係式を満たしてもよい。
本発明による液晶シートの製造方法は、
基材の表面に液晶を塗布する工程と、
塗布した液晶の塗膜を乾燥させる工程と、
を備え、
前記乾燥させる工程では、前記塗膜の表面に沿って流れる気流を形成し、
前記気流の乱流強度を、2%以下にする。
本発明による液晶シートの製造方法において、
前記気流の乱流強度を、1%以下にしてもよい。
本発明による液晶シートの製造方法において、
前記気流の向きを、前記基材の進行方向と同じ向きまたは逆向きにしてもよい。
本発明による液晶シートの製造方法において、
前記気流を、前記基材の進行方向に沿った複数箇所で形成してもよい。
本発明による液晶シートの製造方法において、
互いに束ねられた複数の整流通路を有する給気部を用いて前記気流を形成し、
各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]と前記気流の風速u[m/s]とは、L/d≧1950×uの関係式を満たしてもよい。
本発明による液晶シートの製造方法において、
互いに束ねられた複数の整流通路を有する給気部を用いて前記気流を形成し、
各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]とは、L/d≦24000の関係式を満たしてもよい。
本発明によれば、生産効率を低下させることなく、塗膜の乾燥ムラを効果的に防ぐことができる。
図1は、本発明の一実施の形態による塗膜乾燥装置を備えた液晶シートの製造装置を示す概略図である。 図2は、図1の塗膜乾燥装置において給気部と排気部とからなる組の1つを拡大して示す概略図である。 図3は、図2の給気部が有する複数の整流通路を拡大して示す斜視図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示の理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1は、本発明の一実施の形態による塗膜乾燥装置を備えた液晶シート製造装置を示す概略図である。
図1に示すように、本実施の形態の液晶シート製造装置1は、ロール・トゥ・ロール方式で搬送されるシート状の基材20を案内する第1〜第3のガイドローラ4〜6と、搬送中の基材20の表面に液晶を塗布する塗布装置2と、塗布した液晶の塗膜を乾燥させる塗膜乾燥装置10と、乾燥された塗膜を硬化させる塗膜硬化装置3と、を備えている。
このうち塗布装置2と塗膜乾燥装置10と塗膜硬化装置3とは、基材20の搬送方向に沿ってこの順に並んで配置されている。図示された例では、塗布装置2は、第1のガイドローラ4上に配置され、塗膜乾燥装置10は、第1のガイドローラ4と第2のガイドローラ5との間に配置され、塗膜硬化装置3は、第3のガイドローラ6上に配置されている。
塗布装置2は、例えばバーコータ方式の塗布装置であり、第1のガイドローラ4上において、液状の塗布材料(以下、インキとも言う)を基材20の表面に均一な膜厚で塗布するようになっている。なお、塗布装置2のコーティング方式は、バーコータ方式に限定されず、グラビアコータ、ナイフコータ、カーテンコータ、ダイコータなど他のコーティング方式を用いることもできる。本実施の形態では、塗布装置2が塗布するインキには、紫外線硬化反応開始剤が添加されており、塗膜硬化装置3としては、紫外線を照射する紫外線照射装置が用いられている。
図1に示すように、本実施の形態による塗膜乾燥装置10は、基材20が内部を通過するチャンバ16と、チャンバ16内において互いに向き合って配置された給気部11と排気部12と、を有している。本実施の形態では、給気部11と排気部12とからなる組が、基材20の進行方向に沿って複数組(図示された例では4組)配列されているが、これに限定されず、給気部11と排気部12とからなる組が1組だけ配置されていてもよい。
図2は、給気部11と排気部12とからなる組の1つを拡大して示す概略図である。
図2に示すように、給気部11と排気部12とは、互いに向き合わされた状態で、基材20の塗膜21側に近接して位置決めされている。給気部11の下端部と基材20の表面との間の間隔Bは、例えば50mmである。
図2に示すように、給気部11のうち排気部12側とは反対側には、給気用配管13aの一端が接続されており、給気用配管13aの他端には、給気用送風機14a(例えば、送風ファン)が設けられている。給気用送風機14aは、給気用配管13a内に気体を導入するようになっている。給気用配管13a内に導入された気体は、給気用配管13a内を通過したのち、給気部11から排気部12側へ送り出される。
