発明の詳細な説明
本発明は、K−ras変異状態に基づいて、アルブミンベースのタキサンナノ粒子組成物による処置方法を提供する。一態様では、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を高レベルのK−ras変異を有する上記個体に投与することによって、一部の実施形態では、有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)をさらに投与することによって、該個体におけるがんを処置する方法が提供される。
別の一態様では、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与することによって、一部の実施形態では、有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)をさらに投与することによって、該個体におけるがんを処置する方法であって、ここで、該個体がK−ras変異状態に基づいて処置のために選択される方法が提供される。
別の一態様では、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物と、一部の実施形態では、有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)とによる処置のために、個体を選択する(同定することを含む)方法が提供され、この方法は、K−ras変異状態を決定するステップを含む。
K−ras変異状態は、以下のうちのいずれかを決定するためにも、有用であり得る:(a)処置(複数可)を最初に受けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある適合性;(b)処置(複数可)を最初に受けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある不適合性;(c)処置に対する応答性;(d)処置(複数可)を受け続けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある適合性;(e)処置(複数可)を受け続けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある不適合性;(f)投与量の調整;(g)臨床的利益の見込みの予測。
また、本明細書に記載される方法に有用な組成物(医薬組成物など)、医薬、キット、および単位用量も提供される。
定義
本明細書で用いられる「処置」または「処置すること」とは、臨床的な結果を含めた有益な結果または所望の結果を得るための手法である。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果に、以下:疾患から結果として生じる1またはそれより多くの症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の増悪を予防するかまたは遅延させること)、疾患の拡大(例えば、転移)を予防するかまたは遅延させること、疾患の再発を予防するかまたは遅延させること、疾患の進行を遅延させるかまたは緩徐化すること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分寛解または完全寛解)をもたらすこと、疾患を処置するのに必要とされる1またはそれより多くの他の医薬の用量を低減すること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、および/または生存を延長することのうちの1または複数が含まれるがこれらに限定されない。また、「処置」には、がんの病理学的帰結の軽減も包含される。本発明の方法は、処置のこれらの側面のうちの任意の1または複数を意図する。
「個体」という用語は、哺乳動物を指し、これには、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類が含まれるがこれに限定されない。一部の実施形態では、個体はヒトである。
本明細書で用いられる「危険性がある」個体とは、がんを発症する危険性がある個体である。「危険性がある」個体は、検出可能な疾患を有する場合もあり、有さない場合もあり、本明細書に記載される処置法の前に、検出可能な疾患を示している場合もあり、示していない場合もある。「危険性がある」とは、個体が1またはそれより多くのいわゆる危険因子を有することを意味し、これらは、がんの発症と相関する測定可能なパラメーターである。これらの危険因子のうちの1または複数を有する個体は、これらの危険因子(複数可)を伴わない個体より、がんを発症する可能性が高い。
「付加療法の状況」とは、個体が、がんの既往歴を有し、個体に治療が全般的に応答性である(しかし、必ずしもそうである必要はない)臨床状況を指し、これには、手術(例えば、手術による切除)、放射線療法、および化学療法が含まれるがこれらに限定されない。しかし、彼らのがんの既往歴のために、これらの個体は、疾患を発症する危険性があると考えられる。「付加療法の状況」における処置または投与は、後続の処置方式を指す。危険性の程度(例えば、付加療法の状況にある個体が「高危険性」または「低危険性」とみなされる場合の)は、複数の因子に依存し、最初に処置された時における疾患の程度に依存することが最も通常である。
「新補助療法の状況」とは、方法を、主要な/決定的な治療の前に実施する臨床状況を指す。
本明細書で用いられる、がんの発症を「遅延させること」とは、がんの発症を延期するか、阻害するか、緩徐化するか、遅滞させるか、安定化させるか、かつ/または遅らせることを意味する。この遅延は、疾患の既往歴および/または処置される個体に応じて、様々な長さの時間でありうる。当業者に明らかである通り、十分な遅延または顕著な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で、予防を包含しうる。がんの発症を「遅延させる」方法とは、所与の時間枠における疾患発症の可能性を低減し、かつ/またはこの方法を用いない場合と比較して、所与の時間枠内で疾患の程度を軽減する方法である。このような比較は、統計学的に有意な数の被験体を用いる臨床研究に基づくことが典型的である。がんの発症は、コンピュータ断層撮影法(CATスキャン)、磁気共鳴画像診断法(MRI)、腹部超音波法、凝血検査、動脈造影法、または生検が含まれるがこれらに限定されない標準的な方法を用いて検出することができる。発症とは、初期において検出されず、発生、再発および発病(onset)を含むがんの進行を指す場合がある。
本明細書で用いられる「組合せ療法」とは、第1の薬剤を、別の薬剤と共に投与することを意味する。「〜と共に」とは、同じ個体への他の薬剤の投与に加えた、本明細書に記載されるナノ粒子組成物の投与など、別の処置モダリティーに加えた、1つの処置モダリティーの投与を指す。したがって、「〜と共に」は、個体に他の処置モダリティーを送達する前、送達する間、または送達した後における、1つの処置モダリティーの投与を指す。かかる組合せは、単一の処置レジメンの一部とみなされる。
本明細書で用いられる「有効量」という用語は、その症状のうちの1または複数を改善するか、緩和するか、軽減するか、かつ/または遅延させるなど、指定された障害、状態、または疾患を処置するのに十分な量の化合物または組成物を指す。がんについて、有効量は、腫瘍を縮小させ、かつ/もしくは腫瘍の増殖速度を減少させる(腫瘍の増殖を抑制するなど)か、または望ましくない他の細胞増殖を予防するかもしくは遅延させるのに十分な量を含む。一部の実施形態では、有効量が、発症を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態では、有効量が、再発を予防するかまたは遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回または複数回の投与で投与することができる。薬物または組成物の有効量は、(i)がん細胞の数を低減することが可能であり、(ii)腫瘍のサイズを縮小させることが可能であり、(iii)末梢器官へのがん細胞の浸潤をある程度まで阻害し、遅滞させ、緩徐化し、好ましくは停止させることが可能であり、(iv)腫瘍の転移を阻害する(すなわち、ある程度まで緩徐化し、好ましくは停止させる)ことが可能であり、(v)腫瘍の増殖を阻害することが可能であり、(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発を予防するかもしくは遅延させることが可能であり、かつ/または(vii)がんと関連する症状のうちの1もしくは複数をある程度まで緩和することが可能である。
本明細書で用いられる「同時投与」という用語は、組合せ療法における第1の療法と第2の療法とを、約10分間、約5分間、または約1分間以内のうちのいずれかなど、約15分間以内の時間間隔で投与することを意味する。第1の療法と第2の療法とを同時に投与する場合、第1の療法および第2の療法を同じ組成物(例えば、第1の療法および第2の療法の両方を含む組成物)中に含有させることもでき、別個の組成物中に含有させる(例えば、第1の療法を1つの組成物中に含有させ、第2の療法を別の組成物中に含有させる)こともできる。
本明細書で用いられる「逐次投与」という用語は、組合せ療法における第1の療法および第2の療法を、約20分間、約30分間、約40分間、約50分間、約60分間またはそれより長い時間のうちのいずれかなど、約15分間を超える時間間隔で投与することを意味する。第1の療法をまず投与することもでき、第2の療法をまず投与することもできる。第1の療法と第2の療法とを別個の組成物中に含有させ、これらを同じパッケージまたはキットに含有させることもでき、異なるパッケージまたはキットに含有させることもできる。
本明細書で用いられる「同時投与(concurrent administration)」という用語は、組合せ療法における第1の療法の投与と、第2の療法の投与とが、互いと重複することを意味する。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性の」とは、生物学的でも他の点でも望ましい材料を意味し、例えば、材料は、あらゆる顕著に望ましくない生物学的作用を引き起こさず、それが含有される組成物の他の成分のうちのいずれかとも有害な様式で相互作用もせずに、個体に投与される医薬組成物へと組み込むことができる。薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤は、好ましくは、毒性試験および製造試験の要求基準を満たし、かつ/または米国食品医薬品局により作成された「不活性成分についての指針」に含まれるものである。
本明細書で用いられる「有害事象」または「AE」とは、市販の医薬製品を受けている個体、または治験医薬品もしくは非治験医薬品を受けている、臨床試験に参加している個体における、任意の有害な医療上のできごとを指す。このAEは、個体の処置との因果関係を必ずしも有さない。したがって、AEは、医薬製品に関連するとみなされるものであれみなされないものであれ、該医薬製品の使用に時間的に関連する任意の好ましくないおよび意図しない徴候、症状または疾患であり得る。AEには以下が含まれるがこれらに限定されない:既存の病気の増悪;既存の突発性の事象または状態の頻度または強度における増加;試験の開始の前に存在していた可能性はあるものの、試験薬物の投与の後に検出または診断された状態;ならびにベースラインにおいて存在し、試験の開始の後に悪化した連続的に持続性の疾患または症状。AEは一般に、以下を含まない:医学的または外科的手順(例えば、手術、内視鏡検査、抜歯または輸血);しかし、この手順をもたらす状態は有害事象である;悪化しない、試験の開始時に存在したまたは検出された既存の疾患、状態または検査値異常;有害な医療上のできごとに関連しない、待機目的で実施される入院または手順(例えば、美容手術もしくは待機手術のための入院、または社会的/便宜的入院);個体の状態について予測されたものよりも重症でない限り、試験されている疾患またはその疾患に関連する徴候/症状;ならびにいずれの臨床的徴候も症状も伴わない試験薬物の過量投与。
本明細書で用いられる「重篤な有害事象」または(SAE)とは、以下であるものが含まれるがこれらに限定されない任意の用量における、任意の有害な医療上のできごとを指す:a)致死的である;b)生命を脅かす(それが発生した場合の、その事象による死亡の差し迫った危険性として定義される);c)持続性のもしくは顕著な身体障害もしくは無能を生じる;d)患者の入院を必要とする、もしくは既存の入院を延長する(除外:試験の間に悪化しなかった既存の状態の待機処置のための入院は、有害事象とみなされない。入院の間に発生する合併症はAEであり、合併症が入院を延長する場合には、その事象は重篤である);e)薬物療法を受けた個体の子孫における先天的異常/出生時欠損である;またはf)個体を危険にさらし得る、もしくは個体の基礎疾患と明らかに関連しない限り、上に列挙したアウトカムのうちの1つを予防するための介入を必要とし得る、上の定義に含まれない状態。「有効性の欠如」(進行性疾患)は、AEまたはSAEとはみなされない。有効性の欠如から生じる徴候および症状または臨床的後遺症は、AEまたはSAEの定義を満たす場合には、報告すべきである。
以下の定義が、標的病変に基づいて応答を評価するために使用され得る:「完全奏効」または「CR」とは、すべての標的病変の消失を指す;「部分奏効」または「PR」とは、ベースライン最長直径の合計(SLD)を参照としてみなしての、標的病変のSLDにおける少なくとも30%の減少を指す;「安定な疾患」または「SD」とは、処置開始以降の底(nadir)SLDを参照としてみなしての、PRに適格であるには標的病変の収縮が十分でなく、PDに適格であるに は標的病変の増加が十分でないことを指す;そして「進行性疾患」または「PD」とは、処置開始以降に記録された底SLDを参照としてみなしての、標的病変のSLDにおける少なくとも20%の増加、または1つもしくはそれより多くの新たな病変の存在を指す。
応答評価の以下の定義が、非標的病変を評価するために使用され得る:「完全奏効」または「CR」とは、すべての非標的病変の消失を指す;「安定な疾患」または「SD」とは、CRまたはPDに適格でない、1つまたはそれより多くの非標的病変の持続を指す;そして「進行性疾患」または「PD」とは、既存の非標的病変(複数可)の「明確な進行」を指すか、または1つもしくはそれより多くの新たな病変(複数可)の出現が、進行性疾患とみなされる(被験体についてのPDが、非標的病変(複数可)の進行にのみ基づいて、ある時点について評価される場合、さらなる基準が満たされる必要がある)。
「無進行生存期間」(PFS)とは、がんが増殖しない、処置の間および処置の後の時間の長さを示す。無進行生存期間は、個体が完全奏効または部分奏効を経験した時間の量、ならびに個体が安定な疾患を経験した時間の量を含む。
治療に対する「完全奏効」(CR)は、その腫瘍、および疾患のすべての証拠が消失した、評価可能であるが測定可能でない疾患を有する個体を定義する。
治療に対する「部分奏効」(PR)は、部分奏効を明らかに示していると単純にカテゴライズされた、完全奏効に満たないものを有する個体を定義する。
「安定な疾患」(SD)とは、上記個体が安定であることを示す。
「相関する」または「相関すること」は、任意の方法で、第1の分析またはプロトコールの性能および/または結果を、第2の分析またはプロトコールの性能および/または結果と比較することを意味する。例えば、第1の分析またはプロトコールの結果を使用して、第2の分析またはプロトコールを実施すべきかどうかを決定することができる。遺伝子発現分析またはプロトコールの実施形態に関して、その遺伝子発現分析またはプロトコールの結果を使用して、特定の治療レジメンを実施すべきかどうかを決定することができる。
「予測すること」または「予測」は、個体が、処置レジメンに対して有利にまたは不利に、のいずれかで応答する可能性がある見込みを指すために、本明細書で使用される。
本明細書で用いられる「処置を開始する時点」または「ベースライン」とは、処置に対する最初の曝露の時点または最初の曝露の前の期間を指す。
本明細書で用いられる「評価を補助する」方法とは、臨床的決定を行うことを補助する方法を指し、その評価に関して決定的であってもなくてもよい。
本明細書で用いられる「応答する可能性がある」または「応答性」とは、腫瘍サイズにおける測定可能な低減または疾患もしくは疾患進行の証拠、完全奏効、部分奏効、安定な疾患、無進行生存期間の増加または延長、あるいは全生存期間の増加または延長から選択されるがこれらに限定されない、臨床的または非臨床的のいずれかの、任意の種類の改善または陽性応答を指す。
本明細書で用いられる「試料」とは、例えば物理的、生化学的、化学的、生理学的および/または遺伝学的特徴に基づいて特徴付けられるおよび/または同定される分子を含む組成物を指す。
本明細書で用いられる「細胞」は、特定の対象細胞だけではなく、かかる細胞の子孫または潜在的子孫も指すと理解される。特定の修飾は、変異または環境的影響のいずれかに起因して、後続する世代を生じ得るので、かかる子孫は、実際には親細胞と同一でない可能性があるが、本明細書で用いられるこの用語の範囲内になおも含まれる。
「処置の開始の前または処置の開始の際に」決定されるK−ras変異状態は、本明細書に記載される処置モダリティーの最初の投与を個体が受ける前にその個体において決定されたK−ras変異状態である。
本明細書に記載される処置(複数可)に「適切」である個体を含む、「適切であり得る」個体は、前記処置の投与から利益を受けないよりは利益を受ける可能性のある個体である。逆に、本明細書に記載される処置(複数可)に「不適切」である個体を含む、「適切であり得ない」または「不適切であり得る」個体は、前記処置の投与から利益を受けることに失敗しないよりは利益を受けることに失敗する可能性のある個体である。
本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなる」こと、および/または態様および実施形態「から本質的になる」ことを包含することを理解されたい。
本明細書における「おおよその」値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーター自体を対象とするばらつきを包含(および記載)する。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を包含する。
本明細書および付属の特許請求の範囲で用いられる単数形の「ある」、「または」、および「その」は、文脈が別段に決定することが明らかでない限り、複数の指示を包含する。
当業者に明らかなように、評価される個体、処置のために選択される個体、および/または処置を受けている個体は、かかる活動を必要とする個体である。
処置の方法
本発明は、一実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与することにより、該個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法を提供し、上記個体は、K−ras変異状態(K−ras G12変異状態、すなわち、配列番号2に対応するG12位置における変異など)に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を個体に投与することにより、該個体におけるがんを処置する方法が提供され、上記個体は、K−ras変異状態(K−ras G12変異状態など)に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体におけるがんを処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む);ならびに(ii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、K−ras変異状態(K−ras G12変異状態など)に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、ヒト個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、K−ras変異状態(K−ras G12変異状態など)に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異は、K−rasタンパク質をコードする核酸において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態(例えば、K−ras G12変異状態)は、対照(本明細書に記載される対照のいずれかなど)と比較することによって決定される。一部の実施形態では、野生型K−rasを有する個体は、処置のために選択されない。一部の実施形態では、K−ras変異を有する個体が、処置のために選択される。さらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
本明細書で用いられる「〜に基づく」は、本明細書に記載される個体の特徴を、評価、決定または測定すること(および好ましくは、処置を受けるのに適切な個体を選択すること)を含む。K−ras変異状態が、選択、評価、測定、または本明細書に記載される処置の方法を決定するための「基礎として使用される」場合、このK−ras変異状態は、処置の前および/またはその間に決定され、得られた状態は、以下のうちのいずれかを評価する際に、臨床医によって使用される:(a)処置(複数可)を最初に受けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある適合性;(b)処置(複数可)を最初に受けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある不適合性;(c)処置に対する応答性;(d)処置(複数可)を受け続けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある適合性;(e)処置(複数可)を受け続けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある不適合性;(f)投与量の調整;あるいは(g)臨床的利益の見込みの予測。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与することにより、該個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を個体に投与することにより、該個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む);ならびに(ii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、ヒト個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異は、K−rasタンパク質をコードする核酸において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態(例えば、K−ras G12変異状態)は、対照(本明細書に記載される対照のいずれかなど)と比較することによって決定される。さらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12D、G12V、G13D、Q61K、Q61R、Q61L、Q61HおよびF156Lからなる群より選択される1またはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12V、G13DおよびQ61Lからなる群より選択される1またはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12VおよびG13Dからなる群より選択される1またはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体においてがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体におけるK−ras変異状態を評価するステップ;ならびに(b)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体においてがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体におけるK−ras変異状態を評価するステップ;ならびに(b)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;ならびに(b)(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む);ならびに(ii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、ヒト個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;ならびに(b)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異は、K−rasタンパク質をコードする核酸において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態(例えば、K−ras G12変異状態)は、対照(本明細書に記載される対照のいずれかなど)と比較することによって決定される。さらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12D、G12V、G13D、Q61K、Q61R、Q61L、Q61HおよびF156Lからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12V、G13DおよびQ61Lからなる群より選択される1またはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12VおよびG13Dからなる群より選択される1またはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体においてがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体におけるK−ras変異状態を評価するステップ;(b)該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のためにその個体を選択する(例えば、同定する)ステップ;ならびに(c)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体においてがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体におけるK−ras変異状態を評価するステップ;(b)該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のためにその個体を選択する(例えば、同定する)ステップ;ならびに(c)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;(b)該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のためにその個体を選択する(例えば、同定する)ステップ;ならびに(c)(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子を含む有効量の組成物(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む);ならびに(ii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、ヒト個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;(b)該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)を有することに基づいて、処置のためにその個体を選択する(例えば、同定する)ステップ;ならびに(c)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異は、K−rasタンパク質をコードする核酸において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態(例えば、K−ras G12変異状態)は、対照(本明細書に記載される対照のいずれかなど)と比較することによって決定される。さらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12D、G12V、G13D、Q61K、Q61R、Q61L、Q61HおよびF156Lからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12V、G13DおよびQ61Lからなる群より選択される1またはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12VおよびG13Dからなる群より選択される1またはそれより多くである。
