(6. 詳細な説明)
(6.1 定義)
「アルキル」基は、1〜10個の炭素原子、一般的に1〜8個の炭素、又はいくつかの実施態様において、1〜6個、1〜4個、若しくは2〜6個の炭素原子を有する飽和、部分飽和、若しくは不飽和直鎖又は分枝非環式炭化水素である。代表的なアルキル基は、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル及び-n-ヘキシルを含むが;飽和分枝アルキルは、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどを含む。不飽和アルキル基の例は、とりわけ、ビニル、アリル、-CH=CH(CH3)、-CH=C(CH3)2、-C(CH3)=CH2、-C(CH3)=CH(CH3)、-C(CH2CH3)=CH2、-C≡CH、-C≡C(CH3)、-C≡C(CH2CH3)、-CH2C≡CH、-CH2C≡C(CH3)及び-CH2C≡C(CH7CH3)を含むが、これらに限定されない。アルキル基は、置換され得るか又は非置換であり得る。特定の実施態様において、本明細書で述べるアルキル基が「置換」されていると言われる場合、それらは、本明細書で開示する具体例としての化合物及び実施態様に見いだされる任意の置換基又は複数の置換基、並びにハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ又はフルオロ);ヒドロキシル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ;シアノ;チオール;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン;アミノカルボニル;アシルアミノ;ホスホナト;ホスフィン;チオカルボニル;スルホニル;スルホン;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;尿素;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;B(OH)2又はO(アルキル)アミノカルボニルで置換されていてもよい。
「アルケニル」基は、2〜10個の炭素原子、一般的に2〜8個の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分枝非環式炭化水素である。代表的な直鎖及び分枝(C2〜C8)アルケニルは、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、-1-ヘキセニル、-2-ヘキセニル、-3-ヘキセニル、-1-ヘプテニル、-2-ヘプテニル、-3-ヘプテニル、-1-オクテニル、-2-オクテニル、-3-オクテニルなどを含む。アルケニル基の二重結合は、他の不飽和基と非共役であるか又は共役され得る。アルケニル基は、非置換であり得るか又は置換され得る。
「シクロアルキル」基は、1〜3個のアルキル基で場合によって置換することができる単環又は多縮合若しくは架橋環を有する3〜10個の炭素原子の飽和、部分飽和又は不飽和環式アルキル基である。いくつかの実施態様において、シクロアルキル基は、3〜8個の環員を有するが、他の実施態様において、環炭素原子の数は、3〜5個、3〜6個又は3〜7個の範囲にある。そのようなシクロアルキル基は、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1-メチルシクロプロピル、2-メチルシクロペンチル、2-メチルシクロオクチルなどのような単環構造、又はアダマンチルなどのような多環構造若しくは架橋環構造を含む。不飽和シクロアルキル基の例は、とりわけ、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニルを含む。シクロアルキル基は、置換され得るか又は非置換であり得る。そのような置換シクロアルキル基は、例として、シクロヘキサノンなどを含む。
「アリール」基は、単環(例えば、フェニル)又は多縮合環(例えば、ナフチル若しくはアントリル)を有する6〜14個の炭素原子の芳香族炭素環基である。いくつかの実施態様において、アリール基は、基の環部分に6〜14個の炭素を、他の例では6〜12個又は6〜10個の炭素原子を含む。特定のアリールは、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどを含む。アリール基は、置換され得るか又は非置換であり得る。「アリール基」という語句は、縮合芳香族-脂肪族環系(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)のような縮合環を含む基も含む。
「ヘテロアリール」基は、ヘテロ芳香環系における環原子として1〜4個のヘテロ原子を有し、残りの原子が炭素原子であるアリール環系である。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール基は、5〜6個の環原子を、他の例では基の環部分に6〜9個又は6〜10個の原子を含む。適切なヘテロ原子は、酸素、硫黄及び窒素を含む。特定の実施態様において、ヘテロアリール環系は、単環式又は二環式である。非限定的な例は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、ピリジル、ピリダジル、ピチミジル、ピラジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル(例えば、イソベンゾフラン-1,3-ジイミン)、インドリル、アザインドリル(例えば、ピロロピリジル又は1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル)、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル(例えば、1H-ベンゾ[d]イミダゾリル)、イミダゾピリジル(例えば、アザベンゾイミダゾリル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル又は1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル)、ピラゾロピリジル、トリアゾロピリジル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イソオキサゾロピリジル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル及びキナゾリニル基などの基を含むが、これらに限定されない。
「ヘテロシクリル」は、1〜4個の環炭素原子がO、S及びNからなる群からのヘテロ原子で独立に置換されている芳香族(ヘテロアリールとも呼ばれる)又は非芳香族シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、ヘテロシクリル基は、3〜10個の環員を含むが、他のそのような基は、3〜5個、3〜6個又は3〜8個の環員を有する。ヘテロシクリルは、あらゆる環原子において(すなわち、ヘテロシクリル環のあらゆる炭素原子又はヘテロ原子において)他の基にも結合させることができる。ヘテロシクリルアルキル基は、置換され得るか又は非置換であり得る。ヘテロシクリル基は、例えば、イミダゾリル、イミダゾリニル及びイミダゾリジニル基のような、不飽和、部分飽和及び飽和環系を含む。ヘテロシクリルという語句は、例えば、ベンゾトリアゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル及びベンゾ[1,3]ジオキソリルのような、縮合芳香族及び非芳香族基を含むものを含む、縮合環種を含む。該語句は、キヌクリジルなどであるが、これに限定されないヘテロ原子を含む架橋多環系も含む。ヘテロシクリル基の代表的な例は、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロ-2H-ピラニル)、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアン、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、アザインドリル(ピロロピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル、ベンゾオキサチイニル、ベンゾチアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル(アザベンゾイミダゾリル;例えば、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル又は1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オニル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフタレニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジル及びテトラヒドロキノリニル基を含むが、これらに限定されない。代表的な置換ヘテロシクリル基は、一置換又は二回以上置換されていてもよく、限定されないが、下に示すもののような様々な置換基により2-、3-、4-、5-若しくは6-置換又は二置換されている、ピリジル若しくはモルホリニル基などであってよい。
「シクロアルキルアルキル」基は、式:-アルキル-シクロアルキルのラジカルであり、式中、アルキル及びシクロアルキルは、上で定義されている。置換シクロアルキルアルキル基は、該基のアルキル、シクロアルキル、又はアルキル及びシクロアルキルの両方の部分において置換されていてもよい。代表的なシクロアルキルアルキル基は、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル及びシクロヘキシルプロピルを含むが、これらに限定されない。代表的な置換シクロアルキルアルキル基は、一置換又は1回以上置換されていてもよい。
「アラルキル」基は、式:-アルキル-アリールの基であり、式中、アルキル及びアリールは、上で定義されている。置換アラルキル基は、該基のアルキル、アリール、又はアルキル及びアリールの両方の部分において置換されていてもよい。代表的なアラルキル基は、ベンジル及びフェネチル基並びに4-エチル-インダニルのような縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基を含むが、これらに限定されない。
「ヘテロシクリルアルキル」基は、式:-アルキル-ヘテロシクリルの基であり、式中、アルキル及びヘテロシクリルは、上で定義されている。置換ヘテロシクリルアルキル基は、該基のアルキル、ヘテロシクリル、又はアルキル及びヘテロシクリルの両方の部分において置換されていてもよい。代表的なヘテロシクリルアルキル基は、4-エチル-モルホリニル、4-プロピルモルホリニル、フラン-2-イルメチル、フラン-3-イルメチル、ピリジン-3-イルメチル、(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル、(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル、テトラヒドロフラン-2-イルメチル、テトラヒドロフラン-2-イルエチル、及びインドール-2-イルプロピルを含むが、これらに限定されない。
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
「ヒドロキシアルキル」基は、1つ以上のヒドロキシ基で置換された上述のアルキル基である。
「アルコキシ」基は、-O-(アルキル)であり、アルキルは、上で定義されている。
「アルコキシアルキル」基は、-(アルキル)-O-(アルキル)であり、アルキルは、上で定義されている。
「アミノ」基は、式:-NH2の基である。
「アルキルアミノ」基は、式:-NH-アルキル又は-N(アルキル)2の基であり、式中、各アルキルは、独立に上で定義された通りである。
「カルボキシ」基は、式:-C(O)OHの基である。
「アミノカルボニル」基は、式:-C(O)N(R#)2、-C(O)NH(R#)又は-C(O)NH2の基であり、式中、各R#は、独立に本明細書で定義した置換又は非置換アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル基である。
「アシルアミノ」基は、式:-NHC(O)(R#)又は-N(アルキル)C(O)(R#)の基であり、式中、各アルキル及びR#は、独立に上で定義された通りである。
「アルキルスルホニルアミノ」基は、式:-NHSO2(R#)又は-N(アルキル)SO2(R#)の基であり、式中、各アルキル及びR#は、上で定義されている。
「尿素」基は、式:-N(アルキル)C(O)N(R#)2、-N(アルキル)C(O)NH(R#)、-N(アルキル) C(O)NH2、-NHC(O)N(R#)2、-NHC(O)NH(R#)又は-NH(CO)NHR#の基であり、式中、各アルキル及びR#は、独立に上で定義された通りである。
アルキル基を除く、本明細書に記載した基が「置換」されていると言われる場合、それらは、任意の適切な置換基又は複数の置換基で置換されていてもよい。置換基の実例となる例は、本明細書で開示する具体例としての化合物及び実施態様に見いだされるもの、並びにハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ又はフルオロ);アルキル;ヒドロキシル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ;シアノ;チオール;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン;アミノカルボニル;アシルアミノ;ホスホナト;ホスフィン;チオカルボニル;スルホニル;スルホン;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;尿素;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;酸素(=O);B(OH)2、O(アルキル)アミノカルボニル;単環式又は縮合若しくは非縮合多環式(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシル)であり得るシクロアルキル、或いは単環式又は縮合若しくは非縮合多環式(例えば、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル若しくはチアジニル)であり得るヘテロシクリル;単環式又は縮合若しくは非縮合多環式アリール又はヘテロアリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル若しくはベンゾフラニル)アリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロシクリルオキシ;及びヘテロシクリルアルコキシである。
本明細書で用いているように、「医薬として許容し得る塩」という用語は、無機酸及び塩基並びに有機酸及び塩基を含む医薬として許容し得る非毒性酸又は塩基から製造された塩を意味する。適切な医薬として許容し得る塩基付加塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から製造された金属塩又はリシン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)及びプロカインから製造された有機塩を含むが、これらに限定されない。適切な非毒性酸は、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸又はベシル酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸及びp-トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸を含むが、これらに限定されない。特定の非毒性酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及びメタンスルホン酸を含む。特定の塩の例は、塩酸及びメシル酸塩を含む。その他のものは、当技術分野で周知である。例えば、レミントン薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)(18版、Mack Publishing, Easton PA(1990))又はレミントン:薬局の科学及び実務(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)(19版、Mack Publishing、Easton PA(1995))を参照されたい。
本明細書で用いているように、また特に示さない限り、「包接化合物」という用語は、内部に捕捉されたゲスト分子(例えば、溶媒又は水)を有する空間(例えば、チャネル)を含む結晶格子又は置換キナゾリノン化合物がゲスト分子である結晶格子の形態の置換キナゾリノン化合物又はその塩を意味する。
本明細書で用いているように、また特に示さない限り、「溶媒和物」という用語は、非共有結合性分子間力により結合された化学量論又は非化学量論量の溶媒をさらに含む、置換キナゾリノン化合物又はその塩を意味する。1つの実施態様において、溶媒和物は、水和物である。
明細書で用いているように、また特に示さない限り、「水和物」という用語は、非共有結合性分子間力により結合された化学量論又は非化学量論量の水をさらに含む、置換キナゾリノン化合物又はその塩を意味する。
本明細書で用いているように、また特に示さない限り、「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件(インビトロ又はインビボ)下で加水分解して、酸化して又は他の方法で反応して、活性化合物、特に置換キナゾリノン化合物をもたらし得る置換キナゾリノン化合物誘導体を意味する。プロドラッグの例は、生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバメート、生物加水分解性カーボネート、生物加水分解性ウレイド及び生物加水分解性ホスフェート類似体のような生物加水分解性部分を含む置換キナゾリノン化合物の誘導体及び代謝物を含むが、これらに限定されない。特定の実施態様において、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。カルボン酸エステルは、分子に存在するカルボン酸部分のいずれかをエステル化することにより好都合に形成される。プロドラッグは、バーガーの創薬化学及び新薬発見第6版(Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery 6th ed.)(Donald J. Abraham編、2001、Wiley)並びにプロドラッグの設計及び応用(Design and Application of Prodrugs)(H. Bundgaard編、1985、Harwood Academic Publishers Gmfh)により記載されているもののような周知の方法を用いて一般的に製造することができる。
本明細書で用いているように、また特に示さない限り、「立体異性体」又は「立体異性体として純粋」という用語は、当化合物の他の立体異性体を実質的に含まない置換キナゾリノン化合物の1つの立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体異性体として純粋な化合物は、化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する立体異性体として純粋な化合物は、化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。一般的な立体異性体として純粋な化合物は、約80重量%を超える化合物の1つの立体異性体及び約20重量%未満の化合物の他の立体異性体、約90重量%を超える化合物の1つの立体異性体及び約10重量%未満の化合物の他の立体異性体、約95重量%を超える化合物の1つの立体異性体及び約5重量%未満の化合物の他の立体異性体、又は約97重量%を超える化合物の1つの立体異性体及び約3重量%未満の化合物の他の立体異性体を含む。置換キナゾリノン化合物は、キラル中心を有することができ、ラセミ体、個別のエナンチオマー又はジアステレオマー及びそれらの混合物として存在することができる。それらの混合物を含むそのような異性体形態はすべて、本明細書で開示した実施態様内に含まれる。そのような置換キナゾリノン化合物の立体異性体として純粋な形態の使用、並びにそれらの形態の混合物の使用は、本明細書で開示した実施態様によって包含される。例えば、特定の置換キナゾリノン化合物の等しい又は等しくない量のエナンチオマーを含む混合物は、本明細書で開示した方法及び組成物に用いることができる。これらの異性体は、不斉合成するか、又はキラルカラム若しくはキラル分割剤などの標準的技術を用いて分割することができる。例えば、Jacques, J.らの文献「エナンチオマー、ラセミ体及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)」(Wiley-Interscience、New York、1981); Wilen, S. H.らの文献Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel, E. L.らの文献「炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)」(McGraw-Hill、New York、1962);及びWilen, S. H.の文献「分割剤及び光学分割の表p.268(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268)」(E. L. Eliel編、Univ. of Notre Dame Press、Notre Dame、IN、1972)を参照されたい。
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある化合物の異性体形態を意味する。その異性体形態の濃度は、化合物が見いだされる環境に依存し、例えば、化合物が固体であるか、又は有機若しくは水性溶液中に存在するかによって異なり得る。例えば、水性溶液中で、ピラゾールは、互いの互変異性体と呼ばれる、以下の異性体形態を示し得る:
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当業者によって容易に理解されるように、多種多様な官能基及び他の構造が互変異性を示す可能性があり、置換キナゾリノン化合物のすべての互変異性体が本発明の範囲内にある。
置換キナゾリノン化合物は、1個以上の原子における不自然な割合の原子の同位体を含み得ることも注意すべきである。例えば、化合物は、例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)、硫黄35(35S)若しくは炭素14(14C)などの放射性同位体で放射性標識することができ、又は重水素(2H)、炭素13(13C)若しくは窒素15(15N)などについて同位体濃縮することができる。本明細書で用いているように、「アイソトポログ」は、同位体濃縮化合物である。「同位体濃縮」という用語は、当該原子の自然同位体組成以外の同位体組成を有する原子を意味する。「同位体濃縮」は、当該原子の自然同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含む化合物も意味し得る。「同位体組成」という用語は、所定の原子の存在する各同位体の量を意味する。放射性標識及び同位体濃縮化合物は、治療薬、例えば、癌及び炎症治療薬、研究用試薬、例えば、結合アッセイ試薬及び診断薬、例えば、インビボ造影剤として有用である。本明細書で述べる置換キナゾリノン化合物のすべての同位体の変形形態は、放射性であるか否かにかかわらず、本明細書に記載する実施態様の範囲内に含まれるものとする。いくつかの実施態様において、置換キナゾリノン化合物のアイソトポログを提供する。例えば、アイソトポログは、重水素、炭素13又は窒素15濃縮置換キナゾリノン化合物である。
「治療する」は、本明細書で用いているように、癌若しくは癌に付随する症状の全面的な若しくは部分的な軽減、又はそれらの症状のさらなる進行若しくは悪化の緩徐化若しくは停止を意味する。
「予防する」は、本明細書で用いているように、癌若しくはその症状の全面的な若しくは部分的な発症、再発又は広がりの予防を意味する。
置換キナゾリノン化合物又は化合物AAに関連する「有効量」という用語は、癌に付随する症状を全面的若しくは部分的に、軽減する、又はそれらの症状のさらなる進行若しくは悪化を緩徐化若しくは停止する、又は癌を有する若しくは有するリスクがある対象における癌を治療若しくは予防することができる単独又は併用での量を意味する。例えば、医薬組成物中の置換キナゾリノン化合物又は化合物AAの有効量は、所望の作用を発揮するレベル;例えば、経口及び非経口投与の両方に用いる単位用量で約0.005mg/kg対象体重から約100mg/kg患者体重までであり得る。