一方、排気部12のうち給気部11側とは反対側には、排気用配管13bの一端が接続されており、当該排気用配管13bの他端には、排気用送風機14b(例えば、送風ファン)が設けられている。排気用送風機14bは、排気用配管13b内の気体を外部に排出するようになっている。排気用送風機14bにより排気用配管13b内の気体が外部に排出されると、排気用配管13b内が減圧され、その圧力差により、給気部11側から排気部12を通って排気用配管13b内へと気体が吸い入れられる。
給気部11から排気部12側へ気体が送り出されるとともに、給気部11側から排気部12へ気体が吸い入れられることで、給気部11と排気部12との間には、塗膜21の表面に沿って流れる気流が形成され得る。塗膜21から蒸発した溶媒蒸気が、当該気流により塗膜21上から押し流されることで、塗膜21の乾燥が促進される。後述する乱流強度を低く維持できる限りでは、気流の流速が大きい程、塗膜21の乾燥時間を短縮できるため好ましく、好ましくは平均風速0.5m/s以上、より好ましくは平均風速1m/s以上、さらに好ましくは平均風速2m/s以上である。
本実施の形態では、塗膜21の表面に沿って流れる気流の乱流強度が、2%以下、より好ましくは1%以下、に設定されている。これにより、塗膜21から蒸発した溶媒蒸気の輸送のムラを低減することができ、塗膜に乾燥ムラが生じることが効果的に防ぐことができる。なお、「乱流強度」とは、平均風速に対する風速の標準偏差の比を意味し、JIS C1400−1:2010の定義による。塗膜21の表面に沿って流れる乱流強度は、たとえば、給気部11と排気部12との間の中間位置であって塗膜21の表面からC=25mm離れた測定位置(図2において符号Pが示す位置)において、レーザードップラー流速計(たとえば、カノマックス社製 FLV system8835)を用いて測定することができる。
図3は、給気部11の一部を拡大して示す斜視図である。図3に示すように、給気部11は、互いに平行に束ねられた複数の整流通路15を有している。図示された例では、各整流通路15は、6角形状の断面を有しており、互いに隣り合って配置されている。なお、各整流通路15の断面形状は6角形状に限定されず、円形状、3角形状または4角形状であってもよい。給気用配管13a内を流れる気体は、給気部11から排気部12側へ送り出される前に各整流通路15内を通過する。この時、気体の流れの向きが整流通路15の壁により規制され、整流通路15の軸線方向に沿った互いに平行な向きに揃えられる。これにより、塗膜21の表面に沿って流れる気流の乱流強度が効果的に低減され得る。
各整流通路15の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]と塗膜21の表面に沿って流れる気流の風速u[m/s]とは、L/d≧1950×uの関係式を満たすことが好ましく、L/d≧4300×uの関係式を満たすことがより好ましい。本件発明者が流体シミュレーションを用いて実際に検証したところ、L/d<4300×uでは、乱流強度を1%まで低減するには整流不足となり、L/d<1950×uでは、乱流強度を2%まで低減するには整流不足となる。
また、各整流通路15の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]とは、L/d≦24000の関係式を満たすことが好ましい。L/d>24000では、整流通路15内での圧損が高いため、装置設計上好ましくない。
必ずしも必須ではないが、排気部12も、給気部11と同様に、互いに平行に束ねられた複数の整流通路15を有していることが好ましい。この場合、排気部12から排気用配管13b内へと吸い入れられる気体は、各整流通路15内を通過することで、流れの向きが整流通路15の壁により規制され、整流通路15の軸線方向に沿った互いに平行な向きに揃えられる。これにより、塗膜21の表面に沿って流れる気流の乱流強度が、より効果的に低減され得る。
図2に示すように、給気部11の排気部12側の端部から排気部12の給気部11側の端部までの間隔Aは、150cm以下であることが好ましい。この場合、塗膜21から蒸発した溶媒蒸気を、塗膜21上で飽和する前に排気部12から効率的に排気することが可能である。図示された例では、A=150cmである。