本発明は、一実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を個体に投与することにより、上記個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法を提供し、上記個体は、K−ras変異状態(K−ras G12変異など)を有する。一部の実施形態では、i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびにii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を個体に投与することにより、上記個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、上記個体は、K−ras変異(K−ras G12変異など)(例えば、対照試料と比較して低レベル)を有する。一部の実施形態では、個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、K−ras変異(K−ras G12変異など)を有する。一部の実施形態では、ヒト個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、K−ras変異(K−ras G12変異など)を有する。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異は、K−rasタンパク質をコードする核酸において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態(例えば、K−ras G12変異状態)は、対照(本明細書に記載される対照のいずれかなど)と比較することによって決定される。一部の実施形態では、K−ras変異を有する個体が、処置のために選択される。さらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12D、G12V、G13D、Q61K、Q61R、Q61L、Q61HおよびF156Lからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12V、G13DおよびQ61Lからなる群より選択される1またはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12VおよびG13Dからなる群より選択される1またはそれより多くである。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物による処置のために、がん(膵臓がんなど)を有する個体を選択する(同定することを含む)方法が提供され、この方法は、K−ras変異状態(K−ras G12変異状態など)を決定するステップを含む。一部の実施形態では、i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物、ならびにii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)による処置のために、がん(膵臓がんなど)を有する個体を選択する(同定することを含む)方法が提供され、この方法は、K−ras変異状態(K−ras G12変異状態など)を決定するステップを含む。一部の実施形態では、(i)アルブミンでコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子(約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む)を含む有効量の組成物;および(ii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)による処置のために、がん(膵臓がんなど)を有する個体を選択する(同定することを含む)方法が提供され、この方法は、K−ras変異状態(K−ras G12変異状態など)を決定するステップを含む。一部の実施形態では、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル)と、(ii)有効量のゲムシタビンとによる処置のために、がん(膵臓がんなど)を有する個体を選択する(同定することを含む)方法が提供され、この方法は、K−ras変異状態(K−ras G12変異状態など)を決定するステップを含む。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異は、K−rasタンパク質をコードする核酸において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態(例えば、K−ras G12変異状態)は、対照(本明細書に記載される対照のいずれかなど)と比較することによって決定される。一部の実施形態では、K−ras変異を有する個体が、処置のために選択される。一部の実施形態では、野生型K−rasを有する個体は、処置のために選択されない。さらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12D、G12V、G13D、Q61K、Q61R、Q61L、Q61HおよびF156Lからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12V、G13DおよびQ61Lからなる群より選択される1またはそれより多くである。なお他のさらなる実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12VおよびG13Dからなる群より選択される1またはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、K−ras変異に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性膵臓がんまたは局所進行切除不能膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)個体のK−ras変異状態を決定するステップ、ならびにb)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性膵臓がんまたは局所進行切除不能膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体における高レベルのK−ras変異に基づいて、処置のために該個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性膵臓がんまたは局所進行切除不能膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体におけるK−ras変異状態を評価するステップ;b)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のために該個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(肺がんなど、例えば、非小細胞肺がん「NSCLC」)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(カルボプラチンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、K−ras変異に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における肺がん(NSCLCなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(カルボプラチンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における肺がん(NSCLCなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量のカルボプラチンを上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における肺がん(NSCLCなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体におけるK−ras変異状態を評価するステップ;b)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(カルボプラチンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(結腸直腸がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(5−FU(フルオロウラシル)、カペシタビン、オキサリプラチンまたはイリノテカンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、K−ras変異に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における結腸直腸がんを処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(5−FU(フルオロウラシル)、カペシタビン、オキサリプラチンまたはイリノテカンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における結腸直腸がんを処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(5−FU(フルオロウラシル)、カペシタビン、オキサリプラチンまたはイリノテカンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における結腸直腸がんを処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras状態を評価するステップ;b)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(5−FU(フルオロウラシル)、カペシタビン、オキサリプラチンまたはイリノテカンなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(黒色腫など)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、K−ras変異に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における黒色腫(転移性黒色腫など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における黒色腫(転移性黒色腫など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における黒色腫(転移性黒色腫など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras状態を評価するステップ;b)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12D、G12V、G13D、Q61K、Q61R、Q61L、Q61HおよびF156Lからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(乳がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、K−ras変異に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における乳がん(転移性乳がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における乳がん(転移性乳がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における乳がん(転移性乳がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras状態を評価するステップ;b)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12V、G13DおよびQ61Lからなる群より選択される1またはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(卵巣がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含み、上記個体は、K−ras変異に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、個体における卵巣がんを処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を決定するステップ、ならびに(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における卵巣がんを処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、個体における卵巣がんを処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras状態を評価するステップ;b)該個体におけるK−ras変異に基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および必要に応じて(ii)有効量の別の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与(例えば、静脈内)するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1つまたはそれより多くにある。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12VおよびG13Dからなる群より選択される1またはそれより多くである。
K−ras変異状態は、以下のうちのいずれかを決定するためにも、有用であり得る:(a)処置(複数可)を最初に受けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある適合性;(b)処置(複数可)を最初に受けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある不適合性;(c)処置に対する応答性;(d)処置(複数可)を受け続けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある適合性;(e)処置(複数可)を受け続けることに対する個体のほぼ確実なまたは可能性のある不適合性;(f)投与量の調整;(g)臨床的利益の見込みの予測。
一部の実施形態では、個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13 S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにおけるK−ras変異状態に基づく。一部の実施形態では、上記個体は、K−ras変異を有する。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性膵臓がんまたは局所進行膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、該個体がK−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1またはそれより多くにおいて変異を有することに基づく。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性膵臓がんまたは局所進行膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択する(例えば、同定する)ステップ;ならびに(b)a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体における膵臓がん(転移性膵臓がんまたは局所進行膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;(b)K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択する(例えば、同定する)ステップ;ならびに(c)a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(結腸直腸がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(5−FU(フルオロウラシル)、カペシタビン、オキサリプラチンおよびイリノテカンからなる群より選択される化学療法剤など)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1またはそれより多くにおけるK−ras変異状態に基づく。一部の実施形態では、上記個体は、K−ras変異を有する。一部の実施形態では、個体における結腸直腸がんを処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(5−FU(フルオロウラシル)、カペシタビン、オキサリプラチンおよびイリノテカンからなる群より選択される化学療法剤など)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、該個体がK−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1またはそれより多くにおいて変異を有することに基づく。一部の実施形態では、個体における結腸直腸がんを処置する方法が提供され、この方法は、(a)K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびに(b)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(5−FU(フルオロウラシル)、カペシタビン、オキサリプラチンおよびイリノテカンからなる群より選択される化学療法剤など)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体における結腸直腸がんを処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;(b)K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて、処置のためにその個体を選択するステップ;ならびに(c)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(5−FU(フルオロウラシル)、カペシタビン、オキサリプラチンおよびイリノテカンからなる群より選択される化学療法剤など)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(肺がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(カルボプラチンなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおけるK−ras変異状態に基づく。一部の実施形態では、上記個体は、K−ras変異を有する。一部の実施形態では、個体における肺がん(NSCLCなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(カルボプラチンなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、該個体がK−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおいて変異を有することに基づく。一部の実施形態では、個体における肺がん(NSCLCなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(カルボプラチンなど)を、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体における肺がん(NSCLCなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;b)K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(カルボプラチンなど)を、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(黒色腫など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(カルボプラチンなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1またはそれより多くにおけるK−ras変異状態に基づく。一部の実施形態では、上記個体は、K−ras変異を有する。一部の実施形態では、個体における黒色腫(転移性黒色腫など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、該個体がK−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1またはそれより多くにおいて変異を有することに基づく。一部の実施形態では、個体における黒色腫(転移性黒色腫など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体における黒色腫(転移性黒色腫など)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;b)K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61またはF156のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12D、G12V、G13D、Q61K、Q61R、Q61L、Q61HおよびF156Lからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(乳がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(カルボプラチンなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおけるK−ras変異状態に基づく。一部の実施形態では、上記個体は、K−ras変異を有する。一部の実施形態では、個体における乳がん(転移性乳がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、該個体がK−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおいて変異を有することに基づく。一部の実施形態では、個体における乳がん(転移性乳がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体における乳がん(転移性乳がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;b)K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12V、G13DおよびQ61Lからなる群より選択される1またはそれより多くである。
一部の実施形態では、個体におけるがん(卵巣がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(カルボプラチンなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1またはそれより多くにおけるK−ras変異状態に基づく。一部の実施形態では、上記個体は、K−ras変異を有する。一部の実施形態では、個体における卵巣がん(転移性卵巣がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてb)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含み、処置は、該個体がK−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1またはそれより多くにおいて変異を有することに基づく。一部の実施形態では、個体における卵巣がん(転移性卵巣がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにb)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、個体における卵巣がん(転移性卵巣がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、a)該個体のK−ras変異状態を評価するステップ;b)K−rasアミノ酸配列のG12またはG13のうちの1またはそれより多くにおける変異を該個体が有することに基づいて処置のためにその個体を選択するステップ;ならびにc)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(ベバシズマブなど)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12A、G12D、G12VおよびG13Dからなる群より選択される1またはそれより多くである。
がんを有する個体が処置に応答する可能性がより高いかどうかまたは処置に応答する可能性がより低いかどうかを評価する方法もまた、本明細書で提供され、この処置は、i)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤を含み、前記方法は、上記個体においてK−ras変異状態を決定するステップを含み、K−ras変異は、その個体が処置に応答する可能性がより高いことを示し、野生型K−rasは、その個体が処置に応答する可能性がより低いことを示す。一部の実施形態では、この方法は、i)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびに/またはii)有効量の治療剤を、処置に応答する可能性があると決定される個体に、上記個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、治療剤の量は、K−ras変異状態に基づいて決定される。一部の実施形態では、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の量は、K−ras変異状態に基づいて決定される。
一部の実施形態では、参照と比較したK−ras変異は、a)その個体が処置に応答する可能性がより高いこと、またはb)その個体が処置のために選択されることを示す。一部の実施形態では、参照と比較した野生型K−rasは、a)その個体が処置に応答する可能性がより低いこと、またはb)その個体が処置のために選択されないことを示す。
個体におけるK−ras変異状態は、個体由来の試料を分析することによって決定され得る。適切な試料には、腫瘍組織、この腫瘍に隣接する正常組織、この腫瘍に対して遠位の正常組織、または末梢血リンパ球が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この試料は腫瘍組織である。一部の実施形態では、この試料は、がん細胞(例えば、膵臓がん細胞)の細針吸引物、または腹腔鏡検査により取得されたがん細胞(例えば、膵臓がん細胞)などのがん細胞を含む生検である。一部の実施形態では、この生検細胞は、ペレットへと遠心分離され、固定され、分析の前にパラフィン中に包埋される。一部の実施形態では、この生検細胞は、分析の前に急速凍結される。一部の実施形態では、この生検細胞は、K−rasタンパク質またはその断片を認識する抗体と混合される。一部の実施形態では、この生検細胞は、K−ras遺伝子またはその断片を認識する核酸と混合される。
