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JP2016508718A - Nadph依存性酵素を含む組み換え型の微生物及びそれの生成方法 - Google Patents

Nadph依存性酵素を含む組み換え型の微生物及びそれの生成方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、親の微生物に対してNADPHの全体的な利用が増加した組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物を提供する。更に、本発明は、親の微生物に対して増加されたNADPHの利用を呈する組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物を生成する方法を提供する。特に、本発明は、微生物による少なくとも1つの発酵生成物の生成を増加するために、組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物におけるNADPHの全体的な利用の増加に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、発酵によって所望の化合物の生成を最適化する酵素を選択する方法に関する。より詳細には、排他的にではないが、本発明は、発酵経路における共同因子の均衡及び代謝工学技術に関する。
還元当量、例えばニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)やニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)などは、酵素による酸化還元反応、例えばオキシドレダクターゼ反応などのための重要な補酵素であり、全ての生細胞において見つけられる。一般に、NADPHプールは、NADHのプールよりもかなり小さいことが認められる(G.N.Bennett&San、2009)。ブドウ糖上で成長される大腸菌(E.coil)において、NADHのプールは、NADPHプールよりも20倍以上大きい(B.D.Bennett et al、2009)。この低いNADPH利用可能性は、特に発酵プロセスにおいて、多くの生合成反応及び生物学的変換を制限する(R Poulsen et al、2005)。NADPHについての酵素の好みは、所望の生成物の生成を制限し得る(G.N.Bennett&San、2009)。これは、新しい反応や経路を微生物の中に工学操作するときに問題であり、バイオ燃料、化学物質、アミノ酸またはビタミンを含む化合物の効率的な生成プラットフォームの発生に対する大きな障害の1つである(Chemler、Fowler、McHugh、&Koffas、2010)。
それにもかかわらず、代謝工学技術は、可能であれば、NADPH依存性反応を制限すること、回避することまたはバイパスすることによる広範囲の燃料及び化学物質の生成について成功裏に実証されている(Peralta−Yahya&Keasling、2010)。あるいは、エネルギーを消費するトランスヒドロゲナーゼが使用されており、それは、NADHプールとNADPHプールとの間で相互変換する。成功した代謝工学技術を実現するための別の戦略は、競合するNADPH依存性反応の排除である。これらの進歩にもかかわらず、そのような新規な戦略は、生産歩留り及び/または成長率を犠牲にして追求されることが多い(Auriol、Bestel−Corre、Claude、Soucaille、&Meynial−Salles、2011)。更に、それらは、複数の修正を用いる広範囲にわたる工学技術作業によってのみ可能になる(S.M.Ma et al、2011)。それ故、これらの努力は、例えば大腸菌や出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)などのような、遺伝子的に扱い易い生物だけに制限されている(Peralta−Yahya&Keasling、2010)。これらの生物は、それらが糖だけを常食とするように制限される。したがって、それらの商業上の使用及び実現可能性は、土地利用、食料安全保障、供給の不安定さ及び環境問題をめぐるかなりの欠点に悩まされる。
カルボキシド栄養性(Carboxydotrophic)クロストリジウムは、大腸菌及び出芽酵母に代わるものを提供して、廃棄ガスや合成ガス上で成長することができる。限られた数の修正を有する組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウムのいくつかの例がある(Schiel−Bengelsdorf&Durre、2012)。全ての既知の例は、NADH依存性反応を使用する。
発明の目的は、先行技術の欠点の1つ以上を克服するか改善すること、または、少なくとも、有用な選択肢を社会に提供することである。
第1の態様において、発明は、1つ以上の外因性NADPH依存性酵素を発現するように適合された、及び/または1つ以上の内因性NADPH依存性酵素を過剰発現するように適合された、組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物を提供するものであり、酵素は、外因性酵素が発現されるときに、及び/または内因性酵素が過剰発現されるときに、微生物によるNADPHの全体的な利用が、親の微生物に対して増加されるように選択される。
第2の態様において、発明は、親の微生物に対して増加されたNADPHの利用を呈する組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物を生成する方法であって、
a.1つ以上の外因性及び/または内因性NADPH依存性酵素を選択することと、
b.親の微生物を転換して、1つ以上のNADPH依存性外因性酵素を発現する、及び/または1つ以上のNADPH依存性内因性酵素を過剰発現するように適合された組み換え型の微生物を生じることと、を含む、方法を提供する。微生物におけるNADPH依存性酵素の任意の1つ以上の発現または過剰発現は、親の微生物に対してNADPHの利用における全体的な増加を結果としてもたらす。
発明はまた、第2の態様の方法によって作製される組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウムを提供する。
第1または第2の態様の特定の実施形態において、1つ以上のNADPH依存性酵素が、ヒドロゲナーゼ(例えば、Seq.ID(配列番号)6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、YP_003781016、YP_003781017、YP_003778879、YP_003779640、YP_003779893、YP_003780193もしくはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(例えば、AEI90721、AEI90723、AEI90725、YP_003779063、YP_003778871、YP_003780168、AEI90722、AEI90724、AEI90726もしくはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)またはメチレン−THF−デヒドロゲナーゼ(例えば、AEI90753、YP_003781891、AEI90771もしくはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)を含む。
第1または第2の態様の特定の実施形態において、1つ以上のNADPH依存性酵素が、NADH及びNADPH依存性アイソフォームで存在しており、組み換え型の微生物が、NADPH依存性アイソフォームを発現する及び/または過剰発現するように適合される。
特定の実施形態において、微生物は、NADPH依存性アイソフォームを発現する及び/または過剰発現するように適合される一方、対応するNADH依存性アイソフォームの発現は、NADPH依存性アイソフォームの発現における変化と比較されるときに、実質的に変化しない、減る、または比較的小さな増加を呈する。1つの特定の実施形態において、微生物は、1つ以上のNADH依存性アイソフォームの発現が、親の微生物と比較して弱化されるか無力化されるように適合される。一実施形態において、その発現は、1つ以上のNADH依存性酵素をコード化する核酸を修正することによって、あるいはNADH依存性アイソフォームをコード化する1つ以上の核酸を、NADPH依存性アイソフォームをコード化する1つ以上の核酸と置き換えることによって、弱化されるか無力化される。
第1または第2の態様の特定の実施形態において、NADPHの全体的な利用における増加は、経路であって、それにおいて1つ以上のNADPH依存性酵素が活性である、経路を通るNADPH流動における増加を含む。特定の実施形態において、流動は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも100%だけ増加される。経路を通る流動は、代謝物及び生成物のレベル(メタボロミクス)(Patti、Yanes、&Siuzdak、2012)ならびに/またはC13として標識付ける実験(フラクソミクス)(Niittylae、Chaudhuri、Sauer、&Frommer、2009、Tang et al、日付不明)によって測定され得る。
第1または第2の態様の1つの特定の実施形態において、NADPHの全体的な利用における増加は、使用中に、微生物による1つ以上の生成物の生成の効率における増加を結果としてもたらす。
1つの特定の実施形態において、NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している1つ以上の酵素は、ヒドロキシメチルグルタリル−CoA(HMG−CoA)レダクターゼであり、NADPH依存性アイソフォーム(EC1.1.1.34、GO:0004420、例えば、出芽酵母:DAA09822.1、BK006946.2:115734..118898またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)及びNADH依存性アイソフォーム(EC1.1.1.88、GO:0042282、例えば、シュードモナス・メバロニイ(Pseudomonas mevalonii):P13702.1またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)を含む。
1つの特定の実施形態において、NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している1つ以上の酵素は、ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ/アセトアセチル−CoAレダクターゼ/3−ヒドロキシブチリル−CoAヒドラターゼであり、NADPH依存性アイソフォームphaB(EC:1.1.1.36、GO:0018454、例えば、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha):YP_725942.1、遺伝子ID:4249784から、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)、NADPH依存性phaJ(EC4.2.1.119、例えば、アエロモナス・プンクタタ(Aeromonas punctata):BAA21816.1から)ならびに対応するNADH依存性アイソフォームhbd(EC1.1.1.157、GO:0008691、例えば、C.アセトブチリクム(acetobutylicum):NP_349314.1、遺伝子ID:1118891から、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)を含む。
1つの特定の実施形態において、NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している1つ以上の酵素は、クロトニル−CoAレダクターゼ/トランス−2−エノイル−CoAレダクターゼ/ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼであり、NADPH依存性アイソフォームccr(EC1.3.1.86、例えば、ストレプトマイセス・コリナス(Streptomyces collinus)から、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)あるいはccrRs(EC1.3.1.85、例えば、ロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides):YP_354044.1、遺伝子ID:3720751から)ならびに対応するNADH依存性アイソフォームter(EC1.3.1.44、GO:0050343、例えば、トレポネーマ・デンティコラ(Treponema denticola)から、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)を含む。
更なる実施形態において、酵素は、NADH及びNADPH依存性アイソフォームで存在しており、また、複数の共同因子依存性を呈する。第2の態様の一実施形態において、複数の共同因子依存性を呈する酵素は、NADH/フェレドキシン分岐酵素またはNADH/NADPH共依存性酵素を含み得る。特定の実施形態において、酵素は、NADH/NADPH分岐アイソフォーム及びNADH/フェレドキシン分岐アイソフォームで存在しており、微生物は、NADH/NADPH依存性アイソフォームを発現する及び/または過剰発現するように適合される。特定の実施形態において、NADH/NADPH依存性アイソフォームは、ter(EC1.3.1.44、GO:0050343、例えば、ユーグレナ・グラシリス(ミドリムシ):AY741582.1から、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)である。更なる実施形態において、NADH/Fd依存性アイソフォームは、NADH/フェレドキシン分岐bcd−etfAB複合体(EC1.3.8.1、GO:0004085、例えば、C.アセトブチリクム:NP_349317.1、遺伝子ID:1118894から、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体)である。
第1または第2の態様の特定の実施形態において、組み換え型の微生物は、1つ以上のNADH依存性酵素の弱化された発現を呈する。この実施形態において、親の微生物における酵素のNADH依存性アイソフォームは、組み換え型の微生物における酵素のNADPH依存性アイソフォームによって置き換えられている可能性がある。
第1または第2の態様の特定の実施形態において、微生物は、親の微生物と比較されるときに、発酵反応の間に増加された効率を呈する。
第1または第2の態様の1つの特定の実施形態において、親の微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナム(Clostridium autoethanogenum)、クロストリジウム・リュングダリイ(Clostridium ljungdahlii)、クロストリジウム・ラグスダレイ(Clostridium ragsdalei)、クロストリジウム・カルボキシジボランス(Clostridium carboxidivorans)、クロストリジウム・ドラケイ(Clostridium drakei)、クロストリジウム・スカトロゲネス(Clostridium scatologenes)、クロストリジウム・アセチクム(Clostridium aceticum)、クロストリジウム・フォルミコアセチクム(Clostridium formicoaceticum)、クロストリジウム・マグナム(Clostridium magnum)を含むカルボキシド栄養性クロストリジウムの群から選択される。
第1または第2の態様の一実施形態において、親の微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナムまたはクロストリジウム・リュングダリイである。1つの特定の実施形態において、微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナムDSM23693、DSM10061株の誘導体である。別の特定の実施形態において、微生物は、クロストリジウム・リュングダリイDSM13528(またはATCC55383)である。
第1の態様の更なる実施形態において、1つ以上のNADPH依存性酵素が、それのNADH共同因子特異性に対して、それのNADPH共同因子特異性を増加するように修正される。
第2の態様の更なる実施形態において、方法は、(複数の)酵素のNADH共同因子特異性に対して1つ以上のNADPH依存性酵素のNADPH共同因子特異性を増加するステップを更に含む。一実施形態において、これは、1つ以上のNADPH依存性酵素をコード化する1つ以上の核酸を修正することを含む。
特定の実施形態において、1つ以上の酵素であって、それにおいてNADPH共同因子特異性が増加される、1つ以上の酵素が、好ましくは、クロトニル−CoAレダクターゼ/トランス−2−エノイル−CoAレダクターゼ/ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼからなる群から選択される、オキシドレダクターゼ酵素である。
特定の実施形態において、1つ以上の外因性または内因性酵素が、本明細書に記載されるような、分岐NADP鉄のみの(Fe−only)ヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体、あるいはそれらの機能的等価変異体を含む。
更なる実施形態において、発明は、本明細書に記載された態様のいずれかに記載されるような1つ以上の修正を有する第1の態様に係る組み換え型の微生物を提供する。
更なる実施形態において、発明は、本明細書に記載された態様のいずれかに記載されるような1つ以上の修正を有する第2の態様に係る組み換え型の微生物を生成する方法を提供する。
第3の態様において、発明は、1つ以上の発酵生成物を生成する方法であって、その方法が、カルボキシド栄養性微生物の存在下でCOを含む基質を嫌気的に発酵させることを含み、カルボキシド栄養性微生物が、第1の態様に記載されるようなまたは第2の態様によって生成されるような組み換え型の微生物である、方法を提供する。
特定の実施形態において、1つ以上の発酵生成物が、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、高級アルコール、ブタンジオール、コハク酸塩、イソプレノイド、脂肪酸及び/または生体高分子を含む。
特定の実施形態において、COを含む基質が、COを含むガス状基質である。一実施形態において、基質が、産業廃棄ガスを含む。一定の実施形態において、ガスが、製鋼所の廃棄ガスまたは合成ガスである。
一実施形態において、基質は、典型的には、COの大きな比率、例えば、容量で少なくとも約20%から約100%のCO、容量で20%から70%のCO、容量で30%から60%のCO、及び容量で40%から55%のCOなど、を含有することになる。特定の実施形態において、基質は、容量で約25%、または約30%、または約35%、または約40%、または約45%、または約50%のCO、または約55%のCO、または約60%のCOを含む。
第4の態様において、発明は、反応において複数の共同因子を利用する目的で、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体あるいはそれらの機能的等価変異体の使用を提供する。好ましくは、複数の共同因子が、フェレドキシン及びNADPHを含む。
特定の実施形態において、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼが、AEI90721、YP_003778871、AEI90722、及びそれらの任意の1つ以上の機能的等価変異体からなる群から選択される。
特定の実施形態において、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼが、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:26及びYP_003778879、ならびにそれらの任意の1つ以上の機能的等価変異体からなる群から選択される。
特定の実施形態において、分岐ギ酸水素リアーゼ複合体は、SEQ ID NO:65から67まで、またはそれらの機能的等価変異体のいずれか1つによってコード化される。
第5の態様において、発明は、組み換え型の微生物であって、微生物が、反応において複数の共同因子を利用するように適合されるように、微生物は、外因性分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体を発現するように、ならびに/あるいは内因性分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体を過剰発現するように適合された、組み換え型の微生物を提供する。
第6の態様において、発明は、反応において複数の共同因子を利用し得る組み換え型の微生物を作製する方法であって、少なくとも、
a)1つ以上の分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体を選択するステップと、