本実施の形態では、図2に示すように、給気部11と排気部12とは、基材20の進行方向に沿って互いに向き合って配置されている。図示された例では、給気部11は、排気部12に対して基材20の進行方向上流側に配置されており、給気部11と排気部12との間には、基材20の進行方向と同じ向きに流れる気流が形成されるようになっている。これにより、給気部11と排気部12との間に形成される気流が、基材20の搬送の影響により乱されることが少ないため、気流の乱流強度を安定的に低減することができる。
なお、給気部11は、排気部12に対して基材20の進行方向下流側に配置されており、給気部11と排気部12との間には、基材20の進行方向とは逆向きに流れる気流が形成されるようになっていてもよい。この場合も、給気部11と排気部12との間に形成される気流が、基材20の搬送の影響により乱されることが少ないため、気流の乱流強度を安定的に低減することができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
図1に示すように、ロール・トゥ・ロール方式で搬送されるシート状の基材20は、第1のガイドローラ4上において、塗布装置2により表面にインキが塗布される。次いで、インキを塗布された基材20は、塗膜乾燥装置10のチャンバ16内に搬入される。
チャンバ16内では、互いに向き合って配置された給気部11および排気部12により、塗膜21の表面に沿って流れる気流が形成されており、当該気流の乱流強度は、2%以下、より好ましくは1%以下に設定されている。塗膜21の表面に沿って流れる気流により塗膜21上から溶媒蒸気が押し流されることで、塗膜21の乾燥が促進され、塗膜21の乾燥が完了するまでの時間を短縮することができる。これにより、インキ材料に制約を受けることなく、生産効率を向上させることができる。また、気流の乱流強度が2%以下、より好ましくは1%以下にされているため、溶媒蒸気の輸送ムラが著しく低減され、塗膜21に乾燥ムラが生じることが効果的に防止され得る。
本実施の形態では、図1に示すように、給気部11と排気部12とからなる組が、基材20の進行方向に沿って複数組配置されているため、塗膜21上の溶媒蒸気が基材20の進行方向に沿った複数箇所で別個に排出され得る。これにより、乾燥が完了するまでの時間を一層短縮することができる。
図1に示すように、給気部11および排気部12により形成される気流により塗膜21の乾燥が行われた基材20は、塗膜乾燥装置10のチャンバ16から外部に搬出された後、第2のガイドローラ5から第3のガイドローラ6へと搬送される。
第3のガイドローラ6上では、塗膜硬化装置3から基材20上の乾燥された塗膜21に向けて紫外線が照射され、塗膜21の硬化が行われる。
以上のように、本実施の形態によれば、塗膜乾燥装置10において、塗膜21の表面に沿って気流が流れることで、塗膜21上から溶媒蒸気が押し流されて乾燥が促進されるため、塗膜21の乾燥が完了するまでの時間を短縮することができる。これにより、インキ材料に制約を受けることなく、生産効率を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、気流の乱流強度が2%以下、より好ましくは1%以下にされることで、溶媒蒸気の輸送のムラが著しく低減され、塗膜21に乾燥ムラが生じることが効果的に防止され得る。
また、本実施の形態によれば、給気部11と排気部12とが基材20の進行方向に沿って互いに向き合って配置されており、基材20の進行方向と同じ向きまたは逆向きの気流が形成されるため、基材20の進行の影響により気流が乱されることが少なく、気流の乱流強度を安定的に低減することができる。
また、本実施の形態によれば、給気部11と排気部12とからなる組が基材20の進行方向に沿って複数組配置されているため、塗膜21上の溶剤蒸気が基材の進行方向に沿った複数箇所で別個に排出される。これにより、乾燥が完了するまでの時間を一層短くすることができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
まず、本実施の形態の実施例1として、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムの表面に下塗り層として液晶配光膜(偏光配光方式)が設けられた、幅1mの基材20を用意し、当該基材を上述した液晶シート製造装置1の塗布装置(メイヤーバー式コータ)12へと搬送した。塗布装置2では、基材20の表面に、液晶性ディスコティック化合物 19重量%、反応開始剤(イルガキュア(登録商標)184) 1重量%、MEK(メチルエチルケトン) 20重量%、およびMIBK(メチルイソブチルケトン) 60重量%が混合されたインキを、4μmの液膜厚で連続塗布した。