一部の実施形態では、この試料は、循環する転移性がん細胞を含む。一部の実施形態では、この試料は、膵臓の循環腫瘍細胞(CTC)を血液からソーティングすることによって取得される。さらなる一実施形態では、これらのCTCは、原発性腫瘍から脱離したものであり、体液中を循環する。なおさらなる一実施形態では、これらのCTCは、原発性腫瘍から脱離したものであり、血流中を循環する。さらなる一実施形態では、これらのCTCは、転移の指標である。一部の実施形態では、これらのCTCは、膵臓がん細胞である。一部の実施形態では、これらのCTCは、結腸直腸がん細胞である。一部の実施形態では、これらのCTCは、非小細胞肺癌細胞である。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、このナノ粒子におけるタキサンは、アルブミンでコーティングされる。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物は、界面活性剤を実質的に含まない。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、処置は、約30分間未満にわたる、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の投与を含む。上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、処置は、約50mg/m2と約125mg/m2の間の、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の用量を含む。一部の実施形態では、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の用量は、約50mg/m2、約75mg/m2、または約100mg/m2である。上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、処置は、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の非経口投与を含む。上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、処置は、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の静脈内投与を含む。上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、処置は、毎週の、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の投与を含む。上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、処置は、任意のステロイド前投薬なしおよび/またはG−CSF予防なしの、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の投与を含む。上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物および治療剤は逐次的に投与される。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、このタキサンはドセタキセルである。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、この処置は、約5mg/kgと約60mg/kgの間の量(用量)の治療剤を含む。一部の実施形態では、治療剤の量(用量)は、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kgまたは約50mg/kgである。上記方法のいずれかの一部の実施形態では、この処置は、治療剤の経口投与を含む。上記方法のいずれかの一部の実施形態では、この処置は、治療剤の毎週の投与を含む。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、この治療剤はゲムシタビンである。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、このがんは、胆道がん、膀胱がん、骨がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、眼がん、生殖器がん、造血器およびリンパ組織がん、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん、小腸がん、胃がんならびに胸腺がんからなる群より選択される。上記方法のいずれかの一部の実施形態では、この方法は、ファーストライン治療である。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは膵臓がんである。本明細書に記載される方法で処置され得る膵臓がんには、外分泌膵臓がんおよび内分泌膵臓がんが含まれるがこれらに限定されない。外分泌膵臓がんには、腺癌、腺房細胞癌、腺扁平上皮癌、膠様癌、破骨細胞様巨細胞を伴う未分化癌、肝様癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍、粘液性嚢胞新生物、膵芽腫、漿液性嚢胞腺腫、印環細胞癌、充実性偽乳頭(solid and pseuodpapillary)腫瘍、膵管癌および未分化癌が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この外分泌膵臓がんは、膵管癌である。内分泌膵臓がんには、インスリノーマおよびグルカゴノーマが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この膵臓がんは、初期ステージの膵臓がん、非転移性膵臓がん、原発性膵臓がん、切除された膵臓がん、進行膵臓がん、局所進行膵臓がん、転移性膵臓がん、切除不能な膵臓がん、寛解中の膵臓がん、再発性膵臓がん、補助の状況における膵臓がん、または新補助の状況における膵臓がんのいずれかである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、局所進行膵臓がん、切除不能な膵臓がんまたは転移性膵管癌である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、ゲムシタビンベースの治療に対して抵抗性である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、ゲムシタビンベースの治療に対して不応性である。
一部の実施形態では、上記個体上記個体は、膵臓がん(転移性がんなど)を有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、局所進行切除不能な膵臓がんを有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の体部である。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の尾部である。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、膵臓がんの診断の時点で、ステージIVの膵臓がんを有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、3つよりも多い転移部位を有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、≧59×ULN(正常の上限)である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、70と80の間のカルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)を有する。一部の実施形態では、上記個体上記個体は、膵臓の腺癌を有する。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2であり、上記個体は、K−ras変異状態に基づいて処置のために選択される。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、上記ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。
一部の実施形態では、ヒト個体における膵臓の局所進行切除不能なまたは転移性の腺癌を処置する方法が提供され、この方法は、(i)有効量のnab−パクリタキセル(例えば、約5mg/mlのnab−パクリタキセル);および(ii)有効量のゲムシタビンを上記個体に(約30〜約40分間にわたる静脈内注入などによって)静脈内投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2であり、上記個体は、K−ras変異(K−ras G12変異など)を有する。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。
本明細書に記載される方法のいずれもが、以下の目的のうちの任意の1つまたはそれより多くのために使用され得る:がんの1つもしくはそれより多くの症状を緩和する、がんの進行を遅延させる、がん腫瘍サイズを収縮させる、がん間質を崩壊させる(破壊するなど)、がん腫瘍増殖を阻害する、全生存期間を延長する、無疾患生存期間を延長する、がん疾患進行までの時間を延長する、がん腫瘍転移を予防または遅延させる、既存のがん腫瘍転移を低減させる(根絶する(eradiating)など)、既存のがん腫瘍転移の発生率もしくは負荷を低減させる、がんの再発を予防する、および/またはがんの臨床的利益を改善する。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。上記方法のいずれかの一部の実施形態では、アルブミンは、ヒト血清アルブミンである。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、上記個体はヒトである。
本明細書に記載されるK−ras変異は、いくつかのがんにおいて同定されている。本明細書の方法のいずれかの一部の実施形態では、K−ras変異状態は、表1に開示される1またはそれより多くの位置において決定される。一部の実施形態では、K−ras変異状態は、表1に開示される1つの位置において決定される。一部の実施形態では、K−ras変異状態は、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにおいて決定される。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。他のさらなる実施形態では、K−ras変異状態は、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにおいて決定される。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。なお他の実施形態では、K−ras変異状態は、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにおいて決定される。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異状態は、K−ras遺伝子のエクソン2において決定される。本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異状態は、K−ras遺伝子のエクソン3において決定される。
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異状態は、K−rasタンパク質をコードする核酸と比較して決定される。一部の実施形態では、K−rasタンパク質をコードする核酸配列は、以下を含む:
ATGACTGAATATAAACTTGTGGTAGTTGGAGCTGGTGGCGTAGGCAAGAGTGCCTTGACGATACAGCTAATTCAGAATCATTTTGTGGACGAATATGATCCAACAATAGAGGATTCCTACAGGAAGCAAGTAGTAATTGATGGAGAAACCTGTCTCTTGGATATTCTCGACACAGCAGGTCAAGAGGAGTACAGTGCAATGAGGGACCAGTACATGAGGACTGGGGAGGGCTTTCTTTGTGTATTTGCCATAAATAATACTAAATCATTTGAAGATATTCACCATTATAGAGAACAAATTAAAAGAGTTAAGGACTCTGAAGATGTACCTATGGTCCTAGTAGGAAATAAATGTGATTTGCCTTCTAGAACAGTAGACACAAAACAGGCTCAGGACTTAGCAAGAAGTTATGGAATTCCTTTTATTGAAACATCAGCAAAGACAAGACAGGGTGTTGATGATGCCTTCTATACATTAGTTCGAGAAATTCGAAAACATAAAGAAAAGATGAGCAAAGATGGTAAAAAGAAGAAAAAGAAGTCAAAGACAAAGTGTGTAATTATGTAA(配列番号1)
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異状態は、K−rasタンパク質をコードするアミノ酸配列と比較して決定される。一部の実施形態では、K−rasタンパク質をコードするアミノ酸配列は、以下を含む:
MTEYKLVVVGAGGVGKSALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRKQVVIDGETCLLDILDTAGQEEYSAMRDQYMRTGEGFLCVFAINNTKSFEDIHHYREQIKRVKDSEDVPMVLVGNKCDLPSRTVDTKQAQDLARSYGIPFIETSAKTRQGVDDAFYTLVREIRKHKEKMSKDGKKKKKKSKTKCVIM(配列番号2)
一部の実施形態では、K−rasタンパク質をコードするアミノ酸は、Genbank受託番号NP_004976.2によって同定される。他の実施形態では、K−rasタンパク質をコードするアミノ酸は、Genbank受託番号NP_203524.1によって同定される。
一部の実施形態では、K−rasタンパク質をコードするmRNAは、Genbank受託番号NM_004985.3によって同定される。他の実施形態では、K−rasタンパク質をコードするmRNAは、Genbank受託番号NM_033360.2によって同定される。
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異状態は、K−ras遺伝子のエクソン2において決定される。
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異状態は、K−ras遺伝子のエクソン3において決定される。
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異には、サイレント変異が含まれる。
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、評価されるK−ras変異には、表1に記載されるK−ras遺伝子変異および/またはK−rasタンパク質変異が含まれるがこれらに限定されない。本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異状態は、表1に記載されるK−ras遺伝子位置および/またはK−rasタンパク質位置のうちのいずれかにおいて決定される。本出願は、本明細書に開示される変異のうちのいずれか1またはそれより多くに基づく、処置および方法を包含する。
本明細書に開示される実施形態のいずれかでは、このK−ras変異には、サイレント変異(G12Gなど)が含まれる。
このK−ras変異状態は、当該分野で公知の方法によって決定され得る。例えば、Changら、BMC Cancer、2009年、9巻:179頁およびGonzalez de Castroら、Br J Cancer、2012年、102巻(2号)345〜51頁を参照のこと。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、配列分析、例えば、個体から取得されたゲノムDNAまたはRNA(cDNA)の配列決定分析によって決定される。K−ras変異状態は、試料(例えば、個体由来の試料または参照試料)に基づいて決定され得る。一部の実施形態では、この試料は、組織、臓器、細胞または腫瘍由来である。一部の実施形態では、この試料は、生物学的試料である。一部の実施形態では、この生物学的試料は、生物学的流体試料または生物学的組織試料である。さらなる実施形態では、この生物学的流体試料は、体液である。体液には、血液、リンパ液、唾液、精液、腹水、脳脊髄液、母乳および胸水が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この試料は、例えば血小板、リンパ球、多形核細胞、マクロファージおよび赤血球を含む血液試料である。
一部の実施形態では、この試料は、腫瘍組織、前記腫瘍に隣接する正常組織、前記腫瘍に対して遠位の正常組織、血液試料または他の生物学的試料である。一部の実施形態では、この試料は、固定された試料である。固定された試料には、ホルマリン固定された試料、パラフィン包埋試料または凍結試料が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この試料は、がん細胞を含む生検である。さらなる一実施形態では、この生検は、膵臓がん細胞の細針吸引物である。さらなる一実施形態では、この生検は、腹腔鏡検査により取得された膵臓がん細胞である。一部の実施形態では、この生検細胞は、ペレットへと遠心分離され、固定され、パラフィン中に包埋される。一部の実施形態では、この生検細胞は、急速凍結される。一部の実施形態では、この生検細胞は、K−ras変異を認識する抗体と混合される。一部の実施形態では、生検は、個体ががんを有するかどうかを決定するために採取され、次いで試料として使用される。一部の実施形態では、この試料は、手術により取得された腫瘍細胞である。一部の実施形態では、試料は、K−ras変異状態の決定が行われるときとは異なる時点で取得され得る。
一部の実施形態では、この試料は、循環する転移性がん細胞を含む。一部の実施形態では、この循環する転移性がん細胞は、膵臓がん細胞、結腸直腸がん細胞または非小肺がん細胞である。一部の実施形態では、この試料は、循環腫瘍細胞(CTC)を血液からソーティングすることによって取得される。さらなる一実施形態では、これらのCTCは、原発性腫瘍から脱離したものであり、体液中を循環する。なおさらなる一実施形態では、これらのCTCは、原発性腫瘍から脱離したものであり、血流中を循環する。さらなる一実施形態では、これらのCTCは、転移の指標である。一部の実施形態では、これらのCTCは、膵臓がん細胞である。一部の実施形態では、これらのCTCは、結腸直腸がん細胞である。一部の実施形態では、これらのCTCは、非小細胞肺癌細胞である。
一部の実施形態では、K−ras変異状態が決定される。一部の実施形態では、K−rasの2またはそれより多くの位置におけるK−ras変異状態が決定される;例えば、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61からなる群より選択される2またはそれより多くの位置における、1またはそれより多くのK−ras変異状態が決定され得る。一部の実施形態では、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146からなる群より選択される2またはそれより多くの位置における、1またはそれより多くのK−ras変異状態が決定され得る。一部の実施形態では、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61からなる群より選択される2またはそれより多くの位置における、1またはそれより多くのK−ras変異状態が決定され得る。1またはそれより多くのK−ras変異状態位置には、例えば、少なくとも2またはそれより多くのK−ras変異状態位置、少なくとも3またはそれより多くのK−ras変異状態位置、少なくとも4またはそれより多くのK−ras変異状態位置、少なくとも5またはそれより多くのK−ras変異状態位置または少なくとも6またはそれより多くのK−ras変異状態位置が含まれる。
この方法を実施するために、例えば、上記試料は、腫瘍組織、前記腫瘍に隣接する正常組織、前記腫瘍に対して遠位の正常組織、または末梢血リンパ球を含む、個体の試料である。上記に記載されている方法での使用のための試料核酸は、被験体の任意の細胞型または組織から取得され得る。例えば、被験体の体液(例えば、血液)が、公知の技術(例えば、静脈穿刺)によって取得され得る。あるいは、試験が、乾燥試料(例えば、毛髪または皮膚)に対して実施され得る。これらの試料は、新鮮であっても凍結されてもよい。一部の実施形態では、この試料は、固定され、パラフィン中などに包埋される。
一部の実施形態では、この方法は、試験される遺伝子材料を含む試料を単離するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、K−ras変異状態をin situで決定するステップを含む。したがって、本出願の方法は、分析前に遺伝子材料の単離を必要とすることに限定されない。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんの1つまたはそれより多くの特徴は、SPARCの示差的(differential)レベルを決定することをさらに含む。SPARC(分泌タンパク質、酸性およびシステインリッチ(Secreted Protein、Acidic and Rich in Cysteine))は、いくつかの侵襲性がん(aggressive cancer)において上方調節されるマトリセルラータンパク質である。Porterら、J. Histochem. Cytochem.1995年;43巻:791頁を参照のこと。ヒトSPARC遺伝子は、303アミノ酸のSPARCタンパク質をコードするが、成熟SPARCは、285アミノ酸の糖タンパク質である。シグナル配列の切断後、グリコシル化に起因して、SDA−PAGE上で43kDの位置に移動する32kDの分泌形態が生成される。一部の実施形態では、示差的レベルが、腫瘍組織、前記腫瘍に隣接する正常組織、前記腫瘍に対して遠位の正常組織、または末梢血リンパ球において決定される。一部の実施形態では、薬物取り込み能は、腫瘍間質上のSPARCのレベルに基づく。
遺伝子発現を測定する方法および/または多型の検出のために配列を決定する方法は、当該分野で周知であり、これには以下が含まれるがこれらに限定されない:免疫学的アッセイ、ヌクレアーゼ保護アッセイ、ノザンブロット、in situハイブリダイゼーション、ELISA、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応、発現配列タグ(EST)配列決定、cDNAマイクロアレイハイブリダイゼーションまたは遺伝子チップ分析、サブトラクティブクローニング、遺伝子発現の連続分析(Serial Analysis of Gene Expression)(SAGE)、大規模並列処理特徴配列決定(Massively Parallel Signature Sequencing)(MPSS)、合成による配列決定(Sequencing−By−Synthesis)(SBS)、アプタマーベースのアッセイ、ウエスタンブロット、酵素イムノアッセイおよび色を利用するLuminex Platform。例えば、Ausubelら編、1995年、Current Protocols In Molecular Biology、単元2(ノザンブロッティング)、4(サザンブロッティング)、15(イムノブロッティング)および18(PCR分析)を参照のこと。診断手順はまた、生検または切除から取得された個体の組織の組織切片(固定および/または凍結)に対して直接、in situで実施され得る。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、mRNAレベルに基づく。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、K−rasタンパク質をコードする核酸のSNP分析によって決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、多型の同定によって決定される。
マイクロアレイ技術は、単一の実験内の数千の遺伝子のmRNA発現プロファイルを評価するために、核酸ハイブリダイゼーション技術およびコンピューティング技術を利用する。例えば、2001年10月11日に公開されたWO01/75166;米国特許第5,700,637号、米国特許第5,445,934号、米国特許第5,807,522号、Lockhart、Nat. Biotech.、14巻:1675〜1680頁(1996年);Cheung, V.G.ら、Nat. Gen. 21巻(補遺):15〜19頁(1999年)を参照のこと。DNAマイクロアレイは、ガラスまたは他の基材上で直接合成されたかまたはそれらの上にスポットされたかのいずれかである遺伝子断片を含む微小アレイである。数千の遺伝子が、通常、単一のアレイにおいて提示される。典型的なマイクロアレイ実験は、以下のステップを含む:1)試料から単離されたRNAからの、蛍光標識された標的の調製、2)マイクロアレイへのこの標識された標的のハイブリダイゼーション、3)アレイの洗浄、染色およびスキャン、4)スキャンされた画像の分析、ならびに5)遺伝子発現プロファイルの生成。現行の2つの主な型のDNAマイクロアレイが使用されている:オリゴヌクレオチド(通常、25〜70マー)アレイ、およびcDNAから調製されたPCR産物を含む遺伝子発現アレイ。アレイを形成する場合、オリゴヌクレオチドは、予め製作され、表面にスポットされ得るか、または表面上で直接合成され得る(in situ)。Affymetrix GeneChip(登録商標)システム(例えば、Affymetrix,Inc.のGeneChip(登録商標)Human Genome U133 Plus 2.0アレイ(カタログ番号900470))が市販されており、遺伝子発現レベルを測定するために使用され得る。
ポリヌクレオチドの増幅は、PCR、ライゲーション増幅(またはリガーゼ連鎖反応、LCR)および増幅方法などの方法を含む。これらの方法は公知であり、当該分野で広く実施されている。一般に、PCR手順は、(i)DNA試料(またはライブラリー)内の特異的遺伝子へのプライマーの配列特異的ハイブリダイゼーション、(ii)DNAポリメラーゼを使用した、複数ラウンドのアニーリング、伸長および変性を含む、引き続く増幅、ならびに(iii)正確なサイズのバンドについてのPCR産物のスクリーニング、から構成される遺伝子増幅の方法を記述する。使用されるプライマーは、重合の開始を提供するのに十分な長さおよび適切な配列のオリゴヌクレオチドである、すなわち、各プライマーは、増幅されるゲノム遺伝子座の各々の鎖に対して相補的になるように、特異的に設計される。一部の実施形態では、1またはそれより多くの遺伝学的マーカーの発現は、RT−PCRによってアッセイされ得る。一部の実施形態では、このRT−PCRは、定量的RT−PCR(qRT−PCR)であり得る。一部の実施形態では、このRT−PCRは、リアルタイムRT−PCRである。一部の実施形態では、このRT−PCRは、定量的リアルタイムRT−PCRである。一部の実施形態では、このリアルタイムRT−PCRは、TaqMan(登録商標)化学(Applied Biosystems)を使用して実施され得る。一部の実施形態では、このリアルタイムRT−PCRは、TaqMan(登録商標)化学(Applied Biosystems)およびABI Prism(登録商標)7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems)を使用して実施され得る。例えば、Overbergh, L.ら、J. Biomol. Tech. 14巻(1号):33〜43頁(2003年)を参照のこと。
PCRを実施するための試薬およびハードウェアは、市販されている。特定の遺伝子領域から配列を増幅するために有用なプライマーは、好ましくは、標的領域中またはその隣接領域中の配列に対して相補的であり、かかる配列に特異的にハイブリダイズする。増幅によって生成された核酸配列は、直接配列決定され得る。あるいは、増幅された配列(複数可)は、配列分析の前にクローニングされ得る。酵素的に増幅されたゲノムセグメントの直接的なクローニングおよび配列分析のための方法は、当該分野で公知である。
本発明の他の実施形態では、遺伝子発現は、細胞における個々の遺伝子産物(タンパク質)またはそれらのタンパク質分解断片の1もしくはそれより多くのエピトープに対して特異的な1またはそれより多くの抗体の使用による、その細胞における発現されたタンパク質の分析によって決定される。この細胞は、細胞株、体液、異種移植片および生検が含まれるがこれらに限定されない、本明細書に記載される種々の供給源に由来し得る。本発明の実施における使用に適切な検出方法論には、細胞含有試料または組織の免疫組織化学、細胞含有組織または血液試料の抗体サンドイッチアッセイを含む酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、質量分析(mass spectroscopy)、およびイムノ−PCRが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、タンパク質内容物を分析することは、質量分析(mass spectrometry)、クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動、免疫組織化学または2−Dゲル電気泳動などによって、プロテオミクスパターンを評価することを含む。例えば、Latterich M.ら Eur J. Cancer. 44巻:2737〜41頁(2008年);Conrotto P. Exp Oncol. 30巻:171〜80頁(2008年)を参照のこと。他の実施形態では、逆相タンパク質溶解物マイクロアレイが使用される。Paweletz, C. P.ら、Oncogene 20巻:1981〜1989頁(2001年)を参照のこと。
一部の実施形態では、i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を個体に投与することにより、該個体におけるがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)および変更された(例えば、増加した)レベルのSPARCを有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体においてがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体におけるK−ras変異状態およびSPARCレベルを評価するステップ;ならびに(b)(i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)および変更された(例えば、増加した)レベルのSPARCを有することに基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態では、個体においてがん(膵臓がんなど)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)該個体におけるK−ras変異状態およびSPARCレベルを評価するステップ;(b)該個体がK−ras変異(K−ras G12変異など)および変更された(例えば、増加した)レベルのSPARCを有することに基づいて、処置のためにその個体を選択する(例えば、同定する)ステップ;ならびに(c)i)タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびに必要に応じてii)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含む。
さらなる実施形態
がんを処置する方法もまた、本明細書で提供され、この方法は、(a)K−ras変異を有する個体を選択するステップ;ならびに(b)i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を、この選択された個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