「癌」という用語は、血液由来の腫瘍及び固形腫瘍を含むが、これらに限定されない。血液由来の腫瘍は、リンパ腫、白血病及び骨髄腫を含む。リンパ腫及び白血病は、白血球から生ずる悪性腫瘍である。また「癌」という用語は、周囲組織に浸潤し、新たな身体部位に転移し得る細胞の増殖によって特徴付けられる様々な悪性新生物のいずれかをも意味する。良性及び悪性腫瘍の双方は、それらが見いだされる組織の種類によって分類される。例えば、線維腫は、線維性結合組織の新生物であり、黒色腫は、色素(メラニン)細胞の異常成長物である。例えば、皮膚、気管支及び胃における上皮組織に由来する悪性腫瘍は、癌腫と呼ばれる。乳房、前立腺及び結腸に見いだされるような上皮基底組織の悪性腫瘍は、腺癌として公知である。結合組織、例えば、筋肉、軟骨、リンパ組織及び骨の悪性成長物は、肉腫と呼ばれる。転移の過程により、身体の他の部位への腫瘍細胞の移動が、最初の出現の部位から離れた部位に新生物を定着させる。骨組織は、悪性腫瘍の転移の最も有利な部位の1つであり、全癌症例の約30%に起こる。悪性腫瘍のうち、肺、乳房、前立腺などの癌は、特に骨に転移する可能性があることが公知である。
新生物、癌、腫瘍成長又は腫瘍細胞成長に関連して、阻害は、とりわけ、原発又は続発性腫瘍の出現の遅延、原発又は続発性腫瘍の発達の緩徐化、原発又は続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次的影響の緩徐化又は重症度の低下、腫瘍の成長の停止及び腫瘍の退縮によって評価することができる。極端には、完全阻害は、本明細書で予防又は化学予防と呼ぶ。これに関連して、「予防」という用語は、リスクのある個人における臨床的に明らかな新生物の発症を完全に予防すること、又は病状発症前に明らかな段階の新生物の発症を予防することを含む。悪性細胞への形質転換の予防又は前癌状態の細胞の悪性細胞への進行を停止若しくは逆転させることもこの定義に含まれるものとする。これは、新生物を発現するリスクのあるものの予防処置を含む。
「難治性B細胞非ホジキンリンパ腫」という用語は、本明細書で用いているように、(i)療法の少なくとも部分奏効を達成することのない、又は(ii)治療の6カ月以内に進行した、抗CD-20抗体含有薬剤レジメン、例えば、リツキシマブ含有薬剤レジメンにより治療されたB細胞非ホジキンリンパ腫と定義される。
「再発B細胞非ホジキンリンパ腫」という用語は、本明細書で用いているように、療法の部分奏効又は完全奏効を達成した後、抗CD-20抗体含有薬剤レジメン、例えば、リツキシマブ含有薬剤レジメンによる治療後6カ月以上後に進行したB細胞非ホジキンリンパ腫と定義される。
当業者は、「B細胞リンパ腫」と特徴付けられる疾患が疾患又は障害の連続体として存在することを理解する。B細胞リンパ腫の連続体は、時には「侵襲性」B細胞リンパ腫又は「緩徐進行性」B細胞リンパ腫に関して述べられるが、当業者は、緩徐進行性と特徴付けられるB細胞リンパ腫が進行し、侵襲性B細胞リンパ腫になり得ることを理解する。逆に、侵攻型のB細胞リンパ腫は、緩徐進行又は安定型のB細胞リンパ腫に格下げされ得る。そのような特徴付けが、本質的に絶えず変化するものであり、個人の個別の状況に依存するという認識により当業者によって一般的に理解されているように、緩徐進行性及び侵襲性B細胞リンパ腫に言及する。
本明細書で用いているように、また特に示さない限り、「と併用して」という用語は、同時に、並行して、又は別段の指示がない限り特定の時間制限なしに連続的に2種以上の治療薬を投与することを含む。1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して投与する。1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物を、化合物AAと併用して、さらに抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、Biogen Idec/Genentech社又はMabThera(登録商標)、Hoffmann-La Roche社)と併用して投与する。1つの実施態様において、複数の薬剤は、細胞内若しくは対象の体内に同時に存在するか、又はそれらの生物学的若しくは治療効果を同時に発揮する。1つの実施態様において、治療薬は、同じ組成物又は単位剤形中に存在する。他の実施態様において、治療薬は、別個の組成物又は単位剤形中に存在する。特定の実施態様において、第1の薬剤は、第2の治療薬の投与の前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間又は12週間前に)、それと本質的に並行して、又はその後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間又は12週間後に)又はそれらの組合せのいずれかで投与することができる。例えば、1つの実施態様において、第1の薬剤は、第2の治療薬の前に例えば、1週間投与することができる。他の実施態様において、第1の薬剤は、第2の治療薬の前に(例えば、1日前に)、次いで、それと同時に投与することができる。
「患者」及び「対象」という用語は、本明細書で用いているように、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ又はモルモットなどの動物、1つの実施態様において、哺乳動物、他の実施態様において、ヒトを含むが、これらに限定されない動物を含む。1つの実施態様において、「患者」又は「対象」は、癌を有するヒトである。
癌に関連して、阻害は、とりわけ、疾患の進行の阻害、腫瘍の成長の阻害、原発腫瘍の減少、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子(カルチノイド症候群の一因となるものなどの、腫瘍分泌ホルモンを含む)の阻害、原発又は続発性腫瘍の出現の遅延、原発又は続発性腫瘍の発達の緩徐化、原発又は続発性腫瘍の発生の減少、疾患の二次的影響の緩徐化又は重症度の低下、腫瘍の成長の停止及び腫瘍の退縮、無進行期間(Time To Progression)(TTP)の延長、無増悪生存期間(Progression Free Survival)(PFS)の延長、全生存期間(Overall Survival)(OS)の延長によって評価することができる。OSは、本明細書で用いているように、無作為化からあらゆる原因による死亡までの期間を意味し、intent-to-treat集団において測定する。TTPは、本明細書で用いているように、無作為化から客観的な腫瘍の進行までの期間を意味し;TTPは、死亡を含まない。本明細書で用いているように、PFSは、無作為化から客観的な腫瘍の進行又は死亡までの期間を意味する。1つの実施態様において、PFS率は、カプラン-マイヤー推定法を用いて計算する。極端には、完全阻害は、本明細書で予防又は化学予防と呼ぶ。これに関連して、「予防」という用語は、臨床的に明らかな癌の発症を完全に予防すること、又は病状発症前に明らかな段階の癌の発症を予防することを含む。悪性細胞への形質転換の予防又は前癌状態の細胞の悪性細胞への進行を停止若しくは逆転させることもこの定義に含まれるものとする。これは、癌を発現するリスクのあるものの予防処置を含む。
特定の実施態様において、リンパ腫の治療は、下に示す応答及びエンドポイントの定義を用いて、非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma)(NHL)の国際ワークショップ基準(IWC)(Cheson BD, Pfistner B, Juweid, MEらの論文「悪性リンパ腫の修正応答判定基準(Revised Response Criteria for Malignant Lymphoma)」(J. Clin. Oncol: 2007: (25) 579-586)参照)により評価することができる:
略語:CR、完全寛解;FDG、[
18F]フルオロデオキシグルコース;PET、陽電子放射断層撮影法;CT、コンピュータ断層撮影法;PR、部分寛解;SPD、直径の積和;SD、安定疾患;PD、進行疾患
略語: CR:完全寛解; PR:部分寛解
1つの実施態様において、リンパ腫に関するエンドポイントは、臨床的有用性の証拠である。臨床的有用性は、生活の質の改善、又は患者の症状、輸液の必要性、頻繁な感染の減少、又は他のパラメーターを反映し得る。リンパ腫関連症状の再発又は進行までの期間もこのエンドポイントに用いることができる。
特定の実施態様において、CLLの治療は、そのガイドライン及び特に以下に示されている治療効果及びエンドポイントの定義を用いてCLLに関する国際ワークショップガイドライン(Hallek M、Cheson BD、Catovsky Dらの文献「慢性リンパ性白血病の診断及び治療に関するガイドライン:国立癌研究所ワーキンググループ1996年ガイドラインを更新する慢性リンパ性白血病に関する国際ワークショップからの報告(Guidelines for the diagnosis and treatment of chronic lymphocytic leukemia: a report from the International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia updating the National Cancer Institute-Working Group 1996 guidelines)」(Blood, 2008; (111) 12: 5446-5456)参照)により評価することができる:
群A基準は、腫瘍量を規定するものであり;群B基準は、造血系(又は骨髄)の機能を規定するものである。CR(完全寛解):基準のすべてが満たされなければならず、患者は、疾患に関連する全身症状を欠いていなければならない;PR(部分寛解):群Aの基準の少なくとも2つ及び群Bの基準の1つが満たされなければならない;SDは、進行性疾患(PD)がなく、少なくともPRを達成しない;PD:群A又は群Bの上記の基準の少なくとも1つが満たされなければならない。複数のリンパ節の積和(臨床試験におけるCTスキャン又は一般診療における身体的検査により評価される)。これらのパラメーターは、一部の治療効果カテゴリーに対して不適切である。
特定の実施態様において、多発性骨髄腫の治療は、以下に示す治療効果及びエンドポイントの定義を用いて多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(International Uniform Response Criteria for Multiple Myeloma)(IURC)(Durie BGM、Harousseau J-L、Miguel JSらの論文「多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(International uniform response criteria for multiple myeloma)」(Leukemia, 2006; (10) 10: 1-7)参照)により評価することができる:
略語:CR、完全奏効;FLC、遊離軽鎖;PR、部分奏効;SD、安定疾患;sCR、厳密完全奏効;VGPR、非常に良好な部分奏効; aすべての治療効果カテゴリーは、新たな療法の開始の前のいずれかの時点に行われる2つの連続的評価を必要とする;放射線学的試験が実施された場合、すべてのカテゴリーはまた、進行性又は新たな骨病変の既知の証拠を必要としない。放射線学的試験は、これらの治療効果の要件を満たすために必要ではない;b反復骨髄生検による確認は必要ではない;cクローン性細胞の存在/非存在は、κ/λ比に基づいている。免疫組織化学検査及び/又は免疫蛍光検査によりκ/λ比が異常である場合、最低限100個の形質細胞が分析用に必要である。異常なクローンの存在を反映する異常な比は、>4:1又は<1:2のκ/λである。d以下の測定値の少なくとも1つにより定義される測定可能な疾患:骨髄形質細胞≧30%;血清Mタンパク質≧1g/dl(≧10gm/l)[10g/l];尿Mタンパク質≧200mg/24時間;血清FLCアッセイ:関与FLCレベル≧10mg/dl(≧100mg/l);ただし血清FLC比が異常であることが前提である。
特定の実施態様において、癌の治療は、固形腫瘍における治療効果評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)(RECIST 1.1)(Thereasse P.らの文献「固形腫瘍における治療に対する反応を評価するためのガイドライン(Guidelines to Evaluate the Response to Treatment in Solid Tumors)」(J. of the National Cancer Institute; 2000; (92) 205-216)及びEisenhauer E.A.、Therasse P.、Bogaerts J.らの文献「固形腫瘍における新たな治療効果評価基準:改訂RECISTガイドライン(New response evaluation criteria in solid tumours: Revised RECIST guideline)(version 1.1)」(European J. Cancer; 2009; (45) 228-247)参照)により評価することができる。新たな病変の出現を伴う又は伴わない標的及び非標的病変における腫瘍治療効果のすべての可能な組合せの総合治療効果は、以下の通りである:
CR=完全奏効; PR=部分奏効; SD安定疾患;及び PD=進行性疾患
標的病変の評価に関しては、完全奏効(CR)は、すべての標的病変の消失であり、部分奏効(PR)は、ベースライン長径和を基準とした、標的病変の長径和の少なくとも30%の減少であり、進行性疾患(PD)は、治療開始又は1つ以上の新たな病変の出現以来に記録された最小長径和を基準とした、標的病変の長径和の少なくとも20%の増加であり、安定疾患(SD)は、治療開始以来の最小長径和を基準とした、部分奏効に適格であるのに十分な収縮も進行性疾患に適格であるのに十分な増加もないことである。
非標的病変の評価に関しては、完全奏効(CR)は、すべての非標的病変の消失及び腫瘍マーカーレベルの正常化であり;不完全奏効/安定疾患(SD)は、1つ以上の非標的病変の存続及び/又は正常限界を上回る腫瘍マーカーレベルの維持であり、進行性疾患(PD)は、1つ以上の新たな病変の出現及び/又は既存の非標的病変の明確な進行である。
下記の手順、慣例及び定義は、高悪性度神経膠腫の治療効果判断基準に関する神経腫瘍学治療効果評価(RANO)ワーキンググループによる勧告(Wen,P.、Macdonald, DR、Reardon, DAらの文献「高悪性度神経膠腫の最新の治療効果評価基準:神経腫瘍学ワーキンググループにおける治療効果評価(Updated response assessment criteria for highgrade gliomas: Response assessment in neuro-oncology working group)」(J Clin Oncol 2010; 28: 1963-1972))を履行するための指針となる。タイムポイント治療効果(Time Point Responses)(TPR)の評価基準のRANO基準の主要な修正は、グルココルチコイドの用量の変更を規定するための実施上の慣例の追加、客観的な放射線学的評価に焦点を絞るための対象の臨床症状の悪化に関する項目の除去を含む。ベースラインMRIスキャンは、化合物治療を再開する前の術後安静期間の終了時に実施される評価と定義される。ベースラインMRIは、完全奏効(CR)及び部分奏効(PR)を評価するための基準として用いられる。ところが、ベースライン又はその後の評価で得られる最小SPD(垂直径の積和(sum of the products of perpendicular diameters))は、最下点評価に指定され、進行を判定するための基準として用いられる。任意のプロトコールに規定されたMRIスキャンの前の5日間、対象は、グルココルチコイドの投与を受けないか、又は安定量のグルココルチコイドの投与を受ける。安定量は、MRIスキャンの前の5日間連日にわたる同じ1日量と定義される。処方されたグルココルチコイドの用量がベースラインスキャンの前の5日間に変更された場合、上述の基準を満たすグルココルチコイドの使用での新たなベースラインスキャンが必要である。以下の定義が用いられる。
測定可能病変:二次元的に測定することができるコントラスト増強病変である。測定は、最大増強腫瘍径(最長径、LDとしても公知)について行われる。最大垂直径は、同じ画像上で測定される。二次元測定の十字線が交差すべきであり、これらの直径の積が計算される。
最小径:断面が1mmのスキップで5mmであるT1強調画像。測定可能病変の最小LDを5mm×5mmと定める。標的病変としての組み入れ及び/又は指定のためにはより大きい直径が必要であり得る。ベースラインの後、測定のための最小要求値より小さくなる又は二次元測定にもはや適用できなくなる標的病変は、5mm以下の各直径について5mmのデフォルト値で記録する。消失している病変は、0mm×0mmと記録する。
多中心性病変:(連続性に対立するものとしての)多中心性とみなされる病変は、2つ(又はそれ以上)の病変の間に正常介在脳組織が存在する病変である。増強の離散性病巣である多中心性病変については、アプローチは、組み入れ基準を満たす各増強病変を個別に測定することである。2つ(又はそれ以上)の病変の間に正常脳組織が存在しない場合、それらは、同じ病変とみなされる。
測定不能病変:上で定義した測定可能な病変の基準を満たさないすべての病変は、すべての非増強及び他の真に測定不能病変と同様に、測定不能病変とみなされる。測定不能病変は、規定の最小径に満たない(すなわち、5mm×5mm未満)増強の病巣、非増強病変(例えば、T1強調ポストコントラスト、T2強調、又は水抑制反転回復(fluid-attenuated inversion recovery)(FLAIR)画像に見られるような)、出血性若しくは主として嚢胞性若しくは壊死性病変、及び軟膜腫瘍を含む。出血性病変は、しばしば増強腫瘍と誤解される可能性がある本質的なT1強調超強度を有し、このような理由のために、プレコントラストT1強調画像を検討して、ベースライン又は中間期亜急性出血を除外することができる。
ベースラインにおいて、病変を以下のように分類するものとする:標的病変:最大5個の測定可能病変を、それぞれが対象の病変を代表する少なくとも10mm×5mmという測定値を示す標的病変として選択することができる;非標的病変:すべての測定不能病変(圧迫所見及びT2/FLAIR所見を含む)及び標的病変として選択されないあらゆる測定可能病変を含む、すべての他の病変。ベースラインにおいて、測定可能病変の定義において述べたように標的病変を測定すべきであり、すべての標的病変のSPDを決定すべきである。すべての他の病変の存在を文書化するべきである。すべての治療後評価時に、標的及び非標的病変としての病変のベースライン分類を維持管理し、病変を時間の経過とともに一貫した方法で文書化し、記述する(例えば、原資料及びeCRFに同じ順序で記録する)。すべての測定可能及び測定不能病変は、変化を解釈する際の困難を減らすために試験期間中にベースラインと同じ技術を用いて評価しなければならない(例えば、対象は、同じMRIスキャナで又は少なくとも同じ磁石強度を用いて撮像すべきである)。各評価時に、標的病変を測定し、SPDを算定する。非標的病変を定性的に評価し、新たな病変があれば別々に文書化する。各評価時に、タイムポイント治療効果を標的病変、非標的病変及び新たな病変について測定する。病変のサブセットのみを評価する場合でさえも、腫瘍の進行を立証することができる。しかし、進行が観察されない限り、すべての病変を評価する場合に客観的状態(安定疾患、PR又はCR)のみを判定することができる。
CR及びPRの全タイムポイント治療効果の確認評価は、次回の計画評価時に行うことができるが、スキャンが28日未満の間隔を有する場合、確認を行うことができない。確認要件を組み込んだ、最善の治療効果は、タイムポイントの系列から得られる。
極端には、完全阻害は、本明細書で予防又は化学予防と呼ぶ。これに関連して、「予防」という用語は、臨床的に明らかな癌の発症を完全に予防すること、又は病状発症前に明らかな段階の癌の発症を予防することを含む。悪性細胞への形質転換の予防又は前癌状態の細胞の悪性細胞への進行を停止若しくは逆転させることもこの定義に含まれるものとする。これは、癌を発現するリスクのあるものの予防処置を含む。
生物学的マーカー又は「バイオマーカー」は、その検出が、例えば、癌の存在のような特定の生物学的状態を示す物質である。いくつかの実施態様において、バイオマーカーを個別に測定することができ、又はいくつかのバイオマーカーを同時に測定することができる。
いくつかの実施態様において、「バイオマーカー」は、疾患のリスク若しくは進行と、又は所定の治療に対する疾患の感受性と相関し得るmRNA発現のレベルの変化を示す。いくつかの実施態様において、バイオマーカーは、mRNA又はcDNAのような核酸である。
さらなる実施態様において、「バイオマーカー」は、疾患のリスク、治療に対する感受性、又は進行と相関し得るポリペプチド又はタンパク質発現のレベルの変化を示す。いくつかの実施態様において、バイオマーカーは、ポリペプチド若しくはタンパク質、又はその断片であり得る。特定のタンパク質の相対的レベルは、当技術分野で公知の方法により測定することができる。例えば、イムノブロット、酵素結合免疫吸着法(ELISA)のような抗体ベースの方法、又は他の方法を用いることができる。
「セレブロン」又は「CRBN」という用語及び類似の用語は、ヒトCRBNタンパク質(例えば、それぞれその全体が引用により本明細書中に組み込まれている、ヒトCRBNアイソフォーム1、GenBank登録番号NP_057386;又はヒトCRBNアイソフォーム2、GenBank登録番号NP_001166953)のような、任意のCRBNのアミノ酸配列を含むポリペプチド(「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書で同義で用いる)及びそのSNPバリアントを含む、関連ポリペプチドを意味する。関連CRBNポリペプチドは、対立遺伝子バリアント(例えば、SNPバリアント);スプライスバリアント;断片;誘導体;置換、欠失及び挿入バリアント;融合ポリペプチド;並びに特定の実施態様において、CRBN活性を保持し、且つ/又は抗CRBN免疫応答を発生するのに十分である、種間相同体を含む。
本明細書で用いているように、「セレブロン関連タンパク質」又は「CRBN関連タンパク質」という用語は、CRBNと相互作用する又は直接若しくは間接的にCRBNに結合するタンパク質を意味する。例えば、該用語は、セレブロンに直接結合する任意のタンパク質、並びにセレブロン経路の間接的下流エフェクターである任意のタンパク質を意味する。特定の実施態様において、「セレブロン関連タンパク質」又は「CRBN関連タンパク質」は、CRBNの基質、例えば、CRBNを含むE3ユビキチンリガーゼ複合体のタンパク質基質、又はその下流基質である。1つの実施態様において、本明細書で提供するCRBN関連タンパク質は、「Aiolos」としても公知のIKZF3及び/又は「Ikaros」としても公知のIKZF1のようなCRBNの基質である。特定の実施態様において、「セレブロン関連タンパク質」又は「CRBN関連タンパク質」は、CRBNの結合タンパク質である。
「CRBN抗原」という用語は、抗体が免疫特異的に結合するCRBNポリペプチドのその部分を意味する。CRBN抗原はまた、抗体が免疫特異的に結合するCRBNポリペプチドの類似体若しくは誘導体又はその断片を指す。免疫応答を誘発することができるCRBN抗原の表面上の局所領域は、CRBN「エピトープ」である。エピトープに寄与するCRBNポリペプチドの領域は、ポリペプチドの隣接アミノ酸であり得る。或いは、エピトープは、ポリペプチドの2つ以上の非隣接領域からなることがあり得る。エピトープは、抗原の3次元表面特徴であり得るか又はあり得ない。