b)親の微生物を転換して、反応において複数の共同因子を利用するように適合される組み換え型の微生物を生じるステップと、を含む、方法を提供する。
第5または第6の態様の一実施形態において、複数の共同因子が、フェレドキシン及びNADPHを含む。
第5または第6の態様の一実施形態において、親の微生物は、カルボキシド栄養性クロストリジウムである。一実施形態において、親の微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・カルボキシジボランス、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・アセチクム、クロストリジウム・フォルミコアセチクム、クロストリジウム・マグナムを含むカルボキシド栄養性クロストリジウムの群から選択される。一実施形態において、親の微生物はクロストリジウム・オートエタノゲナムまたはクロストリジウム・リュングダリイである。1つの特定の実施形態において、微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナムDSM23693、DSM10061株の誘導体である。別の特定の実施形態において、微生物は、クロストリジウム・リュングダリイDSM13528(またはATCC55383)である。
第5または第6の態様の一実施形態において、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼは、AEI90721、YP_003778871、AEI90722、及びそれらの任意の1つ以上の機能的等価変異体からなる群から選択される。
第5または第6の態様の一実施形態において、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼが、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:26及びYP_003778879、ならびにそれらの任意の1つ以上の機能的等価変異体からなる群から選択される。
第5または第6の態様の一実施形態において、分岐ギ酸水素リアーゼ複合体は、SEQ ID NO:65から67まで、またはそれらの機能的等価変異体によってコード化される。
第5または第6の態様の特定の実施形態において、親の微生物は、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体をコード化する1つ以上の外因性ポリヌクレオチドで転換される。1つの特定の実施形態において、親の微生物は、HQ876015、CLJU_c06990、AEI90722、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:25、CLJU_c07070、SEQ ID NO:SEQ ID NO:65から67まで、及びそれらの任意の1つ以上の機能的等価変異体からなる群から選択された1つ以上の外因性ポリヌクレオチドで転換される。
関連した態様において、発明は、反応において複数の共同因子を利用する目的で、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体を含む組み換え型の微生物の使用を提供する。好ましくは、複数の共同因子が、フェレドキシン及びNADPHを含む。一実施形態において、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体は、第4の態様において記載されたようなものである。
第7の態様において、発明は、反応の効率を増す方法であって、その方法が、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/もしくはギ酸水素リアーゼ複合体、ならびに/またはそれらと同じものをコード化するポリヌクレオチド、ならびに/あるいはそれらと同じものを発現する及び/または過剰発現するように適合された組み換え型の微生物の使用を含む、方法を提供する。特定の実施形態において、反応は、COを含む基質の発酵である。効率は、NADPHのみではなくて、フェレドキシンとNADPHの両方を利用する分岐酵素に起因して、増される。理論によって縛られることを望まずに、発明者らは、フェレドキシンのより負の酸化還元電位(E’=−410mV)をNAD(P)H(E’=−320mV)に結合することは、より大きなエネルギーの電位を提供して、更なる発エルゴン反応を推進して、したがって、反応速度及びCO基質処理量を増加することを信じている。
特定の実施形態において、第7の態様の分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及び/またはギ酸水素リアーゼ複合体は、第4の態様に記載されたようなものである。
第8の態様において、発明は、NADHをNADPHに変換するための組み換え型の微生物の使用を提供するものであり、組み換え型の微生物は、単一のNADH依存性還元型フェレドキシン:NADP+オキシドレダクターゼ(Nfn)酵素を発現する及び/または過剰発現するように適合される。特定の実施形態において、Nfn酵素が、SEQ_ID No.2、4、YP_003781852.1、CLJU_c37240のアミノ酸配列、または少なくとも76%、80%、85%、90%、95%、もしくは99%の配列同一性を有するそれらのいずれか1つの機能的等価変異体を含む。Nfn酵素は、NADHをNADPHに変換して、したがって、NADH及びNADPH依存性酵素の存在下で発現されるときに、酵素効率が増されて、NADPHの高速反応速度と高速再生速度を導く。
特定の実施形態において、微生物は、カルボキシド栄養性クロストリジウム微生物を含む。更なる実施形態において、微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイを含むカルボキシド栄養性クロストリジウムの群から選択される。
更なる実施形態において、発明は、第8の態様に記載されるような使用を提供するものであり、組み換え型の微生物が、第5の態様に記載されたような1つ以上の修正を含む。
第9の態様において、発明は、NADHをNADPHに変換するためのポリペプチドの使用を提供するものであり、ポリペプチドが、SEQ ID NO:2、4、YP_003781852.1、CLJU_c37240に従う単一のNADH依存性還元型フェレドキシン:NADP+オキシドレダクターゼ(Nfn)酵素、または少なくとも76%、80%、85%、90%、95%、もしくは99%の配列同一性を有するそれらの機能的等価変異体を含む。
特定の実施形態において、第8または第9の態様の単一のNfn酵素が、ポリヌクレオチドSEQ ID NO:1、3によってコード化されて、その配列は、YP_003781852.1またはCLJU_c37240、あるいは少なくとも83%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有するそれらの機能的等価変異体をコード化する。
第10の態様において、発明は、SEQ_ID NO.1または3に係るポリヌクレオチドを提供する。
第11の態様において、発明は、SEQ_ID NO.2または4に係るポリペプチドを提供する。
第12の態様において、発明は、第10の態様に係るポリヌクレオチド、または第11の態様に係るポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
第13の態様において、発明は、第10の態様に係るポリヌクレオチド、または第11の態様に係るポリペプチドを発現するように適合された組み換え型の微生物を提供する。
本発明はまた、出願の明細書において参照されたか示された部分、要素及び特徴に、その部分、要素もしくは特徴のうちの2つ以上のいずれかまたは全ての組み合わせにおいて、個別的にあるいは集合的にあることが広く言えるであろうし、ここで、特定の整数が本明細書において述べられ、それは、本発明が関連する分野における既知の均等物を有しており、そのような既知の均等物は、個別に説明されるかのように、本明細書に組み込まれるようにみなされる。
本発明の実施形態は、添付の図面を参照にして、ほんの一例として、次に記載されることになる。
それらの共同因子特異性を決定するためのWood−Ljungdahl経路に関わるオキシドレダクターゼステップについての酵素測定の結果を示す。 共同因子の使用に関して(例えば、大腸菌における)糖分解と、カルボキシド栄養性クロストリジウム(例えば、C.オートエタノゲナム)におけるWood−Ljungdahl経路による自己栄養成長との差を示す。 ギ酸水素リアーゼ複合体を形成することができるギ酸デヒドロゲナーゼ及びヒドロゲナーゼ遺伝子の構成を示す。 qRT−PCR遺伝子発現結果の分布を示しており、自己栄養成長の間に大いに発現されたNADPH依存性反応を強調している。 C.オートエタノゲナムの第2級アルコールデヒドロゲナーゼならびに基質としてアセトン及び共同因子としてNADPHまたはNADHのいずれかを用いる酵素測定の結果を示す。活性は、NADHではなくて、NADPHのみを用いて測定されて、この酵素が厳密にNADPH依存性であることを実証している。 高い率でのNADPH依存性第2級アルコールデヒドロゲナーゼ酵素によるアセトンのイソプロパノールへの連続的な変換を示す。アセトンが、バイオリアクタへの導入の直後にイソプロパノールに変換されることが見られ得る。20g/Lの高濃度でさえも、培養物が全てのアセトンをイソプロパノールに変換して、NADPHプールが高い率でさえもこれを持続するのに十分であることを実証している。 新規な電子−分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ/NADPギ酸デヒドロゲナーゼ/ギ酸水素リアーゼ複合体によるCO上の成長の間にNADPH推進型生成物の形成を示す。 ブタノール生合成のための完全なNADPH依存性経路を示す。各ステップは、イタリック体で注釈を付けられた遺伝子にコード化される酵素によって触媒される。 C.オートエタノゲナムNADPH及びNADHレベルの分析を示す。
用語「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」(NADH)は、NAD+(酸化型)とNADH+H+(還元型)の両方の酸化還元対のことを言い得る。
用語「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸」(NADPH)は、NADP+(酸化型)とNADPH+H+(還元型)の両方の酸化還元対のことを言い得る。
本明細書において呼ばれる際、「NADPH依存性酵素」は、主に(必ずしも排他的にではないが)共同因子としてNADPHを使用して、反応するための電子を供給する。同様に、NADH依存性酵素は、主に(必ずしも排他的にではないが)共同因子としてNADHを使用して、反応するための電子を供給する。また、いくつかの酵素が、NADPH及びNADHを利用できることと、二機能性NAD(P)H依存性酵素として呼ばれ得ることとは、当業者によって理解されるであろう。
本明細書において呼ばれる際、言い回し「微生物によるNADPHの全体的な利用が増加される」、または同様のものは、特定の期間に酵素に結合するNADPH共同因子の量における増加のことを言う。特定の実施形態において、増加は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、または少なくとも100%のものである。この増加は、実施例3において使用される方法、または当分野において既知の他の方法、例えば(S.Wang、Huang、Moll、&Thauer、2010)に従って測定され得る。その言い回しはまた、経路を通るNADPH流動における増加があり、その増加が上記したものと同じ量のものであることを意味するように解釈され得る。NADPH流動は、代謝物と生成物のレベル(メタボロミクス)及び/またはC13として標識付ける実験(フラクソミクス)によって測定され得る。
本明細書において使用される際、「共同因子特異性」は、親和性の度合いであって、それをもって共同因子が反応の間に酵素に結合する、親和性の度合いのことを言う。酵素及び共同因子が絶対的な特異性を有することを意味するように取られるべきではないが、これは、あり得るかもしれず、また、特定の酵素と、別の共同因子を超える1つの共同因子との間の結合についての好みを少なくとも含む。
本明細書において呼ばれる際、酵素の「アイソフォーム」は、同じ反応を触媒して、全く同じではないが類似のアミノ酸配列を有することができる2つ以上の機能的に類似のタンパク質のいずれかである。
本明細書において呼ばれる際、「分岐酵素」は、複数の共同因子を利用することができる酵素であり、ここで、触媒され得ない反応を触媒する共役反応において、一方の共同因子が、より低い反応電位(例えばフェレドキシンなど)を有して、もう一方が、より高い反応電位(例えばNADHもしくはNADPHなど)を有しており、あるいは、ここで、反応は、より高い反応電位(例えばNADHまたはNADPHなど)を有する共同因子だけによって、より低いレートで進むことになる。一実施形態において、分岐酵素は、複数の共同因子を利用し得、反応のレートを増加する。分岐酵素は、複合体、例えば本明細書に記載されたギ酸水素リアーゼ複合体などであり得る。
用語「ように適合される」は、本発明の組み換え型の微生物を記載するように本明細書において使用され得、例えば、微生物は、特定の酵素を表現する「ように適合される」。酵素の発現に関して使用されるとき、用語は、酵素が連続的に発現されることを暗示せず、酵素が発現され得、そのような発現が、構成性であり得るか誘発され得る状況を包含することが意図される。
本明細書において呼ばれる際、「発酵培養液」は、少なくとも栄養培地及び細菌細胞を含む培養培地である。
用語「効率を増す」、「増された効率」及び同様のものは、発酵プロセスに関して使用されるときに、限定されるものではないが、発酵を触媒する微生物の成長のレート、上昇した生成物濃度における成長及び/または生成物の生成、消費される基質の量当たりに生成される所望の生成物の量、所望の生成物の生成のレートまたは生成のレベル、ならびに発酵の他の副産物と比較した生成される所望の生成物の相対比率のうちの1つ以上を増やすことを含む。
言い回し「一酸化炭素を含む基質」や類似の用語は、任意の基質であって、それにおいて一酸化炭素が、例えば、成長及び/または発酵のために細菌の1つ以上の株(strain)に利用可能である、任意の基質を含むことが理解されるべきである。
言い回し「一酸化炭素を含むガス状基質」及び類似の言い回しや用語は、あるレベルの一酸化炭素を含有する任意のガスを含む。一定の実施形態において、基質は、容量で少なくとも約20%から約100%までのCO、容量で20%から70%までのCO、容量で30%から60%までのCO、及び容量で40%から55%までのCOを含有する。特定の実施形態において、基質は、容量で約25%、または約30%、または約35%、または約40%、または約45%、または約50%のCO、または約55%のCO、または約60%のCOを含む。
基質が水素を含有する必要はないが、Hの存在は、本発明の方法に従う生成物形成の害にならない方がよい。特定の実施形態において、水素の存在は、アルコール生成の全体的な効率の改善を結果としてもたらす。例えば、特定の実施形態において、基質は、H:COの約2:1、または1:1、または1:2の比率を含み得る。一実施形態において、基質は、容量で約30%以下のH、容量で20%以下のH、容量で約15%以下のHまたは容量で約10%以下のHを含む。他の実施形態において、基質の流れは、例えば、5%よりも少ない、または4%よりも少ない、または3%よりも少ない、または2%よりも少ない、または1%よりも少ない低濃度のHを含むか、あるいは実質的に水素がない。基質はまた、いくらかのCO、例えば、容量で約1%から約80%までのCO、または容量で1%から約30%までのCOなどを含有し得る。一実施形態において、基質は、容量で約20%以下のCOを含む。特定の実施形態において、基質は、容量で約15%以下のCO、容量で約10%以下のCO、容量で約5%以下のCOを含むか、あるいは実質的にCOを含まない。
後に続く記載において、本発明の実施形態は、「COを含有するガス状基質」を送り届けて発酵させる点で記載される。しかしながら、ガス状基質が代替の形態で提供されてもよいことが理解されるべきである。例えば、COを含有するガス状基質は、液体に溶解されて提供されてもよい。本質的に、液体は、ガスを含有する一酸化炭素で飽和されて、次いで、その液体は、バイオリアクタに追加される。これは、標準的な方法論を使用して実現され得る。例として、微小気泡分散発生器(Hensirisak et.al、Scale−up of microbubble dispersion generator for aerobic fermentation、Applied Biochemistry and Biotechnology Volume 101、Number3/10月、2002)が使用され得る。更なる例として、COを含有するガス状基質が、固形支持体の上に吸着され得る。そのような代替の方法は、用語「COを含有する基質」及び同様のものの使用によって包含される。
本発明の特定の実施形態において、COを含有するガス状基質は、産業排ガスまたは廃棄ガスである。「産業廃棄ガスまたは排ガス」は、産業プロセスによって生成されたCOを含む任意のガスを含むように、ならびに鉄系金属生成物製造、非鉄生成物製造、石油精製プロセス、石炭のガス化、バイオマスのガス化、電力生成、カーボンブラック生成、及びコークス製造の結果として生成されたガスを含むように、広くみなされるべきである。更なる例が、本明細書における他の場所に提供され得る。
文脈が他のことを要求する場合を除いて、言い回し「発酵すること」、「発酵プロセス」または「発酵反応」及び同様のものは、本明細書において使用される際、プロセスの成長段階と生成物生合成段階の両方を包含することが意図される。本明細書において更に記載されることになるように、いくつかの実施形態において、バイオリアクタは、第1の成長リアクタ及び第2の発酵リアクタを含み得る。そういうものとして、発酵反応に対する金属または組成物の追加は、これらのリアクタのいずれかまたは両方に対する追加を含むように理解されるべきである。
用語「バイオリアクタ」は、1つ以上の容器及び/または塔もしくは配管から成る発酵デバイスを含み、それは、連続式撹拌槽リアクタ(CSTR)、固定化細胞リアクタ(ICR)、トリクルベッドリアクタ(TBR)、気泡塔、ガスリフト発酵槽、静的ミキサー、あるいは気液接触に適した他の容器または他のデバイスを含む。いくつかの実施形態において、バイオリアクタは、第1の成長リアクタ及び第2の発酵リアクタを含み得る。そういうものとして、バイオリアクタまたは発酵反応に対する基質の追加を言うときに、それは、適切な場合には、これらのリアクタのいずれかまたは両方に対する追加を含むことが理解されるべきである。
本明細書において呼ばれる際、「シャトル(shuttle)微生物」は、微生物であって、それにおいてメチルトランスフェラーゼ酵素が発現され、目的微生物とは異なる微生物である。
本明細書において呼ばれる際、「目的微生物」は、微生物であって、それにおいて発現構築物/ベクター上に含まれる遺伝子が発現され、シャトル微生物とは異なる微生物である。
「外因性核酸」は、微生物の外側に起因する核酸であり、その微生物に対してそれらが導入される。外因性核酸は、任意の適切な源から得られ得、限定されるものではないが、微生物であって、その微生物に対してそれらが導入されることになる微生物(例えば、親の微生物であって、その親の微生物から組み換え型の微生物が得られる、親の微生物)、生物とは異なる微生物の株もしくは種であって、それに対してそれらが導入されることになるか、それらが人工的または組み換え式に生成され得る、株もしくは種を含む。一実施形態において、外因性核酸は、微生物内に自然に存在する核酸配列であって、その微生物に対してそれらが導入されることになり、ならびにそれらが(例えば、配列(例えば、遺伝子)のコピー数を増やすことによって、または強いもしくは構成性プロモーターを導入して発現を増やすことによって、)特定の遺伝子の発現または過剰発現を増やすように導入される、核酸配列を表わす。別の実施形態において、外因性核酸は、微生物内に自然に存在しない核酸配列であって、その微生物に対してそれらが導入されることになり、ならびに微生物内に自然に存在しない生成物の発現または(例えば、プロモーターなどのような調整要素の導入の場合において)微生物生まれの遺伝子の発現の増加を可能にさせる、核酸配列を表わす。外因性核酸は、微生物のゲノムであって、その微生物に対してそれが導入されることになるか染色体外の状態にとどまる、微生物のゲノムに組み込むように適合され得る。
「外因性」はまた、タンパク質を言うために使用され得る。これは、親の微生物において存在しないか発現されることができないタンパク質であって、その親の微生物から組み換え型の微生物が得られる、タンパク質のことを言う。
用語「内因性」は、組み換え型の微生物及び核酸に関して本明細書において使用される際、親の微生物において存在する任意の核酸であって、その親の微生物から組み換え型の微生物が得られる、核酸のことを言う。タンパク質を説明するために使用されるとき、「内因性」は、親の微生物において存在するか発現されることができる任意のタンパク質であって、その親の微生物から組み換え型の微生物が得られる、タンパク質のことを言うようにみなされるべきである。