がんを有する個体が処置に応答する可能性があるかどうかを評価する方法もまた、本明細書で提供され、この処置は、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含み、この方法は、K−ras変異状態を評価するステップを含み、K−ras変異は、その個体が処置に対して応答性である可能性があることを示す。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、この方法は、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)の阻害剤を投与するステップをさらに含む。
がんを有する個体が処置に応答する可能性があるかどうかまたは処置に適切であるかどうかの評価を補助する方法もまた、本明細書で提供され、この処置は、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含み、この方法は、K−ras変異状態を評価するステップを含み、K−ras変異は、その個体がこの処置に対して応答性である可能性があることを示す。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、この方法は、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)の阻害剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この治療剤の量(用量)は、K−ras変異状態に基づいて決定される。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の量(用量)は、K−ras変異状態に基づいて決定される。
さらに、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む処置に対して応答する可能性があるがんを有する個体を同定する方法が、本明細書で提供され、この方法は、(A)K−ras変異状態を評価するステップ;および(B)K−ras変異を有する個体を同定するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、この方法は、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)の阻害剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この治療剤の量(用量)は、K−ras変異状態に基づいて決定される。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の量(用量)は、K−ras変異状態に基づいて決定される。
さらに、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む処置に適切である可能性がより高いまたはかかる処置に適切である可能性がより低いがんを有する個体を選択するまたは選択しない方法が、本明細書で提供され、この方法は、(A)K−ras変異状態を評価するステップ;および(B)K−ras変異を有する個体を選択するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、この方法は、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)の阻害剤を、この選択された個体に投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、この治療剤の量(用量)は、K−ras変異状態に基づいて決定される。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の量(用量)は、K−ras変異状態のレベルに基づいて決定される。
a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む処置に適切である可能性がより高いまたはかかる処置に適切である可能性がより低いがんを有する個体を選択するまたは選択しない方法もまた本明細書で提供され、この方法は、(A)PCRを使用して、生物学的試料(例えば、組織試料)中のK−ras変異状態を評価するステップ;(B)対照と比較して、K−ras変異状態を同定するステップ;ならびに(C)このK−ras変異状態に基づいて、処置に適切である可能性がより高いまたはかかる処置に適切である可能性がより低いがんを有する個体を選択するまたは選択しないステップを含む。一部の実施形態では、野生型K−rasを有する個体は、a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤を含む処置が投与されない。一部の実施形態では、K−ras変異を有する個体には、a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤を含む処置が、施行される。
がんを有する個体が、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む処置に適切である可能性がより高いかどうかまたは処置に適切である可能性がより低いかどうかを決定する方法が本明細書で提供され、この方法は、K−ras変異状態を評価するステップを含む。一部の実施形態では、K−ras変異状態は、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61からなる群より選択される1つまたはそれより多くの位置において評価される。一部の実施形態では、K−ras変異状態は、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146からなる群より選択される1つまたはそれより多くの位置において評価される。一部の実施形態では、K−ras変異状態は、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61からなる群より選択される1つまたはそれより多くの位置において評価される。一部の実施形態では、この方法は、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)の阻害剤を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、治療剤の量(用量)は、K−ras変異状態に基づいて決定される。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の量(用量)は、K−ras変異状態のレベルに基づいて決定される。
a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を受けている、がんを有する個体の治療処置を調整する方法もまた、本明細書で提供され、この方法は、その個体から単離された試料中のK−ras変異状態を評価するステップを含み、ここで、野生型K−rasは、その個体の治療処置が調整されることを示す。一部の実施形態では、治療剤の量(用量)が調整される。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の量(用量)が調整される。
a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を受けている、がんを有する個体の治療処置を調整する方法もまた、本明細書で提供され、この方法は、その個体から単離された試料中のK−ras変異状態を評価するステップを含み、ここでK−ras変異は、その個体の治療処置が、調整されることを示す。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の量(用量)が調整される。
がん個体下位集団において使用するための、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む組合せ療法を市販する方法もまた、本明細書で提供され、この方法は、K−ras変異を有する試料を有するかかる下位集団の個体を特徴とする個体下位集団を処置するための組合せ療法の使用について、標的聴衆に情報を与えるステップを含む。.一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
上記方法のいずれかのうちの一部の実施形態では、K−ras変異状態は、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61からなる群より選択される1つまたはそれより多くの位置において決定される。一部の実施形態では、K−ras変異状態は、配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146からなる群より選択される1つまたはそれより多くの位置において決定される。一部の実施形態では、K−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61からなる群より選択される1つまたはそれより多くの位置において決定される。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、参照と比較して、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61からなる群より選択される1またはそれより多くの位置におけるK−ras変異である。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、参照と比較して、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117からなる群より選択される1またはそれより多くの位置におけるK−ras変異である。一部の実施形態では、このK−ras変異状態は、参照と比較して、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61からなる群より選択される1またはそれより多くの位置におけるK−ras変異である。一部の実施形態では、高い発現レベルは、その個体が、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む処置に応答する可能性がより高いことを示し得る。さらに、個体は、K−ras変異状態が、参照と比較して、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択されるK−ras変異である場合に、処置のために選択され得る。一部の実施形態では、参照と比較して、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択されるK−ras変異。一部の実施形態では、参照と比較して、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択されるK−ras変異。参照と比較して、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61からなる群より選択される位置における野生型K−rasは、その個体が、i)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにii)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む処置に応答する可能性がより低いことを示し得る。一部の実施形態では、参照と比較して、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117からなる群より選択される野生型K−ras位置。一部の実施形態では、参照と比較して、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61からなる群より選択される野生型K−ras位置。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、上記組成物は、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)は、アルブミンでコーティングされる。一部の実施形態では、この組成物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約200nm以下(約200nm未満など)である。一部の実施形態では、この組成物は、Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))を含む。一部の実施形態では、この組成物は、Nab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物と治療剤(例えば、ゲムシタビン)とは、がんの処置に対して相乗効果を有する。
上記方法のいずれかの一部の実施形態では、このタキサンは、パクリタキセル、ドセタキセル、オルタタキセル(ortataxel)およびプロタキセル(protaxel)からなる群より選択される。一部の実施形態では、このタキサンはドセタキセルである。一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。
K−ras変異状態に基づいたがんの処置のための治療剤が、本明細書に提供される。一部の実施形態では、この治療剤は、化学療法剤または抗体である。上記方法のいずれかの一部の実施形態では、この化学療法治療剤は、親水性ヌクレオシド、ピリミジンヌクレオシドまたはデオキシシチジンアナログである。上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この化学療法剤は、5−フルオロウラシル(5-fluororuracil)(例えば、CARAC(登録商標)またはEFUDEX(登録商標))、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、ペメトレキセド(例えば、ALIMTA(登録商標))、ラルチトレキセド(例えば、TOMUDEX(登録商標))およびカペシタビン(例えば、XELODA(登録商標))、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビンまたはゲムシタビンからなる群から選択される。上記方法のいずれかの一部の実施形態では、この治療剤は、ゲムシタビンまたはその誘導体である。一部の実施形態では、この治療剤はゲムシタビンである。ゲムシタビンの誘導体には、以下が含まれるがこれらに限定されない:ゲムシタビンと構造的に類似している化合物、あるいはゲムシタビンと同じ一般的化学物質クラスにある化合物、ゲムシタビンのアナログ、またはゲムシタビンの薬学的に許容される塩またはその誘導体もしくはアナログ。例示的なゲムシタビン誘導体には、親油性ゲムシタビンが含まれる。一部の実施形態では、ゲムシタビンの誘導体は、ゲムシタビンと、1つまたはそれより多くの類似の生物学的、薬理学的、化学的および/または物理的特性(例えば、機能性を含む)を保持する。一部の実施形態では、この治療剤は、抗体(例えば、Avastin(登録商標)またはHerceptin(登録商標)など)である。一部の実施形態では、この治療剤は、Avastin(登録商標)である。一部の実施形態では、この治療剤は、Herceptin(登録商標)である。
一部の実施形態では、この治療剤は、フォリン酸である。一部の実施形態では、この治療剤は、ロイコボリンである。
一部の実施形態では、この治療剤は、トポイソメラーゼ阻害剤である。一部の実施形態では、この治療剤は、イリノテカンである。
治療剤の組合せが、本明細書で本発明によって提供される。一部の実施形態では、この治療剤は、フルオロウラシル(5−FU)とロイコボリンとの組合せである。一部の実施形態では、この治療剤は、フルオロウラシル(5−FU)と、ロイコボリンと、オキサリプラチンとの組合せである。一部の実施形態では、この治療剤は、カペシタビンとイリノテカンとの組合せである。一部の実施形態では、この治療剤は、カペシタビンとオキサリプラチンとの組合せである。一部の実施形態では、この治療剤は、フルオロウラシル(5−FU)とオキサリプラチンとの組合せである。一部の実施形態では、この治療剤は、フルオロウラシル(5−FU)とイリノテカンとの組合せである。これらの実施形態のいずれかでは、治療剤の組合せは、結腸直腸がんを処置するために提供される。
一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物は、治療剤をさらに含む。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物と、治療剤(例えば、ゲムシタビン)とは、逐次的に投与される、同時に(concurrently)投与される、または同時に(simultaneously)投与される。
一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物は、いかなるステロイド前投薬なしおよび/またはG−CSF予防なしに、投与される。
本明細書の方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、上記方法は、腫瘍サイズにおける測定可能な低減または疾患もしくは疾患進行の証拠、完全奏効、部分奏効、安定な疾患、無進行生存期間の増加または延長、あるいは全生存期間の増加または延長を予測する、および/あるいはそれらをもたらす。上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、個体は、腫瘍サイズにおける測定可能な低減または疾患もしくは疾患進行の証拠、完全奏効、部分奏効、安定な疾患、無進行生存期間の増加または延長、全生存期間の増加または延長によって明らかなように、応答する可能性がある。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この方法は、個体におけるがん細胞増殖(腫瘍増殖など)を阻害する方法を含み、この方法は、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のうちのいずれかを含む)の細胞増殖が阻害される。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この方法は、個体における腫瘍転移を阻害する方法を含み、この方法は、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびにb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を、上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のうちのいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態では、リンパ節への転移を阻害する方法が提供される。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この方法は、個体における腫瘍サイズを低減させる方法を含み、この方法は、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびに/またはb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約60%、約70%、約80%、約90%または約100%のうちのいずれかを含む)低減される。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この方法は、個体におけるがんの無進行生存期間を延長する方法を含み、この方法は、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびに/またはb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間または12週間のうちのいずれか分、疾患進行までの時間を延長する。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この方法は、がんを有する個体の生存を延長する方法を含み、この方法は、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物ならびに/またはb)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)を上記個体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、この方法は、少なくとも1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、12カ月間、18カ月間または24カ月間のうちのいずれか分、個体の生存を延長する。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この方法は、がんを有する個体におけるAEおよびSAEを低減させる方法を含み、この方法は、a)Taxol(登録商標)および/またはb)治療剤(例えば、ゲムシタビン)を個体に投与するステップと比較して、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物ならびに/またはb)治療剤(例えば、ゲムシタビン)を上記個体に投与するステップを含む。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この方法は、客観的応答(部分奏効または完全奏効など)を予測するおよび/またはそれらをもたらす。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、この方法は、生活の質の改善を予測するおよび/またはそれをもたらす。
一部の実施形態では、個別の療法に一般的に用いられる量と比較して少ない量の各々の薬学的に活性な化合物を、組合せ療法の一部として用いる。一部の実施形態では、個別の化合物のうちのいずれかを単独で用いることにより達成される治療上の利益と同じであるかまたはこれより大きな治療上の利益を、組合せ療法を用いて達成する。一部の実施形態では、個別の療法に一般に用いられる量よりも少量(例えば、低用量または低頻度の投与スケジュール)の薬学的に活性な化合物を組合せ療法において用いて、同じであるかまたはこれより大きな治療上の利益を達成する。例えば、少量の薬学的に活性な化合物の使用は、この化合物と関連する1またはそれより多くの副作用の数の減少、重症度の低下、頻度の低下、または持続の短縮を結果としてもたらしうる。
本明細書に記載される方法は、以下の目的のうちの任意の1つもしくはそれより多くのために使用され得るおよび/またはそれらを予測し得る:がんの1つもしくはそれより多くの症状を緩和する、がんの進行を遅延させる、腫瘍サイズを収縮させる、腫瘍増殖を阻害する、全生存期間を延長する、無進行生存期間を延長する、腫瘍転移を予防または遅延させる、既存の腫瘍転移を低減させる(根絶する(eradiating)など)、既存の腫瘍転移の発生率もしくは負荷を低減させる、または再発を予防する。
例示的なさらなる実施形態
本出願は、一部の実施形態では、個体におけるがんを処置する方法を提供し、この方法は、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップを含み、上記個体は、K−ras変異を有する。
本出願は、一部の実施形態では、個体におけるがんを処置する方法を提供し、この方法は、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を該個体に投与するステップを含み、K−ras変異状態は、処置のための該個体を選択するための基礎として用いられる。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、上記個体は、該個体がK−ras変異を有する場合に、処置のために選択される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにおいてである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにおいてである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにおいてである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異は、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択される1つまたはそれより多くである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この方法は、有効量の治療剤を上記個体に投与するステップをさらに含む。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この治療剤は、化学療法剤または抗体である。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この化学療法剤は、ゲムシタビンである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、この方法は、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を上記個体に投与するステップの前に、該個体のK−ras変異状態を決定するステップを含む。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む前記組成物が、静脈内投与される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、前記タキサンがパクリタキセルである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む前記組成物と、前記治療剤とが、逐次的に投与される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、前記組成物における前記ナノ粒子が、前記アルブミンでコーティングされた前記タキサンを含む。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、前記組成物における前記ナノ粒子が、約200nm未満の平均直径を有する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、前記アルブミンがヒト血清アルブミンである。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、前記個体がヒトである。
本願は、一部の実施形態では、1)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物と、2)K−ras変異状態を決定するための薬剤とを含む、キットを提供する。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、
K−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにおいて評価される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1つまたはそれより多くにおいて評価される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異状態は、K−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61のうちの1つまたはそれより多くにおいて評価される。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、K−ras変異状態を決定するための薬剤は、K−ras変異を認識する核酸である。
上記実施形態のいずれかに従う(またはそれらに適用される)一部の実施形態では、このタキサンはパクリタキセルである。
処置されるがん