本明細書で用いているように、「抗体」という用語、又はその文法上の変形形態(すなわち、複数の抗体)は、エピトープに結合することができるポリペプチド(単数又は複数)を意味する。いくつかの実施態様において、抗体は、全長抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、全長に満たない(すなわち、抗体断片)が、少なくとも1つの結合部位を含む。いくつかのそのような実施態様において、結合部位は、抗体可変領域の構造を有する少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの配列を含む。いくつかの実施態様において、「抗体」という用語は、免疫グロブリン結合ドメインと相同又はおおかた相同である結合ドメインを有するタンパク質を含む。特定の実施態様において、「抗体」という用語は、免疫グロブリン結合ドメインとの少なくとも99%の同一性を示す結合ドメインを有するポリペプチドを含む。いくつかの実施態様において、抗体は、免疫グロブリン結合ドメインとの少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%の同一性を示す結合ドメインを有するタンパク質である。本発明による抗体ポリペプチドは、例えば、天然源若しくは抗体ライブラリーからの単離、宿主系内若しくはそれによる組換え産生、化学合成等、又はそれらの組合せを含む、利用可能な手段により製造することができる。いくつかの実施態様において、抗体は、モノクローナル又はポリクローナルである。いくつかの実施態様において、抗体は、ヒトクラスIgG、IgM、IgA、IgD及びIgEのいずれかを含む、いずれかの免疫グロブリンクラスのメンバーであり得る。特定の実施態様において、抗体は、IgG免疫グロブリンクラスのメンバーである。いくつかの実施態様において、「抗体」という用語は、対象のエピトープに結合する能力を有する抗体の誘導体を意味する。いくつかの実施態様において、抗体断片は、例えば、ジスルフィド結合により共に連結されている複数の鎖を含む。いくつかの実施態様において、抗体は、ヒト抗体である。いくつかの実施態様において、抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施態様において、ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含むキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖又は抗体断片(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2又は抗体の他の抗原結合部分配列)を含む。いくつかの実施態様において、ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、所望の特異性、親和性及び能力を有するマウス、ラット又はウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基により置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。特定の実施態様において、本発明に用いる抗体は、CD20の特定のエピトープに結合する。いくつかの実施態様において、抗CD20抗体が結合するCD20のエピトープは、例えば、170ANPS173(Binderら、Blood 2006, 108(6): 1975-1978)、FMC7(Deansら、Blood 2008, 111(4): 2492)、Rp5-L及びRp15-C(CD20のミノトープ)(Perosaら、J. Immunol. 2009, 182:416-423)、182YCYSI185(Binderら、Blood 2006, 108(6): 1975-1978)並びにWEWTI(182YCYSI185の模倣体)(Binderら、Blood 2006, 108(6): 1975-1978)を含む。いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、12nM未満、11nM未満、10nM未満、9nM未満、8nM未満、7nM未満、6nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満又は1nM未満のCD20のエピトープに対する結合親和力(Kd)を有する。
「CRBN抗原に免疫特異的に結合する抗体」、「CRBNエピトープに免疫特異的に結合する抗体」、「CRBN抗体」、「抗CRBN抗体」という用語及び類似の用語は、本明細書でも同義で用い、CRBN抗原又はエピトープ(例えば、ペプチド65-76ヒトCRBN)のような、CRBNポリペプチドに特異的に結合する抗体及びその断片を意味する。抗体は、CRBNポリペプチドに特異的に結合する修飾抗体(すなわち、修飾IgG(例えば、IgG1)を含む抗体)定常ドメイン及び非修飾抗体(すなわち、修飾IgG(例えば、IgG1)を含まない抗体)定常ドメイン両方を含む。CRBN抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、関連抗原と交差反応性であり得る。特定の実施態様において、CRBN抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、他の抗原と交差反応しない。CRBN抗原に免疫特異的に結合する抗体又はその断片は、例えば、免疫測定法、BIAcore又は当業者に公知の他の技術により同定することができる。抗体又はその断片は、放射免疫測定法(RIA)及び酵素結合免疫吸着法(ELISAs)などの実験技術を用いて測定したとき、どの交差反応性抗原に対するよりも高い親和力でCRBN抗原に結合する場合、CRBN抗原に特異的に結合する。一般的に、特異的又は選択的反応は、バックグラウンドシグナル又はノイズの少なくとも2倍、より一般的にバックグラウンドの10倍以上である。例えば、抗体特異性に関する考察についてはPaul編、1989、基礎免疫学第2版(Fundamental Immunology Second Edition)(Raven Press、New York 332-336頁)を参照されたい。
本明細書で用いているように、「バイオシミラー」(例えば、タンパク質治療薬、抗体等のような、承認済み参照製剤/生物学的薬剤の)という用語は、(a)生物学的製剤が、臨床的に不活性な成分のわずかな差にもかかわらず参照製剤と非常に類似していることを示す分析試験;(b)動物試験(毒性の評価を含む);並びに/又は(c)参照製剤が承認され、使用されることが意図され、承認を得ようとする(例えば、生物学的製剤と参照製剤との間に製剤の安全性、純度及び効力に関して臨床的に意味のある差が存在しないという)1つ以上の適切な使用条件における安全性、純度及び効力を実証するのに十分である臨床試験若しくは複数の臨床試験(免疫原性及び薬物動態若しくは薬力学の評価を含む)から得られたデータに基づいて参照製剤と類似している生物製剤を意味する。
いくつかの実施態様において、バイオシミラー生物学的製剤及び参照製剤は、提案されたラベリングにおいて規定され、推奨され、又は提案された使用条件又は複数の使用条件について同じ作用機序又は複数の作用機序を利用するものであるが、これは、作用機序又は複数の作用機序が参照製剤について知られている程度までにすぎない。いくつかの実施態様において、生物学的製剤について提案されたラベリングにおいて規定され、推奨され、又は提案された使用条件又は複数の使用条件は、参照製剤について以前に承認された。いくつかの実施態様において、生物学的製剤の投与経路、剤形及び/又は力価は、参照製剤のものと同じである。いくつかの実施態様において、生物学的製剤が製造され、処理され、包装され、又は保管される施設は、生物学的製剤が安全で、純粋で、有効であり続けることを保証するために立案された基準を満たしている。参照製剤は、米国、欧州又は日本の少なくとも1つにおいて承認され得る。バイオシミラーは、例えば、市販の抗体と同じ一次アミノ酸配列を有する現在公知の抗体であり得るが、異なる細胞型において、又は異なる製造、精製若しくは製剤化方法により製造することができる。
(6.2 置換キナゾリノン化合物)
化合物AAと併用して本明細書で提供する方法及び組成物に用いる化合物は、本明細書で「置換キナゾリノン化合物(単数又は複数)」と総称する。本明細書で提供する特定の置換キナゾリノン化合物は、それぞれその全体が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第7,635,700号及び2012年9月13日に公開された米国特許出願公開第2012/0230983号に記載されているような化合物を含むが、これらに限定されない。1つの実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(I)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、
式中:
R
1は:水素;ハロ;-(CH
2)
nOH;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は-(CH
2)
nNHR
aであり(ここで、R
aは:水素;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;-(CH
2)
n-(6〜10員アリール);-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)若しくは-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員ヘテロアリール)(ここで、該アリール又はヘテロアリールは、ハロ;-SCF
3;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又は、それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている);-C(O)-(C
1-C
8)アルキル(ここで、該アルキルは、1つ以上のハロで任意に置換されている);-C(O)-(CH
2)
n-(C
3-C
10-シクロアルキル);-C(O)-(CH
2)
n-NR
bR
c(ここで、R
b及びR
cは、それぞれ独立に:水素; 1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は、ハロ;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;若しくはそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシの1つ以上のもので任意に置換されている6〜10員アリールである);-C(O)-(CH
2)
n-O-(C
1-C
6)アルキル;又は-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)である);
R
2は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
R
3は:水素;又は1つ以上のハロで任意に置換された、(C
1-C
6)アルキルであり;
nは、0、1、又は2である。
1つの実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(II)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、式中:
R
4は:水素;ハロ;-(CH
2)
nOH;1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルキル;又は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルコキシであり;
R
5は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルキルであり;
R
6は:水素;又は1つ以上のハロで場合によって置換された(C
1-C
6)アルキルであり;かつ
nは、0、1又は2である。
1つの実施態様において、R4は、水素である。他の実施態様において、R4は、ハロである。他の実施態様において、R4は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R4は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R4は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルコキシである。
1つの実施態様において、R5は、水素である。他の実施態様において、R5は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R5は、フェニルである。他の実施態様において、R5は、1つ以上のハロで場合によって置換された-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R5は、1つ以上のハロで場合によって置換された(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R6は、水素である。他の実施態様において、R6は、1つ以上のハロで場合によって置換された(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、nは、0である。他の実施態様において、nは、1である。他の実施態様において、nは、2である。
本明細書で提供する化合物は、上述のR4、R5、R6及びnの組合せのいずれかを含む。
1つの特定の実施態様において、R4は、メチルである。他の実施態様において、R4は、メトキシである。他の実施態様において、R4は、-CF3である。他の実施態様において、R4は、F又はClである。
他の特定の実施態様において、R5は、メチルである。他の実施態様において、R5は、-CF3である。
置換キナゾリノン化合物の特定の例は、表Aの化合物を含むが、それらに限定されない:
表A
。
別の実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(III)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、
式中:
R
dは:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;
-C(O)-(C
1-C
8)アルキル(ここで、該アルキルは1つ以上のハロで任意に置換されている);
-C(O)-(CH
2)
n-(C
3-C
10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH
2)
n-NR
eR
f(ここで、R
e及びR
fはそれぞれ独立に:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又は
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシである);又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-(C
1-C
6)アルキルである。
R
7は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
R
8は:水素;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;かつ
nは、0、1、又は2である。
1つの実施態様において、Rdは、水素である。他の実施態様において、Rdは、1つ以上のハロで場合によって置換された(C1-C6)アルキルである。別の実施態様において、Rdは-C(O)-(C1-C8)アルキルである。他の実施態様において、Rdは、-C(O)-(CH2)n-(C3-C10-シクロアルキル)である。他の実施態様において、Rdは、-C(O)-(CH2)n-NReRfであり、Re及びRfは、上文で述べた通りである。他の実施態様において、Rdは、-C(O)-(CH2)n-O-(CH2)n-(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R7は、水素である。他の実施態様において、R7は、(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R7は、フェニルである。他の実施態様において、R7は、1つ以上のハロで場合によって置換された、-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R7は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R8は、水素である。他の実施態様において、R8は、1つ以上のハロで場合によって置換された(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、nは、0である。他の実施態様において、nは、1である。他の実施態様において、nは、2である。
本明細書で提供する置換キナゾリノン化合物は、上述のRd、R7、R8及びnの組合せのいずれかを含む。
1つの特定の実施態様において、R7は、メチルである。他の実施態様において、Rdは、-C(O)-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、Rdは、NH2である。他の実施態様において、Rdは、-C(O)-CH2-O-(C1-C6)アルキルである。
置換キナゾリノン化合物の特定の例は、表Bの化合物を含むが、それらに限定されない:
表B
。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ又は立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、又は立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、又は立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、又は立体異性体である。
別の実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(IV)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、
式中:
R
gは:
-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)であるか;
-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)若しくは-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員ヘテロアリール)であるか(ここで、該アリール又はヘテロアリールは:ハロ;-SCF
3;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又はそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている。);
-C(O)-(CH
2)
n-NHR
hであるか(ここでR
hは:ハロ;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又はそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている6〜10員アリールである);又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)であり、
R
9は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
R
10は:水素;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;かつ
nは、0、1、又は2である。
1つの実施態様において、Rgは、-(CH2)n-(6〜10員アリール)である。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(CH2)n-(6〜10員アリール)又は-C(O)-(CH2)n-(6〜10員ヘテロアリール)であり、アリール又はヘテロアリールは、上述のように場合によって置換されている。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(CH2)n-NHRhであり、Rhは、上述のように場合によって置換された6〜10員アリールである。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(CH2)n-O-(CH2)n-(6〜10員アリール)である。
1つの実施態様において、R9は、水素である。他の実施態様において、R9は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R9は、フェニルである。他の実施態様において、R9は、1つ以上のハロで場合によって置換された、-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R9は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R10は、水素である。他の実施態様において、R10は、1つ以上のハロで場合によって置換された(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、nは、0である。他の実施態様において、nは、1である。他の実施態様において、nは、2である。
本明細書で提供する置換キナゾリノン化合物は、上述のRg、R9、R10及びnの組合せのいずれかを含む。
1つの特定の実施態様において、R9は、メチルである。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-フェニル又は-C(O)-CH2-フェニルであり、フェニルは、メチル、-CF3及び/又はハロで場合によって置換されている。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-NH-フェニルであり、フェニルは、メチル、-CF3及び/又はハロで場合によって置換されている。
特定の置換キナゾリノン化合物は、表Cの化合物を含むが、それらに限定されない:
表C
。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
本明細書で提供する特定の置換キナゾリノン化合物は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許出願公開第2009/0093504号に記載されているもののような6-、7-又は8-置換キナゾリノン化合物を含むが、これらに限定されない。1つの実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(V)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、
式中:
R
1は、水素であり;
R
2、R
3及びR
4のそれぞれは、独立に:水素;ハロ;-(CH
2)
nOH;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は-(CH
2)
nNHR
aであるか(ここでR
aは:水素;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル);-(CH
2)
n-(6〜10員アリール);-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)若しくは-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員ヘテロアリール)(ここで、該アリール又はヘテロアリールは、ハロ;-SCF
3;そのアルキルそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又は、そのアルコキシそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている);-C(O)-(C
1-C
8)アルキル(ここで、該アルキルは、1つ以上のハロで任意に置換されている);-C(O)-(CH
2)
n-(C
3-C
10-シクロアルキル);-C(O)-(CH
2)
n-NR
bR
c(ここで、R
b及びR
cは、それぞれ独立に:水素;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は、ハロ;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;若しくはそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシの1つ又は複数で任意に置換されている6〜10員アリールである);-C(O)-(CH
2)
n-O-(C
1-C
6)アルキル;又は-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)である);又は
R
1〜R
4の2つが一緒になって、ハロ;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;及び1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換された5又は6員環を形成することができ;
R
5は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
R
6は:水素;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;かつ
nは、0、1、又は2である。
別の実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(VI)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、
式中:
R
7は:水素;ハロ;-(CH
2)
nOH;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は-(CH
2)
nNHR
dであり、ここで、R
dは:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;
-(CH
2)
n-(6〜10員アリール);
-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)若しくは-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員ヘテロアリール)(ここで、該アリール又はヘテロアリールは、ハロ;-SCF
3;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又はそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている);
-C(O)-(C
1-C
8)アルキル(ここで、該アルキルは、1つ以上のハロで任意に置換されている);