(「デヒドロゲナーゼ」または「オキシダーゼ」としても知られる)「オキシドレダクターゼ」は、電子供与体とも呼ばれる、1つの分子−還元剤から、電子受容体とも呼ばれる、別の分子−酸化剤への電子の伝達を触媒する酵素を含む。オキシドレダクターゼは、酵素のEC番号分類においてEC1として分類される。酵素のこの群は、通常、共同因子、例えばNADH、NADPHまたはフェレドキシンなどを要求する。
酵素による「反応」は、本明細書において呼ばれる際、酵素によって触媒される別の1つ以上の分子(生成物)への1つ以上の分子(基質)の変換である。
本発明は、核酸であって、その核酸の配列が、それらが実質的に同じ機能を果たすという前提で、本明細書において具体的に例示される配列とは異なる、核酸を使用して実施され得ることが理解されるべきである。タンパク質またはペプチドをコード化する核酸配列の場合、これは、コード化されるタンパク質またはペプチドが実質的に同じ機能を有することを意味する。プロモーター配列を表わす核酸配列の場合、変異体配列は、1つ以上の遺伝子の発現を促進する能力を有することになる。そのような核酸は、本明細書において「機能的等価変異体」として呼ばれ得る。例として、核酸の機能的等価変異体は、対立遺伝子変異体、遺伝子の断片、突然変異(欠失、挿入、ヌクレオチド置換及び同様のもの)を含む遺伝子及び/または多形ならびに同様のものを含む。他の微生物からの相同遺伝子はまた、本明細書において具体的に例示された配列の機能的等価変異体の例として考えられ得る。これらは、例えば、クロストリジウム・アセトブチリクム、クロストリジウム・ベイジェリンキ(Clostridium beijerinckii)、C.リュングダリイなどの種における相同遺伝子を含み、それらの詳細は、例えばGenbankまたはNCBIなどのようなウェブサイト上で公的に利用可能である。言い回し「機能的等価変異体」はまた、核酸であって、その核酸の配列が特定の生物のためのコドン最適化の結果として変動する、核酸を含むようにみなされるべきである。文脈が他のことを要求する場合を除いて、本明細書における核酸の「機能的等価変異体」は、好ましくは、特定された核酸と少なくとも約70%、72%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の核酸配列同一性を有することになる。
また、本発明は、ポリペプチドであって、そのポリペプチドの配列が、本明細書において具体的に例示されたアミノ酸配列とは異なる、ポリペプチドを使用して実施され得ることも理解されるべきである。これらの変異体は、本明細書において「機能的等価変異体」として呼ばれ得る。文脈が他のことを要求する場合を除いて、タンパク質またはペプチドの機能的等価変異体は、特定されたタンパク質またはペプチドと少なくとも40%、50%、60%、70%、72%、75%、80%、85%、90%、95%もしくはそれ以上のアミノ酸同一性を共有するそれらのタンパク質またはペプチドを含み、興味のあるペプチドまたはタンパク質と実質的に同じ機能を有する。そのような変異体は、それらの範囲内にタンパク質またはペプチドの断片を含み、その断片が、ポリペプチドの切断形態を含み、欠失は、1から、5まで、10まで、15まで、20まで、25までのアミノ酸であり得、ポリペプチドの両端において残基1から25まで拡張し得、欠失は、その領域内の任意の長さのものであり得、あるいは内部位置にあり得る。本明細書における特定のポリペプチドの機能的等価変異体はまた、例えば、前の段落に例示されたように、細菌の他の種における相同遺伝子によって発現されたポリペプチドを含むようにみなされるべきである。
本明細書において使用される際、「実質的に同じ機能」は、核酸またはポリペプチドが、核酸またはポリペプチドであって、その内、それが変異体である、核酸またはポリペプチドの機能を果たすことができることを意味するように意図される。例えば、本発明の酵素の変異体は、その酵素と同じ反応を触媒することができることになる。しかしながら、変異体が、ポリペプチドまたは核酸であって、その内、それが変異体である、ポリペプチドまたは核酸と同じレベルの活性を有することを意味するようにみなされるべきではない。
機能的等価変異体が、当業者に知られた方法を使用して、核酸またはポリペプチドであって、その内、それが変異体である、核酸またはポリペプチドと実質的に同じ機能を有するかどうかを評価し得る。しかしながら、例として、ヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼまたはメチレン−THF−デヒドロゲナーゼの活性について試験するための測定が、(Huang、Wang、Moll、&Thauer、2012)に記載される。
本発明に関して使用されるとき、「過剰に発現」、「過剰発現」及び類似の用語や言い回しは、同じ条件下で親の微生物の(核酸を含む)タンパク質の発現レベルと比較して、(同じものをコード化する1つ以上の核酸の発現を含む)1つ以上のタンパク質の発現における任意の増加を含むように広くみなされるべきである。それは、タンパク質(または核酸)が、任意の特定のレベルで発現されることを意味するようにみなされるべきではない。
本明細書において呼ばれる際、「弱化された発現」は、親の微生物におけるそれの発現に対して減らされる核酸またはタンパク質の発現のことを言う。一実施形態において、弱化された発現は、実質的に発現がないこと(または実質的に「ゼロの」発現)を含み得る。これは、例えば、RNAサイレンシング、発現プロセスの修正(例えば、プロモーター機能の崩壊)、(1つ以上のヌクレオチドの欠失、追加及び置換を含む)核酸配列の変更または修正、あるいはゲノムから酵素をコード化する核酸の完全なまたは部分的な除去を含む、当業者に知られた任意の方法によって実現され得る。遺伝子が機能しないようにされる場合、それは、本明細書において「無力化する(knock−out)」または「無力化され(knocked out)」ているあるいは類似の用語として呼ばれ得る。
「親の微生物」は、本発明の組み換え型の微生物を生じさせるために使用される微生物である。親の微生物は、自然に発生するもの(すなわち、野生型の微生物)、または前に修正されているものの本発明の主題の酵素の1つ以上を発現しないか過剰発現しないものであり得る。したがって、本発明の組み換え型の微生物は、親の微生物において発現されていないか過剰発現されていない1つ以上の酵素を発現するか過剰発現するように修正される。
一実施形態において、微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・カルボキシジボランス、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・アセチクム、クロストリジウム・フォルミコアセチクム、クロストリジウム・マグナム、アセトバクテリウム・ウーディ(Acetobacterium woodii)、アルカリバクラム・バッチィ(Alkalibaculum bacchii)、ムーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、スポロミュサ・オヴァタ(Sporomusa ovate)、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム(Butyribacterium methylotrophicum)、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、ユーバクテリウム・リモーサム(Eubacterium limosum)、サーモアナエロバクター・キウヴィ(Thermoanaerobacter kiuvi)種を含む酢酸生成性カルボキシド栄養性生物の群から選択される。
これらのカルボキシド栄養性アセトゲンは、アセチル−CoA、アセテート及び他の生成物を形成する嫌気条件下でエネルギー源として、ガス状の1つの炭素(C1)源、例えば一酸化炭素(CO)ならびに一酸化炭素(CO)及び/または水素(H2)を有する二酸化炭素(CO2)などの上で化学自己栄養的に利用して成長するそれらの能力によって定義される。それらは、発酵の同じ形態、Wood−Ljungdahlまたは還元的なアセチル−CoA経路を共有しており、ならびに一酸化炭素デヒドロゲナーゼ(CODH)、ヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、ホルミル−テトラヒドロ葉酸シンテターゼ、メチレン−テトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ、ホルミル−テトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、メチレン−テトラヒドロ葉酸レダクターゼ、及び一酸化炭素デヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ(CODH/ACS)から成る酵素の組の存在によって定義されており、その組み合わせは、この種の細菌に特有であって固有である(Drake、Kusel、Matthies、Wood、&Ljungdahl、2006)。基質をバイオマス、二次代謝産物及びピルビン酸塩に変換する糖発酵細菌の化学従属栄養性の成長であって、そのバイオマス、二次代謝産物及びピルビン酸塩から生成物が(アセチル−CoAによってまたは直接的に)形成される成長とは対照的に、アセトゲン(acetogen)では、基質は、アセチル−CoAに直接的に導かれ、そのアセチル−CoAから生成物、バイオマス、及び二次代謝産物が形成される。
一実施形態において、微生物は、C.オートエタノゲナム、C.リュングダリイ、及び「C.ラグスダレイ」種ならびに関連した分離株を含むカルボキシド栄養性クロストリジウムのクラスターから選択される。これらは、限定されるものではないが、C.オートエタノゲナムJAI−1(DSM10061)(Abrini、Naveau、&Nyns、1994)、C.オートエタノゲナムLBS1560(DSM19630)(WO/2009/064200)、C.オートエタノゲナムLBS1561(DSM23693)、C.リュングダリイPETC(DSM13528=ATCC55383)(Tanner、Miller、&Yang、1993)、C.リュングダリイERI−2(ATCC55380)(米国特許第5,593,886号)、C.リュングダリイC−01(ATCC55988)(米国特許第6,368,819号)、C.リュングダリイO−52(ATCC55989)(米国特許第6,368,819号)、または「C.ラグスダレイP11」(ATCC BAA−622)(WO2008/028055)株、及び関連した分離株、例えば「C.コスカチィ(C.coskatii)」(米国特許第2011/0229947号)、「クロストリジウムsp.MT351」(Tyurin&Kiriukhin、2012)、「クロストリジウムsp.MT653」(Berzin、Kiriukhin、&Tyurin、2012a)、「クロストリジウムsp.MT683」(Berzin、2012)、「クロストリジウムsp.MT962」(Berzin、Kiriukhin、&Tyurin、2013)、「クロストリジウムsp.MT1121」(Berzin、Kiriukhin、&Tyurin、2012b)、「クロストリジウムsp.MT1230」(Kiriukhin&Tyurin、2013)、または「クロストリジウムsp.MT1962」(Berzin、Tyurin、&Kiriukhin、2013)など、及びそれらの突然変異株、例えばC.リュングダリイOTA−1(Tirado−Acevedo O.Production of Bioethanol from Synthesis Gas Using Clostridium ljungdahlii.PhD thesis、North Carolina State University、2010)または「クロストリジウムsp.MT896」(Berzin、Kiriukhin、&Tyurin、2012c)などを含む。
これらの株は、16S rRNA遺伝子レベル上で少なくとも99%の同一性を有するものの、DNA−DNA再結合やDNA指紋採取実験によって決定されるような(WO2008/028055、米国特許第2011/0229947号)異なる種である、クロストリジウム属のrRNAクラスターI内にサブクラスターを形成する(Collins et al、1994)。
このクラスターの株は、類似の遺伝子型と表現型の両方を有する、共通の特徴によって定義されており、それらは全て、エネルギー変換及び発酵性代謝の同じ形態を共有する。このクラスターの株は、シトクロムを欠いており、エネルギーをRnf複合体によって保存する。
このクラスターの全ての株は、約4.2MBpのゲノムサイズ(Kopke et al、2010)及び約32%モルのGC組成(Abrini et al、1994、Kopke et al、2010、Tanner et al、1993)(WO2008/028055、米国特許第2011/0229947号)、ならびにWood−Ljungdahl経路の酵素(一酸化炭素デヒドロゲナーゼ、ホルミル−テトラヒドロ葉酸シンテターゼ、メチレン−テトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ、ホルミル−テトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼ、メチレン−テトラヒドロ葉酸レダクターゼ、及び一酸化炭素デヒドロゲナーゼ/アセチル−CoAシンターゼ)、ヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、Rnf複合体(rnfCDGEAB)、ピルビン酸塩:フェレドキシンオキシドレダクターゼ、アルデヒド:フェレドキシンオキシドレダクターゼ(Kopke et al、2010、2011)についてコード化する保存された必須の重要な遺伝子オペロンを有する。ガスの取り込みに関与する、Wood−Ljungdahl経路遺伝子の構成や数は、核酸及びアミノ酸配列における差にもかかわらず、全種において同じであることが分かっている(Kopke et al、2011)。
株は全て、類似の形態やサイズを有しており(対数的に成長する細胞は、0.5〜0.7×3〜5μmの間にあり)、中温性(30〜37℃の間の最適の成長温度)であり、厳密に嫌気性生物である(Abrini et al、1994、Tanner et al、1993)(WO2008/028055)。その上、それらは全て、同じ主要な系統発生的形質、例えば同じpH範囲(最適の最初のpHが5.5〜6で、pH4〜7.5)など、類似の成長率を有するCO含有ガス上の強い自己栄養成長、ならびに一定の条件下で形成された少量の2,3−ブタンジオール及び乳酸を伴う、主な発酵最終生成物としてエタノールと酢酸を有する代謝プロファイル(Abrini et al、1994、Kopke et al、2011、Tanner et al、1993)を共有する(WO 様々な糖(例えば、ラムノース、アラビノース)、酸(例えば、グルコン酸塩、クエン酸塩)、アミノ酸(例えば、アルギニン、ヒスチジン)、または他の基質(例えば、ベタイン、ブタノール)の基質利用において区別する。それらの種のうちのいくつかは、一定のビタミン(例えば、チアミン、ビオチン)に対する栄養要求体であることが発見された一方、他は発見されていない。それらの対応するアルコールへのカルボキシル酸の還元は、これらの生物の範囲において示されている(Perez、Richter、Loftus、&Angenent、2012)。
したがって、記載された形質は、C.オートエタノゲナムまたはC.リュングダリイのような1つの生物に特異的ではなくて、むしろ、カルボキシド栄養性の、エタノール合成クロストリジウムのための一般的な形質に特異的である。それ故、本発明は、これらの株にわたって作用することが期待され得るが、能力における差があり得る。
一定の実施形態において、親の微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、及びクロストリジウム・ラグスダレイを含む群から選択される。一実施形態において、その群はまた、クロストリジウム・コスカティを含む。1つの特定の実施形態において、親の微生物は、クロストリジウム・オートエタノゲナムDSM23693である。
用語、核酸「構築物」または「ベクター」及び類似の用語は、遺伝物質を細胞に伝達する媒体としての使用に適した任意の(DNAとRNAを含む)核酸を含むように広くみなされるべきである。それらの用語は、プラスミド、(バクテリオファージを含む)ウィルス、コスミド及び人工染色体を含むようにみなされるべきであり、例えば、構築物またはベクターは、1つ以上の調整要素、複製の元、マルチクローニングサイト及び/または選択可能なマーカーを含み得る。1つの特定の実施形態において、構築物またはベクターは、構築物またはベクターによってコード化される1つ以上の遺伝子の発現を可能にするように適合される。核酸構築物またはベクターは、細胞に送り届けることを容易にする裸の(naked)核酸ならびに1つ以上の作用物質で構築される核酸(例えば、リポソーム抱合核酸、生物であって、その中に核酸が含まれる、生物)を含む。
廃棄ガスや合成ガス上で成長するカルボキシド栄養性クロストリジウムの全ての既知の例は、NADH依存性反応を使用する。酸化還元対NADPH+H/NADPは、NADH+H+/NAD+酸化還元対より負の酸化還元電位を有する(Auriol et al、2011)。生体内の条件下において、NAD+/NADH対の酸化還元電位E´は、約−280mV(Eo´=−320mV)であるのに対して、NADP+/NADPH対のE´は、約−360mV(Eo´=−320mV)である。発明者らは、驚いたことには、CO、CO、及びHガスの取り込みや利用のための自己栄養成長に関わる多数の酵素(例えば、ヒドロゲナーゼ酵素及びWood−Ljungdahl経路酵素)は、NADHを超えてNADPHの利用の方に明確な偏りを示すことを発見した。これは、例えば、大部分の細菌性のプロセスのためのモデルとして機能するとともに完全にNADHに偏った大腸菌などの細菌を利用する糖の糖分解とは完全に対照的である。これらの大腸菌をベースとした反応は、NADPH依存性反応ステップを含まないものの、いくつかのNADH依存性ステップ(グルコース+2NAD++2ADP+2Pi−>2ピルビン酸塩+2NADH+2H++2ATP+2H2O、図2)を含む。
大腸菌におけるNADPH依存性反応は、NADPHプールを急速に使い果たして、細胞成長の阻害や死に導くことが示されている。大腸菌におけるNADPH容量のこの欠如は、NADPH依存性を減らすことを試みる先行研究につながっており、したがって、その研究は、NADPH利用の増加が発酵反応において望まれないであろうことを提案する。したがって、発明者らにとって、本明細書において参照されるカルボキシド栄養性クロストリジウムは、進行するNADPH依存性反応のための比較的大きな容量を有することを発見することは驚きであった。
発明者らは、NADPH依存性酵素によるバイオリアクタ内のアセトンの変換を監視する実験によって、カルボキシド栄養性クロストリジウム微生物において比較的大きな容量のNADPHプールを実証した(例3を参照)。したがって、発明者らは、NADHを超えるNADPHの使用は、発酵プロセスにおいて酵素による反応を推進するのに好ましいことを示した。
それ故、NADH依存性反応を使用して、NADPH依存性反応をバイパスする(それは、生産歩留りの低下を結果としてもたらして、広範囲にわたる修正を要求する)大腸菌のための既存の戦略は、カルボキシド栄養性クロストリジウムにおいて生産的ではない。本明細書に記載されるような発明は、カルボキシド栄養性クロストリジウムにおいてNADPH依存性反応について優先的に選択することによってこれを克服する戦略を提供して、代謝工学技術のための最大の生産歩留りを実現する。NADPH依存性反応の容量や電位は、実施例3ならびに大腸菌を利用する糖に対する差に示される。同様に、この戦略は、非相同経路に適用され得、最大の生産歩留りや流動を実現する。
更に、発明者らは、NADPH依存性反応が、カルボキシド栄養性微生物において急増することを特定した。これは、NADPHプールを使用する酵素と遺伝子を特定して特徴付けるための選択技法の開発を可能にする。これらの技法に従って選択された酵素を発現するか過剰発現することができる組み換え型の微生物が、カルボキシド栄養性微生物の効率を改善することと、それらの所望の生成物の生成を増加することとにおいて、実用性を有する。
例えば大腸菌などのような生物を利用する糖に関して先行技術によって教示されたものとは対照的に、発明者らは、NADPH依存性反応が、カルボキシド栄養性微生物を考慮するときに、望ましくない障害ではないことを考察する。発明者らは、実際、NADPHを利用する酵素が、それらが、NADHの存在下でそれらの活性と比較されるときに、それの存在下で増加された活性を有するので、肯定的に望ましいことを信じている。
NADPH依存性酵素が、所望の生成物の生成を推進するために使用され得るという発見は、発明者らに、これらの酵素を発現するか過剰発現することができる新規な組み換え型の微生物を工学操作させることを導いた。これらの組み換え型の微生物は、新規な経路が探究されることと、所望の生成物が生成されることと、を可能にする。特定の実施形態において、組み換え型の微生物は、カルボキシド栄養性微生物である。NADPH依存性酵素が回避されるかバイパスされるべきであることが以前考えられていたのに対して、発明者らは、驚いたことには、カルボキシド栄養性微生物におけるこれらの酵素の利用が、微生物の成長及び/または生成における減少をもたらさないことと、そのような酵素を回避する広範囲にわたる工学操作が必要ではないことと、を示した。