本明細書で論じられるがんには、以下が含まれるがこれらに限定されない:副腎皮質(adenocortical)癌、原因不明骨髄様化生(agnogenic myeloid metaplasia)、AIDS関連がん(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫(例えば、小脳および大脳)、基底細胞癌、胆管がん(例えば、肝外)、膀胱がん、骨がん、(骨肉腫および悪性線維性組織球腫)、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、脳幹神経膠腫、小脳または大脳の星状細胞腫(例えば、毛様細胞性星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、未分化(悪性)星状細胞腫)、悪性神経膠腫、上衣腫、乏突起神経膠腫(oligodenglioma)、髄膜腫、頭蓋咽頭腫、血管芽腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚路および視床下部神経膠腫、ならびに神経膠芽腫)、乳がん、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍(例えば、消化管カルチノイド腫瘍)、原発不明癌、中枢神経系リンパ腫、子宮頸がん、結腸がん、結腸直腸がん、慢性骨髄増殖性障害、子宮内膜がん(例えば、子宮がん)、上衣腫、食道がん、ユーイングファミリーの腫瘍、眼がん(例えば、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫)、胆嚢がん、胃(gastric/stomach)がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、(例えば、頭蓋外、性腺外、卵巣)、妊娠性絨毛性腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん(例えば、肝癌(hepatic carcinoma)および肝細胞癌(heptoma))、下咽頭がん、島細胞癌(内分泌膵臓)、喉頭がん、喉頭がん、白血病、口唇および口腔(oral cavity)がん、口腔(oral)がん、肝臓がん、肺がん(例えば、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺癌、および肺の扁平上皮癌)、リンパ性新生物(例えば、リンパ腫)、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、転移性頸部扁平上皮がん、口腔(mouth)がん、多発性内分泌腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽腫、神経内分泌がん、中咽頭がん、卵巣がん(例えば、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度潜在腫瘍)、膵臓がん、副甲状腺がん、陰茎がん、腹膜のがん、咽頭(pharyngeal)がん、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫(小膠細胞腫)、肺リンパ管筋腫症、直腸がん、腎がん、腎盂および尿管がん(移行上皮がん)、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん(例えば、非黒色腫(例えば、扁平上皮癌)、黒色腫およびメルケル細胞癌)、小腸がん、扁平上皮がん、精巣がん、咽頭(throat)がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、結節性硬化症、尿道がん、膣がん、外陰部がん、ウィルムス腫瘍および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、母斑症に関連する異常な脈管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、ならびにメグズ症候群。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、肺がん(例えば、NCSLCまたはSCLC)、子宮がん(例えば、平滑筋肉腫)、腎臓がん、卵巣がん、乳がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、膵臓がんおよび黒色腫からなる群から選択される。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、リンパ性新生物(例えば、リンパ腫)である。
一部の実施形態では、このリンパ性新生物(例えば、リンパ腫)は、B細胞新生物である。B細胞新生物の例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:前駆B細胞新生物(例えば、前駆Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫)および末梢B細胞新生物(例えば、B細胞慢性リンパ球性白血病/前リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(小リンパ球性(SL)NHL)、リンパ形質細胞性リンパ腫/免疫細胞腫、マントル(mantel)細胞リンパ腫、濾胞中心リンパ腫、濾胞性リンパ腫(例えば、細胞学的グレード:I(小細胞)、II(混合小細胞および大細胞(mixed small and large cell))、III(大細胞)および/またはサブタイプ:びまん性および小細胞優位型(diffuse and predominantly small cell type))、低悪性度(low grade)/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、中悪性度/濾胞性NHL、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、節外性(例えば、MALT型+/−単球様B細胞)および/または節性(例えば、+/−単球様B細胞))、脾臓辺縁帯リンパ腫(例えば、+/−有毛リンパ球)、ヘアリー細胞白血病、形質細胞腫/形質細胞性骨髄腫(例えば、骨髄腫および多発性骨髄腫)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、原発性縦隔(胸腺)B細胞リンパ腫)、中悪性度びまん性NHL、バーキットリンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、バーキット様、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性(small non−cleaved cell)NHL、巨大病変(bulky disease)NHL、AIDS関連リンパ腫およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症)。
一部の実施形態では、このリンパ性新生物(例えば、リンパ腫)は、T細胞および/または推定NK細胞新生物である。T細胞および/または推定NK細胞新生物の例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:前駆T細胞新生物(前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病)ならびに末梢T細胞およびNK細胞新生物(例えば、T細胞慢性リンパ球性白血病/前リンパ球性白血病、および大型顆粒リンパ球白血病(LGL)(例えば、T細胞型および/またはNK細胞型)、皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症/セザリー症候群)、原発性T細胞リンパ腫 分類不能(例えば、細胞学的カテゴリー(例えば、中間サイズの細胞、混合中間細胞および大細胞(mixed medium and large cell))、大細胞、リンパ類上皮性(lymphoepitheloid)細胞、サブタイプ肝脾γδT細胞リンパ腫および皮下脂肪織炎T細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AILD)、血管中心性リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫(例えば、+/−腸症関連)、成人T細胞リンパ腫/白血病(ATL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)(例えば、CD30+、T細胞型およびヌル細胞型)、未分化大細胞リンパ腫、ならびにホジキン様)。
一部の実施形態では、このリンパ性新生物(例えば、リンパ腫)は、ホジキン病である。例えば、このホジキン病は、リンパ球優位型、結節硬化型、混合細胞型、リンパ球減少型および/またはリンパ球豊富型であり得る。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、白血病である。一部の実施形態では、この白血病は、慢性白血病である。慢性白血病の例には、慢性骨髄球性I(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性および慢性リンパ球性白血病(CLL)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この白血病は、急性白血病である。急性白血病の例には、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病および急性骨髄球性白血病(例えば、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性および赤白血病)が含まれるがこれらに限定されない。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、液性腫瘍または形質細胞腫である。形質細胞腫には、骨髄腫が含まれるがこれに限定されない。骨髄腫には、髄外性形質細胞腫、孤立性骨髄腫および多発性骨髄腫が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この形質細胞腫は、多発性骨髄腫である。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。多発性骨髄腫の例には、IgG多発性骨髄腫、IgA多発性骨髄腫、IgD多発性骨髄腫、IgE多発性骨髄腫および非分泌性多発性骨髄腫が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この多発性骨髄腫は、IgG多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、この多発性骨髄腫は、IgA多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、この多発性骨髄腫は、くすぶり型または無痛性型の多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、この多発性骨髄腫は、進行性多発性骨髄腫である。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。一部の実施形態では、この固形腫瘍には、以下が含まれるがこれらに限定されない:肉腫および癌、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、カポジ肉腫、軟組織肉腫、子宮サクロノーマ滑膜腫(sacronomasynovioma)、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽腫および網膜芽細胞腫。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、乳がんである。一部の実施形態では、この乳がんは、初期ステージの乳がん、非転移性乳がん、進行乳がん、ステージIVの乳がん、局所進行乳がん、転移性乳がん、寛解中の乳がん、補助の状況にある乳がん、または新補助の状況にある乳がんである。一部の特定の実施形態では、この乳がんは、新補助の状況にある。一部の実施形態では、進行ステージ(複数可)においてがんを処置する方法が提供される。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌(腎臓がん、腎腺癌または副腎腫とも呼ばれる)である。一部の実施形態では、この腎細胞癌は、腺癌である。一部の実施形態では、この腎細胞癌は、明細胞腎細胞癌、乳頭状腎細胞癌(好色素腎細胞癌とも呼ばれる)、嫌色素腎細胞癌、集合管腎細胞癌、顆粒腎細胞癌、混合顆粒(mixed granular)腎細胞癌、腎血管筋脂肪腫または紡錘腎細胞癌である。一部の実施形態では、この腎細胞癌は、(1)フォンヒッペル・リンダウ(VHL)症候群、(2)遺伝性乳頭状腎癌(HPRC)、(3)バート・ホッグ・デューベ症候群(BHDS)に関連する家族性腎膨大細胞腫(FRO)、または(4)遺伝性腎癌(HRC)と関連する。American Joint Committee on Cancer(AJCC)ステージ分類群に従って、4つのステージI、II、IIIまたはIVのうちのいずれかにおいて、腎細胞癌を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、この腎細胞癌は、ステージIVの腎細胞癌である。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、前立腺がんである。一部の実施形態では、この前立腺がんは、腺癌である。一部の実施形態では、この前立腺がんは、肉腫、神経内分泌腫瘍、小細胞がん、腺管がんまたはリンパ腫である。Jewettステージ分類群に従って、4つのステージA、B、CまたはDのうちのいずれかにある、前立腺がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態では、この前立腺がんは、ステージAの前立腺がんである(このがんは、直腸検査の間には感知することができない)。一部の実施形態では、この前立腺がんは、ステージBの前立腺がんである(この腫瘍には、前立腺内のより多くの組織が関与し、これは、直腸検査の間に感知できるか、または高いPSAレベルに起因して行われる生検で見出される)。一部の実施形態では、この前立腺がんは、ステージCの前立腺がんである(このがんは、前立腺の外で近傍組織へと広がっている)。一部の実施形態では、この前立腺がんは、ステージDの前立腺がんである。一部の実施形態では、この前立腺がんは、アンドロゲン非依存性前立腺がん(AIPC)であり得る。一部の実施形態では、この前立腺がんは、アンドロゲン依存性前立腺がんであり得る。一部の実施形態では、この前立腺がんは、ホルモン療法に対して不応性であり得る。一部の実施形態では、この前立腺がんは、ホルモン療法に対して実質的に不応性であり得る。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、肺がんである。一部の実施形態では、このがんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である肺がんである。NSCLCの例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:大細胞癌(例えば、大細胞神経内分泌癌、複合型大細胞神経内分泌癌、類基底癌、リンパ上皮腫様癌、明細胞癌、およびラブドイド表現型を有する大細胞癌)、腺癌(例えば、腺房、乳頭状(例えば、細気管支肺胞癌、非粘液性、粘液性、混合粘液性および非粘液性ならびに未定細胞型(indeterminate cell type))、ムチンを伴う固形腺癌、混合サブタイプを有する腺癌、高分化型胎児腺癌、粘液性(膠様)腺癌、粘液性嚢胞腺癌、印環腺癌および明細胞腺癌)、神経内分泌肺腫瘍および扁平上皮癌(例えば、乳頭状、明細胞、小細胞および類基底)。一部の実施形態では、このNSCLCは、TNM分類に従って、ステージTの腫瘍(原発性腫瘍)、ステージNの腫瘍(所属リンパ節)またはステージMの腫瘍(遠隔転移)であり得る。一部の実施形態では、この肺がんは、カルチノイド(定型または非定型)、腺扁平上皮癌、円柱腫、または唾液腺の癌(例えば、腺様嚢胞癌または粘表皮癌)である。一部の実施形態では、この肺がんは、多形性、肉腫様もしくは肉腫性の要素を備えた癌(例えば、紡錘および/もしくは巨細胞を有する癌、紡錘細胞癌、巨細胞癌、癌肉腫または肺芽腫)である。一部の実施形態では、このがんは、小細胞肺がん(SCLC;燕麦細胞癌とも呼ばれる)である。この小細胞肺がんは、限局ステージの、進行ステージの、または再発性の小細胞肺がんであり得る。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、脳がんである。一部の実施形態では、この脳がんは、神経膠腫、脳幹神経膠腫、小脳もしくは大脳の星状細胞腫(例えば、毛様細胞性星状細胞腫、びまん性星状細胞腫もしくは未分化(悪性)星状細胞腫)、悪性神経膠腫、上衣腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、頭蓋咽頭腫、血管芽腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視覚路および視床下部神経膠腫、または神経膠芽腫である。一部の実施形態では、この脳がんは、神経膠芽腫(多形神経膠芽腫またはグレード4の星状細胞腫とも呼ばれる)である。一部の実施形態では、この神経膠芽腫は、放射線抵抗性である。一部の実施形態では、この神経膠芽腫は、放射線感受性である。一部の実施形態では、この神経膠芽腫は、テント下であり得る。一部の実施形態では、この神経膠芽腫は、テント上である。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、皮膚黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、転移性黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、転移性悪性黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、ステージIVの黒色腫(例えば、ステージIVの皮膚黒色腫)である。一部の実施形態では、この転移性黒色腫は、ステージM1aにある。一部の実施形態では、この転移性黒色腫は、ステージM1bにある。一部の実施形態では、この転移性黒色腫は、ステージM1cにある。一部の実施形態では、上記個体は、黒色腫(例えば、転移性黒色腫)に対する先行する治療(例えば、先行する細胞傷害性化学療法)を受けていない。一部の実施形態では、この黒色腫は、BRAFに変異を含む。一部の実施形態では、この黒色腫は、BRAFに変異を含まない。一部の実施形態では、この黒色腫は、皮膚黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、皮膚の黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、表在拡大型黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、結節性黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、末端黒子型黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、悪性黒子黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、粘膜黒色腫(例えば、鼻、口、のどまたは生殖器の領域における粘膜黒色腫)である。一部の実施形態では、この黒色腫は、眼黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、ブドウ膜黒色腫である。一部の実施形態では、この黒色腫は、脈絡膜黒色腫である。本明細書に記載される黒色腫は、以下のうちのいずれかであり得る:皮膚黒色腫、皮膚外黒色腫(extracutaneous melanoma)、表在拡大型黒色腫、悪性黒色腫、結節性悪性黒色腫、結節性黒色腫、ポリープ状黒色腫、末端黒子型黒色腫、黒子型悪性(lentiginous malignant)黒色腫、無色素性黒色腫、悪性黒子黒色腫、粘膜黒子型(mucosal lentignous)黒色腫、粘膜黒色腫、軟組織黒色腫、眼黒色腫、線維形成性黒色腫または転移性悪性黒色腫。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、卵巣がんである。一部の実施形態では、このがんは、卵巣上皮がんである。例示的な卵巣上皮がんの組織学的分類には、以下が含まれる:漿液性嚢腫(例えば、漿液性良性嚢胞腺腫、上皮細胞の増殖活性および核異常を有するが浸潤性の破壊的増殖は有さない漿液性嚢胞腺腫、または漿液性嚢胞腺癌)、粘液性嚢腫(例えば、粘液性良性嚢胞腺腫、上皮細胞の増殖活性および核異常を有するが浸潤性の破壊的増殖は有さない粘液性嚢胞腺腫、または粘液性嚢胞腺癌)、類内膜腫瘍(例えば、類内膜良性嚢胞、上皮細胞の増殖活性および核異常を有するが浸潤性の破壊的増殖は有さない類内膜腫瘍、または類内膜腺癌)、明細胞(類中腎(mesonephroid))腫瘍(例えば、良性(begin)明細胞腫瘍、上皮細胞の増殖活性および核異常を有するが浸潤性の破壊的増殖は有さない明細胞腫瘍、または明細胞嚢胞腺癌)、上記の群のうちの1つに割り振ることができない未分類の腫瘍、または他の悪性腫瘍。種々の実施形態では、この卵巣上皮がんは、ステージI(例えば、ステージIA、IBもしくはIC)、ステージII(例えば、ステージIIA、IIBもしくはIIC)、ステージIII(例えば、ステージIIIA、IIIBもしくはIIIC)またはステージIVである。
一部の実施形態では、がんは、卵巣胚細胞腫瘍である。例示的な組織学的サブタイプには、未分化胚細胞腫または他の胚細胞腫瘍(例えば、内胚葉洞腫瘍、例えば肝様もしくは腸管腫瘍、胚性癌、多胎芽腫(olyembryoma)、絨毛癌、奇形腫、または混合形態の腫瘍)が含まれる。例示的な奇形腫は、未成熟奇形腫、成熟奇形腫、固形奇形腫および嚢胞性奇形腫(例えば、類皮嚢胞、例えば成熟嚢胞性奇形腫、および悪性形質転換を有する類皮嚢胞)である。一部の奇形腫は、卵巣甲状腺腫、カルチノイド、卵巣甲状腺腫およびカルチノイド、またはその他(例えば、悪性神経外胚葉および上衣腫)など、単胚葉性および高度限定型である。一部の実施形態では、この卵巣胚細胞腫瘍は、ステージI(例えば、ステージIA、IBもしくはIC)、ステージII(例えば、ステージIIA、IIBもしくはIIC)、ステージIII(例えば、ステージIIIA、IIIBもしくはIIIC)またはステージIVである。
上記方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんは、膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、外分泌膵臓がんまたは内分泌膵臓がんである。この外分泌膵臓がんには、腺癌、腺房細胞癌、腺扁平上皮癌、膠様癌、破骨細胞様巨細胞を伴う未分化癌、肝様癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍、粘液性嚢胞新生物、膵芽腫、漿液性嚢胞腺腫、印環細胞癌、充実性偽乳頭腫瘍、膵管癌および未分化癌が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、この外分泌膵臓がんは、膵管癌である。この内分泌膵臓がんには、インスリノーマおよびグルカゴノーマが含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、この膵臓がんは、初期ステージの膵臓がん、非転移性膵臓がん、原発性膵臓がん、進行膵臓がん、局所進行膵臓がん、転移性膵臓がん、切除不能な膵臓がん、寛解中の膵臓がんまたは再発性膵臓がんである。一部の実施形態では、この膵臓がんは、局所進行膵臓がん、切除不能な膵臓がんまたは転移性膵管癌である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、ゲムシタビンベースの治療に対して抵抗性である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、ゲムシタビンベースの治療に対して不応性である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、切除可能(すなわち、膵臓の一部分に限局されている、または完全な外科的除去が可能な範囲をちょうど超えただけ広がっている腫瘍)または局所進行(切除不能)(すなわち、局在腫瘍は、腫瘍による局所血管インピンジメント(impingement)または浸潤に起因して切除不能であり得る)である。一部の実施形態では、この膵臓がんは、American Joint Committee on Cancer(AJCC)TNM分類に従って、以下である:ステージ0の腫瘍(この腫瘍は、膵臓導管細胞の最上層に限局され、より深い組織には浸潤しておらず、膵臓の外側には広がっていない(例えば、上皮内膵臓癌または膵臓上皮内新生物III)、ステージIAの腫瘍(この腫瘍は、膵臓に限局されており、サイズが2cm未満であり、近傍のリンパ節にも異なる部位(distinct site)にも広がっていない)、ステージIBの腫瘍(この腫瘍は、膵臓に限局されており、サイズが2cmよりも大きく、近傍のリンパ節にも遠隔部位にも広がっていない)、ステージIIAの腫瘍(この腫瘍は、膵臓の外側で増殖しているが、大血管中には増殖しておらず、近傍のリンパ節にも遠隔部位にも広がっていない)、ステージIIB(この腫瘍は、膵臓に限局されているかまたは膵臓の外側で増殖しているが、近傍の大血管中にも主要神経中にも増殖しておらず、近傍のリンパ節には広がっているが、遠隔部位には広がっていない)、ステージIII(この腫瘍は、膵臓の外側で近傍の大血管または主要神経中に増殖しており、近傍のリンパ節には広がっている場合もいない場合もある。遠隔部位には広がっていない)またはステージIVの腫瘍(このがんは、遠隔部位に広がっている)。
本明細書に提供される方法は、膵臓がんを有すると診断されており先行する治療(例えば、ゲムシタビンベースの治療、エルロチニブベースの治療または5−フルオロウラシルベースの治療)で進行している個体(例えば、ヒト)を処置するために使用され得る。一部の実施形態では、上記個体は、ゲムシタビンベースの治療(例えば、ゲムシタビン単独療法またはゲムシタビン組合せ療法)による膵臓がんの処置に対して抵抗性であり、処置後に進行している(例えば、この膵臓がんは、不応性であった)。一部の実施形態では、上記個体は、ゲムシタビンベースの治療(例えば、ゲムシタビン単独療法またはゲムシタビン組合せ療法)による膵臓がんの処置に対して最初は応答性であるが、処置後に進行している。一部の実施形態では、上記個体は、治療剤(例えば、ゲムシタビン)による処置に対して、非応答性、応答性が低い、または応答を停止している。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約30歳、約35歳、約40歳、約45歳、約50歳、約55歳、約60歳、約65歳、約70歳、約75歳、約80歳または約85歳のうちのいずれかである。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんの家族歴を有する(例えば、他のがんまたは家族性疾患の蓄積なしに膵臓がんに罹患した少なくとも2人の第一度近親者)。一部の実施形態では、上記個体は、BRCA2変異、家族性異型多発母斑黒色腫(FAMMM)、ポイツ・ジェガース症候群および遺伝性膵炎が含まれるがこれらに限定されない、1つまたはそれより多くの遺伝性膵臓がん症候群を有する。一部の実施形態では、上記個体は、長期喫煙者である(例えば、10年間、15年間または20年間よりも長い)。一部の実施形態では、この患者は、成人発症型糖尿病を有する。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は、初期ステージの膵臓がん、非転移性膵臓がん、原発性膵臓がん、切除された膵臓がん、進行膵臓がん、局所進行膵臓がん、転移性膵臓がん、切除不能な膵臓がん、寛解中の膵臓がんまたは再発性膵臓がんを有する。一部の実施形態では、上記個体は、AJCC(American Joint Commission on Cancer)TNMステージ分類基準に従って、ステージ0、IA、IB、IIA、IIB、IIIまたはIVの膵臓がんを有する。一部の実施形態では、上記個体は、0(無症候性)、1(症候性ではあるが、完全に歩行可能)、2(症候性、1日のうち<50%寝込んでいる)、3(症候性、>50%寝込んでいるが、寝たきりではない)または4(寝たきり)のECOG/WHO/Zubrodスコアを有する。一部の実施形態では、上記個体は、提示の時点で単一の病変を有する。一部の実施形態では、上記個体は、提示の時点で複数の病変を有する。
一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんに関連する1つまたはそれより多くの症状を示すヒトである。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんの初期ステージにある。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんの進行ステージにある。一部の実施形態では、上記個体は、非転移性膵臓がんを有する。一部の実施形態では、上記個体は、原発性膵臓がんを有する。実施形態の一部では、上記個体は、遺伝学的にまたは他の方法で膵臓がんを発症する素因がある(例えば、危険因子を有する)。これらの危険因子には、以下が含まれるがこれらに限定されない:年齢、性別、人種、食餌、先の膵臓がんの既往歴、遺伝性膵臓がん症候群(例えば、BRCA2変異、家族性異型多発母斑黒色腫、ポイツ・ジェガース症候群、遺伝性膵炎)の存在、遺伝学的(例えば、家族性膵臓がん)考慮事項および環境曝露。一部の実施形態では、膵臓がんの危険性がある個体には、例えば、他のがんまたは家族性疾患の蓄積なしに膵臓がんを経験した少なくとも2人の第一度近親者を有する個体、および遺伝学的マーカーまたは生化学的マーカー(例えば、BRCA2、p16、STK11/LKB1またはPRSS1遺伝子)の分析によってその危険性が決定された個体が含まれる。一部の実施形態では、上記個体は、SPARC発現について陽性である(例えば、IHC標準に基づく)。一部の実施形態では、上記個体は、SPARC発現について陰性である。
一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がん(転移性がんなど)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、局所進行切除不能な膵臓がんを有する。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の頭部である。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の体部である。一部の実施形態では、この膵臓がんの原発位置は、膵臓の尾部である。一部の実施形態では、上記個体は、肝臓に転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、肺転移を有する。一部の実施形態では、上記個体は、腹膜癌腫症を有する。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓がんの診断の時点で、ステージIVの膵臓がんを有する。一部の実施形態では、上記個体は、3つまたはそれより多くの転移部位を有する。一部の実施形態では、上記個体は、3つよりも多い転移部位を有する。一部の実施形態では、上記個体は、≧59×ULN(正常の上限)である血清CA19−9レベルを有する。一部の実施形態では、上記個体は、70と80の間のカルノフスキーパフォーマンスステータス(KPS)を有する。一部の実施形態では、上記個体は、膵臓の腺癌を有する。