-C(O)-(CH
2)
n-(C
3-C
10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH
2)
n-NR
eR
f(ここで、R
e及びR
fは、それぞれ独立に:水素;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は、ハロ;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;若しくはそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている6〜10員アリールである)
-C(O)-(CH
2)
n-O-(C
1-C
6)アルキル;又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)であり;
R
8は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
R
9は:水素;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;かつ
nは、0、1、又は2である。
別の実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(VII)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、式中:
R
10は:水素;ハロ;-(CH
2)
nOH;1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルコキシであり;
R
11は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルキルであり;
R
12は:水素;又は1つ以上のハロで場合によって置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
nは、0、1又は2である。
1つの実施態様において、R10は、水素である。他の実施態様において、R10は、ハロである。他の実施態様において、R10は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R10は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R10は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルコキシである。
1つの実施態様において、R11は、水素である。他の実施態様において、R11は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R11は、フェニルである。他の実施態様において、R11は、1つ以上のハロで場合によって置換された、-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R11は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R12は、水素である。他の実施態様において、R12は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、nは、0である。他の実施態様において、nは、1である。他の実施態様において、nは、2である。
本明細書で提供する置換キナゾリノン化合物は、上述のR10、R11、R12及びnの組合せのいずれかを含む。
1つの特定の実施態様において、R10は、ハロである。他の実施態様において、R10は、ヒドロキシルである。他の実施態様において、R10は、メチルである。
他の特定の実施態様において、R11は、水素である。他の実施態様において、R11は、メチルである。
他の特定の実施態様において、R12は、水素である。他の実施態様において、R12は、メチルである。
特定の置換キナゾリノン化合物は、表Dの化合物を含むが、それらに限定されない:
表D
。
別の実施態様において、本明細書で提供するのは、式(VIII)の置換キナゾリノン化合物:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、
式中:
R
gは:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;
-(CH
2)
n-(6〜10員アリール);
-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)若しくは-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員ヘテロアリール)(ここで、該アリール又はヘテロアリールは、ハロ;-SCF
3;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又はそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている);
-C(O)-(C
1-C
8)アルキル(ここで、該アルキルは1つ以上のハロで任意に置換されている);
-C(O)-(CH
2)
n-(C
3-C
10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH
2)
n-NR
hR
i(ここで、R
h及びR
iは、それぞれ独立に:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は
ハロ;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;若しくは、それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシの1つ又は複数で任意に置換されている6〜10員アリールである);
-C(O)-(CH
2)
n-O-(C
1-C
6)アルキル;又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)であり;
R
13は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
R
14は:水素;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;かつ
nは、0、1、又は2である。
1つの実施態様において、Rgは、水素である。他の実施態様において、Rgは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、Rgは、(CH2)n-(6〜10員アリール)である。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(CH2)n-(6〜10員アリール)又は-C(O)-(CH2)n-(6〜10員ヘテロアリール)であり、アリール又はヘテロアリールは、上述のように場合によって置換されている。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(C1-C8)アルキルであり、アルキルは、1つ以上のハロで場合によって置換されている。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(CH2)n-(C3-C10-シクロアルキル)である。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(CH2)n-NRhRiであり、Rh及びRiは、上述の通りである。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(CH2)n-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(CH2)n-O-(CH2)n-(6〜10員アリール)である。
1つの実施態様において、R13は、水素である。他の実施態様において、R13は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R13は、フェニルである。他の実施態様において、R13は、1つ以上のハロで場合によって置換された、-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R13は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R14は、水素である。他の実施態様において、R14は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、nは、0である。他の実施態様において、nは、1である。他の実施態様において、nは、2である。
本明細書で提供する置換キナゾリノン化合物は、上述のRg、R13、R14及びnの組合せのいずれかを含む。
1つの特定の実施態様において、Rgは、水素であり、nは、0又は1である。他の実施態様において、Rgは、-C(O)-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、Rgは、1つ以上のメチル、ハロ及び/又は(C1-C6)アルコキシで場合によって置換された、-C(O)-フェニルである。
他の特定の実施態様において、R13は、メチルである。他の実施態様において、R14は、水素である。
特定の置換キナゾリノン化合物は、表Eの化合物を含むが、それらに限定されない:
表E
。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
別の実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(IX)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、
式中:
R
15は:水素;ハロ;-(CH
2)
nOH;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は-(CH
2)
n NHR
jであり、
ここで、R
jは:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;
-(CH
2)
n-(6〜10員アリール);
-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)若しくは-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員ヘテロアリール)(ここで、該アリール又はヘテロアリールは、ハロ;-SCF
3;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又はそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシの1つ又は複数で任意に置換されている);
-C(O)-(C
1-C
8)アルキル(ここで該アルキルは、1つ以上のハロで任意に置換されている);
-C(O)-(CH
2)
n-(C
3-C
10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH
2)
n-NR
kR
l(ここでR
k及びR
lは、それぞれ独立に:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は
ハロ;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;若しくはそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている6〜10員アリールである);
-C(O)-(CH
2)
n-O-(C
1-C
6)アルキル;又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)であり;
R
16は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
R
17は:水素;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;かつ
nは、0、1、又は2である。
1つの実施態様において、R15は、水素である。他の実施態様において、R15は、ハロである。他の実施態様において、R15は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R15は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R15は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルコキシである。
1つの実施態様において、R15は、-(CH2)nNHRjである。R15が-(CH2)nNHRjである、1つの実施態様において、Rjは、水素である。他の実施態様において、Rjは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、Rjは、-(CH2)n-(6〜10員アリール)である。他の実施態様において、Rjは、-C(O)-(CH2)n-(6〜10員アリール)又は-C(O)-(CH2)n-(6〜10員ヘテロアリール)であり、アリール又はヘテロアリールは、上述のように場合によって置換されている。他の実施態様において、Rjは、-C(O)-(C1-C8)アルキルであり、アルキルは、1つ以上のハロで場合によって置換されている。他の実施態様において、Rjは、-C(O)-(CH2)n-(C3-C10-シクロアルキル)である。他の実施態様において、Rjは、-C(O)-(CH2)n-NRkRlであり、Rk及びRlは、上述の通りである。他の実施態様において、Rjは、-C(O)-(CH2)n-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、Rjは、-C(O)-(CH2)n-O-(CH2)n-(6〜10員アリール)である。
1つの実施態様において、R16は、水素である。他の実施態様において、R16は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R16は、フェニルである。他の実施態様において、R16は、1つ以上のハロで場合によって置換された、-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R16は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R17は、水素である。他の実施態様において、R17は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、nは、0である。他の実施態様において、nは、1である。他の実施態様において、nは、2である。
本明細書で提供する置換キナゾリノン化合物は、上述のR15、R16、R17及びnの組合せのいずれかを含む。
1つの特定の実施態様において、R15は、メチルである。他の実施態様において、R15は、ハロである。他の実施態様において、R15は、-CF3である。他の実施態様において、R15は、-(CH2)nNHRjである。
R15が-(CH2)nNHRjである1つの特定の実施態様において、Rjは、水素であり、nは、0又は1である。R15が-(CH2)nNHRjである他の実施態様において、Rjは、-C(O)-(O)-(C1-C6)アルキルである。
1つの特定の実施態様において、R16は、水素である。他の実施態様において、R16は、メチルである。他の特定の実施態様において、R17は、水素又はメチルである。
特定の置換キナゾリノン化合物は、表Fの化合物を含むが、それらに限定されない:
表F
。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ若しくは立体異性体である。
別の実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(X)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、
式中:
R
18は:水素;ハロ;-(CH
2)
nOH;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は-(CH
2)
n NHR
mであり、
ここで、R
mは:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;
-(CH
2)
n-(6〜10員アリール);
-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)若しくは-C(O)-(CH
2)
n-(6〜10員ヘテロアリール)(ここで、該アリール又はヘテロアリールは、ハロ;-SCF
3;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;又はそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている);
-C(O)-(C
1-C
8)アルキル(ここで、該アルキルは、1つ以上のハロで任意に置換されている);
-C(O)-(CH
2)
n-(C
3-C
10-シクロアルキル);
-C(O)-(CH
2)
n-NR
nR
o(ここで、R
n及びR
oは、それぞれ独立に:
水素;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;
1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシ;又は
ハロ;それ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキル;若しくはそれ自体が1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルコキシのうちの1つ又は複数で任意に置換されている6〜10員アリールである);
-C(O)-(CH
2)
n-O-(C
1-C
6)アルキル;又は
-C(O)-(CH
2)
n-O-(CH
2)
n-(6〜10員アリール)であり;
R
19は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル;-O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;
R
20は:水素;又は1つ以上のハロで任意に置換された(C
1-C
6)アルキルであり;かつ
nは、0、1、又は2である。
1つの実施態様において、R18は、水素である。他の実施態様において、R18は、ハロである。他の実施態様において、R18は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R18は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R18は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルコキシである。
1つの実施態様において、R18は、-(CH2)nNHRmである。R28が-(CH2)nNHRsである、1つの実施態様において、Rsは、水素である。他の実施態様において、Rmは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、Rmは、-(CH2)n-(6〜10員アリール)である。別の実施態様において、Rmは、-C(O)-(CH2)n-(6〜10員アリール)又は-C(O)-(CH2)n-(6〜10員ヘテロアリール)であり、ここで、該アリール又はヘテロアリールは、上述のように場合によって置換されている。他の実施態様において、Rsは、-C(O)-(C1-C8)アルキルであり、ここで、該アルキルは、1つ以上のハロで場合によって置換されている。他の実施態様において、Rmは、-C(O)-(CH2)n-(C3-C10-シクロアルキル)である。他の実施態様において、Rmは、-C(O)-(CH2)n-NRnRoであり、ここで、該Rn及びRoは、上述の通りである。他の実施態様において、Rmは、-C(O)-(CH2)n-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、Rmは、-C(O)-(CH2)n-O-(CH2)n-(6〜10員アリール)である。
1つの実施態様において、R19は、水素である。他の実施態様において、R19は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R19は、フェニルである。他の実施態様において、R19は、1つ以上のハロで場合によって置換された、-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R19は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R20は、水素である。他の実施態様において、R20は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、nは、0である。他の実施態様において、nは、1である。他の実施態様において、nは、2である。
本明細書で提供する置換キナゾリノン化合物は、上述のR18、R19、R20及びnの組合せのいずれかを含む。
1つの特定の実施態様において、R18は、メチルである。他の実施態様において、R18は、ハロである。他の実施態様において、R18は、ヒドロキシルである。他の実施態様において、R18は、-CF3である。
1つの特定の実施態様において、R19は、水素である。他の実施態様において、R19は、メチルである。他の特定の実施態様において、R20は、水素である。
特定の置換キナゾリノン化合物は、表Gの化合物を含むが、それらに限定されない:
表G
。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ又は立体異性体である。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ又は立体異性体である。
他の実施態様において、代表的な置換キナゾリノン化合物は、式(XI)のもの:
並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物及び立体異性体であり、式中:
R
21は、水素であり;
R
22、R
23及びR
24は、それぞれ独立に:ハロ;-(CH
2)
nOH;1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルキル;1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルコキシであるか;又は
R
21〜R
24の2つが一緒になって、ハロ;1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルキル及び1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルコキシの1つ以上のもので場合によって置換された、5〜6員環を形成しており;
R
25は:水素;-(CH
2)
nOH;フェニル; -O-(C
1-C
6)アルキル;又は1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルキルであり;
R
26は:水素;又は1つ以上のハロで場合によって置換された、(C
1-C
6)アルキルであり;
nは、0、1又は2である。
1つの実施態様において、R22〜R24の2つは、ハロである。他の実施態様において、R22〜R24の2つは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R22〜R24の2つは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルコキシである。
他の実施態様において、R22〜R24の1つは、ハロであり、R22〜R24の他の1つは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R22〜R24の1つは、ハロであり、R22〜R24の他の1つは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルコキシである。他の実施態様において、R22〜R24の1つは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルコキシであり、R22〜R24の他の1つは、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
他の実施態様において、R22〜R24の2つは、一緒になって5〜6員環を形成している。1つの特定の実施態様において、R22及びR23は、一緒になって5〜6員環を形成する。1つの特定の実施態様において、R22及びR23は、一緒になってフェニル環を形成している。他の実施態様において、R22及びR23によって形成された環は、ハロ;1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキル;及び1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルコキシの1つ以上のもので場合によって置換されている。