次いで、塗布直後から基材20を塗膜乾燥装置10に投入して塗膜21の乾燥を行った。塗膜乾燥装置10では、基材20を10m/minの速度で搬送させながら、互いに束ねられた複数の整流通路15(直径d=5mm、軸方向の長さL=50mm、L/d=2000)を有する給気部11を使用して、給気部11と排気部12との間の中間位置であって塗膜21の表面からC=25mm離れた測定位置(図2において符号Pが示す位置)において、基材20の全幅方向に離間した7箇所の平均風速の平均値が1m/sとなるように、塗膜21の表面に沿って流れる気流を形成した。塗膜21の表面に沿って流れる乱流強度を、前記測定位置においてレーザードップラー流速計(カノマックス社製 FLV system8835)を用いて測定したところ、基材20の全幅方向に離間した7箇所における最大値が2%であった。塗膜乾燥装置10への投入時から塗膜21の乾燥が完了するまでの時間(乾燥時間)を測定したところ、予め設定した基準乾燥時間の19%であった。
次いで、塗膜21が乾燥された基材20を塗膜硬化装置(紫外線照射装置)3へと搬送した。塗膜硬化装置3では、基材20の表面に向けて40mJの積算光量で紫外線を照射して、塗膜21を硬化させた。その後、硬化した塗膜21の面質を、偏光板を通した検視板上において目視で確認したところ、5mm〜10mm程度のスケールの明暗のムラが一部確認されるものの、製品としては合格であった。
次に、本実施の形態の実施例2として、塗膜乾燥装置10において、互いに束ねられた複数の整流通路15(直径d=5mm、軸方向の長さL=110mm、L/d=4400)を有する給気部11を使用して、前記測定位置(図2において符号Pが示す位置)において、基材20の全幅方向に離間した7箇所の平均風速の平均値が1m/sとなるように、塗膜21の表面に沿って流れる気流を形成した点以外は、上述した実施例1と同様のやり方で、基材20の表面に液晶を塗工した。塗膜乾燥装置10において、塗膜21の表面に沿って流れる乱流強度を、前記測定位置においてレーザードップラー流速計を用いて測定したところ、基材20の全幅方向に離間した7箇所における最大値が1%であった。また、塗膜21の乾燥時間を測定したところ、基準乾燥時間の19%であった。また、硬化した塗膜21の面質を、偏光板を通した検視板上において目視で確認したところ、明暗のムラが全く確認されなかった。
次に、本実施の形態の実施例3として、塗膜乾燥装置10において、互いに束ねられた複数の整流通路15(直径d=5mm、軸方向の長さL=100mm、L/d=4000)を有する給気部11を使用して、前記測定位置(図2において符号Pが示す位置)において、基材20の全幅方向に離間した7箇所の平均風速の平均値が2m/sとなるように、塗膜21の表面に沿って流れる気流を形成した点以外は、上述した実施例1と同様のやり方で、基材20の表面に液晶を塗工した。塗膜乾燥装置10において、塗膜21の表面に沿って流れる乱流強度を、前記測定位置においてレーザードップラー流速計を用いて測定したところ、基材20の全幅方向に離間した7箇所における最大値が2%であった。また、塗膜21の乾燥時間を測定したところ、基準乾燥時間の12%であった。また、硬化した塗膜21の面質を、偏光板を通した検視板上において目視で確認したところ、5mm〜10mm程度のスケールの明暗のムラが一部確認されるものの、製品としては合格であった。
次に、本実施の形態の実施例4として、塗膜乾燥装置10において、互いに束ねられた複数の整流通路15(直径d=5mm、軸方向の長さL=220mm、L/d=8800)を有する給気部11を使用して、前記測定位置(図2において符号Pが示す位置)において、基材20の全幅方向に離間した7箇所の平均風速の平均値が2m/sとなるように、塗膜21の表面に沿って流れる気流を形成した点以外は、上述した実施例1と同様のやり方で、基材20の表面に液晶を塗工した。塗膜乾燥装置10において、塗膜21の表面に沿って流れる乱流強度を、前記測定位置においてレーザードップラー流速計を用いて測定したところ、基材20の全幅方向に離間した7箇所における最大値が1%であった。また、塗膜21の乾燥時間を測定したところ、基準乾燥時間の11%であった。また、硬化した塗膜21の面質を、偏光板を通した検視板上において目視で確認したところ、明暗のムラが全く確認されなかった。