本発明の第1の態様に従って、1つ以上の外因性NADPH依存性酵素を発現するように適合された、及び/または1つ以上の内因性酵素を過剰発現するように適合された組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物が提供されており、酵素は、外因性酵素が発現されるときに、及び/または内因性酵素が過剰発現されるときに、微生物によるNADPHの全体的な利用が、親の微生物に対して増加されるように選択される。
更なる態様において、本発明はまた、親の微生物に対して増加されたNADPH利用を呈する組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物を生成する方法であって、
a.1つ以上の外因性及び/または内因性NADPH依存性酵素を選択することと、
b.親の微生物を転換して、1つ以上の外因性酵素を発現する、及び/または1つ以上の内因性酵素を過剰発現するように適合された組み換え型の微生物を生じることと、を含む方法を提供するものである。
微生物におけるNADPH依存性酵素の任意の1つ以上の発現または過剰発現は、微生物に対するNADPHの利用であって、それにおいて1つ以上の酵素が、発現されないか過剰発現されない、微生物に対するNADPHの利用における全体的な増加を結果としてもたらす。
1つ以上の酵素は、NADH及びNADPH依存性アイソフォームで存在し得る。特定の実施形態において、組み換え型の微生物は、NADPH依存性アイソフォームを発現する及び/または過剰発現するように適合される。本発明の方法は、NADPH及びNADHの利用が類似の範囲内にある特定の実用性のものであり、すなわち、共同因子を利用するアイソフォームの活性が、それがNADH共同因子に結合するときに、それがNADPH共同因子に結合するときのアイソフォームの活性に類似する。
特定の実施形態において、1つ以上のNADPH依存性酵素が、(例えば、Seq.ID6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、YP_003781016、YP_003781017、YP_003778879、YP_003779640、YP_003779893、YP_003780193に従う、アミノ酸配列、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体を有する)ヒドロゲナーゼ、(例えば、AEI90721、AEI90723、AEI90725、YP_003779063、YP_003778871、YP_003780168、AEI90722、AEI90724、AEI90726のアミノ酸配列、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体を有する)ギ酸デヒドロゲナーゼ、あるいは(例えば、AEI90753、YP_003781891、AEI90771のアミノ酸配列、またはそれらの機能的等価変異体を有する)メチレン−THF−デヒドロゲナーゼを含む。
本発明の特定の実施形態において、NADPH及びNADH依存性反応の選択肢が存在する。本発明は、親の微生物におけるNADPH利用に対してNADPHの全体的な利用を増加させる手段として、NADH依存性アイソフォームと比較してNADPH依存性アイソフォームを優先的に使用する組み換え型の微生物及び方法を提供する。そのような経路及びオキシドレダクターゼ反応の例は、以下を含む。
・イソプレノイド生成物のためのメバロン酸経路:
〇ヒドロキシメチルグルタリル−CoA(HMG−CoA)レダクターゼ(S.M.Ma et al、2011):
・NADPH依存性酵素(EC1.1.1.34、GO:0004420、例えば、出芽酵母:DAA09822.1、BK006946.2:115734..118898)及び
・NADH依存性酵素(EC1.1.1.88、GO:0042282、例えば、シュードモナス・メバロニイ:P13702.1)
・ブタノール/PHB経路(Bond−Watts、Bellerose、&Chang、2011):
〇3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ/アセトアセチル−CoAレダクターゼ/3−ヒドロキシブチリル−CoAヒドラターゼ:
・NADPH依存性phaB(EC:1.1.1.36、GO:0018454、例えば、ラルストニア・ユートロファ:YP_725942.1、遺伝子ID:4249784から)及び
・NADPH依存性phaJ(EC4.2.1.119、例えば、アエロモナス・プンクタタ:BAA21816.1から)
・NADH依存性hbd(EC1.1.1.157、GO:0008691、例えば、C.アセトブチリクム:NP_349314.1、遺伝子ID:1118891から)
〇クロトニル−CoAレダクターゼ/クロトニル−CoAカルボキシラーゼ−レダクターゼ/トランス−2−エノイル−CoAレダクターゼ/ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(Hu et al、2012):
・NADPH依存性ccr(EC1.3.1.86、例えば、ストレプトマイセス・コリナスから)またはccrRs(EC1.3.1.85、例えば、ロドバクター・スフェロイデス:YP_354044.1、遺伝子ID:3720751から)
・NADH依存性ter(EC1.3.1.44、GO:0050343、例えば、トレポネーマ・デンティコラから)
・NADH/フェレドキシン分岐bcd−etfAB複合体(EC1.3.8.1、GO:0004085、例えば、C.アセトブチリクム:NP_349317.1、遺伝子ID:1118894から)(Li et al、2008)または
・NADH/NADPH二機能性依存性ter(EC1.3.1.44、GO:0050343、例えば、ユーグレナ・グラシリス:AY741582.1から)(Hoffmeister、Piotrowski、Nowitzki、&Martin、2005)
デヒドロゲナーゼ(例えば、エタノールもしくはブタノールのためのアルコールデヒドロゲナーゼ、またはブタンジオールのためのジオールデヒドロゲナーゼ)及びオキシダーゼに関する大部分のオキシドレダクターゼ反応の場合、NADHまたはNADPH依存性酵素の選択肢が利用可能であり、それぞれの酵素は、データベース、例えば、Braunschweig Enzyme database BRENDA(http://www.brenda−enzymes.info/)(Scheer et al、2011)などを使用して特定され得る。
特定の実施形態において、対応するNADH依存性アイソフォームの発現が、NADPH依存性アイソフォームの発現における変化と比較されるときに、変化しない、減る、または比較的小さな増加を呈する一方で、微生物は、NADPH依存性アイソフォームを発現する及び/または過剰発現するように適合される。このようにして、NADPHの全体的な利用が、親の微生物に対して増加される。
特定の実施形態において、本発明は、組み換え型の微生物に、1つ以上のNADH依存性酵素の弱化された発現またはゼロの発現を提供する。1つの特定の実施形態において、1つ以上のNADH依存性アイソフォームの発現は、親の微生物に比較して弱化されているか無力化されている。弱化/無力化は、1つ以上のNADH依存性酵素をコード化する核酸を修正することによって、またはNADH依存性アイソフォームをコード化する1つ以上の核酸を、NADPH依存性アイソフォームをコード化する1つ以上の核酸と置き換えることによって、実現され得る。酵素の弱化または無力化は、任意の数の既知の転換及び組み換え型の核酸技法を使用して、本発明の微生物に到達するように親の微生物の転換によって実現され得る。カルボキシド栄養性アセトゲンにおける弱化または無力化を実現することができる特定の方法は、Leang、Ueki、&Lovley、2011に記載されており、更なる技法は、例えば、Sambrook et al(Molecular Cloning:A laboratory manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989)に記載されている。一般的な例として、突然変異を遺伝子に導入する場合、またはそうではなくて、遺伝子を分断するか無力化する場合において、適切な核酸構築物またはベクターが、遺伝子を分断するために親の微生物のゲノムに組み込むように設計され得る。そのような構築物は、典型的には、分断されることになる遺伝子内の範囲またはその遺伝子の側方に位置する範囲に相同である核酸配列(アーム)を含むことになり、それは、相同再結合が発生すること、及び突然変異の導入、遺伝子からの核酸の範囲の切除、または対照的なものについて核酸との遺伝子の範囲の置換が発生することを可能にする。構築物上のアームが、ゲノムにおける範囲であって、それらがターゲットとしている範囲に対して100%の相補性を有することが好適であるが、配列が、興味の遺伝子範囲とのターゲットとされた再結合を可能にするのに十分に相補的であるという前提で、これは必要ではない。典型的には、アームは、Sambrook et al 1989に定義されるような、厳格な条件下で、ターゲット範囲に対する交配を可能にすることになる、あるレベルの相同性を有することになる。当業者は、本明細書に記載されるような発明に関わる酵素についての利用可能な配列情報を考慮して、ターゲットとされた相同再結合と、親の微生物のゲノムへの外因性核酸の組み込みと、を可能にするのに十分な核酸配列を理解するであろう。
一実施形態において、酵素は、複数の共同因子依存性を呈し得る。そのような酵素は、NADH/フェレドキシン分岐酵素またはNADH/NADPH共依存性酵素を含み得る。特定の実施形態において、酵素は、NADH/NADPH分岐アイソフォーム及びNADH/フェレドキシン分岐アイソフォームで存在しており、微生物は、NADH/NADPH依存性アイソフォームを発現する及び/または過剰発現するように適合される。特定の実施形態において、NADH/NADPH依存性アイソフォームは、ter(EC1.3.1.44、GO:0050343、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis):AY741582.1から、またはそれらの機能的等価変異体)である。更なる実施形態において、NADH/Fd依存性アイソフォームは、NADH/フェレドキシン分岐bcd−etfAB複合体(EC1.3.8.1、GO:0004085、例えば、C.アセトブチリクム:NP_349317.1、遺伝子ID:1118894から、またはそれらの機能的等価変異体)である。
本発明の特定の実施形態において、微生物は、親の微生物に比較されるときに、発酵反応の間に増加された効率を呈する。発酵生成物の生成に関わる微生物は、共同因子としてNADPHを使用して、発酵生成物の成長や生成に関わる反応を促進する。そのような微生物が、NADH共同因子と比較されるときに、NADPH共同因子のために高い親和性で酵素を発現する場合、NADPHの利用の増加がある場合に、それらの効率(上記定義を参照)が増加されることになる可能性が存在する。
本発明の酵素は、多数の生成物を生成する生合成経路に関わる。特定の実施形態において、経路は、メバロン酸経路またはブタノール合成経路である。
本発明の一実施形態において、1つ以上のNADPH依存性酵素の共同因子特異性は、それのNADH共同因子特異性に対してそれのNADPH共同因子特異性を増加するように修正され得る。
特定の実施形態において、本発明は、酵素のNADH共同因子特異性に対してオキシドレダクターゼ酵素のNADPH共同因子特異性を増加させることによって、カルボキシド栄養性微生物の効率を上げる方法を提供する。
オキシドレダクターゼ酵素の共同因子特異性は、特に、それぞれのNADH及びNADPH結合ポケットの一部分に寄与するまたはその一部分を形成する酵素の範囲において、アミノ酸配列を修正することによって、NADHからNADPHに(またはその逆に)修正され得る。NADH/NADPH結合ポケットは、当分野において既知の他の手法で修正されてもよい。
アミノ酸配列の修正は、1つ以上のアミノ酸残基の追加、欠失及び/または置換、あるいは当分野において容易に既知であり得る1つ以上の他の修正を含み得る。修正は、酵素の任意の範囲において起こり得る。しかしながら、一実施形態において、それは、NADH結合ポケット内である。
特定の実施形態において、アミノ酸配列の修正が、ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ酵素についてのグルタミン酸残基の例として、NADH結合ポケットにおける(複数の)特定のアミノ酸残基の修正を含む。特定の実施形態において、グルタミン酸残基は、C.アセトブチリクムのbcdにおけるGlu75及び/またはT.デンティコラにおけるGlu80である。一実施形態において、当分野において既知の所望された共同因子特異性を実現するための修正、例えば、Hu et al(2012)に記載された修正が、使用され得る。
特定の実施形態において、発明者らは、共同因子特異性の修正が、様々な種から上述のクロトニル−CoAレダクターゼ/トランス−2−エノイル−CoAレダクターゼ/ブチリル−CoAデヒドロゲナーゼの構造上の分析、及びNADPHに対してNADHを区別する際に重要な役割を果たすGlu(C.アセトブチリクムのbcdにおけるGlu75及びT.デンティコラにおけるGlu80)の保護を通して、実現され得ることを想定する。理論によって縛られることを望まずに、これは、NADHのアデニンリボースの2’−OHを認識する酵素によって起こることが信じられている。NADPH依存性酵素において、この残基は修正される(Hu et al、2012)。
共同因子特異性の修正を実現する方法は、当業者に知られることになる。しかしながら、例として、様々なオキシドレダクターゼ酵素のための共同因子特異性の変化に係わる以下の例において使用される方法が、使用され得る。
・1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ(C.Ma、Zhang、Dai、&Xiu、2010)
・p−ヒドロキシベンゾアートヒドロキシラーゼ(Eppink、Overkamp、Schreuder、&Van Berkel、1999)
・17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(McKeever et al、2002)
・ケトール酸レダクトイソメラーゼ(Rane&Calvo、1997)
新規の分岐酵素
電子分岐は、嫌気細菌及び古細菌の細胞質において吸エルゴン的な酸化還元反応を発エルゴン的な酸化還元反応に結合する最近発見された機構である。現在までのところ、ごく少数の電子分岐酵素複合体が、特定されており、4つが特徴付けられている(Herrmann、Jayamani、Mai、&Buckel、2008、Huang et al、2012、Li et al、2008、Schuchmann&Mueller、2012、Schut&Adams、2009、G.Wang&Wang、1984)。2008年に、酪酸形成クロストリジウムにおいて、NADH(Eo´=−320MV)でのクロトニル−CoA(Eo´=−10mV)の発エルゴン的な還元が、NADHとのフェレドキシンの吸エルゴン的な還元(Eo´=−400mV)と結合されることと、その結合反応が、細胞質のブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ−電子伝達フラボタンパク質複合体Bcd−EtfABによって触媒されることと、が発見された(Herrmann、Jayamani、Mai、&Buckel、2008、Li et al、2008)。このプロセスは、フラビンをベースとするものであり、タンパク質結合フラビンが、NADHによってヒドロキノンに還元され、それは、その後に、クロトニル−CoAによってセミキノン型ラジカルに再び酸化されて、それは、フェレドキシン(Fd)を還元するのに十分に負の酸化還元電位を有することが提案されている。現在までのところ、少数の電子分岐酵素複合体が、特定されており、4つが特徴付けられている(Herrmann et al、2008、Huang et al、2012、Li et al、2008、Schuchmann&Mueller、2012、Schut&Adams、2009、G.Wang&Wang、1984)。反応1のBcd−EtfAB複合体に加えて、メタン生成古細菌からのMvhADG−HdrABC複合体は、反応2を触媒して、細菌及び古細菌からのNfnAB複合体は、反応3を触媒して、細菌からのHydABC複合体は、反応4を触媒する。

(1)2NADH+Fdox+クロトニル−CoA→2NAD+Fdred 2−+ブチリル−CoA
ΔG´=−44kJ/mol

(2)2H+CoM−S−S−CoB+Fdox→CoM−SH+CoB−SH+Fdred 2−+2H
ΔG´=−50kJ/mol

(3)NADH+Fdred 2−+2NADP+H⇔NAD+Fdox+2NADPH
ΔG´=−16kJ/mol

(4)NADH+Fdred 2−+3H⇔NAD+Fdox+2H
ΔG´=+21kJ/mol

−400mVのEo´を使用する標準条件下(1M濃度の基質及び生成物、ガスの分圧=1バール、pH=7)
これらの複合体の全ては、NADH依存性であり、それらの間で2つ、異種の鉄のみのヒドロゲナーゼが、Hでのフェレドキシンの吸エルゴン的な還元を、HでのNADの発エルゴン的な還元と可逆的に結合する(Schuchmann&Mueller、2012、Schut&Adams、2009)。発明者らは、初めて、NADPH依存性分岐酵素(反応5)、NADではなくてNADPに特異的である新規な電子分岐[FeFe]ヒドロゲナーゼを特定した。

(5)NADPH+Fdred 2−+3H⇔NADP+Fdox+2H
ΔG´=+21kJ/mol

−400mVのEo´を使用する標準条件下(1M濃度の基質及び生成物、ガスの分圧=1バール、pH=7)
この理論に拘束されずに、ヒドロゲナーゼに加えてこの複合体の役割は、ギ酸塩:水素リアーゼとして働くことである。この機能において、それは、Fdox/Fdred 2−対の及びNADP+/NADPH対の細胞内の酸化還元電位がCO過還元に起因して低くなり過ぎるときに、それぞれ、陽子とCOの還元によってH及びギ酸塩を形成することによって、NADPH推進型の生成物形成のための電子オーバーフロー弁を表わす。
生体内の条件下で、NAD+/NADH対の酸化還元電位E´は約−280mV(Eo´=−320mV)であり、NADP+/NADPH対のE´は約−360mV(Eo´=−320mV)である。Fdox/Fdred2−対の酸化還元電位E´は、かなり低い−400mV(C.パストゥリアヌム・フェレドキシン(C.pasteurianum ferredoxin)からのEo´)である。そういうものとして、本発明のこの分岐プロセスの態様は、例えば高速反応速度などの利点を提供する。
生体内の条件下で、フェレドキシンの酸化還元電位は、ほぼ−500mVであり、NADPは、ほぼ−370mVの酸化還元電位にあり、NADは、ほぼ−280mVの酸化還元電位にあることが予測される。Fdox/Fdred 2−対とNAD/NADH対との間の約200mVの酸化還元電位差は、膜結合Rnf複合体及びFoFATPシンターゼによって媒介された電子伝達リン酸化と結合されるのに十分大きい。フェレドキシンでのNAD還元は、CO上で成長するC.オートエタノゲナムのエネルギー代謝作用における主な結合部位であることが予測される。NADは、NADPHを生じるNfn触媒反応によって連続的に再生され、次いで、そのNADPHは、生成物形成を推進し得る(図7)。
発明者らは、NADではなくてNADPに特異的である、新規な電子分岐[FeFe]ヒドロゲナーゼを特定した。発明者らはまた、C.オートエタノゲナムにおいて発現されたギ酸デヒドロゲナーゼが、(本明細書において分岐ギ酸デヒドロゲナーゼと呼ばれる)NADPHだけではなくて、フェレドキシンとNADPHの両方を利用できることも特定した。
これらの酵素の新規な機能は、以前に知られておらず、特定されることになる最初のNADPH依存性分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ及び分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ酵素である。発明者らによる更なる研究は、NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ及びNADPギ酸デヒドロゲナーゼが、本明細書においてギ酸水素リアーゼ複合体として呼ばれる、酵素複合体を形成することを示した。特定の実施形態において、この複合体はまた、複数の共同因子依存性を実現するための組み換え型の微生物の生成における実用性も有する。
したがって、本発明は、反応において複数の共同因子(例えば、フェレドキシンやNADPH)を利用する目的で、上記酵素を発現するかコード化する、組み換え型の微生物、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドの使用を提供する。特定の実施形態において、ポリペプチドが、AEI90721、YP_003778871、AEI90722に従う分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体を含む。
特定の実施形態において、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼが、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:26及びYP_003778879、ならびにそれらの任意の1つ以上の機能的等価変異体からなる群から選択される。