1つの実施態様において、R25は、水素である。他の実施態様において、R25は、-(CH2)nOH又はヒドロキシルである。他の実施態様において、R25は、フェニルである。他の実施態様において、R25は、1つ以上のハロで場合によって置換された、-O-(C1-C6)アルキルである。他の実施態様において、R25は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、R26は、水素である。他の実施態様において、R26は、1つ以上のハロで場合によって置換された、(C1-C6)アルキルである。
1つの実施態様において、nは、0である。他の実施態様において、nは、1である。他の実施態様において、nは、2である。
本明細書で提供する置換キナゾリノン化合物は、上述のR21、R22、R23、R24、R25、R26及びnの組合せのいずれかを含む。
特定の置換キナゾリノン化合物は、以下の化合物を含むが、それらに限定されない:
。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、以下のもの:
又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ又は立体異性体である。
述べたすべての置換キナゾリノン化合物は、商業的に購入するか、又は本明細書で開示した特許若しくは特許出願に記載された方法により製造することができる。さらに、光学的に純粋な置換キナゾリノン化合物は、不斉合成するか、又は公知の分割剤若しくはキラルカラム並びに他の標準的合成有機化学技術を用いて分割することができる。
示された構造と当構造に与えられた名称との間に不一致がある場合、示された構造をより大きな重みで容認すべきである。さらに、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は破線により示されていない場合、該構造又は構造の一部は、そのすべての立体異性体を含むと解釈すべきである。
(6.3 化合物AA)
N-(3-(5-フルオロ-2-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イルアミノ)フェニルアクリルアミド:
及びその医薬として許容し得る塩は、本明細書で「化合物AA」と総称する。1つの実施態様において、化合物AAのベシル酸塩を本明細書で提供する組成物及び方法に用いる。1つの実施態様において、化合物AAの遊離塩基を本明細書で提供する組成物及び方法に用いる。
2010年2月4日に公開された米国公開特許出願番号US2010/0029610(「'610公開」、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている)は、'610公開において化合物番号I-182と称されている、化合物AAを記載している。化合物AAは、TECキナーゼのメンバーであるBTKを含む、1種以上のプロテインキナーゼの活性を共有結合により且つ不可逆的に阻害する。化合物AAの合成は、'610公開の実施例20に詳細に記載されている。化合物AAは、様々なアッセイ及び治療モデルにおいて活性であり、BTKの共有結合性、不可逆性阻害を示す(酵素及び細胞アッセイにおいて)。特に、化合物AAは、B細胞の増殖及び活性化を阻害することが見いだされた強力、選択的、経口で利用可能な小分子である。
(6.4 抗CD20抗体)
トシツモマブモノクローナル抗体により定義された最初のB細胞特異抗原であるCD20は、B細胞の発達に重要な役割を果たしている。ヒトCD20は、染色体11q12.2上に位置するMS4A1遺伝子によりコードされる4つの膜貫通ドメインを有する297アミノ酸(30kDa〜35kDa)リンタンパク質である。CD20は、B細胞の発達に重要な役割を果たし、B細胞由来疾患を標的とする免疫療法のバイオマーカーである。CD20は、分化の初期段階にあるBリンパ球及びほとんどのB細胞リンパ腫によって発現されるが、分化した形質細胞によっては発現されない膜内在性タンパク質である。CD20は、抗体結合により解離又はインターナリゼーションされずに、B細胞の膜上に留まる。CD20は、Lyn、Fyn及びLckなどのチロシンキナーゼのSrcファミリーへの結合により機能し、結果として細胞内タンパク質のリン酸化カスケードに関与すると考えられている。抗CD20抗体は、I型及びII型抗体に大きく分類される。両方の型の抗CD20抗体は、抗体依存性細胞傷害作用(antibody-dependent cellular cytotoxicity)(ADCC)及び食作用のようなFc-FcγR相互作用を活性化する同等の能力を示す。I型抗CD20抗体は、CD20を膜脂質ラフトに再分配し、補体依存性細胞傷害作用(complement-dependent cytotoxicity)(CDC)を強力に活性化する。II型抗CD20抗体は、CDCを弱く活性化するが、直接的なプログラムされた細胞死をより強力に誘導する。
当業者は、本発明に有用であるさらなる抗CD20抗体を容易に同定し、選択することができる。例えば、いくつかの実施態様において、そのような抗体は、例えば、米国特許第8,153,125号、第8,147,832号、第8,101,179号、第8,084,582号、第8,057,793号及び第7,879,984号並びに米国特許出願公開第2011/0129412号、第2012/0183545号、第2012/0134990号及び第2012/0034185号に記載されている。
いくつかの実施態様において、本発明に用いる抗CD20抗体は、I型抗体である。いくつかの実施態様において、本発明に用いる抗CD20抗体は、II型抗体である。
いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、170ANPS173及び182YCYSI185から選択されるCD20エピトープに結合する抗体である。
いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、12nM未満、11nM未満、10nM未満、9nM未満、8nM未満、7nM未満、6nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満又は1nM未満のCD20のエピトープに対する結合親和力(Kd)を有する。
リツキシマブは、抗CD20抗体のほんの1例にすぎない。いくつかの実施態様において、本発明に用いる抗CD20抗体は、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))、Gazyva(登録商標)(すなわち、オビヌツズマブ)及びArzerra(登録商標)(オファツムマブ)を含む。言及の容易さのため、本明細書で詳述した提供する方法及びレジメンは、具体例としての抗CD20抗体(すなわち、リツキシマブ)に言及する;しかし、そのような言及は、本発明を単一の抗CD20抗体に限定するものではない。実際、リツキシマブ又はそのバイオシミラーへのすべての言及は、当業者によって抗CD20抗体の該クラスを含むものと解釈されるべきである。例えば、CD20抗体又はリツキシマブに言及する各場合において抗CD20抗体であるオファツムマブ(Arzerra(登録商標))又はオビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))を代わりに投与することができることは、十分に理解されよう。いくつかのそのような実施態様において、オファツムマブを以下の計画に従って12回で投与する: 300mg初回量、続いて1週後に毎週2000mgの用量を7回、続いて4週後に4週ごとに2000mgを4回。いくつかのそのような実施態様において、オビヌツズマブを以下のように6つの28日サイクルにわたり投与する:サイクル1の1日目に100mg;サイクル1の2日目に900mg;サイクル1の8及び15日目に1000mg;並びにサイクル2〜6の1日目に1000mg。したがって、いくつかの実施態様において、「リツキシマブ」という用語は、米国、欧州及び日本からなる国の群から選択される国又は地域における同一又はバイオシミラー製品としての市販承認を得るために必要な要件を満たしているすべての対応する抗CD20抗体を含む。
いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、リツキシマブ又はそのバイオシミラーと同じ又は類似した活性を有する。いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、リツキシマブ又はその断片と同じ又は類似した領域又はエピトープに結合する。いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、CD20へのリツキシマブ又はその断片の結合と競合する。いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、リツキシマブ又はその断片と生物学的に同等である。いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、リツキシマブ又はその断片のバイオシミラーである。いくつかの実施態様において、抗CD20抗体は、機能的断片、誘導体又は抗体コンジュゲートを含む、リツキシマブのバリアント又は誘導体である。
リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))は、正常Bリンパ球及びB細胞CLL並びにほとんどの型の非ホジキンB細胞リンパ腫に存在するCD20細胞表面分子に対する遺伝子操作された細胞溶解性キメラマウス/ヒトモノクローナルIgG1カッパ抗体である。リツキシマブは、約8.0nMのCD20抗原に対する結合親和力を有する。リツキシマブは、リンパ腫細胞に対するその臨床的活性をもたらす、補体依存性細胞傷害作用(CDC)及び抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を誘導し得る。リツキシマブはまた、CD20への結合によりB細胞のアポトーシスをもたらし、それにより細胞成長の直接的な阻害をもたらし得る。
リツキシマブは、抗生物質ゲンタマイシンを含む栄養培地中哺乳類細胞(チャイニーズハムスター卵巣)懸濁培養により産生される。ゲンタマイシンは、最終製品中に検出されない。リツキシマブは、静脈内投与用の滅菌、無色透明、保存剤不含有の液体濃縮物である。リツキシマブは、100mg/10mL又は500mg/50mL単回使用バイアル入りで10mg/mLの濃度で供給される。リツキシマブは、ポリソルベート80(0.7mg/mL)、クエン酸ナトリウム二水和物(7.35mg/mL)、塩化ナトリウム(9mg/mL)及び注射用水で製剤化する。Rituxan(登録商標)(又はMabThera(登録商標))のpHは、6.5である。
リツキシマブは、臨床試験において検討され、フルダラビン及びシクロホスファミドと併用するCLLを有する患者並びにメトトレキセートと併用する慢性関節リウマチを有する患者の治療用に承認された。またリツキシマブは、非ホジキンリンパ腫、ヴェーゲナー肉芽腫症及び顕微鏡的多発性血管炎の治療用にも承認されている。
(6.5 使用の方法)
本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物及び有効量の化合物AAを癌を有する患者に投与することを含む、癌を治療又は予防する方法を提供する。
特定の実施態様において、癌は、血液由来の腫瘍である。
特定の実施態様において、癌は、リンパ腫、白血病又は多発性骨髄腫である。
特定の実施態様において、癌は、非ホジキンリンパ腫である。特定の実施態様において、非ホジキンリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma)(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma)(FL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)(AML)、マントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma)(MCL)又はALK+未分化大細胞型リンパ腫である。1つの実施態様において、非ホジキンリンパ腫は、進行固形非ホジキンリンパ腫である。1つの実施態様において、非ホジキンリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。
特定の実施態様において、癌は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。
特定の実施態様において、癌は、B細胞リンパ腫である。
特定の実施態様において、B細胞リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、マントル細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(節外辺縁帯B細胞リンパ腫及び節性辺縁帯B細胞リンパ腫を含む)、リンパ形質細胞リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症から選択されるB細胞非ホジキンリンパ腫である。いくつかの実施態様において、B細胞リンパ腫は、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)である。1つの実施態様において、B細胞リンパ腫は、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。他の実施態様において、CLLは、CLLの小リンパ球性リンパ腫(small lymphocytic lymphoma)(SLL)バリアントとして特徴付けられる。
1つの実施態様において、B細胞非ホジキンリンパ腫は、難治性B細胞非ホジキンリンパ腫である。1つの実施態様において、B細胞非ホジキンリンパ腫は、再発B細胞非ホジキンリンパ腫である。
1つの実施態様において、癌は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。1つの特定の実施態様において、DLBCLは、正常胚中心B細胞から生ずると考えられている、胚中心B細胞様(GCB)DLBCLである。他の特定の実施態様において、DLBCLは、形質細胞分化時に停止する胚中心後B細胞から生ずると考えられている、活性化B細胞様(activated B-cell-like)(ABC)DLBCLである。
1つの実施態様において、GCB-DLBCLは、再発性又は難治性である。他の実施態様において、bcl-12は、GCB-DLBCLにおいて過剰発現する。
1つの実施態様において、ABC-DLBCLは、再発性又は難治性である。他の実施態様において、bcl-12は、ABC-DLBCLにおいて過剰発現する。
特定の実施態様において、癌は、T細胞リンパ腫である。
B細胞障害である慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)は、血液/骨髄病変(CLL)対リンパ節病変(SLL)の程度が異なる同じ疾患過程のスペクトルの2つの限界を示す。
他の実施態様において、癌は、多発性骨髄腫である。
特定の実施態様において、癌は、頭部、頸部、眼、口腔、咽喉、食道、気管支、喉頭、咽頭、胸部、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、子宮、子宮頸部、乳房、卵巣、精巣又は他の生殖器官、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓及び脳又は中枢神経系の癌である。
他の実施態様において、癌は、固形腫瘍である。特定の実施態様において、固形腫瘍は、再発又は難治性固形腫瘍である。
1つの実施態様において、固形腫瘍は、神経内分泌腫瘍である。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、腸由来の神経内分泌腫瘍である。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、非膵臓由来のものである。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、腸由来の非膵臓性である。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、原発不明のものである。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、症候性内分泌産生腫瘍又は非機能性腫瘍である。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、局所的に切除不能、転移性中等度、高分化型、低悪性度(グレード1)又は中悪性度(グレード2)である。
1つの実施態様において、固形腫瘍は、非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer)(NSCLC)である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、多形性神経膠芽腫(glioblastoma multiforme)(GBM)である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)(HCC)である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、乳癌である。1つの実施態様において、乳癌は、ホルモン受容体陽性である。1つの実施態様において、乳癌は、エストロゲン受容体陽性(ER+、ER+/Her2又はER+/Her2+)である。1つの実施態様において、乳癌は、エストロゲン受容体陰性(ER-/Her2+)である。1つの実施態様において、乳癌は、トリプルネガティブ(triple negative)(TN)(エストロゲン受容体(estrogen receptor)(ER)、プロゲステロン受容体(progesterone receptor)(PR)に対応する遺伝子及び/又はタンパク質を発現せず、Her2/neuタンパク質を過剰発現しない乳癌)である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、結腸直腸癌(colorectal cancer)(CRC)である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、唾液腺癌である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、膵臓癌である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、腺様嚢胞癌である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、副腎癌である。
他の実施態様において、固形腫瘍は、食道癌、腎臓癌、平滑筋肉腫又は傍神経節腫である。
1つの実施態様において、固形腫瘍は、進行固形腫瘍である。
他の実施態様において、癌は、頭頸部扁平上皮癌である。
他の実施態様において、癌は、E26(E-twenty six)(ETS)過剰発現去勢抵抗性前立腺癌である。
他の実施態様において、癌は、E26(ETS)過剰発現ユーイング肉腫である。
他の実施態様において、癌は、固形及び血液由来腫瘍、例えば、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、急性骨髄性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病;並びに固形腫瘍、例えば、乳房、肺、子宮内膜、卵巣、胃、子宮頸部及び前立腺癌;神経膠芽腫;腎臓癌、肝細胞癌、結腸癌、神経内分泌腫瘍、頭頸部腫瘍;及びユーイング肉腫などの肉腫を含む。
本明細書では、有効量の化合物AA(例えば、単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で)を癌を有する患者に投与することを含む、癌を治療又は予防する方法をさらに提供する。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する特定の実施態様において、癌は、頭部、頸部、眼、口腔、咽喉、食道、気管支、喉頭、咽頭、胸部、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、子宮、子宮頸部、乳房、卵巣、精巣又は他の生殖器官、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓及び脳又は中枢神経系の癌である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、癌は、固形腫瘍である。特定の実施態様において、固形腫瘍は、再発性又は難治性固形腫瘍である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する1つの実施態様において、固形腫瘍は、神経内分泌腫瘍である。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、腸由来の神経内分泌腫瘍である。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、非膵臓由来のものである。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、腸由来の非膵臓性である。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、原発不明のものである。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、症候性内分泌産生腫瘍又は非機能性腫瘍である。特定の実施態様において、神経内分泌腫瘍は、局所的に切除不能、転移性中等度、高分化型、低悪性度(グレード1)又は中悪性度(グレード2)である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する1つの実施態様において、固形腫瘍は、非小細胞肺癌(NSCLC)である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、多形性神経膠芽腫(GBM)である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、肝細胞癌(HCC)である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、乳癌である。1つの実施態様において、乳癌は、ホルモン受容体陽性である。1つの実施態様において、乳癌は、エストロゲン受容体陽性(ER+、ER+/Her2又はER+/Her2+)である。1つの実施態様において、乳癌は、エストロゲン受容体陰性(ER-/Her2+)である。1つの実施態様において、乳癌は、トリプルネガティブ(TN)(エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)に対応する遺伝子及び/又はタンパク質を発現せず、Her2/neuタンパク質を過剰発現しない乳癌)である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、結腸直腸癌(CRC)である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、唾液腺癌である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、膵臓癌である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、腺様嚢胞癌である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、副腎癌である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、固形腫瘍は、食道癌、腎臓癌、平滑筋肉腫又は傍神経節腫である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する1つの実施態様において、固形腫瘍は、進行固形腫瘍である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、癌は、頭頸部扁平上皮癌である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、癌は、E26(ETS)過剰発現去勢抵抗性前立腺癌である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、癌は、E26(ETS)過剰発現ユーイング肉腫である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する他の実施態様において、癌は、mTOR、PI3K又はAktキナーゼ及びその突然変異体又はアイソフォームを含む経路に関連する癌である。他の癌は、固形及び血液由来腫瘍、例えば、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、急性骨髄性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病;並びに固形腫瘍、例えば、乳房、肺、子宮内膜、卵巣、胃、子宮頸部及び前立腺癌;神経膠芽腫;腎臓癌;肝細胞癌;結腸癌;神経内分泌腫瘍;頭頸部腫瘍;及びユーイング肉腫などの肉腫を含む。