次に、比較例1として、塗膜乾燥装置10において、互いに束ねられた複数の整流通路15を有しない給気部11を使用して、前記測定位置(図2において符号Pが示す位置)において、基材20の全幅方向に離間した7箇所の平均風速の平均値が0.1m/sとなるように、塗膜21の表面に沿って流れる気流を形成した点以外は、上述した実施例1と同様のやり方で、基材20の表面に液晶を塗工した。塗膜乾燥装置10において、塗膜21の表面に沿って流れる乱流強度を、前記測定位置においてレーザードップラー流速計を用いて測定したところ、基材20の全幅方向に離間した7箇所における最大値が5%であった。また、塗膜21の乾燥時間を測定したところ、基準乾燥時間の100%であった。また、硬化した塗膜21の面質を、偏光板を通した検視板上において目視で確認したところ、明暗のムラが全く確認されなかった。
次に、比較例2として、塗膜乾燥装置10において、互いに束ねられた複数の整流通路15(直径d=5mm、軸方向の長さL=10mm、L/d=400)を有する給気部11を使用して、前記測定位置(図2において符号Pが示す位置)において、基材20の全幅方向に離間した7箇所の平均風速の平均値が1m/sとなるように、塗膜21の表面に沿って流れる気流を形成した点以外は、上述した実施例1と同様のやり方で、基材20の表面に液晶を塗工した。塗膜乾燥装置10において、塗膜21の表面に沿って流れる乱流強度を、前記測定位置においてレーザードップラー流速計を用いて測定したところ、基材20の全幅方向に離間した7箇所における最大値が5%であった。また、塗膜21の乾燥時間を測定したところ、基準乾燥時間の18%であった。また、硬化した塗膜21の面質を、偏光板を通した検視板上において目視で確認したところ、明暗のムラが全体的にまだらに確認され、製品としては不合格であった。
実施例1〜4および比較例1〜2の装置条件および評価結果を下表1にまとめて示す。
Figure 2017003186
表1において、硬化した塗膜21の面質を、偏光板を通した検視板上において目視で確認した結果、明暗のムラが全く確認されなかった場合は、ムラ状態が「◎」であるとし、5mm〜10mm程度のスケールの明暗のムラが一部確認されるものの、製品としては合格である場合は、ムラ状態が「○」であるとし、明暗のムラが全体的にまだらに確認され、製品としては不合格である場合は、ムラ状態が「×」であるとした。
表1に示すように、塗膜21の表面に沿って流れる気流の平均風速が1m/sであれば、平均風速が0.1m/sの場合に比べて、乾燥時間を約5分の1にまで短縮できた。また、塗膜21の表面に沿って流れる気流の平均風速が1m/sであれば、平均風速が0.1m/sの場合に比べて、乾燥時間を約10分の1にまで更に短縮できた。
また、表1に示すように、塗膜21の表面に沿って流れる気流の平均風速が1m/s以上であっても、塗膜21の表面に沿って流れる気流の乱流強度が2%以下であれば、ムラ状態が「○」であり、すなわち塗膜の乾燥ムラを効果的に防ぐことができた。また、塗膜21の表面に沿って流れる気流の平均風速が1m/s以上であっても、塗膜21の表面に沿って流れる気流の乱流強度が1%以下であれば、ムラ状態が「◎」であり、すなわち塗膜の乾燥ムラを、より効果的に防ぐことができた。一方、塗膜21の表面に沿って流れる気流の平均風速が1m/s以上であっても、塗膜21の表面に沿って流れる気流の乱流強度が5%であれば、ムラ状態が「×」であり、すなわち塗膜の乾燥ムラを防ぐことはできなかった。したがって、生産効率を低下させることなく、塗膜の乾燥ムラを効果的に防ぐためには、塗膜21の表面に沿って流れる気流の乱流強度が2%以下、より好ましくは1%以下に設定することは、極めて有効であると言える。
1 液晶シート製造装置
2 塗布装置
3 塗膜硬化装置
4、5、6 ガイドローラ
10 塗膜乾燥装置
11 給気部
12 排気部
13a 給気用配管
13b 排気用配管
14a 給気用送風機
14b 排気用送風機
15 整流通路
16 チャンバ
20 基材
21 塗膜

Claims (18)

  1. 互いに向き合って配置された給気部と排気部とを備え、
    前記給気部と排気部とは、塗膜の表面に沿って流れる気流を形成し、
    前記気流の乱流強度は、2%以下である
    ことを特徴とする塗膜乾燥装置。
  2. 前記気流の乱流強度は、1%以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗膜乾燥装置。
  3. 前記給気部と排気部とは、基材の進行方向に沿って互いに向き合って配置されており、
    前記気流の向きは、前記基材の進行方向と同じ向きまたは逆向きである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の塗膜乾燥装置。