特定の実施形態において、分岐ギ酸水素リアーゼ複合体は、SEQ ID NO:65から67またはそれらの機能的等価変異体によってコード化される。
特定の実施形態において、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、NADPギ酸デヒドロゲナーゼまたはギ酸水素リアーゼ複合体をコード化するポリヌクレオチドが、HQ876015、CLJU_c06990、AEI90722、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:25、CLJU_c07070、SEQ ID NO:67から69、ならびにそれらの任意の1つ以上の機能的等価変異体からなる群から選択された1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ及び分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼのために遺伝子をコード化するタンパク質は、NADP結合部位を有する鉄−硫黄フラボタンパク質、鉄−硫黄(FeS)タンパク質、ならびにセレノシステイン及びモリブドプテリン含有ギ酸デヒドロゲナーゼ(図3)のための遺伝子と共に、単一の遺伝子クラスターにおいて発明者らによって発見された。これらの遺伝子が、本明細書においてギ酸水素リアーゼ(実施例1を参照)と呼ばれることになる機能複合体をコード化することが、発明者らによって提案される。鉄−硫黄フラボタンパク質、鉄−硫黄(FeS)タンパク質、ならびにギ酸塩及びモリブデン補助タンパク質は、以下の表1に示されるようにポリペプチドによってコード化される遺伝子クラスターを構成するものを含む。

本発明はまた、反応において複数の共同因子を利用する目的のために使用されるときに、新規な分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ及び/またはギ酸水素リアーゼを発現する組み換え型のカルボキシド栄養性微生物を提供する。好ましくは、複数の共同因子は、フェレドキシン及びNADPHを含む。
本発明はまた、上記したように分岐ヒドロゲナーゼを発現する組み換え型のカルボキシド栄養性微生物を使用することによって、CO含有基質の発酵の効率を上げる方法を提供する。効率は、NADPHだけではなくて、フェレドキシンとNADPHの両方を利用する分岐酵素に起因して増される。NADPHと比較してフェレドキシンのより負の酸化還元電位は、より大きなエネルギーの電位を反応に提供して、したがって、反応速度とCO基質処理量が増加する。
加えて、発明者らは、C.オートエタノゲナム、C.リュングダリイ及びC.ラグスダレイを含むカルボキシド栄養性クロストリジウムの種において新規なNfn酵素を特定した。このNfn酵素は、NADPをNADPH+Hに還元して、NADH+Hを犠牲にしてプールを補給することができる(またはその逆)(反応2):

(2)Fdred 2−+NADH+2NADP+H⇔Fdox+NAD+2NADPH
この酵素は、今までのところ、1つの生物、C.クルイベリ(kluyveri)(S.Wang et al、2010)だけについて記載されており、ここで、それは、複合体を形成する2つのサブユニットNfnA及びNfnBからなる。発明者らは、C.オートエタノゲナムの細胞における活性を特定して、対応する遺伝子を特定した(実施例4)。これは、初めて、単一のNfn遺伝子が特定されて、カルボキシド栄養性生物において初めて特定されたNfn酵素である。2つのサブユニットの複合体ではなくて、1つだけのサブユニットを有することは、酵素を生成することと修正することとを含む利点を有する。
この理論に拘束されずに、発明者らは、2つの新規な複合体、電子分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ/NADPギ酸デヒドロゲナーゼ/ギ酸水素リアーゼ及びNfn複合体が、エネルギー保存及びCOから還元された生成物の形成において重大な役割を果たし、それが、反応7〜9(図7)の記載されたフェレドキシン依存性一酸化炭素デヒドロゲナーゼ(CODH)、FoFRnf複合体(Kopke et al、2010、Tremblay、Zhang、Dar、Leang、&Lovley、2012)と共にNADPHによって推進されることを信じている。

(7)CO+HO+Fdox⇔CO+Fdred 2−+2H
(8)Fdred 2−+NAD+H⇔.Fdox+NADH+ΔμH
(9)ΔμH+0.5ADP+0.5Pi⇔0.5ATP+0.5H
フェレドキシンは、−400mVよりも負の酸化還元電位で、NADPは、ほぼ−360mVの酸化還元電位で、NADは、ほぼ−280mVの酸化還元電位で、生体内で作用する。Fdox/Fdred 2−対とNAD/NADH対との間の120mVより大きな酸化還元電位差が、膜結合Rnf複合体(反応8)及びFoFATPシンターゼ(反応9)によって媒介された電子伝達リン酸化と結合されるのに十分大きい。NADは、NADPHを生じるNfn複合体触媒反応6によって、及び他のNADH依存性反応によって、連続的に再生される。NADPHは、次いで、特定された他のNADPH依存性反応(図7)と共に、生成物形成を推進するために使用され得る。
COのかなり負の酸化還元電位(−520mV)が原因で、これらの電子キャリアが十分迅速に再度酸化され得ないときに、フェレドキシン及びNADPを過還元する可能性がある。フェレドキシン及びNADPHの再酸化のレートを上げるための1つの手法は、NADPH依存性反応を選択する還元される生成物形成のレートを上げることである。
以下の表2における結果は、Nfn酵素を発現するカルボキシド栄養性微生物が、NADPH依存性酵素による使用のために、NADHをNADPHに変換するための能力を有することを示す。
Nfn酵素は、C.クルイベリにおけるような2つではなくて、単一の遺伝子/タンパク質(それぞれ、C.オートエタノゲナムにおけるSeq.ID No1及び2)に遡られることが、発明者らによって発見された。この酵素をコード化する類似の遺伝子がまた、C.リュングダリイ(YP_003781852.1、CLJU_c37240)(ここで、それは、グルタミン酸シンターゼとして注釈付けされる)及びC.ラグスダレイ(Seq_ID No:3及び4)に存在する。
発明者らは、組み換え型の微生物において、Nfn遺伝子またはそれの機能的変異体の発現を上方調整することは、NADPH依存性酵素の効率の向上を可能にして、発酵反応から高い生成物出力を導くことを想定する。
したがって、特定の態様において、本発明は、Nfn酵素複合体を発現するか過剰発現することによって、微生物の生成の効率を上げる方法を提供する。
特定の実施形態において、本発明は、NADPHプールサイズを増加する、NADHをNADPHに変換する組み換え型の微生物の使用を提供して、組み換え型の微生物は、単一のNfn酵素を発現する及び/または過剰発現するように適合される。特定の実施形態において、Nfn酵素は、SEQ_ID NO.2、4、YP_003781852.1、CLJU_c37240のアミノ酸配列、あるいは少なくとも76%、80%、85%、90%、95%、または99%の配列同一性を有するそれらのいずれか1つの機能的等価変異体を含む。Nfn酵素は、NADHをNADPHに変換して、したがって、NADH及びNADPH依存性酵素の存在下で発現されるときに、酵素効率が上げられ、NADPHの高速反応速度と高速再生速度をもたらす。
特定の実施形態において、微生物が、カルボキシド栄養性クロストリジウム微生物を含む。更なる実施形態において、微生物が、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイを含むカルボキシド栄養性クロストリジウムの群から選択される。
本発明はまた、NADHをNADPHに変換するポリペプチドの使用を提供するものであり、ポリペプチドが、SEQ ID NO:2、4、YP_003781852.1、CLJU_c37240に従う単一のNfn酵素、またはそれらのいずれか1つの機能的等価変異体を含む。更に、本発明は、NADHをNADPHに変換するポリヌクレオチドの使用を提供するものであり、ポリヌクレオチドは、単一のNfn酵素をコード化して、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1、3、CLJU_c37240もしくはYP_003781852.1をコード化する配列、または少なくとも83%、85%、90%、95%、もしくは99%の配列同一性を有するそれらの機能的等価変異体を含む。
更なる態様において、本発明は、SEQ_ID NO.1または3に従うポリヌクレオチドを提供する。
更なる態様において、本発明は、SEQ_ID NO.2または4に従うポリペプチドを提供する。更なる態様において、本発明は、新規なNfnポリヌクレオチド、及び/もしくは本発明の新規なNfnポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドを含むベクターならびに/または組み換え型の微生物を提供する。
特定の実施形態において、本発明は、NADH依存性反応の最適化を提供する。この場合において、それぞれのNADPH依存性ヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、ギ酸水素リアーゼ、及び/またはメチレン−THF−デヒドロゲナーゼは、例えばムーレラ・サーモアセチカまたはA.ウーディからの、対応するNADH依存性酵素と置き換えられ得る。これは、NADHのために設計され最適化された経路を通る流動を最適化することになる。この実施形態は、特定の実用性を有することになり、ここで、NADPH依存性酵素が利用可能であり、またはNADPH依存性酵素を含む組み換え型の生物が、効率的に工学操作され得ない。
特定の酵素の発現を増大するために、その酵素をコード化する核酸の発現が増大される。所望の酵素をコード化する核酸の発現を増大する方法は、以下に概説される。当業者は、使用の他の技法を容易に理解するであろう。
本発明は、本明細書において参照されるタンパク質及びペプチドをコード化する核酸を含み得、または本発明における使用のタンパク質及びペプチドをコード化する核酸を使用し得る。一実施形態において、核酸は、核酸構築物またはベクターである。1つの特定の実施形態において、核酸構築物またはベクターは、発現構築物またはベクターであるが、他の構築物及びベクター、例えばクローン化のために使用されるものなどが、本発明によって包含される。1つの特定の実施形態において、発現構築物またはベクターは、プラスミドである。
本発明の発現構築物/ベクターは、所望される場合、プロモーターならびに更なるタンパク質の発現に適した追加の遺伝子に加えて任意の数の調整要素を含有し得ることが認識されるであろう。一実施形態において、発現構築物/ベクターは、1つのプロモーターを含む。別の実施形態において、発現構築物/ベクターは、2つ以上のプロモーターを含む。1つの特定の実施形態において、発現構築物/ベクターは、発現されることになる各遺伝子に対して1つのプロモーターを含む。一実施形態において、発現構築物/ベクターは、1つ以上のリボソーム結合部位、好ましくは、発現されることになる各遺伝子のためのリボソーム結合部位を含む。
本明細書に記載された核酸配列及び構築物/ベクター配列が、標準リンカーヌクレオチド、例えばリボソーム結合部位及び/または制限部位に要求されるものなどを含有し得ることは、当業者によって認識されるであろう。そのようなリンカー配列は、要求されていると解釈されるべきではないし、定義される配列上の限定をもたらすものではい。
本発明の発現構築物/ベクターを含む、核酸及び核酸構築物は、当分野において標準の任意の数の技法を使用して構築され得る。例えば、化学合成または組み換え型の技法が使用され得る。そのような技法は、例えば、Sambrook et al(Molecular Cloning:A laboratory manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989)に記載される。更なる例示的な技法は、この後に実施例の欄に記載される。本質的に、個々の遺伝子及び調整要素は、遺伝子が、所望のタンパク質を形成するように発現され得るように、互いに操作可能に連鎖されることになる。本発明における使用に適したベクターが、当業者によって認識されることになる。しかしながら、例として、以下のベクター、すなわち、pMTL80000ベクター、pIMP1、pJIR750、及びこの後に実施例の欄に例示されるプラスミドが、適切であり得る。
本発明の核酸は、RNA、DNA、またはcDNAを含む任意の適切な形態にあり得ることが認識されるべきである。
本発明はまた、ホスト生物、特に、微生物を提供するものであり、本明細書に記載された核酸の任意の1つ以上を含むウィルス、細菌、及び酵母を含む。
組み換え型の微生物を生成する方法
1つ以上の外因性核酸は、裸の核酸として親の微生物に送り届けられ得、または転換プロセスを容易にする1つ以上の作用物質(例えば、リポソーム抱合核酸、生物であって、その中に核酸が含有される、生物)で構築され得る。1つ以上の核酸は、適切であるように、DNA、RNA、またはそれらの組み合わせであり得る。制限阻害剤が、一定の実施形態において使用され得、例えば、Murray、N.E.et al(2000)Microbial.Molec.Biol.Rev.64、412.)を参照。
本発明の微生物は、組み換え型の微生物を生成するための当分野において既知の任意の数の技法を使用して、親の微生物及び1つ以上の外因性核酸から準備され得る。ほんの一例として、(形質導入またはトランスフェクションを含む)転換は、電気穿孔法、超音波処理、ポリエチレングリコール媒介転換、化学的または自然の能力、プロトプラスト形質転換、プロファージ誘発または抱合によって実現され得る。適切な転換技法は、例えば、Sambrook J、Fritsch EF、Maniatis T:Molecular Cloning:A laboratory Manual、Cold Spring Harbour Labrotary Press、Cold Spring Harbour、1989に記載される。
電気穿孔法は、C.リュングダリイ(Kopke et al、2010、Poc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.107:13087−92、(Leang et al、2011)PCT/NZ2011/000203、WO2012/053905)、C.オートエタノゲナム(PCT/NZ2011/000203、WO2012/053905)、アセトバクテリウム・ウーディ(Straetz et al、1994、Appl.Environ.Microbiol.60:1033−37)またはムーレラ・サーモアセチカ(Kita et al、2012)のようないくつかのカルボキシド栄養性アセトゲンについて記載されており、多くのクロストリジウム、例えばC.アセトブチリクム(Mermelstein et al、1992、Biotechnology、10、190−195)、C.セルロリティカム(cellulolyticum)(Jennert et al、2000、Microbiology、146:3071−3080)またはC.サーモセルム(thermocellum)(Tyurin et al、2004、Appl.Environ.Microbiol.70:883−890)などにおいて使用される標準方法である。プロファージ誘発は、C.スカトロゲネス(Prasanna Tamarapu Parthasarathy、2010、Development of a Genetic Modification System in Clostridium scatologenes ATCC 25775 for Generation of Mutants、Masters Project Western Kentucky University)の場合にはカルボキシド栄養性アセトゲンについても同様に実証されており、一方、抱合は、クロストリジウム・ディフィシル(difficile)(Herbert et al、2003、FEMS Microbiol.Lett.229:103−110)またはC.アセトブチリクム(Williams et al、1990、J.Gen.Microbiol.136:819−826)を含む多くのクロストリジウムのための選択の方法として記載されており、カルボキシド栄養性アセトゲンのための類似の様式において使用され得る。
一定の実施形態において、転換されることになる微生物において活性である制限システムに起因して、微生物に導入されることになる核酸をメチル化する必要がある。これは、以下に記載されるもの、及びこの後に実施例の欄に更に例示されるものを含む種々の技法を使用して行われ得る。
例として、一実施形態において、本発明の組み換え型の微生物は、以下のステップを含む方法によって生成される。
a.(i)本明細書に記載されたような発現構築物/ベクターの、及び(ii)メチルトランスフェラーゼ遺伝子を含むメチル化構築物/ベクターのシャトル微生物への導入、
b.メチルトランスフェラーゼ遺伝子の発現、
c.シャトル微生物からの1つ以上の構築物/ベクターの分離、ならびに、
d.目的微生物への1つ以上の構築物/ベクターの導入
一実施形態では、ステップBのメチルトランスフェラーゼ遺伝子が構成的に発現される。
別の実施形態では、ステップBのメチルトランスフェラーゼ遺伝子の発現が誘発される。
シャトル微生物は、微生物、好ましくは、発現構築物/ベクターを構成する核酸配列のメチル化を容易にする制限消極的微生物である。特定の実施形態において、シャトル微生物は、制限消極的大腸菌、枯草菌、またはラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)である。
メチル化構築物/ベクターが、メチルトランスフェラーゼをコード化する核酸配列を含む。
発現構築物/ベクター及びメチル化構築物/ベクターがシャトル微生物に一旦導入されると、メチル化構築物/ベクター上に存在するメチルトランスフェラーゼ遺伝子が、誘発される。誘発は、本発明の1つの特定の実施形態では任意の適切なプロモーターシステムによるものであり得るが、メチル化構築物/ベクターは、誘発性ラックプロモーターを含み、乳糖またはそれらの類似物、より好ましくは、イソプロピル−β−D−チオ−ガラクトシド(IPTG)の追加によって誘発される。他の適切なプロモーターは、ara、tet、またはT7システムを含む。本発明の更なる実施形態において、メチル化構築物/ベクタープロモーターは、構成性プロモーターである。
特定の実施形態において、メチル化構築物/ベクター上に存在する任意の遺伝子が、シャトル微生物において発現されるように、メチル化構築物/ベクターは、シャトル微生物の同一性に特異的である複製の元を有する。好ましくは、発現構築物/ベクター上に存在する任意の遺伝子が、目的微生物において発現されるように、発現構築物/ベクターは、目的微生物の同一性に特異的である複製の元を有する。
メチルトランスフェラーゼ酵素の発現は、発現構築物/ベクター上に存在する遺伝子のメチル化を結果としてもたらす。発現構築物/ベクターは、次いで、多数の既知の方法のいずれか1つに従ってシャトル微生物から分離され得る。ほんの一例として、この後に記載される実施例の欄に記載された方法論が、発現構築物/ベクターを分離するために使用され得る。
1つの特定の実施形態において、構築物/ベクターの両方が、同時に分離される。
発現構築物/ベクターは、任意の数の既知の方法を使用して目的微生物に導入され得る。しかしながら、例として、この後に実施例の欄に記載された方法論が使用されてもよい。発現構築物/ベクターはメチル化されるので、発現構築物/ベクター上に存在する核酸配列は、目的微生物に組み込まれ、成功裏に発現されることができる。
メチルトランスフェラーゼ遺伝子は、シャトル微生物に導入され得、過剰発現され得る。それ故、一実施形態において、結果として生じるメチルトランスフェラーゼ酵素は、既知の方法を使用して集められ得、生体外で使用され得、発現プラスミドをメチル化する。発現構築物/ベクターは、次いで、発現のために目的微生物に導入され得る。別の実施形態において、メチルトランスフェラーゼ遺伝子が、シャトル微生物のゲノムに導入されて、その後に、シャトル微生物への発現構築物/ベクターの導入、シャトル微生物からの1つ以上の構築物/ベクターの分離、次いで、目的微生物への発現構築物/ベクターの導入が、続く。
上記で定義したような発現構築物/ベクター及びメチル化構築物/ベクターは、物質の組成を提供するために組み合わされ得ることが想定される。そのような組成は、本発明の組み換え型の微生物を生成するための制限バリア機構を回避する際の特定の実用性を有する。
1つの特定の実施形態において、発現構築物/ベクター及び/またはメチル化構築物/ベクターは、プラスミドである。
当業者は、本発明の微生物の生成における使用の多数の適切なメチルトランスフェラーゼを認識するであろう。しかしながら、例として、枯草菌ファージΦT1メチルトランスフェラーゼ及びこの後に実施例に記載されるメチルトランスフェラーゼが、使用されてもよい。一実施形態において、メチルトランスフェラーゼは、WO/2012/053905に記載されている。
メチルトランスフェラーゼ遺伝子の発現を可能にするように適合された任意の数の構築物/ベクターは、メチル化構築物/ベクターを生じるために使用され得る。しかしながら、例として、この後に実施例の欄に記載されるプラスミドが、使用されてもよい。