本明細書では、化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用のための予測又は予後因子としてのIkaros、Aiolosを用いる癌の治療又は管理の方法を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、予測又は予後因子としてのIkaros、Aiolosを用いて、化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用による治療のための、本明細書で述べたような癌患者(例えば、多発性骨髄腫、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、急性骨髄芽球性白血病、慢性リンパ性白血病及び/又はMDS患者)をスクリーニング又は特定する方法を提供する。1つの実施態様において、本明細書では、患者から生物学的材料を得ることと、Ikaros、Aiolosの存在又は非存在を測定することとを含む、本明細書で提供する併用による癌の治療に対する患者の反応を予測する方法を提供する。1つの実施態様において、mRNA又はタンパク質を腫瘍から精製し、バイオマーカーの存在又は非存在を遺伝子又はタンパク質発現解析により測定する。特定の実施態様において、バイオマーカーの存在又は非存在を、定量的実時間PCR(QRT-PCR)、マイクロアレイ、フローサイトメトリー又は免疫蛍光法により測定する。他の実施態様において、バイオマーカーの存在又は非存在を、酵素結合免疫吸着測定法ベースの方法(ELISA)又は当技術分野で公知の他の同様な方法により測定する。非ホジキンリンパ腫に関連するバイオマーカーは、その全体がその全体の引用により組み込まれている、例えば、米国特許公開第2011/0223157号に記載されている。特定の実施態様において、バイオマーカーは、Aiolosである。他の実施態様において、バイオマーカーは、Ikarosである。特定の実施態様において、バイオマーカーは、Ikaros及びAiolosの両方である。特定の実施態様において、バイオマーカーは、本明細書で提供するバイオマーカーの組合せである。特定の実施態様において、バイオマーカー(単数又は複数)は、CRBNをさらに含む。特定の実施態様において、癌は、DLBCLである。
他の実施態様において、本明細書では、患者から癌細胞を得ることと、化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との組合せの存在下又は非存在下で細胞を培養することと、培養細胞からタンパク質又はRNAを精製することと、例えば、タンパク質又は遺伝子発現解析によりバイオマーカーの存在又は非存在を測定することとを含む、癌患者における治療に対する患者の反応を予測する方法を提供する。モニターされる発現は、例えば、mRNA発現又はタンパク質発現であり得る。1つの実施態様において、癌患者は、リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、固形腫瘍、非ホジキンリンパ腫、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、急性骨髄芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、MDS又は黒色腫患者である。特定の実施態様において、バイオマーカーは、Aiolosである。他の実施態様において、バイオマーカーは、Ikarosである。特定の実施態様において、バイオマーカーは、Ikaros及びAiolosの両方である。特定の実施態様において、バイオマーカー(単数又は複数)は、CRBNをさらに含む。特定の実施態様において、癌は、DLBCLである。
他の実施態様において、本明細書では、癌患者における化合物AA治療と5-置換キナゾリノン化合物治療との併用に対する腫瘍の反応をモニターする方法を提供する。該方法は、患者から生物学的試料を得ることと、生物学的試料中のバイオマーカーの発現を測定することと、患者に化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物とを併用投与することと、その後、患者から第2の生物学的試料を得ることと、第2の生物学的試料中のバイオマーカーの発現を測定することと、発現のレベルを比較することとを含み、治療後のバイオマーカーの発現のレベルの増加は、有効な腫瘍反応の可能性を示すものである。特定の実施態様において、バイオマーカーは、Aiolosである。他の実施態様において、バイオマーカーは、Ikarosである。特定の実施態様において、バイオマーカーは、Ikaros及びAiolosの両方である。特定の実施態様において、バイオマーカー(単数又は複数)は、CRBNをさらに含む。特定の実施態様において、癌は、DLBCLである。
特定の実施態様において、CRBNタンパク質レベルは、下方制御されない又は低下しないが、Ikarosタンパク質レベル及び/又はAiolosタンパク質レベルは、下方制御される又は低下する。いくつかの実施態様において、そのような表現型は、患者が化合物に対する獲得耐性を有するか、又は発現し得ることを示している。特定の実施態様において、バイオマーカーは、c-Mycである。特定の実施態様において、c-Mycレベルは、低下する。他の実施態様において、バイオマーカーは、CD44である。特定の実施態様において、CD44レベルは、増加する。いくつかの実施態様において、そのような表現型は、患者が化合物に対する獲得耐性を有するか、又は発現し得ることを示している。他の実施態様において、Ikaros及び/又はAiolosタンパク質レベルの低下は、化合物による有効な治療を示している。
1つの実施態様において、治療後のバイオマーカーの発現のレベルの低下は、有効な腫瘍反応の可能性を示すものである。モニターされるバイオマーカーの発現は、例えば、mRNA発現又はタンパク質発現であり得る。特定の実施態様において、バイオマーカーは、Aiolosである。他の実施態様において、バイオマーカーは、Ikarosである。特定の実施態様において、バイオマーカーは、Ikaros及びAiolosの両方である。特定の実施態様において、腫瘍は、DLBCLである。
1つの実施態様において、治療後のバイオマーカーの発現のレベルの増加は、有効な腫瘍反応の可能性を示すものである。モニターされるバイオマーカーの発現は、例えば、mRNA発現又はタンパク質発現であり得る。特定の実施態様において、腫瘍は、DLBCLである。
他の態様において、本明細書では、(a)癌を有する患者に併用投与するステップと;(b)患者から第1の試料を得るステップと;(c)第1の試料中のCRBN関連タンパク質のレベルを測定するステップと;(d)ステップ(c)からのCRBN関連タンパク質のレベルを参照試料から得られた同じタンパク質のレベルと比較するステップとを含む、癌の治療における化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用の有効性を評価する方法を提供するものであり、参照標準と比較したときのレベルの変化は、癌の治療における併用の有効性を示唆するものである。特定の実施態様において、CRBN関連タンパク質は、Ikarosである。他の実施態様において、CRBN関連タンパク質は、Aiolosである。いくつかの実施態様において、CRBN関連タンパク質は、Ikaros及びAiolosである。いくつかの実施態様において、本明細書では、(a)癌を有する患者に併用投与するステップと;(b)患者から第1の試料を得るステップと;(c)第1の試料中のIkaros及び/又はAiolosタンパク質のレベルを測定するステップと;(d)ステップ(c)からのIkaros及び/又はAiolosのレベルを参照試料から得られた同じタンパク質のレベルと比較するステップとを含む、癌の治療における化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用の有効性を評価する方法を提供し、参照標準と比較したときのIkaros及び/又はAiolosタンパク質のレベルの低下は、癌の治療における併用の有効性を示唆するものである。
いくつかの実施態様において、試料は、腫瘍生検、結節生検又は骨髄、脾臓、肝臓、脳若しくは乳房の生検により得られる。
特定の実施態様において、ステップ(c)は:(i)ステップ(b)からの第1の試料内のタンパク質をCRBN関連タンパク質に免疫特異的に結合する第1の抗体と接触させるステップと;(ii)第1の抗体に結合したタンパク質を、CRBN関連タンパク質に免疫特異的に結合し、またCRBN関連タンパク質上の第1の抗体の場合と異なるエピトープに免疫特異的に結合する、検出可能な標識を有する第2の抗体と接触させるステップと;(iii)タンパク質に結合した第2の抗体の存在を検出するステップと;(iv)第2の抗体における検出可能な標識の量に基づいてCRBN関連タンパク質の量を決定するステップとを含む。
特定の実施態様において、ステップ(c)は:(i)第1の試料内のRNAをRNAに特異的に結合する配列を含むプライマーと接触させて、RNAに相補的な配列を有する第1のDNA分子を得るステップと;(ii)CRBN関連タンパク質をコードする遺伝子のセグメントに対応するDNAを増幅するステップと;(iii)増幅DNAの量に基づいてCRBN関連タンパク質のRNAレベルを決定するステップとを含む。
特定の実施態様において、参照標準と比較してCRBN関連タンパク質のレベル(例えば、タンパク質又はRNAレベル)が低下する場合、併用は、癌を治療するのに有効である可能性がある。特定の実施態様において、参照標準と比較してCRBN関連タンパク質のレベル(例えば、タンパク質又はRNAレベル)が増加する場合、併用は、癌を治療するのに有効である可能性がある。1つの実施態様において、参照標準は、対象への併用投与の前に患者から得られる第2の試料を用いて調製し;第2の試料は、第1の試料と同じ源に由来するものである。他の実施態様において、参照標準は、癌を有さない健常対象から得られる第2の試料を用いて調製し;第2の試料は、第1の試料と同じ源に由来するものである。特定の実施態様において、CRBN関連タンパク質は、Ikarosであり、Ikarosタンパク質のレベルは、参照標準と比較して低下する。他の実施態様において、CRBN関連タンパク質は、Aiolosであり、Aiolosタンパク質のレベルは、参照標準と比較して低下する。いくつかの実施態様において、CRBN関連タンパク質は、Ikaros及びAiolosであり、Ikarosタンパク質及びAiolosタンパク質の両方のレベルは、参照標準と比較して低下する。
本明細書で提供する方法の1つの実施態様において、CRBN関連タンパク質は、58kDaの分子量を有するIKZF3(Aiolos)である。本明細書で提供する方法の他の実施態様において、CRBN関連タンパク質は、42kDaの分子量を有するIKZF3(Aiolos)である。他の実施態様において、化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用により、Aiolosの発現(例えば、タンパク質又は遺伝子の発現)が下方制御される。特定の実施態様において、Aiolosタンパク質レベルは、低下する。
本明細書で提供する方法の様々な実施態様において、化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用により、Ikarosの発現(例えば、タンパク質又は遺伝子の発現)が下方制御される。特定の実施態様において、化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用により、Ikarosタンパク質レベルが低下する。いくつかの実施態様において、Aiolosタンパク質レベルが低下し、Ikarosタンパク質レベルが低下する。
CRBN又はCRBN関連タンパク質(例えば、Ikaros、Aiolos又はそれらの組合せ)は、化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用による疾患の治療の有効性又は経過を示すためのバイオマーカー(単数又は複数)として利用することができる。したがって、特定の実施態様において、本明細書で提供する方法は、対象が化合物AA及び5-置換キナゾリノンによる治療を受ける前、受けている間又は受けた後の対象における疾患又は障害(例えば、癌、例えば、DLBCL)を特徴付けるのに有用である。
特定の実施態様において、化合物AAと5-置換キナゾリノン化合物との併用による治療に対するDLBCL又はDLBCLを有する患者の感受性は、Aiolos及び/又はIkarosレベルに関連する。
本明細書で提供する方法の様々な実施態様において、CRBN関連タンパク質は、Ikaros、Aiolos又はそれらの組合せである。いくつかの実施態様において、これらのCRBN関連タンパク質は、Ikaros、Aiolosのような、本明細書で提供する他のCRBN関連タンパク質との組合せで評価する。特定の実施態様において、Ikaros及びAiolosを評価する。他の実施態様において、Ikaros、Aiolos及びCRBN又はそれらのいずれかの組合せを評価する。
Aiolos(IKZF3)は、ジンクフィンガータンパク質のIkarosファミリーのメンバーである。IKZF3は、リンパ球の発達(例えば、Bリンパ球の増殖及び分化)の調節に関与する造血系特異的転写因子である。IKZF3のDNA結合ドメインは、GGGAのコアモチーフを認識する。IKZF3は、クロマチンリモデリングに関与し、Bclファミリーメンバーを制御し、T細胞におけるHDAC、mSin3、Mi-2に結合し、転写リプレッサーとして作用することが示された。Aiolos-Foxp3相互作用は、ヒトT細胞におけるIL-2発現を抑制することが示された。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する特定の実施態様において、癌は、急性骨髄性白血病である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する特定の実施態様において、癌は、ALK+未分化大細胞型リンパ腫である。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する特定の実施態様において、癌は、B細胞リンパ腫である。
特定の実施態様において、B細胞リンパ腫は、DLBCLである。特定の実施態様において、DLBCLは、GCB-DLBCLである。特定の実施態様において、GCB-DLBCLは、再発性又は難治性である。特定の実施態様において、bcl-12は、GCB-DLBCLにおいて過剰発現する。
他の実施態様において、DLBCLは、ABC-DLBCLである。特定の実施態様において、ABC-DLBCLは、再発性又は難治性である。特定の実施態様において、bcl-12は、GCB-DLBCLにおいて過剰発現する。
化合物AAを単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で投与する特定の実施態様において、癌は、T細胞リンパ腫である。
特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して慢性リンパ性白血病を有する患者に投与することを含む、前記患者における完全奏効、部分奏効又は安定疾患の慢性リンパ性白血病に関する国際ワークショップ(IWCLL)の治療効果の定義を達成する方法を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して固形腫瘍を有する患者に投与することを含む、前記患者における完全奏効、部分奏効又は安定疾患の固形腫瘍における治療効果評価基準(Response Criteria in Solid Tumors)(例えば、RECIST 1.1)を達成する方法を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して白血病を有する患者に投与することを含む、前記患者における完全奏効、部分奏効又は安定疾患の米国国立癌研究所後援の慢性リンパ性白血病に関するワーキンググループ(NCI-WG CLL)の治療効果の定義を達成する方法を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して前立腺癌を有する患者に投与することを含む、前記患者における完全奏効、部分奏効又は安定疾患の前立腺癌ワーキンググループ2(PCWG2)基準を達成する方法を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して非ホジキンリンパ腫を有する患者に投与することを含む、前記患者における完全奏効、部分奏効又は安定疾患の非ホジキンリンパ腫の国際ワークショップ基準(IWC)を達成する方法を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して多発性骨髄腫を有する患者に投与することを含む、前記患者における完全奏効、部分奏効又は安定疾患の多発性骨髄腫の治療効果判定国際統一基準(IURC)を達成する方法を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して多形性神経膠芽腫を有する患者に投与することを含む、前記患者における完全奏効、部分奏効又は安定疾患の多形性神経膠芽腫の神経腫瘍学治療効果評価(RANO)ワーキンググループ基準を達成する方法を提供する。
特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を有効量の化合物AAと併用して癌を有する患者に投与することを含む、前記患者の疾患の進行を伴わずに生存期間を延長させる方法を提供する。
特定の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を有効量の化合物AAと併用して癌を有する患者に投与することを含み、治療が癌に関連する悪液質又は疼痛の亢進などの臨床的進行の予防又は遅延をもたらす、癌を治療する方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物を有効量の化合物AAと併用してB細胞リンパ腫を有する患者に投与することを含み、治療が、とりわけ、疾患の進行の抑制、無進行期間(TTP)の延長、無増悪生存期間(PFS)の延長及び/又は全生存期間(OS)の延長のうちの1つ以上をもたらす、癌を治療する方法を提供する。
特定の実施態様において、B細胞リンパ腫は、DLBCLである。特定の実施態様において、DLBCLは、GCB-DLBCLである。特定の実施態様において、GCB-DLBCLは、再発性又は難治性である。特定の実施態様において、bcl-12は、GCB-DLBCLにおいて過剰発現する。
他の実施態様において、DLBCLは、ABC-DLBCLである。特定の実施態様において、ABC-DLBCLは、再発性又は難治性である。特定の実施態様において、bcl-12は、GCB-DLBCLにおいて過剰発現する。
いくつかの実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、本明細書で述べた通りの化合物である。他の実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(「化合物A」)である。他の実施態様において、5置換キナゾリノン化合物は、3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩である。
化合物AAと併用投与する置換キナゾリノン化合物は、放射線療法又は手術とさらに併用することができる。特定の実施態様において、放射線療法を受けている、放射線療法を以前に受けた又は放射線療法を受ける予定である患者に置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用投与する。特定の実施態様において、腫瘍除去手術のような、手術を受けた患者に置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用投与する。
さらに本明細書では、癌の治療を以前に受けた患者、並びに以前に治療を受けなかった患者を治療する方法を提供する。癌を有する患者は、異種的な臨床症状及び様々な臨床転帰を有するため、患者に施される治療は、彼/彼女の予後によって異なり得る。熟練臨床医は、癌を有する個々の患者を治療するために効果的に用いることができる特定の第2の薬剤、手術の種類及び非薬物標準療法の種類を過度の実験なしに容易に決定することができる。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AA及び抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))と併用投与する。したがって、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物、有効量の化合物AA及び有効量の抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))を癌を有する患者に投与することを含む、癌を治療又は予防する方法を提供する。特定の実施態様において、化合物Aを化合物AA及び抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))と併用投与する。特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物、化合物AA及び抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))の併用により治療又は予防される癌は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。
特定の実施態様において、DLBCLは、GCB-DLBCLである。特定の実施態様において、GCB-DLBCLは、再発性又は難治性である。特定の実施態様において、bcl-12は、GCB-DLBCLにおいて過剰発現する。
他の実施態様において、DLBCLは、ABC-DLBCLである。特定の実施態様において、ABC-DLBCLは、再発性又は難治性である。特定の実施態様において、bcl-12は、GCB-DLBCLにおいて過剰発現する。
1つの実施態様において、本明細書では、化合物Aを化合物AA及びリツキシマブと併用投与することを含む、DLBCLを治療し、予防し、且つ/又は管理する方法を提供する。1つの実施態様において、DLBCLは、ABC-DLBCLである。
特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して患者にサイクルで投与する。サイクリング療法は、一定の期間にわたる活性薬(単数又は複数)の投与と、それに続く一定の期間にわたる休止と、この逐次投与を反復することを含む。サイクリング療法は、耐性の発生を低減し、副作用を回避又は減少させ、且つ/又は治療の有効性を改善し得る。置換キナゾリノン化合物、化合物AA及び抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))の併用での投与もそのようなサイクルで行うことができる。
いくつかの実施態様において、化合物AAを1日2回、又はBID投与するのに対して、置換キナゾリノン化合物を1日1回、又はQD投与する。或いは且つ/又はさらに、化合物AAは、1以上の28日サイクルで1日1回又は2回投与することができるのに対して、置換キナゾリノン化合物は、1以上の28日サイクルの1日目から21日目まで1日1回投与することができる。いくつかの実施態様において、化合物AAを1以上の28日サイクルの1日目から28日目まで1日2回投与し、置換キナゾリノン化合物を1以上の28日サイクルの2日目から22日目まで1日1回投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAを1以上の28日サイクルの1日目から28日目まで1日2回投与し、置換キナゾリノン化合物を1以上の28日サイクルの1日目から28日目まで1日1回投与する。
いくつかの実施態様において、置換キナゾリノン化合物を1日1回、又はQD投与し、化合物AAを1日2回、又はBID投与し、抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))を月1回又は4週ごとに1回投与する。或いは且つ/又はさらに、1以上の28日サイクルで、置換キナゾリノン化合物を1日1回投与することができ、化合物AAを1日1回又は2回投与することができ、抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))を1回投与することができる。
いくつかの実施態様において、提供する方法は、化合物AAを置換キナゾリノン化合物と併用して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27又は28日の期間にわたり毎日投与することを含む。いくつかの実施態様において、治療レジメンは、少なくとも1つの28日サイクルを含む。本明細書で用いているように、「28日サイクル」という用語は、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを連続する28日の間に、それを必要とする患者に投与することを意味する。いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを少なくとも1つの28日サイクルで投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ又は少なくとも6つの28日サイクルで投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11又は少なくとも12の28日サイクルで投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17又は少なくとも18の28日サイクルで投与する。
いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを少なくとも18の28日サイクルで投与し、化合物AAを少なくとも1つのさらなる28日サイクルでさらに投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを少なくとも18の28日サイクルで投与し、化合物AAを少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11又は少なくとも12のさらなる28日サイクルでさらに投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを少なくとも18の28日サイクルで投与し、化合物AAを少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23又は少なくとも24のさらなる28日サイクルでさらに投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを患者の生涯にわたって患者に投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の組合せを少なくとも18の28日サイクルで投与し、化合物AAを患者の生涯にわたってさらに投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAを各28日サイクルの1日目から28日目まで(例えば、各日に1回又は各日に2回)投与し、化合物AAを1以上の28日サイクルの1日目から21日目まで(例えば、各日に1回)投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAを1以上の28日サイクルの1日目から28日目まで投与し、化合物AAを1以上の28日サイクルの2日目から22日目まで投与する。
いくつかの実施態様において、2つの隣接する28日サイクルを休止期間により分離することができる。そのような休止期間は、患者が化合物AA及び置換キナゾリノン化合物のいずれか又は両方の投与を受けない1、2、3、4、5、6、7又はそれ以上の日数であり得る。好ましい実施態様において、2つの隣接する28日サイクルは、連続している。
1つの実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAとの併用で約3日間、約5日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間(例えば、28日)、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約10週間、約15週間、又は約20週間にわたり単一又は分割用量で毎日投与した後、約1日から約10週間までの休止期間をおく。1つの実施態様において、本明細書で提供する方法は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約10週間、約15週間、又は約20週間のサイクリング療法を企図する。いくつかの実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAとの併用で約3日間、約5日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間(例えば、28日)、約5週間、又は約6週間にわたり単一又は分割用量で投与し、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、又は30日の休止期間をおく。いくつかの実施態様において、休止期間は、1日である。いくつかの実施態様において、休止期間は、3日である。いくつかの実施態様において、休止期間は、7日である。いくつかの実施態様において、休止期間は、14日である。いくつかの実施態様において、休止期間は、28日である。投与サイクルの頻度、数及び長さは、増加又は減少させることができる。
1つの実施態様において、本明細書で提供する方法は:i)化合物AAとの併用での置換キナゾリノン化合物の第1の1日量を対象に投与するステップと;ii)化合物AAを対象に投与しない少なくとも1日の期間場合により休止するステップと;iii)化合物AAとの併用での置換キナゾリノン化合物の第2の用量を対象に投与するステップと;iv)ステップii)からiii)までを複数回反復するステップとを含む。
1つの実施態様において、本明細書で提供する方法は、1日目に化合物AAの一定の用量を対象に投与した後、2日目及びその後の日に置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して対象に投与することを含む。
特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して約1〜約52週間連続的に投与する。特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12カ月間連続的に投与する。特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して約7、約14、約21、約28、約35、約42、約84、又は約112日間連続的に投与する。
特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用して投与する場合、置換キナゾリノン化合物を28日間連続投与するが、一方、化合物AAは、21日間連続投与した後、7日間化合物AAを投与しない。1つの実施態様において、28日サイクルにおいて、1日目に化合物AAを単独で投与し、2〜21日目に化合物AAと置換キナゾリノン化合物を併用投与し、22〜28日目に置換キナゾリノン化合物を単独で投与する。いくつかのそのような実施態様において、サイクル2を開始して、化合物AAと置換キナゾリノン化合物の両方を1日目に投与し、化合物AAは、21日目まで継続するが、一方、置換キナゾリノン化合物は、28日目まで継続する。上述のような28日サイクルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12カ月間又はそれ以上の期間など、必要に応じた期間にわたり継続することができる。
特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと28日サイクルで併用して投与する場合、化合物AAを単独で1〜7日目に投与し、置換キナゾリノン化合物を単独で8〜28日目に投与する。そのような28日サイクルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12カ月間又はそれ以上の期間など、必要に応じた期間にわたり継続することができる。
特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用投与する場合は、置換キナゾリノン化合物を1日当たり約2.5mg〜約50mg(約2.5mg、約10mg、約15mg、約16mg/日、1日当たり約20mg、約30mg又は約45mgなど)の量で投与し、化合物AAを1日当たり約125mg〜約1250mg(1日当たり約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約375mg、約500mg、約750mg、約1000mg又は約1250mgなど)の量で投与する。特定の実施態様において、1日当たり約2.5mgの置換キナゾリノン化合物を1日当たり約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約375mg、約500mg、約750mg、約1000mg又は約1250mgの化合物AAと併用して投与する。特定の実施態様において、1日当たり約10mgの置換キナゾリノン化合物を1日当たり約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約375mg、約500mg、約750mg、約1000mg又は約1250mgの化合物AAと併用して投与する。特定の実施態様において、1日当たり約15mgの置換キナゾリノン化合物を1日当たり約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約375mg、約500mg、約750mg、約1000mg又は約1250mgの化合物AAと併用して投与する。特定の実施態様において、1日当たり約16mgの置換キナゾリノン化合物を1日当たり約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約375mg、約500mg、約750mg、約1000mg又は約1250mgの化合物AAと併用して投与する。特定の実施態様において、1日当たり約20mgの置換キナゾリノン化合物を1日当たり約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約375mg、約500mg、約750mg、約1000mg又は約1250mgの化合物AAと併用して投与する。特定の実施態様において、1日当たり約30mgの置換キナゾリノン化合物を1日当たり約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約375mg、約500mg、約750mg、約1000mg又は約1250mgの化合物AAと併用して投与する。特定の実施態様において、1日当たり約45mgの置換キナゾリノン化合物を1日当たり約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、約375mg、約500mg、約750mg、約1000mg又は約1250mgの化合物AAと併用して投与する。置換キナゾリノン化合物及び化合物AAをそれぞれ独立に1日当たり1回(QD)、2回(BD)又は3回(TID)投与する。
いくつかの実施態様において、本明細書で提供する方法は、治療上有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用してそれを必要とする患者に投与することを含み、化合物AAの治療上有効量は、1日当たり約250mg〜約1250mgである。いくつかの実施態様において、化合物AAの治療上有効量を1以上の別個の用量として投与する。例えば、いくつかの実施態様において、化合物AAの治療上有効量は、1日当たり250mgであり、治療上有効量を125mg 1日2回(BID)として投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAの治療上有効量は、1日当たり500mgであり、治療上有効量を250mg 1日2回(BID)として投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAの治療上有効量は、1日当たり750mgであり、治療上有効量を375mg 1日2回(BID)として投与する。いくつかの実施態様において、化合物AAの治療上有効量は、1日当たり1000mgであり、治療上有効量を500mg 1日2回(BID)として投与する。
いくつかの実施態様において、本明細書で提供する方法は、治療上有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用してそれを必要とする患者に投与することを含み、化合物AAの治療上有効量は、1日当たり約125mg〜約1250mg、又は1日当たり約125mg〜約1125mg、又は1日当たり約125mg〜約1000mg、又は1日当たり約125mg〜約875mg、又は1日当たり約125mg〜約750mg、又は1日当たり約125mg〜約625mg、又は1日当たり約125mg〜約500mg、又は1日当たり約125mg〜約375mg、又は1日当たり約125mg〜約250mg、又は1日当たり約250mg〜約1250mg、又は1日当たり約250mg〜約1125mg、又は1日当たり約250mg〜約1000mg、又は1日当たり約250mg〜約875mg、又は1日当たり約250mg〜約750mg、又は1日当たり約250mg〜約625mg、又は1日当たり約250mg〜約500mg、又は1日当たり約250mg〜約375mg、又は1日当たり約375mg〜約1250mg、又は1日当たり約375mg〜約1125mg、又は1日当たり約375mg〜約1000mg、又は1日当たり約375mg〜約875mg、又は1日当たり約375mg〜約750mg、又は1日当たり約375mg〜約625mg、又は1日当たり約375mg〜約500mg、又は1日当たり約500mg〜約1250mg、又は1日当たり約500mg〜約1125mg、又は1日当たり約500mg〜約1000mg、又は1日当たり約500mg〜約875mg、又は1日当たり約500mg〜約750mg、又は1日当たり約500mg〜約625mg、又は1日当たり約625mg〜約1250mg、又は1日当たり約625mg〜約1125mg、又は1日当たり約625mg〜約1000mg、又は1日当たり約625mg〜約875mg、又は1日当たり約625mg〜約750mg、又は1日当たり約750mg〜約1250mg、又は1日当たり約750mg〜約1125mg、又は1日当たり約750mg〜約1000mg、又は1日当たり約875mg〜約1250mg、又は1日当たり約875mg〜約1125mg、又は1日当たり約875mg〜約1000mgである。
いくつかの実施態様において、本明細書で提供する方法は、治療上有効量の置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用してそれを必要とする患者に投与することを含み、化合物AAの1日当たりの治療上有効量は、約125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg、325mg、330mg、335mg、340mg、345mg、350mg、355mg、360mg、365mg、370mg、375mg、380mg、385mg、390mg、395mg、400mg、405mg、410mg、415mg、420mg、425mg、430mg、435mg、440mg、445mg、450mg、455mg、460mg、465mg、470mg、475mg、480mg、485mg、490mg、495mg、500mg、505mg、510mg、515mg、520mg、525mg、530mg、535mg、540mg、545mg、550mg、555mg、560mg、565mg、570mg、575mg、580mg、585mg、590mg、595mg、600mg、605mg、610mg、615mg、620mg、625mg、630mg、635mg、640mg、645mg、650mg、655mg、660mg、665mg、670mg、675mg、680mg、685mg、690mg、695mg、700mg、705mg、710mg、715mg、720mg、725mg、730mg、735mg、740mg、745mg、750mg、755mg、760mg、765mg、770mg、775mg、780mg、785mg、790mg、795mg、800mg、805mg、810mg、815mg、820mg、825mg、830mg、835mg、840mg、845mg、850mg、855mg、860mg、865mg、870mg、875mg、880mg、885mg、890mg、895mg、900mg、905mg、910mg、915mg、920mg、925mg、930mg、935mg、940mg、945mg、950mg、955mg、960mg、965mg、970mg、975mg、980mg、985mg、990mg、995mg、1000mg、1005mg、1010mg、1015mg、1020mg、1025mg、1030mg、1035mg、1040mg、1045mg、1050mg、1055mg、1060mg、1065mg、1070mg、1075mg、1080mg、1085mg、1090mg、1095mg、1100mg、1105mg、1110mg、1115mg、1120mg、1125mg、1130mg、1135mg、1140mg、1145mg、1150mg、1155mg、1160mg、1165mg、1170mg、1175mg、1180mg、1185mg、1190mg、1195mg、1200mg、1205mg、1210mg、1215mg、1220mg、1225mg、1230mg、1235mg、1240mg、1245mg又は1250mgである。
いくつかの実施態様において、本明細書で提供する治療の方法は、約125mg BID〜約500mg BIDで化合物AAを1日当たり約2.5mg〜約50mg(約2.5mg、約10mg、約15mg、約16mg/日、1日当たり約20mg、約30mg又は約45mgなど)の置換キナゾリノン化合物と併用してそれを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施態様において、提供する方法は、375mg BID〜約500mg BIDで化合物AAを約2.5mg〜約50mg(約2.5mg、約10mg、約15mg、約16mg/日、1日当たり約20mg、約30mg又は約45mgなど)の置換キナゾリノン化合物と併用してそれを必要とする患者に投与することを含む。
特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用投与する場合、置換キナゾリノン化合物:化合物AA比は、約1:1〜約1:10である。特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用投与する場合、置換キナゾリノン化合物:化合物AA比は、約1:1未満、約1:3未満又は約1:10未満である。特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと併用投与する場合、置換キナゾリノン化合物:化合物AA比は、約1:1、約1:3又は約1:10である。
特定の実施態様において、本明細書で提供する方法は、置換キナゾリノン化合物及び化合物AAとの併用での抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))の投与をさらに含み、投与する抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))の量は、28日当たり約250mg/m2〜約500mg/m2 1回であり、投与する置換キナゾリノン化合物の量は、1日約10mg〜約40mgであり、化合物AA量は、約250mg〜約750mg BIDである。特定の実施態様において、本明細書で提供する方法は、置換キナゾリノン化合物及び化合物AAとの併用での抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))の投与をさらに含み、投与する抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)又はMabThera(登録商標))の量は、28日当たり約375mg/m2又は約500mg/m2 1回であり、投与する置換キナゾリノン化合物の量は、1日約20mg又は約30mgであり、投与する化合物AAの量は、約375mg又は約500mg BIDである。
いくつかの実施態様において、提供する方法は、リツキシマブを含む医薬組成物をそれを必要とする患者に投与することを含み、リツキシマブは、50mg/時の速度での注入として投与する。いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度を400mg/時の最大値まで30分ごとに50mg/時ずつ増加させる。いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度を400mg/時の最大値まで30分ごとに100mg/時ずつ増加させる。したがって、いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度は、100mg/時である。いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度は、150mg/時である。いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度は、200mg/時である。いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度は、250mg/時である。いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度は、300mg/時である。いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度は、350mg/時である。いくつかの実施態様において、リツキシマブの注入速度は、400mg/時である。
いくつかの実施態様において、375mg/m2のリツキシマブをサイクル1の2日目に投与し、500mg/m2のリツキシマブをサイクル2の1日目に投与する。いくつかの実施態様において、375mg/m2のリツキシマブをサイクル1の2日目に投与し、500mg/m2のリツキシマブをサイクル2の1日目及びサイクル3の1日目のそれぞれにおいて投与する。いくつかの実施態様において、375mg/m2のリツキシマブをサイクル1の2日目に投与し、500mg/m2のリツキシマブをサイクル2の1日目、サイクル3の1日目及びサイクル4の1日目のそれぞれにおいて投与する。いくつかの実施態様において、375mg/m2のリツキシマブをサイクル1の2日目に投与し、500mg/m2のリツキシマブをサイクル2の1日目、サイクル3の1日目、サイクル4の1日目及びサイクル5の1日目のそれぞれにおいて投与する。いくつかの実施態様において、375mg/m2のリツキシマブをサイクル1の2日目に投与し、500mg/m2のリツキシマブをサイクル2の1日目、サイクル3の1日目、サイクル4の1日目、サイクル5の1日目及びサイクル6の1日目のそれぞれにおいて投与する。
特定の実施態様において、本明細書で提供する方法のそれぞれは、(例えば、単独で又は置換キナゾリノン化合物の非存在下で)有効量の化合物AAを癌を有する患者に投与することを含む。
(6.6 医薬組成物及び投与経路)
本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物及び有効量の化合物AAを含む組成物、並びに有効量の置換キナゾリノン化合物及び化合物AA、及び医薬として許容し得る担体又は媒体を含む組成物を提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書で述べる医薬組成物は、経口、非経口、粘膜、経皮又は局所投与に適している。
該組成物は、カプセル剤、マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、丸剤、坐剤、注射剤、懸濁剤及びシロップ剤などの、従来型の製剤で患者に経口又は非経口投与することができる。適切な製剤は、賦形剤(例えば、ショ糖、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、ショ糖又はデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム又はクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク又はラウリル硫酸ナトリウム)、着香料(例えば、クエン酸、メントール、グリシン又はオレジ粉末)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン又はプロピルパラベン)、安定剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム又は酢酸)、懸濁化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリクロン(polyvinyl pyrroliclone)又はステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)及びワックス基剤(例えば、ココアバター、白色ワセリン又はポリエチレングリコール)などの、従来型の有機又は無機添加剤を用いて一般的に用いられる方法により製造することができる。医薬組成物中の置換キナゾリノン化合物の有効量は、所望の作用を発揮するレベル、例えば、経口及び非経口投与の両方について単位用量で約0.005mg/kg患者の体重〜約10mg/kg患者の体重であり得る。
患者に投与する置換キナゾリノン化合物の用量及び化合物AAの用量は、かなり広く変化し得るものであり、医療従事者の判断に委ねることができる。一般的に、置換キナゾリノン化合物及び化合物AAは、患者に約0.005mg/kg患者の体重〜約10mg/kg患者の体重の用量で1日1〜4回投与することができるが、上記の用量は、患者の年齢、体重及び医学的状態並びに投与の種類によって適切に変更することができる。1つの実施態様において、用量は、約0.01mg/kg患者の体重〜約5mg/kg患者の体重、約0.05mg/kg患者の体重〜約1mg/kg患者の体重、約0.1mg/kg患者の体重〜約0.75mg/kg患者の体重、又は約0.25mg/kg患者の体重〜約0.5mg/kg患者の体重である。1つの実施態様において、1日当たり1回量を投与する。所定の場合において、投与する置換キナゾリノン化合物の量は、活性成分の溶解度、用いる製剤及び投与経路のような因子に依存する。