本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、原発性腫瘍を処置するために使用され得る。本明細書に提供される処置の方法のうちのいずれかは、転移性がん(すなわち、原発性腫瘍から転移したがん)を処置するためにも使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、進行ステージにあるがんを処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、局所進行ステージにあるがんを処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、初期ステージのがんを処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、寛解中のがんを処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかの実施形態の一部では、このがんは、寛解後に再発している。本明細書に提供される方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、このがんは、進行がんである。本明細書に提供される方法tのうちのいずれかは、ホルモン療法に対して実質的に不応性のがんを処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、HER−2陽性がんを処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、HER−2陰性がんを処置するために使用され得る。これらの方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、このがんは、エストロゲンおよびプロゲステロン陽性である。これらの方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、このがんは、エストロゲンおよびプロゲステロン陰性である。
本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、補助の状況において実施され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、新補助の状況において実施され得る、すなわち、この方法は、一次/根治的治療の前に実施され得る。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、先に処置された個体を処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、事前に処置されていない個体を処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、がんを発症する危険性があるが、がんを有すると診断されてはいない個体を処置するために使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、ファーストライン治療として使用され得る。本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、セカンドライン治療として使用され得る。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、このがんは、初期ステージのがん、非転移性がん、原発性がん、進行がん、局所進行がん、転移性がん、寛解中のがんまたは再発性がんである。一部の実施形態では、このがんは、局在して切除可能、局在して切除不能、または切除不能である。
本明細書に提供される方法のうちのいずれかは、がんを有すると診断された、またはがんを有すると疑われる個体(例えば、ヒト)を処置するために使用され得る。一部の実施形態では、上記個体は、がんと関連する1つまたはそれより多くの症状を示すヒトであり得る。一部の実施形態では、上記個体は、進行疾患またはより低い程度の疾患、例えば低い腫瘍負荷を有し得る。一部の実施形態では、上記個体は、がんの初期ステージにある。一部の実施形態では、上記個体は、がんの進行ステージにある。本明細書に提供される処置の方法のうちのいずれかの実施形態の一部では、上記個体は、がんを有すると診断されたまたはがんを有すると診断されていない、遺伝学的にまたは他の方法でがんを発症する素因がある(例えば、危険因子)ヒトであり得る。一部の実施形態では、これらの危険因子には、以下が含まれるがこれらに限定されない:年齢、性別、人種、食餌、先の疾患の既往歴、前駆疾患の存在、遺伝学的(例えば、遺伝性)考慮事項、および環境曝露(例えば、巻きたばこ、パイプもしくは葉巻の喫煙、副流煙への曝露、ラドン、ヒ素、アスベスト、クロメート、クロロメチルエーテル、ニッケル、多環式芳香族炭化水素、ラドン娘核種、他の薬剤または大気汚染)。
本明細書に記載される方法のうちのいずれかの一部の実施形態では、がんを有すると診断された、またはがんを有すると疑われる個体(例えば、ヒト)が、処置され得る。一部の実施形態では、上記個体はヒトである。一部の実施形態では、上記個体は、少なくとも約35歳、約40歳、約45歳、約50歳、約55歳、約60歳、約65歳、約70歳、約75歳、約80歳または約85歳のうちのいずれかである。一部の実施形態では、上記個体は男性である。一部の実施形態では、上記個体は女性である。一部の実施形態では、上記個体は、本明細書に記載されるがんの型のうちのいずれかを有する。一部の実施形態では、上記個体は、提示の時点で単一の病変を有する。一部の実施形態では、上記個体は、提示の時点で複数の病変を有する。一部の実施形態では、上記個体は、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子製剤など、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標))によるがんの処置に対して抵抗性である。一部の実施形態では、上記個体は、他の薬剤(タキサンの非ナノ粒子製剤など、例えば、Taxol(登録商標)またはTaxotere(登録商標))によるがんの処置に対して最初は応答性であるが、処置後に進行している。
投与の方式
本明細書に記載される方法に従って個体(ヒトなど)に投与される、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物の用量および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量は、特定の組成物、投与の方式および処置されている本明細書に記載されるがんの型によって変動し得る。個体(ヒトなど)に投与されるタキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物の用量および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量は、個体の症状(有害反応など)に基づいて調整(低減など)もされ得る。一部の実施形態では、この用量または量は、応答を結果としてもたらすのに有効である。一部の実施形態では、その用量または量が、客観的な応答(部分奏効または完全奏効など)を結果としてもたらすのに有効である。一部の実施形態では、投与されるタキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物の用量(および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量)が、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)により処置される個体の集団のうち、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約64%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%のうちのいずれかを超える全体的な奏効率をもたらすのに十分である。本明細書に記載される処置方法に対する個体の応答は、当該分野において公知の方法を用いて決定することができる。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物の量(用量)および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の量(用量)が、個体の無進行生存(progression−free survival)を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量)が、個体の生存期間を延長するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量)が、個体の生活の質を改善するのに十分である。一部の実施形態では、組成物の量(および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量)は、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)により処置される個体の集団のうち、約50%、約60%、約70%、または約77%のうちのいずれかを超える臨床的利益をもたらすのに十分である。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物または治療剤(ゲムシタビンなど)の量(用量)が、処置前の同じ個体における、対応する腫瘍サイズ、腫瘍細胞の数、もしくは腫瘍増殖速度と比較して、またはこの処置を受けていない他の個体における対応する活性と比較して少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、または約100%のうちのいずれか、膵臓腫瘍サイズを縮小させるか、膵臓腫瘍細胞の数を減少させるか、または膵臓腫瘍の増殖速度を低下させるのに十分な量である。この効果の大きさを測定するために使用することができる方法は、当該分野において公知である。
一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))の量(用量)が、毒性作用(すなわち、臨床的に許容される毒性レベルを上回る作用)を誘導するレベル未満であるか、または組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を個体に投与する場合に、潜在的な副作用を制御または忍容しうるレベルである。
一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))の量が、同じ投与レジメンに従う組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))の最大許容投与量(MTD)に近接する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))の量が、MTDの約80%、約90%、約95%、または約98%のうちのいずれかを超える。
一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、以下の範囲:約0.1mg〜約500mg、約0.1mg〜約2.5mg、約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、または約450〜約500mgのうちのいずれかで包含される。一部の実施形態では、組成物(例えば、単位剤形)におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgなど、約5mg〜約500mgの範囲にある。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度を、例えば、約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、または約5mg/mlのうちのいずれかを含め、希釈(約0.1mg/ml)または濃縮(約100mg/ml)する。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度が、少なくとも約0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、または50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度が、約100mg/ml、90mg/ml、80mg/ml、70mg/ml、60mg/ml、50mg/ml、40mg/ml、30mg/ml、20mg/ml、10mg/ml、または5mg/mlのうちのいずれか以下である。
ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)における例示的な量(用量)には、少なくとも約25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2、または1080mg/m2のタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。多様な実施形態では、組成物が、約350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2、または30mg/m2のタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれか未満を包含する。一部の実施形態では、投与1回当たりのタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、約25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2、または1mg/m2のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、以下の範囲:約1〜約5mg/m2、約5〜約10mg/m2、約10〜約25mg/m2、約25〜約50mg/m2、約50〜約75mg/m2、約75〜約100mg/m2、約100〜約125mg/m2、約100〜約200mg/m2、約125〜約150mg/m2、約125〜約175mg/m2、約150〜約175mg/m2、約175〜約200mg/m2、約200〜約225mg/m2、約225〜約250mg/m2、約250〜約300mg/m2、約300〜約350mg/m2、または約350〜約400mg/m2のうちのいずれかで包含される。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)は、以下の範囲:約10mg/m2〜約400mg/m2、約25mg/m2〜約400mg/m2、約50mg/m2〜約400mg/m2、約75mg/m2〜約350mg/m2、約75mg/m2〜約300mg/m2、約75mg/m2〜約250mg/m2、約75mg/m2〜約200mg/m2、約75mg/m2〜約150mg/m2、約75mg/m2〜約125mg/m2、約100mg/m2〜約260mg/m2、約100mg/m2〜約250mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2または約125mg/m2〜約175mg/m2のいずれかで包含される。一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が約5〜約300mg/m2、約100〜約200mg/m2、約100〜約150mg/m2、約50〜約150mg/m2、約75〜約150mg/m2、約75〜約125mg/m2または約70mg/m2、約80mg/m2、約90mg/m2、約100mg/m2、約110mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2、約140mg/m2、約150mg/m2、約160mg/m2、約170mg/m2、約180mg/m2、約190mg/m2、約200mg/m2、約250mg/m2、約260mg/m2もしくは約300mg/m2である。
上記の態様のうちのいずれかについての一部の実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、または60mg/kgのうちのいずれかを包含する。多様な実施形態では、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)が、少なくとも約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kgのタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちのいずれか未満を包含する。
ナノ粒子組成物を投与するための例示的な投与頻度には、毎日、隔日、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、休みなく毎週、4週間のうちの3週間にわたって毎週、3週間ごとに1回、2週間ごとに1回、または3週間のうちの2週間が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、組成物を、2週間ごとに約1回、3週間ごとに約1回、4週間ごとに約1回、6週間ごとに約1回、または8週間ごとに約1回投与する。一部の実施形態では、組成物を、一週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)のうちのいずれかで投与する。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日間のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投与スケジュールに休みがない。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回にわたる。一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、5回にわたる。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)を、少なくとも10日間にわたり投与し、各投与間の間隔が、約2日間以下であり、各回の投与におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の用量が、約0.25mg/m2〜約25mg/m2、約25mg/m2〜約50mg/m2または約50mg/m2〜約100mg/m2など、約0.25mg/m2〜約250mg/m2、約0.25mg/m2〜約150mg/m2、約0.25mg/m2〜約75mg/m2である。
組成物の投与は、約1カ月間〜約7年間など、長期間にわたり延長することができる。一部の実施形態では、組成物を、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のうちのいずれかの期間にわたり投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の投与量が、3週間のスケジュールで与える場合、5〜400mg/m2の範囲にあり得るか、毎週のスケジュールで与える場合、5〜250mg/m2(75〜200mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、例えば、125〜175mg/m2など)の範囲にあり得る。例えば、タキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)は、3週間のスケジュールで約60〜約300mg/m2(例えば、約100mg/m2、約125mg/m2、約150mg/m2、約175mg/m2、約200mg/m2、約225mg/m2、約250mg/m2または約260mg/m2)である。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)は、毎週投与される、約60〜約300mg/m2(例えば、約100mg/m2、約125mg/m2、約150mg/m2、約175mg/m2、約200mg/m2、約225mg/m2、約250mg/m2または約260mg/m2)である。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の量(用量)は、4週間のうちの3週間にわたって毎週のスケジュールで投与される、約60〜約300mg/m2(例えば、約100mg/m2、約125mg/m2、約150mg/m2、約175mg/m2、約200mg/m2、約225mg/m2、約250mg/m2または約260mg/m2)である。
ナノ粒子組成物(例えば、パクリタキセル/アルブミンナノ粒子組成物)を投与するための、他の例示的な投与スケジュールには、休みなしに毎週100mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週75mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週100mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週125mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週150mg/m2;4週間のうち3週間にわたり毎週175mg/m2;3週間のうち2週間にわたり毎週125mg/m2;休みなしに毎週130mg/m2;2週間ごとに1回175mg/m2;2週間ごとに1回260mg/m2;3週間ごとに1回260mg/m2;3週間ごとに180〜300mg/m2;休みなしに毎週60〜175mg/m2;毎週2回20〜150mg/m2;および毎週2回150〜250mg/m2、毎週2回50〜70mg/m2、毎週3回50〜70mg/m2、毎日30〜70mg/m2が含まれるがこれらに限定されない。組成物の投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程にわたり調整することができる。
一部の実施形態では、このがんは乳がんであり、上記ナノ粒子組成物におけるタキサンの用量は、1週間ごとに1回、約180〜約260mg/m2、260mg/m2などである。
一部の実施形態では、このがんは膵臓がんであり、上記ナノ粒子組成物におけるタキサンの用量は、4週間のうちの3週間にわたって毎週、約75mg/m2〜約125mg/m2、100mg/m2などである。
一部の実施形態では、このがんは黒色腫であり、上記ナノ粒子組成物におけるタキサンの用量は、4週間のうちの3週間にわたって毎週、約75mg/m2〜約125mg/m2、100mg/m2などである。
一部の実施形態では、このがんは肺がんであり、上記ナノ粒子組成物におけるタキサンの用量は、4週間のうちの3週間にわたって毎週、約75mg/m2〜約125mg/m2、100mg/m2などである。
一部の実施形態では、個体を、少なくとも約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の処置サイクルのうちのいずれかにわたり処置する。
本明細書に記載される組成物は、約24時間より短い注入時間にわたり、個体に組成物を注入することを可能とする。例えば、一部の実施形態では、組成物を、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分間、20分間、または10分間のうちのいずれか未満の注入期間にわたり投与する。一部の実施形態では、組成物を、約30分間の注入期間にわたり投与する。
ナノ粒子組成物におけるタキサン(一部の実施形態では、パクリタキセル)の他の例示的な用量には、約50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、140mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、260mg/m2、および300mg/m2のうちのいずれかが含まれるがこれらに限定されない。例えば、ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの投与量は、3週間のスケジュールで与える場合、約100〜400mg/m2の範囲であり得、毎週のスケジュールで与える場合、約50〜250mg/m2の範囲にあり得る。
本明細書中に記載の方法に従って個体に投与される治療剤(ゲムシタビンなど)は、約100mg/m2〜約5000mg/m2、約100mg/m2〜約2000mg/m2、約200〜約4000mg/m2、約300〜約3000mg/m2、約400〜約2000mg/m2、約500〜約1500mg/m2、約500mg/m2〜約2000mg/m2 約750〜約1500mg/m2、約800〜約1500mg/m2、約900〜約1400mg/m2、約900〜約1250mg/m2、約1000〜約1500mg/m2、約800mg/m2、約850mg/m2、約900mg/m2、約950mg/m2、約1000mg/m2、約1050mg/m2、約1100mg/m2、約1150mg/m2、約1200mg/m2、約1250mg/m2、約1300mg/m2、約1350mg/m2、約1400mg/m2、約1450mg/m2、1500mg/m2、1550mg/m2、1600mg/m2、1700mg/m2、1800mg/m2、1900mg/m2、または2000mg/m2の範囲内にあり得る。治療剤(ゲムシタビンなど)は、静脈内(IV)注入によって、例えば、約10〜約300分間、約15〜約180分間、約20〜約60分間、約10分間、約20分間または約30分間の期間にわたって投与され得る。
治療剤(ゲムシタビンなど)を投与するための例示的な投与頻度には、毎日、隔日、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、休みなく毎週、4週間のうちの3週間にわたって毎週、3週間ごとに1回、2週間ごとに1回、または3週間のうちの2週間が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)を、2週間ごとに約1回、3週間ごとに約1回、4週間ごとに約1回、6週間ごとに約1回、または8週間ごとに約1回投与する。一部の実施形態では、組成物を、一週間に少なくとも約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または7回(すなわち、毎日)のうちのいずれかで投与する。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日間、15日間、14日間、13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、または1日間のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間のうちのいずれかより長い。一部の実施形態では、投与スケジュールに休みがない。一部の実施形態では、各投与間の間隔が、約1週間以下である。
一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、および11回にわたる。一部の実施形態では、投与頻度が、2日間ごとに1回であり、5回にわたる。一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)を、少なくとも10日間にわたり投与し、各投与間の間隔が、約2日間以下であり、各回の投与における治療剤(ゲムシタビンなど)の用量が、約25mg/m2〜約500mg/m2、約25mg/m2〜約250mg/m2、または約25mg/m2〜約100mg/m2など、約0.25mg/m2〜約1500mg/m2、約10mg/m2〜約1000mg/m2、約25mg/m2〜約750mg/m2である。
治療剤(ゲムシタビンなど)の他の例示的な量としては、以下の範囲のいずれかが挙げられるがこれらに限定されない:約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mg、約450〜約500mg、約500〜約600mg、約600〜約700mg、約700〜約800mg、約800〜約900mg、約900〜約1000mg、約1000〜約1250mg、または約1250〜約1500mg。
治療剤(ゲムシタビンなど)の投与は、約1カ月間〜約7年間など、長期間にわたり延長することができる。一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)を、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のうちのいずれかの期間にわたり投与する。
タキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含む組成物(「ナノ粒子組成物」とも呼ぶ)と治療剤(ゲムシタビンなど)とは、同時に(即ち、同時投与)および/または逐次的に(即ち、逐次投与)投与され得る。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および治療剤(ゲムシタビンなど)を、同時投与する。本明細書で用いられる「同時投与」という用語は、ナノ粒子組成物と他の薬剤とが、約10分間、約5分間または約1分間のうちのいずれか以下など、約15分間以下の時間をあけて投与されることを意味する。薬物を同時投与する場合、ナノ粒子中の薬物と、他の薬剤とは、同じ組成物(例えば、ナノ粒子および他の薬剤の両方を含む組成物)に含有される場合もあり、別個の組成物(例えば、ナノ粒子が1つの組成物に含有され、他の薬剤が別の組成物に含有されている)に含有される場合もある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と、治療剤(ゲムシタビンなど)とを、逐次投与する。本明細書で用いられる「逐次投与」という用語は、ナノ粒子組成物における薬物と、他の薬剤とが、約20分間、約30分間、約40分間、約50分間、約60分間またはそれより長い分間のうちのいずれかを超えるなど、約15分間を超える時間をあけて投与されることを意味する。ナノ粒子組成物または他の薬剤のいずれを最初に投与してもよい。ナノ粒子組成物と、他の薬剤とは、別個の組成物中に含有され、これらは、同じパッケージ内に含有される場合もあり、異なるパッケージ内に含有される場合もある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物と治療剤(ゲムシタビンなど)との投与は共時(concurrent)である、すなわち、ナノ粒子組成物の投与期間と治療剤(ゲムシタビンなど)の投与期間とが、互いに重なり合う。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物を、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与に先だって少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも、2サイクル、3サイクル、または4サイクルのいずれか)にわたり投与する。一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)を、少なくとも1、2、3、または4週間のうちのいずれかにわたり投与する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および治療剤(ゲムシタビンなど)の投与を、ほぼ同時に(例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、または7日間のうちのいずれか以内に)開始する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と治療剤(ゲムシタビンなど)の投与とを、ほぼ同時に(例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、または7日間のうちのいずれか以内に)終了する。一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与を、ナノ粒子組成物の投与を終了した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかにわたり)継続する。一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与を、ナノ粒子組成物の投与を開始した後(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかの後)に開始する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与とを、ほぼ同時に開始し、終了する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与とを、ほぼ同時に開始し、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与を、ナノ粒子組成物の投与を終了した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかにわたり)継続する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与とを、ほぼ同時に終了し、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与を、ナノ粒子組成物の投与を開始した後、(例えば、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、または12カ月間のうちのいずれかの後)開始する。
一部の実施形態では、方法が、1つより多い処置サイクルを含み、この場合、これらの処置サイクルのうちの少なくとも1つが、(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、ならびに(b)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)の投与を含む。一部の実施形態では、処置サイクルが、約21日間以上(約21日間など)(例えば4週間)を含む。一部の実施形態では、処置サイクルが、約21日間未満(例えば、毎週または毎日)を含む。一部の実施形態では、処置サイクルが約28日間を含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与と、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与とが、非共時的(non−concurrent)である。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物の投与を、治療剤(ゲムシタビンなど)を投与する前に終了する。一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)の投与を、ナノ粒子組成物を投与する前に終了する。これらの2つの非共時投与間の期間は、約4週間など、約2〜8週間の範囲でありうる。
薬物を含有するナノ粒子組成物および治療剤(ゲムシタビンなど)の投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程にわたり調整することができる。別個に投与する場合、薬物を含有するナノ粒子組成物と、治療剤(ゲムシタビンなど)とは、異なる投与頻度または異なる投与間隔で投与することができる。例えば、薬物を含有するナノ粒子組成物を毎週投与しうる一方で、治療剤(ゲムシタビンなど)は、より高頻度で投与することもでき、より低頻度で投与することもできる。一部の実施形態では、薬物を含有するナノ粒子および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の持続放出製剤を用いることができる。当技術分野では、持続放出を達成するための多様な製剤およびデバイスが公知である。例示的な投与頻度は本明細書中にさらに提供される。
ナノ粒子組成物と、治療剤(ゲムシタビンなど)とは、同じ投与経路を用いて投与することもでき、異なる投与経路を用いて投与することもできる。例示的な投与経路は本明細書中にさらに提供される。一部の実施形態では(同時投与および逐次投与のいずれについても)、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)と治療剤(ゲムシタビンなど)とを、所定の比で投与する。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサンと治療剤(ゲムシタビンなど)の重量比が、約1対1である。一部の実施形態では、重量比が、約0.001対約1〜約1000対約1の場合もあり、約0.01対約1〜100対約1の場合もある。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)と治療剤(ゲムシタビンなど)の重量比が、約100:1、50:1、30:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、および1:1のうちのいずれか未満である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)と治療剤(ゲムシタビンなど)の重量比が、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、30:1、50:1、100:1のうちのいずれかを超える。他の比も意図される。
タキサン(パクリタキセルなど)および/または治療剤(ゲムシタビンなど)に必要とされる用量は、各薬剤を単独で投与する場合に通常必要とされる用量よりも少ない可能性がある。したがって、一部の実施形態では、治療量未満の量の、ナノ粒子組成物中の薬物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)を投与する。「治療量未満の量(subtherapeutic amount)」または「治療レベル未満のレベル」とは、治療量(therapeutic amount)未満の量、すなわち、ナノ粒子組成物中の薬物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)を単独で投与する場合に通常用いられる量未満の量をいう。この低減は、所与の投与で投与される量に関して反映させることもでき、かつ/または所与の期間にわたり投与される量に関して反映させる(頻度の低減)こともできる。
一部の実施形態では、同程度の処置を実施するのに必要とされるナノ粒子組成物における薬物の通常用量を、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれより多くのうちのいずれかだけ低減することを可能とするのに十分な治療剤(ゲムシタビンなど)を投与する。一部の実施形態では、同程度の処置を実施するのに必要とされる治療剤(ゲムシタビンなど)の通常用量を、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれより多くのうちのいずれかだけ低減することを可能とするのに十分な、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)を投与する。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)、および治療剤(ゲムシタビンなど)の両方の用量を、単独で投与される場合の各々の対応する通常用量と比較して低減する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)、および治療剤(ゲムシタビンなど)の両方を、治療レベル未満のレベル、すなわち、低減させたレベルで投与する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量は、確立された最大毒性用量(maximum toxic dose)(MTD)よりも実質的に少ない。例えば、ナノ粒子組成物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量は、MTDの約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満または約10%未満である。
一部の実施形態では、タキサン(パクリタキセルなど)および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量を、各薬剤が単独で投与される場合に通常必要とされる用量と比較して多くする。例えば、一部の実施形態では、ナノ粒子組成物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量は、確立された最大毒性用量(MTD)よりも実質的に多い。例えば、ナノ粒子組成物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の用量は、単独で投与される場合のその薬剤のMTDの約50%超、約40%超、約30%超、約20%超または約10%超である。
当業者に理解されるように、治療剤(ゲムシタビンなど)の適切な用量は、おおよそ、治療剤(ゲムシタビンなど)が単独で投与されるか他の薬剤と組み合わせて投与される臨床治療において既に使用される用量である。投与量におけるバリエーションは、処置されている状態に依存して生じる可能性がある。上記に記載のように、一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)は、低減されたレベルで投与され得る。
ナノ粒子組成物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)は、例えば、非経口経路、静脈内経路、脳室内(intraventricular)経路、動脈内経路、腹腔内経路、肺内経路、経口経路、吸入経路、膀胱内(intravesicular)経路、筋肉内経路、気管内経路、皮下経路、眼内経路、髄腔内経路、経粘膜(transmucosal)経路、および経皮経路を含めた各種の経路を介して、個体(ヒトなど)に投与することができる。一部の実施形態では、組成物および/または治療剤(ゲムシタビンなど)の持続放出製剤を用いることができる。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、静脈内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、門脈内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、動脈内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、腹腔内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、髄腔内投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、脊髄液へと運ばれたカテーテル(ported catheter)を通して投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、脳室内に投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、全身投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、注入により投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、移植したポンプを通した注入により投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、脳室カテーテルにより投与する。一部の実施形態では、組成物(および/または治療剤(ゲムシタビンなど))を、ポートまたは留置ポートを通して投与する。一部の実施形態では、このポートまたは留置ポートは、静脈(頸静脈、鎖骨下静脈または上大静脈など)中に挿入される。
一部の実施形態では、個体における膵臓がん(例えば、転移性膵臓腺癌)を処置する方法が提供され、この方法は、(a)タキサン(パクリタキセルなど)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;ならびに(b)有効量の治療剤(ゲムシタビンなど)を上記個体に投与するステップを含み、上記ナノ粒子組成物におけるタキサン(パクリタキセルなど)の用量は、約50mg/m2〜約400mg/m2の間(例えば、約100mg/m2〜約300mg/m2、約100mg/m2〜約200mg/m2、または約100mg/m2〜約150mg/m2、または約100mg/m2、または約125mg/m2、または約150mg/m2を含む)であり、治療剤(ゲムシタビンなど)の量(用量)は、約500mg/m2〜約2000mg/m2(例えば、約750mg/m2〜約1500mg/m2、約800mg/m2〜約1200mg/m2、約750mg/m2、約1000mg/m2、約1250mg/m2、または約1500mg/m2)である。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物は、4週間のうちの3週間にわたって毎週、または毎週投与される。一部の実施形態では、治療剤(ゲムシタビンなど)は、4週間のうちの3週間にわたって毎週、または毎週投与される。
一部の実施形態では、この治療剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、上記ナノ粒子組成物におけるパクリタキセルの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約125mg/m2であり、ゲムシタビンの用量は、各28日サイクルの1日目、8日目および15日目の約1000mg/m2である。一部の実施形態では、このゲムシタビンは、ナノ粒子組成物の投与の完了の直後に投与される。
本明細書に記載される投与構成の組合せを用いることができる。本明細書に記載される方法は、単独で実施することもでき、化学療法、放射線療法、手術、ホルモン療法、遺伝子療法、免疫療法、化学免疫療法、寒冷療法、超音波療法、肝移植、局所焼灼療法(local ablative therapy)、無線周波数焼灼療法(radiofrequency ablation therapy)、光ダイナミック療法など、追加の療法と組み合わせて実施することもできる。
ナノ粒子組成物
本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(例えば、パクリタキセル)と、アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)(から本質的になる様々な実施形態において)含むナノ粒子を含み得る。水溶性が乏しい薬物(タキサンなど)のナノ粒子は、例えば、それらの各々が参照によりそれらの全体において組み込まれる、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;および同第6,537,579号において開示され、また、米国特許出願公開第2005/0004002号、同第2006/0263434号および同第2007/0082838号;PCT特許出願第WO08/137148号においても開示されている。一部の実施形態では、この不十分に水に不溶性の薬物(the poorly water insoluble drug)は、タキサン(パクリタキセルまたはドセタキセルなど)である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物におけるナノ粒子の平均直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)の直径が、例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nmのうちのいずれか以下を含む、約200nm以下である。一部の実施形態では、組成物におけるナノ粒子のうちの少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれか1つ)が、例えば、約20〜約200nm、約40〜約200nm、約30〜約180nm、ならびに約40〜約150nm、約50〜約120nm、および約60〜約100nmを含む、約20〜約400nmの範囲内に収まる。
一部の実施形態では、アルブミンが、ジスルフィド結合を形成しうるスルフヒドリル基を有する。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンのうちの少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のうちのいずれか1つを含む)が、架橋されている(例えば、1またはそれより多くのジスルフィド結合を介して架橋されている)。
一部の実施形態では、ナノ粒子が、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)でコーティングされたタキサン(例えば、パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、組成物が、ナノ粒子形態および非ナノ粒子形態の両方でのタキサン(例えば、パクリタキセル)を含み、組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)のうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかがナノ粒子形態である。一部の実施形態では、ナノ粒子中のタキサン(例えば、パクリタキセル)が、ナノ粒子の重量で約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかを構成する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、非ポリマーマトリックスを有する。一部の実施形態では、ナノ粒子が、ポリマー材料(ポリマーマトリックスなど)を実質的に含まないタキサン(例えば、パクリタキセル)のコアを含む。
一部の実施形態では、組成物が、その組成物のナノ粒子部分および非ナノ粒子部分の両方においてアルブミンを含み、組成物におけるアルブミンのうちの少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のうちのいずれかが、組成物の非ナノ粒子部分にある。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサン(例えば、パクリタキセル)との重量比が、約15:1以下、例えば、約10:1以下など、約18:1以下である。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサン(例えば、パクリタキセル)との重量比が、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約13:1、約4:1〜約12:1、または約5:1〜約10:1のうちのいずれかの範囲内に収まる。一部の実施形態では、組成物のナノ粒子部分におけるアルブミンとタキサン(例えば、パクリタキセル)との重量比が、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:15以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサン(例えば、パクリタキセル)との重量比が、以下:約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1:1のうちのいずれかである。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、上記の特徴のうちの1または複数を含む。
本明細書に記載されるナノ粒子は、乾燥製剤(凍結乾燥組成物など)で存在させる場合もあり、生体適合性媒体中に懸濁させる場合もある。適切な生体適合性媒体には、水、水性緩衝媒体、生理食塩液、緩衝生理食塩液、アミノ酸の必要に応じて緩衝化させた溶液、タンパク質の必要に応じて緩衝化させた溶液、糖の必要に応じて緩衝化させた溶液、ビタミンの必要に応じて緩衝化させた溶液、合成ポリマーの必要に応じて緩衝化させた溶液、脂質含有エマルジョンなどが含まれるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、薬学的に許容されるキャリアは、ヒト血清アルブミンを含む。一部の実施形態では、アルブミン(例えば、HSA)は組換えアルブミンである。ヒト血清アルブミン(HSA)とは、Mr65Kの高度に可溶性の球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは、血漿中で最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧のうちの70〜80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、合計17個のジスルフィド架橋、1個の遊離チオール(Cys34)、および単一のトリプトファン(Trp214)を含有する。HSA溶液の静脈内使用は、血液量減少性ショック(hypovolumic shock)の予防および処置に適用があり(例えば、Tullis、JAMA、237巻、355〜360頁、460〜463頁(1977年)、およびHouserら、Surgery、Gynecology and Obstetrics、150巻、811〜816頁(1980年)を参照されたい)、新生児高ビリルビン血症の処置における交換輸血と共に行われる(例えば、Finlayson、Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85〜120頁(1980年)を参照されたい)。ウシ血清アルブミンなど、他のアルブミンも意図される。このような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、獣医学(家庭用ペットおよび農業上の状況を含む)など、非ヒト哺乳動物においてこれらの組成物を使用する状況で適切でありうる。
ヒト血清アルブミン(HSA)は、複数の疎水性結合部位(HSAの内因性リガンドである脂肪酸について、合計8つ)を有し、タキサンの多様なセット、特に、中性の疎水性化合物および負に荷電した疎水性化合物に結合する(Goodmanら、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、9版、McGraw−Hill New York(1996年))。極性リガンド特徴に対する結合点として機能する表面近傍の荷電リシン残基および荷電アルギニン残基を伴う、極めて細長い疎水性ポケットである、HSAのIIAサブドメインおよびIIIAサブドメインでは、2つの高アフィニティーの結合部位が提起されている(例えば、Fehskeら、Biochem. Pharmcol.、30巻、687〜92頁(198a)、Vorum、Dan. Med. Bull.、46巻、379〜99頁(1999年)、Kragh−Hansen、Dan. Med. Bull.、1441巻、131〜40頁(1990年)、Curryら、Nat. Struct. Biol.、5巻、827〜35頁(1998年)、Sugioら、Protein. Eng.、12巻、439〜46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209〜15頁(199b)、およびCarterら、Adv. Protein. Chem.、45巻、153〜203頁(1994年)を参照されたい)。パクリタキセルおよびプロポフォールは、HSAに結合することが示されている(例えば、Paalら、Eur. J. Biochem.、268巻(7号)、2187〜91頁(200a)を参照されたい)。
組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)は一般に、タキサン(例えば、パクリタキセル)のキャリアとして役立つ、すなわち、組成物におけるアルブミンは、アルブミンを含まない組成物と比較して、タキサン(例えば、パクリタキセル)を、水性媒体中でより容易に懸濁可能とするか、またはこの懸濁物を維持する一助となる。これは、タキサン(例えば、パクリタキセル)を可溶化するための毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を回避することが可能であり、これにより、個体(ヒトなど)にタキサン(例えば、パクリタキセル)を投与することによる1またはそれより多くの副作用を軽減しうる。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載される組成物が、Cremophor(Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、界面活性剤を実質的に含まない(界面活性剤を含まないなど)。ナノ粒子組成物を個体に投与するとき、組成物におけるCremophorまたは界面活性剤の量が、その個体において1またはそれより多くの副作用を引き起こすのに十分でない場合は、その組成物は、「Cremophorを実質的に含まない」か、または「界面活性剤を実質的に含まない」。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%、または1%のうちのいずれか未満の有機溶媒または界面活性剤を含有する。
本明細書に記載される組成物におけるアルブミンの量は、その組成物における他の成分に応じて変化する。一部の実施形態では、組成物が、水性懸濁物、例えば、安定的なコロイド状懸濁物(ナノ粒子の安定的な懸濁物など)の形態でタキサン(例えば、パクリタキセル)を安定化させるのに十分な量でアルブミンを含む。一部の実施形態では、アルブミンが、水性媒体におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の沈降速度を低減する量である。粒子含有組成物の場合、アルブミンの量はまた、タキサン(例えば、パクリタキセル)のナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。
タキサン(例えば、パクリタキセル)は、少なくとも約0.1時間、0.2時間、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、24時間、36時間、48時間、60時間、または72時間のうちのいずれかにわたるなど、長時間にわたり水性媒体において懸濁されたままである(目視可能な沈殿も沈降もないなど)場合、タキサンは、水性懸濁物中で「安定化」されている。懸濁物は一般に、個体(ヒトなど)への投与に適するが、必ずしもそうではない。懸濁物の安定性は一般に、保存温度(室温(20〜25℃など)または冷蔵条件(4℃など)など)で評価する(しかし、必ずしもそうではない)。例えば、懸濁物の調製後約15分で、懸濁物が、肉眼で目視可能なフロキュレーションも粒子凝集も、または1000倍の光学顕微鏡下で観察したときにフロキュレーションも粒子凝集も示さない場合、その懸濁物は、保存温度で安定的である。安定性はまた、約40℃より高温の温度など、加速試験条件下でも評価することができる。