生成の方法
本発明のある実施形態において、微生物によって発酵されるガス状基質は、COを含有するガス状基質である。ガス状基質は、産業プロセスの副産物として、またはいくつかの他の源から、例えば自動車排気ガスなどから、得られるCO含有廃棄ガスであり得る。一定の実施形態において、産業プロセスは、鉄金属生成物の製造、例えば製鋼所、非鉄生成物の製造、石油精製プロセス、石炭のガス化、電力生成、カーボンブラック生成、アンモニア生成、メタノール生成及びコークス製造などからなる群から選択される。これらの実施形態において、CO含有ガスは、任意の便利な方法を使用して、それが大気に放出される前に、産業プロセスから捕捉され得る。COは、合成ガス(一酸化炭素と水素を含むガス)の成分であり得る。産業プロセスから生成されるCOは、通常、広がって、COを生成して、したがって、本発明は、CO温室効果ガス放出を削減する際、及びバイオ燃料を生成する際における特定の実用性を有する。ガス状のCO含有基質の組成に依存して、それを発酵に導入する前に、任意の所望されない不純物、例えば塵粒などを除去するようにそれを取り扱うこともまた望ましいであろう。例えば、ガス状基質は、既知の方法を使用して、フィルタリングされ得るかこすり落とされ得る。
CO含有基質ガスに加えて、細菌の成長及び生成物の生成が起こるために、適切な液体栄養培地が、バイオリアクタに供給される必要があることになることが認識されるであろう。
方法の態様の特定の実施形態において、発酵は、水性培養培地において起こる。方法の態様の特定の実施形態において、基質の発酵は、バイオリアクタ内で起こる。
基質及び培地は、連続的な、回分(batch)または流加回分(batch fed)様式でバイオリアクタに供給され得る。栄養培地は、使用される微生物の成長を可能にするのに十分なビタミン及びミネラルを含有することになる。COを使用する発酵に適した嫌気培地は、当分野において既知である。例えば、適切な培地は、Biebel(2001)に記載される。本発明の一実施形態において、培地は、この後に実施例の欄に記載されるようなものである。
発酵は、望ましくは、バイオ燃料の生成が起こるための適切な発酵条件下で実行されるべきである。考慮されるべきである反応条件は、圧力、温度、ガス流量率、液体流量率、培地pH、培地酸化還元電位、撹拌率(連続式撹拌槽リアクタを使用する場合)、接種レベル、液相におけるCOが限界にならないことを確実にする最大のガス基質濃度、及び生成物の阻害を回避する最大の生成物濃度を含む。
加えて、基質の流れのCO濃度(または、ガス状基質におけるCO分圧)を増大して、それ故、COが基質である発酵反応の効率が上がることが望まれることが多い。増大された圧力で操作することは、気相から液相へのCO伝達率における著しい増加を可能にして、ここで、それは、発酵の生成のための炭素源として微生物に取り込まれ得る。これは、次いで、バイオリアクタが、大気圧ではなくて上昇した圧力に維持されるときに、(入力ガス流量率によって除算されるバイオリアクタ内の液体量として定義される)滞留時間が削減され得ることを意味する。最適反応条件は、使用される本発明の特定の微生物に部分的に依存することになる。しかしながら、一般に、発酵は、周囲圧力よりも高い圧力で行われることが好適である。また、所与のCO変換率は、基質滞留時間に一部応じるものであり、所望の滞留時間を実現して、次いで、要求された容量のバイオリアクタを決定づけるので、加圧システムの使用は、要求されたバイオリアクタの容量、その結果として、発酵設備の資本費用を大いに削減し得る。米国特許第5,593,886号に与えられた例に従って、リアクタ容量は、リアクタ動作圧力の増加に線形比例して削減され得、すなわち、10気圧で動作されるバイオリアクタは、1気圧で動作されるものの10分の1の容量だけを必要とする。
例として、上昇した圧力でガスからエタノールへの発酵を行うことの利益が、記載されている。例えば、WO02/08438は、それぞれ、150g/l/日及び369g/l/日のエタノール生産性を与える、30psig及び75psigの圧力下で行われるガスからエタノールへの発酵を説明する。しかしながら、大気圧において類似の培地及び入力ガス組成を使用して行われる発酵例は、1日につき1リットル当たり10から20分の1のエタノールを生成することが見付けられた。
CO含有ガス状基質の導入率は、例えば、液相におけるCOの濃度が限界にならないことを確実にすることなどもまた望ましい。これは、CO限界条件の結果が、1つ以上の生成物が培養によって消費されることであり得るからである。
発酵反応を与えるために使用されるガス流の組成は、その反応の効率及び/または費用にかなりの影響を与え得る。例えば、O2は、嫌気発酵プロセスの効率を減らし得る。発酵前または後の発酵プロセスの段階において望まれていないガスあるいは不必要なガスを処理することは、そのような段階への負担を増加し得る(例えば、ガス流がバイオリアクタに入る前に圧縮される場合、不必要なエネルギーが、発酵において必要とされないガスを圧縮するために使用され得る)。したがって、基質の流れ、特に、産業源に由来する基質の流れを取り扱うことが望ましい可能性があり、望まれていない成分を除去して、所望の成分の濃度を増加する。
一定の実施形態において、本発明のバクテリアの培養は、水性培養培地において維持される。好ましくは、水性培養培地は、最小嫌気微生物の成長培地である。適切な培地は、当分野において既知であり、例えば米国特許第5,173,429号や第5,593,886号及びWO02/08438に記載されており、ならびにこの後に実施例の欄に記載されるようなものである。
また、培養液のpHが、活性炭に対する酢酸の吸着を強めるために上記したように調整された場合、そのpHは、バイオリアクタに戻される前に、発酵バイオリアクタにおける培養液のそれに類似のpHに再調整されるべきである。
実施例1
Wood−Ljungdahl経路の全部で5つのオキシドレダクターゼ酵素ステップを測定して、異なる基質の存在下でそれらの活性を決定した。これらの酵素は、反応を推進する共同因子を使用し得る。酵素は、CO、CO、及びHガスの取り込みならびに利用を含む自己栄養成長に関わる。
測定された酵素及びそれらの活性は、図1に詳細にされる。行われた全ての測定は、基準の、メチルビオロゲン(MV)またはベンジルビオロゲン(BV)のような合成酸化還元色素を使用して試験した。共同因子フェレドキシン(Fd)、NADH及びNADPHまたはそれらの組み合わせを試験した。酵素測定は、CO及び水素上で自己栄養的に成長する典型的なリアクタランからの粗抽出物を使用して行った。
発酵
C.オートエタノゲナムDSM23693を用いる発酵は、37℃においてならびに以下に記載されるような単一のエネルギー及び炭素源としてCO含有製鋼所ガスにおいて1.5Lのバイオリアクタ内で実行した。リットル当たり:MgCl、CaCl(0.5mM)、KCl(2mM)、HPO(5mM)、Fe(100μM)、Ni、Zn(5μM)、Mn、B、W、Mo、Se(2μM)を含有する定義した培地を培養成長のために使用した。培地は、バイオリアクタの中に移動させて、121℃で45分間オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、培地は、チアミン、パントテン酸塩(0.05mg)、ビオチン(0.02mg)を補充して、3mMのシステイン−HClで還元した。嫌気性を実現するために、リアクタ容器は、0.2μmフィルタを通して窒素を散布した。接種の前に、ガスは、CO含有製鋼所ガスに切り替えて、リアクタに連続的に供給した。供給ガス組成は、2%H、42%CO、20%CO、36%Nであった。培養のpHは、5から5.2の間に維持した。
細胞の採取
細胞を採取するときに、ガス消費は、5モルCO L−1−1及び10ミリモルH−1−1であって、以下の代謝物:14gL−1−1アセテート及び19.5gL−1−1エタノールを生成した。培養のpHは、KCOでpH6に調整して、リアクタは、氷水浴において冷却した。約1.2Lの培養物は氷上に集めた。培養は、2×1−L遠心分離瓶の間で分離して(このステップ及び全ての後続するステップは、嫌気チャンバ内で実行して、無酸素性条件を確保して、酵素の不活性化を回避した)、細胞は、5000rpmで10分間造粒させた。上澄みは静かに移して、残りの液体は除去した。各造粒物は、10mMのDTTで約30mLの50mM KPOpH7.0において再懸濁した。再懸濁は、予め重さを量った50mLのFalconチューブに移動させて、細胞は、最高速度(5000g)で15分間再び造粒させた。チューブは、嫌気チャンバから取り出して、測定の前に液体N上で即時に凍らせた。
粗細胞抽出及び酵素測定の準備
細胞は、無酸素性条件下で連続リアクタから採取した。それらは、(Huang et al、2012)によって記載されるようなフレンチプレスを通る3つのパスによって破砕した。
示される場合を除いて、全ての測定は、(Huang et al、2012)によって記載されるように1.2×10Paで0.8mlの反応混合物及び0.7mlのNまたはHまたはCOで満たされたゴム栓で閉じられた1.5mlの嫌気キュベットにおいて37℃で行った。
COデヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ、メチレン−THFデヒドロゲナーゼ及びメチレン−THFレダクターゼは、(Huang et al、2012)によって記載されるように全て測定した。
COデヒドロゲナーゼは、100mMのTris−HCl(pH7.5)、2mMのDTT及び約30μMのフェレドキシンならびに/あるいは1mMのNADまたは1mMのNADPを含有した測定混合物を使用して測定した。気相は、100%COであった。
ヒドロゲナーゼ活性は、HでのNADP依存性フェレドキシン還元の測定の追加を用いて記載されるように測定した。反応混合物には、フェレドキシン(30μM)及び1mMのNADPを補充した。気相は、100%Hであった。酵素フェレドキシンとの反応の開始後、還元は、430nm(εΔox−red=13.1mM−1cm−1)で続けた。
ギ酸水素リアーゼ活性は、1.2×10Paで0.8mlの反応混合物及び4.2mlのN2で満たされたゴム栓で閉じた5mlの嫌気性しょう液瓶において測定した。反応混合物は、100mMのTris−HCl pH7.5及び20mMのギ酸塩を含有した。酵素の追加によって反応を開始した後に、H生成は、ガスクロマトグラフィによって監視した。ギ酸塩に対するHでのCOの還元についてのギ酸水素リアーゼ活性は、100mMのリン酸カリウム、2mMのDTT、及び30mMの[14C]KCO(24,000dpm/μモル)を含有する測定混合物を用いて測定した。気相は、100%Hであった。しょう液瓶は、200rpmで連続的に振って、液相と気相の平衡状態を確保した。酵素との反応の開始後、100μlの液体サンプルは、1.5分毎に回収して、100μlの150mMの酢酸を含有する1.5mlのセーフシールマイクロチューブに追加して、酸化による反応を停止した。200μlの混合物は、次いで、40℃で10分間培養して、Thermomixerにおいて1,400rpmで振って、全ての14COを除去して、形成された14Cギ酸塩を残した。その後に、100μlの混合物を5mlのQuicksave Aシンチレーション流体(Zinsser Analytic、Frankfurt、Germany)に追加して、Beckman LS6500液体シンチレーションカウンタ(Fullerton、CA)において14C放射能について分析した。
ギ酸デヒドロゲナーゼ測定は、100mMのTris/HCl(pH7.5)または100mMのリン酸カリウム、2mMのDTT、20mMのギ酸塩を含有する測定混合物を用いて実行して、ここで、25μMのフェレドキシン、1mMのNADP、1mMのNAD及び/または10mMのメチルビオロゲンを示した。気相は、100%Nであった。
メチレン−HFデヒドロゲナーゼは、100mMのMOPS/KOH(pH6.5)、50mMの2−メルカプトエタノール、0.4mMのテトラヒドロ葉酸、10mMのホルムアルデヒド及び0.5mMのNADPまたは0.5mMのNADを含有する測定混合物を使用して測定した。気相は、100%Nであった。
メチレン−H4Fレダクターゼは、以下の条件下で測定した。測定混合物は、100mMのTris/HCl(pH7.5)、20mMのアスコルビン酸塩、10μMのFAD、20mMのベンジルビオロゲン及び1mMのメチル−H4Fを含有した。酵素との反応の開始の前に、ベンジルビオロゲンは、亜ジチオン酸ナトリウムで0.3のΔA555に還元した。
アルデヒド:フェレドキシンオキシドレダクターゼは、100mMのTris/HCl(pH7.5)、2mMのDTT、1.1mMのアセトアルデヒド、及び約25μMのフェレドキシンを含有する混合物を使用して測定した。気相は、100%N2であった。
CoAアセチル化アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼは、100mMのTris/HCl(pH7.5)、2mMのDTT、1.1mMのアセトアルデヒド、1mMの補酵素A、及び1mMのNADP+または1mMのNAD+を含有した混合物を使用して測定した。気相は、100%N2であった。
アルコールとブタンジオールデヒドロゲナーゼは、100mMのリン酸カリウム(pH6)、2mMのDTT、1.1mMのアセトアルデヒドまたはアセトインをそれぞれ、及び1mMのNADPHまたは1mMのNADHを用いる測定で、測定した。気相は、100%N2であった。
フェレドキシンは、(Schonheit、Wascher、&Thauer、1978)によって記載されるようなC.パストゥリアヌムから精製した。
結果
ヒドロゲナーゼ:この酵素は、エネルギー源として水素の取り込みに重要であり、CO上のカルボキシド栄養性微生物の成長のために必須である。この酵素はまた、水素を放出することができ、ギ酸水素リアーゼとしてギ酸デヒドロゲナーゼと関連して作用し得る。
C.オートエタノゲナムのゲノムにおいて、7つのヒドロゲナーゼ遺伝子(6つの鉄のみのヒドロゲナーゼと1つのNiFeヒドロゲナーゼ、Seq.ID5―20)が存在する。これらの遺伝子のうちの5つについての相同物は、C.リュングダリイ(Kopke et al、2010)(YP_003781016/CLJU_c26060、YP_003781017/CLJU_c26070、CLJU_c07070/YP_003778879、CLJU_c14700/YP_003779640、CLJU_c17280/YP_003779893、CLJU_c20290/YP_003780193)のゲノムに存在しており、また、C.ラグスダレイ(Seq.ID21−32)のゲノムにおいて特定され得る(表3)。
単一の共同因子を使用して、活性は、NADPH(0.2U/mg)で観測した一方、ゼロの活性もしくはかなり低い活性は、NADH(0.05U/mg)またはフェレドキシン(<0.01U/mg)で観察した。これは、ヒドロゲナーゼがNADPHに特異的であることを実証する。
最も高い活性は、共同因子の組み合わせを使用して見付けた。フェレドキシンの存在下におけるNADPHで0.68U/mgを測定した。対照的に、測定可能な活性が、NADH(<0.01U/mg)で観測されず、NADPHについてこの酵素の高い特異性を改めて確認した。このデータは、分岐ヒドロゲナーゼが、テルモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)(Schut&Adams、2009)またはアセトバテリウム・ウーディ(Acetobaterium woodii)(Schuchmann&Mueller、2012)またはムーレラ・サーモアセチカ(Huang et al、2012)にあるように存在することを示す。しかしながら、これらの他の生物において、酵素はNADH依存性である。そういうものとして、これは、発見された最初のNADPH依存性分岐ヒドロゲナーゼである。
ギ酸デヒドロゲナーゼ:この酵素は、Wood−Ljungdahl経路のメチル分枝においてギ酸塩に対してCO2の還元を触媒して、アセトゲンによるCOまたはCO及びH上の自己栄養成長のために必須である。
3つの遺伝子が、セレノ及び非セレノギ酸デヒドロゲナーゼについてコード化して、C.オートエタノゲナム(AEI90721、AEI90723、AEI90725、HQ876015、HQ876017、HQ876019)、C.リュングダリイ(YP_003779063、YP_003778871、YP_003780168、CLJU_c08930、CLJU_c06990、CLJU_c20040)ならびにC.ラグスダレイ(AEI90722、AEI90724、AEI90726、HQ876016、HQ876018、HQ876020)(Kopke et al、2010、2011)のゲノムにおいて存在する。
1つの共同因子だけを使用して、NADではなくてNADPHについての特異性、すなわち、非常に少ない0.03U/mgを超える0.2U/mgを検出した。
しかしながら、著しく高い活性を2つの共同因子の組み合わせを使用して検出した。すなわち、NADPH及びフェレドキシンで1.10U/mgを検出したが、NADPHの代わりにNADHで0.07だけであった。これは、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、前に説明されたことのない酵素の存在を示した。
分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼが、NADPH分岐ヒドロゲナーゼとギ酸水素複合体を形成し得ることを示す、ギ酸−水素リアーゼ、すなわち、Hを使用して2.4U/mgの高い活性を検出した。
NADP結合部位を有する鉄−硫黄フラボタンパク質、鉄−硫黄(FeS)タンパク質、ならびにセレノシステイン及びモリブドプテリンを含有するギ酸デヒドロゲナーゼのための遺伝子と共に、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ(AEI90721、HQ876015、YP_003778871、CLJU_c08930、AEI90722、HQ876016)及び分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ(Seq.ID9―10、CLJU_c07070、YP_003778879、SeqID25−26)のための遺伝子をコード化するタンパク質を、1つの遺伝子クラスターにおいて見付けた(図3)。機能複合体の形成は、2つの酵素のための遺伝子が、ゲノムにおいて並んでいることを見付けることによって反映され、転写単位を形成し得る。
CO及びHからギ酸塩にこの方向に作用するギ酸水素リアーゼは、前に説明されておらず、カルボキシド栄養性クロストリジウムに対して新規である(図1)。この反応の可逆性がまた、実証されており、ギ酸塩から水素及びCOを放出する。この酵素の使用は、水素を使用してギ酸塩の形態でCOの捕捉を可能にして、それは、次いで、再度放出され得る。精製された酵素を用いて、CO+Hからのギ酸塩の形成について41U/mg及びギ酸塩からの水素形成について40U/mgのギ酸水素リアーゼ活性を測定した(表4)。
表4に関して、C.オートエタノゲナムのギ酸水素リアーゼ複合体の精製は、室温で、厳密に無酸素条件下で行った。2mMのDTT、5μMのFAD、及び5μMのFMN(Buffer A)を含有する無酸素性の50mMのTris−HCl(pH7.6)を、プロセス全体を通して使用した。約47mgのタンパク質ml−1を有する細胞質断片を含有する150,000×g上澄みは、硫酸アンモニウムで断片化した。40から55%までの硫酸アンモニウム飽和の断片は、30,000×g及び4℃における30分間の遠心分離によって集めた。沈殿物は、0.8Mの硫酸アンモニウムを含有する7mlのBuffer Aにおいて溶解した。遠心分離によって溶解されなかったタンパク質を除去した後、上澄みは、0.8Mの硫酸アンモニウムを含有するBuffer Aと平衡状態を保たれたフェニルセファロース(Phenyl Sepharose)高性能カラム(2.6cm×12cm)の上に載せた。タンパク質は、5ml分−1の流量率で段階的な硫酸アンモニウム勾配(0.80、0.64、0.48、0.32、0.16、及び0M、Buffer Aにおいてそれぞれ100ml)で溶離した。ヒドロゲナーゼ活性は、0.48Mの硫酸アンモニウムにおけるピークにおいて溶離した。プールされた断片は、凝集して、50kDaのカットオフ膜を有するアミコン(Amicon)細胞で脱塩した。次いで、凝集物は、Buffer Aと平衡状態を保たれたQセファロース(Sepharose)高性能カラム(1.6cm×13cm)の上につけた。カラムは、次いで、90mlのBuffer Aで洗浄した。タンパク質は、5ml分−1の流量率で0から1MのNaCl線形勾配で溶離した。ヒドロゲナーゼ活性は、約0.4MのNaClを溶離する単一のピークにおいて回復させた。断片は、凝集して、50kDaのカットオフAmiconフィルタで脱塩して、次いで、使用されるまで95%N/5%Hの大気下で、Buffer Aにおいて−20℃で保管した。