他の実施態様において、本明細書では、約1mgから約2000mgまで、約1mgから約200mgまで、約35mgから約1400mgまで、約125mgから約1000mgまで、約250mgから約1000mgまで、約500mgから約1000mgまで、約1mgから約30mgまで、約1mgから約25mgまで、又は約2.5mgから約20mgまでの置換キナゾリノン化合物を単独で、又は化合物AAと共に含む単位用量製剤を提供する。他の実施態様において、本明細書では、1mg、2.5mg、5mg、7.5mg、8mg、10mg、15mg、20mg、30mg、35mg、45mg、50mg、70mg、100mg、125mg、140mg、175mg、200mg、250mg、280mg、350mg、500mg、560mg、700mg、750mg、1000mg、又は1400mgの置換キナゾリノン化合物を単独で又は化合物AAと共に含む単位用量製剤を提供する。他の実施態様において、本明細書では、約2.5mg、約7.5mg、約8mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg又は約45mgの置換キナゾリノン化合物を単独で、又は化合物AAと共に含む単位用量製剤を提供する。
特定の実施態様において、本明細書では、約7.5mg、約8mg、約10mg、約15mg、約30mg、約45mg、約50mg、約75mg、約100mg、又は約400mgの置換キナゾリノン化合物を化合物AAと共に含む単位用量製剤を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、約5mg、約7.5mg、又は約10mgの置換キナゾリノン化合物を化合物AAと共に含む単位用量製剤を提供する。
特定の実施態様において、本明細書では、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、又は約250mgの化合物AAを単独で、又は置換キナゾリノン化合物と共に含む単位用量製剤を提供する。
特定の実施態様において、本明細書では、置換キナゾリノン化合物:化合物AA比が約1:1〜約1:10である、単位用量製剤を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、置換キナゾリノン化合物:化合物AA比が約1:1未満、約1:3未満又は約1:10未満である、単位用量製剤を提供する。特定の実施態様において、本明細書では、置換キナゾリノン化合物:化合物AA比が約1:1、約1:3又は約1:10である、単位用量製剤を提供する。
置換キナゾリノン化合物は、化合物AAと併用して1日1回、2回、3回、4回又はそれ以上の回数投与することができる。
置換キナゾリノン化合物は、化合物AAと併用して、便宜上の理由のため経口で投与することができる。1つの実施態様において、経口投与する場合、化合物AAと併用する置換キナゾリノン化合物を食事又は水と共に投与する。他の実施態様において、化合物AAと併用する置換キナゾリノン化合物を水又はジュース(例えば、リンゴジュース又はオレンジジュース)中に分散させ、懸濁液として経口投与する。他の実施態様において、経口投与する場合、化合物AAと併用する置換キナゾリノン化合物を絶食状態で投与する。
置換キナゾリノン化合物は、化合物AAと併用して、静脈内注入のように静脈内に、又は皮下注射のように皮下に投与することもできる。投与方法は、医療従事者の裁量に委ねられ、医学的状態の部位に一部依存し得る。
1つの実施態様において、本明細書では、追加の担体、賦形剤又は媒体を含まずに、置換キナゾリノン化合物を化合物AAと共に含むカプセル剤を提供する。
別の実施態様において、本明細書では、有効量の置換キナゾリノン化合物、有効量の化合物AA及び医薬として許容し得る担体又は媒体を含む組成物を提供し、医薬として許容し得る担体又は媒体は、賦形剤、希釈剤又はそれらの混合物を含み得る。1つの実施態様において、組成物は、医薬組成物である。
組成物は、錠剤、咀嚼錠、カプセル剤、液剤、注射液、トローチ剤、坐剤及び懸濁剤などの形態であり得る。組成物は、単一錠剤若しくはカプセル剤又は好都合な容積の液体であり得る、投与単位に、1日量又は1日量の好都合な一部を含むように製剤化することができる。1つの実施態様において、液剤は、塩酸塩などの水溶性塩から製造する。一般的に、すべての組成物は、薬化学における公知の方法により製造される。カプセル剤は、置換キナゾリノン化合物を適切な担体又は希釈剤と混合し、適量の混合物をカプセルに充填することによって製造することができる。通常の担体及び希釈剤は、多種類のデンプン、粉末状セルロース、とりわけ結晶性及び微結晶性セルロース、フルクトース、マンニトール及びショ糖などの糖類、穀粉並びに類似の食用粉末などの不活性粉末状物質を含むが、これらに限定されない。
錠剤は、直接圧縮、湿式造粒又は乾式造粒により製造することができる。それらの製剤は、通常、希釈剤、結合剤、滑沢剤及び崩壊剤並びに化合物を含む。一般的な希釈剤は、例えば、様々な種類のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸又は硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩及び粉末状糖を含む。粉末状セルロース誘導体も有用である。1つの実施態様において、医薬組成物は、ラクトースを含まない。一般的な錠剤結合剤は、デンプン、ゼラチン及びラクトース、フルクトース、グルコースなどの糖類などの物質である。アカシア、アルギネート、メチルセルロース、ポリビニルピロリジンなどを含む、天然及び合成ゴムも好都合である。ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びワックスも結合剤としての役割を果たし得る。本明細書で提供する化合物を含む実例となる錠剤を本明細書で提供する。
滑沢剤は、錠剤及びパンチがダイに粘着することを防ぐために錠剤に必要であり得る。滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸並びに水素化植物油のような滑る固体から選択することができる。錠剤崩壊剤は、濡れた場合に膨潤して、錠剤を崩壊させ、化合物を放出させる物質である。それらは、デンプン、粘土、セルロース、アルギン及びゴムを含む。より詳細には、トウモロコシ及びジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末状天然海綿、陽イオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、柑橘類パルプ及びカルボキシメチルセルロースは、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムと同様に用いることができる。錠剤は、着香料及び封止剤としての糖で、又は錠剤の溶解特性を改良するためのフィルム形成保護剤で被覆することができる。組成物は、例えば、製剤にマンニトールのような物質を用いることにより、咀嚼錠としても製剤化することができる。
化合物AAと併用する置換キナゾリノン化合物を坐剤として投与することが望ましい場合、一般的な基剤を用いることができる。ココアバターは、その融点をわずかに上昇させるためのワックスの添加によって改良することができる、伝統的な坐剤基剤である。特に、様々な分子量のポリエチレングリコールを含む、水混和性坐剤基剤は、広く用いられている。
化合物AAと併用する置換キナゾリノン化合物の作用を適切な製剤により遅延又は延期させることができる。例えば、化合物AAと併用する置換キナゾリノン化合物の徐溶性ペレットを製造し、錠剤若しくはカプセル剤に組み込むか、又は徐放性埋め込み式デバイスとして製造することができる。該技術は、いくつかの異なる溶解速度のペレットを製造し、ペレットの混合物をカプセルに充填することも含む。錠剤又はカプセル剤は、予測可能な時間にわたり溶解に抵抗するフィルムで被覆することができる。化合物AAと併用する置換キナゾリノン化合物を、血清中でそれが徐々に分散することを可能にする油性又は乳化媒体に溶解又は懸濁することによって、非経口製剤さえも長時間作用性にすることができる。
いくつかの実施態様において、化合物AAを含む医薬として許容し得る組成物は、組成物の総重量に基づいて、約5%〜約60%の化合物AA、又はその医薬として許容し得る塩を含む。いくつかの実施態様において、化合物AAを含む医薬として許容し得る組成物は、組成物の総重量に基づいて、約5%〜約15%、又は約7%〜約15%、又は約7%〜約10%、又は約9%〜約12%の化合物AAを含む。いくつかの実施態様において、提供する方法は、製剤の総重量に基づいて、約25%〜約75%、又は約30%〜約60%、又は約40%〜約50%、又は約40%〜約45%の化合物AAを含む医薬として許容し得る組成物をそれを必要とする患者に投与することを含む。特定の実施態様において、提供するレジメンは、所定の組成物又は製剤の総重量に基づいて、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約20%、約30%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約50%、約60%、約70%、又は約75%の化合物AAを含む医薬として許容し得る組成物をそれを必要とする患者に投与することを含む。
特定の実施態様において、置換キナゾリノン化合物は、その全体として本明細書に組み込まれている、2013年11月30日に出願した米国非仮出願第13/689,972号(特に76頁の段落[00247]から93頁の段落[00348]まで、及び152頁の段落[00513]から168頁の段落[00531]までを参照)に示されている製剤として投与する。
(6.7 キット)
特定の実施態様において、本明細書では、置換キナゾリノン化合物、及び化合物AAを含むキットを提供する。
特定の実施態様において、本明細書では、本明細書で述べたような、置換キナゾリノン化合物の1以上の単位用量、及び本明細書で述べたような、化合物AAの1以上の単位用量を含むキットを提供する。
いくつかの実施態様において、本明細書で述べるキットは、抗CD-20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、又はMabThera(登録商標))をさらに含む。
特定の実施態様において、本明細書で提供するキットは、置換キナゾリノン化合物及び化合物AAを投与することに関するような、使用説明書をさらに含む。
(7. 実施例)
(7.1 インビボアッセイ)
DLBCL異種移植片モデル。ヒトDLBCL(WSU-DLCL2)癌細胞株をSCID(重症複合免疫不全(severe combined immunodeficiency))マウスに注射する。癌細胞株は、インビトロでの培養で増殖させる。担癌動物は、1x106個の細胞をマウスに注射することにより作製する。動物への播種の後、無作為化の前に腫瘍を特定の大きさに成長させる。100〜400mm3の範囲の異種移植片腫瘍を有するマウスを一緒にプールし、様々な処置群に無作為化する。置換キナゾリノン化合物及び化合物AA(並びに場合によって、抗CD20抗体、例えば、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、又はMabThera(登録商標)))を種々の用量レベルで担癌マウスに投与する。さらに、CHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾンの組み合わせ)のような参照化学療法薬及び陰性対照を試験に含める。投与経路は、皮下(SC)、腹腔内(IP)、静脈内(IV)、筋肉内(IM)及び経口(PO)を含み得る。腫瘍の測定及び体重の測定を試験中に行い、病態及び死亡率を記録する。カリパスを用いて腫瘍を週2回測定し、W2xL/2の式を用いて腫瘍の体積を計算する。
OCI-Ly10 DLBCL異種移植片モデル。OCI-Ly10細胞は、非ホジキンリンパ腫の一種である、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に由来する。手短に述べると、雌CB.17 SCIDマウスの皮下に5x106個のOCI-Ly10細胞を播種し、腫瘍を約50〜300mm3に成長させる。同様の大きさの腫瘍を有する、異種移植片を有するマウスを様々な処置群に一緒にプールし、無作為化する。一般的な有効性試験デザインは、以前の単剤試験に基づく、様々な用量レベル及びスケジュールで、1以上の化合物を担癌マウスに投与することを含む。約28日間の処置中カリパスを用いて腫瘍体積を週2回測定し、標準的な方法、例えば、W2xL/2の式を用いて腫瘍の体積を計算する。腫瘍体積は、処置後さらに場合によって測定することができる。統計解析は、標準的な統計的方法を用いて行う。
(7.2 インビトロDLBCL細胞チミジン取込みアッセイ)
細胞は、96ウエルプレートで標準的な細胞密度で平板培養した。化合物の希釈は、必要な最終濃度の10倍に1mLの培地で行った。希釈(1:2)は、1.0%DMSO/培地中に行った。単剤処理のために、最終容積が100μL及び[DMSO]f=0.2%となるように10μLの1%DMSO中化合物及び10μLの培地中1%DMSOを細胞に加えた。併用処理のために、5%CO2の加湿インキュベーター中37℃で3連で72時間にわたり最終容積がまた100μL及び最終[DMSO]f=0.2%となるように10μLのそれぞれ1%DMSO中2つの化合物を細胞に加えた。1マイクロキュリーの3H-チミジン(Amersham社)を各ウエルに加え、細胞を再び5%CO2の加湿インキュベーター中37℃で6時間インキュベートした。細胞採取機(Tomtec社)を用いて細胞をUniFilter GF/Cフィルタープレート(Perkin Elmer社)上に採取し、プレートを一夜乾燥した。Microscint 20(Packard社)(25μL/ウエル)を加え、プレートをTopCount NXT(Packard社)を用いて解析した。各ウエルを1分間計数した。すべての3連測定値を平均することにより、細胞増殖の抑制百分率を計算し、DMSO対照(0%抑制)に対して標準化した。最終IC50値は、GraphPad Prismを用いて上端を100%とし、下端を0%とし、可変勾配とした、S状用量反応の非線形回帰を用いて計算した。
細胞を化合物1、化合物AA、又はそれらの組み合わせで、37℃で5日間処理し;3H-チミジン取込み法を用いて、細胞の増殖を測定した。3つの独立した実験の結果(平均値±SD)を図1〜4に示す。化合物1及び化合物AAの組み合わせは、化合物1又は化合物AA単独による処理と比較して、DLBCL細胞の数株の生存率を有意(p<0.05)に低下させた。特に、SUDHL6、HT、WSU-DLCL2、及びKarpas 422細胞株において相乗作用が認められた。
(7.3 化合物製剤)
本明細書で提供する方法に有用な化合物AAの実例となる製剤を下の表1に示す。
表1. N-(3-(5-フルオロ-2-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イルアミノ)フェニル)アクリルアミドベシル酸塩カプセル剤の成分
†0.5%(1.625mg)粒内; 0.5%(1.625mg)粒外
^0.5%(2.08mg)粒内; 1.0%(4.15mg)粒外
‡2.0%(8.30mg)粒内; 0.5%(2.08mg)粒外
(7.4 臨床プロトコール)
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫における化合物A及び化合物AA、並びに場合によるリツキシマブの併用の第1B相多施設共同オープンラベル試験。本試験は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有する対象における、併用して、及び場合によってリツキシマブとさらに併用して投与した場合の化合物A(3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-3(4H)-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン)及び化合物AA(N-(3-(5-フルオロ-2-(4-(2-メトキシエトキシ)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イルアミノ)フェニル)アクリルアミド)の第1B相多施設共同オープンラベル試験である。
本試験の主目的は、ダブレットとして、及びリツキシマブとの併用で経口投与した場合の、化合物A及び化合物AAの安全性及び認容性を決定すること、並びに各組み合わせの非耐容量(non-tolerated dose)(NTD)及び最大耐容量(maximum tolerated dose)(MTD)を規定することである。本試験の副次的目的は、各薬物の組み合わせの予備的有効性に関する情報を提供すること、単剤としての経口投与後の、及び薬物同士の相互作用を評価するための併用治療後の化合物A及び化合物AAの薬物動態(PK)を特徴付けることである。
試験デザイン。本試験は、少なくとも1系統の標準療法が不成功であった再発性/難治性DLBCLを有する対象における、ダブレットとして、及びリツキシマブとの併用でのトリプレットとして経口投与する化合物A及び化合物AAの第1B相用量斬増臨床試験である。本試験では、固定量のリツキシマブの追加を含む高用量コホートを用いる標準3+3用量斬増デザインを用いる各新規薬剤の2薬用量を探索するものとする。治療アームは、化合物A+化合物AA+/-リツキシマブである。
すべての治療薬を28日サイクルで投与する。化合物A及び化合物AAは、各28日サイクルの1〜28日目に1日1回(QD)又は1日2回(BID)の連続投与スケジュールで経口投与する。リツキシマブは、レジメンに含める場合、各28日サイクルの1日目のみに静脈内(IV)投与する標準固定量(375mg/m2)を用いるものとする。両化合物は、化合物A(2.0及び3.0mgQD)及び化合物AA(375及び500mgBID)を含む2用量レベルで探索するものとする。最高2ダブレット用量レベルは、リツキシマブを含む場合と含まない場合のダブレットを探索するものとする。
標準「3+3」用量漸増デザインは、各組み合わせの初期毒性を明らかにするために用いるものとする。対象は、治験担当医師の選択及びオープンスロットに基づいて試験治療アームに割り当てるものとする。3例の対象のコホートは、規定の増量投与で治験薬を服用するものとし、評価可能な対象3例中1例における用量制限毒性(dose-limiting toxicity)(DLT)が認められる場合には、コホートを6例の対象に拡大するものとする。
DLTについて評価可能な対象は、サイクル1において化合物A又は化合物AAの計画された用量の少なくとも80%の投与を受けた;サイクル1においてリツキシマブの計画された用量の少なくとも80%の投与を受けた(リツキシマブを含むコホートのみ);いずれかの治験薬の少なくとも1回の投与を受けた後に治験薬に関連するDLTを経験した対象と定義される。DLTに起因しない評価不可能な対象を置き換える。任意の投与コホート内の追加の対象は、安全審査委員会(Safety Review Committee)(SRC)の裁量で登録することができる。
コホートにおける評価可能な対象6例中2例がサイクル1において薬物に関連するDLTを経験する場合、用量は、非耐容量(NTD)とみされるものとする。最大耐容量(MTD)は、6例の評価可能な対象のうちの0又は1例がサイクル1においてDLTを経験する、NTDを下回る最終用量レベルと定義される。6件のDLTのうちの2件がいずれかの組み合わせでの最初の用量レベルで認められる場合、より低い用量の組み合わせをSRCの裁量で探索することができる。
用量漸増の完了の後、選択される併用治療アームを1アーム当たり最大約20例の対象に拡大することができる。拡大は、用量漸増期で確立されたMTDにおいて、又は試験データの審査に基づく、代替耐容併用用量レベルにおいて行うことができる。
遺伝的異常、遺伝子発現及び治療活性のバイオマーカーの解析のための対腫瘍生検は、用量漸増期では任意選択であるが、用量拡大期においては必須である。
試験集団は、少なくとも1つの標準的な第1選択の治療レジメンの後に疾患の進行を有する、再発性又は難治性DLBCLを有する、18歳以上の男性及び女性からなるものとする。事前のオートロガス幹細胞移植(登録の3カ月以上前)は、許容される。
登録は、約24カ月(用量漸増のために18カ月、拡大のために6カ月)を要すると予想される。実薬治療及び治療後フォローアップの完了には、さらに6〜12カ月を要すると予想される。試験全体は、約3年間続くと予想される。
この第1b相試験で探索する用量レベルを以下に示す:
容認できない毒性が用量レベル1で発生した場合、化合物A(1mg QD)及び化合物1(15mg QD)の開始用量の減量が許容される。化合物AAの開始用量の減量は、計画されていない。用量レベル2a(ダブレット)が明らかにされたならば、用量レベル2b(ダブレット+リツキシマブ)及び3a(リツキシマブを用いずにダブレットの用量斬増)を同時に登録することができる。用量レベル3bに進むには、両用量レベル2b及び3aを明らかにしなければならない。
化合物A及び化合物AAは、毎日投与し、リツキシマブは、各28日サイクルの1日目に投与するものとする。用量斬増及び拡大期の両方について、単独及び併用での各薬物のPK及びPDの評価を容易にするために、レジメンのわずかな修正をサイクル1において行うものとする。サイクル2から開始し、その後は、すべての経口薬を1日目に開始し、28日目まで継続するものとし、リツキシマブは、1日目に投与するものとする。
サイクル1における治験薬の投与は、以下の通りである:化合物Aは、サイクル1の1日目に開始し、その後、PK及びPD試料採取を行い、28日目まで継続するものとする。化合物AAは、サイクル1の2日目に開始し、28日目まで継続するものとする。リツキシマブは、サイクル1の8日目に投与するものとする。
あらゆるコホートにおいて最初の用量が1日目に投与された後、次のより高いプロトコール指定の用量コホートを開始できる前に対象を少なくとも28日間観察するものとする。治験薬の対象内用量斬増は、サイクル1においては許容されないが、SRCによって承認される場合にはサイクル1を超えたサイクルで許容され得る。毒性による1つ又は両方の薬物の用量の減量及び一時的な中断は、許容されるが、サイクル1における用量の減量は、DLTを構成するものとする。
疾患の進行、容認できない毒性の証拠又は中止する対象/医師の決定がある場合、試験治療を中止することができる。対象は、治験担当医師の裁量で疾患の進行を越えて治験薬を受け取り続けることができる。
用量斬増時に登録される対象の推定総数は、コホートサイズによって、約50〜100である。約30〜60例の追加の対象(選択される計画当たり10〜20例)を拡大期中に安全性、PK、PD及び予備的抗腫瘍効果について評価するものとする。
対象は、サイクル6まで2サイクルごと、サイクル12まで3サイクルごと、及びその後は6カ月ごとの後に有効性について評価するものとする。すべての処置された対象は、有効性解析に含まれる。主要有効性変数は、腫瘍反応率である。腫瘍反応は、NHL/DLBCLに関する国際ワークショップ基準(IWC)に基づいて、治験担当医師が判定するものとする。
本試験の安全性変数は、有害事象(adverse events)(AE)、安全性に関する臨床検査変数、12誘導心電図(electrocardiograms)(ECG)、左室駆出分画(left ventricular ejection fraction)(LVEF)の評価、身体的検査、バイタルサイン、試験治療への曝露、併用薬の評価及び妊娠の可能性のある女性(females of child bearing potentials)(FCBP)の妊娠検査を含む。
用量漸増時に、より高用量レベルを評価するか、又はMTDを宣言するかの決定は、所定の用量コホートのすべての入手可能な臨床及び臨床検査安全性データの審査に基づいて、SRCによって判断されるものとする。
SRCはまた、コホートの拡大のために対象の治療レジメンの用量及び計画を選択する。1以上のレジメンをコホートの拡大のために選択することができる。SRCは、試験中に定期的に安全性データを審査し続け、適宜、試験の継続及び用量の修正に関する勧告を行うものとする。
化合物A及び化合物AAの濃度-時間プロファイルは、単剤としての治験薬の投与後及び併用治療後に採取した連続的血液試料から測定するものとする。
化合物AのPKに対する化合物AAの影響を評価するものとする。化合物A及び化合物AAの全身曝露を安全性、PD及び活性アウトカムと相関させるものとする。
その開示がそれらの全体として引用により本明細書に組み込まれている、多くの参考文献を引用した。本明細書で開示した実施態様は、開示した実施態様の少数の態様の例示として意図される実施例に開示する特定の実施態様によって範囲が制限されるものではなく、機能的に等価であるあらゆる実施態様は、本開示により包含される。実際、本明細書で開示した実施態様の様々な修正は、本明細書で示し、記述したものに加えて、当業者に明らかになるものであり、添付の特許請求の範囲に入るものとする。