  4. 前記給気部と排気部とからなる組が、基材の進行方向に沿って複数組配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗膜乾燥装置。
  5. 前記給気部は、互いに束ねられた複数の整流通路を有し、
    各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]と前記気流の風速u[m/s]とは、L/d≧1950×uの関係式を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗膜乾燥装置。
  6. 前記給気部は、互いに束ねられた複数の整流通路を有し、
    各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]とは、L/d≦24000の関係式を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗膜乾燥装置。
  7. 塗膜の表面に沿って流れる気流を形成し、
    前記気流の乱流強度を、2%以下にする
    ことを特徴とする塗膜乾燥方法。
  8. 前記気流の乱流強度を、1%以下にする
    ことを特徴とする請求項7に記載の塗膜乾燥方法。
  9. 前記気流の向きを、基材の進行方向と同じ向きまたは逆向きにする
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の塗膜乾燥方法。
  10. 前記気流を、基材の進行方向に沿った複数箇所で形成する
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の塗膜乾燥方法。
  11. 互いに束ねられた複数の整流通路を有する給気部を用いて前記気流を形成し、
    各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]と前記気流の風速u[m/s]とは、L/d≧1950×uの関係式を満たす
    ことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の塗膜乾燥方法。
  12. 互いに束ねられた複数の整流通路を有する給気部を用いて前記気流を形成し、
    各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]とは、L/d≦24000の関係式を満たす
    ことを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の塗膜乾燥方法。
  13. 基材の表面に液晶を塗布する工程と、
    塗布した液晶の塗膜を乾燥させる工程と、
    を備え、
    前記乾燥させる工程では、前記塗膜の表面に沿って流れる気流を形成し、
    前記気流の乱流強度を、2%以下にする
    ことを特徴とする液晶シートの製造方法。
  14. 前記気流の乱流強度を、1%以下にする
    ことを特徴とする請求項13に記載の液晶シートの製造方法。
  15. 前記気流の向きを、前記基材の進行方向と同じ向きまたは逆向きにする
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の液晶シートの製造方法。
  16. 前記気流を、前記基材の進行方向に沿った複数箇所で形成する
    ことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の液晶シートの製造方法。
  17. 互いに束ねられた複数の整流通路を有する給気部を用いて前記気流を形成し、
    各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]と前記気流の風速u[m/s]とは、L/d≧1950×uの関係式を満たす
    ことを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の液晶シートの製造方法。
  18. 互いに束ねられた複数の整流通路を有する給気部を用いて前記気流を形成し、
    各整流通路の直径d[mm]と軸方向の長さL[mm]とは、L/d≦24000の関係式を満たす
    ことを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載の液晶シートの製造方法。
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