活性は、示されたpHにおいて100mMのリン酸カリウムにおいて37℃で測定した。ギ酸塩からのHの形成(ギ酸水素リアーゼ活性)を続けたとき、測定混合物は、100mMのTris−HCl(pH7.5)(表1)または100mMのリン酸カリウム(示されるようなpH)(表3)、2mMのDTT及び20mMのギ酸ナトリウムを含有した。気相は、100%N2―であった。しょう液瓶は、200rpmで連続的に振って、液相から気相中へのHの移動を確保した。ガスサンプル(0.2ml)は、1分毎に回収して、Hは、ガスクロマトグラフィによって定量化した。ギ酸塩に対するHでのCOの還元を測定したとき、測定混合物は、100mMのリン酸カリウム(示されるような最終pH)、2mMのDTT、及び30mMの[14C]KCO(24,000dpm/μモル)を含有した。気相は、100%Hであった。しょう液瓶は、200rpmで連続的に振って、液相と気相の平衡状態を確保した。酵素との反応の開始後、100μlの液体サンプルを1.5分毎に回収して、100μlの150mMの酢酸を含有する1.5mlのセーフシールマイクロチューブに追加して、酸化による反応を停止した。200μlの混合物は、次いで、Thermomixer(タイプ5436、Eppendorf、Germany)において1,400rpmで振って、40℃で10分間培養して、全ての14COを除去して、形成された14Cギ酸塩を残した。その後に、100μlの混合物を5mlのQuicksave Aシンチレーション流体(Zinsser Analytic、Frankfurt、Germany)に追加して、Beckman LS6500液体シンチレーションカウンタ(Fullerton、CA、USA)において14C放射能について分析した。ギ酸塩に対して還元されたフェレドキシン及びNADPHでのCOの還元を続けたとき、測定混合物は、100mMのリン酸カリウム(示されるような最終のもの)、2mMのDTT、30mMの[14C]KCO(24,000dpm/μモル)、1mMのNADPH、及び還元されたフェレドキシン再生システム(10mMのピルビン酸塩、0.1mMのチアミンピロリン酸、1mMの補酵素A、25μMのC.パストゥリアヌム・フェレドキシン、1Uのピルビン酸塩:フェレドキシンオキシドレダクターゼ、及び5Uのホスホトランスアセチラーゼ)を含有した。気相は、100%Nであった。しょう液瓶は、200rpmで連続的に振って、液相と気相の平衡状態を確保した。酵素との反応の開始後、100μlの液体アリコートを1.5分毎に回収して、ギ酸塩について分析した。ギ酸塩に対して還元されたフェレドキシン及びNADPHでCOの還元を続けたときに、測定混合物は、100mMのリン酸カリウム(示されるような最終のもの)、2mMのDTT、30mMの[14C]KCO(24,000dpm/μモル)、1mMのNADPH、及び還元されたフェレドキシン再生システム(10mMのピルビン酸塩、0.1mMのチアミンピロリン酸、1mMの補酵素A、25μMのC.パストゥリアヌムフェレドキシン、1Uのピルビン酸塩:フェレドキシンオキシドレダクターゼ、及び5Uのホスホトランスアセチラーゼ)を含有した。気相は、100%Nであった。しょう液瓶は、200rpmで連続的に振って、液相と気相の平衡状態を確保した。酵素との反応の開始後、上記したように、100μlの液体アリコートを1.5分毎に回収して、ギ酸塩について分析した。C.パストゥリアヌムDSM525からの精製したフェレドキシン(Fd)をSchonheit et al(Rapid procedure for purification of ferredoxin from clostridia using polyethyleneimine.FEBS Lett.1978、89:219−222)に従って準備して使用した。1ユニット(U)は、1分当たりに伝達される2μモルの電子に等しい。
メチレン−THF−デヒドロゲナーゼ:この酵素は、5,10−メチレンテトラヒドロ葉酸から5,10−メテニルテトラヒドロ葉酸への反応を触媒するものであり、自己栄養成長に必須である。それは、Wood−Ljungdahl経路の一部であり、明確にNADPHに特異的である(NADPHで1.12U/mgであるが、NADHまたはフェレドキシンで検出可能な活性はない)ことを見い出した。
この酵素及びそれぞれの遺伝子は、二機能性メチレン−テトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ/ホルミル−テトラヒドロ葉酸シクロヒドロラーゼとして、C.オートエタノゲナム(AEI90753、HQ876031、GI:338225353)、C.リュングダリイ(YP_003781891、CLJU_c37630)及びC.ラグスダレイ(AEI90771、HQ876032、GI:338225372)において特定した。
この酵素は、NADPH依存性であることになるムーレラ・サーモアセチカにおいて前に示したが、他の反応は、この生物においてNADHまたはフェレドキシン依存性である(Huang et al、2012)。
測定可能な活性は、いずれかの共同因子を有する(合成色素だけを有する)メチレン−THFレダクターゼについての生体外の測定において検出され得ない。しかしながら、発明者らは、この結果が、他の酵素、例えばC.リュングダリイまたはA.ウーディ(Kopke et al、2010、Poehlein et al、2012)などについて提案されているように、追加酵素として未知の結合部位を要求する酵素によって説明され得ることを考察する。この結合機構は、NADPH依存性であり得る。COデヒドロゲナーゼ反応は、この種の酵素について前に報告されているように、フェレドキシン依存性であることが分かった。
カルボキシド栄養性クロストリジウム属のクロストリジウム・オートエタノゲナムにおけるWood−Ljungdahl経路の全部で5つの試験したオキシドレダクターゼ反応から、驚いたことには、どれもNADH依存性ではないことが分かり、むしろ、大部分はNADPH依存性であることが分かった。これは、例えば、大腸菌(図2)として細菌を利用する糖の糖分解とは完全に対照的である。それ故、NADH依存性反応を使用して、NADPH依存性反応をバイパスする(それは、生産歩留りの低下を結果としてもたらし、広範囲にわたる修正を要求する)大腸菌のための既存の戦略は、カルボキシド栄養性クロストリジウムにおいて生産的ではない。本明細書に記載されるような発明は、カルボキシド栄養性クロストリジウムにおけるNADPH依存性反応について優先的に選択することによってこれを克服する戦略を提供して、代謝工学技術のための最大の生産歩留りを実現する。NADPH依存性反応の容量と可能性、ならびに大腸菌を利用する糖に対する差は、実施例3に示される。同様に、この戦略は、非相同経路に適用され得、最大の生産歩留り及び流動を実現する。
実施例2
200を超える遺伝子C.オートエタノゲナム遺伝子の相対発現を、実時間定量PCRを使用して分析して、最高の発現を伴う遺伝子を決定した。
発酵
C.オートエタノゲナムDSM23693での発酵は、37℃及び以下に記載されるような単一のエネルギー及び炭素源としてCO含有製鋼所ガスで1.5Lのバイオリアクタ内で実行した。1リットルにつき:MgCl、CaCl(0.5mM)、KCl(2mM)、HPO(5mM)、Fe(100μM)、Ni、Zn(5μM)、Mn、B、W、Mo、Se(2μM)を含有する定義した培地を培養成長のために使用した。培地は、バイオリアクタの中に移動させて、121℃で45分間オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理後、培地は、チアミン、パントテン酸塩(0.05mg)、ビオチン(0.02mg)を補充して、3mMのシステイン−HClで還元した。嫌気性を実現するために、リアクタ容器は、0.2μmフィルタを通して窒素を分散させた。接種の前に、ガスは、CO含有製鋼所ガスに切り替えて、リアクタに連続的に供給した。ガス流量は、最初に80ml/分に設定して、中間の対数期の間に200ml/分に増加させて、一方、撹拌は、200rpmから350rpmまで増加させた。NaSは、0.25ml/時でバイオリアクタの中に与えた。OD600が0.5に一旦到達したら、バイオリアクタを1.0ml/分のレート(希釈率0.96d−1)で連続的な形態に切り替えた。培地サンプルをバイオマスと代謝物を測定するために取って、内外に流れるガスのヘッドスペース分析を定期的に行った。
qRT−PCR
200を超える遺伝子を用いるqRT−PCR研究は、適切なプライマーを使用して行った。サンプルは、成長期間全体(4日)にわたって、上記したように典型的な1.5Lの流加回分(fed−batch)発酵ランから取った。サンプルは、遠心分離(6,000×g、5分、4℃)によって採取して、細胞造粒物は、液体窒素において急速凍結して、使用まで−80℃で保管した。RNAは、氷上で細胞造粒物を解凍して、それを100μlのリゾチーム溶液(50,000Uのリゾチーム、0.5μL10%のSDS、10mMのTris−HCl、0.1mMのEDTA、pH8)において懸濁することによって分離した。5分後、(10μLの2−メルカプトエタノールを含有する)350μLの溶解バッファーを追加した。細胞懸濁物は、18〜21ゲージ針を5回通過させることによって機構的に破壊した。RNAは、次いで、PureLink(商標)RNA Mini Kit(Invitrogen、Carlsbad、CA92008、USA)を使用して分離して、100μLのRNaseフリー水において溶離した。RNAは、PCR及びゲル電気泳動法によって調べて、分光光度法で定量化して、必要に応じてDNase I(Roche)で処理した。逆の転写ステップは、SuperScript III Reverse Transcriptase Kit(Invitrogen、Carlsbad、CA92008、USA)を使用して実行した。RT−PCR反応は、25ngのcDNAテンプレート、67nMの各プライマー、及び1x iQ SYBR Green Supermix(Bio−Rad Labratories、Hercules、CA94547、USA)を用いて15μlの反応量でMyiQ Single Colour Real−Time PCR Detection System(Bio−Rad Labratories、Hercules、CA94547、USA)において行った。グアニル酸キナーゼ(GnK)及びギ酸塩テトラヒドロ葉酸リガーゼ(FoT4L)をハウスキーピング遺伝子として使用して、非テンプレートコントロール(non−template control)を含んだ。反応条件は、95℃3分間であって、95℃15秒間、55℃15秒間及び72℃30秒間の40サイクルを後に続けた。融解曲線分析は、増幅のプライマー二量化または他の人工物の検出のために、qRT PCR(1℃/秒における58℃から95℃までの38サイクル)の完了の直後に行った。発現レベル上のデータは、Biorad iQ5 2.0ソフトウェアによって計算されるようなPCR基線減算曲線あてはめ方法に基づいて閾値サイクル(Ct)値の形態で計算した。生のCt値は、Relative Expression Software Tool(REST(著作権))2008 V2.0.7を使用して更に分析した。
結果
自己栄養的に成長するときに、カルボキシド栄養性微生物は、炭素及びエネルギー源として働くガスを取り込む。図4は、C.オートエタノゲナムにおいて発現された遺伝子の相対発現を示す。特定された3つの酵素は、自己栄養成長及びガス取り込みに関わっており、発明者らは、それらが、最も強く発現した遺伝子の中で微生物内にあることが分かった。実施例1に示されるように、これらの同じ酵素が、NADHと比較してNADPHの高いまたは独占的な利用を呈することが分かった。NADH依存性酵素の発現は、かなり低いレベルにあった。これらの遺伝子がコード化する酵素が、NADPH依存性であることが分かっていると仮定すると、これは、(大腸菌として生物を利用する糖とは対照的に)NADPHプールが非常に重要であり、NADPH依存性反応が、障害ではないことを示す。カルボキシド栄養性クロストリジウム細胞における工学技術経路について、これは、NADPH依存性反応を選択することができるので大きな利点であり、これらの反応が、回避されるかバイパスされる必要はない。更に、NADPHプールは、性能が低下しないほどに大きく、広範囲にわたる工学技術は、必要ではない。
実施例3
第1級−第2級アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)は、アセトンをイソプロパノールに変換する厳密にNADPH依存性酵素である。それの活性は、アセトンならびに0.2mMのNADHまたはNADPH(Ismaiel、Zhu、Colby、&Chen、1993)を含有する発酵培養液から準備した粗抽出物を用いる酵素測定を使用して実証する。
C.オートエタノゲナムを用いるリアクタ研究を、高い率でイソプロパノールへのアセトンの効果的なNADPH依存性変換を実証するために行った。安定したバイオマス及び代謝物生成を伴う連続的な形態で、アセトンをバイオリアクタと流加培地の両方に追加した。アセトンをリアクタの中に一定のレベルまで混ぜて、次いで、それを連続的な流加によって取得した。最初に、1g/Lアセトンを追加して、代謝物濃度を一旦安定化させて、濃度を5g/L、15g/lまで、また、第2の実験では20g/Lまで増加させた。
材料及び方法
代謝物の分析
アセトン、イソプロパノール及び他の代謝物のHPLC分析は、35℃(屈折率検出器)で動作されるRIDを備えたAgilent 1100 Series HPLCシステム及び60℃に保たれたAlltech IOA−2000有機酸カラム(150×6.5mm、粒子サイズ5μm)を使用して行った。わずかに酸性化した水を0.7ml/分の流量率で移動相として使用した(0.005MのHSO)。タンパク質及び他の細胞残基を除去するために、400μlのサンプルを100μlの2%(w/v)5−スルホサリチル酸と混合して、14,000×gで3分間遠心分離して、沈殿した残基を分離した。次いで、10μlの上澄みを分析のためにHPLCに注入した。
アセトン、イソプロパノール及び他の代謝物のGC分析は、Supelco PDMS 100 1cmファイバーを備えたAgilent 6890NヘッドスペースGC、Alltech EC−1000(30m×0.25mm×0.25μm)カラム、及び炎イオン化検出器(FID)を使用して行った。5mlのサンプルは、Hungateチューブの中に移して、水浴中において40℃まで加熱して、正確に5分間ファイバーに露出した。注入器は、250℃に保ち、1ml/分の一定流量でヘリウムをキャリアガスとして使用した。炉のプログラムは、40℃5分間であって、200℃まで10℃/分の増加を後に続けた。温度は、次いで、50℃/分のレートで220℃まで更に増加させて、温度を50℃/分のレートで40℃まで低下させて最後の1分保持する前に、この温度を5分保持することを後に続けた。FIDは、構成ガスとして水素40ml/分、空気450ml/分及び窒素15ml/分で250℃に保った。
ヘッドスペース分析
測定は、2つの備え付けチャネルを有するVarian CP−4900 micro GC上で実行した。チャネル1は、70℃、200kPaのアルゴン及び4.2秒のバックフラッシュ時間で動作する10m分子ふるいカラムであった一方で、チャネル2は、90℃、150kPaのヘリウム及びバックフラッシュなしで動作する10mPPQカラムであった。両方のチャネルのための注入器温度は70℃であった。実行時間は120秒に設定したが、興味のある全てのピークは、通常、100秒前に溶離することになる。
細胞の採取
4の光学濃度(OD)を有するとともにエタノール、アセテート及び2,3−ブタンジオールを生成するCOならびにH2を利用する、1.5Lバイオリアクタからの細胞は、ゴム栓で閉じられるとともに主としてNで満たされた2リットル瓶の中に管を介してゆっくりと移した。過剰圧力は、その栓を通る針によって解放した。瓶は、0℃以下の温度に保って、培養の移動は、培養を移動後に出来るだけ迅速に0℃まで冷却するようにゆっくりと実行した。移動が完了したときに、瓶は、嫌気性のテント状のもの(tent)内に置いた。チューブを遠心分離して、次いで、上澄みを静かに移して、残りの液体をろ紙で除去した。造粒物は、10mMのジチオスレイトールを含有する50mMの嫌気性リン酸カリウムpH7において懸濁した。いくつかの瓶の懸濁物は、組み合わせて、遠心分離させて、乾燥させて、重さを量って、ドライアイス上に保管した。
酵素測定
酵素測定は、Huang(Huang et al、2012)及びIsmaiel(Ismaiel et al、1993)に概説される方法に従って行った。
結果
イソプロパノールに対するアセトンの還元は、図5に示されるように、厳密にNADPH依存性の第2級アルコールデヒドロゲナーゼ酵素の相関関係であることが分かった。活性は、NADHではなくてNADPHだけで測定して、この酵素が厳密にNADPH依存性であることを実証する。
CO上の自己栄養成長の間のNADPHプールの容量を実証するために、アセトンを、アセトン上で成長するリアクタの中に連続的に流加した。アセトンが、高い率でこのNADPH依存性の第2級アルコールデヒドロゲナーゼ酵素によってイソプロパノールに効率的に変換されたことが分かった.図6は、アセトンが、バイオリアクタへの導入直後にイソプロパノールに変換されることを示す。20g/Lの高濃度でさえも、全てのアセトンをイソプロパノールに変換した培養は、NADPHプールが、高い率でさえもこれを持続するのに十分であることを実証する。
この実験は、カルボキシド栄養性クロストリジウム微生物が、持続的なNADPH依存性反応を推進するために有する容量を実証する。大腸菌では、NADPH容量は、フルフラールの研究(EN Miller et al、2009、Elliot N Miller et al、2009)に示されるように、かなり低い。
実施例4
NADH依存性酵素とNADPH依存性酵素の間に選択肢を提供するいくつかの経路、例えば、ブタノール経路が存在する。最も大きな工学技術努力は、今までのところ、NADPH依存性反応を回避する一方でNADH依存性反応を使用することに集中している。これは、経路の選択を制限して、NADPHによってもたらされる更なる推進力を無視する。
ブタノール生合成のための新規で完全にNADPH依存性の経路が設計されており、チオラーゼ(EC2.3.1.9、btkB、例えば、ラルストニア・ユートロファ:YP_725948.1、遺伝子ID:4248815から、phaA、例えば、ラルストニア・ユートロファ:YP_725941.1、遺伝子ID:4249783から)、NADPH依存性R−3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ(EC:1.1.1.36、phaB GO:0018454、例えば、ラルストニア・ユートロファ:YP_725942.1、遺伝子ID:4249784から)及び3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロターゼ(EC4.2.1.119、phaJ、例えば、アエロモナス・プンクタタ:BAA21816.1から)、NADPH依存性クロトニル−CoAカルボキシラーゼ/レダクターゼ(EC1.3.1.86、ccr、例えば、ストレプトマイセス・コリナスから、EC1.3.1.85、ccrRs、例えば、ロドバクター・スフェロイデス:YP_354044.1、遺伝子ID:3720751から)及びブチリル−CoAに対するNADPH依存性エチルマロニル−CoAデカルボキシラーゼ(EC4.1.1.41、例えば、ハツカネズミ:NP_001103665.1、遺伝子ID:52665から)から成り、それは、次いで、アルデヒド/アルコールデヒドロゲナーゼを通して直接的に、あるいはホスホトランスアセチラーゼ及びブチレートキナーゼを介してブチレートによって、ブタノールに変換され得、アルデヒドフェレドキシンオキシドレダクターゼ及びアルコールデヒドロゲナーゼ、NADPH依存性ブチリル−CoAレダクターゼ(EC1.1.2.10、bldh、例えば、クロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニクム(saccharoperbutylacetonicm)N1−4:AGF59413.1、遺伝子ID:Cspa_c56880から)ならびにアルデヒドレダクターゼ(EC1.1.1.1、adhA、例えば、シネコシスティス(Synechocystis)sp.PCC6803:NP_443028.1、遺伝子ID:951896から)(図7)が、使用され得る。
アセチル−CoAの2つの分子は、ラルストニア・ユートロファからphaABJによってコード化される3つの酵素によってクロトニル−CoAに変換される。2つのアセチル−CoAは、チオラーゼによってアセトアセチル−CoAに凝縮され、NADPHに特異的なR−3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼによるR−3ヒドロキシブチリル−CoAに対する還元が後に続く。R−3−ヒドロキシブチリル−CoAは、次いで、R−3−ヒドロキシブチリル−CoAデヒドラターゼによってクロトニル−CoAに変換される。
ロドバクター・スフェロイデス(Erb et al、2007)からのクロトニル−CoAカルボキシラーゼ/レダクターゼとハツカネズミ(Mus musculus)(マウス)(Linster et al、2011)からのエチルマロニル−CoAデカルボキシラーゼの組み合わせは、まず、二酸化炭素でクロトニル−CoAの凝縮物を触媒して、NADPHの消費を伴ってエチルマロニル−CoAを形成して、ブチリル−CoAに対するエチルマロニル−CoAの脱カルボキシル化が後に続く。
クロストリジウム・サッカロパーブチルアセトニクムNI−4からのブチリル−CoAレダクターゼは、ブチリル−CoAからCoAの一部分を切断して、ブチルアルデヒドを形成する。クロストリジウム・ベイジェリンキ(beijerinkii)NRRL B592からの相同物が、NADPH(Yan及びChen、1990)と最も活性的であるので、酵素は、NADPH依存性であると推定される。