一部の実施形態では、アルブミンが、特定の濃度の水性懸濁物においてタキサン(例えば、パクリタキセル)を安定化させるのに十分な量で存在する。例えば、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度は、例えば、約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、約5mg/mlのうちのいずれかを含む、約0.1〜約100mg/mlである。一部の実施形態では、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度が、約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物が、界面活性剤(Cremophorなど)を含まないか、または実質的に含まないように、アルブミンが、界面活性剤(Cremophorなど)の使用を回避する量で存在する。
一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.1%〜約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))のアルブミンを含む。一部の実施形態では、液体形態にある組成物が、約0.5%〜約5%(w/v)のアルブミンを含む。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるアルブミン、例えば、アルブミン対タキサン(例えば、パクリタキセル)の重量比が、十分な量のタキサン(例えば、パクリタキセル)が、細胞に結合するか、または細胞により輸送されるような重量比である。アルブミンとタキサン(例えば、パクリタキセル)との異なる組合せに対して、アルブミン対タキサン(例えば、パクリタキセル)の重量比を最適化しなければならないが、一般に、アルブミン、例えば、アルブミン対タキサン(例えば、パクリタキセル)の重量比(w/w)は、約0.01:1〜約100:1、約0.02:1〜約50:1、約0.05:1〜約20:1、約0.1:1〜約20:1、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約12:1、約4:1〜約10:1、約5:1〜約9:1、または約9:1である。一部の実施形態では、アルブミン対タキサン(例えば、パクリタキセル)の重量比が、約18:1以下、15:1以下、14:1以下、13:1以下、12:1以下、11:1以下、10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、および3:1以下のうちのいずれかである。一部の実施形態では、組成物におけるアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)とタキサン(例えば、パクリタキセル)との重量比が、以下:約1:1〜約18:1、約1:1〜約15:1、約1:1〜約12:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約9:1、約1:1〜約8:1、約1:1〜約7:1、約1:1〜約6:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約4:1、約1:1〜約3:1、約1:1〜約2:1、または約1:1〜約1:1のうちのいずれか1つである。
一部の実施形態では、アルブミンにより、組成物を、個体(ヒトなど)に、重大な副作用なしに投与することが可能となる。一部の実施形態では、アルブミン(ヒト血清アルブミンなど)が、ヒトへのタキサン(例えば、パクリタキセル)投与の1またはそれより多くの副作用を軽減するのに有効な量である。「投与の1またはそれより多くの副作用を軽減すること」という用語は、タキサン(例えば、パクリタキセル)により引き起こされる1またはそれより多くの望ましくない作用、ならびにタキサン(例えば、パクリタキセル)を送達するのに用いられる送達ビヒクル(タキサン(例えば、パクリタキセル)を注射に適するものとする溶媒など)により引き起こされる副作用の軽減、緩和、除去、または回避をいう。一部の実施形態では、1またはそれより多くの副作用は、有害な副作用(AE)である。一部の実施形態では、1またはそれより多くの副作用は、重篤な有害副作用(SAE)である。このような副作用には、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、末梢性神経障害、好中球減少性発熱(neutropenic fever)、アナフィラキシー反応、静脈血栓症(venous thrombosis)、管外遊出、およびこれらの組合せが含まれる。しかし、これらの副作用は、例示的なものであるに過ぎず、タキサン(例えば、パクリタキセル)と関連する他の副作用または副作用の組合せも軽減することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、パクリタキセルおよびヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、タキサン(パクリタキセルなど)およびアルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、パクリタキセルおよびヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、アルブミン(ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたタキサン(パクリタキセルなど)を含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1以下(約9:1など)である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)によって安定化されたパクリタキセルを含むナノ粒子を含み、このナノ粒子は、約130nmの平均直径を有し、この組成物におけるアルブミンとタキサンの重量比は、約9:1である。
一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Abraxane(登録商標)(Nab−パクリタキセル)を含む。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物が、Abraxane(登録商標)(Nab−パクリタキセル)である。Abraxane(登録商標)とは、ヒトアルブミンUSPにより安定化させたパクリタキセルの製剤であり、直接注射可能な生理学的溶液中で分散させることができる。0.9%塩化ナトリウム注射液または5%デキストロース注射液など、適切な水性媒体中で分散させると、Abraxane(登録商標)は、パクリタキセルの安定的なコロイド状懸濁物を形成する。コロイド状懸濁物におけるナノ粒子の平均粒子サイズは、約130ナノメートルである。HSAは、水中で際限なく(freely)可溶性であるので、例えば、約2mg/ml〜約8mg/ml、約5mg/mlを含む、希釈(約0.1mg/mlのパクリタキセル)〜濃縮(約20mg/mlのパクリタキセル)の範囲にわたる広範な濃度で、Abraxane(登録商標)を再構成することができる。
当技術分野では、ナノ粒子組成物を作製する方法が公知である。例えば、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含有するナノ粒子は、高せん断力条件(例えば、超音波処理、高圧ホモジナイゼーションなど)下で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号;および同第6,537,579号において開示され、また、米国特許出願公開第2005/0004002号、同第2007/0082838号、同第2006/0263434号、ならびにPCT出願第WO08/137148号および同第WO08/109163号においても開示されている。
簡潔に言うと、タキサン(例えば、パクリタキセル)を、有機溶媒中に溶解させ、この溶液を、アルブミン溶液へと添加することができる。この混合物を、高圧ホモジナイゼーションに供する。次いで、蒸発により有機溶媒を除去することができる。得られた分散物を、さらに凍結乾燥させることができる。適切な有機溶媒には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野で公知の他の溶媒が含まれる。例えば、有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノール(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1の比による)でありうる。
ナノ粒子組成物における他の成分
本明細書に記載されるナノ粒子は、他の薬剤、賦形剤、または安定化剤を含む組成物中に存在させることができる。例えば、ナノ粒子の負のゼータ電位を増大させることにより安定性を増大させるために、特定の負に荷電した成分を添加することができる。負に荷電したこのような成分には、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸などからなる胆汁酸による胆汁酸塩、以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンが含まれるレシチン(卵黄)ベースのリン脂質を含めたリン脂質が含まれるがこれらに限定されない。他のリン脂質は、L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearyolphosphatidylcholine)(DSPC)、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物を含む。例えば、硫酸コレステリルナトリウムなど、負に荷電した界面活性剤または乳化剤もまた、添加剤として適する。
一部の実施形態では、組成物が、ヒトへの投与に適する。一部の実施形態では、組成物が、獣医学の状況において、家庭用ペットおよび農業用動物などの哺乳動物への投与に適する。多種多様なナノ粒子組成物の適切な製剤が存在する(例えば、米国特許第5,916,596号および同第6,096,331号を参照されたい)。以下の製剤および方法は、例示的なものであるに過ぎず、全く限定的なものではない。経口投与に適する製剤は、(a)水、生理食塩液、またはオレンジジュースなどの希釈剤中に溶解させた有効量の化合物などの液体溶液、(b)各々が、固体または顆粒として、所定量の有効成分を含有する、カプセル、小袋(sachet)、または錠剤、(c)適切な液体中の懸濁物、および(d)適切なエマルジョンからなる場合がある。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、微晶質セルロース、アカシアガム、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびに他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、保湿剤(moistening agent)、防腐剤、矯味矯臭剤、および薬理学的に適合性の賦形剤のうちの1または複数を包含しうる。ロゼンジ形態は、矯味矯臭薬(通常はスクロースおよびアカシアガムまたはトラガカントガム)中の有効成分、ならびに、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアガムなどの不活性基剤中に有効成分を含む香錠、有効成分に加えて当技術分野で公知の賦形剤などの賦形剤を含有するエマルジョン、ゲルなどを含み得る。
適するキャリア、賦形剤、および希釈剤の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントガム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩溶液、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシ安息香酸塩およびプロピルヒドロキシ安息香酸塩、滑石、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油が含まれるがこれらに限定されない。製剤は、さらに、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、防腐剤、甘味剤、または矯味矯臭剤も含み得る。
非経口投与に適する製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および、製剤意図されるレシピエントの血液と適合性にする溶質を含有しうる水性および非水性で等張性の滅菌注射液と、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤(thickening agent)、安定化剤、および防腐剤を包含しうる水性および非水性の滅菌懸濁物とが含まれる。製剤は、アンプルおよびバイアルなど、単位用量または複数回用量の密封容器内に存在させることが可能であり、使用の直前に、注射用の滅菌液体賦形剤、例えば、水の添加だけを必要とする凍結乾燥(freeze−dried (lyophilized))条件下で保存することが可能である。既に説明した種類の滅菌粉末、滅菌顆粒、および滅菌錠剤から、即席の注射液および懸濁物を調製することができる。注射用製剤が好ましい。
一部の実施形態では、例えば、約5.0〜約8.0、約6.5〜約7.5、および約6.5〜約7.0のうちのいずれかのpH範囲を含む、pH範囲が約4.5〜約9.0となるように組成物を処方する。一部の実施形態では、例えば、約6.5、7、または8(約8など)のうちのいずれか以上を含む、組成物のpHを約6以上となるように処方する。また、グリセロールなど、適切な張度修飾剤(tonicity modifier)を添加することにより、組成物を血液と等張性とすることもできる。
キット、医薬、および組成物
本発明はまた、本明細書に記載される方法のうちのいずれかで使用するためのキット、医薬、組成物、および単位剤形も提供する。
本発明のキットは、タキサン(例えば、パクリタキセル)含有ナノ粒子組成物(または単位剤形および/もしくは製品)および/または治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む1つまたはそれより多くの容器を含み、一部の実施形態では、処置する方法、応答性を評価する方法、モニタリングする方法、個体を同定する方法、および処置のために患者を選択する方法を含む本明細書に記載される方法のうちのいずれかに従う使用のための指示をさらに含み、この処置は、試料における配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34、Q61、K117またはA146からなる群より選択される1またはそれより多くのK−ras位置において決定されたK−ras変異状態に基づいて、a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子ならびに/またはb)治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む。
本発明のキットはまた、タキサン(例えば、パクリタキセル)含有ナノ粒子組成物(または単位剤形および/もしくは製品)および/または治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む1つまたはそれより多くの容器を含み、一部の実施形態では、処置する方法、応答性を評価する方法、モニタリングする方法、個体を同定する方法、および処置のために患者を選択する方法を含む本明細書に記載される方法のうちのいずれかに従う使用のための指示をさらに含み、この処置は、試料における配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、S17、P34またはQ61からなる群より選択される1またはそれより多くのK−ras位置において決定されたK−ras変異状態に基づいて、a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子ならびに/またはb)治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む。
本発明のキットはまた、タキサン(例えば、パクリタキセル)含有ナノ粒子組成物(または単位剤形および/もしくは製品)および/または治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む1つまたはそれより多くの容器を含み、一部の実施形態では、処置する方法、応答性を評価する方法、モニタリングする方法、個体を同定する方法、および処置のために患者を選択する方法を含む本明細書に記載される方法のうちのいずれかに従う使用のための指示をさらに含み、この処置は、試料における配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13、Q61、K117またはA146からなる群より選択される1またはそれより多くのK−ras位置において決定されたK−ras変異状態に基づいて、a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子ならびに/またはb)治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む。
本発明のキットはまた、タキサン(例えば、パクリタキセル)含有ナノ粒子組成物(または単位剤形および/もしくは製品)および/または治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む1つまたはそれより多くの容器を含み、一部の実施形態では、処置する方法、応答性を評価する方法、モニタリングする方法、個体を同定する方法、および処置のために患者を選択する方法を含む本明細書に記載される方法のうちのいずれかに従う使用のための指示をさらに含み、この処置は、試料における配列番号2のK−rasアミノ酸配列のG12、G13またはQ61からなる群より選択される1またはそれより多くのK−ras位置において決定されたK−ras変異状態に基づいて、a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子ならびに/またはb)治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む。
本発明のキットはまた、タキサン(例えば、パクリタキセル)含有ナノ粒子組成物(または単位剤形および/もしくは製品)および/または治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む1つまたはそれより多くの容器を含み、一部の実施形態では、処置する方法、応答性を評価する方法、モニタリングする方法、個体を同定する方法、および処置のために患者を選択する方法を含む本明細書に記載される方法のうちのいずれかに従う使用のための指示をさらに含み、この処置は、表1から選択される1またはそれより多くのK−ras位置において決定されたK−ras変異状態に基づいて、a)タキサンおよびアルブミンを含むナノ粒子ならびに/またはb)治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む。キットは、処置に適する個体を選択することの説明を含みうる。本発明のキットに供給される指示は、ラベルまたはパッケージの添付文書(例えば、キット内に包含される紙製シート)に書かれた指示であることが典型的であるが、機械により読み取り可能な指示(例えば、磁気的保存ディスクまたは光学的保存ディスク上に保持された指示)もまた許容可能である。
例えば、一部の実施形態では、このキットは、a)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物と、b)有効量の治療剤(例えば、ゲムシタビン)と、c)G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61H。他の実施形態では、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vからなる群より選択されるK−ras変異。なお他の実施形態では、G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hからなる群より選択されるK−ras変異をスクリーニングするための指示とを含む。
ナノ粒子と、治療剤(ゲムシタビンなど)とは、別個の容器に存在させることもでき、単一の容器に存在させることもできる。例えば、キットは、1つの異なる組成物を含む場合もあり、2つまたはそれより多くの組成物を含み、一方の組成物がナノ粒子を含み、もう一方の組成物が治療剤(ゲムシタビンなど)を含む場合もある。
本発明のキットは、適切なパッケージ(packaging)中に存在する。適切なパッケージには、バイアル、ボトル、ジャー、可撓性のパッケージ(例えば、Mylarバッグまたはプラスティック製のバッグ)などが含まれるがこれらに限定されない。キットは場合によって、緩衝剤および解釈情報など、さらなる構成要素も提供しうる。したがって、本出願はまた、バイアル(密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、可撓性パッケージなどを含む製品も提供する。
上記指示はまた、タキサン(パクリタキセルなど)ナノ粒子組成物および治療剤(ゲムシタビンなど)の使用に関する指示を包含し得、これは一般に、意図される処置のための投与量、投与スケジュール、および投与経路についての情報を包含する。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の投与量は、約50〜約125mg/m2の間であり、治療剤(例えば、ゲムシタビン)の投与量は、約5mg/kg〜約60mg/kgの間である。一部の実施形態では、ゲムシタビンの量(用量)は、例えば、約75mg/m2〜約1500mg/m2、約800mg/m2〜約1200mg/m2、約750mg/m2、約1000mg/m2、約1250mg/m2、約1500mg/m2、または約2000mg/m2を含め、約500mg/m2〜約2000mg/m2の間である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の投与量は、毎週約50〜約125mg/m2の間であり、治療剤(例えば、ゲムシタビン)の投与量は、1週間ごとに1回、約500mg/m2〜約2000mg/m2の間(例えば、約75mg/m2〜約1500mg/m2または約1000mg/m2)である。一部の実施形態では、ナノ粒子組成物におけるタキサン(例えば、パクリタキセル)の投与量は、4週間のうちの3週間にわたって毎週約125mg/m2であり、治療剤(例えば、ゲムシタビン)の投与量は、4週間のうちの3週間にわたって毎週約1000mg/m2である。
一部の実施形態では、このタキサン(例えば、パクリタキセル)ナノ粒子組成物および/または治療剤(例えば、ゲムシタビン)は、静脈内投与される。一部の実施形態では、このタキサン(例えば、パクリタキセル)ナノ粒子組成物および治療剤(例えば、ゲムシタビン)は、静脈内投与される。一部の実施形態では、治療剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、この指示は、タキサン(例えば、パクリタキセル)ナノ粒子組成物および/または治療剤(例えば、ゲムシタビン)が静脈内投与されることを示す。一部の実施形態では、この指示は、タキサン(例えば、パクリタキセル)ナノ粒子組成物および治療剤(例えば、ゲムシタビン)が静脈内投与されることを示す。一部の実施形態では、この指示は、治療剤がゲムシタビンであることを示す。
容器は、単位用量の場合もあり、バルクパッケージ(例えば、複数回用量パッケージ)の場合もあり、または部分単位用量(sub−unit dose)の場合もある。例えば、1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間またはそれより長くのうちのいずれかなどの長期間にわたり、個体の有効な処置をもたらすのに十分な投与量の、本明細書で開示されるタキサン(例えば、パクリタキセル)を含有するキットを提供することができる。
キットはまた、複数単位用量のタキサン(例えば、パクリタキセル)および医薬組成物および使用のための指示を包含し、薬局、例えば、院内薬局および調剤薬局において保存および使用されるのに十分な量でこれを包装することも可能である。
また、本明細書に記載される方法に有用な医薬、組成物、および単位剤形も提供される。一部の実施形態では、治療剤(例えば、ゲムシタビン)と組み合わせたがんの処置に使用するための医薬(または組成物もしくは単位剤形)が提供され、これは、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、この治療剤(例えば、ゲムシタビン)。一部の実施形態では、がんの処置に使用するための医薬(または組成物もしくは単位剤形)が提供され、これは、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびアルブミン(ヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子および治療剤(例えば、ゲムシタビン)を含む。
(実施例1)
K−ras変異を有する患者における転移性膵臓がんを処置する方法
転移性膵臓がんを有すると診断された患者を、K−ras変異状態について評価する。具体的には、この患者由来の生検試料を配列分析に供して、K−ras上の以下のアミノ酸位置:G12、G13、S17、P34またはQ61のうちの1またはそれより多くにおける変異状態を決定する。この患者が、以下の変異:G12C、G12S、G12R、G12F、G12L、G12N、G12A、G12D、G12V、G13C、G13S、G13D、G13V、G13P、S17G、P34S、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hのうちの1またはそれより多くを有する場合、この患者を処置のために同定する。次いで、Abraxaneおよびゲムシタビンを、4週間サイクルの1日目、8日目、15日目の125mg/m2の用量で、この患者に投与する。
(実施例2)
K−ras変異を有する患者における黒色腫を処置する方法
黒色腫を有すると診断された患者を、K−ras変異状態について評価する。具体的には、この患者由来の生検試料を配列分析に供して、K−ras上の以下のアミノ酸位置:G12、G13、Q61またはF156のうちの1またはそれより多くにおける変異状態を決定する。この患者が、以下の変異:G12C、G12R、G12S、G12D、G12V、G13D、Q61K、Q61R、Q61L、Q61HおよびF156Lのうちの1またはそれより多くを有する場合、この患者を処置のために同定する。次いで、Abraxaneおよびゲムシタビンを、4週間サイクルの1日目、8日目、15日目の100mg/m2の用量で、この患者に投与する。
(実施例3)
K−ras変異を有する患者における非小細胞肺がんを処置する方法
非小細胞肺がんを有すると診断された患者を、K−ras変異状態について評価する。具体的には、この患者由来の生検試料を配列分析に供して、K−ras上の以下のアミノ酸位置:G12、G13またはQ61のうちの1またはそれより多くにおける変異状態を決定する。この患者が、以下の変異:G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、Q61K、Q61L、Q61RおよびQ61Hのうちの1またはそれより多くを有する場合、この患者を処置のために同定する。次いで、Abraxaneおよびゲムシタビンを、4週間サイクルの1日目、8日目、15日目の100mg/m2の用量で、この患者に投与する。
(実施例4)
K−ras変異を有する患者における結腸直腸がんを処置する方法
結腸直腸がんを有すると診断された患者を、K−ras変異状態について評価する。具体的には、この患者由来の生検試料を配列分析に供して、K−ras上の以下のアミノ酸位置:G12、G13、Q61、K117またはA146のうちの1またはそれより多くにおける変異状態を決定する。この患者が、以下の変異:G12C、G12R、G12S、G12A、G12D、G12V、G13C、G13R、G13S、G13A、G13D、G13V、Q61K、Q61L、Q61R、Q61H、K117N、A146P、A146TおよびA146Vのうちの1またはそれより多くを有する場合、この患者を処置のために同定する。次いで、Abraxaneおよびゲムシタビンを、4週間サイクルの1日目、8日目、15日目の100mg/m2の用量で、この患者に投与する。
(実施例5)
K−ras変異を有する患者における乳がんを処置する方法
乳がんを有すると診断された患者を、K−ras変異状態について評価する。具体的には、この患者由来の生検試料を配列分析に供して、K−ras上の以下のアミノ酸位置:G12、G13またはQ61、のうちの1またはそれより多くにおける変異状態を決定する。この患者が、以下の変異:G12C、G12R、G12A、G12D、G12V、G13DおよびQ61Lのうちの1またはそれより多くを有する場合、この患者を処置のために同定する。次いで、Abraxaneおよびゲムシタビンを、4週間サイクルの1日目、8日目、15日目の100mg/m2の用量で、この患者に投与する。
(実施例6)
K−ras変異を有する患者における卵巣がんの方法
卵巣がんを有すると診断された患者を、K−ras変異状態について評価する。具体的には、この患者由来の生検試料を配列分析に供して、K−ras上の以下のアミノ酸位置:G12またはG13のうちの1またはそれより多くにおける変異状態を決定する。この患者が、以下の変異:G12C、G12R、G12A、G12D、G12VおよびG13Dのうちの1またはそれより多くを有する場合、この患者を処置のために同定する。次いで、Abraxaneおよびゲムシタビンを、4週間サイクルの1日目、8日目、15日目の100mg/m2の用量で、この患者に投与する。