シアノバクテリアのシネコシスティスsp.PCC6803のアルデヒドレダクターゼは、アルコールに対する中間鎖長及び芳香族アルデヒドのNADPH還元に対して強い好みを有する(Vidal et al、2009)。ブタノールの酸化に対するブタノールへのブチルアルデヒドの還元についての好みは、還元を優先して251:1である。
実施例5
ブドウ糖上で成長した大腸菌細胞において、NADHのプールがNADPHプールよりも20倍以上大きく(B.D.Bennett et al、2009)、それは、特に発酵プロセスにおいて、多くの生合成反応や生物変換を制限する(R Poulsen et al、2005)ことが実証されている。NADPH及びNADHプールは、カルボキシド栄養性酢酸生成クロストリジウムにおいて測定した。
実施例2に記載したようなクロストリジウム・オートエタノゲナムを用いる連続的な発酵からのサンプルを取って分析した。5mLの培養サンプルは、遠心分離(−10℃で5分間13000rpm)によって迅速に造粒して、上澄みは除去して、細胞造粒物は、液体窒素において急速凍結して、次いで、分析まで−80℃に保管した。代謝物分析は、記載されるように微生物の造粒物上で行った(B.D.Bennett et al、2009、Yang et al、Clostridium thermocellum ATCC27405 transcriptomic、metabolomic and proteomic profiles after ethanol stress.BMC Genomics 2012、13:336、Marcellin E、Quantitative analysis of intracellular sugar phosphates and sugar nucleotides in encapsulated streptococci using HPAEC−PAD、Biotechnol J2009、4、58-63。
大腸菌とは対照的に、C.オートエタノゲナムでは、NADPHプールは、NADH+H及びNADHに対してNADPH+H及びNADPが2.2:1の比率で、NADHプールよりも大きいことがわかった(図77)。それぞれ、36.8:1のNADH+Hに対するNADPH+Hは、基質としてCOを用いる酢酸生成カルボキシド栄養性クロストリジウムにおいてNADPHの推進力を実証する。
標準法的な段落
読み手が、不適当な実験を用いずに発明を実施することを可能にするために、本発明は、一定の好適な実施形態を参照にして、本明細書に記載されている。しかしながら、当業者は、構成要素及びパラメータの多くが、本発明の範囲から逸脱すること無く、一定の範囲に変えられ得るか修正され得、または既知の均等物に置換され得ることを容易に認識するであろう。そのような修正及び均等物が、本明細書において個別に定められるように組み込まれることが認識されるべきである。タイトル、見出し、または同様のものは、この書類の読み手の理解を増すように提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものとして読み取られるべきではない。
上記や下記の全ての出願、特許及び刊行物の全開示は、もしあれば、参照によって本明細書に組み込まれる。しかしながら、この明細書における任意の出願、特許及び刊行物に対する参照は、それらが、有効な先行技術を構成するという、または、いずれの国においても普通の一般的知識の一部を形成するという認識もしくは任意の形態の提案ではないし、あるいは、そのようにみなされるべきではない。
この明細書及び後続する任意の特許請求の範囲全体を通して、文脈が他のものを要求する場合を除いて、文言「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」及び同様のものは、排他的な意味とは対照的に包括的な意味に、すなわち、「限定されるものではないが、〜を含む」という意味に、解釈されることになる。

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Claims (46)

  1. 少なくとも1つの外因性NADPH依存性酵素を発現するように適合されたまたは少なくとも1つの内因性NADPH依存性酵素を過剰発現するように適合された組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物であって、前記外因性酵素が発現されるときにまたは前記内因性酵素が過剰発現されるときに、前記微生物による前記NADPHの全体的な利用が、親の微生物に対して増加されるように、前記酵素が選択される、組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物。
  2. 前記少なくとも1つのNADPH依存性酵素が、ヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ及びメチレン−THF−デヒドロゲナーゼからなる群から選択される、請求項1に記載の組み換え型の微生物。
  3. 前記少なくとも1つのNADPH依存性酵素が、分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及びギ酸水素リアーゼ複合体からなる群から選択される、請求項1に記載の組み換え型の微生物。
  4. 前記少なくとも1つのNADPH依存性酵素が、NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在しており、前記組み換え型の微生物が、前記NADPH依存性アイソフォームを発現するか過剰発現するように適合される、請求項1に記載の組み換え型の微生物。
  5. 前記少なくとも1つのNADH依存性アイソフォームが、親の微生物に比較して弱化されるか無力化される、請求項4に記載の組み換え型の微生物。
  6. 前記NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している少なくとも1つの酵素が、ヒドロキシメチルグルタリル−CoA(HMG−CoA)レダクターゼである、請求項4に記載の組み換え型の微生物。
  7. 前記NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している少なくとも1つの酵素が、ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、アセトアセチル−CoAレダクターゼ及び3−ヒドロキシブチリル−CoAヒドラターゼからなる群から選択され、前記酵素のうちのいずれか1つが、phaB及びphaJ、ならびに対応するNADH依存性アイソフォームhbdからなる群から選択されるNADPH依存性アイソフォームを含む、請求項4に記載の組み換え型の微生物。
  8. 前記NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している少なくとも1つの酵素が、クロトニル−CoAレダクターゼ、トランス−2−エノイル−CoAレダクターゼ及びブチリル−CoAデヒドロゲナーゼからなる群から選択されており、前記酵素のうちのいずれか1つが、ccr及びccrRs、ならびに対応するNADH依存性アイソフォームterからなる群から選択されるNADPH依存性アイソフォームを含む、請求項4に記載の組み換え型の微生物。
  9. 前記NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している少なくとも1つの酵素が、複数の共同因子依存性を更に呈しており、前記複数の共同因子依存性を呈する酵素が、NADH/フェロドキシン分岐酵素またはNADH/NADPH共依存性酵素から選択される、請求項4に記載の組み換え型の微生物。
  10. 前記少なくとも1つの酵素が、NADH/NADPH分岐アイソフォーム及びNADH/フェレドキシン分岐アイソフォームで存在しており、前記微生物が、前記NADH/NADPH分岐アイソフォームを発現するか過剰発現するように適合される、請求項1に記載の組み換え型の微生物。
  11. 前記少なくとも1つの内因性NADPH依存性酵素が、それのNADH共同因子特異性に対してそれのNADPH共同因子特異性を増加するように修正される、請求項1に記載の組み換え型の微生物。
  12. 前記少なくとも1つの酵素であって、それにおいてNADPH共同因子特異性が増加される、少なくとも1つの酵素が、オキシドレダクターゼ酵素である、請求項11に記載の組み換え型の微生物。
  13. 前記NADPHの全体的な利用における前記増加が、前記微生物による少なくとも1つの発酵生成物の生成の増加を結果としてもたらす、請求項1に記載の組み換え型の微生物。
  14. 前記親の微生物が、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・カルボキシジボランス、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・アセチクム、クロストリジウム、フォルミコアセチクム、クロストリジウム・マグナム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組み換え型の微生物。
  15. 親の微生物に対して増加されたNADPHの利用を呈する組み換え型のカルボキシド栄養性クロストリジウム微生物を生成する方法であって、
    a.少なくとも1つの外因性または内因性NADPH依存性酵素を選択することと、
    b.親の微生物を転換して、前記少なくとも1つのNADPH依存性外因性酵素を発現するまたは前記少なくとも1つのNADPH依存性内因性酵素を過剰発現するように適合された組み換え型の微生物を生成することと、を含む、方法。
  16. 前記少なくとも1つのNADPH依存性酵素が、ヒドロゲナーゼ、ギ酸デヒドロゲナーゼ及びメチレン−THF−デヒドロゲナーゼからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記少なくとも1つのNADPH依存性酵素が、NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在しており、前記組み換え型の微生物が、前記NADPH依存性アイソフォームを発現するか過剰発現するように適合される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記少なくとも1つのNADH依存性アイソフォームが、親の微生物に比較して弱化されるか無力化される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している少なくとも1つの酵素が、ヒドロキシメチルグルタリル−CoA(HMG−CoA)レダクターゼである、請求項17に記載の方法。
  20. 前記NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している少なくとも1つの酵素が、ヒドロキシブチリル−CoAデヒドロゲナーゼ、アセトアセチル−CoAレダクターゼ及び3−ヒドロキシブチリル−CoAヒドラターゼからなる群から選択されており、前記酵素のうちのいずれか1つが、phaB及びphaJ、ならびに対応するNADH依存性アイソフォームhbdからなる群から選択されたNADPH依存性アイソフォームを含む、請求項17に記載の方法。
  21. 前記NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している少なくとも1つの酵素が、クロトニル−CoAレダクターゼ、トランス−2−エノイル−CoAレダクターゼ及びブチリル−CoAデヒドロゲナーゼを含む群から選択されており、前記酵素のうちのいずれか1つが、ccr及びccrRsならびに対応するNADH依存性アイソフォームterからなる群から選択されたNADPH依存性アイソフォームを含む、請求項17に記載の方法。
  22. 前記NADPH及びNADH依存性アイソフォームで存在している少なくとも1つの酵素が、複数の共同因子依存性を更に呈しており、前記複数の共同因子依存性を呈する酵素が、NADH/フェロドキシン分岐酵素またはNADH/NADPH共依存性酵素から選択される、請求項17に記載の方法。
  23. 前記少なくとも1つの酵素が、NADH/NADPH分岐アイソフォーム及びNADH/フェレドキシン分岐アイソフォームで存在しており、前記微生物が、前記NADH/NADPH分岐アイソフォームを発現するか過剰発現するように適合される、請求項15に記載の方法。
  24. 前記酵素の前記NADH共同因子特異性に対して前記少なくとも1つのNADPH依存性酵素の前記NADPH共同因子特異性を増加させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの酵素であって、それにおいてNADPH共同因子特異性が増加される、少なくとも1つの酵素が、オキシドレダクターゼ酵素である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記組み換え型の微生物が、親の微生物に対して少なくとも1つの発酵生成物の増加された生成を有する、請求項15に記載の方法。
  27. 前記親の微生物が、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・カルボキシジボランス、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・アセチクム、クロストリジウム、フォルミコアセチクム、クロストリジウム・マグナム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  28. 少なくとも1つの発酵生成物を生成する方法であって、カルボキシド栄養性微生物の存在下でCOを含む基質を嫌気的に発酵させることを含み、前記カルボキシド栄養性微生物が、請求項1に記載の組み換え型の微生物または請求項15によって生成される組み換え型の微生物である、方法。
  29. 前記少なくとも1つの発酵生成物が、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、C5+アルコール、ブタンジオール、コハク酸塩、イソプレノイド、脂肪酸及び生体高分子からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 発酵反応において複数の共同因子を利用し得る組み換え型の微生物を生成する方法であって、
    a.分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼ、分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼ、及びギ酸水素リアーゼ複合体からなる群から選択された少なくとも1つの酵素を選択することと、
    b.親の微生物を転換して、前記選択された酵素のうちの少なくとも1つを発現するか過剰発現するように適合された組み換え型の微生物を生成することと、を含む、方法。
  31. 前記複数の共同因子が、フェロドキシン及びNADPHを含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記分岐NADP鉄のみのヒドロゲナーゼが、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:26及びYP_003778879、または少なくとも76%の配列同一性を有するそれらのいずれか1つの機能的等価変異体からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項30に記載の方法。
  33. 前記分岐NADPギ酸デヒドロゲナーゼが、AEI90721、YP_003778871、AEI90722、または少なくとも76%の配列同一性を有するそれらのいずれか1つの機能的等価変異体からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記ギ酸水素リアーゼ複合体が、SEQ ID NO:65〜67、または少なくとも76%の配列同一性を有するそれらの機能的等価変異体からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項30に記載の方法。
  35. 前記親の微生物が、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・カルボキシジボランス、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・アセチクム、クロストリジウム、フォルミコアセチクム、クロストリジウム・マグナム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
  36. NADHをNADPHに変換し得る組み換え型の微生物を生成する方法であって、親の微生物を転換して、少なくとも1つの単一のNADH依存性還元型フェレドキシン:NADP+オキシドレダクターゼ(Nfn)酵素を発現するか過剰発現するように適合された組み換え型の微生物を生成することを含む、方法。
  37. 前記Nfn酵素が、SEQ ID NO:2、4、YP_003781852.1及びCLJU_c37240、または少なくとも76%の配列同一性を有するそれらのいずれか1つの機能的等価変異体からなる群から選択された前記アミノ酸配列を含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記親の微生物が、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・カルボキシジボランス、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・アセチクム、クロストリジウム、フォルミコアセチクム、クロストリジウム・マグナム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
  39. NADHをNADPHに変換するためのポリペプチドの使用であって、前記ポリペプチドが、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、YP_003781852.1、またはCLIU_c37240、あるいは少なくとも76%の配列同一性を有するそれらの機能的等価変異体からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む単一のNADH依存性還元型フェレドキシン:NADP+オキシドレダクターゼ(Nfn)酵素を含む、ポリペプチドの使用。
  40. CO及びHからギ酸塩を生成する方法であって、
    a.カルボキシド栄養性クロストリジウム属の親の微生物を転換して、少なくとも1つのギ酸水素リアーゼを発現するか過剰発現するように適合された組み換え型の微生物を生成することと、
    b.前記組み換え型の微生物の存在下でCO及びHを含む基質を嫌気的に発酵させて、ギ酸塩を生成することと、を含む、方法。
  41. 前記ギ酸水素リアーゼが、AEI90721、HQ876015、YP_003778871、CLJU_c08930、AEI90722、HQ876016、SEQ ID:9〜10、CLJU_c07070、YP_003778879及びSEQ ID NO.25〜26、または少なくとも76%の配列同一性を有するそれらの機能的等価変異体からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項40に記載の方法。
  42. 前記カルボキシド栄養性クロストリジウム属の親の微生物が、クロストリジウム・オートエタノゲナム、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・ラグスダレイ、クロストリジウム・カルボキシジボランス、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・アセチクム、クロストリジウム、フォルミコアセチクム、クロストリジウム・マグナム及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
  43. 前記少なくとも1つのギ酸水素リアーゼが、ギ酸塩を変換してCO及びHを形成することが更にできる、請求項40に記載の方法。
  44. CO及びHからギ酸塩を生成する方法であって、
    a.カルボキシド栄養性クロストリジウム微生物から少なくとも1つのギ酸水素リアーゼを精製することと、
    b.前記少なくとも1つの精製されたギ酸水素リアーゼの存在下でCO及びHを含む基質を変換して、ギ酸塩を生成することと、を含む、方法。
  45. 前記ギ酸水素リアーゼが、AEI90721、HQ876015、YP_003778871、CLJU_c08930、AEI90722、HQ876016、SEQ ID:9〜10、CLJU_c07070、YP_003778879及びSEQ ID NO.25〜26、または少なくとも76%の配列同一性を有するそれらの機能的等価変異体からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記少なくとも1つのギ酸水素リアーゼが、ギ酸塩を変換してCO及びHを形成することが更にできる、請求項44に記載の方法。
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